説明

予約による入出庫方法及び装置

【課題】 複数の機械式駐車装置の最も早く入庫できるところを予約して素早く入庫できるようにし、出庫予約でスムーズに出庫できるようにする。
【解決手段】 複数の機械式駐車装置13A,13B,13Cを並べて設置する。各機械式駐車装置13A,13B,13Cに入出庫させるための車路14の出入口15に、入庫予約用リモコン受信盤32を設置し、車路14の奥側正面に各機械式駐車装置に対応する入庫予約表示器23A,23B,23Cを設ける。エントランスホール24に、出庫予約用リモコン受信盤29と出庫予約表示器28A,28B,28Cを設ける。各機械式駐車装置13A,13B,13Cの管理盤18に、入庫予約された利用者のID番号が予め入力されている全利用者のID番号と照合して一致すると、機械側の予約運転を開始させ且つ入庫予約表示器23A,23B,23Cへの表示を行わせる制御部19が備えてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械式駐車装置に入庫予約して入庫させたり、出庫予約して出庫させるようにする予約による入出庫方法及び装置に関するもので、詳しくは、複数ある機械式駐車装置を1つの駐車場として管理して空いているところへ予約して入庫したり、予約して出庫させるようにする予約による入出庫方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地上の空間部を有効に利用して多数の車両を順次収容して管理するようにしてある立体駐車場は、マンション等の集合住宅や、デパート、遊技場等の施設に付属させて設けられている場合が多い。
【0003】
従来のこのような立体駐車場は、一般的に地上1階の如き低い位置にある入出庫口から高所位置へ収容させるようにするために、立体循環式としてあるエレベータ方式、タワーパーキング方式等の機械式駐車装置が採用されている。
【0004】
上記の如き各施設に付属させて設けられている機械式駐車装置のうち、たとえば、マンション等の集合住宅に設けられている機械式駐車装置や、かかる集合住宅に限らず、テナント向けとしての機械式駐車装置の如き利用者を特定している機械式駐車装置の場合は、ほとんどの場合、駐車場利用者はその駐車装置の利用契約を結んでいる者であり、契約者以外の者の利用ができないものとして管理されている。
【0005】
このように、利用者が契約している機械式駐車装置へ入出庫しようとする場合には、契約者以外の者が利用できないようにするための対策が従来よりなされて来ており、契約者であるか否かの確認が行われるようにしてある。
【0006】
図5はその一例を示すもので、契約者の暗証番号を記憶してこれを発信できるようにしてあって且つ持ち運び可能な大きさの発信機(リモコン)1を、1つの機械式駐車装置2への利用を契約している者に応じて複数台用意しておいて、利用者(契約者)に予め渡しておくようにしてある。一方、契約している機械式駐車装置2の入出庫口には、入出庫扉3の庇の下等、入出庫扉3の近傍に、受信機4と、在庫センサ5を設置し、更に、上記入出庫扉3の近傍に操作盤6が設置してある。操作盤6は、制御装置(たとえば、マイコン又はPC)が内臓されていて、予め決められた暗証番号を記憶する暗証番号メモリ7と駐車中の車両の暗証番号と駐車パレット番号を記憶する駐車番号メモリ8と操作ボタン9を備えている。10は車両である。
【0007】
契約者が、契約している機械式駐車装置2に車両を入庫させようとするときは、先ず、入出庫扉3の前で車両10を停止する。このとき入出庫扉3が閉じている場合は、所持している発信機(リモコン)1のボタンを押して暗証番号を発信する。発信された暗証番号は、受信機4で受信されて操作盤6に入力されるようにしてある。操作盤6に入力された暗証番号は、暗証番号メモリ7に記憶されている暗証番号と照合され、一致すると、機械側へ運転動作が指令され、空パレットが入出庫位置まで移動させられて着床される。着床後に入出庫扉3が開いて入庫状態となるようにしてある。契約者は、車両10を入庫し、入庫後、車両10から降りて入出庫口の前まで退出し、操作盤6の操作ボタン9を押して入出庫扉3を閉じる。入出庫扉3が閉じると、入庫した車両の暗証番号、駐車パレット番号が操作盤6の駐車番号メモリ8に記憶され、入庫が完了するようにしてある。
【0008】
又、出庫させる場合は、利用者(契約者)が機械式駐車装置2の前に来て、入出庫扉3が閉じているときは発信機(リモコン)1のボタン操作で暗証番号を押す。発信機1で発信された暗証番号が受信機4に受信されて操作盤6に入力されると、入力された暗証番号と駐車番号メモリ8の暗証番号と照合される。照合の結果、これが一致した場合には、自動運転を開始して対応する車両が載っている実車パレットを入出庫位置まで移動させる。
入出庫位置で実車パレットが着床すると、入出庫扉3が開き、出庫状態となる。利用者は入室し車両10に乗り、車両10を出庫させる。出庫後、操作盤6の操作ボタン9を押して入出庫扉3を閉じるようにしてある(たとえば、特許文献1参照)。
【0009】
又、上記のように暗証番号を発信して入出庫を行わせる方式に代えて、契約者の指紋を照合して機械式駐車装置への入出庫を行わせるようにするものも、従来提案されている。
【0010】
図6(イ)(ロ)はその概要を示すもので、図5に示した場合と同様に、機械式駐車装置2の入出庫扉3の庇の下等、入出庫扉3の近傍に在庫センサ5及び操作盤6を備え、操作盤6には、制御装置(たとえば、マイコン又はPC)が内蔵されており、指紋記憶メモリ11、駐車番号メモリ8、指紋入力装置12が備えてある。上記指紋入力装置12は、図6(ロ)に示す如く、指を接触させて指紋を認識する指紋認識部12aと、登録・設定用のテンキー12bと、非常停止用の非常停止釦12c、安全確認釦12d、スタート釦12e、及び完了/扉閉釦12fの各入力装置と、登録設定用のLCD12g、エラ、NG、OKを表示するLED列12hの表示装置とを備えた構成としてある。
【0011】
この装置を用いて契約者が機械式駐車装置2へ車両を入出庫させようとするときは、車両10を図5のように入出庫扉3の前側に停車させ、入出庫扉3が閉じている場合は、車の中から又は車から一旦降りてから操作盤6の指紋入力装置12の指紋認識部12aに契約者が指を接触させ、スタート釦12eを押して指紋を入力させるようにする。これにより、入力された指紋と指紋記憶メモリ11内の指紋との照合が操作盤6の制御装置で行われ、一致すると、自動運転を開始して空パレットが入出庫位置まで移動させられる。入出庫位置に空パレットが着床させられると、入出庫扉3が開き、入庫できる状態になると、車両10を入庫させるようにしてある。入庫後は、利用者が車両10から降りて退室し、操作盤6の指紋入力装置12の完了/扉閉釦12fを押して入出庫扉3を閉じるようにしてある。機械側では、駐車した車両に対応する指紋グループと駐車パレット番号を駐車番号メモリ8に記憶して入庫動作が完了するようにしてある。
【0012】
又、出庫させる場合は、機械式駐車装置2の入出庫扉3が閉じていると、操作盤6の指紋入力装置12で契約者の指紋を入力する。機械側では、入力された指紋と駐車番号メモリ8内の指紋グループの指紋とを照合し、一致する場合は、自動運転を開始して対応する車両が載っている実車パレットが入出庫位置まで移動させられ、着床後に入出庫扉3が開いて出庫状態となるようにしてある。契約者はこの状態で入室して車両に乗り、出庫させる。出庫後に、操作盤6の完了/扉閉釦12fを押して入出庫扉3を閉じ、出庫動作を完了させるようにしてある(たとえば、特許文献2参照)。
【0013】
【特許文献1】特開2002−194914号公報
【特許文献2】特開2002−194911号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
上記特許文献1に記載されているように、暗証番号を入力して車両の入出庫を行わせるようにしたものも、又、指紋の入力により車両の入出庫を行わせるようにしたものも、ともに1つの機械式駐車装置に対する利用者を特定することができて、機械側では自動運転をさせるようにしてあるため、契約者は、自己の暗証番号や指紋を操作盤に入力させることにより、自動的に入出庫位置に移動して着床した空パレットに載せて入庫させることができると共に、入出庫位置に移動して着床した実車パレット上の車両を出庫させることができて、円滑に入出庫操作を行わせることができる。
【0015】
ところが、上記特許文献1に記載されたものや特許文献2に記載されたものは、機械式駐車装置が、たとえば、1号機、2号機、3号機の如く複数基設置されている場合に、たとえば、1号機に収容できる車両台数分の利用者が1号機を利用する契約をし、2号機には、別の利用者が契約し、3号機には、更に別の利用者が契約するというように各機械式駐車装置別に契約者を定めているものである。そのため、たとえば、機械式駐車装置の1号機の契約者が入庫しようとして当該機械式駐車装置の前に来たとき、先に入庫しようとして待機中の車両があったり、出庫動作中であった場合には、入庫待機中の車両が先に入庫し終るまで入庫操作できなかったり、出庫し終るまで入庫できないので、更にその手前位置に待機していなければならないという事態が考えられる。
【0016】
又、出庫しようとして機械式駐車装置の入出庫装置3の前に来たとき、先に出庫しようとして発信機で暗証番号を発信している利用者が居ると、その者が出庫し終るまで待たなければならないという事態も考えられる。
【0017】
そこで、本発明は、契約者が入出庫に際して待ち時間をより少なくなるようにして、より円滑な入出庫ができるようにしようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、上記課題を解決するために、複数の機械式駐車装置を1つの駐車場として収容可能な全パレットを一括管理する管理盤に、利用者毎の車両番号又は部屋番号の如きID番号を予め入力して記憶させておき、利用者毎のID番号が入力されているリモコンで入庫予約をして予約が確定すると、入庫可能な機械式駐車装置の予約運転開始と入庫予約表示を行わせ、入庫予約された機械式駐車装置の入出庫扉が開いた後に入庫させるようにし、リモコンで出庫予約をして予約が確定すると、出庫する機械式駐車装置の予約運転開始と出庫予約表示を行わせ、出庫予約された機械式駐車装置の入出庫扉が開いた後に運転者が入室して出庫させるようにする方法と、該方法を実施するための複数の機械式駐車装置を1つの駐車場として、利用者の車両番号又は部屋番号の如きID番号を入力したリモコンからの信号を受信する入庫用と出庫用のリモコン受信盤と、各機械式駐車装置に対応させた入庫予約表示器と出庫予約表示器をそれぞれ所要位置に設置すると共に、各機械式駐車装置の入出庫扉の近傍位置に入出庫扉の閉釦を有する操作盤を備え、更に、上記各機械式駐車装置の利用者の上記ID番号を予め入力しておいて各機械式駐車装置の収容可能な全パレットに割り当てるようにして一括管理すると共に、上記入庫用、出庫用のリモコン受信盤から入力される利用者のID番号とを照合して一致すると機械側に予約運転指令、上記入庫予約表示器と出庫予約表示器への表示指令を発するようにしてある管理盤を備えてなる構成を有する装置とする。
【0019】
又、上記装置において、入庫予約用リモコン受信盤を駐車場出入口に設けると共に、出庫予約用リモコン受信盤と出庫予約表示器をエントランスホールに設け、入庫予約表示器を各機械式駐車装置への車路から見える位置に設置するようにする。
【0020】
更に、上記方法及び装置において、リモコンで出庫予約をすることに代えて、管理盤に利用者の暗証番号を予め入力して記憶させておいて、暗証番号を入力して出庫予約をするようにする方法及び装置としてもよい。
【発明の効果】
【0021】
本発明の予約による入出庫方法及び装置によれば、次の如き優れた効果を奏し得る。 (1)複数の機械式駐車装置を1つの駐車場として収容可能な全パレットを一括管理する管理盤に、利用者毎の車両番号又は部屋番号の如きID番号を予め入力して記憶させておき、利用者毎のID番号が入力されているリモコンで入庫予約をして予約が確定すると、入庫可能な機械式駐車装置の予約運転開始と入庫予約表示を行わせ、入庫予約された機械式駐車装置の入出庫扉が開いた後に入庫させるようにし、リモコンで出庫予約をして予約が確定すると、出庫する機械式駐車装置の予約運転開始と出庫予約表示を行わせ、出庫予約された機械式駐車装置の入出庫扉が開いた後に運転者が入室して出庫させるようにする方法及び装置としてあるので、複数の機械式駐車装置のすべてのパレットを一括管理して空いているパレットが把握されているため、入庫の予約をすると、入庫中、出庫中の機械式駐車装置以外の空いている別の機械式駐車装置を予約することができて、予約表示されると同時に予約運転が行われる。そのため、表示に従い移動して入庫予約の機械式駐車装置に素早く入庫させることができ、入庫のための待ち時間を短縮させることができる。 (2)出庫の際も出庫予約をすることにより、複数の機械式駐車装置のうちの出庫車が収容されている機械式駐車装置と収容個所の表示が行われるので、入庫した利用者以外の家族の者でも表示された機械式駐車装置のところで待機して出庫させることができ、スムーズな出庫を行わせることができる。
(3)入庫予約用リモコン受信盤を駐車場出入口に設置し、入庫予約が確定すると車路から見えるところに入庫予約表示されるようにし、又、出庫予約用リモコン受信盤と出庫予約表示器を駐車場のエントランスホールに設置した構成とすることにより、入庫予約を出入口で行うことができて、予約確定で表示される入庫予約表示に従い入庫できる機械式駐車装置の前まで進入することができ、直ちに入庫させることができる。又、出庫予約をエントランスホールで行うことにより、その都度機械式駐車装置の前で出庫予約をする必要がなく、しかも、出庫予約が確定すると、エントランスホールに設置されている出庫予約表示器で複数の機械式駐車装置の1つが表示されるので、その機械式駐車装置の前で待機することができる。
(4)リモコンで出庫予約をすることに代えて、管理盤に利用者の車両の暗証番号を予め入力させ、車両の暗証番号を打ち込んで入力して出庫予約をするようにすれば、リモコンを忘れた場合やリモコンを所持していない者でも出庫させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面を参照して説明する。
【0023】
図1及び図2は本発明の実施の一形態として、複数、たとえば、3つの機械式駐車装置13A,13B,13CがA号機、B号機、C号機として並設してあり、該各機械式駐車装置13A,13B,13Cへ入出庫させるため車両を走行させる車路14が一番奥の駐車装置13Cの前まで設けられ、駐車場出入口15から入った車両を各機械式駐車装置13A,13B,13Cへ入庫できるように車路14を走行でき、又、各機械式駐車装置13A,13B,13Cから出庫された車両を車路14を走行させて出入口15へ導くことができるようにしてある立体駐車場設備において、利用者が出入口15部で入庫予約をすると、いずれかの機械式駐車装置13A又は13B又は13Cの空パレットが予約されて表示されると同時に機械側で入庫動作が行われるようにして、素早く入庫を行うことができるようにする。又、出庫予約をすると、出庫表示と出庫動作が行われるようにし、入出庫がスムーズに行われるようにする。
【0024】
詳述すると、エレベータ方式又はタワーパーキング方式等の如き機械式駐車装置13A,13B,13Cが、図1に示す如く横方向に設置されていて、各機械式駐車装置13A,13B,13Cには、前面側に入出庫口を開閉する入出庫扉16が開閉可能に装備されている。各機械式駐車装置13A,13B,13Cには、制御装置17が装備されていて、入出庫位置に空パレット又は実車パレットが着床すると、入出庫扉16が開き、入出庫扉16が閉じ終り扉閉を検知する図示しないセンサが作動すると、制御装置17からの指令により機械側が自動運転して実車パレットを所定位置に格納したり、空パレットを所定位置まで移動させることができるようにしてある。
【0025】
本発明は、かかる構成としてある立体駐車設備における各機械式駐車装置13A,13B,13Cを1つの駐車場として一括管理するようにする。そのための管理盤18を備える。管理盤18には、3つの機械式駐車装置13A,13B,13Cの全収容可能なパレットの数に応じた利用者(駐車場の利用契約を締結した利用者)を特定するID番号(たとえば、車両番号又は部屋番号)が管理者により予め入力されて記憶し管理するようにしてあり、利用者からID番号が入力されると、照合して指令が出力されるようにしてある。そのため、図2に示す如く、管理盤18は、利用者のID番号を記憶させて各機械式駐車装置13A,13B,13Cの全収容可能なパレットに割り当てて実車パレット、空パレットを記憶するようにしてある機能と、予約で入力されたID番号と上記記憶部に記憶されている利用者のID番号とを照合して一致すると、後述する入庫や出庫の予約表示器等や、予約された機械側の制御装置17、あるいは後述する入口側ゲート開閉駆動部に信号を送るようにした機能を有する制御部19を備えた構成としてある。
【0026】
図1に示す各機械式駐車装置13A,13B,13Cの前面の入出庫扉16の近傍位置には、入出庫に支障を来たすことがないように、入庫予約を表示する入庫予約表示器である入庫案内灯20と、入出庫扉16の完了/扉閉釦を有する操作盤21をそれぞれ設置する。又、車路14の一番奥の突き当りとなる正面の壁部22には、上記各駐車装置13A,13B,13Cに対応させてある入庫予約表示器23A,23B,23Cと回転灯(図示せず)を設置し、入庫予約が行われて制御部19で照合され一致すると、制御部19か
らの指令により予約されたいずれかの機械式駐車装置13A又は13B又は13Cの前側の入庫案内灯20が点灯すると共に、対応する車路突き当りの入庫予約表示器23A又は23B又は23Cに、利用者のID番号と予約された駐車装置の予約パレットの番号が表示されると同時に回転灯が回転して入庫すべき機械式駐車装置を表示させるようにしてある。
【0027】
又、図1において、出入口15に最も近いところにあるA号機としての機械式駐車装置13Aの側部には、所要広さのエントランスホール24を設けて、出庫時にエントランスホール24に出入りできるように両端部に出入口25,26を設け、外部から出入口25を通ってエントランスホール24に入り、出入口26から駐車場内へ入れるようにする。
上記エントランスホール24との境界部となる機械式駐車装置13Aの側壁部27には、本実施の形態に合わせて3つの機械式駐車装置13A,13B,13Cに対応させた出庫予約表示器28A,28B,28Cと、出庫予約用リモコン受信盤29と、リモコン操作によらないで手動で出庫予約を行うときに用いる出庫予約操作盤30とを設置する。
【0028】
更に、上記車路14の出入口15側の位置には、入庫側車路14aと出庫側車路14bとを仕切る中央分離部31を設けて、該中央分離部31に、入庫予約用リモコン受信盤32を設置すると共に、入口側ゲート33と出口側ゲート34の開閉駆動部35,36を設け、入口側ゲート33は、入庫予約が確定したとき管理盤18の制御部19からの指令で開閉駆動部35が駆動して開き、出口側ゲート34は、出庫側車路14bに設置したループコイル37で出庫する車両を検出すると開くようにしてある。
【0029】
一方、利用者(契約者)には、それぞれに対して1台のリモコン(発信機)が渡され、利用者毎に自身を特定するためのID番号(たとえば、車両番号又は部屋番号)が入力されており、入庫時にリモコン操作すると、入庫予約用リモコン受信盤32で受信されてから管理盤18の制御部19へ入力されるようにしてある。同様に出庫時にリモコン操作すると、出庫予約用リモコン受信盤29で受信されてから管理盤18の制御部19へ入力されるようにしてある。
【0030】
図3は入庫時、図4は出庫時のそれぞれの制御フローを示すもので、入庫の場合は、図3に示す如く、利用者の車両を道路から駐車場入口へ進入させる(ステップ1:S1)。
次いで、リモコン入力して入庫予約をし、入庫予約が確定する(ステップ2:S2)と、機械側で予約運転開始と同時に入庫予約表示器23A,23B,23Cのいずれかと予約号機前の入庫案内灯20が点灯する(ステップ3a:S3a)。又、上記ステップ2により入口側ゲート開となるので利用者は車路14に進入する(ステップ3b:S3b)。利用者は駐車場の入庫予約表示器23A又は23B又は23Cの表示に従い入庫案内灯20が点灯している号機前に進入し(ステップ4:S4)、入庫待機する(ステップ5:S5)。一方、機械側では、ステップ3aの予約運転開始により自動運転で入庫用の空パレットが乗り込み階へ移動し(ステップ6:S6)、乗り込み階の入出庫位置に到着して着床すると入出庫扉が開く(ステップ7:S7)。次に、入庫する(ステップ8:S8)と、運転者が車から降りて退出し(ステップ9:S9)、操作盤21の完了/扉閉釦を押して入出庫扉16を閉じ(ステップ10:S10)て、入庫作業を終了するようにする。
【0031】
一方、出庫の場合は、図4に示す如く、利用者がエントランスホール24へ行き(ステップ11:S11)、リモコン入力又は予約操作盤30にて暗証番号を入力して出庫予約をし、出庫予約が確定する(ステップ12:S12)と、機械側で予約運転開始と同時に出庫予約表示器28A又は28B又は28Cが点灯する(ステップ13:S13)。利用者側では、出庫予約表示器の表示に従って所定号機の前で待機する(ステップ14:S14)。一方、機械側では、上記ステップ13の予約運転開始により自動的に出庫車が乗り込み階へ移動し(ステップ15:S15)、乗り込み階の入出庫位置に到着して着床すると入出庫扉16が開く(ステップ16:S16)。次に、運転者が入室して乗車し出庫する(ステップ17:S17)と、一時停止し(ステップ18:S18)、操作盤21の完了/扉閉釦を押して入出庫扉16を閉じ(ステップ19:S19)て、出庫作業を終了するようにする。
【0032】
上記構成としてあるので、A号機、B号機、C号機の機械式駐車装置13A,13B,13Cを1つの駐車場として契約している利用者が、入庫のため駐車場の出入口の入口側ゲート33の前まで進入して来ると、所持しているリモコンを操作する。リモコンには、駐車場全体を管理する管理盤18に予め入力されている利用者(契約者)毎のID番号として、たとえば、車両番号又は部屋番号と同じものが入力されているので、利用者に与えられているリモコンの釦を押して操作すると、入庫予約用リモコン受信盤32で受信されて管理盤18の制御部19へ入力される。制御部19では、入力された信号と予め入力されて記憶されている信号(利用者のID番号)と照合される。
【0033】
上記管理盤18の制御部19に予め入力されている全利用者のID番号は、全機械式駐車装置13A,13B,13Cの全収容可能なパレットに割り当てられているので、上記制御部19で照合して一致すると、すぐに入庫できるところの機械式駐車装置の号機、たとえば、A号機としての機械式駐車装置13Aが予約され、予約が確定すると、当該機械式駐車装置13Aの制御装置17に動作指令が管理盤18から発せられて予約運転が開始されると同時に、駐車場内では、車路14の奥側正面のA号機(13A)に対応する入庫予約表示器23Aの点灯と何番パレットであるかの表示が行われ、回転灯が作動し始めると共に、A号機の駐車装置13Aの前にある入庫案内灯20が点灯して入庫すべき号機の表示が行われ、且つ入口側ゲート33が開けられる。
【0034】
上記入庫予約において、機械式駐車装置のA号機、B号機、C号機のうち、或る号機は入庫中、他の号機は出庫中のように、入庫や出庫の予約がされている号機とこのような予約がされていない号機があるときは、予約がされていない号機の駐車装置13A又は13B又は13Cが優先して予約されるようにしてある。
【0035】
上記の例のように、A号機の機械式駐車装置13Aへの入庫が予約されて入庫予約表示器23Aによる表示と入庫案内灯20が点灯され、入口側ゲート33が開けられると、利用者は入口側ゲート33の位置を通過した後、車両を入庫側車路14aから車路14に進入し、入庫予約表示器23Aによる表示に従い且つ点灯している入庫案内灯20のあるA号機の機械式駐車装置13Aの前へ進入して待機する。入口側ゲート33は車両通過後閉じられる。一方、上記A号機の機械式駐車装置13Aでは、予約確定と同時に予約運転が行われているので、利用者が車両を入庫すべきA号機の前へ進入する間に、入庫用パレットの乗り入れ階への移動が自動的に行われていて、入庫用パレットが入出庫位置に到着させられ、着床させられる。着床すると、入出庫扉16が開放され、直ちに入庫させることができる。
【0036】
入庫後は、運転者が車から降りて駐車装置外へ退出し、安全を確認してから操作盤21の完了/扉閉釦を押し、入出庫扉16を閉じさせる。入出庫扉16が閉じ終ると、図示しないセンサからの信号により機械側が自動運転して、所定位置に車両を収納させるようにする。
【0037】
次に、出庫する場合には、利用者がエントランスホール24へ入り、リモコン操作すると、出庫予約用リモコン受信盤29で受信されて管理盤18の制御部19へ入力される。
制御部19へ入力された信号は、予め入力されて記憶されている信号と照合され、一致すると、出庫予約がなされ、管理盤18から出庫予約された機械式駐車装置の号機の制御装置17に指令が送られて出庫予約運転が開始される。説明の便宜上、たとえば、機械式駐車装置のA号機13Aに収容されている車両に出庫予約がされていると仮定すると、上記機械式駐車装置のA号機13Aに対応する出庫予約表示器28Aの点灯と何番パレットかが表示される。したがって、入庫手続きをした利用者以外の家族の者でもリモコンを操作することにより、どの号機の機械式駐車装置のどのパレットに入庫されているのかがわからなくても、出庫予約表示器28Aへの表示により車両収容号機を知ることができる。
【0038】
利用者は、上記A号機の出庫予約表示器28Aの表示に従ってA号機の機械式駐車装置13Aの前で待機する。一方、当該機械式駐車装置13Aでは自動的に出庫運転が行われていて、出庫車が乗り降り階まで移動しているので、該出庫車が乗り降り階の入出庫位置に到着して着床すると、入出庫扉16が開く。入出庫扉16が完全に開き終ると、運転者が入室して車に乗り出庫させる。駐車装置13Aの前に出ると、一時停止し、運転者が車から降り、安全を確認してから操作盤21の完了/扉閉釦を押し、入出庫扉16を閉じさせる。入出庫扉16が閉じ終ると、センサーからの信号により空パレットを所定位置まで移動させるようにする。
【0039】
出庫後、車両が車路14から出入口15へ達し、出口側ゲート34の前に来ると、出庫側車路14bにあるループコイル37に乗ることにより出口側ゲート34が開かれる。
【0040】
上記の実施の形態は、リモコン操作で入出庫を行わせる場合であるが、出庫時に、リモコン操作によることなく、利用者の暗証番号を入力しても出庫予約して出庫させるようにすることもできる。
【0041】
この場合は、管理盤18に予め利用者毎に付与されている車の暗証番号(4桁)を入力して記憶させておくようにする。これにより、出庫時にエントランスホール24で予約操作盤30に、車の暗証番号4桁を打ち込むと、その暗証番号が管理盤18に入力されて、予め入力されて記憶されている暗証番号と照合される。照合の結果、一致すると、出庫予約が行われて機械側で出庫予約運転が開始されると同時に、所定の機械式駐車装置の号機に対応する出庫予約表示器28A,28B,28Cのいずれかが点灯すると共に、収容されているパレットの位置が表示される。以下、前記した出庫動作と同様の動作が行われて出庫される。
【0042】
なお、本発明は上述した実施の形態にのみ限定されるものではなく、たとえば、図1では、機械式駐車装置のA号機13A、B号機13B、C号機13Cを1つの駐車場として一括管理する場合を示したが、更に多くの号機を一括管理するようにしてもよい。又、図1では、各機械式駐車装置の入出庫口が地上1階となるものについて示してあるが、入出庫口が地下1階の部分となるようにしてもよい。この場合は、地上の出入口15部分から地下1階の車路14に連絡するように入口側及び出口側の車路を形成するようにすると共に、エントランスホール24も地下1階の部分に設けるようにして、該エントランスホール24へはエレベータ又は階段を利用するようにしてもよい。
【0043】
更に、入口側ゲート33及び出口側ゲート34はないものでもよく、又、入口側ゲート33のないものでは、出入口15部分に入庫予約用リモコン受信盤32を設け、エントランスホール24に出庫予約用リモコン受信盤29を設けることに代えて、図1に示す如く、任意の機械式駐車装置(図1ではB号機の機械式駐車装置13B)の入出庫扉16近傍位置に、入出庫予約用リモコン受信盤38を設置して、機械式駐車装置の前でリモコン操作することにより、入庫予約、出庫予約できるようにすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の一形態を示す概略平面図である。
【図2】本発明の入出庫方法及び装置における制御ブロック図である。
【図3】本発明による入庫の制御フロー図である。
【図4】本発明による出庫の制御フロー図である。
【図5】従来のリモコン操作による入出庫装置の模式図である。
【図6】従来の指紋認識による入出庫装置を示すもので、(イ)は模式図、(ロ)は指紋入力装置の模式図である。
【符号の説明】
【0045】
13A,13B,13C 機械式駐車装置
14 車路
15 出入口
16 入出庫扉
17 制御装置
18 管理盤
19 制御部
20 入庫表示灯
21 操作盤
23A,23B,23C 入庫予約表示器
24 エントランスホール
28A,28B,28C 出庫予約表示器
29 出庫予約用リモコン受信盤
30 予約操作盤
32 入庫予約用リモコン受信盤
38 入出庫予約用リモコン受信盤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の機械式駐車装置を1つの駐車場として収容可能な全パレットを一括管理する管理盤に、利用者毎の車両番号又は部屋番号の如きID番号を予め入力して記憶させておき、利用者毎のID番号が入力されているリモコンで入庫予約をして予約が確定すると、入庫可能な機械式駐車装置の予約運転開始と入庫予約表示を行わせ、入庫予約された機械式駐車装置の入出庫扉が開いた後に入庫させるようにし、リモコンで出庫予約をして予約が確定すると、出庫する機械式駐車装置の予約運転開始と出庫予約表示を行わせ、出庫予約された機械式駐車装置の入出庫扉が開いた後に運転者が入室して出庫させるようにすることを特徴とする予約による入出庫方法。
【請求項2】
リモコンで出庫予約をすることに代えて、管理盤に利用者の車両の暗証番号を予め入力して記憶させておいて、車両の暗証番号を入力して出庫予約をするようにする請求項1記載の予約による入出庫方法。
【請求項3】
複数の機械式駐車装置を1つの駐車場として、利用者の車両番号又は部屋番号の如きID番号を入力したリモコンからの信号を受信する入庫用と出庫用のリモコン受信盤と、各機械式駐車装置に対応させた入庫予約表示器と出庫予約表示器をそれぞれ所要位置に設置すると共に、各機械式駐車装置の入出庫扉の近傍位置に入出庫扉の閉釦を有する操作盤を備え、更に、上記各機械式駐車装置の利用者の上記ID番号を予め入力しておいて各機械式駐車装置の収容可能な全パレットに割り当てるようにして一括管理すると共に、上記入庫用、出庫用のリモコン受信盤から入力される利用者のID番号とを照合して一致すると機械側に予約運転指令、上記入庫予約表示器と出庫予約表示器への表示指令を発するようにしてある管理盤を備えてなることを特徴とする予約による入出庫装置。
【請求項4】
入庫予約用リモコン受信盤を駐車場出入口に設けると共に、出庫予約用リモコン受信盤と出庫予約表示器をエントランスホールに設け、入庫予約表示器を各機械式駐車装置への車路から見える位置に設置した請求項3記載の予約による入出庫装置。
【請求項5】
車両の暗証番号を打ち込んで入力するようにした予約操作盤を設け、管理盤に各利用者の車両の暗証番号を予め入力して記憶しておくようにし、上記予約操作盤に車両の暗証番号を打ち込んで出庫予約できるようにした請求項3又は4記載の予約による入出庫装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2007−198046(P2007−198046A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19073(P2006−19073)
【出願日】平成18年1月27日(2006.1.27)
【出願人】(000198363)石川島運搬機械株式会社 (292)
【Fターム(参考)】