説明

乳児健康管理装置用の加湿制御システム

【課題】加湿制御システムを持つ乳児プラットフォーム上に乳児を支持するための乳児健康管理装置を提供する。
【解決手段】ユーザが最初に手動モードを選択し、該モードでは、乳児隔室(14)内の湿度を制御するために湿度がユーザ入力(24)を介して入力される。システムは自動モードを持ち、該モードでは、乳児健康管理装置(10)内で乳児を治療している期間にわたって乳児隔室(14)内の湿度を制御するためのプロトコルを設定するためにユーザが湿度レベルと相次ぐ期間を入力することができる。ユーザによって入力された各々の相次ぐ期間には異なる湿度レベルが関連付けられている。別の特徴として、湿度レベルの自動的な減少によって乳児が過大なストレスを受けていたかどうかを監視する評価システムが設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に云えば、乳児健康管理装置(infant care apparatus) に関するものであり、より具体的には、乳児を乳児健康管理装置への依存から効果的に離脱させるようにするカスタマイズされた加湿制御システムを持つ乳児ウォーミング(warming) 装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
乳児の健康管理において、乳児の健康のために乳児を入れておく制御された雰囲気を提供することは極めて普通のことである。そのための典型的な保育器が米国特許第4936824号(発明者Koch他)に図示され且つ説明されている。
【0003】
このような場合、乳児用に乳児隔室が設けられ、その環境は乳児に加温された雰囲気を供給するように注意深く制御され、また一般に乳児隔室内の湿度を幾分か制御する。一般に、皮膚を完全な状態に保ち、知らず知らずの水分の損失を低減し、また極小未熟児の体温を保つのを補助するために、典型的には相対湿度80%以上の高湿度環境が使用される。このような高湿度環境は乳児隔室内のサーボ制御型帰還ループによって維持され、この場合、ユーザが単に所望の温度及び湿度を入力し、また乳児隔室内に配置された温度センサ及び湿度センサが帰還信号を制御装置へ供給し、制御装置がユーザによって入力された温度及び湿度を設定する。
【0004】
従って、一旦設定されると、加熱システム及び加湿システムが温度及び相対湿度をユーザ設定値に維持し、それらの値を、ユーザが温度又は相対湿度について新しい値を設定するまで変化することなく維持し、或いは、システムが検知した乳児の体温に応答して、乳児の体温の変化を相殺するように適切な加熱の調節を行う。すなわち、保育器は、一動作モードでは、乳児の体温の低下に応答して対流式ヒータへの電力を増大することによって乳児隔室内の温度を自動的に上昇させることができる。
【0005】
しかしながら、乳児が成長するにつれて、その体温を維持するために湿度のレベルを下げ且つ設定温度を下げることが必要である。看護士は、時々、温度及び湿度のいずれか一方又は両方を下げることによって、個別に乳児自身の体温調整機能を働かせる試みを行う。この「自立試行(weaning trial) 」は、その試行中に乳児が良好に体温を維持しているかを人手によって観察する人手による行為である。何度かの自立試行の後に、乳児は最終的に温度調整された環境から開放籠形ベッドへ移される。
【0006】
湿度の制御においては、付き添い介護者の評価の後に乳児の要求に従って湿度を変えることができることはしばしば有利である。また、そのような乳児隔室内の湿度レベルの制御又は変化は、湿度を何らかの予め確立したプログラムに従って自動的に変えるように、すなわち低下させるように、保育器の製造者によって設定された予めプログラムされたプロトコルの制御の下に生じさせることができる。
【0007】
一例として、米国特許第4079728号(発明者Gatts )では、予め設定されたプログラムが装置に組み込まれており、該プログラムは、乳児を加湿された雰囲気から離脱させるように最初は比較的高い湿度を供給した後で徐々に湿度をさげて、最終的にはこの制御された湿度を、乳児が保育器から取り出される準備ができたときの外部環境の湿度に近づけるようにしている。
【0008】
しかしながら、上記米国特許第4079728号のシステムでは、ユーザによる制御が何もなく、すなわち、自立試行が全て、製造者によってシステムに挿入されたプログラムによって実施される。従って、上記米国特許のシステムは、乳児隔室内の湿度の自動制御のためにユーザが自身のプログラムを設定して使用したい場合に、有効ではない。そのうえ、上記米国特許による加湿制御が製造者のプログラムに従って適切に動作していることを検証することのできるシステムは何もない。
【特許文献1】米国特許第4936824号
【特許文献2】米国特許第4079728号
【特許文献3】米国特許第5316542号
【特許文献4】米国特許第5415618号
【特許文献5】米国特許第5446934号
【特許文献6】米国特許第6322502号
【特許文献7】米国特許第6409654号
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/01766983号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
従って、湿度の制御をユーザの希望に従ってカスタマイズするようにユーザによる入力を可能にするような乳児隔室内の湿度の自動制御を行う加湿制御システムがあれば有利であろう。更に、乳児が湿度の自動的な変更に充分に対応できない場合にユーザに警報を出して、乳児にストレスを与えないようにユーザが湿度のレベルを適切に是正できるようにすることが可能である加湿制御システムがあれば有利であろう。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従って、本発明は、ユーザが乳児隔室内の湿度の長期自動制御に関する入力を持つようにした、乳児健康管理装置の乳児隔室内の湿度を制御するためのシステムに関する。
【0011】
従って、本発明によれば、ユーザが延長した期間にわたって乳児についての加湿をカスタマイズできるように、ユーザが或る期間にわたる保育器内の湿度制御のための特定のプロトコルを設定することを可能にする自動プロセッサ制御型加湿システムが提供される。
【0012】
本発明による制御システムは、ユーザが最初に湿度の自動制御と手動制御とのいずれかを選択することを可能にするメニューを提供する。手動制御を選択する場合、ユーザは、従来の態様で乳児の健康管理のために乳児隔室内に存在するのが望ましい相対湿度のパーセントを単に選択すればよい。しかしながら、本制御システムでは、例えば、湿度のレベルが所定の期間(例えば、2日間)変更されなかった場合に常にユーザに警報を出す所定の時限サイクルが設けられ、システムは、湿度がその期間にわたって手動で変更されなかったこと、好ましくは下げられなかったことを、ユーザに視覚的及び/又は聴覚的警報で知らせる。従って、ユーザは、2日間の間、乳児を高湿度から離脱させるような態様で湿度が下げられなかったことを知らされる。理解できるように、その期間は装置の製造者によってデフォールト設定値として設定するが可能であり、或いは乳児健康管理装置の最初の使用時にユーザによって実際に入力することができる。
【0013】
他方、ユーザが自動モードを選択した場合、別のメニューが利用できるようになり、そこで、ユーザは湿度レベルと、その湿度レベルを乳児隔室内で達成しようとする時間との両方を入力することができる。例えば、ユーザは低レベルから100%までの湿度レベルを選択することができ、一般的には、最初に初期の期間にわたる湿度を高レベルに、例えば、2日間にわたる湿度を100%に入力する。次いで、ユーザは更なる期間にわたる湿度をより低いレベルに、例えば、次の2日間にわたる湿度を80%に選択する、と云うようにすることができる。
【0014】
このように、期間及び湿度レベルの入力によって、ユーザは乳児の全収容期間中の乳児隔室内の湿度のレベルについてのプロトコルをカスタマイズすることができ、そのために、選択された期間にわたって高レベルの湿度を選択し、次いで乳児が保育器から外へ出すのに充分に安定するまで更なる選択された期間にわたってより低いレベルに選択する。勿論、乳児に供給する湿度レベルについて特定の選択されたプロトコルを提供するためにユーザ入力プロトコルを選択できるように、システムに入力できる期間の数及び湿度レベルの数は任意であってよい。
【0015】
従って、本制御システムでは、或る日数にわたる加湿についてのプロトコル全体を入力することができ、該プロトコルは延長した期間にわたって乳児隔室内の湿度のレベルを、ユーザによって決定された所望のレベルになるように制御する。
【0016】
本発明の更なる特徴として、加湿制御システムは、入力された湿度レベルが一旦乳児隔室内で設定された後で特定の乳児にとって充分であるがどうか判定するために、乳児の状態を評価することができる。そのような評価を行うために、本制御システムのプロセッサは乳児の体温と共に他のパラメータ、例えば、乳児を所望の温度に維持するために使用されている加熱のレベルを、連続的に監視することができる。
【0017】
例えば、湿度レベルの自動的な低下の後、制御システムは乳児の体温を監視して、この体温が所望のレベルに維持されているか観察することができ、もし乳児の体温が下がってきていると制御システムが判定した場合には、ユーザに警報を出して、乳児隔室内に供給されている湿度のレベルがその特定の時点で低過ぎることがあること、従って、ユーザが乳児に掛かるストレスを軽減するために湿度を適正なレベルに手動制御するための必要なステップを取ることができることをユーザに勧告し、或いは、この代わりに、ユーザが入力されたプロトコルをプログラムし直して、湿度のレベルを上昇させ、次いでその後の低減していくレベルを、乳児にとってストレスの少ない異なるレベルに設定し直すことができることをユーザに勧告する。
【0018】
また乳児の状態を表す他のパラメータも、低下した湿度を受け入れる乳児の能力を判定する際に評価することができる。このような他のパラメータの1つは、乳児隔室に供給される熱量であってよい。それは、一例として、対流式加熱システムが用いられる場合、ヒータへの電力を測定することによって測定することができる。というのは、通常、乳児の体温が低下すると、この乳児の体温の低下に対抗するように乳児隔室内の温度を上げるために対流式ヒータへの電力を増大させるからである。
【0019】
従って、対流式ヒータへの電力を監視することによって、プロセッサは、ヒータが連続的に、例えば、その最大レベルで又はその最大レベルの所定の高いパーセンテージで動作しているかどうか判定することができ、そうである場合、再び、湿度レベルの低下が急激すぎるものであったかどうか、従って、乳児に過大なストレスを掛けないように以前の湿度レベルを再設定するためにユーザによって湿度レベルに対する変更が必要であるかどうか判定するために、乳児隔室内の湿度の自動的減少を再評価する必要性がある。
【0020】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、図面を参照した以下の詳しい説明からより容易に明らかになろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
次に図1を参照して説明すると、乳児健康管理装置10が示されており、該装置10は、その中に健康管理する乳児の下に配置して乳児を支持するのに適合した乳児プラットフォーム12を持つ。乳児は基本的には閉じた乳児隔室14内に入れられ、乳児隔室14は乳児を取り囲み、乳児隔室14内の雰囲気はその中の温度及び湿度を制御することによって乳児の健康のために制御される。
【0022】
乳児隔室14を加熱するために加熱システムが設けられ、加熱システムは、乳児隔室14の下に配置されたヒータ隔室16の中に配置することができる。従って、乳児隔室14内に入れられた乳児を温めるための暖かい空気として乳児隔室に導入されるように空気の流れを加熱するために電気ヒータ18が使用される。典型的な乳児健康管理装置10が、米国特許第4936824号(発明者Koch他)に乳児用保育器として示されて説明されており、本発明の加熱システムは該米国特許に述べられている対流式のものにすることができる。
【0023】
上記米国特許第4936824号に記載の対流式の加熱システムは本発明に使用するのに適しているが、特定のヒータによって発生される熱量を制御するためにシステムが制御可能である場合には他の型式の加熱システムを使用することができる。
【0024】
図1に示されるように、中央処理装置(CPU)20を設けることができ、CPU20は電気ヒータ18を制御し、その制御は乳児隔室14内に配置された空気温度センサ22に基づいた通常の帰還型の制御であってよい。従来のように、ユーザはユーザ入力24によってCPU20に所望の温度を入力することができ、そこでCPU20は乳児隔室14内に所望の温度を設定するようにヒータ18への電力を制御する。
【0025】
同様な態様で、加湿システムが設けられ、加湿システムは通常の加湿器26を含むことができ、加湿器26は一般的に乳児隔室14内に導入される加熱空気の流れに水蒸気を添加する。しかしながら、様々な型式の制御可能な加湿システムを本発明に関連して使用することができる。模範的な実施形態では、湿度センサ28が設けられ、湿度センサ28は乳児隔室14内に配置されて、乳児隔室14内の湿度のレベルを表す信号をCPU20に供給し、CPU20はユーザ入力24によって通常入力される所望の値に従った湿度のレベルを生じるように加湿器26を制御する。
【0026】
このような場合、従来のシステムでは、ユーザがユーザ入力24を介してCPU20に所望の設定温度及び湿度を入力し、CPU20が温度及び湿度センサ22,28からの信号にそれぞれ応答して、ヒータ18及び加湿器26の両方を制御することにより、乳児隔室14内の実際の温度及び湿度を、ユーザによって入力された特定のレベルに維持されるように設定している。しかしながら、前に述べたように、米国特許第4079728号に記載のシステムは幾分か更に自動化されていて、制御システム全体の製造者によって一期間にわたる湿度についての特定のパターン又はプロトコルが規定されるようになっており、これはユーザによって変更することはできない。
【0027】
これに対し、本発明のシステムでは、乳児健康管理装置10が加湿制御システムを含み、該システムは、乳児が乳児健康管理装置10内に居る全時間を含む延長した期間にわたって乳児隔室14内の湿度を制御するためのカスタマイズしたプロトコルをユーザが入力することを可能にする。
【0028】
本発明を使用する際、ユーザ入力24は加湿のための所望のプロトコルを入力するために用いられると共に、該加湿プロトコルを入力する際に利用することのできる様々なメニューを表示するために用いられる。最初に、加湿システムは、ユーザが手動モードか又は自動モードのいずれかを選択することを可能にするメニューを表示することができる。
【0029】
手動モードが選択された場合、加湿制御システムは従来の加湿システムと同様に動作し、その場合、ユーザは単純に手動でユーザ入力24に乳児隔室14のための所望の湿度レベルを入力することができる。その後、湿度センサ28が乳児隔室14内の湿度レベルを表す信号をCPU20に連続的に又は間欠的に送り、そこでCPU20は乳児隔室14内の湿度を入力されたレベルに設定するように加湿器26を制御する。このような手動モードの動作で普通であるように、乳児隔室14内の湿度のレベルは、ユーザがユーザ入力24に湿度レベルを変えるための新しい値を入力するまで、前記入力されたレベルに留まる。
【0030】
しかしながら、本発明の加湿システムでは、表示装置30によってユーザに警報又は警告が出され、これは視覚的又は聴覚的、或いは両方であってよく、また湿度レベルの何らかの変更がユーザ入力24に入力されることなく所定の期間が経過したときにユーザに警報が出される。前に説明したように、乳児が最終的に周囲の湿度に順応するように時間をかけて乳児を乳児隔室14内の湿度の相対的に高いレベルから離脱させることが好ましく、従って、ユーザは時間をかけて乳児隔室14内の湿度のレベルを正常に減少させる。
【0031】
本発明による加湿制御システムでは、手動モードにあるとき、表示装置30は、例えば2日間のような所定の経過期間の間に乳児隔室内の湿度レベルが低下していないことの警報をユーザに供給して、その結果、ユーザがその状況を評価して、自立プロセスを開始するために湿度を減少させるか、或いは、乳児にとって最善の方策であるとユーザが判定した場合に湿度レベルを現在のレベルに留まらせておくことができるようにする。その主な目的は、単純に、湿度レベルの減少量の不足をユーザに気付かせて、乳児の状態について何らかの活動又は評価を行わせることができるようにすることである。
【0032】
警報を開始する前に経過しなければならない期間は、ユーザによってユーザ入力24に入力することができ、又はデフォルト設定値として乳児健康管理装置10の製造者によって予め設定することができる。
【0033】
代替態様として、ユーザがユーザ入力24を介して加湿制御システムの自動動作モードを選択した場合、メニューによりユーザが時間及び湿度レベルを入力することが可能になる。すなわち、ユーザは、乳児隔室14内に特定の湿度レベルを維持すべきときに特別な期間を、すなわち、100%の湿度で2日間の期間を入力し、次いで乳児隔室14内に低下させた湿度レベルを設定する場合にその後の時間を入力することができる。このような入力によって、ユーザは、乳児健康管理装置10内に乳児を入れておく全期間にわたって、相次ぐ期間と、それらの期間の間に望まれる特定の湿度レベルとを入力することができる。期間は、分、時、日数などの形で入力することができ、且つ開示時点及び終了時点を含んでおり、終了時点は当然のこととして通常は次に続く期間の開始時点に対応する。
【0034】
このような場合、従って、ユーザは特定の乳児について個々に又は特定の機関について普遍的に湿度の所望の長期の変更を決定することができる。こうしてカスタマイズした加湿プロトコルを本発明の乳児健康管理装置に入力することができ、そのプロトコルはその後で乳児についての健康管理において追従される。
【0035】
本発明の加湿制御システムはまた、乳児がそのときの減少させた湿度に対処できない場合に乳児隔室14内の湿度の変化、すなわち低下によって乳児に過大なストレスを掛けないように保証するために、自動モード中に乳児を評価するためのシステムを含む。
【0036】
その評価システムでは、PU20は基本的に乳児を監視して、乳児隔室14内の湿度レベルが加湿制御システムによって自動的に下げられたときに、湿度の減少に対応する乳児の能力に関して乳児の状態を観察する。乳児を監視する方法は多数あり、その内の代表的な方法を本書で説明するが、本書では具体的に説明していない他の乳児状態監視方法も本発明の範囲内にあることが理解されよう。
【0037】
従って、乳児の評価を実施するための一方法又はシステムは乳児温度センサ32を用いている。乳児の体温を表す信号がCPU20へ送られ、もって、CPU20は乳児の体温を連続的に追跡して、その体温の傾向を決定する。
【0038】
結果として、本発明の加湿制御システムが乳児隔室14内の湿度を自動的に下げる度毎に、CPU20は乳児の体温が影響を受けたかどうか判定することができる。このような場合、湿度レベルが自動的に下げられた後に、CPU20によって監視される乳児の体温のレベルが下がったと加湿制御システムによって判定されると、表示装置30によってユーザに対して警報が出されて、乳児が減少した湿度レベルを充分に許容することができず且つ過大なストレスを受けている恐れがあることをユーザに注意する。従って、ユーザは、乳児隔室内に供給されている湿度のレベルが低過ぎる恐れがあり、このためユーザが手動で湿度をより高いレベルへ上昇させるか又はその状況を除去して乳児にかかるストレスを軽減するように時間及び湿度をCPU20に再入力することができるとの警告を受けることができる。
【0039】
乳児隔室14内の湿度の減少の結果生じる乳児の状態を評価する代替方法として、加熱強度を監視することもできる。ヒータが乳児の皮膚温度32によって制御されている場合、ヒータの強さは乳児の体温が低下するにつれて増大されて、CPU20がヒータ18への電力を監視できるようにし、そこで電力が長期間にわたって最大電力にある場合、それは乳児が低くされた湿度に対処できず且つ過大なストレスを受けていることに起因している恐れがある。このような状況はCPU20によって検出することができ、そこでCPU20は表示装置30を作動して、乳児が湿度の自動減少によって過大なストレスを受けている恐れがあることをユーザに警告し、これによりユーザが是正処置を取ることができるようにする。
【0040】
このように、対流式ヒータへの電力、乳児の体温、又は乳児を評価する他の手段を監視することによって、CPU20は、湿度レベルの低下が急激すぎるものであったかどうか判定するために、従って、乳児に過大なストレスを掛けないように以前の湿度レベルを再設定するためにユーザによって湿度レベルに対する変更が必要であるかどうか判定するために、ユーザが警告を受けて必要な是正処置を取ることができるように乳児が湿度の自動的減少によって過大なストレスを受けたかどうか判定することができる。
【0041】
最後に、本発明による加湿制御システムの別の特徴として、CPU20が送信器34と通信することができ、送信器34は乳児健康管理装置10の動作による全ての最新のデータを受け取って、該データを中央データ保管設備36へ送信することができ、中央データ保管設備36は特定の健康管理設備についての全てのデータを組み立て且つ保存することができる。
【0042】
当業者には、閉じた環境についてのシステムを改善し且つ特許請求の範囲に記載されている通りの本発明の範囲及び趣旨を逸脱しない様々な改変及び変更を、本発明の加湿制御システムに対して行うことができることが認められよう。従って、本発明は特許請求の範囲及びその等価物によって制限されるべきである。また、図面の符号に対応する特許請求の範囲中の符号は、単に本願発明の理解をより容易にするために用いられているものであり、本願発明の範囲を狭める意図で用いられたものではない。そして、本願の特許請求の範囲に記載した事項は、明細書に組み込まれ、明細書の記載事項の一部となる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明を取り入れる乳児健康管理装置の概略図である。
【符号の説明】
【0044】
10 乳児健康管理装置
14 乳児隔室
16 ヒータ隔室
18 電気ヒータ
22 空気温度センサ
26 加湿器
28 湿度センサ
32 乳児体温センサ
34 送信器
36 中央データ保管設備

【特許請求の範囲】
【請求項1】
乳児を囲んで乳児のための制御された環境を提供するように構成されている乳児隔室 (14)を有している乳児健康管理装置(10)であって、
前記乳児隔室(14)の内部を加熱して、その中の乳児を温めるための加熱システム(18)と、
前記乳児隔室(14)の内部を加湿して、その中に相対湿度を生じさせるように構成されている加湿システム(26)と、
前記乳児隔室(14)内の相対湿度を制御するための加湿制御システムであって、一期間にわたって相対湿度の制御を行うためにユーザが当該制御システムに少なくとも時間及び湿度のパラメータを入力するのを可能にするユーザ入力(24)を持つ加湿制御システムと、
を有している乳児健康管理装置(10)。
【請求項2】
前記ユーザ入力(24)は、ユーザがそれぞれに所望の湿度を持つ複数の相次ぐ期間を電子的に入力することを可能にする、請求項1記載の乳児健康管理装置(10)。
【請求項3】
前記ユーザ入力(24)は、当該ユーザ入力によって入力された前記相次ぐ期間にわたって全体的な傾向として前記相対湿度を減少させて、周囲の相対湿度に近づけるようなっている、請求項2記載の乳児健康管理装置(10)。
【請求項4】
前記加湿システムは、所望の相対湿度が前記ユーザ入力(24)に入力されるようにした手動モードの加湿のためのユーザにより選択可能なオプションを含み、また前記加湿システムは更に、前記手動モードが選択されたときに作動されて、前記乳児隔室内の湿度レベルが所定の時間サイクルにわたって変化せずに留まっていたときにユーザに通知する警報システム(30)を含んでいる、請求項1記載の乳児健康管理装置(10)。
【請求項5】
前記加湿システムは更に、前記乳児隔室(14)内の乳児の状態を評価する評価システムを含んでおり、前記評価システムは、前記乳児隔室(14)内の湿度の各変化後に乳児の体温を監視して、乳児が所望の体温を維持していない場合にユーザに対して警報を発生させる乳児体温センサ(32)を含んでいる、請求項1記載の乳児健康管理装置(10)。
【請求項6】
閉じた隔室(14)内の湿度を制御するための加湿制御システムであって、
前記閉じた隔室を暖めるための加熱システム(18)と、
前記閉じた隔室を加湿するために前記閉じた隔室(14)の中に制御された流量で水分を導入するための加湿器(26)と、
時間及び湿度についてのユーザ入力に基づいて、前記加湿器によって前記閉じた隔室に導入される水分の流量を制御するための制御装置(20)と、
を有している加湿制御システム。
【請求項7】
前記ユーザ入力(24)は時間つれて傾向として前記相対湿度を減少させて、前記閉じた隔室の外の周囲の相対湿度に近づけるようになっている、請求項6記載の湿度制御システム。
【請求項8】
閉じた隔室(14)内の相対湿度を制御する方法であって、
前記閉じた隔室(14)内を既知の温度に設定するように前記閉じた隔室(14)を加熱する段階と、
前記閉じた隔室(14)の中に水分を導入することによって前記閉じた隔室(14)内に或る湿度レベルを設定する段階と、
時間及び湿度についてのユーザ入力によって、前記閉じた隔室(14)内に設定された湿度レベルを制御する段階と、
を含んでいる方法。
【請求項9】
更に、前記閉じた隔室(14)内に入れられた乳児の体温を所定の間隔で確認する段階と、前記確認された体温が望ましい温度範囲と合致しているかどうか判定する段階とを含んでいる請求項8記載の方法。
【請求項10】
更に、前記確認された体温が前記望ましい温度範囲内にないときユーザに通知を行う段階を含んでいる請求項8記載の方法。

【図1】
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【公開番号】特開2007−167662(P2007−167662A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−343732(P2006−343732)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】