説明

二相分離型W/O乳化剤形の化粧料

【課題】低粘度で使用性に優れた二相分離型W/O乳化剤形の化粧料を提供する。
【解決手段】水を55〜70質量%含有する、二相分離型のW/O乳化剤形の化粧料において、(A)アクリル樹脂球状粉体と(B)紫外線防護作用を有する粉体とを含有することを特徴とする化粧料であって、紫外線防護化粧料として使用することが好ましい。かかる化粧料は低粘度で紫外線防護効果に優れ、のびが良く、みずみずしさなどの使用性に優れた化粧料を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧料に関し、更に詳細には 二相分離型W/O乳化剤形の化粧料に好適な化粧
料に関する。
【背景技術】
【0002】
紫外線防護化粧料は通常汗による化粧崩れの激しい時期に使用される化粧料であり、紫外線防護化粧料は、二酸化チタンや酸化亜鉛などの紫外線防護粉体を有効成分として含み、その紫外線吸収効果に紫外線防護効果を委ねていることから、汗による化粧崩れは紫外線防護効果の損失に直結するため、汗に崩れにくくする種々の工夫が為されている。例えば、二酸化チタンや酸化亜鉛を疎水化処理したり、剤形を油中水乳化剤形としたりして、汗による化粧崩れに対する抵抗性を向上させる技術の開発であった(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、油中水乳化剤形においては、外相が油相であるため、水に比してのびが重く、汗の存在下では均一性も損なう場合が存した。この点を改良して、乳化に用いる界面活性剤としてポリエーテル変性ジメチコンを用い、ポリグリセリン変性シリコーンを分散用の界面活性剤として粉体をスラリーに加工し、通常は油中水乳化相と水相とに分かれ、用時に振とうにより再乳化させて、油中水乳化剤形として用いるタイプの化粧料により、この様な課題を改善させた(例えば、特許文献2を参照)。かかる技術においては、水を40%以上含有させることが可能となり、これにより水相成分は製剤成分の半量を超えることも可能となった。使用感上は更なる水相成分の増量が望まれたが、水の含有量が40質量%を上回ると粘度も増加し再乳化性が損なわれる場合が多く、製剤的にはこれが限度のように考えられた。
【0003】
一方、中空粉体を油中水乳化剤形において用いる技術は既に知られており(例えば、特許文献3を参照)、この様な技術において、水分を、50質量%を超えて含有させることも、高水分量を含有していても、低粘度で容易に再乳化される剤形が得られることも全く知られていなかった。
【0004】
即ち、水を55〜70質量%含有する、二相分離型のW/O乳化剤形の化粧料において、(A)アクリル樹脂球状粉体と(B)紫外線防護作用を有する粉体とを含有する構成の化粧料は全く知られていない。
【0005】
【特許文献1】特開2004−224757号公報
【特許文献2】特開2007−39363号公報
【特許文献3】特開2006−36769号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はこの様な状況下為されたものであり、高水分量を含有していても、低粘度で容易に再乳化される剤形の化粧料を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この様な状況に鑑みて、本発明者らは、油中水乳化相と油相とに二相分離しており、用時に振とうすることにより、高水分量を含有していながら、低粘度で容易に再乳化される油中水乳化剤形の化粧料を求めて、鋭意研究努力を重ねた結果、水を55〜70質量%含有する、二相分離型のW/O乳化剤形の化粧料において、(A)アクリル樹脂球状粉体と(B)紫外線防護作用を有する粉体とを含有する化粧料がそのような特質を有していることを見いだし、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下に示す通りである。
<1>水を55〜70質量%含有する、二相分離型のW/O乳化剤形の化粧料において、(A)アクリル樹脂球状粉体と(B)紫外線防護作用を有する粉体とを含有することを特徴とする、化粧料。
<2>前記アクリル樹脂球状粉体の含有量は、0.5〜5質量%であることを特徴とする、<1>に記載の化粧料。
<3>前記紫外線防護作用を有する粉体は、シリカ及び/又はアルミナで被覆、ドープ又は焼結されていても良い、二酸化チタン及び酸化亜鉛の1種又は2種以上であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の化粧料。
<4>前記紫外線防護作用を有する粉体の含有量は、化粧料全体に対して、0.1〜10質量%であることを特徴とする、<1>〜<3>何れか1項に記載の化粧料。
<5>界面活性剤として、ポリアルキレンオキシド変性ジメチコン及び/又は(ポリ)グリセリン変性ジメチコンを含有することを特徴とする、<1>〜<4>何れか1項に記載の化粧料。
<6>前記化粧料は、紫外線防護用の化粧料であることを特徴とする、<1>〜<5>何れか1項に記載の化粧料。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、油中水乳化相と油相とに二相分離しており、用時に振とうすることにより、高水分量を含有していながら、低粘度で容易に再乳化される油中水乳化剤形の化粧料を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)本発明の化粧料の必須成分である水分
本発明の化粧料は、油中水乳化相と油相とからなる二相分離型の乳化化粧料であって、水分を55〜70質量%、より好ましくは55〜65質量%含有することを特徴とする。通常油中水剤形の化粧料においては、二相分離型のものであっても、含有できる水分量はせいぜい45質量%程度であって、50質量%を超えることはあまり存しないし、この様な構成では粘度も増加し用時の再乳化も容易ではない。本発明の化粧料においては、後記アクリル樹脂球状粉体の添加効果により、50質量%以上の水分の含有を可能ならしめている。本発明の化粧料において、再乳化が滞りなく行われるためには、20℃の均衡状態において、油中水乳化相と油相との体積比は9:1〜7:3であることが特に好ましい。
【0010】
(2)本発明の化粧料の必須成分であるアクリル樹脂球状粉体
本発明の化粧料は必須成分として、アクリル樹脂球状粉体を含有することを特徴とする。アクリル樹脂としては、例えば、メタクリル酸メチル、アクリル酸メチルなどの(メタ)アクリル酸アルキルが好ましい。この様なアクリル樹脂球状粉体としては、例えば、松本油脂工業株式会社製の「マイクロスフェアーM−330」等の市販品が存し、これらを購入し、利用することができる。かかる成分は緩和な界面活性作用を発現し、乳化性を向上せしめ、再乳化性を向上させる作用を有する。又この様な作用により、乳化系全体の粘度を低下せしめ、使用性を高めると共に乳化分散性を向上させる。この様な作用を発現させるためには、かかるアクリル樹脂球状粉体は化粧料全量に対して、0.5〜5質量%含有することが好ましく、1〜3質量%含有させることがより好ましい。
【0011】
(3)本発明の化粧料の必須成分である紫外線防護作用を有する粉体
本発明の化粧料は、紫外線防護作用を有する粉体を必須成分として含有する。本発明の化粧料は、粉体を含有し、汗などによる化粧崩れを抑制する特性から、紫外線防護作用を有する粉体を含有し、紫外線防護用として使用することが好ましい。前記紫外線防護効果を有する粉体としては、例えば、二酸化チタンや酸化亜鉛を主たる構成要素として、適宜、ラジカル捕捉剤、自然な色味をのせる目的で、適宜、シリカ、アルミナ、酸化鉄などと複合体を形成させることができる。前記複合体としては、例えば、二酸化チタン或いは酸化亜鉛の結晶格子に金属酸化物が入り込む形のドープ形式、粉体の表面に他の金属酸化物を被覆させ、高温で加熱し、異種金属酸化物を溶融させて、均一化される焼結法等が好適に例示できる。もちろん複合体を形成させずにそのままを含有させることも可能である。特に好ましい形態は、二酸化チタンの表面にシリカ、アルミナ、ジルコニアを固溶体化した粉体であり、かかる粉体の市販品としては、「タイペークTTO−F1」、「タイペークTTO−F2」、「タイペークTTO−F6」(石原産業株式会社製)等が好ましく例示できる。かかる紫外線防護作用を有する粉体は総量で、化粧料全量に対して、0.1〜10質量%であることが好ましく、0.5〜5質量%であることがより好ましい。かかる粉体は、ポリエーテル変性ジメチコン、ポリグリセリン変性ジメチコンなどの分散用の非イオン界面活性剤とともに、ジメチコン、シクロメチコンを加えて、コボルミルやダイノミルなどの媒体ミルを用いてスラリーに加工し、用いることが好ましい。前記ポリエーテル変性ジメチコン(ポリアルキレンオキシド変性ジメチコン)としては、ポリオキシエチレン変性ジメチコン、ポリオキシプロピレン変性ジメチコン、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン変性ジメチコンなどが好適に例示でき、市販品としては信越化学工業株式会社から販売されている、「シリコーンKF−6015」、「シリコーンKF−6016」、「シリコーンKF−6017」等が好適に例示できる。又、ポリグリセリン変性ジメチコンの市販品としては、同じく信越化学工業株式会社から販売されている、「シリコーンKF−6104」、「シリコーンKF−6100」、「シリコーンKSG−710」、「シリコーンKSG−810」、「シリコーンKSG−820」、「シリコーンKSG−830」、「シリコーンKSG−840」等が好適に例示できる。かかる界面活性剤は、唯一種を使用することもできるし、二種以上を組み合わせて使用することもできる。好ましい形態としては、スラリーの粘度を低減できることから、少なくともポリグリセリン変性ジメチコンを含有させる形態である。かかる界面活性剤の好ましい含有量は、粉体成分総量に対して10〜50質量%になるように含有させることが好ましい。また、配合量としては、化粧料全量に対して、1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜4質量%である。かかる量範囲が、良好な粉体分散性と、再乳化性を含めた乳化安定性とを確保する上で好ましい。
【0012】
(4)本発明の化粧料
本発明の化粧料は、前記必須成分を含有し、20℃の均衡状態において、油中水乳化相と油相との2相分離形態を有し、前記油中水乳化相と油相の体積比は9:1〜7:3であることを特徴とする。この様な形態を取ることにより、水を55〜70質量%含有し、延展性の良さなどの使用性の良好さを備えると共に、化粧崩れを、汗に対しても、皮脂に対しても抑制する作用を有し、以て、粉体の光学効果を持続的に遺憾なく発揮する。その結果、本発明の化粧料が粉体を含有するにも関わらず、みずみずしく、且つのびが良く、化粧崩れのしにくい化粧料を提供することが可能となる。この性質は、夏の汗のかきやすい時期に、粉体による紫外線防御効果を期待して使用される紫外線防護用の化粧料として好適なものであり、本発明の化粧料は紫外線防護化粧料に適用することが好ましい。
【0013】
本発明の化粧料の適用としては、通常の化粧料であれば、特段の限定無く適用することが出来、例えば、リップカラー、チークカラー、アイカラー、アイライナー、ファンデーション、コンシーラーなどのメークアップ化粧料や、紫外線防護化粧料などの保護化粧料などが例示できる。特に好ましいものは、その効果が最も高い紫外線防護化粧料などの保護化粧料である。又、本発明の化粧料では、本発明の効果を損ねない範囲において、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボカド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油等の油脂類、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のワックス類、流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類、オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等、イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン、アミノ変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類、脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類、イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤等が好ましく例示できる。特に好ましい成分としては、1気圧25℃の条件で液状を呈するシリコーン類(但し、必須成分のポリグリセリン変性ジメチコン、ポリアルキレンオキシド変性ジメチコンは除く)が好ましく例示でき、化粧品原料であり、既に市販されているものとしては、「シリコーンKF−995」、「シリコーンKF−96L−1」、「シリコーンDC−246」(いずれも信越化学工業株式会社製)等が例示できる。これら液状シリコーンは唯1種を含有させても良いし、2種以上を組み合わせて含有させても良いが、「シリコーンKF−995」、「シリコーンKF−96L−1」及び「シリコーンDC−246」の組み合わせが特に好ましく例示できる。本発明の化粧料に於ける液状シリコーンの好ましい含有量は、化粧料全体に対して、10〜30質量%であり、更に好ましくは15〜25質量%である。これは多すぎるとみずみずしさが低下する場合が存し、少なすぎるとのびにくくなる場合が存するためである。加えて、本発明の化粧料は粉体を含有しない油相と水相を調整し、これを乳化混合して油中水乳化物を形成せしめ、更に粉体を含有する油相を加えて充填後、油中水乳化相と粉体を含有する油相との二相に分離する形態のものであるが、前記粉体を含有しない油相と水相とは加熱混合後冷却しても液状を保っていることが好ましい。この様な形態を維持することにより、用時に容易に再乳化可能な剤形となるからである。又、容易な再乳化可能な条件としては、油中水乳化相を構成する、粉体を含有しない油相の総量を15〜30質量%に調整することも好ましく例示できる。
【0014】
かかる必須成分と任意成分とを常法に従って処理することにより、本発明の化粧料を製造することが出来る。又、使用時には軽く振るだけで高濃度の水を内包した低粘度の化粧料を形成することが可能である。かくして得られた本発明の油中水分離型粉体化粧料は、その適用において、使用性を損なうことなく優れた紫外線ケアが行えるとともに、みずみずしくのびが良い、本来の美しい化粧仕上がりを充分に発現することが出来る。
【0015】
以下に、実施例を挙げて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明が、かかる実施例にのみ限定されないことは言うまでもない。
【実施例】
【0016】
<実施例1〜4>
下記の表1に示す処方に従って、本発明の紫外線防護化粧料を製造した。即ち、イの油相とロの水相とを共に70℃に加温し、攪拌下イに徐々にロを加え乳化し、40℃に攪拌冷却したところに、ハの成分をコボルミルに仕込み、24時間分散させて、スラリーとしたものを添加、冷却し、攪拌下容器に充填し紫外線防護化粧料1〜4を得た。同様に操作して、比較例1〜3も作製した。
【0017】
【表1】

【0018】
<試験例1>
上記で得られた各実施例及び比較例の紫外線防護化粧料について、20℃に於いて振とう後にB型粘度計を用いて粘度を測定した(測定条件:2号ローターで毎分6回転、単位:mPa・s)。
【0019】
<試験例2>
上記で得られた各実施例及び比較例の紫外線防護化粧料について、紫外線防護効果を比較した。即ち、背部に2cm×3cmの部位を8つ設定し、7つの部位にはそれぞれのサンプルを塗布し、残りの1部位には何も塗布をせず光を遮蔽し、SEランプ(型番:FL20S・E・30/DMR、製造会社:東芝医療用品株式会社、波長領域:ピーク:302 nm)とBLBランプ(型番:FL20S・BLB/DMR、製造会社:東芝医療用品株式会社、波長領域:ピーク:350 nm)を同数用いた、紫外線A波長と紫外線B波長の混合した光源で、最少紅斑量の2倍の光を照射した。この作業は連日14日間行った。最後の処置終了後24時間経過時に、コニカミノルタCR400「色彩色差計」を用いて無投与遮光部位と検体投与部位との色差(ΔE)を計測した(例数1)。
【0020】
<試験例3>
上記で得られた実施例及び比較例の紫外線防護化粧料について、顔面に塗布した時ののび、みずみずしさ、仕上がり及び化粧持ち効果を、女性パネラー10名が、◎:極めて良好、○:良好、△:普通、×:不良、の評価基準により官能評価した。
【0021】
結果を表2に示す。本発明の紫外線防護化粧料は、低粘度で紫外線防護効果に優れており、のび、みずみずしさ、仕上がり、化粧持ちといった使用性も非常に良いことが判る。
【0022】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0023】
本発明は紫外線防護化粧料に応用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を55〜70質量%含有する、二相分離型のW/O乳化剤形の化粧料において、(A)アクリル樹脂球状粉体と(B)紫外線防護作用を有する粉体とを含有することを特徴とする、化粧料。
【請求項2】
前記アクリル樹脂球状粉体の含有量は、0.5〜5質量%であることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記紫外線防護作用を有する粉体は、シリカ及び/又はアルミナで被覆、ドープ又は焼結されていても良い、二酸化チタン及び酸化亜鉛の1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
前記紫外線防護作用を有する粉体の含有量は、化粧料全体に対して、0.1〜10質量%であることを特徴とする、請求項1〜3何れか1項に記載の化粧料。
【請求項5】
界面活性剤として、ポリアルキレンオキシド変性ジメチコン及び/又は(ポリ)グリセリン変性ジメチコンを含有することを特徴とする、請求項1〜4何れか1項に記載の化粧料。
【請求項6】
前記化粧料は、紫外線防護用の化粧料であることを特徴とする、請求項1〜5何れか1項に記載の化粧料。

【公開番号】特開2010−265192(P2010−265192A)
【公開日】平成22年11月25日(2010.11.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−116381(P2009−116381)
【出願日】平成21年5月13日(2009.5.13)
【出願人】(000113470)ポーラ化成工業株式会社 (717)
【Fターム(参考)】