説明

乗員検知装置、乗員検知方法および車両

【課題】シートの座面部だけでなく非座面部で被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上できるようにする。
【解決手段】乗員検知装置は、メイン電極12とサブ電極11とガード電極13とを有する静電容量型センサ10と、交流信号Sbを出力してインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段42と、乗員を判別する乗員判別手段43とを備える。ガード電極13は、メイン電極12に対向して配置し、サブ電極11には対向しないように配置する。インピーダンス計測手段42は、メイン電極12を流れるように交流信号Sbを出力してメインインピーダンスを計測し、サブ電極11を流れるように交流信号Sbを出力してサブインピーダンスを計測する。乗員判別手段43は、メインインピーダンスの静電容量成分とサブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて乗員を判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、静電容量型センサとインピーダンス計測手段とを備える乗員検知装置、乗員検知装置を用いる乗員検知方法、乗員検知装置を有する車両に関する。
【背景技術】
【0002】
従来では、電極の面積を増やして信号対雑音比(すなわちSN比)を向上させることを目的として、メイン電極とは別個にサブ電極を備えた静電式乗員検知装置の一例が開示されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
また、シートの被水にかかる判別精度を向上させることを目的として、メイン電極とサブ電極との間のメインサブ間インピーダンスを算出し、当該メインサブ間インピーダンスの虚数部に基づいて判別を行う静電容量式乗員検知センサの一例が開示されている(例えば特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−096743号公報
【特許文献2】特開2008−111809号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、シートは着座する面を含む座面部だけでなく、非座面部も被水したり高い湿度状態になったりする場合がある。なお、非座面部は座面部以外の部位を意味し、具体的にはシートの内部や下部等が該当する(以下同様である)。例えば、被水は、座面部では吸収できない量の水を被る場合などが該当する。高い湿度状態は、シートに乗員が長時間着座する場合や、梅雨時や霧発生時等のようにシートの周辺環境が高い湿度である場合などが該当する。
【0006】
上記特許文献1の技術を適用しても、メイン電極およびサブ電極と乗員(人体)との間に生じる静電容量を検知するに過ぎない。そのため、シートの内部や下部に存在する水の影響を受けて乗員判別を的確に行えない場合がある。
【0007】
また特許文献2の技術を適用しても、所定のモード(被水検知モード)に切り換えて、メイン電極およびサブ電極の双方が被水した状態であるか否かを検知するに過ぎない。そのために被水検知モードのままでは、空席なのか、大人(例えば体重の正規分布を示すAF05など)なのか、CRS(Child Restraint System)装着なのかの判別を行えない。よって乗員の有無等を判別する場合には、別個のモード(乗員検知モード)に切り換えて、すなわち接続等を切り換えて行う必要がある。
【0008】
本発明はこのような点に鑑みてなしたものであり、シートの座面部だけでなく非座面部で被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上できる乗員検知装置、乗員検知方法および車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた請求項1に記載の発明は、シートの座面部に配置されるメイン電極と、前記メイン電極と平面方向に離隔して配置されるサブ電極と、前記座面部とシートフレームとの間に配置されるガード電極とを有する静電容量型センサと、前記静電容量型センサに交流信号を出力して、前記静電容量型センサのインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段とを備える乗員検知装置において、前記ガード電極は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間であって前記メイン電極に対向して配置するとともに、前記サブ電極には対向しないように配置し、前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極を流れるように前記交流信号を出力してメインインピーダンスを計測するとともに、前記サブ電極を流れるように前記交流信号を出力してサブインピーダンスを計測し、前記インピーダンス計測手段によって計測される前記メインインピーダンスの静電容量成分と前記サブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて、乗員を判別する乗員判別手段を有することを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、乗員判別手段は、メインインピーダンスの静電容量成分とサブインピーダンスの抵抗値成分(アドミタンス成分)とに基づいて乗員(すなわち空席・大人・CRS装着など)を判別する。メインインピーダンスはメイン電極に交流信号を流して得られるので、主に座面部側の被水や高い湿度状態が検知可能になる。サブインピーダンスはサブ電極に交流信号を流して得られるので、主に非座面部側の被水や高い湿度状態が検知可能になる。メインインピーダンスの静電容量成分とサブインピーダンスの抵抗値成分とを組み合わせることで、シートの座面部だけでなく非座面部で被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上させることができる。
【0011】
なお、「メイン電極」と「サブ電極」とは、電極を区別するために用いる。同様に、「メインインピーダンス」と「サブインピーダンス」とは、二点間(電極間や端子間等を含む)のインピーダンスを区別するために用いる。「静電容量成分」は、インピーダンスの虚数成分に相当する。「抵抗値成分」は、インピーダンスの実数成分に相当する。「交流信号」は、インピーダンスを計測可能な信号であれば、波形・振幅・周波数等を問わない。「シートフレーム」はシートの骨格をなすフレームであるが、導電性部材(例えば金属等)で形成することによって、電気的に同電位を示すグラウンド(GND;ただし、0[V]とは限らない。)として用いる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、前記インピーダンス計測手段は、少なくとも前記メイン電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測することを特徴とする。この構成によれば、メインインピーダンスはメイン電極とシートフレーム(グラウンド)との間に交流信号を流して得られるので、主に座面部側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間および前記サブ電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測し、前記サブ電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする。この構成によれば、メインインピーダンスはメイン電極とシートフレーム(グラウンド)との間およびサブ電極とシートフレームとの間にそれぞれ交流信号を流して得られるので、主に座面部側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。また、サブインピーダンスはサブ電極とシートフレームとの間に交流信号を流して得られるので、主に非座面部側の被水や高い湿度状態等も精度良く検知可能になる。
【0014】
請求項4に記載の発明は、前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間および前記サブ電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測し、前記メイン電極と前記サブ電極との間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする。この構成によれば、メインインピーダンスはメイン電極とシートフレーム(グラウンド)との間およびサブ電極とシートフレームとの間にそれぞれ交流信号を流して得られるので、主に座面部側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。また、サブインピーダンスはメイン電極とサブ電極との間に交流信号を流して得られるので、主に座面部近傍の被水や高い湿度状態等も精度良く検知可能になる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、前記インピーダンス計測手段は、少なくとも前記メイン電極と前記サブ電極との間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする。この構成によれば、サブインピーダンスはメイン電極とサブ電極との間に交流信号を流して得られるので、主に座面部近傍の被水や高い湿度状態等も精度良く検知可能になる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測し、前記メイン電極と前記サブ電極との間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする。この構成によれば、サブインピーダンスはサブ電極とシートフレーム(グラウンド)との間に交流信号を流して得られるので、主に非座面部側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。
【0017】
請求項7に記載の発明は、前記インピーダンス計測手段は、前記交流信号を流して前記メインインピーダンスおよび前記サブインピーダンスを計測するにあたって、前記メイン電極と前記シートフレームとの間、前記サブ電極と前記シートフレームとの間、前記メイン電極と前記サブ電極との間、のいずれかに接続を切り換える接続切換手段を有することを特徴とする。この構成によれば、接続切換手段がいずれかの相互間に接続するので、複数の接続を簡単に切り換えながら目的のインピーダンスを計測できる。接続の切り換えは、任意に選択した複数の二点間で行う。例えばメイン電極とシートフレームとの間およびサブ電極とシートフレームとの間や、メイン電極とシートフレームとの間およびメイン電極とサブ電極との間などが該当する。
【0018】
請求項8に記載の発明は、シートの座面部に配置されるメイン電極と、前記メイン電極と平面方向に離隔して配置されるサブ電極と、前記座面部とシートフレームとの間に配置されるガード電極とを有する静電容量型センサと、前記静電容量型センサに交流信号を出力して、前記静電容量型センサのインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段とを備える乗員検知装置を用いて乗員を判別する乗員判別方法において、前記ガード電極は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間であって前記メイン電極に対向して配置するとともに、前記サブ電極には対向しないように配置されており、前記インピーダンス計測手段によって、前記メイン電極を流れるように前記交流信号を出力してメインインピーダンスを計測するとともに、前記サブ電極を流れるように前記交流信号を出力してサブインピーダンスを計測するインピーダンス計測工程と、前記インピーダンス計測手段によって計測される前記メインインピーダンスの静電容量成分と前記サブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて、乗員を判別する乗員判別工程とを有することを特徴とする。この構成によれば、乗員判別工程では、メインインピーダンスの静電容量成分とサブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて乗員(すなわち空席・大人・CRS装着など)を判別する。よって請求項1に記載の発明と同様に、シートの座面部だけでなく非座面部で被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上させることができる。
【0019】
請求項9に記載の発明は、車両において、請求項1から7のいずれか一項に記載の乗員検知装置と、前記シートとを有することを特徴とする。この構成によれば、シートの座面部だけでなく非座面部で被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上できる車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】乗員検知装置の構成例を示す模式図である。
【図2】静電容量型センサの構成例を示す模式図である。
【図3】接続切換手段による切り換え例を示す模式図である。
【図4】インピーダンスと成分との関係を示す図である。
【図5】乗員判別処理の手続き例を示すフローチャートである。
【図6】静電容量成分と抵抗値成分とを得るための切り換え例を示す表である。
【図7】第1接続例における特性を示すグラフ図である。
【図8】第2接続例における特性を示すグラフ図である。
【図9】第3接続例における特性を示すグラフ図である。
【図10】乗員検知装置を備える車両の構成例を示す模式図である。
【図11】静電容量型センサの他の構成例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明を実施するための形態について、図面に基づいて説明する。なお、特に明示しない限り、「接続する」という場合には電気的な接続を意味する。各図は、本発明を説明するために必要な要素を図示し、実際の全要素を図示してはいない。上下左右等の方向を言う場合には、図面の記載を基準とする。
【0022】
まず、図1には乗員検知装置の構成例を模式図で示す。図1に示す乗員検知装置は、大別して静電容量型センサ10とECU40とを有する。静電容量型センサ10とECU40との間は、信号線14やコネクタ15などで接続される(図2(A)を参照)。シート20は、ヘッドレスト21やクッションパッド22,24などを有する。クッションパッド24は主に乗員の臀部や大腿部等が収まり、乗員が着座する面を含む座面部24aと、当該座面部24a以外の部位である非座面部24bとからなる。クッションパッド22は主に乗員の背中等が収まる。クッションパッド22,24には、電気的に同電位を示すグラウンド(GND;ただし、0[V]とは限らない。)として用いるシートフレーム23を含む。シートフレーム23は、ガード電極13および車両ボディ30とも接続される。
【0023】
静電容量型センサ10は、クッションパッド24の座面部24aに備えられ、少なくともサブ電極11,メイン電極12,ガード電極13などを有する。必要に応じて、さらに信号線14やコネクタ15を備えてもよい(図2(A)を参照)。メイン電極12はシート20の座面部24aに配置される。サブ電極11は、メイン電極12と平面方向に離隔して配置される。ガード電極13は、メイン電極12とシートフレーム23との間であってメイン電極12に対向して配置するとともに、サブ電極11には対向しないように配置される。このガード電極13は、着座する面とは反対側(図面下方側)からノイズがメイン電極12に混入するのを防止する。
【0024】
サブ電極11とメイン電極12との間における面積の関係は任意である。通常はサブ電極<メイン電極に設定するが、サブ電極=メイン電極に設定してもよく、サブ電極>メイン電極に設定してもよい。面積を大きく(広く)確保するにつれて、水(湿度)に対する感度が高まる。静電容量型センサ10の構成例は後述する(図2を参照)。
【0025】
処理装置の一例であるECU40は、接続切換手段41,インピーダンス計測手段42,乗員判別手段43などを有する。接続切換手段41は、後述するインピーダンス計測手段42から伝達される切換信号Saに基づいて接続を切り換える機能を担う。切換信号Saは、メインインピーダンスおよびサブインピーダンスの一方または双方を計測する際に伝達される。接続切換手段41の切り換え例については後述する(図3を参照)。
【0026】
インピーダンス計測手段42は、静電容量型センサ10に交流信号Sbを出力して、静電容量型センサ10のインピーダンスを計測する機能を担う。このインピーダンス計測手段42は、信号源42aや計測部42bなどを有する。信号源42aは、交流信号Sbを発生させて出力する機能を担う。交流信号Sbは、インピーダンスを計測可能な信号であれば、波形・振幅・周波数等を問わない。
【0027】
計測部42bは、接続切換手段41によって切り換えられた二点間の接続に対して交流信号Sbを流し、インピーダンスを計測する機能を担う。インピーダンスの具体的な計測法は周知であるので、図示および説明を省略する。メインインピーダンスは、少なくとも一点にメイン電極12を含み、交流信号Sbを流して計測する。サブインピーダンスは、少なくとも一点にサブ電極11を含み、交流信号Sbを流して計測する。本形態では、サブ電極11およびメイン電極12の双方に交流信号Sbを流して計測される電極間インピーダンスは、サブインピーダンスに含めることにする。
【0028】
乗員判別手段43は、乗員(すなわち空席・大人・CRS装着など)を判別する機能を担い、必要に応じて判別結果信号Se(例えば着座信号や空席信号等)を外部装置50に出力する。この乗員判別手段43は、算出部43aや判別部43bなどを有する。算出部43aは、インピーダンス計測手段42から伝達される計測信号Sdに含まれるインピーダンスに基づいて、当該インピーダンスの静電容量成分と抵抗値成分とを算出する。判別部43bは、メインインピーダンスの静電容量成分とサブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて、乗員の判別を行う。外部装置50は、例えば緊急時にエアバッグを膨張させるエアバッグ装置(特にエアバッグECU)が該当する。
【0029】
図2には、静電容量型センサ10の構成例を模式的に示す。図2(A)には平面図を示し、図2(B)には図2(A)に示すIIB−IIB線矢視の断面図を示す。図2(A)に示すように、静電容量型センサ10の電極(すなわちサブ電極11,メイン電極12およびガード電極13)は、いずれもセンサマット16に収容される。図2(B)に示すように、センサマット16はフィルム部16a,絶縁コート部16b,マット部16cなどを有する。図2(B)の構成例では、サブ電極11およびメイン電極12をフィルム部16aに収容し、ガード電極13を絶縁コート部16bに収容する。なお、サブ電極11,メイン電極12およびガード電極13の配置は図1と同様である。マット部16cは、例えばウレタン等のような弾性樹脂を用いて形成される。
【0030】
図3には、接続切換手段41による接続の切り換え例を示す。図3に示す接続切換手段41は、理解し易くするために接点スイッチを用いた例を図示し、端子41a,41b,41c,41d,41eを有する。他には、電磁スイッチ(リレーを含む)や半導体スイッチ(半導体リレーを含む)等を用いてもよい。端子41aはサブ電極11に接続され、端子41bはメイン電極12に接続され、端子41cはガード電極13(あるいはシートフレーム23や車両ボディ30)に接続される。端子41d,41eはインピーダンス計測手段42に接続される。
【0031】
接続切換手段41は、任意に選択した複数の二点間で接続を切り換える機能を担う。例えば、サブ電極11とシートフレーム23との間、メイン電極12とサブ電極11との間、サブ電極11とメイン電極12との間などのいずれかで接続の切り換えを行う。切り換えは、例えばメイン電極12とシートフレーム23との間およびサブ電極11とシートフレーム23との間や、メイン電極12とシートフレーム23との間およびメイン電極12とサブ電極11との間、サブ電極11とシートフレーム23との間およびメイン電極12とサブ電極11との間などが該当する。
【0032】
図3(A),図3(B),図3(C)には、接続切換手段41による切り換え後の接続例を示す。図3(A)に示す接続例は、端子41bと端子41dとの間が接続されるとともに、端子41cと端子41eとの間が接続される。メインインピーダンスZmgを計測するにあたり、メイン電極12とシートフレーム23との間を接続する状態である。図3(B)に示す接続例は、端子41aと端子41dとの間が接続されるとともに、端子41cと端子41eとの間が接続される。サブインピーダンスZsgを計測するにあたり、サブ電極11とシートフレーム23との間を接続する状態である。図3(C)に示す接続例は、端子41aと端子41dとの間が接続されるとともに、端子41bと端子41eとの間が接続される。電極間インピーダンスZms(サブインピーダンスZsg)を計測するにあたり、メイン電極12とサブ電極11との間を接続する状態である。
【0033】
図4には、インピーダンスと成分との関係を示す。図4(A)には等価回路を示し、図4(B)には虚数成分および実数成分との関係をグラフ図で示す。図4(A)に示すように、接続切換手段41で計測されるインピーダンスZxは、静電容量成分Cxと抵抗値成分Rxとを並列接続した等価回路で表される。図4(B)に示すように、静電容量成分Cxは虚数成分Imgに相当し、抵抗値成分Rxは実数成分Reに相当する。インピーダンスZxは、メインインピーダンスZmgやサブインピーダンスZsg(電極間インピーダンスZms)などが該当する。静電容量成分Cxは後述する静電容量成分Cmg,Csg,Cmsなどが該当し、抵抗値成分Rxは後述する抵抗値成分Rmg,Rsg,Rmsなどが該当する。以下では、メインインピーダンスZmgに関連する要素には添字「mg」を付し、サブインピーダンスZsgに関連する要素には添字「sg」を付し、電極間インピーダンスZmsに関連する要素には添字「ms」を付して説明する。
【0034】
上述のように構成された乗員検知装置において、シート20での乗員を判別する処理例について図5〜図9を参照しながら説明する。図5には乗員判別処理の手続き例をフローチャートで示す。図5におけるステップS10,S12は接続切換手段41に相当し、ステップS11,S13はインピーダンス計測手段42およびインピーダンス計測工程に相当し、ステップS14〜S17は乗員判別手段43および乗員判別工程に相当する。図6には静電容量成分と抵抗値成分とを得るための切り換え例を一覧表で示す。図7〜図9には各接続例における特性をグラフ図で示す。
【0035】
図5に示す乗員判別処理は、ECU40が作動している間に繰り返し実行される。まず、交流信号Sbがメイン電極12を流れる接続に切り換え〔ステップS10〕、交流信号Sbを出力してメインインピーダンスZmgを計測する〔ステップS11〕。同様に、交流信号Sbがサブ電極11を流れる接続に切り換え〔ステップS12〕、交流信号Sbを出力してサブインピーダンスZsg(電極間インピーダンスZmsを含む)を計測する〔ステップS13〕。ステップS10,S11と、ステップS12,S13とは順不同に実行してもよい。そして、ステップS11で計測したメインインピーダンスZmgと、ステップS13で計測したサブインピーダンスZsg(あるいは電極間インピーダンスZms)とに基づいて静電容量成分Cxおよび抵抗値成分Rxを算出する〔ステップS14〕。
【0036】
上記ステップS10,S12でどの接続に切り換えるかは、ステップS14で必要とする静電容量成分Cxおよび抵抗値成分Rxに応じて変わる。そこで、接続例について図6を参照しながら説明する。図6には、静電容量成分Cxおよび抵抗値成分Rxに応じた切換例J1〜J11の例を示す。表中では、図3(A)の接続例を単に「(A)」と示し、図3(B)の接続例を単に「(B)」と示す。また、「(A),(B)」は図3(A)の接続例と、図3(B)の接続例とに切り換えることを示す。以下では、切換例J3,J5,J7を代表して簡単に説明する。なお、切換例J11は電極間インピーダンスZmsのみを測定すればよいので、ステップS10,S11の実行は不要である。
【0037】
切換例J3は、静電容量成分Cmgおよび抵抗値成分Rmsを取得するため、図3(A)の接続と図3(C)の接続とに切り換えてインピーダンスZxを測定することを示す。すなわち、図3(A)の接続に切り換えてメインインピーダンスZmgを計測し、当該メインインピーダンスZmgに基づいて静電容量成分Cmgを算出する。また、図3(C)の接続に切り換えて電極間インピーダンスZmsを計測し、当該電極間インピーダンスZmsに基づいて抵抗値成分Rmsを算出する。
【0038】
切換例J5は、静電容量成分(Cmg+Csg)および抵抗値成分Rsgを取得するため、図3(A)の接続と図3(B)の接続とに切り換えてインピーダンスZxを測定することを示す。すなわち、図3(A)の接続に切り換えてメインインピーダンスZmgを計測し、当該メインインピーダンスZmgに基づいて静電容量成分Cmgを算出する。また、図3(B)の接続に切り換えてサブインピーダンスZsgを計測し、当該サブインピーダンスZsgに基づいて静電容量成分Csgおよび抵抗値成分Rsgを算出する。これらの静電容量成分Cmgと静電容量成分Csgとを和算して静電容量成分(Cmg+Csg)を得る。
【0039】
切換例J7は、静電容量成分(Cmg+Csg)および抵抗値成分Rmsを取得するため、図3(A)の接続、図3(B)の接続および図3(C)の接続に切り換えてインピーダンスZxを測定することを示す。すなわち、図3(A)の接続に切り換えてメインインピーダンスZmgを計測し、当該メインインピーダンスZmgに基づいて静電容量成分Cmgを算出する。また、図3(B)の接続に切り換えてサブインピーダンスZsgを計測し、当該サブインピーダンスZsgに基づいて静電容量成分Csgを算出する。これらの静電容量成分Cmgと静電容量成分Csgとを和算して静電容量成分(Cmg+Csg)を得る。さらに、図3(C)の接続に切り換えて電極間インピーダンスZmsを計測し、当該電極間インピーダンスZmsに基づいて抵抗値成分Rmsを算出する。
【0040】
図5に戻り、ステップS14で算出した静電容量成分Cxおよび抵抗値成分Rxに基づいて、乗員判別用のマップを参照して乗員の着座を判別する〔ステップS15〕。マップはECU40内外の記録媒体(例えばROMやEEPROM、フラッシュメモリ等)に予め記録されている。マップを参照した判別法については後述する(図7〜図9を参照)。もし、大人(すなわち空席とCRS装着とを除く乗員)が着座していると判別された場合には(ステップS16でYES)、着座信号を判別結果信号Seとして出力し〔ステップS17〕、乗員判別処理をリターンする。一方、空席またはCRS装着と判別された場合には(ステップS16でNO)、空席信号を判別結果信号Seとして出力し〔ステップS18〕、乗員判別処理をリターンする。ステップS17およびステップS18は、一方のみを実行してもよく、双方を実行してもよい。
【0041】
マップを参照した判別法について、図7〜図9を参照しながら説明する。図7には第1接続例(切換例J3)に対応するマップの一例を示す。図8には第2接続例(切換例J5)に対応するマップの一例を示す。図9には第3接続例(切換例J7)に対応するマップの一例を示す。図7〜図9の(A)にはシート20にヒータを備える場合の特性を示し、同じく(B)にはシート20にヒータを備えない場合の特性を示す。図7〜図9では共通する記号および線種を用いる。「◇」,「○」,「*」,「△」,「×」などの記号は、シート20を設置した環境(例えば車両等)における温度と湿度との組み合わせで異ならせている。記号の線種は、空席を細実線で示し、大人(AF05)を太実線で示し、CRS装着を太破線で示す。
【0042】
図7〜図9に示すマップには、縦軸を静電容量成分とするとともに、横軸を抵抗値成分(アドミタンス成分)とし、大人(すなわち空席とCRS装着とを除く乗員)が着座しているか否かの判別を行う閾値線(図中の太線)を示す。この閾値線に加えて、様々の温度や湿度における測定結果を上記記号でプロットしている。図7〜図9の各図における静電容量成分および抵抗値成分は、図6に示す表に従う。例えば、図7の静電容量成分は静電容量成分Cmgに対応し、抵抗値成分は抵抗値成分Rmsに対応する。
【0043】
マップ全体の傾向としては、温度が高くなるにつれて、静電容量成分および抵抗値成分ともに増加する。同様に、湿度が高くなるにつれて、静電容量成分および抵抗値成分ともに増加する。図7〜図9に示すマップを記録媒体に記録しておき、切換例J3,J5,J7の各接続にそれぞれ対応した乗員の判別を行える。
【0044】
以上のように構成された乗員検知装置(すなわち静電容量型センサ10およびインピーダンス計測手段42)とシート20とを、二点鎖線で示す車両100(自動車)内に備えると図10のようになる。
【0045】
上述した実施の形態によれば、以下に示す各効果を得ることができる。まず請求項1に対応し、ガード電極13は、メイン電極12とシートフレーム23との間であってメイン電極12に対向して配置するとともに、サブ電極11には対向しないように配置した(図2(A)を参照)。またインピーダンス計測手段42は、メイン電極12を流れるように交流信号Sbを出力してメインインピーダンスZmgを計測するとともに、サブ電極11を流れるように交流信号Sbを出力してサブインピーダンスZsgを計測し、インピーダンス計測手段42によって計測されるメインインピーダンスZmgの静電容量成分CxとサブインピーダンスZsgの抵抗値成分Rxとに基づいて、乗員を判別する乗員判別手段43を有する構成とした(図1,を参照)。この構成によれば、メインインピーダンスZmgはメイン電極12に交流信号Sbを流して得られるので、主に座面部24a側の被水や高い湿度状態が検知可能になる。サブインピーダンスZsgはサブ電極11に交流信号Sbを流して得られるので、主に非座面部24b側の被水や高い湿度状態が検知可能になる。メインインピーダンスZmgの静電容量成分CxとサブインピーダンスZsgの抵抗値成分Rxとを組み合わせることで、シート20の座面部24aだけでなく非座面部24bで被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上させることができる。
【0046】
請求項2に対応し、インピーダンス計測手段42は、少なくともメイン電極12とシートフレーム23との間に交流信号Sbを流してメインインピーダンスZmgを計測する構成とした(図3と図6の切換例J1〜J7とを参照)。この構成によれば、メインインピーダンスZmgはメイン電極12とシートフレーム23(グラウンド)との間に交流信号Sbを流して得られるので、主に座面部24a側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。
【0047】
請求項3に対応し、インピーダンス計測手段42は、メイン電極12とシートフレーム23との間およびサブ電極11とシートフレーム23との間に交流信号Sbを流してメインインピーダンスZmgを計測し、サブ電極11とシートフレーム23との間に交流信号Sbを流してサブインピーダンスZsgを計測する構成とした(図3(A),図3(B),図6の切換例J5を参照)。この構成によれば、メインインピーダンスZmgはメイン電極12とシートフレーム23(グラウンド)との間およびサブ電極11とシートフレーム23との間にそれぞれ交流信号Sbを流して得られるので、主に座面部24a側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。また、サブインピーダンスZsgはサブ電極11とシートフレーム23との間に交流信号Sbを流して得られるので、主に非座面部24b側の被水や高い湿度状態等も精度良く検知可能になる。
【0048】
請求項4に対応し、インピーダンス計測手段42は、メイン電極12とシートフレーム23との間およびサブ電極11とシートフレーム23との間に交流信号Sbを流してメインインピーダンスZmgを計測し、メイン電極12とサブ電極11との間に交流信号Sbを流してサブインピーダンスZsgを計測する構成とした(図3(A),図3(C),図6の切換例J7を参照)。この構成によれば、メインインピーダンスZmgはメイン電極12とシートフレーム23(グラウンド)との間およびサブ電極11とシートフレーム23との間にそれぞれ交流信号Sbを流して得られるので、主に座面部24a側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。また、サブインピーダンスZsgはメイン電極12とサブ電極11との間に交流信号Sbを流して得られるので、主に座面部24a近傍の被水や高い湿度状態等も精度良く検知可能になる。
【0049】
請求項5に対応し、インピーダンス計測手段42は、少なくともメイン電極12とサブ電極11との間に交流信号Sbを流してサブインピーダンスZsgを計測する構成とした(図3と図6の切換例J8〜J11とを参照)。この構成によれば、サブインピーダンスZsgはメイン電極12とサブ電極11との間に交流信号Sbを流して得られるので、主に座面部24a近傍の被水や高い湿度状態等も精度良く検知可能になる。
【0050】
請求項6に対応し、インピーダンス計測手段42は、メイン電極12とシートフレーム23との間に交流信号Sbを流してメインインピーダンスZmgを計測し、メイン電極12とサブ電極11との間に交流信号Sbを流してサブインピーダンスZsgを計測する構成とした(図3と図6の切換例J3とを参照)。この構成によれば、サブインピーダンスZsgはサブ電極11とシートフレーム23(グラウンド)との間に交流信号Sbを流して得られるので、主に非座面部24b側の被水や高い湿度状態等を精度良く検知可能になる。
【0051】
請求項7に対応し、インピーダンス計測手段42は、交流信号Sbを流してメインインピーダンスZmgおよびサブインピーダンスZsgを計測するにあたって、メイン電極12とシートフレーム23との間、サブ電極11とシートフレーム23との間、メイン電極12とサブ電極11との間、のいずれかに接続を切り換える接続切換手段41を有する構成とした(図3を参照)。この構成によれば、複数の接続を簡単に切り換えながら目的のインピーダンスを計測することができる。
【0052】
請求項8に対応し、ガード電極13は、メイン電極12とシートフレーム23との間であってメイン電極12に対向して配置するとともに、サブ電極11には対向しないように配置した(図2(A)を参照)。またインピーダンス計測手段42によって、メイン電極12を流れるように交流信号Sbを出力してメインインピーダンスZmgを計測するとともに、サブ電極11を流れるように交流信号Sbを出力してサブインピーダンスZsgを計測するインピーダンス計測工程と、インピーダンス計測手段42によって計測されるメインインピーダンスZmgの静電容量成分CxとサブインピーダンスZsgの抵抗値成分Rxとに基づいて、乗員を判別する乗員判別工程とを有する構成とした(図5を参照)。この構成によれば、乗員判別工程では、メインインピーダンスZmgの静電容量成分CxとサブインピーダンスZsgの抵抗値成分Rxとに基づいて乗員を判別する。よって、シート20の座面部24aだけでなく非座面部24bで被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上させることができる。
【0053】
請求項9に対応し、車両100は、乗員検知装置(すなわち静電容量型センサ10およびインピーダンス計測手段42)と、シート20とを有する構成とした(図10を参照)。この構成によれば、シート20の座面部24aだけでなく非座面部24bで被水や高い湿度状態になっても、乗員の判別精度を向上できる車両を提供することができる。
【0054】
〔他の実施の形態〕
以上では本発明を実施するための形態について説明したが、本発明は当該形態に何ら限定されるものではない。言い換えれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施することもできる。例えば、次に示す各形態を実現してもよい。
【0055】
上述した実施の形態では、サブ電極11は、図11(A)に示すようにメイン電極12と平面方向に離隔して配置する構成とした。すなわち、サブ電極11とメイン電極12とはほぼ同一平面上となるように配置した。この形態に代えて、サブ電極11は、メイン電極12とはほぼ同一平面上とならないように配置してもよい。例えば、座面部24a側に近づけた図11(B)に示す配置や、シートフレーム23側に近づけた図11(C)に示す配置が該当する。グラウンドであるシートフレーム23との間における水分量に応じて静電容量成分や抵抗値成分が増加するので、図11(B)に示す配置が最も高く、図11(C)に示す配置が最も低くなる。例えば寒冷地と温暖地の差異などに応じて配置を変える等により、地域等に合わせた的確な乗員判別の精度を向上させることができる。
【0056】
上述した実施の形態では、水(湿気を含む)に対応するマップを記録媒体に記録する構成とした(図7〜図9を参照)。この形態に加えて、導電性を有する電解液(例えばジュースや塩水等)に対応するマップを記録媒体に記録する構成としてもよい。電解液に対応するマップは、水に対応するマップと一体(すなわち一のマップ内)に記録してもよく、水に対応するマップとは別個に記録してもよい。電解液でシート20が被水すると、図7〜図9に示す静電容量成分および抵抗値成分に比べて大きな値となる。座面部24aおよび非座面部24bのうち一方または双方で、電解液を被水したり高い湿度状態になっても、メインインピーダンスZmgの静電容量成分CxとサブインピーダンスZsgの抵抗値成分Rxとを組み合わせることで、乗員の判別精度を向上させることができる。
【0057】
上述した実施の形態では、外部装置50はエアバッグECUを適用する構成とした(図1を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、エアバッグECU以外のECU(例えばエンジンECU等)や、ECU以外の処理装置、通信回線を介して接続可能なコンピュータ(サーバーやパソコン等を含む)などを適用する構成としてもよい。エンジンECUを適用する場合には、大人が着座しないまま車両100が走行する等を防止できる。他の処理装置やコンピュータを適用する場合には、乗員の判別結果を確実に伝達できる。
【0058】
上述した実施の形態では、同電位を示すグラウンド(GND)にシートフレーム23を適用した(図1等を参照)。この形態に代えて(あるいは加えて)、導電性部材(例えば針金,金網,導電線など)を適用してもよい。インピーダンス(すなわちメインインピーダンスZmgやサブインピーダンスZsgなど)を計測するための基準となる電位を示す部材が相違するに過ぎないので、上述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【0059】
上述した実施の形態では、乗員検知装置(すなわち静電容量型センサ10およびインピーダンス計測手段42)を備える対象として、車両100を適用した(図11を参照)。この形態に代えて、車両100以外の他の輸送機器にも同様に適用することが可能である。他の輸送機器は、人間や貨物等を輸送可能な輸送機器、例えば航空機や船舶などが該当する。単に構造上の違いに過ぎず、人間や貨物等を輸送可能であるので、上述した実施の形態と同様の作用効果が得られる。
【符号の説明】
【0060】
10 静電容量型センサ
11 サブ電極
12 メイン電極
13 ガード電極
20 シート
23 シートフレーム(グラウンド)
24a 座面部
24b 非座面部
30 車両ボディ(グラウンド)
40 ECU(処理装置)
41 接続切換手段
42 インピーダンス計測手段
43 乗員判別手段
50 外部装置
Zx インピーダンス
Zmg メインインピーダンス
Zsg サブインピーダンス
Zms 電極間インピーダンス(サブインピーダンス)
Cx(Cmg,Csg,Cms) 静電容量成分
Rx(Rmg,Rsg,Rms) 抵抗値成分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートの座面部に配置されるメイン電極と、前記メイン電極と平面方向に離隔して配置されるサブ電極と、前記座面部とシートフレームとの間に配置されるガード電極とを有する静電容量型センサと、
前記静電容量型センサに交流信号を出力して、前記静電容量型センサのインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、を備える乗員検知装置において、
前記ガード電極は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間であって前記メイン電極に対向して配置するとともに、前記サブ電極には対向しないように配置し、
前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極を流れるように前記交流信号を出力してメインインピーダンスを計測するとともに、前記サブ電極を流れるように前記交流信号を出力してサブインピーダンスを計測し、
前記インピーダンス計測手段によって計測される前記メインインピーダンスの静電容量成分と前記サブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて、乗員を判別する乗員判別手段を有することを特徴とする乗員検知装置。
【請求項2】
前記インピーダンス計測手段は、少なくとも前記メイン電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測することを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
【請求項3】
前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間および前記サブ電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測し、前記サブ電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする請求項1または2に記載の乗員検知装置。
【請求項4】
前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間および前記サブ電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測し、前記メイン電極と前記サブ電極との間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする請求項1または2に記載の乗員検知装置。
【請求項5】
前記インピーダンス計測手段は、少なくとも前記メイン電極と前記サブ電極との間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする請求項1に記載の乗員検知装置。
【請求項6】
前記インピーダンス計測手段は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間に前記交流信号を流して前記メインインピーダンスを計測し、前記メイン電極と前記サブ電極との間に前記交流信号を流して前記サブインピーダンスを計測することを特徴とする請求項1,2,5に記載の乗員検知装置。
【請求項7】
前記インピーダンス計測手段は、前記交流信号を流して前記メインインピーダンスおよび前記サブインピーダンスを計測するにあたって、前記メイン電極と前記シートフレームとの間、前記サブ電極と前記シートフレームとの間、前記メイン電極と前記サブ電極との間、のいずれかに接続を切り換える接続切換手段を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の乗員検知装置。
【請求項8】
シートの座面部に配置されるメイン電極と、前記メイン電極と平面方向に離隔して配置されるサブ電極と、前記座面部とシートフレームとの間に配置されるガード電極とを有する静電容量型センサと、
前記静電容量型センサに交流信号を出力して、前記静電容量型センサのインピーダンスを計測するインピーダンス計測手段と、を備える乗員検知装置を用いて乗員を判別する乗員判別方法において、
前記ガード電極は、前記メイン電極と前記シートフレームとの間であって前記メイン電極に対向して配置するとともに、前記サブ電極には対向しないように配置されており、
前記インピーダンス計測手段によって、前記メイン電極を流れるように前記交流信号を出力してメインインピーダンスを計測するとともに、前記サブ電極を流れるように前記交流信号を出力してサブインピーダンスを計測するインピーダンス計測工程と、
前記インピーダンス計測手段によって計測される前記メインインピーダンスの静電容量成分と前記サブインピーダンスの抵抗値成分とに基づいて、乗員を判別する乗員判別工程と、
を有することを特徴とする乗員検知方法。
【請求項9】
請求項1から7のいずれか一項に記載の乗員検知装置と、前記シートと、を有することを特徴とする車両。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−132830(P2012−132830A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286310(P2010−286310)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】