説明

二つの連結部分ユニットを備えて成る化粧ユニット

【課題】2つの部分ユニットが簡単な方法で相互連結するすることができる一方で、低い製造作業量を特に必要とする化粧ユニットを提供する。
【解決手段】化粧ユニットは、2つの部分ユニット(2)を有し、そのそれぞれは、化粧物質を受容するための容器(5)と密閉キャップとを備えて成り、当該密閉キャップを用いて容器(5)は密閉可能である。2つの部分ユニット(2)は、2つの密閉キャップ(7)と係合する連結部材(4)を用いて相互接続可能である。各密閉キャップ(7)は、中央軸(12)の方向に延在するキャップ凹部を、対応する部分ユニット(2)の容器(5)から見て外方を向く軸方向前端部に有する。連結部材(4)は、中央部に形成される2つの軸方向連結突起部(14)を備えた中央部(11)を備えて成り、各連結突起部(14)は、組立てられた状態のときに、2つのキャップ凹部の一つに係合する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれが化粧物質を受容するための容器と密閉キャップとを備えて成る2つの部分ユニットを備えて成る化粧ユニットに関し、当該密閉キャップを用いて、容器は密閉可能であり、当該二つの部分ユニットは、2つの密閉キャップと係合する連結部材を用いて相互接続可能である。各密閉キャップはキャップ凹部を有し、当該キャップ凹部は、それぞれの部分ユニットの容器から見て外方へ向く軸方向前端部に配置され、中央軸の方向に延在する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】EP 1348352 B1
【0003】
この種の化粧ユニットは、例えば特許文献1から知られている。2つのネジ蓋付容器は、マニキュア液、マスカラ、アイシャドー、リップグロス、又は、それらを除去するための製品のような、同一の又は違った化粧品で充填される。公知の化粧ユニットは、軸方向のきょ歯状刻み(serration)に加え、追加的に、数珠状部(beaded section)を備えて成り、当該数珠状部は、連結スリーブとして構成される連結部材に密閉キャップを解除可能に固定するための係合溝と係合する。きょ歯状刻みは、非回転接続を確実にする一方で、係合溝と係合する数珠状部は、しっかりとした軸方向接続のために設けられる。かくして、互いに独立して作用する2つの異なる接続機構が設けられる。これは、比較的高い製造作業量に結び付く。
【0004】
同じことが、連結スリーブによって重なり合わされ、したがって、この領域で幾分小さな外径が設けられなければならない密閉キャップの製造にも当てはまる。しかしながら、同時に、密閉キャップとそれぞれの塗布具棒との間の接続もこの同じ領域に配置され、その結果、密閉キャップの壁厚みのために利用可能なわずかな空間が存在するだけである。したがって、その製造は、非常に正確に行われなければならない。
【0005】
連結スリーブは、例えば特殊なグラフィックデザイン又は特定の色を有し、当該連結スリーブによって、2つの部分ユニットの異なる内容物だけでなくその異なる用途乃至適用も、特許文献1に記載の化粧ユニットの外側から識別することを可能にする。したがって、異なって構成される連結スリーブが、内容物のあらゆる組み合わせのために提供されなければならない。この多数の異なる連結スリーブもまたより高い製造コストに結び付く。
【0006】
特許文献1に記載の化粧ユニットは、特に連結スリーブが取り付けられるときに好ましい外観を有する。しかしながら、連結部材が取り除かれ、それにより既述の接続機構によって規定される密閉キャップの外形が現れる場合は、これは、限定された範囲だけに言える。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
故に、本発明の目的は、2つの部分ユニットが簡単な方法で相互連結するすることができる一方で、低い製造作業量を特に必要とする上述のタイプの化粧ユニットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的は、請求項1の特徴にしたがう化粧ユニットによって達成される。本発明にしたがう化粧ユニットの連結部材は、中央部に形成される2つの軸方向連結突起部を有する中央部を備えて成り、各連結突起部は、組立てられた状態のときに、2つのキャップ凹部の一方と係合する。本発明にしたがって設けられる接続機構、すなわちキャップ凹部と係合する連結突起部は、実施も製造も両者共に容易である一方で、連結部材とそれぞれの密閉キャップとの間にしっかりした接続を提供する。
【0009】
さらに、本発明にしたがう化粧ユニットは、多数の異なる連結部材を要求することなく、各部分ユニットの内容物をマーキングする乃至特徴付ける簡単で且つコスト効果の高い手段を提供する。マーキングは、密閉キャップの対応するグラフィックデザイン又は特定の色を用いて行われる。本発明にしたがって設けられる接続機構のおかげで、密閉キャップは、特に組立状態でも視認可能であり、したがって、それぞれの部分ユニットの内容物をマーキングするために用いられる。さらに、組立状態で視認可能な密閉キャップの外周面を、個々の美観乃至美的要求にしたがって構成してもよい。有利には、これらは、接続機構に対してなんらの機能も果たさない。かくして、本発明にしたがう化粧ユニットの密閉キャップは、特に、視覚的に好ましい滑らかな及び/又はつややかな外周面を有する。
【0010】
本発明にしたがう化粧ユニットの有利な実施形態が請求項1に従属する請求項の特徴から明らかになろう。
【0011】
好ましい実施形態は長手方向中空空間を有し、当該長手方向中空空間は、軸方向に延在し、且つ、連結部材の連結突起部に設けられる。さらに、有利には、軸方向に対して垂直に延在する横断方向中空空間が連結突起部に設けられる。これら中空空間は、連結突起部の弾性を増加し、したがって、当該連結突起部は、より容易にキャップ凹部に挿入される。さらに、これは、キャップ凹部の内壁に対して挿入された連結突起部の改良された接触圧力につながる。
【0012】
好ましい実施形態において、キャップ凹部の内壁には、組立てられた状態のときに横断方向中空空間と係合する係合突起部が設けられる。これは、必要に応じて解除可能なスナップ嵌め接続であって、それぞれの密閉キャップと連結部材との間のスナップ嵌め接続の非常に簡単な構成を可能にする。さらに、解除可能な接続の別の長所は、二要素化粧ユニット(double-element cosmetic unit)を形成することが部分ユニットを接合することのできる部分ユニットの充填者及び/又は工業生産者だけではないことである。これは、店における充填者によって又は最終消費者自身によってでさえも実行されうる。
【0013】
さらに、有利には接着剤が連結突起部と密閉キャップとの間に与えられ、かくして、連結部材とそれぞれの密閉キャップとの間のもはや解除不可能な接続を形成する。一方で、特に連結突起部に設けられる長手方向及び横断方向中空空間は、その際、接着剤のための初期受容部として役立ち、当該接着剤は、組立てられた状態のときに、受容部から、それぞれの連結突起部とそれぞれの密閉容器との向かい合った壁面領域によって規定される空間へ移る。他方で、前記中空空間らは、組立てられる前にキャップ凹部に充填される過度の接着剤のための受容部として役立つ。
【0014】
別の有利な実施形態にしたがって、連結突起部が、組立てられた状態のときに圧入(press-fit)を用いてキャップ凹部内に配置され、かくして、連結部材とそれぞれの密閉キャップとの間の解除可能な接続を形成することを可能にする。
【0015】
さらに、連結突起部は、特に、角があり、丸められた楕円形の又は円形の断面を有する。円形断面は、注意を払わなければならない優先方向が全く無いので、連結部材とそれぞれの密閉キャップとの組立を容易にする。一方で、上記された別のタイプの断面らは、完全な回転対称を有さない。それらによって、特に非回転性接続を、連結部材とそれぞれの密閉キャップとの間で得ることが可能になる。これは、密閉キャップが容器に対してネジ留めされるときに特に有利である。密閉キャップがそれぞれ容器にネジ留めされるか又は容器から外されるときに、連結部材と密閉キャップとの間の接続が維持される。
【0016】
さらに、連結部材は、特に、中央部からそれぞれの連結突起部までの移行領域で角があり丸められるか又は楕円の断面を有する。このような断面が特に移行領域だけに設けられているとしても、これにより、連結部材とそれぞれの密閉キャップとの間で非回転性接続を形成することが可能になる。
【0017】
別の好ましい実施形態にしたがって、移行領域における断面の面積は、中央部から徐々に減少し、中央軸の方向に延在する外形は、有利には移行領域で曲線を描き、前記曲線は、特に長手方向半径によって規定される。これは、連結部材と部分ユニットとの組立を容易にする。さらに、丸められた構成は美的に好ましい。
【0018】
別の有利な実施形態において、各連結突起部は、少なくとも一つの横断方向スロットをその自由端部に有し、前記スロットは、軸方向に対して垂直に延在し、横断方向寸法全体にわたる。特に、有利には均等に分配されるように断面に沿って配置される2つ又は4つのそのような横断方向スロットが設けられうる。これは、連結突起部の弾性を改良し、密閉キャップとのスナップ嵌め接続のために特に有利である。
【0019】
さらに、各連結突起部には、横断方向スロットによって分離されるその自由端部に少なくとも2つのウェブ(webs)が設けられるのが好ましく、そこでは、係合突起部が少なくとも一つのウェブの外側に設けられる。これは、密閉キャップとのスナップ嵌め接続を確立する特に単純な手段を提供する。係合突起部は、それぞれのキャップ凹部に配置される対応するくぼんだ係合部にはめ込まれる。
【0020】
別の有利な実施形態にしたがって、中央部は、2つの軸方向前端部と外周面とを有し、そこでは、一つの外周方向に丸められたエッジ部が各前端部と外周面との間に設けられる。かくして、滑らかで、手触りのいい外形が密閉キャップと中央部との間の接触領域に得られる一方で、怪我を引き起こしうる鋭いエッジ部が回避される。さらに、丸められた構成は、美的に好ましい。
【0021】
同様に有利な別の実施形態において、中央部は、2つの軸方向前端部と外周面とを有し、そこでは、一つの外周エッジ部が各前端部と外周面との間に設けられ、前記エッジ部は、軸方向に突出したエッジ突出部を有し、それにより、各密閉キャップと中央部との間に、視覚的に継目無く且つ間隙の無い接触領域を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明の更なる特徴、長所及び詳細が、図面と併せて後に続く実施形態の記述から明らかになろう。
【0023】
図1〜13において、対応する部分には、同一の参照番号を付して参照される。
【0024】
図1は、プラスチックから作られた化粧ユニット1の実施形態を示す。前記化粧ユニット1は、二つの部分ユニット2及び3を備えて成り、当該部分ユニットらは、連結部材4を用いて共につなぎ合わされる。図1に記載の実施形態において、この連結は解除可能である。しかしながら、基本的に、接着剤などの別タイプの接続を提供することも考えられる。
【0025】
各部分ユニット2及び3は、例えば容器にネジ留めされうる密閉キャップ7又は8をそれぞれに用いてしっかりとシールされる容器5又は6をそれぞれに含む。各容器5及び6は化粧物質を収容し、当該化粧物質に、それぞれの密閉キャップ7又は8に形成される棒乃至ワンド9又は10がそれぞれに浸される。容器5及び6に充填される化粧品は、互いに異なりうる。この実施形態では、部分ユニット2は、マスカラ液で充填される一方で、部分ユニット3は、マニキュア液で充填される。図1では概略的に示されているだけであるが、マスカラ又はマニキュア液用のブラシのような塗布具乃至アプリケーター9a又は10aそれぞれは、浸される棒端部にそれぞれ取り付けられる。
【0026】
図2は、部分的にだけ組立てられた状態における化粧ユニット1を示す一方で、図3は、実装されていない連結部材4を示す。連結部材4は、二つの軸方向連結突起部13、14を備えて成る円筒形中央部11を有し、当該軸方向連結突起部は、化粧ユニット1の中央軸12の方向に示されている。前記連結突起部13、14は、中央軸12と同心であり、中央部11の二つの各軸方向前端部それぞれの一方に形成され、これによりスタッド乃至留め具を形成する。
【0027】
それに対応して、密閉キャップ7及び8は、それぞれの容器5又は6からから見て外方を向くそれらの軸方向前端部上に、図1〜3には詳細に示されず且つ軸方向に延在するキャップ凹部を有する。組立てられた状態のときに、連結突起部13及び14は、これらキャップ凹部の一つと係合する。
【0028】
キャップ凹部と連結突起部13、14との断面形状は、互いに適合させられる。それらは、実質的に等しい。しかしながら、挿入されていないときは、連結突起部13及び14は、挿入された状態のときにしっかりと接続される圧入を得るために、キャップ凹部よりもわずかに大きい断面を有する。
【0029】
各連結突起部13及び14は、同心の中空空間15又は16をそれぞれ有し、当該中空空間は、それぞれの連結突起部13又は14の自由軸方向前端部から、軸方向にそれぞれの連結突起部13又は14へ延在する。前記中空空間15及び16は、連結部材4全体を貫通する貫通穴か又はめくら穴でありえる。長手方向中空空間15及び16は、連結突起部13及び14の弾性を増加させ、それにより連結突起部のキャップ凹部への挿入を容易にさせる。加えて、この増加させられた弾性によって、有利には、キャップ凹部の内壁に対する非常に高い接触圧をもたらす連結突起部13及び14の上述のわずかに大きな断面が許容される。
【0030】
さらに、各連結突起部13又は14は、横断方向中空空間17又は18をそれぞれに有し、当該横断方向中空空間は、中央軸12に対して垂直に、且つ、それぞれの連結突起部13又は14を通って走る。この実施形態では、丸い貫通穴であるこれら横断方向中空空間17及び18の長さは、連結突起部13及び14の直径と等しい。
【0031】
長手方向中空空間15又は16それぞれと、横断方向中空空間17又は18それぞれとは、交差し、且つ、互いに接続される。対応する部分的に球形の係合突起部が、別様のキャップ凹部の中空円筒状内壁に設けられ、前記係合突起部は、化粧ユニット1が組立てられた状態のときに、横断方向中空空間17及び18にはめ込まれ、それにより、軸方向に加え接線方向の両方で接続強度が増加する。
【0032】
連結部材4は、中央部11の軸中央に沿って中央部11貫通して延在する断面に対して鏡面対称である。さらに、横断方向中空空間17及び18は別として、前記連結部材4は、中央軸12に対して回転対称である。
【0033】
さらに、中央部11の外形は、全体として、密閉キャップ7及び8の、又は、部分ユニット2及び3の外形にそれぞれ適合させられる。本実施形態において、各部分ユニット2及び3に加え中央部11は、およそ同一の円筒半径を備えた実質的に円筒形の外周面を有する。これは、見た目に好ましい構成をもたらす一方で、容易な取扱いを提供する。組立られた状態において視認可能で、且つ、触れることのできる連結部材4の中央部11は、見た目に美しく、手触りもよく、したがって、中央部11は、化粧ユニット1に完全に調和する。
【0034】
同様の効果が、中央部11で実施される別の有利な構成措置乃至処置(design measure)によって得られる。中央部11は二つの軸方向前端部19及び20を有し、外周面21がそれらの間に延在する。丸められた部分が、一方では各前端部19及び20と他方では外周面21との間に形成されるそれぞれ二つの外周エッジ部に設けられ、それによって外周方向に丸められたエッジ部22又は23が両側にそれぞれ設けられる。したがって、組立てられた状態のときに、化粧ユニット1は、手触りのよい特に滑らかな表面を有し、本化粧ユニット1は、部分ユニット2及び3と連結部材4の中央部11との間に怪我を起こす恐れのある鋭い移行領域を全く有さない。
【0035】
連結部材4を備えて成る化粧ユニット1の上述した有利な構成は、製造業者が従来の機械を用いて別々に及び独立して互いの容器5及び6を充填したり、取扱うことを可能にする。密閉キャップ7及び8もまた、従来型のスクリューキャップ方式で利用可能な機械を用いてねじ山をつけられる。かくして製造された部分ユニット2及び3は、互いとは無関係に収納可能であり且つ搬送可能である。それらは、望まれればいつでも化粧ユニット1に組立てられる。これは、製造業者によって、又は、個々の顧客要望に応じて販売業者自身によってでさえもなされうる。そのために要求されることは、両方の部分ユニット2及び3を共通の連結部材4に両側から軸方向に差し込むことだけである。
【0036】
連結部材4を介して強固に(及び/又は非回転式に)接続される密閉キャップ8又は7それぞれと共に、特定の時間乃至時期に用いられない部分ユニット2又は3それぞれは、用いられるべき化粧物質を含む容器6又は5からそれぞれに取り外され、それによって、本部分ユニットは、特に容易な取り扱いを提供するハンドルの一種として役立つ。
【0037】
容器5及び6の一方が空である場合は、空の部分ユニット2又は3を新しいものによって取り換えるので、化粧ユニット1全体を処理乃至整理する必要はない。そのために要求されることは、連結部材4の近くのプラグ連結を解除するだけである。まだ使用することのできる、完全に又は部分的に充填された部分ユニット3又は2は、別の部分ユニット2又は3とその際組み合わされ、それによって化粧ユニット1の最初の組み合わせに戻すか、それとも、個々の顧客要求にしたがって新しい組み合わせを作り出す。
【0038】
部分ユニット2及び3から解除可能に組立てられる化粧ユニット1に相当する二様化粧ユニットを形成するのに使用される図4〜12に示される連結部材の別の実施形態は、化粧ユニット1の上述の連結部材4と同様の有利な効果を実質的に有する。
【0039】
図4及び5は、連結部材24を示し、当該連結部材は、中央部11とそれぞれの連結突起部13又は14との間に追加的にそれぞれ設けられた移行領域25及び26によって実質的に図1〜3に記載の連結部材4とは異なる。各移行領域25及び26は、角のある断面を有し、その面積は、徐々に中央部の前端部19又は20からそれぞれ減少し、その形状は、最終的に、その自由端部の方に面するそれぞれの連結突起部13又は14の端部領域に設けられる丸い断面形状へ次第に細くなる。その角のある断面に起因して、各移行領域25及び26に形成される4つのエッジ部27(図11も参照)は、凸面をなすように軸方向に延在する。エッジ部27のこの曲線状の外形は、長手方向の半径Rによって規定される。移行領域25及び26は、図4及び5に示されない二つの部分ユニットのキャップ凹部における対応して形成された断面外形に対応し、連結部材24を用いて二様化粧ユニット(double cosmetic unit)に組立てられる。その際、移行領域25及び26での角のある断面外形は、2つの部分ユニットのそれぞれの密閉キャップと連結部材24との間に非回転式接続をもたらす。
【0040】
図6及び7は、別の連結部材28を示し、当該連結部材には、図4及び5に記載の連結部材24と比較して、異なって構成された連結突起部29及び30が設けられる。長手方向中空空間15及び16に加え横断方向中空空間17及び18の代わりに、連結部材28の連結突起部29及び30は、そのそれぞれの自由端部に、中央軸12の方向に対して垂直に延在する2つの横断方向スロット31及び32を有する。前記横断方向スロット31及び32は、横断寸法全体にわたり、すなわち、連結突起部29又は30の直径長さ全体にわたり延在する。これらは、連結突起部29又は30の各自由端部に、同じ大きさを有し、外周方向に均一に分散される4つの有形のウェブ(material webs)33を形成するように垂直な列で配置される。横断方向スロット31及び32は、有形ウェブ33を互いに分離する。連結突起部13及び14の長手方向中空空間15及び16と同様に、横断方向スロット31及び32も、連結突起部29及び30の弾性を増加させ、それにより、キャップ凹部への連結突起部の挿入を容易にする。
【0041】
図8及び9は、中央部11と連結突起部35及び36を備えて成る別の連結部材34を示す。連結突起部29及び30と同様に、各連結突起部35及び36は、その自由端部に4つの有形ウェブ37を有し、当該有形ウェブは、横断方向スロット31及び32によって分離される。有形ウェブ33とは対照的に、有形ウェブ37には、そのそれぞれの外側に係合突起部38が設けられる。図8及び9には詳細に示されない化粧ユニットの組立状態において、係合突起部38は、キャップ凹部の内壁で対応する凹部と係合し、それによって、材料ウェブ37の弾性に起因する開放可能なスナップ嵌め接続を形成する。
【0042】
図10及び11は、連結部材34に実質的に類似するが、異なって構成された中央部40を有する別の連結部材39を示し、当該中央部は、全ての連結部材4、24、28と異なる。前端部19及び20と外周面21との間の接触領域に沿って延在する丸められた外周エッジ部22及び23の代わりに、中央部40は外周エッジ部を有し、当該外周エッジ部は、軸方向に突出するエッジ突出部41又は42をそれぞれ備えて成り、これらの領域のそれぞれに配置される。図10及び11には詳細にまた示されない化粧ユニットの組立状態において、エッジ突出部41及び42は、密閉キャップの軸方向端部で外周エッジ部と重なり合い、それによって、各密閉キャップと中央部40との間に、事実上継目がなく且つ間隙もない接触領域が設けられる。
【0043】
図12及び13は、外周エッジ突出部45及び46を備えて成る中央部44を有する別の連結部材43を示し、当該外周エッジ突出部は、図10及び11に記載の連結部材39の中央部40のエッジ突出部41及び42と同様な方法で、それぞれの連結突起部35及び36の方向に前端部19又は20に沿って軸方向にそれぞれ延在し、これによって、継目が無く且つ間隙も無い組立が密閉キャップで得られることが可能になる。半径方向にわずかに凸曲面を有する中央部11及び40の外周面21とは対照的に、中央部44は、凹曲面を備えた外周面47を有する。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】連結部材を用いて共につなげられる2つの部分ユニットを備えて成る化粧ユニットの実施形態を示す。
【図2】連結部材が挿入された状態での図1に記載の化粧ユニットの部分ユニットを示す。
【図3】図1に記載の化粧ユニットの連結部材を示す。
【図4】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えて成る化粧ユニットのための連結部材の実施形態の斜視図を示す。
【図5】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えて成る化粧ユニットのための連結部材の実施形態の側面図を示す。
【図6】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の斜視図を示す。
【図7】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の側面図を示す。
【図8】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の斜視図を示す。
【図9】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の側面図を示す。
【図10】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の斜視図を示す。
【図11】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の軸方向平面図を示す。
【図12】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の斜視図を示す。
【図13】2つの相互接続可能な部分ユニットを備えた化粧ユニットのための連結部材の実施形態の側面図を示す。
【符号の説明】
【0045】
2 部分ユニット
3 部分ユニット
4 連結部材
5 容器
6 容器
7 密閉キャップ
8 密閉キャップ
11 中央部
12 中央軸
13 連結突起部
14 連結突起部
15 中空空間
16 中空空間
17 中空空間
18 中空空間
22 エッジ部
23 エッジ部
24 連結部材
25 移行領域
26 移行領域
27 エッジ部
28 連結部材
29 連結突起部
30 連結突起部
31 横断方向スロット
32 横断方向スロット
34 連結部材
35 連結突起部
36 連結突起部
39 連結部材
40 中央部
41 エッジ突出部
42 エッジ突出部
43 連結部材
45 エッジ突出部
46 エッジ突出部
R1 長手方向半径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各部分ユニットが化粧物質を受容するための容器(5、6)と容器(5、6)を密閉可能にする密閉キャップ(7、8)とを有する2つの部分ユニット(2、3)を備えて成る化粧ユニットであって、2つの部分ユニット(2、3)は、2つの密閉キャップ(7、8)と係合する連結部材(4;24;28;34;39;43)を用いて相互接続可能であり、各密閉キャップ(7、8)は、対応する部分ユニット(2、3)の容器(5、6)から見て外方へ向く軸方向前端部に、中央軸(12)の方向に延在するキャップ凹部を有する、化粧ユニットにおいて、
連結部材(4;24;28;34;39;43)が、中央部に形成される2つの軸方向連結突起部(13、14;29;30;35;36)を備えた中央部(11;40;41)を備えて成り、各連結突起部(13、14;29;30、35、36)は、組立られた状態のときに、2つのキャップ凹部の一方と係合すること、及び、軸方向に延在する長手方向中空空間(15、16)が連結部材(4)の連結突起部(13、14)に設けられること、を特徴とする化粧ユニット。
【請求項2】
軸方向に対して垂直に延在する横断方向中空空間(17、18)が、連結部材(4)の連結突起部(13、14)に設けられることを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項3】
キャップ凹部の内壁には、組立てられた状態のときに横断方向中空空間(17、18)と係合する係合突起部が設けられることを特徴とする請求項2に記載の化粧ユニット。
【請求項4】
密閉キャップ(7、8)と連結突起部(13、14)との間に接着剤が与えられることを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項5】
連結突起部(13、14;29;30;35;36)が、組立てられた状態のときに圧入を用いてキャップ凹部内に配置されることを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項6】
連結突起部(13、14;29;30;35;36)が、角があり丸められた楕円形の又は円形の断面を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項7】
連結部材(24;28;34;39;43)は、中央部(11;40;44)からそれぞれの連結突起部(13、14;29;30;35;36)までの移行領域(25、26)で、角があり丸められた又は楕円の断面を有することを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項8】
移行領域での断面の面積が、中央部(11;40;44)から徐々に減少すること、及び、中央軸(12)の方向に延在する外形(27)が、有利には、長手方向半径(R)によって特に規定される湾曲した形状を有すること、を特徴とする請求項7に記載の化粧ユニット。
【請求項9】
各連結突起部(29;30;35;36)がその自由端部で少なくとも一つの横断方向スロット(31、32)を有し、当該横断方向スロットは、軸方向(12)に対して垂直に且つ横断方向寸法全体にわたり延在することを特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項10】
各連結突起部(35、36)が、その自由端部で横断方向スロット(31、32)によって分離される少なくとも2つのウェブ(37)を有すること、及び、係合突起部(38)が、少なくとも一つのウェブ(37)の外側に設けられること、を特徴とする請求項9に記載の化粧ユニット。
【請求項11】
中央部(11)が、2つの軸方向前端部(19、20)と一つの外周面(21)とを有すること、及び、各前端部(19、20)と外周面(21)との間に、一つの外周方向に丸められたエッジ部(22、23)がそれぞれ設けられること、を特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。
【請求項12】
中央部(40;44)が、2つの軸方向前端部(19、20)と一つの外周面(21;47)とを有すること、及び、各前端部(19、20)と外周面(21;47)との間に、一つの外周エッジ部がそれぞれ設けられ、前記外周エッジ部には、軸方向に突出したエッジ突出部(41、42;45、46)が設けられること、を特徴とする請求項1に記載の化粧ユニット。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2008−264537(P2008−264537A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103517(P2008−103517)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【出願人】(502393877)ゲーカ ブルシュ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (16)
【Fターム(参考)】