説明

乗客コンベア用移動手摺の補修装置及びその補修方法

【課題】表面層に傷が付いて、手指や衣装ゴミ・土埃等が堆積しても、作業性がよく、且つ仕上がりが美麗な乗客コンベア用移動手摺の補修装置を提供する。
【解決手段】熱可塑性エラストマーからなる移動手摺3の化粧層表面に対向した位置に、前記移動手摺3と相対移動可能に設置された磨き装置と加熱装置を有する。また、磨き装置に電動ブラシを設け、加熱装置にファンとヒーター64と吹出用ノズル65を設け、更に吹出用ノズル65の先端にメッシュ67を貼り付ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、エスカレータや動く歩道などの乗客コンベアの欄干に設けられて踏段と同期して回転駆動される乗客コンベア用移動手摺を補修するための補修装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にエスカレータなどの乗客コンベアは、図8に示す如く、上下階側乗降口相互間において、無端状に配した踏段1と、その左右両サイドの欄干2の外周に配した無端状の移動手摺3とを、相互に同期させて同方向に回転移動させることで乗客を運搬するものである。そうしたエスカレータの移動手摺3は、一般に欄干2の下部内の移動手摺帰路途中に設けた複数の駆動ローラー4とその各駆動ローラー4の下側に転接すべく配設した加圧ローラー5との間に通されて、その両ローラー4、5間に挟圧されて、その駆動ローラー4の回転による摩擦力で駆動されるようになっていると共に、その駆動される移動手摺3は欄干2の下部内帰路側では複数の案内ローラー(図示せず)により案内され、さらに欄干2の上部では欄干フレームに取付けた手摺ガイドレール10により案内されて、エンドレス状に回転移動するようになっている。なお、110は乗客コンベアの駆動電動機である。
【0003】
図9は移動手摺3と手摺ガイドレール10を含む摺動機構の一部断面図であって、図8の移動手摺往路側の断面図である。
移動手摺3自体は図9に示す如く、全体としてC字型の横断面を有し、全体としてT字型の内側スロットを構成し、T字型スロットの周りに延びる芯体層31と、この芯体層31の外部の周りに延び、移動手摺3の外側輪郭を定める表面層32と、芯体層31の内側面に結合されたスライダー層33と、芯体層31内に延びる伸び防止手段(抗張体)34とを備えている。芯体層31、表面層32は熱可塑性エラストマーが使用されている。
【0004】
乗客コンベアの欄干2上部の手摺ガイドレール10は図9に示す如く、その両側凸状部に合成樹脂製ガイドクリップ10aが装着され、移動手摺3の内周面に摺接するようになっている。手摺ガイドレール10は乗客コンベアのデッキプレート20に取り付けられている。
【0005】
移動手摺3の最内側のスライダー層33には帆布が用いられているが、このスライダー層33の役目は手摺ガイドクリップ10aと摺動する時の摩擦係数を適切な値にするためと、移動手摺3の形状を所定の強度を持ってC字型に維持するためである。
【0006】
熱可塑性エラストマーを表面層に使用した移動手摺は、従来のゴム製に比べて、硬度が高く、汚れにくいという利点をもっている。
しかし、何らかの原因で、移動手摺の表面に引っ掻き傷が付くと、硬度が高いために目立ちやすいという欠点がある。
【0007】
そこで、この引っ掻き傷の補修には従来ドライヤー等の加熱器からの熱で、熱可塑性エラストマーの表面層を温め、傷を埋める方法がとられていた。
【0008】
また、従来技術として、上型と、この上型に嵌合して移動手摺の内側に挿入される中型と、下型と、これらの3つの型を加熱する発熱体を備えた補修釜が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0009】
【特許文献1】特開平11−246162号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
従来のように、引っ掻き傷の補修にドライヤー等の加熱器からの熱で、熱可塑性エラストマーの表面層を温め、傷を埋める方法では、傷に例えば手指や衣装ゴミ・土埃等が付着すると、単に表面層を加熱するだけでは、美観が回復しない。また、ドライヤーの加熱方法では傷の深さにもよるが、補修に数十分を要し、その間ドライヤーを手で持っていなければならず、作業性が大変悪い上、手でもって暖めるので表面層の温度管理が難しく、補修しても表面層が均一になりにくいという欠点があった。
また、従来の補修釜による方法では、装置が大掛かりとなって費用が嵩むという問題があった。
【0011】
この発明は上記のような課題を解決するためになされたもので、表面層に傷が付いて、さらに手指や衣装ゴミ・土埃等が堆積しても、作業性がよく、且つ仕上がりが美麗な乗客コンベア用移動手摺の補修装置及び補修方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置においては、熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層表面に対向した位置に、移動手摺と相対移動可能に設置された磨き装置と加熱装置を有するものである。
【0013】
また、加熱装置にファンとヒーターと吹出用ノズルを設け、更に吹出用ノズルの先端にメッシュを貼り付けたものである。
【0014】
また、この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置においては、熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層表面に対向した位置に設置された磨き装置と加熱装置と、前記磨き装置と加熱装置を前記移動手摺に沿って乗客コンベア定格速度よりも遅い速度で動かす駆動装置とを有するものである。
【0015】
また、この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修装置においては、熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層表面に対向した位置に設置された研磨剤供給機能付きの磨き装置と加熱装置と、前記磨き装置と加熱装置を前記移動手摺に沿って乗客コンベア定格速度よりも遅い速度で動かす駆動装置と、研磨剤を除去する拭き取り装置とを有するものである。
【0016】
また、この発明に係る乗客コンベア用移動手摺の補修方法においては、熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層の表面を研磨剤で磨いた後に風速分布を均一化した熱風で加熱することによって化粧層表面の傷を修復するものである。
【発明の効果】
【0017】
この発明によれば、移動手摺の表面層に傷が付いて、さらに手指や衣装ゴミ・土埃等が堆積しても、修復作業性が極めてよく、しかも傷付き部分の仕上がりを美麗に修復できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置及び補修方法を図1〜図7に基づき説明する。
図1はこの発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す側面図、図2はその平面図、図3は補修装置による加熱表面の温度分布比較を示す特性図、図4は移動手摺とローラーとの位置関係を示す断面図、図5は移動手摺と他のローラーとの位置関係を示す断面図、図6はこの発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置の磨き部を示す側面図、図7は同じく補修装置の拭き取り部を示す側面図である。
【0019】
図1、図2において、乗客コンベア用移動手摺の補修装置50は、加熱部60、駆動部70、磨き部80、及び拭き取り部80aから構成されており、共通の架台90にマウントされている。移動手摺3の相対移動方向の前段から後段に向かって、磨き部80、駆動部70、加熱部60、拭き取り部80aの順に配置されている。
上記加熱部60は、架台90の先端に取り付けられた一対のローラー68a、68bによって、移動手摺3に嵌合され、移動手摺3と相対移動できるようになっている。ローラー68a、68bの構造は、図5に示すように、上部半分が移動手摺3のC型断面に嵌合するようになっている。
61は内部に軸流ファン62、ファン用電動機63、ヒーター64を備えた加熱器であって、軸流ファン62からの風はヒーター64で350〜400℃に加熱されて、吹出用ノズル65によって拡散され、移動手摺3の化粧層32の表面を200〜220℃に加熱する。吹出用ノズル65の先端には、風速分布を均一にするためにメッシュ67が貼り付けられている。また、加熱器61は架台90に対して適当な角度を持つように、支点66で調節できるようになっている。
【0020】
ここで最も重要なことは、風速分布が均一でない熱風が移動手摺3の化粧層32の表面に吹き付けられると、手摺表面の局部のみが加熱されて熱ダメージ(例えば気泡の発生など)が発生することである。しかし、軸流ファン62からの吐出空気流速にはバラツキがあり、特にファン吐出ダクトが短い場合では、ダクト出口で風速分布が大きいまま吐出されることになる。これは軸流ファン62による流れは羽根の回転により発生するが、ファン中央の電動機部やケーシングの隅には羽根が無いため空気流速が遅くなっているためである。従って、熱風が加熱対象物である手摺表面に当たることにより、対象物を加熱する過程において、その加熱量は熱伝達率の大きさと温度差により決定されるが、熱伝達率は風速の約0.8乗に比例して決まる(〔参考文献〕伝熱工学資料改訂第4版〔日本機械学会〕P47、式(20))。
よって、加熱対象物である手摺表面を一様に加熱するためにはダクト吐出部である吹き出用ノズル65において風速分布が極力一様であることが要求される。
【0021】
この発明においては、ダクト吐出部である吹出用ノズル65の先端にメッシュ67を貼り付けることによって、風速分布の均一化を図ったものである。ファンのダクト吐出部にメッシュ67を入れると、メッシュ67が流体抵抗となって、圧力損失が発生するが、圧力損失はメッシュ67の開口部を通過する空気流速の2乗に比例して決定される(〔参考文献〕技術資料管路・ダクトの流体抵抗〔日本機械学会〕P22、式(3.7))ため、流速の大きいところほど圧力損失が大きくなって、比較的に流速が小さくて圧力損失の小さなところへ空気流が回避することになる。すなわち、メッシュ67を設けることにより空気流速の均一化を図ることができる。なお、メッシュ67による圧力損失が大きければ大きいほど空気流速の均一化を図ることができる。
但し、メッシュ67による圧力損失を異常に大きくすると、軸流ファン62による吐出空気量が減少するため、必要な空気流速を確保できる範囲内で圧力損失を大きくする必要がある。
【0022】
吹出用ノズル65の先端にメッシュ67を貼り付けたことによる効果を図3の特性図に示す。図3はメッシュ67の有無について、表面温度をサーモビューワーで測定したものである。図3(a−1)はメッシュ無し、加熱15秒後の表面温度分布、図3(a−2)はメッシュ無し、加熱30秒後の表面温度分布である。一方、図3(b−1)はメッシュ有り、加熱15秒後の表面温度分布、図3(b−2)はメッシュ有り、加熱30秒後の表面温度分布である。
AR01の枠内は有効加熱領域であって、メッシュ無しとメッシュ有りとで均一性の違いを述べる。図3(a−1)、(a−2)のメッシュ無しでは、噴出し部を中心に同心円状に温度分布があり、特に中心部では高温となっていることが判る。さらに加熱時間を伸ばすことにより中心部が更に高温となることは容易に推測でき、周囲温度を必要温度まで上昇させた場合、対象物である手摺表面に重大な熱ダメージを与えることとなる。
一方、図3(b−1)、(b−2)のメッシュ有りでは、同一加熱条件では圧力損失の影響により、やや温度は低めになるが温度分布は一様であり、加熱時間を伸ばしても対象物である手摺表面に重大な熱ダメージを与えることはないことが判る。
【0023】
移動手摺の表面温度が220℃以上になると気泡が発生するので、温度管理は重要である。但し、表面温度の測定は、ウレタン樹脂が非常に軟化しているので熱電対を用いることは出来ず、非接触の温度計を用いる必要がある。
91は放射温度計であって、移動手摺3の表面温度を測定し、制御器92にフィードバックする。92は図示しないマイクロコンピュータを内蔵し、温度指令値93と表面温度実測値94を照合して、ヒーター64への電力を制御する。なお、図示しないが、ヒーター64への電力を制御する代わりに、後述の駆動部70の駆動用電動機71の速度を制御して、移動手摺3との相対速度を変えても良い。
【0024】
駆動部70は、軸端にプーリー72を持つ駆動用電動機71が架台90にマウントされている。
74a、74b、75a、75bは移動手摺3のC型断面に嵌合するように作られたローラーであり、その断面を図4に示す。ローラー74aは直接架台90に回転自在に取り付けられているが、ローラー75aはプーリー76と一体にされて、架台90に取り付けられている。
ローラー74b、75bは取付板77に取り付けられ、取付板77はピン78によって矢印方向に開く。バネ79は取付板77と架台90間に装着されている。
プーリー72とプーリー76はベルト73によって結合され、電動機71の回転がローラー75aに伝動され、補修装置50を移動させることができる。
なお、83a、83bは上記ローラー68a、68bと同じ構造のローラーであり、架台90に取り付けられている。
【0025】
図6は磨き部の詳細図、図7は拭き取り部の詳細図である。図から明らかなように、磨き部と拭き取り部の構造はごく一部を除いて同じ構造である。
図6に示すように、磨き部80は、電動機81、回転型ブラシ82及び可撓性の水容器83からなり、磨き部台84に取り付けられている。
回転型ブラシ82は中空の回転軸85に装着され、この回転軸85は磨き部台84に取り付けられたベアリング86で回転自在の構造となっている。さらに回転軸85に取り付けられたプーリー87と電動機81の軸端に取り付けられたプーリー88はベルト89で連結され、電動機81の回転によって、回転型ブラシ82が回転し、移動手摺3の表面を磨くことが出来る。
水容器83には空気穴100を持つ蓋101を貫通して、樹脂細管102が水容器83のほぼ底部に達するように差し込まれている。この樹脂細管102の反対側は、中空回転軸85を貫通して回転型ブラシ82に至る。
回転型ブラシ82は周辺に研磨用スポンジ103を持つが、その中央部は蓋104によって空室105が構成されている。研磨剤106はこの空室105に予め入れて置かれる。なお、空室105は一回の移動手摺3の補修作業に充分な研磨剤の量が入れられる大きさを持つ。最初に水容器83に水107をほぼ満水状態に入れ、水容器83の空気穴100を塞いで水容器83を押さえ、樹脂細管102から水が出たら空気穴100を開放する。後はサイフォンの原理で水容器83の水107が無くなるまで水は滴下する。水107は回転型ブラシ82の空室105に滴下し、研磨剤106を溶かしながらスポンジ103に滲み込む。
以上のように、自動化により常に同じ湿潤状態が維持され、手動では困難であった磨きの均一化を図ることができ、仕上がり状態の向上に寄与することができる。また押し圧を調整することにより、移動手摺3の傷の状態に合わせた磨き条件を容易に設定することが可能である。
【0026】
拭き取り部80aは、回転型ブラシ82の空室105に研磨剤106が挿入されていない他は、磨き部80とほぼ同じ構造であるので、図7では図6と対応する箇所に同一符号を付けて示した。なお、84aは拭き取り台である。
【0027】
この補修装置による移動手摺3の補修手順は以下のごとくである。
最初に移動手摺3の補修すべき箇所を、往路側の上部端に移動させる。次いで補修装置50を乗客コンベアの傾斜部の上部端に、取付板77を図2の矢印方向に開いて落とし込んでやり、その後取付板77を復旧すれば、バネ79の引っ張り力でローラー75a、75bが移動手摺3を両側から挟みこみ、補修装置50は置いた位置に留まる。
【0028】
次に、磨き部80の回転型ブラシ82に、前述の手順で研磨剤液を滴下させる。この状態で加熱部60、駆動部70、磨き部80の電動機を駆動してやれば、移動手摺3はまず磨き部80で表面が磨かれ、次いで加熱部60の熱風によって、移動手摺表面の傷が修復される。
次いで拭き取り部80aの回転型ブラシ82が水容器83の水107によって研磨剤を拭き取る。補修装置50の移動速度は通常極めて低速でよく、駆動部70の電動機71の回転数制御でコントロールされる。
以上により完全に全自動で移動手摺の傷の修復が出来る。
【0029】
移動手摺の補修が長い範囲で必要な時には、まず往路側上部端から下部端までを修復する。移動手摺の往路側が終わり、修復装置50が往路側下端に到着すれば、補修装置50が上端に来るように乗客コンベア本体の移動手摺を低速でUP方向に動かし、再び同様の作業で移動手摺の傷部を修復する。移動手摺全周の修復が必要なら、この手順の繰り返しとなる。
そして、修復が完了すれば、移動手摺表面にシリコン液を薄く塗布すれば、一層美麗な仕上がりとなる。
【0030】
加熱器61からの熱風の温度は、移動手摺3の移動速度と関連する。例えば移動速度が速い場合には、ノズル65から吹き出す風を移動手摺3の先端ほど温度を高くし、後端ほど低くした方が、移動手摺3が全体として均一に加熱される。このため、支点66を中心にして、加熱器61を若干前倒しにすることで、最適加熱が達成される。
【0031】
図1の加熱器61は、ヒーター64の熱を軸流ファン62で、移動手摺表面に送る方法を示したが、ヒ一ター64を遠赤外線ヒーターに置き換えれば、軸流ファン62の省略も可能である。
【0032】
乗客コンベアによっては、例えば起動時に緩やかに起動するいわゆる緩起動や、混雑時に乗客コンベアの速度を上げて輸送能力を上げる等、駆動電動機110の駆動に可変電圧可変周波数制御装置(VVVF)を用いているものがあり、この装置を用いて手摺補修時、手摺移動速度を通常運転時より低くすることができる。
このような乗客コンベアの場合には、補修装置50の駆動部70を省略して、補修装置50を手摺ガイドレール10に固定し、乗客コンベアを低速で運転することによって、同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す側面図である。
【図2】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置を示す平面図である。
【図3】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置による加熱表面の温度分布比較を示す特性図である。
【図4】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置の移動手摺とローラーとの位置関係を示す断面図である。
【図5】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置の移動手摺と他のローラーとの位置関係を示す断面図である。
【図6】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置の磨き部を示す側面図である。
【図7】この発明の実施の形態1における乗客コンベア用移動手摺の補修装置の拭き取り部示す側面図である。
【図8】従来の乗客コンベアの全体構成を示す断面図である。
【図9】従来の乗客コンベア用移動手摺の構成を示す断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1 踏段
2 欄干
3 移動手摺
4 駆動ローラー
5 加圧ローラー
10 手摺ガイドレール
10a ガイドクリップ
31 芯体層
32 表面層
33 スライダー層
34 抗張体
50 補修装置
60 加熱部
61 加熱器
62 軸流ファン
63 ファン用電動機
64 ヒーター
65 吹出用ノズル
66 支点
67 メッシュ
68a、68b、83a、83b ローラー
70 駆動部
71 駆動用電動機
72、76 プーリー
73 ベルト
74a、74b、75a、75b ローラー
77 取付板
78 ピン
79 バネ
80 磨き部
81 電動機
82 回転型ブラシ
83 水容器
84 磨き部台
85 回転軸
86 ベアリング
87、88 プーリー
89 ベルト
80a 拭き取り部
84a 拭き取り台
90 架台
91 放射温度計
92 制御器
93 温度指令値
94 表面温度実測値
100 空気穴
101、104 蓋
102 樹脂細管
103 スポンジ
105 空室
106 研磨剤
107 水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層表面に対向した位置に、前記移動手摺と相対移動可能に設置された磨き装置と加熱装置を有することを特徴とする乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項2】
磨き装置に電動ブラシを設けたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項3】
研磨剤を電動ブラシに供給する手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項4】
加熱装置にファンとヒーターと吹出用ノズルを設けたことを特徴とする請求項1記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項5】
吹出用ノズルの先端にメッシュを貼り付けたことを特徴とする請求項4記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項6】
加熱装置の移動手摺に対する取付角度を調整可能に構成したことを特徴とする請求項4記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項7】
熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層表面に対向した位置に設置された磨き装置と加熱装置と、前記磨き装置と加熱装置を前記移動手摺に沿って乗客コンベア定格速度よりも遅い速度で動かす駆動装置とを有することを特徴とする乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項8】
駆動装置は、C型断面を持つ移動手摺に嵌合する駆動ローラーを有することを特徴とする請求項7記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項9】
駆動ローラーは、修復装置を移動手摺にセットする時、開放できる構成としたことを特徴とする請求項8記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項10】
移動手摺表面の温度を測定する非接触温度計を備え、加熱装置の電力または駆動装置の速度を制御することを特徴とする請求項7記載の乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項11】
熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層表面に対向した位置に設置された研磨剤供給機能付きの磨き装置と加熱装置と、前記磨き装置と加熱装置を前記移動手摺に沿って乗客コンベア定格速度よりも遅い速度で動かす駆動装置と、研磨剤を除去する拭き取り装置とを有することを特徴とする乗客コンベア用移動手摺の補修装置。
【請求項12】
熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の化粧層の表面を研磨剤で磨いた後に風速分布を均一化した熱風で加熱することによって化粧層表面の傷を修復することを特徴とする乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
【請求項13】
熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の表面を加熱する加熱装置と移動手摺の化粧層表面の間隔を可変にして、化粧層表面の傷を修復することを特徴とする請求項12記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。
【請求項14】
熱可塑性エラストマーからなる移動手摺の表面層の傷を修復後、シリコン液を塗布することを特徴とする請求項12又は請求項13記載の乗客コンベア用移動手摺の補修方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−174375(P2008−174375A)
【公開日】平成20年7月31日(2008.7.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−11531(P2007−11531)
【出願日】平成19年1月22日(2007.1.22)
【出願人】(000236056)三菱電機ビルテクノサービス株式会社 (1,792)
【出願人】(591040122)株式会社トーカン (15)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】