中空成型品の製造のための成型デバイスおよび成型方法
【課題】中空成型品を製造するための成型デバイスを提供する。
【解決手段】デバイスは、キャビティを備えた型と、キャビティを流通状態の成型材料で充満するための充填デバイスと、射出体と、射出体を駆動して、キャビティを充満した成型材料内を動作軌跡に沿って移動させるように設計された変位デバイスと、を具備し、キャビティは、射出体の動作軌跡に沿って連続して配列された少なくとも2つのキャビティ部を具備し、キャビティ部は動作軌跡に直交した異なった形状の断面とされており、射出体は変形可能材料で形成された変形可能部を具備し、変形可能材料は成型材料よりも低い弾性圧縮強度を有し、成型材料は、変形可能材料から成る立方体の試験片が、固化した状態の成型材料から成る同一の形状およびサイズの試験片よりも低い弾性圧縮強度である。
【解決手段】デバイスは、キャビティを備えた型と、キャビティを流通状態の成型材料で充満するための充填デバイスと、射出体と、射出体を駆動して、キャビティを充満した成型材料内を動作軌跡に沿って移動させるように設計された変位デバイスと、を具備し、キャビティは、射出体の動作軌跡に沿って連続して配列された少なくとも2つのキャビティ部を具備し、キャビティ部は動作軌跡に直交した異なった形状の断面とされており、射出体は変形可能材料で形成された変形可能部を具備し、変形可能材料は成型材料よりも低い弾性圧縮強度を有し、成型材料は、変形可能材料から成る立方体の試験片が、固化した状態の成型材料から成る同一の形状およびサイズの試験片よりも低い弾性圧縮強度である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は中空成型品の製造のための成型デバイスに関し、この成型デバイスは、キャビティを備えた型と、キャビティを流通状態の成型材料で充満するための充填デバイスと、射出体と、射出体を駆動して、キャビティを充満した成型材料内を動作軌跡に沿って移動させるように設計された変位デバイスと、を具備している。
【背景技術】
【0002】
そのような成型デバイスは、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
上述の文献に記載されたようなプラスチック製品を、射出成型もしくはブロー成型によって製造することは一般に知られている。射出成型法によって、成型品は、ブロー成型法よりもより高度な生産精度を備えて生産されるが、さらなる生産ステップが中空成型品を生産するために必要とされる。
【0004】
例えば、射出成型法においては第一にハーフシェルが製造され、次いでハーフシェルは一体に溶着されて、中空ボディを形成する。あるいは上述の公報に記載されたように、第一に型のキャビティが流通状態の成型材料によって充満され、次いでキャビティの内部領域が射出体によって流通成型材料を除去されて空にされる。射出体は変位デバイスによって駆動され、成型材料内を動作軌跡に沿って、好適には成型材料を通じて移動し、流通成型材料をキャビティの内部から外へ、例えばキャビティと流体連通とされたもしくは流体連通とされる第2キャビティ内へと移動させる。したがって、キャビティの壁に近接した成型材料はキャビティ内に留まり、結果的に、射出体の動作軌跡に対応した製品軸に沿って伸びた中空成型品となる。射出体の代わりに、ガスまたは水のような流体が成型材料の移動に使用されてもよい。
【0005】
流体射出法が使用される成型デバイスは、例えば特許文献2から知られている。
【0006】
ここで、ガスの使用は簡単な装置となる利点を提供する。さらに、キャビティ内において変位デバイスによって加圧されることが可能なガスは、ガスが通じて流れるキャビティの形状に合致する。したがって、この方法は略一定な壁厚の中空成型品を製造するために使用される。製品は製品軸に沿って連続的に配列された部分を備え、その断面は製品軸に直交した方向において異なった形状であり、ここでは可変断面の中空成型品として指定されている。
【0007】
しかしながら、ガス射出技術によって達成される壁厚は比較的厚く、部品重量が大きくなる欠点を導いている。それに加えて、この方法によって製造された中空ボディの内面の品質は特に良いものではなく、達成可能なサイクルタイムは比較的長い。
【0008】
ガスとは異なり、水は圧縮性ではないので、より薄い壁の部品、したがってより軽い重量の部品が水射出技術を使用して製造され得る。それに加えて、水の高い熱容量のために、ガスが使用された場合よりもより短いサイクルタイムが達成され得る。しかしながら、製造される中空成型品の内面の十分な品質を達成するために、与えられた水圧が維持されなければならない。
【0009】
特許文献1から知られた射出体の使用は、製造される中空成型品の外側形状がキャビティによって画定され、射出体の直径に基づいて達成可能な壁厚を調節することを可能にしている。特に水射出で得られるものよりも、より薄い壁厚、したがってより軽い重量の部品が達成され得る。サイクルタイムはガス射出で実行するよりも短い。
【0010】
しかしながら、射出体射出の主な欠点は、使用される射出体が剛体であるために、既知の成型デバイスにおいて一定の断面を備えた一定の壁厚の中空成型品のみが製造されることである。特許文献1においては、例えば中空成型品と同一の成型材料から成る射出体が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2010/007142号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,759,459号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この先行技術に鑑みて、本発明の目的は既知の成型デバイスをさらに改良することであり、略一定な壁厚且つ可変断面の中空成型品の製造も、射出体射出技術を使用して可能とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は上述のタイプの成型デバイスとともに達成され、キャビティは、射出体の動作軌跡に沿って連続して配列された少なくとも2つのキャビティ部を具備し、キャビティ部は動作軌跡に直交した異なった形状の断面とされており、射出体は変形可能材料で形成された変形可能部を具備し、変形可能材料は成型材料よりも低い弾性圧縮強度を有し、成型材料は、変形可能材料から成る立方体の試験片が、固化した状態の成型材料から成る同一の形状およびサイズの試験片よりも低い弾性圧縮強度である。
【0014】
この点において、試験片の弾性圧縮強度は立方体側面に垂直に作用する圧縮力と、力の方向に平行な試験片の長さ(圧縮)における弾性相対変化の結果と、の比である。結果的に、同一の圧縮負荷の下において、変形可能材料の試験片は、固化した状態にある成型材料の試験片の同一の形状およびサイズよりも大きい弾性圧縮を受ける。この点において、「弾性圧縮強度」の表現からすでに明確であるように、成型材料と変形可能材料とは、動作の際に射出体に作用するような圧縮力の下において、変形可能材料が弾性変形可能であり且つ固化した状態にある成型材料が(より小さい伸びであっても)同様に弾性変形可能であるか、またはこれらの圧縮力によって限界において全くもしくは目立たない程度にしか変形されないように選択されるべきである。試験片を使用した弾性圧縮強度に関するそのような比較実験は例えば室温において実施されるが、好適に成型デバイスを使用した中空成型品を製造する動作温度範囲内の温度において実施される。
【0015】
本発明によるデバイスの使用は、キャビティを通過する動作において、少なくとも変形可能部において、射出体自身を弾性的に型および固化したまたはキャビティの壁に対して固化した成型材料のキャビティの断面形状に合致させることを可能にしており、製造される中空成型品は略一定の壁厚および可変横断面となる。
【0016】
本発明により提供された射出体は、キャビティを通って移動する際に、それ自身がキャビティの輪郭に合致することが可能であり、そのときキャビティは射出体射出法における射出体の主目的、すなわちピストンのように成型材料の中心のプラスチックを押し出すことを実現する。その行程において、射出体はキャビティに対するシール機能を実現し、変位デバイスによって使用された射出体のための液体または気体の駆動媒体が射出体を通り越して流れることを防止しており、正確に再現可能な中空成型品の薄い壁厚の決定を可能にしている。
【0017】
射出体は、少なくとも部分的に固化するまでまたは固化中に、もはやキャビティの壁に対して薄い成型材料の膜が形成されないか、またはわずかのみが形成されるまでその動作軌跡上を移動し続ける。
【0018】
言い換えると、少なくとも変形可能部において、射出体はより柔軟な変形特性を備え、一方で成型デバイスの作動中の温度依存性において、成型材料の中心は主に粘性変形特性を備え、追加的な温度依存性において、成型材料の表皮は射出体の変形可能部よりも小さい柔軟性を示す。
【0019】
本発明により提供された射出体の変形挙動のために、キャビティに対する射出体のシール機能は改良され、駆動媒体が射出体を通り越して流れることが防止されているか、または少なくともそのようなことが遅延されている。動作軌跡に直交したキャビティの断面形状とそれに対応した断面積との両方は、射出体の変形特性によって設定されたある限界内において、動作軌跡に沿って変化し得る。射出体は対応した可変断面形状および/または断面積の中空成型品の製造を可能にしている。
【0020】
変形可能材料から成る射出体の一部のみが形成されることが原理上は可能であり、例えば射出体は剛体のコアを具備していてもよい。この場合、剛体コアの直径は、もちろんキャビティの最小直径よりも小さくするべきである。
【0021】
しかしながら、射出体の製造を簡素化するために、射出体全体が変形可能材料から形成されてもよい。
【0022】
射出体が流通状態にある高温の成型材料によって損傷することを防止するために、変形可能材料が350℃よりも高い耐熱性の材料を含んでいることが好ましい。この場合、シリコーンが特に適切な材料であると証明された。
【0023】
射出体が変位デバイスのノズル装置上の射出キャップの態様で前もって配置される場合、射出体は好適に単一の動作でキャビティを通じて駆動されてもよい。
【0024】
この目的のために、射出体は略中空構造であり、射出体の第1長手端部は開口しており、第2長手端部は閉じた構造である。この点において、第1開口長手端部は、成型デバイスが作動された場合、射出体の動作の方向において追従し、一方で、第2閉鎖端部は作動中に動作の方向において長手端部を誘導する。射出体の動作方向において追従する開放端、または後端はリップシールとして機能してもよく、さらに排出媒体が勢いよく前進することを遅延もしくは防止してもよい。
【0025】
作動時に、射出体が一定の横断面のキャビティ部を通過する際に成型材料の圧力によって望まない変形を受けないか、もしくは損傷されないことを確実にする最大限の単一の圧縮荷重を達成するために、射出体は略一定の壁厚を備えている。
【0026】
さらなる好適な本発明の発展によれば、2つのキャビティ部の断面積は動作軌跡に直交した方向において略同一のサイズである。この場合、射出体は、動作の方向において形状の過剰な変化を受けることなく、その形状を個々の断面に合致させてもよい。動作の際に、射出体の駆動に使用される流体の圧力の重度の降下を防止し、動作軌跡に沿った移動をさらに可能にしている。
【0027】
可変横断面の中空成型品の製造は、高頻度で例えば環状中空ボディの開始点から目標点までをその内部に設けられた異なった目的物とともに所定の構造的空間においてガイドすることが必要となる。2つの代替案が存在する。1つは、一定断面の環状中空ボディが個別の物体を通ってガイドされ、任意の複数の湾曲、複雑な形状の製品軸を備えた中空品の製造が必要とされてもよい。それとは別に、中空ボディは、その断面が物体によって画定された制限に局所的に合致するように使用されてもよい。
【0028】
この第2ケースにおいて、キャビティは射出体の動作軌跡に沿って連続して配列された少なくとも3つのキャビティ部を具備し、キャビティ部は動作軌跡に直交した異なった形状の断面とされており、中間キャビティ部の動作軌跡に直交した断面の形状は、他の2つのキャビティ部の動作軌跡に直交した断面の形状と異なっていてもよい。「中間」キャビティ部の用語は、ここでは動作軌跡に沿った順序に関連している。
【0029】
射出体の動作軌跡に沿って連続した配列されたキャビティ部に関して、断面は個々のキャビティ部において一定であり、キャビティ部の間の遷移点において突然変化する。すなわち段差となってもよい。しかしながら、中空成型品の均一な内面を達成するために、例えばキャビティ部内および/または射出体の動作軌跡に沿って直接連続的に配列された2つのキャビティ部の間の遷移点において、動作軌跡に直交した方向に連続的に変化する断面が好適である。
【0030】
ノズル手段が使用されて、射出体を駆動してもよい。ノズル手段は高圧下においてキャビティ内に流体を供給し、これによって射出体を前に押し出す。成型材料の特別に急速な固化およびそれによるサイクルタイムの短縮に貢献するために、ここでは水が流体として使用されてもよい。言い換えると、変位デバイスはノズル手段を具備し、ノズル手段は、射出体を前記動作軌跡に沿ってキャビティを加圧水の噴出を通じて充満する成型材料内へと駆動するように設計されている。
【0031】
さらなる態様によれば、本発明は中空成型品の製造方法にも関し、この方法は、型のキャビティを流通状態の成型材料で充満するステップと、射出体を駆動して、キャビティを充満した成型材料内を動作軌跡に沿って移動させるステップと、を含んでいる。
【0032】
そのような成型方法は特許文献1からも知られている。この先行技術の観点において、本発明の態様のさらなる目的は既知の成型方法をさらに発展することであり、略一定の壁厚および可変断面の中空成型品の製造も、可能射出体射出技術を使用して可能である。
【0033】
その目的は、本発明による、射出体が動作軌跡に沿って移動するときに、少なくとも射出体の変形部において変形されることによって達成される。
【0034】
このようにして、射出体は、キャビティの壁に対して固化したもしくは固化中の成型材料を損傷することなく、動作軌跡に直交したキャビティの横断面の動作軌跡に沿って変化する形状に、射出体自身を合致させてもよい。
【0035】
本発明による成型方法は、本発明による成型デバイスに関して説明された利点と同一のものに帰結する。本発明による成型デバイスの上述の記載およびそのさらに有利な発展は、同じ方法、関連した態様を含み、参照は本発明による成型方法に関して本発明による成型デバイスの上述の記載についても行われる。
【0036】
プラスチック部品も備えた射出体の変形の可能性は、無視されるべきでない。しかしながら、可変断面および最大限に均一な壁厚の中空成型品を製造するために、射出体は、動作軌跡に沿って移動する場合に、大部分が弾性的に変形することが好適である。特に好適には、変形は完全に弾性的であり、例えば局所的な狭窄点および略一定な断面を備えたチューブの製造を可能にする。
【0037】
射出体の移動の際に、異なったキャビティの断面形状に射出体を合致させることを達成するために、射出体の変形は好適に動作軌跡に直交して進行する。この目的のために、射出体が動作軌跡に沿って移動する場合に、射出体は変形し、その動作の一部が生じる間に、動作軌跡に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸と射出体外壁との間の径方向距離が、少なくとも射出体の1つの軸部および射出体の1つの周部においてより小さくなる。「軸」および「周部」との用語は、ここでは射出体長手軸に関係している。上述の周部とは異なった周部において、指定された距離は射出体の変形によって同様の大きさとなってもよい。
【0038】
多様な径の中空成型品を製造するために、可変断面形状だけでなく可変断面積のキャビティが必要である。この場合において、射出体が動作軌跡に沿って移動する場合に、射出体は変形し、その動作の一部が生じる間に、動作軌跡に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸と射出体外壁との間の径方向距離が、少なくとも射出体の1つの軸部において射出体の全周にわたって小さくなる。
【0039】
この場合において、特に射出体は変形し、上述の部分の変形が生じる間に、射出体は射出体長手軸の方向においてより長くなってもよい。
【0040】
射出体は、動作軌跡に沿って移動するときにキャビティに対してシール機能を発揮し、射出体を駆動するために使用された駆動媒体が射出体を通り越して流れることを防止している。このようにして、射出体は特に制御された方法において駆動され、この方法を使用して製造された中空成型品の品質を改良している。
【0041】
本発明は、2つの特に好適な例示的実施形態を参照するとともに、以下により詳細に説明されており、実施形態は添付図に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の例示的な第1実施形態による成型デバイスの長手方向断面を示した概略図である。
【図2a】図1の断面IIaに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図2b】図1の断面IIbに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図2c】図1の断面IIcに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図3】図1に示された成型デバイスを使用して製造された中空成型品を示した図である。
【図4a】図3の断面IVaに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図4b】図3の断面IVbに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図4c】図3の断面IVcに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図5】図1の成型デバイスに使用される射出体の拡大図である。
【図6】本発明の例示的な第2実施形態による成型デバイスの長手方向断面を示した概略図である。
【図7a】図6の断面VIIaに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図7b】図6の断面VIIbに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図7c】図6の断面VIIcに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図8】図6に示された成型デバイスを使用して製造された中空成型品を示した図である。
【図9a】図8の断面IXaに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図9b】図8の断面IXbに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図9c】図8の断面IXcに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
すべての図は非常に簡素化、概略化して表現しており、特に縮尺は考慮されていない。
【0044】
図1は本発明の例示的な第1実施形態による成型デバイス10の長手断面を示した図であり、キャビティ16を備えた型14と、ここでは非常に概略的にのみ図示され且つキャビティ16を流通成型材料で充填するために供給する充填デバイス18と、射出体20と、ノズル装置形状の変位デバイス22と、を具備している。変位デバイス22は、射出体20を動作軌跡Bに沿って成型材料内を移動させるように設計されており、キャビティ16は充填デバイス18によってこの材料で満たされている。
【0045】
動作軌跡Bは湾曲したコースを進んでおり、このコースはキャビティ16の長手軸Lのコースと、成型デバイス10内に生成される中空成型品12(図3参照)の軸G(図3参照)のコースと、に対応している。
【0046】
キャビティ16は、動作軌跡Bに沿って連続的に配列された3つのキャビティ部16a,16bおよび16cを具備している。図2に示されたキャビティ部16aおよび16bまたは16bおよび16cの断面QaおよびQbまたはQbおよびQcは、各々が動作軌跡Bに直交するように異なった形状とされている。特に、2つの外側キャビティ部16a,16cの断面Qa,Qcは略同一サイズの円形であり、一方で、中間キャビティ部16bの断面Qbは引き伸ばされた楕円形を示しており、例示的な本実施形態においては、その断面積は他のキャビティ部16a,16cの断面積にほぼ一致している。図2に示された断面Qa,Qb,Qcの間の遷移は連続的であるか、またはその代わりに段階的な構造であってもよい。さらに、図2は型14が2つの半型14xおよび14yを具備していることを示している。
【0047】
図3は湾曲チューブ形状の中空成型品12を示しており、中空成型品は図1の成型デバイス10を使用して製造されたものである。
【0048】
そのような成型品12は局所的な狭窄点または障害を避けるために使用されてもよい。
【0049】
さらに、図4も同様に、成型品の3つの部分12a,12bおよび12c内の成型品12の断面Qa´,Qb´およびQc´を示しており、それらは3つのキャビティ部16a,16bおよび16cに対応している。図4に示されたように、壁厚さwは成型品の3つの部分すべてにおいてほぼ同一であり、中空成型品12の外周にわたって略一定である。
【0050】
図5は成型デバイス10内に使用された射出体20を幾分拡大して示している。射出体20は第1長手端部20aから第2長手端部20bまで長手射出体軸Pに沿って伸びており、第1長手端部20aにおいて開放され、第2長手端部20bにおいて閉じており、一定の壁厚さdの概略中空の魚雷形状である。他方では、例えば一側において開放された中空の槍形状等、他の射出体形状も想定される。
【0051】
射出体20は例えば耐熱シリコーンから形成され、射出体がキャビティ内を通過するように、弾性的にキャビティの断面形状に合致し、キャビティ壁16wに対して固化した成型材料に合致するのに特に適している。例えばその合致は、移動の間に動作軌跡に略平行にまたは略接線方向に伸びた長手射出体軸Pと射出体20の全外周の外側射出体壁20wとの間の径方向距離rの一時的な収縮によって行われるが、それでも成型行程の間に上昇する温度と圧力とに対抗している。本実施例においては、射出体全体が変形可能材料から形成されているが、変形部として記載された射出体の一部、例えば外側エンベロープが変形可能材料であり、例えば射出体が剛体コアを具備している可能性を規定から除外すべきでない。
【0052】
図6は本発明の例示的な第2実施形態による、非常に類似した成型デバイス110を示している。
【0053】
例示的な第1実施形態の特徴に対応した例示的な第2実施形態の特徴は、例示的な第1実施形態の対応した特徴の参照符号に100を加えた参照符号とともに図に与えられている。符号は図中において識別することを目的として使用されており、同一の符号は対応した特徴を特定するために使用されている。繰り返しを避けるため、例示的な第2実施形態は、例示的な第1実施形態と異なった範囲のみを記載しており、そうでなければ上述の記載が参照される。
【0054】
図6に示された成型デバイス110は、キャビティの形状が中間キャビティ部116bにおいて単に楕円形に狭くなったものではなく、図7に示されたように、断面Qbが三日月形状とされている点において、図1に示された成型デバイス10とは異なっている。
【0055】
したがって、図8に示された、成型デバイス110を使用して製造された中空成型品112は、成型品の中間部分112bにおいて三日月形状である(図9参照)。
【0056】
最後に、成型デバイス10を使用して実行される、本発明による成型方法の例示的な実施形態が例を利用して記載されているが、これは全体的に同じように成型デバイス110に当てはめてもよい。
【0057】
最初に、型14が開き、射出体20が変位デバイス22のノズル装置30上に載置される。
【0058】
次に、型14が閉じられる。キャビティ16は充填デバイス18によって流通成型材料で満たされる。このキャビティは完全にまたは部分的にのみ満たされる。
【0059】
次に、射出体は、ノズル装置30を通る例えば制御され且つ高圧とされた水、または別の適切な流体の射出によって、キャビティ16を通って動作軌跡Bに沿って移動するように駆動される。射出体は流通成型材料(すなわち成型材料の中心)をキャビティ16の内部の中から外へと、例えば図示されていない第2キャビティ内へと移動させ、キャビティ壁16wに対して固化した成型材料のみがキャビティ内に残る。
【0060】
工程中に、射出体20は、本発明により提供されたその弾性圧縮強度によって、それ自身変化したキャビティ16の断面、特にキャビティの狭窄点、すなわちキャビティ部16bの領域の断面に合わされてもよい。これはキャビティ壁16wに対して固化したもしくは固化している途中の成型材料を損傷することなはない。射出体がこのキャビティ部16bから離れると同時に射出体は元の形状に復元してもよく、変化する断面形状且つ概略一定の壁厚wの高品質な中空成型品12が製造される。
【符号の説明】
【0061】
10,110 ・・・成型デバイス、 12,112 ・・・中空成型品、 14 ・・・型、 16 ・・・キャビティ、 18 ・・・充填デバイス、 20 ・・・射出体、 22 ・・・変位デバイス、 30 ・・・ノズル装置
【技術分野】
【0001】
本発明は中空成型品の製造のための成型デバイスに関し、この成型デバイスは、キャビティを備えた型と、キャビティを流通状態の成型材料で充満するための充填デバイスと、射出体と、射出体を駆動して、キャビティを充満した成型材料内を動作軌跡に沿って移動させるように設計された変位デバイスと、を具備している。
【背景技術】
【0002】
そのような成型デバイスは、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
上述の文献に記載されたようなプラスチック製品を、射出成型もしくはブロー成型によって製造することは一般に知られている。射出成型法によって、成型品は、ブロー成型法よりもより高度な生産精度を備えて生産されるが、さらなる生産ステップが中空成型品を生産するために必要とされる。
【0004】
例えば、射出成型法においては第一にハーフシェルが製造され、次いでハーフシェルは一体に溶着されて、中空ボディを形成する。あるいは上述の公報に記載されたように、第一に型のキャビティが流通状態の成型材料によって充満され、次いでキャビティの内部領域が射出体によって流通成型材料を除去されて空にされる。射出体は変位デバイスによって駆動され、成型材料内を動作軌跡に沿って、好適には成型材料を通じて移動し、流通成型材料をキャビティの内部から外へ、例えばキャビティと流体連通とされたもしくは流体連通とされる第2キャビティ内へと移動させる。したがって、キャビティの壁に近接した成型材料はキャビティ内に留まり、結果的に、射出体の動作軌跡に対応した製品軸に沿って伸びた中空成型品となる。射出体の代わりに、ガスまたは水のような流体が成型材料の移動に使用されてもよい。
【0005】
流体射出法が使用される成型デバイスは、例えば特許文献2から知られている。
【0006】
ここで、ガスの使用は簡単な装置となる利点を提供する。さらに、キャビティ内において変位デバイスによって加圧されることが可能なガスは、ガスが通じて流れるキャビティの形状に合致する。したがって、この方法は略一定な壁厚の中空成型品を製造するために使用される。製品は製品軸に沿って連続的に配列された部分を備え、その断面は製品軸に直交した方向において異なった形状であり、ここでは可変断面の中空成型品として指定されている。
【0007】
しかしながら、ガス射出技術によって達成される壁厚は比較的厚く、部品重量が大きくなる欠点を導いている。それに加えて、この方法によって製造された中空ボディの内面の品質は特に良いものではなく、達成可能なサイクルタイムは比較的長い。
【0008】
ガスとは異なり、水は圧縮性ではないので、より薄い壁の部品、したがってより軽い重量の部品が水射出技術を使用して製造され得る。それに加えて、水の高い熱容量のために、ガスが使用された場合よりもより短いサイクルタイムが達成され得る。しかしながら、製造される中空成型品の内面の十分な品質を達成するために、与えられた水圧が維持されなければならない。
【0009】
特許文献1から知られた射出体の使用は、製造される中空成型品の外側形状がキャビティによって画定され、射出体の直径に基づいて達成可能な壁厚を調節することを可能にしている。特に水射出で得られるものよりも、より薄い壁厚、したがってより軽い重量の部品が達成され得る。サイクルタイムはガス射出で実行するよりも短い。
【0010】
しかしながら、射出体射出の主な欠点は、使用される射出体が剛体であるために、既知の成型デバイスにおいて一定の断面を備えた一定の壁厚の中空成型品のみが製造されることである。特許文献1においては、例えば中空成型品と同一の成型材料から成る射出体が使用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】国際公開第2010/007142号パンフレット
【特許文献2】米国特許第5,759,459号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
この先行技術に鑑みて、本発明の目的は既知の成型デバイスをさらに改良することであり、略一定な壁厚且つ可変断面の中空成型品の製造も、射出体射出技術を使用して可能とされている。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この目的は上述のタイプの成型デバイスとともに達成され、キャビティは、射出体の動作軌跡に沿って連続して配列された少なくとも2つのキャビティ部を具備し、キャビティ部は動作軌跡に直交した異なった形状の断面とされており、射出体は変形可能材料で形成された変形可能部を具備し、変形可能材料は成型材料よりも低い弾性圧縮強度を有し、成型材料は、変形可能材料から成る立方体の試験片が、固化した状態の成型材料から成る同一の形状およびサイズの試験片よりも低い弾性圧縮強度である。
【0014】
この点において、試験片の弾性圧縮強度は立方体側面に垂直に作用する圧縮力と、力の方向に平行な試験片の長さ(圧縮)における弾性相対変化の結果と、の比である。結果的に、同一の圧縮負荷の下において、変形可能材料の試験片は、固化した状態にある成型材料の試験片の同一の形状およびサイズよりも大きい弾性圧縮を受ける。この点において、「弾性圧縮強度」の表現からすでに明確であるように、成型材料と変形可能材料とは、動作の際に射出体に作用するような圧縮力の下において、変形可能材料が弾性変形可能であり且つ固化した状態にある成型材料が(より小さい伸びであっても)同様に弾性変形可能であるか、またはこれらの圧縮力によって限界において全くもしくは目立たない程度にしか変形されないように選択されるべきである。試験片を使用した弾性圧縮強度に関するそのような比較実験は例えば室温において実施されるが、好適に成型デバイスを使用した中空成型品を製造する動作温度範囲内の温度において実施される。
【0015】
本発明によるデバイスの使用は、キャビティを通過する動作において、少なくとも変形可能部において、射出体自身を弾性的に型および固化したまたはキャビティの壁に対して固化した成型材料のキャビティの断面形状に合致させることを可能にしており、製造される中空成型品は略一定の壁厚および可変横断面となる。
【0016】
本発明により提供された射出体は、キャビティを通って移動する際に、それ自身がキャビティの輪郭に合致することが可能であり、そのときキャビティは射出体射出法における射出体の主目的、すなわちピストンのように成型材料の中心のプラスチックを押し出すことを実現する。その行程において、射出体はキャビティに対するシール機能を実現し、変位デバイスによって使用された射出体のための液体または気体の駆動媒体が射出体を通り越して流れることを防止しており、正確に再現可能な中空成型品の薄い壁厚の決定を可能にしている。
【0017】
射出体は、少なくとも部分的に固化するまでまたは固化中に、もはやキャビティの壁に対して薄い成型材料の膜が形成されないか、またはわずかのみが形成されるまでその動作軌跡上を移動し続ける。
【0018】
言い換えると、少なくとも変形可能部において、射出体はより柔軟な変形特性を備え、一方で成型デバイスの作動中の温度依存性において、成型材料の中心は主に粘性変形特性を備え、追加的な温度依存性において、成型材料の表皮は射出体の変形可能部よりも小さい柔軟性を示す。
【0019】
本発明により提供された射出体の変形挙動のために、キャビティに対する射出体のシール機能は改良され、駆動媒体が射出体を通り越して流れることが防止されているか、または少なくともそのようなことが遅延されている。動作軌跡に直交したキャビティの断面形状とそれに対応した断面積との両方は、射出体の変形特性によって設定されたある限界内において、動作軌跡に沿って変化し得る。射出体は対応した可変断面形状および/または断面積の中空成型品の製造を可能にしている。
【0020】
変形可能材料から成る射出体の一部のみが形成されることが原理上は可能であり、例えば射出体は剛体のコアを具備していてもよい。この場合、剛体コアの直径は、もちろんキャビティの最小直径よりも小さくするべきである。
【0021】
しかしながら、射出体の製造を簡素化するために、射出体全体が変形可能材料から形成されてもよい。
【0022】
射出体が流通状態にある高温の成型材料によって損傷することを防止するために、変形可能材料が350℃よりも高い耐熱性の材料を含んでいることが好ましい。この場合、シリコーンが特に適切な材料であると証明された。
【0023】
射出体が変位デバイスのノズル装置上の射出キャップの態様で前もって配置される場合、射出体は好適に単一の動作でキャビティを通じて駆動されてもよい。
【0024】
この目的のために、射出体は略中空構造であり、射出体の第1長手端部は開口しており、第2長手端部は閉じた構造である。この点において、第1開口長手端部は、成型デバイスが作動された場合、射出体の動作の方向において追従し、一方で、第2閉鎖端部は作動中に動作の方向において長手端部を誘導する。射出体の動作方向において追従する開放端、または後端はリップシールとして機能してもよく、さらに排出媒体が勢いよく前進することを遅延もしくは防止してもよい。
【0025】
作動時に、射出体が一定の横断面のキャビティ部を通過する際に成型材料の圧力によって望まない変形を受けないか、もしくは損傷されないことを確実にする最大限の単一の圧縮荷重を達成するために、射出体は略一定の壁厚を備えている。
【0026】
さらなる好適な本発明の発展によれば、2つのキャビティ部の断面積は動作軌跡に直交した方向において略同一のサイズである。この場合、射出体は、動作の方向において形状の過剰な変化を受けることなく、その形状を個々の断面に合致させてもよい。動作の際に、射出体の駆動に使用される流体の圧力の重度の降下を防止し、動作軌跡に沿った移動をさらに可能にしている。
【0027】
可変横断面の中空成型品の製造は、高頻度で例えば環状中空ボディの開始点から目標点までをその内部に設けられた異なった目的物とともに所定の構造的空間においてガイドすることが必要となる。2つの代替案が存在する。1つは、一定断面の環状中空ボディが個別の物体を通ってガイドされ、任意の複数の湾曲、複雑な形状の製品軸を備えた中空品の製造が必要とされてもよい。それとは別に、中空ボディは、その断面が物体によって画定された制限に局所的に合致するように使用されてもよい。
【0028】
この第2ケースにおいて、キャビティは射出体の動作軌跡に沿って連続して配列された少なくとも3つのキャビティ部を具備し、キャビティ部は動作軌跡に直交した異なった形状の断面とされており、中間キャビティ部の動作軌跡に直交した断面の形状は、他の2つのキャビティ部の動作軌跡に直交した断面の形状と異なっていてもよい。「中間」キャビティ部の用語は、ここでは動作軌跡に沿った順序に関連している。
【0029】
射出体の動作軌跡に沿って連続した配列されたキャビティ部に関して、断面は個々のキャビティ部において一定であり、キャビティ部の間の遷移点において突然変化する。すなわち段差となってもよい。しかしながら、中空成型品の均一な内面を達成するために、例えばキャビティ部内および/または射出体の動作軌跡に沿って直接連続的に配列された2つのキャビティ部の間の遷移点において、動作軌跡に直交した方向に連続的に変化する断面が好適である。
【0030】
ノズル手段が使用されて、射出体を駆動してもよい。ノズル手段は高圧下においてキャビティ内に流体を供給し、これによって射出体を前に押し出す。成型材料の特別に急速な固化およびそれによるサイクルタイムの短縮に貢献するために、ここでは水が流体として使用されてもよい。言い換えると、変位デバイスはノズル手段を具備し、ノズル手段は、射出体を前記動作軌跡に沿ってキャビティを加圧水の噴出を通じて充満する成型材料内へと駆動するように設計されている。
【0031】
さらなる態様によれば、本発明は中空成型品の製造方法にも関し、この方法は、型のキャビティを流通状態の成型材料で充満するステップと、射出体を駆動して、キャビティを充満した成型材料内を動作軌跡に沿って移動させるステップと、を含んでいる。
【0032】
そのような成型方法は特許文献1からも知られている。この先行技術の観点において、本発明の態様のさらなる目的は既知の成型方法をさらに発展することであり、略一定の壁厚および可変断面の中空成型品の製造も、可能射出体射出技術を使用して可能である。
【0033】
その目的は、本発明による、射出体が動作軌跡に沿って移動するときに、少なくとも射出体の変形部において変形されることによって達成される。
【0034】
このようにして、射出体は、キャビティの壁に対して固化したもしくは固化中の成型材料を損傷することなく、動作軌跡に直交したキャビティの横断面の動作軌跡に沿って変化する形状に、射出体自身を合致させてもよい。
【0035】
本発明による成型方法は、本発明による成型デバイスに関して説明された利点と同一のものに帰結する。本発明による成型デバイスの上述の記載およびそのさらに有利な発展は、同じ方法、関連した態様を含み、参照は本発明による成型方法に関して本発明による成型デバイスの上述の記載についても行われる。
【0036】
プラスチック部品も備えた射出体の変形の可能性は、無視されるべきでない。しかしながら、可変断面および最大限に均一な壁厚の中空成型品を製造するために、射出体は、動作軌跡に沿って移動する場合に、大部分が弾性的に変形することが好適である。特に好適には、変形は完全に弾性的であり、例えば局所的な狭窄点および略一定な断面を備えたチューブの製造を可能にする。
【0037】
射出体の移動の際に、異なったキャビティの断面形状に射出体を合致させることを達成するために、射出体の変形は好適に動作軌跡に直交して進行する。この目的のために、射出体が動作軌跡に沿って移動する場合に、射出体は変形し、その動作の一部が生じる間に、動作軌跡に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸と射出体外壁との間の径方向距離が、少なくとも射出体の1つの軸部および射出体の1つの周部においてより小さくなる。「軸」および「周部」との用語は、ここでは射出体長手軸に関係している。上述の周部とは異なった周部において、指定された距離は射出体の変形によって同様の大きさとなってもよい。
【0038】
多様な径の中空成型品を製造するために、可変断面形状だけでなく可変断面積のキャビティが必要である。この場合において、射出体が動作軌跡に沿って移動する場合に、射出体は変形し、その動作の一部が生じる間に、動作軌跡に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸と射出体外壁との間の径方向距離が、少なくとも射出体の1つの軸部において射出体の全周にわたって小さくなる。
【0039】
この場合において、特に射出体は変形し、上述の部分の変形が生じる間に、射出体は射出体長手軸の方向においてより長くなってもよい。
【0040】
射出体は、動作軌跡に沿って移動するときにキャビティに対してシール機能を発揮し、射出体を駆動するために使用された駆動媒体が射出体を通り越して流れることを防止している。このようにして、射出体は特に制御された方法において駆動され、この方法を使用して製造された中空成型品の品質を改良している。
【0041】
本発明は、2つの特に好適な例示的実施形態を参照するとともに、以下により詳細に説明されており、実施形態は添付図に示されている。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】本発明の例示的な第1実施形態による成型デバイスの長手方向断面を示した概略図である。
【図2a】図1の断面IIaに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図2b】図1の断面IIbに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図2c】図1の断面IIcに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図3】図1に示された成型デバイスを使用して製造された中空成型品を示した図である。
【図4a】図3の断面IVaに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図4b】図3の断面IVbに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図4c】図3の断面IVcに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図5】図1の成型デバイスに使用される射出体の拡大図である。
【図6】本発明の例示的な第2実施形態による成型デバイスの長手方向断面を示した概略図である。
【図7a】図6の断面VIIaに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図7b】図6の断面VIIbに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図7c】図6の断面VIIcに沿った成型デバイスのキャビティの断面を示した図である。
【図8】図6に示された成型デバイスを使用して製造された中空成型品を示した図である。
【図9a】図8の断面IXaに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図9b】図8の断面IXbに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【図9c】図8の断面IXcに沿った中空成型品の断面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0043】
すべての図は非常に簡素化、概略化して表現しており、特に縮尺は考慮されていない。
【0044】
図1は本発明の例示的な第1実施形態による成型デバイス10の長手断面を示した図であり、キャビティ16を備えた型14と、ここでは非常に概略的にのみ図示され且つキャビティ16を流通成型材料で充填するために供給する充填デバイス18と、射出体20と、ノズル装置形状の変位デバイス22と、を具備している。変位デバイス22は、射出体20を動作軌跡Bに沿って成型材料内を移動させるように設計されており、キャビティ16は充填デバイス18によってこの材料で満たされている。
【0045】
動作軌跡Bは湾曲したコースを進んでおり、このコースはキャビティ16の長手軸Lのコースと、成型デバイス10内に生成される中空成型品12(図3参照)の軸G(図3参照)のコースと、に対応している。
【0046】
キャビティ16は、動作軌跡Bに沿って連続的に配列された3つのキャビティ部16a,16bおよび16cを具備している。図2に示されたキャビティ部16aおよび16bまたは16bおよび16cの断面QaおよびQbまたはQbおよびQcは、各々が動作軌跡Bに直交するように異なった形状とされている。特に、2つの外側キャビティ部16a,16cの断面Qa,Qcは略同一サイズの円形であり、一方で、中間キャビティ部16bの断面Qbは引き伸ばされた楕円形を示しており、例示的な本実施形態においては、その断面積は他のキャビティ部16a,16cの断面積にほぼ一致している。図2に示された断面Qa,Qb,Qcの間の遷移は連続的であるか、またはその代わりに段階的な構造であってもよい。さらに、図2は型14が2つの半型14xおよび14yを具備していることを示している。
【0047】
図3は湾曲チューブ形状の中空成型品12を示しており、中空成型品は図1の成型デバイス10を使用して製造されたものである。
【0048】
そのような成型品12は局所的な狭窄点または障害を避けるために使用されてもよい。
【0049】
さらに、図4も同様に、成型品の3つの部分12a,12bおよび12c内の成型品12の断面Qa´,Qb´およびQc´を示しており、それらは3つのキャビティ部16a,16bおよび16cに対応している。図4に示されたように、壁厚さwは成型品の3つの部分すべてにおいてほぼ同一であり、中空成型品12の外周にわたって略一定である。
【0050】
図5は成型デバイス10内に使用された射出体20を幾分拡大して示している。射出体20は第1長手端部20aから第2長手端部20bまで長手射出体軸Pに沿って伸びており、第1長手端部20aにおいて開放され、第2長手端部20bにおいて閉じており、一定の壁厚さdの概略中空の魚雷形状である。他方では、例えば一側において開放された中空の槍形状等、他の射出体形状も想定される。
【0051】
射出体20は例えば耐熱シリコーンから形成され、射出体がキャビティ内を通過するように、弾性的にキャビティの断面形状に合致し、キャビティ壁16wに対して固化した成型材料に合致するのに特に適している。例えばその合致は、移動の間に動作軌跡に略平行にまたは略接線方向に伸びた長手射出体軸Pと射出体20の全外周の外側射出体壁20wとの間の径方向距離rの一時的な収縮によって行われるが、それでも成型行程の間に上昇する温度と圧力とに対抗している。本実施例においては、射出体全体が変形可能材料から形成されているが、変形部として記載された射出体の一部、例えば外側エンベロープが変形可能材料であり、例えば射出体が剛体コアを具備している可能性を規定から除外すべきでない。
【0052】
図6は本発明の例示的な第2実施形態による、非常に類似した成型デバイス110を示している。
【0053】
例示的な第1実施形態の特徴に対応した例示的な第2実施形態の特徴は、例示的な第1実施形態の対応した特徴の参照符号に100を加えた参照符号とともに図に与えられている。符号は図中において識別することを目的として使用されており、同一の符号は対応した特徴を特定するために使用されている。繰り返しを避けるため、例示的な第2実施形態は、例示的な第1実施形態と異なった範囲のみを記載しており、そうでなければ上述の記載が参照される。
【0054】
図6に示された成型デバイス110は、キャビティの形状が中間キャビティ部116bにおいて単に楕円形に狭くなったものではなく、図7に示されたように、断面Qbが三日月形状とされている点において、図1に示された成型デバイス10とは異なっている。
【0055】
したがって、図8に示された、成型デバイス110を使用して製造された中空成型品112は、成型品の中間部分112bにおいて三日月形状である(図9参照)。
【0056】
最後に、成型デバイス10を使用して実行される、本発明による成型方法の例示的な実施形態が例を利用して記載されているが、これは全体的に同じように成型デバイス110に当てはめてもよい。
【0057】
最初に、型14が開き、射出体20が変位デバイス22のノズル装置30上に載置される。
【0058】
次に、型14が閉じられる。キャビティ16は充填デバイス18によって流通成型材料で満たされる。このキャビティは完全にまたは部分的にのみ満たされる。
【0059】
次に、射出体は、ノズル装置30を通る例えば制御され且つ高圧とされた水、または別の適切な流体の射出によって、キャビティ16を通って動作軌跡Bに沿って移動するように駆動される。射出体は流通成型材料(すなわち成型材料の中心)をキャビティ16の内部の中から外へと、例えば図示されていない第2キャビティ内へと移動させ、キャビティ壁16wに対して固化した成型材料のみがキャビティ内に残る。
【0060】
工程中に、射出体20は、本発明により提供されたその弾性圧縮強度によって、それ自身変化したキャビティ16の断面、特にキャビティの狭窄点、すなわちキャビティ部16bの領域の断面に合わされてもよい。これはキャビティ壁16wに対して固化したもしくは固化している途中の成型材料を損傷することなはない。射出体がこのキャビティ部16bから離れると同時に射出体は元の形状に復元してもよく、変化する断面形状且つ概略一定の壁厚wの高品質な中空成型品12が製造される。
【符号の説明】
【0061】
10,110 ・・・成型デバイス、 12,112 ・・・中空成型品、 14 ・・・型、 16 ・・・キャビティ、 18 ・・・充填デバイス、 20 ・・・射出体、 22 ・・・変位デバイス、 30 ・・・ノズル装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中空成形品(12;112)を製造するための成型デバイス(10;110)であって、該成型デバイスは、
キャビティ(16;116)を備えた型(14;114)と、
前記キャビティ(16;116)を流通状態の成型材料で充満するための充填デバイス(18;118)と、
射出体(20;120)と、
該射出体(20;120)を駆動して、前記キャビティ(16;116)を充満した前記成型材料内を動作軌跡(B)に沿って移動させるように設計された変位デバイス(22;122)と、
を具備し、
前記キャビティ(16;116)は、前記射出体(20;120)の前記動作軌跡(B)に沿って連続して配列された少なくとも2つのキャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)を具備し、前記キャビティ部は前記動作軌跡(B)に直交した異なった形状の断面(Qa,Qb,Qc)とされており、前記射出体(20;120)は変形可能材料で形成された変形可能部を具備し、前記変形可能材料は前記成型材料よりも低い弾性圧縮強度を有し、前記成型材料は、前記変形可能材料から成る立方体の試験片が、固化した状態の前記成型材料から成る同一の形状およびサイズの試験片よりも低い弾性圧縮強度であることを特徴とする成型デバイス(10;110)。
【請求項2】
前記射出体(20;120)の全体が前記変形可能材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項3】
前記変形可能材料は、350℃よりも高い耐熱温度である材料、特にシリコーンを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項4】
前記射出体(20;120)は概略中空であり、前記射出体(20;120)の第1長手端部(20a)は開口しており、第2長手端部(20b)は閉じていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項5】
前記射出体(20;120)は略一定の壁厚さ(w)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項6】
2つの前記キャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)の断面(Qa,Qb)の面積は、前記動作軌跡(B)に直交した方向において略同一のサイズであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項7】
前記キャビティ(16;116)は前記射出体(20;120)の前記動作軌跡(B)に沿って連続して配列された少なくとも3つのキャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)を具備し、前記キャビティ部は前記動作軌跡(B)に直交した異なった形状の横断面(Qa,Qb,Qc)とされており、中間キャビティ部(16b;116b)の前記動作軌跡(B)に直交した横断面(Qb)の形状は、他の2つのキャビティ部(16a,16c;116a,116c)の各々の前記動作軌跡(B)に直交した横断面(Qa,Qc)の形状と異なっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項8】
前記キャビティの横断面は、1つのキャビティ部内および/または前記射出体(20;120)の動作軌跡(B)に沿って直接連続的に配列された2つのキャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)の間の遷移点において、前記射出体(20;120)の動作軌跡(B)に直交する方向において連続的に変化していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項9】
前記変位デバイス(22;122)はノズル手段(30;13)を具備し、該ノズル手段は、前記射出体(20;120)を前記動作軌跡(B)に沿って前記キャビティを加圧水の噴出によって充満する前記成型材料内へと駆動するように設計されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項10】
特に請求項1〜9のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)を使用した中空成型品(12;112)の製造のための成型方法であって、該方法は、
型(14;114)のキャビティ(16;116)を流通状態の成型材料で充満するステップと、
射出体(20;120)を駆動して、前記キャビティ(16;116)を充満した前記成型材料内を動作軌跡(B)に沿って移動させるステップと、を含んでおり、
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに、少なくとも前記射出体(20;120)の変形部において変形することを特徴とする成型方法。
【請求項11】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに、少なくとも前記射出体(20;120)の変形部において主に弾性的に、好適には完全に弾性的に変形することを特徴とする請求項10に記載の成型方法。
【請求項12】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに変形し、その動作の一部において、前記動作軌跡(B)に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸(P)と射出体外壁(20w;120w)との間の径方向距離(r)が、少なくとも前記射出体(20;120)の1つの軸部および前記射出体(20;120)の1つの周部において、より小さくなることを特徴とする請求項10または11に記載の成型方法。
【請求項13】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿った移動の際に変形し、その動作の一部において、前記動作軌跡(B)に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸(P)と射出体外壁(20w;120w)との間の径方向距離(r)が、少なくとも前記射出体(20;120)の1つの軸部において前記射出体(20;120)の全周にわたって小さくなることを特徴とする請求項12に記載の成型方法。
【請求項14】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿った移動の際に変形し、その動作の一部において、前記射出体(20;120)は前記射出体長手軸(P)の方向において、より長くなることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の成型方法。
【請求項15】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに前記キャビティ(16;116)に対してシール機能を発揮し、前記射出体(20;120)を駆動するために使用された駆動媒体が前記射出体(20;120)を通り越して流れることを防止していることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の成型方法。
【請求項1】
中空成形品(12;112)を製造するための成型デバイス(10;110)であって、該成型デバイスは、
キャビティ(16;116)を備えた型(14;114)と、
前記キャビティ(16;116)を流通状態の成型材料で充満するための充填デバイス(18;118)と、
射出体(20;120)と、
該射出体(20;120)を駆動して、前記キャビティ(16;116)を充満した前記成型材料内を動作軌跡(B)に沿って移動させるように設計された変位デバイス(22;122)と、
を具備し、
前記キャビティ(16;116)は、前記射出体(20;120)の前記動作軌跡(B)に沿って連続して配列された少なくとも2つのキャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)を具備し、前記キャビティ部は前記動作軌跡(B)に直交した異なった形状の断面(Qa,Qb,Qc)とされており、前記射出体(20;120)は変形可能材料で形成された変形可能部を具備し、前記変形可能材料は前記成型材料よりも低い弾性圧縮強度を有し、前記成型材料は、前記変形可能材料から成る立方体の試験片が、固化した状態の前記成型材料から成る同一の形状およびサイズの試験片よりも低い弾性圧縮強度であることを特徴とする成型デバイス(10;110)。
【請求項2】
前記射出体(20;120)の全体が前記変形可能材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項3】
前記変形可能材料は、350℃よりも高い耐熱温度である材料、特にシリコーンを含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項4】
前記射出体(20;120)は概略中空であり、前記射出体(20;120)の第1長手端部(20a)は開口しており、第2長手端部(20b)は閉じていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項5】
前記射出体(20;120)は略一定の壁厚さ(w)を備えていることを特徴とする請求項4に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項6】
2つの前記キャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)の断面(Qa,Qb)の面積は、前記動作軌跡(B)に直交した方向において略同一のサイズであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項7】
前記キャビティ(16;116)は前記射出体(20;120)の前記動作軌跡(B)に沿って連続して配列された少なくとも3つのキャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)を具備し、前記キャビティ部は前記動作軌跡(B)に直交した異なった形状の横断面(Qa,Qb,Qc)とされており、中間キャビティ部(16b;116b)の前記動作軌跡(B)に直交した横断面(Qb)の形状は、他の2つのキャビティ部(16a,16c;116a,116c)の各々の前記動作軌跡(B)に直交した横断面(Qa,Qc)の形状と異なっていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項8】
前記キャビティの横断面は、1つのキャビティ部内および/または前記射出体(20;120)の動作軌跡(B)に沿って直接連続的に配列された2つのキャビティ部(16a,16b,16c;116a,116b,116c)の間の遷移点において、前記射出体(20;120)の動作軌跡(B)に直交する方向において連続的に変化していることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項9】
前記変位デバイス(22;122)はノズル手段(30;13)を具備し、該ノズル手段は、前記射出体(20;120)を前記動作軌跡(B)に沿って前記キャビティを加圧水の噴出によって充満する前記成型材料内へと駆動するように設計されていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)。
【請求項10】
特に請求項1〜9のいずれか一項に記載の成型デバイス(10;110)を使用した中空成型品(12;112)の製造のための成型方法であって、該方法は、
型(14;114)のキャビティ(16;116)を流通状態の成型材料で充満するステップと、
射出体(20;120)を駆動して、前記キャビティ(16;116)を充満した前記成型材料内を動作軌跡(B)に沿って移動させるステップと、を含んでおり、
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに、少なくとも前記射出体(20;120)の変形部において変形することを特徴とする成型方法。
【請求項11】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに、少なくとも前記射出体(20;120)の変形部において主に弾性的に、好適には完全に弾性的に変形することを特徴とする請求項10に記載の成型方法。
【請求項12】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに変形し、その動作の一部において、前記動作軌跡(B)に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸(P)と射出体外壁(20w;120w)との間の径方向距離(r)が、少なくとも前記射出体(20;120)の1つの軸部および前記射出体(20;120)の1つの周部において、より小さくなることを特徴とする請求項10または11に記載の成型方法。
【請求項13】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿った移動の際に変形し、その動作の一部において、前記動作軌跡(B)に略平行にまたは略接線方向に伸びた射出体長手軸(P)と射出体外壁(20w;120w)との間の径方向距離(r)が、少なくとも前記射出体(20;120)の1つの軸部において前記射出体(20;120)の全周にわたって小さくなることを特徴とする請求項12に記載の成型方法。
【請求項14】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿った移動の際に変形し、その動作の一部において、前記射出体(20;120)は前記射出体長手軸(P)の方向において、より長くなることを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の成型方法。
【請求項15】
前記射出体(20;120)は、前記動作軌跡(B)に沿って移動するときに前記キャビティ(16;116)に対してシール機能を発揮し、前記射出体(20;120)を駆動するために使用された駆動媒体が前記射出体(20;120)を通り越して流れることを防止していることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の成型方法。
【図1】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【図2a】
【図2b】
【図2c】
【図3】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5】
【図6】
【図7a】
【図7b】
【図7c】
【図8】
【図9a】
【図9b】
【図9c】
【公開番号】特開2012−224083(P2012−224083A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−91723(P2012−91723)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(512098016)ルーフリング・アウトモティーフェ・アーゲー・ウント・ツェーオー・カーゲー (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−91723(P2012−91723)
【出願日】平成24年4月13日(2012.4.13)
【出願人】(512098016)ルーフリング・アウトモティーフェ・アーゲー・ウント・ツェーオー・カーゲー (1)
【Fターム(参考)】
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