説明

二次監視レーダのモードSオーバラップ質問による誤応答除去のための干渉除去方法及び方式

【課題】 モードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダを検知せずに除去する手段を提供する。
【解決手段】 二次監視レーダ内部の質問タイミング発生部にて、繰返し周期(T)を決定し、質問信号を送信する基準時刻(T1,T2,T3,T4)を決定し、次に、乱数により定数値(s1,s2,s3,s4)を発生させ、基準時刻(T1,T2,T3,T4)にこの乱数値を加えることにより、モードS一括質問の送信開始時刻を決定する。さらに、乱数により定数値(r1,r2,r3,r4)を発生させ、基準時刻(T1,T2,T3,T4)にこの乱数値を加えることにより、モードAもしくはモードC一括質問の送信開始時刻を決定する。従ってモードA/C用のトランスポンダがモードSの質問に誤応答して、モードA/C応答信号を送出しても、モードA/C用の質問信号としては相関が得られないので干渉信号とみなされて除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、SSR(Secondary Surveillance Radar:二次監視レーダ)システムに関し、特に、各繰返し周期内において、モードS一括質問/応答と、モードA/C一括質問/応答の両方の処理を行うことができるオーバラップ質問形式を備えたSSRシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地上のSSRから航空機に対して質問信号を送出し、航空機上のトランスポンダがこの質問信号に応答する信号を返す形式により航空管制を行うシステムが運用されている。例えばSSRモードA/Cシステムでは、地上のSSRから航空機に放射する質問モード信号は、搬送波を1030MHzとする一対のパルスから構成され、そのパルス間隔を異ならせることにより異なる質問内容を構成している。パルス間隔が8μsのものはモードAと呼び、航空機の識別コードを要求する。また、パルス間隔が21μsのものはモードCと呼び、航空機の高度データを要求するものである。
【0003】
航空機搭載のトランスポンダは、この質問モード信号を解読し、それに対する応答信号を返送する。応答信号は搬送波を1090MHzとする12ビットのパルス列で構成されている。従って、航空機の最大識別数は4096である。また、高度データは、100ft単位で、高度−1000ftから126750ftまでコード化を可能にしている。
【0004】
一方、SSRモードSシステムは、SSRモードA/Cシステムの制約を排除し、航空管制能力の向上を図った新方式のSSRシステムであり、その構成はモードS地上局と機上トランスポンダとからなる。使用する周波数はSSRモードA/Cシステムと同一であるが、SSRモードSシステムでは、全ての航空機に対して24ビットからなる個別のアドレスを付与することにより、航空機の識別能力を4096(モードA/Cシステムの場合)から1600万以上に増大している。
【0005】
SSRモードS地上局は、質問信号を送出する際に、質問信号の中に航空機の個別アドレスを含めて質問する。従って、個別アドレスで指定された航空機のみが応答し、SSRモードA/Cシステムのように地上局のアンテナビーム内に存在するトランスポンダ搭載機がすべて一斉に応答することがなくなり、電波干渉の問題やシステムの飽和が改善される。しかし、SSRモードA/Cシステム用のトランスポンダを搭載した航空機が混在している関係上、現状では両システムに共用性を持たせるために、SSRモードSシステムにモードA/Cシステムを包含したシステムとして運用されている(非特許文献3)。
【0006】
そのため、従来のモードS二次監視レーダの質問方式におけるタイミングチャートは、図3(a)に示すように、1回の質問/応答繰返し周期T毎に、モードS、モードA、モードCの順に質問信号を送出し、それに対する応答を処理している。図3(a)中のS1、A1、C1・・・は、それぞれ、モードS一括質問、モードA一括質問、モードC一括質問を送信する時刻である。
【0007】
一方、送信同期信号の繰り返し間隔をパルス毎に変えて2種以上の異なる繰り返し間隔で質問信号を送出するスタガ方式を採用し、数パルス間の相関を取ることにより二次監視レーダのレーダ干渉を除去する技術が、例えば特許文献1あるいは非特許文献1等において提案されている。図3(b)は、このようなスタガ方式を採用した場合のモードS二次監視レーダの質問方式を示すタイミングチャートであり、T毎の繰返し周期に対し、乱数にて発生させた定数s1、s2,s3,s4・・・をそれぞれ加えた時刻に、モードS、もしくはモードA、モードCの一括質問信号が送信され、各T繰返し周期内でそれぞれの応答が処理される。
【0008】
また、1回の質問/応答繰返し周期T毎に、モードS及びモードA(もしくはモードC)の両方の質問/応答を処理することにより、質問信号の送信繰り返し間隔を短縮し、SSRデータの更新率を向上させるモードS二次監視レーダのオーバラップ質問形式が、例えば非特許文献2において提案されている。
【0009】
図3(c)は、このモードS二次監視レーダのオーバラップ質問形式を示すタイミングチャートであり、繰返し周期T毎にモードSの質問信号を送信した後、該モードSの質問信号を送信した同じ繰返し周期T内で、モードSの質問信号送信時刻に定数aを加えた時刻もしくは定数cを加えた時刻に、モードA一括質問信号もしくはモードC一括質問信号を送信する。そして、各T繰返し周期内において、モードS及びモードA(もしくはモードC)の応答が処理される。
【0010】
この図3(c)に示すモードS二次監視レーダのオーバラップ質問形式に対して、図3(b)に示すスタガ方式を採用した場合には、そのモードS二次監視レーダの質問方式は、図3(d)に示すようなタイミングチャートとなる。
【0011】
この場合、その質問信号送信タイミングは、T毎の繰返し周期に対し、乱数にて発生させた定数s1,s2,s3,s4・・・を加えた時刻にそれぞれモードS一括質問の質問信号が送信され、該モードSの質問信号を送信した同じ繰返し周期T内で、モードSの質問信号送信時刻に更に定数aを加えた時刻もしくは定数cを加えた時刻に、モードA一括質問信号もしくはモードC一括質問信号が送信される。そして、各T繰返し周期内において、モードS及びモードA(もしくはモードC)の応答が処理される。
【0012】
【特許文献1】特公昭52−45479号公報
【非特許文献1】MANUAL OF THE SECONDARY SURVEILLANCE RADAR (SSR) SYSTEMS, Second Edition, ICAO (International Civil Aviation Organization:国際民間航空機関.)編集 Doc 9684-AN/951, 1998, P.4-8 4.2.40項、P.7-4 7.3.11項
【非特許文献2】MANUAL OF THE SECONDARY SURVEILLANCE RADAR (SSR) SYSTEMS, Second Edition, ICAO編集 Doc 9684-AN/951, 1998, P.6-2 6.1.9項及びP.6-26 Figure 6-1
【非特許文献3】電子情報通信ハンドブック、社団法人電子情報通信学会編、平成4年11月30日、1487〜1488ページ
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
モードS二次監視レーダの質問方式を、図3(d)に示すようなタイミングチャートにより実施すれば、モードSとモードA/Cのいずれのレーダ干渉も除去可能であるが、このような、モードSとモードA/C一括質問をオーバラップ質問形式にて質問信号を送信する二次監視レーダにおいて、航空機に搭載されているモードA/Cトランスポンダが、本来応答するはずのないモードS一括質問に対して応答してしまうことがある。これは、モードSの概念が無い時代に設計された旧式、もしくは、整備不良のトランスポンダを搭載している場合に起こり得る。その場合トランスポンダ側は、モードSの質問信号を誤ってモードAもしくはモードCの質問と認識して応答する。
【0014】
航空機搭載のトランスポンダ側が、モードSの質問信号を誤ってモードAもしくはモードCの質問と認識して応答した場合、レーダ側では、その応答がモードSの質問信号に対する誤応答であると判定する手段を有していないので、モードA/C質問信号に対する正しい応答であると認識して、存在するはずの無い航空機を検知することになる。またその検知位置は、モードA/C一括質問に対する応答とみなされるので、モードA/C一括質問に対して応答する本来のターゲットとは別の位置に表示されることとなり、存在しない航空機を表示装置上に表示することになる。
【0015】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、モードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダを検知せずに除去する手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明のSSRモードSのシステムにおけるオーバラップ質問による誤応答除去のための干渉除去方法は、モードS一括質問/応答及びモードA/C一括質問/応答の処理を、各繰返し周期内でオーバラップ質問形式により実施するとともに、前記モードS一括質問と前記モードA/C一括質問に対して、それぞれ独立にスタガ方式によるレーダ干渉除去を実施することにより、前記モードS一括質問に対する誤応答を除去することを特徴とする。
【0017】
また、本発明の二次監視レーダ装置は、モードSとモードA/Cの質問信号をオーバラップして送信する繰返し周期を決定するとともに、該モードSとモードA/C用にそれぞれ独立に乱数を発生させて前記繰り返し周期毎の前記モードSとモードA/Cの質問信号の各送信時刻を決定する質問タイミング発生部と、該質問タイミング発生部により決定した時刻に前記モードSとモードA/Cの質問信号をそれぞれ生成する質問信号発生部と、該質問信号発生部で生成した質問信号を送信する送信部、および航空機搭載のトランスポンダからの応答信号を受信する受信部と、受信した応答信号を前記質問信号の送信時刻と同期を取って符号化する符号化部と、該符号化部で符号化された応答信号がモードS応答符号か否かを判断し、モードS応答符号であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、一定以上の応答数があった場合に航空機として検知するモードS応答解読部と、前記符号化部で符号化された応答信号がモードA/C応答符号か否かを判断し、モードA/C応答符号であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、一定以上の応答数があった場合に航空機として検知するモードA/C応答信号解読部と、を備えていることを特徴とする。
【0018】
本発明では、モードS一括質問とモードA/C一括質問のそれぞれに対し、各周期の中で独立にスタガをかけて質問信号を送出するので、トランスポンダが仮にモードS一括質問に対し誤応答しても、モードA/C一括質問を基準としてみた場合、同じトランスポンダからのモードS一括質問に対する誤応答はスタガにより応答毎にジッタが発生するため、相関が取れなくなる。そのためモードS一括質問に対する誤応答は、航空機を検知する条件の応答数を下回り、監視すべき航空機としては確立されない。
【0019】
即ち、航空機搭載のモードA/C用トランスポンダがモードSの質問に誤応答して、モードA/C応答信号を送出しても、SSR基地局側では、モードA/C用の質問信号に対する相関が得られないので干渉信号とみなされ除去されてしまうから、モードSの質問に対する誤応答によって存在しない航空機が表示されることはない。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、仮にモードS一括質問信号に対し、航空機搭載のモードA/C用トランスポンダがモードAもしくはモードCの誤応答を返したとしても、二次監視レーダ側では、応答はモードA/C応答信号解読部で処理されるために、応答毎の相関をとった場合、モードS一括質問信号の送信時刻とモードAもしくはモードC一括質問信号送信時刻の間隔が一定ではないことから、モードA/C応答信号解読部では周期毎に異なるタイミングで応答を受信することになる。その為、航空機として検知可能な応答数の条件以下になり、航空機としては認識されないので、モードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダを除去することができる。
【0021】
また本発明は、乱数値を用いてモードS一括質問信号の送信時刻を決定している為に、レーダ干渉除去方式(スタガ)の機能も持ち合わせているので、近隣の二次監視レーダとの相互干渉を受けることもない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
図1は、本発明の実施形態を示す、二次監視レーダ(SSR)システムのブロック図である。
【0023】
本実施形態のSSRシステムは、繰返し周期を決定するとともに乱数を発生させて各質問信号の送信時刻を決定する質問タイミング発生部112と、質問タイミング発生部112により決定した時刻に質問信号を生成する質問信号発生部111と、質問信号を送信する送信部110と、送信信号と受信信号を切り替える送受切替器104と、空中線103と、航空機搭載の送受信機(トランスポンダ)102からの応答信号を受信する受信部105と、応答を符号化する符号化部106と、モードS応答をする航空機を検知するモードS応答解読部107と、モードA/C応答をする航空機を検知するモードA/C応答信号解読部108と、解読した航空機を表示する表示装置109とから構成されている。
【0024】
図2は、本実施形態におけるモードSオーバラップ質問のタイミングチャートを示している。以下、図1〜図2を参照して本実施形態の動作について詳細に説明する。
【0025】
まず、二次監視レーダ内部の質問タイミング発生部112にて、繰返し周期(図2のT)を決定し、質問信号を送信する基準時刻(図2のT1,T2,T3,T4)を決定する。次に、同じく質問タイミング発生部112にて、乱数によりいずれかの定数値(図2のs1,s2,s3,s4)を発生させ、基準時刻(図2のT1,T2,T3,T4)にこの乱数値を加えることにより、モードS一括質問の送信開始時刻を決定する。
【0026】
さらに、乱数によりいずれかの定数値(図2のr1,r2,r3,r4)を発生させ、基準時刻(図2のT1,T2,T3,T4)にこの乱数値を加えることにより、モードAもしくはモードC一括質問の送信開始時刻を決定する。但し乱数により決定したこの定数値(図2のr1,r2,r3,r4)は、モードS一括質問の送信開始時刻を決定する際に乱数によって求めた値(図2のs1,s2,s3,s4のいずれか)よりも大きく、かつ、47μsec(モードS一括質問とモードAもしくはモードC一括質問の最低質問間隔条件:航空機搭載トランスポンダ側の規定による値)以上の乱数値であることとする。
【0027】
質問タイミング発生部112により各質問信号の送信開始時刻が決定されると、質問信号発生部111では、決められた質問信号を生成し、送信部110は、決定された送信開始時刻に当該質問信号を送信する。送信部110から送信された質問信号は、送受切替器104を経由して空中線103から発射される。航空機搭載トランスポンダ側では、空中線101、送受信機102にてその質問信号を受信し、それに対する応答信号を生成して、空中線101から生成した応答信号を発射する。
【0028】
二次監視レーダ側では、その応答信号を、空中線103、送受切替器104を経由して、受信部105にて受信する。受信した応答信号は、符号化部106にて質問タイミング発生部112からの質問送信時刻と同期を取り、符号化し、モードS応答解読部107とモードA/C応答解読部108に応答符号を送る。モードS応答信号解読部107では、受信した応答符号がモードS応答符号か否かを判断し、モードS応答であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、相関が認められる一定以上の応答数があった場合に航空機として検知することとなる。
【0029】
同様に、モードA/C応答信号解読部107では、受信した応答符号がモードA/C応答符号か否かを判断し、モードA/C応答であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、相関が認められる一定以上の応答数があった場合に航空機として検知することとなる。その後、表示装置109にて、検知した航空機を表示する。
【0030】
本実施形態では、繰返し周期から決められた基準時刻に対し、乱数値を用いて、個別にモードS一括質問信号の送信時刻とモードAもしくはモードC一括質問信号の送信時刻を決定しているため、モードS一括質問信号の送信時刻とモードAもしくはモードC一括質問信号送信時刻の間隔は繰返し周期毎に異なり一定ではない。そのため、モードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダからのモードA/C応答は、繰返し周期毎にジッタを発生し同じ航空機からの応答としての相関が得られないことになる。
【0031】
即ち、モードA/C応答信号解読部107では、所定周期数の間、このモードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダからのモードA/C応答に相関する応答数をカウントしても、一定以上の応答数が得られないために干渉信号とみなされ、除外されてしまうので、モードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダは検知されなくなる。
【0032】
なお、上記実施例では、質問タイミング発生部112にて発生させ、一括質問の送信開始時刻を決める為の乱数値を、モードS及びモードA/C一括質問用にそれぞれ4種類の値(図2のs1,s2,s3,s4と、r1,r2,r3,r4)としているので、干渉信号あるいは誤応答が発生しても、相関を取ることによりその応答数は1/4に減少するので、適当な閾値を設定することによりそれらの干渉信号あるいは誤応答を排除することができる。
【0033】
なお、一括質問の送信開始時刻を決める為の乱数値の数は4種類に限定されるものではなく、乱数によりとりうる値を5種類以上とすれば、相関を取ったときの干渉信号あるいは誤応答による応答数を更に減らすことができ、モードS一括質問信号に誤応答する航空機搭載トランスポンダをより確実に除外することができる。また、モードS及びモードA/C用として用いる前記乱数の数は必ずしも等しくする必要はなく、例えばモードS用として4種類、モードA/C用として6種類というように、互いに異なる数の乱数値を用いても良い。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施形態を示す、二次監視レーダシステムのブロック図である。
【図2】本実施形態の動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図3】従来の二次監視レーダシステムの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0035】
101、103 空中線
102 送受信機
104 送受切替器
105 受信部
106 符号化部
107 モードS応答解読部
108 モードA/C応答信号解読部
109 表示装置
110 送信部
111 質問信号発生部
112 質問タイミング発生部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
モードS一括質問/応答及びモードA/C一括質問/応答の処理を、各繰返し周期内でオーバラップ質問形式により実施するとともに、前記モードS一括質問と前記モードA/C一括質問に対して、それぞれ独立にスタガ方式によるレーダ干渉除去を実施することにより、前記モードS一括質問に対する誤応答を除去することを特徴とするSSR(Secondary Surveillance Radar:二次監視レーダ)モードSのシステムにおけるオーバラップ質問による誤応答除去のための干渉除去方法。
【請求項2】
各繰返し周期内で、モードS一括質問/応答及びモードA/C一括質問/応答の処理を、オーバラップ質問形式により実施するSSR(Secondary Surveillance Radar:二次監視レーダ)モードSシステムにおいて、
前記モードS一括質問と前記モードA/C一括質問に対して、それぞれ独立にスタガ方式によるレーダ干渉除去を実施する手段を備えていることを特徴とするSSRのモードSオーバラップ質問による誤応答除去のための干渉除去方式。
【請求項3】
前記モードS一括質問と前記モードA/C一括質問に対して、それぞれ独立にスタガ方式によるレーダ干渉除去を実施する手段は、
前記モードSとモードA/Cの質問信号をオーバラップして送信する繰返し周期を決定するとともに、該モードSとモードA/C用にそれぞれ独立に乱数を発生させて前記繰り返し周期毎の前記モードSとモードA/Cの質問信号の各送信時刻を決定する質問タイミング発生手段と、応答信号がモードS応答符号か否かを判断し、モードS応答符号であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、一定以上の応答数があった場合に航空機として検知するモードS応答解読手段と、応答信号がモードA/C応答符号か否かを判断し、モードA/C応答符号であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、一定以上の応答数があった場合に航空機として検知するモードA/C応答信号解読手段を有していることを特徴とする請求項2に記載のSSRのモードSオーバラップ質問による誤応答除去のための干渉除去方式。
【請求項4】
前記質問タイミング発生手段は、前記モードSとモードA/C用にそれぞれ一定数の乱数を発生させ、該一定数の乱数を所定の順番で順次繰り返すことにより、前記繰り返し周期毎の前記モードSとモードA/Cの質問信号の各送信時刻を決定する機能を有していることを特徴とする請求項3に記載のSSRのモードSオーバラップ質問による誤応答除去のための干渉除去方式。
【請求項5】
モードSとモードA/Cの質問信号をオーバラップして送信する繰返し周期を決定するとともに、該モードSとモードA/C用にそれぞれ独立に乱数を発生させて前記繰り返し周期毎の前記モードSとモードA/Cの質問信号の各送信時刻を決定する質問タイミング発生部と、
該質問タイミング発生部により決定した時刻に前記モードSとモードA/Cの質問信号をそれぞれ生成する質問信号発生部と、
該質問信号発生部で生成した質問信号を送信する送信部、および航空機搭載のトランスポンダからの応答信号を受信する受信部と、
前記受信部で受信した応答信号を前記質問信号の送信時刻と同期を取って符号化する符号化部と、
前記符号化部で符号化された応答信号がモードS応答符号か否かを判断し、モードS応答符号であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、一定以上の応答数があった場合に航空機として検知するモードS応答解読部と、
前記符号化部で符号化された応答信号がモードA/C応答符号か否かを判断し、モードA/C応答符号であった場合、応答毎に同じ航空機からの応答か否かの相関を取り、一定以上の応答数があった場合に航空機として検知するモードA/C応答信号解読部と
を備えていることを特徴とする二次監視レーダ装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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