説明

予定を立てるための方法及び装置

本発明は予定を立てるための方法及び装置を提供する。予定を用いて利用者の行動計画を管理する。予定を立てるための装置は次を含む:利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得するための取得手段;その少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、行動計画についての助言を生成するための分析手段;及び、既定の規則によって予定に行動計画を追加するための生成手段。本発明を用いて、利用者の生理的健康状態に適応する行動計画を動的に作る。ここで前提は、利用者の生理的健康状態は変わるということである。従って、利用者の活動予定を、より効率的、安全かつ合理的に調整できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、生理的健康データを測定するための方法及び装置に関する。本願発明は、とりわけ、測定した生理的健康データに基づき予定を立てるための方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、個人の健康管理データを測定するために用いる技術が、ますます開発されている。とりわけ、これらの技術の多くは、遠隔測定に関する。例えば、病院にいる医師が、自宅にいる患者を測定する。このような測定行為については、特殊な測定装置を用いて、測定対象の患者の様々な個人的な健康管理データを収集し、その健康管理データを医療関係者に送信する。例えば、フィリップス社の製品であるMotivaは、多くの医療情報測定機能を結合している。例えば心拍計、血圧計、グルコース測定器などの機能を持つ。心臓病を患っている患者でも、自宅に留まり、身体の基礎機能を測定できる。検査のためだけに病院に行く必要は無い。
【0003】
お年寄りには、予定を立ててあげれば、物忘れの対策になりうる。行動計画をいつでも知らせてあげることができる。加えて、お年寄りの健康状態は、比較的不安定である。従って、測定装置を使って、様々な個人的な健康管理データを適宜集めて、その健康管理データを医療関係者に送ることが、極めて必要である。合理的な予定はお年寄りにとって、とても大切である。日々の活動が合理的に計画されていなければ、お年寄りの健康状態は悪化してしまう。例えば、血圧や心拍のような生理的パラメーターが異常になってしまう可能性がある。
【0004】
通常、お年寄りについては、身体の状態の特性によって、医師が比較的合理的な予定を調整する。しかし、お年寄りの生理的な健康状態が変化して不安定になってしまったら、前もって調整されただけの予定では、様々な不都合がありうる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明は、予定を立てるための方法と装置を提供する。本願発明は、利用者の実時間の生理的健康状態に基づいて、予定を動的に調整できる、方法及び装置を提供する必要がある。本願発明は、利用者の実時間の生理的健康状態に基づいて、予定をより合理的に調整できる、方法及び装置を提供する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明が提供する、予定を立てるための方法によれば、予定を用いて利用者の行動計画を管理する。予定を立てるための方法は次の工程を含む:利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得する工程;その少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、行動計画についての助言を生成する工程;及び、既定の規則によって予定に行動計画を追加する工程。
【0007】
本発明が提供する、予定を立てるための装置によれば、予定を用いて利用者の行動計画を管理する。予定を立てるための装置は次を含む:利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得するための取得手段;その少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、行動計画についての助言を生成するための分析手段;及び、既定の規則によって予定に行動計画を追加するための生成手段。
【0008】
本発明が提供する、予定を立てるための計算機プログラムは、次を含む:利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得するための命令;その少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、行動計画についての助言を生成するための命令;及び、既定の規則によって予定に行動計画を追加するための命令。
【発明の効果】
【0009】
要するに、本発明が提供する、予定を立てるための方法及び装置は、利用者の生理的健康状態に適応する行動計画を動的に作ることができる。ここで前提は、利用者の生理的健康状態は変わるということである。従って、利用者の活動予定を、より効率的、安全かつ合理的に調整できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の他の目的及び成果は、添付の図面及び特許請求の範囲を参照する、後述の記載により、明らかになる。これにより本発明を包括的に理解できる。
【0011】
全ての図面において、同じ参照符号は、同じ、似た、又は対応する、特徴又は機能を示す。
【実施例】
【0012】
これより本発明の好適な実施例を詳細に図面と共に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施例による、動的な予定を立てるための装置の概略図である。
【0014】
予定を立てる装置100は、取得部170、分析部180、及び作成部140を含む。
【0015】
予定を立てる装置100が更に含むのは、格納部120である。これによりデータを格納する。データとは、測定した利用者の生理的健康データ及び環境データである。格納部120は、不揮発性の記憶カードであってもよい。格納部120は、いかなる他の格納手段であってもよい。例えば、ハードディスクやフレキシブルディスク等であってもよい。
【0016】
本発明の実施例によれば、格納部120を更に用いて、生理的健康データのデータベースを格納する。このデータベースは、生理的健康データの各項目の正常範囲、及び、生理的健康データの各項目が、正常なデータの範囲から外れている場合に対応する助言を含む。例えば、血圧の値が正常範囲よりも高い場合には、利用者には、激しい運動をせずに、気を楽にして休むような行動を取るように、助言が与えられる。生理的健康データのデータベースは、専門の医師又は患者の監督者が作ってもよい。これは、利用者の健康状態及び専門的な医療の知識に依存する。
【0017】
本発明の別の実施例によれば、このデータベースは、様々な異なる状況における、生理的健康データの各指標の範囲を含んでもよい。これは、生理的健康データの1つの項目の正常範囲及び異常範囲のみを含む代わりである。例えば、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度については、複数のデータ範囲を定めることができる。70%〜80%、80%〜90%、及び90%〜100%というようにである。利用者の生理的な指標が含まれるデータの範囲によって、それに対応する行動計画の異なる助言を生成する。例えば、休んで医者に行くように助言する。
【0018】
表1は、生理的健康データのデータベースの例を示す。これは、様々な型の運動に対するエネルギー消費である。予定を立てる装置100は、利用者の運動に対するエネルギー消費量に基づいて、対応する行動計画の助言を行ってもよい。
【0019】
【表1】

取得部170を用いて、格納部120から、利用者の実時間の生理的健康データ、及び、対応する生理的健康データのデータベースを取得する。
【0020】
本発明の実施例によれば、予定を立てる装置100が更に含むのは、分析部180である。これにより、取得部170が取得した、利用者の実時間の生理的健康データを、対応する生理的健康データのデータベースと比べる。これを分析することにより、行動計画について対応する助言を得る。
【0021】
分析部180を用いて、取得部170が取得した、生理的健康状態データを分析する。これにより、行動計画の助言の部分を得る。行動計画について作成した助言は、取得した生理的健康状態データに適応したものとなる。例えば、取得部170が取得した生理的健康状態データが、利用者の脈拍の値が高いことを示した場合、分析部180は、それを分析し、利用者に休息を促す行動計画の助言の部分を生成してもよい。この行動計画の助言は、前述の格納部120に格納してある、生理的健康データのデータベースに基づいて作られる。
【0022】
本発明の実施例によれば、予定を立てる装置100が更に含むのは、作成部140である。これにより、分析部180が分析して得た行動計画の助言を、既定の規則に基づいて、利用者の予定に追加する。この既定の規則とは、行動計画の助言を受け入れるかどうかを確認するための、利用者が入力した情報でもよく、利用者の個人的な生理的健康特性により設定される情報でもよい。
【0023】
例えば、分析部180は、行動計画の助言の部分を分析して得る度に、その助言を利用者に表示部150によって示すことになる。これにより、利用者に、この助言の部分を受け入れるかどうかについての回答を促す。代わりに、利用者は、自分の個人的な生理的健康特性に基づき、前もって、規則を定めておいてもよい。この規則により、その行動計画の助言を受け入れるかどうかについての返答を自動的に返す。例えば、利用者は、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度、及び、血圧のデータに関する行動計画の助言については、全てを自動的に受け入れるようにしてもよい。他方、それ以外の生理的健康データに関する行動計画の助言は、表示部150を介して利用者に提示するようにしてもよい。これにより、利用者に、この助言の部分を受け入れるかどうかについての回答を促す。
【0024】
本発明の実施例によれば、予定を立てる装置100が更に含むのは、生理的測定部110である。生理的測定部110を用いて、利用者の生理的健康状態を測定する。生理的測定部110が含むのは、生体の血圧を測る装置である。これを用いて、利用者の血圧データを測る。生理的測定部110は、利用者の他の生理的データを測るために用いる、他の型の生体計測器を更に含んでもよい。利用者の他の生理的データとは、例えば、体温、心拍、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度等である。
【0025】
本発明の実施例によれば、生理的測定部110は、利用者の活動を観測するための活動検出器を更に含んでもよい。例えば、加速度計を用いて、利用者の運動の加速度を測ってもよい。
【0026】
本発明の実施例によれば、予定を立てる装置100が更に含むのは、環境測定部130である。これにより、利用者がいる場所の周囲に関する環境データを測定する。環境データとは、例えば室内の温度、湿度、雑音の大きさ、地理的所在情報、等である。分析部180を用いて、取得部170が取得した生理的健康状態データを分析し、その分析結果に、利用者がいる場所の周囲に関する環境データを組み合わせてもよい。これにより、行動計画の助言の部分を得る。
【0027】
本発明の別の実施例によれば、生理的測定部110及び環境測定部130は、予定を立てる装置100とは別の装置でもよい。ただし、生理的測定部110及び環境測定部130は、予定を立てる装置100と通信路を開設できることが条件である。これにより、生理的測定部110及び環境測定部130は、予定を立てる装置100の受信手段に、データを送信できる。このために、現在又は将来利用可能な、有線又は無線の、いかなる通信手段を用いてもよい。例えば、データをBluetooth(登録商標)の手順で送信してもよい。
【0028】
本発明の実施例によれば、予定を立てる装置100が更に含むのは、表示部150である。表示部150を用いて、分析部180が作成した行動計画の助言及び作成部140が作成した予定を表示する。この実施例では、表示器が、生理的健康データ、環境データ、行動計画の助言及び予定を提示する。例えば、異なるフォントや異なる色を使って、異なる型のデータを表示する。例えば、緑色は血圧を示し、黄色は体温、体重及び雑音の大きさを示す。赤色を用いて、正常範囲を外れたデータを表示する。別の例としては、異なる背景色を、異なる型のデータに用いる。
【0029】
本発明の別の実施例によれば、予定を立てる装置100は、いかなる他の提示装置を用いてもよい。例えば、スピーカーを用いて、データの提示を助ける。
【0030】
本発明の実施例によれば、予定を立てる装置100が更に含むのは、入力部160である。入力部160を用いて、利用者の入力を受け取る。これにより、作成された行動計画の助言を受け入れるかどうかの確認を行う。代わりに、入力部160は、利用者の入力を受け取り、作成された行動計画の助言を修正する。
【0031】
本発明の実施例によれば、図1に示す予定を立てる装置100の機能の部分を、適切にプログラムされた計算機によっても実現できるということを理解する必要がある。この計算機には、予定を立てるための計算機プログラムを導入する。この計算機プログラムは次を含む:利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得するための命令;その少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、行動計画についての助言を生成するための命令;及び、既定の規則によって予定に行動計画を追加するための命令。
【0032】
前述のこの計算機プログラムを、格納媒体に格納してもよい。
【0033】
前述の計算機プログラムの命令の部分を、処理装置に供給する。処理装置で実行される命令により、前述の機能を実現するための手段を作るように、機械を作る。
【0034】
図2−I及び図2−IIは、本発明の実施例による、動的な予定を立てるための方法を示す流れ図である。この方法を、図1に示した、予定を立てる装置100に適用してもよい。
【0035】
まず、最初の予定を立てる。これは、利用者の初期設定による。最初の予定は、専門医又は患者の監督者が立ててもよい。利用者の初期設定の情報が含むのは、例えば利用者の現在の生理的健康情報及び利用者の生活習慣のような設定である。例えば、利用者の血圧が高ければ、その人は激しい運動を行ってはいけない。また、個人用の好みを適切な情報に設定する。例えば、この利用者は、午後に散歩するのを好むというような情報である。初期化した予定は、まず、利用者の生理的健康情報を考慮することになる。これにより、予定と行動を調整する。初期化した予定は、次に、利用者の個人的な生活習慣の情報を考慮することになる。これにより、予定と行動を調整する。
【0036】
図2−Iを参照する。工程S210では、利用者の実時間の生理的健康データ及び環境データを測定し格納する。生理的データは、例えば、体温、心拍、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度、等を含んでもよい。環境に関する環境データは、例えば、室内の温度、湿度、雑音の大きさ、等を含んでもよい。
【0037】
工程S220では、前述の格納された利用者の実時間の生理的健康データ及び環境データ、並びに、生理的健康データの対応するデータベースを取得する。
【0038】
工程S230では、測定した実時間の生理的健康データは、データの正常範囲にあるかどうかを判断する。この判断は、実時間の生理的健康データを、生理的健康データベースと比べてもよい。例えば、測定した実時間の血圧の値が168mmHg−110mmHgであったとする。血圧の正常範囲が、134mmHg−82mmHgであるとすれば、利用者の血圧の値が正常範囲よりも高い方に外れているということがわかる。
【0039】
本発明の別の実施例によれば、生理的健康データベースは、様々な異なる状況における、生理的健康データの各指標の範囲を含んでもよい。これは、生理的健康データの1つの項目の正常範囲及び異常範囲のみを含む代わりである。例えば、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度については、複数のデータ範囲を定めることができる。70%〜80%、80%〜90%、及び90%〜100%というようにである。利用者の生理的な指標が含まれるデータの範囲によって、それに対応する行動計画の異なる助言を生成する。例えば、休んで医者に行くように助言する。
【0040】
測定した実時間の生理的健康データが正常範囲を外れていると判断されたら、予定を立てる方法又は予定を立てる装置100は、休むことに関する何らかの行動計画を予定に追加するように利用者に通知する。
【0041】
本発明の別の実施例によれば、ある生理的健康データは変わりやすい傾向があることを利用して、予定を変える基礎として用いてもよい。例えば、ある期間の中で、利用者の脈拍が上がり続けていることが観察されたら、予定を立てる方法又は予定を立てる装置100は、ある時間休むことを予定に追加するように利用者に助言し通知する。
【0042】
測定した実時間の生理的健康データが正常範囲にあれば、工程S235で、測定した実時間の環境データが正常範囲にあるかどうかを判断する。
【0043】
環境データが正常範囲になければ、工程S240で、取得した利用者の実時間の生理的健康データを、対応する生理的健康データのデータベースと比べて、行動計画についての対応する助言を得る。作成した行動計画の助言は、取得した生理的健康状態データに適応している。例えば、取得した生理的健康状態データが、利用者の脈拍の値は高いほうに正常範囲から外れていると示していたら、利用者に休むように助言する、行動計画の助言の部分を生成してもよい。この行動計画の助言は、生理的健康データの格納されたデータベースに基づいて作成してもよい。
【0044】
工程S250では、利用者に、行動計画の助言の部分を提示する。これにより、利用者の了解を得る。この実施例では、行動計画の助言を、表示器に提示する。
【0045】
図2−IIを参照する。工程S260では、利用者の入力を受け、作成した行動計画を、確定するか、修正するかを行う。
【0046】
工程S270では、作成した行動計画が受け入れられたかどうかの判断を行う。利用者が受け入れたのであれば、工程S280に進む。ここでは、その行動計画の助言を、利用者の予定に加える。これは利用者が承認したという情報に基づく。本発明の別の実施例によれば、作成した行動計画の助言が、利用者の最初の予定とぶつかるのであれば、その作成した行動計画の助言は、最初の予定にある行動計画を置きかえる。この手続きの全体の流れはここで終わる。
【0047】
工程S270で、作成した行動計画を利用者が受け入れない場合は、工程S260に戻り、利用者の入力を受けることを繰り返す。
【0048】
本発明の別の実施例によれば、既定の規則に基づいて、行動計画の助言を利用者の予定に加えるかどうかを決めてもよい。この既定の規則は、行動計画の助言を受け入れるかどうかについての、利用者が入力した承認情報を含んでもよい。又は、この既定の規則は、利用者の個人的な生理的健康特性により設定された、承認情報を含んでもよい。
【0049】
例えば、行動計画の助言の部分の各々を取得し、それを利用者に提示し、この助言を受け入れるかどうか、利用者の入力を促す。代わりに、利用者は、事前に規則を決めておいてもよい。この規則は個人的な生理的健康特性に基づき、行動計画についての助言を受け入れるかどうかについての応答を自動的に行う。例えば、利用者は、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度及び血圧のデータに関する行動計画の助言を全て自動的に受け入れてもよい。他方、それ以外の生理的健康データに関する行動計画の助言に関しては、利用者に提示し、その助言を受け入れるかどうかについて、利用者の判断を促す機会を与えてもよい。
【0050】
図3は、本発明の実施例による、動的な予定を立てるための装置の表示インターフェースの概略図である。
【0051】
領域310は、現在時を示す。
【0052】
領域320は、当日の現在時における、利用者の行動計画を示す。
【0053】
領域332は、「81」を赤字で示している。赤字は図面では表現していない。この表示は、利用者の現在の脈拍は一分間あたり81回であることを示している。これは、現在の脈拍は、脈拍の正常なデータ範囲よりも高いことを意味する。領域334は、「70〜80」を示している。これが、脈拍の値の正常なデータの範囲を示している。
【0054】
領域342は、「90/150」を赤字で示している。赤字は図面では表現していない。この表示は、利用者の血圧の現在の値は下が90上が150であることを示している。これは、現在の血圧の値は、血圧の値の正常なデータ範囲よりも高いことを意味する。領域344は、「84/142」を示している。これが、血圧の値の正常なデータの範囲を示している。
【0055】
領域352は、「37.0」を表示している。この表示は、利用者の体温が37.0度であることを示している。領域354は、体温の値の正常なデータの範囲を示している。また、医療関係者が、体温の現時点のデータを要求してもよいことも示している。
【0056】
領域362は、「96%」を示している。この表示は、利用者の経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度の値は、96%であることを示している。領域364は、「>94%」を示している。これが、経皮的動脈血酸素飽和度の血中酸素濃度の値の正常なデータの範囲を示している。従って、現在の利用者の値は、正常なデータの範囲にある。
【0057】
領域372は、「50db」を示している。この表示は、利用者がいる環境における雑音の値は、50dbであることを示している。領域374は、「40db〜60db」を示している。これが、環境の雑音の正常なデータの範囲を示している。従って、現在の環境の雑音の値は、正常なデータの範囲にある。
【0058】
領域382は、「35%」を示している。この表示は、利用者がいる環境における相対湿度の値は、35%であることを示している。領域384は、「30%〜40%」を示している。これが、環境の相対湿度の正常なデータの範囲を示している。従って、現在の環境の相対湿度の値は、正常なデータの範囲にある。
【0059】
本発明の実施例によれば、正常範囲を示している前述の領域である334、344、354、及び364を用いて、生理的健康データの指標の複数の異なるデータの範囲を表示してもよい。この複数の異なるデータの範囲は、異なる健康段階及び安全段階に対応してもよい。例えば、複数の安全段階とは、通常、注意、危険、等である。
【0060】
本発明の実施例によれば、領域320に表示する行動計画を、利用者の実時間の生理的健康データに従って、調整してもよい。例えば、図3に示す通り、現在の時刻は9:53である。ここから判るのは、測定してみたら、利用者の心拍の値は81であり、血圧は90/150であることである。心拍も血圧も正常なデータの範囲を外れて高い。ところで、現在時の行動計画によれば、利用者は、10:00〜11:00に、友人を訪ねようとしている。すると、予定を立てる装置は、新しい行動計画を立ててもよい。この新しい行動計画は、利用者の生理的データの現在の指標に合致するものである。例えば、休むまたは散歩に行くという行動計画を立ててもよい。これにより、元の行動計画を置き代える。友人を訪ねるという元の行動計画は、現在の生理的データの指標に適していないからである。
【0061】
本発明の別の実施例によれば、予定を立てる装置は、利用者の生理的データの指標に従って新しい行動計画を立ててもよい。また、予定を立てる装置は、その新しい行動計画を利用者に推薦してもよい。利用者が承認を与えると、この装置は、元の行動計画を、新しく作った行動計画で置きかえる。
【0062】
当業者は、本願に開示した予定を立てるための方法及び装置は、本願発明の内容から離れること無しに、様々な改良を行ってもよいことを理解する必要がある。従って、本発明の保護の範囲は、添付の特許請求の範囲の内容が定める。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の実施例による、動的な予定を立てるための装置の概略図である。
【図2−I】本発明の別の実施例による、動的な予定を立てるための方法の流れ図の前半である。
【図2−II】本発明の別の実施例による、動的な予定を立てるための方法の流れ図の後半である。
【図3】本発明の実施例による、動的な予定を立てるための装置の表示インターフェースの概略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予定を立てるための方法であって、前記予定は、利用者の行動計画のために用いられ:
(a)前記利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得する工程;
(b)前記少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、前記行動計画についての助言を生成する工程;及び
(c)前記行動計画を、前記予定に、既定の規則によって加える工程;
を含む方法。
【請求項2】
前記既定の規則は、前記利用者により入力された承認情報である、請求項1による方法。
【請求項3】
前記既定の規則は、前記利用者の個人的な生理的健康特性により設定された承認情報である、請求項1による方法。
【請求項4】
前記利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを測定する工程を更に含み、前記(a)の工程は、前記少なくとも1つの測定された生理的健康状態データを取得する工程を含む、請求項1による方法。
【請求項5】
前記利用者の少なくとも1つの環境状態データを測定する工程を更に含み、前記(b)の工程は、前記少なくとも1つの生理的健康状態データ、及び、前記環境状態データにより、前記行動計画についての助言を生成する工程を含む、請求項1による方法。
【請求項6】
前記(b)の工程は:
前記生理的健康状態データは、参照データ範囲の内側にあるか否かを判断する工程;及び
前記判断の結果に基づき、前記行動計画についての助言を生成する工程;
を含む、請求項1による方法。
【請求項7】
前記行動計画についての前記助言を前記利用者に提示する工程を更に含む、請求項1による方法。
【請求項8】
予定を立てるための装置であって、前記予定は、利用者の行動計画のために用いられ:
(a)前記利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得するための取得手段;
(b)前記少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、前記行動計画についての助言を生成するための分析手段;及び
(c)前記行動計画を、前記予定に、既定の規則によって加えるための生成手段;
を含む装置。
【請求項9】
前記既定の規則は、前記利用者により入力された承認情報である、請求項8による装置。
【請求項10】
前記既定の規則は、前記利用者の個人的な生理的健康特性により設定された承認情報である、請求項8による装置。
【請求項11】
前記利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを測定するための生理的測定手段を更に含み、前記取得手段は、前記少なくとも1つの測定された生理的健康状態データを取得するために用いられる、請求項8による装置。
【請求項12】
前記取得手段は、前記利用者の少なくとも1つの環境状態データを取得するために更に用いられ、前記分析手段は、前記少なくとも1つの生理的健康状態データ、及び、前記環境状態データにより、前記行動計画についての助言を生成するために用いられる、請求項8による装置。
【請求項13】
前記行動計画についての前記助言を前記利用者に提示するための提示手段を更に含む、請求項8による装置。
【請求項14】
予定を立てるための計算機プログラムであって:
利用者の少なくとも1つの生理的健康状態データを取得するための命令;
前記少なくとも1つの生理的健康状態データに基づいて、行動計画についての助言を生成するための命令;及び
前記行動計画を、前記予定に、既定の規則によって加えるための命令;
を含む計算機プログラム。

【図1】
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【図2−I】
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【図2−II】
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【図3】
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【公表番号】特表2009−542287(P2009−542287A)
【公表日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−517537(P2009−517537)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【国際出願番号】PCT/IB2007/052441
【国際公開番号】WO2008/001295
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】