説明

二次電池とその製造方法及び二次電池の作動方法

【課題】高い容量及び優れた安定性を備えた二次電池とその製造方法及び二次電池の作動方法を提供すること。
【解決手段】本発明に係る二次電池は、金属モリブデン酸塩を含み、前記金属モリブデン酸塩の少なくとも一部が、非晶質金属モリブデン酸塩を含む。本発明に係る金属モリブデン酸塩が電極極板にコーティングされたり、正極活物質又は負極活物質と混合されたり、セパレータにコーティングされたりすることで、電池で発生するOガスを除去することが可能となり、電池が高い容量及び優秀な安定性を備えることが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池とその製造方法及び二次電池の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン二次電池は、リチウムイオンが正極と負極とを相互移動しつつ、電気を生成させるという原理によって作動する、二次電池の一種である。リチウムイオン二次電池の構成要素は、正極、負極、電解質そして分離膜に大別することができる。それら構成要素のうち正極/負極の活物質は、イオン状態であるリチウムが、活物質内部に吸蔵/放出可能である構造をなし、可逆反応によって充電と放電とが可能になる。
【0003】
しかしながら、リチウム電池で正極活物質として使われているLCO、LMO、NCM、NCA、LiFePOなどは、理論容量は大きいものの、実際に電池で使用する際の容量は小さいというのが特徴である。
【0004】
また、一部の活物質は、構造的な問題に伴い正極活物質から過量のLi放出(extraction)があると、ガスが発生してしまうため、電池に用いることが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6,346,348号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、高い容量及び優れた安定性を備えた二次電池とその製造方法及び二次電池の作動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、金属モリブデン酸塩を含み、前記金属モリブデン酸塩の少なくとも一部が、非晶質金属モリブデン酸塩を含む二次電池が提供される。
【0008】
前記金属モリブデン酸塩は、非晶質金属モリブデン酸塩と結晶性金属モリブデン酸塩とを含み、前記非晶質金属モリブデン酸塩の含有量は、前記結晶性金属モリブデン酸塩の含有量に比べて、少なくてもよい。
【0009】
前記金属モリブデン酸塩は、モリブデン酸リチウムを含み、前記結晶性金属モリブデン酸塩は、結晶性モリブデン酸リチウムを含み、前記非晶質金属モリブデン酸塩は、非晶質モリブデン酸リチウムを含むことが好ましい。
【0010】
前記非晶質金属モリブデン酸塩は、回折角度(2θ)20.65°±0.10゜で、第1X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)30.50°±0.10゜で、第2X線回折ピークを示すことが好ましい。
【0011】
前記第1X線回折ピークの半値幅(FWHM1)は、0.05°<FWHM1<2.00゜を満足し、前記第2X線回折ピークの半値幅(FWHM2)は、0.05°<FWHM2<1.00゜を満足することが好ましい。
【0012】
前記結晶性モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)17.90°±0.10°で、第3X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)36.50°±0.10゜で、第4X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)43.65°±0.10゜で、第5X線回折ピークを示すことが好ましい。
【0013】
前記非晶質モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)20.65°±0.10゜で、第1X線回折ピークを示し、前記結晶性モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)17.90°±0.10゜で、第3X線回折ピークを示し、前記第3X線回折ピークの相対的な強度(h3)と、前記第1X線回折ピークの相対的な強度(h1)との比率(h1/h3)が、0.01<h1/h3<0.10を満足することが好ましい。
【0014】
前記モリブデン酸リチウムは、下記化学式1で表されるものであってもよい。ここで、下記化学式1において、0<x≦6、1≦y≦5、2≦z≦17である。
【0015】
LiMo ・・・(化学式1)
【0016】
前記モリブデン酸リチウムは、下記化学式2で表されるものであってもよい。ここで、下記化学式2において、2<x≦3である。
【0017】
LiMoO ・・・(化学式2)
【0018】
前記二次電池は、セパレータを含むリチウム二次電池であり、前記セパレータは、前記モリブデン酸リチウムを含んでもよい。
【0019】
前記二次電池は、正極を有するリチウム二次電池であり、前記正極は、前記モリブデン酸リチウムを含んでもよい。
【0020】
前記二次電池は、モリブデン酸リチウムでコーティングされた正極活物質を含むリチウム二次電池であってもよい。
【0021】
前記モリブデン酸リチウムの含有量は、正極活物質総質量を基準として、0.1〜50質量%であってもよい。
【0022】
前記結晶性金属モリブデン酸塩は、回折角度(2θ)17.90°±0.10゜で、第3X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)36.50°±0.10゜で、第4X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)43.65°±0.10゜で、第5X線回折ピークを示すことが好ましい。
【0023】
前記金属モリブデン酸塩は、下記化学式2で表されるものであってもよい。ここで、下記化学式2において、2<x≦3である。
【0024】
LiMoO ・・・(化学式2)
【0025】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、モリブデン酸リチウムを合成する段階と、合成された前記モリブデン酸リチウムを二次電池内に配する段階と、
を含み、前記モリブデン酸リチウムを合成する段階は、炭酸リチウム(LiCO)と三酸化モリブデン(MoO)とを混合して混合物を形成する段階と、前記混合物を熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階と、前記粗モリブデン酸リチウムを熱処理し、モリブデン酸リチウムを合成する段階と、を含み、前記合成されたモリブデン酸リチウムの少なくとも一部が、非晶質である二次電池の製造方法が提供される。
【0026】
前記混合物を熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階は、前記混合物を、水素雰囲気下、650℃〜750℃の温度で24時間熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階を含んでもよい。
【0027】
前記粗モリブデン酸リチウムを熱処理する段階は、還元性雰囲気下、1000℃〜1100℃の温度で、10時間前記粗モリブデン酸リチウムを熱処理する段階を含んでもよい。
【0028】
前記モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)20.65°±0.10゜で、第1X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)17.90°±0.10゜で、第3X線回折ピークを示し、前記第3X線回折ピークの相対的な強度(h3)と、前記第1X線回折ピークの相対的な強度(h1)との比率(h1/h3)が、0.01<h1/h3<0.10を満足することが好ましい。
【0029】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、結晶性モリブデン酸リチウム相を主成分として含み、非晶質モリブデン酸リチウム相を補助成分として含むモリブデン酸リチウムを合成する段階と、電池作動時に生成される所定含有量のOを除去するのに十分な量の前記合成されたモリブデン酸リチウムを、リチウム電池に配する段階と、二次電池において十分な量の前記合成されたモリブデン酸リチウムを使用し、電池の作動時に生成される所定含有量の酸素を除去する段階と、を含む二次電池の作動方法が提供される。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る金属モリブデン酸塩が電極極板にコーティングされたり、正極活物質又は負極活物質と混合されたり、セパレータにコーティングされたりすることで、電池で発生するOガスを除去することが可能となり、電池が高い容量及び優秀な安定性を備えることが可能となる。すなわち、高い理論的容量にもかかわらず、低い安定性のために使われていなかった活物質が、金属モリブデン酸塩とともに多様な形態で使用され、電池を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】実施例1〜4及び比較例1で製造されたモリブデン酸リチウムの原子配列を示すX線回折スペクトルである。
【図2】図1の一部分を拡大した拡大図である。
【図3】実施例1〜4及び比較例1によるモリブデン酸リチウムのO吸収程度を示すDSC(differential scanning calorimeter)グラフである。
【図4】実施例6及び比較例2で製造されたリチウム電池の寿命特性を示すグラフである。
【図5】例示的な一具現例による二次電池の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0033】
本発明は、新たな電池用正極活物質の設計法に関するものである。
このような本発明の観点によれば、電池で生成されるOを除去する非晶質化合物を含むリチウム二次電池が提供される。
また、本発明の一実施形態によれば、モリブデン酸リチウムとその合成方法が提供される。モリブデン酸リチウムは、結晶性モリブデンリチウム相(phase)を主成分として含み、非晶質モリブデン酸リチウム相を補助成分として含むものである。
【0034】
本発明の実施形態に係る正極活物質は、充放電時に優秀な容量と寿命とを有し安定性にも優れる、高出力・高容量化が可能な新規組成を有する正極活物質を作るために、電池セル内に正極活物質の添加剤として、非晶質モリブデン酸塩(amorphous molybdate)(例えば、非晶質モリブデン酸リチウム(amorphous lithium molybdate))を添加することを特徴とする。これにより、ガス発生のためにこれまで使用できなかった正極活物質を、開発されたモリブデン酸リチウムと共に使用することによって、電池セル製作が可能となる。
【0035】
本実施形態に係るモリブデン酸リチウム等の金属モリブデン酸塩は、電池で、正極活物質として単独で、または、他の正極活物質と混合して使用することにより、現在使われている正極活物質とは異なり、優秀な容量特性と寿命特性とを有し、安定性にも優れる。
【0036】
本発明の実施形態によれば、金属モリブデン酸塩は二次電池に含まれ、この金属モリブデン酸塩は、二次電池において所定含有量の酸素(O)を除去するために、正極活物質総質量の0.1〜50質量%の含有量で含まれうる。
【0037】
これまで、高容量、高出力の電池を作るために、多様な活物質が開発されたが、このような従来の多様な活物質は、本実施形態に係る非晶質モリブデン酸リチウムと混合され、容量及び出力が向上する。
【0038】
特に、二種または三種の化合物の混合時、例えば、非晶質モリブデン酸リチウム、LiCoO及びLiNiOの混合時に、その特性が優秀であり、安定性も大きく改善されうる。
【0039】
本実施形態によれば、電池で生成されるOを除去することが可能な金属モリブデン酸塩が提供される。かかる金属モリブデン酸塩は、非晶質金属モリブデン酸塩を補助成分(minor component)として含み、結晶性金属モリブデン酸塩を主成分(major component)として含む。
【0040】
非晶質とは、結晶質という用語と比較して用いられる用語であり、結晶質では、原子の配列が規則的になっているが、非晶質では、このような規則性がほぼ観察されずに、原子が不規則的に分散されているものをいう。
このような非晶質と結晶質とは、X線回折パターンにより区別することが可能である。
【0041】
図1は、モリブデン酸リチウムの原子配列の程度を示すX線回折スペクトルであり、図2は、図1の一部分を拡大したものである。
【0042】
本実施形態に係る金属モリブデン酸塩では、非晶質モリブデン酸リチウムを補助成分として含み、結晶性モリブデン酸リチウムを主成分として含む。図1及び図2を参照すれば、非晶質モリブデン酸リチウムは、X線回折(XRD)スペクトルで、回折角度(2θ)が20.65°±0.10°である範囲に、第1ピークを有しており、回折角度(2θ)が30.50°±0.10°である範囲に、第2ピークを有している。
【0043】
これに対して、結晶性モリブデン酸リチウムは、X線回折スペクトルで、回折角度(2θ)が17.90°±0.10°である範囲に、第3ピークを有しており、回折角度(2θ)が36.50°±0.10°である範囲に、第4ピークを有しており、回折角度(2θ)が43.65°±0.10°である範囲に、第5ピークを有している。
【0044】
非晶質モリブデン酸リチウムは、広い第1ピーク及び第2ピークを示し、これらのピークの広さは、半値幅(FWHM:full width at half maximum)により定義することができる。
【0045】
すなわち、第1ピークの半値幅(FWHM1)は、0.05°<FWHM1<2.00°を満足し、第2ピークの半値幅(FWHM2)は、0.05°<FWHM2<1.00°を満足する。
【0046】
補助成分として用いられる非晶質モリブデン酸リチウムの含有量は、非晶質モリブデン酸リチウムの第1ピークの強度と、結晶性モリブデン酸リチウムの第3ピークの強度とを比較して決定することができる。
【0047】
すなわち、非晶質モリブデン酸リチウムを補助成分として含む本実施形態に係る金属モリブデン酸塩において、非晶質モリブデン酸リチウムは、X線回折スペクトルで、回折角度(2θ)が20.65°±0.10°である範囲に第1ピークを有しており、結晶性モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)17.90°±0.10°である範囲に第3ピークを有しており、第3ピークの相対的な強度(h3)と第1ピークの相対的な強度(h1)との比率(h1/h3)は、0.01<h1/h3<0.10であってもよい。
【0048】
ここで、モリブデン酸リチウムは、下記化学式1で表示されるものであってもよい。なお、下記化学式1において、0<x≦6、1≦y≦5、2≦z≦17である。
【0049】
LiMo ・・・(化学式1)
【0050】
また、モリブデン酸リチウムは、下記化学式2で表示されるものであってもよい。なお、下記化学式2において、2<x≦3である。
【0051】
LiMoO ・・・(化学式2)
【0052】
モリブデン酸リチウムは、セパレータまたはリチウム二次電池の正極に含まれていてもよく、リチウム二次電池の正極活物質上にコーティングされていてもよい。
【0053】
本発明の実施形態によれば、二次電池の製造方法が提供される。かかる製造方法は、モリブデン酸リチウムを合成し、合成されたモリブデン酸リチウムを二次電池内に配する段階を含む。ここで、合成されたモリブデン酸リチウムを合成する段階は、炭酸リチウム(LiCO)と三酸化モリブデン(MoO)とを混合して混合物を形成する段階と、混合物を熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階と、結果物を熱処理し、モリブデン酸リチウムを合成する段階と、を含む。ここで、合成されたモリブデン酸リチウムの少なくとも一部が、非晶質のものである。ここで、結果物の熱処理は、結果物を、還元雰囲気、1000℃〜1100℃の温度で10時間熱処理することを含む。
【0054】
本発明の実施形態によれば、前述のモリブデン酸リチウム(例えば、一種の複合体形態のモリブデン酸リチウム)を含む二次電池(例えば、リチウム二次電池)が提供される。図5に示したように、二次電池1は、負極2、正極3、及び、負極2と正極3との間に配されたセパレータ4を含む。負極2、正極3及びセパレータ4は、巻き取られて電極アセンブリを形成する。電極アセンブリは、電解液とともに電池ケース5内に収納されてキャップ・アセンブリ6で密封される。
【0055】
本実施形態に係るリチウム電池は、以下のようにして製造することができる。
まず、正極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒を混合して、正極活物質組成物を準備する。この正極活物質組成物を、アルミニウム集電体上に直接コーティングして乾燥させ、正極極板を準備する。次に、正極活物質組成物を別途の支持体上にキャスティングした後、この支持体から剥離して得たフィルムを、上記アルミニウム集電体上にラミネーションして、正極極板を製造することができる。
【0056】
上記正極活物質としては、リチウム含有金属酸化物であって、当業界で一般的に使われるものであるならば、制限なしにいずれも使用可能である。このような正極活物質として、例えば、LiCoO、LiMn2x、LiNix−1Mn2x(x=1,2)、LiNi1−x−yCoMn(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)などを挙げることができる。
【0057】
かかる正極活物質には、本発明の実施形態に係る非晶質モリブデン酸リチウムが、適量の含有量で混合されてもよく、または、かかる正極活物質は、本発明の実施形態に係る非晶質モリブデン酸リチウムでコーティングされてもよい。
【0058】
導電剤としては、カーボンブラックを使用することが可能であり、結合剤としては、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)及びその混合物、スチレンブタジエンゴム系ポリマーを使用することが可能であり、溶媒としては、N−メチルピロリドン、アセトン、水などを使用することが可能である。このとき、正極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒の含有量は、リチウム電池で一般的に使用するレベルである。
【0059】
前述の正極極板の製造時と同様に、負極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒を混合して負極活物質組成物を製造し、この負極活物質組成物を銅集電体に直接コーティングしたり、別途の支持体上にキャスティングし、この支持体から剥離させた負極活物質フィルムを銅集電体にラミネーションしたりして、負極極板を得る。
【0060】
このとき、負極活物質、導電剤、結合剤及び溶媒の含有量は、リチウム電池で一般的に使用するレベルである。
【0061】
上記負極活物質としては、当業界で一般的に使われるものであるならば、制限なしにいずれも使用可能である。負極活物質組成物において、導電剤、結合剤及び溶媒は、正極の場合と同じものを使用することができる。場合によっては、正極電極活物質組成物及び負極電極活物質組成物に可塑剤をさらに付加し、電極板内部に気孔を形成してもよい。
【0062】
セパレータとしては、リチウム電池で一般的に使われるものであるならば、いずれも使用可能である。特に、電解質のイオン移動に対して低抵抗でありつつ、電解液含浸能にすぐれるものが望ましい。かかるセパレータの材質は、例えば、ガラスファイバ、ポリエステル、テフロン(登録商標)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、及びそれらの化合物のうちから選択された材質であってもよく、不織布または織布の形態であってもよい。
【0063】
これについてさらに詳細に説明すれば、リチウムイオン電池の場合には、ポリエチレン、ポリプロピレンのような材料からなる巻き取り自在なセパレータを使用し、リチウムイオンポリマー電池の場合には、有機電解液含浸能にすぐれるセパレータを使用するが、このようなセパレータは、下記方法によって製造可能である。
【0064】
すなわち、高分子樹脂、充填剤、モリブデン酸リチウム及び溶媒を混合して、セパレータ組成物を準備した後、このセパレータ組成物を、電極上部に直接コーティングして乾燥させ、セパレータフィルムを形成したり、または、かかるセパレータ組成物を支持体上にキャスティングして乾燥させた後、この支持体から剥離させたセパレータフィルムを、電極上部にラミネーションしたりすることで形成可能である。
【0065】
かかる高分子樹脂は特に限定されるものではなく、電極板の結合剤に使われる物質であるならば、いずれも使用可能である。このような高分子樹脂として、例えば、フッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマー、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、及びそれらの混合物を使用することができる。特に、ヘキサフルオロプロピレン含有量が8〜25質量部であるフッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレンコポリマーを使用することが望ましい。
【0066】
前述のような正極極板と負極極板との間にセパレータを配し、電池構造体を形成する。このような電池構造体を巻き取ったり折り畳んだりして、円筒形電池ケースや角形電池ケースに入れた後、有機電解液を注入すれば、リチウムイオン電池が完成する。または、かかる電池構造体をバイセル構造に積層した後、これを有機電解液に含浸させ、得られた結果物をポーチに入れて密封すれば、リチウムイオンポリマー電池が完成する。
【0067】
上記有機電解液は、リチウム塩と、高誘電率溶媒及び低沸点溶媒からなる混合有機溶媒と、を含み、必要に応じて、過充電防止剤のような多様な添加剤をさらに含むことができる。
【0068】
有機電解液に使われる高誘電率溶媒としては、当業界で一般的に使われるものであるならば、特別に制限されるものではなく、例えば、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレンのような環状カーボネート、またはガンマ−ブチロラクトンなどを使用することができる。
【0069】
また、低沸点溶媒も、当業界に一般的に使われるものであり、炭酸ジメチル,炭酸エチルメチル、炭酸ジエチル、炭酸ジプロピルのような鎖型カーボネート、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、または脂肪酸エステル誘導体などを使用でき、特に制限されるものではない。
【0070】
上記高誘電率溶媒及び低沸点溶媒に存在する一つ以上の水素原子は、ハロゲン原子で置換されていてもよく、かかるハロゲン原子としては、例えばフッ素原子が望ましい。
【0071】
高誘電率溶媒と低沸点溶媒との混合体積比は、例えば1:1〜1:9であることが望ましく、上記範囲を外れる場合には、放電容量及び充放電寿命の観点で望ましくない。
【0072】
また、有機電解液に用いられるリチウム塩は、リチウム電池で一般的に使われるものであるならば、いずれも使用可能であり、例えば、LiClO、LiCFSO、LiPF、LiN(CFSO、LiBF、LiC(CFSO及びLiN(CSOからなる群から選択された一つ以上の化合物を使用することが望ましい。
【0073】
有機電解液において、上記リチウム塩の濃度は、例えば0.5〜2M程度であることが望ましい。リチウム塩の濃度が0.5M未満であれば、電解液の伝導度が低くなって電解液の性能が落ち、2.0Mを超えるときには、電解液の粘度が上昇して、リチウムイオンの移動性が低下する可能性があるため、望ましくない。
【0074】
本発明の実施形態に係るモリブデン酸リチウムが、電池内極板にコーティングされたり、正極/負極活物質と混合されたり、セパレータにコーティングされて使用されることにより、電池は優秀な容量を有し、安定性が上昇する。
【実施例】
【0075】
以下の実施例及び比較例を介して、本発明についてさらに詳細に説明する。ただし、かかる実施例は、本発明を例示するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0076】
(実施例1:非晶質モリブデン酸リチウムを含むモリブデン酸リチウムの製造)
LiCO 47g及びMoO 91gをミキサーに投入して、5分間混合した。この混合物10gをアルミナルツボに入れた。この混合物を、水素雰囲気、700℃で24時間熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを製造した。この粗モリブデン酸リチウムを、還元雰囲気、1000℃で10時間熱処理した。合成されたモリブデン酸リチウムは、Li2.15MoOの化学式を有していた。
【0077】
合成されたモリブデン酸リチウムのX線回折(XRD)の測定結果は、図1に示した通りである。
【0078】
(実施例2:非晶質モリブデン酸リチウムを含むモリブデン酸リチウムの製造)
上記粗モリブデン酸リチウムを、還元雰囲気、1025℃で10時間熱処理したことを除いては、実施例1と同じ方法で合成を行った。合成されたモリブデン酸リチウムは、Li2.15MoOの化学式を有していた。
【0079】
合成されたモリブデン酸リチウムのX線回折(XRD)の測定結果は、図1に示した通りである。
【0080】
(実施例3:非晶質モリブデン酸リチウムを含むモリブデン酸リチウムの製造)
上記粗モリブデン酸リチウムを、還元雰囲気、1050℃で10時間熱処理したことを除いては、実施例1と同じ方法で合成を行った。合成されたモリブデン酸リチウムは、Li2.15MoOの化学式を有していた。
【0081】
合成されたモリブデン酸リチウムのX線回折(XRD)の測定結果は、図1に示した通りである。
【0082】
(実施例4:非晶質モリブデン酸リチウムを含むモリブデン酸リチウムの製造)
上記粗モリブデン酸リチウムを、還元雰囲気、1100℃で10時間熱処理したことを除いては、実施例1と同じ方法で合成を行った。合成されたモリブデン酸リチウムは、Li2.15MoOの化学式を有していた。
【0083】
合成されたモリブデン酸リチウムのX線回折(XRD)の測定結果は、図1に示した通りである。
【0084】
実施例4で製造された結晶性モリブデン酸リチウムに補助成分として含まれている非晶質モリブデン酸リチウムの相対的な含量比を測定した。
回折角度(2θ)が20.65°±0.10°の範囲における非晶質モリブデン酸リチウムの第1ピークの強度をh1とし、回折角度(2θ)が17.90°±0.10°の範囲における結晶性モリブデン酸リチウムの第3ピークの強度をh3とすれば、h1/h3は、0.05であった。
【0085】
(実施例7:非晶質モリブデン酸リチウムを含むモリブデン酸リチウムの製造)
LiCO 45g及びMoO 91gをミキサーに投入して、5分間混合した。この混合物10gをアルミナルツボに入れた。この混合物を、水素雰囲気、700℃で24時間熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを製造した。この粗モリブデン酸リチウムを、還元雰囲気、1000℃で10時間熱処理した。合成されたモリブデン酸リチウムは、Li2.10MoOの化学式を有していた。
【0086】
(比較例1:結晶性モリブデン酸リチウムの製造)
LiCO 47g及びMoO 91gをミキサーに投入して、5分間混合した。この混合物10gをアルミナルツボに入れた。この混合物を、水素雰囲気、700℃で10時間熱処理して、結晶性モリブデン酸リチウムを製造した。
【0087】
合成された結晶性モリブデン酸リチウムのX線回折(XRD)の測定結果は、図1に示した通りである。
【0088】
図1及び図1の拡大図である図2を参照すれば、実施例1〜4で製造されたモリブデン酸リチウムのXRD測定結果は、比較例1で製造された結晶性モリブデン酸リチウムの測定結果とは異なる。図1及び図2から明らかなように、非晶質モリブデン酸リチウムで見られるピークが、結晶性モリブデン酸リチウムでは、観察されていない。
【0089】
(O吸着能の比較)
合成されたモリブデン酸リチウムのO吸着能を確認するために、示差走査熱量計(DSC)評価を実施した。実施例1〜4及び比較例1で製造されたモリブデン酸リチウムのO吸着能を、DSCを使用して、それぞれの実施例について二回ずつ測定し、その結果を互いに比較した。DSC実験では、LCO(LiCoO)が高温でOを放出する正極活物質として使用された。実施例1〜4の正極活物質は、LCOと混合されて、DSC測定に使用された。
【0090】
図3は、実施例1〜4で製造されたモリブデン酸リチウム及び比較例1で製造された結晶性モリブデン酸リチウムのO吸着能を示したDSCグラフである。
【0091】
図3を参照すれば、実施例1〜4で製造されたモリブデン酸リチウムの発熱量は、比較例1で製造された結晶性モリブデン酸リチウムの発熱量より少なかった。これは、実施例1〜4で製造されたモリブデン酸リチウムに、補助成分として含まれた非晶質モリブデン酸リチウムが、比較例1で製造された結晶性モリブデン酸リチウムに比べて、さらに多くのOを吸収したためである。
【0092】
(実施例5:正極活物質へのモリブデン酸リチウム・コーティング)
LCO(LiCoO)100gを水50gに分散させ、ここに実施例4で製造されたモリブデン酸リチウム1gが添加された。この混合物を30分撹拌した後、スラリーをルツボ容器に入れ、120℃で一日乾燥した。この乾燥混合物を、窒素雰囲気、300℃で1時間熱処理し、非晶質モリブデン酸リチウムを補助成分として含む複合モリブデン酸リチウムでコーティングされたLCOを準備した。
【0093】
モリブデン酸リチウムがコーティングされたLCOに対しても、DSC評価を行った結果、モリブデン酸リチウムが正極活物質にコーティングされた場合にも、正極活物質にモリブデン酸リチウムを混合した場合と同様に、DSC発熱ピークが大きく低減することを観察した。その結果は、実施例4とほぼ同一であった。
【0094】
<リチウム二次電池の製造>
(実施例6)
LCO及び実施例4で製造されたモリブデン酸リチウムを、所定の比率(質量比8:2)で混合し、得られた混合物をアルミニウム・ホイル上に90μm厚にコーティングし、135℃で3時間以上乾燥させた後、70μmに圧延した。これにより得られた極板を13φサイズの円形でパンチングし、ウェルディング(welding)が可能なように電極を形成した。これにより得られた結果物を、2032コインセルの下部にウェルディングした後、250℃の真空オーブンで5時間排気させた。ここに、リチウム電極(負極)、20μm厚のポリエチレン材質のセパレータ、及び電解液(炭酸エチレン(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)との混合物(EM:EMCの体積比は、3:7である)+1.3MのLiPF)を組み立てて、電池を製作した。
【0095】
(比較例2)
比較例1の結晶質モリブデン酸リチウムを使用したことを除いては、実施例6と同一に、リチウム二次電池を製造した。
【0096】
(電池比較評価)
実施例6及び比較例2の電池の寿命を測定して、図4に示した。
図4を参照すれば、実施例6の場合、比較例2より優秀なセル寿命を有するということが分かる。
【0097】
(まとめ)
前述の通り、本発明の実施形態に係るモリブデン酸リチウムが、電極極板にコーティングされたり、正極活物質または負極活物質と混合されたり、セパレータにコーティングされたりすることで、電池は高容量及び優秀な安定性を有することができる。すなわち、高い理論的容量にもかかわらず、低い安定性のために使われない活物質が、モリブデン酸リチウムとともに多様な形態で使用可能となり、電池を製造することができる。
【0098】
このように、上記内容を考慮すれば、本発明の実施形態に係るモリブデン酸リチウムは、非晶質モリブデン酸リチウム相を補助成分(少量)として含み、結晶性モリブデン酸リチウム相を主成分(過量)として含む、一種の複合モリブデン酸リチウムである。
【0099】
本発明の実施形態によれば、かかるモリブデン酸リチウムは、下記化学式1で表示される化合物であってもよい。ここで、下記化学式1において、0<x≦6、1≦y≦5、2≦z≦17である。
【0100】
LiMo ・・・(化学式1)
【0101】
また、本発明の実施形態によれば、かかるモリブデン酸リチウムは、下記化学式2で表示される化合物であってもよい。ここで、下記化学式2において、2<x≦3である。
【0102】
LiMoO ・・・(化学式2)
【0103】
また、本発明の実施形態によれば、モリブデン酸リチウムの最終組成は、Li2.15MoOであってもよい。
【0104】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0105】
1 二次電池
2 負極
3 正極
4 セパレータ
5 電池ケース
6 キャップ・アセンブリ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属モリブデン酸塩を含み、
前記金属モリブデン酸塩の少なくとも一部が、非晶質金属モリブデン酸塩を含む
ことを特徴とする、二次電池。
【請求項2】
前記金属モリブデン酸塩は、非晶質金属モリブデン酸塩と結晶性金属モリブデン酸塩とを含み、
前記非晶質金属モリブデン酸塩の含有量は、前記結晶性金属モリブデン酸塩の含有量に比べて、少ない
ことを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。
【請求項3】
前記金属モリブデン酸塩は、モリブデン酸リチウムを含み、
前記結晶性金属モリブデン酸塩は、結晶性モリブデン酸リチウムを含み、
前記非晶質金属モリブデン酸塩は、非晶質モリブデン酸リチウムを含む
ことを特徴とする、請求項2に記載の二次電池。
【請求項4】
前記非晶質金属モリブデン酸塩は、回折角度(2θ)20.65°±0.10゜で、第1X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)30.50°±0.10゜で、第2X線回折ピークを示す
ことを特徴とする、請求項2又は3に記載の二次電池。
【請求項5】
前記第1X線回折ピークの半値幅(FWHM1)は、0.05°<FWHM1<2.00゜を満足し、
前記第2X線回折ピークの半値幅(FWHM2)は、0.05°<FWHM2<1.00゜を満足する
ことを特徴とする、請求項4に記載の二次電池。
【請求項6】
前記結晶性モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)17.90°±0.10°で、第3X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)36.50°±0.10゜で、第4X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)43.65°±0.10゜で、第5X線回折ピークを示す
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項7】
前記非晶質モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)20.65°±0.10゜で、第1X線回折ピークを示し、
前記結晶性モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)17.90°±0.10゜で、第3X線回折ピークを示し、
前記第3X線回折ピークの相対的な強度(h3)と、前記第1X線回折ピークの相対的な強度(h1)との比率(h1/h3)が、0.01<h1/h3<0.10を満足する
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項8】
前記モリブデン酸リチウムは、下記化学式1で表されるものであることを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。

LiMo ・・・(化学式1)
ここで、前記化学式1において、0<x≦6、1≦y≦5、2≦z≦17である。
【請求項9】
前記モリブデン酸リチウムは、下記化学式2で表されるものであることを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。

LiMoO ・・・(化学式2)
ここで、前記化学式2において、2<x≦3である。
【請求項10】
前記二次電池は、セパレータを含むリチウム二次電池であり、
前記セパレータは、前記モリブデン酸リチウムを含む
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項11】
前記二次電池は、正極を有するリチウム二次電池であり、
前記正極は、前記モリブデン酸リチウムを含む
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項12】
前記二次電池は、モリブデン酸リチウムでコーティングされた正極活物質を含むリチウム二次電池である
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項13】
前記モリブデン酸リチウムの含有量は、正極活物質総質量を基準として、0.1〜50質量%である
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項14】
前記結晶性金属モリブデン酸塩は、回折角度(2θ)17.90°±0.10゜で、第3X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)36.50°±0.10゜で、第4X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)43.65°±0.10゜で、第5X線回折ピークを示す
ことを特徴とする、請求項3に記載の二次電池。
【請求項15】
前記金属モリブデン酸塩は、下記化学式2で表されるものであることを特徴とする、請求項1に記載の二次電池。

LiMoO ・・・(化学式2)
ここで、前記化学式2において、2<x≦3である。
【請求項16】
モリブデン酸リチウムを合成する段階と、
合成された前記モリブデン酸リチウムを二次電池内に配する段階と、
を含み、
前記モリブデン酸リチウムを合成する段階は、
炭酸リチウム(LiCO)と三酸化モリブデン(MoO)とを混合して混合物を形成する段階と、
前記混合物を熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階と、
前記粗モリブデン酸リチウムを熱処理し、モリブデン酸リチウムを合成する段階と、
を含み、
前記合成されたモリブデン酸リチウムの少なくとも一部が、非晶質である
ことを特徴とする、二次電池の製造方法。
【請求項17】
前記混合物を熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階は、前記混合物を、水素雰囲気下、650℃〜750℃の温度で24時間熱処理し、粗モリブデン酸リチウムを合成する段階を含む
ことを特徴とする、請求項16に記載の二次電池の製造方法。
【請求項18】
前記粗モリブデン酸リチウムを熱処理する段階は、還元性雰囲気下、1000℃〜1100℃の温度で、10時間前記粗モリブデン酸リチウムを熱処理する段階を含む
ことを特徴とする、請求項16に記載の二次電池の製造方法。
【請求項19】
前記モリブデン酸リチウムは、回折角度(2θ)20.65°±0.10゜で、第1X線回折ピークを示し、かつ、回折角度(2θ)17.90°±0.10゜で、第3X線回折ピークを示し、
前記第3X線回折ピークの相対的な強度(h3)と、前記第1X線回折ピークの相対的な強度(h1)との比率(h1/h3)が、0.01<h1/h3<0.10を満足する
ことを特徴とする、請求項16に記載の二次電池の製造方法。
【請求項20】
結晶性モリブデン酸リチウム相を主成分として含み、非晶質モリブデン酸リチウム相を補助成分として含むモリブデン酸リチウムを合成する段階と、
電池作動時に生成される所定含有量のOを除去するのに十分な量の前記合成されたモリブデン酸リチウムを、リチウム電池に配する段階と、
二次電池において十分な量の前記合成されたモリブデン酸リチウムを使用し、電池の作動時に生成される所定含有量の酸素を除去する段階と、
を含む
ことを特徴とする、二次電池の作動方法。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2011−258556(P2011−258556A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−124343(P2011−124343)
【出願日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】