説明

乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法

【課題】チャンバを用いずに乾燥可能な乾燥用冶具とそれを用いた乾燥装置とその乾燥方法を提供する。
【解決手段】複数の被乾燥物内へ気体の供給及び排出を行う給排気部2aおよび前記給排気部2aに連接される給排気接続ポート端子2cを有する給排気機構部2と、複数の被乾燥物が載置される載置部3aおよび前記給排気機構部2を取外し可能に支持する支持部3bを有する支持機構部3と、前記載置部3a上に前記被乾燥物の各々をそれぞれ挟むように設置され、且つ前記被乾燥物の対向面にそれぞれ接触する複数のヒータ4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法に係り、特に非水電解液を有する電池セルの乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、電池セルに使用される非水電解液は、水分が混入すると反応し、放電時のエネルギー密度が低下してしまうことから、電池セルを製造する際には非水電解液に接触する部材を乾燥させる必要がある。
【0003】
一般的に、物を乾燥させる方法として、チャンバ内を減圧もしくは真空状態にし、被乾燥物を加熱しながら乾燥させることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1に記載された乾燥装置101は、図9に示すように、チャンバ102内を真空ポンプ103により減圧もしくは真空状態にし、チャンバ102内に設けられたヒータ104上に被乾燥物105を接触させて乾燥を行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−84566号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載の乾燥装置101では、複数の被乾燥物105を一括して乾燥を行う場合、複数の被乾燥物105を収納できる容積の大きい大型のチャンバ102が必要となり、これによりチャンバ102内を加熱しながら減圧もしくは真空状態にする容積が大きくなり時間がかかってしまう。
【0007】
そこで本発明では、チャンバを用いずに乾燥可能な乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明の乾燥用冶具は、複数の被乾燥物内へ気体の供給及び排出を行う給排気部および前記給排気部に連接される給排気接続ポート端子を有する給排気機構部と、複数の被乾燥物が載置される載置部および前記給排気機構部を取外し可能に支持する支持部を有する支持機構部と、前記載置部上に前記被乾燥物の各々をそれぞれ挟むように設置され、且つ前記被乾燥物の対向面にそれぞれ接触する複数のヒータとを備えることを特徴としている。
【0009】
また、本発明の乾燥装置は、請求項1に記載の乾燥用冶具を収納でき、前記乾燥用冶具の前記給排気接続ポート端子と前記電源接続ポート端子に接続可能な給排気接続ポートと電源接続ポートがそれぞれ設けられている収納部と、前記収納部の前記給排気接続ポートと接続可能な排気調整弁を有する真空ポンプが少なくとも設けられている調整部と、前記調整部の前記真空ポンプを少なくとも制御可能な制御部とを備えることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の乾燥方法は、複数の被乾燥物内へ気体の供給及び排出を行う給排気部および前記給排気部に連接される給排気接続ポート端子を有する給排気機構部と、複数の被乾燥物が載置される載置部および前記給排気機構部を取外し可能に支持する支持部を有する支持機構部と、前記載置部上に前記被乾燥物の各々をそれぞれ挟むように設置され、且つ前記被乾燥物の対向面にそれぞれ接触する複数のヒータと、を備える乾燥用冶具と、前記乾燥用冶具を収納でき、前記乾燥用冶具の前記給排気接続ポート端子と前記電源接続ポート端子に接続可能な給排気接続ポートと電源接続ポートがそれぞれ設けられている収納部と、前記収納部の前記給排気接続ポートと接続可能な排気調整弁を有する真空ポンプが少なくとも設けられている調整部と、前記調整部の前記真空ポンプを少なくとも制御可能な制御部と、を備える乾燥装置とを有し、前記乾燥用冶具の前記ヒータの間に前記被乾燥物をそれぞれ設ける被乾燥物設置工程と、前記給排気機構部の前記給排気部を前記被乾燥物に接続させる給排気部接続工程と、前記乾燥用冶具の前記給排気接続ポート端子と前記電源接続ポート端子を、前記乾燥装置の収納部の前記給排気接続ポートと前記電源接続ポートにそれぞれ接続して収納する収納工程と、前記ヒータにより前記被乾燥物を加熱し、前記乾燥装置の前記真空ポンプにより前記被乾燥物内を排気する排気工程と、前記真空ポンプによる排気を停止し、前記電源接続ポートからの電力供給を停止する乾燥終了工程とを含むことを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明では、チャンバを用いずに乾燥可能な乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】一般の電池セルの斜視図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る乾燥用冶具の斜視図。
【図3】本発明の第1実施形態に係る乾燥装置の模式図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る乾燥装置の収納部の概略図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る乾燥方法を示すフローチャート。
【図6】図2に示す乾燥用冶具の給排気部を除いて被乾燥物を設置した状態を示す図。
【図7】本発明の第2実施形態に係る乾燥装置の模式図。
【図8】本発明の第2実施形態に係る乾燥方法を示すフローチャート。
【図9】従来の乾燥装置の概略図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態に係る乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本実施形態では、電池セルを乾燥するための乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法を例に説明する。
【0014】
(第1実施形態)
まず、被乾燥物である電池セル5の構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、電池セル5は、内部に正極5a、負極5b、セパレータ5c、および有機溶媒を含む非水電解液を収納する長方体構造の筺体5dを有する。この筺体5dは、相対向する広面積の第1側面5d1および第1側面5d1よりも狭面積の第2側面5d2と、底面5d3および上面5d4とを有している。そして、上面5d4には、電解注入口5e、ガス排気口5f、正極5aに接続された正極端子5g、および負極5bに接続された負極端子5hが設けられている。
【0015】
次に、本発明の第1実施形態に係る乾燥用冶具1について、図2を参照して説明する。図2に示すように、乾燥用冶具1は、複数の電池セル5内へ気体を供給又は排気することが可能な給排気機構部2と、複数の電池セル5が載置される載置部3a、および給排気機構部2を支持する支持部3bとを有する支持機構部3と、電池セル5を加熱する複数のヒータ4とで構成されている。
【0016】
給排気機構部2は、複数の電池セル5内へ気体を供給又は排気するためのもので、給排気部2aと、接続部2bと、給排気接続ポート端子2cとで構成されている。給排気部2aは、内部が空洞になった略長方体構造を有し、下面には複数の電池セル5のガス排気口5fの各々と接離可能な複数の接続部2bが設けられ、また一端部には給排気部2aと連通する給排気接続ポート端子2cが設けられている。なお、給排気部2aの構造は略長方体構造に限らず、円柱や多角柱構造など、どのような構造でも良い。
【0017】
接続部2bは、給排気部2aと電池セル5のガス排気口5fとをそれぞれ接続するもので、電池セル5が載値部3a上に載置された際、電池セル5のガス排気口5fの位置と一致するように設けられている。また、電池セル5内を減圧もしくは真空状態にする場合や、電池セル5内に気体を供給する際には、これを介して行う。
【0018】
給排気接続ポート端子2cは、複数の電池セル5内と給排気部2a内を一括して減圧もしくは真空状態にすることが出来る。
【0019】
支持機構部3は、複数の電池セル5が載置される載置部3aと給排気機構部2を取外し可能に支持する支持部3bとを有するL型構造に構成されている。
【0020】
載置部3aは、複数の電池セル5の上面5d4を上方にして所定間隔を置いて載置できるような長さに形成され、且つ電池セル5の第1側面5d1の幅よりも若干、大きな幅に形成されている。載置部3aの上面は、電池セル5を安定に載置できるように平坦面に形成されている。
【0021】
支持部3bは、載置部3aの一端部において上方向に直角に延びており、その内側面には、給排気機構部2を取外し可能に支持するための突起部3cが設けられている。
【0022】
突起部3cは、給排気部2aが複数の電池セル5と接続された状態において、給排気機構部2を支持するためのものであり、本実施形態では2つの五角柱の部材により支持しているが、給排気機構部2を支持することが可能であれば、例えば突起部3cの数は1つでも3つ以上でも良く、突起部3cの形状も円柱や多角柱など、どのような形状であっても良い。
【0023】
複数のヒータ4は、載置部3aの上面に互いに間隔を置いて設置され、その間に電池セル5がそれぞれ配置されるように設けられている。即ち、ヒータ4は、複数の電池セル5と交互になるように設けられている。また、ヒータ4の各々は、電池セル5と同構造の長方体構造で、ほぼ同じ大きさに形成され、ヒータ4間に電池セル5が配置された際には、ヒータ4の側面と電池セル5の第1側面5d1とが接触するようになっている。
【0024】
なお、ヒータ4は、電池セル5の最も広い第1側面5d1を加熱できるように設けられていることが望ましいが、電池セル5を加熱することが可能であればこれに限られない。また、ヒータ4の構造は、本実施形態では略直方体構造としているが、この構造に限られることはなく、例えば電池セル5の第1側面5d1が曲面であれば、その曲面に対応した構造にしても良い。
【0025】
載置部3aの他端面3dには、複数のヒータ4に電力供給するための電源接続ポート端子3eが設けられている。この電源接続ポート端子3eは、凸型の四角柱に形成されている。
【0026】
電源接続ポート端子3eは、本実施形態では他端面3dに設けられているが、ヒータ4に電力を供給することが可能であれば、他端面3dの両側面など、どの面に設けも良い。また、本実施形態では、電源接続ポート端子3eは、凸型の四角柱構造となっているが、これに限られず凹型でも良く、また円柱や多角錘などのような構造であっても良い。
【0027】
次に、本発明の第1実施形態に係る乾燥装置10について、図3及び図4を参照して説明する。図3に示すように、乾燥装置10は、上記構成の複数の乾燥用冶具1を収納可能な収納部11と、複数の乾燥用冶具1を減圧もしくは真空状態に調整する調整部14と、調整部を制御する制御部16とで構成されている。
【0028】
収納部11は、図4に示すように、複数の乾燥用冶具1をそれぞれ収納するために棚状になっており、各棚は乾燥用冶具1の1つを収納できる空間を有する。また、各棚には乾燥用冶具1の給排気接続ポート端子2cと接続して電池セル5内の排気を行うための給排気接続ポート12と、電源接続ポート端子3eと接続してヒータに電力を供給する電源接続ポート13が設けられている。なお、収納部11の各棚は、乾燥用冶具1を1つだけでなく、複数の収納が可能な空間としてもよい。
【0029】
図3に示すように、調整部14は、複数の電池セル5と複数の乾燥用冶具1の給排気機構部2内を減圧もしくは真空状態にするための、排気調整弁15aを有する真空ポンプ15が設けられており、制御部16は、減圧もしくは真空状態の制御を行っている。
【0030】
次に、本発明の第1実施形態に係る乾燥装置10による乾燥方法について、図5及び図6を参照して説明する。
【0031】
まず、図6に示すように、乾燥用冶具1に、複数の電池セル5を複数のヒータ4の間にそれぞれ設置し(ステップS1)、乾燥用冶具1の給排気機構部2の接続部2bを電池セル5のガス排気口5fにそれぞれ接続する(ステップS2)。
【0032】
次に、電池セル5を設置した乾燥用冶具1を、乾燥装置10の収納部11の各棚にそれぞれ収納し、乾燥用冶具1の給排気接続ポート端子2cと電源接続ポート端子3eとを乾燥装置10の給排気接続ポート12と電源接続ポート13とにそれぞれを接続する(ステップS3)。
【0033】
その後、制御部16により電源接続ポート13から電源接続ポート端子3eへと電力を供給し、乾燥用冶具1のヒータ4を加熱させ(ステップS4)、例えば電池セル5内および乾燥用冶具1内を真空状態にする場合には、約150〜160℃の温度に、また減圧状態にする場合であれば、真空状態する場合の温度よりも低い温度に達する所定時間の経過後に(ステップS5)、排気調整弁15aを開き、真空ポンプ15により電池セル5内および乾燥用冶具1の給排気部2a内を排気する(ステップS6)。
【0034】
そして、一定時間、排気した後(ステップS7)、排気調整弁15aを閉じて排気を停止させ、また同時に電源接続ポート13からの電力供給を停止させ、乾燥を終える(ステップS8)。
【0035】
以上、第1実施形態によれば、乾燥用冶具1に電池セル5をヒータ4の間に設け、給排気機構部2の接続部2bを電池セル5に接続させ、乾燥装置10の収納部11の各棚に乾燥用冶具1を収納し、乾燥用冶具1の給排気接続ポート端子2cと電源接続ポート端子3eを、収納部11の各棚に設けられている給排気接続ポート12と電源接続ポート13とにそれぞれ接続し、乾燥用冶具1のヒータ4を加熱して電池セル55の接触している第1側面5d1を直接加熱し、調整部14内の真空ポンプ15で電池セル5内および乾燥用冶具1内の給排気部2a内を減圧または真空状態にして乾燥を行う。そのため、電池セル5の全体を加熱しながら減圧または真空状態にするチャンバを用いることなく、乾燥用冶具1とそれを用いた乾燥装置10により電池セル5を短時間で乾燥させることができる。
【0036】
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る乾燥用冶具、乾燥装置、および乾燥方法について、図7及び図8を参照して説明する。本実施形態は、乾燥装置20の調整部14内にガス供給部17とガス脱水部18を更に設けた点で、第1実施形態とは異なり、構成部分については同様の構成を有している。従って、以下の説明においては、第1実施形態と同様の構成部分の説明を省略し、乾燥用冶具1を用いた乾燥装置20とその乾燥方法の説明をする。
【0037】
まず、図7を使用して乾燥装置20の説明を行う。ガス供給部17は、ガス調整弁17aを備えており、ガス調整弁17aを開いて加熱された不活性ガス、例えばAr(アルゴン)等のような希ガスを電池セル5内および乾燥用冶具1の給排気機構部2内に供給するものであり、給排気接続ポート12とガス調整弁17aを介して接続している。
【0038】
ガス脱水部18は、真空ポンプ15とガス供給部17と接続しており、真空ポンプ15により排出される、水分を含んだ不活性ガスを回収し、不活性ガス内の水分を脱水し、再びガス供給部17へガスを供給するものである。脱水方法としては、例えば不活性ガスを冷却して濃縮を行う方法や、不活性ガスを吸湿性固体や吸着性固体または液体と接触させる方法、また不活性ガスを圧縮して飽和湿度を減少させる方法や、不活性ガスを高分子半透膜を介して真空にする方法等があげられる。
【0039】
また、ガス脱水部18は含水ガス調整弁18aを備えており、不活性ガス以外のものは第1ライン18bから排出し、水分を含んだ不活性ガスの回収を行う際には、ガス脱水部18内に回収できるように第2ライン18cに切り替えをおこなうことができる。
【0040】
次に、本発明の第2実施形態に係る乾燥装置20による乾燥方法について、図8を参照して説明する。
【0041】
第1実施形態のステップS1乃至S7までのステップを行った後、真空ポンプ15の排気調整弁15aを閉じて排気を停止し、ガス供給部17のガス調整弁17aを開いてヒータ4で過熱されている電池セル5内および乾燥用冶具1の給排気機構部2内に加熱された不活性ガスを供給する。(ステップS9)。
【0042】
そして、電池セル5内の不活性ガスの圧力が所定の値になってから一定時間を経過した後に(ステップS10)、ガス供給部17のガス調整弁17aを閉じ、真空ポンプ15の排気調整弁15aを開き、不活性ガスが第2ライン18cを通るようにガス脱水部18の含水ガス調整弁18aを切り替えてから不活性ガスの排気を行う。これにより、不活性ガスが熱伝達媒体となり、第1実施形態より短時間で電池セル5内を加熱でき、更に不活性ガスに電池セル5内の水分を含ませ、排出することが出来る。
【0043】
なお、排気された不活性ガスはガス脱水部18へと回収し、その後ガス脱水部18の含水ガス調整弁18aは第2ライン18cを閉じるように切り替わり、不活性ガス内の水分を脱水し、脱水済みの不活性ガスをガス供給部17へ供給する(ステップS11)。
【0044】
ステップS9〜S11を約5、6回程度繰り返した後(ステップS12)、真空ポンプ15の排気調整弁15aを閉じて排気を停止し、また同時に電源接続ポート13の電力供給も停止して乾燥を終える(ステップS13)。
【0045】
以上、第2実施形態によれば、乾燥装置20の調整部14内にガス供給部17を設け、被乾燥物5内を減圧または真空状態にした後、ガス供給部17から加熱された不活性ガスを被乾燥物5内に供給し、再び被乾燥物5内を減圧または真空状態にして不活性ガスを排出するステップを複数回繰り返して乾燥を行うことにより、チャンバを用いることなく乾燥することができ、また第1実施形態より効率よく乾燥させることができる。
【符号の説明】
【0046】
1…乾燥用冶具
2…給排気機構部
2a…給排気部
2b…接続部
2c…給排気接続ポート端子
3…支持機構部
3a…載置部
3b…支持部
3c…突起部
3d…端面
3e…電源接続ポート端子
4,104…ヒータ
5…電池セル
5a…正極
5b…負極
5c…セパレータ
5d…筐体
5d1…第1側面
5d2…第2側面
5d3…底面
5d4…上面
5e…電解注入口
5f…ガス排気口
5g…正極端子
5h…負極端子
10,101…乾燥装置
11…収納部
12…給排気接続ポート
13…電源接続ポート
14…調整部
15,103…真空ポンプ
15a…排気調整弁
16…制御部
17…ガス供給部
17a…ガス調整弁
18…ガス脱水部
18a…含水ガス調整弁
18b…第1ライン
18c…第2ライン
102…チャンバ
105…被乾燥物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の被乾燥物内へ気体の供給及び排出を行う給排気部および前記給排気部に連接される給排気接続ポート端子を有する給排気機構部と、
複数の被乾燥物が載置される載置部および前記給排気機構部を取外し可能に支持する支持部を有する支持機構部と、
前記載置部上に前記被乾燥物の各々をそれぞれ挟むように設置され、且つ前記被乾燥物の対向面にそれぞれ接触する複数のヒータと、
を備えることを特徴とする乾燥用冶具。
【請求項2】
更に、前記給排気部は、前記被乾燥物に接離可能な接続部を有することを特徴とする請求項1記載の乾燥用冶具。
【請求項3】
請求項1に記載の乾燥用冶具を収納でき、前記乾燥用冶具の前記給排気接続ポート端子と前記電源接続ポート端子に接続可能な給排気接続ポートと電源接続ポートがそれぞれ設けられている収納部と、
前記収納部の前記給排気接続ポートと接続可能な排気調整弁を有する真空ポンプが少なくとも設けられている調整部と、
前記調整部の前記真空ポンプを少なくとも制御可能な制御部と、
を備えることを特徴とする乾燥装置。
【請求項4】
更に、前記調整部には、前記被乾燥物内へと不活性ガスを制御するためのガス調整弁を有するガス供給部が設けられていることを特徴とする請求項3記載の乾燥装置。
【請求項5】
更に、前記調整部には、前記真空ポンプにより排気された不活性ガスを回収し、不活性ガス内の水分を脱水して前記ガス供給部へ脱水済み不活性ガスを供給するための、含水ガス調整弁を有するガス脱水部が設けられていることを特徴とする請求項4記載の乾燥装置。
【請求項6】
複数の被乾燥物内へ気体の供給及び排出を行う給排気部および前記給排気部に連接される給排気接続ポート端子を有する給排気機構部と、複数の被乾燥物が載置される載置部および前記給排気機構部を取外し可能に支持する支持部を有する支持機構部と、前記載置部上に前記被乾燥物の各々をそれぞれ挟むように設置され、且つ前記被乾燥物の対向面にそれぞれ接触する複数のヒータと、を備える乾燥用冶具と、
前記乾燥用冶具を収納でき、前記乾燥用冶具の前記給排気接続ポート端子と前記電源接続ポート端子に接続可能な給排気接続ポートと電源接続ポートがそれぞれ設けられている収納部と、前記収納部の前記給排気接続ポートと接続可能な排気調整弁を有する真空ポンプが少なくとも設けられている調整部と、前記調整部の前記真空ポンプを少なくとも制御可能な制御部と、を備える乾燥装置と、
を有し、
前記乾燥用冶具の前記ヒータの間に前記被乾燥物をそれぞれ設ける被乾燥物設置工程と、
前記給排気機構部の前記給排気部を前記被乾燥物に接続させる給排気部接続工程と、
前記乾燥用冶具の前記給排気接続ポート端子と前記電源接続ポート端子を、前記乾燥装置の収納部の前記給排気接続ポートと前記電源接続ポートにそれぞれ接続して収納する収納工程と、
前記ヒータにより前記被乾燥物を加熱し、前記乾燥装置の前記真空ポンプにより前記被乾燥物内を排気する排気工程と、
前記真空ポンプによる排気を停止し、前記電源接続ポートからの電力供給を停止する乾燥終了工程と、
を含むことを特徴とする乾燥方法。
【請求項7】
更に、前記排気工程の後に、前記乾燥装置の前記ガス供給部から加熱された不活性ガスを前記被乾燥物内に供給するガス供給工程と、
前記真空ポンプにより不活性ガスの排気を行うガス排気工程と、
を含むことを特徴とする請求項5記載の乾燥方法。
【請求項8】
更に、前記ガス排気工程の際に排気された不活性ガスをガス脱水部内に回収し、不活性ガス内の水分を脱水し、前記ガス供給部へ脱水済みの不活性ガスを供給するガス脱水工程を含むことを特徴とする請求項7記載の乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−165504(P2011−165504A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−27742(P2010−27742)
【出願日】平成22年2月10日(2010.2.10)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】