説明

中継サーバ及び中継通信システム

【課題】複数の中継サーバによって構築された中継通信システムに用いられる中継サーバにおいて、管理側の中継サーバと通信できなくなった場合でも、接続側の中継サーバが必要以上のアクセス権を有することを防止しつつ、中継通信システムを継続可能な構成を提供する。
【解決手段】保守端末(接続側の中継サーバ)は、候補ジョブリストの受信後であって接続ジョブの実行の許可をセンター端末から受信する前に、センター端末と通信できない旨を通信検出部が検出した場合、選択された接続ジョブに示された被保守端末に接続の許可を求める。保守端末は、センター端末から接続ジョブの実行の許可が通知されたとき、又は、被保守端末から接続の許可が通知されたときに、当該被保守端末との間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立する。保守端末は、ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、異なるLAN(Local Area Network)に接続されている端末間の通信を可能とする中継サーバに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、仮想プライベートネットワーク(Virtual Private Network,VPN)と呼ばれる通信技術が知られている。このVPNは、例えば、地域ごとに設けられた複数の拠点のLANに接続された端末同士でインターネットを介して通信する用途に用いられている。前記VPNを利用すれば、遠隔地にある他のLANを、あたかも直接接続されているネットワークであるかのように使用することができる。VPNは、例えば、他の拠点に設けられた端末を遠隔保守する用途に用いられる。保守対象の端末は、遠隔地にある他のLANに接続された機器からリモートメンテナンス等を受けることができる。
【0003】
特許文献1は、この種のネットワークを介した管理システムを開示する。この管理システムは、ビルオーナ、設備保守会社、及び電気設備メーカーに跨る形で構築されている。ビルオーナは、自身が保有するビルに、電気設備及びこれを制御するための運転制御管理装置を設置している。この運転制御管理装置は、インターネット等のネットワークを介してアクセス可能に構成されている。設備保守会社は、ビルオーナから電気設備の管理を委託され、運転制御管理装置にアクセスする許可を電気設備メーカーから得ている。従って、設備保守会社は、インターネット等のネットワークを介して遠隔地から電気設備に対する保守作業を行うことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−223521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1のような管理システムでは、保守側の機器は、管理側の機器と通信ができなくなった場合、被保守側の機器にアクセスする許可を取得できない。この場合、保守側の機器は、被保守側の機器に対する保守作業を行うことができなくなる(管理システムが機能しなくなる)。
【0006】
この点を解消するために、保守側の機器が管理側の機器と通信できなくなった場合に限り、アクセスの許可を取得することなく保守側の機器から被保守側の機器にアクセス可能とする構成が考えられる。しかし、この構成は、保守側の機器が必要以上のアクセス権を有してしまうこととなる。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、複数の中継サーバによって構築された中継通信システムに用いられる中継サーバにおいて、管理側の中継サーバと通信できなくなった場合でも、接続側の中継サーバが必要以上のアクセス権を有することを防止しつつ、中継通信システムによる通信を継続可能な構成を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の接続側の中継サーバが提供される。即ち、この接続側の中継サーバは、管理先情報格納部と、通信検出部と、選択ジョブ通知部と、接続許可要求部と、ルーティングセッション確立部と、ルーティング制御部と、を備える。前記管理先情報格納部は、自身及び他の中継サーバを含んで構成される中継通信システムにログイン可能なオペレータと、接続を許可され得る候補である接続候補として当該オペレータが設定された被接続側の中継サーバと、を対応付けた接続ジョブの格納先である管理機能付き中継サーバの識別情報を格納する。前記通信検出部は、前記管理機能付き中継サーバに対する通信が可能か否かを検出する。前記選択ジョブ通知部は、自身を介してログイン中のオペレータが接続候補として設定された前記接続ジョブの一覧である候補ジョブリストを前記管理機能付き中継サーバから受信した後に、当該候補ジョブリストの中から選択された前記接続ジョブを前記管理機能付き中継サーバに通知する。前記接続許可要求部は、前記候補ジョブリストの受信後であって選択された前記接続ジョブの実行の許可を前記管理機能付き中継サーバから受信する前に、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出した場合に、選択された前記接続ジョブに示された前記被接続側の中継サーバに接続の許可を求める。前記ルーティングセッション確立部は、前記管理機能付き中継サーバから前記接続ジョブの実行の許可が通知されたとき、又は、前記被接続側の中継サーバから接続の許可が通知されたときに、当該被接続側の中継サーバとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立する。前記ルーティング制御部は、前記ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行う。
【0010】
これにより、接続側の中継サーバと管理機能付き中継サーバとが通信できなくなった場合でも、接続ジョブに示された被接続側の中継サーバとオペレータの組み合わせであって、かつ、被接続側の中継サーバの許可があれば、中継サーバ間の通信が可能となる。従って、通信障害の発生時においても、必要以上のアクセス権が接続側の中継サーバに設定されることを防止しつつ、接続側と被接続側との中継サーバ間で通信を行うことができる。
【0011】
前記の接続側の中継サーバにおいては、前記管理機能付き中継サーバから前記接続ジョブの実行の許可が通知され、当該接続ジョブが示す被接続側の中継サーバとの間に前記ルーティングセッションを確立した後は、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出した場合でも、当該ルーティングセッションを維持することが好ましい。
【0012】
これにより、必要以上のアクセス権が接続側の中継サーバに設定されることを防止しつつ、接続ジョブの中断を防止できる。
【0013】
前記の接続側の中継サーバにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了時に、前記管理機能付き中継サーバと通信できる旨を前記通信検出部が検出している場合は、当該管理機能付き中継サーバに当該作業の完了を通知する。前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了時に、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出している場合は、前記被接続側の中継サーバに当該作業の完了を通知するとともに、前記被接続側の中継サーバに、当該作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知させる。
【0014】
これにより、接続側の中継サーバと管理機能付き中継サーバとの間の通信経路に障害があっても、接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を被接続側の中継サーバから管理機能付き中継サーバへ通知することができる。
【0015】
本発明の第2の観点によれば、以下の構成の被接続側の中継サーバが提供される。即ち、この被接続側の中継サーバは、管理先情報格納部と、通信検出部と、許可情報送信部と、ルーティングセッション確立部と、ルーティング制御部と、代理通知部と、を備える。前記管理先情報格納部は、自身及び他の中継サーバを含んで構成される中継通信システムにログイン可能なオペレータと、当該オペレータが接続を許可され得る候補である接続候補として設定された自身又は他の被接続側の中継サーバと、を対応付けた接続ジョブの格納先である管理機能付き中継サーバの識別情報を格納する。前記通信検出部は、前記管理機能付き中継サーバに対する通信が可能か否かを検出する。前記許可情報送信部は、前記接続側の中継サーバが前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を検出し、当該接続側の中継サーバから、自身に対する接続の許可の要求を受信したときに、接続を許可するか否かを通知する。前記ルーティングセッション確立部は、自身と前記接続側の中継サーバとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立する。前記ルーティング制御部は、前記ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行う。前記代理通知部は、前記接続側の中継サーバから、前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知していない旨を受信した場合、前記通信検出部に基づいて前記管理機能付き中継サーバと通信が可能であれば、当該作業の完了を当該管理機能付き中継サーバへ通知する。
【0016】
これにより、接続側の中継サーバと管理機能付き中継サーバとの間の通信経路に障害があっても、接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を被接続側の中継サーバから管理機能付き中継サーバに通知することができる。
【0017】
前記の被接続側の中継サーバにおいては、前記接続側の中継サーバから、前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知していない旨を受信した場合、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出していれば、当該作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知していない旨を記憶し、前記管理機能付き中継サーバへの通信が可能となったときに、当該作業の完了を前記代理通知部が当該管理機能付き中継サーバへ通知することが好ましい。
【0018】
これにより、管理機能付き中継サーバが、接続側の中継サーバ及び被接続側の中継サーバの両方と通信できない場合においても、正常な通信が回復した後に、被接続側の中継サーバによって接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を通知することができる。
【0019】
本発明の第3の観点によれば、以下の構成の中継通信システムが提供される。即ち、この中継通信システムは、管理機能付き中継サーバと、接続側の中継サーバと、被接続側の中継サーバと、を含んで構成される。前記接続側の中継サーバ及び前記被接続側の中継サーバは、前記管理機能付き中継サーバと通信可能である。前記接続側の中継サーバは、管理先情報格納部と、通信検出部と、選択ジョブ通知部と、接続許可要求部と、ルーティングセッション確立部と、ルーティング制御部と、を備える。前記管理先情報格納部は、ログイン可能なオペレータと、当該オペレータが接続を許可され得る候補である接続候補として設定された前記被接続側の中継サーバと、を対応付けた接続ジョブの格納先である前記管理機能付き中継サーバの識別情報を格納する。前記通信検出部は、前記管理機能付き中継サーバに対する通信が可能か否かを検出する。前記選択ジョブ通知部は、自身を介してログイン中のオペレータが接続候補として設定された前記接続ジョブの一覧である候補ジョブリストを前記管理機能付き中継サーバから受信した後に、当該候補ジョブリストの中から選択された前記接続ジョブを前記管理機能付き中継サーバに通知する。前記接続許可要求部は、前記候補ジョブリストの受信後であって選択された前記接続ジョブの実行の許可を前記管理機能付き中継サーバから受信する前に、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出した場合に、選択された前記接続ジョブに示された前記被接続側の中継サーバに接続の許可を求める。前記ルーティングセッション確立部は、前記管理機能付き中継サーバから前記接続ジョブの実行の許可が通知されたとき、又は、前記被接続側の中継サーバから接続の許可が通知されたときに、当該被接続側の中継サーバとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立する。前記ルーティング制御部は、前記ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行う。
【0020】
これにより、接続側の中継サーバと管理機能付き中継サーバとが通信できなくなった場合でも、接続ジョブに記述された被接続側の中継サーバとオペレータの組み合わせであって、かつ、被接続側の中継サーバの許可があれば、中継サーバ間の通信が可能となる。従って、通信障害の発生時においても、必要以上のアクセス権が接続側の中継サーバに設定されることを防止しつつ、接続側と被接続側との中継サーバ間で通信を行うことが可能な中継通信システムが構築できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る中継通信システムの全体構成を示す説明図。
【図2】センター端末の構成を示す機能ブロック図。
【図3】オペレータリストの内容を示す図。
【図4】保守端末リストの内容を示す図。
【図5】被保守端末リストの内容を示す図。
【図6】接続ジョブリストの内容を示す図。
【図7】第1保守端末の構成を示す機能ブロック図。
【図8】第1被保守端末の構成を示す機能ブロック図。
【図9】接続ジョブが作成されるときの処理の流れを示すシーケンス図。
【図10】オペレータによる中継通信システムへのログイン時に行われる処理の流れを示すシーケンス図。
【図11】オペレータによる接続ジョブの選択時に行われる処理の流れを示すシーケンス図。
【図12】保守作業の終了後に行われる処理の流れを示すシーケンス図。
【図13】センター端末と保守端末とが通信できない場合の例を模式的に示す説明図。
【図14】センター端末と、保守端末及び被保守端末と、が通信できない場合の例を模式的に示す説明図。
【図15】候補ジョブリストの取得後に保守端末が行う処理を示すフローチャート。
【図16】保守作業の完了が通知された際に被保守端末が行う処理を示すフローチャート。
【図17】未通知リストに記録された内容に基づいて保守作業の完了を通知する処理を説明するフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る中継通信システム1の全体構成を示す説明図である。
【0023】
図1に示すように、中継通信システム1は、インターネット等のWide Area Network(WAN、広域通信網)3を介して接続された複数の中継サーバと、これらの中継サーバにLANを介して接続されるクライアント端末と、で構成されている。中継サーバは、他の中継サーバ及び他の中継サーバに接続されるクライアント端末と通信可能である。クライアント端末は、LANで接続された中継サーバを介して、他の中継サーバ及び他の中継サーバに接続されるクライアント端末と通信可能である。
【0024】
本実施形態では、この中継通信システム1を用いて、遠隔保守及びその管理が行われている。中継通信システム1において、前記中継サーバとして機能する端末は、センター端末5(管理機能付き中継サーバ)、第1被保守端末7A及び第2被保守端末7B(被接続側の中継サーバ)、第1保守端末9A及び第2保守端末9B(接続側の中継サーバ)である。
【0025】
センター端末5は、コールセンターに設けられている。コールセンターとは、保守対象の機器の所有者からの問い合わせに対応するオペレータが在籍する拠点である。また、センター端末5は、保守端末(又は保守を行うオペレータ)の被保守端末に対するアクセス権を管理している。センター端末5には、前記クライアント端末としてのセンター端末操作端末11がLAN13を介して接続されている。なお、センター端末5のIDは、「Center@relaysystem.net」である。
【0026】
第1被保守端末7Aは、遠隔保守の対象となる機器の設置先に設けられている。第1被保守端末7Aには、LAN17を介して、前記クライアント端末としての第1被保守対象システム15A及び第2被保守対象システム15Bが接続されている。第1被保守対象システム15A及び第2被保守対象システム15Bは、遠隔保守の対象となるファイルサーバ又はWebサーバ等である。なお、第1被保守端末7AのIDは、「Target1@relaysystem.net」である。
【0027】
第2被保守端末7Bは、遠隔保守の対象となる機器の設置先に設けられている。第2被保守端末7Bには、LAN21を介して、前記クライアント端末としての第3被保守対象システム19A及び第4被保守対象システム19Bが接続されている。第3被保守対象システム19A及び第4被保守対象システム19Bは、遠隔保守の対象となるファイルサーバ又はWebサーバ等である。なお、第2被保守端末7BのIDは、「Target2@relaysystem.net」である。
【0028】
第1保守端末9Aは、遠隔保守を行うオペレータが在籍する保守拠点に設けられている。第1保守端末9Aには、LAN25を介して、前記クライアント端末としての第1保守操作端末23A及び第2保守操作端末23Bが接続されている。なお、第1保守端末9AのIDは、「Maintenance2@relaysystem.net」である。
【0029】
第2保守端末9Bは、遠隔保守を行うオペレータが在籍する保守拠点に設けられている。第2保守端末9Bには、LAN29を介して、前記クライアント端末としての第3保守操作端末27A及び第4保守操作端末27Bが接続されている。なお、第2保守端末9BのIDは、「Maintenance1@relaysystem.net」である。
【0030】
保守拠点に在籍するオペレータが保守作業を行うためには、中継通信システム1にログインすることが必要である。オペレータは、保守操作端末を操作してID及びパスワードを入力することにより、中継通信システム1にログインすることができる。本実施形態の中継通信システム1では、オペレータは特定の保守操作端末に結び付けられておらず、何れの保守操作端末を使用した場合であっても中継通信システム1にログインすることができる。オペレータは、中継通信システム1へのログイン後に、前記保守操作端末を使用して、前記センター端末5が管理するアクセス権の範囲で、前記保守対象システムの遠隔保守を行う。
【0031】
次に、図2から図6までを参照して、センター端末5の構成を説明する。図2は、センター端末5の構成を示す機能ブロック図である。図3から図6までは、センター端末5のデータベース格納部33に保存された内容を示す図である。
【0032】
図2に示すように、センター端末5は、インタフェース35と、データベース格納部33と、制御部31と、を備える。
【0033】
インタフェース35は、プライベートIPアドレスを利用して、LAN13に接続される機器と通信を行うことができる。また、インタフェース35は、グローバルIPアドレスを利用して、WAN3を介した通信を行うことができる。
【0034】
データベース格納部33は、オペレータリスト格納部53と、保守端末リスト格納部55と、被保守端末リスト格納部57と、接続ジョブリスト格納部59と、を備えている。
【0035】
オペレータリスト格納部53には、例えば図3(a)に示すオペレータリスト53aが保存されている。オペレータリスト53aは、図3(a)に示すように、「ID」、「パスワード」、及び「ログイン中継サーバ」で構成されている。「ID」の列には、中継通信システム1にログイン可能なオペレータのIDが記述されている。「パスワード」の列には、同じ行に記述されたIDを使用して中継通信システム1にログインするために必要なパスワードが記述されている。「ログイン中継サーバ」の列には、同じ行に記述されたIDを使用してオペレータが中継通信システム1にログイン済みである場合に、オペレータのIDと、当該オペレータが使用している中継サーバ(センター端末又は保守端末)のIDと、が記述される。なお、オペレータが中継通信システム1にログイン済みでない場合は、「ログイン中継サーバ」は空欄となる。
【0036】
図3(a)の例からは、オペレータリストにオペレータOp1〜Op4が登録されており、第2オペレータOp2がセンター端末5を使用しており、第3オペレータOp3が第2保守端末9Bを使用していることが分かる。また、第1オペレータOp1及び第4オペレータOp4が中継通信システム1にログインしていないことが分かる。
【0037】
保守端末リスト格納部55には、図4に示す保守端末リスト55aが保存されている。保守端末リスト55aは、中継通信システム1を構成する保守端末について記述された、「名称」及び「端末ID」から構成されている。「名称」には、保守端末に付与された名称が記述されている。この名称には、保守端末の設置場所(保守拠点の名称)等、分かり易い適宜の名称を付与することができる。「端末ID」には、保守端末のIDが記述されている。
【0038】
被保守端末リスト格納部57には、図5に示す被保守端末リスト57aが保存されている。被保守端末リスト57aには、中継通信システム1を構成する被保守端末について記述された、「名称」及び「端末ID」から構成されている。「名称」には、被保守端末に付与された名称が記述されている。この名称には、被保守端末の設置場所(会社名)等、分かり易い適宜の名称を付与することができる。「端末ID」には、被保守端末のIDが記述されている。
【0039】
接続ジョブリスト格納部59には、接続ジョブに関する情報が保存されている。接続ジョブとは、保守作業の作業単位を示しており、被保守対象システムに対して保守作業が必要になる度にセンター端末5によって作成され、接続ジョブリスト格納部59に保存される。接続ジョブリスト格納部59は、1又は複数の接続ジョブで構成される接続ジョブリスト59aを保存している。接続ジョブリスト59aは、図6(a)に示すように各接続ジョブについて記述された、「ジョブID」、「被保守端末ID」、「接続候補ID」、及び「ジョブ情報」から構成されている。「ジョブID」には、それぞれの接続ジョブを一意に識別するためのIDが記述されている。「被保守端末ID」には、保守作業が必要な被保守対象システムと同じLANに接続される被保守端末のIDが記述されている。「接続候補ID」には、被保守端末への接続が許可され得る候補(接続候補)として設定されたオペレータのIDが記述されている。なお、「接続候補ID」には、1又は複数のオペレータのIDを記述することができる。「ジョブ情報」には、現在の接続ジョブの状態(例えば接続ジョブがどのオペレータによって実行されているか等)が記述されている。なお、接続ジョブは、保守作業の完了に伴って接続ジョブリスト59aから削除される。
【0040】
図6(a)の例からは、第2被保守端末7Bについて第1接続ジョブが作成されており、接続候補のオペレータとして、第1オペレータOp1及び第3オペレータOp3が設定されていることが分かる。図6(b)の例からは、前記第1接続ジョブに加え、第1被保守端末7Aについて第2接続ジョブが作成されており、接続候補のオペレータとして、第1オペレータOp1が設定されていることが分かる。図6(c)の例からは、第1オペレータOp1が第2接続ジョブを実行中であることが分かる。
【0041】
制御部31は、CPU、RAM、ROM等を含んでおり、ROM等から読み出したプログラムにより各種の処理を実行可能である。図2に示すように、制御部31は、ログイン認証部43と、接続ジョブ作成部45と、実行判断部47と、接続ジョブリスト管理部49と、候補ジョブリスト送信部51と、許可情報送信部52と、を備えている。
【0042】
接続ジョブ作成部45は、被保守対象システムに障害が発生した旨の通知を被保守端末から受けた場合等に前記接続ジョブを作成する。接続ジョブリスト管理部49は、前記接続ジョブリスト格納部59に保存された接続ジョブリスト59aの管理を行う。具体的には、接続ジョブ作成部45が作成した接続ジョブを接続ジョブリスト59aに登録すること、接続ジョブリスト59aのジョブ情報を更新すること、及び、接続ジョブリスト59aから接続ジョブを削除すること等が可能である。
【0043】
ログイン認証部43は、オペレータリスト53aと、保守端末等から受信したオペレータのID及びパスワードと、を照合して、オペレータのログインの可否を判断する。また、ログイン認証部43は、オペレータID等の送信を行った保守端末のIDが保守端末リスト55aに含まれているか否かに基づいて、ログインの可否を判断する。
【0044】
候補ジョブリスト送信部51は、保守を行うオペレータからの要求等に応じて、当該オペレータが接続候補となっている接続ジョブの一覧(候補ジョブリスト)を接続ジョブリスト59aから抽出し、保守端末を介して保守操作端末に送信する。オペレータは、候補ジョブリストの中から、実行を希望する接続ジョブを選択して、保守端末を介してセンター端末5に通知する。実行判断部47は、オペレータから通知された接続ジョブのジョブ情報を接続ジョブリスト59aから読み出し、このジョブ情報に基づいて(例えば当該接続ジョブを既に実行している他のオペレータがいるか否か等に基づいて)、接続ジョブの実行を許可するか否かを判断する。許可情報送信部52は、実行判断部47の判断結果(接続ジョブの実行を許可するか否か)を、保守端末を介して保守操作端末に送信してオペレータに通知する。
【0045】
次に、図7を参照して、保守端末の構成を説明する。図7は、第1保守端末9Aの構成を示す機能ブロック図である。なお、第1保守端末9Aと第2保守端末9Bの構成は同様であるので、代表して、第1保守端末9Aの構成を説明する。第1保守端末9Aは、図7に示すように、インタフェース65と、制御部61と、データベース格納部63と、を備えている。
【0046】
インタフェース65は、プライベートIPアドレスを利用して、LAN25に接続される機器と通信を行うことができる。また、インタフェース65は、グローバルIPアドレスを利用して、WAN3を介した通信を行うことができる。
【0047】
制御部61は、CPU、RAM、ROM等を含んでおり、ROM等から読み出したプログラムにより各種の処理を実行可能である。図7に示すように、制御部61は、ルーティングセッション確立部71と、ルーティング制御部73と、完了通知部74と、ログイン情報送信部75と、選択ジョブ通知部77と、通信検出部78と、接続許可要求部79と、を備えている。
【0048】
ログイン情報送信部75は、第1被保守端末7A又は第2被保守端末7Bから受信したオペレータのID及びパスワード(以下、ログイン情報と称する)をセンター端末5に送信する。選択ジョブ通知部77は、オペレータが前記候補ジョブリストの中から選択した接続ジョブをセンター端末5に送信する。
【0049】
ルーティングセッション確立部71は、第1保守端末9Aと、第1被保守端末7A又は第2被保守端末7Bと、の間にルーティングセッションを確立する。ルーティングセッションとは、LAN25に接続される機器と、保守対象システムの設置先のLAN(LAN17又はLAN21)に接続される機器と、の間で転送される通信パケットのルーティングに用いられるメディアセッションである。ルーティング制御部73は、このルーティングセッションを利用して、他のLANに接続される機器との間で通信パケットのルーティング制御を行う。完了通知部74は、保守作業の完了後に、当該保守作業の完了をセンター端末5及び第1被保守端末7A又は第2被保守端末7Bに通知する。
【0050】
通信検出部78は、第1保守端末9Aがセンター端末5と通信できるか否かを検出可能である。接続許可要求部79は、通信検出部78によって第1保守端末9Aがセンター端末5と通信できないことが検出されたときに、候補ジョブリストに記述された被保守端末に対し、接続の許可を求める。そして、被保守端末から接続の許可が得られた場合、前記ルーティングセッション確立部71は、当該保守端末との間にルーティングセッションを確立する。
【0051】
データベース格納部63は、センター端末情報格納部(管理先情報格納部)81を備えている。センター端末情報格納部81には、センター端末5の名称とIDとが保存されている。第1保守端末9Aは、センター端末情報格納部81の格納内容を参照することで、例えば候補ジョブリストの中から選択された接続ジョブを通知するために、センター端末5にアクセスすることができる。また、通信検出部78が通信の可否を検出する通信相手は、センター端末情報格納部81の格納内容を参照することにより決定される。
【0052】
次に、図8を参照して、被保守端末の構成を説明する。図8は、第1被保守端末7Aの構成を示す機能ブロック図である。なお、第1被保守端末7Aと第2被保守端末7Bの構成は同様であるので、代表して、第1被保守端末7Aの構成を説明する。第1被保守端末7Aは、図8に示すように、インタフェース95と、制御部91と、データベース格納部93と、を備えている。
【0053】
インタフェース95は、プライベートIPアドレスを利用して、LAN17に接続される機器と通信を行うことができる。また、インタフェース95は、グローバルIPアドレスを利用して、WAN3を介した通信を行うことができる。
【0054】
制御部91は、CPU、RAM、ROM等を含んでおり、ROM等から読み出したプログラムにより各種の処理を実行可能である。図8に示すように、制御部91は、ルーティングセッション確立部101と、ルーティング制御部103と、代理通知部104と、通信検出部108と、許可情報送信部109と、を備えている。
【0055】
ルーティングセッション確立部101は、第1被保守端末7Aと、第1保守端末9A又は第2保守端末9Bと、の間にルーティングセッションを確立する。ルーティング制御部103は、このルーティングセッションを利用して、他のLANに接続される機器との間で通信パケットのルーティング制御を行う。また、例えば第1保守端末9Aとセンター端末5とが通信できない場合、当該第1保守端末9Aが備える完了通知部74は、保守作業の完了をセンター端末5へ通知できない。この場合、第1被保守端末7Aが備える代理通知部104は、上記完了通知部74の代わりに、センター端末5へ保守作業の完了を通知する。
【0056】
通信検出部78は、第1被保守端末7Aがセンター端末5と通信できるか否かを検出可能である。許可情報送信部109は、第1保守端末9A又は第2保守端末9B(前記接続許可要求部79)が行った接続許可要求に対して、接続を許可するか否かを通知する。
【0057】
データベース格納部93は、センター端末情報格納部111と、未通知リスト格納部112と、を備えている。センター端末情報格納部111には、センター端末5の名称とIDとが保存されている。第1被保守端末7Aは、センター端末情報格納部111の格納内容を参照することにより、例えば保守作業が必要になった旨を通知するために、センター端末5にアクセスすることができる。また、通信検出部78が通信の可否を検出する通信相手は、センター端末情報格納部81の格納内容を参照することにより決定される。
【0058】
なお、センター端末5が第1保守端末9Aだけでなく第1被保守端末7Aとも通信できない場合、第1保守端末9Aの完了通知部74も、第1被保守端末7Aの代理通知部104も、保守作業の完了を通知できない。第1被保守端末7Aが備える未通知リスト格納部112には、上記のように代理通知部104が完了を通知できなかった保守作業についての接続ジョブの一覧が格納される。第1被保守端末7Aは、センター端末5と通信できるようになったときに、この未通知リスト格納部112に記述された保守作業の完了をセンター端末5に通知する。
【0059】
次に、図9から図12までのシーケンス図を参照して、本実施形態の中継通信システム1を用いて遠隔保守を行う際の処理の流れについて説明する。以下では、第2オペレータOp2がセンター端末5をログイン中継サーバとして中継通信システム1にログイン済みであり、第3オペレータOp3が第2被保守端末7Bをログイン中継サーバとして中継通信システム1にログイン済みである状況(オペレータリスト53aが図3(a)の状態)を考える。また、接続ジョブとして、前記第1接続ジョブのみが存在している状況(接続ジョブリスト59aが図6(a)の状態)を考える。
【0060】
初めに、接続ジョブが作成されるときに中継通信システム1で行われる処理を説明する。接続ジョブは、前述のように、被保守対象システムに保守作業が必要になる度に作成される。以下では、第1被保守対象システム15Aに保守作業が必要となった場合を考える。例えば第1被保守対象システム15Aに障害が発生した場合、その旨が第1被保守端末7Aに通知される。第1被保守端末7Aは、障害が発生した旨を受信した場合(図9のシーケンス番号1)、その旨をセンター端末5に通知して、接続ジョブの作成を要求する(シーケンス番号2)。
【0061】
センター端末5は、この通知及び要求をセンター端末操作端末11に転送して、第2オペレータOp2に知らせる(シーケンス番号3)。第2オペレータOp2は、障害の内容及び被保守端末の名称等に基づいて、保守を行うことが好ましいオペレータを選択する。ここでは、第1オペレータOp1が選択されたものとする。これにより、センター端末5(接続ジョブ作成部45)が、接続ジョブ(第2接続ジョブ)の作成を行う(シーケンス番号4)。そして、センター端末5(接続ジョブリスト管理部49)は、作成された第2接続ジョブを接続ジョブリスト59aに登録する(シーケンス番号5)。即ち、接続ジョブリスト59aの「被保守端末ID」には、第1被保守端末7AのIDが記述され、「接続候補ID」には、第1オペレータOp1のIDが記述される(図6(b)を参照)。
【0062】
接続ジョブは、以上のようにして作成される。なお、第1オペレータOp1に早急に保守作業を行わせる必要がある場合は、接続ジョブの作成後に、その旨を直ちに第1オペレータOp1に通知しても良い。接続ジョブが作成されたことの通知は様々な方法で行うことができ、例えば、中継通信システム1上でインスタントメッセージサービスを運用し、第1オペレータOp1が中継通信システム1にログイン済みであるときは、第2オペレータOp2が当該インスタントメッセージサービスを用いて上記の通知を行うようにすることができる。第1オペレータOp1が中継通信システム1にログインしていない場合は、電話等の適宜の手段で通知すれば良い。
【0063】
次に、第1オペレータOp1が第1保守操作端末23Aを操作することで第1保守端末9Aをログイン中継サーバとして中継通信システム1にログイン要求を行った場合に、中継通信システム1で行われる処理を説明する。このログイン要求では、第1オペレータOp1にログイン情報(IDとパスワード)の入力が求められる。そして、第1オペレータOp1が第1保守操作端末23Aを操作してID(Op1)及びパスワード(abc)を入力して、入力内容を確定させることにより、ログイン情報が第1保守端末9Aに送信される。これにより、第1保守端末9Aは、ログイン要求を受け付け(図10のシーケンス番号11)、受信したログイン情報をセンター端末5に送信する(シーケンス番号12)。
【0064】
このログイン情報を受信したセンター端末5(ログイン認証部43)は、ログインの可否を判断する。具体的には、ログイン認証部43は、入力されたID及びパスワードがオペレータリスト53aに登録されているか否かの判断(シーケンス番号13)と、ログイン情報を送信した第1保守端末9Aが保守端末リスト55aに登録されているか否かの判断(シーケンス番号14)と、を行う。
【0065】
図3に示すように、上記で入力されたID及びパスワードは、オペレータリスト53aに登録されている。また、図4に示すように、第1保守端末9Aは保守端末リスト55aに登録されている。従って、ログイン認証部43は、第1オペレータOp1のログインを許可する。そして、センター端末5は、オペレータリスト53aの内容を更新する(シーケンス番号15)。具体的には、オペレータリスト53aの第1オペレータOp1に対応する「ログイン中継サーバ」に、第1オペレータOp1のIDと、第1保守端末9AのIDと、を記述する(図3(a)から図3(b)になるようにオペレータリスト53aを更新する)。そして、センター端末5は、ログイン成功を第1保守端末9Aに通知する(シーケンス番号16)。なお、センター端末5は、端末IDの認証又はログイン情報の認証に失敗した場合、ログイン失敗を保守端末に通知する。
【0066】
第1保守端末9Aは、センター端末5から受けたログイン成功の通知を第1保守操作端末23Aに転送して、第1オペレータOp1にログイン成功を通知する(シーケンス番号17)。そして、第1保守端末9Aは、前記候補ジョブリスト(ログイン中の第1オペレータOp1が接続候補となっている接続ジョブの一覧)をセンター端末5に要求する(シーケンス番号18)。
【0067】
この通知を受けたセンター端末5(候補ジョブリスト送信部51)は、接続ジョブリスト59aに保存された接続ジョブから、第1オペレータOp1が接続候補となっている接続ジョブを抽出して、候補ジョブリストを作成する(シーケンス番号19)。図6(b)に示すように、接続ジョブリスト59aに記述されている第1接続ジョブ及び第2接続ジョブは、両方とも第1オペレータOp1を接続候補としているため、候補ジョブリストには、第1接続ジョブ及び第2接続ジョブが記述される。そして、候補ジョブリスト送信部51は、作成した候補ジョブリストを第1保守端末9Aに送信する(シーケンス番号20)。なお、センター端末5は、第1オペレータOp1が接続候補となっている接続ジョブがない場合、その旨を第1保守端末9Aに送信する。
【0068】
第1保守端末9Aは、センター端末5から受信した候補ジョブリストを第1保守操作端末23Aに転送して、第1オペレータOp1に通知する(シーケンス番号21)。具体的には、第1保守操作端末23Aは、自身が備えるディスプレイに候補ジョブリストを表示する。これにより、第1オペレータOp1は、自身が実行可能な接続ジョブの一覧を知ることができる。
【0069】
なお、第1オペレータOp1は、第2保守操作端末23Bを操作することで第1保守端末9Aから中継通信システム1にログインすることも可能である。更には、第3保守操作端末27A又は第4保守操作端末27Bを操作することで第2保守端末9Bから中継通信システム1にログインすることも可能である。
【0070】
次に、オペレータによる接続ジョブの選択から保守作業中にかけて、中継通信システム1で行われる処理を説明する。以下では、第1オペレータOp1が候補ジョブリストの中から第2接続ジョブを選択した場合を考える。
【0071】
第1オペレータOp1が第2接続ジョブを選択し、その選択を確定させることにより、選択された接続ジョブを示す情報が第1保守端末9Aに送信される。これにより、第1保守端末9Aは接続ジョブの選択を受け付け(図11のシーケンス番号31)、第1オペレータOp1の選択内容を、第1オペレータOp1のIDとともにセンター端末5へ通知する(シーケンス番号32)。
【0072】
センター端末5(実行判断部47)は、この通知に基づいて、該当する接続ジョブである第2接続ジョブのジョブ情報を接続ジョブリスト59aから読み出す(シーケンス番号33)。そして、実行判断部47は、読み出したジョブ情報に基づいて、第2接続ジョブが実行中又は実行準備中であるか否かを判断する(シーケンス番号34)。図6(b)に示すように、第2接続ジョブのジョブ情報は空欄であるため、当該接続ジョブは実行中でも実行準備中でもない。従って、実行判断部47は、第1オペレータOp1による第2接続ジョブの実行を許可する。その後、接続ジョブリスト管理部49は、接続ジョブリスト59aの第2接続ジョブのジョブ情報に「実行準備中」と記述する(シーケンス番号35)。これにより、コールセンターの第2オペレータOp2は、第2接続ジョブのための接続作業が開始されたことを知ることができる。また、他のオペレータによる第2接続ジョブの実行を防止できる。そして、センター端末5(許可情報送信部52)は、該当する接続ジョブの実行を許可する旨を第1保守端末9Aに通知する(シーケンス番号36)。なお、センター端末5は、接続ジョブの実行を許可しない場合、その旨を保守端末に通知する。
【0073】
第1保守端末9Aは、接続ジョブの実行を許可する旨の通知を第1保守操作端末23Aに転送して、第1オペレータOp1に通知する(シーケンス番号37)。そして、第1保守端末9A(ルーティングセッション確立部71)は、該当する接続ジョブの保守先である第1被保守端末7Aに対して、ルーティングセッションの確立要求を行う(シーケンス番号38)。第1被保守端末7A(ルーティングセッション確立部101)は、この要求を受けて、アクセス許可としてのOKレスポンスを返信する(シーケンス番号39)。この結果、第1保守端末9Aと第1被保守端末7Aとの間に、メディアセッションが確立される。メディアセッションの確立の後に、第1保守端末9Aと第1被保守端末7Aは、ルーティング対象であるLAN17及びLAN25のネットワークアドレスを交換する。これにより、ルーティングセッションを介して、第1保守操作端末23Aと、第1被保守対象システム15A又は第2被保守対象システム15Bと、の通信が可能となる。そして、第1保守端末9Aは、ルーティングセッションが確立した旨を第1保守操作端末23Aに送信して第1オペレータOp1に通知する(シーケンス番号40)。更に、第1保守端末9Aは、ルーティングセッションが確立した旨をセンター端末5に通知する(シーケンス番号41)。
【0074】
センター端末5(接続ジョブリスト管理部49)は、この通知を受けて、図6(c)に示すように、接続ジョブリスト59aの第2接続ジョブのジョブ情報に「Op1実行中」と記述する(シーケンス番号42)。これにより、コールセンターの第2オペレータOp2は、第2接続ジョブが第1オペレータOp1によって開始されたことを知ることができる。
【0075】
第1保守端末9Aは、第1被保守端末7Aとの間に確立された前記ルーティングセッションを介して、保守が必要なシステム(第1被保守対象システム15A)に対する保守作業を行う(シーケンス番号43)。具体的には、第1オペレータOp1は、第1保守操作端末23Aを操作して、第1被保守対象システム15Aの状態の把握及びソフトウェアの更新等の保守作業を行うことができる。
【0076】
次に、第1オペレータOp1による保守作業の完了時に、中継通信システム1で行われる処理を説明する。
【0077】
第1オペレータOp1は、保守作業が完了した後に、当該保守作業の完了を、第1保守端末9Aを介して第1被保守端末7Aに通知する(図12のシーケンス番号51)。また、第1オペレータOp1は、保守作業の完了を、第1保守端末9Aを介して、センター端末5にも通知する(シーケンス番号52)。
【0078】
センター端末5(接続ジョブリスト管理部49)は、この通知を受けて、第2接続ジョブのジョブ情報に保守作業の完了を登録し(シーケンス番号53)、第2接続ジョブを接続ジョブリスト59aから削除する(シーケンス番号54)。
【0079】
その後、第1保守端末9Aは候補ジョブリストを再びセンター端末5に要求し、同様の処理を経ることで、第1オペレータOp1による新たな保守作業が行われる。
【0080】
次に、オペレータのログイン後に、第1保守端末9Aがセンター端末5と通信できなくなった場合について説明する。図13及び図14は、通信障害の具体例を模式的に示す説明図である。第1保守端末9Aがセンター端末5と通信できない場合としては、図13に示すように第1保守端末9Aとセンター端末5との間の通信経路に障害が発生した場合と、図14(b)に示すようにセンター端末5自体に障害が発生して通信が行えなくなった場合と、が考えられる。
【0081】
上記で説明したように、本実施形態では、センター端末5に格納された接続ジョブに基づいて、被保守端末に対する保守端末の接続が管理されている。従って、このセンター端末5による管理を厳密に適用すると、保守端末がセンター端末5と通信できなくなった時点で、当該保守端末は接続ジョブの許可が得られないために保守作業を行うことが一切できなくなってしまう。この点、本実施形態では、保守端末とセンター端末との間で通信ができなくなった場合でも、接続ジョブに示された被保守端末とオペレータの組み合わせであって、かつ、被保守端末から接続が許可されたことを条件として、被保守端末に対する保守端末の接続が可能な構成となっている。
【0082】
以下、図15に示すフローチャートに沿って、センター端末5と通信できなくなった場合に第1保守端末9Aが行う処理について具体的に説明する。前記候補ジョブリストの取得後(S101)、第1保守端末9A(通信検出部78)は、センター端末5と通信ができるか否かを判断する(S102)。
【0083】
第1保守端末9Aは、センター端末5と通信できる場合、図11のシーケンス図を参照して上記で説明したように、第1オペレータOp1により選択された接続ジョブをセンター端末5に通知する(S103、シーケンス番号32に相当)。そして、接続ジョブの実行を許可する旨をセンター端末5から通知された後に、第1オペレータOp1によって保守作業が開始される(S104)。
【0084】
なお、第1保守端末9Aは、接続ジョブの実行中にセンター端末5と通信できなくなった場合でも、接続ジョブを中断しないように構成されている。これは、既に実行が許可されている接続ジョブについては、そのまま実行させ続けても、事後的に不正なアクセスになるとは考えにくいからである。
【0085】
一方、第1保守端末9Aは、S102においてセンター端末5と通信できないと判断した場合、その旨を第1オペレータOp1に通知するとともに、S101で取得した候補ジョブリストを第1保守操作端末23Aに表示させる。第1オペレータOp1は、通信が正常な場合と同様に、候補ジョブリストから接続ジョブを選択する。ここでは、オペレータによって第2接続ジョブが選択されたものとする。
【0086】
すると、第1保守端末9A(接続許可要求部79)は、第1オペレータOp1が選択した第2接続ジョブに示された被保守端末(第1被保守端末7A)に対して、接続の許可を要求する(S105)。その上で、第1保守端末9Aは、第2接続ジョブに示された第1被保守端末7Aから接続の許可が通知されたか否かを判断する(S106)。
【0087】
接続を許可しない旨が第1被保守端末7A(許可情報送信部109)から通知された場合、第1保守端末9Aは接続ジョブを実行することができないので、S102の処理に戻る。一方、接続を許可する旨が第1被保守端末7A(許可情報送信部109)から通知された場合、第1保守端末9Aは、センター端末5から接続ジョブの実行が許可された場合と同様に、第1被保守端末7Aとルーティングセッションを確立して、接続ジョブを実行可能な状態にする。その後、第1オペレータOp1によって保守作業が行われる(S104)。
【0088】
これにより、センター端末5と第1保守端末9Aとが通信できない場合であっても、上記条件を満たせば、第1保守端末9Aと第1被保守端末7Aとを接続して保守作業を行うことができる。つまり、第1保守端末9Aには、センター端末5と通信できる場合と同等のアクセス権しか有していないこととなる。従って、センター端末5と第1保守端末9Aとが通信できない場合であっても、第1保守端末9Aによる不要又は不正なアクセスを防止しつつ、保守作業を継続することができる。
【0089】
保守作業の終了後、第1保守端末9A(通信検出部78)は、センター端末と通信ができるか否かの判断を再び行う(S107)。
【0090】
第1保守端末9Aは、センター端末5と通信できる場合、図12のシーケンス図を参照して上記で説明したように、保守作業の完了をセンター端末5及び第1被保守端末7Aに通知する(S108、シーケンス番号51,52に相当)。そして、次の保守作業を行う旨が第1オペレータOp1から通知された後に、候補ジョブリストの更新等を行い、S102の処理へ戻る。
【0091】
一方、第1保守端末9Aは、センター端末5と通信できない場合、保守作業の完了をセンター端末5へ通知することができない。そのため、第1保守端末9Aは、第1被保守端末7Aへ、保守作業が完了した旨を通知するとともに、自身の代わりに保守作業の完了をセンター端末5へ通知する要求(代理通知要求)を送信する(S110)。この代理通知要求には、今回の接続ジョブを示すID(図6のジョブID)が含まれている。その後、代理通知要求を受信した第1被保守端末7Aは、第1保守端末9Aの代わりに、センター端末5へログ情報とともに保守作業の完了を通知する。
【0092】
次に、接続ジョブに伴う保守作業が完了したときに第1被保守端末7Aが行う処理の詳細について、図16に示すフローチャートを参照して説明する。図16は、保守作業の完了が通知された際に被保守端末が行う処理を示すフローチャートである。
【0093】
第1被保守端末7Aは、第1保守端末9Aから保守作業の完了が通知された場合、前記の代理通知要求を併せて受信したか否かを判断する(S201)。第1保守端末9Aから代理通知要求を受信しなかった場合は、保守作業の完了を第1保守端末9Aからセンター端末5へ問題なく通知できたことを意味するので、第1被保守端末7Aは特に処理を行わない。
【0094】
一方、第1被保守端末7Aが第1保守端末9Aから代理要求通知を受信した場合は、センター端末5と第1保守端末9Aとの通信に障害が生じていることを意味する。そこで、第1被保守端末7A(通信検出部108)は、自身がセンター端末5と通信ができるか否かを判断する(S202)。ここで、第1被保守端末7Aがセンター端末5と通信できない場合としては、図14(a)に示すように第1被保守端末7Aとセンター端末5との間の通信経路に障害が発生した場合、又は、図14(b)に示すようにセンター端末5自体に障害が生じて通信が行えなくなった場合が考えられる。
【0095】
S202において、センター端末5と通知できると通信検出部108が判断した場合、第1被保守端末7A(代理通知部104)は、今回の保守作業が完了した旨を第1保守端末9Aに代わってセンター端末5へ通知する(S203)。一方、第1被保守端末7Aは、センター端末5と通信できない場合、代理通知要求に含まれる接続ジョブのID(図6のジョブID)を未通知リスト格納部112に格納する(S204)。
【0096】
上記の処理により、保守作業が完了したにもかかわらず、その旨を第1保守端末9Aからも第1被保守端末7Aからもセンター端末5に通知できなかった接続ジョブについては、当該接続ジョブを示すジョブIDが未通知リスト格納部112に記述されていくことになる。このような未通知の接続ジョブについては、正常な通信が回復した時点で作業完了を速やかにセンター端末5に通知することが好ましい。このため、第1被保守端末7Aは、図17に示す処理を所定時間毎に反復して実行することで、作業完了が未通知である接続ジョブについてセンター端末5に作業完了を改めて通知することとしている。図17は、未通知リストに記録された接続ジョブについて保守作業の完了を通知する処理を説明するフローチャートである。
【0097】
図17の処理が開始されると、第1被保守端末7A(通信検出部108)は、自身がセンター端末5と通信できるか否かを判断する(S301)。センター端末5と通信できないと判断した場合、作業完了が未通知の接続ジョブがあったとしても現時点で通知するのは不可能であることから、第1被保守端末7Aは特に処理を行わない。
【0098】
一方、センター端末5と通信が可能であると判断した場合、第1被保守端末7Aは未通知リスト格納部112を読み出して、未通知リストに記録された接続ジョブの有無を確認する(S302)。そして、第1被保守端末7A(代理通知部104)は、未通知リストに記録された接続ジョブがあった場合、当該接続ジョブのIDとともに、保守作業が完了した旨をセンター端末5へ通知する(S303)。この通知を受けたセンター端末5は、通知されたIDに基づいて接続ジョブを特定し、作業完了の記録等の処理を行う。その後、第1被保守端末7Aは、未通知リスト格納部112の内容から当該接続ジョブのIDを削除する(S304)。
【0099】
以上の構成により、図13及び図14に示すように第1保守端末9Aとセンター端末5とが通信できない場合であっても、第1被保守端末7Aによって、即座に(又はセンター端末5との通信が回復した後に)保守作業の完了を通知することができる。従って、センター端末5側としては、保守作業が完了した接続ジョブを接続ジョブリスト59aから確実に削除することができる。
【0100】
以上に示したように、本実施形態の第1保守端末9Aは、センター端末情報格納部81と、通信検出部78と、選択ジョブ通知部77と、接続許可要求部79と、ルーティングセッション確立部71と、ルーティング制御部73と、を備える。センター端末情報格納部81は、中継通信システム1にログイン可能なオペレータと、接続を許可され得る候補である接続候補として当該オペレータが設定された被保守端末と、を対応付けた接続ジョブの格納先であるセンター端末5の識別情報を格納する。通信検出部78は、センター端末5に対する通信が可能か否かを検出する。選択ジョブ通知部77は、自身を介してログイン中のオペレータが接続候補として設定された接続ジョブの一覧である候補ジョブリストをセンター端末5から受信した後に、当該候補ジョブリストの中から選択された接続ジョブをセンター端末5に通知する。接続許可要求部79は、候補ジョブリストの受信後であって選択された接続ジョブの実行の許可をセンター端末5から受信する前に、センター端末5と通信できない旨を通信検出部78が検出した場合に、選択された接続ジョブに示された第1被保守端末7Aに接続の許可を求める。ルーティングセッション確立部71は、センター端末5から接続ジョブの実行の許可が通知されたとき、又は、第1被保守端末7Aから接続の許可が通知されたときに、当該第1被保守端末7Aとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立する。ルーティング制御部73は、ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行う。
【0101】
これにより、第1保守端末9Aとセンター端末5とが通信できなくなった場合でも、接続ジョブに示された第1被保守端末7Aとオペレータの組み合わせであって、かつ、第1被保守端末7Aの許可があれば、中継サーバ間の通信が可能となる。従って、通信障害の発生時においても、必要以上のアクセス権が第1保守端末9Aに設定されることを防止しつつ、接続側と被接続側との中継サーバ間で通信を行うことができる。
【0102】
また、本実施形態の第1保守端末9Aにおいては、センター端末5から接続ジョブの実行の許可が通知され、当該接続ジョブが示す第1被保守端末7Aとの間にルーティングセッションを確立した後は、センター端末5と通信できない旨を通信検出部78が検出した場合でも、当該ルーティングセッションを維持することが好ましい。
【0103】
これにより、必要以上のアクセス権が第1保守端末9Aに設定されることを防止しつつ、接続ジョブの中断を防止できる。
【0104】
また、本実施形態の第1保守端末9Aは、保守作業の完了時に、センター端末5と通信できる旨を通信検出部78が検出している場合は、当該センター端末5に保守作業の完了を通知する。保守作業の完了時に、センター端末5と通信できない旨を通信検出部78が検出している場合は、第1被保守端末7Aに保守作業の完了を通知するとともに、第1被保守端末7Aに、保守作業の完了をセンター端末5へ通知させる。
【0105】
これにより、第1保守端末9Aとセンター端末5との間の通信経路に障害があっても、保守作業の完了を第1被保守端末7A側からセンター端末5へ通知することができる。
【0106】
また、本実施形態の第1被保守端末7Aは、センター端末情報格納部111と、通信検出部108と、許可情報送信部109と、ルーティングセッション確立部101と、ルーティング制御部103と、代理通知部104と、を備える。センター端末情報格納部111は、中継通信システム1にログイン可能なオペレータと、当該オペレータが接続を許可され得る候補である接続候補として設定された被保守端末と、を対応付けた接続ジョブの格納先であるセンター端末5の識別情報を格納する。通信検出部108は、センター端末5に対する通信が可能か否かを検出する。許可情報送信部109は、第1保守端末9Aがセンター端末5と通信できない旨を検出し、当該第1保守端末9Aから、自身(第1被保守端末7A)に対する接続の許可の要求を受信したときに、接続を許可するか否かを通知する。ルーティングセッション確立部101は、自身(第1被保守端末7A)と第1保守端末9Aとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立する。ルーティング制御部103は、ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行う。代理通知部104は、第1保守端末9Aから、保守作業の完了をセンター端末5へ通知していない旨を受信した場合、通信検出部108に基づいてセンター端末5と通信が可能であれば、保守作業の完了を当該センター端末5へ通知する。
【0107】
これにより、第1保守端末9Aとセンター端末5との間の通信経路に障害があっても、保守作業の完了を第1被保守端末7A側からセンター端末5に通知することができる。
【0108】
また、本実施形態の第1被保守端末7Aは、第1保守端末9Aから、保守作業の完了をセンター端末5へ通知していない旨を受信した場合、センター端末5と通信できない旨を通信検出部108が検出していれば、保守作業の完了をセンター端末5へ通知していない接続ジョブを未通知リスト格納部112に格納し、センター端末5への通信が可能となったときに、代理通知部104が当該接続ジョブの保守作業が完了している旨を当該センター端末5へ通知することが好ましい。
【0109】
これにより、センター端末5が、第1保守端末9A及び第1被保守端末7Aの両方と通信できない場合においても、通信できるようになった後に、第1被保守端末7Aによって保守作業の完了をセンター端末5へ通知することができる。
【0110】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0111】
接続ジョブは、保守を行うオペレータ側から作成することも可能である。例えば、定期メンテナンスが予定されている場合、当該定期メンテナンスを担当するオペレータが、メンテナンスを行うタイミングでセンター端末に接続ジョブの作成要求を行うことによって、接続ジョブが作成される。
【0112】
中継通信システム1を構成する被保守端末及び保守端末の台数は上記実施形態に限定されず、それぞれ1台であっても良いし、3台以上であっても良い。また、被保守端末に接続される被保守対象システム、及び、保守端末に接続される保守操作端末の台数は上記実施形態に限定されず、それぞれ1台であっても良いし、3台以上であっても良い。
【0113】
上記の第1保守端末9A及び第2保守端末9Bは、パーソナルコンピュータに着脱可能に取り付けられるメモリ及び当該メモリに保存されたアプリケーションであっても良い。
【0114】
上記のオペレータリスト53a、保守端末リスト55a、被保守端末リスト57a、接続ジョブリスト59aは、適宜の形式(例えばXML形式)で格納することができる。
【0115】
上記実施形態の構成に代えて、各中継サーバ間での通信に用いられる外部サーバをインターネット上に設置し、SIP(Session Initiaion Protocol)サーバとしての機能を発揮させて通信を行う構成にしても良い。
【符号の説明】
【0116】
1 中継通信システム
5 センター端末(管理機能付き中継サーバ)
7A 第1被保守端末(被接続側の中継サーバ)
7B 第2被保守端末(被接続側の中継サーバ)
9A 第1保守端末(接続側の中継サーバ)
9B 第2保守端末(接続側の中継サーバ)
11 センター端末操作端末
15A 第1被保守対象システム
15B 第2被保守対象システム
23A 第1保守操作端末
23B 第2保守操作端末
78 通信検出部
79 接続許可要求部
81 センター端末情報格納部(管理先情報格納部)
108 通信検出部
109 許可情報送信部
111 センター端末情報格納部(管理先情報格納部)
112 未通知リスト格納部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自身及び他の中継サーバを含んで構成される中継通信システムにログイン可能なオペレータと、接続を許可され得る候補である接続候補として当該オペレータが設定された被接続側の中継サーバと、を対応付けた接続ジョブの格納先である管理機能付き中継サーバの識別情報を格納する管理先情報格納部と、
前記管理機能付き中継サーバに対する通信が可能か否かを検出する通信検出部と、
自身を介してログイン中のオペレータが接続候補として設定された前記接続ジョブの一覧である候補ジョブリストを前記管理機能付き中継サーバから受信した後に、当該候補ジョブリストの中から選択された前記接続ジョブを前記管理機能付き中継サーバに通知する選択ジョブ通知部と、
前記候補ジョブリストの受信後であって選択された前記接続ジョブの実行の許可を前記管理機能付き中継サーバから受信する前に、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出した場合に、選択された前記接続ジョブに示された前記被接続側の中継サーバに接続の許可を求める接続許可要求部と、
前記管理機能付き中継サーバから前記接続ジョブの実行の許可が通知されたとき、又は、前記被接続側の中継サーバから接続の許可が通知されたときに、当該被接続側の中継サーバとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立するルーティングセッション確立部と、
前記ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行うルーティング制御部と、
を備えることを特徴とする接続側の中継サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載の接続側の中継サーバであって、
前記管理機能付き中継サーバから前記接続ジョブの実行の許可が通知され、当該接続ジョブが示す被接続側の中継サーバとの間に前記ルーティングセッションを確立した後は、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出した場合でも、当該ルーティングセッションを維持することを特徴とする接続側の中継サーバ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の接続側の中継サーバであって、
前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了時に、前記管理機能付き中継サーバと通信できる旨を前記通信検出部が検出している場合は、当該管理機能付き中継サーバに当該作業の完了を通知し、
前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了時に、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出している場合は、前記被接続側の中継サーバに当該作業の完了を通知するとともに、前記被接続側の中継サーバに、当該作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知させることを特徴とする接続側の中継サーバ。
【請求項4】
自身及び他の中継サーバを含んで構成される中継通信システムにログイン可能なオペレータと、当該オペレータが接続を許可され得る候補である接続候補として設定された自身又は他の被接続側の中継サーバと、を対応付けた接続ジョブの格納先である管理機能付き中継サーバの識別情報を格納する管理先情報格納部と、
前記管理機能付き中継サーバに対する通信が可能か否かを検出する通信検出部と、
前記接続側の中継サーバが前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を検出し、当該接続側の中継サーバから、自身に対する接続の許可の要求を受信したときに、接続を許可するか否かを通知する許可情報送信部と、
自身と前記接続側の中継サーバとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立するルーティングセッション確立部と、
前記ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行うルーティング制御部と、
前記接続側の中継サーバから、前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知していない旨を受信した場合、前記通信検出部に基づいて前記管理機能付き中継サーバと通信が可能であれば、当該作業の完了を当該管理機能付き中継サーバへ通知する代理通知部と、
を備えることを特徴とする被接続側の中継サーバ。
【請求項5】
請求項4に記載の被接続側の中継サーバであって、
前記接続側の中継サーバから、前記接続ジョブの実行中に行われた作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知していない旨を受信した場合、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出していれば、当該作業の完了を前記管理機能付き中継サーバへ通知していない旨を記憶し、前記管理機能付き中継サーバへの通信が可能となったときに、当該作業の完了を前記代理通知部が当該管理機能付き中継サーバへ通知することを特徴とする被接続側の中継サーバ。
【請求項6】
管理機能付き中継サーバと、
前記管理機能付き中継サーバと通信可能な接続側の中継サーバと、
前記管理機能付き中継サーバと通信可能な被接続側の中継サーバと、
を含んで構成される中継通信システムであって、
前記接続側の中継サーバは、
ログイン可能なオペレータと、当該オペレータが接続を許可され得る候補である接続候補として設定された前記被接続側の中継サーバと、を対応付けた接続ジョブの格納先である前記管理機能付き中継サーバの識別情報を格納する管理先情報格納部と、
前記管理機能付き中継サーバに対する通信が可能か否かを検出する通信検出部と、
自身を介してログイン中のオペレータが接続候補として設定された前記接続ジョブの一覧である候補ジョブリストを前記管理機能付き中継サーバから受信した後に、当該候補ジョブリストの中から選択された前記接続ジョブを前記管理機能付き中継サーバに通知する選択ジョブ通知部と、
前記候補ジョブリストの受信後であって選択された前記接続ジョブの実行の許可を前記管理機能付き中継サーバから受信する前に、前記管理機能付き中継サーバと通信できない旨を前記通信検出部が検出した場合に、選択された前記接続ジョブに示された前記被接続側の中継サーバに接続の許可を求める接続許可要求部と、
前記管理機能付き中継サーバから前記接続ジョブの実行の許可が通知されたとき、又は、前記被接続側の中継サーバから接続の許可が通知されたときに、当該被接続側の中継サーバとの間に、パケットのルーティングに用いられるルーティングセッションを確立するルーティングセッション確立部と、
前記ルーティングセッションに基づいて、ルーティング制御を行うルーティング制御部と、
を備えることを特徴とする中継通信システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate


【公開番号】特開2012−227835(P2012−227835A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−95328(P2011−95328)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】