説明

主コネクタ及び二次コネクタを有する接続アセンブリ

【課題】係合及び係合解除の悪影響からコネクタを保護し、コネクタを迅速且つ容易に係合する。
【解決手段】二次コネクタには、主コネクタに電気的に結合された第一の接続部品114と、実質的に固定された支持材120に設けられた第二の接続部品122とが設けられる。第一の接続部品114は案内機構130と関連して設けられるため、案内機構130に沿って移動して第二の接続部品122と係合しまた係合解除することができる。一実施形態では、第二の接続部品122には浮動機構126が設けられて、係合時には第一の接続部品114に関して第二の接続部品122の位置を整列させる。接続アセンブリ100は、主コネクタに付設されたケーブルを引張ることにより二次コネクタを切断することにより、係合解除され得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、コネクタに関し、さらに具体的には、主コネクタ及び二次コネクタを設けた接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的には、コネクタは、コネクタを係合する及び係合解除するために雄型及び雌型の接続部品を有する。接続時には、雄型部品及び雌型部品は互いを係合する。切断時には、雄型部品及び雌型部品は互いを係合解除する。場合によっては、コネクタの雄型部品又は雌型部品のいずれかが、係合する及び係合解除する操作者にとって可視でない又は容易に接近可能でない場合がある。また、場合によっては、コネクタの係合及び係合解除に必要とされる力が大きい場合もある。緊急時のようにコネクタを速やかに係合解除するのが望ましい状況では、接近不能及び/又は高レベルの力のため、コネクタを速やかに係合解除することが実行不可能な場合がある。
【0003】
医用撮像装置の場合には、接続アセンブリは、医用撮像時に可動式患者ポジショナをガントリに固定的に結合するために用いられている。非常事態では、装置が動作を実行中であっても患者をガントリから退去させる必要がある。ガントリから患者を退去させるためには、患者が横臥しているポジショナを撮像装置から切り離さなければならない。しかしながら、走査中は、ポジショナ及び撮像装置はコネクタを介して電気的に接続されている。従って、先ず電気的接続を切り離す必要があり、このことはコネクタを速やかに係合解除することにより達成され得る。しかしながら、撮像装置の多くのものでは、コネクタの雌は撮像装置の内部に位置しており操作者にとっては可視でない又は接近可能でない場合がある。従って、コネクタの即座の切断が困難である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非常退出のために用いられる幾つかの解決法は、コネクタに取り付けられているケーブルを引張ることによりコネクタを係合解除することである。これにより、コネクタの雄型部品が雌型部品から切り離される。しかしながら、コネクタを係合解除するために加える必要のある引張り力は相当に大きく、このためコネクタの寿命が縮まる。加えて、雌型コネクタが操作者にとって可視でない又は容易に接近可能でないため、コネクタを再係合して装置の動作を再開することが困難である。また、コネクタの雌型部品は撮像装置の内部に堅固に固定されている。コネクタを係合するためには、コネクタの雄型部品及び雌型部品を係合前に正確に整列させるべきであり、このことに失敗するとコネクタが破損したり、接続の試みに失敗したりし得る。
【0005】
幾つかの産業応用及び軍事応用では、コネクタを極めて頻繁に係合する及び係合解除する必要があるようなコネクタ・アセンブリを有する必要がある。コネクタを極めて頻繁に係合する及び係合解除すると、しばしば高価であるコネクタの寿命を縮める場合がある。また、コネクタに付設されたケーブルを引張ることによりコネクタを係合解除しているときに、コネクタはしばしば、接続されている装置に落下して、コネクタ又は装置の寿命が縮まる場合がある。
【0006】
このように、係合及び係合解除の悪影響からコネクタを保護する機構、並びにコネクタを迅速且つ容易に係合する及び係合解除する機構を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本書では、以上に述べた短所、欠点及び問題点を扱い、このことについては以下の明細書を精読して検討することにより理解されよう。
【0008】
本発明は、医用撮像装置又は他の装置と共に用いることのできる接続アセンブリを提供する。接続アセンブリは、(i)当該ブロックの一つの側面に設けられた主コネクタの接続部品、及び当該ブロックの任意の側面に設けられた二次コネクタの第一の接続部品を有するブロックであって、第一の接続部品は主コネクタの接続部品に電気的に接続されている、ブロックと、(ii)二次コネクタの第二の接続部品を有する支持材であって、第二の接続部品は第一の接続部品の反対側に配置されている、支持材と、(iii)上述のブロック及び支持材に結合されている案内機構であって、ブロックは当該案内機構に沿って可動であり、支持材は当該案内機構に実質的に固定されている、案内機構とを含んでいる。ブロックは、二次コネクタの第一及び第二の接続部品を係合する及び係合解除するように動作するために案内機構に沿って可動である。
【0009】
もう一つの実施形態では、医用撮像装置を提供する。医用撮像装置は、(i)撮像構成要素と共に構成されている少なくとも一つのガントリと、(ii)コイル・アセンブリを設けられており、患者支持構成要素と共に構成されている少なくとも一つの搬送アセンブリと、(iii)コイル・アセンブリをガントリに接続する接続アセンブリとを含んでいる。接続アセンブリは、(a)コイル・アセンブリに電気的に結合されている主コネクタと、(b)主コネクタに電気的に結合されている可動式の第一の接続部品及び撮像構成要素に電気的に接続されている静止型の第二の接続部品を有する二次コネクタと、(c)第二の接続部品と係合する及び係合解除するために第一の接続部品の移動を案内するように構成されている案内機構とを含んでいる。非常退出時には、コイル・アセンブリは、第一及び第二の接続部品を係合解除するために、接続アセンブリに接続されているケーブルを引張ることにより、撮像構成要素から切断されるように構成されている。
【0010】
さらにもう一つの実施形態では、案内式浮動機構を有する接続アセンブリが、(i)当該ブロックの一つの側面に設けられた主コネクタの接続部品、及び当該ブロックの任意の側面に設けられた二次コネクタの可動式の第一の接続部品を有する移動ブロックと、(ii)浮動機構を用いた浮動板を装着された支持材であって、浮動板は二次コネクタの静止型の第二の接続部品を組み込むように構成されている、支持材と、(iii)一方の端部において移動ブロックに結合され、他方の端部において支持材に結合されている細長の部材を有する案内機構とを含んでいる。浮動機構は、移動式の第一の接続部品と整列させているときに静止型の第二の接続部品に軸方向の浮動及び半径方向の浮動を提供するように構成されている。
【0011】
本発明のその他様々な特徴、目的及び利点は、添付図面及びその詳細な説明から当業者に明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、説明の一部を成す添付図面を参照し、図面では、実施可能な特定の実施形態が説明のために図示されている。これらの実施形態は、当業者が実施形態を実施することを可能にするように十分に詳細に記載されており、他の実施形態を利用することも可能であり、実施形態の範囲から逸脱せずに論理的変形、機械的変形、電気的変形及び他の変形を施してよいことが理解されよう。従って、以下の詳細な説明は、本発明の範囲を制限するためのものと解釈すべきでない。
【0013】
様々な実施形態において、簡単な係合及び係合解除機構を有する接続アセンブリが提供される。接続アセンブリは二次コネクタを設けられており、二次コネクタは主コネクタの作用を果たすように動作可能である。二次コネクタは、主コネクタと比べて容易に係合可能及び係合解除可能である。一般的に緊急時には、コネクタは、主コネクタに取り付けられたケーブル・ワイヤを引張って二次コネクタを切断することにより係合解除される。
【0014】
一実施形態では、本発明は案内式浮動機構を有する接続アセンブリを提供する。このアセンブリは、利用者が二次コネクタを切断することによりコネクタを係合解除することを可能とし、また二次コネクタを再係合するために浮動機構が提供される。浮動機構は、二次コネクタの接続部品同士を互いに関して整列させるのに役立つ。
【0015】
一実施形態では、開示される発明は、主コネクタを係合解除する及び係合するのに二次コネクタを用いることにより、また接続部品を整列させる浮動機構によって、コネクタの寿命を延ばす。
【0016】
本発明の手法は本書では医用撮像応用に関して記載されているが、本発明はこの応用又は環境にも如何なる特定の応用又は環境にも限定されないことを特記しておく。寧ろ、本発明の手法は、コネクタの接続部品の少なくとも一つが操作者にとって接近不能である場合、及び/又は緊急時にコネクタの迅速な切断が必要とされるような一定範囲の電気的応用及び/又は機械的応用に用いることができる。例えば、コンピュータ又はサーバのような電子的設備では、電気コネクタを介して2枚の回路基板を電気的に接続する必要がある場合があり、これらの電気コネクタはそれぞれの回路基板の固定された位置に装着されている。一方の基板を筐体内部に設置すると共に、他方の基板を、一方の基板のコネクタが他方の基板のコネクタに無視覚で嵌合するように、所定の位置へ摺動させることができる。この状況では、接続部品の一方に浮動機構が設けられ、コネクタの嵌合を整列させることができる。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態として記載されるような案内機構を有する接続アセンブリの側面図である。接続アセンブリ100を医用撮像装置及び患者ポジショナに関して説明する。しかしながら、ここでの記載は説明のみを目的としており、異なるコネクタに拡張することが可能である。医用撮像装置の例としては、磁気共鳴撮像(MRI)装置、計算機式断層写真法(CT)スキャナ及び血管撮像装置等がある。患者ポジショナの一例としては、医用撮像のために患者を実質的に水平な姿勢で搬送するように構成されているトロリ又は患者テーブルがある。
【0018】
一実施形態では、接続アセンブリ100は、ブロック110、支持材120、及び案内機構130を含んでいる。ブロック110は主コネクタの接続部品112を含んでいる。一般的には、主コネクタの接続部品112を用いて接続アセンブリを撮像装置(図示されていない)に対して係合しまた係合解除する。本発明の一実施形態では、接続アセンブリを撮像装置に対して係合する及び係合解除するように動作する二次コネクタが設けられている。二次コネクタは、第一の接続部品114及び第二の接続部品122を有している。第一の接続部品114はブロック110に設けられている。第一の接続部品114は主コネクタ112に電気的に接続されており、ブロック110の任意の側面に配置され得るが、図1では主コネクタ112の接続部品と全体的に反対側のブロック110の側面に示されている。主コネクタ112の代わりに、第一の接続部品114が係合及び係合解除のために動作する。
【0019】
一実施形態では、ブロック110には、主コネクタの接続部品112を収容するための勾配部分と、二次コネクタ114の第一の部品を組み込むための直線部分とが設けられている。ブロック110には、案内機構130の軌道を介してブロック110の移動を可能にする溝又は突起が設けられている。但し、ブロック110は、主コネクタの接続部品112及び二次コネクタの第一の接続部品114を収容し得る任意の構造であってよく、また第一の接続部品114及び第二の接続部品122を互いに向かって又は互いから離隔するように移動させることにより接続アセンブリを係合する及び係合解除するように移動することが可能であるものとする。ブロック110の設計、寸法及び形状は、本発明の応用に依存し得る。主コネクタの接続部品112は、一実施形態では、ケーブル(図示されていない)に取り付けられた主コネクタの雄型部品を受け入れるように適応構成されている主コネクタの雌型部品である。もう一つの実施形態では、主コネクタの接続部品112は、ケーブル(図示されていない)に取り付けられた主コネクタの雌型部品と嵌合するように適応構成されている主コネクタの雄型部品である。二次コネクタは、主コネクタを係合する又は係合解除する必要なく接続を係合する又は係合解除することを可能にしている。
【0020】
支持材120は、二次コネクタの第二の接続部品122を組み込むために設けられている。第二の接続部品122は第一の接続部品114に対向して第一の接続部品114と整列して設けられているため、これらの部品は、案内機構130に沿ったブロック110の移動によって接触すると嵌合する。支持材120は、第二の接続部品122を収容する任意の構造であってよく、案内機構130の一方の端部に実質的に固定されていてよい。
【0021】
一実施形態では、第二の接続部品122は、浮動板124の上に設けられる。浮動板124は、浮動機構126を用いて支持材120に接続される。浮動板124に付設されている浮動機構126は、二次コネクタの第二の接続部品122が浮動することを可能にしており、このことはブロック110が支持材120に向かって移動するときに第二の接続部品122の位置を第一の接続部品114に関して整列させるのに役立つ。
【0022】
案内機構130は、コネクタを係合する及び係合解除するためのブロック110の移動のために設けられている。また、案内機構130は支持材120を収容している。一実施形態では、案内機構130は、溝又は突起を設けられた細長の部材である。一実施形態では、T字断面又はI字断面を有するレール又は軌道が案内機構として設けられる。但し、案内機構は上述のものに限定される必要はない。案内機構は、接続アセンブリを係合する及び係合解除するためにブロックを移動させることを可能とする任意のガイドであってよい。
【0023】
図2は、本発明の一実施形態として記載されるような接続アセンブリの模式図である。ブロック210には、主コネクタの接続部品212及び二次コネクタの第一の接続部品214が設けられている。図示のブロック210は、一方の面に勾配部分を有し、他方の面に直線部分を有している。勾配部分は主コネクタの接続部品212を組み込んでおり、この連結部品212は図2の実施形態では主コネクタの雌型部品212であって、主コネクタ212が接続されるときに主コネクタの雄型部品に嵌合する。二次コネクタの第一の部品214は、同じブロックの反対側の側面に設けられてもよいし、二次コネクタの第一の接続部品を組み込んだブロックに対する別個の取付部品として設けられてもよい。尚、二次コネクタの第一の接続部品はブロックの任意の側面に設けられ得ることを特記しておく。但し、第二の接続部品は、コネクタを係合する又は係合解除するために第一の接続部品に対向して位置するものとする。図2では、二次コネクタの第一の接続部品214は主コネクタ212に全体的に対向して位置し、主コネクタに取り付けられたケーブルが二次コネクタの保持力を上回るのに十分な力で引張られたときに二次コネクタが切断されるようになっている。支持体220が、二次コネクタの第二の接続部品222を組み込むために設けられている。第二の接続部品222は、浮動機構226を用いて浮動板224に装着されている。浮動機構は、第二の接続部品222に軸方向及び線形の浮動を提供する。ブロック210及び支持材220は、案内機構230に装着されている。支持材220は案内機構230の一方の端部に取り付けられ、ブロック210は案内機構に沿って移動して接続アセンブリを係合する及び係合解除するように構成されている。ブロック210には溝又は突起が設けられており、対応する突起又は溝が案内機構にも設けられている。この実施形態は説明のみを目的とするものであって、言及された構造的な制限は本発明の実行にとって重要ではない。
【0024】
一実施形態では、コネクタは電気的コネクタであっても機械的コネクタであってもよい。主コネクタ及び二次コネクタは一例では、コイル・コネクタであってよく、さらに特定すると無線周波数コネクタであってよい。
【0025】
図3は、本発明の一実施形態として記載されるような浮動機構の詳細図である。電気的コネクタの第一の接続部品及び第二の接続部品のような二つの実体の機械的嵌合/接続は一般的には、2個の接続部品が所与の位置的許容誤差の範囲内で整列していることを要求する。2個の接続部品の間の不正整列は、試みられた嵌合を困難にする場合もあるし、接続部品のいずれかを損傷する場合もある。一実施形態では、接続アセンブリには、コネクタの第一及び第二の接続部品の嵌合を可能にするために、第二の接続部品の多重の自由度での整列を可能にする浮動機構が設けられている。許容される移動としては、本発明の用いられる構成に依存して、6までの自由度での線形及び回転移動がある。浮動機構は、利用者が嵌合する部品の位置を目視したり手動で調整したりすることができない状況においても、図1及び図2に示す案内機構と協働して係合時にコネクタを整列させる。
【0026】
第一の接続部品及び第二の接続部品を有する二次コネクタが、主コネクタを係合する及び係合解除するように動作するために設けられており、これにより、接続アセンブリは、主コネクタ自体が接続されたままであっても、接続及び切断の作用を果たすことが可能となる。二次コネクタの第二の接続部品322は支持材320に実質的に固定されていてよく、支持材320は接続が関わる装置の内部に配置され得る。一実施形態では、第二の部品322は、浮動板324に装着されて、浮動機構325、326を用いて支持材320に接続される。浮動板324は、浮動板324の少なくとも一つの角(かど)に1又は複数の座金325を設けられている。座金325は浮動板324の角において自由に回転して浮動板324に全方向での回転の自由を与え、すなわち浮動板424に半径方向の浮動を与える。一例では、球面座金が設けられる。浮動機構はまた、浮動板324を支持材320に取り付けるために浮動板324に設けられた複数のばね326を含んでいる。ばね326は浮動板に軸方向の浮動を提供する。これにより、浮動板324に線形移動の自由を与えて、第二の接続部品322を第一の接続部品に関して整列させる。従って、軸方向及び回転方向の浮動機構を用いることにより、浮動板は、接続アセンブリの係合時に第二の接続部品を第一の接続部品に対して整列させる。
【0027】
一実施形態では、支持材320は、図1の案内機構130又は図2の案内機構320のような案内機構に固定される。一般的には、支持材320は、コネクタの第一の接続部品が位置している端部の反対側に位置する案内機構の端部に取り付けられる。支持材320には、案内機構を収容する溝又は突起328が設けられる。
【0028】
一実施形態では、支持材320は案内機構に取り付けられなくてもよい。寧ろ、支持材320を案内機構に隣接して配置することができるため、係合時に、案内機構によって案内式第一の接続部品と支持材に取り付けられた第二の接続部品とを正確に係合することができる。
【0029】
図4は、本発明の一実施形態として記載されるような浮動機構及び案内機構の詳細な図である。浮動機構の構造的特徴及び機能的特徴は、図3に関連して説明されている。第一の接続部品及び第二の接続部品を有する二次コネクタが、主コネクタを係合する及び係合解除するように動作するために設けられている。二次コネクタの第二の接続部品422は支持材420に実質的に固定されていてよく、支持材420は接続が関わる装置の内部に配置され得る。一実施形態では、第二の部品422は、浮動板424に装着されて、浮動機構を用いて支持材420に接続される。浮動板424はさらに、浮動板424の少なくとも一つの角に1又は複数の座金を設けられている。各々の座金425は角において自由に回転して浮動板424に全方向での回転の自由を与え、すなわち浮動板424に半径方向の浮動を与える。浮動機構はまた、浮動板424を支持材420に取り付けるために浮動板424に設けられた複数のばね426を含んでいる。ばね426は浮動板424に軸方向の浮動を提供する。これにより、浮動板424に線形移動の自由を与えて、第二の接続部品422を第一の接続部品に関して整列させる。従って、軸方向及び回転方向の浮動を用いることにより、浮動板424は、接続アセンブリの係合時に第二の接続部品422を第一の接続部品に対して整列させる。
【0030】
一実施形態では、支持材420は案内機構430に固定される。一般的には、支持材420は、コネクタの第一の接続部品が位置している反対側の端部に位置する案内機構430の端部に取り付けられる。図示の一実施形態では、案内機構は溝又は突起を設けられた細長の部材である。案内機構430は、第一の接続部品の移動を提供するために、案内機構430の少なくとも一部に溝又は突起を設けられている。但し、支持材が取り付けられている案内部分は溝又は突起を有する必要はない。一例では、T字断面又はI字断面を有するレール又は軌道が案内機構として設けられている。但し、案内機構は上述のものに限定される必要はない。案内機構は、接続アセンブリを係合する及び係合解除するためにブロックを移動させることを可能とする任意のガイドであってよい。支持材及び案内機構の寸法、形状及び設計等は、本発明の用途に基づいて異なっていてよい。
【0031】
図5(A)及び図5(B)は、本発明の一実施形態として開示されるような係合解除位置及び係合位置での接続アセンブリの模式図をそれぞれ示す。接続アセンブリの構造的観点及び機能的観点は、本明細書の初めの部分に説明されている。当業者であれば、図示の実施形態の構造設計は説明のみを目的としており、特定の応用の要件によって改変され得ることが理解されよう。一実施形態では、接続アセンブリには、ブロック510、支持材520、並びにブロック510及び支持材520の両方に結合されている案内機構530が設けられている。二次コネクタが、主コネクタの動作を実行するために主コネクタと共に設けられている。ブロック510は、主コネクタの接続部品512及び二次コネクタの第一の接続部品514を組み込んでいる。支持材520が設けられて二次コネクタの第二の接続部品522を組み込んでいる。
【0032】
図5(A)は係合解除位置での接続アセンブリを示す。係合するためには、主コネクタの接続部品512及び二次コネクタの第一の部品514を担持するブロック510を案内機構530に沿って移動させる。図示の案内機構530にはブロック510を収容する溝が設けられており、対応する突起がブロック510に設けられている。接続アセンブリを係合するためには、操作者がブロック510を支持材520に向けて押すことができる。ブロック510は案内機構530に沿って移動する。第一の接続部品514が第二の接続部品522に接近するにつれて、第二の接続部品に設けられた浮動機構526によって第二の接続部品522が第一の接続部品514に関して所定位置に整列することが可能となるため、嵌合を正確に行なうことができる。前述のように、第二の接続部品は、浮動機構526を用いて浮動板524に装着されており、係合しているときに第二の接続部品522の位置を第一の接続部品514に関して整列させる。一例では、浮動板524の角に設けられた球面座金が浮動板524に小さい範囲内の回転運動を与え、浮動板524及び支持材520に取り付けられた複数のばねが、画定された範囲での第二の接続部品522の線形整列を提供する。浮動機構526は第二の接続部品522に軸方向及び半径方向の浮動を提供して、限定された範囲での6度での浮動板524の運動を可能にする。従って、操作者が二次コネクタの第一の接続部品514を二次コネクタの第二の接続部品522に向けて押すと接続アセンブリが係合する。図5(B)は係合位置のコネクタを示す。
【0033】
係合解除するためには、特に非常退出時には、主コネクタ512に設けられたケーブル516を引張ることにより接続アセンブリを係合解除することができる。引張り力を加えることにより、二次コネクタの第一の接続部品を担持するブロックは第二の部品から離隔するように移動し、第二の接続部品から切断される。但し、二次コネクタに加えられる引張り力は、ケーブルを引張ることによりブロックが主コネクタを係合位置に保持したまま後方へ移動して、接続アセンブリを係合解除して切断するように選択されることを特記しておく。引張り又は切断のために加えられる力は二次コネクタを係合解除するのに十分なものとし、この力が装置から主コネクタを切断するように作用する。一例では、この方法によって引張られ得る最大荷重は17lbs〜20lbsである。二次コネクタを係合解除するのに必要とされる引張り力は、主コネクタを切断するのに必要とされる力よりも小さい。但し、接続アセンブリを係合解除するために、ブロックが案内機構から完全に取り除かれる必要はなく、第一及び第二の接続部品が最早接触しなくなれば十分である。係合解除された後には、図5(A)に関して記載したように、接続アセンブリを容易に再係合することができる。このように、接続アセンブリは、主コネクタが係合されたままであっても容易且つ速やかに係合されまた係合解除され得る。
【0034】
図6は、本発明の一実施形態として記載されるような接続アセンブリを用いた医用撮像装置のブロック図である。医用撮像装置600には、イメージャ610、搬送アセンブリ620、及びイメージャ610を搬送アセンブリ620に接続する接続アセンブリ630が設けられている。イメージャ610には、撮像構成要素を有するガントリ612が設けられている。医用撮像装置の例としては、磁気共鳴撮像(MRI)装置、計算機式断層写真法(CT)スキャナ及び血管撮像装置等がある。搬送アセンブリ620は患者支持構成要素622を含んでおり、患者支持構成要素の例としては、医用撮像のために患者を実質的に水平な姿勢で搬送するように構成されているトロリ又は患者テーブルがある。搬送アセンブリ620には、イメージャ610と搬送アセンブリ620との間のインタフェイスとして作用するコイル・アセンブリ624が設けられている。コイル・アセンブリ624は主コネクタ632に接続され、主コネクタ632は接続アセンブリ630の一部となって搬送アセンブリ620をイメージャ610に電気的に接続する。二次コネクタが設けられており、主コネクタの動作を実行する。二次コネクタの第一の部品633は主コネクタ632に電気的に結合されている。一例では、二次コネクタの第一の部品及び主コネクタの接続部品はブロック634に配置され得る。二次コネクタの第二の部品635は、ガントリ612を設けたイメージャ610の内部に固定され得る。第二の部品635は浮動機構636と関連して設けられ、浮動機構636は、第一の接続部品633と係合しているときの第二の接続部品に半径方向及び線形の浮動を提供する。第二の部品は浮動機構と共に支持材637として設けられてよく、支持材637はガントリ612と電気的に結合されて設けられ得る。案内機構638が、ブロック634及び支持材637を接続するように設けられる。ブロック634は、コイル・アセンブリをガントリに係合する及び係合解除するために案内機構638に沿って移動するように構成されている。コイル・アセンブリ624をイメージャ610に係合するためには、ブロック634を案内機構638に沿って第二の接続部品635に向けて移動させる。浮動機構636を用いた第二の接続部品635は、第二の接続部品635の位置を第一の接続部品633に関して調節する。係合解除するときには、ブロック634は、主コネクタ632に取り付けられているケーブルを用いて引張られる。係合時には、第二の接続部品は、浮動機構を用いて第一の接続部品に関して整列する。一例では、浮動機構は第二の接続部品に半径方向及び線形の浮動を提供することができる。
【0035】
医用撮像装置は、本書に記載される接続アセンブリの可能な用途の一つである。但し、接続アセンブリの用途は他の任意の電気的コネクタ、無線周波数コネクタ又は機械的コネクタに拡張することができる。
【0036】
本発明の利点の幾つかは、コネクタの容易な係合及び係合解除のための単純な機構を提供することを含む。二次コネクタを用いることにより主コネクタの直接の接続及び切断を回避し、これにより主コネクタの寿命を延ばす。また、設けられている浮動機構は、コネクタの接続部品の少なくとも一つに操作者が接近可能でない場合でも、コネクタの容易な嵌合の柔軟性を与える。これにより、コネクタを接続し及び切断するときの人間の介入が減少する。本発明の実施形態で開示されている浮動機構は、単純でかなり安価である。軸方向の浮動機構は接続部品の十分な係合を確実にし、回転方向の浮動は接続部品を整列させるときの回転の自由を与える。但し、浮動は様々な浮動機構を用いることにより達成され得ることを特記しておく。さらに、ブロック及び支持材を案内機構に装着して、接続アセンブリを単一のユニットとして構築し又は組み立てることを可能にすることができる。
【0037】
このように、本発明の様々な実施形態は、主コネクタを係合する及び係合解除する二次コネクタを有する接続アセンブリを記載している。また、一実施形態では、コネクタの接続部品の位置を互いに関して整列させるために浮動機構を設けた接続アセンブリが開示されている。
【0038】
好適実施形態を参照して本発明を説明したが、当業者は、本発明の趣旨を逸脱することなく実施形態に幾つかの置換、変更及び省略を施し得ることを認められよう。従って、以上の記載は例示のみのためのものであり、特許請求の範囲に示す本発明の範囲を限定するものではない。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態として記載されるような案内機構を含む接続アセンブリの側面図である。
【図2】本発明の一実施形態として記載されるような接続アセンブリの模式図である。
【図3】本発明の一実施形態として記載されるような浮動機構の模式図である。
【図4】本発明の一実施形態として記載されるような浮動機構を案内機構と共に示す模式図である。
【図5(A)】本発明の一実施形態として開示されるような接続アセンブリの係合解除位置の模式図である。
【図5(B)】本発明の一実施形態として開示されるような接続アセンブリの係合位置の模式図である。
【図6】本発明の一実施形態として記載されるような接続アセンブリを用いた医用撮像装置のブロック図である。
【符号の説明】
【0040】
100 接続アセンブリ
110 ブロック
120 支持材
130 案内機構
112 主コネクタの接続部品
114 二次コネクタの第一の接続部品
122 二次コネクタの第二の接続部品
124 浮動板
126 浮動機構
210 ブロック
220 支持材
230 案内機構
212 主コネクタの接続部品
214 二次コネクタの第一の接続部品
222 二次コネクタの第二の接続部品
224 浮動板
226 浮動機構
320 支持材
322 主コネクタの接続部品
324 浮動板
325 座金
326 ばね
328 溝又は突起
420 支持材
422 主コネクタの接続部品
424 浮動板
425 座金
426 ばね
428 溝又は突起
430 案内機構
510 ブロック
520 支持材
530 案内機構
512 主コネクタの接続部品
514 二次コネクタの第一の接続部品
516 ケーブル
522 二次コネクタの第二の接続部品
524 浮動板
526 浮動機構
600 撮像装置
610 イメージャ
620 搬送アセンブリ
630 接続アセンブリ
612 ガントリ
622 患者支持構成要素
624 コイル・アセンブリ
632 主コネクタ
633 二次コネクタの第一の接続部品
634 ブロック
635 二次コネクタの第二の接続部品
636 浮動機構
637 支持材
638 案内機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)当該ブロック(110)の一つの側面に設けられた主コネクタの接続部品(112)、及び当該ブロック(110)の任意の側面に設けられた二次コネクタの第一の接続部品(114)を有するブロック(110)であって、前記第一の接続部品(114)は前記主コネクタの接続部品(112)に電気的に接続されている、ブロック(110)と、
(ii)前記二次コネクタの第二の接続部品(122)を有する支持材(120)であって、前記第二の接続部品(122)は前記第一の接続部品(114)に対向して配置されている、支持材(120)と、
(iii)前記ブロック(110)及び前記支持材(120)に結合されている案内機構(130)であって、前記ブロック(110)は当該案内機構(130)に沿って可動であり、前記支持材(120)は当該案内機構(130)に実質的に固定されている、案内機構(130)と
を備えた接続アセンブリ(100)であって、
前記ブロック(110)は、前記二次コネクタの第一(114)及び第二(122)の接続部品を係合する及び係合解除するように動作するために前記案内機構(130)に沿って可動である、接続アセンブリ(100)。
【請求項2】
前記ブロック(110)には、前記案内機構(130)の軌道に沿って移動するように構成された溝又は突起が設けられている、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記ブロック(110)は、前記主コネクタに対して前記支持材から離隔する方向に力が加えられたときに前記支持材(120)から離隔して移動するように構成されている、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
前記案内機構(130)は、前記ブロックの移動を案内する溝又は突起を設けた細長の部材である、請求項2に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記支持材(120)は、浮動機構(126)により前記支持材に装着された浮動板(124)をさらに含んでおり、該浮動板(124)は前記第二の接続部品(122)を担持するように構成されている、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記浮動板(124)及び前記浮動機構(126)は、係合しているときに前記二次コネクタの第二の接続部品(122)を前記第一の接続部品(114)に関して整列させるように構成されている、請求項5に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記主コネクタ及び前記二次コネクタはコイル・コネクタである、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
(i)撮像構成要素と共に構成されている少なくとも一つのガントリ(610)と、
(ii)コイル・アセンブリ(624)を設けられており、患者支持構成要素(622)と共に構成されている少なくとも一つの搬送アセンブリ(620)と、
(iii)前記コイル・アセンブリを前記撮像構成要素に接続する接続アセンブリ(630)と
を備えた医用撮像装置(600)であって、前記接続アセンブリは、
(a)前記コイル・アセンブリ(624)に電気的に接続されている主コネクタ(632)と、
(b)該主コネクタに電気的に結合されている可動式の第一の接続部品(633)及び前記撮像構成要素に電気的に結合されている静止型の第二の接続部品(635)を有する二次コネクタと、
(c)前記第二の接続部品(635)と係合する及び係合解除するために前記第一の接続部品(633)の移動を案内するように構成されている案内機構(638)と
を含んでおり、
非常退出時には、前記コイル・アセンブリ(624)は、前記第一及び第二の接続部品を係合解除するために前記接続アセンブリ(630)に接続されているケーブルを引張ることにより前記撮像構成要素から切断されるように構成されている、医用撮像装置(600)。
【請求項9】
浮動機構(636)が、前記二次コネクタの係合時に前記第二の接続部品(635)を前記第一の接続部品(633)と整列させるために前記第二の接続部品(635)と関連して設けられている、請求項8に記載の医用撮像装置。
【請求項10】
前記浮動機構(636)は、浮動板と関連して設けられている複数のばねを含む軸方向の浮動、及び前記浮動板の少なくとも一つの角に設けられている少なくとも一つの座金を含む半径方向の浮動を含んでいる、請求項9に記載の医用撮像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5(A)】
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【図5(B)】
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【図6】
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