説明

中空導波路およびレーザ治療装置

【課題】レーザ光57aの伝送効率向上と湾曲に対する破損防止という相反する2つの課題を解決する中空導波路60,60A,60B,60Cおよびレーザ治療装置50を提供することを目的とする。
【解決手段】中空導波路60は、内部中空の長尺状に形成されて内面が誘電体薄膜67で被覆されレーザ光57aを導光する可撓性のある中空導波路61,65を軸方向に接続して構成され、出射端側中空導波路65が光源側中空導波路61に比べて柔軟性のある素材で形成されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えばレーザ治療を行うようなレーザ治療装置およびこのレーザ治療装置に用いる中空導波路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、患者への負担が少なく治療できる治療方法として、内視鏡を用いる治療方法が実施されている。この内視鏡を用いた治療は、内視鏡チューブを口腔等から体内に挿入し、この内視鏡チューブの先端構成部を用いて撮像や施術を行うものである。
【0003】
撮像は、先端構成部から照明光を照射し、この照明光の体内組織による反射光を前記先端構成部に設けられたレンズで受け取って内視鏡チューブから内視鏡本体装置に伝送し、内視鏡本体装置が画像化して表示装置に表示することで実行される。
【0004】
施術は、チャンネルと呼ばれる鉗子挿入口から適宜の鉗子が挿入され、先端構成部の鉗子出口から出てくる鉗子先端により実施される。鉗子としては、握持鉗子やナイフ等の様々な器具が用いられる。
【0005】
この鉗子挿入口から挿入されて施術に用いられる器具として、レーザ治療装置を用いるものが提案されている(特許文献1参照)。この特許文献1には、内視鏡にてCOレーザを用いることが記載されている。
【0006】
また、レーザ光を伝送する部材として、屈曲ファイバを用いること(特許文献2参照)、中空導波路同士を接続して長尺化すること(特許文献3参照)、中空導波路と中空プローブを接続して先端まで伝送効率を高めること(特許文献4参照)などが提案されている。
【0007】
ここで、病変部(患部)を探索したり、観察したりする目的に適うよう、内視鏡の先端部分には、施術者の操作によって上下左右の様々な方向に湾曲する湾曲管部が設けられている。このため、内視鏡の先端部分の湾曲動作をなす部分に挿通されるレーザ光を伝送する部材については特に、湾曲管部内で内視鏡の先端部分の動きにあわせて柔軟に湾曲することが求められる。そうすると、湾曲すると割れてしまうガラス素材などは好ましくなく、湾曲に耐えられる素材が求められることになる。
【0008】
また、内視鏡のチューブは、湾曲管部に至るまでの挿入部が長い。このため、レーザ光を伝送する部材には、この長い距離でもレーザ光を必要な出力強度を維持して伝送することが求められる。そうすると、ガラス素材など表面の円滑度の高い素材によりレーザ光の伝送効率を高めることが好ましい。
【0009】
しかし、上述した各特許文献の技術では、このレーザ光の伝送効率の向上と、湾曲に対する破損防止という相反する2つの課題を解決することはできなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特表2007−533374号公報
【特許文献2】特開昭61−273517号公報
【特許文献3】特開平4−174804号公報
【特許文献4】特開平10−221544号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
この発明は、上述した問題に鑑み、レーザ光の伝送効率向上と湾曲に対する破損防止という相反する2つの課題を解決する中空導波路およびレーザ治療装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明は、内部中空の長尺状に形成されて内面が誘電体薄膜で被覆されレーザ光を導光する可撓性のある中空導波路を軸方向に接続して構成され、レーザ出射端側の中空導波路がレーザ光源側の中空導波路に比べて柔軟性のある素材で形成されている中空導波路であることを特徴とする。
【0013】
前記柔軟性素材は、ポリカーボネートや熱可塑性樹脂、あるいは弾性金属など、湾曲可能な素材とすることができる。また、弾性金属としては、ニッケルチタンなどの超弾性合金や形状記憶合金とすることもできる。
前記レーザ光源側の中空導波路は、例えばガラスなど表面の円滑度が高く伝送効率の高い素材により形成することができる。
【0014】
前記誘電体薄膜は、COP(環状オレフィンポリマー)やポリイミドなど、レーザ光を反射する適宜の素材で形成することができる。
【0015】
この発明により、レーザ光の伝送効率向上と湾曲に対する破損防止という相反する2つの課題を解決することができる。すなわち、中空導波路が内視鏡の鉗子チャンネルに挿入されて用いられる場合、先端付近の所定範囲が極端に湾曲動作することとなるが、この湾曲動作部分に柔軟性素材が位置することで破損を防止できる。また、レーザ光源側は柔軟性が劣っていても伝送効率の高い素材を用いてレーザ光を伝送できるため、伝送効率向上も果たすことができる。
【0016】
さらに湾曲動作部分に挿通される、柔軟性素材で形成した出射端側の中空導波路の内面も、できるだけ高い伝送効率を確保するために、レーザ光源側の中空導波路の内面と同様に、誘電体薄膜で被覆されているので、施術などの作業に充分なレーザ光の照射を行うことができる。
【0017】
この発明の態様として、前記中空導波路の外径を、内視鏡の鉗子挿入路の内径より細く該鉗子挿入路の全長より長く形成することができる。
これにより、中空導波路を内視鏡の鉗子挿入路に挿入して使用することができる。
【0018】
またこの発明の態様として、前記レーザ出射端側の中空導波路と、レーザ光源側の中空導波路とを、着脱自在に接続する接続手段を備えることができる。
前記接続手段は、所定温度まで加熱されることによって収縮し、収縮後に刃物等の鋭利な部材等による切り分けも可能な円筒形の締結部材、雄ネジと雌ネジ、凸部と凹部など、適宜の接続手段により構成することができる。
この発明により、レーザ出射端側の中空導波路を着脱することができ、例えば施術毎に交換して使用するといったことを容易に行える。
【0019】
またこの発明の態様として、前記レーザ出射端側の中空導波路は、外力によって湾曲されても元の状態に復元する弾性力を有する構成とすることができる。
これにより、局所的に湾曲するようなことがあっても復元でき、レーザ光を問題なく伝達することができる。
【0020】
またこの発明の態様として、前記レーザ出射端側の中空導波路は、内視鏡の先端部分に設けられている湾曲動作部の長さよりも長く形成されることができる。
これにより、内視鏡の湾曲動作部内にはレーザ出射端側の中空導波路のみが存在して光源側中空導波路が存在しない構成にできるため、内視鏡の湾曲動作部の湾曲動作による破損を確実に防止できる。
【0021】
またこの発明の態様として、前記レーザ出射端側の中空導波路は、自然状態で湾曲状態に形成されることができる。
これにより、内視鏡の鉗子チャンネルから中空導波路を挿通して鉗子排出口からレーザ出射端側の中空導波路の先端が突出すると、この突出部分が湾曲状態となる。従って、レーザ出射端側の中空導波路の先端を湾曲させた状態で施術することができる。
【0022】
またこの発明の態様として、前記レーザ出射端側の中空導波路の先端に、レーザ光の誤照射防止部材を備えることができる。
前記誤照射防止部材は、光を吸収する部材、あるいは金属部材など光を反射する部材で構成することができる。
【0023】
この態様により、レーザ光を吸収または反射することができる。従って、レーザ光の照射端から誤照射防止部材までの間で施術を行ってそれ以外へのレーザ光の誤照射を防止することや、レーザ光を反射して照射方向を変更することで施術者にとって作業しやすいレーザ出射端側の中空導波路を提供するといったことができる。特に、種々の誤照射防止部材を設けた種々のレーザ出射端側の中空導波路と誤照射防止部材を設けないレーザ出射端側の中空導波路など複数種類準備しておけば、患部の状態に応じて適切なレーザ出射端側の中空導波路を用いて適切に施術することができる。
【0024】
またこの発明は、前述した中空導波路と、前記中空導波路によりレーザ光を導光して施術対象部位にレーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えたレーザ治療装置とすることができる。
【0025】
施術対象部位は、食道や胃など、人間を含む生体の適宜の部位とすることができる。
前記レーザ照射手段は、適宜のレーザを照射するレーザ照射手段で構成することができる。照射するレーザは、炭酸ガスレーザ、Er:YAGレーザ、Nd:YAGレーザ、ダイオード・レーザなどの半導体レーザまたはパルス・ダイ・レーザなど、適宜のレーザを用いることができる。
【0026】
この発明により、湾曲に自在に対応できる中空導波路を用いて内視鏡の湾曲部分を自由に湾曲動作させることができ、施術者は良好な作業環境でレーザ治療を行うことができる。
【0027】
またこの発明は、内部中空の長尺状に形成されて内面が誘電体薄膜で被覆されレーザ光を導光する可撓性のある中空導波路であって、前記中空導波路は、内視鏡チューブの先端側の湾曲動作部内で湾曲されても該湾曲に対応自在な柔軟性と、該湾曲がなされても内部の中空導波空間が確保されうる弾力性とを有する素材によりなり、前記内視鏡チューブの鉗子挿入路の内径より細い外径を有し、前記湾曲動作部よりも長くかつ前記内視鏡チューブの全長よりも短い長さに形成された
中空導波路とすることができる。
【0028】
これにより、レーザ光源側の中空導波路の先端に接続して使用できる中空導波路を提供することができ、このレーザ照射端側の中空導波路を施術毎に交換して使用するといったことができる。
【発明の効果】
【0029】
この発明により、レーザ光の伝送効率向上と湾曲に対する破損防止という相反する2つの課題を解決する中空導波路およびレーザ治療装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】内視鏡装置とレーザ治療装置による治療システムの概略構成図。
【図2】内視鏡装置とレーザ治療装置の構成を示すブロック図。
【図3】中空導波路の説明図。
【図4】中空導波路の他の例の説明図。
【図5】中空導波路に装着する誤照射防止部材の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
【実施例】
【0032】
図1は、内視鏡装置10とレーザ治療装置50とで構成される治療システム1の概略構成を示す構成図であり、図2は、内視鏡装置10とレーザ治療装置50の構成を示すブロック図である。
【0033】
内視鏡装置10は、図1に示すように装置本体に対して接続ケーブル11により術者操作ユニット12が接続されている。
【0034】
術者操作ユニット12は、主に操作部13と内視鏡チューブ21とで構成されている。
操作部13は、接眼部15、上下アングルノブ16、左右アングルノブ17、操作ボタン18、および鉗子挿入口20等が設けられている。
操作ボタン18は、送気、送水、吸引、ズームなどの操作入力を受け付ける。
【0035】
内視鏡チューブ21は、基部から先端へ向かって可撓管部22、湾曲管部23、および先端構成部30がこの順に設けられている。また、内視鏡チューブ21の内部には、鉗子挿入口20から先端構成部30の鉗子出口36まで連通する鉗子挿入路19が設けられている。この鉗子挿入路19は、鉗子や中空導波路60といった治療用デバイスを挿入する治療用デバイス挿入路として機能する。なお、図1では可撓管部22の途中から湾曲管部23の先端にかけて拡径しているように図示しているが、これは先端構成部30の構成を分かり易く描画するためであって、実際には、食道、胃、腸といった生体内に挿通させるのに適した、一定の径を保った形状となっている。
【0036】
可撓管部22は、適度に湾曲する円筒形状を有しており、鉗子挿入口20から挿入された適宜の鉗子などの治療用デバイスを先端構成部30まで挿通できる。この実施例では、治療用デバイスとしてレーザ治療装置50の中空導波路60が挿通されている。
【0037】
湾曲管部23は、上下アングルノブ16の操作によって上下方向に湾曲操作され、左右アングルノブ17によって左右方向に湾曲操作される。詳述すると、湾曲管部23は、内視鏡チューブ21内を挿通されているワイヤ(図示省略)によって上下アングルノブ16および左右アングルノブ17に接続されている。このため、上下アングルノブ16や左右アングルノブ17の回転操作がワイヤによって湾曲管部23に伝達され、湾曲管部23が上下左右に湾曲する。これにより、任意の方向へ任意の角度に湾曲管部23を湾曲させることができ、先端構成部30を施術対象部位に向かって適切な方向へ向けることができる。
【0038】
先端構成部30は、ライトガイド31,35、副送水口32、レンズ33、ノズル34、及び鉗子出口36が設けられている。
ライトガイド31,35は、撮像のための照明となる光を照射する照明部位である。これにより、光の届かない体内を照らして観察および施術できるようにする。
【0039】
副送水口32は、染色液等の液体を放出する送水口である。
レンズ33は、ライトガイド31,35等の照明による光を集光し、撮像画像を取得するためのレンズである。この集光した情報を適宜加工することで撮像画像を得ることができ、術者が状態を確認できる。光を電気信号に変換する撮像素子は、先端構成部30の近傍に設けて、内視鏡装置10へ導電線で接続してもよいし、内視鏡装置10内に設けて、照明用とは別途設けるライトガイドによってレンズで集光した光を伝送してもよい。
【0040】
ノズル34は、レンズ33を洗浄するための洗浄液等をレンズ33へ向かって放出する部位である。
鉗子出口36は、レーザ治療装置50の中空導波路60等の治療用デバイスの出口である。
【0041】
中空導波路60は、内部中空の円筒形状の内面が、誘電体薄膜で被覆されているものである。この中空導波路60は、内視鏡チューブ21の全長でもある鉗子挿入路長L1よりも長く形成されている。この中空導波路60の詳細については後述する。
【0042】
図2に示すように、レーザ治療装置50は、操作部・表示部51、電源部52、信号処理部53、中央制御部54、検出部55、ガイド光発光部56、レーザ発振部57、および気体噴射部58を備えている。
【0043】
操作部・表示部51は、レーザの出力設定や動作モードの変更などの操作入力を受け付けて入力信号を中央制御部54に伝達し、中央制御部54からレーザの出力条件や装置の動作状況などの表示信号を受け取って適宜の情報の表示を行う。
電源部52は、中央制御部54など各部に動作電力を供給する。
【0044】
信号処理部53は、検出部55で検出した信号を処理して中央制御部54に伝達する。この実施例では、信号処理部53と検出部55とでOCT(Optical Coherence Tomography)装置が構成される。検出部55は、ガイド光発光部56から照射される低コヒーレンス性のガイド光56aが、施術対象部位で反射されて得られた反射ガイド光55a(信号光)と、ガイド光発光部56から伝送される参照光とを受光して、干渉光を得る。このとき受光する光は、いずれも800nm〜1μm付近の近赤外光である。検出部55は、反射ガイド光55a(信号光)と参照光との干渉により発生するビート信号の光強度を検出する。信号処理部53は、検出部55から受け取った光強度から施術対象部位の所定の面で反射された信号光の強度を求めるヘテロダイン検出を行い、光干渉断層情報を取得する。これを、検出する施術対象部位を変えながら実行することで、各施術対象部位の光干渉断層情報を得ることができる。これにより、表面からある程度の深さの組織プロファイルも含めた光干渉断層情報が得られ、表面の粘膜層だけでなく、粘膜下層や筋層までの組織プロファイルが得られる。この光干渉断層情報は、画像化処理を行う前の情報である。そして、信号処理部53は、この光干渉断層情報を中央制御部54に伝達する。
【0045】
中央制御部54は、各部に対して各種制御動作を実行する。この中央制御部54は、レーザ出力制御部54aと記憶部54bも有している。
レーザ出力制御部54aは、操作部・表示部51で設定された出力や動作モードに応じてレーザ発振部57によるレーザ光57aの出力値を制御する。
記憶部54bは、出力の設定や動作モードの設定内容などの制御データなどの他に適宜のデータを記憶している。
【0046】
検出部55は、上述したように反射ガイド光55a(信号光)と参照光を受光して干渉光から発生するビート信号の光強度を検出する。
ガイド光発光部56は、波長が800nm〜1μm付近の低コヒーレンス性の近赤外光を発光する。このガイド光は、治療用のレーザ光57aが照射される位置を示すためのものである。近赤外光は不可視であるが、撮像素子によって検出し画像化することが可能であるため、後述する内視鏡装置10の撮像部45によって画像信号へ変換され、画像表示部48に表示され、治療用のレーザ光57aが照射される位置を確認することができる。
【0047】
レーザ発振部57は、施術に用いるレーザ光57aの発振を実行する。この実施例では、レーザ光57aとして、炭酸ガスレーザを用いる。炭酸ガスレーザの照射強度の設定や照射の開始停止といった操作は、操作部・表示部51による手動操作と、中央制御部54による制御出力によって行われる。なお、手動操作の一部又は全部を、レーザ治療装置50に対して通信・制御可能に設けたフートコントローラ(不図示)を用いた足踏み操作に替えることもできる。
【0048】
気体噴射部58は、エアなどの気体58aを噴射する。この気体58aの噴射は、施術対象部位の変形度合いを確認し、これによって組織が変質しているか否か、どの程度の深さまで変質しているか等を確認するために用いられる。なお、気体噴射部58が噴射する気体58aの圧力は、適宜の圧力取得手段によって把握されることが望ましい。
【0049】
上述したガイド光発光部56が照射するガイド光56a、レーザ発振部57が発振するレーザ光57a、および気体噴射部58が噴射する気体58a、および検出部55が検出する反射ガイド光55aは、全て1つの中空導波路60によって伝送される。従って、これらは全て同軸で伝送され、施術対象に対して作用を及ぼす部位および検知する部位が施術対象部位として一致する。
【0050】
内視鏡装置10は、操作部41、電源部42、中央制御部43、照明部44、撮像部45、水噴射部46、および画像表示部48が設けられている。
操作部41は、操作部13(図1参照)による操作入力を中央制御部43に伝達する。すなわち、上下アングルノブ16や左右アングルノブ17の操作による湾曲管部23の湾曲動作、操作ボタン18による押下操作などを伝達する。またあるいは、操作ユニット12のものとは別個に、例えば内視鏡装置の制御器本体(不図示)に操作部を設け、照明の光量、静止画の撮影記憶等の操作を中央制御部43に伝達する。
【0051】
電源部42は、中央制御部43など各部に動作電力を供給する。
中央制御部43は、各部に対して各種制御動作を実行する。
照明部44は、ライトガイド31,35(図1参照)からの照明を実行する。
【0052】
撮像部45は、レンズ33(図1参照)から伝送される画像を撮像し、施術に必要な撮像画像を得る。この撮像画像を連続してリアルタイムに取得することで、術者が円滑に施術を行えるようにしている。
水噴射部46は、副送水口32からの液体の噴射を実行する。また、ノズル34からの液体の噴射も実行する。撮像部45が、先端構成部30の近傍に設けてあってもよいし、内視鏡装置10の制御器本体(不図示)内に設けてあってもよいのは、前述のとおりである。
【0053】
画像表示部48は、中央制御部43から伝達される信号に従って画像を表示する。この画像には、撮像部45で取得した撮像画像も含まれる。したがって、術者は、この画像表示部48にリアルタイムに表示される撮像画像を確認しながら施術を行うことができる。また、術前の画像を静止画として、例えば中央制御部43内や通信可能な外部の記憶装置等に記憶しておき、施術の後で術前の画像を呼び出し表示し、施術の前後の画像を比較することもできる。
【0054】
図3は、中空導波路60の構造を説明する説明図である。
図3(A)の拡大図に示すように、空導波路60は、レーザ治療装置50本体側の光源側中空導波路61と、先端側の出射端側中空導波路65と、この出射端側中空導波路65と光源側中空導波路61とを接続する接続部材69とで構成されている。
【0055】
中空導波路60の外径である中空導波路外径R1は、図3(C)に示すように、鉗子挿入路19の内径である鉗子挿入路内径R2よりも細く形成されている。なお、この例での中空導波路外径R1は、中空導波路60における最大外径となる接続部材69の外径と一致する。
【0056】
図3(B)の縦断面図、及び図3(C)の横断面図に示すように、光源側中空導波路61は、内部中空の円筒形の筒状体62の内面全周を誘電体薄膜63により被覆して構成されている。筒状体62は、ガラス管など表面が円滑でレーザ光の効率よい伝送に適した素材により長尺状に形成されている。誘電体薄膜63は、COP(環状オレフィンポリマー)やポリイミドなど、レーザ光を反射する適宜の素材で形成すればよい。
【0057】
また、図3(B)の縦断面図、及び図3(D)の横断面図に示すように、出射端側中空導波路65は、内部中空の円筒形の筒状体66の内面全周を誘電体薄膜67により被覆して構成されている。
【0058】
出射端側中空導波路65の筒状体66を形成する素材は、光源側中空導波路61の筒状体62と異なる部材であって該筒状体62よりも柔軟性に富む素材であり、湾曲しても自身の弾性力で復元する素材とすることが好ましい。具体的には、筒状体66は、ポリカーボネートや熱可塑性樹脂、あるいは弾性金属など、湾曲可能な素材により長尺状に形成されている。また筒状体62は、ニッケルチタンなどの超弾性合金や形状記憶合金で形成してもよい。
【0059】
誘電体薄膜63は、COP(環状オレフィンポリマー)やポリイミドなど、レーザ光を反射し導光する適宜の素材で形成すればよい。この誘電体薄膜63は、光源側中空導波路61の誘電体薄膜63と同一素材で形成するとよい。
【0060】
これらの光源側中空導波路61および出射端側中空導波路65は、外径と内径が互いに同一若しくはほぼ同一に形成されている。特に内径は、同一にして誘電体薄膜63と誘電体薄膜67の境目に段差や隙間が極力発生しないように構成することが好ましい。これにより、レーザ光57aやガイド光56aや反射ガイド光55aが接続部分に衝突することを最小限に抑えることができる。また、外径の大きさを同一にすることで、中空導波路60を鉗子挿入路19に挿入/抜き取りする際に引っかかりが生じることを防止できる。
【0061】
光源側中空導波路61と出射端側中空導波路65の接続部分の外周には、円筒形の接続部材69が設けられている。この接続部材69は、例えば所定温度まで加熱すると収縮する素材で形成することが好ましい。更にこの素材は収縮後に刃物等の鋭利な部材等によって切り分けられる構成だとよい。これにより、光源側中空導波路61と出射端側中空導波路65の接続端面61a,65aを当接した状態でこの接続部分を接続部材69で覆い、接続部材69を加熱すれば、収縮した接続部材69が光源側中空導波路61と出射端側中空導波路65を締結する。
【0062】
出射端側中空導波路65の長さである出射端側中空導波路長L3は、図1に示すように、湾曲管部23の長さである湾曲管部長L2よりも長く、鉗子挿入路全長L1よりも短く形成されており、好ましくは内視鏡チューブ21の湾曲管部23と先端構成部30の合計長さとほぼ同じ長さかそれよりも少し長く形成されている。具体的には、湾曲管部23と先端構成部30の合計長さが10cmとすれば、例えば15cm程度とすることができる。
【0063】
このように、出射端側中空導波路65を、湾曲管部23と先端構成部30の合計長さとほぼ同じ長さかそれよりも少し長く形成することにより、先端構成部30の鉗子出口36から出射端側中空導波路65の先端を突出させて施術等を行っている状態で、湾曲管部23が最大限湾曲状態となっても、中空導波路60の割れや折れなどの破損が生じないようにしている。すなわち、最大限湾曲する湾曲管部23内には、湾曲可能な出射端側中空導波路65が常に存在することになるため、出射端側中空導波路65に割れや折れが発生することはなく、破損を防止できる。
【0064】
また、中空導波路60の大部分を占める光源側中空導波路61により、レーザ光57aの減衰量を小さくして内視鏡チューブ21に挿通された中空導波路60の内部で効率よくレーザ光57aを伝送できる。従って、中空導波路60の先端から施術に有効な出力を有するレーザ光57aを放出できる。
【0065】
以上の構成および動作により、レーザ光57aの伝送効率向上と湾曲に対する破損防止という相反する2つの課題を解決することができる。
すなわち、出射端側中空導波路65は、柔軟性を有するため、自由に湾曲できる。そして、内視鏡チューブ21における湾曲管部23と先端構成部30の合計長部分の内部には、光源側中空導波路61が入り込むことなく常に出射端側中空導波路65が位置するため、湾曲管部23を何度湾曲させてもどれだけ湾曲させても中空導波路60が破損することを防止できる。
【0066】
また、中空導波路60の大部分を占める光源側中空導波路61は、柔軟性では出射端側中空導波路65に劣ったとしてもレーザ光57aの伝送効率が出射端側中空導波路65よりも高いため、レーザ光57aの減衰を極力抑制して効率よくレーザ光57aを伝送することができる。これにより、レーザ光57aを施術に必要な出力を保った状態で施術対象部位まで到達させることができる。
【0067】
また、光源側中空導波路61と出射端側中空導波路65は、外径および内径が同一サイズに形成されて接続部材69により強固に接続されているため、安定したレーザ光57aの伝送を実現することができる。
【0068】
また、接続部材69は、所定温度まで加熱することによって収縮する素材であるため、光源側中空導波路61と出射端側中空導波路65の接続を所定温度まで加熱するだけで容易に行えるとともに、接続部分の最大径をなるべく少なくして接続することができる。
【0069】
また、接続部材69は、刃物等の鋭利な部材等の鋭利な部材によって簡単に切り分けることができる素材であるため、出射端側中空導波路65を容易に交換することができる。
【0070】
また、出射端側中空導波路65の筒状体66は、湾曲しても自身の弾性力で復元する素材とすることで、局所的に湾曲するようなことがあっても復元でき、レーザ光57aを施術対象部位まで問題なく伝達することができる。
【0071】
また、中空導波路60は、施術用のレーザ光57Aを伝送するとともに、ガイド光56aや反射ガイド光55aの伝送、および気体58aの伝送を同軸で実行することができる。
【0072】
なお、中空導波路60は、他の構成とすることもできる。
図4は、他の実施例を説明する説明図である。
図4(A)の例に示すように、中空導波路60Aの先端となる出射端側中空導波路65Aの先端部分に光を反射する反射部材68を備えてもよい。この反射部材68は、円柱形状を斜めに切り落として半分にした形状であり、反射面となる傾斜面68aが出射端側中空導波路65A側にされている。
【0073】
出射端側中空導波路65Aの先端部位は、傾斜して切断された傾斜切断面66aが設けられている。この傾斜切断面66aの突出側に、前記反射部材68が固定されている。
【0074】
この形状により、出射端側中空導波路65Aの内部を基部側から先端へ向かってくるレーザ光57aを、反射部材68の傾斜面68aで略直角に反射することができる。
【0075】
従って、施術者にとって作業しやすい出射端側中空導波路65Aを提供できる。特に、反射部材68を設けた出射端側中空導波路65Aと反射部材68を設けない出射端側中空導波路65など複数種類準備しておけば、患部の状態に応じて適切な出射端側中空導波路65,65Aを用いて適切に施術することができる。
【0076】
なお、反射部材については、図4(A)のようにレーザ光57aを略直角に反射する実施例の他にも、使い勝手に応じたレーザ光の反射角を形成することができる。反射部材の形状や反射部材の設計角度を変えることによって、例えば45度やその他の角度のレーザ光反射角を実現できる。
【0077】
図4(B)は、他の例を示す縦断面図である。
この例では、光源側中空導波路61Bの接続側外周に雄ネジ部61bが形成され、出射端側中空導波路65の接続側内周に雌ネジ部65bが形成されている。そして、雄ネジ部61bと雌ネジ部65bが螺合することで光源側中空導波路61Bと出射端側中空導波路65Bが接続固定される。この場合、光源側中空導波路61Bと出射端側中空導波路65Bの外径および内径は同一とすることが好ましいが、図示するように光源側中空導波路61Bの内径を出射端側中空導波路65Bよりも小さく構成してもよい。この構成とすることで、雄ネジ部61bと雌ネジ部65bの螺合を容易に実現すると共に、基部側から先端側へ向かって伝送されるレーザ光57aの減衰を防止することができる。なお、雄ネジ部61bと雌ネジ部65bの接続は螺合によるものであるので、螺合を緩めることで、出射端側中空導波路65を容易に交換することができる。また、光源側中空導波路61Bの接続側外周に雌ネジ部が形成され、出射端側中空導波路65の接続側内周に雄ネジ部が形成されていてもよい。
【0078】
図4(C)は、他の例を示す縦断面図である。
この例では、光源側中空導波路61Cの接続側外周に凸部61cが形成され、出射端側中空導波路65Cの接続側内周に凹部65cが形成されている。そして、凸部61cと凹部65cが嵌合することで、柔軟性素材で構成された出射端側中空導波路65Cに形成された凹部65cが弾性変形することによって凸部61cを保持し、光源側中空導波路61Cと出射端側中空導波路65Cが接続固定される。この場合、光源側中空導波路61Cと出射端側中空導波路65Cの外径および内径は同一とすることが好ましいが、図示するように光源側中空導波路61Cの内径を出射端側中空導波路65Cよりも小さく構成してもよい。この構成とすることで、雄ネジ部61bと雌ネジ部65bの螺合を容易に実現すると共に、基部側から先端側へ向かって伝送されるレーザ光57aの減衰を防止することができる。なお、凸部61cと凹部65cの接続は嵌合によるものであるので、嵌合を外すことで、出射端側中空導波路65を容易に交換することができる。また、光源側中空導波路61Cの接続側外周に凹部が形成され、出射端側中空導波路65Cの接続側内周に凸部が形成されていてもよい。
【0079】
また、このほかにも、出射端側中空導波路65を通常状態で湾曲している形状に形成してもよい。この場合、内視鏡チューブ21の内部では、内視鏡チューブ21の形状に沿っており、先端構成部30の鉗子出口36から出射端側中空導波路65が突出されるに従って、出射端側中空導波路65が湾曲しつつ突出してくる構成にできる。これにより、出射端側中空導波路65における鉗子出口36より突出している部分を湾曲させることができ、出射端側中空導波路65の先端を湾曲させた状態で施術することができる。
【0080】
これらの各中空導波路61A,61B,61Cも、上述した中空導波路61と同一の作用効果を得ることができる。
【0081】
図5は、中空導波路に装着する誤照射防止部材70の構成を説明する説明図である。図5(A)は誤照射防止部材70の斜視図を示し、図5(B)は誤照射防止部材70の縦断面図を示す。
【0082】
誤照射防止部材70は、出射端側中空導波路65の先端に装着する装着部71と、該装着部71から先端へ向かって伸びるアーム部72と、レーザ光57aを停止させるストッパ部74とで構成されており、ストッパ部74の光源側面全体にレーザ光吸収部材73が設けられている。
【0083】
装着部71は、内径が出射端側中空導波路65の外形と同一か僅かに小さい程度に形成されている。これにより、出射端側中空導波路65の先端に固定接続できるようにしている。なお、装着部71は、出射端側中空導波路65の先端に接着してもよく、またネジ止めや凹凸嵌合といった方法によって着脱可能に接続してもよい。
【0084】
アーム部72は、一直線に伸びるアームである。これにより、病変部などの施術対象部位Eを挟み込む空間Aを確保している。
吸収部材73は、レーザ光57aを吸収する部材により形成されている。これにより、ストッパ部74に到達するレーザ光57aが反射して意図しない生体部位に穿孔等することを防止する。
ストッパ部74は、少なくとも出射端側中空導波路65の内径と同程度かそれ以上の外径で出射端側中空導波路65に対向配置された円盤状の部位である。
【0085】
これらの部位からなる誤照射防止部材70は、金属部材などの形状を維持できる素材により形成されている。これにより、変形を防止し、出射端側中空導波路65から照射されるレーザ光57aを受け止めることができる。
この誤照射防止部材70を用いることにより、レーザ光57aが生体に作用する範囲を空間A内に限定することができ、誤照射を防止することができる。
【0086】
なお、ストッパ部74の光源側面全体には、レーザ光吸収部材73の他、レーザ光を分散させる散光部材や、レーザ光を適宜の方向へ反射させる反射材を設けて、誤照射を防止してもよい。少なくとも、施術対象部位を貫通したり逸れたりするなど、意図しない部位に誤照射されることを防止できる形態であればよい。
【0087】
また、中空導波路60,60A,60B,60Cの構成において、既述の実施形態の他にも、中空導波路の一部外周面(出射端側中空導波路65,65A,65B,65Cの外周面)、または中空導波路の外周面全域(出射端側中空導波路65,65A〜C及び光源側中空導波路61,61A,61B,61Cの外周面)に内視鏡保護部材(不図示)を形成することができる。内視鏡保護部材の形成方法としては、出射端側中空導波路65,65A〜Cまたは光源側中空導波路61,61A〜Cを中空状のパイプに成形した内視鏡保護部材に挿通固定する方法などが考えられる。
【0088】
このとき、湾曲管部23に挿通される出射端側中空導波路65,65A〜Cの外周面を覆う内視鏡保護部材に用いられる素材は、少なくとも湾曲操作に耐えうる性質を有し、且つ、レーザ光57aが貫通しない、ニッケルチタン系の超弾性合金や形状記憶合金などの素材が好適である。一方、光源側中空導波路61,61A〜Cの外周面を覆う内視鏡保護部材に用いる素材は、少なくともレーザ光57aが貫通しない素材であればよいが、出射端側中空導波路65,65A〜Cの外周面を覆う素材と同一であってもよい。
【0089】
一般的に、内視鏡装置10使用時には内視鏡チューブ21が撓ったり湾曲したりするので、該チューブ内に挿通される治療用デバイスには負荷がかかる。本発明の実施例では、内視鏡チューブ21内に挿通されるレーザ治療装置50の主に中空導波路60,60A〜Cに負荷がかかり、特には、施術中に上下左右に湾曲操作され湾曲管部23内に挿通される出射端側中空導波路61,61A〜Cに大きな負荷がかかる。従って、施術中に該湾曲操作等によって筒状体66が破損し、中空導波路内を伝送されたレーザ光57aが中空導波路から漏れると、内視鏡チューブ21内部にレーザ光57aが誤照射されて内視鏡装置10やさらには治療用デバイスであるレーザ治療装置50が破損したり不具合が起こったりする可能性がある。
【0090】
上記内視鏡保護部材を設けることによって、万が一、筒状体66が破損した場合でも、内視鏡チューブ21内へのレーザ光57aの誤照射を防止できるので、内視鏡装置10やレーザ治療装置50の破損や不具合の発生を防止することができる効果が奏される。
【0091】
なお、中空導波路60,60A〜Cの外周面全域に内視鏡保護部材を設ける場合は、より広範囲に亘り誤照射防止の構成とすることができる。
【0092】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の内視鏡は、実施形態の内視鏡装置10に対応し、
以下同様に、
湾曲動作部は、湾曲管部23に対応し、
レーザ照射手段は、レーザ発振部57に対応し、
他の部分は、光源側中空導波路61に対応し、
先端側部分は、実施形態の出射端側中空導波路65に対応し、
接続手段は、接続部材69、雄ネジ部61bと雌ネジ部65b、および凸部61cと凹部65cに対応し、
鉗子挿入路の全長は、鉗子挿入路全長L1に対応し、
湾曲動作部の長さは、湾曲管部長L2に対応し、
中空導波路の外径は、中空導波路外径R1に対応し、
鉗子挿入路の内径は、鉗子挿入路内径R2に対応し、
柔軟性素材は、ポリカーボネート,熱可塑性樹脂,弾性金属,形状記憶合金,超弾性合金に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0093】
この発明は、レーザを用いて生体を治療するような様々な装置に用いることができる。特に、内視鏡のように限られた空間内でレーザ光を伝送して治療・施術するような装置に利用できる。
【符号の説明】
【0094】
10…内視鏡装置、19…鉗子挿入路、23…湾曲管部、50…レーザ治療装置、57…レーザ発振部、57a…レーザ光、60,60A,60B,60C…中空導波路、61,61A,61B,61C…光源側中空導波路、61b…雄ネジ部、
61c…凸部、63,67…誘電体薄膜、65,65A,65B,65C…出射端側中空導波路、65b…雌ネジ部、65c…凹部、69…接続部材、70…誤照射防止部材、L1…鉗子挿入路全長、L2…湾曲管部長、L3…出射端側中空導波路長、R1…中空導波路外径、R2…鉗子挿入路内径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部中空の長尺状に形成されて内面が誘電体薄膜で被覆されレーザ光を導光する可撓性のある中空導波路を軸方向に接続して構成され、レーザ出射端側の中空導波路がレーザ光源側の中空導波路に比べて柔軟性のある素材で形成されていることを特徴とする
中空導波路。
【請求項2】
前記中空導波路の外径は、内視鏡の鉗子挿入路の内径より細く該鉗子挿入路の全長より長く形成された
請求項1に記載の中空導波路。
【請求項3】
前記レーザ出射端側の中空導波路と、レーザ光源側の中空導波路とを、着脱自在に接続する接続手段を備えた
請求項1または2に記載の中空導波路。
【請求項4】
前記レーザ出射端側の中空導波路は、外力によって湾曲されても元の状態に復元する弾性力を有する
請求項1、2、または3に記載の中空導波路。
【請求項5】
前記レーザ出射端側の中空導波路は、
内視鏡の先端部分に設けられている湾曲動作部の長さよりも長く形成されている
請求項2から4のいずれか1つに記載の中空導波路。
【請求項6】
前記レーザ出射端側の中空導波路は、自然状態で湾曲状態に形成されている
請求項1から5のいずれか1つに記載の中空導波路。
【請求項7】
前記レーザ出射端側の中空導波路の先端に、レーザ光の誤照射防止部材を備えた
請求項1から6のいずれか1つに記載の中空導波路。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか1つに記載の中空導波路と、
前記中空導波路によりレーザ光を導光して施術対象部位にレーザ光を照射するレーザ照射手段とを備えた
レーザ治療装置。
【請求項9】
内部中空の長尺状に形成されて内面が誘電体薄膜で被覆されレーザ光を導光する可撓性のある中空導波路であって、
前記中空導波路は、
内視鏡チューブの先端側の湾曲動作部内で湾曲されても該湾曲に対応自在な柔軟性と、該湾曲がなされても内部の中空導波空間が確保されうる弾力性とを有する素材によりなり、
前記内視鏡チューブの鉗子挿入路の内径より細い外径を有し、
前記湾曲動作部よりも長くかつ前記内視鏡チューブの全長よりも短い長さに形成された
中空導波路。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−40107(P2012−40107A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−182580(P2010−182580)
【出願日】平成22年8月17日(2010.8.17)
【出願人】(000138185)株式会社モリタ製作所 (173)
【Fターム(参考)】