説明

串焼き製造装置

【課題】 串保持具に串焼き材料を簡単に保持でき、串焼きを製造するのに手間と時間がかからず、しかも、串保持具の脱着作業が容易で、時間がかからない串焼き製造装置を提供する。
【解決手段】 無端回動チェーン7に装着された串保持具20によって串Aに食材Bを刺した串焼き材料Cを垂直状態にして搬送する串保持具搬送機構2と、串焼き材料Cを搬送する間に両側から加熱する加熱装置3,4と、串焼き材料Cをタレに浸漬するタレ貯槽5と、前記串保持具搬送機構2の作動、停止、搬送速度を制御する制御装置6とから串焼き製造装置1を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肉、魚、野菜等を串に刺し、加熱調理してできる焼き鳥、もつ焼き等の串焼きを大量かつ迅速に製造できる串焼き製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
肉、魚、野菜等を串に刺して加熱調理する方法は古くから知られているが、居酒屋、料理屋、販売店等で提供、販売できる焼き鳥、もつ焼き等の串焼きを製造するには、熟練者に付いて何年も修練する必要があった。又、近年にあっては、居酒屋、料理屋、販売店等が大型化したため、短時間のうちに大量かつ迅速に串焼きを製造する必要が生じた。
【0003】
そこで、特に修練する必要もなく、短時間のうちに大量かつ迅速に串焼きを製造できる装置として、無端回動チェーンに所定間隔で多数の串保持具を装着し、これら串保持具に食材を串に刺した串焼き材料を順次保持させ、加熱装置に沿って搬送させつつ串焼き材料を加熱して、串焼きを製造する装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−57463号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の串焼き製造装置では、串保持具に串焼き材料を保持させる際、串焼き材料を略水平に保持しなければならないが、水平に保持することは作業者には難しいと共に、串の先端部を手前にして保持しなければならないので、食材が手指に触れて衛生的でない、という問題点があった。
【0006】
又、無端回動チェーンによって加熱装置に沿って串焼き材料を搬送させつつ加熱する工程中に、串焼き材料をタレに漬ける工程が存在しないから、串焼き材料を加熱して焼いた後、タレに漬けて再度加熱して焼く必要があり、串焼きを製造するのに手間と時間がかかる、という問題点があった。
【0007】
又、無端回動チェーンに串保持具を装着するのに、連結ピン等によって連結しているから、串保持具の装着数を変更したり、故障等のために串保持具を交換する際、一々無端回動チェーンをスプロケットから取り外し、その後、串保持具を脱着する必要があり、串保持具の脱着作業は極めて面倒で、時間がかかった。
【0008】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みて為されたものであって、その目的とするところは、串保持具に串焼き材料を保持させる際、作業者が簡単に保持できると共に、食材が手指に触れずに衛生的であり、又、串焼き材料を加熱する工程中にタレに漬ける工程を設けて、串焼きを製造するのに手間と時間がかからず、さらには、串保持具の脱着作業が容易であり、時間もかからない串焼き製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の串焼き製造装置は、無端回動チェーンに装着された串保持具によって串に食材を刺した串焼き材料を垂直状態にして搬送する串保持具搬送機構と、串焼き材料を搬送する間に両側から加熱する加熱装置と、串焼き材料をタレに浸漬するタレ貯槽と、前記串保持具搬送機構の作動、停止、搬送速度を制御する制御装置とから構成したことを特徴とする。
【0010】
又、本発明の串焼き製造装置は、前記串保持具搬送機構の一端部に、串保持具の可動挟持体に固着された開放ピンに押当して、バネの弾性力に抗して可動挟持体を回動させ、保持具本体と可動挟持体とによる挟持を解いて、串を開放させる串開放機構を配設したことを特徴とする。
【0011】
ここで、保持具本体は、支持ピン案内溝を形成してあり、この支持ピン案内溝に支持ピンを挿入させることによって、串保持具を支持部材を介して無端回動チェーンに装着自在とするのが好ましい。
【0012】
かかる構成によれば、串焼き材料を容易に手指で保持できると共に、食材に手指が触れず衛生的であり、又、搬送させつつ串焼き材料を加熱する工程中に、串焼き材料をタレに漬ける工程を設けたから、串焼きを製造するのに手間と時間を要さず、さらには、串保持具の脱着作業が容易であり、時間もかからない。
【0013】
串焼き材料をタレに浸漬するために、前記タレ貯槽近傍に、前記串保持具を載置、案内し、上端面の高さ位置が変化する串保持具昇降部材を配設するのが好ましい。
【0014】
さらに、前記串保持具を載置、案内する串保持具保持部材と、屈曲杆状の保持部材支持杆と、把持部材と、直線杆状の把持部材支持杆と、前記保持部材支持杆と把持部材支持杆とを連結する連結部材とから構成されるタレ漬け防止機構を配設し、前記把持部材支持杆を移動させた時、前記串保持具保持部材が上方に移動して、前記串保持具昇降部材の上端面と略同位置に位置するようにすれば、串焼き材料をタレに浸漬させないこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の串焼き製造装置の好適な実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。
図1は、本発明の串焼き製造装置の平面図、図2は、その左側面図、図3は、その縦断面図、図4は、その正面図、図5は、その背面図である。
【0016】
本発明の串焼き製造装置1は、図1乃至図5に示すように、串保持具搬送機構2、加熱装置3,4、タレ貯槽5及び制御装置6から構成される。
【0017】
串保持具搬送機構2は、無端回動チェーン7、駆動スプロケット8、従動スプロケット9及び駆動モーター10から構成される。
【0018】
基台11の上面部11aには、基台11の長さ方向に所定間隔で支柱12,12を立設してあり、この支柱12の上端部に形成したネジ部12aにナット13を螺着して、支柱12,12の上端に天井板14を配設してある。
【0019】
基台11の後側には駆動軸15を立設し、図3及び図6に示すように、駆動軸15の上端部には駆動スプロケット8を固定してある。又、駆動軸15の下端部には連結部材16を介して駆動モーター10の軸10aを連結してある。
【0020】
ここで、図6に示すように、駆動軸15にはキー溝15aを、駆動スプロケット8にはキー溝8aを穿設してあり、このキー溝15a,8aに手指でキー17を嵌入させ、又は脱出させることによって、駆動スプロケット8を駆動軸15に容易に装着、脱出できるようにしてある。
尚、駆動スプロケット8の下方移動を阻止するため、駆動軸15には段部15bを形成してある。
【0021】
基台11の前側には従動軸18を立設し、図3及び図7に示すように、従動軸18の上端部にはベアリング19を介して従動スプロケット9を固定してある。
【0022】
ここで、図7に示すように、従動スプロケット9の嵌合孔9aにはベアリング19を圧入してあるが、従動軸18にはベアリング19を遊嵌してある。従って、従動スプロケット9は、強く上方に引っ張ることによって、従動軸18から比較的容易に脱出できるようになっている。
尚、従動スプロケット9の下方移動を阻止するため、従動軸18には段部18aを形成してある。
【0023】
そして、駆動スプロケット8と従動スプロケット9とに亘って無端回動チェーン7を掛け渡し、無端回動チェーン7には所定間隔で複数の串保持具20,20,・・・を装着してある。
尚、駆動スプロケット8と従動スプロケット9の配設位置は、基台11の前側、後側の何れであってもよい。
【0024】
加熱装置3,4は、串保持具搬送機構2の左右両側に配設され、各側において、所定間隔で対向するガスバーナー21,22から構成される。
ガスバーナー21は、串保持具搬送機構2の側面部を被覆するカバー23,24に、その放熱面が外側に位置するように固定され、ガスバーナー22は、それ自身を被覆するカバー25,26に、その放熱面が内側に位置するように固定されている。
尚、ガスバーナー21,22は遠赤外線ガスバーナーとしてあるが、ガスバーナーに限らず、電気ヒーターを使用してもよい。
【0025】
又、ガスバーナー21,22のガス導入口は、配管27,27・・・を介して基台11の正面部11b前方に配置したマニホールド28に接続してあり、このマニホールド28には、ガス導入用コック29、火力調整用コック30,30,・・・を配設してある。
【0026】
タレ貯槽5は、基台11上であって、その後端部に配置され、基台11上に装着自在となっている。
【0027】
制御装置6は、基台11内に配置され、駆動モーター10を制御して、串保持具搬送機構2を作動、停止させ、搬送速度を制御するようになっている。
基台11の正面部11bには操作パネル31を配設してあり、操作パネル31には作動ダイヤル32及び作動ランプ33を配置してある。
【0028】
串保持具20は、図8及び図9に示すように、無端回動チェーン7に複数の支持部材34,34,・・・を所定間隔で固定してあり、この支持部材34に支持ピン35を介して垂直方向に回動自在に支持してある。
【0029】
串保持具20は、図8及び図9に示すように、保持具本体36と可動挟持体37とから構成され、保持具本体36に可動挟持体37を枢支ピン38によって水平方向に回動自在に連結してあり、通常時は、バネ39によって弾力付勢され、串Aを挟持して保持するようになっている。
【0030】
保持具本体36は、図8及び図9に示すように、金属製の矩形杆状体であって、先端部側面には、半円形状を呈する串挟持用溝36aを、中間部側面には、バネ装着用凹部36bを穿設してある。又、中間部には、ピン挿入孔36cを、基端部には、所定角度傾斜させて上端面から中心部に至るピン挿入溝36dを穿設してある。
ここで、ピン挿入溝36dに挿入された支持ピン35は、保持具本体36の後端面が支持部材34の装着部内面34aによって水平方向移動を規制されるから、ピン挿入溝36dから容易には脱出しないが、さらに脱出し難くするため、図9(B)に示すように、ピン挿入溝36dを屈曲させておくのが好ましい。
【0031】
可動挟持体37は、図8に示すように、金属製板材をコ型に折曲して、上面部、側面部及び下面部を形成したものであって、上面部及び下面部の先端部側面には、半円形状を呈する串挟持用溝37aを、中間部には、ピン挿通孔37bを穿設してある。又、上面部の
基端部には、開放ピン40を固着、立設してある。
【0032】
串保持具20は、上記のような構成であるから、図10(A)に示すように、先端部を上方にして所定角度傾斜させ、串保持具20を上方に移動させれば、図10(B)に示すように、支持部材34の支持ピン35を保持具本体36のピン挿入溝36dに案内させ、挿入することができる。次いで、串保持具20を下方に回動させれば、図10(C)に示すように、串保持具20を支持部材34に略水平に支持することができる。
よって、従来のように、支持ピン35を一々脱着することなく、串保持具20を支持部材34に支持することができる。
【0033】
串保持具搬送機構2には、図1に示すように、無端回動チェーン7に沿って、その外方にレール状の串保持具案内部材41を設置してあり、この串保持具案内部材41の上端面に保持具本体36が載置されて、通常時、串保持具20は略水平状態で搬送されるようになっている。
【0034】
串保持具搬送機構2の左前側部には、串開放機構42が配設されており、串開放機構42は、図1に示すように、天井板14に固定した支持板43と、支持板43に支軸44を介して回転自在に支持された押当ローラ45とから構成される。
【0035】
押当ローラ45は、図11に示すように、加熱された串焼き製品Dを保持した串保持具20が移動してきて、可動挟持体37に固着された開放ピン40に押当すると、バネ39の弾性力に抗して可動挟持体37を回動させ、保持具本体36と可動挟持体37とによる挟持を解いて、串焼き製品Dを開放して落下させるようになっている。
【0036】
そして、串保持具20から落下した串焼き製品Dは、基台11の左前側部に形成されたシュート46に沿って滑り、基台11の正面部に形成された製品取出口47から排出されて、受皿48に挿入されるようになっている。
【0037】
串保持具搬送機構2の後端部のタレ貯槽5近傍には、図1及び図5に示すように、その上端面が曲面状となっていて、高さ位置が変化する串保持具昇降部材49が配設されている。串保持具昇降部材49は、その始端及び終端を前記串保持具案内部材41に接続してあり、串保持具20がタレ貯槽5の側面部5a,5bに到達する位置において、その上端面の高さが最高位置となり、タレ貯槽5の中央部に到達する位置において、その上端面の高さが最低位置となるように形成されている。
【0038】
よって、図13に示すように、串保持具案内部材41に載置され、水平状態で搬送されてきた串保持具20は、串保持具昇降部材49に転載される。そして、串保持具昇降部材49に載置されて上方に回動し、タレ貯槽5の側面部5aに到達する位置において、串保持具20は最大傾斜状態となり、タレ貯槽5の中央部に到達する位置において、略水平状態に戻り、タレ貯槽5の側面部5bに到達する位置において、最大傾斜状態となるようになっている。
【0039】
串焼き製造装置1には、又、図12に示すように、タレ付け防止機構50が配設されている。タレ付け防止機構50は、円弧状を呈する串保持具保持部材51、屈曲杆状の保持部材支持杆52、把持部材53、直線杆状の把持部材支持杆54及び保持部材支持杆52と把持部材支持杆54とを連結する連結部材55とから構成され、連結部材55は、支軸56によって垂直方向に回動自在となっている。
又、保持部材支持杆52は、垂直杆部52a、屈曲杆部52b及び水平杆部52cに適宜個所で分割してあり、その分割部分に雄ネジ部を形成し、雌ネジ部を形成した長さ調整部材57,57と螺合させることによって、垂直方向及び水平方向の長さを調整できるようになっている。
【0040】
串保持具保持部材51は、図2及び図5に示すように、通常時、串保持具昇降部材49の上端面より下方に位置し、保持部材支持杆52は、串保持具搬送機構2のカバー23,24内の下側に、基台11の後側から前側にかけて配置してある。
把持部材支持杆54は、串保持具搬送機構2の正面部を被覆するカバー58に穿設した支持杆案内孔58aより突出させてある。
【0041】
よって、図4に示すように、通常時、把持部材53及び把持部材支持杆54を支持杆案内孔58aの上側に位置させておいた場合には、串保持具保持部材51は、図13に示すように、串保持具昇降部材49の上端面より下方に位置しているから、串保持具20は、上記のように、串保持具昇降部材49に載置されて昇降動する。
【0042】
一方、作業者が把持部材53を把持し、押下して、把持部材53及び把持部材支持杆54を支持杆案内孔58aの下側に位置させた場合には、保持部材支持杆52は上方に回動して、串保持具保持部材51は、図14に示すように、串保持具昇降部材49の上端面と略同位置に位置する。
【0043】
よって、串保持具20は、串保持具昇降部材49に載置されて上方に回動して、最大傾斜状態となり、次に、串保持具保持部材51に載置されて、そのまま最大傾斜状態を保持し、再び、串保持具昇降部材49に載置されて下方に回動して、次に、串保持具案内部材41に載置され、水平状態に戻る。
【0044】
従って、通常時、把持部材53及び把持部材支持杆54を支持杆案内孔58aの上側に位置させておいた場合には、串保持具20を昇降動させ、串焼き材料をタレ貯槽5に貯留したタレに漬けることができ、一方、把持部材53を押下して、把持部材53及び把持部材支持杆54を支持杆案内孔58aの下側に位置させた場合には、串保持具20を上方位置に保持させ、串焼き材料Cをタレに付けないようにすることができる。
【0045】
本発明の串焼き製造装置1は、以上のような構成であって、以下のように使用して、串焼きを製造する。
【0046】
作業者は、基台11の正面部に位置し、作動ダイヤル32を右に廻し、串焼き製造装置1の電源をONにする。これによって、作動ランプ33が点灯し、串焼き製造装置1が作動を開始し、駆動モーター10が駆動して、無端回動チェーン7が移動する。
【0047】
作業者は、基台11の正面部において、串保持具20の保持具本体36と可動挟持体37の串挟持用溝36a,串挟持用溝37aに、串Aに食材Bを刺した串焼き材料Cの串A基端部を押し込み、保持具本体36と可動挟持体37とによって挟持させて、串保持具20に串焼き材料Cを吊下、保持させる。
【0048】
串保持具20に保持された串焼き材料Cは、図1及び図4に示すように、吊下された状態で加熱装置3が配設された部分に到達する。そして、無端回動チェーン7によって搬送されつつ、ガスバーナー21,22によって加熱される。
【0049】
タレ貯槽5に近づいた串焼き材料Cは、図1及び図13に示すように、串保持具20が串保持具昇降部材49に案内され、上方に回動すると、上方に回動して傾斜し、タレ貯槽5の側面部5aに到達する時には最大傾斜状態となり、側面部5aを乗り越える。
その後、串保持具20が下方に回動すると、串焼き材料Cも下方に回動して、タレ貯槽5に貯留されたタレに串焼き材料Cが浸漬される。
さらに、串保持具昇降部材49に案内され、串保持具20が再度上方に回動すると、串焼き材料Cも上方に回動して傾斜し、タレ貯槽5の側面部5bに到達する時には最大傾斜状態となり、側面部5bを乗り越える。
【0050】
タレを付けられた串焼き材料Cは、図1及び図4に示すように、再度、吊下された状態で加熱装置4が配設された部分に到達する。そして、無端回動チェーン7によって搬送されつつ、ガスバーナー21,22によって加熱される。
【0051】
完全に加熱処理された串焼き製品Dは、串開放機構42の配設部分に到達し、押当ローラ45が串保持具20の可動挟持体37に固着された開放ピン40に押当すると、可動挟持体37が回動して、串Aの挟持が解かれるので、串保持具20から落下する。
【0052】
落下した串焼き製品Dは、シュート46に沿って滑り、製品取出口47から排出され、受皿48に挿入される。このようにして、串保持具20に串焼き材料Cを保持させる作業を除き、略自動的に串焼き製品Dを製造することができる。
【0053】
タレ付けしない、いわゆる塩焼き等の串焼きを製造したい場合には、把持部材53を押下して、把持部材53及び把持部材支持杆54を支持杆案内孔58aの下側に位置させればよい。
【0054】
こうすれば、串保持具保持部材51が上昇し、図14に示すように、串保持具昇降部材49の上端面と略同位置に位置するから、串保持具20は、タレ貯槽5近傍においては、
串保持具昇降部材49及び串保持具保持部材51に載置、案内されて、最大傾斜状態を保持し、串焼き材料Cをタレに漬けないようにすることができる。
【0055】
以上のように、本発明の串焼き製造装置1によれば、串焼き材料Cを垂下して串Aの基端部を手指で摘み、基台11の正面部を串保持具20が移動していく間に、保持具本体36と可動挟持体37の先端部に串Aの基端部を押入れさえすればよいから、串保持具20に容易に串焼き材料Cを保持させることができ、食材Bに手指が触れることもなく、衛生的である。
【0056】
又、無端回動チェーン7によって加熱装置3,4に沿って串焼き材料Cを搬送させつつ加熱する工程中に、串焼き材料Cをタレに付ける工程を設けたから、串焼き製品Dを製造するのに手間と時間を要しない。
【0057】
又、保持具本体36に所定角度傾斜させたピン挿入溝36dを穿設したから、串保持具20を傾斜させて上方に移動させ、下方に回動させるという操作だけで、串保持具20を支持部材34に、すなわち、無端回動チェーン7に装着することができる。
よって、串保持具20の装着数を変更したり、故障等のために串保持具20を交換する際、一々無端回動チェーン7をスプロケット8,9から取り外す必要がなく、串保持具20の脱着作業は極めて容易であり、直ちにすることができる。
【0058】
さらに、何等工具を必要とせず、駆動軸15に駆動スプロケット8を、又、従動軸18に従動スプロケット9を脱着できるようにしたから、無端回動チェーン7を取り外し、一気に多数の串保持具20を脱着、交換する作業も、容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の串焼き製造装置の平面図である。
【図2】本発明の串焼き製造装置の左側面図である。
【図3】本発明の串焼き製造装置の縦断面図である。
【図4】本発明の串焼き製造装置の正面図である。
【図5】本発明の串焼き製造装置の背面図である。
【図6】駆動スプロケット取付部の(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図7】従動スプロケット取付部の(A)は平面図、(B)は断面図である。
【図8】串保持具を支持部材に支持した状態の(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図9】串保持具本体の(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図10】串保持具を支持部材に装着する方法を示す説明図である。
【図11】串開放機構の作用を示す(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図12】タレ漬け防止機構50の(A)は平面図、(B)は側面図である。
【図13】串保持具保持部材を下方に位置させた場合のタレ貯槽近傍における串保持具の動作を示す(A)は平面図、(B)は側断面図である。
【図14】串保持具保持部材を上方に位置させた場合のタレ貯槽近傍における串保持具の動作を示す(A)は平面図、(B)は側断面図である。
【符号の説明】
【0060】
1 串焼き製造装置
2 串保持具搬送機構
3,4 加熱装置
5 タレ貯槽
6 制御装置
7 無端回動チェーン
20 串保持具
34 支持部材
35 支持ピン
36 保持具本体
36d 支持ピン案内溝
37 可動挟持体
39 バネ
40 開放ピン
42 串開放機構
49 串保持具昇降部材
50 タレ付け防止機構
51 串保持具保持部材
52 保持部材支持杆
53 把持部材
54 把持部材支持杆
55 連結部材
56 支軸
A 串
B 食材
C 串焼き材料
D 串焼き製品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無端回動チェーンに装着された串保持具によって串に食材を刺した串焼き材料を垂直状態にして搬送する串保持具搬送機構と、串焼き材料を搬送する間に両側から加熱する加熱装置と、串焼き材料をタレに浸漬するタレ貯槽と、前記串保持具搬送機構の作動、停止、搬送速度を制御する制御装置とから構成したことを特徴とする串焼き製造装置。
【請求項2】
前記串保持具搬送機構の一端部に、串保持具の可動挟持体に固着された開放ピンに押当して、バネの弾性力に抗して可動挟持体を回動させ、保持具本体と可動挟持体とによる挟持を解いて、串を開放させる串開放機構を配設したことを特徴とする請求項1に記載の串焼き製造装置。
【請求項3】
前記串保持具の保持具本体は、支持ピン案内溝を形成してあり、この支持ピン案内溝に支持ピンを挿入させることによって、串保持具を支持部材を介して前記無端回動チェーンに装着自在としたことを特徴とする請求項1又は2に記載の串焼き製造装置。
【請求項4】
前記タレ貯槽近傍に、前記串保持具を載置、案内し、上端面の高さ位置が変化する串保持具昇降部材を配設したことを特徴とする請求項1乃至3に記載の串焼き製造装置。
【請求項5】
前記串保持具を載置、案内する串保持具保持部材と、屈曲杆状の保持部材支持杆と、把持部材と、直線杆状の把持部材支持杆と、前記保持部材支持杆と把持部材支持杆とを連結する連結部材とから構成されるタレ漬け防止機構を配設し、前記把持部材支持杆を移動させた時、前記串保持具保持部材が上方に移動して、前記串保持具昇降部材の上端面と略同位置に位置するようにしたことを特徴とする請求項4に記載の串焼き製造装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2009−5880(P2009−5880A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−169834(P2007−169834)
【出願日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(505340319)株式会社ひびき (4)
【出願人】(505340320)
【Fターム(参考)】