乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ
【課題】簡便且つ正確に、コムと踏板との隙間を測定することが可能な乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージを提供することである。
【解決手段】測定ゲージ50は、コムプレート24に設置されるコム27と、ステップ11の踏板14との隙間を測定するための測定ゲージであり、コムプレート24に固定可能なゲージ基体51と、ゲージ基体51に対してスライド可能に設けられた測定子52であって、ゲージ基体51をコムプレート24に固定した状態で一端が踏板14に接触する測定子52とを備える。測定子52には、ゲージ基体51に対するスライド長さを読み取るための目盛り55が設けられる。
【解決手段】測定ゲージ50は、コムプレート24に設置されるコム27と、ステップ11の踏板14との隙間を測定するための測定ゲージであり、コムプレート24に固定可能なゲージ基体51と、ゲージ基体51に対してスライド可能に設けられた測定子52であって、ゲージ基体51をコムプレート24に固定した状態で一端が踏板14に接触する測定子52とを備える。測定子52には、ゲージ基体51に対するスライド長さを読み取るための目盛り55が設けられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージに関し、より詳しくは、コムプレートに設置されるコムと、ステップの踏板との隙間を測定するための測定ゲージに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータ等の乗客コンベアは、定期的に点検がなされる。そして、各点検には種々の測定項目が設定されている。種々の測定項目に対応する専用の測定器具も幾つか提案されている(例えば、特許文献1参照)。
乗客コンベアの乗降口における測定項目として、コムプレートに設置されるコムとステップの踏板との隙間(以下、「乗降口隙間」とも称する)の測定がある。この測定は、詳しくは後述するように、コムと踏板のデマケーションラインとを一致させた状態で、コムの下端と踏板に形成された踏板溝の底部との隙間、又はコムに形成されたコム溝の底部と踏板の上端との隙間を測定することで行われる。また、ステップの駆動ローラが左右の押さえレールに接触するまで持ち上げた状態についても当該隙間が測定される。
【0003】
ここで、図1〜図5を参照して、エスカレータ10の構成を簡単に説明し、テーパーゲージ100を用いた乗降口隙間の測定方法を説明する。なお、図1、図4、及び図5では、ステップ11の一部を取り外した様子を示している。
図1〜図5に示すように、エスカレータ10は、複数のステップ11が上階フロアと下階フロアとの間を循環する昇降装置である。エスカレータ10には、上階フロアと下階フロアとに、それぞれ乗降口12(図4,5では下階フロアの乗降口12を示す)が設けられ、乗降口12の床下には、ステップチェーンが架渡されるスプロケット等が設置された機械室13が設けられている。なお、機械室13を含む、ステップチェーン等が配置される内部構造部分をトラスと称する。
【0004】
ステップ11は、利用者が載る踏板14と、各ステップ11の踏板14間を塞ぐライザ15と、踏板14及びライザ15を固定するフレーム16とを有する。踏板14には、板面の全体に踏板溝17が形成されている。各踏板溝17は、ステップ11の移動方向に沿って形成され、コム27のコム溝28と噛み合う。フレーム16には、ステップ11の幅方向に伸びたステップ軸18が取り付けられ、ステップ軸18には、各ステップ11を繋げるステップチェーンが連結される。
【0005】
ステップ軸18の両端には、駆動ローラ19が設置される。また、フレーム16には、従動ローラ20が設置される。駆動ローラ19及び従動ローラ20は、トラス内に設置された駆動ローラガイドレール21(図3参照)及び従動レール(図示せず)によってそれぞれガイドされる。乗降口12付近には、ステップ11の浮き上がりを防止するための押さえレール22が駆動ローラガイドレール21の上方に取り付けられる。ステップ11のステップ軸18側が浮き上がると、駆動ローラ19が押さえレール22に接触して、それ以上の浮き上がりが防止される。
なお、ステップ11は、乗降口12において、床板23の下に入り込んでスプロケットにより反転される。また、ステップ11のステップ軸18側の端縁には、ステップ11の幅方向に沿ってデマケーションライン14Lが形成されている。
【0006】
乗降口12には、機械室13の開口を塞ぐ床板23が設置される。床板23は、例えば、コムプレート24と、ランディングプレート25と、マンホールカバー26とで構成される。コムプレート24には、ステップ11の踏板溝17と噛み合うコム溝28が形成された複数のコム27が設置される。コム27は、例えば、ビス29を用いてコムプレート24の端縁にそれぞれビス止めされる。コムプレート24は、ステップ11側に進むに連れて上面が下方に傾斜した形状を有するが、図面では当該傾斜を省略して水平に記載している。ランディングプレート25は、コムプレート24とマンホールカバー26との間に配置される床板であり、マンホールカバー26は、例えば、点検者が機械室13に出入りする際に取り外される床板である。
【0007】
コム27とステップ11の踏板14との隙間である乗降口隙間の測定は、コム27と踏板14との接触を防止するための重要な測定項目である。例えば、乗降口隙間が基準値を満たさない場合には、押さえレール22の調整等がなされる。
図3に示すように、従来の乗降口隙間の測定は、テーパーゲージ100を用いて実施されていた。具体的には、コム27と踏板14のデマケーションライン14Lとを一致させた状態で、例えば、コム27の下端とデマケーションライン14Lにおける踏板溝17との間にテーパーゲージ100の先端を挿入して測定する。なお、図3では、駆動ローラ19が左右の押さえレール22に接触するまでステップ11を持ち上げた状態で、乗降口隙間を測定する様子を示している。
【0008】
図4では、点検者が床板23上から乗降口隙間を測定する様子を示している。点検者は、例えば、一方の手でステップ軸18を上方に持ち上げ、他方の手でテーパーゲージ100をコム27と踏板14との隙間に挿入して、乗降口隙間を測定する。しかし、ステップ11の重量は片手で支えるには重く、また、テーパーゲージ100の目盛りは側面に設けられているため床板23上からは読み取り難い。
一方、図5では、点検者がトラス(機械室13)内から乗降口隙間を測定する様子を示している。点検者は、例えば、一方の手でステップ軸18を上方に押し上げ、他方の手でテーパーゲージ100をコム27と踏板14との隙間に挿入して、乗降口隙間を測定する。しかし、床板23上から測定する場合と同様に、テーパーゲージ100を使用しながらステップ11の重量を支えることは容易ではない。また、ステップ11を支えながらテーパーゲージ100の目盛りを読み取ることも容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010‐173797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、テーパーゲージを用いた乗降口隙間の測定方法では、無理な体勢での測定を余儀なくされ、また、目盛りの読み取りが難しい等の問題があった。そこで、作業負荷軽減や測定精度向上が望まれている。
【0011】
即ち、本発明の目的は、簡便且つ正確に、コムと踏板との隙間を測定することが可能な乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージは、コムプレートに設置されるコムと、ステップの踏板との隙間を測定するための測定ゲージであり、コムプレートに固定可能なゲージ基体と、ゲージ基体に対してスライド可能に設けられた測定子であって、ゲージ基体をコムプレートに固定した状態で一端が踏板に接触する測定子とを備えることを特徴とする。
当該構成によれば、例えば、ゲージ基体が固定されるコムプレート又はコムの上端と、測定子の一端が接触する踏板の上端との間隔を容易に測定できる。また、測定子は、ゲージ基体に対してスライドするため、駆動ローラが押さえレールに接触した状態についても当該間隔を容易に測定できる。なお、コムプレート又はコムの上端からコムの下端までの長さ、踏板溝の深さ、及びコム溝の深さ等は予め分かっている。ゆえに、コムプレート又はコムの上端と、踏板の上端との間隔を測定できれば、コムの下端と踏板溝の底部との隙間、又はコム溝の底部と踏板の上端との隙間を算出することができる。
【0013】
また、コムプレートの端縁には、複数のコムがそれぞれビス止めされており、ゲージ基体は、コムプレートのビス孔に対応して形成された貫通孔を有し、コムプレートの端縁にビス止め可能であることが好ましい。当該構成によれば、ゲージ基体の固定が容易である。また、ゲージ基体の安定した固定が可能である。
【0014】
また、ステップの踏板には、コムのコム溝と噛み合う踏板溝が形成されており、測定子は、少なくとも踏板に接触する一端において、踏板溝の幅より大きな幅を有することが好ましい。当該構成によれば、測定子が踏板溝に嵌ることがなく、より正確な測定が可能になる。
【0015】
また、ゲージ基体に対して測定子のスライド位置を保持するストッパを備えることが好ましい。当該構成によれば、ストッパによってゲージ基体と測定子との相対的な位置関係が保持されるので、特に、駆動ローラが押さえレールに接触した状態の乗降口隙間を測定することが容易になる。
【0016】
また、測定子には、スライド方向に沿って目盛りが設けられていることが好ましい。当該構成によれば、例えば、別の測定器具を使用することなく、測定子がゲージ基体に対してスライドした長さを確認することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージによれば、簡便且つ正確に、コムと踏板との隙間を測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一般的なエスカレータの乗降口を上方から見た図である。
【図2】図1に示すコムを矢印Aの方向から見た図である。
【図3】テーパーゲージを用いて、ステップを持ち上げた状態で、コムと踏板との隙間である乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図4】テーパーゲージを用いて、点検者が乗降口の床板上から乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図5】テーパーゲージを用いて、点検者がトラス内から乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態である乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージを示す斜視図である。
【図7】図6のD‐D線断面図である。
【図8】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージを用いて、乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図9】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージを用いて、ステップを持ち上げた状態で、乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図10】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージの設置状態を図1の矢印Aの方向から見た図である。
【図11】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージを用いて、点検者が乗降口の床板上から乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図6〜図11を参照し、本発明に係る乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージの実施形態である測定ゲージ50について詳細に説明する。以下では、乗客コンベアとしてエスカレータ10を例に挙げて説明するが、乗客コンベアは、所謂動く歩道であってもよい。また、エスカレータ10は、図1〜図5に示す構成を有するものであり、以下では、上記説明と重複する説明は省略する。
【0020】
なお、測定ゲージ50をコムプレート24に固定した状態で、ゲージ基体51、測定子52、ステップ11、踏板溝17、コム27、コム溝28の幅方向は、いずれも同一の方向となる。
【0021】
図6は、測定ゲージ50を示す斜視図である。
図6に示すように、測定ゲージ50は、コムプレート24に固定可能なゲージ基体51と、ゲージ基体51に対してスライド可能に設けられた測定子52とを備える。測定子52は、ゲージ基体51をコムプレート24に固定した状態において、その一端が踏板14に接触するように構成されている。測定ゲージ50は、コムプレート24に固定されるゲージ基体51に対して、測定子52がスライドすることで、特に、駆動ローラ19が押さえレール22に接触した状態における乗降口隙間を、簡便且つ正確に測定可能な器具である。
【0022】
乗降口隙間は、コム27の下端と踏板溝17の底部との隙間、及びコム溝28の底部と踏板14の上端との隙間を意味し、一般的にいずれも同様の長さである。本明細書では、主に、コム27の下端と踏板溝17の底部との隙間の測定を例に挙げて説明する。
【0023】
ゲージ基体51は、例えば、一方向にやや長いプレート形状を有する。ゲージ基体51は、乗降口隙間を測定する際にコムプレート24に固定される部材であり、例えば、コム27の1つをコムプレート24から取り外して、コムプレート24の端縁にビス止めで固定できる(以下では、コムプレート24のコム27が設置されている部分をコム設置部と称する)。ゲージ基体51は、コム設置部に固定可能なサイズを有する。また、ゲージ基体51には、ビス29が挿入可能な貫通孔であるビス孔54が形成される。ビス孔54は、例えば、ゲージ基体51の長手方向の一端側において、コムプレート24(コム27)のビス孔に対応して形成される。1つのコム27は、2つのビス29で固定されているため、ビス孔54は2つ形成されることが好ましく、コムプレート24(コム27)のビス孔と同じ間隔で形成される。
【0024】
ゲージ基体51は、測定子52をスライド可能に支持する。ゲージ基体51には、例えば、測定子52の形状に合わせて厚み方向に貫通した挿通孔53が形成される。即ち、測定子52のスライド方向は、ゲージ基体51の厚み方向と平行であり、長手方向に直交する。挿通孔53は、測定子52の幅及び厚みよりもやや大きめのサイズに形成され、測定子52のスライドを可能にする。挿通孔53は、例えば、ゲージ基体51の長手方向の他端側、即ちビス孔54と反対側に形成される。
【0025】
図7(図6のD‐D線断面図)に示すように、ゲージ基体51には、測定子52のスライド位置を保持するためのストッパ56が設けられる。つまり、ストッパ56は、ゲージ基体51と測定子52との相対的な位置関係を保持する機能を有する。ストッパ56は、例えば、測定子52を厚み方向の両側から挟持するように構成され、測定子52の平面に当接する当接部57と、当接部57を測定子52に押し付ける付勢部材58とを含む。付勢部材58の付勢力は、測定子52がスライド可能な程度に調整される。なお、挿通孔53の孔のサイズを調整して、測定片52が重力等でスライドしないようにしてもよい。
【0026】
測定子52は、例えば、スライド方向に延びた平坦なプレート形状を有する。測定子52は、ゲージ基体51に形成される挿通孔53に挿通され、ストッパ56によりスライド可能に保持される。測定子52は、上記のように、ゲージ基体51をコムプレート24に固定した状態で、一端が踏板14に接触する必要がある。また、測定子52は、ゲージ基体51をコムプレート24に固定して一端が踏板14に接触したときに、少なくとも他端が挿通孔53からゲージ基体51の上方に延出する程度の長さを有する。
【0027】
測定子52には、スライド方向に沿って目盛り55が設けられることが好ましい。目盛り55は、適切な間隔で設けられる。目盛り55は、ゲージ基体51のプレート面(上面)を読み取り位置としてもよいが、例えば、ゲージ基体51に目盛り55の読み取り位置を示す読み取り位置表示部が設けられてもよい。また、目盛り55の代わりとして、測定子52のプレート面から突出するピン等を設け、当該ピンとゲージ基体51の上面との間隔を測定して乗降口隙間を求めてもよい。
【0028】
測定子52は、少なくとも踏板14に接触する一端において、踏板溝17の幅より大きな幅を有することが好ましい。図6に示す形態は、測定子52の長さ方向、即ちスライド方向に沿って幅が同一である矩形形状であるが、測定子52の一端の幅のみを踏板溝17より大きくしてもよい。
【0029】
以下、図8〜図11を参照して、測定ゲージ50の使用形態を例示しながら、特に、測定ゲージ50の作用効果を詳説する。
図8及び図9は、測定ゲージ50をコム設置部にビス止めして、乗降口隙間を測定する様子を示す図である。図8及び図9では、コム27は測定ゲージ50よりも奥側に設置されたものである。また、測定ゲージ50及びコムプレート24を長さ方向に切断した状態を示しており、踏板14は、踏板溝17の底部で切断した状態を示している。
【0030】
図8は、ステップ11の駆動ローラ19が駆動ローラガイドレール21に載っている状態の乗降口隙間Aを測定する様子を示す。乗降口隙間A(後述の乗降口隙間AAも同様)は、コム27の下端から踏板溝17の底部までの隙間であり、測定子52の一端を踏板14に接触するまで押し下げ、そのときの目盛り55を読み取ることで測定できる。
具体的には、目盛り55を読み取って、測定子52の一端が接触している踏板14の上端からコム27の上端(又はコムプレート24の上端)までの長さX1を取得する。なお、長さX1を測定し易くするために、コム27の上端とゲージ基体51の上面とは同じ高さにあることが好ましい。踏板溝17の溝の深さB、即ち踏板14の上端から踏板溝17の底部までの長さ、及びコム27の上端から下端までの長さCは、予め分かっているので、長さX1が取得されると、乗降口隙間Aを算出することができる。
つまり、A=X1+B−Cで求めることができる。
【0031】
図9は、ステップ11の駆動ローラ19が駆動ローラガイドレール21から浮き上がり押さえレール22に接触している状態の乗降口隙間AAを測定する様子を示す。乗降口隙間AAは、図8に示す乗降口隙間Aを測定した状態からステップ11を駆動ローラ19が押さえレール22に接触するまで持ち上げ、そのときの目盛り55を読み取ることで測定できる。つまり、踏板14が上方に移動すると、踏板14に接触している測定子52も上方にスライドするため、駆動ローラ19が押さえレール22に接触した状態における踏板14の上端からコム27の上端までの長さX2を容易に取得できる。
そして、Aと同様に、AA=X2+B−Cで求めることができる。
【0032】
図10は、測定ゲージ50の設置状態を、図1の矢印の方向から見た図である。ゲージ基体51の幅をコム27の幅以下とすることで、1つのコム27を取り外して、ゲージ基体51をコム設置部に設置できる。また、踏板14に接触する測定子52の一端の幅を踏板溝17の幅より大きくすることで、測定子52が踏板溝17に嵌ることがなく、正確な測定が可能になる。
【0033】
図11では、点検者が床板23上から乗降口隙間AAを測定する様子を示している。
図11(a)に示すように、点検者は、例えば、両手でステップ軸18を持ち、駆動ローラ19が押さえレール22に接触するまで持ち上げる。このとき、踏板14に接触している測定子52は、踏板14の上昇と共に上方にスライドする。測定ゲージ50には、ストッパ56が設けられているため、点検者がステップ軸18から手を離しても、踏板14の上昇に対応してスライドした測定子52のスライド位置、即ちゲージ基体51と測定子52との相対的な位置関係は、ストッパ56の機能により保持される。
【0034】
図11(b)に示すように、点検者は、ステップ11から手を離した状態で、測定子52の目盛り55を楽な姿勢で正確に読み取ることができる。したがって、測定ゲージ50によれば、簡便且つ正確に、乗降口隙間AAを測定することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 エスカレータ、11 ステップ、12 乗降口、13 機械室、14 踏板、14L デマケーションライン、15 ライザ、16 フレーム、17 踏板溝、18 ステップ軸、19 駆動ローラ、20 従動ローラ、21 駆動ローラガイドレール、22 押さえレール、23 床板、24 コムプレート、25 ランディングプレート、26 マンホールカバー、27 コム、28 コム溝、29 ビス、50 測定ゲージ、51 ゲージ基体、52 測定子、53 挿通孔、54 ビス孔、55 目盛り、56 ストッパ、57 当接部、58 付勢部材、100 テーパーゲージ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージに関し、より詳しくは、コムプレートに設置されるコムと、ステップの踏板との隙間を測定するための測定ゲージに関する。
【背景技術】
【0002】
エスカレータ等の乗客コンベアは、定期的に点検がなされる。そして、各点検には種々の測定項目が設定されている。種々の測定項目に対応する専用の測定器具も幾つか提案されている(例えば、特許文献1参照)。
乗客コンベアの乗降口における測定項目として、コムプレートに設置されるコムとステップの踏板との隙間(以下、「乗降口隙間」とも称する)の測定がある。この測定は、詳しくは後述するように、コムと踏板のデマケーションラインとを一致させた状態で、コムの下端と踏板に形成された踏板溝の底部との隙間、又はコムに形成されたコム溝の底部と踏板の上端との隙間を測定することで行われる。また、ステップの駆動ローラが左右の押さえレールに接触するまで持ち上げた状態についても当該隙間が測定される。
【0003】
ここで、図1〜図5を参照して、エスカレータ10の構成を簡単に説明し、テーパーゲージ100を用いた乗降口隙間の測定方法を説明する。なお、図1、図4、及び図5では、ステップ11の一部を取り外した様子を示している。
図1〜図5に示すように、エスカレータ10は、複数のステップ11が上階フロアと下階フロアとの間を循環する昇降装置である。エスカレータ10には、上階フロアと下階フロアとに、それぞれ乗降口12(図4,5では下階フロアの乗降口12を示す)が設けられ、乗降口12の床下には、ステップチェーンが架渡されるスプロケット等が設置された機械室13が設けられている。なお、機械室13を含む、ステップチェーン等が配置される内部構造部分をトラスと称する。
【0004】
ステップ11は、利用者が載る踏板14と、各ステップ11の踏板14間を塞ぐライザ15と、踏板14及びライザ15を固定するフレーム16とを有する。踏板14には、板面の全体に踏板溝17が形成されている。各踏板溝17は、ステップ11の移動方向に沿って形成され、コム27のコム溝28と噛み合う。フレーム16には、ステップ11の幅方向に伸びたステップ軸18が取り付けられ、ステップ軸18には、各ステップ11を繋げるステップチェーンが連結される。
【0005】
ステップ軸18の両端には、駆動ローラ19が設置される。また、フレーム16には、従動ローラ20が設置される。駆動ローラ19及び従動ローラ20は、トラス内に設置された駆動ローラガイドレール21(図3参照)及び従動レール(図示せず)によってそれぞれガイドされる。乗降口12付近には、ステップ11の浮き上がりを防止するための押さえレール22が駆動ローラガイドレール21の上方に取り付けられる。ステップ11のステップ軸18側が浮き上がると、駆動ローラ19が押さえレール22に接触して、それ以上の浮き上がりが防止される。
なお、ステップ11は、乗降口12において、床板23の下に入り込んでスプロケットにより反転される。また、ステップ11のステップ軸18側の端縁には、ステップ11の幅方向に沿ってデマケーションライン14Lが形成されている。
【0006】
乗降口12には、機械室13の開口を塞ぐ床板23が設置される。床板23は、例えば、コムプレート24と、ランディングプレート25と、マンホールカバー26とで構成される。コムプレート24には、ステップ11の踏板溝17と噛み合うコム溝28が形成された複数のコム27が設置される。コム27は、例えば、ビス29を用いてコムプレート24の端縁にそれぞれビス止めされる。コムプレート24は、ステップ11側に進むに連れて上面が下方に傾斜した形状を有するが、図面では当該傾斜を省略して水平に記載している。ランディングプレート25は、コムプレート24とマンホールカバー26との間に配置される床板であり、マンホールカバー26は、例えば、点検者が機械室13に出入りする際に取り外される床板である。
【0007】
コム27とステップ11の踏板14との隙間である乗降口隙間の測定は、コム27と踏板14との接触を防止するための重要な測定項目である。例えば、乗降口隙間が基準値を満たさない場合には、押さえレール22の調整等がなされる。
図3に示すように、従来の乗降口隙間の測定は、テーパーゲージ100を用いて実施されていた。具体的には、コム27と踏板14のデマケーションライン14Lとを一致させた状態で、例えば、コム27の下端とデマケーションライン14Lにおける踏板溝17との間にテーパーゲージ100の先端を挿入して測定する。なお、図3では、駆動ローラ19が左右の押さえレール22に接触するまでステップ11を持ち上げた状態で、乗降口隙間を測定する様子を示している。
【0008】
図4では、点検者が床板23上から乗降口隙間を測定する様子を示している。点検者は、例えば、一方の手でステップ軸18を上方に持ち上げ、他方の手でテーパーゲージ100をコム27と踏板14との隙間に挿入して、乗降口隙間を測定する。しかし、ステップ11の重量は片手で支えるには重く、また、テーパーゲージ100の目盛りは側面に設けられているため床板23上からは読み取り難い。
一方、図5では、点検者がトラス(機械室13)内から乗降口隙間を測定する様子を示している。点検者は、例えば、一方の手でステップ軸18を上方に押し上げ、他方の手でテーパーゲージ100をコム27と踏板14との隙間に挿入して、乗降口隙間を測定する。しかし、床板23上から測定する場合と同様に、テーパーゲージ100を使用しながらステップ11の重量を支えることは容易ではない。また、ステップ11を支えながらテーパーゲージ100の目盛りを読み取ることも容易ではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010‐173797号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
上記のように、テーパーゲージを用いた乗降口隙間の測定方法では、無理な体勢での測定を余儀なくされ、また、目盛りの読み取りが難しい等の問題があった。そこで、作業負荷軽減や測定精度向上が望まれている。
【0011】
即ち、本発明の目的は、簡便且つ正確に、コムと踏板との隙間を測定することが可能な乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージは、コムプレートに設置されるコムと、ステップの踏板との隙間を測定するための測定ゲージであり、コムプレートに固定可能なゲージ基体と、ゲージ基体に対してスライド可能に設けられた測定子であって、ゲージ基体をコムプレートに固定した状態で一端が踏板に接触する測定子とを備えることを特徴とする。
当該構成によれば、例えば、ゲージ基体が固定されるコムプレート又はコムの上端と、測定子の一端が接触する踏板の上端との間隔を容易に測定できる。また、測定子は、ゲージ基体に対してスライドするため、駆動ローラが押さえレールに接触した状態についても当該間隔を容易に測定できる。なお、コムプレート又はコムの上端からコムの下端までの長さ、踏板溝の深さ、及びコム溝の深さ等は予め分かっている。ゆえに、コムプレート又はコムの上端と、踏板の上端との間隔を測定できれば、コムの下端と踏板溝の底部との隙間、又はコム溝の底部と踏板の上端との隙間を算出することができる。
【0013】
また、コムプレートの端縁には、複数のコムがそれぞれビス止めされており、ゲージ基体は、コムプレートのビス孔に対応して形成された貫通孔を有し、コムプレートの端縁にビス止め可能であることが好ましい。当該構成によれば、ゲージ基体の固定が容易である。また、ゲージ基体の安定した固定が可能である。
【0014】
また、ステップの踏板には、コムのコム溝と噛み合う踏板溝が形成されており、測定子は、少なくとも踏板に接触する一端において、踏板溝の幅より大きな幅を有することが好ましい。当該構成によれば、測定子が踏板溝に嵌ることがなく、より正確な測定が可能になる。
【0015】
また、ゲージ基体に対して測定子のスライド位置を保持するストッパを備えることが好ましい。当該構成によれば、ストッパによってゲージ基体と測定子との相対的な位置関係が保持されるので、特に、駆動ローラが押さえレールに接触した状態の乗降口隙間を測定することが容易になる。
【0016】
また、測定子には、スライド方向に沿って目盛りが設けられていることが好ましい。当該構成によれば、例えば、別の測定器具を使用することなく、測定子がゲージ基体に対してスライドした長さを確認することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージによれば、簡便且つ正確に、コムと踏板との隙間を測定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一般的なエスカレータの乗降口を上方から見た図である。
【図2】図1に示すコムを矢印Aの方向から見た図である。
【図3】テーパーゲージを用いて、ステップを持ち上げた状態で、コムと踏板との隙間である乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図4】テーパーゲージを用いて、点検者が乗降口の床板上から乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図5】テーパーゲージを用いて、点検者がトラス内から乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図6】本発明の実施形態である乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージを示す斜視図である。
【図7】図6のD‐D線断面図である。
【図8】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージを用いて、乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図9】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージを用いて、ステップを持ち上げた状態で、乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【図10】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージの設置状態を図1の矢印Aの方向から見た図である。
【図11】本発明の実施形態である乗降口隙間測定ゲージを用いて、点検者が乗降口の床板上から乗降口隙間を測定する様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、図6〜図11を参照し、本発明に係る乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージの実施形態である測定ゲージ50について詳細に説明する。以下では、乗客コンベアとしてエスカレータ10を例に挙げて説明するが、乗客コンベアは、所謂動く歩道であってもよい。また、エスカレータ10は、図1〜図5に示す構成を有するものであり、以下では、上記説明と重複する説明は省略する。
【0020】
なお、測定ゲージ50をコムプレート24に固定した状態で、ゲージ基体51、測定子52、ステップ11、踏板溝17、コム27、コム溝28の幅方向は、いずれも同一の方向となる。
【0021】
図6は、測定ゲージ50を示す斜視図である。
図6に示すように、測定ゲージ50は、コムプレート24に固定可能なゲージ基体51と、ゲージ基体51に対してスライド可能に設けられた測定子52とを備える。測定子52は、ゲージ基体51をコムプレート24に固定した状態において、その一端が踏板14に接触するように構成されている。測定ゲージ50は、コムプレート24に固定されるゲージ基体51に対して、測定子52がスライドすることで、特に、駆動ローラ19が押さえレール22に接触した状態における乗降口隙間を、簡便且つ正確に測定可能な器具である。
【0022】
乗降口隙間は、コム27の下端と踏板溝17の底部との隙間、及びコム溝28の底部と踏板14の上端との隙間を意味し、一般的にいずれも同様の長さである。本明細書では、主に、コム27の下端と踏板溝17の底部との隙間の測定を例に挙げて説明する。
【0023】
ゲージ基体51は、例えば、一方向にやや長いプレート形状を有する。ゲージ基体51は、乗降口隙間を測定する際にコムプレート24に固定される部材であり、例えば、コム27の1つをコムプレート24から取り外して、コムプレート24の端縁にビス止めで固定できる(以下では、コムプレート24のコム27が設置されている部分をコム設置部と称する)。ゲージ基体51は、コム設置部に固定可能なサイズを有する。また、ゲージ基体51には、ビス29が挿入可能な貫通孔であるビス孔54が形成される。ビス孔54は、例えば、ゲージ基体51の長手方向の一端側において、コムプレート24(コム27)のビス孔に対応して形成される。1つのコム27は、2つのビス29で固定されているため、ビス孔54は2つ形成されることが好ましく、コムプレート24(コム27)のビス孔と同じ間隔で形成される。
【0024】
ゲージ基体51は、測定子52をスライド可能に支持する。ゲージ基体51には、例えば、測定子52の形状に合わせて厚み方向に貫通した挿通孔53が形成される。即ち、測定子52のスライド方向は、ゲージ基体51の厚み方向と平行であり、長手方向に直交する。挿通孔53は、測定子52の幅及び厚みよりもやや大きめのサイズに形成され、測定子52のスライドを可能にする。挿通孔53は、例えば、ゲージ基体51の長手方向の他端側、即ちビス孔54と反対側に形成される。
【0025】
図7(図6のD‐D線断面図)に示すように、ゲージ基体51には、測定子52のスライド位置を保持するためのストッパ56が設けられる。つまり、ストッパ56は、ゲージ基体51と測定子52との相対的な位置関係を保持する機能を有する。ストッパ56は、例えば、測定子52を厚み方向の両側から挟持するように構成され、測定子52の平面に当接する当接部57と、当接部57を測定子52に押し付ける付勢部材58とを含む。付勢部材58の付勢力は、測定子52がスライド可能な程度に調整される。なお、挿通孔53の孔のサイズを調整して、測定片52が重力等でスライドしないようにしてもよい。
【0026】
測定子52は、例えば、スライド方向に延びた平坦なプレート形状を有する。測定子52は、ゲージ基体51に形成される挿通孔53に挿通され、ストッパ56によりスライド可能に保持される。測定子52は、上記のように、ゲージ基体51をコムプレート24に固定した状態で、一端が踏板14に接触する必要がある。また、測定子52は、ゲージ基体51をコムプレート24に固定して一端が踏板14に接触したときに、少なくとも他端が挿通孔53からゲージ基体51の上方に延出する程度の長さを有する。
【0027】
測定子52には、スライド方向に沿って目盛り55が設けられることが好ましい。目盛り55は、適切な間隔で設けられる。目盛り55は、ゲージ基体51のプレート面(上面)を読み取り位置としてもよいが、例えば、ゲージ基体51に目盛り55の読み取り位置を示す読み取り位置表示部が設けられてもよい。また、目盛り55の代わりとして、測定子52のプレート面から突出するピン等を設け、当該ピンとゲージ基体51の上面との間隔を測定して乗降口隙間を求めてもよい。
【0028】
測定子52は、少なくとも踏板14に接触する一端において、踏板溝17の幅より大きな幅を有することが好ましい。図6に示す形態は、測定子52の長さ方向、即ちスライド方向に沿って幅が同一である矩形形状であるが、測定子52の一端の幅のみを踏板溝17より大きくしてもよい。
【0029】
以下、図8〜図11を参照して、測定ゲージ50の使用形態を例示しながら、特に、測定ゲージ50の作用効果を詳説する。
図8及び図9は、測定ゲージ50をコム設置部にビス止めして、乗降口隙間を測定する様子を示す図である。図8及び図9では、コム27は測定ゲージ50よりも奥側に設置されたものである。また、測定ゲージ50及びコムプレート24を長さ方向に切断した状態を示しており、踏板14は、踏板溝17の底部で切断した状態を示している。
【0030】
図8は、ステップ11の駆動ローラ19が駆動ローラガイドレール21に載っている状態の乗降口隙間Aを測定する様子を示す。乗降口隙間A(後述の乗降口隙間AAも同様)は、コム27の下端から踏板溝17の底部までの隙間であり、測定子52の一端を踏板14に接触するまで押し下げ、そのときの目盛り55を読み取ることで測定できる。
具体的には、目盛り55を読み取って、測定子52の一端が接触している踏板14の上端からコム27の上端(又はコムプレート24の上端)までの長さX1を取得する。なお、長さX1を測定し易くするために、コム27の上端とゲージ基体51の上面とは同じ高さにあることが好ましい。踏板溝17の溝の深さB、即ち踏板14の上端から踏板溝17の底部までの長さ、及びコム27の上端から下端までの長さCは、予め分かっているので、長さX1が取得されると、乗降口隙間Aを算出することができる。
つまり、A=X1+B−Cで求めることができる。
【0031】
図9は、ステップ11の駆動ローラ19が駆動ローラガイドレール21から浮き上がり押さえレール22に接触している状態の乗降口隙間AAを測定する様子を示す。乗降口隙間AAは、図8に示す乗降口隙間Aを測定した状態からステップ11を駆動ローラ19が押さえレール22に接触するまで持ち上げ、そのときの目盛り55を読み取ることで測定できる。つまり、踏板14が上方に移動すると、踏板14に接触している測定子52も上方にスライドするため、駆動ローラ19が押さえレール22に接触した状態における踏板14の上端からコム27の上端までの長さX2を容易に取得できる。
そして、Aと同様に、AA=X2+B−Cで求めることができる。
【0032】
図10は、測定ゲージ50の設置状態を、図1の矢印の方向から見た図である。ゲージ基体51の幅をコム27の幅以下とすることで、1つのコム27を取り外して、ゲージ基体51をコム設置部に設置できる。また、踏板14に接触する測定子52の一端の幅を踏板溝17の幅より大きくすることで、測定子52が踏板溝17に嵌ることがなく、正確な測定が可能になる。
【0033】
図11では、点検者が床板23上から乗降口隙間AAを測定する様子を示している。
図11(a)に示すように、点検者は、例えば、両手でステップ軸18を持ち、駆動ローラ19が押さえレール22に接触するまで持ち上げる。このとき、踏板14に接触している測定子52は、踏板14の上昇と共に上方にスライドする。測定ゲージ50には、ストッパ56が設けられているため、点検者がステップ軸18から手を離しても、踏板14の上昇に対応してスライドした測定子52のスライド位置、即ちゲージ基体51と測定子52との相対的な位置関係は、ストッパ56の機能により保持される。
【0034】
図11(b)に示すように、点検者は、ステップ11から手を離した状態で、測定子52の目盛り55を楽な姿勢で正確に読み取ることができる。したがって、測定ゲージ50によれば、簡便且つ正確に、乗降口隙間AAを測定することができる。
【符号の説明】
【0035】
10 エスカレータ、11 ステップ、12 乗降口、13 機械室、14 踏板、14L デマケーションライン、15 ライザ、16 フレーム、17 踏板溝、18 ステップ軸、19 駆動ローラ、20 従動ローラ、21 駆動ローラガイドレール、22 押さえレール、23 床板、24 コムプレート、25 ランディングプレート、26 マンホールカバー、27 コム、28 コム溝、29 ビス、50 測定ゲージ、51 ゲージ基体、52 測定子、53 挿通孔、54 ビス孔、55 目盛り、56 ストッパ、57 当接部、58 付勢部材、100 テーパーゲージ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コムプレートに設置されたコムと、ステップの踏板との隙間を測定するための乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージにおいて、
コムプレートに固定されるゲージ基体と、
ゲージ基体に対してスライド可能に設けられた測定子であって、ゲージ基体をコムプレートに固定した状態で一端が踏板に接触する測定子と、
を備えることを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項2】
請求項1に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
コムプレートの端縁には、複数のコムがそれぞれビス止めされており、
ゲージ基体は、コムプレートのビス孔に対応して形成された貫通孔を有し、コムプレートの端縁にビス止め可能であること特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
ステップの踏板には、コムのコム溝と噛み合う踏板溝が形成されており、
測定子は、少なくとも踏板に接触する一端において、踏板溝の幅より大きな幅を有することを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
ゲージ基体に対して測定子のスライド位置を保持するストッパを備えることを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
測定子には、スライド方向に沿って目盛りが設けられていることを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項1】
コムプレートに設置されたコムと、ステップの踏板との隙間を測定するための乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージにおいて、
コムプレートに固定されるゲージ基体と、
ゲージ基体に対してスライド可能に設けられた測定子であって、ゲージ基体をコムプレートに固定した状態で一端が踏板に接触する測定子と、
を備えることを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項2】
請求項1に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
コムプレートの端縁には、複数のコムがそれぞれビス止めされており、
ゲージ基体は、コムプレートのビス孔に対応して形成された貫通孔を有し、コムプレートの端縁にビス止め可能であること特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
ステップの踏板には、コムのコム溝と噛み合う踏板溝が形成されており、
測定子は、少なくとも踏板に接触する一端において、踏板溝の幅より大きな幅を有することを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
ゲージ基体に対して測定子のスライド位置を保持するストッパを備えることを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1に記載の乗降口隙間測定ゲージにおいて、
測定子には、スライド方向に沿って目盛りが設けられていることを特徴とする乗客コンベアの乗降口隙間測定ゲージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−166882(P2012−166882A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−28113(P2011−28113)
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年2月14日(2011.2.14)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【Fターム(参考)】
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