説明

二成分コーティング組成物、およびそれによって製造されたコーティング

本発明は、自動車塗り替えおよび相手先商標製造(Original Equipment Manufacturing)(OEM)の適用における使用のために適切な、周囲条件下で硬化する二成分コーティング組成物に関し、特には、低VOC(揮発性有機成分)を有するものに関する。コーティング組成物は、架橋可能な成分および架橋成分を含み、架橋可能な成分は、ヒドロキシル、アセトアセトキシ、カルボキシル、エポキシ、第一級アミンおよび第二級アミンのような架橋可能な官能基を平均で2個〜25個有する低多分散性、低分子量コポリマーを含む。コポリマーは、1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーと、前記官能基を備えた1種または複数種の官能性アクリレートモノマーとを含むモノマー混合物から重合される。架橋成分は、ポリイソシアネート、ポリアミン、エポキシ、ポリ酸、ケチミン、メラミンまたはそれらの組み合わせを含む。また本発明は、コーティング組成物から製造されたコーティングにも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、自動車塗り替えおよび相手先商標製造(Original Equipment Manufacturing)(OEM)の適用において使用される硬化性コーティング組成物に関し、特に、周囲条件下で硬化する二成分コーティング組成物に関する。より特には、低VOC(揮発性有機成分)を有するそれらの組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、一般的に溶媒ベースの自動車塗り替えコーティングにおいて使用されるベースコートおよび透明コートのような様々なコーティングにおいて、多数の透明および着色コーティング組成物が利用されている。
【0003】
自動車車体への凹みのような損傷の補修において、損傷領域内および周囲における最初のコーティングは機械的手段によって典型的に研磨される。時には最初のコーティングは部分的または全体的に自動車車体から剥がれ落ちて、基面の金属が露出する。損傷の補修後、操縦者の健康および爆発の危険の観点から安全な様式で新たに塗布された塗装コーティングから有機溶媒を除去するために大気へとガス抜きされる典型的に携帯可能または常置型の低コストな塗装筐体中で、好ましくは、低VOCコーティング組成物によって補修表面をコーティングする。典型的に、新たに塗布された塗料の乾燥および硬化をこれらの筐体内で実行する。さらに、湿潤塗料の空気中の埃または他の汚染物質の捕集を防止するためにも、筐体内で前記乾燥および硬化工程を実行する。
【0004】
これらの塗料筐体が、典型的な小型の自動車車体塗料補修店のかなりの床面積に置かれる場合、これらの店では、これらの塗料を可能な限り迅速に乾燥および硬化することが好ましい。より高価な筐体にはしばしば、新たに塗布された塗料を促進された速度で硬化するために筐体内部に配置された従来の加熱ランプのような熱源が備えられる。従って、店の床面積のよりコスト効率の良い利用を提供するため、そして溶媒ベースのコーティング組成物からの湿潤コーティングから生じる火災の危険を最小化するために、傑出した性能特性、特に耐衝撃性、耐損傷性、耐久性および外観をなお提供しながら、周囲条件下で硬化するコーティング配合物の迅速な硬化に関する必要性が存続する。
【0005】
過去に、イソシアネート架橋コーティングの生産性を改善するためにいくつかの方法が使用されてきた。1つの方法は、高Tgアクリル系ポリマーの使用に基づき(米国特許公報(特許文献1)および米国特許公報(特許文献2))、そしてもう1つは反応性オリゴマーの使用に基づく(米国特許公報(特許文献3))。かかるアクリル系ポリマーの高Mwおよび高Tgのため、迅速な乾燥を達成可能であったが、フィルムはガラス化し、そして迅速な硬化は達成できなかった。これらの種類のアクリル系ポリマーの粘度も比較的高く、従って、この方法によって高VOCが生じた。反応性オリゴマーの方法によって低VOCにおけるコーティングの外観および硬化速度が改善されたが、乾燥時間を減少するために必要とされる十分高いTgにおいてこれらのオリゴマーを製造することは困難である。さらに、コーティング組成物中のこれらのオリゴマーの量が高いほど、得られるコーティングの硬度が低かった。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5,279,862号明細書
【特許文献2】米国特許第5,314,953号明細書
【特許文献3】米国特許第6,221,494B1号明細書
【特許文献4】米国特許第6,297,320号明細書
【特許文献5】米国特許第5,326,820号明細書
【特許文献6】米国特許第6,221,494号明細書
【特許文献7】米国特許第5,286,782号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、周囲条件下で硬化するコーティング組成物、特に、低VOCを有するそれらの組成物に関してなお必要性が存続している。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、架橋可能な成分と架橋成分とを含むコーティング組成物であって、前記架橋可能な成分が、
ヒドロキシル、アセトアセトキシ、カルボキシル、エポキシ、第一級および第二級アミンならびにそれらの組み合わせよりなる群から選択される平均2個〜25個の架橋可能な基、約1000〜4500の範囲の重量平均分子量、約1.05〜2.5の範囲の多分散性を有するコポリマーを含み、前記コポリマーが、1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーと、前記官能基を有する1種または複数種の官能性アクリレートモノマーとを含むモノマー混合物から重合され、かつ
前記架橋可能な基に対する前記架橋成分が、ポリイソシアネート、ポリアミン、ケチミン、メラミン、エポキシ、ポリ酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されるコーティング組成物に関する。
【0009】
さらに本発明は、
a)コーティング組成物の架橋可能な成分と架橋成分とを混合してポットミックス(potmix)を形成する工程であって、前記架橋可能な成分が、
ヒドロキシル、アセトアセトキシ、カルボキシル、エポキシ、第一級および第二級アミンならびにそれらの組み合わせよりなる群から選択される平均2個〜25個の架橋可能な基、約1000〜4500の範囲の重量平均分子量、約1.05〜2.5の範囲の多分散性を有するコポリマーを含み、前記コポリマーが、1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーと、前記官能基を有する1種または複数種の官能性アクリレートモノマーとを含むモノマー混合物から重合され、かつ
前記架橋可能な基に対する前記架橋成分が、ポリイソシアネート、ポリアミン、ケチミン、メラミン、エポキシ、ポリ酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される工程と、
b)前記ポットミックスの層を基材上に塗布する工程と、
c)前記基材上で前記層を硬化してコーティングとする工程と
を含む、基材上にコーティングを製造する方法に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本明細書に定義される場合、
「2パックコーティング組成物」は、別々の容器に貯蔵された二成分を有する熱硬化性コーティング組成物を意味する。二成分を含有する容器は、コーティング組成物の成分の貯蔵安定性を増加させるために典型的に密封されている。この成分はポットミックスを形成するために使用する直前に混合される。これは、限定されたポットライフを有し、典型的に数分(15分〜45分)から数時間(4時間〜8時間)の範囲である。ポットミックスを望ましい厚さの層として、自動車車体のような基材表面上に塗布する。塗布後、層を周囲温度または高温で乾燥および硬化させ、高い光沢、耐衝撃性および環境腐食に対する耐性のような望ましいコーティング特性を有する基材表面上にコーティングを形成する。
【0011】
「低VOCコーティング組成物」は、1リットルのコーティング組成物あたり0.1キログラム(1ガロンあたり1.0ポンド)〜0.72キログラム(1ガロンあたり6.0ポンド)、好ましくは0.3キログラム(1ガロンあたり2.6ポンド)〜0.6キログラム(1ガロンあたり5.0ポンド)、そしてより好ましくは0.34キログラム(1ガロンあたり2.8ポンド)〜0.53キログラム(1ガロンあたり4.4ポンド)の範囲の溶媒を含むコーティング組成物を意味する。全てのVOCは、ASTM D3960において提供される手順で決定される。
【0012】
「高固体組成物」は、組成物の総重量を基準として30重量%より高い、好ましくは35重量%〜90重量%の範囲、そしてより好ましくは40重量%〜80重量%の範囲の固体成分を有するコーティング組成物を意味する。
【0013】
「GPC重量平均分子量」は、ゲル透過クロマトグラフィーを利用して測定された重量平均分子量を意味する。ヒューレット−パッカード(カリフォルニア州、パロ アルト)(Hewlett−Packard,Palo Alto,California)によって供給された高速液体クロマトグラフ(HPLC)を使用した。特記されない限り、使用された液体相はテトラヒドロフランであり、そして標準はポリメタクリル酸メチルまたはポリスチレンであった。
【0014】
「Tg」(ガラス転移温度)は、DSC(示差走査熱量測定)によって決定され、℃の単位で測定された。
【0015】
「多分散性」は、GPC数平均分子量によって除算されたGPC重量平均分子量を意味する。多分散性が低いほど(1に近いほど)、分子量分布が狭く、望ましい。
【0016】
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートを意味する。
【0017】
「ポリマー固体」または「バインダー固体」は、乾燥状態のポリマーまたはバインダーを意味する。
【0018】
「架橋可能な成分」は、ポリマー主鎖、ポリマー主鎖からのペンダント、ポリマー主鎖の末端位またはそれらの組み合わせに位置する官能性の架橋可能な基を有する化合物、ポリマーまたはコポリマーを含む成分を意味する。特定の架橋可能な基の組み合わせが存在する場合、それら自体の間で架橋(自己架橋)し、それによって下記の架橋成分中の架橋基とのそれらの架橋能力を破壊するため、これらの組み合わせが本発明の架橋可能な成分から排除されることを当業者は認識するであろう。
【0019】
「架橋成分」は、ポリマー主鎖、ポリマー主鎖からのペンダント、ポリマー主鎖の末端位またはそれらの組み合わせに位置する架橋基を有する化合物、ポリマーまたはコポリマーを含む成分である。これらの基は、(硬化工程の間、)架橋可能な成分上の架橋可能な基と架橋可能であり、架橋構造の形態のコーティングを生じる。特定の架橋基/架橋可能な基の組み合わせは架橋、および架橋構造を形成するフィルムの製造に失敗するため、これらの組み合わせが本発明から排除されることを当業者は認識するであろう。
【0020】
コーティングの適用において、特に自動車塗り替え適用において、重要な手動子は生産性であり、すなわち、コーティング組成物の層が迅速に粘性のない状態へと乾燥して、次いで研磨可能(buffable)な状態へと十分迅速に硬化される能力である。しかしながら、コーティング組成物がより低いVOCを有することを要求する、ますます増加する厳格な環境に対する考慮が生産性に悪影響を及ぼす。本発明は、架橋技術を利用することによって前記問題を克服する。従って、本発明のコーティング組成物は架橋可能な成分と架橋成分とを含む。
【0021】
架橋可能な成分は、ヒドロキシル、アセトアセトキシ、カルボキシル、エポキシ、第一級および第二級アミンならびにそれらの組み合わせよりなる群から選択される平均2個〜25個、好ましくは3個〜15個、より好ましくは4個〜12個の架橋可能な基を有するコポリマーを含む。ヒドロキシル、アセトアセトキシおよび第二級アミン官能基が好ましく、そしてヒドロキシルがより好ましい。特定の組み合わせは自己架橋する傾向があるため、前記組成物から除外されることは当業者に明白であろう。従って、カルボキシル、第一級または第二級アミンと、架橋可能な基としてのエポキシとの組み合わせは前記組成物から除外される。コポリマーの重量平均分子量は、約1000〜4500、好ましくは1250〜3700、そしてより好ましくは1500〜3500の範囲であり、多分散性は、約1.05〜2.5の範囲、好ましくは1.1〜2.0の範囲、そしてより好ましくは1.1〜1.7の範囲である。コポリマーのTgは、約−10℃〜80℃、好ましくは約0℃〜65℃、そしてより好ましくは約10℃〜60℃の範囲であり得る。
【0022】
コポリマーは、1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーおよび1種または複数種の官能性アクリレートモノマーのモノマー混合物から重合される。モノマー混合物中の非官能性メタクリレートモノマーと官能性アクリレートモノマーとの比率は、約90:10:〜10:90、好ましくは約25:75:〜75:25の範囲である。一般的に、モノマー混合物は、モノマー混合物の重量を基準として総量が100重量%〜60重量%、好ましくは100重量%〜80重量%の非官能性メタクリレートモノマーおよび官能性アクリレートモノマーを含む。
【0023】
下記重合法によるモノマー混合物中の非官能性メタクリレートモノマーおよび官能性アクリレートモノマーの使用は、これらの低分子量であっても、好ましくは1%未満の低レベルの非官能性鎖および好ましくは5%未満の一官能性ポリマー鎖を有するほぼ全てのコポリマー鎖における官能性を確実にする。パーセントは鎖の総数を基準とする。対照的に、一般的に実施されるランダム重合技術を使用することによって、これらの低分子量の従来のコポリマーは典型的に、容認できない官能性分布を有し、そして高レベルの望ましくない非官能性および一官能性ポリマー鎖を含有する。一般的に、コーティング組成物中の非官能性および一官能性ポリマー鎖の存在は架橋官能性を有する架橋可能な官能性の架橋を減少し、そして、低架橋密度、高可溶性フラクション、低硬度、乏しい接着性、ならびに乏しい耐衝撃性および耐湿潤性のような乏しいコーティング特性を生じる。
【0024】
特に、適切なモノマーを使用することによって、本発明のコポリマーは10℃より高いTgを有する場合、得られるコーティング組成物は、ほとんど全てのポリマー中で望ましい適用粘度、反応性および官能性を有する。結果として、かかる組成物からのコーティングは、改善された硬化時間、およびコーティング硬度のような望ましいコーティング特性を有する。コーティング組成物中のコポリマーの存在はコーティング特性の望ましいバランスを提供し、これらのコポリマーのより高レベルがコーティング組成物中に含まれ得る。結果として、得られる組成物のVOCは、従来の反応性オリゴマーを含有するものと比較して、コーティング特性に影響せずに低下され得る。
【0025】
非官能性メタクリレートモノマーが、直鎖C〜C20アルキル、分枝C〜C20アルキル、環式C〜C20アルキル、2環〜3環を有する芳香族、フェニル、C〜C20フルオロカーボンおよびそれらの組み合わせよりなる群から選択される1つまたは複数の基を有し得る。官能性アクリレートモノマーが、ヒドロキシル、アセトアセトキシ、第一級アミン、第二級アミン、カルボキシル、エポキシおよびそれらの組み合わせよりなる群から選択される1つまたは複数の基を有する。
【0026】
モノマー混合物中の1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーのいくつかとしては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ノニル、メタクリル酸イソデシルおよびメタクリル酸ラウリル;メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチルおよびメタクリル酸2−エチルヘキシルのような分枝アルキルモノマー;ならびに、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリメチルシクロヘキシル、メタクリル酸第三級ブチルシクロヘキシルおよびメタクリル酸イソボルニルのような環式アルキルモノマーが挙げられる。メタクリル酸イソボルニルおよびメタクリル酸イソブチルが好ましい。
【0027】
モノマー混合物中の具体的な官能性アクリレートモノマーのいくつかとしては、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ヒドロキシイソプロピル、アクリル酸ヒドロキシブチルのようなアクリル酸ヒドロキシアルキル;アクリル酸グリシジル;アクリル酸;アクリル酸アセトアセトキシエチル、ならびにアクリル酸第三級ブチルアミノエチルおよびアクリル酸N−メチルアミノエチルのようなアクリル酸アミノアルキルが挙げられる。アクリル酸ヒドロキシエチルおよびアクリル酸ヒドロキシブチルが好ましい。
【0028】
モノマー混合物は、少量、典型的に0.01重量%〜10重量%の範囲の官能性メタクリレートモノマーもさらに含み得るが、ただし、各ポリマー鎖上の前記官能性の存在を確実にするためにモノマー混合物中に十分な官能性アクリレートモノマーが存在する。全てのパーセントはモノマー混合物の総重量を基準とする。
【0029】
モノマー混合物は、少量、典型的に0.01重量%〜10重量%の範囲の非官能性アクリレートモノマー、例えばアクリル酸ブチルもさらに含み得るが、ただし、各ポリマー鎖上の官能性の存在を確実にするためにモノマー混合物中に十分な官能性アクリレートモノマーが存在する。
【0030】
モノマー混合物は、硬度、外観および耐衝撃性のような望ましい特性を達成する目的のための1つまたは複数の他のモノマーも含み得る。かかる他のモノマーのいくつかとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリルおよびメタクリロニトリルが挙げられる。含まれる場合、好ましくは、モノマー混合物は、モノマー混合物の総重量を基準として5重量%〜30重量%の範囲でかかるモノマーを含む。スチレンが好ましい。
【0031】
所望であれば、好ましくは、コポリマー上のヒドロキシル官能基とイソシアナトプロピルトリメトキシシランとの後反応によって、1つまたは複数のシラン官能基を本発明のコポリマー中に組み入れることができる。コポリマー上で、0.01〜1.0の範囲で、ヒドロキシル基に対してイソシアナトプロピルトリメトキシシランからのイソシアネート当量との当量基準で反応を実行する。
【0032】
本発明のコポリマーの製造法の1つは、120℃〜300℃の範囲、好ましくは150℃〜200℃の範囲、より好ましくは160℃〜200℃の範囲の重合温度での前記モノマー混合物のフリーラジカル溶液重合を含む。典型的に、反応器ゲージ圧力は、0.1MPa〜2.86MPa(0psig〜400psig)、好ましくは0.1MPa〜0.71MPa(0psig〜100psig)の範囲である。重合温度が高いほど、モノマーおよび溶媒の所定の組成に対する反応器圧力が高いことは理解される。典型的に、モノマー混合物は、典型的に、メチルアミルケトン、エクソンモービル ケミカル(テキサス州、ヒューストン)(ExxonMobil Chemical,Houston,Texas)からのアロマティック(Aromatic)100および酢酸ブチルのような1つまたは複数の有機溶媒を含む重合媒体中に溶媒和される。従って、重合媒体の沸点が高いほど、重合温度が高くなり得る。典型的な反応時間は、約1時間〜6時間、一般的に約2時間〜4時間の範囲である。
【0033】
好ましくは、本願特許出願人によって供給される、バゾ(Vazo)(登録商標)64によって例証されるアゾ(Azos)およびペルオキシ酢酸t−ブチルのような過酸化物のような従来の熱開始剤を同時に添加することによって、モノマー混合物の重合を開始することができる。使用される開始剤の量および反応温度を調節することによって、本発明の得られるコポリマーの分子量を調節することができる。従って、同一分子量を達成するために、重合温度が低いほど、必要とされる開始剤の量は多い。典型的に、高い(150℃より高い)重合温度で請求される分子量範囲を達成するため、モノマー混合物の重量を基準として約0.1重量%〜約6重量%の開始剤が使用される。逆に、低い(150℃より低い)重合温度では、モノマー混合物の重量を基準として約4重量%〜約12重量%の開始剤が使用される。コポリマーの分子量を低下させるためのもう1つの方法は、非常に希釈な条件でのモノマー混合物の重合を含む。従って、同一量の開始剤を使用する場合、70重量%固体で製造されたコポリマーは、10重量%固体〜20重量%固体で製造されたコポリマーよりも高い分子量を有する。
【0034】
コポリマー中のアセトアセトキシ官能基を組み入れるための方法の1つは、コポリマー上のヒドロキシル官能基のいくつか、または全てをアセト酢酸第三級ブチルと後反応させることである。
【0035】
架橋成分中のコポリマー中に存在する架橋可能な基との架橋のために適切な本発明の架橋成分は、ポリイソシアネート、ポリアミン、ケチミン、メラミン、エポキシ、ポリ酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される。一般的に、架橋成分からの架橋基の特定の組み合わせが架橋可能な成分からの架橋可能な基と架橋することは当業者に明白である。これらのペアの組み合わせのいくつかとしては、以下が挙げられる。
1.ケチミン架橋成分は、一般的に、アセトアセトキシの架橋可能な基と架橋する。
2.ポリイソシアネートおよびメラミン架橋成分は、一般的に、ヒドロキシル、第一級および第二級アミンの架橋可能な基と架橋する。
3.エポキシ架橋成分は、一般的に、カルボキシル、第一級および第二級アミンの架橋可能な基と架橋する。
4.ポリアミン架橋成分は、一般的に、アセトアセトキシの架橋可能な基と架橋する。
5.ポリ酸架橋成分は、一般的に、エポキシの架橋可能な基と架橋する。
【0036】
しかしながら、注目すべきは、前記ペアの組み合わせも使用することができるということである。
【0037】
典型的に、ポリイソシアネートは、2〜10、好ましくは2.5〜8、より好ましくは3〜5の範囲のイソシアネート官能基を備える。一般的に、コポリマーの官能基の1当量あたりのポリイソシアネート上のイソシアネート官能基の当量比は、0.5/1〜3.0/1、好ましくは0.7/1〜1.8/1、より好ましくは0.8/1〜1.3/1の範囲である。いくつかの適切なポリイソシアネートとしては、芳香族、脂肪族または脂環族ポリイソシアネート、三官能性ポリイソシアネート、およびポリオールと二官能性イソシアネートとのイソシアネート官能性付加物が挙げられる。特定のポリイソシアネートのいくつかとしては、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ビフェニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、ビスシクロヘキシルジイソシアネート、テトラメチル−m−キシレンジイソシアネート、エチルエチレンジイソシアネート、1−メチルトリメチレンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、ビス−(4−イソシアナトシクロヘキシル)−メタンおよび4,4’−ジイソシアナトジフェニルエーテルのようなジイソシアネートが挙げられる。
【0038】
適切な三官能性ポリイソシアネートのいくつかとしては、トリフェニルメタントリイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネートおよび2,4,6−トルエントリイソシアネートが挙げられる。ペンシルバニア州、ピッツバーグ(Pittsburgh,Pennsylvania)のバイエル コーポレイション(Bayer Corporation)によってデスモデュア(Desmodur)(登録商標)N−3390の商標名で販売されるヘキサメチレンジイソシアネートのトリマーおよびイソホロンジイソシアネートのトリマーのようなジイソシアネートのトリマーも好ましい。さらに、トリオールとジイソシアネートとの三官能性付加物も適切である。ジイソシアネートのトリマーが好ましく、そしてイソホロンとヘキサメチレンジイソシアネートとのトリマーがより好ましい。
【0039】
適切なメラミンのいくつかとしては、モノマー性メラミン、ポリマー性メラミン−ホルムアルデヒド樹脂またはそれらの組み合わせが挙げられる。コーティング組成物は、組成物固体の総重量を基準として0.1重量%〜40重量%の範囲、好ましくは15重量%〜35重量%、そして最も好ましくは20重量%〜30重量%の範囲のメラミンを含み得る。モノマー性メラミンは、トリアジン核あたりメタノール、n−ブタノールまたはイソブタノールのようなC〜C一価アルコールによってエーテル化されたメチロール基を平均で3以上含有する低分子量メラミンを含み、かつ約2まで、好ましくは約1.1〜約1.8の範囲の平均縮合度を有し、約50重量%以上の比率の単核種を含む。対照として、ポリマー性メラミンは、1.9より高い平均縮合度を有する。いくつかの適切なかかるモノマー性メラミンとしては、メチル化、ブチル化、イソブチル化メラミンおよびそれらの混合物のようなアルキル化メラミンが挙げられる。多くのこれらの適切なモノマー性メラミンは、市販品として供給される。例えば、サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド(ニュージャージー州、ウェスト パターソン)(Cytec Industries Inc.,West Patterson,New Jersey)は、サイメル(Cymel)(登録商標)301(1.5の重合度、95%メチルおよび5%メチロール)、サイメル(Cymel)(登録商標)350(1.6の重合度、84%メチルおよび16%メチロール)、303、325、327および370を供給しており、これらは全てモノマー性メラミンである。適切なポリマー性メラミンとしては、ソルティア インコーポレイテッド(ミズーリ州、セントルイス)(Solutia Inc.,St.Louis,Missouri)によって供給されるレジメン(Resimene)(登録商標)BMP5503(分子量690、1.98の多分散性、56%ブチル、44%イミノ)またはサイテック インダストリーズ インコーポレイテッド(ニュージャージー州、ウェスト パターソン)(Cytec Industries Inc.,West Patterson,New Jersey)によって供給されるサイメル(Cymel)(登録商標)1158として既知の高イミノ(部分的にアルキル化された、−N、−H)メラミンが挙げられる。サイテック インダストリーズ インコーポレイテッド(Cytec Industries Inc.)は、80%固体(2.5の重合度)のサイメル(Cymel)(登録商標)1130、サイメル(Cymel)(登録商標)1133(48%メチル、4%メチロールおよび48%ブチル)も供給する。これらは両方ともポリマー性メラミンである。
【0040】
本発明において有用なケチミンは、典型的に、ケトンとアミンとの反応によって調製される。ケチミンを形成するために使用され得る代表的なケトンとしては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトン、ベンジルメチルケトン、ジイソプロピルケトン、シクロペンタノンおよびシクロヘキサノンが挙げられる。ケチミンを形成するために使用され得る代表的なアミンとしては、エチレンジアミン、エチレントリアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ビス(6−アミノヘキシル)エーテル、トリシクロデカンジアミン、N,N’−ジメチルジエチルトリアミン、シクロヘキシル−1,2,4−トリアミン、シクロヘキシル−1,2,4,5−テトラアミン、3,4,5−トリアミノピラン、3,4−ジアミノフランおよび脂環族ジアミンが挙げられる。調製および他の適切なイミンは米国特許公報(特許文献4)に示されており、これは本明細書に援用される。注目すべきは、コポリマーがアセトアセトキシ官能基のみを含有する場合、ケチミンは典型的に架橋成分として利用される。
【0041】
適切なポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、ドデカメチレンジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、7−メチル−4,10−ジオキサトリデカン−1,13−ジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、4,4’−ジイミノジシクロヘキシルメタン、イソホロンジアミン、ビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ニトリルトリス(エタンアミン)、ビス(3−アミノプロピル)メチルアミン、3−アミノ−1−(メチルアミノ)プロパン、3−アミノ−1−(シクロヘキシルアミノ)プロパンおよびN−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンのような第一級および第二級アミンが挙げられる。エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミンおよび1,2−ジアミノシクロヘキサンが好ましい。
【0042】
適切なエポキシ架橋成分は、少なくとも2個のグリシジル基を含有し、そしてソルビトールポリグリシジルエーテル、マンニトールポリグリシジルエーテル、ペンタエリトリトールポリグリシドールエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、エピクロロヒドリンおよびビスフェノールA.のエポキシ樹脂のような低分子量エポキシ樹脂、酸のジ−およびポリグリシジルエステル、ナガセ(Nagase)からのデナコール(Denacol)(登録商標)EX301のようなイソシアヌレートのポリグリシジルエーテルのようなオリゴマーまたはポリマーであり得る。チバ−ガイギー(Ciba−Geigy)からのアラルダイト(Araldite)XYGY−358(登録商標)のようなソルビトールポリグリシジルエーテル、ならびにチバ−ガイギー(Ciba−Geigy)からのアラルダイト(Araldite)CY−184(登録商標)のような酸のジ−およびポリグリシジルエステルは、高品質の仕上げを形成するため好ましい。
【0043】
適切なポリ酸架橋成分は、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸のような脂肪酸;テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、トリシクロデカンジカルボン酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸およびシクロブタンテトラカルボン酸のような脂環族ポリカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロ−またはテトラブロモフタル酸のようなハロゲノフタル酸、トリメリト酸およびピロメリト酸のような芳香族ポリカルボン酸を含む。注目すべきは、芳香族酸架橋剤は、透明コートにおいて脂肪酸および脂環族酸架橋剤よりも耐久性が低いということである。
【0044】
コーティング組成物は、好ましくは、硬化プロセスを促進するための触媒量の触媒を含む。一般的に、架橋可能な成分および架橋成分固体の総重量を基準として、約0.001重量%〜約5重量%の範囲、好ましくは0.005重量%〜2重量%の範囲、より好ましくは0.01重量%〜1重量%の範囲の触媒が利用される。ジブチルスズジラウレートおよびジブチルスズジアセテートを含むスズ化合物;トリエチレンジアミンのような第三級アミンのような広範囲の触媒を使用することができる。単独で、または酢酸のようなカルボン酸と組み合わせてこれらの触媒を使用することができる。市販品として入手可能な触媒の1つである、エルフ−アトケム ノース アメリカ インコーポレイテッド(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Elf−Atochem North America,Inc.Philadelphia,Pennsylvania)による商標名ファストキャット(Fastcat)(登録商標)4202のジブチルスズジラウレートが特に適切である。
【0045】
架橋成分がメラミンを含む場合、好ましくは、硬化時の成分の架橋をさらに促進するために、1つまたは複数の酸触媒も含まれる。一般的に、コーティング組成物は、組成物固体の総重量を基準として、0.1重量%〜5重量%の範囲、好ましくは0.1重量%〜2重量%の範囲、より好ましくは0.5重量%〜2重量%の範囲、そして最も好ましくは0.5重量%〜1.2重量%の範囲の触媒を含む。いくつかの適切な触媒としては、ジメチルオキサゾリジンおよび2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、n,n−ジメチルエタノールアミンまたはそれらの組み合わせのようなアミンによってブロック化されているか、またはブロック化されていない芳香族スルホン酸、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸、パラ−トルエンスルホン酸およびジノニルナフタレンスルホン酸のような従来の酸触媒が挙げられる。使用可能な他の酸触媒はリン酸のような強酸、特にフェニル酸ホスフェートであり、これはブロック化されていなくても、アミンによってブロック化されていてもよい。
【0046】
本発明の架橋可能な成分は、架橋可能な成分の総重量を基準として、0.1重量%〜95重量%の範囲、好ましくは10重量%〜90重量%の範囲、より好ましくは20重量%〜80重量%の範囲、そして最も好ましくは30重量%〜70重量%の範囲の追加のアクリル系ポリマー、ポリエステルまたはそれらの組み合わせをさらに含み得る。本願特許出願人は、1つまたは複数の前記ポリマーを架橋可能な成分へと添加することによって、得られるコーティング組成物は、改善された耐弛み性、ならびにフロー特性およびレベリング特性を有するコーティングを提供することを発見した。
【0047】
本発明における使用のために適切な追加的なアクリル系ポリマーは、5000を越える、好ましくは5000〜20,000の範囲、より好ましくは6000〜20,000の範囲、そして最も好ましくは8000〜12,000の範囲のGPC重量平均分子量を有し得る。アクリル系ポリマーのTgは、0℃〜100℃の範囲、好ましくは30℃〜80℃の範囲で変更可能である。
【0048】
本発明における使用のために適切な追加的なアクリル系ポリマーは、1個〜18個の範囲、好ましくは1個〜12個の範囲のアルキル炭素原子を有する(メタ)アクリル酸アルキル、スチレン、ならびにアクリル酸ヒドロキシエチルおよびメタクリル酸ヒドロキシエチルのような官能性モノマーのような典型的なモノマーから従来通り重合可能である。
【0049】
本発明における使用のために適切なポリエステルは、1500を越える、好ましくは1500〜100,000の範囲、より好ましくは2000〜50,000の範囲、なおより好ましくは2000〜8000の範囲、そして最も好ましくは2000〜5000の範囲のGPC重量平均分子量を有し得る。ポリエステルのTgは、−50℃〜+100℃の範囲、好ましくは−20℃〜+50℃の範囲で変更可能である。
【0050】
本発明における使用のために適切なポリエステルは、脂環族ポリカルボン酸を含む適切なポリ酸および多価アルコールを含む適切なポリオールから従来通り重合可能である。適切な脂環族ポリカルボン酸の例は、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリシクロデカンジカルボン酸、エンドエチレンヘキサヒドロフタル酸、しょうのう酸、シクロヘキサンテトラカルボン酸およびシクロブタンテトラカルボン酸である。脂環族ポリカルボン酸をシス体のみではなく、トランス体で、また両形態の混合物としても使用することができる。所望であれば脂環族ポリカルボン酸と一緒に使用することが可能な適切なポリカルボン酸の例は、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラクロロ−またはテトラブロモフタル酸のようなハロゲノフタル酸、アジピン酸、グルタル酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン酸、トリメリト酸およびピロメリト酸のような芳香族および脂肪族ポリカルボン酸である。
【0051】
適切な多価アルコールとしては、エチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、トリメチルペンタンジオール、エチルブチルプロパンジオール、ジトリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリトリトール、ジペンタエリトリトール、トリス(ヒドロキシエチル)イソシアネート、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールが挙げられる。所望であれば、例えば、ブタノール、オクタノール、ラウリルアルコール、エトキシル化またはプロポキシル化フェノールのような一価アルコールも多価アルコールと一緒に含まれてよい。本発明における使用のために適切なポリエステルの詳細は、米国特許公報(特許文献5)にさらに提供されており、これは本明細書に援用される。特に好ましい市販品として入手可能なポリエステルの1つは、エトナ プロダクト インコーポレイテッド(オハイオ州、シャグリンフォールズ)(Etna Product Inc.,Chagrin Falls,Ohio)によって供給されるSCD(登録商標)−1040ポリエステルである。
【0052】
所望であれば本発明の架橋可能な成分を、本明細書に援用される米国特許公報(特許文献6)に包括される反応性オリゴマー、および非脂環式(直鎖または芳香族)オリゴマーとブレンドすることができる。無水コハク酸または無水フタル酸あるいはそれらの混合物のような非脂環式無水物を使用することによって、かかる非脂環式オリゴマーを製造することができる。本明細書に援用される米国特許公報(特許文献7)に記載のカプロラクタムオリゴマーも使用することができる。
【0053】
本発明のコーティング組成物は、組成物固体の総重量を基準として、非水性分散系(NAD)のような変性樹脂を0.1重量%〜50重量%の範囲で任意で含有する。変性樹脂の重量平均分子量は、一般的に、20,000〜100,000の範囲、好ましくは25,000〜80,000の範囲、そしてより好ましくは30,000〜50,000の範囲である。
【0054】
ポリマー分散系安定剤および有機溶媒の存在下で、少なくとも1つのビニルモノマーの分散重合によって非水性分散系型のポリマーを調製する。ポリマー分散系安定剤は、非水性分散系の分野で一般的に使用される既知の安定剤のいずれであってもよい。
【0055】
コーティング組成物は、成分固体の総重量を基準として、0.1重量%〜30重量%の範囲、好ましくは5重量%〜25重量%の範囲、より好ましくは10重量%〜20重量%の範囲でアルジミンおよびポリアスパラギン酸エステルのような追加の架橋剤を任意に含み得る。本発明において有用なアルジミンは、アミンとの反応によってアセトアルデヒド、ホルムアルデヒド、プロピオンアルデヒド、イソブチルアルデヒド、n−ブチルアルデヒド、ヘプタアルデヒドおよびシクロヘキシルアルデヒドのようなアルデヒドから調製され得る。アルジミンを形成するために使用され得る代表的なアミンとしては、エチレンジアミン、エチレントリアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ビス(6−アミノヘキシル)エーテル、トリシクロデカンジアミン、N,N’−ジメチルジエチルトリアミン、シクロヘキシル−1,2,4−トリアミン、シクロヘキシル−1,2,4,5−テトラアミン、3,4,5−トリアミノピラン、3,4−ジアミノフランおよび脂環族ジアミンが挙げられる。
【0056】
本発明において有用なポリアスパラギン酸エステルは典型的に、イソホロンジアミンのようなジアミンと、マレイン酸ジエチルのようなマレイン酸ジアルキルとの反応によって調製される。
【0057】
前記ポリアスパラギン酸エステルおよび選択されたアルジミンはバイエル コーポレイション(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)(Bayer Corporation,Pittsburgh,Pennsylvania)によってデスモフェン(Desmophen)(登録商標)アミン助反応物の商標名で市販品として供給される。アルジミンおよびアスパラギン酸エステルとアセトキシ官能基との架橋反応のための適切な触媒は、エア プロダクツ アンド ケミカルズ(ペンシルバニア州、アレンタウン)(Air Products & Chemicals,Allentown,Pennsylvania)からアミキュア(Amicure)(登録商標)TEDAの商標名で販売されている。
【0058】
本発明のコーティング組成物の架橋可能な成分または架橋成分は、典型的に、石油ナフサまたはキシレンのような芳香族炭化水素;メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトンまたはアセトンのようなケトン;酢酸ブチルまたは酢酸ヘキシルのようなエステル;およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートのようなグリコールエーテルエステルよりなる群から選択される少なくとも1つの有機溶媒を典型的に含有する。添加される有機溶媒の量は、所望の固体レベル、ならびに組成物のVOCの所望量に依存する。所望であれば、有機溶媒をバインダーの両成分に添加してよい。高固体および低VOCコーティング組成物が好ましい。
【0059】
本発明のコーティング組成物は、顔料、金属フレーク、中空ガラスビーズ、UV吸収剤、安定剤、レオロジー制御剤、フロー剤、補強繊維、強靭化剤およびフィラーのような従来の添加剤も含有し得る。かかる追加的な添加剤は、もちろん、コーティング組成物の意図された用途次第である。フィラー、顔料、および硬化コーティングの透明性に悪影響を及ぼす他の添加剤は、組成物が透明コーティングとして意図される場合は典型的に含まれない。顔料のような1つまたは複数のこれらの従来の添加剤を撹拌工程の前、間または後に添加することができることは理解される。
【0060】
コーティング組成物からのコーティングの耐候性を改善するために、組成物固体の重量を基準として約0.1重量%〜5重量%の紫外線光安定剤、または紫外線光安定剤と吸収剤との組み合わせを添加してよい。これらの安定剤としては、紫外線光吸収剤、スクリーン剤、消光剤および特定のヒンダードアミン光安定剤が挙げられる。また、組成物固体の重量を基準として約0.1重量%〜5重量%の酸化防止剤を添加することもできる。前記安定剤のほとんどは、チバ スペシャルティ ケミカルズ(ニューヨーク州、タリータウン)(Ciba Specialty Chemicals,Tarrytown,New York)によって供給される。
【0061】
本発明のコーティング組成物を、透明コーティング組成物、着色組成物、金属化コーティング組成物、ベースコート組成物、モノコート組成物またはプライマーの形態で配合することができる。本発明の配合物は、自動車および他の車体部分のような屋外物品の透明コーティングとして特に有用である。本発明の組成物によるコーティングの前に、プライマーおよび、または透明コートもしくは他の表面調製によって一般的に基材を調製する。
【0062】
本発明は、基材上でのコーティングの製造法にも関する。本発明のコーティング組成物は、2−パックコーティング組成物の形態で供給され得る。典型的に、ポットミックスを形成する適用の直前に、一般的に架橋可能な成分および架橋成分を混合する。従来の混合ノズルを通して、または容器中で別々に混合を実行することができる。15マイクロメートル〜200マイクロメートルの範囲の厚さを一般的に有するポットミックスの層を、自動車車体、またはエレクトロコートプライマーのようなプリコート層を有する自動車車体のような基材上に塗布する。基材上でのポットミックスの噴霧、静電噴霧、ローラーコーティング、浸漬またはブラシ塗りによって前記塗布工程を従来通り達成することができる。塗布後の層は典型的に、層から溶媒含量を減少するために乾燥され、次いで、周囲温度〜204℃の範囲の温度で硬化される。典型的な自動車OEM適用において、組成物の乾燥された層は典型的に60℃〜160℃の範囲の高められた温度で約10分〜60分で硬化され得る。好ましくは、自動車塗り替えの適用に関して、ほぼ周囲温度〜60℃で硬化を実行することができ、そして強力型トラック車体の適用に関して、硬化を約60℃〜80℃で実行できる。所望のコーティング特性を有する基材上でコーティングを形成するために、周囲条件下での硬化は約30分〜24時間で、一般的に約30分〜4時間で生じる。実際の硬化時間は、塗布された層の厚さ、硬化時間、湿度、および硬化速度を促進するためのコーティング基材上の連続的な流動空気を補助するファンのようないずれかの追加の機械的補助に依存し得ることがさらに理解される。実際の硬化温度は、触媒およびその量、硬化される層の厚さ、ならびに利用される架橋成分の量に依存して変更されることは理解される。
【0063】
本発明のコーティング組成物の塗布のために適切な基材としては、自動車車体、自動車下請け供給者によって製造および塗装されるいずれかおよび全ての品目、フレームレール、商業用トラックおよびトラック車体、限定されないが、例えば、ビバレッジ車体、ユーティリティ車体、レディミックスコンクリート運搬車車体、廃物牽引車車体、ならびに消防車および救急車車体、ならびにかかるトラック車体へのいずれかの可能な付属品または部品、バス、農業用機具および建設用機具、トラックキャップおよびカバー、商業用トレーラー、個人用トレーラー、レクレーション用車両、限定されないが、例えば、モーターホーム、キャンピングカー、改造バン、バン、娯楽用車両、娯楽用クラフトスノーモービル、全地形型車両、個人用船舶、自転車、オートバイ、ボートおよび航空機が挙げられる。基材は、工業用および商業用の新規構造体およびそれらのメンテナンス;セメントおよび木材フロア;オフィスビルおよび家のような商業用および住宅用構造の壁;アミューズメントパーク設備;パーキングロットおよび道路のようなコンクリート表面;アスファルトおよびコンクリート路面、木材基材、海面;橋、塔のような屋外構造;コイルコーティング;鉄道車;プリント回路基板;機械;OEMツール;標識;繊維ガラス構造;スポーツ用品;およびスポーツ設備をさらに含む。
【実施例】
【0064】
(試験手順)
(膨潤比)
フィルムを塩化メチレン中に膨潤させることによって、フリーフィルム(TPO熱可塑性オレフィンシートから除去されたもの)の膨潤比を決定した。フリーフィルムを二層のアルミ箔の間に置き、そしてLADDパンチを使用して、直径約3.5mmのディスクをフィルムから穴あけし、そして箔をフィルムから除去した。10倍の顕微鏡およびフィラーレンズを使用して未膨潤フィルムの直径(D)を測定した。4滴の塩化メチレンをフィルムに添加し、そしてフィルムを数秒間膨潤させ、次いでガラススライドをフィルム上に配置して、膨潤フィルムの直径(D)を測定した。次いで膨潤比を以下の通り計算した。
膨潤比=(D/(D
膨潤比が低いほど、架橋密度が高い。
【0065】
(パーソンズ硬度試験)
Byk−マリンクロド(コネチカット州、ウォリンフォード)(Byk−Mallinckrodt,Wallingford,CT)によって供給されるパーソンズ(Persoz)硬度テスター モデル番号5854(ASTM D4366)を使用して、時間に関してコーティングのフィルム硬度の変化を測定した。振動数(パーソンズ数とも言う)を記録した。
【0066】
(硬度(フィッシャー))
フィッシャースコープ(Fischerscope)(登録商標)硬度テスターを使用して硬度を測定した(尺度は、平方ミリメートルあたりニュートン単位である)。
【0067】
(コットンタック自由時間)
コーティングされたパネルを決められた時間(例えば30分)で乾燥させる。1インチの高さからパネル表面上へコットンボールを落下させ、決められた時間、表面上にコットンボールを放置し、そしてパネルを逆にする。逆にした時にコットンボールがパネルから落下する時間まで上記を繰り返し、これをコットンタック自由時間として記録する。
【0068】
(BK乾燥時間)
ASTM D5895によって測定された、コーティングされたパネルの表面乾燥時間。
【0069】
(ゲルフラクション)
米国特許公報(特許文献6)、第8欄、第56行〜第9欄、第2行に明示された手順に従って測定した。この手順は、本明細書に援用される。
【0070】
(MEK摩擦)
摩擦機を使用して、MEK(メチルエチルケトン)浸漬布によってコーティングされたパネルを摩擦し(100回)、いずれの過剰なMEKも拭き取る。パネルを1−10から評価する。評価10−コーティングに視覚的損傷がない、評価9−1−3は明白なスクラッチ、評価8−4−6明白なスクラッチ、評価7−7−10明白なスクラッチ、評価6−10−15明白なスクラッチとわずかなピッチングおよびわずかな色損失、評価5−15−20明白なスクラッチとわずかから中程度のピッチングまたは中程度の色損失、評価4−スクラッチがもう一方にブレンドし始める、評価3−ブレンドされたスクラッチ間で被害のない領域が少数のみ、評価2−被害のない塗料の視覚的兆候がない、評価1は完全な不合格で、露出部分が見える。摩擦数に評価を掛けることによって最終評価が得られる。
【0071】
(ウォータースポット試験)
ウォータースポット評価は、フィルムの硬化においてフィルムがいかに良好に迅速に架橋されるかということの尺度である。ウォータースポット損傷がフィルム上に形成される場合、これは、硬化が不完全であり、フィルムが湿潤研磨またはスプレーから除去され得る前にフィルムのさらなる硬化が必要とされるという指示である。以下の様式で、ウォータースポット評価を決定する。
【0072】
コーティングされたパネルを平坦な表面上に配置し、そして脱イオン水を1時間の間隔でピペットで塗布した。直径約1/2インチの液滴をパネル上に配置し、そして蒸発させた。変形および脱色に関して、パネル上のスポットを検査した。脱イオン水で湿らせたチーズクロスでパネルを軽く拭き、続いて、パネルを乾燥布で軽く拭いた。次いで、1〜10のスケールでパネルを評価した。10の評価が最良であり、斑点または変色の歪みの痕跡がなく、評価9はわずかに検出可能であり、評価8はわずかなリング、評価7は非常にわずかな変色またはわずかな歪み、評価6は光沢のわずかな損失またはわずかな変色、評価5は明確な光沢損失または変色、4の評価はわずかなエッチングまたは明確な歪み、3の評価は軽い持ち上がり、不良なエッチングまたは変色、2の評価は明確な持ち上がり、そして1の評価はフィルムの溶解。
【0073】
(コポリマー1)
加熱マントル、撹拌機、モノマーおよび開始剤の供給ラインを備えた1リットルのフラスコに、268.4グラムのキシレンの初期溶媒投入量を添加した。2.5バールの圧力で溶媒を190℃まで加熱した。1リットルフラスコにおけるレベルが0.55リットルに一定に保持され、加熱マントル、撹拌機、窒素パージを有する水冷凝縮器、および開始剤の供給ラインを備えた付属の12リットルのフラスコへと反応器流出物が供給されるような様式で、2489.9gのメタクリル酸イソブチル(リューサイト インターナショナル インコーポレイテッド(テネシー州、コルドバ)(Lucite International,Inc.Cordova,Tennessee)からのIBMA)、1067.1gのアクリル酸ヒドロキシエチル(ローム アンド ハース(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Rohm and Haas,Philadelphia,Pennsylvania)からのロクリル(Rorcryl)(登録商標)420HEA)および溶媒として33.3gのキシレンのモノマー混合物(IBMA/HEA 70/30)を240分間かけてフラスコへと添加した。モノマー供給と同時に、14.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および803.4gのキシレンの混合物を240分間かけて添加した。全反応時間、190℃の重合温度を維持した。1リットルフラスコへの供給の完了後、これを25分間かけて12リットルフラスコ中へと排出した。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動を開始したら、12リットルフラスコを加熱して140℃で還流させた。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動の34分後、1.9gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および12.0gのキシレンを全て一度に12リットルフラスコへと添加した。直後に、17.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および108.4gのキシレンを220分間かけて12リットルフラスコへと供給した。開始剤の供給が完了したら、追加の19.4gのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤および139.1gのキシレンを30分間かけて供給した。12リットルフラスコを還流下で1時間保持し、80℃まで冷却した。追加の84.6gのキシレンを12リットルフラスコへと添加し、そしてバッチを充填した。
【0074】
得られたコポリマーは65.3%固体であり、2099のGPC Mnおよび2991のGPC Mwを有した。コポリマーは、ポリマー鎖あたりアクリル酸ヒドロキシエチルからの平均数2.6のヒドロキシル基を有した。動的走査熱量計を使用して、コポリマーのTgは−16.5℃であった。
【0075】
(コポリマー2)
加熱マントル、撹拌機、モノマーおよび開始剤の供給ラインを備えた1リットルのフラスコに、268.4グラムのキシレンの初期溶媒投入量を添加した。2.5バールの圧力で溶媒を190℃まで加熱した。1リットルフラスコにおけるレベルが0.55リットルに一定に保持され、加熱マントル、撹拌機、窒素パージを有する水冷凝縮器、および開始剤の供給ラインを備えた付属の12リットルのフラスコへと反応器流出物が供給されるような様式で、1244.9gのメタクリル酸イソボルニル(チバ スペシャルティ ケミカルズ(ノースカロライナ州、ハイポイント)(CIBA Specialty Chemicals,High Point,NC)からのアゲフレックス(AGEFLEX)(登録商標)IBOMA)、1244.9gのメタクリル酸イソブチル(リューサイト インターナショナル インコーポレイテッド(テネシー州、コルドバ)(Lucite International,Inc.Cordova,Tennessee)からのIBMA)、1067.1gのアクリル酸ヒドロキシエチル(ローム アンド ハース(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Rohm and Haas,Philadelphia,Pennsylvania)からのロクリル(Rorcryl)(登録商標)420HEA)および溶媒として33.3gのキシレンのモノマー混合物(IBOMA/IBMA/HEA 35/35/30)を240分間かけてフラスコへと添加した。モノマー供給と同時に、14.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および803.4gのキシレンの混合物を240分間かけて添加した。全反応時間、190℃の重合温度を維持した。1リットルフラスコへの供給の完了後、これを25分間かけて12リットルフラスコ中へと排出した。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動を開始したら、12リットルフラスコを加熱して140℃で還流させた。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動の34分後、1.9gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および12.0gのキシレンを全て一度に12リットルフラスコへと添加した。直後に、17.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および108.4gのキシレンを220分間かけて12リットルフラスコへと供給した。開始剤の供給が完了したら、追加の19.4gのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤および139.1gのキシレンを30分間かけて供給した。12リットルフラスコを還流下で1時間保持し、80℃まで冷却した。追加の84.6gのキシレンを12リットルフラスコへと添加し、そしてバッチを充填した。
【0076】
得られたコポリマーは65.3%固体であり、1986のGPC Mnおよび2735のGPC Mwを有した。コポリマーは、ポリマー鎖あたりアクリル酸ヒドロキシエチルからの平均数2.6のヒドロキシル基を有した。動的走査熱量計を使用して、コポリマーのTgは5.0℃であった。
【0077】
(コポリマー3)
加熱マントル、撹拌機、モノマーおよび開始剤の供給ラインを備えた1リットルのフラスコに、268.4グラムのキシレンの初期溶媒投入量を添加した。2.5バールの圧力で溶媒を175℃まで加熱した。1リットルフラスコにおけるレベルが0.55リットルに一定に保持され、加熱マントル、撹拌機、窒素パージを有する水冷凝縮器、および開始剤の供給ラインを備えた付属の12リットルのフラスコへと反応器流出物が供給されるような様式で、2489.9gのメタクリル酸イソボルニル(チバ スペシャルティ ケミカルズ(ノースカロライナ州、ハイポイント)(CIBA Specialty Chemicals,High Point,NC)からのアゲフレックス(AGEFLEX)(登録商標)IBOMA)、1067.1gのアクリル酸ヒドロキシエチル(ローム アンド ハース(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Rohm and Haas,Philadelphia,Pennsylvania)からのロクリル(Rorcryl)(登録商標)420HEA)および溶媒として33.3gのキシレンのモノマー混合物(IBOMA/HEA 70/30)を240分間かけてフラスコへと添加した。モノマー供給と同時に、14.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および803.4gのキシレンの混合物を240分間かけて添加した。全反応時間、190℃の重合温度を維持した。1リットルフラスコへの供給の完了後、これを25分間かけて12リットルフラスコ中へと排出した。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動を開始したら、12リットルフラスコを加熱して140℃で還流させた。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動の34分後、1.9gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および12.0gのキシレンを全て一度に12リットルフラスコへと添加した。直後に、17.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および108.4gのキシレンを220分間かけて12リットルフラスコへと供給した。開始剤の供給が完了したら、追加の19.4gのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤および139.1gのキシレンを30分間かけて供給した。12リットルフラスコを還流下で1時間保持し、80℃まで冷却した。追加の84.6gのキシレンを12リットルフラスコへと添加し、そしてバッチを充填した。
【0078】
得られたコポリマーは65.6%固体であり、1935のGPC Mnおよび2656のGPC Mwを有した。コポリマーは、ポリマー鎖あたりアクリル酸ヒドロキシエチルの平均数2.6の官能基を有した。動的走査熱量計を使用して、コポリマーのTgは38.6℃であった。
【0079】
(コポリマー4)
加熱マントル、撹拌機、モノマーおよび開始剤の供給ラインを備えた1リットルのフラスコに、268.4グラムのキシレンの初期溶媒投入量を添加した。2.5バールの圧力で溶媒を175℃まで加熱した。1リットルフラスコにおけるレベルが0.55リットルに一定に保持され、加熱マントル、撹拌機、窒素パージを有する水冷凝縮器、および開始剤の供給ラインを備えた付属の12リットルのフラスコへと反応器流出物が供給されるような様式で、2489.8gのメタクリル酸メチル(リューサイト インターナショナル インコーポレイテッド(テネシー州、コルドバ)(Lucite International,Inc.Cordova,Tennessee)からのMMA)、1067.1gのアクリル酸ヒドロキシエチル(ローム アンド ハース(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Rohm and Haas,Philadelphia,Pennsylvania)からのロクリル(Rorcryl)(登録商標)420HEA)および溶媒として33.3gのキシレンのモノマー混合物(MMA/HEA 70/30)を240分間かけてフラスコへと添加した。モノマー供給と同時に、14.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および803.4gのキシレンの混合物を240分間かけて添加した。全反応時間、190℃の重合温度を維持した。1リットルフラスコへの供給の完了後、これを25分間かけて12リットルフラスコ中へと排出した。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動を開始したら、12リットルフラスコを加熱して140℃で還流させた。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動の34分後、1.9gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および12.0gのキシレンを全て一度に12リットルフラスコへと添加した。直後に、17.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および108.4gのキシレンを220分間かけて12リットルフラスコへと供給した。開始剤の供給が完了したら、追加の19.4gのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤および139.1gのキシレンを30分間かけて供給した。12リットルフラスコを還流下で1時間保持し、80℃まで冷却した。追加の84.6gのキシレンを12リットルフラスコへと添加し、そしてバッチを充填した。
【0080】
得られたコポリマーは65.7%固体であり、2683のGPC Mnおよび4198のGPC Mwを有した。コポリマーは、ポリマー鎖あたりアクリル酸ヒドロキシエチルの平均数2.6の官能基を有した。動的走査熱量計を使用して、コポリマーのTgは27.1℃であった。
【0081】
(コポリマー5)
加熱マントル、撹拌機、モノマーおよび開始剤の供給ラインを備えた1リットルのフラスコに、268.4グラムのキシレンの初期溶媒投入量を添加した。3.5バールの圧力で溶媒を185℃まで加熱した。1リットルフラスコにおけるレベルが0.55リットルに一定に保持され、加熱マントル、撹拌機、窒素パージを有する水冷凝縮器、および開始剤の供給ラインを備えた付属の12リットルのフラスコへと反応器流出物が供給されるような様式で、2489.8gのメタクリル酸メチル(リューサイト インターナショナル インコーポレイテッド(テネシー州、コルドバ)(Lucite International,Inc.Cordova,Tennessee)からのMMA)、1067.1gのアクリル酸ヒドロキシエチル(ローム アンド ハース(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Rohm and Haas,Philadelphia,Pennsylvania)からのロクリル(Rorcryl)(登録商標)420HEA)および溶媒として33.3gのキシレンのモノマー混合物(MMA/HEA 70/30)を240分間かけてフラスコへと添加した。モノマー供給と同時に、14.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および803.4gのキシレンの混合物を240分間かけて添加した。全反応時間、190℃の重合温度を維持した。1リットルフラスコへの供給の完了後、これを25分間かけて12リットルフラスコ中へと排出した。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動を開始したら、12リットルフラスコを加熱して140℃で還流させた。1リットルフラスコから12リットルフラスコへの移動の34分後、1.9gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および12.0gのキシレンを全て一度に12リットルフラスコへと添加した。直後に、17.5gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および108.4gのキシレンを220分間かけて12リットルフラスコへと供給した。開始剤の供給が完了したら、追加の19.4gのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤および139.1gのキシレンを30分間かけて供給した。12リットルフラスコを還流下で1時間保持し、80℃まで冷却した。追加の84.6gのキシレンを12リットルフラスコへと添加し、そしてバッチを充填した。
【0082】
得られたコポリマーは64.7%固体であり、2683のGPC Mnおよび3386のGPC Mwを有した。コポリマーは、ポリマー鎖あたりアクリル酸ヒドロキシエチルの平均数2.6からのヒドロキシル基を有した。動的走査熱量計を使用して、コポリマーのTgは25.6℃であった。
【0083】
(比較コポリマー1)
加熱マントル、撹拌機、50ml水分受け器を有する凝縮器、窒素ブランケット、モノマーおよび開始剤の供給ラインを備えた5リットルフラスコに、受け器を完全に充填するために十分な溶媒(エクソンモービル ケミカル(テキサス州、ヒューストン)(ExxonMobil Chemical,Houston,Texas)からのアロマティック(Aromatic)100)を添加した。次いで、300.1gの溶媒(アロマティック(Aromatic)100)を反応フラスコに添加し、そしてフラスコを加熱して還流させ、続いて、551.1gのメタクリル酸ヒドロキシエチル(ローム アンド ハース カンパニー(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Rohm and Haas Company,Philadelphia,Pennsylvania)からのロクリル(Rocryl)(登録商標)400モノマー)および945gのアクリル酸イソボルニル(ローディア インコーポレイテッド(ニュージャージー州、クランベリー)(Rhodia Inc.,Cranbury,New Jersey)からのシポマー(Sipomer)(登録商標)HP)からなるモノマー混合物を240分間かけてフラスコへと添加した。モノマー供給と同時に、45gのペルオキシ酢酸第三級ブチル(アトフィナ(ペンシルバニア州、フィラデルフィア)(Atofina,Philadelphia,Pennsylvania)からのルペロックス(Luperox)(登録商標)7M75開始剤)および250.1gのアロマティック(Aromatic)100からなる開始剤供給を270分間かけて添加した。全反応時間で約169℃の温度での還流を維持した。開始剤供給の完了後、フラスコを150℃まで冷却し、そして250.2gのメチルN−アミルケトン(イーストマン ケミカル(テネシー州、キングスポート)(Eastman Chemical,Kingsport,Tennessee)からのPM133)を添加した。フラスコを80℃未満までさらに冷却し、そして内容物を注ぎ出した。得られたコポリマー(HEMA/IBOA//37/63)は70%固体であり、標準としてポリスチレンを使用して1637のGPC Mnおよび2978のGPC Mwを有した。官能基(ヒドロキシル)の平均数は、ポリマー鎖あたり平均数4.6であった。コポリマーのTgは41.05℃であった。
【0084】
(比較コポリマー2)
撹拌機、水凝縮器、熱電対、窒素インレット、加熱マントル、ならびに添加ポンプおよびポートを備えた2リットルフラスコに305.3gのキシレンを添加し、これを撹拌して還流温度まで加熱した(137℃〜142℃)。次いで、17.0グラムの過酢酸t−ブチルおよび85.2gのキシレンからなる開始剤混合物と同時に、添加ポンプおよびポートを介して、106.1グラムのスチレン、141.4グラムのメタクリル酸メチル、318.3グラムのメタクリル酸イソブチル、141.4グラムのメタクリル酸ヒドロキシエチルおよび10.4gのキシレンからなるモノマー混合物をフラスコへと添加した。180分間かけてモノマー混合物を添加し、そして開始剤混合物に対する添加時間も180分間であった。重合プロセス間、バッチを還流(137℃〜142℃)下に保持した。次いで、4.3gの過酢酸t−ブチルおよび57.8gのメチルエチルケトンからなる開始剤混合物を60分間かけて反応混合物へと直ちに添加し、その後、バッチを60分間還流下に保持した。次いで、バッチを90℃未満まで冷却し、そして13.0gのメチルエチルケトンを添加した。得られたポリマー溶液は、60%の重量固体および14,400cpsの粘度を有した。ゲル透過クロマトグラフィー(ポリスチレン標準)によって決定した場合、得られたヒドロキシ官能性アクリル系コポリマーの数平均分子量は5,000であり、重量平均分子量は11,000であった。
【0085】
以下の表1に記載の成分を添加することによって、本発明の透明コーティング組成物(実施例1〜5、ならびに比較例1および2)を調製した(全て重量部による)。
【0086】
【表1】

【0087】
上記表1に記載の架橋可能な成分および架橋成分を混合して、ポットミックスを形成した。ドクターブレードを用いて、PPG(ペンシルバニア州、ピッツバーグ)(Pittsburgh,Pennsylvania)によって供給されたパワーコーン(PowerCron)(登録商標)プライマー層によってプライマー処理された別のリン酸塩処理された冷却ロールスチールパネル上にこれを塗布し、厚さ50マイクロメートルのコーティングを乾燥させ、そして周囲温度条件下で空気乾燥させた。次いで、以下の表2に明示された試験を使用してパネルを試験した。表2には試験結果も含まれる。
【0088】
【表2】

【0089】
一般的に、表2の結果は、実施例1、2および3の特性は、比較例2の特性に匹敵することを示す。しかしながら、表2の結果は、実施例1、2および3の特性は、比較例1以上の改善されたコーティング特性を示すことを示す。
【0090】
官能性オリゴマー比較化合物1を使用してコーティング組成物によって提供されるもの以上の、本発明のコーティング組成物によって提供される改善されたコーティング硬度およびコーティング硬化時間は、塗り替え車体店がより容易に透明コートを研磨できることを可能にし、それによって車体店の生産性が改善される。さらに、これらの改善された特性は、コーティング特性に悪影響を及ぼさずに、塗り替え配合者がより高い量のこれらのコポリマーを塗り替えコーティング組成物中に含ませることを可能にもし、それによって、得られるコーティング組成物のVOCが低下される。
【0091】
(粘度試験比較)
コポリマー3、4、5および比較コポリマー2は、80%のメチルアミルケトンと20%のメチルエチルケトンとの溶媒ブレンドによって60重量%固体まで低下される。表2に示される結果は、コポリマー1、2および3の粘度が、60%固体で14,400cpsの粘度を有する比較コポリマー2のような従来のアクリル系コポリマーのものよりも低いことを示す。
【0092】
従って、本発明のコポリマーおよびそれによって製造されたコーティング組成物の特性および粘度のデータから、これらの種類のコポリマーが、従来のアクリル系コポリマーと比較してVOCの低下において著しい利点を提供することが明白にわかる。さらに、本発明のコポリマーは、米国特許公報(特許文献3)に記載のもののようなオリゴマーと比較した場合、好ましいフィルム形成特性(初期および最終)も提供する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋可能な成分と架橋成分とを含むコーティング組成物であって、前記架橋可能な成分が、
ヒドロキシル、アセトアセトキシ、カルボキシル、エポキシ、第一級および第二級アミンならびにそれらの組み合わせよりなる群から選択される平均2個〜25個の架橋可能な基、約1000〜4500の範囲の重量平均分子量、約1.05〜2.5の範囲の多分散性を有するコポリマーを含み、前記コポリマーが、1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーと、前記官能基を有する1種または複数種の官能性アクリレートモノマーとを含むモノマー混合物から重合され、かつ
前記架橋可能な基に対する前記架橋成分が、ポリイソシアネート、ポリアミン、ケチミン、メラミン、エポキシ、ポリ酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択されることを特徴とするコーティング組成物。
【請求項2】
前記コポリマーが前記アセトアセトキシ官能基を有する場合、前記架橋成分がケチミンまたはポリアミンであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項3】
前記コポリマーが前記ヒドロキシル官能基を有する場合、前記架橋成分がポリイソシアネートであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項4】
前記コポリマーが前記エポキシ官能基を有する場合、前記架橋成分がポリ酸であることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項5】
前記非官能性メタクリレートモノマーが、直鎖C〜C20アルキル、分枝C〜C20アルキル、環式C〜C20アルキル、2環〜3環を有する芳香族、フェニルおよびC〜C20フルオロカーボンよりなる群から選択される非官能性基を有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項6】
前記コポリマーが約−10℃〜80℃の範囲のTgを有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項7】
前記組成物が、1リットルあたり0.1キログラム〜0.72キログラムの範囲のVOCを有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項8】
前記ポリイソシアネートが、2〜10の範囲内のイソシアネート官能基を有することを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項9】
前記架橋可能な成分が、スズ化合物、第三級アミン、酸触媒およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される触媒をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項10】
前記組成物が、透明コーティング組成物、着色組成物、金属化コーティング組成物、ベースコート組成物、モノコート組成物またはプライマーであることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項11】
前記モノマー混合物が酸モノマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項12】
前記ヒドロキシル官能基を有する前記コポリマーとイソシアナトプロピルトリメトキシシランとの後反応によって、前記コポリマーがシラン官能基を備えることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項13】
前記モノマー混合物が0.01重量%〜10重量%の官能性アクリレートモノマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項14】
前記モノマー混合物が0.01重量%〜10重量%の非官能性メタクリレートモノマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項15】
前記架橋可能な成分が、該架橋可能な成分の総重量を基準として0.1重量%〜95重量%のアクリル系ポリマー、ポリエステル、反応性オリゴマー、非脂環式オリゴマーまたはそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項16】
前記架橋可能な成分が、組成物固体の総重量を基準として0.1重量%〜50重量%の分散アクリル系ポリマーをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項17】
アルジミン、ポリアスパラギン酸エステルまたはそれらの組み合わせをさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項18】
前記コポリマーが、約120℃〜300℃の範囲の重合温度における前記モノマー混合物のフリーラジカル重合によって製造されることを特徴とする請求項1に記載のコーティング組成物。
【請求項19】
前記混合物における前記非官能性メタクリレートモノマーと前記官能性アクリレートモノマーとの比率が約90:10:〜10:90の範囲であることを特徴とする請求項16に記載のコーティング組成物。
【請求項20】
前記モノマー混合物における前記非官能性メタクリレートモノマーおよび前記官能性アクリレートモノマーの総量が、前記モノマー混合物の総重量を基準として約100%〜約60%の範囲であることを特徴とする請求項19に記載のコーティング組成物。
【請求項21】
0.1MPa〜3.5MPaの範囲の反応器ゲージ圧力で前記フリーラジカル重合が生じることを特徴とする請求項19に記載のコーティング組成物。
【請求項22】
a)コーティング組成物の架橋可能な成分と架橋成分とを混合してポットミックス(potmix)を形成する工程であって、前記架橋可能な成分が、
ヒドロキシル、アセトアセトキシ、カルボキシル、エポキシ、第一級および第二級アミンならびにそれらの組み合わせよりなる群から選択される平均2個〜25個の架橋可能な基、約1000〜4500の範囲の重量平均分子量、約1.05〜2.5の範囲の多分散性を有するコポリマーを含み、前記コポリマーが、1種または複数種の非官能性メタクリレートモノマーと、前記官能基を備えた1種または複数種の官能性アクリレートモノマーとを含むモノマー混合物から重合され、かつ
前記架橋可能な基に対する前記架橋成分が、ポリイソシアネート、ポリアミン、ケチミン、メラミン、エポキシ、ポリ酸およびそれらの組み合わせよりなる群から選択される工程と、
b)前記ポットミックスの層を基材上に塗布する工程と、
c)前記基材上で前記層を硬化してコーティングとする工程と
を含むことを特徴とする基材上にコーティングを製造する方法。
【請求項23】
前記塗布工程後に前記層を空気乾燥させる工程をさらに含むことを特徴とする請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記硬化工程の温度が周囲温度から204℃の範囲であることを特徴とする請求項22または23に記載の方法。
【請求項25】
前記基材が自動車車体であることを特徴とする請求項22に記載の方法。

【公表番号】特表2007−523962(P2007−523962A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−518858(P2006−518858)
【出願日】平成16年7月1日(2004.7.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/021685
【国際公開番号】WO2005/003243
【国際公開日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(390023674)イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー (2,692)
【氏名又は名称原語表記】E.I.DU PONT DE NEMOURS AND COMPANY
【Fターム(参考)】