説明

中間転写部材及びその製造方法

ディジタルオフセット印刷用の中間転写部材の製造方法であって、a)中間転写部材の本体部分(12)を供給し、b)その本体部分(12)をゴム層(16)でコーティングし、c)そのゴム層(16)をオルガノシラン、光開始剤及び触媒を含むプライマー(16)でコーティングし、d)そのプライマー(16)をリリース層(18)でコーティングし、e)そのコーティングされたプライマーにUV照射を印加して、オルガノシランをゴム層(16)に結合させることを含む、方法。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
HP Indigoのディジタル印刷機の製品群は、ディジタルオフセットカラー技術に基づく。この技術は、紙上インク(ink-on-paper)品質を広範囲の紙、フィルム及びプラスチック基板上の多色印刷と結合させるものである。前記ディジタル印刷機は、コスト効率のよいショートラン印刷、オンデマンドサービス及びオンザフライ(on-the-fly)色切換えを提供する。
【0002】
ディジタルオフセットプリンタは、ディジタル式に制御されたレーザを利用することによって作動し、これにより、光画像形成プレート(photo imaging plate)(PIP)の帯電表面に潜像が作り出される。レーザは、ディジタル画像ファイルからのディジタル命令に従って制御される。ディジタル命令は、典型的に、次のパラメータ、すなわち画像カラー、画像間隔、画像強度、カラー層の順序等のうちの1つ以上を含む。その後、特殊なインクが、PIPの部分的に帯電された表面に塗布されて、所望の画像が再現される。次いで、その画像が、PIPから、加熱されたブランケット胴へ、そしてそのブランケット胴から、圧縮胴によってブランケット胴と接触した状態に配置されている所望の基材へ転写される。インクは、印刷機又は画像形成機においては乾燥状態にあり、加熱された磁気ブランケット上で液体となる。ブランケットは、画像をPIPから最終基材へ転写する際のその機能から、「中間転写部材(intermediate transfer member)」(ITM)と呼ばれることがある。
【0003】
典型的なディジタルオフセットプリンタの詳細な説明は、参照によりここに援用される、ヒューレット・パッカード(HP)社のWhite Paper Publication「Digital Offset Color vs. Xerography and Lithography」に記述されている。具体的には、開示の印刷品を作り出すのに用いることができるディジタルプリンタの一例は、米国カリフォルニア州Palo Alto在のヒューレット・パッカード社で製造され且つ同社から販売されている、HPディジタル印刷機Indigo Press(商標)1000、2000、4000又はそれより最新の印刷機である。
【0004】
インクを転写する過程において圧力を均等にかけるために且つ基板の表面にある僅かな変動に順応させるために、ブランケットは、典型的には、合成ゴムのような弾性材料から形成される。しかし、通常、シリコーンがブランケットの最外層として好まれ、その理由は、その並外れたインクリリース(解放)特性のためである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ゴムの下層上にシリコーン層を構築するのは困難であり、それというのは、シリコーン及びゴムの望ましいリリース特性が、それら各々の表面での化学結合の形成も困難にしてしまうからである。このことは、そのゴム層が十分に硬化されている場合、特に当てはまる。これまでは、未硬化ゴムの結合性部位を利用するために、ITMの製造で未硬化ゴムを用いる努力がなされてきた。しかし、未硬化ゴムの保管及び処理は高価な低温システムを必要とする。そのような高価なシステムの必要性を低減若しくは排除し、その層間の接着改善を実現することが望ましい。
本発明の例示的な実施形態の詳細な説明のために、本発明の実施形態による中間転写部材を示す添付の図面を参照されたい。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【図1】本発明の実施形態による中間転写部材を示す。
【0007】
表記及び命名
特定のシステム構成要素に言及する以下の説明及び特許請求の範囲を通して、特定の用語を用いる。当業者が認識するように、1つの構成要素が、様々な会社により異なる名称で呼ばれることがある。しかし、本書では、機能ではなく名称が異なる構成要素を区別することを意図していない。以下の議論及び特許請求の範囲において、「含む」及び「備えている」という用語は、無制限のオープンエンド様式で用いられ、よって、「備えている、しかし…に限定されない」を意味すると解釈されるべきである。
【0008】
同様に、「中間転写部材」という用語は、「ブランケット」又は「中間転写媒体」と呼ばれることもある品目を含み、包含することを意図する。
【0009】
ここで用いる場合、「ゴム」は、非限定的にアクリルゴム及びニトリルゴムを含む、任意の天然又は合成エラストマーを指す。部分的に未硬化のゴムを使用することができ、それにより良好な結果が得られるが、そのゴムが十分に又は実質的に硬化されている場合、ITMは特に有用となる。ここで用いる場合、「実質的に硬化された」は、50%を超えて硬化されているゴムを指す。ここで用いる場合、「十分に硬化された」は、90%を超えて硬化されているゴムを指す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図を参照すると、例示的なブランケット、すなわちITM10は、ベース12と、ベース12上に配置されたゴム層14と、ゴム層14上に配置されたプライマー層16と、プライマー層16上に配置されたリリース層18とを含む。ベース12は、その他の層群を支持し、印刷装置との機械的インターフェースを形成し、そして、以下にさらに詳細に記述するように、レーザプリンタ装置のその他の構成要素に対してITM10を適当な速度で回転させ、これによりインク画像がPIPから基材へ転写される。
【0011】
特定の実施形態で、ゴム層14は、カーボンブラックpearls 130(Cabot)で充填されたアクリル樹脂Hi-Temp 4051 EP(Zeon)と、例えばNPC-50促進剤(Zeonから入手可能なアンモニウム誘導体)及びステアリン酸ナトリウム架橋剤を含み得る硬化系とのブレンドであってよい。アクリルゴムは、少なくとも実質的に硬化され、いくつかの実施形態では十分に硬化されている。適切なゴムはどれも層14として用いることができ、それらは、非限定的に、ニトリルゴム(NBR)、水素添加ニトリルゴム(HNBR)、ポリウレタンエラストマー(PU)、フルオロカーボンエラストマー及びフルオロシリコーンを含む。
【0012】
プライマー層16は、ゴム層14の外表面に被着される。プライマー層16は、約0.01ミクロン〜5ミクロンの厚みを有していてよい。いくつかの実施形態では、プライマー層16は、非限定的に、オルガノシラン、光開始剤及び触媒を含む。
【0013】
オルガノシラン化合物は、例えば、ニュージャージー州PiscatawayのDegussa, AGから入手可能なDynasylan(登録商標)MEMO(商標)(3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン)のようなメタクリロキシプロピルトリメトキシシランであってよい。その他の適当なシランは、非限定的に、エポキシアルキルアルコキシシラン(例えばグリシドキシプロピルトリメトキシシラン−シラン Dynasilan GLYMO(Degussa)、アクリレート及びメタクリレートアルコキシシラン、アルケニルシラン(例えば、ビニル又はアリルアルコキシシラン)、アミノ官能性シラン、アルキルシラン、非官能性ダイポーダルシラン(dipodal silane、二脚状シラン)(例えばビストリエトキシシリルオクタン)及びシランのモノマー形のオリゴマーによって構成されたそれらの縮合形を含む。シランの加水分解性の部分は、好ましくは、アルコキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、メトキシエトキシ等からなる群から選択されたアルコキシ基を有するアルコキシシラン)である。加水分解性基は、オキシム基(例えばメチルエチルケトキシム基)又はアセトキシ基であってもよい。適当なオルガノシランはどれも、ACM、NBR、フルオロエラストマーゴム及びその類から作られた極性エラストマー表面へ接着させるのに用いることができるので、アクリレート、メタクリレート、エポキシシランのような極性官能基を含んでいる極性官能シランが、いくつかの実施形態で採用される。非極性官能性シラン(例えばアルキルシラン)も使用できる場合があるが、この種のシランはゴム基材との適合性が比較的低い。いくつかの実施形態において、オルガノシランは、全プライマー層の約5〜95重量%含まれ、特定の実施形態では全プライマー層の約5〜45重量%含まれる。
【0014】
光開始剤は、シランをゴム表面に結合させることができる任意の光開始剤であってよい。特定の実施形態において、光開始剤は、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−プロパノン、CAS No.7473-98-5を含む、デラウェア州Newport在のCiba Specialty Chemicalsから市販されているDarocur 1173(商標)を含む。その他の適当な光開始剤は、非限定的に、Ciba Specialty ChemicalsからのIrgacure 500(商標)(1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンとベンゾフェノンとの50/50ブレンド)、Irgacure 651(商標)(α,α−ジメトキシ−α−フェニルアセトフェノン)、Irgacure 907(商標)(2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−(4−モルホリニル)−1−プロパノン)を含む。或いは、その他の適当な任意の光開始剤を使用することができる。いくつかの実施形態において、光開始剤は、全プライマー層の約1〜10重量%含まれ、特定の実施形態では全プライマー層の約1〜5重量%含まれる。
【0015】
プライマー層16の触媒成分は、チタン酸塩若しくはスズの触媒を含むか又はシリコーンの縮合硬化反応を触媒することができる任意の適当な化合物を含む。特定の実施形態において、触媒は、デラウェア州Wilmington在のE. I. du Pont de Nemours and CompanyからTyzor(登録商標)AA-75として市販されているアセチルアセトネートチタネートキレートである。その他の実施形態において、触媒はキャリアとしてのキシレン中のオクチル酸スズ(II)等のスズ化合物を含む。いくつかの実施形態において、触媒は、全プライマー層の約1〜20重量%含まれ、特定の実施形態において全プライマー層の約1〜5重量%含まれる。
【0016】
これらの成分に加えて、プライマー層16は他の成分を含むことができ、それには、グリシドキシプロピルトリメトキシシランのようなエポキシシランであってよい1つ以上の追加のオルガノシランが含まれるが、これに限定されず、そしてこれは、コーティング工程中に固体含量を希釈及び調節する溶媒、GLYMO(商標)としてDegussa AGから入手可能である。適当な任意の揮発性溶媒、例えば、イソプロピルアルコール(IPA)、酢酸エチル、低分子量の脂肪族(例えばヘプタン、オクテート、ドデカン)及びナフサも使用することができる。
【0017】
プライマー層16は、活性成分の全てを含む単一層として、又は2層以上の層として塗布することができる。スズ触媒が用いられる特定の実施形態では、オルガノシラン及び光開始剤を含む第1の層を塗布し、触媒を含む別個の第2の層を塗布して、これにより、触媒と光開始反応の副生物との間の不都合な反応を避けるようにする。
【0018】
上述し且つ図に示すように、リリース(解放)層18が、プライマー層16の外表面に塗布される。リリース層18は、付加硬化型RTV(室温加硫)シリコーン材料を含むか又は任意の適当なシリコーンゴムを含む。縮合硬化型RTVシリコーンは室温で硬化され得るが、140℃で約2時間それを保持することによる後硬化(post-cure)を含めるのが好ましい。特定の実施形態で、リリース層18は、約1〜約100μmの厚さを有し、いくつかの実施形態で、約1〜約15μm厚である。
【0019】
例示的なITMは、参照によりここに援用される米国特許第6,551,716号明細書に開示の技術のような当分野で周知の技術を用いて、ベース12にまずゴム層14を塗布することにより構成される。特定の実施形態において、ゴム層14は、ゴム層14の外表面へのプライマー層16の塗布の前に、十分に硬化されるか又は実質的に硬化される。各ゴムは、選択された硬化システムに応じたそれ自体の硬化条件を有する。
【0020】
プライマー層を単一層として塗布しようとする場合、3つの成分、すなわちオルガノシラン、光開始剤及び触媒を含む混合物を、ワイヤロッド(wire rod)又はグラビアコーティング(gravure coating)によって、ゴム層14の外表面に塗布する。プライマー層を二段階以上で塗布しようとする場合、少なくとも光開始剤及びオルガノシランを含んむ第1の混合物を、ワイヤロッド又はグラビアコーティングによってゴム層14の外表面に塗布する。光開始剤及びオルガノシランをゴム層14の外表面に存在させたら、部分的に集合させた(部分的に構築された)そのITMを、その光開始剤の最適波長に対応する波長を有する光で照射する。特定の実施形態では、その照射はUV光線である。理論に拘束されることなく、照射によって光開始剤が、層14の表面にあるゴムとシランとの結合を形成させるものと考えられる。
【0021】
触媒が未だ塗布されていない場合には、触媒を含む混合物を第2の層として第1のプライマー層の外表面に塗布する。光開始剤を含む層の照射は、触媒のを設ける以前に行うことができる。プライマーが2層である特定の態様では、光開始剤及びオルガノシランを含む第1の層を塗布し、続いてUV照射する。その後、縮合硬化型シリコーン触媒(例えばスズ化合物)を含む第2の層を、リリース(シリコーン層)のコーティングの前に塗布する。その後、当分野で知られている技術(例えば米国特許第6,551,716号明細書)を用いて、触媒を含む層の外表面にシリコーンを塗布し、それにより、リリース層18を形成する。シリコーンは、それを熱及び/又は湿気に曝すことにより硬化し、その際、触媒が硬化速度を高める。別の実施形態では、プライマー層16にUV照射を適用する代わりに、UV照射を、縮合硬化型シリコーンリリース層をゴム層に塗布した後、コーティング工程の最後に行う。
【0022】
ベース12、ゴム層14及びリリース層18、並びにゴム層14とリリース層18との間で構造的結合を形成するプライマー層16を含むITMのアセンブリは、従来のディジタルオフセット印刷機で使用することができる。
【実施例】
【0023】
例として、種々のプライマー組成物を、リリース層をゴムの下層に結合させる性能に関して試験した。以下に示すように、本書に記述した原理に基づくプライマー組成物は、ゴムの下層にリリース層を結合することに関し極めて効果的であった。
【0024】
様々な量のDynasylan(登録商標)MEMO(商標)、GLYMO(商標)、Darocur(登録商標)1173、及びTyzor(登録商標)AA75を含むプライマー組成物を、硬化されたアクリルゴム基材へ塗布した。各プライマーを、Fusion H 紫外線ランプでの300W/の下で毎分5メートルの線速度でUV硬化し、その後、リリースコーティングを塗布した。表1に、ブランケットを高純度イソパラフィン溶媒に室温で1分間浸漬し、その後、布で磨耗させる湿式磨耗試験(wet abrasion test)の結果を示す。この結果は、次のように測定される。1=不良、リリース層が容易に除かれる。2=普通、リリース層が小さい加力で除かれる。3=良好、リリース層が大きい加力でのみ除かれる。4=優良、レリース層を除くことはできない。
【表1】

【0025】
比較として、UV照射なしでは、前述の組成物のようなプライマー組成物は、ゴム層とリリース層と間での乏しい接着をもたらし、湿式磨耗の結果は1〜2であった。
【0026】
別の例では、IPA溶媒による50%で希釈されたGLYMO(登録商標)42.5/MEMO(登録商標)42.5/Darocur(登録商標)1173/Tyzor(登録商標)AA75 10を含むプライマー組成物を調製した。これは、湿式磨耗スコア4を有し、優良な接着を示した。
【0027】
別の例では、同一のプライマー組成物(50%希釈)を調製して、ベース12へ塗布し、リリース層(18)の塗布後、全工程の最後にUV照射を行った。この場合にも、優良な接着(湿式磨耗等級4)を得た。単一の理論に束縛されることなく、この実施例では、光開始剤がより高い性能を有し、それは、空気からの酸素阻害が比較的低いためと考えられる。
【0028】
別の例では、2層のプライマーを上述のように調製し、この場合、硬化ゴム上で、未硬化ゴムをゴム層に使用した場合に得られた結果に匹敵し且つ従来のプライマーを硬化ゴム上に使用した場合よりはるかに良好な結果が得られた。硬化時間は選択されるシリコーン樹脂に影響されることがさらに見出されたが、これは、主として、原料に含まれる阻害物質の作用であると考えられる。
【0029】
ここに開示の実施形態の少なくともいくつかは、ゴム層及びシリコーン層の2層間で強力且つ耐久性のある結合が得られるようにゴムの下層上にシリコーン層を組み付ける(構築する)ための安価で且つ効果的な技術を提供するものである。前出の議論は、本発明の原理及び様々な実施形態の例示となるよう意図されている。上記開示が十分理解されれば、多数の変形及び修正は当業者に明らかとなるであろう。例えば、ベースの性質、ゴム層及びリリース層の組成並びにプライマー層の具体的な成分はそれぞれ、本書で明らかにしたものから変形させることができる。以下の特許請求の範囲は、そうした変形及び修正全てを包含すると解釈されたい。同様に、明確にそうであると記載していなければ、特許請求の範囲におけるステップの連続した記載が、これらのステップが順次的に実施されるという要件でも、所与のステップが、別のステップを開始する前に完了されるという要件でもないということを意図している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディジタルオフセット印刷用の中間転写部材の製造方法であって、
a)中間転写部材の本体部分(12)を供給し、
b)前記本体部分(12)を、ゴム層(14)でコーティングし、
c)前記ゴム層(14)を、オルガノシラン、光開始剤及び触媒を含むプライマーでコーティングし、
d)前記プライマーを、リリース層(18)でコーティングし、
e)前記プライマーコーティング(16)にUV照射を適用して、前記オルガノシランを前記ゴム層(14)に結合させる
ことを含む、方法。
【請求項2】
前記リリース層のコーティング材料が、縮合型のシリコーンである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ゴム層が、硬化されたゴムを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ステップc)が、
i)前記オルガノシラン及び前記光開始剤の塗布、並びに
ii)前記触媒の塗布
からなる2つのステップで実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記触媒が、スズ化合物、有機チタン酸塩及び有機ジルコン酸塩からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記光開始剤が、α−ヒドロキシケトン、α−アミノケトン及びベンザルジメチル−ケタールからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
インク画像を第1の表面から受容し、それを第2の表面へ転写するのに適した中間転写部材であって、
本体(12)、
前記本体(12)上に配置されたゴム層(14)、
前記ゴム層上に配置された、オルガノシラン、光開始剤及び触媒を含むプライマー(16)、並びに
前記プライマー上に配置されたリリース層(18)を含み、
任意に、前記オルガノシランが、前記ゴム層への照射によって結合されている、中間転写部材。
【請求項8】
前記触媒が、スズ化合物及びチタン酸塩からなる群から選択される、請求項7に記載の中間転写部材。
【請求項9】
シリコーンリリースコーティングをゴム部材に接着させる方法であって、
前記ゴム部材(14)を、オルガノシラン、光開始剤及び触媒を含むプライマー(16)でコーティングし、
前記プライマー(16)を、未硬化ポリマー材料でオーバーコーティングし、前記触媒が、該未硬化ポリマー材料に対して活性であり、
前記ポリマー材料を硬化して、リリースコーティング(18)を形成し、該リリースコーティング材料が縮合型のシリコーンである
ことを含む、方法。
【請求項10】
前記プライマーを照射して、該プライマーを前記ゴム層に結合させることをさらに含む、請求項9に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2010−512558(P2010−512558A)
【公表日】平成22年4月22日(2010.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−541484(P2009−541484)
【出願日】平成19年12月5日(2007.12.5)
【国際出願番号】PCT/US2007/086548
【国際公開番号】WO2008/073788
【国際公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【出願人】(503003854)ヒューレット−パッカード デベロップメント カンパニー エル.ピー. (1,145)
【Fターム(参考)】