説明

二官能性複素環式化合物ならびにその製造および使用方法

本発明は、抗感染症薬、抗増殖薬、抗炎症薬および運動促進薬として有用な二官能性複素環式化合物のファミリーを提供する。また、本発明は、二官能性複素環式化合物の製造方法および抗感染症薬、抗増殖薬、抗炎症薬および/または運動促進薬としてのこのような化合物の使用方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願】
【0001】
本出願は、2003年3月5日に出願された米国特許出願No. 60/451,951の利益および優先権を主張し、その記載内容は、参考文献として本発明に援用される。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、抗感染症薬および抗増殖薬の分野に関する。さらに詳しくは、本発明は、このような作用薬として有用な二官能性複素環式化合物のファミリーに関する。
【背景技術】
【0003】
1920年代のペニシリンおよび1940年代のストレプトマイシンの発見以来、抗生物質製剤として使用するための多くの新規な化合物が発見あるいは特に設計されている。かつて、このような作用薬の使用によって、感染性疾患を完全に制御または撲滅できると信じられていた。しかし、このような信仰は、現在有効な治療薬に耐性のある微生物の株が進化し続けているという事実により疑問をもたれている。臨床用途に開発されたほとんどすべての抗生物質製剤が、耐性細菌の出現に関連する問題に直面している。たとえば、メチシリン耐性ブドウ球菌、ペニシリン耐性連鎖球菌およびバンコマイシン耐性腸球菌などのグラム陽性菌の耐性株が進化しており、このような耐性菌に感染した患者に対し、重篤であり、しばしば致命的な結果を引き起こしうるものである。抗生物質マクロライドに耐性のある細菌が進化している。インフルエンザ菌およびカタラリス菌などのグラム陰性菌もまた同定されている。たとえば、F.D. Lowry、Antimicrobial resistance: the example of Staphylococcus aureus、J. Clin. Invest.、Vol. 111、No. 9、pp. 1265-1273(2003);およびGold、H.S. and Moellering、R.C.、Jr.、Antimicrobial-drug resistance。N. Engl. J. Med.、vol. 335、1445-53(1996)を参照のこと。
【0004】
ガンの化学療法に用いられる抗増殖薬も耐性に直面しているので、耐性という問題は抗感染症薬の領域に限定されるものではない。したがって、耐性菌および細胞株の療法に対して有効であり、細菌および細胞株が耐性を発達させる可能性が少ない新規な抗感染症薬および抗増殖薬を開発する必要が存在する。
【0005】
抗生物質耐性の増加に関する問題にもかかわらず、リネゾリドとして公知であり、商標Zyvox(登録商標)(化合物Aを参照)として市販されているオキサゾリジノン環含有抗生物質、N-[[(5S)-3-[3-フルオロ-4-(4-モルホリニル)フェニル]-2-オキソ-5-オキサゾリジニル]メチルアセタミド(構造式1を参照)の2000年の米国における承認以来、新たな主要なクラスの抗生物質は臨床用途に対して開発されていない。R.C. Moellering、Jr.、Linezolid: The First Oxazolidinone Antimicrobial、Annals of Internal Medicine、Vol. 138, No. 2、pp. 135-142(2003)を参照。

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【0006】
リネゾリドは、グラム陽性菌に対して有効な抗菌薬としての用途に対して承認された。しかし、微生物のリネゾリド耐性株はすでに報告されている。Tsiodrasら、Lancet、2001、358、207;Gonzalesら、Lancet、2001、357、1179;Zurenkoら、Proceedings Of The 39th Annual Interscience Conference On Antibacterial Agents And Chemotherapy(ICAAC);San Francisco、CA、USA、September 26-29、1999)を参照。しかし、研究者らは、他の有効なリネゾリド誘導体を開発するために研究している。オキサゾリジノン環がリネゾリドの活性にとって重要である可能性があることが研究により示唆されている。文献には、オキサゾリジノン環のC-5において置換された小さな基を有する分子が記載されており、早期には、構造−活性の関係から、C-5位に大きい基を有する化合物が抗菌剤として活性が小さいことが示唆された。結果として、研究者らは、新規な抗菌薬の開発においてオキサゾリジノン環のC-5位に大きい基を置くことに消極的になっている。
【0007】
別のクラスの抗生物質は、このクラスの化合物の主要な構造的特徴である14〜16員環に対して称されるマクロライドである。開発された最初のマクロライド抗生物質は、1952年にフィリピンからの土壌サンプルから単離されたエリスロマイシン(erythromycin)である。エリスロマイシンは、最も広範に処方される抗生物質の1つであるけれども、バイオアベイラビリティが相対的に低いこと、胃腸副作用があること、および活性の範囲に制限があることという不利点をもつ。Yong-Ji Wu、Highlights of Semi-synthetic Developments from Erythromycin A、Current Pharm. Design 6、pp. 181-223(2000)およびYong-Ji Wu and Wei-uo Su、Recent Developments on Ketolides and Macrolides、Curr. Med. Chem.、8(14)、pp. 1727-1758(2001)を参照。
【0008】
新規な治療薬の探求において、医薬研究者らは、種々の部分の抗生物質を組み合わせるか、または連結することを試みている。しかしながら、このアプローチはあまり成功していない。
December 2、1997に発行されたTruettの米国特許No. 5,693,791には、式:
A-L-B
[ここで、AおよびBは、スルホンアミド、ペニシリン、セファロスポリン、キノロン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン(すなわち、マクロライド抗生物質)、メトロニドゾール、テトラサイクリンおよびアミノグリコシドから選ばれる抗生物質である]で示される抗生物質が記載されている。Lは、二官能性連結剤から形成されるリンカーである。
December 16、1999に公開されたAdvanced Medicine、Inc.のPCT公開公報No. WO 99/63937には、以下の式:
(L)p(X)q
[ここで、Lは、マクロライド抗生物質、アミノグリコシド、リンコサミド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、テトラサイクリン、または細菌リボソームRNAに結合する、および/または細菌におけるリボソームタンパク質合成に関与する1つ以上のタンパク質に結合する他の化合物から選ばれる]で示される抗生物質として有用なマルチ結合化合物が記載されている。Pは、2〜10の整数である。Qは、リンカーである。
【0009】
March 7、2000に発行されたOrらの米国特許No. 6,034,069には、下記構造式2で示される3'-N-修飾6-O-置換エリスロマイシンケトライド誘導体のシリーズが記載されている。R、R1およびR2は、アリール-アルコキシ-ヘテロアリール-アルキレンなどの種々の基から選ばれる。Rpは、Hまたはヒドロキシ保護基である。Wは、不在またはO、NHもしくはNCH3である。Rwは、Hまたは必要に応じて置換されるアルキル基である。

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【0010】
国際公開公報No. WO 99/63937は、別の公知の抗菌剤にリンカーを介して連結したマクロライド抗生物質の一部を含む多種多様の多価マクロライド抗生物質を提案している。下記の化合物3および4は、どちらも製造あるいは試験されなかったものと思われるが、2つの提案された化合物である。

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【0011】
上記にかかわらず、新規な抗感染症薬および抗増殖薬に対する必要性が継続して存在する。さらに、多くの抗感染症薬および抗増殖薬は、抗炎症薬として、および運動促進(胃腸調節)薬としても有用性があるので、抗炎症薬および運動促進薬として有用な新規な化合物に対する必要性も継続して存在する。
【発明の概要】
【0012】
本発明は、式:

で示される、たとえば、化学療法薬、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬、抗ウイルス薬などの抗感染症薬および/または抗増殖薬として有用な化合物のファミリーまたはその医薬的に許容しうる塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。式中、pおよびqは独立して、0または1である。可変基であるA、D、E、G、J、R1、R2、R3、R4、XおよびYは、後述する詳細な記載に定義するそれぞれのグループの化学的部分から選ぶことができる。
さらに、本発明は、前述の化合物の合成方法を提供する。合成の後、抗ガン剤、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬または抗ウイルス薬として使用するために、哺乳動物、魚または鳥に投与するための医薬的に許容しうる担体と化合物を配合することができる。1つの具体例において、本発明化合物または製剤は、たとえば、哺乳動物または魚または鳥における抗細菌または抗真菌感染症薬などとして微生物感染症を治療するために用いてもよい。したがって、本発明化合物または製剤を、経口、非経口または局所経路で投与して、哺乳動物、魚または鳥に有効量の化合物を提供することができる。
以下の詳細な記載および請求の範囲を参照することにより、前述したものおよびその他の本発明の態様および具体例をより十分に理解することができる。
【発明の詳細な記載】
【0013】
本発明は、抗増殖薬および/または抗感染症薬として用いることができる化合物のファミリーを提供する。化合物は、たとえば、抗ガン剤、抗真菌薬、抗菌薬、抗寄生虫薬および/または抗ウイルス薬として、限定されることなく用いることができる。
【0014】
1.定義
本発明のために、本明細書を通じて、以下の定義を使用する。
本明細書で用いる用語「置換された」は、指定された原子上のいずれかの1つ以上の水素が、指定された原子の通常の原子価を越えず、かつ置換が安定な化合物をもたらすという条件で、指示された基から選択された基で置換されることを意味する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2つの水素が置換される。芳香族部分上には、ケト置換基は存在しない。本明細書で用いる環二重結合は、2つの隣接する環原子間に形成される二重結合である(たとえば、C=C、C=NまたはN=N)。
本明細書は、本発明化合物に生じる原子のすべての同位体を含むことを意図する。同位体には、同じ原子番号であるが質量数の異なる原子が含まれる。一般例のために、水素の同位体としてトリチウムおよびジュウテリウムを挙げるが、これらに限定されるものではない。炭素の同位体として、C-13およびC-14が挙げられる。
【0015】
化合物のいずれかの構成部分または式に、可変基(たとえば、R3)が1個以上存在する場合、存在毎にその定義は、他の存在すべての定義とは独立する。したがって、たとえば、1つの基が1つ以上のR3部分で置換されることが示されるならば、その基は、必要に応じて、1、2、3、4または5個以上のR3部分で置換することができ、存在毎にR3は、R3の定義から独立して選ばれる。また、置換基および/または可変基の組み合わせは、このような組み合わせが安定な化合物をもたらす場合のみ許容される。
本明細書に記載する式において、環内の破線円は、環が芳香族または非芳香族のいずれかであることを示す。環内の結合を横切って描かれるが、環原子に直接結合しない化学的部分から伸びる結合は、化学的部分が環のいずれかの原子に結合することを示す。置換基が、このような置換基が所定の式で示される化合物の残りに、その原子を介して結合する原子を示すことなく記載される場合、このような置換基は、このような置換基のいずれかの原子を介して結合する。1つ以上の置換基を含む上記化学的部分のいずれかに関し、このような部分が、立体的に実行不可能および/または合成的に実現不可能ないずれかの置換基または置換パターンを含まないのは当然のことである。さらに、本発明化合物には、これらの部分の置換から生じるすべての立体化学的異性体が含まれる。
【0016】
本明細書で用いる、たとえば、「アルキル」「アルケニル」「アルキニル」「炭素環」およびその種々のバリエーションなどの種々の炭素含有部分を説明するために使用するための用語は、一価、二価または多価化学種を含むことを意図する。たとえば、「C1-6アルキル-R3」は、R3基で置換された一価のC1-6アルキル基を表し、「O-C1-6アルキル-R3」は、二価のC1-6アルキル基、すなわち、酸素原子およびR3基で置換された「アルキレン」基を表す。
本発明化合物に窒素がある場合、酸化剤(たとえば、MCPBおよび/または過酸化水素など)で処理することによって、これらをN-オキシドに変換し、他の本発明化合物を得ることができる。したがって、すべての表示および請求される窒素は、表示される窒素およびそのN-オキシド(N→O)誘導体を含むとみなされる。
本明細書で用いる「アルキル」は、指定数の炭素原子を有する分枝鎖および直鎖飽和脂肪族炭化水素基を含むことを意図する。C1-6アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルキル基を含むことを意図する。C1-8アルキルは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8アルキル基を含むことを意図する。アルキルの例として、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、s-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、s-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチルおよびn-オクチルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
本明細書で用いる「アルケニル」は、エテニルおよびプロペニルなどの、直鎖または分枝鎖配置のいずれかの炭化水素鎖および鎖に沿っていずれかの安定点を生じうる1つ以上の不飽和炭素-炭素結合を含むことを意図する。C2-6アルケニルは、C2、C3、C4、C5およびC6アルケニル基を含むことを意図する。C2-8アルケニルは、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8アルケニル基を含むことを意図する。
本明細書で用いる「アルキニル」は、エチニルおよびプロピニルなどの、直鎖または分枝鎖配置のいずれかの炭化水素鎖および鎖に沿っていずれかの安定点を生じうる1つ以上の三重結合を含むことを意図する。C2-6アルキニルは、C2、C3、C4、C5およびC6アルキニル基を含むことを意図する。C2-8アルキニルは、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8アルキニル基を含むことを意図する。
【0018】
本明細書で用いる「アシル」は、直鎖または分枝鎖配置のいずれかの炭化水素鎖および鎖に沿っていずれかの安定点を生じうる1つのケト基(=O)を含むことを意図する。「C1-8アシル」は、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8アシル基を含むことを意図する。
本明細書で用いる「アルコキシ」は、酸素橋を介して結合する指定数の炭素原子を有する上記定義されたアルキル基を意味する。C1-6アルコキシは、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルコキシ基を含むことを意図する。C1-8アルコキシは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8アルコキシ基を含むことを意図する。アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、i-プロポキシ、n-ブトキシ、s-ブトキシ、t-ブトキシ、n-ペントキシ、s-ペントキシ、n-ヘプトキシおよびn-オクトキシが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本明細書で用いる「アルキルチオ」は、イオウ橋を介して結合する指定数の炭素原子を有する上記定義されたアルキル基を意味する。C1-6アルキルチオは、C1、C2、C3、C4、C5およびC6アルキルチオ基を含むことを意図する。C1-8アルキルチオは、C1、C2、C3、C4、C5、C6、C7およびC8アルキルチオ基を含むことを意図する。
本明細書で用いる「炭素環」または「炭素環式環」は、他に特記しない限り、いずれかの安定な3、4、5、6もしくは7員の単環式または二環式環、または7、8、9、10、11もしくは12員の二環式または三環式環であって、飽和、不飽和または芳香族の環を意味することを意図する。このような炭素環の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロブテニル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘプテニル、シクロヘプチル、シクロヘプテニル、アダマンチル、シクロオクチル、シクロオクテニル、シクロオクタジエニル、[3.3.0]ビシクロオクタン、[4.3.0]ビシクロノナン、[4.4.0]ビシクロデカン、[2.2.2]ビシクロオクタン、フルオレニル、フェニル、ナフチル、インダニル、アダマンチルおよびテトラヒドロナフタレニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。前述したように、架橋環もまた、炭素環の定義に含まれる(たとえば、[2.2.2]ビシクロオクタン)。1つ以上の炭素原子が2つの非隣接炭素原子を連結するときに、架橋環が生じる。好ましい架橋は、1つまたは2つの炭素原子である。架橋は常に単環式環を三環式環に変換することが知られている。環が架橋する場合、環のために列挙された置換基が架橋上に存在してもよい。縮合(たとえば、ナフチルおよびテトラヒドロナフチルなど)およびスピロ環も含まれる。
【0020】
本明細書で用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。「対イオン」は、クロリド、ブロミド、ヒドロキシド、アセテートおよびスルフェートなどの小さい負に帯電した化学種を表すために用いる。
本明細書で用いる用語「複素環」は、他に特記しない限り、飽和、不飽和または芳香族の安定な3、4、5、6もしくは7員の単環式または二環式、または7、8、9、10、11もしくは12員の二環式または三環式環を意味し、炭素原子および窒素、酸素およびイオウから独立して選ばれる1つ以上のヘテロ原子、たとえば、1または1-2または1-3または1-4または1-5または1-6個のヘテロ原子からなり、上述の定義の複素環式環が第二の環に縮合するいずれの二環式基(たとえば、ベンゼン環)をも含む。窒素およびイオウヘテロ原子は、必要に応じて、酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)p、ここで、p=1または2)。窒素原子が環に含まれる場合、環内の二重結合に結合するかどうかに応じてNまたはNHのいずれかである(すなわち、窒素原子の三価を維持することが必要ならば水素が存在する)。窒素原子は、置換または非置換であってよい(すなわち、NまたはNR、ここで、RはHであるか、または前述の他の置換基である)。複素環は、いずれのヘテロ原子または炭素原子においてもペンダント基を結合して安定な構造を得ることができる。本明細書に記載した複素環式環は、得られる化合物が安定ならば、炭素原子または窒素原子において置換することができる。複素環中の窒素は、必要に応じて四級化してもよい。複素環中のSおよびO原子の総数が1を越える場合、これらのヘテロ原子が互いに隣接しないのが好ましい。複素環中のSおよびO原子の総数が1以下であるのが好ましい。架橋環もまた複素環の定義に含まれる。1つ以上の原子(すなわち、C、O、NまたはS)が2つの隣接しない炭素または窒素原子を連結する場合に架橋環が生じる。好ましい架橋として1つの炭素原子、2つの炭素原子、1つの窒素原子、2つの窒素原子および炭素−窒素基が挙げられるが、これらに限定されるものではない。架橋は常に単環式環を三環式環に変換することが知られている。環が架橋する場合、環のために列挙された置換基が架橋上に存在してもよい。スピロおよび縮合環も含まれる。
【0021】
本明細書で用いる用語「ヘテロアリール」または「芳香族複素環」は、炭素原子および、炭素原子および窒素、酸素およびイオウから独立して選ばれる、たとえば、1または1-2または1-3または1-4または1-5または1-6個のヘテロ原子などの1つ以上のヘテロ原子からなる5、6もしくは7員の単環式または二環式、または7、8、9、10、11もしくは12員の二環式または三環式環を意味することを意図する。二環式複素環式芳香族環の場合、両方が芳香族であってもよいが(たとえば、キノリン)、2つの環の1つのみが芳香族であることが必要である(たとえば、2,3-ジヒドロインドール)。第二の環もまた、上述したように複素環に縮合または架橋することができる。窒素原子は、置換または非置換であってよい(すなわち、NまたはNR、ここで、RはHであるか、または前述の他の置換基である)。窒素およびイオウヘテロ原子は、必要に応じて、酸化されてもよい(すなわち、N→OおよびS(O)p、ここで、p=1または2)。芳香族複素環中のSおよびO原子の総数が1を越えないことも注意すべきである。
【0022】
複素環として、アクリジニル、アゾシニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサゾリニル、ベンズチアゾリル、ベンズトリアゾリル、ベンズテトラゾリル、ベンズイソキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンズイミダゾリニル、カルバゾリル、4aH-カルバゾリル、カルボリニル、クロマニル、クロメニル、シンノリニル、デカヒドロキノリニル、2H,6H-1,5,2-ジチアジニル、ジヒドロフロ[2,3-b]テトラヒドロフラン、ジヒドロオキサゾール、ジチアゾロニル、フラニル、フラザニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリル、1H-インダゾリル、インドレニル、インドリニル、インドリジニル、インドリル、3H-インドリル、イサチノイル、イソベンゾフラニル、イソクロマニル、イソインダゾリル、イソインドリニル、イソインドリル、イソピロリル、イソキノリニル、イソチアゾリル、イソキサゾリル、メチレンジオキシフェニル、モルホリニル、ナフチリジニル、オクタヒドロイソキノリニル、オキサジアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,4-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-オキサチアゾリル-1-オキシド、オキサチオリル、オキサゾリジニル、オキサゾリル、オキシンドリル、オキソ-イミダゾリル、オキソ-チアゾリニル、ピリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェニジニル、フェノチアジニル、フェノキサチニル、フェノキサジニル、フタラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピペリドニル、4-ピペリドニル、ピペロニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドオキサゾール、ピリドイミダゾール、ピリドチアゾール、ピリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピロリジニル、ピロリニル、2H-ピロリル、ピロリル、キナゾリニル、キノリニル、4H-キノリジニル、キノキサリニル、キヌクリジニル、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロイソキノリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾリル、6H-1,2,5-チアジアジニル、1,2,3-チアジアゾリル、1,2,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、チアントレニル、チアトリアゾリル、チアゾレジオニル、チアゾリル、チエニル、チエノチアゾリル、チエノオキサゾリル、チエノイミダゾリル、チオフェニル、トリアジニル、1,2,3トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,5-トリアゾリル、1,3,4-トリアゾリルおよびキサンテニルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
用語「ヒドロキシ保護基」は、合成工程中に望ましくない反応に対してヒドロキシル基を保護することが当業界で公知である選択的に除去しうる基を意味する。ヒドロキシ保護基の使用は当業界で公知であり、多くのこのような保護基が知られている(たとえば、T.H. Greene and P.G.M. Wuts (1999) PROTECTIVE GROUPS IN ORGANIC SYNTHESIS、3rd edition、John Wiley & Sons、New Yorkなどを参照)。ヒドロキシ保護基の例として、アセテート、メトキシメチルエーテル、メチルチオメチル、tert-ブチルジメチルシリルおよびtert-ブチルジフェニルシリルが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
本明細書で用いる用語「マクロライド」は、14または15員の大環状環およびその誘導体(ケト、オキシム、環状炭酸エステル誘導体)を意味する。これらの例として、エリスロマイシン、クラリスロマイシン、アジスロマイシン、テリスロマイシン、ロキシスロマイシン、ピクロマイシン、フルリスロマイシンおよびジリスロマイシンなどの公知の抗菌剤化合物(あるいはそれから合成的に誘導される)化合物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本明細書で用いる語句「医薬的に許容しうる」は、信頼しうる医療的判断(sound medical judgment)の範囲内にある、合理的な受益性/危険性比率に見合った、重大な毒性、刺激、アレルギー反応またはその他の問題もしくは合併症なしで、ヒトや動物の組織と接触して使用するのに適した化合物、物質、組成物および/または投与剤形を意味する。
【0025】
本明細書で用いる「医薬的に許容しうる塩」は、開示された化合物の誘導体を意味し、ここで、親化合物は、その酸性または塩基性塩を製造することによって変更される。医薬的に許容しうる塩として、アミンなどの塩基性残基の鉱酸塩または有機酸塩、またはカルボン酸などの酸性残基のアルカリ塩または有機塩などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。医薬的に許容しうる塩には、非毒性無機または有機酸などから製造された親化合物の慣例の非毒性塩もしくは四級アンモニウム塩が含まれる。たとえば、このような慣例の非毒性塩として、2-アセトキシ安息香酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、酢酸、アスコルビン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、炭酸、クエン酸、エデト酸、エタンジスルホン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコヘプトン酸、グルコン酸、グルタミン酸、グリコール酸、グリコーリアルサニル酸、ヘキシルレゾルシン酸、ヒドラバミン酸、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシマレイン酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、ラウリル硫酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、パモン酸、パントテイン酸、フェニル酢酸、ホスホリル酸、ポリガラクツロン酸、プロピオン参、サリチル酸、ステアリン酸、スバセチン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸およびトルエンスルホン酸から選ばれる無機または有機酸から誘導される塩が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
本発明の医薬的に許容しうる塩は、慣例の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含む親化合物から合成することができる。一般に、このような塩は、これらの化合物の遊離の酸または塩基型を、水溶液または有機溶媒液またはそれらの混合液中の化学量論量の適当な塩基または酸と反応させることによって製造することができる;一般に、エーテル、酢酸エチル、エタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルなどの非水溶媒が好ましい。適当な塩のリストが、Remington's Pharmaceutical Sciences、18th ed.、Mack Publishing Company、Easton、PA、1990、1445に見出される。
用語「医薬的に許容しうるエステル」は、インビボで加水分解するエステルを意味し、人体で容易に分解して、親化合物またはその塩を残すものを含む。適当なエステル基として、たとえば、医薬的に許容しうる脂肪族カルボン酸、特に、アルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカンジオン酸から誘導されるエステルが挙げられ、各アルキルまたはアルケニル部分は、6個以下の炭素原子を有するのが有利である。他の適当なエステル基には、たとえば、直鎖または分枝鎖の脂肪族アルコール、ベンジルアルコールおよびアミノアルコールなどの医薬的に許容しうるアルコールから誘導されたエステルが含まれる。特定のエステルの例として、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、アクリル酸、エチルコハク酸エステルおよびメチル、エチル、プロピル、ベンジルおよび2-アミノエチルアルコールエステルが挙げられる。
【0027】
プロドラッグが、医薬品の多くの望ましい品質(たとえば、溶解性、バイオアベイラビリティ、製造加工など)を増強することが知られているので、本発明化合物をプロドラッグ体でデリバリーしてもよい。したがって、本発明は、現在クレームする化合物のプロドラッグ、そのデリバリー方法およびそれを含む組成物を含むことを意図する。「プロドラッグ」は、このプロドラッグが哺乳動物患者に投与されると、インビボで本発明の有効親薬物を放出する共役結合したいずれかの担体を含むことを意図する。本発明のプロドラッグは、修飾が親化合物に対して慣例の操作またはインビボのいずれかで切断される方法で、化合物に存在する官能基を修飾することによって製造される。プロドラッグは、ヒドロキシ、アミノまたはスルフヒドリル基が、本発明のプロドラッグが哺乳動物患者にされると切断されてそれぞれ遊離ヒドロキシル、遊離アミノまたは遊離スルフヒドリル基を形成するいずれかの基に結合する本発明化合物を含む。プロドラッグの例として、本発明化合物中のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸および安息香酸誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
「安定な化合物」および「安定な構造」は、反応混合物から有用な程度の純度へ単離し、有効な治療薬に配合することに耐えるのに十分に強固な化合物を示すことを意味する。現在述べている化合物がN-ハロ、S(O)2HまたはS(O)H基を含まないのが好ましい。
本明細書で用いる「治療する」または「治療」は、哺乳動物、魚または鳥、特にヒトにおける疾患状態の治療を意味し、(a)哺乳動物、魚または鳥に起こりつつある疾患状態を予防すること、特にこのような哺乳動物、魚または鳥が疾患状態になりやすいが、まだ疾患であると診断されていない場合に予防すること;(b)疾患状態を抑制すること、すなわち、その発症を阻止すること;および/または(c)疾患状態を軽減すること、すなわち、疾患状態の緩解を引き起こすこと、を包含する。
本明細書で用いる「哺乳動物」は、ヒトおよび非ヒト患者を意味する。
【0029】
本明細書で用いる用語「治療有効量」は、単独または抗増殖薬および/または抗感染症薬と併用して投与する場合に有効な本発明化合物または化合物の組み合わせの量を意味する。化合物の併用は、相乗的併用が好ましい。たとえば、ChouおよびTalalay、Adv. Enzyme Regul. 1984、22:27-55に記載されたように、相乗作用は、組み合わせて投与される場合の化合物の効果が、単剤として単独で投与される場合の化合物の相加作用よりも大きい場合に生じる。一般に、相乗効果は、化合物の次善最適濃度において最も明瞭に実証される。相乗作用は、個々の成分と比較した場合の併用における細胞毒性の低減、抗増殖効果および/または抗感染効果あるいはその他の遊離な効果の増進という点で可能である。
【0030】
本明細書で用いるすべてのパーセンテージおよび比率は、他に特記しない限り重量によるものである。
組成物が特定の成分を有する、包含する、または含むと記載され、工程が特定の工程ステップを有する、包含する、または含むと記載れる本明細書の記載を通じて、本発明の組成物もまた、本質的に述べている成分からなる、または述べている成分からなる、および本明細書の工程もまた本質的に述べている成分からなる、または述べている工程ステップからなることを意図している。さらに、当然のことながら、本発明が実施可能性を維持する限り、ステップの順序または特定の行為を実行する順序は重要ではない。さらにそのうえ、2つ以上のステップまたは行為を同時に行ってもよい。
【0031】
2.本発明の化合物
本発明は、式:

[式中、
-O-Aは、以下から選ばれる:
【化1】

(ここで、
rは存在毎に独立して、0、1、2 3または4および
sは存在毎に独立して、0または1である);
Xは存在毎に独立して、炭素、カルボニルまたは窒素であるが、ただし、少なくとも1つのXは炭素である;
Yは炭素、窒素、酸素またはイオウ;
Dは、以下から選ばれる:
O、S、NR5、C=O、C=S、C=NOR5、SOおよびSO2
E-Gは、以下から選ばれる
【化2】

Gは、以下から選ばれる:
a)


b)


c)


d)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;
e)C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;
f)C1-8アルキル、
g)C2-8アルケニル、
h)C2-8アルキニル、
i)C1-8アルコキシ、
j)C1-8アルキルチオ、
k)C1-8アシル、
l)S(O)tR5;および
m)水素
(ここで、いずれかのf)−k)は、必要に応じて、以下で置換される:
i)1つ以上のR4基;
ii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;または
iii)C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
Jは、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)およびg)マクロライド
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-および-C(O)NR5-、
uは0または1および
いずれかのb)−f)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R1、R2およびR3は独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-および-C(O)NR7-、
uは0または1および
いずれかのb)−h)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
別の定義として、R2およびR3は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の追加の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成し、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;
R4は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR5、h)=NOR5、i)=NS(O)tR5、j)=N-NR5R5、k)-CF3、l)-OR5、m)-CN、n)-NO2、o)-NR5R5、p)-NR5OR5、q)-C(O)R5、r)-C(O)OR5、s)-OC(O)R5、t)-C(O)NR5R5、u)-NR5C(O)R5、v)-OC(O)NR5R5、w)-NR5C(O)OR5、x)-NR5C(O)NR5R5、y)-C(S)R5、z)-C(S)OR5、aa)-OC(S)R5、bb)-C(S)NR5R5、cc)-NR5C(S)R5、dd)-OC(S)NR5R5、ee)-NR5C(S)OR5、ff)-NR5C(S)NR5R5、gg)-C(=NR5)R5;hh)-C(=NR5)OR5、ii)-OC(=NR5)R5、jj)-C(=NR5)NR5R5、kk)-NR5C(=NR5)R5、ll)-OC(=NR5)NR5R5、mm)-NR5C(=NR5)OR5、nn)-NR5C(=NR5)NR5R5、oo)-NR5C(=NR5)NR5R5、pp)-S(O)tR5、qq)-SO2NR5R5、rr)-S(O)tN=R5およびss)R5
R5は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-およびC(O)NR8-,
uは0または1および
いずれかのb)−h)は、必要に応じて、1つ以上のR6基で置換される);
別の定義として、2つのR5基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR6基で置換される;
R6は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR7、h)=NOR7、i)=NS(O)tR7、j)=N-NR7R7、k)-CF3、l)-OR7、m)-CN、n)-NO2、o)-NR7R7、p)-NR7OR7、q)-C(O)R7、r)-C(O)OR7、s)-OC(O)R7、t)-C(O)NR7R7、u)-NR7C(O)R7、v)-OC(O)NR7R7、w)-NR7C(O)OR7、x)-NR7C(O)NR7R7、y)-C(S)R7、z)-C(S)OR7、aa)-OC(S)R7、bb)-C(S)NR7R7、cc)-NR7C(S)R7、dd)-OC(S)NR7R7、ee)-NR7C(S)OR7、ff)-NR7C(S)NR7R7、gg)-C(=NR7)R7;hh)-C(=NR7)OR7、ii)-OC(=NR7)R7、jj)-C(=NR7)NR7R7、kk)-NR7C(=NR7)R7、ll)-OC(=NR7)NR7R7、mm)-NR7C(=NR7)OR7、nn)-NR7C(=NR7)NR7R7、oo)-NR7C(=NR7)NR7R7、pp)-S(O)tR7、qq)-SO2NR7R7、rr)-S(O)tN=R7およびss)R7
R7は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C314飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)
(ここで、Lは、以下から選ばれる:C(O)、C(O)OおよびC(O)NR7,
uは0または1および
いずれかのb)−h)は、必要に応じて、以下から選ばれる1つ以上の部分で置換される:
R8、F、Cl、Br、I、-CF3、-OR8、-SR8、-CN、-NO2、-NR8R8、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-C(O)NR8R8、-NR8C(O)R8、-OC(O)NR8R8、-NR8C(O)OR8、-NR8C(O)NR8R8、C(S)R8、-C(S)OR8、-OC(S)R8、-C(S)NR8R8、-NR8C(S)R8、-OC(S)NR8R8、-NR8C(S)OR8、-NR8C(S)NR8R8、-NR8C(NR8)NR8R8、-SO2NR8R8および-S(O)tR8);
別の定義として、2つのR7基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する;
R8は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)、
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-および-C(O)NH-、-C(O)N(C1-6アルキル)-および
uは0または1);
R9はR4
R10はR4
別の定義として、R9およびR10は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R11はR4
別の定義として、2つのR11基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R12はR5
別の定義として、R12および1つのR11基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R13はR4
R14はR4
別の定義として、いずれかのR13およびいずれかのR14は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
pは0または1;
qは0または1;および
tは存在毎に独立して、0、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、エステルもしくはプロドラッグを提供する。
【0032】
特定の具体例において、本発明は、式:

[ここで、A、D、G、J、R1、R2、R3、R4、X、Y、pおよびqは、前記と同意義]
で示される化合物を提供する。
別の具体例において、本発明は、式:

[ここで、O-Aは、O-(CH2)r、O-C(O)またはO-C(O)-(CH2)r;rは1、2、3または4;Jはマクロライド;およびG、R1、R2、R3、R4、X、Yおよびqは、前記と同意義]。
で示される化合物を提供する。
【0033】
また別の具体例において、本発明は、式:
【化3】

で示される化合物を提供する。
【0034】
前述の化合物の特定の具体例において、Gは、式:

[ここで、R11およびR12は、前記と同意義]
で示される。これらの化合物の特定の具体例において、R12は-C(O)CH3である。他の具体例において、R12は式:

[ここで、R4およびR5は、前記と同意義]
で示される。これらの化合物の特定の具体例において、R5は、-C(O)-CH2-OHである。他の具体例において、R4はHである。
【0035】
他の具体例において、Gは、式:

[ここで、R12は、前記と同意義]
で示される。これらの化合物の特定の具体例において、R12はHである。他の具体例において、R12は、式:

[ここで、Zは、O、NR5およびS(O)tから選ばれ、vは0、1、2または3である]で示される。特定の具体例において、ZはOおよびvは1である。
【0036】
特定の具体例において、本発明は、式:

[ここで、O-Aは、O-(CH2)r、O-C(O)またはO-C(O)-(CH2)r;rは1、2、3または4;Jはマクロライド;およびR1、R2、R3、R12およびqは前記と同意義]
で示される。これらの化合物の具体例において、R12はHまたは

である。
【0037】
前述の化合物の他の具体例において、Jはマクロライドである。これらの化合物の特定の具体例において、マクロライドは、以下の化合物:
【化4】

[ここで、Qは、以下から選ばれる:-NR5CH2-、-CH2-NR5-、-C(O)-、-C(=NR5)-、-C(=NOR5)-、-C(=N-NR5R5)-、-CH(OR5)-および-CH(NR5R5)-;
R15およびR16は独立して、R5およびヒドロキシ保護基から選ばれる;
別の定義において、R15およびR16は、それらが結合する原子と一緒になって、式:

を形成する;
R17は、以下から選ばれる:
a)C1-6アルキル、b)C2-6アルケニルおよびc)C2-6アルキニル
(ここで、a)−c)は、必要に応じて、以下から選ばれる1つ以上の部分で置換される:
i)-OR5、ii)C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環およびiii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環、
ここで、いずれかのii)−iii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R18は、以下から選ばれる:
a)-OR15、b)C1-6アルキル、c)C2-6アルケニル、d)C2-6アルキニル、e)-C(O)R5およびf)-NR5R5
(ここで、いずれかのb)−d)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
別の定義として、R15およびR18は、それらが結合する原子と一緒になって、式:

(ここで、VはCHまたはNおよびR22は-OR5またはR5
を形成する;
R19は-OR15
別の定義として、R18およびR19は、それらが結合する原子と一緒になって、以下から選ばれるリンカーを介して違いに結合することによって5員環を形成する:
-OC(R4)(R4)O-、-OC(O)O-、-OC(O)NR5-、-NR5C(O)O-、-OC(O)NOR5-、-N(OR5)C(O)O-、-OC(O)N-NR5R5-、-N(NR5R5)C(O)O-、-OC(O)CHR5-、-CHR4C(O)O-、-OC(S)O-、-OC(S)NR5-、-NR5C(S)O-、-OC(S)NOR5-、-N(OR5)C(S)O-、-OC(S)N-NR5R5-、-N(NR5R5)C(S)O-、-OC(S)CHR4-および-CHR4C(S)O-;
別の定義として、Q、R18およびR19は、それらが結合する原子と一緒になって、式:

(ここで、WはO、NR5またはNOR5
を形成する;
R20は、H、F、Cl、BrおよびC1-6アルキルから選ばれる;
R21は存在毎に独立して、R5、-OR15および-NR5R5から選ばれる;
別の定義として、2つのR21基は一緒になって、=O、=N-OR5または=N-NR5R5である]
から選ばれる。
【0038】
特定の具体例において、Jは、以下から選ばれる:
【化5】

【化6】

前述の化合物の他の具体例において、R1はH;R2はメチル;およびR3はメチルである。
【0039】
本発明の特定の具体例として、以下の式:
【化7】

で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、エステルもしくはプロドラグが挙げられる。
【0040】
別の態様において、本発明は、1種以上の治療有効量の前述の化合物および医薬的に許容しうる担体を含む医薬組成物を提供する。さらに別の態様において、本発明は、有効量の本発明化合物または本発明医薬組成物を、たとえば、経口、非経口または局所経路を介して投与することによる、哺乳動物、魚または鳥における微生物感染、真菌感染、ウイルス感染、寄生虫疾患、増殖性疾患、炎症性疾患または胃腸運動性障害の治療方法を提供する。さらに別の態様において、本発明は、前述の化合物のいずれか1つの合成方法を提供する。別の態様において、本発明は、たとえば、1つ以上の前述の化合物を含有するか、またはコーティングした医療用ステントなどの医療器具を提供する。
もう1つの態様において、本発明は、複素環式リンカーを介して、マクロライドの少なくとも一部に連結した複素環式側鎖を含む化合物のファミリーを提供する。本発明化合物の合成に有用なマクロライド、複素環式リンカーおよび複素環式側鎖の例として、以下に示す化学的部分が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0041】
マクロライド























上記マクロライドにおいて、R'は、水素またはメチルのいずれかでありうる。
【0042】
リンカー

上記複素環式リンカーにおいて、「M」および「S」は、本発明化合物を定義付ける他の構造に対する複素環式リンカーの方向性を表すために含まれる。より詳しくは、「M」は、マクロライド部分を含む化合物の部分を示し、[S」は、複素環式側鎖部分を含む化合物の部分を示す。
【0043】
側鎖














【0044】
複素環式リンカーを介するマクロライドフラグメントへの複素環式側鎖の結合を示す典型的な図式を以下に示す(ここで、R'は水素またはメチルおよびnは1、2、3または4)。
【化8】

【0045】
後記のような当業界で公知の慣例の化学を用いて、種々の複素環式側鎖を、複素環式リンカーを介してマクロライドに結合させることができる。提供された化学部分の様々な組み合わせを用いることによって、当業者は、第2表に挙げた例示的化合物を1つ以上合成することができる。一連の例それぞれにおいて、後記のケースの文字表示は、R'が水素またはメチルおよびnが1、2、3または4である化合物を意味する。各後記ケースの文字表示に対するR'およびnの値を以下の第1表に示す。
【表1】

たとえば、第2表の指標として、化合物E1aは、この表の第1列において示す構造について、R'=H、n=1の変化体であり、化合物E1bは、R'=H、n=2の誘導体およびE1eは、R'=メチル、n=1の誘導体である。
【0046】
【表2】

【表3】

【表4】

【表5】

【表6】

【表7】

【表8】

【表9】

【表10】

【0047】
【表11】

【表12】

【表13】

【表14】

【表15】

【表16】

【表17】

【表18】

【表19】

【表20】

【0048】
【表21】

【表22】

【表23】

【表24】

【表25】

【表26】

【表27】

【表28】

【表29】

【表30】

【0049】
【表31】

【表32】

【表33】

【表34】

【表35】

【表36】

【表37】

【表38】

【表39】

【表40】

【0050】
【表41】

【表42】

【表43】

【表44】

【表45】

【表46】

【表47】

【表48】

【表49】

【表50】

【0051】
【表51】

【表52】

【表53】

【表54】

【表55】

【表56】

【表57】

【表58】

【表59】

【表60】

【0052】
【表61】

【表62】

【表63】

【表64】

【表65】

【表66】

【表67】

【表68】

【表69】

【表70】

【0053】
【表71】

【表72】

【表73】

【表74】

【表75】

【0054】
3.本発明化合物の合成
別の態様において、本発明は、本発明化合物の製造方法を提供する。以下の反応工程式は、本発明化合物を合成するための典型的化学反応を表す。しかし、当然のことながら、所望の化合物を、当業界で公知の他の代替的方法を用いて製造してもよい。
反応工程式1は、C-5において1,2,3-トリアゾリルメチル誘導体で置換されたオキサゾリジノンの合成を説明する。イソシアネート14を、高温下で臭化リチウムおよび酪酸グリシジルと反応させて、15タイプのオキサゾリジノン中間体(Gregoryら(1989)J. MED. CHEM. 32: 1673)を生成することができる。得られる酪酸エステル化合物15の加水分解により、アルコール17を生成する。ベンジルカルバメート16などのカルバメートからアルコール17を合成することもできる。次いで、化合物16のカルバメート窒素を脱プロトン化し、酪酸グリシジルでアルキル化して、ヒドロキシメチル誘導体17を生成する(ブチルエステルのインシトゥ加水分解後)。反応工程式1を通じて表されるRエナンチオマーが、抗菌薬として最も生物学的に有用な誘導体であるが、RまたはSエナンチオマーのいずれか、あるいはRおよびSエナンチオマーの混合物から誘導された化合物が本発明の実施において有用でありうると考えられる。
【0055】
アルコール17をメシレート18a(適当な溶媒中で塩化メタンスルホニルおよびトリエチルアミンで処理することにより)およびアジド19(続いて、DMF中でナトリウムアジドによりメシレートを置換することにより)などの有用な中間体に変換することができる。アジド19は、トシレート18b(またはブロシレートまたはノシレート)または18cタイプのアルキルハライド(当業者に公知の方法によりアルコール17から製造)からも生成されうる。置換アセチレン20の存在下でアジド19を加熱(heat)して、21および22タイプのC-5置換1,2,3-トリアゾリルメチルオキサゾリジノン誘導体を生成することができる。当然のことながら、当業者であれば、別の化学的条件を用いて、反応工程式この転換を達成することもできる。
【0056】
反応工程式1

【0057】
当然のことながら、非対称アセチレン誘導体を反応させて、21および22で示される位置異性体環付加生成物の混合物を生成することができ、および
当業者に公知の操作によって反応条件を調節して、より選択的に一方の位置異性体または他方を生成することができる。たとえば、反応工程式2は、2つの位置異性体トリアゾール24および25を生成するためのモノ置換アセチレン23とアジド19との反応を表す。アンチ異性体(anti isomer)24に至る反応が、より速い速度で進行するので、メジャー(major)異性体は、ほとんどの場合この生成物である。特定の状況下で、立体障害的により疎まれたシン異性体(syn isomer)も形成されるが、かなり遅い速度である。ヨウ化第一銅の添加は、この反応にとって有用な添加剤であり、主要アンチ付加体24の割合の増加をもたらす(Tornoe、C.W.ら(2002)J. ORG. CHEM. 67: 3057)。マイナー(minor)異性体25の割合の増加は、反応工程式を少し変更することによって引き起こすことができる。アジド19をトリメチルシリル置換アセチレン26と反応させて、アンチ異性体27およびシン異性体28を生成することができる。フッ化テトラブチルアンモニウムで脱シリル化することにより、より豊富な先駆体トリアゾール27から、25の割合を増加させて、トリアゾール24および25を生成することができる。
【0058】
反応工程式2

【0059】
いくつかの本発明化合物の合成に向かう別のアプローチを反応工程式3aに示す。芳香族ハライド29は、活性化すると、カルバメート33を適当な塩基(base)で処理することにより誘導されたアニオンと反応して、求核芳香族置換を介して3-アリール置換オキサゾリジノン誘導体31を生成することができる。適当な塩基として、たとえば、n-BuLi、LiN(Si(CH3)3)2およびNaHが挙げられる。DMF中のカルボニルジイミダゾールで32を処理し、次いで、適当な塩化シリルにより出発生成物のヒドロキシメチル基のインシトゥシリル化を行うことにより、カルバメート33を合成することができる。反応工程式に記載した方法により、31タイプの誘導体を脱シリル化することにより、本発明の目的化合物に変換することができるアルコール17を生成する。
【0060】
反応工程式3a


【0061】
以下の式から明らかなように、エリスロマイシン(Erythromycin)は、3つの環状フラグメントを含む。これらのフラグメントはそれぞれ、クラジノース、デソサミンおよびエリスロノリドと称される。天然の化合物であるエリスロマイシンおよびその有用な合成誘導体の大部分は、マクロライド環のC-5酸素に結合した糖デソサミンを有する。本発明化合物は、デソサミンの4'位に追加の酸素置換基を有する。すなわち、デソサミンの代わりにC-5位に糖マイカミノース(mycaminose)を有する。本発明において、すべての置換は、デソサミン部分の4'位で起こる。この別の糖を有するエリスロマイシンは、1969年に米国特許No. 3,629,232において最初に記載された。
【0062】
本発明化合物の製造における最初のステップは、4'-ヒドロキシエリスロマイシンを製造することである。4'-ヒドロキシエリスロマイシンを得るための前段階の反応工程式が、1969年3月14日に出願され、現在は放棄されている米国特許出願No. 807,444に記載されている。

【0063】
6-O-マイカミノシル-エリスロマイシン(6-O-mycaminosyl-erythromycin)は、エリスロマイシン自体に非常に類似した化学的反応性を有し、したがって、エリスロマイシンにおいて実施される公知の方法論にしたがって処理して、6-O-マイカミノシルアジスロマイシン(34a)、6-O-マイカミノシルクラリスロマイシン(34b)および6-O-マイカミノシルクラリスロマイシン 3-ケトリドケトリド(34c)などの多くの有用な類縁体を生成することができる。

化合物34a、34bおよび34cは、それぞれ米国特許Nos. 6,013,778、5,852,180および5,444,051に記載の手順を用いて、6-マイカミノシルエリスロマイシンから製造することができる。
【0064】
たとえば、ハライドまたはスルホネート基などの脱離基を有する炭素に、種々の結合またはリンカーによって連結したアルキンを有する求電子試薬35を用いて、第2級アルコール(またはシクロアルキルアルコール)をアルキル化して、36タイプのエーテルを生成することができる。


【0065】
マイカミノース糖の4'-ヒドロキシル基をアルキル化して、3-マイカミノシルエリスロマイシンまたはその誘導体から本発明化合物を生成することが必要である。これは、反応工程式3bにしたがって達成される。簡単に述べると、分子の他のヒドロキシル基(4''-OH、11-OHおよび12-OHなど)の反応を引き起こすことなく、塩基を添加せずに、酸無水物によって、3-マイカミノシルエリスロマイシンの2'および4'-ヒドロキシル基を選択的にアシル化することができる。3'位に存在する隣接第3級アルコールの影響ゆえに、この選択性が可能である。次いで、たとえば、トリメチルシリルエーテルなどで残りのヒドロキシル基を保護する。次いで、2'および4'-ヒドロキシル基上のアシル基を穏和な条件下で選択的に除去し、4'-ヒドロキシル基をアルキル化する。他に影響を及ぼすこともなく4'または2'-酸素のいずれかの反応を行うことは、典型的には困難である。下記の反応工程式は、4'-ヒドロキシル基置換のみを有することが望ましい場合に、このような反応の後に得られた位置異性体の物理的分離に依存する。常に明示的に示すものではないが、当然のことながら、用いられる反応条件は、2'および4'-ヒドロキシル基の両方において反応を引き起こすことができ、粗反応混合物において、所望の4'-生成物は選択的に他方から分離される。
【0066】
反応工程式3b

【0067】
この場合、6-マイカミノシルエリスロマイシンの他のヒドロキシル部分を反応から保護することが必要である。この目的を実行する方法の1つを反応工程式3bに示す。2'および4'-ヒドロキシル基が、アシル化に対して最も反応性があるので、不活性溶媒中の過剰の適当な酸無水物との反応によって、エステル(すなわち、アセテート、プロピオネート、ベンゾエート、トリフルオロアセテート)としてそれらを選択的に保護する。次いで、残りの反応性ヒドロキシル基をたとえば、トリメチルシリル、トリエチルシリルまたはtert-ブチルジメチルシリルエーテルなどのシリルエーテルとして保護する。6-ヒドロキシル部分は立体障害性であり、通常は、反応工程式で用いた条件下で反応しない。続いて、2'および4'-酸素上のアシル保護基を、たとえば、塩基性加水分解およびメタノライシス(methanolysis)などのシリルエーテルに影響を及ぼさない条件下で除去する。このように、4''、11および12ヒドロキシル基を保護して、標準的アルキル化条件下で、4' 酸素の選択的アルキル化を達成することができる。多くの他の保護基を用いて同様の結果を達成することができる。たとえば、T.H. Greene and P.G.M. Wuts(1999)PROTECTIVE基 IN ORGANIC SYNTHESIS、3rd edition、John Wiley & Sons、New Yorkを参照。
【0068】
さらに、当然のことながら、当業者に公知の特定の適当な反応条件を前提として、同様に置換されたマクロライド抗菌薬(天然、半合成または合成)はいずれも、反応工程式3bに記載の工程のための出発物質となりうる。このように得られた置換アルキン40は、アジドとの環付加反応に用いて、トリアゾール結合目的化合物を得ることができる。
【0069】
反応工程式4は、5員の複素環式環とマクロライド部分との間のアルキルリンクに余分のケト基を含む本発明化合物の合成を説明する。アジド19は、プロピオン酸エステルと反応して、エステル置換生成物を生成することができる。当然のことながら、この反応において位置異性体環付加体の混合物が形成されるが、アンチ付加体のみを反応工程式4bに表す。エステルの加水分解(hydrolysis)により、酸が得られ、公知の化学反応(Ramtohulら(2000)J. ORG. CHEM. 67: 3169)を用いて、ブロモアセチルトリアゾールに変換することができる。このブロモアセチル誘導体を39(または適当に保護された39)とともに加熱して、ケトンとマクロライド基との間に1つのメチレン基をもつケトリンクを含む生成物を得ることができる。リチオ-ジチアン化学反応を介してブロモアセチル中間体をアルコールに変換することができる。このアルコールのトシレート(またはハライド)を製造することができ、この求電子試薬を用いて、39をアルキル化して、ケトンとマクロライド基との間に2つのメチレン基を有する生成物を得ることができる。
【0070】
反応工程式4

【0071】
反応工程式5は、本発明の位置異性体トリアゾール連結誘導体のもう1つの合成方法を説明する。たとえば、スルホネートまたはハライドなどの脱離基を、リチウムアセチリド41aまたはリチウムトリメチルシリルアセチリド41bにより求電子試薬18a-cから最初に置換して、それぞれアルキン42aまたは42bを生成することによって、44および45タイプの炭素連結トリアゾール誘導体を生成することができる。適当なアジド43を用いるアルキン42の環付加反応により、位置異性体トリアゾール44および45を得ることができる(当然のことながら、加熱の代わりのヨウ化第一銅の使用などの代替的化学条件を用いて化合物44および45を生成することができる)。
【0072】
反応工程式5

【0073】
反応工程式5に示す化学反応の有用性の特定例を反応工程式6に示す。保護ブロモアルコールにより、6-マイカミノシル-エリスロマイシン誘導体39(またはその適当に保護された誘導体)をアルキル化することができ、生成物のアルコール機能をトシレートなどの脱離基に転換することができる。ナトリウムアジドでトシレートを置換して、アジド46を得ることができる。46およびアルキン42aの環付加により、47タイプの最終目的物を生成することができる。別のアルキルスルホネートまたはハライドを、アジド46の合成のための出発物質として用いることができる(すなわち、異なる脱離基)。6-マイカミノシル-エリスロマイシン誘導体39の代わりに、他のマイアミノース含有マクロライドを用いて、種々の代替的生成物を生成することができる。
【0074】
反応工程式6

【0075】
47タイプの炭素連結トリアゾール誘導体を合成するのに用いることができるもう1つの方法を反応工程式7において説明する。アルキン42aをトリメチルシリルアジド(またはナトリウムアジド、塩化アンモニウムおよびヨウ化第一銅あるいは当業界で公知の他の条件)と反応させて、2つの可能な位置異性体生成物であるトリアゾール48および49を生成することができる。これらのいずれか(もしくは混合物)をn-Bu4NFにより脱シリル化して、トリアゾール50を生成することができる。Des-メチルエリスロマイシン誘導体39(または別の4'-ヒドロキシマクロライド誘導体)が、トシレート51(または別のスルホネートまたはハライド求電子試薬)に変換され、次いで、求電子試薬が、トリアゾール50をアルキル化して、N-1置換トリアゾール47またはN-2置換トリアゾール53または両方の混合物のいずれかを生成するのに利用できる。混合物が生成する場合、両方の化合物をもう一方の化合物から分離することができる。反応工程式7の化学反応によって他のマクロライドを転換して、他の興味ある化合物を生成することができると考えられる。
【0076】
反応工程式7


【0077】
反応工程式8aは、C-5位にてテトラゾリルメチル誘導体で置換されたオキサゾリジノンの合成を説明する。19タイプのアジドをニトリル54と反応させて、55および56タイプのテトラゾールを生成する。反応工程式1に記載の化学反応と同様にして、この反応は、位置異性体環付加体を得ることができる(ここでは、アンチ異性体が優勢であることが多い)。一例として、4'-ヒドロキシエリスロマイシン39をω-ハロまたはω-スルホネートニトリル57でアルキル化して、ニトリル58を得ることができる。これらの誘導体を19タイプのアジドと反応させて、59および60タイプの目的テトラゾールを生成する。当然のことながら、ニトリル54のR'基は、マクロライド部分、またはマクロライドとの最終アルキル化ステップの前に脱離基に変換しうるアルコールもしくは保護アルコールを含む適当な置換アルキル基を含む。このように、39と同様にアルコールとのアルキル化の前にスルホネートまたはハライド脱離基に変換しうるヒドロキシル基を有するR'基アルキル鎖を有するテトラゾール55および56を生成して、59および60タイプの生成物を得ることができる。
【0078】
反応工程式8a

【0079】
反応工程式8bは、59および60タイプのテトラゾールのもう1つの合成方法を表す。アジド19を環付加に付して、57aタイプのニトリルを官能性にして、テトラゾール中間体55aおよび56aを得ることができる。55aおよび56aが、ハライドまたはスルホネートなどの適当な求核基を含むならば、39タイプのマクロライド(またはしび適当に保護された誘導体)と直接反応して、59および60タイプの目的化合物を得ることができる。別法として、環付加反応中にシリルオキシ置換ニトリル57aを用いて、Xがシリルオキシ基である55aおよび56aタイプの中間体を得ることもできる。次いで、55aおよび56aからシリルエーテル保護基を除去し、得られるアルコールを、次いで、9タイプのマクロライドのアルキル化に適している適当な求電子試薬(ハライドまたはスルホネートなど)に変換して、所望目的化合物を得る。
【0080】
反応工程式8b

【0081】
反応工程式9は、本発明ピラゾール誘導体の合成方法を説明する。公知のトリチル保護有機リチウム誘導体61(Elgueroら(1997)SYNTHESIS 563)を18a-cタイプの求電子試薬でアルキル化して、62タイプのピラゾールを生成することができる。たとえば、トリフルオロ酢酸(TFA)などの種々の酸性試薬を用いてトリチル基の切断を達成して、ピラゾール63を生成することができる。適当な長さのブロモアルコールで63をアルキル化し、次いで、トシル化(または代替的スルホン化またはハライド形成)して、求電子試薬64を生成することができる。64による39のアルキル化によって、65タイプの目的化合物を生成する。61などの複素環から誘導されたリチウムアニオンを必要に応じて銅(または他の金属)誘導体に変換して、スルホネートおよびハライドによるそれらの置換反応を促進することができる。これらのアニオンは、51の過シリル化誘導体などの適当に保護されたマクロライドと反応することもできる。
【0082】
反応工程式9

【0083】
反応工程式10は、本発明ピラゾールの別の合成方法を表す。シリルオキシ誘導体を含むアルキルハライドなどの可変長の二官能性リンカーでアニオン61をアルキル化することができる。別法として、アルキル化剤として、α,ω ジハロアルキル誘導体を用いることができ、あるいは混合ハロスルホネートをこの目的で用いることができる。トリフェニルメチル保護基のTFA切断によって、得られる置換ピラゾール66を遊離ピラゾールに変換することができる。ジメチルホルムアミドなどの適当な溶媒中の18a-c求電子試薬による直接アルキル化に遊離ピラゾールを付すことができ、あるいはより反応性のある求電子試薬が必要ならば、最初に、水素化ナトリウムまたはn-ブチルリチウムなどの適当な塩基による脱プロトン化を介して対応するアニオンに変換することができる。得られるピラゾール誘導体67を脱シリル化し、変換して、トシレート68(スルホネート法を用いる場合)にすることができ、これは次に続く、39などのマクロライドサッカライドとの反応のための求電子試薬として働いて、得られる目的化合物69を生成する。
【0084】
67タイプの中間体への別のアプローチは、適当な二官能性リンカーによる公知のジアニオン70(Hahnら(1991)J. HETEROCYCLIC CHEM. 28: 1189)のアルキル化から出発して、ピラゾール71に関連する化合物を生成することができ、該化合物を続いて、求電子試薬18a-cによりアルキル化して(先に脱プロトン化有りまたは無しにて)、中間体67を生成する。このシリーズにおいて、トラッピング化合物61とDMFによって、n=1誘導体を合成して、対応するアルデヒドを生成し、次いでアルコールに還元することができる。別法として、塩化もしくは臭化メトキシメチル(MOM)は、61のアルキル化試薬として働くことができ、生成物のトリチルおよびMOM基の加水分解により、4-ヒドロキシメチル-1,2-ピラゾールが得られる。このピラゾールのジアニオンは、窒素上でアルキル化して、n=1トシレート(または他の脱離基)のための先駆体として働くアルコールを生成することができる。
【0085】
反応工程式10

【0086】
反応工程式11は、69タイプのピラゾール誘導体の合成のための別のアプローチを示す。トシレート51と同様の適当な求電子試薬を用いるβ-ジカルボニル系のアニオンのアルキル化により、(β-ジカルボニル誘導体72aの特定の例において)73タイプの生成物を得ることができる。ヒドラジンによって、これらの中間体を処理することにより、74タイプのピラゾールを生成することができる。求電子試薬18a-cによる74の直接アルキル化によって、目的化合物69を生成することができる。74のヒドロキシル残基(および中間体39およびなどの51他のマクロライド誘導体の他の感受性官能基)を適当な保護基(Greene、T.W.およびWuts、P.G.M. 前述;に強調されているものなど)で保護することができ、水素化ナトリウムまたはn-ブチルリチウムなどの適当な塩基でピラゾール誘導体の窒素原子上の水素原子を脱保護する。次いで、得られるアニオンを求電子試薬18a-cでアルキル化することができ、得られる生成物を脱保護して、目的化合物69を生成する。これらの中間体のマクロライド部分のための当業者に公知の保護基の使用は、ヘテロアリールアニオンアルキル化に伴って生じる下記の反応工程式に示す多くの続いて起こる反応にとって必要である。
【0087】
反応工程式11

【0088】
反応工程式12は、本発明のイミダゾールの合成を例示する。公知のジアニオン75(Katritzkyら(1989)J. CHEM. SOC. PERKIN TRANS. 1: 1139)は、求電子試薬18a-cと反応し、プロトン処理を行った後、76タイプのイミダゾールを生成することができる。適当な有機溶媒中、51に関連する求電子試薬とともに加熱することによる76の直接アルキル化によって、1,4-ジ置換イミダゾール77を得ることができる。別法として、適当な塩基による76のイミダゾール水素原子の脱プロトン化、次いで、51とのアルキル化を介して形成されたイミダゾールアニオンもまた77を生成することができる。
【0089】
反応工程式12

【0090】
反応工程式13は、本発明イミダゾールのもう1つの合成を説明する。たとえば、水素化ナトリウムまたはリチウムジイソプロピルアミドもしくは他の適当な有機塩基を用いて4-ブロモイミダゾールを脱プロトン化して、アニオン78(または対応するリチオ誘導体)を得ることができる。18a-cを用いる78のアルキル化によって、ブロモイミダゾール79を得ることができ、次いで金属−ハロゲン交換に付し、51(または51の適当に保護された誘導体)とアルキル化して、異性体の1,4-ジ置換イミダゾール80を生成する。
【0091】
反応工程式13

【0092】
反応工程式14は、他の目的イミダゾール誘導体の合成に適した化学反応を表す。シリルエトキシメチル(SEM)保護イミダゾール81をC-2にてリチウム化し(Shapiroら(1995)HETEROCYCLES 41: 215)、求電子試薬18a-cと反応させて、イミダゾール中間体82を生成することができる。イミダゾールのC-4におけるイミダゾール中間体82のリチウム化、次いで、51タイプの求電子試薬(または過シリル化誘導体など適当に保護された51)とのアルキル化、次いで、SEMの脱保護を行って、イミダゾール83を生成することができる。
【0093】
反応工程式14

【0094】
反応工程式15は、本発明のイミダゾールの製造において、どのようにシルメチルイソシアニドを使用することができるかを示す(Vanelleら(2000)EUR. J. MED. CHEM. 35: 157;Horneら(1994)HETEROCYCLES 39: 139)。デス-マーチン・ペルヨージナンまたは塩化オキサリル/ジメチルスルホキシド/トリエチルアミンなどの適当な試薬を用いてアルコール17を酸化して(Swern酸化(oxidation))、アルデヒド85を生成することができる。たとえば、重クロム酸ピリジニウム(PDC)、クロロクロム酸ピリジニウム(PCC)、三酸化クロムおよび過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウムなどの種々のクロム錯体を用いることができる。85のウイッティッヒ・ホモロゲーションにより、アルデヒド86を得、次いで、トシルメチルイソシアニドによって変換して、中間体87を生成する。87と89(ブロモアルキルフタルイミド88を用いるアルコール39のアルキル化(次いで、ヒドラジン切断)またはアジド46の還元を介して形成される)の反応により、イミダゾール77を生成することができる。
【0095】
反応工程式15

【0096】
反応工程式16は、本発明の1,3-チアゾールおよび1,3-オキサゾール誘導体をどのように合成することができるかを表す。公知のジブロモチアゾールおよびオキサゾール90aおよび90bをC-2において選択的にメタレート化し、求電子試薬18a-cでアルキル化して、中間体91aおよび91b(Pinkertonら(1972)J. HETEROCYCLIC CHEMISTRY 9: 67)を生成することができる。オキサゾールアニオンの場合、もし、アニオンが特定の求電子試薬との反応前に開環に対する傾向を提示するならば、塩化亜鉛を用いるトランスメタレーションを用いることができる。ブロモアゾール91をメタレート化して、スルホネート51(または関連ハライド)とのアルキル化に付すことができる対応するアニオンを形成して、最終目的化合物92を生成することができる。この工程における求電子試薬の手順を並べ替えて、異性体チアゾールおよびオキサゾール93を得る。
【0097】
反応工程式16

【0098】
反応工程式17は、本発明の2,5-ジ置換フランおよびチオフェン誘導体の合成を示す。市販のジブロモフラン94aおよびジブロモチオフェン94bをモノリチウム化し(Cheriouxら(2001)ADVANCED FUNCTIONAL MATERIALS 11: 305)、次いで、求電子試薬18a-cでアルキル化することができる。この反応から得られたモノブロモ中間体をリチウム化し、次いで、51タイプの求電子試薬(または51の保護バージョン)でアルキル化して、最終目的化合物95を生成することができる。
【0099】
反応工程式17

【0100】
反応工程式18は、本発明の2,4-ジ置換フランおよびチオフェン誘導体の合成を表す。市販のフランアルデヒド96aおよび公知のチオフェンアルデヒド96bを還元して、対応するアルコールにし、得られるアルコールをなどのトシレート97脱離基に変換する。代替的スルホネートおよびハライドを合成し、この様式において用いることができる。トシレート97は、アルコール39(またはその保護バージョン)をアルキル化し、ヘテロアリールブロミドは、適当な有機金属剤(n-BuLiまたはi-Pr2Mg/CuCNなどの試薬によって)に変換されうる。この中間体有機金属剤を求電子試薬でアルキル化して、n=1である98タイプの目的化合物を生成することができる。反応工程式が示すように、ステップの並べ替えは、還元、シリル化、リチウム化、次いで、18a-cとのアルキル化を含めて採用することができる。アルキル化生成物の脱シリル化、次いで、アルコールのトシル化を行うことにより、中間体を得、次いで、アルコール39とアルキル化して、目的化合物98を生成することができる。反応工程式18に記載の試薬または当業者に公知の他の試薬を用いる単純なホモロゲーションプロトコルにより、アルデヒド96を99および100などのより長い鎖のトシレートに変換することができる。39とのアルキル化、次に続く金属−ハロゲン交換および18a-cとのアルキル化におけるこれらのトシレートの使用により、n=2および3である98タイプの化合物を得ることができる。当然のことながら、より長い鎖のトシレートは、反応工程式18に表した反応と同様の化学反応を用いて製造することができ、他の二官能性リンカーを用いて98タイプの化合物を生成することができる。
【0101】
反応工程式18

【0102】
上記反応工程式18で用いたものと同様の化学反応を公知のチオフェンアルデヒド101(Erasら(1984)J. HETEROCYCLIC CHEM. 21: 215)に変更して、104タイプの生成物を生成することができる(反応工程式19)。たとえば、ボランまたは水素化リチウムアルミニウムを用いる還元によって、公知の酸102(Wangら(1996)テトラHEDRON LETT. 52: 12137)をアルデヒド103に変換し、次いで、たとえば、PDC、PCCまたは他の適当な試薬により、得られるヒドロキシメチル中間体を酸化することができる。次いで、アルデヒド103を変換して、104タイプの化合物を生成することができる。
【0103】
反応工程式19

【0104】
反応工程式20は、本発明の2,5-ジ置換ピロールの合成を説明する。BOC-保護ジブロモピロール105をリチウム化し、続いてアルキル化し(Chenら(1987)テトラHEDRON LETT. 28: 6025;Chenら(1992)ORG. SYNTH. 70: 151;およびMartinaら(1991)SYNTHESIS 613)、求電子試薬18a-cおよび51(または51の適当に保護された類縁体)と反応させ、TFAにより最終BOC脱保護を行った後、106タイプのジ置換ピロールを生成する。
【0105】
反応工程式20

【0106】
反応工程式21は、本発明の2,4-ジ置換ピロールの合成を示す。市販のピロールエステル107をたとえば、BOC基などの適当な保護基で保護し、エステル官能基を加水分解して、対応する酸を得る。次いで、得られる酸をたとえば、ボランを用いて還元して、アルコールにして、トシレート108に変換しうるアルコールを得る。アルコール39(または、たとえば、bis-トリメチルシリルアセタミドまたは他のシリル化試薬による他のヒドロキシル基のシリル化によって形成された39の保護バージョン)をトシレート108とアルキル化して、中間体ブロモピロールを生成することができる。次いで、ブロモピロールを有機金属試薬に変換することができ、次いで、該試薬を求電子試薬18a-cと反応させることができる。次いで、得られる生成物をTFAで脱保護して、ピロール109を生成することができる。次いで、107から誘導された酸のボラン還元の後に形成されたアルコールを、下記反応工程式23に示す化学反応と同様の反応によって、トシレート110および111にホモロゲートすることができる。アルキル化方策におけるこれらのトシレートの使用により、目的化合物であるn=2および3の109タイプのピロールを生成することができる。
別のアプローチは、トシル化の前にアルコール官能性を保護することであり、最初に18a-cでハロピロール由来の有機金属のアルキル化を行うたとえば、107から、シリルオキシ誘導体112を生成することができ、それから誘導された有機金属誘導体を18a-cでアルキル化して、シリルエーテル113を得ることができる。続いて、脱シリル化およびトシレート114への変換を行って、39とのアルキル化反応に用いることができる求電子試薬を得る。次いで、最終的BOC切断により、ピロール109が得られる。当然のことながら、下記反応工程式23および他の反応工程式に示すものと同様の化学反応を用いて、アルコール39(または関連マクロライド)とのさらなる反応のためにトシル化することができる他のアルカノールに112のアルコール先駆体をホモロゲートすることができる。さらに、113のシリル切断から誘導されたアルコールは、このタイプのホモロゲーション作動のための出発物質として働いて、nが可変である目的化合物109を製造するのに必要なアルキルトシレート(またはハライド)を生成することができる。
【0107】
反応工程式21

【0108】
反応工程式22は、本発明の異性体2,4-ジ置換ピロールの合成を示す。市販のピロール酸115をBOC誘導体で保護し、酸官能性を還元してアルコールにし、次いで、保護して、シリルエーテル116を生成する。ピロール環の5位にてn-ブチルリチウムによる116の脱保護が起こり、このアニオン(または適当な金属とのトランスメタレーションから誘導されたもの)を求電子試薬18a-cでアルキル化して、ピロール117を生成する。117を脱シリル化し、次いで、トシル化し、39およびTFAでアルキル化し、BOC基を脱保護して、ピロール119を得ることができる。
【0109】
反応工程式22

【0110】
反応工程式23は、39タイプのアルコールをアルキル化して、ピロール119を生成するのに用いる123および126タイプの長鎖トシレートの合成を説明する。115の保護から誘導されたアルコール120をボラン還元により酸化して、アルデヒド124を得ることができる。アルデヒド124とメトキシメチルトリフェニルホスホランとのウィッティッヒ反応に続いて酸加水分解ステップを行って、ホモロゲートされたアルデヒド121を生成する。還元およびシリル保護により122を得、次いで、これを脱保護し、アルキル化し、次いで、トシレート123に変換する。アルデヒド124をカルボキシメチルトリフェニルホスホランとのウィッティッヒ反応に付すことができる。次いで、ウィッティッヒ生成物を還元して、アルカノールを得、次いで、シリル化して、125を生成することができる。次いで、122から119を得るために用いた反応と同じ化学反応を用いて、125をピロール119に変換することができる。
【0111】
反応工程式23

【0112】
反応工程式24は、本発明の1,3-ジ置換ピロールの合成を示す。116のBOC基を切断して、遊離ピロール127を生成する。18a-cとの127のアルキル化(DMFなどのなどの適当な有機溶媒中)により、中間体128を生成することができる。3-ヒドロキシメチルピロールのジアニオンも、18a-cとのアルキル化に適当であり、シリルエーテルの遊離ヒドロキシ誘導体128を生成することができる。対応するトシレートへのシロキシ基の変換、次いで、39タイプのアルコールとのアルキル化を行い、目的化合物であるN-置換ピロール129(ここで、n=1)を生成することができる。同様に、BOCピロール122および125をトシレート130および131に変換することができる。これらのトシレートを用いて、129タイプのピロール(ここで、n=2および3)を生成することができる。当然のことながら、より長い鎖のアルキルトシレート(およびハライド)を生成することができ、この化学反応に付して、ピロール129(ここで、n>3)を生成することができる。
【0113】
反応工程式24

【0114】
反応工程式25は、本発明のG基とR1部分との間の5員の複素環式リンカーとしてヒダントイン様基を使用する場合を説明する。18a-cタイプの求電子試薬をアニオンとヒダントインから誘導されたアルキル化して、本発明化合物を生成することができる。たとえば、132タイプの3-置換ヒダントインを購入し、適当な塩基で処理して、対応するイミドアニオンを生成することができる。得られるアニオンを中間体18a-cに類似の求電子試薬(限定的ではない)でアルキル化して、ヒダントイン誘導体134を生成することができる。別法として、133タイプの1-置換ヒダントインを購入するか、または製造し、塩基および求核試薬で処理して、異性体ヒダントイン誘導体135を得る。当然のことながら、このようなヒダントインは、たとえば、任意の位置において、表示したカルボニル基の代わりにチオカルボニル官能基を有することができる。このような化合物は、Lawesson試薬、イオウ元素、五酸化リンおよびこのトランスフォーメーションを行うために通常当業界で用いられる他の試薬でオキシ-ヒダントインを処理することによって製造することができる。
別法として、当業界で公知の連続合成ステップによって、このようなチオヒダントインを選択的に合成することができる。132および133のR'基は、たとえば、ベンジル、アルコキシベンジル、ベンジルオキシカルボニル、t-ブトキシカルボニルなどのアルキル化ステップに適合する保護基機能を表す。次いで、生成物134および135からこのような保護基を除去し、R'基が水素原子である生成物を得る。これらの中間体を用いて、塩基で処理し、次いで、適当な求核試薬で処理することによって、種々の目的分子を生成することができる。
【0115】
反応工程式25

【0116】
本発明のヒダントイン誘導体の特定の合成例を反応工程式26に示す。ヒダントイン136をたとえば、水素化ナトリウム、カリウムtert-ブトキシド、炭酸セシウム,ナトリウムまたはカリウムなどの弱塩基で処理して、N-1 置換中間体137を生成することができる。たとえば、水素化ナトリウム、n-ブチルリチウム、リチウム ビス-トリメチルシリルアミドまたはリチウムジイソプロピルアミドなどの塩基で137を脱プロトン化し、次いで、51(または51の適当に保護された誘導体)とのアルキル化を行って、138タイプのヒダントイン目的化合物を得る。まずN-1位のp-メトキシベンジル(PMB)保護、次いで、18a-cでN-3位のアルキル化を行い、次いで、2,3-ジクロロ-3,4-ジシアノ-ベンゾキノリン(DDQ)または水素添加のいずれかでPMB基を脱保護することによって、141タイプの異性体ヒダントイン誘導体を136から合成して、ヒダントイン中間体140を得ることができる。次いで、51による140のアルキル化によって化合物141が得られる。中間体140を生成する別の経路は、ヒダントイン136のジアニオンの形成によるものである。一当量の弱塩基が、136のN-1位を脱プロトン化することができる。たとえば、最初のアニオンにn-ブチルリチウムなどのもう一当量の強塩基を加えることにより、今度はN-3位にて再度脱プロトン化することができる。アルキル化は、より反応性の大きい位置(N-3)で起こり、再度ヒダントイン140を得ることができる。
【0117】
反応工程式26

【0118】
五員の複素環式環をマクロライドに連結するエステル部分を含む本発明化合物を製造することができる。反応工程式27は、どのようにアルキニルエステル142aまたはシアノエステル142bをアジド19で処理して、それぞれ対応するトリアゾール143aまたはテトラゾール143bを得ることができるかを説明する。
【0119】
反応工程式27

【0120】
反応工程式28において説明するように、反応工程式27において説明した化学反応を、アルキニルまたはシアノエステルを含むマクロライド系に適用することができる。ここでは、6-O-マイカミノシルアジスロマイシン34aを、穏やかなエステル化条件下(DCC、EDC、HOBtなどのカップリング剤を用いる)で、アルキニルカルボン酸144aまたはシアノカルボン酸144bで処理する。次いで、これらのエステルをアジド19で処理し、環付加反応を介して、トリアゾール146aまたはテトラゾール146bを得る。
【0121】
反応工程式28

【0122】
別法として、アルキニルまたはシアノカルボン酸から最初に環付加生成物を形成し、次いで、マクロライドとエステル化することによって、5員の複素環式環をマクロライドに連結しているエステル部分を含む本発明化合物を製造することができる。反応工程式29は、どのようにアルキニルカルボン酸144aまたはシアノカルボン酸144bをアジド19で処理して、それぞれ対応するトリアゾール酸147aまたはテトラゾール酸147bを得ることができるかを説明する。
【0123】
反応工程式29

【0124】
反応工程式29は、穏やかなエステル化条件下(DCC、EDC、HOBtなどのカップリング剤を用いる)でカルボン酸147aまたは147bと6-O-マイカミノシルアジスロマイシン34aとを反応させて、最終生成物146aまたは146bを得ることを説明する。
【0125】
反応工程式30

【0126】
前述に加えて、以下の刊行物、特許および特許出願に開示された化合物が、本発明化合物の製造に適した中間体である:
Tucker、J.A.ら、J. Med. Chem.、1998、41、3727;Gregory、W.A.ら、J. Med. Chem.、1990、33、2569;Genin、M.J.ら、J. Med. Chem.、1998、41、5144;Brickner、S.J.ら、J. Med. Chem.、1996、39、673. Barbachyn、M.R.ら、J. Med. Chem.、1996、39、680;Barbachyn、M.R.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、1996、6、1003;Barbachyn、M.R.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、1996、6、1009;Grega、K.C.ら、J. Org. Chem.、1995、60、5255;Park、C.-H.ら、J. Med. Chem.、1992、35、1156;Yu、D.ら、Bioorg. Med. Chem. Lett.、2002、12、857;Weidner-Wells、M.A.ら、Bioorg. Med. Chem.、2002、10、2345;およびCacchi、S.ら、Org. Lett.、2001、3、2539。米国特許Nos. 4,801,600;4,948、801;5,736,545;6,362,189;5,523,403;4,461,773;6,365,751;6,124,334;6,239,152;5,981,528;6,194,441;6,147,197;6,034,069;4,990,602;6,124,269;および6,271,383。米国特許出願Nos. 2001/0046992、PCT出願および公開公報WO96/15130;WO95/14684;WO 99/28317;WO 98/01447;WO 98/01446;WO 97/31917;WO 97/27188;WO 97/10223;WO 97/09328;WO 01/46164;WO 01/09107;WO 00/73301;WO 00/21960;WO 01/81350;WO 97/30995;WO 99/10342;WO 99/10343;WO 99/64416;WO 00/232917;およびWO 99/64417、欧州特許Nos. EP 0312000 B1;EP 0359418 A1;EP 00345627;EP 1132392;およびEP 0738726 A1。
【0127】
4.本発明化合物の特性決定
本明細書に記載の方法によって設計、選択および/または最適化し、製造した化合物は、化合物が生物活性を有するかどうかを決定するための当業者に公知の種々のアッセイを用いて特性決定することができる。たとえば、分子は、それらが予測される活性、結合活性および/または結合特異性を有するかどうかを決定するための通例のアッセイ(後述するアッセイに限定されるものではない)によって特性決定することができる。
さらに、ハイスループットスクリーニングを用いて、このようなアッセイに用いる分析を迅速化することができる。結果として、たとえば、抗ガン、抗菌、抗真菌、抗寄生虫または抗ウイルス薬としての活性について本明細書に記載の分子を迅速にスクリーニングすることができる。また、どのように化合物がリボソームまたはリボソームサブユニットと相互作用するか、および/または当業界で公知の技術を用いるタンパク質合成の調節剤(たとえば、インヒビター)として有効であるかをアッセイすることも可能である。ハイスループットスクリーニングを行うための一般的方法は、たとえば、Devlin(1998)High Throughput Screening、Marcel Dekker;および米国特許No. 5,763,263に記載されている。ハイスループットアッセイは、後述するアッセイ(これらに限定されるものではない)などの1種以上の異なるアッセイ技術を用いることができる。
【0128】
(1)表面結合アッセイ
新規な分子をその結合活性についてスクリーニングするのに種々の結合アッセイが有用である。1つのアプローチとして、リボソーム、リボソームサブユニットまたはそのフラグメントに関する対象分子の結合特性を評価するのに用いることができる表面プラズモン共鳴(SPR)が挙げられる。
SPR法は、量子力学的表面プラズモンの発生を通してリアルタイムで2つまたはそれ以上の高分子間の相互作用を測定する。1つの装置(BIAcore Biosensor RTM from Pharmacia Biosensor、Piscatawy、N.J.)は、使用者によって調節可能な金箔(ディスポーザブルバイオセンサー「チップ」として提供される)と緩衝コンパートメントとの間の界面に多色灯の収束光を提供する。対象分析物の共有結合固定化のためのマトリックスを提供するカルボキシル化デキストランからなる100nm厚の「ヒドロゲル」は、金箔に接着される。収束光が金箔の遊離電子雲と相互作用するとき、プラズモン共鳴が増強する。得られる反射光は、共鳴を最適に展開する波長においてスペクトル的に減衰する。反射した多色灯をその成分波長に分離し(プリズムで)、減衰した周波数を決定することによって、BIAcoreは、発生した表面プラズモン共鳴の挙動を正確に伝達する光学的界面を作り出す。上記のように設計される場合、プラズモン共鳴(したがって、減衰スペクトル)は、エバネッセント場(ヒドロゲルの厚みにおおよそ対応する)における質量に敏感である。相互作用ペアの一方の成分がヒドロゲルに固定され、他方が緩衝コンパートメントを通って供給されるならば、エバネッセンス場における質量の蓄積および減衰スペクトルにより測定された対応するプラズモン共鳴の効果に基づいて2つの成分間の相互作用をリアルタイムで測定することができる。このシステムにより、いずれかの成分を標識する必要なく、迅速および敏感にリアルタイムで分子相互作用の測定ができる。
【0129】
(2)蛍光偏光
蛍光偏光(FP)は、2つの分子間の会合反応のIC50およびKdを誘導するために、タンパク質-タンパク質、タンパク質-リガンドまたはRNA-リガンド相互作用に容易に適用することができる測定技術である。この技術では、対象分子の1つが、フルオロフォアと複合体を形成する。これは、一般に、システム内で、より小さい分子である(この場合、対象化合物)。リガンド−プローブ複合体およびリボソーム,リボソームサブユニットまたはそのフラグメントの両方を含むサンプル混合物は、垂直偏光により励起される。光は、プローブフルオロフォアによって吸収され、すぐに再放射される。放射光の偏光の度合いを測定する。放射光の偏光は、複数の因子に従属するが、溶液の粘度およびフルオロフォアのみかけの分子量に最も大きく左右される。適切なコントロールを行うと、放射光の偏光の度合いにおける変化は、フルオロフォアのみかけの分子量における変化のみに従属し、言い換えると、プローブ−リガンド複合体が溶液中で遊離状態であるか、または受容体に結合状態であるかに従属する。FPに基づく結合アッセイは、均質並行条件下でのIC50およびKd、分析速度および自動化への快適性ならびに濁った懸濁液および着色溶液中で選別する能力などの多くの重要な利点を有する。
【0130】
(3)タンパク質合成
前述の生化学アッセイによる特徴決定に加えて、リボソームまたはリボソームサブユニットの機能的活性のモジュレーター(たとえば、タンパク質合成のインヒビター)として、対象化合物を特徴決定することもできると考えられる。
さらに、生物体、組織、臓器、細胞小器官、細胞そのもの、細胞もしくは細胞内抽出物または精製リボソーム調製品に化合物を投与し、たとえば、タンパク質合成を阻害することに対するその阻害定数(IC50)を決定することによりその薬理学的および阻害特性を観察することによって、より特定のタンパク質合成阻害アッセイを行うことができる。タンパク質合成活性を調査するために、3Hロイシンもしくは35Sメチオニンの組み込み、もしくは類似の実験を行うことができる。対象分子の存在下での細胞内におけるタンパク質合成の量または速度の変化は、その分子がタンパク質合成のモジュレーターであることを示す。タンパク質合成の速度または量の減少は、その分子が、タンパク質合成のインヒビターであることを示す。
【0131】
さらに、細胞レベルでの抗増殖または抗感染症特性について、化合物をアッセイすることができる。たとえば、標的生物体が微生物である場合、対象化合物を含むかまたは含まない培地において対象微生物を成長させることによって、対象化合物の活性をアッセイすることができる。成長阻害は、該分子がタンパク質合成インヒビターとして作用していることを示す。さらに詳しくは、ヒト病原体の確定した菌株の成長を阻害する化合物の能力によって、病原菌に対する対象化合物の活性を実証することができる。この目的のために、特徴決定されている耐性メカニズムを有するものなど、種々の目的病原種を含むように細菌株のパネルを組み立てることができる。微生物のこのようなパネルの使用により、力価およびスペクトルに関するのみならず、耐性メカニズムを未然に回避する目的でも構造−活性関係を決定することができる。The National Committee for Clinical Laboratory Standards (NCCLS) guidelines (NCCLS. M7-A5-Methods for Dilution Antimicrobial Susceptibility Tests for Bacteria That Grow Aerobically;Approved Standard-Fifth Edition. NCCLS Document M100-S12/M7(ISBN 1-56238-394-9))によって刊行されているような従来の方法論にしたがってマイクロタイタートレイでアッセイを行うことができる。
【0132】
5.製剤および投与
本発明化合物は、細菌感染症、真菌感染症、ウイルス感染症、寄生虫疾患およびガンなどの種々のヒトまたは他の動物の障害の予防または治療に有用である。一旦同定されれば、使用前に本発明の活性分子を適当な担体に組み込むことができると考えられる。活性分子の用量、投与モードおよび適当な担体の使用は、対象とするレシピエントおよび標的生物体に従属する。獣医用およびヒトの医療用途の両方の本発明化合物の製剤は、代表的には、医薬的に許容しうる担体と組み合わせた化合物などの化合物が挙げられる。
担体は、製剤の他の成分と適合しうるものであり、レシピエントにとって有害ではないという意味で「許容しうる」べきである。この点において、医薬的に許容しうる担体は、医薬投与に適合する、ありとあらゆる溶媒、分散媒、コーテゾング剤、抗菌薬および抗真菌薬、等張および吸収遅延剤などを含むことを意図する。医薬的に活性のある物質のためのこのような媒体および作用剤の使用は、当業界で公知である。従来の媒体または作用剤が活性成分に不適合である範囲以外は、組成物におけるその使用を意図する。補足的活性化合物(本発明にしたがって同定または設計されたもの、および/または当業界で公知のもの)を組成物に組み込むこともできる。製剤は、単位投与剤形で存在するのが都合がよく、製薬業/微生物学の分野で公知の方法のどの方法によっても、製造することができる。一般に、化合物を液体担体もしくは微粉化担体または両方と混合し、次いで、必要ならば、生成物を所望の製剤に成形することによっていくつかの製剤を製造する。
【0133】
本発明の医薬組成物は、その意図する投与経路に適合するように製剤されるべきである。投与経路の例として、経口または静脈内、皮内、吸入、経皮(局所)、経粘膜および直腸投与などの非経口が挙げられる。非経口、皮内または皮下適用のための溶液または懸濁液は、以下の成分を含むことができる:注射用水、生理食塩水、不揮発性油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコールまたは他の合成溶媒などの滅菌希釈液;ベンジルアルコールまたはメチルパラベンなどの抗菌薬;アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウムなどの抗酸化剤;エチレンジアミン四酢酸などのキレート剤;アセテート、シトレートまたはホスフェートなどの緩衝剤;および塩化ナトリウムまたはデキストロースなどの等張性調節剤。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムなどの酸または塩基で調節することができる。
【0134】
経口または非経口投与に有用な溶液は、たとえば、Remington's Pharmaceutical Sciences、(Gennaro、A.、ed.)、Mack Pub.、(1990)に記載されているような医薬業界で公知のどの方法によってでも製造することができる。非経口投与用の製剤には、バッカル投与用のグリコレート、直腸投与用のメトキシサリチレートまたは膣内投与用のクエン酸も含まれる。非経口製剤は、アンプル、使い捨てシリンジまたはガラスもしくはプラスチック製の複数回用量バイアルに封入することができる。直腸投与用座剤は、薬剤とカカオバター、他のグリセリドまたは室温で固体であり、体温で液体である他の組成物などの非刺激性賦形剤を混合することによって製造することもできる。製剤は、たとえば、ポリエチレングリコール、植物性油および水添ナフタレンなどのポリアルキレングリコールを含むこともできる。直接投与用製剤は、グリセロールおよび他の高粘度成分を含むことができる。これらの薬剤にとって他の潜在的に有用な非経口担体として、エチレン−酢酸ビニル共重合体粒子、浸透圧ポンプ、インプラント可能な輸液システムおよびリポソームが挙げられる。吸入投与用製剤は、賦形剤として、たとえば、ラクトースを含むことができ、または点鼻薬の剤形または鼻腔内に適用するためのゲル剤として、たとえば、ポリオキシエチレン-9-ラウリルエーテル、グリココール酸塩およびデオキシコール酸塩または投与用油性溶液を含む水性溶液であることができる。停留浣腸は、直腸デリバリーに用いることもできる。
【0135】
経口投与に適した本発明製剤は、以下の剤形である:それぞれ一定量の薬物を含むカプセル剤、サシェ剤、錠剤、トローチまたはロゼンジなどの個別単位;散剤または顆粒組成物;水性もしくは非水性の溶液または懸濁液;水中油型乳剤または油中水型乳剤。薬物は、ボーラス、舐剤またはペースト剤の剤形で投与することもできる。錠剤は、必要に応じて1種以上の補足成分とともに薬物を打錠あるいは成形により作成することができる。打錠錠剤は、粉末または下流などの流動形態の薬物を、必要に応じて結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、界面活性剤または分散剤と混合して、適当な機械で打錠することによって製造することができる。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末薬物および適当な担体を、適当な機械で成型することによって製造することができる。
【0136】
一般に、経口組成物は、不活性希釈剤または食用担体を含む。経口治療投与のために、活性化合物を賦形剤と組み合わせることができる。口腔洗浄剤として使用するための液体担体を用いて製造された経口組成物は、液体担体中に化合物を含み、口に含み、うがいをした後、はき出すか、または飲み込む。医薬的に適合する結合剤および/またはアジュバント物質を組成物の一部に含めることもできる。錠剤、丸剤、カプセル剤、トローチ剤などは、いずれかの以下の成分または類似した性質の化合物を含むことができる:微結晶セルロース、トラガカントガムまたはゼラチンなどの結合剤;デンプンまたはラクトースなどの賦形剤;アルギニン酸、Primogelまたはコーンスターチなどの崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムまたはSterotesなどの滑沢剤;コロイド状二酸化ケイ素;スクロースまたはサッカリンなどの甘味剤;またはペパーミント、サリチル酸メチルまたはオレンジフレーバーなどの香味剤。
【0137】
注射用途に適した医薬組成物として、滅菌水性溶液(水溶性)または分散液および滅菌注射液または分散液の即席調製用の滅菌粉末が挙げられる。静脈内投与のために、適当な担体として、生理食塩水、静菌水、Cremophor ELTM(BASF、Parsippany、NJ)またはリン酸緩衝食塩水(PBS)が挙げられる。製造および保管の条件下で安定であるべきであり、細菌および真菌などの微生物の汚染作用に対して保存されるべきである。担体は、たとえば、水、エタノール、ポリオール(たとえば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液体ポリエチレングリコール)およびそれらの適当な混合物を含む溶媒または分散媒体であることができる。たとえば、レシチンなどのコーティング剤の使用によって、分散液の場合、必要とされる粒径に維持によって、および界面活性剤の使用によって、適切な流動性を維持することができる。多くの場合、組成物中に、たとえば、糖質、マンニトール、ソルビトールなどのポリアルコール、塩化ナトリウムなどの等張化剤を含むのが好ましい。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中にたとえば、モノステアリン酸ナトリウムおよびゼラチンなどの吸収を遅延化する作用剤を含むことによってもたらされる。
【0138】
滅菌注射液は、必要に応じて、先に列挙した成分の1つまたは組み合わせとともに、適当な溶媒に必要量の活性化合物を混合し、次いで、濾過滅菌することによって製造することができる。一般に、分散液は、塩基性分散媒体および先に列挙した成分からの必要な他の成分を含む滅菌ビヒクルに活性化合物を混合することによって製造することができる。滅菌注射液の調製のための滅菌粉末の場合、製造方法は、活性成分および先の滅菌濾過した溶液からのいずれかの所望の成分の粉末が得られる真空乾燥および凍結乾燥を含む。
関節内投与に適した製剤は、たとえば、水性微結晶懸濁液などの微結晶体の状態の薬剤の滅菌水性製剤の形態である。リポソーム製剤または生体分解性ポリマーシステムは、関節内および眼内投与の両方のために薬剤を提供するために用いることもできる。
【0139】
眼治療などの局所投与に適した製剤として、リニメント剤、ローション剤、ゲル剤、貼用剤(applicants)、クリーム剤などの水中油型もしくは油中水型乳剤、軟膏またはペースト剤;または点滴剤などの溶液剤または懸濁液剤が挙げられる。皮膚表面への局所投与用製剤は、ローション、クリーム、軟膏または石けんなどの皮膚科的に許容しうる担体に薬剤を分散させることによって製造することができる。適用物を局部に留め、移動を妨げるために、皮膚上に被膜または層を形成しうる担体が特に有用である。内部組織表面への局所投与のために、液体組織接着剤または組織表面への吸着を増進することがわかっている他の物質に作用剤を分散させることができる。たとえば、ヒドロキシプロピルセルロースまたはフィブリノーゲン/トロンビン溶液を用いると有益である。別法として、ペクチン含有製剤などの組織コーティング溶液を用いることができる。
【0140】
吸入治療のために、スプレー缶、ネブライザーまたはアトマイザーで噴霧する粉末の吸入(自力吸入またはスプレー製剤)を用いることができる。このような製剤は、粉末吸入器または自力吸入粉末分配製剤から肺投与用の微粉末の形態であることができる。自力吸入溶液およびスプレー製剤の場合、所望のスプレー特性を有する(すなわち、所望の粒径を有するスプレーを生じさせる能力があること)バルブの選択によるか、またはコントロールされた粒径においての懸濁粉末として活性成分を混合することによるか、のいずれかによって効果を達成することができる。吸入投与のために、適当な噴霧剤(たとえば、二酸化炭素などのガス)を含む加圧容器またはディスペンサーまたはネブライザーからのエアロゾルスプレーの形態で化合物をデリバリーすることもできる。
【0141】
全身投与は、経粘膜または経皮手段であることもできる。経粘膜または経皮投与のために、浸透に適した浸透剤を製剤に用いる。このような浸透剤は、一般に、当業界で公知であり、たとえば、経粘膜投与には、界面活性剤および胆汁酸塩が挙げられる。経粘膜投与は、鼻腔スプレーまたは座剤の使用によって達成される。経皮投与には、典型的には、当業界で一般的に公知の方法で、軟膏、膏薬、ゲル剤またはクリーム剤に活性成分を製剤化する。
インプラントおよびマイクロカプセル化デリバリーシステムなどの制御放出製剤のように、身体からの急速な排出に対して化合物を保護する担体とともに活性化合物を製造することができる。エチレン酢酸ビニル、ポリ無水物、ポリグリコール酸、コラーゲン、ポリオルソエステルおよびポリ乳酸などの生体分解性、生体適合性ポリマーを用いることができる。このような製剤の製造方法は、当業者には明らかである。医薬的に許容しうる担体として、リポソーム懸濁液を用いることもできる。これらは、たとえば、米国特許No. 4,522,811に記載されているような当業者に公知の方法にしたがって製造することができる。
【0142】
経口または非経口組成物は、投与を容易にし、用量を均一にするために、単位投与剤形に製剤することができる。単位投与剤形は、処置される患者に対する単回投与量に適合させた物理的に別個の単位を意味する;必要な医薬的担体とともに所望の治療効果を生み出すように計算された一定量の活性化合物を含む各単位である。本発明の単位用量剤形のための明細は、活性化合物の独特の特性および達成されるべき特定の治療効果、ならびに個々の治療のためのそのような活性化合物を調剤する技術に内在する制限によって、影響を受け、かつ直接従属する。さらに、投与は、ボーラスの定期的注射によって行うことができるか、または外部貯蔵容器(点滴バッグなど)からの静脈内、筋肉内もしくは腹腔内投与によってより継続的に行うことができる。組織表面への接着が望ましい場合、組成物は、フィブリノーゲン−トロンビン組成物または他の生体接着物質に分散した薬物を含むことができる。次いで、化合物を所望の組織表面に塗布、スプレーあるいは別の方法で適用する。別法として、所望の効果を誘発するのに十分な時間、標的組織に薬物の適当な濃度を提供する量などの治療有効量などで、ヒトまたはその他の動物に対する非経口または経口投与用に薬物を製剤することができる。
【0143】
活性化合物が、移植操作の一部として用いられることになっている場合、ドナーから組織または臓器を移動する前に、移植される生体組織または臓器に提供することができる。化合物をドナー宿主に提供することができる。その代わりに、あるいは、付け加えて、ドナーから除去した時点で、活性化合物を含む保存溶液中に臓器または生体組織を入れることができる。すべての場合、所望組織に活性化合物を、組織への注射などによって直接投与することができ、あるいは本明細書に記載されるか、または当業界で公知の方法および製剤のいずれかを用い、経口または非経口投与によって全身投与することができる。薬物が組織または臓器保存溶液の一部である場合、市販の保存液のいずれかを有利に用いることができる。たとえば、当業界で公知の有用な溶液として、コリンズ溶液、ウィスコンシン溶液、ベルザー溶液、ユーロコリンズ溶液および加乳酸リンゲル溶液が挙げられる。
【0144】
本明細書で記載の方法によって同定または設計された活性化合物を個人に投与して、障害を処置(予防的または治療的に)することができる。このような処置と合わせて、薬理ゲノム学(すなわち、個人のゲノム型と外来性化合物または薬物に対する個人の反応との間の関係の研究)を考慮してもよい。治療に関する代謝における差異は、薬理学的活性薬物の用量と血中濃度との関係を変化させることにより、激しい毒性または治療の失敗をもたらしうる。したがって、医師または臨床医は、薬物を投与するかどうか、ならびに薬物の用量および/また治療処方の適合化の決定において、関連の薬理ゲノム学の研究において得られた知識を適用することを考慮することができる。
【0145】
哺乳動物の細菌感染症の治療または駆除において、本発明化合物またはその医薬組成物は、濃度を獲得および維持するための用量、すなわち、治療されている動物における抗微生物的に有効な活性成分の量または血中濃度または組織濃度で、経口、非経口および/または局所投与される。本明細書で用いる用語「有効量」は、本発明化合物が、抗菌活性、抗細菌活性、抗ウイルス活性、抗寄生虫活性および/または抗増殖活性などの生物活性を引き起こすのに十分な量でレシピエントにおいて存在することを意味すると理解される。一般に、活性化合物の有効用量は、約0.1〜約100、より好ましくは約1.0〜約50 mg/体重kg/日の範囲である。投与される量は、おそらく、処置される疾患または適応症の種類および程度、特定の患者の全般的健康状態、デリバリーされる化合物の相対的生物学的効率、薬物の製剤化、製剤における賦形剤の存在および種類ならびに投与経路などの可変因子にも依存する。また、当然のことながら、投与される初期用量は、所望の血中濃度または組織濃度に急速に到達するために上記上限を越えて増加されてもよく、初期用量は、最適よりも少ない量であってもよく、1日用量は、特定の状況に応じて治療過程中、漸次増加されてもよい。必要に応じて、1日用量を1日2〜4回などの多数回用量に分割してもよい。
【0146】
6.実施例
Bruker Avance 300またはAvance 500分光計にて、または、幾つかの場合、GE-Nicolet 300分光計にて核磁気共鳴(NMR)スペクトルを得た。通例の反応溶媒は、他に特記しない限り、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードまたはアメリカン・ケミカル・ソサエティー(ACS)グレードのいずれか、および製造者から得た無水物である。「クロマトグラフィー」または「シリカゲルにより精製」は、他に特記しない限り、シリカゲル(EM Merck、シリカゲル60、230-400メッシュ)を用いるフラッシュカラムクロマトグラフィーを意味する。
【0147】
実施例1:化合物208の合成

【0148】
アジスロマイシン-3'-N-オキシド 201の合成
アジスロマイシン 200(50 g、66.8 mmol)を十分に暖かいアセトンに溶解して、150 mLの溶液を調製する。この溶液を周囲温度まで冷却した後、40 mlの30% w/w 水性H2O2を加える。穏やかな放熱が生じた後、溶液を首位温度に冷却し、3.5時間攪拌する。反応混合物を CH2Cl2でに2 L希釈し、得られるゼラチン状の混合物を1時間激しく攪拌して、濁った懸濁液を得る。この懸濁液を飽和水性NaHCO3および10% w/v 水性Na2S2O3(2 x 600 mL)の5:1混合物ならびに食塩水(1 x 800 mL)で洗浄する。水性洗液を合わせ、2N KOHでpH12に調節し、次いで、CH2Cl2(3 x 300 mL)で抽出する。合わせた有機抽出物をK2CO3で乾燥し、濾過し、減圧濃縮する。抽出物の体積を減少させると結晶の形成が始まる;抽出物の総量が700 mLまで減少したときに、栓をしたフラスコに溶液を入れ、室温で一夜保管する。減圧濾過により固体を集め、冷エーテルで濯ぎ、減圧乾燥して、34 gの白色針様結晶を得る。前記のように濾液を処理して、さらに2クロップの結晶生成物201を得て、総量51 g(66.7 mmol 99%)を得る。
1HNMR(300 MHz、CDCl3、partial): δ 5.06(d、J=4 Hz、1H)、4.69(d、J=9 Hz、1H)、4.53(d、J=7 Hz、1H)、4.27(d、J=3 Hz、1H)、4.11-4.02(m、1H)、3.75(dd、J=10、7 Hz、1H)、3.68(s、1H)、3.62(d、J=7 Hz、1H)、3.46-3.39(m、1H)、3.37(s、3H)、3.20(s、6H)、3.04(d、J=9 Hz、1H)3.07-2.99(m、1H)、2.81-2.70(m、2H)、2.48(d、J=11 Hz、1H)、2.42-2.25(m、2H)、2.15-1.84(m、2H)、1.78(d、J=15 Hz、1H)、1.56(dd、J=15、5 Hz、1H)、1.54-1.40(m、1H)、1.29(d、J=6 Hz、3H)、1.27(s、3H)、1.25(s、3H)、1.24(s、3H)、1.18(d、J=7 Hz、3H)、0.91(t、J=5 Hz、3H)、0.86(t、J=7 Hz、3H)。13CNMR(100 MHz、CDCl3): δ 178.6、102.5、94.9、78.4、78.1、77.8、76.4、74.3、73.4、72.9、72.5、66.9、65.5、59.1、52.0、49.7、45.2、41.8、36.5、34.9、27.5、26.7.、22.1、21.6、21.3、18.5、16.5、15.0、11.2、9.0、7.4。LCMS(ESI)m/z 765.6(M + H)+。
【0149】
3' デスジメチルアミノ-4'-デヒドロ-アジスロマイシン 202の合成
300 mLのナス型回収フラスコにアジスロマイシン-3'-N-オキシド 201(35 g、45.8 mmol)を入れ、回転蒸発器に入れる。0.5 torrまで減圧し、油浴中で温度を175 ℃まで徐々に挙げながら、フラスコをゆっくりと回転させる。混合物をこの温度で減圧下に1.5時間維持し、次いで、室温まで冷却し、アルゴンをフラッシュする。得られる黄褐色固体を800 mLの沸騰アセトニトリルに溶解する。溶液をゆっくりと室温に冷却し、次いで、−20 ℃のフリーザーにて一夜置く。固体を減圧濾過により集め、冷アセトニトリルで洗浄して、19.1 gの202をオフホワイトの結晶で得る。濾液を濃縮し、残渣を上記のように処理して、さらに2クロップの生成物202を得て、総量27.7 g(39.4 mmol、86%)を得る。
1HNMR(300 MHz、CDCl3、partial): δ 5.70-5.49(m、2H)、4.95(d、J=4 Hz、1H)、4.64(dd、J=10、2 Hz、1H)、4.51(d、J=7 Hz、1H)、4.40-4.29(m、1H)、4.25(dd、J=7、2 Hz、1H)、4.18-4.05(m、2H)、3.68(d、J=6 Hz、1H)、3.65-3.59(m、2H)、3.28(s、3H)、3.03(dd、J=9、11 Hz、1H)、2.85(p、J=7 Hz、1H)、2.74(q、J=7 Hz、1H)、2.64(bs、1H)、2.55-2.40(m、3H)、2.35(s、3H)、2.30(d、J=15 Hz、1H)、2.11-1.83(m、5H)、1.55(dd、J=10、4 Hz、1H)、1.55-1.45(m、1H)、1.37(bs、3H)、1.30(d、J=6 Hz、1H)、1.24(s、3H)、1.23(s、3H)、1.21(s、3H)、1.10、(d、J=8 Hz、1H)、1.07(s、3H)、1.00(d、J=7 Hz、3H)、0.91(d、J=7 Hz、3H)、0.89(t、J=7 Hz、3H)。13CNMR(100 MHz、CDCl3): δ 176.3、130.3、124.5、100.8、94.0、83.4、77.7、76.1、75.9、75.6、73.2、72.5、71.7、71.2、68.3、68.2、67.0、63.6、60.1、47.5、43.1、40.6、38.6、34.8、33.1、25.3、24.9、20.0、19.7、19.1、16.2、14.4、13.9、9.36、7.9、5.8。LCMS(ESI)m/z 704.5(M + H)+。
【0150】
3' デスジメチルアミノ-4'-デヒドロ-3',4'-エポキシ-9'N-オキソ-アジスロマイシン 203の合成
202(25.0g、35.5 mmol、100 mL)のメタノール溶液にmCPBA(20.4g、89 mmol)を加える。反応混合物を室温で14時間攪拌し、この時点で追加の10gのmCPBAを加える。溶液をさらに4時間攪拌し、次いで、1200 mL CH2Cl2で希釈し、飽和水性NaHCO3(2 x 500 mL)および食塩水(1 x 500 mL)で洗浄する。水性洗液をCH2Cl2(2 x 500 mL)で逆抽出する。有機抽出物を合わせ、K2CO3で乾燥し、濾過し、濃縮して、白色泡状物(30.7g)を得、シリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/CH2Cl2中の7.5% 2N NH3で溶離する125mm x 6”カラム)で精製して、化合物203を白色固体で得る(25.7 g、35.0 mmol、98%)。
1HNMR(300 MHz、CDCl3): δ 5.10(d、J=4 Hz、1H)、5.03(dd、J=8、4 Hz、1H)、4.41(d、J=7 Hz、1H)、4.38(d、J=3 Hz、1H)、4.22(bs、1H)、4.11(d、J=11 Hz、1H)、4.04-3.92(m、1H)、3.52(d、J=8 Hz、1H)、3.48-3.23(m、4H)、3.34(s、3H)、3.10(d、J=9 Hz、1H)、2.99(t、J=10 Hz、1H)、2.88(bs、3H)、2.72-2.60(m、2H)、2.58(dd、J=4、7 Hz、1H)、2.54-2.42(m、3H)、2.31(d、J=15 Hz、1H)、2.29(d、J=10 Hz、1H)、2.08-1.80(m、2H)、1.57(d、J=7 Hz、1H)、1.54-1.38(m、3H)、1.37(s、3H)、1.28(d、J=6 Hz、3H)、1.26(d、J=6 Hz、3H)、1.23、(s、3H)、1.18-1.10(m、6H)、1.04(s、3H)、0.96(d、J=6 Hz、3H)、0.90(t、J=7 Hz、3H)。LCMS(ESI)m/z 779.6(M + H)+。
【0151】
3'β-アジド-4'α-ヒドロキシ-9'N-オキソ-3'-デスジメチルアミノ-アジスロマイシン 204の合成
エポキシド203(20.0g、27.2 mmol)を88 mLの10:1 DMSO-H2Oに溶解し、NaN3(17.7g、270 mmol)およびMg(ClO4)・8H2O(13.5g、40.8 mmol)を加える。混合物をアルゴン下、85 ℃にて16時間攪拌し、次いで、室温まで冷却し、飽和水性NaHCO3(1L)を加え、CH2Cl2(5 x 500 mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、K2CO3で乾燥し、濾過し、濃縮して、白色泡状物(29 g)を得る。この物質を熱CH3CN(1.2L)に溶解し、室温にて一夜静置する。溶液から固体を濾過し、追加のCH3CNで濯ぐ。このようにして得られた8.7 gの結晶固体が、エポキシドの4'炭素にアジドが付加されて形成された純粋な3'α-ヒドロキシ-4'β-アジド-9'N-オキソ-3'-デスジメチルアミノ-アジスロマイシンであることをNMRおよびX線分析によって確認する。母液を濃縮し、残渣をCH3CN沸騰に再溶解して、これから、不要異性体3.0 gの第2クロップを純粋体で得る。所望生成物204に富むようになった母液を濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/ CH2Cl2中の0-8% 2N NH3で溶離する50 mm x 8”カラム)にて精製して、さらに2.9 gの早期溶出物4'β-アジドおよび標記化合物204(6.5 g、8.3 mmol、31 %)を得る。
1HNMR(300 MHz、CDCl3): δ 5.01(d、J=4 Hz、1H)、4.95(dd、J=8、4 Hz、1H)、4.40(d、J=7 Hz、1H)、4.31(d、J=4 Hz、1H)、4.15(bs、1H)、4.05(d、J=12 Hz、1H)、3.97(d、J=7 Hz、1H)、3.92(dd、J=9、3 Hz、1H)、3.66(d、J=7 Hz、1H)、3.35(bs、1H)、3.35-3.31(m、1H)、3.25(s、3H)、3.23-3.15(m、1H)、3.05(d、J=4 Hz、1H)、2.91(t、J=7 Hz、1H)、2.81(bs、3H)、2.63(bs、1H)、2.56-2.36(m、4H)、2.33-2.26(m、1H)、2.23(d、J=15 Hz、1H)、1.98-1.73(m、2H)、1.48(d、J=7 Hz、1H)、1.45-1.27(m、4H)、1.25(s、3H)、1.23(d、J=7 Hz、3H)、1.17、(d、J=6 Hz、1H)、1.13(s、3H)、1.07(d、J=7 Hz、3H)、1.05(d、J=6 Hz、3H)、0.99(s、3H)、0.89(d、J=7 Hz、3H)、0.82(t、J=7 Hz、3H)。13CNMR(100 MHz、CDCl3): δ 177.7、99.6、94.5、83.6、78.2、77.5、76.7、74.8、74.5、73.9、72.8、70.9、69.4、68.0、65.0、59.2、55.9、52.3、49.2、46.0、43.8、40.6、34.8、30.9、27.0、25.2、22.8、22.5、21.7、18.8、17.8、16.6、14.9、11.7、9.9、9.2。LCMS(ESI)m/z 736.6(M + H)+。
【0152】
4'α-ヒドロキシ-アジスロマイシン 205の合成
壁の厚い圧力管に204のエタノール溶液(20 mL中、1.73 g、2.22 mmol)および20%パラジウム/炭素(50% H2O含有0.14 g)を入れる。H2雰囲気(15 psig)下、反応混合物を室温にて14時間攪拌し、その時点で、2 mL 37%水性CH2O、1 mL HCO2Hおよび追加の50 mgのPd/Cを加える。水素の圧力を30 psigに増加し、24時間攪拌を継続する。その時点で追加の100 mgのPdを加え、水素の圧力を90 psigに増加する。さらに24時間この圧力で置いた後、反応混合物をアルゴンでパージし、濾過し、100 mLトルエンで希釈し、減圧濃縮して、1.9gの無色ガラス状物を得る。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(MeOH/ CH2Cl2中の7% 2N NH3で溶離する25 mm x 6”カラム)により精製して、化合物205(0.78 g、1.0 mmol、45%)を白色固体で得る。
1HNMR(300 MHz、CDCl3): δ 4.92(d、J=4 Hz、1H)、4.61(dd、J=10、2 Hz、1H)、4.42(d、J=7 Hz、1H)、4.18(dd、J=7、2 Hz、1H)、4.11-4.02(m、1H)、3.65-3.60(m、2H)、3.57(dd、J=10、7 Hz、1H)、3.33-3.23(m、1H)、3.28(s、3H)、3.05-2.95(m、2H)、2.86-2.62(m、3H)、2.52-2.38(m、2H)、2.47(s、6H)、2.35-2.27(m、2H)、2.32(s、3H)、2.10-2.62(m、5H)、1.55(dd、J=15、5 Hz、1H)、1.52-1.40(m、1H)、1.34(s、3H)、1.32(d、J=7 Hz、1H)、1.28(d、J=6 Hz 3H)、1.22(s、3H)、1.19(d、J=6 Hz、3H)、1.09(d、J=6 Hz、3H)、1.04、(s、3H)、0.97(d、J=7 Hz、3H)、0.90(d、J=6 Hz、3H)、0. 0.88(t、J=7 Hz、3H)。LCMS(ESI)m/z 765.5(M + H)+。
【0153】
4'α-プロパルギルオキシ-アジスロマイシン 206の合成
CH2Cl2(5 mL)中の500 mgの205(0.65 mmol)および200 μLの臭化プロパルギル(2.0 mmol)の溶液に、1 mLの50% w/w KOH(水性)および20 mgのBu4N+Br-を加える。この混合物を室温にて4時間激しく攪拌し、次いで、追加の臭化プロパルギル(100 μL)およびBu4N+Br-(20 mg)を加える。さらに2時間攪拌した後、反応混合物をCH2Cl2(100 mL)および水(50 mL)で希釈する。水性層を分離し、CH2Cl2(2 x 50 mL)で抽出する。有機抽出物を合わせ、K2CO3で乾燥し、濾過し、濃縮して、520 mgのオフホワイト泡状物を得る。粗生成物は、出発物質、モノアルキル化生成物(所望生成物とともに4''-プロパルギルオキシ-4'α-ヒドロキシ-アジスロマイシンおよび2'-プロパルギルオキシ-4'α-ヒドロキシ-アジスロマイシン)および少量のビスアルキル化生成物の混合物を含む。プレパラティブ薄層クロマトグラフィー(MeOH/ CH2Cl2中の7.5% 2N NH3で展開するプレート)により所望生成物を回収して、化合物206(48 mg、60 μmol、9.1%)を白色固体で得る。
1HNMR(300 MHz、CDCl3): δ 4.95(d、J=4 Hz、1H)、4.60(dd、J=10、2 Hz、1H)、4.42(d、J=7 Hz、1H)、4.38-4.33(m、2H)、4.29(m、1H)、4.23(dd、J=6、2 Hz、1H)、4.05-3.96(m、1H)、3.65-3.58(m、2H)、3.35-3.25(m、1H)、3.28(s、3H)、3.18(t、J=9 Hz、1H)、2.99(d、J=9 Hz、3H)、2.87-2.75(m、1H)、2.73-2.60(m、1H)、2.2.54-2.45(m、1H)、2.48(t、J=2 Hz、1H)、2.35-2.20(m、2H)、2.32(s、3H)、2.10-1.80(m、4H)、1.75(d、J=15 Hz、1H)、1.55(dd、J=15、4 Hz、1H)、1.55-1.40(m、1H)1.34-1.15(m、18H)、1.08(d、J=6 Hz、3H)、1.04、(s、3H)、1.01(d、J=7 Hz、3H)、0.92-0.81(m、6H)。LCMS(ESI)m/z 803.5(M + H)+。
【0154】
化合物208の合成
1ドラム(1.77185グラム)のバイアルにアルキン206(24 mg、30 μmol)、アジド207(14 mg、60 μmol)およびTHF(300 μL)を入れる。高真空吸引およびアルゴンフラッシングを交互に行って脱ガスする。CuIを加え、反応物を室温にて3時間攪拌する。全反応混合物をプレパラティブ薄層クロマトグラフィープレートに沖、MeOH/ CH2Cl2中の5% 2N NH3で2回溶離して、化合物208(18 mg、17 μmol、58 %)を白色固体で得る。
1HNMR(300 MHz、CDCl3): δ 7.72(bs、1H)、7.35-7.20(m、2H)、7.10-7.0(m、1H)、6.82-6.73(td、J=8、2 Hz、1H)、5.10-4.55(m、6H)、4.42(d、J=7 Hz、1H)、4.2-3.7(m、5H)、3.65-3.50(m、2H)、3.31-3.15(m、2H)、3.25(s、3H)、2.95(t、J=10 Hz、1H)、2.79-2.60(m、2H)、2.45(bs、6H)、2.28(bs、3H)、2.15-1.75(m、3H)、1.75(d、J=15 Hz、1H)、1.49、(dd、J=15、4 Hz、1H)、1.45-1.32(m、1H)、1.30-1.10(m、15H)、1.06(d、J=6 Hz,.3H)、0.9-0.78(m、6H)。LCMS(ESI)m/z 520.4(M + 2H)2+、1040.6(M + H)+。
【0155】
実施例2:化合物210の合成

化合物209の合成
CH2Cl2(1.5 ml)中の4'α-ヒドロキシ-アジスロマイシン 205(50 mg、0.066 mmol)、4-ペンチン酸(6.4 mg、0.066 mmol)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(14.8 mg、0.072 mmol)の溶液を周囲温度で7時間攪拌する。溶液を綿栓で濾過し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィークロマトグラフィー(CH2Cl2: MeOH: NH4OH=20:1:0.05)により精製して、35 mgの209を得る。
LCMS(ESI)m/z 423.4(M + 2H)2+、845.6(M + H)+。
【0156】
化合物210の合成
化合物209(29 mg、0.034 mmol)、アジド207(9.7 mg、0.041)およびCuI(3.27 mg、0.017 mmol)の混合物に、THF(3 mL)およびヒューニッヒ塩基(0.050 mL)を加える。溶液をアルゴンにて脱ガスし、アルゴン下、得られる混合物を周囲温度にて1時間攪拌する。さらなるアジド207(9.7 mg、0.041 mmol)を加え、反応混合物をさらに1時間攪拌する。NH4OH(3 mL)を含むNH4Cl(25 mL)の飽和溶液を反応混合物に加え、10分間攪拌する。得られる混合物をCH2Cl2(3 x 50 mL)で抽出し、乾燥(無水硫酸ナトリウム)し、濃縮し、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(CH2Cl2: MeOH: NH4OH=20:1:0.05)により精製して、15 mgの化合物210を得る。
LCMS(ESI)m/z 541.5(M + 2H)2+、1081.8(M + H)+。
【0157】
参照することによる組み込み
本明細書に引用された特許文献および科学論文は、すべての意味について、参照することにより組み込まれる。
等価物
本発明は、本発明の精神または本質的特徴を逸脱することなく他の特定の形態に具体化することができる。したがって、前述の具体例は、本明細書に記載された発明における限定というよりもむしろ、あらゆる点で具体例であるとみなされるべきである。このように、本発明の範囲は、前述の記載によって、というよりもむしろ添付の請求の範囲によって表示され、請求の範囲の等価性の意味および範囲に入るすべての変化は、その範囲に包含される。。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:

[式中、
-O-Aは、以下から選ばれる:
【化1】

(ここで、
rは存在毎に独立して、0、1、2 3または4および
sは存在毎に独立して、0または1である);
Xは存在毎に独立して、炭素、カルボニルまたは窒素であるが、ただし、少なくとも1つのXは炭素である;
Yは炭素、窒素、酸素またはイオウ;
Dは、以下から選ばれる:
O、S、NR5、C=O、C=S、C=NOR5、SOおよびSO2
E-Gは、以下から選ばれる
【化2】

Gは、以下から選ばれる:
a)


b)


c)


d)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;
e)C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;
f)C1-8アルキル、
g)C2-8アルケニル、
h)C2-8アルキニル、
i)C1-8アルコキシ、
j)C1-8アルキルチオ、
k)C1-8アシル、
l)S(O)tR5;および
m)水素
(ここで、いずれかのf)−k)は、必要に応じて、以下で置換される:
i)1つ以上のR4基;
ii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;または
iii)C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環であり、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
Jは、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)およびg)マクロライド
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-および-C(O)NR5-、
uは0または1および
いずれかのb)−f)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R1、R2およびR3は独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-および-C(O)NR7-、
uは0または1および
いずれかのb)−h)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
別の定義として、R2およびR3は、それらが結合する窒素原子と一緒になって、必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の追加の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成し、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される;
R4は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR5、h)=NOR5、i)=NS(O)tR5、j)=N-NR5R5、k)-CF3、l)-OR5、m)-CN、n)-NO2、o)-NR5R5、p)-NR5OR5、q)-C(O)R5、r)-C(O)OR5、s)-OC(O)R5、t)-C(O)NR5R5、u)-NR5C(O)R5、v)-OC(O)NR5R5、w)-NR5C(O)OR5、x)-NR5C(O)NR5R5、y)-C(S)R5、z)-C(S)OR5、aa)-OC(S)R5、bb)-C(S)NR5R5、cc)-NR5C(S)R5、dd)-OC(S)NR5R5、ee)-NR5C(S)OR5、ff)-NR5C(S)NR5R5、gg)-C(=NR5)R5;hh)-C(=NR5)OR5、ii)-OC(=NR5)R5、jj)-C(=NR5)NR5R5、kk)-NR5C(=NR5)R5、ll)-OC(=NR5)NR5R5、mm)-NR5C(=NR5)OR5、nn)-NR5C(=NR5)NR5R5、oo)-NR5C(=NR5)NR5R5、pp)-S(O)tR5、qq)-SO2NR5R5、rr)-S(O)tN=R5およびss)R5
R5は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-およびC(O)NR8-,
uは0または1および
いずれかのb)−h)は、必要に応じて、1つ以上のR6基で置換される);
別の定義として、2つのR5基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR6基で置換される;
R6は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)F、b)Cl、c)Br、d)I、e)=O、f)=S、g)=NR7、h)=NOR7、i)=NS(O)tR7、j)=N-NR7R7、k)-CF3、l)-OR7、m)-CN、n)-NO2、o)-NR7R7、p)-NR7OR7、q)-C(O)R7、r)-C(O)OR7、s)-OC(O)R7、t)-C(O)NR7R7、u)-NR7C(O)R7、v)-OC(O)NR7R7、w)-NR7C(O)OR7、x)-NR7C(O)NR7R7、y)-C(S)R7、z)-C(S)OR7、aa)-OC(S)R7、bb)-C(S)NR7R7、cc)-NR7C(S)R7、dd)-OC(S)NR7R7、ee)-NR7C(S)OR7、ff)-NR7C(S)NR7R7、gg)-C(=NR7)R7;hh)-C(=NR7)OR7、ii)-OC(=NR7)R7、jj)-C(=NR7)NR7R7、kk)-NR7C(=NR7)R7、ll)-OC(=NR7)NR7R7、mm)-NR7C(=NR7)OR7、nn)-NR7C(=NR7)NR7R7、oo)-NR7C(=NR7)NR7R7、pp)-S(O)tR7、qq)-SO2NR7R7、rr)-S(O)tN=R7およびss)R7
R7は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-6アルキニル、e)Lu-C314飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)
(ここで、Lは、以下から選ばれる:C(O)、C(O)OおよびC(O)NR7,
uは0または1および
いずれかのb)−h)は、必要に応じて、以下から選ばれる1つ以上の部分で置換される:
R8、F、Cl、Br、I、-CF3、-OR8、-SR8、-CN、-NO2、-NR8R8、-C(O)R8、-C(O)OR8、-OC(O)R8、-C(O)NR8R8、-NR8C(O)R8、-OC(O)NR8R8、-NR8C(O)OR8、-NR8C(O)NR8R8、C(S)R8、-C(S)OR8、-OC(S)R8、-C(S)NR8R8、-NR8C(S)R8、-OC(S)NR8R8、-NR8C(S)OR8、-NR8C(S)NR8R8、-NR8C(NR8)NR8R8、-SO2NR8R8および-S(O)tR8);
別の定義として、2つのR7基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する;
R8は存在毎に独立して、以下から選ばれる:
a)H、b)Lu-C1-6アルキル、c)Lu-C2-6アルケニル、d)Lu-C2-アルキニル、e)Lu-C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環、f)Lu-(窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環)、g)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族10員の二環式環系)およびh)Lu-(必要に応じて、窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上のヘテロ原子を含む飽和、不飽和または芳香族13員の三環式環系)、
(ここで、Lは、以下から選ばれる:-C(O)-、-C(O)O-および-C(O)NH-、-C(O)N(C1-6アルキル)-および
uは0または1);
R9はR4
R10はR4
別の定義として、R9およびR10は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R11はR4
別の定義として、2つのR11基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R12はR5
別の定義として、R12および1つのR11基は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R13はR4
R14はR4
別の定義として、いずれかのR13およびいずれかのR14は、それらが結合する原子と一緒になって、i)5-7員の飽和、不飽和または芳香族炭素環またはii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む5-7員の飽和、不飽和または芳香族複素環を形成する、
(ここで、i)−ii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
pは0または1;
qは0または1;および
tは存在毎に独立して、0、1または2である]
で示される化合物またはその医薬的に許容しうる塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項2】
式:

[ここで、A、D、G、J、R1、R2、R3、R4、X、Y、pおよびqは、請求項1と同意義]
で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式:

[ここで、O-Aは、O-(CH2)r、O-C(O)またはO-C(O)-(CH2)r;rは1、2、3または4;Jはマクロライド;およびG、R1、R2、R3、R4、X、Yおよびqは、請求項1と同意義]。
で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
式:

で示される請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
式:

で示される請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
式:

で示される請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
Gが、式:

[ここで、R11およびR12は、請求項1と同意義]
で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
Gが、式:

で示される請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
R12がHである請求項8に記載の化合物。
【請求項10】
R12が、式:

[ここで、Zは、O、NR5およびS(O)tから選ばれ、vは0、1、2または3である]で示される請求項8に記載の化合物。
【請求項11】
ZがOおよびvが1である請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
R12が-C(O)CH3である請求項7に記載の化合物。
【請求項13】
R12が、式:

[ここで、R4およびR5は、請求項1と同意義]
で示される請求項7に記載の化合物。
【請求項14】
R5が-C(O)-CH2-OHである請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
R4がHである請求項13に記載の化合物。
【請求項16】
式:

[ここで、O-Aは、O-(CH2)r、O-C(O)またはO-C(O)-(CH2)r;rは1、2、3または4;Jはマクロライド;およびR1、R2、R3、R12およびqは請求項1と同意義]
で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項17】
R12がHである請求項16に記載の化合物。
【請求項18】
R12が、式:

で示される請求項16に記載の化合物。
【請求項19】
Jがマクロライドである請求項1に記載の化合物。
【請求項20】
マクロライドが、以下の化合物:
【化3】

[ここで、Qは、以下から選ばれる:-NR5CH2-、-CH2-NR5-、-C(O)-、-C(=NR5)-、-C(=NOR5)-、-C(=N-NR5R5)-、-CH(OR5)-および-CH(NR5R5)-;
R15およびR16は独立して、R5およびヒドロキシ保護基から選ばれる;
別の定義において、R15およびR16は、それらが結合する原子と一緒になって、式:

を形成する;
R17は、以下から選ばれる:
a)C1-6アルキル、b)C2-6アルケニルおよびc)C2-6アルキニル
(ここで、a)−c)は、必要に応じて、以下から選ばれる1つ以上の部分で置換される:
i)-OR5、ii)C3-14飽和、不飽和または芳香族炭素環およびiii)窒素、酸素およびイオウから選ばれる1つ以上の原子を含む3-14員の飽和、不飽和または芳香族複素環、
ここで、いずれかのii)−iii)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
R18は、以下から選ばれる:
a)-OR15、b)C1-6アルキル、c)C2-6アルケニル、d)C2-6アルキニル、e)-C(O)R5およびf)-NR5R5
(ここで、いずれかのb)−d)は、必要に応じて、1つ以上のR4基で置換される);
別の定義として、R15およびR18は、それらが結合する原子と一緒になって、式:

(ここで、VはCHまたはNおよびR22は-OR5またはR5
を形成する;
R19は-OR15
別の定義として、R18およびR19は、それらが結合する原子と一緒になって、以下から選ばれるリンカーを介して違いに結合することによって5員環を形成する:
-OC(R4)(R4)O-、-OC(O)O-、-OC(O)NR5-、-NR5C(O)O-、-OC(O)NOR5-、-N(OR5)C(O)O-、-OC(O)N-NR5R5-、-N(NR5R5)C(O)O-、-OC(O)CHR5-、-CHR4C(O)O-、-OC(S)O-、-OC(S)NR5-、-NR5C(S)O-、-OC(S)NOR5-、-N(OR5)C(S)O-、-OC(S)N-NR5R5-、-N(NR5R5)C(S)O-、-OC(S)CHR4-および-CHR4C(S)O-;
別の定義として、Q、R18およびR19は、それらが結合する原子と一緒になって、式:

(ここで、WはO、NR5またはNOR5
を形成する;
R20は、H、F、Cl、BrおよびC1-6アルキルから選ばれる;
R21は存在毎に独立して、R5、-OR15および-NR5R5から選ばれる;
別の定義として、2つのR21基は一緒になって、=O、=N-OR5または=N-NR5R5である]
から選ばれる請求項19に記載の化合物およびその医薬的に許容しうる塩、エステルおよびプロドラッグ。
【請求項21】
Jが、
【化4】

【化5】

から選ばれる請求項1に記載の化合物。
【請求項22】
Jが、式:

で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項23】
R1がH;R2がメチル;およびR3がメチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項24】
R1がH;R2がH;およびR3がメチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項25】
構造式:
【化6】

から選ばれる化合物またはその医薬的に許容しうる塩、エステルもしくはプロドラッグ。
【請求項26】
請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項27】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における微生物感染症の治療方法。
【請求項28】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における真菌感染症の治療方法。
【請求項29】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における寄生虫感染症の治療方法。
【請求項30】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における増殖性疾患の治療方法。
【請求項31】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物におけるウイルス感染症の治療方法。
【請求項32】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における炎症性疾患の治療方法。
【請求項33】
有効量の請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を哺乳動物に投与することを含む、哺乳動物における胃腸運動障害の治療方法。
【請求項34】
化合物が、経口、非経口または局所投与される請求項27−33のいずれか1つに記載の方法。
【請求項35】
請求項1−25のいずれかに記載の化合物の合成方法。
【請求項36】
請求項1−25のいずれか1つに記載の化合物を含む医療装置。
【請求項37】
装置がステンツである請求項36に記載の医療装置。

【公表番号】特表2006−523229(P2006−523229A)
【公表日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−509205(P2006−509205)
【出願日】平成16年3月5日(2004.3.5)
【国際出願番号】PCT/US2004/006892
【国際公開番号】WO2004/078770
【国際公開日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【出願人】(502427253)リブ−エックス ファーマシューティカルズ,インコーポレイテッド (22)
【氏名又は名称原語表記】Rib−X Pharmaceuticals, Inc.
【住所又は居所原語表記】New Haven, Connecticut,U.S.A.
【Fターム(参考)】