説明

二環式インドリンスルホンアミド誘導体

本発明は、一般式(I)の新規二環式インドリンスルホンアミド誘導体、それらの製造方法、および医薬における、特に、心血管障害、特に異脂肪血症、動脈硬化症および冠動脈心疾患の予防および/または処置用の強力なPPARデルタのアゴニストとしてのそれらの使用に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本願は、新規二環式インドリンスルホンアミド誘導体、それらの製造方法、および医薬における、特に、心血管障害、特に異脂肪血症、動脈硬化症および冠動脈心疾患の予防および/または処置用の強力なPPAR−デルタ−活性化化合物としての、それらの使用に関する。
【0002】
多数の功を奏する治療にも関わらず、冠動脈心疾患(CHD)は、深刻な公衆衛生問題のままである。HMG−CoAリダクダーゼを阻害するスタチン類による処置は、非常に首尾良くLDLコレステロール血漿濃度を下げ、リスクのある患者の死亡率の有意な低下をもたらす;しかしながら、好ましくないHDL/LDLコレステロール比および/または高トリグリセリド血症を有する患者を治療するための確かな処置戦略は、今日まで依然として利用不可能である。
【0003】
現在、これらのリスク群の患者にとって、フィブラート類が唯一の治療選択肢である。それらは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)−アルファの弱いアゴニストとして作用する(Nature 1990, 347, 645-50)。今までに承認されたフィブラート類の欠点は、それらの受容体との相互作用が弱いものでしかなく、高い日用量を必要とし、かなりの副作用を引き起こすことである。
【0004】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)−デルタ(Mol. Endocrinol. 1992, 6, 1634-41)について、動物モデルにおける最初の薬理的知見は、強力なPPAR−デルタ−アゴニストが、同様にHDL/LDLコレステロール比および高トリグリセリド血症の改善を導き得ることを示している。
【0005】
WO00/23407は、肥満症、アテローム性動脈硬化症および/または糖尿病を処置するための、PPAR調節因子を開示している。WO93/15051およびEP636608−A1は、1−ベンゼンスルホニル−1,3−ジヒドロインドール−2−オン誘導体を、様々な障害の処置用のバソプレッシンおよび/またはオキシトシンアンタゴニストとして記載している。
【0006】
本発明の目的は、PPAR−デルタ調節因子としての使用に適する新規化合物を提供することであった。
【0007】
本発明は、一般式(I)
【化1】

式中、
は、フェニルを表すか、または、N、OおよびSからなる群からの2個までのヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらの基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシルにより置換されていてもよい)、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニル、カルボキシル、アミノ、(C−C)−アシルアミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群から選択される同一かまたは異なる置換基により各々一置換ないし三置換されていてもよく、
およびRは、同一かまたは異なり、相互に独立して水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、それらが結合している炭素原子と一緒になって3員ないし7員のスピロ結合したシクロアルキル環を形成し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、
およびRは、同一かまたは異なり、相互に独立して水素または(C−C)−アルキルを表し、
は、水素を表すか、または、対応するカルボン酸に分解され得る加水分解可能な基も表し、
nは、1または2の数を表す、
の化合物並びにそれらの塩、溶媒和物および塩の溶媒和物を提供する。
【0008】
本発明に関し、Rの定義において、加水分解可能な基は、特に体内で、対応するカルボン酸(R=水素)に変換される−C(O)OR基をもたらす基を意味する。そのような基は、例えば、そして好ましくは:ベンジル、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルであり、それらは各々ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノまたは(C−C)−アルカノイルオキシからなる群からの同一かまたは異なる置換基により一置換または多置換されていることもあるか、または、特に(C−C)−アルキルであり、これは、ハロゲン、ヒドロキシル、アミノ、(C−C)−アルコキシ、カルボキシル、(C−C)−アルコキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノまたは(C−C)−アルカノイルオキシからなる群からの同一かまたは異なる置換基により一置換または多置換されていることもある。
【0009】
本発明に関し、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−アルキルは、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルおよびtert−ブチル。
【0010】
本発明に関し、(C−C)−シクロアルキルは、3個ないし8個の炭素原子を有する単環式シクロアルキル基を表す。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル。
【0011】
本発明に関し、(C−C)−アルコキシおよび(C−C)−アルコキシは、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシおよびtert−ブトキシ。
【0012】
本発明に関し、(C−C)−アルコキシカルボニルおよび(C−C)−アルコキシカルボニルは、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシ基であって、カルボニル基を介して結合している基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルコキシカルボニル基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、n−プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニルおよびtert−ブトキシカルボニル。
【0013】
本発明に関し、(C−C)−アルコキシカルボニルアミノおよび(C−C)アルコキシカルボニルアミノは、アルコキシ基に各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有し、カルボニル基を介して結合している直鎖または分枝鎖のアルコキシカルボニル置換基を有するアミノ基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有するアルコキシカルボニルアミノ基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、n−プロポキシカルボニルアミノおよびtert−ブトキシカルボニルアミノ。
【0014】
本発明に関し、(C−C)−アルカノイルは、1位に二重結合した酸素原子を有し、1位を介して結合している、1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルカノイル基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:ホルミル、アセチル、プロピオニル、n−ブチリル、i−ブチリル、ピバロイルおよびn−ヘキサノイル。
【0015】
本発明に関し、(C−C)−アルカノイルオキシおよび(C−C)−アルカノイルオキシは、1位に二重結合した酸素原子を有し、1位でさらなる酸素原子を介して結合している、1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキル基を表す。1個ないし4個の炭素原子を有するアルカノイルオキシ基が好ましい。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:アセトキシ、プロピオンオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、ピバロイルオキシ、n−ヘキサノイルオキシ。
【0016】
本発明に関し、モノ−(C−C)−アルキルアミノおよびモノ−(C−C)−アルキルアミノは、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子の直鎖または分枝鎖のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のモノアルキルアミノ基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、イソプロピルアミノおよびtert−ブチルアミノ。
【0017】
本発明に関し、ジ−(C−C)−アルキルアミノおよびジ−(C−C)−アルキルアミノは、各々1個ないし6個および1個ないし4個の炭素原子を有する2個の同一かまたは異なる直鎖または分枝鎖のアルキル置換基を有するアミノ基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のジアルキルアミノ基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−n−プロピルアミノ、N−イソプロピル−N−n−プロピルアミノ、N−tert−ブチル−N−メチルアミノ、N−エチル−N−n−ペンチルアミノおよびN−n−ヘキシル−N−メチルアミノ。
【0018】
本発明に関し、(C−C)−アシルアミノは、1個ないし6個の炭素原子を有し、カルボニル基を介して結合している直鎖または分枝鎖のアルカノイル置換基を有するアミノ基を表す。好ましいのは、1個または2個の炭素原子を有するアシルアミノ基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:ホルムアミド、アセトアミド、プロピオンアミド、n−ブチルアミドおよびピバロイルアミド。
【0019】
本発明に関し、(C−C)−アルキルスルホニルは、1個ないし6個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルスルホニル基を表す。好ましいのは、1個ないし4個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖のアルキルスルホニル基である。以下の基は、例として、そして好ましいものとして言及し得る:メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、tert−ブチルスルホニル、n−ペンチルスルホニルおよびn−ヘキシルスルホニル。
【0020】
本発明に関し、N、OおよびSからなる群から2個までの同一かまたは異なるヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールは、環の炭素原子を介して、または、適するならばヘテロ芳香族の環の窒素原子を介して結合している、単環式芳香族性複素環(ヘテロ芳香族)を表す。言及し得る例は、フラニル、ピロリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルである。好ましいのは、2個までの窒素原子を有する5員または6員のヘテロアリール基、例えば、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニルである。
【0021】
本発明に関し、ハロゲンには、フッ素、塩素、臭素およびヨウ素が含まれる。好ましいのは、塩素またはフッ素である。
【0022】
置換パターン次第で、本発明の化合物は、像と鏡像のような(エナンチオマー)、または像と鏡像のようではない(ジアステレオマー)、立体異性体で存在できる。本発明は、エナンチオマーまたはジアステレオマーの両者、およびそれらの各々の混合物に関する。ラセミ体は、ジアステレオマーのように、既知のやり方で立体異性的に均一な成分に分離できる。
【0023】
さらに、ある種の化合物は、互変体で存在できる。これは当業者に知られており、そのような化合物は、同様に本発明の範囲に含まれる。
本発明の化合物は、塩として存在することもできる。本発明に関し、好ましいのは、生理的に許容し得る塩である。
【0024】
生理的に許容し得る塩は、本発明の化合物の無機または有機酸との塩であり得る。好ましいのは、例えば塩酸、臭化水素酸、リン酸もしくは硫酸などの無機酸との塩、または、例えば酢酸、プロピオン酸、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、安息香酸またはメタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸もしくはナフタレンジスルホン酸などの有機カルボン酸またはスルホン酸との塩である。
【0025】
生理的に許容し得る塩は、本発明の化合物の塩基との塩、例えば金属またはアンモニウム塩などであってもよい。好ましい例は、アルカリ金属塩(例えばナトリウム塩またはカリウム塩)、アルカリ土類金属塩(例えばマグネシウム塩またはカルシウム塩)、およびまたアンモニアまたは有機アミン(例えば、エチルアミン、ジ−もしくはトリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、モノエタノールアミン、ジ−またはトリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジメチルアミノエタノール、ジベンジルアミン、N−メチルモルホリン、ジヒドロアビエチルアミン、1−エフェンアミン(ephenamine)、メチルピペリジン、アルギニン、リジン、エチレンジアミンまたは2−フェニルエチルアミン)から誘導されるアンモニウム塩である。
【0026】
本発明の化合物は、それらの溶媒和物の形態、特にそれらの水和物の形態でも存在できる。
【0027】
好ましいのは、式中、
が、フェニルを表し、これは、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチルスルホニル、アセチル、プロピオニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アセチルアミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群から選択される同一かまたは異なる置換基により一置換または二置換されていてもよく、
およびRが、同一かまたは異なり、相互に独立して水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員または6員のスピロ結合したシクロアルキル環を形成し、
が、水素またはメチルを表し、
およびRが、同一かまたは異なり、相互に独立して水素またはメチルを表し、
が水素を表し、そして、
nが、1または2の数を表す、
一般式(I)の化合物である。
【0028】
特に好ましいのは、式中、
がフェニルを表し、これは、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される同一かまたは異なる置換基により一置換または二置換されていてもよく、
がメチルを表し、
がメチルを表すか、
または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロ結合したシクロペンタンまたはシクロヘキサン環を形成し、
が、水素またはメチルを表し、
およびRが、各々水素を表し、
が水素を表し、そして、
nが1または2の数を表す、
一般式(I)の化合物である。
【0029】
上記の一般的または好ましい基の定義は、式(I)の最終生成物、および、対応して、各場合で製造に必要とされる出発物質および中間体の、両方に適用される。
基の各々の組合せまたは好ましい組合せで示す個々の基の定義は、各々で示す基の組合せから独立して、任意の他の組合せの基の定義によっても置き換えられる。
ことさら特に好ましいのは、上述の好ましい範囲の2つまたはそれ以上の組合せである。
【0030】
特に重要なのは、式(I−A)
【化2】

式中、
は、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルにより置換されているフェニルを表し、そして、
nは、1または2の数を表す、
の化合物である。
【0031】
さらに、我々は、本発明の一般式(I)または(I−A)の化合物の製造方法を見出した。その方法は、式(II)
【化3】

(式中、R、RおよびRは、各々上記定義の通りであり、Yは、塩素または臭素を表す)
の化合物を、文献から分かる方法により、最初に式(III)
【化4】

(式中、Y、R、RおよびRは、各々上記定義の通りであり、PGは、適するアミノ保護基、好ましくは4−ニトロフェニルスルホニルを表す)
の化合物に変換し、次いで、これらの化合物を、カップリング反応で、式(IV)
【化5】

(式中、Rは上記定義の通りであり、Rは、水素またはメチルを表すか、または、両方の基が一緒になってCHCH−またはC(CH−C(CH−架橋を形成する)
の化合物と、不活性溶媒中、適するパラジウム触媒および塩基の存在下で反応させ、式(V)
【化6】

(式中、PG、R、R、RおよびRは、各々上記定義の通りである)
の化合物を得[例えば、W. Hahnfeld, M. Jung, Pharmazie 1994, 49, 18-20; idem, Liebigs Ann. Chem. 1994, 59-64 参照]、次いで保護基PGを、文献から分かる方法を使用して除去し、式(VI)
【化7】

(式中、R、R、RおよびRは、各々上記定義の通りである)
の化合物を得、次いでその化合物を、式(VII)
【化8】

(式中、R、Rおよびnは、各々上記定義の通りであり、Tは、ベンジルまたは(C−C)−アルキルを表す)
の化合物を使用して、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(VIII)
【化9】

(式中、n、T、R、R、R、R、RおよびRは、各々上記定義の通りである)
の化合物に変換し、次いで、式(VIII)の化合物を、酸または塩基で、または、Tがベンジルを表すならば、また水素化分解的に、対応する式(IX)
【化10】

(式中、n、R、R、R、R、RおよびRは、各々上記定義の通りである)
のカルボン酸に変換し、これらのカルボン酸(IX)を、適するならば、既知のエステル化方法を使用してさらに改変し、式(I)の化合物を得、
そして得られる式(IX)または(I)の化合物を、適するならば、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を使用して、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換する、
を特徴とする。
【0032】
工程(III)+(IV)→(V)のための不活性溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは鉱油画分などの炭化水素、または、ジメチルホルムアミド、アセトニトリルもしくは水などの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、トルエン、ジメチルホルムアミドまたはアセトニトリルである。
【0033】
工程(III)+(IV)→(V)に適する塩基は、常套の無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩、リン酸ナトリウムもしくはリン酸カリウムなどのアルカリ金属リン酸塩、または、ピリジン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリンもしくはN−メチルピペリジンなどの有機アミン類が含まれる。特に好ましいのは、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムまたはリン酸カリウムである。
ここで、塩基は、式(III)の化合物1モルをベースとして、1ないし5、好ましくは2ないし3モルの量で用いる。
【0034】
工程(III)+(IV)→(V)に適するパラジウム触媒は、好ましくは、例えば[1,1'−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセニル]パラジウム(II)クロリド、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリドもしくはテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの予め形成されて使用されるか、または、例えばビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)などの適するパラジウム供給源および適するホスフィン配位子からその場で生成し得る、パラジウム(0)またはパラジウム(II)化合物である。
【0035】
この反応は、一般的に、0℃ないし+150℃、好ましくは+20℃ないし+120℃の温度範囲で実行する。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実行できる(例えば0.5ないし5バール)。一般に、この反応は大気圧下で実行する。
【0036】
工程(VI)+(VII)→(VIII)のための不活性溶媒は、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタンもしくはトリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは鉱油画分などの炭化水素、または、ニトロメタン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリジノンもしくはピリジンなどの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、ジクロロメタンまたはテトラヒドロフランである。
【0037】
工程(VI)+(VII)→(VIII)に適する塩基は、常套の無機または有機塩基である。これらには、好ましくは、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物、またはピリジン、トリエチルアミン、エチルジイソプロピルアミン、N−メチルモルホリンもしくはN−メチルピペリジンなどの有機アミンが含まれる。特に好ましいのは、トリエチルアミン、ピリジンもしくはエチルジイソプロピルアミンなどのアミン塩基であり、適するならば触媒量(約10モル%)の4−N,N−ジメチルアミノピリジンまたは4−ピロリジノピリジンの存在下である。
ここで、塩基は、式(VII)の化合物1モルをベースとして、1ないし5、好ましくは1ないし2.5モルの量で用いる。
【0038】
この反応は、一般的に、−20℃ないし+100℃、好ましくは0℃ないし+75℃の温度範囲で実行する。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実行できる(例えば0.5ないし5バール)。一般に、この反応は大気圧下で実行する。
【0039】
工程(VIII)→(IX)のための不活性溶媒は、例えば、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンもしくはトリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは鉱油画分などの炭化水素、またはニトロメタン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリル、N−メチルピロリジノンもしくは水などの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。好ましいのは、メタノールもしくはエタノールなどのアルコール類、およびそれらのテトラヒドロフランとの混合物である。
【0040】
工程(VIII)→(IX)に適する塩基は、常套の無機塩基である。これらには、好ましくは、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムもしくは炭酸カルシウムなどのアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭酸塩が含まれる。特に好ましいのは、水酸化リチウムまたは水酸化ナトリウムである。
ここで、塩基は、式(VIII)の化合物1モルをベースとして、1ないし5、好ましくは1ないし3モルの量で用いる。
【0041】
工程(VIII)→(IX)に適する酸は、例えば塩酸もしくは硫酸などの常套の無機酸、または、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸もしくはトリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸、または、トリフルオロ酢酸などのカルボン酸である。
【0042】
この反応は、一般的に、−20℃ないし+100℃、好ましくは0℃ないし+30℃の温度範囲で実行する。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実行できる(例えば0.5ないし5バール)。一般に、この反応は大気圧下で実行する。
【0043】
式(II)の化合物は知られているか、または、文献から分かる方法と同様に製造でき、例えば、式(X)
【化11】

(式中、Yは上記定義の通りである)
の化合物を、酸またはルイス酸の存在下、適するならば不活性溶媒中、式(XI)
【化12】

(式中、R、RおよびRは、上記定義の通りである)
の化合物と反応させ、(XI)のRおよびRが両方とも水素ではない場合、式(XII)の化合物を得、(XI)のRが水素である場合、式(XIII)の化合物を得、
【化13】

(式中、YおよびRは、各々上記定義の通りである)、
次いで、式(XII)または(XIII)の化合物を、例えば、水素化ホウ素ナトリウムまたはシアノ水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素、水素化アルミニウムまたは水素化ケイ素を利用して、または、例えばレニーニッケルなどの適する触媒の存在下での水素化により、還元することによる[工程(X)+(XI)→(XII)→(II)について、例えば、P.E. Maligres, I. Houpis, K. Rossen, A. Molina, J. Sager, V. Upadhyay, K.M. Wells, R.A. Reamer, J.E. Lynch, D. Askin, R.P. Volante, P.J. Reider, Tetrahedron 1997, 53, 10983-10992 を参照]。
【0044】
工程(X)+(XI)→(XII)または(XIII)のための不活性溶媒は、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン、四塩化炭素、トリクロロエタン、テトラクロロエタン、1,2−ジクロロエタンもしくはトリクロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは鉱油画分などの炭化水素、または、アセトニトリルもしくは水などの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。この反応を溶媒の非存在下で実行することも可能である。Rが水素を表す場合、反応は、好ましくは溶媒の非存在下で実行し、生成物(XIII)を得、RおよびRが両方とも水素ではない場合、反応は、好ましくはトルエンおよびアセトニトリルの混合物中で実行し、生成物(XII)を得る。
【0045】
工程(X)+(XI)→(XII)または(XIII)に適する酸は、常套の無機または有機酸である。これらには、好ましくは、塩酸、硫酸もしくはリン酸、または蟻酸、酢酸もしくはトリフルオロ酢酸などのカルボン酸、または、トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸もしくはトリフルオロメタンスルホン酸などのスルホン酸が含まれる。あるいは、常套のルイス酸、例えば、三フッ化ホウ素、三塩化アルミニウムまたは塩化亜鉛も適する。ここで、酸は、式(X)の化合物1モルをベースとして、1ないし10モルの量で用いる。Rが水素を表す場合、反応は、好ましくは、塩化亜鉛1ないし2モルを使用して実行し、生成物(XIII)を得、RおよびRが両方とも水素ではない場合、反応は、好ましくは、トリフルオロ酢酸2ないし5モルを使用して実行し、生成物(XII)を得る。
【0046】
この反応は、一般的に、0℃ないし+250℃の温度範囲で実行する。Rが水素を表す場合、反応は、好ましくは+130℃ないし+200℃の温度範囲で実行し、生成物(XIII)を得、RおよびRが両方とも水素ではない場合、反応は、好ましくは0℃ないし+50℃の温度範囲で実行し、生成物(XII)を得る。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実行できる(例えば0.5ないし5バール)。一般に、この反応は大気圧下で実行する。
【0047】
工程(XII)または(XIII)→(II)に適する還元剤は、例えばボラン、ジボラン、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウムまたはトリエチルシランなどの水素化ホウ素、水素化アルミニウムまたは水素化ケイ素、適するならば、例えば酢酸、トリフルオロ酢酸、三塩化アルミニウムまたは三フッ化ホウ素などの酸またはルイス酸の存在下であり、または、例えばパラジウム/炭素、酸化白金またはレニーニッケルなどの適する触媒の存在下での水素による水素化である。式(XIII)の化合物について、好ましいのは、シアノ水素化ホウ素ナトリウムを使用する還元である;式(XII)の化合物について、好ましいのは、水素化ホウ素ナトリウムを使用するものである。
【0048】
工程(XII)または(XIII)→(II)に適する溶媒は、例えば、ジエチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、グリコールジメチルエーテルもしくはジエチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールもしくはtert−ブタノールなどのアルコール類、または、ベンゼン、キシレン、トルエン、ヘキサン、シクロヘキサンもしくは鉱油画分などの炭化水素、または、アセトニトリル、酢酸もしくは水などの他の溶媒である。上述の溶媒の混合物を使用することも可能である。式(XIII)の化合物の還元について、好ましいのは、酢酸を使用することであり、その大過剰量が、酸として還元剤に添加され、同時に溶媒として働く。一般式(XII)の化合物の還元について、好ましいのは、1:1ないし1:10の比のメタノールおよびトルエン/アセトニトリルの混合物を使用することである[反応(X)→(XII)から、トリフルオロ酢酸2ないし5モルを添加する]。
【0049】
この反応は、一般的に、−20℃ないし+100℃、好ましくは−10℃ないし+50℃の温度範囲で実行する。この反応は、大気圧、加圧または減圧下で実行できる(例えば0.5ないし5バール)。一般に、この反応は大気圧下で実行する。
【0050】
式(VII)の化合物は、知られているか、または、文献から分かる方法と同様に製造でき、例えば、最初に式(XIV)
【化14】

(式中、nは上記定義の通りである)
の化合物を、ウィティッヒ(Wittig)またはウィティッヒ−ホルナー(Horner)反応 [例えば、J. Heterocycl. Chem. 1986, 747; J. Org. Chem. 1991, 6717参照]で、または、亜鉛オルガニル化合物 [例えば、J. Amer. Chem. Soc. 1958, 4360参照]を介して、式(XV)
【化15】

(式中、R、nおよびTは、各々上記定義の通りである)
の化合物に変換し、次いでこれを、例えばパラジウム/活性炭などの適する触媒の存在下で水素化し、式(XVI)
【化16】

(式中、R、nおよびTは、各々上記定義の通りである)
の化合物を得、最後にクロロスルホン酸と反応させることによる[例えば、P.D. Edwards, R.C. Mauger, K.M. Cottrell, F.X. Morris, K.K. Pine, M.A. Sylvester, C.W. Scott, S.T. Furlong, Bioorg. Med. Chem. Lett. 2000, 10, 2291-2294参照]。
【0051】
式(IV)、(X)、(XI)および(XIV)の化合物は、購入できるか、文献から分かるか、または、文献から分かる方法と同様に製造できる。
【0052】
本発明の方法を、下記反応スキーム1および2により例示説明できる:
スキーム1
【化17】

【0053】
スキーム2
【化18】

【0054】
本発明の式(I)の化合物は、驚くべき、有用な薬理活性のスペクトルを有し、従って、多用途の医薬として使用できる。特に、それらは、冠動脈心疾患の処置に、心筋梗塞の予防に、そして冠動脈形成術またはステント術後の再狭窄の処置に適する。本発明の式(I)の化合物は、好ましくは、動脈硬化症および高コレステロール血症の処置に、病的に低いHDLレベルの上昇に、そして高いトリグリセリドおよびLDLレベルの低下に適する。加えて、それらは、肥満症、糖尿病の処置に、代謝症候群(グルコース不耐性、高インシュリン血症、異脂肪血症およびインシュリン抵抗性による高血圧)、肝線維症および癌の処置に使用できる。
【0055】
新規活性化合物は、単独で、または、必要であれば、好ましくはCETP阻害剤、抗糖尿病剤、抗酸化剤、細胞分裂阻害剤、カルシウムアンタゴニスト、降圧剤、甲状腺ホルモンおよび/または甲状腺模倣物(thyroid mimetic)、HMG−CoAリダクダーゼ阻害剤、HMG−CoAリダクダーゼ発現阻害剤、スクアレン合成阻害剤、ACAT阻害剤、灌流促進剤、血小板凝集阻害剤、抗凝血剤、アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、コレステロール吸収阻害剤、MTP阻害剤、アルドラーゼリダクダーゼ阻害剤、フィブラート類、ナイアシン、食欲低下剤、リパーゼ阻害剤およびPPAR−αおよび/またはPPAR−γアゴニストの群からの他の活性化合物と組み合わせて、投与できる。
【0056】
本発明の化合物の活性は、例えば、インビトロで実験の部に記載のトランス活性化アッセイにより調べることができる。
本発明の化合物のインビボでの活性は、例えば、実験の部に記載の試験により調べることができる。
【0057】
一般式(I)の化合物の投与に適する投与形は、全ての常套の投与形、即ち、経口、非経腸、吸入、鼻腔、舌下、直腸、例えば経皮などの外用、または例えばインプラントもしくはステントの場合のような局所である。非経腸投与の場合、静脈内、筋肉内および皮下投与、例えば皮下デポーとして、に特に言及しなければならない。好ましいのは、経口または非経腸投与である。ことさら特に好ましいのは、経口投与である。
【0058】
ここで、活性化合物は、単独で、または、製剤の形態で、投与できる。経口投与に適する製剤は、なかんずく、錠剤、カプセル剤、ペレット剤、糖衣錠剤、丸剤、顆粒剤、固体および液体エアゾル剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤および液剤である。ここで、活性化合物は、治療効果が得られるような量で存在しなければならない。一般に、活性化合物は、0.1ないし100重量%、特に0.5ないし90重量%、好ましくは5ないし80重量%の濃度で存在できる。特に、活性化合物の濃度は、0.5ないし90重量%であるべきである。即ち、活性化合物は、上述の用量範囲に達するのに十分な量で存在すべきである。
【0059】
そのために、活性化合物は、それ自体既知のやり方で常套の製剤に変換できる。これは、不活性、非毒性、医薬的に許容し得る担体、補助剤、溶媒、媒体、乳化剤および/または分散剤を使用して実行する。
【0060】
言及し得る補助剤は、例えば:水、非毒性の有機溶媒、例えば、パラフィン、植物油(例えばゴマ油)、アルコール類(例えばエタノール、グリセロール)、グリコール類(例えばポリエチレングリコール)、固体担体、例えば天然または合成土壌鉱物(ground mineral)(例えばタルクまたはケイ酸塩)、糖(例えばラクトース)、乳化剤、分散剤(例えばポリビニルピロリドン)および潤滑剤(glidant)(例えば硫酸マグネシウム)である。
【0061】
経口投与の場合、錠剤は、当然、スターチ、ゼラチンなどの添加物と一緒に、クエン酸ナトリウムなどの添加物も含有し得る。経口投与用の水性製剤は、さらに、風味改良剤または着色剤を含み得る。
【0062】
経口投与の場合、24時間につき、0.001ないし5mg/体重kg、好ましくは0.005ないし3mg/体重kgの用量を投与するのが好ましい。
【0063】
下記の実施例は、本発明を例示説明する。本発明はこれらの実施例に限定されない。
下記の試験および実施例におけるパーセントは、特記しない限り、重量パーセントである;部は、重量部である。液体/液体溶液の溶媒比、希釈比および濃度は、各場合で体積をベースとする。
【0064】
A.実施例
使用する略号:
【表1】

【0065】
GC−MSの方法:
器具: Micromass GCT, GC6890;カラム:Restek RTX-35MS, 30 m x 250 μm x 0.25 μm;ヘリウムの一定流速:0.88ml/分;オーブン:60℃;入口:250℃;勾配:60℃(0.30分間維持)、50℃/分→120℃、16℃/分→250℃、30℃/分→300℃(1.7分間維持)。
【0066】
実施例:
実施例1
[7−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル]酢酸
【化19】

【0067】
段階a):
5−ブロモ−3,3−ジメチルインドリン
【化20】

トルエン/アセトニトリル(49:1)混合物45mlに、アルゴンを5分間フラッシュし、次いで、4−ブロモフェニルヒドラジン3.00g(13.4mmol)を添加する。次いで、トリフルオロ酢酸3.71ml(48.1mmol)をゆっくりと添加し、確実に温度が35℃を超えないようにする。その後、温度を35℃で維持し、トルエン/アセトニトリル(49:1)4ml中のイソ−ブチルアルデヒド1.05g(14.6mmol)の溶液をゆっくりと滴下して添加する。混合物を35℃で4時間、室温で2時間撹拌する。次いで、混合物を−10℃に冷却し、メタノール4.0mlを添加し、固体の水素化ホウ素ナトリウム819mg(21.7mmol)を少しずつ30分間かけて添加する。添加中に、温度は−2℃を超えてはならない。添加終了後、混合物を0℃で1時間撹拌する。6重量%強度のアンモニア水溶液150mlの添加後、相を分離し、各々1.5mlのアセトニトリルおよびメタノールを有機相に添加する。次いで、有機相を15%強度の塩化ナトリウム水溶液150mlで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させる。混合物をシリカゲル100gを通して濾過し、シリカゲルを各回200mlのジエチルエーテルで2回洗浄する。有機濾液を減圧下で濃縮し、シリカゲル100gでクロマトグラフィーする。最初に、シクロヘキサンで副生成物を溶離し、その後シクロヘキサン/ジエチルエーテル(20:1)混合物を使用して生成物を溶離する。これにより、生成物1.78g(理論値の54%)を油状物として得る。
(石油エーテル/酢酸エチル5:1)=0.47
MS(ESIpos):m/z=226[M+H]
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 1.20 (s, 6H), 3.18 (d, 2H), 5.66 (broad s, 1H), 6.42 (d, 1H), 7.02 (dd, 1H), 7.10 (d, 1H).
【0068】
段階b):
5−ブロモ−3,3−ジメチル−1−(4−ニトロフェニルスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インドール
【化21】

段階a)のブロモインドリン17g(75.18mmol)、トリエチルアミン5.22g(150.37mmol)およびDMAP0.46g(3.76mmol)を、ジクロロメタン100mlに溶解し、5−10℃に冷却する。ジクロロメタン150ml中の4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド17.5g(78.94mmol)の溶液を滴下して添加し、混合物をRTで16時間撹拌する。混合物を2M塩酸、水および飽和塩化ナトリウム溶液で各々1回ずつ洗浄し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒を除去し、生成物31g(理論値の98%)を黄色固体として得る。
MS(CI):m/z=430[M+NH
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 8.32 (d, 2H), 8.0 (d, 2H), 7.51 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.15 (d, 1H), 3.66 (s, 2H), 1.13 (s, 6H).
【0069】
段階c):
3,3−ジメチル−1−(4−ニトロフェニルスルホニル)−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール
【化22】

段階b)の保護ブロモインドリン31g(75.38mmol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸21.47g(113.06mmol)および炭酸カリウム15.63g(113.06mmol)を、トルエン500mlに懸濁する。30分間、アルゴンを溶液に通し、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)1.74g(1.51mmol)を添加する。混合物を還流下で16時間加熱し、次いで冷却し、約1000mlのカラムを通してシリカゲル60で濾過する。最初にシクロヘキサン約1.5lを使用し、次いでジクロロメタン約2lを使用して、溶離を実行する。ジクロロメタン相を濃縮する。これにより、生成物30g(理論値の84%)を黄色固体として得る。
MS(EI):m/z=475.9[M]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 8.32 (d, 2H), 8.05 (d, 2H), 7.71 (d, 1H), 7.66 (d, 2H), 7.61 (d, 2H), 7.46 (dd, 1H), 7.26 (s, 1H), 3.73 (s, 2H), 1.21 (s, 6H).
【0070】
段階d):
3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール
【化23】

RTで、段階c)のインドリン誘導体68g(142.72mmol)を、水酸化ナトリウム25.12g(0.628mol)と一緒に、最初にDMF300mlに加える。チオ酢酸28.92g(0.314mol)を迅速に滴下して添加し、反応混合物を45℃で5時間加熱する。酢酸エチル1000mlを添加し、混合物を炭酸ナトリウム溶液で2回、飽和塩化ナトリウム溶液で1回洗浄する。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮する。残渣を、シリカゲル60(1kg)を通して、移動相シクロヘキサン/酢酸エチル(7:1)を使用して濾過する。これにより、生成物27.1g(理論値の61%)を淡黄色固体として得る。
MS(EI):m/z=292.1[M]
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 7.62 (s, 4H), 7.31 (d, 1H), 7.27 (m, 2H), 6.69 (d, 1H), 3.39 (s, 2H), 1.36 (s, 6H).
【0071】
段階e):
エチル3,4−ジヒドロ−1(2H)−ナフタレニリデンエタノエート
【化24】

ナトリウムエトキシド13g(40.22mmol)を、最初に100mlの丸底フラスコに入れ、トリエチルホスホノアセテート6.7ml(33.5mmol)を滴下して添加する。無水エタノール10mlを添加し、5分間撹拌した後、1−テトラロン5g(33.5mmol)を、ゆっくりと滴下して10分間かけて添加する。暗茶色の溶液を還流下で18時間加熱する。溶媒を完全に除去し、残渣をシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィー(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル30+1→7+1)により精製する。依然として1−テトラロンが僅かに混入している得られる生成物(E/Z異性体混合物)を、これ以上精製せずに下記のやり方で水素化する。
【0072】
段階f):
エチル1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニルアセテート
【化25】

段階e)の不飽和エステル4.2g(19.4mmol)を、エタノール300mlに溶解し、パラジウム/活性炭(10%)2gを添加し、混合物を水素圧3バールで4時間水素化する。触媒を濾過し、溶媒を除去する。油真空ポンプ(oil pump vacuum)下で残渣を分留に付し、画分をGC−MSにより分析する。160−170℃および約1ミリバールで留出する画分は、所望の生成物99%の含有量である。
収量:0.7g(理論値の17%)
GC−MS(CI):m/z=219[M+H]
1H-NMR (200 MHz, DMSO-d6): δ = 7.18-6.99 (m, 4H), 4.09 (q, 2H), 3.20 (m, 1H), 2.75-2.65 (m, 2H), 2.53-2.40 (m, 2H), 1.85-1.54 (m, 4H), 1.89 (t, 3H).
【0073】
段階g):
エチル[7−(クロロスルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル]アセテート
【化26】

0℃で、段階f)のテトラヒドロナフタレン誘導体393mg(1.787mmol)を、最初にトリクロロメタン13mlに入れ、クロロスルホン酸831mg(7.13mmol)を滴下して添加する。混合物をRTで3時間撹拌し、次いで氷を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を完全に除去する。得られる粗生成物を、これ以上精製せずに次の段階で使用する。
収量:292mg(理論値の52%)
MS(DCI,NH):m/z=333[M+NH+NH
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 7.69 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.12 (d, 1H), 4.14 (q, 2H), 3.33-3.24 (m, 1H), 2.89-2.48 (m, 4H), 1.90-1.65 (m, 4H), 1.24 (t, 3H).
【0074】
段階h):
エチル[7−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル]アセテート
【化27】

段階d)のインドリン誘導体94mg(0.324mmol)を、最初にジクロロメタン3mlに入れる。トリエチルアミン0.052ml(0.65mmol)およびDMAP4mg(0.032mmol)を添加する。RTで、ジクロロメタン2ml中の段階g)の塩化スルホニル113mg(0.357mmol)の溶液を、ゆっくりと滴下して添加し、混合物をRTで5時間撹拌する。溶媒を完全に除去し、残渣を分取HPLCにより精製する。生成物を黄色固体として単離する。
収量:129mg(理論値の63%)
MS(DCI,NH):m/z=589[M+NH
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ = 7.70 (d, 1H), 7.66-7.61 (m, 4H), 7.56 (d, 1H), 7.45 (d, 1H), 7.23 (s, 2H), 7.15 (d, 1H), 4.13 (m, 2H), 3.68 (q, 2H), 3.34 (m, 1H), 2.82-2.72 (m, 2H), 2.54-2.41 (m, 2H), 1.93-1.62 (m, 4H), 1.24 (t, 3H), 1.23 (s, 3H), 1.17 (s, 3H).
【0075】
段階i):
[7−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレニル]酢酸
【化28】

段階h)のエステル誘導体100mg(0.175mmol)を、THF1mlおよびメタノール1mlに溶解し、次いで、水0.4ml中の水酸化リチウム8.4mg(0.35mmol)の溶液を添加する。混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで、冷却した溶液を、1M塩酸を使用してpH5に合わせる。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を完全に除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:45mg(理論値の38%)
MS(DCI,NH):m/z=561[M+NH
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 12.27 (broad s, 1H), 7.83 (d, 2H), 7.75 (d, 2H), 7.72 (d, 1H), 7.61-7.50 (m, 4H), 7.26 (d, 1H), 3.71 (s, 2H), 3.22 (m, 1H), 2.73 (dd, 2H), 2.57-2.34 (m, 2H), 1.88-1.53 (m, 4H), 1.15 (s, 6H).
【0076】
実施例2
[6−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]酢酸
【化29】

【0077】
段階a):
エチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イリデンエタノエート
【化30】

100mlの丸底フラスコ中で、トリエチルホスホノアセテート19.9g(88.9mmol)を最初にTHF30mlに加え、水素化ナトリウム(鉱油中60%)3.9g(97.9mmol)を少しずつ添加する。添加中に、温度は30℃を超えるべきではない。添加終了後、混合物を10分間撹拌し、次いで1−インダノン4g(29.7mmol)を添加する。溶液を還流下で18時間加熱する。冷却後、水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした有機相を塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル1+0→10+1)。これにより、生成物5.53g(理論値の70%)(E/Z異性体の混合物として)を得る。これは、GC−MSによると、純度約76%である。
MS(DCI,NH):m/z=220[M+NH
【0078】
段階b):
エチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イルアセテート
【化31】

実施例1、段階f)の操作と同様に、段階a)の不飽和エステル1.88g(9.34mmol)を10%パラジウム/炭素の存在下で水素化する。
収量:1.84g(理論値の90%)
GC−MS(CI):m/z=222[M+NH
1H-NMR (200 MHz, CDCl3): δ = 7.35-7.09 (m, 4H), 4.18 (q, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.0-2.70 (m, 3H), 2.50-2.30 (m, 2H), 1.85-1.65 (m, 1H), 1.28 (t, 3H).
【0079】
段階c):
エチル[6−(クロロスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]アセテート
【化32】

クロロスルホン酸1.4g(12.24mmol)を、最初にクロロホルム15mlに加え、70℃に加熱する。この温度で、段階b)のインダン誘導体500mg(2.45mmol)の溶液を滴下して添加し、混合物を30分撹拌する。冷却後、水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした有機相を硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒の除去後、粗生成物をこれ以上精製せずにスルホンアミドの形成に使用する。
収量:437mg(理論値の59%)
MS(DCI,NH):m/z=320[M+NH
【0080】
段階d):
エチル[6−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]アセテート
【化33】

RTで、実施例1、段階d)のインドリン誘導体44mg(0.15mmol)を、無水ジクロロメタン2mlに溶解し、トリエチルアミン0.024ml(0.3mmol)およびDMAP1.8mg(0.015mmol)を添加する。ジクロロメタン2ml中の段階c)の塩化スルホニル50mg(0.165mmol)の溶液を滴下して添加し、混合物をRTで24時間撹拌する。水および酢酸エチルを添加し、水相を酢酸エチルで3回再抽出する。一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を除去する。残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:17mg(理論値の20%)
MS(ESIpos):m/z=558[M+H]
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ = 7.73-7.59 (m, 7H), 7.44 (d, 1H), 7.32-7.20 (m, 2H), 4.15 (q, 2H), 3.69 (s, 2H), 3.59 (m, 1H), 3.02-2.82 (m, 2H), 2.70 (dd, 1H), 2.45-2.33 (m, 2H), 1.76 (m, 1H), 1.26 (t, 3H), 1.21 (s, 3H), 1.20 (s, 3H).
【0081】
段階e):
[6−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−1−イル]酢酸
【化34】

段階d)のエステル誘導体16mg(0.029mmol)を、THF0.5mlおよびメタノール0.5mlに溶解し、次いで、水0.1ml中の水酸化リチウム2mg(0.08mmol)の溶液を添加する。混合物を50℃で1時間撹拌し、次いで、冷却した溶液を、1M塩酸を使用してpH5に合わせる。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を完全に除去する。
収量:14mg(理論値の91%)
MS(DCI,NH):m/z=547[M+NH
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 7.74-7.57 (m, 7H), 7.45 (dd, 1H), 7.33-7.21 (m, 2H), 3.70 (d, 2H), 3.62 (m, 1H), 3.0-2.88 (m, 2H), 2.73 (dd, 1H), 2.52-2.40 (m, 2H), 1.81 (m, 1H), 1.22 (s, 3H), 1.18 (s, 3H).
【0082】
実施例3
[5−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]酢酸
【化35】

【0083】
段階a):
エチル1,3−ジヒドロ−2H−インデン−2−イリデンアセテート
【化36】

丸底フラスコ100ml中で、トリエチルホスホノアセテート31.2g(136.2mmol)を、最初にTHF225mlに加え、水素化ナトリウム(鉱油中60%)5.99g(149.8mmol)を少しずつ添加する。添加中に、温度は30℃を超えるべきではない。添加終了後、混合物を10分間撹拌し、次いで、2−インダノン6g(45.4mmol)を添加する。溶液を還流下で18時間加熱する。冷却後、水を添加し、混合物を酢酸エチルで3回抽出する。一緒にした有機相を塩化ナトリウム溶液で1回洗浄し、次いで硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、粗生成物をシリカゲルでクロマトグラフィーする(移動相:シクロヘキサン/酢酸エチル10+1)。
収量:2.83g(理論値の24%)
MS(EIpos):m/z=202[M]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 7.39 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 7.22 (m, 1H), 7.14 (dt, 1H), 6.69 (s, 1H), 4.17 (q, 2H), 3.51 (s, 2H), 3.45 (s, 2H), 1.28 (t, 3H).
【0084】
段階b):
エチル2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イルアセテート
【化37】

実施例1、段階f)の操作と同様に、段階a)の不飽和エステル2.83g(14mmol)を、10%パラジウム/炭素の存在下で水素化する。
収量:2.66g(理論値の93%)
MS(EIpos):m/z=204[M]
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 7.22-7.09 (m, 4H), 4.15 (q, 2H), 3.13 (dd, 2H), 2.89 (quin, 1H), 2.65 (dd, 2H), 2.48 (d, 2H), 1.27 (t, 3H).
【0085】
段階c):
エチル[5−(クロロスルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アセテート
【化38】

0℃で、段階b)のインダン誘導体2.65g(12.97mmol)を、最初にトリクロロメタンに加え、クロロスルホン酸15.12g(0.137mol)をゆっくりと滴下して添加する。反応混合物をRTで2時間撹拌し、次いで氷に注ぐ。混合物を酢酸エチルで3回抽出し、一緒にした有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させる。溶媒の除去後、粗生成物をこれ以上精製せずにスルホンアミドの形成に使用する。
収量:3.56g(理論値の55%)
MS(DCI,NH):m/z=320[M+NH
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 7.22-7.09 (m, 3H), 4.15 (q, 2H), 3.13 (dd, 2H), 2.89 (quin, 1H), 2.65 (dd, 2H), 2.48 (d, 2H), 1.27 (t, 3H).
【0086】
段階d):
エチル[5−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]アセテート
【化39】

実施例2、段階d)の操作と同様に、表題化合物120mg(理論値の40%)を、実施例1、段階d)のインドリン誘導体150mg(0.515mmol)から、段階c)の塩化スルホニル311mg(1.03mmol)との反応により製造する。
MS(DCI,NH):m/z=575[M+NH
1H-NMR (300 MHz, CDCl3): δ = 7.72-7.58 (m, 7H), 7.43 (dd, 1H), 7.28-7.22 (m, 2H), 4.12 (q, 2H), 3.70 (s, 2H), 3.15 (dd, 2H), 2.90 (quin, 1H), 2.66 (dd, 2H), 2.45 (d, 2H), 1.26 (s, 3H), 1.25 (s, 3H), 1.23 (t, 3H).
【0087】
段階e):
[5−({3,3−ジメチル−5−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル}スルホニル)−2,3−ジヒドロ−1H−インデン−2−イル]酢酸
【化40】

段階d)のエステル誘導体100mg(0.179mmol)を、THF5mlおよびメタノール5mlに溶解し、次いで、水1ml中の水酸化リチウム9mg(0.359mmol)の溶液を添加する。混合物を50℃で16時間撹拌し、次いで、冷却した溶液を、2M塩酸を使用してpH5に合わせる。溶媒を完全に除去し、残渣を分取HPLCにより精製する。
収量:90mg(理論値の95%)
1H-NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ = 12.06 (broad s, 1H), 7.85 (d, 2H), 7.76 (d, 2H), 7.72 (s, 1H), 7.66-7.52 (m, 4H), 7.39 (d, 1H), 3.71 (s, 2H), 3.09 (m, 2H), 2.77-2.59 (m, 3H), 2.37 (d, 2H), 1.99 (s, 6H).
【0088】
B.生理活性の評価
実施例A
細胞のトランス活性化アッセイ:
試験原理:
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体デルタ(PPAR−デルタ)の活性化剤を同定するために、細胞アッセイを使用する。
哺乳動物の細胞は、様々な内在性核受容体を含有し、それは結果の明白な解釈を面倒にし得るので、ヒトPPARδ受容体のリガンド結合ドメインが、酵母の転写因子GAL4のDNA結合ドメインに融合されている、確立されたキメラ系を使用する。その結果のGAL4−PPARδキメラを、レポーターコンストラクトを有するCHO細胞に共形質移入し、安定に発現させる。
【0089】
クローニング:
GAL4−PPARδ発現コンストラクトは、PCRで増幅し、ベクターpcDNA3.1にクローニングしたPPARδのリガンド結合ドメイン(アミノ酸414−1326)を含有する。このベクターは、既にベクターpFC2−dbd(Stratagene)のGAL4DNA結合ドメイン(アミノ酸1−147)を含有している。チミジンキナーゼプロモーターの上流に5個のGAL4結合部位のコピーを含有するレポーターコンストラクトは、GAL4−PPARδの活性化および結合に続き、ホタルのルシフェラーゼ(フォチナス・ピラリス(Photinus pyralis))を発現する。
【0090】
トランス活性化アッセイ(ルシフェラーゼレポーター):
CHO(チャイニーズハムルター卵巣)細胞を、2.5%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン(GIBCO)を添加したCHO−A−SFM培地(GIBCO)中、ウェル当たり2x10細胞の細胞密度で、384−ウェルプレート(Greiner)に播く。細胞を37℃で48時間培養し、次いで刺激する。このために、試験しようとする物質を上述の培地に取り、細胞に添加する。24時間の刺激時間の後、ビデオカメラを使用してルシフェラーゼ活性を測定する。測定される相対的光量単位は、物質濃度の関数として、S字状刺激曲線をもたらす。コンピュータープログラム GraphPad PRISM (Version 3.02)を使用して、EC50値を算出する。
この試験では、実施例1−3は、10ないし100nMの範囲のEC50値を示す。
【0091】
実施例B
ヒトApoA1遺伝子(hApoA1)を形質移入されたトランスジェニックマウスの血清中のHDLコレステロール(HDL−C)濃度を高める、かつ/または、脂肪ob,obマウスの代謝症候群に効果があり、それらの血中グルコース濃度を低下させる、薬理的に活性な物質を見出すための試験の説明:
【0092】
インビボでHDL−C−増加活性を調べようとする物質を、オスのトランスジェニックhApoA1マウスに経口投与する。実験開始1日前に、一般的にはn=7−10の同数の動物の群に動物を無作為に分ける。実験中ずっと、動物は飲料水および餌を自由に摂る。1日1回、7日間にわたり物質を経口投与する。このために、試験物質を、1+1+8の比の Solutol HS 15+エタノール+塩水(0.9%)の溶液または2+8の比の Solutol HS 15+塩水(0.9%)の溶液に溶解する。溶解した物質を、胃管を使用して10ml/体重kgの量で投与する。全く同じやり方で処置し、しかし試験物質を用いずに溶媒(10ml/体重kg)のみを与えた動物は、対照群として役立つ。
【0093】
最初の物質投与に先立ち、各マウスからの血液サンプルを、後眼窩静脈叢(retroorbital venous plexus)の穿刺により採取し、ApoA1、血清コレステロール、HDL−Cおよび血清トリグリセリド(TG)を測定する(ゼロ値)。その後、胃管を使用して、初めて試験物質を動物に投与する。最後の物質投与の24時間後(即ち、処置開始8日後)、もう1つの血液サンプルを後眼窩静脈叢の穿刺により各動物から採取し、同じパラメーターを測定する。血液サンプルを遠心分離し、血清を得た後、コレステロールおよびTGを、EPOS Analyzer 5060 (Eppendorf-Geraetebau, Netheler & Hinz GmbH, Hamburg)を使用して、測光法で測定する。該測定は、市販の酵素試験(Boehringer Mannheim, Mannheim)を使用して実行する。
【0094】
HDL−Cを測定するために、非−HDL−C画分を、0.2Mグリシンバッファー(pH10)中の20%PEG8000を使用して沈殿させる。上清から、96ウェルプレート中で、市販の試薬(Ecoline 25, Merck, Darmstadt)を使用してコレステロールをUV測光法により測定する(BIO-TEK Instruments, USA)。
【0095】
ヒトマウス−ApoA1を、ポリクローナル抗−ヒト−ApoA1抗体およびモノクローナル抗−ヒト−ApoA1抗体(Biodesign International, USA)を使用して、サンドイッチELISA法で測定する。定量は、ペルオキシダーゼ−結合抗−マウス−IGG抗体(KPL, USA)およびペルオキシダーゼ基質(KPL, USA)を使用して、UV測光法(BIO-TEK Instruments, USA)により実行する。
【0096】
HDL−C濃度に対する試験物質の効果を、第1の血液サンプルについて測定された値(ゼロ値)を、第2の血液サンプルについて測定された値(処置後)から差し引くことにより決定する。1群の全てのHDL−C値の差異の平均を決定し、対照群の差異の平均と比較する。
【0097】
分散を均一性について確認した後、Student のt試験を使用して統計的評価を実行する。
処置動物のHDL−Cを、対照群のものと比較して、統計的に有意なように(p<0.05)少なくとも15%高める物質を、薬理的に有効であるとみなす。
【0098】
代謝症候群への効果について物質を調べるために、インシュリン抵抗性および高い血中グルコースレベルを有する動物を使用する。このために、C57Bl/6JLep<ob>マウスを、トランスジェニックApoA1マウスと同じプロトコールを使用して処置する。血清の脂質を上記の通りに測定する。これらの動物では、血中グルコースのパラメーターとして、血清グルコースをさらに測定する。血清グルコースは、購入できる酵素試験(Boehringer Mannheim)を使用して、EPOS Analyzer 5060(上記参照)で酵素的に測定する。
【0099】
試験物質の血中グルコース低下効果を、ある動物の第1の血液サンプルについて測定された値(ゼロ値)を、同じ動物の第2の血液サンプルについて測定された値(処置後)から差し引くことにより決定する。1群の全ての血清グルコース値の差異の平均を決定し、対照群の差異の平均と比較する。
【0100】
分散を均一性について確認した後、Student のt試験を使用して統計的評価を実行する。
処置動物の血清グルコース濃度を、対照群と比較して、統計的に有意なように(p<0.05)少なくとも10%低下させる物質を、薬理的に有効であるとみなす。
【0101】
C.医薬組成物の実施例
本発明の化合物は、以下のやり方で医薬製剤に変換できる:
錠剤:
組成:
実施例1の化合物100mg、ラクトース(一水和物)50mg、トウモロコシスターチ(天然)50mg、ポリビニルピロリドン(PVP25)(BASF, Ludwigshafen, Germany より)10mgおよびステアリン酸マグネシウム2mg。
錠剤重量212mg。直径8mm、曲率半径12mm。
製造:
本発明の化合物、ラクトースおよびスターチの混合物を、5%強度PVP水溶液(m/m)で造粒する。顆粒を乾燥させ、次いでステアリン酸マグネシウムと5分間混合する。この混合物を常套の打錠機を使用して打錠する(錠剤の形状について、上記参照)。打錠力15kNを打錠のガイドラインとして使用する。
【0102】
経口投与できる懸濁剤:
組成:
実施例1の化合物1000mg、エタノール(96%)1000mg、Rhodigel(登録商標)(FMC, Pennsylvania, USAのキサンタンゴム)400mgおよび水99g。
経口懸濁剤10mlは、本発明の化合物の単回用量100mgに相当する。
製造:
Rhodigel をエタノールに懸濁し、本発明の化合物を懸濁液に添加する。撹拌しながら水を添加する。混合物を約6時間、Rhodigel の膨潤が完了するまで撹拌する。
【0103】
経口投与できる液剤:
組成:
実施例1の化合物500mg、ポリソルベート2.5gおよびポリエチレングリコール400 97g。経口液剤20gは、本発明の化合物の単回用量100mgに相当する。
製造:
本発明の化合物を、ポリエチレングリコールおよびポリソルベートの混合物に、撹拌しながら懸濁する。本発明の化合物が完全に溶解するまで撹拌を継続する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

式中、
は、フェニルを表すか、または、N、OおよびSからなる群からの2個までのヘテロ原子を有する5員または6員のヘテロアリールを表し、これらの基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、(C−C)−アルキル(これは、ヒドロキシルにより置換されていてもよい)、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、(C−C)−アルキルスルホニル、(C−C)−アルカノイル、(C−C)−アルコキシカルボニル、カルボキシル、アミノ、(C−C)−アシルアミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群から選択される同一かまたは異なる置換基により各々一置換ないし三置換されていてもよく、
およびRは、同一かまたは異なり、相互に独立して水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、それらが結合している炭素原子と一緒になって3員ないし7員のスピロ結合したシクロアルキル環を形成し、
は、水素または(C−C)−アルキルを表し、
およびRは、同一かまたは異なり、相互に独立して水素または(C−C)−アルキルを表し、
は、水素を表すか、または、対応するカルボン酸に分解され得る加水分解可能な基も表し、そして、
nは、1または2の数を表す、
の化合物並びにそれらの医薬的に許容し得る塩、溶媒和物および塩の溶媒和物。
【請求項2】
式中、
が、フェニルを表し、これは、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルコキシ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、メチルスルホニル、アセチル、プロピオニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、アセチルアミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノからなる群から選択される同一かまたは異なる置換基により一置換または二置換されていてもよく、
およびRが、同一かまたは異なり、相互に独立して水素または(C−C)−アルキルを表すか、または、それらが結合している炭素原子と一緒になって、5員または6員のスピロ結合したシクロアルキル環を形成し、
が、水素またはメチルを表し、
およびRが、同一かまたは異なり、相互に独立して水素またはメチルを表し、
が水素を表し、そして、
nが、1または2の数を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項3】
式中、
がフェニルを表し、これは、フッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチルおよびトリフルオロメトキシからなる群から選択される同一かまたは異なる置換基により一置換または二置換されていてもよく、
がメチルを表し、
がメチルを表すか、
または、RおよびRが、それらが結合している炭素原子と一緒になって、スピロ結合したシクロペンタンまたはシクロヘキサン環を形成し、
が、水素またはメチルを表し、
およびRが、各々水素を表し、
が水素を表し、そして、
nが1または2の数を表す、
請求項1に記載の一般式(I)の化合物。
【請求項4】
式(I−A)
【化2】

式中、
は、フッ素、塩素またはトリフルオロメチルにより置換されているフェニルを表し、そして、
nは、1または2の数を表す、
の化合物。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の一般式(I)または(I−A)の化合物の製造方法であって、式(II)
【化3】

(式中、R、RおよびRは、各々請求項1で定義の通りであり、Yは、塩素または臭素を表す)
の化合物を、文献から分かる方法により、最初に式(III)
【化4】

(式中、Y、R、RおよびRは、各々請求項1で定義の通りであり、PGは、適するアミノ保護基、好ましくは4−ニトロフェニルスルホニルを表す)
の化合物に変換し、次いで、これらの化合物を、カップリング反応で、式(IV)
【化5】

(式中、Rは請求項1で定義の通りであり、Rは、水素またはメチルを表すか、または、両方の基が一緒になってCHCH−またはC(CH−C(CH−架橋を形成する)
の化合物と、不活性溶媒中、適するパラジウム触媒および塩基の存在下で反応させ、式(V)
【化6】

(式中、PG、R、R、RおよびRは、各々請求項1で定義の通りである)
の化合物を得、次いで、保護基PGを、文献から分かる方法を使用して除去し、式(VI)
【化7】

(式中、R、R、RおよびRは、各々請求項1で定義の通りである)
の化合物を得、次いで、その化合物を、式(VII)
【化8】

(式中、R、Rおよびnは、各々請求項1で定義の通りであり、Tは、ベンジルまたは(C−C)−アルキルを表す)
の化合物を使用して、不活性溶媒中、塩基の存在下、式(VIII)
【化9】

(式中、n、T、R、R、R、R、RおよびRは、各々請求項1で定義の通りである)
の化合物に変換し、次いで、式(VIII)の化合物を、酸または塩基で、または、Tがベンジルを表すならば、また水素化分解的に、対応する式(IX)
【化10】

(式中、n、R、R、R、R、RおよびRは、各々請求項1で定義の通りである)
のカルボン酸に変換し、これらのカルボン酸(IX)を、適するならば、既知のエステル化方法を使用してさらに改変し、式(I)の化合物を得、
そして得られる式(IX)または(I)の化合物を、適するならば、対応する(i)溶媒および/または(ii)塩基もしくは酸を使用して、それらの溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換する、
を特徴とする、方法。
【請求項6】
疾患の予防および/または処置用の、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)または(I−A)の化合物。
【請求項7】
少なくとも1種の請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)または(I−A)の化合物、および、不活性、非毒性、医薬的に許容し得る担体、補助剤、溶媒、媒体、乳化剤および/または分散剤を含む、医薬。
【請求項8】
疾患の予防および処置のための、請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の式(I)または(I−A)の化合物および医薬の使用。
【請求項9】
医薬を製造するための、請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の式(I)または(I−A)の化合物の使用。
【請求項10】
卒中、動脈硬化症、冠動脈心疾患および異脂肪血症の予防および処置用、心筋梗塞の予防用、並びに冠動脈形成術またはステント術後の再狭窄の処置用の医薬を製造するための、請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)または(I−A)の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の式(I)または(I−A)の化合物を生物に作用させることを特徴とする、疾患の予防および処置方法。

【公表番号】特表2007−501195(P2007−501195A)
【公表日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−522267(P2006−522267)
【出願日】平成16年7月20日(2004.7.20)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008075
【国際公開番号】WO2005/016881
【国際公開日】平成17年2月24日(2005.2.24)
【出願人】(503412148)バイエル・ヘルスケア・アクチェンゲゼルシャフト (206)
【氏名又は名称原語表記】Bayer HealthCare AG
【Fターム(参考)】