説明

予約録画システム、携帯端末装置、録画装置および動画コンテンツ処理方法

【課題】録画装置で録画した番組を、録画予約を行なった携帯端末装置で、時間場所を問わず、しかも安定した映像で再生することのできる技術を提供する。
【解決手段】携帯端末装置と録画装置とを備えた予約録画システムであって、前記携帯端末装置は、インターネットおよびLANに接続する通信手段と、動画コンテンツを格納する記憶手段と、インターネットを介して前記録画装置にテレビ番組の録画予約を行なう録画予約要求手段と、LANを介して前記録画装置に録画予約に係る動画コンテンツの取得要求を行なう動画コンテンツ取得要求手段とを備え、前記録画装置は、インターネットおよびLANに接続する通信手段と、前記携帯端末装置からの録画予約要求に係る動画コンテンツを、前記携帯端末装置で再生可能なフォーマットに変換する変換手段と、LANを介して前記携帯端末装置に、変換された前記動画コンテンツを送信する動画コンテンツ送信手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワークを介して録画装置にテレビ番組の録画予約を行なった携帯端末装置で、録画に係るコンテンツを再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話等の携帯端末装置から自宅の録画装置にインターネットを介して接続し、外出先からテレビ番組の録画予約を行なえる録画システムが実用化されている。また、録画装置で録画した番組を、録画予約を行なった携帯端末装置で視聴することも提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、携帯電話から録画予約を受け付けたサーバ装置が、予約に係る番組を録画し、携帯電話からの視聴要求に対して携帯電話に適したデータ形式に変換し、インターネット(電子ネットワーク)を介してストリーム形式で携帯電話に送信することで、録画予約した番組を自宅に戻らなくても視聴できる技術が開示されている。
【0004】
【特許文献1】特開2003−339041号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された技術は、録画されたコンテンツがインターネットを介してストリーム形式で携帯端末装置に送られるため、再生に際しての時間と場所の自由度に制約が生じる。また、インターネットの通信経路の影響を受けやすく、安定した映像の再生が困難な場合が生じ得る。
【0006】
本発明は、録画装置で録画した番組を、録画予約を行なった携帯端末装置で、時間、場所を問わず、しかも安定した映像で再生することのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明では、所定のフォーマットの動画コンテンツを再生する携帯端末装置とテレビ番組の予約録画を行なう録画装置とを備えた予約録画システムにおいて、携帯端末装置は、インターネットを介して録画装置に録画予約を行なう。録画装置は、録画予約に係る動画コンテンツを携帯端末装置で再生可能なフォーマットに変換し、LANを介して携帯端末装置に送信する。このようにして、携帯端末装置にフォーマット変換済みの動画コンテンツが格納されることにより、携帯端末装置のユーザは、携帯端末装置を用いて、時間、場所を問わず、しかも安定した映像で予約録画した動画コンテンツを再生することができるようになる。
【0008】
より具体的には、
所定のフォーマットの動画コンテンツを再生する携帯端末装置とテレビ番組の予約録画を行なう録画装置とを備えた予約録画システムであって、
前記携帯端末装置は、
インターネットおよびLANに接続する通信手段と、
動画コンテンツを格納する記憶手段と、
インターネットを介して前記録画装置にテレビ番組の録画予約を行なう録画予約要求手段と、
LANを介して前記録画装置に録画予約に係る動画コンテンツの取得要求を行なう動画コンテンツ取得要求手段とを備え、
前記録画装置は、
インターネットおよびLANに接続する通信手段と、
前記携帯端末装置からの録画予約要求に係る動画コンテンツを、前記携帯端末装置で再生可能なフォーマットに変換する変換手段と、
LANを介して前記携帯端末装置に、変換された前記動画コンテンツを送信する動画コンテンツ送信手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、録画装置で録画した番組を、録画予約を行なった携帯端末装置で、時間、場所を問わず、しかも安定した映像で再生することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、本実施形態のシステム構成の一例を示す図である。本図に示すように、携帯端末装置30は、屋外(宅外)において、携帯端末装置用の基地局80を介してインターネット70に接続可能となっている。
【0012】
また、携帯端末装置30のユーザは、家庭内においていわゆるホームネットワーク60を構築している。ホームネットワーク60は、中継経路の制御を行なうルータ50と、ルータ50に接続された録画再生装置10、無線送受信装置55を備えており、ルータ50を介してインターネット70に接続している。そして、携帯端末装置30は、宅内において、無線送受信装置55を介してホームネットワーク60に加わることができるようになっている。
【0013】
なお、ホームネットワーク60は通信形態は有線無線を問わず、イーサネット(商標)、無線LAN(IEEE 802.11b)、Bluetooth(商標)、UWB(商標)等を用いることができる。無線送受信装置55は、携帯端末装置30がホームネットワーク60に参加する際の通信形態に応じた装置とすることができ、例えば、無線アクセスポイント、Bluetoothネットワークアダプタ等とすることができる。また、本発明はホームネットワークに限られず、LAN(Local Area Network)全般に適用することができる、
録画再生装置10は、いわゆるネットワーク情報家電の機能を備えたテレビ番組録画再生装置である。録画再生装置10は、例えば、ハードディスクレコーダ、AV機能を備えたパーソナルコンピュータ、ネットワーク対応のテレビ受信装置等を用いて構成することができる。録画再生装置10がテレビ番組を録画する媒体は、本実施形態では内蔵ハードディスク装置とするが、これに限られず、例えば、DVD、ブルーレイディスク、ビデオテープ等を用いるようにしてもよい。
【0014】
携帯端末装置30は、基地局80を介したインターネット接続機能と無線送受信装置55を用いたネットワーク接続機能とを備えた可搬型の情報処理装置である。また、携帯端末装置30は、動画コンテンツの再生機能および動画コンテンツを格納する記録媒体を備えている。携帯端末装置30が再生可能な動画コンテンツのデータフォーマットは、あらかじめ定められているものとする。
【0015】
携帯端末装置30は、例えば、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型パソコン、カーナビケーション装置等を用いて構成することができる。
【0016】
ホームネットワーク60内において、携帯端末装置30と録画再生装置10とルータ50とは、例えば、UPnPを実装しており、互いのデバイスの発見機能、デバイスが提供可能なサービスの通知機能、DHCPサーバがないネットワーク環境でも自動的にネットワークに参加することが可能なAutoIP機能等を備えているものとする。これにより、携帯端末装置30が宅内に存在するときは、録画再生装置10と携帯端末装置30とは互いに疎通している状態となる。
【0017】
ここで、本実施形態の概要について説明する。本実施形態において、携帯端末装置30のユーザは、外出先から携帯端末装置30を用いて録画再生装置10にアクセスし、テレビ番組の録画予約を行なうことができる。ここでの通信はインターネット70を経由して行なわれる。ただし、ホームネットワーク60内の通信で行なうようにしてもよい。
【0018】
録画予約を受け付けた録画再生装置10は、予約時間に指定された番組の録画を行なう。このとき、録画した番組の動画コンテンツは、携帯端末装置30で再生可能なフォーマットに変換(トランスコーディング)してハードディスク装置に格納する。このフォーマット変換を行なうため、録画再生装置10は、携帯端末装置30で再生可能なフォーマットの情報をあらかじめ記憶している。
【0019】
その後、携帯端末装置30のユーザが帰宅して、無線送受信装置55を介してホームネットワーク60に接続すると、録画再生装置10は、予約録画した番組の動画コンテンツを携帯端末装置30に送信する。そして、携帯端末装置30は、受信した動画コンテンツを内蔵する記録媒体に格納する。
【0020】
この動画コンテンツは携帯端末装置30で再生可能なフォーマットで記録されているため、携帯端末装置30のユーザは、受信後、時間、場所を問わず録画した番組を視聴することができるようになる。しかも、動画コンテンツは携帯端末装置30に格納されているため、再生時には通信経路の影響を受けず、安定した再生映像を得ることができる。
【0021】
なお、録画再生装置10から携帯端末装置30への動画コンテンツの送信は、携帯端末装置30のホームネットワーク60への接続に伴い自動的に行なうことが、ユーザの利便性の観点から望ましい。また、動画コンテンツを携帯端末装置30で再生可能なフォーマットへ変換する処理は、録画再生装置10から携帯端末装置30への動画コンテンツの送信時に行なうようにしてもよい。
【0022】
次に、録画再生装置10および携帯端末装置30の構成について説明する。
【0023】
図2は、録画再生装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。本図に示すように録画再生装置10は、制御部11、通信制御部12、チューナ部13、録画処理部14、トランスコード処理部15、プログラム格納部18、録画情報記録部19、端末情報記録部20、コンテンツ管理情報記録部21を備えており、各機能部はバス22を介して接続されている。
【0024】
制御部11は、CPU、主記憶装置等を有しており、録画再生装置10における各処理の制御を行なう。
【0025】
通信制御部12は、ホームネットワーク60を介してホームネットワーク内外の装置との情報の送受信の制御を行なう。
【0026】
チューナ部13は、テレビ放送を受信するための処理を行なう。チューナ部13は、例えば、CATVチューナ、アナログ放送チューナ、地上デジタル放送チューナ、BSデジタル放送チューナ、CSデジタル放送チューナ等を用いて構成することができる。
【0027】
録画処理部14は、チューナ部13が受信したテレビ放送の映像を必要に応じて符号化して録画情報記録部19に記録する。録画処理部14は、ハードウェアあるいはソフトウェアにより構成することができる。
【0028】
プログラム格納部18、録画情報記録部19、端末情報記録部20、コンテンツ管理情報記録部21はハードディスク装置、光ディスク等の記憶媒体上に記憶領域として構成することができる。
【0029】
プログラム格納部18は、録画再生装置10の処理に必要な各種プログラムをあらかじめ格納している記憶領域である。録画再生装置10の処理に必要な各種プログラムは、例えば、動画コンテンツのフォーマット変換のためのプログラム、ネットワークを介して録画予約を受け付けるWebサーバ機能を実現するためのプログラム、ホームネットワーク60を介して携帯端末装置30に画像コンテンツを送信するためのプログラム等とすることができる。
【0030】
録画情報記録部19は、ユーザから設定を受け付けた録画予約情報および録画処理部14により録画されたテレビ放送番組を記録する。さらに、録画情報記録部19は、携帯端末装置30用にフォーマット変換された動画コンテンツも記録することができる。
【0031】
端末情報記録部20は、携帯端末装置30の記憶容量、画面サイズ、再生可能なコンテンツのフォーマット等の携帯端末装置30に関する情報を記録する。本実施形態では複数の携帯端末装置30を用いることができ、録画再生装置10はそれぞれの携帯端末装置30を、例えば、端末IDを用いて区別することができる。
【0032】
端末情報記録部20は、例えば、図4に示すような機器属性情報テーブル100により携帯端末装置30に関する情報を管理する。
【0033】
本図に示すように機器属性情報テーブル100は、端末ID101、全メモリ容量102、残メモリ容量103、画面サイズ104、動画フォーマット105、音声フォーマット106を1レコードとして記録している。
【0034】
ここで、端末ID101は、携帯端末装置30を識別するための識別子である。端末IDは、例えば、携帯端末装置30の電話番号を用いることができる。全メモリ容量102は携帯端末装置30の記憶容量であり、残メモリ容量103はそのうちの使用可能な残り容量である。画面サイズ104は、携帯端末装置30が備える表示画面のサイズである。動画フォーマット105および音声フォーマット106は、携帯端末装置30が再生可能な動画および音声のフォーマットである。
【0035】
コンテンツ管理情報記録部21は、携帯端末装置30からの録画予約にしたがって録画したコンテンツを管理するための情報を記録する。
【0036】
コンテンツ管理情報記録部21は、例えば、図6に示すようなコンテンツ管理情報テーブル300により録画する(録画した)コンテンツに関する情報を管理する。
【0037】
本図に示すように、コンテンツ管理情報テーブル300は、コンテンツ管理ID301、端末ID302、番組名303、年月日304、開始時刻305、終了時刻306、チャンネル307、変換状態308、トランスコードタイミング309を1レコードとして記録している。1つのレコードは1つの録画予約に対応するものであり、録画再生装置10が携帯端末装置30から録画予約情報を受け付けると、受け付けた予約情報に基づいて作成される。
【0038】
ここで、コンテンツ管理ID301は、それぞれのレコード、すなわち録画予約を識別するための識別子である。端末ID302は、録画予約を行なった携帯端末装置30の端末IDである。この端末IDは、機器属性情報テーブル100の端末ID101に記録されている端末IDと対応付けられる。このため、録画再生装置10は、複数の携帯端末装置30からの録画予約をどの携帯端末装置30からの録画予約であるかを識別することができる。番組名303、年月日304、開始時刻305、終了時刻306、チャンネル307は、それぞれ録画する(録画した)番組に関する情報である。変換状態308は、携帯端末装置30に対応したフォーマットに変換するコンテンツの生成状態を示す。生成状態308は、例えば、「完了」「未実施」あるいは「50%」のような変換の度合いが記録される。トランスコードタイミング309は、フォーマット変換を行なうタイミングである。トランスコードタイミング309は、例えば、「コンテンツ送信時」「録画と同時」「録画終了後」等が記録される。
【0039】
図3は、携帯端末装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。本図に示すように携帯端末装置30は、制御部31、通信制御部32、入出力部33、プログラム格納部34、コンテンツ記録部35、録画予約情報記録部36を備えており、各機能部はバス37を介して接続されている。
【0040】
制御部31は、CPU、主記憶装置等を有しており、携帯端末装置30における各処理の制御を行なう。
【0041】
通信制御部32は、基地局80と接続して電話網あるいはインターネット70を介した他装置との通話・通信を制御する処理と、無線送受信装置55を介してホームネットワーク60に参加するための処理を行なう。
【0042】
入出力部33は、ユーザからの操作を受け付けたり、インタフェースを提供する。また、再生するコンテンツの表示、音声出力等も行なう。入出力部33は、操作ボタン、液晶表示装置、スピーカ等で構成することができる。
【0043】
プログラム格納部34、コンテンツ記録部35、録画予約情報記録部36は、半導体メモリ、ハードディスク装置等の記憶媒体上に記憶領域として構成することができる。これらの記録媒体は、携帯端末装置30に内蔵されているものとするが、着脱式の記憶媒体を用いるようにしてもよい。
【0044】
プログラム格納部34は、携帯端末装置30の処理に必要な各種プログラムをあらかじめ格納している記憶領域である。携帯端末装置30の処理に必要な各種プログラムは、例えば、録画再生装置10と通信を行ない録画予約を行なうためのプログラム、録画再生装置10から送られたコンテンツを再生するためのプログラム等とすることができる。
【0045】
コンテンツ記録部35は、録画再生装置10から取得した動画コンテンツを記録する記憶領域である。すなわち、携帯端末装置30からの録画予約により録画再生装置10が録画した番組の動画コンテンツは、ホームネットワーク60を介してその携帯端末装置30に送信され、コンテンツ記録部35に格納されることになる。
【0046】
録画予約情報記録部36は、録画再生装置10に対して設定した録画予約情報を記録する記憶領域である。
【0047】
録画予約情報記録部36は、例えば、図5に示すような録画予約情報テーブル200により録画予約情報を管理する。
【0048】
本図に示すように録画予約情報テーブル200は、コンテンツID201、番組名202、年月日203、開始時刻204、終了時刻205、チャンネル206、Download状態207を1レコードとして管理する。録画予約情報テーブル200のレコードは、携帯端末装置30を用いて録画再生装置10に対して録画予約を設定した際に併せて作成される。
【0049】
コンテンツID201は、携帯端末装置30内において録画予約情報テーブル200の各レコードを識別するための識別子である。上述のコンテンツ管理情報テーブル300におけるコンテンツ管理IDは、このコンテンツID201と同じ識別子を用いてもよいし、別の識別子を用いてもよい。番組名202、年月日203、開始時刻204、終了時刻205、チャンネル206は、それぞれ録画対象の番組に関する情報である。Download状態207は、録画予約したコンテンツの取得状況を示す。Download状態207は、例えば、「完了」「未完了」「未実施」等が記録される。
【0050】
次に、本実施形態における携帯端末装置30と録画再生装置10が行なう処理の流れについて説明する。
【0051】
携帯端末装置30を用いて、録画再生装置10に録画予約を設定するためには、あらかじめ携帯端末装置30を録画再生装置10に登録しておく。この登録処理について図7のフロー図を参照して説明する。
【0052】
まず、携帯端末装置30側で、録画予約に関する初期設定をあらかじめ行なっておく(S101)。初期設定では、例えば、動画コンテンツの携帯端末装置30に対応したフォーマットへの変換を録画再生装置10がどのタイミングで行なうかを設定することができる。フォーマット変換のタイミングは、例えば、「録画と同時」「録画終了後」「携帯端末装置への送信時」等から選択するようにする。ただし、いずれかのタイミングに固定するようにしてもよい。あるいは、後述する録画予約時に番組毎に選択するようにしてもよい。
【0053】
初期設定を終えた携帯端末装置30は、録画再生装置10に対して機器登録の要求を行なう(S102)。機器登録の要求は、例えば、ホームネットワーク60に接続している携帯端末装置30がユーザからの操作に基づいて行なうことができる。
【0054】
機器登録の要求には、携帯端末装置30の電話番号、携帯端末装置30で再生可能な動画フォーマットおよび音声フォーマットの情報、携帯端末装置30のメモリ容量、画面サイズ等の情報を含めるようにする。また、フォーマット変換のタイミング情報を含めるようにしてもよい。ただし、フォーマット情報、メモリ容量、画面サイズ等の情報に代え、機器の種類を特定する情報を送信するようにしてもよい。この場合、録画再生装置10側で、あらかじめ機器の情報を用意しておいたり、特定された機種についてのこれらの情報をインターネット70を介して収集等するようにする。
【0055】
録画再生装置10は、携帯端末装置30から送信された機器登録要求を受信すると(S103)、機器登録要求に含まれる情報に基づいて、機器登録情報を端末情報記録部20に登録する(S104)。具体的には、機器属性情報テーブル100のレコードを新規に作成し、携帯端末装置30の電話番号を端末ID101に登録する。また、メモリ容量、画面サイズを全メモリ容量102、画面サイズ104にそれぞれ登録し、再生可能な動画フォーマット、音声フォーマットを動画フォーマット105、音声フォーマット106にそれぞれ登録する。また、フォーマット変換のタイミング情報が含まれている場合には、その情報も機器登録情報に含めて登録する。
【0056】
そして、登録が完了すると、登録完了報告を携帯端末装置30に送信する(S105)。
【0057】
この登録完了報告を携帯端末装置30が正常に受信することで、登録処理が終了する(S106)。
【0058】
なお、上述の例では、端末IDとして携帯端末装置30の電話番号を用いたが、登録要求を受信した録画再生装置10が端末IDを発行するようにしてもよい。この場合には、録画再生装置10が携帯端末装置30に送信する登録完了報告に端末IDを含め、携帯端末装置30側で記録するようにする。
【0059】
次に、録画予約処理について図8のフロー図を参照して説明する。
【0060】
本処理は、例えば、携帯端末装置30がユーザから番組録画予約の操作を受け付けることで開始する(S201)。ここでは、ユーザは外出しており、携帯端末装置30は、インターネット70を介して録画再生装置10と通信を行なうものとする。
【0061】
携帯端末装置30は、録画再生装置10とインターネット70を介した接続処理を行なう(S202)。この際に、端末IDを用いた認証を行なうようにする。これにより、通信の安全性を高めるとともに、携帯端末装置30が複数ある場合でも、どの携帯端末装置30との通信であるかを識別することができる。
【0062】
認証を終えると、携帯端末装置30は、録画再生装置10から番組表の情報を取得する(S203)。録画再生装置10は、番組表の情報を、例えばEPG(Electronic Program Guide)情報として携帯端末装置30に送信する。
【0063】
そして、携帯端末装置30は、番組表を表示装置に表示し、ユーザから予約対象の番組の指定を受け付ける(S204)。これにより、録画対象となる番組名、年月日、開始時刻、終了時刻、チャンネル等の情報が特定される。また、録画モード等の指定もユーザから受け付けるようにしてもよい。
【0064】
携帯端末装置30は、これらの情報を録画予約情報として録画再生装置10に送信する(S205)。この際に、残りメモリ容量の情報を含めることが望ましい。またフォーマット変換のタイミング情報を含めるようにしてもよい。
【0065】
録画再生装置10は、携帯端末装置30から録画予約情報を受信すると(S206)、録画情報記録部19にコンテンツ管理情報として登録する(S207)。この際にコンテンツIDを付して、録画予約情報を識別するようにし、端末IDによりどの携帯端末装置30からの予約であるかを識別するようにする。また、残りメモリ容量の情報が含まれている場合には、端末情報記録部20の対応する機器属性情報テーブル100の残メモリ容量103に記録する。
【0066】
また、機器属性情報テーブル100あるいは受信した録画予約情報にフォーマット変換のタイミングが記録されている場合には、対応するコンテンツ管理情報テーブルのトランスコードタイミング309にその情報を記録する。
【0067】
そして、録画再生装置10は、登録完了報告を携帯端末装置30に送信する(S208)。登録完了報告には、コンテンツIDを含めるようにする。ただし、録画再生装置10の残り容量が足りなかったり、同じ時間帯に他の番組予約がなされている等により携帯端末装置30からの録画予約を登録することができない場合には、その旨を携帯端末装置30に送信する。
【0068】
携帯端末装置30は、録画再生装置10からの登録完了報告を受信すると(S209)、予約録画に関する情報を録画予約情報記録部36に記録する(S210)。この際に、録画再生装置10から通知されたコンテンツIDを番組情報テーブル200のコンテンツID201に記録して、各予約情報を識別するものとする。
【0069】
なお、録画予約処理については、すでに種々の手法が実現、提案等されているが、本発明においても上記の例に限られず、種々の手法を用いて行なうことができる。
【0070】
次に、録画再生装置10の録画処理について図9のフロー図を参照して説明する。
【0071】
録画再生装置10は、時刻とコンテンツ管理情報記録部21のコンテンツ管理情報テーブル300とを参照し、録画処理を開始するかどうかを監視する(S301)。
【0072】
そして、録画を開始すべき時刻になると(S301:Y)、録画対象のコンテンツ管理情報テーブル300に記録されているトランスコードタイミング309を取得する(S302)。ただし、トランスコーディングタイミングが固定の場合には、固定されたタイミングでフォーマット変換処理を行なう。
【0073】
そして、トランスコードタイミング309が「(コンテンツ)送信時」の場合(S302:左)には、通常の録画処理を開始し(S303)、録画終了時刻に録画処理を終了する(S304)。
【0074】
トランスコードタイミング309が「(録画と)同時」の場合(S302:右)には、フォーマット変換を伴う録画処理を開始する(S308)。この場合のフォーマット変換は、携帯端末装置30の再生可能な動画フォーマットおよび音声フォーマットへの変換である。携帯端末装置30の再生可能な動画フォーマットおよび音声フォーマットは、端末情報記録部20の対応する機器属性情報テーブル100を参照することで把握することができる。そして、録画終了時刻にフォーマット変換を伴う録画処理を終了する(S309)。
【0075】
トランスコーディングタイミング309が「(録画)終了後」の場合(S302:中)には、通常の録画処理を開始し(S305)、録画終了時刻に録画処理を終了する(S306)。そして、録画終了後に、携帯端末装置30の再生可能な動画フォーマットおよび音声フォーマットへの変換処理を行なう(S307)。
【0076】
なお、フォーマット変換を行なう際に、携帯端末装置30の残メモリ容量を考慮し、生成する動画コンテンツのビットレートを調整することができる。このために、フォーマット変換を行なう前に、最新の携帯端末装置30の残メモリ容量を取得するようにしてもよい。
【0077】
次に、録画再生装置10から携帯端末装置30への動画コンテンツの転送処理を図10のフロー図を参照して説明する。
【0078】
本実施形態において、録画再生装置10から携帯端末装置30への動画コンテンツの転送処理は、ホームネットワーク60内で行なわれる。このため、以下の転送処理は、携帯端末装置30が宅内に存在し、ホームネットワーク60に参加しており、録画再生装置10と携帯端末装置30とが互いに疎通している状態となっていることを前提とする。
【0079】
なお、動画コンテンツの転送処理は、互いに疎通する状態になると自動的に行なうようにすることが望ましい。これにより、例えば、外出先で携帯端末装置30を用いて録画予約を行なったユーザが帰宅して、携帯端末装置30がホームネットワーク60に加わると、自動的に録画された動画コンテンツが携帯端末装置30に取り込まれることになり、ユーザの利便性が向上することになる。
【0080】
携帯端末装置30は、ホームネットワーク60に参加すると、録画予約情報記録部36に記録している録画予約情報テーブル200を参照して、録画終了時刻205が過ぎていてダウンロード状態207が「未実施」であるコンテンツがあるかどうかを判断する(S401)。すなわち、未ダウンロードの動画コンテンツがあるかどうかを判断する。なお、携帯端末装置30から録画再生装置10に未ダウンロードの録画コンテンツがあるかどうかを問い合わせるようにしてもよい。
【0081】
その結果、未ダウンロードの動画コンテンツがない場合(S401:N)には、本処理を終了する。
【0082】
一方、未ダウンロードの動画コンテンツがある場合(S401:Y)には、録画再生装置10にコンテンツの取得要求を送信する(S402)。コンテンツ取得要求には、要求元と対象となる動画コンテンツを特定するため、端末IDとコンテンツIDとを含めるようにする。
【0083】
コンテンツ取得要求(S403)を受信した録画再生装置10は、コンテンツ管理情報記録部21のコンテンツ管理情報テーブル300を参照して、コンテンツIDで特定されるコンテンツのフォーマット変換が済んでいるかどうかを判断する(S404)。
【0084】
その結果、フォーマット変換が済んでいる場合には(S404:Y)、その動画コンテンツをコンテンツ取得要求を送ってきた携帯端末装置30に送信する(S406)。
【0085】
一方、フォーマット変換が済んでいない場合には(S404:N)、フォーマット変換を行なう(S405)。この場合のフォーマット変換は、携帯端末装置30の再生可能な動画フォーマットおよび音声フォーマットへの変換である。携帯端末装置30の再生可能な動画フォーマットおよび音声フォーマットは、端末情報記録部20の対応する機器属性情報テーブル100を参照することで把握することができる。
【0086】
そして、変換済みの動画コンテンツをコンテンツ取得要求を送ってきた携帯端末装置30に送信する(S406)。動画コンテンツの送信は、フォーマット変換が完了してから行なってもよいし、完了した部分を順次送信するようにしてもよい。
【0087】
なお、フォーマット変換を行なう際に、携帯端末装置30の残メモリ容量を考慮し、生成する動画コンテンツのビットレートを調整することができる。このために、フォーマット変換を行なう前に、最新の携帯端末装置30の残メモリ容量を取得するようにしてもよい。
【0088】
携帯端末装置30は、フォーマット変換済みの動画コンテンツを受信すると(S407)、コンテンツ記録部35に格納する(S408)。そして、録画予約情報テーブル200のDownload状態を「完了」に更新する。
【0089】
このようにして携帯端末装置30にフォーマット変換済みの動画コンテンツが格納されることにより、携帯端末装置30のユーザは、携帯端末装置30を用いて、時間、場所を問わず、しかも安定した映像で予約録画した動画コンテンツを再生することができるようになる。
【0090】
なお、本発明は上述した実施の形態の例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を取り得ることはもちろんである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態のシステム構成の一例を示す図である。
【図2】録画再生装置10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図3】携帯端末装置30の機能構成の一例を示すブロック図である。
【図4】機器属性情報テーブル100の構成を示す図である。
【図5】録画予約情報テーブル200の構成を示す図である。
【図6】コンテンツ管理情報テーブル300の構成を示す図である。
【図7】携帯端末装置30を録画再生装置10に登録する登録処理について説明するためのフロー図である。
【図8】録画予約処理について説明するためのフロー図である。
【図9】録画再生装置10の録画処理について説明するためのフロー図である。
【図10】録画再生装置10から携帯端末装置30への動画コンテンツの転送処理について説明するためのフロー図である。
【符号の説明】
【0092】
10…録画再生装置
11…制御部
12…通信制御部
13…チューナ部
14…録画処理部
15…トランスコード処理部
18…プログラム格納部
19…録画情報記録部
20…端末情報記録部
21…コンテンツ管理情報記録部
22…バス
30…携帯端末装置
31…制御部
32…通信制御部
33…入出力部
34…プログラム格納部
35…コンテンツ記録部
36…録画予約情報記録部
37…バス
50…ルータ
55…無線送受信装置
60…ホームネットワーク
70…インターネット
80…基地局
100…機器属性情報テーブル
200…録画予約情報テーブル
300…コンテンツ管理情報テーブル
300…録画予約情報テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のフォーマットの動画コンテンツを再生する携帯端末装置とテレビ番組の予約録画を行なう録画装置とを備えた予約録画システムであって、
前記携帯端末装置は、
インターネットおよびLANに接続する通信手段と、
動画コンテンツを格納する記憶手段と、
インターネットを介して前記録画装置にテレビ番組の録画予約を行なう録画予約要求手段と、
LANを介して前記録画装置に録画予約に係る動画コンテンツの取得要求を行なう動画コンテンツ取得要求手段とを備え、
前記録画装置は、
インターネットおよびLANに接続する通信手段と、
前記携帯端末装置からの録画予約要求に係る動画コンテンツを、前記携帯端末装置で再生可能なフォーマットに変換する変換手段と、
LANを介して前記携帯端末装置に、変換された前記動画コンテンツを送信する動画コンテンツ送信手段とを備えることを特徴とする予約録画システム。
【請求項2】
請求項1に記載の予約録画システムであって、
前記録画装置は、
前記携帯端末装置から再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報を取得する携帯端末装置情報取得手段と、
取得した前記携帯端末装置で再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報を格納する携帯端末装置情報記憶手段とをさらに備えることを特徴とする予約録画システム。
【請求項3】
請求項1に記載の予約録画システムであって、
前記携帯端末装置のコンテンツ取得要求手段は、前記LANに接続されると前記動画コンテンツの取得要求を行なうことを特徴とする予約録画システム。
【請求項4】
請求項3に記載の予約録画システムであって、
前記携帯端末装置は、
取得要求を行なう動画コンテンツが前記録画装置に存在しているかどうかを判断する取得判断手段をさらに備え、
前記コンテンツ取得要求手段は、前記LANに接続されると、さらに、前記取得判断手段が取得要求を行なう動画コンテンツが前記録画装置に存在していると判断した場合に前記動画コンテンツの取得要求を行なうことを特徴とする予約録画システム。
【請求項5】
請求項2に記載の予約録画システムであって、
前記録画装置は、
前記携帯端末装置からの録画予約要求、前記携帯端末装置で再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報、前記携帯端末装置からの録画予約要求に係る動画コンテンツのそれぞれについて前記携帯端末装置の識別子を関連付けて管理することを特徴とする予約録画システム。
【請求項6】
所定のフォーマットの動画コンテンツを再生する携帯端末装置であって、
インターネットおよびLANに接続する通信手段と、
動画コンテンツを格納する記憶手段と、
インターネットを介して録画装置にテレビ番組の録画予約を行なう録画予約要求手段と、
LANを介して前記録画装置に録画予約に係る動画コンテンツの取得要求を行なう動画コンテンツ取得要求手段と、
前記録画装置から送信された動画コンテンツを受信し前記記憶手段に格納する受信手段とを備えることを特徴とする携帯端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯端末装置であって、
前記コンテンツ取得要求手段は、前記LANに接続されると前記動画コンテンツの取得要求を行なうことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項8】
請求項7に記載の携帯端末装置であって、
取得要求を行なう動画コンテンツが前記録画装置に存在しているかどうかを判断する取得判断手段をさらに備え、
前記コンテンツ取得要求手段は、前記LANに接続されると、さらに、前記取得判断手段が取得要求を行なう動画コンテンツが前記録画装置に存在していると判断した場合に前記動画コンテンツの取得要求を行なうことを特徴とする携帯端末装置。
【請求項9】
テレビ番組の予約録画を行なう録画装置であって、
インターネットおよびLANに接続する通信手段と、
所定のフォーマットの動画コンテンツを再生する携帯端末装置からインターネットを介して録画予約を受け付ける録画予約受付手段と、
前記携帯端末装置からの録画予約に係る動画コンテンツを、前記携帯端末装置で再生可能なフォーマットに変換する変換手段と、
LANを介して前記携帯端末装置に、変換された前記動画コンテンツを送信する動画コンテンツ送信手段とを備えることを特徴とする録画装置。
【請求項10】
請求項9に記載の録画装置であって、
前記携帯端末装置から再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報を取得する携帯端末装置情報取得手段と、
取得した前記携帯端末装置で再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報を格納する携帯端末装置情報記憶手段とをさらに備えることを特徴とする録画装置。
【請求項11】
請求項10に記載の録画装置であって、
前記携帯端末装置からの録画予約要求、前記携帯端末装置で再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報、前記携帯端末装置からの録画予約要求に係る動画コンテンツのそれぞれについて前記携帯端末装置の識別子を関連付けて管理することを特徴とする録画装置。
【請求項12】
所定のフォーマットの動画コンテンツを再生する携帯端末装置とテレビ番組の予約録画を行なう録画装置とを備えた予約録画システムにおける動画コンテンツ処理方法であって、
前記携帯端末装置が、インターネットを介して前記録画装置にテレビ番組の録画予約を行なう録画予約要求ステップと、
前記録画装置が前記録画予約に係る動画コンテンツを前記携帯端末装置で再生可能なフォーマットに変換する変換ステップと、
前記録画装置が、LANを介して前記携帯端末装置に、変換された前記動画コンテンツを送信する動画コンテンツ送信ステップとを有することを特徴とする動画コンテンツ処理方法。
【請求項13】
請求項12に記載の動画コンテンツ処理方法であって、
録画予約要求ステップに先立ち、前記録画装置が前記携帯端末装置から再生可能な動画コンテンツのフォーマットに関する情報を取得する携帯端末装置情報取得ステップをさらに有することを特徴とする動画コンテンツ処理方法。
【請求項14】
請求項12に記載の動画コンテンツ処理方法であって、
前記動画コンテンツ送信ステップは、前記携帯端末装置からの要求に応じて行なわれるものであり、
前記携帯端末装置からの要求は、前記携帯端末装置が前記LANに接続されると行なうものであることを特徴とする動画コンテンツ処理方法。
【請求項15】
請求項14に記載の動画コンテンツ処理方法であって、
前記携帯端末装置は、前記LANに接続されると、取得要求を行なう動画コンテンツが前記録画装置に存在しているかどうかを判断し、存在していると判断した場合に前記動画コンテンツの取得要求を行なうことを特徴とする動画コンテンツ処理方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2006−339765(P2006−339765A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−158962(P2005−158962)
【出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】