説明

二成分スパンボンド繊維およびそれから製造されるスパンボンド織物

二成分繊維、二成分繊維を製造する方法および二成分繊維から製造される製品がここに記述されている。二成分繊維は一般的に鞘成分および芯成分を含み、ここで鞘成分が本質的に第一のメタロセンポリプロピレンよりなりそして芯成分が本質的に第二のメタロセンポリプロピレンよりなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本発明の態様は一般的にポリプロピレンから製造される二成分繊維に関する。特に、態様は一般的にメタロセンで製造されるポリプロピレンから製造される二成分繊維に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
二成分スパンボンド織物は衛生、医学および他の不織用途のためにますます使用されてきている。伝統的に、二成分スパンボンド織物は第一の重合体、例えばポリエステルまたはポリプロピレン、から製造される鞘および第二の重合体、例えばポリエチレン、から製造される芯を含む。二成分スパンボンド繊維の鞘および芯の両方をポリプロピレンから製造するための試みがなされてきた。しかしながら、そのような試みは非相容性重合体(例えば重合体を製造するための異なる触媒または異なるタイプの重合体)を芯および鞘として依然として使用している。異種の重合体から製造されるこれらの構造体にとってスパンボンド織物の加工性が課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従って、改良された加工性を有するスパンボンド織物に関する要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
要旨
本発明の態様は二成分繊維を包含する。二成分繊維は一般的に鞘成分および芯成分を含み、鞘成分は本質的に第一のメタロセンポリプロピレンよりなりそして芯成分は本質的に第二のメタロセンポリプロピレンよりなる。
【0005】
1つもしくはそれ以上の態様は二成分繊維により製造されるスパンボンド不織製品を包含する。
【0006】
1つもしくはそれ以上の態様は二成分繊維を製造する方法を包含する。この方法は一般的に第一の溶融温度を有する第一のメタロセンポリプロピレンおよび第二の溶融温度を有する第二のメタロセンポリプロピレンを準備し、第一および第二のメタロセンポリプロピレンをそれらの各々の第一および第二の溶融温度において溶融し、それにより第一および第二の溶融したメタロセンポリプロピレンを与え、そして第一および第二の溶融したメタロセンポリプロピレンを第一のメタロセンポリプロピレンから製造された鞘成分および第二のメタロセンポリプロピレンから製造された芯成分を含んでなる二成分繊維に製造することを包含する。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な記述
序論および定義
詳細な記述を次に行う。添付された請求項の各々は別個の発明を定義しており、それは侵害目的のために請求項で特定されている種々の要素または限定に関する均等物を包含するとして認識される。前後関係によるが、「発明」に関する全ての以下の言及はある場合にはある種の特定態様だけをさすことがありうる。他の場合には、「発明」に関する言及は請求項の1つもしくはそれ以上であるが必ずしも全てには引用されていない課題物体を
さすであろうことが認識される。特定の態様、変法および実施例を包含する発明の各々を以下でさらに詳細に記述するが、本発明はこれらの態様、変法および実施例に限定されるものでなく、それらは当業者がこの情報を利用可能な情報および技術と組み合わせる時に発明をもたらしそして使用できるようにするために包含する。
【0008】
ここで使用される種々の用語を以下に示す。請求項で使用される用語が以下で定義されない程度まで、当業者はその用語に対して出願時に印刷された文献および発行された特許に反映されている最も広い定義が与えられるべきである。さらに、断らない限り、ここに記述される全ての化合物は置換されていてもまたは置換されていなくてもよくそして化合物の列挙はそれらの誘導体を包含する。
【0009】
種々の範囲は以下でさらに詳述される。断らない限り、末端点は互換性であると意図されることを認識すべきである。さらに、範囲内のいずれの点もここに開示されていることが意図される。
【0010】
本発明の態様は二成分繊維に関する。二成分繊維はポリプロピレンから製造される芯および鞘成分を有する。とりわけ、芯および鞘成分はメタロセンポリプロピレン(すなわち、メタロセン触媒を用いる重合から製造されるポリプロピレン)から製造される。本発明の目的のためには、用語「皮」および「鞘」は互換的に使用することができ、そしてそのために同じ意味を有すると考えるべきである。さらに、用語「繊維」および「フィラメント」は互換的に使用することができ、そしてそのために同じ意味を有すると考えるべきである。
【0011】
触媒系
オレフィン単量体を重合するために有用な触媒系はメタロセン触媒系、シングルサイト触媒系、チーグラー−ナッタ触媒系またはそれらの組み合わせを例えば包含する。メタロセン触媒系の簡単な論議は以下に含まれるが、本発明の範囲をそのような触媒に何らかの方法で限定することは意図されない。
【0012】
メタロセン触媒は一般的には、遷移金属と配位された1個もしくはそれ以上のシクロペンタジエニル(Cp)基(これらは置換されていてもまたは置換されていなくてもよく、各置換は同一もしくは相異なる)を含む配位化合物として特徴づけられうる。
【0013】
Cp上の置換基は線状、分枝鎖状または環式ヒドロカルビル基で例えばありうる。環式ヒドロカルビル基の含有がCpを他の隣接環構造、例えばインデニル、アズレニルおよびフルオレニル基、に例えば転換させる。これらの隣接環構造もヒドロカルビル基、例えばC〜C20ヒドロカルビル基、により置換されていてもまたはされていなくてもよい。
【0014】
メタロセン触媒の特定の非限定例は一般的に式:
[L]M[A]
[式中、Lは嵩高い配位子であり、Aは脱離基であり、Mは遷移金属でありそしてmおよびnは合計配位子原子価が遷移金属原子価に相当するようなものである]
により表わされる嵩高い配位子メタロセン化合物である。例えば、mは1〜4であることができそしてnは0〜3であることができる。
【0015】
明細書および請求の範囲を通して記述されているようなメタロセン触媒化合物の金属原子「M」は3〜12族原子およびランタニド族原子からまたは3〜10族原子からまたはSc、Ti、Zr、Hf、V、Nb、Ta、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、IrおよびNiから選択できる。金属原子「M」の酸化状態は0〜+7の範囲であることができまたは例えば+1、+2、+3、+4もしくは+5である。
【0016】
嵩高い配位子は一般的にシクロペンタジエニル基(Cp)またはその誘導体を包含する。Cp配位子は金属原子Mと少なくとも1つの化学結合を生じて「メタロセン触媒」を生成する。Cp配位子は触媒化合物に結合された脱離基とは、それらが脱離基のように置換/分離反応に対して高度に敏感でない点で異なる。
【0017】
Cp配位子は13〜16族原子、例えば炭素、窒素、酸素、珪素、硫黄、燐、ゲルマニウム、ホウ素、アルミニウムおよびそれらの組み合わせから選択される原子を包含する環または環系を包含でき、ここで炭素が環員の少なくとも50%を構成する。環または環系の非限定例はシクロペンタジエニル、シクロペンタフェナンスレニル、インデニル、ベンズインデニル、フルオレニル、テトラヒドロインデニル、オクタヒドロフルオレニル、シクロオクタテトラエニル、シクロペンタシクロドデセン、3,4−ベンゾフルオレニル、9−フェニルフルオレニル、8−H−シクロペント[a]アセナフチレニル、7−H−ジベンゾフルオレニル、インデノ[1,2−9]アンスレン、チオフェノインデニル、チオフェノフルオレニル、それらの水素化された変種(例えば、4,5,6,7−テトラヒドロインデニルすなわち「HInd」)、それらの置換された変種およびそれらの複素環式変種を例えば包含する。
【0018】
Cp置換基は水素基、アルキル類(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、ヨードプロピル、ブロモヘキシル、ベンジル、フェニル、メチルフェニル、tert−ブチルフェニル、クロロベンジル、ジメチルホスフィンおよびメチルフェニルホスフィン)、アルケニル類(例えば、3−ブテニル、2−プロペニルおよび5−ヘキセニル)、アルキニル類、シクロアルキル類(例えば、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)、アリール類、アルコキシ類(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびフェノキシ)、アリールオキシ類、アルキルチオール類、ジアルキルアミン類(例えば、ジメチルアミンおよびジフェニルアミン)、アルキルアミド類、アルコキシカルボニル類、アリールオキシカルボニル類、カルバモイル類、アルキル−およびジアルキル−カルバモイル類、アシルオキシ類、アシルアミノ類、アロイルアミノ類、オルガノメタロイド基(例えば、ジメチルボロン)、15族および16族基(例えば、メチルスルフィドおよびエチルスルフィド)並びにそれらの組み合わせを例えば包含する。1つの態様では、少なくとも2つの置換基、1つの態様では2つの隣接置換基が一緒になって環構造を形成する。
【0019】
各々の脱離基「A」は独立して選択されそしてイオン性脱離基、例えばハロゲン類(例えば、クロリドおよびフロリド)、ハイドライド類、C〜C12アルキル類(例えば、メチル、エチル、プロピル、フェニル、シクロブチル、シクロヘキシル、ヘプチル、トリル、トリフルオロメチル、メチルフェニル、ジメチルフェニルおよびトリメチルフェニル)、C〜C12アルケニル類(例えば、C〜Cフルオロアルケニル類)、C〜C12アリール類(例えば、C〜C20アルキルアリール類)、C〜C12アルコキシ類(例えば、フェノキシ、メトキシ、エトキシ、プロポキシおよびベンゾキシ)、C〜C16アリールオキシ類、C〜C18アルキルアリールオキシ類およびC〜C12ヘテロ原子−含有炭化水素類並びにそれらの置換された誘導体を例えば包含しうる。
【0020】
脱離基の他の非限定例はアミン類、ホスフィン類、エーテル類、カルボキシレート類(例えば、C〜Cアルキルカルボキシレート類、C〜C12アリールカルボキシレート類およびC〜C18アルキルアリールカルボキシレート類)、ジエン類、アルケン類、1〜20個の炭素原子を有する炭化水素基(例えば、ペンタフルオロフェニル)並びにそれらの組み合わせを例えば包含しうる。1つの態様では、2個もしくはそれ以上の脱離基が縮合環または環系の一部を形成する。
【0021】
特定の態様では、LおよびAが互いに架橋して架橋されたメタロセン触媒を形成しうる。架橋されたメタロセン触媒は、例えば、一般式:
XCpCpMA
[式中、Xは構造架橋であり、CpおよびCpは各々シクロペンタジエニル基またはその誘導体を示し、各々は同一もしくは相異なりそしてそれらは置換されていてもまたは置換されていなくてもよく、Mは遷移金属でありそしてAはアルキル、ヒドロカルビルまたはハロゲン基でありそしてnは0〜4の間の整数であり、そして特定態様では1または2のいずれかである]
により記述できる。
【0022】
架橋基「X」の非限定例は少なくとも1個の13〜16族原子、例えばそれらに限定されないが炭素、酸素、窒素、珪素、アルミニウム、ホウ素、ゲルマニウム、錫およびそれらの組み合わせの少なくとも1個、を含有する2価炭化水素基を包含し、ここでヘテロ原子は中性原子価を満たすためにC〜C12アルキルまたはアリール基で置換されていてもよい。架橋基はハロゲン基および鉄を包含する以上で定義されたような置換基を含有することができる。架橋基のさらに特定な非限定例はC〜Cアルキレン類、置換されたC〜Cアルキレン類、酸素、硫黄、RC=、RSi=、−−Si(R)Si(R)−−、RGe=またはRP=(ここで「=」は2個の化学結合を表わす)により代表され、ここでRはハイドライド類、ヒドロカルビル類、ハロカルビル類、ヒドロカルビル−置換されたオルガノメタロイド類、ハロカルビル−置換されたオルガノメタロイド類、ジ置換されたホウ素原子、ジ置換された15族原子、置換された16族原子およびハロゲン基から例えば独立して選択される。1つの態様では、架橋されたメタロセン触媒成分は2個もしくはそれ以上の架橋基を有する。
【0023】
架橋基の他の非限定例はメチレン、エチレン、エチリデン、プロピリデン、イソプロピリデン、ジフェニルメチレン、1,2−ジメチルエチレン、1,2−ジフェニルエチレン、1,1,2,2−テトラメチルエチレン、ジメチルシリル、ジエチルシリル、メチル−エチルシリル、トリフルオロメチルブチルシリル、ビス(トリフルオロメチル)シリル、ジ(n−ブチル)シリル、ジ(n−プロピル)シリル、ジ(i−プロピル)シリル、ジ(n−ヘキシル)シリル、ジシクロヘキシルシリル、ジフェニルシリル、シクロヘキシルフェニルシリル、t−ブチルシクロヘキシルシリル、ジ(t−ブチルフェニル)シリル、ジ(p−トリル)シリルおよびSi原子がGeもしくはC原子により置換されている対応する部分、ジメチルシリル、ジエチルシリル、ジメチルゲルミルおよび/またはジエチルゲルミルを包含する。
【0024】
別の態様では、架橋基は環式であってもよくそして4〜10個の環員または5〜7個の環員を例えば包含する。環員は上記の元素からおよび/またはホウ素、炭素、珪素、ゲルマニウム、窒素および酸素の1種もしくはそれ以上から例えば選択することができる。架橋部分としてまたはその一部として存在しうる環構造の非限定例は例えばシクロブチリデン、シクロペンチリデン、シクロヘキシリデン、シクロヘプチリデン、シクロオクチリデンである。環式架橋基は飽和もしくは不飽和であってよくおよび/または1個もしくはそれ以上の置換基を有していてもよくおよび/または1個もしくはそれ以上の他の環構造に縮合されていてもよい。上記の環式架橋部分が場合により縮合されていてもよい1個もしくはそれ以上のCp基は飽和または不飽和でありうる。さらに、これらの環構造は、例えば、ナフチル基の場合のように、それら自体で縮合されていてもよい。
【0025】
1つの態様では、メタロセン触媒は下記の式:
X(CpR)(FlR
[式中、Cpはシクロペンタジエニル基またはその誘導体であり、Flはフルオレニル基であり、XはCpおよびFlの間の構造架橋であり、Rは場合により存在するCp上の
置換基であり、nは1または2であり、Rはイプソ炭素に直接隣接する炭素に結合された、場合により存在する、Cp上の置換基であり、mは1または2でありそして各々のRは場合により存在し、同一もしくは相異なることができそしてC〜C20ヒドロカルビル類から選択できる]
により表わされるCpFluタイプ触媒(例えば、配位子がCpフルオレニル配位子構造を包含するメタロセン触媒)を包含する。1つの態様では、pは2または4から選択される。1つの態様では、少なくとも1個のRはフルオレニル基上で2または7位置のいずれかを置換し、そして少なくとも1個の他のRはフルオレニル基上で向かい合っている2または7位置を置換する。
【0026】
さらに他の面では、メタロセン触媒は架橋された一配位子メタロセン化合物(例えば、モノシクロペンタジエニル触媒成分)を包含する。この態様では、メタロセン触媒は架橋された「半サンドイッチ」メタロセン触媒である。発明のさらに別の面では、少なくとも1種のメタロセン触媒成分は架橋されていない「半サンドイッチ」メタロセンである(引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,069,213号明細書、米国特許第5,026,798号明細書、米国特許第5,703,187号明細書、米国特許第5,747,406号明細書、米国特許第5,026,798号明細書および米国特許第6,069,213号明細書を参照のこと。)。
【0027】
ここの記述と一致するメタロセン触媒成分の非限定例は、例えばシクロペンタジエニルジルコニウムA、インデニルジルコニウムA、(1−メチルインデニル)ジルコニウムA、(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、(1−プロピルインデニル)ジルコニウムA、(2−プロピルインデニル)ジルコニウムA、(1−ブチルインデニル)ジルコニウムA、(2−ブチルインデニル)ジルコニウムA、メチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、テトラヒドロインデニルジルコニウムA、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、シクロペンタジエニルジルコニウムA、ペンタメチルシクロペンタジエニルチタンA、テトラメチルシクロペンチルチタンA、(1,2,4−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(シクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(1,2,3−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルシクロペンタジエニルインデニルジルコニウムA、ジメチルシリル(2−メチルインデニル)(フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルシリル(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル−(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルゲルミル(1,2−ジメチルシクロペンタジエニル)(3−イソプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(1,2,3,4−テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチリデンシクロペンタジエニルインデニルジルコニウムA、イソプロピリデンビスシクロペンタジエニルジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(3−メチルシクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムA、エチレンビス(9−フルオレニル)ジルコニウムA、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(2−メチル−1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(2−メチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(2−プロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(2−イソプロピル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(2−ブチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(2−イソブチル−4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、ジフェニル(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、エチレンビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−1−インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(9−フルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(1−インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−プロピルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−ブチルインデニル)ジルコニウムA、ジフェニルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、ジフェニルシリルビス(2−プロピルインデニル)ジルコニウムA、ジフェニルシリルビス(2−ブチルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルゲルミルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビステトラヒドロインデニルジルコニウムA、ジメチルシリルビステトラメチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルシリル(シクロペンタジエニル)(9−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルシリルビスインデニルジルコニウムA、シクロトリメチレンシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロペンタジエニルジルコニウムA、シクロテトラメチレンシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロペンタジエニルジルコニウムA、シクロトリメチレンシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、シクロトリメチレンシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、シクロトリメチレンシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、シクロトリメチレンシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(2,3,5−トリメチルクロペンタジエニル)ジルコニウムA、シクロトリメチレンシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(N−tertブチルアミド)チタンA、ビスシクロペンタジエニルクロムA、ビスシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(n−ドデシクルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビスエチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビスイソブチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビスイソプロピルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビスメチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビスオクチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビストリメチルシリルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビス(1,3−ビス(トリメチルシリル)シクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(1−エチル−2−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(1−エチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビスペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムA、ビス(1−プロピル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(1−n−ブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(1−イソブチル−3−メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(1−プロピル−3−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(1,3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ビス(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムA、ビスインデニルジルコニウムA、ビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、シクロペンタジエニルインデニルジルコニウムA、ビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、ビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、ビス(n−ペンチルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、(n−プロピルシクロペンタジエニル)(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウム
、ビス[(2−トリメチルシリルエチル)シクロペンタジエニル]ハフニウムA、ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、ビス(2−n−プロピルインデニル)ハフニウムA、ビス(2−n−ブチルインデニル)ハフニウムA、ジメチルシリルビス(n−プロピルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、ジメチルシリルビス(n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、ビス(9−n−プロピルフルオレニル)ハフニウムA、ビス(9−n−ブチルフルオレニル)ハフニウムA、(9−n−プロピルフルオレニル)(2−n−プロピルインデニル)ハフニウムA、ビス(1−n−プロピル−2−メチルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、(n−プロピルシクロペンタジエニル)(1−n−プロピル−3−n−ブチルシクロペンタジエニル)ハフニウムA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロプロピルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロブチルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロペンチルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘプチルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロオクチルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロノニルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロデシルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロウンデシルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドチタンA、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタジエニル(sec−ブチルアミド)チタンA、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−オクチルアミド)チタンA、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−デシルアミド)チタンA、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−オクタデシルアミド)チタンA、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(2,4−ジメチルシクロペンタジエニル)(3’,5’−ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(2,3,5−トリメチルシクロペンタジエニル)(2’,4’,5’−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−トリメチルシリル−4−t−ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(4,5,6,7−テトラヒドロ−インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−メチルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2,4−ジメチルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2,4,7−トリメチルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−エチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(ベンズ[e]インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−メチルベンズ[e]インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(ベンズ[f]インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(2−メチルベンズ[f]インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(3−メチルベンズ[f]インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(シクロペンタ[cd]インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、ジメチルシリルビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−インデニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−3−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、イソロピリデン(シクロペンタジエニル−4−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(メチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(ジメチルシクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(テトラメチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−インデニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−3−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−4−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニルオクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(メチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(ジメチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、ジフェニルメチレン(テトラメチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニルインデニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−3−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−4−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニルオクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(メチルシクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(ジメチルシクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(テトラメチルシクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル−インデニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペントジエニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル−3−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル−4−メチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニル−オクタヒドロフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(メチルシクロペンタンジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(ジメチルシクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−フルオレニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−インデニル)ジルコニウムA、イソプロピリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、シクロヘキシリデン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムA、ジメチルシリル(シクロペンタジエニルフルオレニル)ジルコニウムA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロプロピルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロブチルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロペンチルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘプチルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロオクチルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロノニルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロデシルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロウンデシルアミドチタンA、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドチタンA、メチルフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(sec−ブチルアミド)チタンA、メチルフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−オクチルアミド)チタンA、メチルフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−デシルアミド)チタンA、メチルフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−オクタデシルアミド)チタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロプロピルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロブチルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロペンチルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘキシルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロヘプチルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロオクチルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロノニルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロデシルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロウンデシルアミドチタンA、ジフェニルシリルテトラメチルシクロペンタジエニルシクロドデシルアミドチタンA、ジフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(sec−ブチルアミド)チタンA、ジフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−オクチルアミド)チタンA、ジフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−デシルアミド)チタンA、およびジフェニルシリル(テトラメチルシクロペンタジエニル)(n−オクタデシルアミド)チタンAを包含する。
【0028】
メタロセン触媒はその後の重合用にメタロセン活性化剤で活性化することができる。ここで使用される際には、用語「メタロセン活性化剤」はシングルサイト触媒化合物(例えば、メタロセン類、15族含有化合物など)を活性化させうる担持されたまたは担持されていないいずれかの化合物または化合物の組み合わせであると定義される。これは触媒成分の金属中心からの少なくとも1個の脱離基(例えば、上記の式/構造中のA基)の分離に関係する。かくしてメタロセン触媒はそのような活性化剤を用いるオレフィン重合に対して活性化される。
【0029】
そのような活性化剤の態様はルイス酸類、例えば環式またはオリゴマー状のポリヒドロカルビルアルミニウムオキシド類、非配位性イオン性活性化剤(NCA)、イオン化活性化剤、化学量論的活性化剤、それらの組み合わせまたは中性メタロセン触媒成分をオレフィン重合に関して活性であるメタロセンカチオンに転化させうるいずれかの他の化合物を包含する。
【0030】
ルイス酸類はアルモキサン(例えば、「MAO」)、改質されたアルモキサン(例えば、「TIBAO」)およびアルキルアルミニウム化合物を例えば包含しうる。アルミニウムアルキル化合物の非限定例はトリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウムおよびトリ−n−オクチルアルミニウムを例えば包含しうる。
【0031】
イオン化活性化剤は当該技術で既知でありそして、例えば、Eugene You−Xian Chen & Tobin J.Marks、Cocatalysts for Metal−Catalyzed Olefin Polymerization:Activators、Activation Processes、and Structure−Activity Relationships 100(4)CHEMICAL REVIEWS 1391−1434(2000)により記述されている。中性イオン化活性化剤の例は13族トリ−置換された化合物、特に、トリ−置換されたホウ素化合物、テルル化合物、アルミニウム化合物、ガリウム化合物およびインジウム化合物並びにそれらの混合物(例えば、トリスペルフルオロフェニルボロンメタロイド前駆体)を例えば包含する。置換基はアルキル類、アルケニル類、ハロゲン、置換されたアルキル類、アリール類、アリールハライド類、アルコキシおよびハライド類から独立して例えば選択できる。1つの態様では、3個の基はハロゲン類、単環式もしくは多環式(ハロ置換を包含する)アリール類、アルキル類、アルケニル化合物およびそれらの混合物から独立して例えば選択される。他の態様では、3個の基はC〜C20アルケニル類、C〜C20アルキル類、C〜C20アルコキシ類、C〜C20アリール類およびそれらの組み合わせから例えば選択される。さらに他の態様では、3個の基は高度にハロゲン化されたC〜Cアルキル類、高度にハロゲン化されたフェニル類、および高度にハロゲン化されたナフチル類、並びにそれらの混合物の群から例えば選択される。「高度にハロゲン化された」によると、水素の少なくとも50%が弗素、塩素および臭素から選択されるハロゲン基により置換されることが意味される。
【0032】
イオン性イオン化活性化剤の説明用であるが限定用でない例はトリアルキル−置換されたアンモニウム塩類(例えば、トリエチルアンモニウムテトラフェニルホウ酸、トリプロピルアンモニウムテトラフェニルホウ酸、トリ(n−ブチル)アンモニウムテトラフェニルホウ酸、トリメチルアンモニウムテトラ(p−トリル)ホウ酸、トリメチルアンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ酸、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸、トリプロプルアンモニウムテトラ(o,p−ジメチルフェニル)ホウ酸、トリブチルアンモニウムテトラ(m,m−ジメチルフェニル)ホウ酸、トリブチルアンモニウムテトラ(p−トリ−フルオロメチルフェニル)ホウ酸、トリブチルアンモニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ホウ酸およびトリ(n−ブチル)アンモニウムテトラ(o−トリル)ホウ酸)、N,N−ジアルキルアニリニウム塩類(例えば、N,N−ジメチルアニリニウムテトラフェニルホウ酸、N,N−ジエチルアニリニウムテトラフェニルホウ酸およびN,N−2,4,6−ペンタメチルアニリニウムテトラフェニルホウ酸)、ジアルキルアンモニウム塩類(例えば、ジイソプロピルアンモニウムテトラペンタフルオロフェニルホウ酸およびジシクロヘキシルアンモニウムテトラフェニルホウ酸)、トリアリールホスホニウム塩類(例えば、トリフェニルホスホニウムテトラフェニルホウ酸、トリメチルフェニルホスホニウムテトラフェニルホウ酸およびトリジメチルフェニルホスホニウムテトラフェニルホウ酸)並びにそれらのアルミニウム同等物を例えば包含する。
【0033】
さらに他の態様では、アルキルアルミニウム化合物を複素環式化合物と一緒に使用することができる。複素環式化合物の環は少なくとも1個の窒素、酸素、および/または硫黄原子を包含することができ、そして1つの態様では少なくとも1個の窒素原子を包含する。例えば、複素環式化合物は1つの態様では4個もしくはそれ以上の環員を包含し、そして別の態様では5個もしくはそれ以上の環員を包含する。
【0034】
アルキルアルミニウム化合物と一緒の活性化剤としての使用のための複素環式化合物は置換されていなくてもまた置換基の1個もしくは組み合わせで置換されていてもよい。適当な置換基の例はハロゲン類、アルキル類、アルケニル類またはアルキニル基、シクロアルキル基、アリール基、アリール置換されたアルキル基、アシル基、アロイル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、アルキル−もしくはジアルキル−カルバモイル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アロイルアミノ基、直鎖状、分枝鎖状もしくは環式のアルキレン基またはそれらのいずれかの組み合わせを例えば包含する。
【0035】
炭化水素置換基の非限定例はメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、ベンジル、フェニル、フルオロメチル、フルオロエチル、ジフルオロエチル、ヨードプロピル、ブロモヘキシルまたはクロロベンジルを例えば包含する。
【0036】
使用される複素環式化合物の非限定例は置換されたおよび置換されていないピロール類、イミダゾール類、ピラゾール類、ピロリン類、ピロリジン類、プリン類、カルバゾール類、インドール類、フェニルインドール類、2,5−ジメチルピロール類、3−ペンタフルオロフェニルピロール、4,5,6,7−テトラフルオロインドールまたは3,4−ジフルオロピロール類を例えば包含する。
【0037】
活性化剤の組み合わせ、例えば、組み合わされたアルモキサン類およびイオン化活性化剤、も本発明により意図される。他の活性化剤は、非配位性の適合性アニオンと組み合わされた、アルミニウム/ホウ素複合体、水素化物を包含する過塩素酸塩類、過ヨウ素酸塩類およびヨウ素酸塩類、リチウム(2,2’−ビスフェニル−ジトリメチルシリケート)−4T−HFおよびシリリウム(silylium)塩類を例えば包含する。以上で挙げられた化合物の他に、例えば照射および電気化学的酸化の使用の如き活性化方法もシングルサイト触媒化合物の活性および/または生産性を増加させる目的のための活性化方法として例えば意図される(米国特許第5,849,852号明細書、米国特許第5,859,653号明細書、米国特許第5,869,723号明細書および国際公開第98/32775号パンフレットを参照のこと。)。
【0038】
触媒は当業者に既知であるいずれかの方法で活性化することができる。例えば、触媒および活性化剤を例えば1000:1〜0.1:1、または500:1〜1:1、または約100:1〜約250:1、または150:1〜1:1、または50:1〜1:1、または10:1〜0.5:1または3:1〜0.3:1の活性化剤対触媒のモル比で組み合わせることができる。
【0039】
Gregory G.Hlatky、Heterogeneous Single−Site Catalysts for Olefin Polymerization 100(4)CHEMICAL REVIEWS 1347−1374(2000)により記述されているように、活性化剤は、触媒(例えば、メタロセン)と会合してもしくは触媒成分と別個のいずれかで、担体と会合されていてももしくはそれに結合されていてもよくまたはそうでなくてもよい。
【0040】
メタロセン触媒は担持されていてもよくまたは担持されていなくてもよい。典型的な担体物質はタルク、無機酸化物、クレーおよびクレー鉱物、イオン−交換された層状化合物、珪藻土化合物、ゼオライト類または樹脂状担体物質、例えばポリオレフィン、を例えば包含しうる。
【0041】
特定の無機酸化物はシリカ、アルミナ、マグネシア、チタニアおよびジルコニアを例えば包含する。担体物質として使用される無機酸化物は5ミクロン〜600ミクロンまたは10ミクロン〜100ミクロンの平均粒子寸法、50m/g〜1,000m/gまたは100m/g〜400m/gの表面積および0.5cc/g〜3.5cc/gまたは0.5cc/g〜2.5cc/gの孔容量を例えば有することができる。
【0042】
メタロセン触媒の担持方法は一般的に当該技術で既知である(引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,643,847号明細書を参照のこと。)。
【0043】
場合により、担体物質、触媒成分、触媒系またはそれらの組み合わせを重合前または中に1種もしくはそれ以上の捕集化合物と接触させることができる。用語「捕集化合物」はその後の重合反応環境から不純物(例えば、極性不純物)を除去するのに有効な化合物を包含することが意味される。不純物は重合反応成分のいずれかと共に、特に溶媒、単量体および触媒原料と共に、不注意により導入されることがあり、そして触媒活性および安定性に悪影響を与えうる。そのような不純物は例えば触媒活性の減少または消去さえも生じうる。極性不純物または触媒毒は水、酸素および金属不純物を例えば包含しうる。
【0044】
捕集化合物は過剰の上記アルミニウム含有化合物を包含することができ、または他の既知の有機金属化合物、例えば13族有機金属化合物、であってもよい。例えば、捕集化合物はトリエチルアルミニウム(TMA)、トリイソブチルアルミニウム(TIBAl)、メチルアルモキサン(MAO)、イソブチルアルミノキサンおよびトリ−n−オクチルアルミニウムを包含しうる。1つの特定態様では、捕集化合物はTIBAlである。
【0045】
1つの態様では、捕集化合物の量は重合中に活性を増加させるのに有効な量までに最少化されそして原料および重合媒体が充分に不純物を含まない場合には全て排除される。
【0046】
重合方法
ここでは断らない限り、触媒系を使用してポリオレフィン組成物を製造する。触媒系が上記の通りにしておよび/または当業者に既知の通りにして製造されたら、その組成物を用いて種々の方法を行うことができる。重合方法において使用される装置、工程条件、反応物、添加剤および他の物質は、製造される重合体の所望する組成および性質によって、特定された方法において変動するであろう。そのような方法は溶液相、気体相、スラリー相、塊状相、高圧方法またはそれらの組み合わせを例えば包含しうる(引用することにより本発明の内容となる米国特許第5,525,678号明細書、米国特許第6,420,580号明細書、米国特許第6,380,328号明細書、米国特許第6,359,072号明細書、米国特許第6,346,586号明細書、米国特許第6,340,730号明細書、米国特許第6,339,134号明細書、米国特許第6,300,436号明細書、米国特許第6,274,684号明細書、米国特許第6,271,323号明細書、米国特許第6,248,845号明細書、米国特許第6,245,868号明細書、米国特許第6,245,705号明細書、米国特許第6,242,545号明細書、米国特許第6,211,105号明細書、米国特許第6,207,606号明細書、米国特許第6,180,735号明細書および米国特許第6,147,173号明細書を参照のこと。)。
【0047】
ある種の態様では、上記の方法は一般的に1種もしくはそれ以上のオレフィン単量体を重合して重合体を製造することを包含する。オレフィン単量体はC〜C30オレフィン単量体、またはC〜C12オレフィン単量体(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン、メチルペンテン、ヘキセン、オクテンおよびデセン)を例えば包含しうる。単量体はオレフィン系不飽和単量体、C〜C18ジオレフィン類、共役もしくは非共役ジエン類、ポリエン類、ビニル単量体および環式オレフィン類を例えば包含しうる。他の単量体の非限定例はノルボルネン、ノボルナジエン、イソブチレン、イソプレン、ビニルベンゾシクロブタン、スチレン、アルキル置換されたスチレン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエンおよびシクロペンテンを例えば包含しうる。製造された重合体はホモ重合体、共重合体または三元共重合体を例えば包含しうる。
【0048】
溶液方法の例は引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,271,060号明細書、米国特許第5,001,205号明細書、米国特許第5,236,998号明細書および米国特許第5,589,555号明細書に記述されている。
【0049】
気相重合方法の一例は連続循環系を包含しており、そこでは循環する気体流(或いは再循環流または流動媒体としても知られる)を反応器内で重合熱により加熱する。熱は循環する気体流から循環の別の部分で反応器外部の冷却系により除去される。1種もしくはそれ以上の単量体を含有する循環する気体流は流動床を通して触媒の存在下において反応条件下で連続的に循環させることができる。循環する気体流は一般的には流動床から除去されそして反応器内に逆に再循環される。同時に、重合生成物を反応器から除去することができそして新しい単量体を加えて重合された単量体を置換することができる。気相方法における反応器圧力は約100psig〜約500psig、または約200psig〜約400psigまたは約250psig〜約350psigに例えば変動しうる。気相方法における反応器温度は約30℃〜約120℃、または約60℃〜約115℃、または約70℃〜約110℃または約70℃〜約95℃に例えば変動しうる(例えば、引用することにより本発明の内容となる米国特許第4,543,399号明細書、米国特許第4,588,790号明細書、米国特許第5,028,670号明細書、米国特許第5,317,036号明細書、米国特許第5,352,749号明細書、米国特許第5,405,922号明細書、米国特許第5,436,304号明細書、米国特許第5,456,471号明細書、米国特許第5,462,999号明細書、米国特許第5,616,661号明細書、米国特許第5,627,242号明細書、米国特許第5,665,818号明細書、米国特許第5,677,375号明細書および米国特許第5,668,228号明細書を参照のこと。)。
【0050】
スラリー相方法は一般的に固体粒状重合体の液体重合媒体中懸濁液の製造を包含しており、それに単量体および場合により水素を触媒と共に加える。懸濁液(これは希釈剤を包含しうる)を反応器から間欠的にまたは連続的に除去することができ、ここで揮発性成分が重合体から分離されそして、場合により蒸留後に、反応器に再循環されうる。重合媒体中で使用される液化された希釈剤はC〜Cアルカン(例えば、ヘキサンまたはイソブタン)を例えば包含しうる。使用される媒体は一般的には重合の条件下で液体でありそして比較的不活性である。塊状相方法は、液体媒体が塊状方法では反応物(例えば、単量体)でもあること以外は、スラリー方法と同様である。しかしながら、方法は例えば塊状方法、スラリー方法または塊状スラリー方法でありうる。
【0051】
特定態様では、スラリー方法または塊状方法は1個もしくはそれ以上のループ反応器内で連続的に行うことができる。触媒を、スラリー状でまたは乾燥自由流動性粉末状で、反応器ループに定期的に注入することができ、そのループはそれ自体、例えば希釈剤中の成長する重合体粒子の循環しているスラリーで充填されることができる。場合により、例えば生ずる重合体の分子量調節のために、水素を工程に加えることができる。例えばループ反応器は約27バール〜約50バールまたは約35バール〜約45バールの圧力および約38℃〜約121℃の温度に保つことができる。例えば反応熱はループ壁を通して当業者に既知であるいずれかの方法により、例えば二重被覆管または熱交換器により、除去することができる。
【0052】
或いは、他のタイプの重合方法、例えば直列、平行、またはそれらの組み合わせ状態にある撹拌反応器、を例えば使用することができる。反応器からの除去時に、例えば重合体をさらなる処理、例えば添加剤の添加および/または押し出しなど、のために重合体回収系に送ることができる。
【0053】
重合体生成物
ここに記述された方法により製造される重合体(およびそれらのブレンド)は線状低密度ポリエチレン、エラストマー、プラストマー、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、ポリプロピレンおよびポリプロピレン共重合体を例えば包含しうるが、それらに限定されない。
【0054】
ここでは断らない限り、全ての試験方法は出願時において最新の方法である。
【0055】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体はプロピレンをベースとした重合体である。断らない限り、用語「プロピレンをベースとした重合体」は重合体の合計重量を基準として少なくとも約50重量%または少なくとも約80重量%、または少なくとも約85重量%、または少なくとも約90重量%または少なくとも約95重量%のポリプロピレンを有するポリプロピレンをさす。
【0056】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体はポリプロピレンホモ重合体である。断らない限り、用語「ポリプロピレンホモ重合体」は主としてプロピレンおよび限定量の他のコモノマー、例えばエチレン、よりなる重合体をさし、ここでコモノマーは重合体の合計重量の約0.5重量%より少ない、または約0.3重量%より少ない、または約0.2重量%より少ないまたは約0.1重量%より少ない部分を構成する。
【0057】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体はプロピレンをベースとした共重合体である。コモノマーはエチレン、C-C10オレフィン類およびそれらの組み合わせから例えば選択することができる。1つもしくはそれ以上の態様では、共単量体はエチレンである。
【0058】
プロピレンをベースとした共重合体は少なくとも約0.5重量%、または少なくとも約1重量%、または少なくとも約2重量%、または約0.5重量%〜約10重量%の共重合体を例えば包含しうる。1つもしくはそれ以上の態様では、重合体はプロピレンをベースとしたランダム共重合体である。用語「ランダム共重合体」は重合体連鎖中の特定部位における特定単量体単位の出現確立が隣接単位の性質に依存しないような高分子よりなる共重合体をさす。1つもしくはそれ以上の態様では、プロピレンをベースとしたランダム共重合体はミニ−ランダム共重合体である。ここで使用される際には、用語「ミニ−ランダム共重合体」は約0.2重量%〜約1.0重量%または約0.2重量%〜約0.8重量%の共重合体を包含するランダム共重合体をさす。
【0059】
1つもしくはそれ以上の態様では、プロピレン重合体は約1.5〜約8、または約2〜約4または約3〜約8の分子量分布(M/M)を例えば有することができる。
【0060】
さらに、プロピレン重合体は約0.01dg/min〜約1000dg/min、または約0.01dg/min〜約100dg/minまたは約5dg/min〜約60dg/minのメルトフローレート(MFR)(ASTM D−1238により測定される)を例えば有することができる。
【0061】
1つもしくはそれ以上の態様では、プロピレン重合体は約89%〜約99.8%のマイクロタクチシティを例えば有する。用語「タクチシティ」は重合体中の懸垂基の空間配置をさす。例えば、重合体はその懸垂基が重合体の主要連鎖を通る仮定面の両側に不規則的方式で配置されている時には「アタクチック」である。対照的に、重合体は全てのその懸垂基が連鎖の同一側に配置されている時には「アイソタクチック」でありそしてその懸垂基が連鎖の反対側に交互にある時には「シンジオタクチック」である。重合体のタクチシティはNMR分光法に分析することができ、そこでは「mmmm」(メソペンタド)はアイソタクチック単位を示しそして「rrrr」(ラセミペンタド)はシンジオタクチック単位を示す。1つもしくはそれ以上の態様では、プロピレンをベースとした重合体はアイソタクチックである。
【0062】
1つもしくはそれ以上の態様では、プロピレンをベースとした重合体は約5%より少ない、または2%より少ないまたは1%より少ないキシレン可溶物水準を例えば有する。
【0063】
1つもしくはそれ以上の態様では、プロピレンをベースとした重合体はメタロセン触媒系から製造される(メタロセンポリプロピレンと称する)。プロピレンをベースとした重合体はメタロセン触媒系だけによりまたは複数の触媒系により製造することができる。しかしながら、複数の触媒系を使用してプロピレンをベースとした重合体を製造する時には、メタロセン触媒は合計触媒組成物の少なくとも50%を構成する。
【0064】
1つもしくはそれ以上の態様では、重合体は重合体の配合物である。重合体がブレンドである時には、ブレンドの少なくとも一部(重合体の少なくとも1種)がメタロセン触媒により製造されることが意図される。
【0065】
生成物用途
重合体およびそれらのブレンドは当業者に既知である用途、例えば製造操作(例えば、フィルム、シート、パイプおよび繊維押し出し物および共押し出し物並びにブロー成型、射出成型および回転成型)、において有用である。フィルムは、収縮フィルム、粘着フィルム、延伸フィルム、密封フィルム、配向フィルム、スナック包装品、頑丈な袋、食料雑貨用大袋、調理されそして冷凍された包装品、医学用包装品、工業用ライナー、並びに例えば食品−接触および食品−不接触用途における膜として有用な押し出しもしくは共押し出しによりまたは積層により製造されるブロー、配向または流延フィルムを包含する。繊維は例えば大袋、袋、ロープ、撚糸、カーペット裏打ち材、カーペット糸、フィルター、おむつ織物、医療用衣類およびジオテキスタイルを製造するための織物または不織形態における使用のためのスリット−フィルム、モノフィラメント、溶融紡糸、溶液紡糸および溶融ブロー繊維操作を包含する。押し出し製品は医学用チューブ、ワイヤーおよびケーブルコーティング、シート、熱成形されたシート、ジオメンブレンおよびポンドライナー(pond liner)を例えば包含する。成型製品は瓶、タンク、大型中空製品、硬い食品容器および玩具の形態の単および多層構造を包含する。
【0066】
1つもしくはそれ以上の態様は多成分繊維の製造を包含する。多成分繊維は例えば引用することにより本発明の内容となる米国特許第6,074,590号明細書に記述されているものの如き方法により製造できる。一般的には、多成分繊維は少なくとも2種の成分からの1本の繊維またはフィラメントへの共押し出しにより製造される。生じた繊維は異なる少なくとも2種の本質的に連続している重合体相を包含する。1つの非限定態様では、多成分繊維は二成分繊維を包含する。
【0067】
本発明の二成分繊維は一般的には第二のメタロセンポリプロピレンから製造される第二の成分(例えば、鞘)により囲まれている第一のメタロセンポリプロピレンから製造される第一の成分(例えば、芯)を一般的に包含する。
【0068】
1つの態様では、第一のメタロセンポリプロピレンおよび第二のメタロセンポリプロピレンは同一である。
【0069】
他の態様では、第一のメタロセンポリプロピレンおよび第二のメタロセンポリプロピレンは異なる。
【0070】
1つもしくはそれ以上の態様では、第一のメタロセンポリプロピレンはプロピレンをベースとしたランダム共重合体である。例えば、プロピレンをベースとしたランダム共重合体はミニ−ランダム共重合体でありうる。
【0071】
第一の成分は多成分繊維の合計重量を基準として約90%〜約10%、または約70%〜約30%または約60%〜約40%の量で例えば存在できる。第二の成分は多成分繊維の合計重量を基準として約10%〜約90%、または約30%〜約70%または約40%〜約60%の量で例えば存在できる。
【0072】
1つもしくはそれ以上の態様では、第一のメタロセンポリプロピレンおよび第二のメタロセンポリプロピレンは約50℃より少ない、または約40℃より少ない、または約30℃より少ない、または約20℃より少ないまたは約10℃より少ない融点差異を例えば有する。
【0073】
1つもしくはそれ以上の態様では、二成分繊維の製造中に第一のメタロセンポリプロピレンは第二のメタロセンポリプロピレンの溶融温度より少なくとも10℃、または少なくとも約12℃または少なくとも約15℃異なる温度において溶融される。1つの特定態様では、第一のメタロセンポリプロピレンは第二のメタロセンポリプロピレンの溶融温度より低い温度において溶融される。
【0074】
本発明の二成分繊維はスパンボンド不織製品を製造するために例えば使用することができる。スパンボンド不織製品はいずれかの適当な方法により製造することができる。スパンボンド不織製品は熱結合製品、例えば医療用ガウンおよび布、おむつ並びにフィルターを例えば包含しうる。
【0075】
予期せぬことに、本発明の態様は同じ重合体から製造される非二成分繊維と比べてスパンボンド不織製品において改良されたドレープ性を生じうる。ここで使用される際には、用語「ドレープ性」はスパンボンド不織製品がある形状を想定する能力をさしそしてISO 9073−9により測定される。
【実施例】
【0076】
実施例で使用される際には、重合体「A」は30g/10minのメルトフローレート(MFR)および135℃の融点(T)を有するジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリドから製造されるポリプロピレンランダム共重合体である。
【0077】
実施例で使用される際には、重合体「B」は50g/10minのメルトフローレート(MFR)および120℃の融点(T)を有するジメチルシリルビス(2−メチル−4−フェニル−インデニル)ジルコニウムジクロリドから製造されるトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッド(TOTAL PETROCHEMICALS、USA、Inc.)からEOD 05−14として市販されているポリプロピレンランダム共重合体である。
【0078】
実施例で使用される際には、重合体「C」は12g/10minのメルトフローレート(MFR)および120℃の融点(T)を有するジメチルメチレン(フルオレニル)(2−メチル−4−tert−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドから製造されるトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドからEOD 02−15として市販されているポリプロピレンランダム共重合体である。
【0079】
実施例で使用される際には、重合体「D」は25g/10minのメルトフローレート(MFR)および150℃の融点(T)を有するジメチルメチレン(フルオレニル)(2−メチル−4−tert−ブチル−シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリドから製造されるトータル・ペトロケミカルズ・USA・インコーポレーテッドからMR2001として市販されているアイソタクチックポリプロピレンである。
【0080】
スパンボンド構造体は上記の重合体から1.1m幅の単一ビームレイコフィル(Reicofil)4パイロット二成分スパンボンドライン上で製造されそして以下のように表1で同定されている。構造体の分析結果は以下の表2に続く。
【0081】
【表1】

【0082】
【表2】

【0083】
全ての二成分構造体は良好に加工されそして良好な製造性を有するスパンボンド織物を生じた。鞘および芯成分の両方のためのメタロセン樹脂の使用は良好な性能に有意に寄与した。両成分の低いキシレン可溶物および狭い分子量分布が一貫したフィラメントおよびきれいな加工を可能にした。
【0084】
100% MR2001(重合体D)と比較して、本発明の態様から製造された二成分構造体は改良されたドレープ性を示した。ある種の構造では、二成分構造体は増加した織物伸びおよび改良されたCD/MD引張り強さバランスを示した。より高い織物伸びは弾性積層成分を組み入れた不織構造体にとってしばしば要求される。
【0085】
以上の事柄は本発明の態様に向けられているが、本発明の他のそして別の態様がその基本範囲から逸脱せずに創案することができそしてその範囲は以下の請求項により決められる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鞘成分および芯成分を含んでなる二成分繊維であって、鞘成分が本質的に第一のメタロセンポリプロピレンよりなりそして芯成分が本質的に第二のメタロセンポリプロピレンよりなる二成分繊維。
【請求項2】
鞘成分対芯成分の重量比が約10:90〜約30:70である、請求項1の二成分繊維。
【請求項3】
鞘がプロピレンをベースとしたランダム共重合体から製造される、請求項1の二成分繊維。
【請求項4】
第一のメタロセンポリプロピレンが約0.2重量%〜約6重量%のポリエチレンのエチレン含有量を含んでなる共重合体を含んでなる、請求項1の二成分繊維。
【請求項5】
第一のメタロセンポリプロピレンが約0.2重量%〜約1重量%のポリエチレンのエチレン含有量を含んでなる共重合体を含んでなる、請求項1の二成分繊維。
【請求項6】
第一のメタロセンポリプロピレンが第一のポリプロピレンおよび第二のポリプロピレンのブレンドを含んでなる、請求項1の二成分繊維。
【請求項7】
芯がポリプロピレンホモ重合体から製造される、請求項1の二成分繊維。
【請求項8】
第一のメタロセンポリプロピレンが第一の融点を有し、第二のメタロセンポリプロピレンが第二の融点を有しそして第一の融点および第二の融点における約20℃より少ない差異がある、請求項1の方法。
【請求項9】
請求項1の二成分繊維により製造されたスパンボンド不織製品。
【請求項10】
第一のメタロセンポリプロピレンが約1.5〜約8の分子量分布を示す、請求項1の二成分繊維。
【請求項11】
第一の溶融温度を有する第一のメタロセンポリプロピレンおよび第二の溶融温度を有する第二のメタロセンポリプロピレンを準備し、
第一および第二のメタロセンポリプロピレンをそれらの各々の第一および第二の溶融温度において溶融し、それにより第一および第二の溶融したメタロセンポリプロピレンを与え、そして
第一および第二の溶融したメタロセンポリプロピレンを第一のメタロセンポリプロピレンから製造された鞘成分および第二のメタロセンポリプロピレンから製造された芯成分を含んでなる二成分繊維に製造する
ことを含んでなる二成分繊維を製造する方法。
【請求項12】
第一の溶融温度および第二の溶融温度に少なくとも約10℃の差異がある、請求項11の方法。
【請求項13】
第一の溶融温度が第二の溶融温度より少なくとも約10℃低い、請求項11の方法。
【請求項14】
二成分繊維をスパンボンド製品に製造することをさらに含んでなる請求項11の方法。
【請求項15】
二成分繊維が同じ重合体から製造された非二成分繊維より改良されたドレープ性を示す
、請求項14の方法。

【公表番号】特表2012−500343(P2012−500343A)
【公表日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−523854(P2011−523854)
【出願日】平成21年8月5日(2009.8.5)
【国際出願番号】PCT/US2009/052782
【国際公開番号】WO2010/021839
【国際公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(391024559)フイナ・テクノロジー・インコーポレーテツド (98)
【氏名又は名称原語表記】FINA TECHNOLOGY, INCORPORATED
【Fターム(参考)】