説明

二次電池

【課題】捲回電極体の径方向内側部と径方向外側部との温度差を低減することができる二次電池を提供する。
【解決手段】正極集電端子部材171及び負極集電端子部材191のうち少なくとも一方の集電端子部材は、合材層未塗工部(正極合材層未塗工部130c及び/または負極合材層未塗工部120c)のうち捲回電極体110の径方向に見て外側に位置する外側未塗工部(130g及び/または120g)に溶接されることなく、少なくとも、合材層未塗工部(130c及び/または120c)のうち捲回電極体110の径方向に見て内側に位置する内側未塗工部(130f及び/または120f)に溶接されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、正極(正極シート)、負極(負極シート)、及びセパレータを捲回した捲回電極体(電極体)と、正極のうち捲回電極体の軸線方向一方端部に位置する合材層未塗工部に溶接された正極集電端子部材(集電バー)と、負極のうち捲回電極体の軸線方向他方端部に位置する合材層未塗工部に溶接された負極集電端子部材と、を備えた蓄電素子が開示されている。蓄電素子としては、二次電池などが例示されている。
【0003】
特許文献1では、正極集電端子部材を、合材層未塗工部の全周回に溶接している。換言すれば、捲回電極体の径方向に見て、最も内側(中心側)に位置する周回を構成する合材層未塗工部から最も外側に位置する周回を構成する合材層未塗工部の全周回にわたって、正極集電端子部材を溶接している。負極集電端子部材についても、同様に、合材層未塗工部の全周回に溶接している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−249423号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、二次電池では、充放電を行うことにより、捲回電極体において温度ムラが発生する。具体的には、捲回電極体のうち径方向内側(中心側)に位置する部位(径方向内側部)が相対的に温度が高くなり、径方向外側に位置する部位(径方向外側部)が相対的に温度が低くなる傾向にあった。これに対し、特許文献1では、上述のように、正極集電端子部材及び負極集電端子部材を、合材層未塗工部の全周回に溶接しているため、上記のような捲回電極体における温度ムラが発生しやすかった。
【0006】
具体的には、特許文献1では、捲回電極体のうち相対的に温度が高くなる径方向内側部の熱は、内側未塗工部(合材層未塗工部のうち捲回電極体の径方向に見て内側に位置する部位)を通じて集電端子部材へ伝達(放出)される。ところが、特許文献1では、捲回電極体のうち相対的に温度が低くなる径方向外側部の熱も、外側未塗工部(合材層未塗工部のうち捲回電極体の径方向に見て外側に位置する部位)を通じて、径方向内側部と同様に、集電端子部材へ伝達(放出)される。このため、捲回電極体において、径方向内側部と径方向外側部との温度差は低減されず、捲回電極体の温度ムラが発生しやすかった。
【0007】
上述のように、捲回電極体に温度ムラが生じると、これに起因して、充放電反応ムラが発生してしまう。この充放電反応ムラが大きくなると、電池の寿命特性が低下する虞があった。
【0008】
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、捲回電極体の径方向内側部と径方向外側部との温度差を低減することができる二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様は、少なくとも正極及び負極を捲回した捲回電極体と、上記正極のうち上記捲回電極体の軸線方向一方端部の位置で捲回されてなる合材層未塗工部に溶接された正極集電端子部材と、上記負極のうち上記捲回電極体の軸線方向他方端部の位置で捲回されてなる合材層未塗工部に溶接された負極集電端子部材と、を備える二次電池であって、上記正極集電端子部材及び上記負極集電端子部材のうち少なくとも一方の集電端子部材は、上記合材層未塗工部のうち上記捲回電極体の径方向に見て外側に位置する外側未塗工部に溶接されることなく、少なくとも、上記合材層未塗工部のうち上記捲回電極体の径方向に見て内側に位置する内側未塗工部に溶接されてなる二次電池である。
【0010】
上述の二次電池では、正極集電端子部材及び負極集電端子部材のうち少なくとも一方の集電端子部材を、合材層未塗工部のうち捲回電極体の径方向に見て外側に位置する外側未塗工部(捲回されてなる合材層未塗工部の全周回のうち径方向に見て外側の周回を構成する部位、換言すれば、合材層未塗工部の外周側に位置する部位)に溶接することなく、少なくとも、合材層未塗工部のうち捲回電極体の径方向に見て内側に位置する内側未塗工部(合材層未塗工部の全周回のうち径方向に見て内側の周回を構成する部位、換言すれば、合材層未塗工部の内周側に位置する部位)に溶接している。
【0011】
これにより、捲回電極体において、相対的に温度が高くなる径方向内側部の熱を、内側未塗工部を通じて集電端子部材へ伝達(放出)し易くなる一方、相対的に温度が低くなる径方向外側部の熱は、集電端子部材へ伝達(放出)し難くなる。その結果、捲回電極体において、径方向内側部と径方向外側部との温度差を低減することができ、これにより、捲回電極体の温度ムラを小さくすることができる。
【0012】
従って、上述の二次電池によれば、充放電反応ムラを低減することができ、その結果、電池の寿命特性を向上させることができる。
【0013】
なお、正極は、正極集電部材(例えば、金属箔)と、その表面に塗工された正極合材層とを有する。また、正極の合材層未塗工部とは、正極活物質を含む正極合材層を有することなく、正極を構成する正極集電部材(例えば、金属箔)のみからなる部位をいう。一方、正極のうち正極合材層を有する部位(正極集電部材と正極合材層を有する部位)を、正極の合材層塗工部という。
【0014】
また、負極は、負極集電部材(例えば、金属箔)と、その表面に塗工された負極合材層とを有する。負極の合材層未塗工部とは、負極活物質を含む負極合材層を有することなく、負極を構成する負極集電部材(例えば、金属箔)のみからなる部位をいう。一方、負極のうち負極合材層を有する部位(負極集電部材と負極合材層を有する部位)を、負極の合材層塗工部という。
【0015】
また、捲回電極体としては、正極、負極、及びセパレータを扁平形状に捲回した扁平型の捲回電極体や、正極、負極、及びセパレータを円筒状に捲回した円筒型の捲回電極体を例示できる。また、捲回電極体の径方向は、捲回電極体の中心(軸線の位置)から外側(外周側)に向かう方向に一致する。
【0016】
また、「外側未塗工部に溶接されることなく、少なくとも、内側未塗工部に溶接されてなる」とは、内側未塗工部のみに溶接される場合のほか、外側未塗工部を除いた全ての合材層未塗工部(内側未塗工部、及び、内側未塗工部と外側未塗工部との間に位置する合材層未塗工部)に溶接される場合も含むものである。さらには、内側未塗工部、及び、内側未塗工部と外側未塗工部との間に位置する複数周回の合材層未塗工部の一部の周回に溶接される場合も含む。
【0017】
さらに、上記の二次電池であって、前記正極集電端子部材及び前記負極集電端子部材のうち、前記外側未塗工部を溶接することなく、少なくとも前記内側未塗工部を溶接してなる集電端子部材、に溶接されている前記合材層未塗工部の捲回数(周回数)をB、当該合材層未塗工部の総捲回数(総周回数)をAとすると、0.3≦B/A≦0.6の関係を満たす二次電池とすると良い。
【0018】
上記の二次電池では、「正極集電端子部材及び負極集電端子部材のうち、外側未塗工部を溶接することなく、少なくとも内側未塗工部を溶接してなる集電端子部材(以下、この集電端子を、内側溶接集電端子ともいう)」に溶接されている合材層未塗工部の捲回数(周回数)をBとし、当該合材層未塗工部全体の総捲回数(総周回数)をAとした場合に、0.3≦B/A≦0.6の関係を満たすようにしている。0.3≦B/A≦0.6を満たすようにすることで、捲回電極体の径方向内側部と径方向外側部との温度差を、十分に低減することができる。
【0019】
なお、B/Aが0.6よりも大きくなると、外側未塗工部に近い合材層未塗工部が集電端子部材に溶接されることになるので、捲回電極体の径方向外側部の熱が集電端子部材に伝達されやすくなってゆく。このため、捲回電極体の径方向内側部と径方向外側部との温度差を低減することはできるが、その低減効果が小さくなる。
【0020】
また、B/Aが0.3よりも小さくなると、内側未塗工部に集電が集中し、これが原因で、捲回電極体の径方向内側部において発熱量が増加することが考えられる。このため、径方向内側部の熱を内側未塗工部を通じて集電端子部材へ伝達(放出)することにより、捲回電極体の径方向内側部と径方向外側部との温度差を低減することはできるが、その低減量が小さくなる。
従って、0.3≦B/A≦0.6とするのがより好ましい。
【0021】
さらに、上記いずれかの二次電池であって、前記合材層未塗工部の各周回のうち前記集電端子部材に溶接されていない周回を構成する合材層未塗工部同士を、溶接してなる二次電池とすると良い。
【0022】
上述の二次電池では、合材層未塗工部の各周回のうち集電端子部材に溶接されていない周回を構成する合材層未塗工部同士を溶接している。詳細には、合材層未塗工部の各周回のうち集電端子部材に溶接されていない周回を構成する合材層未塗工部同士を、その厚み方向(捲回電極体の径方向)に重ね合わせて溶接している。
【0023】
これにより、集電端子部材に溶接されていない周回を構成する部位について、合材層未塗工部同士が溶接された部位(溶接部)を通じて(合材層未塗工部の厚み方向に、すなわち径方向に)集電することができるので、集電経路を短くすることができる。従って、上述の二次電池では、内部抵抗を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】実施例1〜13にかかる二次電池の断面図である。
【図2】実施例1にかかる二次電池の断面図であり、図1のC−C断面図に相当する。
【図3】実施例1〜13にかかる捲回電極体の斜視図である。
【図4】同捲回電極体の断面図であり、図3のE−E断面図に相当する。
【図5】同捲回電極体を構成する負極の斜視図である。
【図6】同捲回電極体を構成する正極の斜視図である。
【図7】実施例1〜13にかかる集電端子部材の斜視図である。
【図8】実施例1〜13にかかる端子構造体の斜視図である。
【図9】実施例7にかかる二次電池の断面図であり、図1のD−D断面図に相当する。
【図10】変形例1にかかる二次電池の断面図である。
【図11】同二次電池の集電端子部材の斜視図である。
【図12】実施例1〜13及び比較例1にかかる二次電池の仕様を表す表である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
(実施例1)
次に、本発明の実施例1について説明する。
本実施例1の二次電池100は、図1に示すように、捲回電極体110と、これを収容する電池ケース180とを備える、リチウムイオン二次電池である。捲回電極体110は、正極130、負極120、及びセパレータ150を捲回した電極体である。
【0026】
電池ケース180は、アルミニウムからなり、直方体形状をなしている。この電池ケース180は、電池ケース本体181と封口蓋182を有する。このうち、電池ケース本体181は、有底矩形箱形状をなしている。なお、電池ケース本体181と捲回電極体110との間には、樹脂からなり、箱状に折り曲げた絶縁フィルム(図示しない)を介在させている。
【0027】
また、封口蓋182は、矩形板状であり、電池ケース本体181の開口を閉塞して、この電池ケース本体181に溶接されている。この封口蓋182には、安全弁(図示なし)が封着されている。
【0028】
捲回電極体110は、帯状の正極130と帯状の負極120が、帯状のセパレータ150を介して扁平形状に捲回されてなる電極体である(図3参照)。詳細には、長手方向DAに延びる帯状の正極130、負極120、及びセパレータ150を、長手方向DAに捲回して、捲回電極体110を形成している(図3〜図6参照)。
【0029】
正極130は、図6に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、アルミニウム箔からなる正極集電部材138と、この正極集電部材138の両面に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの正極合材層131,131とを有している。正極合材層131は、正極活物質137と、アセチレンブラックからなる導電材と、PVdF(結着剤)とを、重量比100:5:5の割合で含んでいる。
【0030】
正極130のうち、正極合材層131が塗工されている部位を、正極合材層塗工部130bという。一方、正極合材層131を有することなく、正極集電部材138のみからなる部位を、正極合材層未塗工部130cという。正極合材層未塗工部130cは、正極130の一方長辺に沿って、正極130の長手方向DAに帯状に延びている。この正極合材層未塗工部130cは、捲回されて渦巻き状をなし、捲回電極体110の軸線方向(軸線AXに沿った方向)一方端部(図1及び図3において左端部)に位置している。
【0031】
なお、本実施例1では、正極活物質137として、LiNi1/3Co1/3Mn1/32を用いている。また、正極集電部材138(アルミニウム箔)は、厚さ15μm、長さ(長手方向DAの寸法)3000mm、幅(幅方向DBの寸法)66mmである。
【0032】
また、負極120は、図5に示すように、長手方向DAに延びる帯状で、銅箔からなる負極集電部材128と、この負極集電部材128の両面に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に配置された2つの負極合材層121,121とを有している。負極合材層121は、負極活物質127とPVdF(結着剤)とを、重量比100:7の割合で含んでいる。
【0033】
負極120のうち、負極合材層121が塗工されている部位を、負極合材層塗工部120bという。一方、負極合材層121を有することなく、負極集電部材128のみからなる部位を、負極合材層未塗工部120cという。負極合材層未塗工部120cは、負極120の一方長辺に沿って、負極120の長手方向DAに帯状に延びている。この負極合材層未塗工部120cは、捲回されて渦巻き状をなし、捲回電極体110の軸線方向他方端部(図1及び図3において右端部)に位置している。
【0034】
なお、本実施例1では、負極活物質127として、黒鉛を用いている。また、負極集電部材128(銅箔)は、厚さ10μm、長さ(長手方向DAの寸法)3300mm、幅(幅方向DBの寸法)69mmである。
【0035】
セパレータ150は、PP(ポリプロピレン)/PE(ポリエチレン)/PP(ポリプロピレン)の3層からなる厚み24μmのセパレータである。このセパレータ150は、、正極130と負極120との間に介在して、これらを離間させている。セパレータ150には、リチウムイオンを有する非水電解液160を含浸させている。
【0036】
非水電解液160は、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを、体積比で3:3:4に調整した混合有機溶媒に、溶質としてLiPF6を添加した非水電解液である。なお、非水電解液160
中のLiPF6の濃度は、1mol/Lとしている。
【0037】
また、捲回電極体110の正極130(具体的には、正極合材層未塗工部130c)には、金属板を加工してなる正極集電端子部材171が溶接されている(図1参照)。正極集電端子部材171は、図7に示すように、平板形状をなす2つの集電接続部171bと、平板形状をなす外部端子接続部171cと、集電接続部171bと外部端子接続部171cとを連結する屈曲板形状の連結部171dとを有している。この正極集電端子部材171は、2つの集電接続部171bを正極合材層未塗工部130cに溶接することで、正極130と電気的に接続している。
【0038】
さらに、正極集電端子部材171の外部端子接続部171cの上面には、正極外部端子175が溶接される。正極集電端子部材171と正極外部端子175とを溶接することにより、正極端子構造体170が構成される(図8参照)。正極端子構造体170の正極外部端子175は、封口蓋182を貫通して外部に突出している(図1参照)。なお、正極外部端子175と封口蓋182との間には、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材141を介在させている。
【0039】
また、捲回電極体110の負極120(具体的には、負極合材層未塗工部120c)には、金属板を加工してなる負極集電端子部材191が溶接されている(図1参照)。負極集電端子部材191は、図7に示すように、平板形状をなす2つの集電接続部191bと、平板形状をなす外部端子接続部191cと、集電接続部191bと外部端子接続部191cとを連結する屈曲板形状の連結部191dとを有している。この負極集電端子部材191は、2つの集電接続部191bを負極合材層未塗工部120cに溶接することで、負極120と電気的に接続している。
【0040】
さらに、負極集電端子部材191の外部端子接続部191cの上面には、負極外部端子195が溶接される。負極集電端子部材191と負極外部端子195とを溶接することにより、負極端子構造体190が構成される(図8参照)。負極端子構造体190の負極外部端子195は、封口蓋182を貫通して外部に突出している(図1参照)。なお、負極外部端子195と封口蓋182との間には、電気絶縁性の樹脂からなる絶縁部材141を介在させている。
【0041】
ところで、二次電池では、充放電を行うことにより、捲回電極体において温度ムラが発生する。具体的には、捲回電極体のうち径方向内側(中心側)に位置する部位(径方向内側部)が相対的に温度が高くなり、径方向外側に位置する部位(径方向外側部)が相対的に温度が低くなる傾向にあった。このように捲回電極体に温度ムラが生じると、これに起因して、充放電反応ムラが発生してしまう。この充放電反応ムラが大きくなると、電池の寿命特性が低下する虞があった。
【0042】
これに対し、本実施例1の二次電池100では、正極集電端子部材171及び負極集電端子部材191のうち少なくとも一方の集電端子部材を、合材層未塗工部のうち捲回電極体110の径方向に見て外側に位置する外側未塗工部に溶接することなく、少なくとも、合材層未塗工部のうち捲回電極体の径方向に見て内側に位置する内側未塗工部に溶接している。具体的には、本実施例1の二次電池100では、正極集電端子部材171の2つの集電接続部171bを、正極合材層未塗工部130cの外側未塗工部130gに溶接することなく、少なくとも内側未塗工部130fに溶接している(図2参照)。
【0043】
詳細には、正極集電端子部材171の2つの集電接続部171bを、内側未塗工部130f、及び、内側未塗工部130fと外側未塗工部130gとの間に位置する中間未塗工部130hの一部の周回に溶接している(図2参照)。より詳細には、2つの集電接続部171bを、捲回された渦巻き状の正極合材層未塗工部130cの中心部に位置する空間内に挿入し、集電接続部171bの外側(図2において右側と左側)に位置する内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの一部の周回をなす正極集電部材138(アルミニウム箔)と溶接している。このように、正極集電端子部材171と内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの一部周回とを、正極合材層未塗工部130cの周方向の2カ所で溶接している。
【0044】
より具体的には、本実施例1では、正極合材層未塗工部130cの捲回数を24としている。すなわち、正極合材層未塗工部130cが、軸線AXの周りに24回捲回されている。本実施例1では、24捲回(周回)のうち7捲回(周回)の正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171の集電接続部171bに溶接している。詳細には、正極合材層未塗工部130cのうち捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1捲回目(第1周回)の正極合材層未塗工部130cから第7捲回目(第7周回)までの正極合材層未塗工部130cを、重ね合わせて、正極集電端子部材171の集電接続部171bに溶接している。
【0045】
なお、捲回電極体110の径方向は、捲回電極体110の中心(軸線AXの位置)から外側(外周側)に向かう方向に一致する。
また、本実施例1では、正極集電端子部材171が内側溶接集電端子に相当する。
【0046】
ここで、正極集電端子部材171(内側溶接集電端子)に溶接されている正極合材層未塗工部130cの捲回数をB、正極合材層未塗工部130c全体の総捲回数をAとすると、本実施例1では、B/A=7/24=0.3となる。
【0047】
なお、本実施例1では、内側未塗工部130fを、正極合材層未塗工部130cのうち捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1捲回目の正極合材層未塗工部130cから第5捲回目までの正極合材層未塗工部130c(内側5捲回)としている。また、外側未塗工部130gを、正極合材層未塗工部130cのうち捲回電極体110の径方向に見て最も外側に位置する第24捲回目の正極合材層未塗工部130cから第20捲回目までの正極合材層未塗工部130c(外側5捲回)としている。この場合、中間未塗工部130hは、正極合材層未塗工部130cのうち捲回電極体110の径方向に見て内側から第6捲回目の正極合材層未塗工部130cから第19捲回目までの正極合材層未塗工部130c(中央14捲回)となる。従って、本実施例1では、内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの2周回(捲回)を、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接している。
【0048】
このように、内側未塗工部130fを正極集電端子部材171に溶接することで、捲回電極体110において相対的に温度が高くなる径方向内側部110fの熱を、内側未塗工部130fを通じて正極集電端子部材171へ伝達(放出)し易くなる。正極集電端子部材171は、正極外部端子175に接続されているので、径方向内側部110fから正極集電端子部材171に伝達された熱は、正極外部端子175を通じて電池外部に放出される。一方、外側未塗工部130gを正極集電端子部材171に溶接しないことで、相対的に温度が低くなる径方向外側部110gの熱は、正極集電端子部材171へ伝達(放出)し難くなる。
【0049】
その結果、捲回電極体110において、径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を低減することができ、これにより、捲回電極体110の温度ムラを小さくすることができる。従って、本実施例1の二次電池100によれば、充放電反応ムラを低減することができ、その結果、電池の寿命特性を向上させることができる。
【0050】
なお、本実施例1では、捲回電極体110の径方向内側部110fを、内側未塗工部130fを有する正極130(捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1捲回目の正極130から第5捲回目までの正極130)と、これらの内側にセパレータ150を挟んで隣り合う負極120(捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1捲回目の負極120から第5捲回目までの負極120)と、これらの間に介在するセパレータ150とからなる部位としている(図4参照)。
【0051】
また、径方向外側部110gを、外側未塗工部130gを有する正極130(捲回電極体110の径方向に見て最も外側に位置する第24捲回目の正極130から第20捲回目までの正極130)と、これらとセパレータ150を挟んで隣り合う負極120(捲回電極体110の径方向に見て最も外側に位置する第25捲回目の負極120から第20捲回目までの負極120)と、これらの間に介在するセパレータ150とからなる部位としている(図4参照)。
【0052】
さらに、本実施例1の二次電池100では、正極合材層未塗工部130cの各周回(捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から最も外側に位置する第24周回までの各周回)のうち正極集電端子部材171に溶接されていない周回(具体的には、第8周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接している(図2参照)。詳細には、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極合材層未塗工部130cに溶接されていない周回(本実施例1では、第8周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を、その厚み方向(捲回電極体110の径方向に一致)に重ね合わせて溶接している。
【0053】
これにより、正極集電端子部材171に溶接されていない周回(本実施例1では、第8周回から第24周回まで)を構成する部位について、正極合材層未塗工部130c同士が溶接された溶接部を通じて、正極合材層未塗工部130cの厚み方向(図2において左右方向)に集電することができるので、集電経路を短くすることができる。従って、本実施例1の二次電池100では、内部抵抗を小さくすることができる。
【0054】
次に、実施例1にかかる二次電池100の製造方法について説明する。
まず、正極130、負極120、及びセパレータ150を捲回した捲回電極体110を形成する。具体的には、まず、正極活物質137とアセチレンブラック(導電材)とPVdF(結着剤)とを、重量比100:5:5の割合で混合し、これに溶媒を混合して、正極スラリを作製した。次いで、この正極スラリを、正極集電部材138の表面(両面)に塗工し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、正極130を得た(図6参照)。
【0055】
また、負極活物質127(黒鉛)とPVdFとを、100:7(重量比)の割合で混合し、これに溶媒を混合して、負極スラリを作製した。次いで、この負極スラリを、銅箔からなる負極集電部材128の表面(両面)に塗工し、乾燥させた後、プレス加工を施した。これにより、負極120を得た(図5参照)。
【0056】
その後、負極120と正極130との間にセパレータ150を介在させて、長手方向DAに捲回し、捲回電極体110を形成する(図3参照)。なお、本実施例1では、負極120の捲回数を25、正極130の捲回数を24としている。
【0057】
次に、正極集電端子部材171と正極外部端子175とを溶接することにより、正極端子構造体170を作製する。また、負極集電端子部材191と負極外部端子195とを溶接することにより、負極端子構造体190を作製する(図8参照)。
【0058】
次いで、負極120(負極合材層未塗工部120c)に、負極集電端子部材191の集電接続部191bを溶接する。さらに、正極130(正極合材層未塗工部130c)に、正極集電端子部材171の集電接続部171bを溶接する。なお、溶接方法としては、例えば、抵抗溶接や超音波溶接を用いることができる。
【0059】
具体的には、平板形状をなす2つの集電接続部171bを、捲回された渦巻き状の正極合材層未塗工部130cの中心部に位置する空間内に挿入する。その後、各集電接続部171bの外側(図2において右側と左側)に位置する内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの一部の周回をなす正極集電部材138(捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第7周回までの正極合材層未塗工部130c)を、集電接続部171bに溶接する。
【0060】
さらに、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接されていない周回(本実施例1では、第8周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を、その厚み方向(捲回電極体110の径方向に一致)に重ね合わせて溶接する(図2参照)。
【0061】
また、2つの集電接続部191bを、捲回された渦巻き状の負極合材層未塗工部120cの中心部に位置する空間内に挿入する。その後、全周回(第1周回から第25周回までの全て)の負極合材層未塗工部120cを、集電接続部191bの外側面に重ね合わせて、集電接続部191bに溶接する。
【0062】
その後、負極集電端子部材191(負極端子構造体190)及び正極集電端子部材171(正極端子構造体170)を溶接した捲回電極体110を、電池ケース本体181内に挿入した後、非水電解液160を注入する。なお、正極外部端子175の外周及び負極外部端子195の外周には、絶縁部材141を配置しておく。その後、封口蓋182で電池ケース本体181の開口を閉塞した状態で、封口蓋182と電池ケース本体181とを溶接する。これにより、本実施例1の二次電池100が完成する。
【0063】
(実施例2)
実施例2の二次電池は、実施例1の二次電池100と比較して、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した正極合材層未塗工部130cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例2では、捲回数B=17とした。すなわち、正極合材層未塗工部130cの全捲回数A=24のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第17周回までの正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した。これにより、本実施例2では、B/A=17/24=0.7となる。
【0064】
また、本実施例2では、実施例1の二次電池100と異なり、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接されていない周回(本実施例2では、第18周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。
【0065】
(実施例3)
実施例3の二次電池は、実施例1の二次電池100と比較して、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した正極合材層未塗工部130cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例3では、捲回数B=14とした。すなわち、正極合材層未塗工部130cの全捲回数A=24のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第14周回までの正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した。これにより、本実施例3では、B/A=14/24=0.6となる。
【0066】
また、本実施例3では、実施例1の二次電池100と異なり、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接されていない周回(本実施例3では、第15周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。
【0067】
(実施例4)
実施例4の二次電池は、実施例1の二次電池100と比較して、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した正極合材層未塗工部130cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例4では、捲回数B=12とした。すなわち、正極合材層未塗工部130cの全捲回数A=24のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第12周回までの正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した。これにより、本実施例4では、B/A=12/24=0.5となる。
【0068】
また、本実施例4では、実施例1の二次電池100と異なり、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接されていない周回(本実施例4では、第13周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。
【0069】
(実施例5)
実施例5の二次電池は、実施例1の二次電池100と比較して、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接されていない周回(実施例1と同様に、第8周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接していない点のみが異なっている。それ以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。
【0070】
(実施例6)
実施例6の二次電池は、実施例1の二次電池100と比較して、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した正極合材層未塗工部130cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例6では、捲回数B=5とした。すなわち、正極合材層未塗工部130cの全捲回数A=24のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第5周回までの正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接した。これにより、本実施例4では、B/A=5/24=0.2となる。
【0071】
また、本実施例6では、実施例1の二次電池100と異なり、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171(集電接続部171b)に溶接されていない周回(本実施例6では、第6周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。
【0072】
(実施例7)
実施例7の二次電池200は、実施例1の二次電池100と比較して、負極合材層未塗工部120cと負極集電端子部材191(集電接続部191b)との溶接形態が異なっている。具体的には、本実施例7の二次電池200では、図9に示すように、負極集電端子部材191の2つの集電接続部191bを、負極合材層未塗工部120cの外側未塗工部120gに溶接することなく、少なくとも内側未塗工部120fに溶接している点が異なっている。
【0073】
詳細には、本実施例7では、負極合材層未塗工部120cの全捲回数A=25のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第7周回までの負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接している。従って、本実施例7では、負極合材層未塗工部120cにおいて、B/A=7/25=0.3となる。
【0074】
なお、本実施例7では、内側未塗工部120fを、負極合材層未塗工部120cのうち捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1捲回目の負極合材層未塗工部120cから第5捲回目までの負極合材層未塗工部120c(内側5捲回)とする。また、外側未塗工部120gを、負極合材層未塗工部120cのうち捲回電極体110の径方向に見て最も外側に位置する第25捲回目の負極合材層未塗工部120cから第21捲回目までの負極合材層未塗工部120c(外側5捲回)とする。この場合、中間未塗工部120hは、負極合材層未塗工部120cのうち捲回電極体110の径方向に見て内側から第6捲回目の負極合材層未塗工部120cから第20捲回目までの負極合材層未塗工部120c(中央15捲回)となる。従って、本実施例7では、内側未塗工部120f及び中間未塗工部120hの2周回(捲回)を、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接している。
【0075】
さらに、本実施例7の二次電池200では、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(本実施例7では、第8周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を、その厚み方向(捲回電極体110の径方向に一致)に重ね合わせて溶接している(図9参照)。
【0076】
また、本実施例7の二次電池200では、実施例1の二次電池100と比較して、正極合材層未塗工部130cと正極集電端子部材171(集電接続部171b)との溶接形態が異なっている。具体的には、本実施例7の二次電池200では、全周回(第1周回から第24周回までの全て)の正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171の集電接続部171bの外側面に重ね合わせて、集電接続部171bに溶接している。
上記以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。
なお、本実施例7では、負極集電端子部材191が内側溶接集電端子に相当する。
【0077】
(実施例8)
実施例8の二次電池は、実施例7の二次電池200と比較して、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した負極合材層未塗工部120cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例8では、捲回数B=17とした。すなわち、負極合材層未塗工部120cの全捲回数A=25のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第17周回までの負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した。これにより、本実施例8では、B/A=17/25=0.7となる。
【0078】
また、本実施例8では、実施例7の二次電池200と異なり、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(本実施例8では、第18周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例7の二次電池200と同様としている。
【0079】
(実施例9)
実施例9の二次電池は、実施例7の二次電池200と比較して、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した負極合材層未塗工部120cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例9では、捲回数B=14とした。すなわち、負極合材層未塗工部120cの全捲回数A=25のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第14周回までの負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した。これにより、本実施例9では、B/A=14/25=0.6となる。
【0080】
また、本実施例9では、実施例7の二次電池200と異なり、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(本実施例9では、第15周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例7の二次電池200と同様としている。
【0081】
(実施例10)
実施例10の二次電池は、実施例7の二次電池200と比較して、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した負極合材層未塗工部120cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例10では、捲回数B=12とした。すなわち、負極合材層未塗工部120cの全捲回数A=25のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第12周回までの負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した。これにより、本実施例10では、B/A=12/25=0.5となる。
【0082】
また、本実施例10では、実施例7の二次電池200と異なり、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(本実施例10では、第13周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例7の二次電池200と同様としている。
【0083】
(実施例11)
実施例11の二次電池は、実施例7の二次電池200と比較して、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(実施例7と同様に、第8周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を溶接していない点のみが異なっている。それ以外については、実施例7の二次電池200と同様としている。
【0084】
(実施例12)
実施例12の二次電池は、実施例7の二次電池200と比較して、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した負極合材層未塗工部120cの捲回数Bを変更した点が異なっている。具体的には、本実施例12では、捲回数B=5とした。すなわち、負極合材層未塗工部120cの全捲回数A=25のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第5周回までの負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接した。これにより、本実施例12では、B/A=5/25=0.2となる。
【0085】
また、本実施例12では、実施例7の二次電池200と異なり、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(本実施例12では、第6周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例7の二次電池200と同様としている。
【0086】
(実施例13)
実施例13の二次電池300は、実施例4の二次電池と比較して、負極合材層未塗工部120cと負極集電端子部材191(集電接続部191b)との溶接形態が異なっている。具体的には、本実施例13の二次電池300では、実施例10の二次電池と同様に、負極集電端子部材191の2つの集電接続部191bを、負極合材層未塗工部120cの外側未塗工部120gに溶接することなく、少なくとも内側未塗工部120fに溶接している。
【0087】
詳細には、負極合材層未塗工部120cの全捲回数A=25のうち、捲回電極体110の径方向に見て最も内側に位置する第1周回から第12周回までの負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接している。従って、本実施例13では、負極合材層未塗工部120cについて、B/A=12/25=0.5となる。なお、正極合材層未塗工部130cについては、実施例4と同様に、B/A=12/24=0.5となる。
【0088】
また、本実施例13では、実施例10の二次電池と同様に、負極合材層未塗工部120cの各周回のうち負極集電端子部材191(集電接続部191b)に溶接されていない周回(第13周回から第25周回まで)を構成する負極合材層未塗工部120c同士を溶接していない。
上記以外については、実施例4の二次電池と同様としている。
なお、本実施例13では、正極集電端子部材171と負極集電端子部材191の両方が、内側溶接集電端子に相当する。
【0089】
(比較例1)
比較例1の二次電池は、従来(例えば、特許文献1)と同様に、全周回(本比較例1では、第1周回から第24周回までの全て)の正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171の集電接続部171bの外側面に重ね合わせて、集電接続部171bに溶接している。それ以外については、実施例1の二次電池100と同様としている。従って、比較例1の二次電池では、負極合材層未塗工部120cについても、全周回(本比較例1では、第1周回から第25周回までの全て)を、負極集電端子部材191の集電接続部191bの外側面に重ね合わせて、集電接続部191bに溶接している。
【0090】
(サイクル充放電試験)
次に、実施例1〜13及び比較例1の二次電池についてサイクル充放電試験を行い、各々の二次電池について、サイクル充放電後の捲回電極体の温度を調査した。具体的には、捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を調査した。なお、捲回電極体の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を調査するため、各二次電池では、予め、捲回電極体の径方向内側部110fと径方向外側部110gとに、熱電対を配置している。
【0091】
まず、各々の二次電池について、25℃の温度環境下で、充放電サイクルを行った。具体的には、2.5Vの電池電圧値が4.2Vになるまで、5Cの一定電流値で充電を行う。次いで、10分間休止した後、4.2Vの電池電圧値が2.5Vになるまで、5Cの一定電流値で放電を行う。その後、10分間休止した。この充放電を1サイクルとして、各二次電池について2サイクルの充放電を行った。なお、各二次電池の定格容量は5.5Ahであるので、1C=5.5Aとなる。
【0092】
各々の二次電池について、2サイクルの充放電を終えた時点で、熱電対によって、捲回電極体の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度を測定し、その温度差(内外温度差という)を得た。これらの結果を図12に示す。
【0093】
(内部抵抗値の測定)
また、実施例1〜13及び比較例1の二次電池について、内部抵抗値(IV抵抗値)を測定した。具体的には、各々の二次電池について、SOC60%の状態に調整し、25℃の温度環境下で、1Cの一定電流値で、10秒間放電を行い、放電終了時の電池電圧値を測定した。さらに、放電電流値のみを、3C、5C、10Cと異ならせて、それ以外は上記と同様の条件で放電を行って、それぞれの放電電流値による10秒間放電終了時の電池電圧値を測定した。
【0094】
その後、各二次電池について、横軸を放電電流値、縦軸を放電終了時の電池電圧値とした座標平面に、上記の放電により得られたデータをプロットした。そして、各二次電池について、これらのプロットデータに基づいて、最小二乗法により近似直線(一次式)を算出した。その傾きを各二次電池の内部抵抗値(IV抵抗値)として得た。これらの結果を図12に示す。
【0095】
ここで、実施例1〜6と比較例1との結果について検討する。
実施例1〜6と比較例1とでは、負極合材層未塗工部120cと負極集電端子部材191(集電接続部191b)との溶接形態は同様であるが、正極合材層未塗工部130cと正極集電端子部材171(集電接続部171b)との溶接形態が異なっている(図12参照)。
【0096】
具体的には、比較例1では、全周回(第1周回から第24周回までの全て)の正極合材層未塗工部130cを、正極集電端子部材171の集電接続部171bの外側面に重ね合わせて、集電接続部171bに溶接している。これに対し、実施例1〜6では、正極集電端子部材171の集電接続部171bに、正極合材層未塗工部130cの外側未塗工部130gを溶接することなく、少なくとも内側未塗工部130fを溶接している点で異なっている。
【0097】
そこで、内外温度差(捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差)について検討する。比較例1では、内外温度差が10℃となった。これに対し、実施例1〜6では、内外温度差が4〜9℃となり、比較例1に比べて、内外温度差を低減することができた。
【0098】
その理由は、以下のように考えることができる。実施例1〜6では、内側未塗工部130fを正極集電端子部材171に溶接することで、捲回電極体110において相対的に温度が高くなる径方向内側部110fの熱を、内側未塗工部130fを通じて正極集電端子部材171へ伝達(放出)し易くなる。一方、外側未塗工部130gを正極集電端子部材171に溶接しないことで、相対的に温度が低くなる径方向外側部110gの熱が、正極集電端子部材171へ伝達(放出)し難くなる。
【0099】
その結果、捲回電極体110において、径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を低減することができたと考えられる。これにより、実施例1〜6の二次電池では、捲回電極体110の温度ムラが小さくなるので、充放電反応ムラを低減することができ、その結果、電池の寿命特性を向上させることができるといえる。
【0100】
一方、比較例1では、捲回電極体110の径方向外側部110gの熱も、外側未塗工部130gを通じて、径方向内側部110fと同様に、正極集電端子部材171へ伝達(放出)される。このため、捲回電極体110において、径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差は低減されなかったと考えられる。
【0101】
次に、実施例7〜12と比較例1との結果について検討する。
実施例7〜12と比較例1とでは、正極合材層未塗工部130cと正極集電端子部材171(集電接続部171b)との溶接形態は同様であるが、負極合材層未塗工部120cと負極集電端子部材191(集電接続部191b)との溶接形態が異なっている(図12参照)。
【0102】
具体的には、比較例1では、全周回(第1周回から第25周回までの全て)の負極合材層未塗工部120cを、負極集電端子部材191の集電接続部191bの外側面に重ね合わせて、集電接続部191bに溶接している。これに対し、実施例7〜12では、負極集電端子部材191の集電接続部191bに、負極合材層未塗工部120cの外側未塗工部120gを溶接することなく、少なくとも内側未塗工部120fを溶接している点で異なっている。
【0103】
そこで、内外温度差(捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差)について検討する。比較例1では、内外温度差が10℃となった。これに対し、実施例7〜12では、内外温度差が4〜9℃となり、比較例1に比べて、内外温度差を低減することができた。
【0104】
その理由は、以下のように考えることができる。実施例7〜12では、内側未塗工部120fを負極集電端子部材191に溶接することで、捲回電極体110において相対的に温度が高くなる径方向内側部110fの熱を、内側未塗工部120fを通じて負極集電端子部材191へ伝達(放出)し易くなる。一方、外側未塗工部120gを負極集電端子部材191に溶接しないことで、相対的に温度が低くなる径方向外側部110gの熱が、負極集電端子部材191へ伝達(放出)し難くなる。
【0105】
その結果、捲回電極体110において、径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を低減することができたと考えられる。これにより、実施例7〜12の二次電池では、捲回電極体110の温度ムラが小さくなるので、充放電反応ムラを低減することができ、その結果、電池の寿命特性を向上させることができるといえる。
【0106】
一方、比較例1では、捲回電極体110の径方向外側部110gの熱も、外側未塗工部120gを通じて、径方向内側部110fと同様に、負極集電端子部材191へ伝達(放出)される。このため、捲回電極体110において、径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差は低減されなかったと考えられる。
【0107】
次に、実施例13と比較例1との結果について検討する。
実施例13と比較例1とでは、正極合材層未塗工部130cと正極集電端子部材171(集電接続部171b)との溶接形態のみならず、負極合材層未塗工部120cと負極集電端子部材191(集電接続部191b)との溶接形態も異なっている(図12参照)。
【0108】
そこで、内外温度差(捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差)について検討する。比較例1では、内外温度差が10℃となったのに対し、実施例13では、内外温度差が4℃となり、比較例1に比べて、内外温度差を大きく低減することができた。その理由については、実施例1〜6及び実施例7〜12で述べた通りである。
【0109】
以上の結果より、正極集電端子部材171及び負極集電端子部材191のうち少なくとも一方の集電端子部材を、合材層未塗工部のうち捲回電極体110の径方向に見て外側に位置する外側未塗工部に溶接することなく、少なくとも、合材層未塗工部のうち捲回電極体の径方向に見て内側に位置する内側未塗工部に溶接することで、内外温度差(捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差)を低減することができるといえる。
【0110】
さらに、実施例1〜13及び比較例1の内外温度差について検討する。前述のように、実施例1〜13では、比較例1に比べて内外温度差を低減することができたが、このうち、内外温度差を比較例1(従来)の半分に低減できるのが、より好ましい形態であるといえる。比較例1では、内外温度差が10℃となったため、内外温度差を5℃以下にすることができた実施例が、より好ましい形態であるといえる。
【0111】
そこで、検討すると、実施例1,3〜5,7,9〜11,13において、内外温度差を5℃以下にすることができた。これらの二次電池では、いずれも、0.3≦B/A≦0.6の関係を満たしている。一方、内外温度差が5℃よりも高くなった実施形態2,6,8,12では、B/Aの値が、0.3より小さいか、0.6よりも大きくなっている。これらの結果より、0.3≦B/A≦0.6を満たすようにすることで、捲回電極体の径方向内側部と径方向外側部との温度差を、十分に低減することができるといえる。
【0112】
なお、B/Aが0.6よりも大きくなると、外側未塗工部に近い合材層未塗工部が集電端子部材に溶接されることになるので、捲回電極体110の径方向外側部110gの熱が集電端子部材に伝達されやすくなってゆく。このため、実施例2,8では、捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を低減することはできたが、その低減効果が小さくなったと考えられる。
【0113】
また、B/Aが0.3よりも小さくなると、内側未塗工部に集電が集中し、これが原因で、捲回電極体110の径方向内側部110fにおいて発熱量が増加すると考えられる。このため、実施例6,12では、径方向内側部110fの熱を内側未塗工部を通じて集電端子部材へ伝達(放出)することにより、捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を低減することはできたが、その低減量が小さくなったと考えられる。
【0114】
次に、電池内部抵抗について検討する。
実施例2〜6の内部抵抗値を比較すると、B/Aの値が小さくなるにしたがって、内部抵抗値が大きくなることがわかる。これは、B/Aの値を小さくすることにより、正極集電端子部材171と溶接される正極合材層未塗工部130cの捲回数(周回数)が減少するからである。換言すれば、正極集電端子部材171と溶接されない正極合材層未塗工部130cの捲回数(周回数)が増大することにより、その部位において集電経路が長くなり、その結果、内部抵抗が上昇すると考えられる。
【0115】
ところが、実施例1と実施例5とでは、B/Aの値が同一(共に0.3と小さい値)であるにも拘わらず、内部抵抗値が大きく異なっている。具体的には、実施例5では内部抵抗値が3.57mΩと大きくなったのに対し、実施例1では内部抵抗値が3.07mΩと小さくなった。
【0116】
その違いは、以下の理由によるものであると考えられる。すなわち、実施例5では、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171に溶接されていない周回(具体的には、第8周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を溶接していない。これに対し、実施例1では、正極合材層未塗工部130cの各周回のうち正極集電端子部材171に溶接されていない周回(具体的には、第8周回から第24周回まで)を構成する正極合材層未塗工部130c同士を、その厚み方向に重ね合わせて溶接している(図2参照)。
【0117】
このため、実施例1では、実施例5と異なり、正極集電端子部材171に溶接されていない周回(第8周回から第24周回まで)を構成する部位について、正極合材層未塗工部130c同士が溶接された溶接部を通じて、正極合材層未塗工部130cの厚み方向(図2において左右方向)に集電することができるので、集電経路を短くすることができる。従って、実施例1では、内部抵抗を小さくすることができたと考えられる。
また、実施例7と実施例11との結果からも、負極120側の集電について同様のことがいえる。
【0118】
以上の結果より、合材層未塗工部の各周回のうち集電端子部材に溶接されていない周回を構成する合材層未塗工部同士を溶接することで、電池内部抵抗を小さくすることができるといえる。
【0119】
(変形例1)
変形例1の二次電池400は、実施例1の二次電池100と比較して、正極集電端子部材及び負極集電端子部材の形状が異なり、その他については同様である(図10参照)。
具体的には、本変形例1では、正極集電端子部材471及び負極集電端子部材491を用いている(図11参照)。
【0120】
正極集電端子部材471は、図11に示すように、平板形状をなす集電接続部471bと、平板形状をなす外部端子接続部471cと、集電接続部471bと外部端子接続部471cとを連結する連結部471dとを有している。
【0121】
本変形例1の二次電池400でも、正極集電端子部材471の集電接続部471bを、正極合材層未塗工部130cの外側未塗工部130gに溶接することなく、少なくとも内側未塗工部130fに溶接している(図10参照)。詳細には、正極集電端子部材471の集電接続部471bを、内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの一部の周回に溶接している。より詳細には、集電接続部471bを、捲回された渦巻き状の正極合材層未塗工部130cの中心部に位置する空間内に挿入し、集電接続部471bの両側(図10において右側と左側)に位置する内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの一部の周回をなす正極集電部材138(アルミニウム箔)と溶接している。このようにして、正極集電端子部材471と内側未塗工部130f及び中間未塗工部130hの一部周回とを、正極合材層未塗工部130cの周方向の2カ所で溶接している。
【0122】
また、負極集電端子部材491は、図11に示すように、平板形状をなす集電接続部491bと、平板形状をなす外部端子接続部491cと、集電接続部491bと外部端子接続部491cとを連結する連結部491dとを有している。この負極集電端子部材491も、正極集電端子部材471と同様に、集電接続部491bを、負極合材層未塗工部120cの外側未塗工部120gに溶接することなく、少なくとも内側未塗工部120fに溶接している。
【0123】
このような変形例1の二次電池400でも、実施例1の二次電池100と同様に、捲回電極体110の径方向内側部110fと径方向外側部110gとの温度差を低減することができ、これにより、捲回電極体110の温度ムラを小さくすることができる。従って、本変形例1の二次電池400によれば、充放電反応ムラを低減することができ、その結果、電池の寿命特性を向上させることができる。
【0124】
以上において、本発明を実施例1〜13及び変形例1に即して説明したが、本発明は上記実施例等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【符号の説明】
【0125】
100,200,300,400 二次電池
110 捲回電極体
110f 捲回電極体の径方向内側部
110g 捲回電極体の径方向外側部
120 負極
120c 負極合材層未塗工部
120f 負極合材層未塗工部の内側未塗工部
120g 負極合材層未塗工部の外側未塗工部
121 負極合材層
127 負極活物質
128 負極集電部材
130 正極
130c 正極合材層未塗工部
130f 正極合材層未塗工部の内側未塗工部
130g 正極合材層未塗工部の外側未塗工部
131 正極合材層
137 正極活物質
138 正極集電部材
150 セパレータ
171 正極集電端子部材
191 負極集電端子部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも正極及び負極を捲回した捲回電極体と、
上記正極のうち上記捲回電極体の軸線方向一方端部の位置で捲回されてなる合材層未塗工部に溶接された正極集電端子部材と、
上記負極のうち上記捲回電極体の軸線方向他方端部の位置で捲回されてなる合材層未塗工部に溶接された負極集電端子部材と、を備える
二次電池であって、
上記正極集電端子部材及び上記負極集電端子部材のうち少なくとも一方の集電端子部材は、上記合材層未塗工部のうち上記捲回電極体の径方向に見て外側に位置する外側未塗工部に溶接されることなく、少なくとも、上記合材層未塗工部のうち上記捲回電極体の径方向に見て内側に位置する内側未塗工部に溶接されてなる
二次電池。
【請求項2】
請求項1に記載の二次電池であって、
前記正極集電端子部材及び前記負極集電端子部材のうち、前記外側未塗工部を溶接することなく、少なくとも前記内側未塗工部を溶接してなる集電端子部材、に溶接されている前記合材層未塗工部の捲回数をB、当該合材層未塗工部の総捲回数をAとすると、0.3≦B/A≦0.6の関係を満たす
二次電池。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の二次電池であって、
前記合材層未塗工部の各周回のうち前記集電端子部材に溶接されていない周回を構成する合材層未塗工部同士を、溶接してなる
二次電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−37936(P2013−37936A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−173884(P2011−173884)
【出願日】平成23年8月9日(2011.8.9)
【出願人】(000003207)トヨタ自動車株式会社 (59,920)
【Fターム(参考)】