説明

乗客コンベア

【課題】過積載状態となっても乗客への負担をかけることなくサービス性を保持できるようにした乗客コンベアを提供する。
【解決手段】過積載状態を検出する過積載検出手段5と、この過積載検出手段5による検出信号に基づいて平常運転モードから低速運転モードに切り替える過積載運転速度制御部6と、過積載検出手段5による検出信号に基づいて低速運転モードに切り替えるときに必要に応じて低速運転予告放送を行う放送手段4とを備え、過積載検出手段5ではそれぞれ異なる過積載状態を検出する閾値W1,W2,W3を設定して検出を行い、過積載運転速度制御部6は、現在の検出値WがW1≦W<W2とのとき運転速度を例えば25m/minとし、W2≦W<W3のとき運転速度を20m/minとし、W3≦Wのとき運転速度を15m/minとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乗客の乗り過ぎによる過積載状態に対応した運転を行う乗客コンベアに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、乗客コンベアにあっては、乗客の乗り過ぎによる過積載状態を検出し、モータを保護するために乗客コンベアを停止するようにしている。従来のこの種の乗客コンベアでは、予告なしに停止することによって乗客が転倒することがないように、また、運転効率およびサービス性が著しく低下することがないようにするため、軽度の過積載時には乗客コンベアへ乗り込まないようにと音声で放送し、重度の過積載時には音声で乗客コンベアを停止する旨を乗客に知らせて転倒を防ぎながら運転を停止するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平4−277191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の乗客コンベアでは、軽度の過積載時には、音声放送を事前に流すとは言え、警告放送を行うことによって新たな乗客の乗込みをある程度抑止する程度の効果であり、過積載状態自体が解消されるかどうかは不明であり、過積載が解消されなければ結局運転を停止する必要があり、運転停止に伴う危険を完全に解消することはできなかった。しかも、停止したときに既に乗客コンベアに乗り込んでいる乗客は、歩いてステップ上を移動しなければならず、特に、異なる階床間に架設された長距離エスカレーター或いは乗客が高齢者であった場合に、乗客への負担が大きくなってしまう。さらに、一旦、乗客コンベアを停止させた場合、その復旧を係の者が行わなければならず、復旧に時間がかかるという問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、過積載状態となっても乗客への負担をかけることなくサービス性を保持できるようにした乗客コンベアを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記目的を達成するために、過積載状態を検出する過積載検出手段と、この過積載検出手段による検出に基づいて平常運転モードから低速運転モードに切り替える過積載運転速度制御部と、前記過積載検出手段による検出信号に基づいて低速運転モードに切り替えるときに必要に応じて低速運転予告放送を行う放送手段とを備えた乗客コンベアにおいて、前記過積載検出手段に、過積載検出状態の判定のために使用する検出値を検出する検出手段と、この検出手段による検出値を少なくとも二つの異なる閾値と比較する閾値判定部を設け、前記過積載運転速度制御部に、前記閾値判定部の判定結果に応じて前記低速運転モードでの運転速度を異ならせる速度判定部を設けたことを特徴とする。
【0007】
このような乗客コンベアによれば、低速運転モードにおける運転速度を予め設定した一つの値だけにしてしまうと、可成りの過積載状態にも対応できるように裕度を持った値にせざるを得ず、速度を大幅に落とさなければならないため、輸送能力が著しく落ち、乗客コンベアの乗降部の混雑が更に深刻となる状況が予想されるが、上述したように過積載状態を示す少なくとも二つの閾値を設定し、閾値判定部でこれらの閾値と検出手段による検出値とを比較し、速度判定部では低速運転モードで少なくとも二つの運転速度に制御するようにできるので、停止することなく低速運転モードにしてモータ負荷を軽減し、同時に乗降部の混雑を最小限に抑えることができる。
【0008】
また本発明は、さらに前記閾値判定部は過積載状態を検出する少なくとも三つの異なる閾値を用いて判定を行い、前記速度判定部は、これらの閾値用いての判定結果による過積載状態の程度に応じてそれぞれ異なる運転速度で運転するように構成し、前記閾値のうち少なくとも最も過積載状態を表す閾値以上の検出値を検出したとき前記放送手段は、前記速度判定部による低速モードへの切り替え前に案内放送を行うように構成したことを特徴とする。
【0009】
このような乗客コンベアによれば、過積載状態を三つの閾値で管理することができるので、過積載状態に応じて単に運転速度を低下させたり、放送手段による案内放送を行ってから運転速度を低下させたりする選択の幅が広くなり、運転速度の変化が少ない場合は単に運転速度を低下させて対処し、運転速度の変化が大きい場合には放送手段によってステップ上に乗り込んでいる乗客、また乗り込もうとしている乗客に予告放送を行って低速運転に備えることができる。従って、転倒事故などを防ぐことができ、また乗客コンベアへの乗り込みを制限して過積載状態を緩和することができる。
【0010】
さらに本発明は、前記過積載検出手段は、前記過積載運転速度制御部による速度変更の後に再度過積載状態の検出を行い、前記速度判定部は過積載状態が解消されているとき低速運転モードから平常運転モードへ切り替えることを特徴とする。
【0011】
このような乗客コンベアによれば、先の効果に加えて、低速運転モードに切り替え運転速度を低下させた後、検出手段および閾値判定部は再度過積載状態を判定するため、運転速度を低下させたことによって過積載状態が解消されている場合、過積載運転速度制御部は自動的に平常速度モードに戻るため、復旧を係の者が行う必要がないばかりか、復旧に長い時間を要することもない。
【発明の効果】
【0012】
本発明の乗客コンベアによれば、過積載状態を検出した場合でも運転を継続するため、ステップ上の乗客に大きな影響を与えることなく、従来のような運転停止に伴う危険、および運転停止後に自力でステップ上を歩いて移動してゆくような負担を乗客に強いるという状況を回避して、安定したサービスを継続しながら過積載状態を回避することができる。また低速運転モードにおける運転速度を予め設定した一つの値だけにしてしまうと、可成りの過積載状態にも対応できるように裕度を持った値にせざるを得ず、速度を大幅に落とさなければならないため、輸送能力が著しく落ち、乗客コンベアの乗降部の混雑が更に深刻となる状況が予想されるが、こうした事態を回避することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施の形態による乗客コンベアを示す概略構成図である。
【図2】図1に示した制御手段のブロック構成図である。
【図3】図1に示した乗客コンベアの過積載運転時の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【0015】
図1は、本発明の一実施の形態による乗客コンベアのブロック構成図である。
【0016】
この乗客コンベアは、無端状に連結されて乗客等を搬送するステップを駆動するモータ1と、このモータ1に接続されたインバータ2と、乗客コンベアの運転制御を行う制御手段3と、乗客コンベア本体の近傍に設けられて所定の低速運転モードに切り替えたときに低速運転予告放送を行う放送手段4とを備えている。制御手段3は、インバータ負荷情報に基づいて乗客コンベアの過積載状態を判定する過積載検出手段5と、この過積載検出手段5が過積載状態であることを検出したときに乗客コンベアを平常運転モードから低速運転モードへと切り替えて運転速度を制御する過積載運転速度制御部6とを有している。
【0017】
過積載検出手段5と過積載運転速度制御部6は例えば一体的に構成されており、一般的な構成の他に、図2に示すようにインバータ負荷情報に基づいて乗客コンベアの過積載状態を判定するために使用する検出値Wを検出する検出手段12と、この検出手段12による現在の検出値Wを取り込んで予め設定した閾値と比較しながら判定を行う閾値判定部7と、予め三つの閾値や低速運転モードでの運転速度を設定した設定テーブル8と、閾値判定部7による検出値Wと設定テーブル8の各閾値との比較の結果から低速運転モードに切り替えてそのときの運転速度を抽出決定する速度判定部9と、過積載状態の検出を含む低速運転モードに関するプログラムなどを格納した記憶部10と、これら全体を制御する制御部11とを有している。過積載検出手段5は、主に検出手段12と閾値判定部7とから構成し、過積載運転速度制御部6は主に速度判定部9を含んで構成している。
【0018】
乗客コンベアにおける乗客の積載量と運転速度の積がモータ負荷に影響するので、インバータ負荷情報から検出手段12により過積載状態の判定に使用する現在の検出値Wを取り込んで過積載検出手段5で監視しており、検出値Wと閾値とを閾値判定部7で比較し、その結果に応じて過積載運転速度制御部6の速度判定部9により乗客コンベアの運転速度を決定してモータ1の負荷を下げるようにしている。上述した設定テーブル8で設定した三つの閾値とは、インバータ負荷情報に基づいて過積載状態になったことに対応する閾値W1と、この閾値W1を超えた過積載状態に対応する二つの閾値W2,W3であり、過積載の程度はW1<W2<W3である。
【0019】
検出手段12および閾値判定部7が過積載状態を検出していないときの制御手段3による乗客コンベアの運転速度は、例えば30m/minであるのに対して、検出手段12および閾値判定部7が過積載状態を検出した後の低速運転モードでの運転速度は、閾値判定部7での判定結果と、設定テーブル8に設定した運転速度とを用いて速度判定部9で決定される。例えば、速度判定部9では、現在のインバータ負荷情報に基づく検出値Wが閾値W1以上で閾値W2より小、つまりW1≦W<W2のときの過積載運転速度制御部6の速度判定部9による乗客コンベアの低速運転モードでの運転速度は例えば25m/minとし、またW2≦W<W3のときの速度判定部9による乗客コンベアの運転速度は例えば20m/minとし、さらにW≧W3のときの速度判定部9による乗客コンベアの運転速度は、例えば15m/minとしてそれぞれ決定するようにしている。しかしながら、ここに示した各運転速度は例示であり、他の運転速度であっても良い。
【0020】
次に、過積載状態を検出したときの低速運転モードでの処理手順を図3に示したフローチャートで説明する。
【0021】
乗客コンベアは、定常状態で30m/minの運転速度で運転しているが、このときステップS1で過積載検出手段5はインバータ負荷情報に基づいて過積載状態を常時監視している。つまり、検出手段12は過積載状態の判定に使用する検出値Wを常時取り込み、閾値判定部7でステップS2〜S5で示すように過積載状態になったことに相当する閾値W1および他の閾値W2,W3と検出値Wとを比較している。閾値判定部7によって検出値Wが閾値W1に達すると過積載検出手段5は過積載状態を検出したことになる。閾値判定部7がステップS3で表すW1≦W<W2の状態であることを判定すると、速度判定部9は平常運転モードから低速運転モードに切り替え、設定テーブル8を参照しながら運転速度25m/minを抽出し、乗客コンベアの運転速度を30m/minから25m/minに低下させる。
【0022】
このときの運転速度25m/minは、定常状態の運転速度30m/minに比べて大きく変化してわけではないので、ステップ上の乗客は運転速度の変化の影響を殆ど受けず安全性が保持される。乗客コンベアにおける乗客の積載量と運転速度の積がモータ負荷に影響するので、インバータ負荷情報に基づいて乗客コンベアの運転速度を抑制することによってモータ1の負荷を下げることができる。従って、その後、検出手段12および閾値判定部7によりステップS7で過積載状態の再判定を行い、過積載状態が解消されていれば過積載運転速度制御部6の速度判定部9はステップS8で平常運転モードへと切り替える。
【0023】
このように乗客の乗り過ぎによる軽度の過積載状態では、多少運転速度は落とす程度の変更で運転を継続するため、ステップ上の乗客に大きな影響を与えることなく、従来のような運転停止に伴う危険、および運転停止後に自力でステップ上を歩いて移動してゆくような負担を乗客に強いるという状況を回避して、安定したサービスを継続しながら過積載状態を回避することができる。
【0024】
しかし、上述した閾値判定部7によるステップS2〜S5の比較判定で、ステップS4に示すようにW2≦W<W3と判定されるような過積載状態が検出された場合は、先ず、放送手段4はステップS9で平常運転モードから低速運転モードへと切り替えることや、注意を喚起するための低速運転予告放送を行い、その後、速度判定部9は設定テーブル8から運転速度20m/minを抽出し、ステップS10で乗客コンベアの運転速度を20m/minに低下させる。
【0025】
その後、検出手段12および閾値判定部7によりステップS11で過積載状態の再判定を行い、過積載状態が解消されていれば放送手段4はステップS12で低速運転モードから平常運転モードへと切り替えることや、注意を喚起するための予告放送を行い、速度判定部9はステップS8で平常運転モードへと切り替える。しかし、検出手段12および閾値判定部11によりステップS11で過積載状態が解消されていないと判定した場合、ステップS2へ戻って同様の処理を継続する。
【0026】
一方、ステップS2〜S5の判定で、過積載状態がステップS5で示したW≧W3のときは、ステップS13で放送手段4によって乗客に対して低速運転モードになることや注意を喚起する内容の低速運転予告放送し、その後、速度判定部9は設定テーブル8から運転速度15m/minを抽出し、ステップS14で乗客コンベアの運転速度を15m/minに低下させる。
【0027】
その後、上述した運転速度が20m/minの場合と同様に、検出手段12および閾値判定部7によりステップS11で過積載状態の再判定を行い、過積載状態が解消されていれば放送手段4はステップS12で低速運転モードから平常運転モードへと切り替えることや、注意を喚起するための予告放送を行い、速度判定部9はステップS8で平常運転モードへと切り替える。しかし、検出手段12および閾値判定部7によりステップS11で過積載状態が解消されていないと判定した場合、ステップS2へ戻って同様の処理を継続する。
【0028】
このように過積載状態に対応する閾値W1を超えた二つの閾値W2,W3を予め設定し、これらの閾値W2,W3を超えたときは事前に低速運転予告放送を行うため、ステップ上に乗り込んでいる乗客、また乗り込もうとしている乗客はこの低速運転予告放送を聞いて低速運転に備えることができる。従って、転倒事故などを防ぐことができ、また乗客コンベアへの乗り込みを制限して過積載状態を緩和することができる。また、この場合も、乗客コンベアの運転速度を落とすことでモータ1の負荷を下げることができる。さらに、乗客の乗り過ぎによる過積載状態でも、運転速度は落とすものの20m/minまたは15m/minの運転速度で運転を継続するため、従来のような運転停止に伴う危険、および運転停止後に自力でステップ上を歩いて移動してゆく負担を乗客に強いるという状況を回避して、安定したサービスを継続することができる。
【0029】
こうして、過積載運転速度制御部6によって運転速度を下げたり、放送手段4によって低速運転予告放送が行われるため、乗客コンベアに乗り込む乗客数を制限することにもなり、その後、ステップS11の再判定で過積載状態が回避されたときは、放送手段4はステップS12で低速運転モードから平常運転モードに戻ることを予告放送し、その後、過積載運転速度制御部6はステップS8で平常運転モードに切り替える。
【0030】
このような乗客コンベアによれば、過積載状態を三つの閾値で管理することができるので、過積載状態に応じて単に運転速度を低下させたり、放送手段4による案内放送を行ってから運転速度を低下させたりする選択の幅が広くなり、運転速度の変化幅が少ない場合は単に運転速度を低下させて対処し、運転速度の変化幅が大きい場合には放送手段によってステップ上に乗り込んでいる乗客、また乗り込もうとしている乗客はこの低速運転予告放送を聞いて低速運転に備えることができる。従って、転倒事故などを防ぐことができ、また乗客コンベアへの乗り込みを制限して過積載状態を緩和することができる。
【0031】
上述した実施の形態では、過積載状態を三つの閾値で管理しているが、少なくとも二つの閾値で管理することができる。いずれにしても、低速運転モードにおける運転速度を予め設定した一つの値だけにしてしまうと、可成りの過積載状態にも対応できるように裕度を持った値にせざるを得ず、速度を大幅に落とさなければならない。このため、輸送能力が著しく落ち、乗客コンベアの乗降部の混雑が更に深刻となる状況が予想される。しかしながら、上述したように過積載状態を示す少なくとも二つの閾値W1とW2、または閾値W2とW3、もしくはW1とW3を設定し、閾値判定部7ではこれらの閾値と検出手段12による検出値Wとを比較し、速度判定部9では低速運転モードで少なくとも二つの運転速度に制御するようにすると、極端に速度を落とすことなく低速運転モードにしてモータ負荷を軽減することができると共に、乗降部の混雑を最小限に抑えることができる。
【0032】
また上述した望ましい実施の形態では、低速運転モードに切り替え運転速度を低下させた後、検出手段12および閾値判定部7はステップS7またはステップS11で再度過積載状態を判定するため、運転速度を低下させたことによって過積載状態が解消されている場合、過積載運転速度制御部6は自動的に平常速度モードに戻るため、復旧を係の者が行う必要がないばかりか、復旧に長い時間を要することもない。
【0033】
また、速度変更時の予告放送は、速度変更量が所定の大きさ以上の場合に行えばよいので、例えば、閾値のうち少なくとも最も過積載状態を表す閾値(例えば閾値W3)以上の検出値Wを検出したときに行うようにすればよい。したがって、例えばW2≦W<W3の場合、ステップS9や、ステップS12の予告放送を省略してもよい。
【0034】
尚、上述した実施の形態で過積載検出手段5は、インバータ負荷情報に基づき過積載状態を検出するために検出値Wを検出し、閾値判定部7で比較判定するものを例示したが、本発明はこれに限ることはなく他の過積載検出手段により過積載状態を検出するようにしても良い。
【符号の説明】
【0035】
1 モータ
2 インバータ
3 制御手段
4 放送手段
5 積載検出手段
6 過積載運転速度制御部
7 閾値判定部
8 設定テーブル
9 速度判定部
10 記憶部
11 制御部
12 検出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
過積載状態を検出する過積載検出手段と、この過積載検出手段による検出に基づいて平常運転モードから低速運転モードに切り替える過積載運転速度制御部と、前記過積載検出手段による検出信号に基づいて低速運転モードに切り替えるときに必要に応じて低速運転予告放送を行う放送手段とを備えた乗客コンベアにおいて、
前記過積載検出手段に、過積載検出状態の判定のために使用する検出値を検出する検出手段と、この検出手段による検出値を少なくとも二つの異なる閾値と比較する閾値判定部を設け、前記過積載運転速度制御部に、前記閾値判定部の判定結果に応じて前記低速運転モードでの運転速度を異ならせる速度判定部を設けたことを特徴とする乗客コンベア。
【請求項2】
前記閾値判定部は過積載状態を検出する少なくとも三つの異なる閾値を用いて判定を行い、前記速度判定部は、これらの閾値用いての判定結果による過積載状態の程度に応じてそれぞれ異なる運転速度で運転するように構成し、前記閾値のうち少なくとも最も過積載状態を表す閾値以上の検出値を検出したとき前記放送手段は、前記速度判定部による低速モードへの切り替え前に案内放送を行うように構成したことを特徴とする請求項1に記載の乗客コンベア。
【請求項3】
前記過積載検出手段は、前記過積載運転速度制御部による速度変更の後に再度過積載状態の検出を行い、前記速度判定部は過積載状態が解消されているとき低速運転モードから平常運転モードへ切り替えることを特徴とする請求項1または2に記載の乗客コンベア。
【請求項4】
前記検出値は、インバータ負荷情報に基づいて検出されることを特徴とする請求項1から3の何れかに記載の乗客コンベア。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−62149(P2012−62149A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206706(P2010−206706)
【出願日】平成22年9月15日(2010.9.15)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】