説明

中継局測定装置、中継局監視装置及び中継局監視プログラム

【課題】低コストで、中継局における監視チャンネルの受信状態を遠隔監視できる中継局測定装置を提供する。
【解決手段】中継局測定装置2は、監視チャンネルの受信状態を測定して測定値を出力する受信状態測定手段21と、監視チャンネルの映像を出力する映像出力手段25と、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードを生成し、映像出力手段25が出力した映像にカラーコードを付加して監視映像を生成する監視映像生成手段23と、を備え、監視映像生成手段23は、測定値を色情報に変換する測定値変換手段23aと、カラータイル識別子を生成する識別子生成手段23bと、カラーコードを生成するカラーコード生成手段23cと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、中継局における監視チャンネルの受信状態を遠隔監視する中継局測定装置、中継局監視装置及び中継局監視プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、テレビジョン信号の信号レベルを検出し、受信状態の良否を判断できる発明が開示されている(特許文献1参照)。特許文献1に記載された受信機は、受信状態の良否を画面表示することにより、機器の故障とテレビジョン信号の受信状態が悪いこととを区別し、ユーザに不安を与えないものである。
【特許文献1】特開平5−75488号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここで、小規模の中継局では、大規模な中継局と異なり、中継局の設備やその中継局が中継する世帯数の関係から、中継局を監視するための設備投資に対する費用対効果が得にくく、低コストであることが要求される。
しかし、特許文献1に記載された受信機は、測定値を記憶及び伝送できないため、受信機の設置場所にて、人手により常時監視を行う必要があり、人件費等のコスト面で問題となる。このとき、中継局と受信機とを伝送回線で接続して遠隔監視することも考えられるが、小規模の中継局では、監視映像伝送回線の他にデータ伝送回線を借用することや新たな専用回線を設けることが、コスト面の問題から難しい。
【0004】
本発明は、低コストで、中継局における監視チャンネルの受信状態を遠隔監視することができる中継局測定装置、中継局監視装置及び中継局監視プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記した課題を解決するため、請求項1に係る中継局測定装置は、中継局における監視チャンネルの受信状態を測定する中継局測定装置において、受信状態測定手段と、映像出力手段と、監視映像生成手段と、を備え、監視映像生成手段が、測定値変換手段と、識別子生成手段と、カラーコード生成手段と、を備える構成とした。
【0006】
かかる構成によれば、中継局測定装置は、識別子生成手段によって、カラータイル識別子のみが用いる色を含むカラータイル識別子を生成する。また、中継局測定装置は、監視映像生成手段によって、監視映像に付加されたカラーコードを検出する際の手掛かりとなるカラータイル識別子を含むカラーコードを付加した監視映像を生成する。このカラーコードは、これを構成するカラータイルのそれぞれが、監視チャンネルの受信状態の測定値又はカラータイル識別子を示す色である。従って、監視映像を受信した中継局監視装置が、監視映像に含まれるカラータイル識別子を手掛かりにカラーコードを検出し、カラーコードを構成するカラータイルの色情報から監視チャンネルの受信状態を取得できる。
また、中継局測定装置は、例えば、中継局の監視映像を送信する監視映像伝送回線が敷設されている場合、カラーコードを付加した監視映像を、この監視映像伝送回線を用いて送信できる。一方、中継局測定装置は、監視映像伝送回線が敷設されていない場合、カラーコードを付加した監視映像を、無線通信回線を用いて送信できる。これによって、中継局監視装置は、測定値を送信するための専用回線を設ける必要がない。
【0007】
請求項2に係る中継局測定装置は、請求項1に記載の中継局測定装置において、前記カラーコード生成手段が、前記カラータイルの大きさを変更可能なことを特徴とする。
【0008】
かかる構成によれば、中継局測定装置は、カラーコード生成手段によって、監視チャンネルの受信状態に応じて、カラータイルの大きさが変更可能なので、例えば、監視チャンネルの受信状態が良い場合、カラータイルを小さくし、監視チャンネルの受信状態が悪い場合、カラータイルを大きくできる。
【0009】
請求項3に係る中継局測定装置は、請求項1又は請求項2に記載の中継局測定装置において、前記受信状態測定手段が、前記測定値として、少なくとも受信レベル、ビット誤り率及びキャリアノイズ比を測定して出力することを特徴とする。
【0010】
かかる構成によれば、中継局測定装置は、受信状態測定手段によって、監視チャンネルの受信状態を示す最小限の測定値を測定する。
【0011】
また、前記した課題を解決するため、請求項4に係る中継局監視装置は、中継局における監視チャンネルの受信状態の測定値を示すと共に、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラータイルが、付加された監視映像を用いて、監視チャンネルの受信状態を遠隔監視する中継局監視装置において、識別子検出手段と、色検出手段と、測定値逆変換手段と、警告手段と、を備える構成とした。
【0012】
かかる構成によれば、中継局監視装置は、カラーコードを検出する際の手掛かりとなるカラータイル識別子を含むカラーコードが付加された監視映像を受信する。このカラーコードは、これを構成するカラータイルのそれぞれが、監視チャンネルの受信状態の測定値又はカラータイル識別子を示す色である。また、中継局監視装置は、識別子検出手段によって、カラータイル識別子のみが用いる色領域を監視映像から抽出する。そして、中継局監視装置は、監視映像に含まれるカラータイル識別子を手掛かりにカラーコードを検出し、色検出手段及び測定値逆変換手段によって、カラーコードを構成するカラータイルの色情報から監視チャンネルの受信状態の測定値を取得できる。従って、中継局監視装置は、警告手段によって、人手によらずに、中継局における監視チャンネルの受信状態を遠隔監視できる。
また、中継局監視装置は、例えば、中継局の監視映像を送信する監視映像伝送回線が敷設されている場合、カラーコードを付加した監視映像を、この監視映像伝送回線を用いて受信できる。一方、中継局監視装置は、監視映像伝送回線が敷設されていない場合、カラーコードを付加した監視映像を、無線通信回線を用いて受信できる。これによって、中継局監視装置は、測定値を受信するための専用回線を設ける必要がない。
【0013】
請求項5に係る中継局監視装置は、請求項4に記載の中継局監視装置において、前記色検出手段が、前記カラータイル毎に中心画素の位置を求め、前記監視チャンネルの受信状態に応じて、前記中心画素の色と前記中心画素の周囲に存在する周囲画素の色とで平均化した色を、前記色情報として検出することを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、中継局監視装置は、色検出手段によって、例えば、監視チャンネルの受信状態が悪い場合、中心画素の色を周囲画素の色で平均化するので、誤り耐性が高くなる。
【0015】
請求項6に係る中継局監視装置は、請求項4又は請求項5に記載の中継局監視装置において、前記測定値逆変換手段が、前記測定値として、少なくとも受信レベル、ビット誤り率及びキャリアノイズ比を逆変換することを特徴とする。
【0016】
かかる構成によれば、中継局監視装置は、測定値逆変換手段によって、監視チャンネルの受信状態を示す最小限の測定値を逆変換する。
【0017】
また、前記した課題を解決するため、請求項7に係る中継局監視プログラムは、中継局における監視チャンネルの受信状態の測定値を示すと共に、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードが、付加された監視映像を用いて、監視チャンネルの受信状態を遠隔監視するために、コンピュータを、識別子検出手段、色検出手段、測定値逆変換手段、警告手段、として機能させる構成とした。
【発明の効果】
【0018】
本願発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1,4,7に係る発明によれば、測定値を送信するための専用回線を設ける必要がないので、低コストで、中継局における監視チャンネルの受信状態を遠隔監視することができる。また、請求項1,4,7に係る発明によれば、カラータイル識別子のみが用いる色領域を監視映像から抽出するので、カラータイル識別子を素早く検出でき、中継局監視装置を高速化することができる。
【0019】
請求項2に係る発明によれば、カラーコードの大きさを変更できるので、カラータイルで構成されるカラーコードの大きさも変更され、カラーコードによって監視映像が見づらくなることを防止することができる。
請求項3に係る発明によれば、監視チャンネルの受信状態を示す最小限の測定値を測定する。
請求項5に係る発明によれば、誤り耐性が高くなるので、監視チャンネルの受信状態が悪い場合でも測定値を誤った値に逆変換することを防止でき、測定値の精度を高くすることができる。
請求項6に係る発明によれば、監視チャンネルの受信状態を示す最小限の測定値を逆変換する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各実施形態において、同一の機能を有する手段及び装置には同一の符号を付し、説明を省略した。
【0021】
(第1実施形態)
[中継局監視システムの概略]
図1を参照して、中継局監視システムの概略について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る中継局測定装置と中継局監視装置とを備える中継局監視システムの概略図である。図1の中継局監視システム1は、既存の監視映像伝送回線6を利用するものであり、中継局測定装置2、中継局監視装置(モニタPC)3、ビデオサーバ4及びブロードバンドルータ5a,5b、監視映像伝送回線6及びアンテナ7を備える。
【0022】
中継局測定装置2は、監視チャンネルの受信状態を測定し、カラーコード(カラータイルスーパ)が付加された監視映像を生成するものである。ここで、中継局測定装置2は、地上デジタル放送を、アンテナ7を介して受信する。なお、中継局測定装置2の詳細は、後記する。
ビデオサーバ4は、同軸ケーブル等の汎用ケーブルで中継局測定装置2に接続され、中継局測定装置2が生成した監視映像を録画すると共に、この監視映像をブロードバンドルータ5aに出力する。
ブロードバンドルータ5aは、汎用ケーブルでビデオサーバ4に接続され、また、監視映像伝送回線6を介してブロードバンドルータ5bと接続される。そして、ブロードバンドルータ5aは、ビデオサーバ4が出力した監視映像をブロードバンドルータ5bに送信する。
ここで、中継局測定装置2、ビデオサーバ4、ブロードバンドルータ5a及びアンテナ7は、地上デジタル放送網の中継局等、放送エリア内の任意の場所(不図示)に設置される。
【0023】
監視映像伝送回線6は、監視映像を伝送する回線、例えば、既設の光ファイバ回線である。
ブロードバンドルータ5bは、汎用ケーブルで中継局監視装置3に接続され、受信した監視映像を中継局監視装置3に出力する。
中継局監視装置3は、中継局における監視チャンネルの受信状態の測定値を示すと共に、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードが、付加された監視映像を用いて、監視チャンネルの受信状態を遠隔監視するものである。なお、中継局監視装置3の詳細は、後記する。
ここで、中継局監視装置3及びブロードバンドルータ5bは、放送会館等の任意の場所に設置される。
【0024】
このように、中継局監視システム1は、中継局測定装置2が監視映像を遠隔地に設置された中継局監視装置3に送信するため、中継局測定装置2が設置された中継局に出向くことなく、中継局における監視チャンネルの受信状態を遠隔監視できる。
また、中継局測定装置2及び中継局監視装置3は、それぞれブロードバンドルータ5a,5b等の通信装置と別々に構成されるので、伝送回線を特定せず、低コストで汎用性が高い。従って、通信装置や伝送回線の整備状況に応じて、柔軟なシステム構築が可能となる。
【0025】
[中継局測定装置の構成]
以下、図2を参照して、中継局測定装置の構成について説明する。図2は、図1の中継局測定装置のブロック図である。中継局測定装置2は、受信状態測定手段21と、監視映像生成手段23と、映像出力手段25と、を備える。
【0026】
受信状態測定手段21は、中継局における監視チャンネルの受信状態を測定して測定値を出力するものである。例えば、受信状態測定手段21は、監視チャンネルの受信状態を測定するレベルチェッカー回路で構成することができる。ここでは、受信状態測定手段21は、測定値として、少なくとも監視チャンネルの受信レベル、ビット誤り率(BER)及びキャリアノイズ比(C/N)を測定する。ここでは、受信状態測定手段21は、監視チャンネルのキャリアノイズ比を測定するとしたが、キャリアノイズ比をビット誤り率から類推しても良い。
【0027】
また、受信状態測定手段21は、監視チャンネルの物理チャンネル番号を測定値に加えても良い。さらに、受信状態測定手段21は、測定したキャリアノイズ比が測定限界の上限以上、測定限界の下限以下又は測定範囲内であるかを示すフラグを求め、測定値に加えても良い。このフラグは、例えば、キャリアノイズ比が測定限界の上限以上の場合、「4(黄色)」、測定限界の下限以下の場合、「3(赤)」、及び、測定範囲内の場合「2(緑色)」である。
【0028】
映像出力手段25は、監視チャンネルの映像を出力するものである。例えば、映像出力手段25は、受信状態測定手段21が受信した地上デジタル放送を選局し、監視チャンネルの映像を監視映像生成手段23に出力する地上デジタル放送チューナ回路で構成することができる。
【0029】
監視映像生成手段23は、受信状態測定手段21が出力した測定値を色情報に変換し、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードを生成し、映像出力手段25が出力した映像にカラーコードを付加して監視映像を生成するものである。例えば、監視映像生成手段23は、オンスクリーンディスプレイ(OSD)回路で構成することができる。
【0030】
また、監視映像生成手段23は、カラーコードを付加する位置を変更可能とする。この場合、カラーコードを付加する位置(映像内でカラーコードの左上部が位置する座標)を後記する記憶手段に、予め、記憶しておく。ここで、監視映像生成手段23は、カラーコードを生成するために、測定値変換手段23aと、識別子生成手段23bと、カラーコード生成手段23cと、を備える。なお、カラーコード生成の具体例は、後記する。
【0031】
測定値変換手段23aは、色数値対応情報に基づいて、受信状態測定手段21が出力した測定値を色情報に変換するものである。このとき、測定値変換手段23aは、監視映像にキャリアノイズ比を表示するときの色を示す表示色を求めても良い。例えば、測定値変換手段23aは、ビタビ復号後におけるビット誤り率が2.0×10−4未満の場合、監視チャンネルの受信状態を良好と判別し、表示色を「2(緑色)」に設定する。一方、測定値変換手段23aは、このビット誤り率が2.0×10−4以上、かつ、測定範囲内の場合、監視チャンネルの受信状態をブロックノイズ有りと判別し、表示色を「4(黄色)」に設定し、このビット誤り率が2.0×10−4以上、かつ、測定範囲外の場合、監視チャンネルの受信状態を不良と判別し、表示色を「3(赤色)」に設定する。
さらに、測定値変換手段23aは後記する記憶手段(不図示)に予め記憶されている局コードを読み出し、色情報に変換しても良い。
【0032】
識別子生成手段23bは、所定の色パターンを示すカラータイル識別子を生成するものである。ここでは、識別子生成手段23bが、色数値対応情報に含まれない色を含むカラータイル識別子を生成する。
【0033】
カラーコード生成手段23cは、フォーマット情報に基づいて、所定の位置のカラータイルを、測定値変換手段21aが変換した色情報又は識別子生成手段23bが生成したカラータイル識別子が示す色として、カラーコードを生成するものである。ここでは、カラーコード生成手段23cは、正方形のカラータイルで構成されるカラーコードを生成するとしたが、長方形のカラータイルで構成されるカラーコードを生成しても良い(不図示)。
【0034】
また、カラーコード生成手段23cは、カラータイルの大きさを変更可能である。このカラータイルの大きさは、カラータイルの横軸方向の画素数及び縦軸方向の画素数を示す。このとき、カラータイルの大きさを、通信装置や伝送回線の性能及び監視チャンネルの受信状態に応じて、予め、手動で設定しておく。なお、カラータイルの大きさを変更すれば、カラーコードの大きさが変更されることは言うまでもない。
【0035】
中継局測定装置2は、図示しない記憶手段を備え、後記する色数値対応情報及びフォーマット情報を記憶手段に記憶しても良い。この記憶手段は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)で構成することができる。
【0036】
<カラーコード生成の具体例>
以下、図3を参照して、カラーコードの生成を具体的に説明する(適宜図3参照)。図3は、本発明の第1実施形態におけるカラーコードの生成を説明する図であり、(a)は、色数値対応情報を説明する図であり、(b)は、カラーコードの構造及びフォーマット情報を説明する図である。
【0037】
色数値対応情報は、図3(a)に示すように、数値と色とを予め対応付けたものであり、例えば、黒色を「0」、白色を「1」、緑色を「2」、赤色を「3」及び黄色を「4」に対応付ける。このように、色数値対応情報は、黒色、白色、青色、赤色、黄色及び緑色の6色のうち、青色以外の5色を用いており、各色のRGB値と数値とを対応付ける。
【0038】
図3(b)に示すように、カラーコードは、縦横に所定の数、連続するカラータイル、例えば、縦3個及び横8個、合計24個の正方形のカラータイルで構成される。また、図3(b)では、かっこ内の数値は、測定値又はカラータイル識別子を構成するカラータイルの個数を示す。例えば、カラータイル識別子は、3個のカラータイルで構成され、局コードは、4個のカラータイルで構成される。さらに、図3(b)では、BER仮数は、ビット誤り率の仮数部分を示し、BER指数は、ビット誤り率の指数部分を示す。
【0039】
以下、カラーコードにおける特定位置のカラータイルを示す場合、カラーコードの左上部を基準とし、カラーコードにおける横軸方向の位置m及びカラーコードにおける縦軸方向の位置nで示したカラータイル(m,n)と記載する(但し、0≦m≦7、0≦n≦2)。例えば、カラータイル(0,0)は、カラーコード最左列上段のカラータイルを示し、カラータイル(7,2)は、カラーコードの最右列下段のカラータイルを示す。
【0040】
フォーマット情報は、カラーコードにおけるカラータイルとカラータイル識別子及び測定値との位置関係を予め対応付けたものである。例えば、カラータイル(0,0)は、カラータイル識別子を格納することを示し、カラータイル(7,2)は、表示色を格納することを示す。
【0041】
ここで、受信レベル等が以下の値であるとして説明を続ける。
受信レベル :59(dBμV)
ビット誤り率 :2.43×10−7
キャリアノイズ比 :26(dB)
局コード :108
物理チャンネル番号:16
フラグ :2
表示色 :2
なお、ビット誤り率は、仮数部分が小数点第2位である。
【0042】
測定値変換手段23aは、色数値対応情報が5色で定義されるので、受信レベル、キャリアノイズ比及び物理チャンネル番号を10進数から5進数に変換する。また、測定値変換手段23aは、ビット誤り率について、仮数部分と指数部分とに分け、仮数部分に100を乗じ、かつ、指数部分のマイナス符号を除去した後、仮数部分と指数部分とをそれぞれ10進数から5進数に変換する。つまり、測定値変換手段23aは、ビット誤り率の仮数部分「243」、及び、ビット誤り率の指数部分「7」を5進数に変換する。
【0043】
また、測定値変換手段23aは、前記と同様に、受信レベル、キャリアノイズ比、物理チャンネル番号及び局コードを5進数に変換する。ここで、フォーマット情報は、受信レベル、キャリアノイズ比、物理チャンネル番号及び局コードが5進数で格納されることを示す情報を含んでも良い。なお、フラグ及び表示色は、5進数に変換しない。
【0044】
ここで、以下の測定値を色情報に変換するとして説明を続ける。
5進数変換後の受信レベル :214
5進数変換後のビット誤り率の仮数部分 :1433
5進数変換後のビット誤り率の指数部分 :12
5進数変換後のキャリアノイズ比 :101
5進数変換後の局コード :0413
5進数変換後の物理チャンネル番号 :31
フラグ :2
表示色 :2
【0045】
また、測定値変換手段23aは、色数値対応情報によって、5進数に変換した受信レベル、ビット誤り率の仮数部分、ビット誤り率の指数部分、キャリアノイズ比及び物理チャンネル番号、並びに、フラグ及び表示色のそれぞれを色情報に変換する。例えば、測定値変換手段23aは、5進数変換後の受信レベル「214」の各桁の数値を色情報に変換、つまり、「2」を緑色に変換し、「1」を白色に変換し、「4」を黄色に変換する。
【0046】
ここで、測定値が以下のように色情報に変換されたとして説明を続ける。
色変換後の受信レベル :緑白黄
色変換後のビット誤り率の仮数部分 :白黄赤赤
色変換後のビット誤り率の指数部分 :白緑
色変換後のキャリアノイズ比 :白黒白
色変換後の局コード :黒黄白赤
色換後の物理チャンネル番号 :赤白
色変換後のフラグ :緑
色変換後の表示色 :緑
【0047】
識別子生成手段23bは、前記した6色のうちの色数値対応情報に含まれない色(青色)を含む、例えば、青色、緑色、赤色の順の色パターンを示すカラータイル識別子を生成する。
【0048】
カラーコード生成手段23cは、所定の位置のカラータイルを、識別子生成手段23bが生成したカラータイル識別子を示す色にする。具体的には、カラーコード生成手段23cは、カラータイル(0,0)を青色とし、カラータイル(0,1)を緑色とし、カラータイル(0,2)を赤色とする。これによって、カラータイル(0,0)を基点とする縦軸方向に連続した3個のカラータイルの色が、カラータイル識別子の色パターンと同じになる。
【0049】
また、カラーコード生成手段23cは、所定の位置のカラータイルを、測定値変換手段23a変換した色情報が示す色にする。例えば、カラーコード生成手段23cは、色情報に変換した受信レベルが「緑白黄」なので、カラータイル(1,1)を緑色とし、カラータイル(1,2)を白色とし、カラータイル(1,3)を黄色とする。
また、カラーコード生成手段23cは、受信レベルと同様に、所定の位置のカラータイルを、測定値変換手段23aにて色情報に変換したビット誤り率の仮数部分、ビット誤り率の指数部分、キャリアノイズ比、局コード、物理チャンネル番号、フラグ及び表示色が示す色にする。
【0050】
<監視映像の具体例>
以下、図4を参照して、監視映像の具体例を説明する。図4は、図2の中継局測定装置が生成した監視映像を説明する図である。
図4に示すように、カラーコードは、監視映像の所定位置、例えば、左下部に付加されている。また、監視映像の左上部には、物理チャンネル番号「16」が、監視映像生成手段23によって付加されている。さらに、監視映像の右下部には、キャリアノイズ比「26」が、監視映像生成手段23によって付加されている。このキャリアノイズ比は、表示色に設定された色、例えば、緑色である。
【0051】
図4に示すように、カラーコードを用いるので、中継局測定装置2は、1個のカラータイルで2種類(2進数)の情報しか表現できない白黒タイルを用いた場合に比べ、1個のカラータイルに格納できる情報量が多くなるのでカラータイルの総数が少なくなり、各カラータイルを大きくできると共に、カラーコードを、監視映像が見づらくならない程度の大きさにできる。
【0052】
[中継局監視装置の構成]
以下、図5を参照して、中継局監視装置の構成について説明する。図5は、図1の中継局監視装置のブロック図である。中継局監視装置3は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びHDD(Hard Disk Drive)から構成される。また、中継局監視装置3は、識別子検出手段31と、中心画素色検出手段(色検出手段)32と、測定値逆変換手段33と、警告手段34と、記憶手段35と、を備える。
【0053】
識別子検出手段31は、監視映像に含まれる所定の色パターンで変化する色領域を、カラータイル識別子として検出し、カラータイル識別子の位置を出力するものである。まず、識別子検出手段31は、前記した6色のうちの色数値対応情報に含まれない色、ここでは、青色領域を、監視映像から抽出する。また、識別子検出手段31は、この色領域(青色領域)の中心画素に検出点を設定する。
【0054】
また、識別子検出手段31は、検出点を探索範囲内、探索間隔で所定の方向に移動させながら検出点の色を検出する。ここでは、識別子検出手段31は、検出点を監視映像の上側から下側に向けて縦軸方向に移動させ、この検出点のRGB値により色情報を検出する。さらに、識別子検出手段31は、検出点の色が、カラータイル識別子と同じ順、ここでは、青色、緑色、赤色の順で変化した場合、この色領域(青色領域)の中心画素の座標を、カラータイル識別子の位置として出力する。
【0055】
また、識別子検出手段31は、探索間隔を変更可能である。ここでは、通信装置や伝送回線の性能及び監視チャンネルの受信状態に応じて、探索間隔を、予め、手動で設定しておく。探索間隔を広くすることで、中継局監視装置3は、識別子検出手段31の演算量を少なくできるので、中継局監視装置を高速化すことができる。
【0056】
探索間隔は、検出点を移動させる間隔を示すものであり、例えば、1画素である。この場合、識別子検出手段31は、検出点を1画素ずつ移動させながら検出点の色を検出する。また、探索範囲は、検出点を移動させる範囲を示すものであり、カラーコードの縦軸方向の画素数と同じ値としても良い。この場合、識別子検出手段31は、この色領域(青色領域)の中心画素から30画素の範囲内で検出点を移動させる。
【0057】
また、識別子検出手段31は、検出点の色がカラータイル識別子の色パターンと同じ順で変化しない場合、又は、カラータイル識別子に含まれない色を検出した場合、カラーコードの検出を行っていない次の色領域の中心画素に検出点を設定し、前記と同様にカラータイル識別子の検出を試みる。もし、監視映像から抽出した色領域の全てにおいて、カラータイル識別子が検出できない場合、識別子検出手段31は、カラータイル識別子が不適切であることを示す識別子警告信号を警告手段34に出力し、処理を終了しても良い。
前記したように、カラータイル識別子が不適切であるかを判別しているため、中継局監視装置3は、監視映像において、カラーコード以外の部分から測定値を逆変換することを防止でき、測定値の精度を高くすることができる。
【0058】
中心画素色検出手段32は、識別子検出手段31が出力したカラータイル識別子の位置を基準として、カラーコード内でカラータイル毎の位置を求め、カラータイル毎の色情報を検出するものである。また、中心画素色検出手段32は、カラータイル毎に中心画素の位置を求め、監視チャンネルの受信状態に応じて、中心画素の色と中心画素の周囲に存在する周囲画素の色とで平均化した色を、色情報として検出する。ここでは、平均化を行うか否か、及び、平均化の対象となる周囲画素の範囲を、通信装置や伝送回線の性能及び監視チャンネルの受信状態に応じて、予め、手動で設定しておく。
前記したように、カラーコードは、カラータイルの総数が少なく、各カラータイルが大きいので、中心画素色検出手段32は、監視チャンネルの受信状態が悪い場合に、中心画素の色を平均化し、誤り耐性を高くできる。
【0059】
以下、図6を参照して、中心画素色検出手段の処理を具体的に説明する(適宜図5参照)。図6は、図5の中心画素色検出手段の処理を説明する図である。図6では、カラータイル高さを符号a、カラータイル幅を符号b、及び色領域の中心画素を符号cで示す。ここで、カラータイル高さa及びカラータイル幅bが、カラータイルの大きさを示す。また、カラーコードにおけるカラータイルの横軸方向の位置m’及びカラーコードにおけるカラータイルの縦軸方向の位置nが、カラータイルの位置を示す(但し、1≦m’≦7)。なお、カラータイルの横軸方向の位置m’を用いるのは、カラーコードの最左列がカラータイル識別子となるためである。
【0060】
中心画素色検出手段32は、カラータイル毎に横軸方向の中心座標を求める。具体的には、識別子検出手段31が検出した色領域の中心画素の横軸座標cxに、カラータイルの横軸方向の位置m’とカラータイル幅bとを乗じた値を加算し、カラータイル毎の縦軸方向の中心座標xm’を求めることができる。つまり、カラータイル毎の横軸方向の中心座標xm’は、式(1)で表される
式(1)xm’=cx+(m’×b)
【0061】
また、中心画素色検出手段32は、カラータイル毎に縦軸方向の中心座標を求める。具体的には、識別子検出手段31が検出した色領域の中心画素の縦軸座標cyに、カラータイルの縦軸方向の位置nとカラータイル高さaとを乗じた値を加算し、カラータイル毎の縦軸方向の中心座標ynを求めることができる。つまり、カラータイル毎の縦軸方向の中心座標ynは、式(2)で表される。
式(2)yn=cy+(n×a)
【0062】
また、中心画素色検出手段32は、カラータイル毎の縦軸方向の中心座標xn、及び、カラータイル毎の縦軸方向の中心座標ymによってカラータイル毎の中心画素の座標を求め、この中心画素のRGB値により色情報を検出する。
【0063】
以下、図5に戻り、中継局監視装置3の構成について説明を続ける。
測定値逆変換手段33は、色数値対応情報、及び、フォーマット情報に基づいて、前記中心画素色検出手段が検出した色情報を測定値に逆変換するものである。ここで、測定値逆変換手段33は、測定値として、少なくとも受信レベル、ビット誤り率及びキャリアノイズ比を逆変換する。
【0064】
また、測定値逆変換手段33は、色数値対応情報に基づいて、カラータイル毎の中心画素の色を数値に逆変換する。例えば、測定値逆変換手段33は、カラータイル(1,1)に対応する中心画素が緑色であれば、この色を「2」に逆変換し、カラータイル(1,2)に対応する中心画素が白色であれば、この色を「1」に逆変換し、カラータイル(1,3)に対応する中心画素が黄色であれば、この色を「4」に逆変換する。
【0065】
ここで、測定値逆変換手段33は、フォーマット情報により、カラータイル(1,1)、カラータイル(1,2)及びカラータイル(1,3)の3個のカラータイルに、5進数表記で受信レベル「214」が格納されていることがわかる。従って、測定値逆変換手段33は、これを5進数から10進数に変換し、受信レベル「59」を得ることができる。さらに、測定値逆変換手段33は、受信レベルと同様に、ビット誤り率の仮数部分、ビット誤り率の指数部分、キャリアノイズ比、局コード、物理チャンネル番号、フラグ及び表示色を逆変換できる。また、測定値逆変換手段33は、逆変換されたビット誤り率の仮数部分を100で除算し、逆変換されたビット誤り率の指数部分にマイナス符号を付加し、ビット誤り率を得ることができる。
【0066】
また、測定値逆変換手段33は、逆変換した局コードとチェック用局コードとを比較し、局コードとチェック用局コードとが一致しない場合、測定値が不適切であることを示す測定値警告信号を警告手段34に出力し、処理を終了する。さらに、測定値逆変換手段33は、逆変換した測定値が不適切、例えば、逆変換した受信コードが4桁である場合にも、測定値警告信号を警告手段34に出力し、処理を終了する。なお、このチェック用局コードは、記憶手段35に、予め、記憶しておく。
以上のように、測定値逆変換手段33が、測定値が不適切であるかを判別しているため、中継局監視装置3は、誤った測定値を記憶手段35に記憶することなく、測定値の精度を高くすることができる。
【0067】
警告手段34は、測定値逆変換手段33が逆変換した測定値と予め設定した閾値とを比較し、閾値未満である場合又は測定値が閾値を超えた場合には警告を出力するものである。また、警告手段34は、図示しないディスプレイ装置等の表示手段やスピーカ等の音声出力手段を備え、受信した監視映像を表示手段に表示すると共に、表示手段での警告ウィンドウの表示や警告音の出力を行っても良い。さらに、警告手段34は、電子メールの送信機能を備え、警告メッセージを内容とする電子メールを送信しても良い。
【0068】
また、警告手段34は、受信レベル、ビット誤り率、キャリアノイズ比又はフラグのいずれかと、閾値とを比較する。また、警告手段34は、これらの測定値と、閾値としての注意閾値及び異状閾値と、を比較しても良い。ここで、注意閾値は、軽度の異状であるかの判断基準となり、異状閾値は、重度の異状であるかの判断基準となる。なお、注意閾値及び異状閾値等の閾値は、予め、記憶手段35に記憶しておけば良い。
【0069】
ここで、注意閾値が50であり、異状閾値が40であり、警告手段34が受信レベルと注意閾値及び異状閾値とを比較する例を説明する。例えば、受信レベルが50未満であれば、警告手段34は、小さな音量の警告音や警告メッセージを黄色で表示した警告ウィンドウを受信状態警告として出力する。さらに、受信レベルが40未満であれば、警告手段34は、大きな音量の警告音や警告メッセージを赤色で表した警告ウィンドウを受信状態警告として出力する。
【0070】
なお、警告手段34は、識別子検出手段31から識別子警告信号が入力された場合、前記と同様に、警告音や警告ウィンドウをカラータイル識別子警告として出力しても良い。また、警告手段34は、測定値逆変換手段33から測定値警告信号が入力された場合、前記と同様に、受信状態警告を出力しても良い。
【0071】
記憶手段35は、測定値逆変換手段33が逆変換した測定値を記憶するものである。
ここで、地上デジタル放送における中継局の異常は、中継局の設備の初期不良や経年劣化を原因とする他、デジタル・アナログ波混信やフェージングによる電波伝搬異常が原因となる場合がある。特に、後者の場合、中継局の受信状態を長期にわたり測定及び記憶しておくことで、その原因を特定できることが多い。そこで、中継局監視装置3は、記憶手段35が測定値を記憶することで、中継局の異常の原因を特定し易くなる。
以上のように、中継局監視装置3は、定期的に送信される監視映像を用いて、機械的に警告を出力することができるため、人手によって常時監視を行う必要が無く、地上デジタル放送の受信状態の安定性確保に寄与する。
【0072】
なお、色数値対応情報及びフォーマット情報は、中継局測定装置2と中継局監視装置3の間で同期していることが好ましい。このため、中継局監視装置3は、中継局測定装置2の色数値対応情報及びフォーマット情報と同期を取ることができる。
【0073】
以下、図7を参照して、中継局監視装置の動作について説明する(適宜図5参照)。図7は、図5の中継局監視装置の動作を示すフローチャートである。
まず、中継局監視装置3は、識別子検出手段31によって、色領域の中心画素に設定した検出点を移動させながら検出点の色を検出し(ステップS1)、検出点の色がカラータイル識別子と同じ順で変化するときは(ステップS1でYes)、色領域の中心画素の座標を、カラータイル識別子の位置として出力する。一方、カラータイル識別子が検出できない場合(ステップS1でNo)、中継局監視装置3は、警告手段34によって、カラータイル識別子警告を出力し(ステップS6)、処理を終了する。
【0074】
ステップS1に続いて、中継局監視装置3は、中心画素色検出手段32によって、識別子検出手段31が検出した色領域の中心画素の座標を基準に、カラーコードを構成するカラータイルの大きさとカラーコードにおけるカラータイルの位置とからカラータイル毎の中心画素の座標を求め、カラータイル毎の中心画素の色を検出する(ステップS2)。
【0075】
ステップS2に続いて、中継局監視装置3は、測定値逆変換手段33によって、色数値対応情報及びフォーマット情報に基づいて、中心画素色検出手段32が検出したカラータイル毎の中心画素の色情報を測定値に逆変換する(ステップS3)。そして、中継局監視装置3は、測定値逆変換手段33が逆変換した測定値を記憶手段35に書き込む。
【0076】
ステップS3に続いて、中継局監視装置3は、警告手段34によって、測定値逆変換手段33が逆変換した測定値と予め設定した閾値とを比較し(ステップS4)、測定値が閾値未満である場合(測定値正常、ステップS4でNo)、受信状態警告を出力し、処理を終了する(ステップS5)。一方、測定値が閾値未満でない場合(測定値異状、ステップS4でYes)、中継局監視装置3は、処理を終了する。
なお、中継局監視装置3は、前記した処理を、予め設定した間隔、例えば、10秒から30秒の間隔で起動することが好ましい。
【0077】
(第2実施形態)
以下、図8を参照して、第2実施形態に係る中継局監視システムについて、図1と異なる点を説明する。図8は、本発明の第2実施形態に係る中継局測定装置と中継局監視装置とを備える中継局監視システムの概略図である。図8の中継局監視システム1Bは、無線通信回線9を利用するものであり、中継局測定装置2、中継局監視装置(携帯電話)3b及び無線通信装置8を備える。
【0078】
無線通信装置8は、汎用ケーブルで中継局測定装置2に接続され、中継局測定装置2が生成した監視映像を、無線通信回線9を介して中継局監視装置3bに送信する。
無線通信回線9は、例えば、携帯電話回線等の無線通信回線である。
中継局監視装置3bは、図1の中継局監視装置3と同様の機能に加え、液晶画面等の表示手段と無線通信機能とを備えるものであり、例えば、テレビ電話が可能な携帯電話である。
以上のように、中継局監視システム1Bは、中継局監視装置3bを携帯することが可能なため、より柔軟なシステム構築が可能となる。
【0079】
なお、各実施形態では、本発明に係る中継局測定装置と通信装置とを別々に構成するとして説明したが、本発明に係る中継局測定装置が通信装置を備えても良い。
【0080】
なお、各実施形態では、受信レベル等を測定値として例示したが、本発明において、測定値はこれらに限定されない。例えば、本発明に係る中継局測定装置は、受信状態測定手段が、監視チャンネルの変調誤り率(MER)を測定し、この変調誤り率を測定値に加えても良い。この場合、本発明に係る中継局監視装置は、カラーコードに含まれる変調誤り率を逆変換することは言うまでも無い。
【0081】
なお、各実施形態では、監視チャンネルを1のチャンネルとして説明したが、本発明では、複数のチャンネルを監視チャンネルとしても良い。例えば、本発明に係る中継局測定装置が4チャンネル分の監視映像を生成し、本発明に係る中継局監視装置は、4チャンネル分の監視映像に付加された4個のカラーコードのそれぞれから測定値を逆変換する。この場合、本発明に係る中継局監視装置は、表示手段で、4チャンネル分の監視映像を分割して表示する。
【0082】
なお、各実施形態では、本発明に係る中継局監視装置を独立した装置として説明したが、本発明では、一般的なコンピュータを、前記した各手段として機能させるプログラムによって動作させることもできる。このプログラムは、通信回線を介して配布しても良く、CD−ROMやフラッシュメモリ等の記録媒体に書き込んで配布しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態に係る中継局測定装置と中継局監視装置とを備える中 継局監視システムの概略図である。
【図2】図1の中継局測定装置のブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態におけるカラーコードの生成を説明する図であり、( a)は、色数値対応情報を説明する図であり、(b)は、カラーコードの構造及びフ ォーマット情報を説明する図である。
【図4】図2の中継局測定装置が生成した監視映像を説明する図である。
【図5】図1の中継局監視装置のブロック図である。
【図6】図5の中心画素色検出手段の処理を説明する図である。
【図7】図5の中継局監視装置の動作を示すフローチャートである。
【図8】本発明の第2実施形態に係る中継局測定装置と中継局監視装置とを備える中 継局監視システムの概略図である。
【符号の説明】
【0084】
1,1B 中継局監視システム
2 中継局測定装置
3,3b 中継局監視装置
4 ビデオサーバ
5a,5b ブロードバンドルータ
6 監視映像伝送回線
7 アンテナ
21 受信状態測定手段
23 監視映像生成手段
23a 測定値変換手段
23b 識別子生成手段
23c カラーコード生成手段
25 映像出力手段
31 識別子検出手段
32 中心画素色検出手段(色検出手段)
33 測定値逆変換手段
34 警告手段
35 記憶手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中継局における監視チャンネルの受信状態を測定する中継局測定装置において、
前記監視チャンネルの受信状態を測定して測定値を出力する受信状態測定手段と、
前記監視チャンネルの映像を出力する映像出力手段と、
前記受信状態測定手段が出力した測定値を色情報に変換し、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードを生成し、前記映像出力手段が出力した映像に前記カラーコードを付加して監視映像を生成する監視映像生成手段と、を備え、
前記監視映像生成手段は、
数値と色とを予め対応付けた色数値対応情報に基づいて、前記受信状態測定手段が出力した測定値を前記色情報に変換する測定値変換手段と、
所定の色パターンを示すと共に、前記色数値対応情報に含まれない色を含むカラータイル識別子を生成する識別子生成手段と、
前記カラータイルと前記カラータイル識別子及び前記測定値との位置関係を予め対応付けたフォーマット情報に基づいて、所定の位置の前記カラータイルを、前記色情報又は前記カラータイル識別子が示す色として、前記カラーコードを生成するカラーコード生成手段と、
を備えることを特徴とする中継局測定装置。
【請求項2】
前記カラーコード生成手段は、前記監視チャンネルの受信状態に応じて、前記カラータイルの大きさを変更可能とすることを特徴とする請求項1に記載の中継局測定装置。
【請求項3】
前記受信状態測定手段は、前記測定値として、少なくとも受信レベル、ビット誤り率及びキャリアノイズ比を測定して出力することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の中継局測定装置。
【請求項4】
中継局における監視チャンネルの受信状態の測定値を示すと共に、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードが、付加された監視映像を用いて、前記監視チャンネルの受信状態を遠隔監視する中継局監視装置において、
数値と色とを予め対応付けた色数値対応情報に含まれない色を含むと共に、前記監視映像に含まれる所定の色パターンで変化する色領域を、カラータイル識別子として検出し、前記カラータイル識別子の位置を出力する識別子検出手段と、
前記識別子検出手段が出力したカラータイル識別子の位置を基準として、前記カラータイル毎の位置を求め、前記カラータイル毎の色情報を検出する色検出手段と、
前記色数値対応情報、及び、前記カラータイルと前記カラータイル識別子及び前記測定値との位置関係を予め対応付けたフォーマット情報に基づいて、前記色検出手段が検出した色情報を前記測定値に逆変換する測定値逆変換手段と、
前記測定値逆変換手段が逆変換した測定値と予め設定した閾値とを比較し、前記測定値が前記閾値未満である場合又は前記閾値を超えた場合には警告を出力する警告手段と、
を備えることを特徴とする中継局監視装置。
【請求項5】
前記色検出手段は、前記カラータイル毎に中心画素の位置を求め、前記監視チャンネルの受信状態に応じて、前記中心画素の色と前記中心画素の周囲に存在する周囲画素の色とで平均化した色を、前記色情報として検出することを特徴とする請求項4に記載の中継局監視装置。
【請求項6】
前記測定値逆変換手段は、前記測定値として、少なくとも受信レベル、ビット誤り率及びキャリアノイズ比を逆変換することを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の中継局監視装置。
【請求項7】
中継局における監視チャンネルの受信状態の測定値を示すと共に、所定の色で表示されたカラータイルが縦横に連続するカラーコードが、付加された監視映像を用いて、前記監視チャンネルの受信状態を遠隔監視するために、コンピュータを、
数値と色とを予め対応付けた色数値対応情報に含まれない色を含むと共に、前記監視映像に含まれる所定の色パターンで変化する色領域を、カラータイル識別子として検出し、前記カラータイル識別子の位置を出力する識別子検出手段、
前記識別子検出手段が出力したカラータイル識別子の位置を基準として、前記カラータイル毎の位置を求め、前記カラータイル毎の色情報を検出する色検出手段、
前記色数値対応情報、及び、前記カラータイルと前記カラータイル識別子及び前記測定値との位置関係を予め対応付けたフォーマット情報に基づいて、前記色検出手段が検出した色情報を前記測定値に逆変換する測定値逆変換手段、
前記測定値逆変換手段が逆変換した測定値と予め設定した閾値とを比較し、前記測定値が前記閾値未満である場合又は前記閾値を超えた場合には警告を出力する警告手段、
として機能させることを特徴とする中継局監視プログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2009−188845(P2009−188845A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28276(P2008−28276)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】