説明

二酸化炭素回収型汽力発電システム

【課題】発電効率が低下することを抑制し、排ガスから二酸化炭素を回収するために必要なエネルギを排ガスから取り出すことができる二酸化炭素回収型汽力発電システムを提供する。
【解決手段】本発明による二酸化炭素回収型汽力発電システム1は、燃料2を燃焼して排ガス5を生成し、煙道8を有するボイラー6と、このボイラー6から供給される排ガス5に含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔40と、吸収塔40から供給される二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素ガスを放出させて排出する再生塔44とを備えている。また、この再生塔44において二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱するために再生塔44に供給される再生用水蒸気43を生成するリボイラー49が設けられている。さらに、ボイラー6の煙道8内に、排ガス5を熱源として、再生用水蒸気43を生成するためにリボイラー49に供給される加熱用水60を加熱するボイラー側熱交換器61が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ボイラーにおいて燃料を燃焼して蒸気を生成する際に生成された排ガスから、この排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収する吸収液を用いて二酸化炭素を回収しながら発電を行う二酸化炭素回収型汽力発電システムに係り、とりわけ、発電効率が低下することを抑制するとともに、排ガスから二酸化炭素を回収するために必要なエネルギを排ガスから取り出すことができる二酸化炭素回収型汽力発電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、火力発電設備は、環境保全を背景として発電効率を高くすることが積極的に進められている。すなわち、一般的な火力発電設備において、蒸気タービンの運転に利用される蒸気の温度は600℃程度であるが、この蒸気の温度を更に高くして発電効率を高めることが行われている。
【0003】
また、発電効率を高くするための方法として、埋蔵量が多くかつ安価に入手可能な化石燃料である石炭を用いる石炭ガス化コンバインドサイクル発電と、微粉炭ボイラーにより生成された超臨界圧蒸気による汽力発電とが知られている。このうち、石炭ガス化発電においては、ガスタービンに供給されるガスの温度を高くすることにより発電効率を高くすることができる。また、微粉炭ボイラーを用いた汽力発電においては、微粉炭ボイラーで生成され蒸気タービンに供給される蒸気(タービン蒸気)を高温かつ高圧にして蒸気タービンを駆動することにより発電効率を高くすることができる。すでに、この汽力発電においては、タービン蒸気の温度を700℃以上にして発電効率を向上させる計画が進められており、かなり近い将来商用化される見込みである。
【0004】
一方、近年、地球温暖化現象の原因の一つとして二酸化炭素による温室効果が指摘され、地球環境を守るために、この二酸化炭素の排出を抑制することが急務となっている。このため、火力発電所などにおいて生成された排ガスを二酸化炭素吸収液と接触させて、排ガスに含まれる二酸化炭素を除去して回収する方法が精力的に研究されている。
【0005】
一般的な二酸化炭素回収システムとして、排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素ガスを放出させて水蒸気を含む二酸化炭素ガスを排出する再生塔とを備えた二酸化炭素回収システムが知られている(特許文献1乃至3参照)。また、再生塔には、再生塔から排出された水蒸気を含む二酸化炭素ガスを圧縮する圧縮機が連結されるとともに、再生塔からの吸収液を加熱して蒸気(再生用水蒸気)を発生させるリボイラーが連結されている。
【0006】
このような二酸化炭素回収システムにおいて二酸化炭素を回収する場合、まず、ボイラーにおいて生成された排ガスが吸収塔の下部に送られるとともに、吸収塔の上部に吸収液が供給され、二酸化炭素を含む排ガスと吸収液が向流接触し、排ガスに含まれる二酸化炭素が吸収液に吸収される。このようにして、二酸化炭素が取り除かれた排ガスは吸収塔の上部から排出される。
【0007】
二酸化炭素を吸収した吸収液は、吸収塔から再生熱交換器を介して再生塔の上部に供給される。この間、リボイラーにおいて吸収液が加熱されて高温の再生用水蒸気が生成され、この再生用水蒸気がリボイラーから再生塔の下部に供給される。このことにより、二酸化炭素を吸収した吸収液と再生用水蒸気が向流接触し、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素ガスが放出される。水蒸気を含む二酸化炭素ガスは、再生塔から排出されて圧縮機において圧縮され、二酸化炭素ガスを圧縮して貯蔵するための設備に供給される。このようにして、排ガスに含まれる二酸化炭素ガスが回収される。ここで、一般に、リボイラーにおいて吸収液を加熱して蒸気を発生させるための熱源として、ボイラーにおいて生成されたタービン蒸気が抽気されて用いられている。
【0008】
ここで、この二酸化炭素を吸収するために用いる吸収液は、アミン化合物を水に溶かしたアミン化合物水溶液からなっている。このアミン化合物としては、以下のようなアミン化合物が知られている。
【0009】
特許文献4には、立体障害アミンおよびスルホラン等の非水溶媒を含む酸性ガススクラッピング用組成物が記載されている。この立体障害アミンのうち立体障害第一モノアミノアルコールとして、2−アミノー2−メチルー1−プロパノール等が例示されている。また、特許文献5には、2−アミノー2−メチルー1−プロパノール、2−(メリルアミノ)−エタノール、2−(エチルアミノ)−エタノール、2−(ジエチルアミノ)−エタノール、2−(ヒドロキシエチル)−ピペリジンの群から選ばれるヒンダードアミンを代表例とする特定のヒンダードアミン水溶液を用いることが記載されている。また、特許文献6には、第2級アミン及び第3級アミンのそれぞれの濃度が10〜45重量%の範囲にあるアミン混合水溶液を用いることが記載されている。さらに、非特許文献1には、ヒンダードアミンアミンである2−アミノー2−2メチルー1−プロパノール水溶液が二酸化炭素を吸収する挙動が開示されている。
【0010】
このように数多くの種類の吸収液を用いて二酸化炭素を回収することが示されているが、これらのアミン化合物を含む吸収液を用いる場合、いずれの場合においても、吸収液と二酸化炭素を含む排ガスを直接接触させて、排ガスから二酸化炭素を回収している。
【0011】
ここで、上述したように、これらのアミン化合物は水に溶かしてアミン化合物水溶液として吸収液に用いるのが一般的である。このような吸収液は、排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収する場合、発熱反応を引き起こすが、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素を放出する場合、吸熱反応を引き起こす。このため、二酸化炭素を放出させる場合、吸収液を加熱させる必要があり、リボイラーにおいて生成された高温の再生用水蒸気が再生塔に供給され、再生塔において二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱している。なお、吸収液に吸収させることができる二酸化炭素の濃度は、吸収液の温度が低い方が高くなる。このため、吸収液に二酸化炭素を吸収させる場合には、吸収液の温度を低くするため、吸収液を冷却する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2004−323339号公報
【特許文献2】特開2005−254212号公報
【特許文献3】特開2006−342032号公報
【特許文献4】特開昭61−71819号公報
【特許文献5】特開平5−301023号公報
【特許文献6】特開平8−252430号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「Chemical Engineering Science、41巻、4号、997〜1003頁」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
このように、アミン系化合物の水溶液を吸収液として排ガスに含まれる二酸化炭素を回収する場合、二酸化炭素を吸収した吸収液を加熱するための熱量が必要になる。この場合、2.5〜3.5Mj/kg・CO2程度の熱量が必要となり、これは石炭の発熱量の10〜20%程度に相当する。このため、この熱量を得ることを目的として、蒸気タービンを回転駆動するタービン蒸気からエネルギを取り出して利用すると、蒸気タービンを回転駆動させるエネルギがその分減るため、発電効率が低下するという問題がある。なお、アミン系化合物の水溶液を用いることなく二酸化炭素を回収する場合においては、さらに発電効率が低下し、一般的に発電効率が30%程度低下するといわれている。
【0015】
また、タービン蒸気の温度を700℃程度にするために、いくつかの克服しなければならない課題が残されている。すなわち、蒸気タービンに供給されるタービン蒸気の温度を高くすると、蒸気タービンのうち低圧蒸気タービンの蒸気入口におけるタービン蒸気の過熱度が大きくなる。このことにより、低圧蒸気タービン出口におけるタービン蒸気の真空度を高くした場合においても、この低圧蒸気タービンの蒸気出口におけるタービン蒸気が飽和温度に達することが困難になる。この場合、このタービン蒸気を湿った状態に維持することが難しくなり、低圧蒸気タービンの最終段翼において、乾燥および湿潤が交互に繰り返され(乾湿交番状態)、この最終段翼が腐食する可能性がある。
【0016】
また、火力発電プラントにおいては、蒸気タービンからタービン蒸気を抽気して熱源とし、ボイラーに供給される給水を予め加熱する給水加熱器が設けられている。上述の通り、タービン蒸気の温度を例えば700℃程度の高温とした場合、給水加熱器にて熱源として用いられる蒸気タービンから抽気した蒸気(抽気蒸気)の温度が上昇する。しかしながら、通常、給水加熱器において給水を加熱する際は、ほとんど抽気蒸気の凝縮潜熱が利用されているため、給水加熱器内がほぼ同じ温度に維持され給水加熱器の熱変形を防止している。したがって、タービン蒸気の温度を高温化させた際に、抽気蒸気の過熱度が高くなり、給水加熱器の変形が大きくなるという新たな課題が生じてしまう。
【0017】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、発電効率が低下することを抑制することができる二酸化炭素回収型汽力発電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、燃料を燃焼して蒸気を生成するとともに排ガスが生成され、この排ガスが排出される際に通過する煙道を有するボイラーと、このボイラーから排ガスが供給され、この排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、吸収塔から二酸化炭素を吸収した吸収液が供給され、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素ガスを放出させてこの二酸化炭素ガスを排出する再生塔と、熱源としての加熱用媒体が供給されるとともに、前記再生塔からの吸収液を加熱し、発生させた蒸気を再生塔に供給するリボイラーと、前記ボイラー内の節炭器と空気予熱器の間の煙道内に設けられ、当該部分の煙道内を通過する前記ボイラーの排ガスを熱源として、前記加熱用媒体を加熱するボイラー側熱交換器と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素回収型汽力発電システムである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、ボイラーの煙道を通過する排ガスを熱源としてリボイラーに供給される加熱用媒体を加熱し、リボイラーにてこの加熱用媒体を熱源として吸収液を加熱して発生させた再生用水蒸気を再生塔に供給する。すなわち、リボイラーにて吸収液を加熱するために必要なエネルギとしてボイラー排ガスの排熱を利用することで、再生塔において二酸化炭素を吸収した吸収液から効率良く二酸化炭素を放出させることができる。このため、二酸化炭素回収型汽力発電システムにおける発電効率の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の第1の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムの全体構成を示す図。
【図2】本発明の第2の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムの全体構成を示す図。
【図3】本発明の第3の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムの全体構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
第1の実施の形態
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。ここで、図1は、本発明の第1の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムの全体構成を示す図である。
【0022】
まず、本発明による二酸化炭素回収型汽力発電システム1について説明する。図1に示すように、二酸化炭素回収型汽力発電システム1は、燃料2を燃焼してタービン蒸気4を生成し、タービンを回転駆動させて発電を行う汽力発電プラント1aと、ボイラー6において生成された排ガス5から、この排ガス5に含まれる二酸化炭素を吸収する吸収液を用いて二酸化炭素を回収する二酸化炭素回収プラント1bとから構成されている。
【0023】
このうち汽力発電プラント1aは、図1に示すように、燃料2および燃焼用空気3が供給され、燃料2を燃焼してタービン蒸気4を生成(製造)するとともに排ガス5が生成される(発生する)ボイラー6を備えている。このボイラー6は、供給される燃料2と燃焼用空気3が燃焼する火炉7と、この火炉7の下流側に設けられ、火炉7において生成された排ガス5が排出される際に通過する煙道8とを有している。また、火炉7に、火炉7における燃焼によりタービン蒸気4を過熱し主蒸気を発生させる過熱器9が設けられるとともに、この過熱器9に隣接して、過熱器9から後述する高圧蒸気タービン21を介して供給されるタービン蒸気4を再過熱して再熱蒸気とする再熱器10が設けられている。また、煙道8のうち上流側に、煙道8を通過する排ガス5を熱源として過熱器9に供給される給水(脱気水)30(後述)を加熱する節炭器11が設けられている。
【0024】
ボイラー6の煙道8の出口側に、ボイラー6の火炉7に供給される燃焼用空気3を予熱する空気予熱器12が設けられ、この空気予熱器12の下流側に、空気予熱器12から流れてくる排ガス5に含まれる塵埃を排ガス5から取り除く電気集塵器13が設けられている。また、この電気集塵器13の下流側に、電気集塵器13から流れてくる排ガス5を脱硫する脱硫装置14が設けられている。
【0025】
二酸化炭素回収型汽力発電システム1の汽力発電プラント1aは、ボイラー6の過熱器9から高圧側バルブ18を介して供給されるタービン蒸気4(主蒸気)により回転駆動する高圧蒸気タービン(高圧タービン)21と、この高圧タービン21にタービン軸20を介して連結され、高圧タービン21からボイラー6の再熱器10および中圧側バルブ19を介して供給されるタービン蒸気4(再熱蒸気)により回転駆動する中圧蒸気タービン(中圧タービン)22とを有している。また、この中圧タービン22にタービン軸20を介して低圧蒸気タービン(低圧タービン)23が連結され、この低圧タービン23は、中圧タービン22から供給されるタービン蒸気4(中圧蒸気タービン22からの排気蒸気(中圧排気蒸気))により回転駆動するように構成されている。さらに、タービン軸20に、タービン軸20の回転により発電を行う発電機24が連結されている。なお、本実施の形態では、高圧蒸気タービン21、中圧蒸気タービン22、低圧蒸気タービン23、および発電機24の回転軸が連結されて1つのタービン軸20を構成する形としているが、本実施の形態はこれに限らず、それぞれ少なくとも1つの蒸気タービンを備える2軸以上のタービン軸と、各タービン軸に連結された複数の発電機により汽力発電プラント1aを構成してもよい。また、本実施の形態では、ボイラー6に再熱器10を1つのみ設ける構成としているが、再熱器10を高圧蒸気タービン21の排気蒸気を過熱して第1再熱蒸気とする第1再熱器と、第2再熱蒸気を発生させる第2再熱器の2段構成としてもよい。この場合、汽力発電プラント1aは、中圧蒸気タービン22が、第1再熱蒸気が導かれる第1中圧蒸気タービンと第2再熱蒸気が導かれる第2中圧蒸気タービンの2つから構成され、かつ、第1中圧蒸気タービンの排気蒸気を第2再熱器へと導くように構成される、所謂2段再熱式の蒸気タービンプラントとなる。
【0026】
中圧タービン22の出口と低圧タービン23の入口との間に、中圧タービン22からのタービン蒸気4(中圧排気蒸気)を低圧タービン23に供給するクロスオーバー管25が連結されている。
【0027】
低圧タービン23の下部に、低圧タービン23から排出されるタービン蒸気4(低圧タービン23からの排気蒸気(低圧排気蒸気))を冷却し凝縮させて復水27とする復水器26が設けられている。また、この復水器26には、復水器26から排出された復水27を脱気して脱気水(給水)30とする脱気器29へと導く配管系統である復水ライン28が接続されている。この復水ライン28に、復水ライン28を通過する復水27を脱気器29へ送る復水ポンプ31が設けられ、この復水ポンプ31の下流側(脱気器29側)に、低圧タービン23から抽気されるタービン蒸気4(低圧抽気蒸気)を熱源として復水27を加熱する直列に接続された2段の低圧給水加熱器32が設けられている。
【0028】
脱気器29とボイラー6の節炭器11との間には、ボイラー6へと給水(脱気水)30を供給する給水ライン33が接続されている。給水ライン33に、この給水ライン33を通る給水30をボイラー6の節炭器11に送る給水ポンプ34が設けられ、この給水ポンプ34の下流側(節炭器11側)に、中圧タービン22から抽気されるタービン蒸気4(中圧抽気蒸気)を熱源として、脱気水30を加熱する第1高圧給水加熱器35が設けられている。さらに、この第1高圧給水加熱器35の下流側に、高圧タービン21から抽気されるタービン蒸気4(高圧抽気蒸気)を熱源として、脱気水30を更に加熱する第2高圧給水加熱器36が設けられている。なお、本実施の形態においては、復水ライン28において低圧給水加熱器32を2段設けるとともに、給水ライン33において第1高圧給水加熱器35と第2高圧給水加熱器36を直列に接続して高圧給水加熱器を2段設ける構成としたが、低圧給水加熱器32、高圧給水加熱器の段数はそれぞれ適宜増減させることができる。
【0029】
脱気器29に、脱気器29にて生成された脱気水30の一部を取り出し、この脱気水30の一部を噴霧する噴霧ポンプ37が連結され、この噴霧ポンプ37の下流に、噴霧された脱気水30の一部を、中圧タービン22から低圧タービン23に供給されるタービン蒸気4に向けて送る脱気水供給ライン38が設けられている。具体的には図1に示すように、この脱気水供給ライン38は、噴霧ポンプ37とクロスオーバー管25との間に連結され、上述の噴霧された脱気水30の一部を、クロスオーバー管25に向けて送るように構成されている。なお、脱気器29と復水器26との間に、脱気器29において脱気された脱気水蒸気を復水器26に戻す脱気水蒸気供給ライン(図示せず)が連結されている。
【0030】
次に、二酸化炭素回収型汽力発電プラント1の二酸化炭素回収プラント1bについて述べる。
【0031】
図1に示すように二酸化炭素回収プラント1bは、ボイラー6から排ガス5が供給され、この排ガス5に含まれる二酸化炭素を二酸化炭素吸収液に吸収させる吸収塔40と、吸収塔40から二酸化炭素を吸収した吸収液(以下、二酸化炭素含有吸収液41と記す)が供給され、二酸化炭素含有吸収液41から二酸化炭素ガス42を放出させて水蒸気を含む二酸化炭素ガス(以下、水蒸気含有二酸化炭素ガス42と記す)を排出するとともに、二酸化炭素含有吸収液41を再生する再生塔44とを備えている。
【0032】
このうち吸収塔40の下部に、ボイラー6から空気予熱器12、電気集塵器13、および脱硫装置14を順次通って供給される排ガス5が通流する排ガス供給口40aが設けられるとともに、吸収塔40の頂部に、吸収塔40において、二酸化炭素が取り除かれた排ガス5を排出する排ガス出口40bが設けられている。
【0033】
ここで、二酸化炭素を吸収するために用いる吸収液は、アミン化合物を水に溶かしたアミン化合物水溶液からなっている。本実施の形態においては、アミン化合物の種類に限定されることなく、種々のアミン化合物を用いることができる。
【0034】
再生塔44に、再生塔44の頂部から排出された水蒸気含有二酸化炭素ガス42を圧縮する圧縮機45が連結され、再生塔44と圧縮機45との間に、再生塔44から排出された水蒸気含有二酸化炭素ガス42を冷却する二酸化炭素ガス冷却器46が連結されている。この二酸化炭素ガス冷却器46の圧縮機45側に、二酸化炭素ガス冷却器46において冷却された水蒸気含有二酸化炭素ガス42から水蒸気を凝縮水として分離する分離器47が連結されている。さらに、圧縮機45に、圧縮機45において圧縮された水蒸気含有二酸化炭素ガス42を圧縮して貯蔵するための設備(図示せず)が連結されている。
【0035】
二酸化炭素回収プラント1bには、二酸化炭素を放出して再生塔44の下部から流出した再生吸収液48を加熱して高温の水蒸気を生成させ、この高温の水蒸気を再生用水蒸気43として再生塔44に供給するリボイラー49が設けられている。また、リボイラー49と再生塔44との間には、加熱された再生吸収液48の一部が排出される再生吸収液排出ライン50が連結されている。具体的には、この再生吸収液排出ライン50は、再生塔44の底部に下降した再生吸収液48を取り出すように、再生塔44の底部に連結されている。なお、リボイラー49から再生塔44へ供給される再生用水蒸気43は、これらの間に設けられた再生用水蒸気供給ライン51を介して供給される。この再生用水蒸気供給ライン51は再生塔44の下部に連結されている。
【0036】
吸収塔40と再生塔44との間に、吸収塔40から再生塔44に供給される二酸化炭素含有吸収液41を加熱する再生熱交換器52が設けられている。ここで、吸収塔40と再生熱交換器52との間には、吸収液循環ポンプ54を含み、吸収塔40から再生熱交換器52に二酸化炭素含有吸収液41を供給する第1二酸化炭素含有吸収液供給ライン53が連結され、また、再生熱交換器52と再生塔44との間に、再生熱交換器52から再生塔44に二酸化炭素含有吸収液41を供給する第2二酸化炭素含有吸収液供給ライン55が連結されている。具体的には、この第1二酸化炭素含有吸収液供給ライン53は、吸収塔40の底部に下降した二酸化炭素含有吸収液41を取り出すように吸収塔40の底部に連結されており、第2二酸化炭素含有吸収液供給ライン55は、再生塔44の上部に二酸化炭素含有吸収液41を送るように吸収塔40の上部に連結されている。
【0037】
リボイラー49と再生熱交換器52との間に、吸収液循環ポンプ57を含み、リボイラー49から再生熱交換器52に再生吸収液48を供給する第1再生吸収液供給ライン56が連結され、再生熱交換器52と吸収塔40との間に、再生熱交換器52から吸収塔40に再生吸収液48を供給する第2再生吸収液供給ライン58が連結されている。ここで、この第2再生吸収液供給ライン58は、吸収塔40の上部に再生吸収液48を送るように吸収塔40の上部に連結されている。このようにして、再生熱交換器52には、吸収塔40からの比較的低温の二酸化炭素含有吸収液41とリボイラー49から供給される比較的高温の再生吸収液48とが供給され、これらの間で熱交換が行われる。すなわち、再生熱交換器52は、リボイラー49からの再生吸収液48を熱源として吸収塔40から供給される二酸化炭素含有吸収液41を加熱するようになっている。
【0038】
次に、リボイラー49に再生用水蒸気43の熱源として用いる加熱用媒体を供給する構成について述べる。
【0039】
図1に示すように、ボイラー6の煙道8内に、煙道8を通過する排ガス5を熱源として、リボイラー49において再生用水蒸気43を生成するためにリボイラー49に供給される加熱用水60(加熱用媒体)を加熱して飽和状態の加熱用水蒸気60a(加熱用媒体)を生成するボイラー側熱交換器61が設けられている。このボイラー側熱交換器61は、ボイラー6のうち、節炭器11と空気予熱器12との間の煙道8内に設けられている。なお、ボイラー側熱交換器61では、加熱用水60の全てが蒸気となることはなく、水分を含んだ飽和状態の加熱用水蒸気60aが生成される。また、リボイラー49とボイラー側熱交換器61との間には、リボイラー49からボイラー側熱交換器61に加熱用水60を供給する第1加熱用媒体供給ライン63(加熱用媒体供給ライン)と、ボイラー側熱交換器61からリボイラー49にボイラー側熱交換器61にて生成された加熱用水蒸気60aを供給する第2加熱用媒体供給ライン64とが連結されている。このうち、第2加熱用媒体供給ライン64は、水分を含む飽和状態の加熱用水蒸気60aを汽水分離する加熱用媒体汽水分離ヘッダー75を含んでいる。また、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75とリボイラー49との間には、加熱用水蒸気60aを減圧する減圧バルブ100が設けられている。加熱用媒体汽水分離ヘッダー75と後述するタンク67との間には、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により取り除かれた水分をタンク67に供給する加熱用媒体水分戻しライン101が連結されている。
【0040】
中圧タービン22と低圧タービン23との間に連結されたクロスオーバー管25内に、クロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4(中圧排気蒸気あるいは低圧蒸気)を熱源として、ボイラー側熱交換器61に供給される加熱用水60を加熱するタービン側熱交換器65が設けられている。このタービン側熱交換器65は、第1加熱用媒体供給ライン63に介在されている。すなわち、タービン側熱交換器65は、リボイラー49とボイラー側熱交換器61との間に連結されている。なお、タービン側熱交換器65は、クロスオーバー管25の内部のほか、クロスオーバー管25の内周面、あるいは管壁内に設けることも可能である。
【0041】
第1加熱用媒体供給ライン63は、タービン側熱交換器65に供給される加熱用水60を貯蔵するタンク67と、このタンク67とタービン側熱交換器65との間に連結され、タービン側熱交換器65に加熱用水60を送る加熱用水循環ポンプ68とを含んでいる。このうちタンク67には、加熱用媒体冷却器102が設けられ、タンク67内に存在する蒸気を冷却して凝縮するとともに、タンク67に貯蔵されている加熱用水60を冷却するようになっている。
【0042】
このことにより、タービン側熱交換器65において加熱された加熱用水60がボイラー側熱交換器61に供給され、この加熱用水60が加熱されて水分を含む飽和状態の加熱用水蒸気60aが生成され、この加熱用水蒸気60aが加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により水分が取り除かれてリボイラー49に供給され、リボイラー49はこの加熱用水蒸気60aを熱源として、再生用水蒸気43を生成することができる。
【0043】
次に、このような構成からなる本実施の形態の作用について述べる。
【0044】
まず、二酸化炭素回収型汽力発電システム1の汽力発電プラント1aの作用について述べる。
【0045】
図1に示す汽力発電プラント1aにおいて発電を行う場合、まず、燃料2とともに、空気予熱器12により予熱された燃焼用空気3が火炉7に供給されて、燃料2が燃焼する。この燃料2の燃焼により、火炉7の上方に設けられた過熱器9において、後述する節炭器11から加熱されて供給される給水(脱気水)30が過熱されてタービン蒸気4が生成され、主蒸気となる。
【0046】
このタービン蒸気4(主蒸気)は、過熱器9から高圧側バルブ18を介して高圧タービン21に供給され、高圧タービン21内を膨張しながら流れることで仕事を行い、高圧タービン21を回転駆動する。高圧タービン21を通過したタービン蒸気4(高圧排気蒸気)は、高圧タービン21から排出されてボイラー6の再熱器10に供給され、再熱器10において、再び過熱されて再熱蒸気となる。
【0047】
再熱されたタービン蒸気4(再熱蒸気)は、再熱器10から中圧側バルブ19を介して中圧タービン22に供給され、中圧タービン22内を膨張しながら流れることで仕事を行い、中圧タービン22を回転駆動する。
【0048】
中圧タービン22から排気されたタービン蒸気4(中圧排気蒸気)は、中圧タービン22の出口からクロスオーバー管25を通過して低圧タービン23に供給され、低圧タービン23内をさらに膨張しながら流れることで仕事を行い、低圧タービン23を回転駆動する。
【0049】
このようにして、高圧タービン21、中圧タービン22、および低圧タービン23が回転駆動し、タービン軸20を介して連結された発電機24が発電する。
【0050】
低圧タービン23にて仕事を行ったタービン蒸気4(低圧排気蒸気)は、低圧タービン23の出口から復水器26に排出され、復水器26において冷却されて凝縮し復水27となる。この復水27は、復水ライン28の復水ポンプ31により2段の低圧給水加熱器32に順次送られる。この間、各低圧給水加熱器32に、低圧タービン23からタービン蒸気4の一部が抽気された低圧抽気蒸気が供給される。このことにより、各低圧給水加熱器32において、この低圧タービン23から抽気されるタービン蒸気4(低圧抽気蒸気)を熱源として復水27が加熱される。
【0051】
加熱された復水27は、脱気器29に供給されて脱気され、脱気水(給水)30が生成される。このとき、脱気器29内では復水27から脱気された脱気水蒸気も生成されるが、この脱気水蒸気は、図示しない脱気水蒸気供給ラインを介して復水器26に戻される。
【0052】
脱気器29において生成された脱気水30は給水30となり、給水ライン33の給水ポンプ34により第1高圧給水加熱器35に送られる。ここで、給水ポンプ34により給水30は超臨界圧以上に昇圧されている。
【0053】
一方、脱気器29において脱気された脱気水30の一部は、噴霧ポンプ37に取り出されて噴霧され、この噴霧された脱気水30が脱気水供給ライン38を介してクロスオーバー管25の入口側に供給される。
【0054】
給水30が第1高圧給水加熱器35に送られる間、第1高圧給水加熱器35には中圧タービン22からタービン蒸気4の一部(中圧抽気蒸気)が抽気されて供給される。このことにより、第1高圧給水加熱器35において、この中圧タービン22から抽気されるタービン蒸気4(中圧抽気蒸気)を熱源として給水30が加熱される。この加熱された給水30は第2高圧給水加熱器36に送られる。この間、第2高圧給水加熱器36に、高圧タービン21からタービン蒸気4の一部(高圧抽気蒸気)が抽気されて供給される。このことにより、第2高圧給水加熱器36において、この高圧タービン21から抽気されるタービン蒸気4(高圧抽気蒸気)を熱源として給水30が更に加熱される。
【0055】
第1高圧給水加熱器35、第2高圧給水加熱器36を経て加熱された給水30はボイラー6の節炭器11に供給され、煙道8を通過する排ガス5を熱源として加熱される。節炭器11にて更に加熱された給水30は最終的に過熱器9に供給されてタービン蒸気4(主蒸気)となる。
【0056】
一方、ボイラー6の火炉7が燃焼している間、この火炉7において生成された排ガス5は、火炉7の下流側に設けられた煙道8を通過して排出される。ボイラー6から排出された排ガス5は、空気予熱器12に送られ、火炉7に供給される燃焼用空気3を予熱する。燃焼用空気3を予熱した排ガス5は、電気集塵器13に送られて排ガス5に含まれる塵埃が排ガス5から取り除かれ、脱硫装置14に送られて脱硫される。
【0057】
次に、二酸化炭素回収型汽力発電プラント1の二酸化炭素回収プラント1bの作用について述べる。
【0058】
図1に示す二酸化炭素回収プラント1bにおいて、排ガス5から二酸化炭素を回収する場合、まず、上述したように脱硫装置14により脱硫された排ガス5が、吸収塔40の排ガス供給口40aを通って吸収塔40内に供給される。吸収塔40に供給された二酸化炭素を含む排ガス5は、吸収塔40の下部から頂部へ向けて上昇する。この間、再生吸収液48が、再生熱交換器52および第2再生吸収液供給ライン58を介して吸収塔40の上部に供給され、吸収塔40の上部から底部へ向けて下降する。このことにより、二酸化炭素を含む排ガス5と再生吸収液48が向流接触し、排ガス5に含まれる二酸化炭素が再生吸収液48に吸収される。
【0059】
二酸化炭素が取り除かれた排ガス5は、吸収塔40の頂部へ向けて更に上昇し、吸収塔40の排ガス出口40bから排出される。この間、二酸化炭素含有吸収液41は吸収塔40の底部へ向けて更に下降する。
【0060】
下降した二酸化炭素含有吸収液41は、吸収液循環ポンプ54により、吸収塔40から第1二酸化炭素含有吸収液供給ライン53を通って再生熱交換器52に送られる。この間、再生塔44おいて再生された吸収液(再生吸収液48)が、吸収液循環ポンプ57により、リボイラー49から第1再生吸収液供給ライン56を通って再生熱交換器52に送られる。このことにより、再生熱交換器52において、再生吸収液48を熱源として二酸化炭素含有吸収液41が加熱される。
【0061】
この加熱された二酸化炭素含有吸収液41は、再生熱交換器52から第2二酸化炭素含有吸収液供給ライン55を通って再生塔44の上部に供給され、再生塔44の上部から底部へ向けて下降する。この間、リボイラー49から再生用水蒸気供給ライン51を通って再生塔44の下部に高温の再生用水蒸気43が供給され、再生塔44の下部から頂部へ向けて上昇する。このことにより、二酸化炭素含有吸収液41と再生用水蒸気43が向流接触し、二酸化炭素含有吸収液41から二酸化炭素ガスが放出される。
【0062】
ここで、一般に、吸収液の温度が高い方が、吸収液に吸収されている二酸化炭素の濃度が低くなり二酸化炭素含有吸収液41内の二酸化炭素量を少なくすることができる。すなわち、二酸化炭素吸収液の温度を高めることにより、吸収液から二酸化炭素ガスを効率良く放出させることができる。このため、リボイラー49から供給される高温の再生用水蒸気43により、二酸化炭素含有吸収液41の温度を高めている。このことにより、二酸化炭素含有吸収液41から二酸化炭素ガスを効率良く放出させることができる。
【0063】
この放出された二酸化炭素ガスが水蒸気とともに再生塔44の頂部へ向けて更に上昇し、再生塔44の頂部から水蒸気を含む二酸化炭素ガス(水蒸気含有二酸化炭素ガス42)が排出される。この間、二酸化炭素ガスを放出して再生された吸収液(再生吸収液48)は再生塔44の底部へ向けて更に下降する。
【0064】
そして水蒸気含有二酸化炭素ガス42は、再生塔44の上部から圧縮機45に供給される。この間、この水蒸気含有二酸化炭素ガス42は、二酸化炭素ガス冷却器46により冷却され水蒸気の一部が凝縮し、分離器47において、冷却された水蒸気含有二酸化炭素ガス42から水蒸気の一部が凝縮水として分離される。水蒸気の一部が分離された水蒸気含有二酸化炭素ガス42は圧縮機45に供給される。なお、分離器47において分離された凝縮水は、再生塔44の上部に戻される。
【0065】
圧縮機45において、水蒸気含有二酸化炭素ガス42が圧縮され、この水蒸気含有二酸化炭素ガス42は二酸化炭素ガスを圧縮して貯蔵するための設備(図示せず)に供給される。
【0066】
一方、図1に示すように、再生塔44において再生された再生吸収液48は、再生塔44からリボイラー49へ供給される。この間、後述するボイラー側熱交換器61から加熱されて生成された飽和状態の加熱用水蒸気60aが、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により汽水分離されて減圧バルブ100を介して供給される。このことにより、この加熱用水蒸気60aを熱源として、再生吸収液48が加熱され、再生吸収液48に含まれる水分の一部から高温の再生用水蒸気43を生成することができる。また、リボイラー49に供給される加熱用水蒸気60aが減圧バルブ100によって減圧されることにより、その過熱度を若干高めることができ、これによって加熱用水蒸気60aが凝縮することを防止することができる。
【0067】
この高温の再生用水蒸気43は、リボイラー49から再生用水蒸気供給ライン51を通って再生塔44に供給される。一方、リボイラー49において加熱された再生吸収液48は、上述したように、吸収液循環ポンプ57により、リボイラー49から第1再生吸収液供給ライン56を通って再生熱交換器52に送られる。
【0068】
上述したように、再生熱交換器52においては、リボイラー49から送られてきた再生吸収液48を熱源として、吸収塔44から供給された二酸化炭素含有吸収液41が加熱され、熱源として用いられた再生吸収液48は、再生熱交換器52で冷却されて第2再生吸収液供給ライン58を通って吸収塔40の上部に供給される。
【0069】
次に、リボイラー49に加熱用水蒸気60aを供給する流れについて述べる。
【0070】
図1に示すように、リボイラー49において再生用水蒸気43を加熱するために用いられた加熱用水蒸気60aは冷却されて加熱用水60になり、リボイラー49から第1加熱用媒体供給ライン63のタンク67に排出される。このタンク67に排出されて貯蔵された加熱用水60は、加熱用媒体冷却器102により冷却される。このとき、タンク67内に存在する蒸気も冷却されて凝縮される。
【0071】
冷却された加熱用水60は、タンク67から加熱用水循環ポンプ68によりタービン側熱交換器65に供給される。このタービン側熱交換器65において、加熱用水60は、クロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4(中圧排気蒸気あるいは低圧蒸気)を熱源として加熱される。
【0072】
タービン側熱交換器65にて加熱された加熱用水60は、ボイラー側熱交換器61に供給される。このボイラー側熱交換器61において、加熱用水60は、ボイラー6の煙道8のうち節炭器11と給水予熱器12との間を通過する排ガス5を熱源として加熱され、水分を含む加熱用水蒸気60aが飽和状態で生成される。
【0073】
この水分を含む飽和状態の加熱用水蒸気60aは、第2加熱用媒体供給ライン64を通り、減圧バルブ100を介してリボイラー49に供給される。このとき、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75において、水分を含む飽和状態の加熱用水蒸気60aが汽水分離されて水分が取り除かれる。このことにより、飽和状態の加熱用水蒸気60aを、水分を取り除いてリボイラー49に供給することができる。そしてこの加熱用水蒸気60aがリボイラー49において熱源として利用されて再生用水蒸気43が生成される。この場合、飽和状態の加熱用水蒸気60aの潜熱が、再生用水蒸気43を生成するための熱源として利用される。このため、水分を含んだ加熱用水蒸気60aを熱源として利用する場合に比べて、効率良く再生用水蒸気43を生成することができる。なお、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により取り除かれた水分は、リボイラー49に供給されることなく、加熱用媒体水分戻しライン101を通ってタンク67に供給される。
【0074】
このように本実施の形態によれば、タービン側熱交換器65によりクロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4を熱源として加熱用水60が加熱され、さらに、ボイラー側熱交換器61によりボイラー6の煙道8を通過する排ガス5を熱源として加熱用水60が加熱されて水分を含む飽和状態の加熱用水蒸気60aが生成され、この加熱用水蒸気60aが加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により水分が取り除かれて減圧バルブ100を介してリボイラー49に供給される。このことにより、リボイラー49において、この加熱用水蒸気60aを熱源として高温の再生用水蒸気43を効率良く生成して、この高温の再生用水蒸気43を再生塔44に供給して、再生塔44において二酸化炭素含有吸収液41から効率良く二酸化炭素ガスを放出させることができる。この場合、再生用水蒸気43の熱源となる加熱用水蒸気60aの熱源として煙道8を通過する排ガス5およびクロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4が用いられている。このため、二酸化炭素含有吸収液41から二酸化炭素ガスを放出させるために必要なエネルギをボイラー6から排出される排ガス5から取り出すことができる。また、タービン蒸気4を抽気して直接再生用水蒸気43の熱源として用いることがなく、クロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4から間接的に取り出している。このため、発電効率が低下することを抑制することができる。
【0075】
また本実施の形態によれば、脱気器29により脱気された脱気水30の一部が、噴霧ポンプ37により噴霧されて脱気水供給ライン38を介してクロスオーバー管25に供給される。このことにより、クロスオーバー管25内のタービン蒸気4(中圧排気蒸気あるいは低圧蒸気)の湿り度を高くして、クロスオーバー管25の下流側に連結された低圧タービン23の出口において、タービン蒸気4を常に湿った状態に維持することができる。このため、低圧タービン23の最終段翼(図示せず)が腐食することを防止することができる。特に、タービン蒸気4のうちの特に主蒸気や再熱蒸気の温度を700℃程度に高める場合、低圧タービン23の出口におけるタービン蒸気4(低圧排気蒸気)が乾燥および湿潤を交互に繰り返す状態となる傾向にあるが、この場合においても低圧タービン23の出口におけるタービン蒸気4を確実に湿った状態に維持することができる。
【0076】
なお、本実施の形態においては、図1に示すように、噴霧ポンプ37に脱気水供給ライン38の一端が連結され、脱気水供給ライン38の他端はクロスオーバー管25に連結されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、脱気水供給ライン38の他端が中圧タービン22の出口に連結され、噴霧ポンプ37により噴霧された脱気水30が中圧タービン22の出口に供給されるように構成しても良い。この場合においても、低圧タービン23の出口におけるタービン蒸気4を常に湿った状態に維持することができる。
【0077】
また、本実施の形態においては、クロスオーバー管25内に、クロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4(中圧排気蒸気あるいは低圧蒸気)を熱源として、ボイラー側熱交換器61に供給される加熱用水60を加熱するタービン側熱交換器65を設け、このタービン側熱交換器65を第1加熱用媒体供給ライン63に介在させている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、第1加熱用媒体供給ライン63にタービン側熱交換器65を介在させることなく、第1加熱用媒体供給ライン63の加熱用水循環ポンプ68にボイラー側熱交換器61の入口側を直接連結するようにしても良い。この場合においても、二酸化炭素含有吸収液41から二酸化炭素ガスを放出させるために必要なエネルギをボイラー6から排出される排ガス5から取り出して、発電効率が低下することを抑制するとともに、排ガス5から二酸化炭素を回収することができる。
【0078】
第2の実施の形態
次に、図2により、本発明の第2の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムについて説明する。ここで図2は、本発明の第2の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムの全体構成を示す図である。
【0079】
図2に示す第2の実施の形態において、タービン側熱交換器とボイラー側熱交換器が並列に配置されるとともに、脱気器により復水から脱気された脱気水蒸気が、中圧タービン出口に供給される点が主に異なり、他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図2において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0080】
図2に示す二酸化炭素回収型汽力発電システム1において、脱気器29に、脱気器29により復水26から脱気された脱気水蒸気71を取り出して、中圧タービン22から低圧タービン23に供給されるタービン蒸気4に向けて送る脱気水蒸気供給ライン70が設けられている。具体的には図2に示すように、この脱気水蒸気供給ライン70は、脱気器29と中圧タービン22の出口との間に連結され、脱気水蒸気71を、中圧タービン22の出口に向けて送るように構成されている。また、この脱気水蒸気供給ライン70は、脱気水蒸気供給ライン70を通る脱気水蒸気71の圧力を調整する脱気水蒸気調圧バルブ72を含んでいる。
【0081】
中圧タービン22と低圧タービン23との間に連結されたクロスオーバー管25内に、クロスオーバー管25を通過するタービン蒸気4(中圧排気蒸気あるいは低圧蒸気)を熱源として、リボイラー49に供給される加熱用水60を加熱するタービン側熱交換器65が設けられている。このタービン側熱交換器65は、第1加熱用媒体供給ライン63とボイラー側熱交換器61の出口側との間に介在されている。すなわち、第1の実施の形態においては、タービン側熱交換器65とボイラー側熱交換器61とが直列に接続されていたが、本実施の形態においては、タービン側熱交換器65とボイラー側熱交換器61とが並列に配置されており、タービン側熱交換器65にて加熱用水60が加熱され、ボイラー側熱交換器61にて加熱用水60が加熱されて水分を含む飽和状態の加熱用水蒸気60aが生成され、これら加熱用水60と加熱用水蒸気60aが合流した後に汽水分離されてリボイラー49に供給されるように構成されている。
【0082】
すなわち、図2に示すように、タービン側熱交換器65の入口側は、第1加熱用媒体供給ライン63に、第1加熱用媒体供給ライン63から分岐した第1タービン側加熱用媒体供給ライン73を介して連結されている。また、第2加熱用媒体供給ライン64は加熱用水蒸気60aを汽水分離する加熱用媒体汽水分離ヘッダー75を含み、タービン側熱交換器65の出口側は、第2タービン側加熱用媒体供給ライン74を介して加熱用媒体汽水分離ヘッダー75に連結されている。このことにより、タービン側熱交換器65において加熱された加熱用水60が、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75においてボイラー側熱交換器61から送られてくる飽和状態の加熱用水蒸気60aに合流して混合する。この場合、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により混合した加熱用水60と加熱用水蒸気60aが汽水分離され、加熱用水蒸気60aに含まれる水分が取り除かれる。このため、飽和状態の加熱用水蒸気60aを、水分を取り除き、かつ減圧バルブ100を介してリボイラー49に供給することができ、飽和状態の加熱用水蒸気60aの潜熱を、再生用水蒸気43を生成するための熱源として利用して、効率良く再生用水蒸気43を生成することができる。なお、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75により取り除かれた水分は、リボイラー49に供給されることなく、加熱用媒体水分戻しライン101を通ってタンク67に供給される。
【0083】
第1加熱用媒体供給ライン63は、第1タービン側加熱用媒体供給ライン73との分岐位置73aより下流側に、この部分を通る加熱用水60の圧力および流量を調整する加熱用水調圧バルブ76を含んでいる。
【0084】
このように本実施の形態によれば、脱気器29により脱気された脱気水蒸気71が中圧タービン22の出口に供給される。このことにより、中圧タービン22の出口を介して低圧タービン23に、水滴が混入することを防止することができる。
【0085】
また本実施の形態によれば、中圧タービン22の出口に供給される脱気水蒸気71は、脱気器29に供給された復水27から脱気されているため、飽和状態に近く若干の湿り度がある。このため、低圧タービン23の入口蒸気の過熱度を小さくして、低圧タービン23の出口におけるタービン水蒸気4を常に湿った状態に維持することができる。
【0086】
また本実施の形態によれば、第2加熱用媒体供給ライン63の加熱用水調圧バルブ76により、ボイラー側熱交換器61へ供給される加熱用水60の流量と、タービン側熱交換器65へ供給される加熱用水60の流量を調整することができる。すなわち、タービン側熱交換器65から加熱用媒体汽水分離ヘッダー75に送られる加熱された加熱用水60は、加熱用媒体汽水分離ヘッダー75において水分として取り除かれるため、ボイラー側熱交換器61からリボイラー49へ供給される加熱用水蒸気60aの流量を調整することができる。このため、リボイラー49へ供給される加熱用水蒸気60aの流量を安定させることができる。
【0087】
なお、本実施の形態においては、図2に示すように、脱気器29に、脱気水蒸気供給ライン70の一端が連結され、脱気水蒸気供給ライン70の他端は中圧タービン22の出口に連結されている例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、脱気水蒸気供給ライン70の他端がクロスオーバー管25の入口に連結され、取り出された脱気水蒸気71がクロスオーバー管25に供給されるように構成しても良い。この場合においても、クロスオーバー管25を介して低圧タービン23に、水滴が混入することを防止することができる。
【0088】
第3の実施の形態
次に、図3により、本発明の第3の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムについて説明する。ここで図3は、本発明の第3の実施の形態における二酸化炭素回収型汽力発電システムの全体構成を示す図である。
【0089】
図3に示す第3の実施の形態において、脱気水供給ラインに、脱気器から取り出された脱気水を加熱する脱気水加熱器が設けられ、この脱気水過熱器の下流側にこの脱気水から水分を分離する脱気水汽水分離ヘッダーが設けられている点が主に異なり、他の構成は、図1に示す第1の実施の形態と略同一である。なお、図3において、図1に示す第1の実施の形態と同一部分には同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0090】
図3に示す二酸化炭素回収型汽力発電システム1において、脱気水供給ライン38には、中圧タービン22から抽気されるタービン蒸気4(中圧抽気蒸気)を熱源として、脱気器29において生成された脱気水30のうち一部が取り出されて噴霧ポンプ37により噴霧された脱気水30を加熱して、少なくとも部分的に脱気水を気化させる第1脱気水加熱器80が設けられている。また、この第1脱気水加熱器80の下流側に、高圧タービン21から抽気されるタービン蒸気4(高圧抽気蒸気)を熱源として、第1脱気水加熱器80により加熱された脱気水30を更に加熱して、少なくとも部分的に脱気水30を気化させる第2脱気水加熱器81が設けられている。すなわち、噴霧ポンプ37により噴霧された脱気水30は、第1脱気水加熱器80および第2脱気水加熱器81により加熱されて一部または全部が気化される。
【0091】
この第2脱気水加熱器81の下流側に、第2脱気水加熱器81により加熱されて少なくとも部分的に気化された脱気水30から水分を分離する脱気水汽水分離ヘッダー82が設けられている。さらに、この脱気水汽水分離ヘッダー82と脱気器29との間に、脱気水汽水分離ヘッダー82により分離された水分を脱気器29に戻す脱気水水分戻しライン83が連結されている。このことにより、噴霧ポンプ37により噴霧された脱気水30のうち気化された部分が、クロスオーバー管25に供給される。
【0092】
このように本実施の形態によれば、噴霧ポンプ37により噴霧された脱気水30のうち気化された部分と水分とが脱気水汽水分離ヘッダー82により分離され、このうち気化された部分をクロスオーバー管25に供給することができる。このため、クロスオーバー管25を介して低圧タービン23に、水滴が混入することを確実に防止することができる。
【0093】
また本実施の形態によれば、第1脱気水加熱器80および第2脱気水加熱器81により加熱された脱気水30の気化された部分は、飽和状態に近く湿り度が高い。このため、低圧タービン23の出口において、タービン蒸気4を常に湿った状態に維持することができる。
【0094】
なお、本実施の形態においては、脱気水供給ライン38は、中圧タービン22から抽気されるタービン蒸気4(中圧抽気蒸気)を熱源として脱気水30を加熱する第1脱気水加熱器80と、高圧タービン21から抽気されるタービン蒸気4(高圧抽気蒸気)を熱源として脱気水30を加熱する第2脱気水加熱器81とを含んでいる例について述べた。しかしながらこのことに限られることはなく、脱気水供給ライン38は、第1脱気水加熱器80および第2脱気水加熱器81のうちのいずれか一方のみを含むように構成しても良い。この場合においても、噴霧ポンプ37により噴霧された脱気水30を加熱して、少なくとも部分的に脱気水30を気化させることができる。
【符号の説明】
【0095】
1 二酸化炭素回収型汽力発電システム
1a 汽力発電プラント
1b 二酸化炭素回収プラント
2 燃料
3 燃焼用空気
4 タービン蒸気
5 排ガス
6 ボイラー
7 火炉
8 煙道
9 過熱器
10 再熱器
11 節炭器
12 空気予熱器
13 電気集塵器
14 脱硫装置
18 高圧側バルブ
19 中圧側バルブ
20 タービン軸
21 高圧蒸気タービン
22 中圧蒸気タービン
23 低圧蒸気タービン
24 発電機
25 クロスオーバー管
26 復水器
27 復水
28 復水ライン
29 脱気器
30 脱気水(給水)
31 復水ポンプ
32 低圧給水加熱器
33 給水ライン
34 給水ポンプ
35 第1高圧給水加熱器
36 第2高圧給水加熱器
37 噴霧ポンプ
38 脱気水供給ライン
40 吸収塔
40a 排ガス供給口
40b 排ガス出口
41 二酸化炭素含有吸収液
42 水蒸気含有二酸化炭素ガス
43 再生用水蒸気
44 再生塔
45 圧縮機
46 二酸化炭素ガス冷却器
47 分離器
48 再生吸収液
49 リボイラー
50 再生吸収液排出ライン
51 再生用水蒸気供給ライン
52 再生熱交換器
53 第1二酸化炭素含有吸収液供給ライン
54 吸収液循環ポンプ
55 第2二酸化炭素含有吸収液供給ライン
56 第1再生吸収液供給ライン
57 吸収液循環ポンプ
58 第2再生吸収液供給ライン
60 加熱用水
60a 加熱用水蒸気
61 ボイラー側熱交換器
63 第1加熱用媒体供給ライン
64 第2加熱用媒体供給ライン
65 タービン側熱交換器
67 タンク
68 加熱用水循環ポンプ
70 脱気水蒸気供給ライン
71 脱気水蒸気
72 脱気水蒸気調圧バルブ
73 第1タービン側加熱用媒体供給ライン
73a 分岐位置
74 第2タービン側加熱用媒体供給ライン
75 加熱用媒体汽水分離ヘッダー
76 加熱用水調圧バルブ
80 第1脱気水加熱器
81 第2脱気水加熱器
82 脱気水汽水分離ヘッダー
83 脱気水水分戻しライン
100 減圧バルブ
101 加熱用媒体水分戻しライン
102 加熱用媒体冷却器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料を燃焼して蒸気を生成するとともに排ガスが生成され、この排ガスが排出される際に通過する煙道を有するボイラーと、
このボイラーから排ガスが供給され、この排ガスに含まれる二酸化炭素を吸収液に吸収させる吸収塔と、
吸収塔から二酸化炭素を吸収した吸収液が供給され、二酸化炭素を吸収した吸収液から二酸化炭素ガスを放出させてこの二酸化炭素ガスを排出する再生塔と、
熱源としての加熱用媒体が供給されるとともに、前記再生塔からの吸収液を加熱し、発生させた蒸気を再生塔に供給するリボイラーと、
前記ボイラー内の節炭器と空気予熱器の間の煙道内に設けられ、当該部分の煙道内を通過する前記ボイラーの排ガスを熱源として、前記加熱用媒体を加熱するボイラー側熱交換器と、を備えたことを特徴とする二酸化炭素回収型汽力発電システム。
【請求項2】
前記ボイラーは主蒸気を発生させる過熱器および再熱蒸気を発生させる再熱器を有し、
前記主蒸気が供給されて回転駆動する高圧蒸気タービンと、
前記再熱蒸気が供給されて回転駆動する中圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気タービンからの排気蒸気が供給されて回転駆動する低圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気タービンと前記低圧蒸気タービンとの間に設けられ、前記中圧蒸気タービンからの排気蒸気を前記低圧蒸気タービンに供給させるクロスオーバー管と、
前記クロスオーバー管に設けられ、当該クロスオーバー管を通過する蒸気を熱源として前記加熱用媒体を加熱するタービン側熱交換器と、を更に備え、
前記加熱用媒体は、前記タービン側熱交換器にて加熱された後に前記ボイラー側熱交換器に供給されて更に加熱されることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素回収型汽力発電システム。
【請求項3】
前記ボイラーは主蒸気を発生させる過熱器および再熱蒸気を発生させる再熱器を有し、
前記主蒸気が供給されて回転駆動する高圧蒸気タービンと、
前記再熱蒸気が供給されて回転駆動する中圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気タービンからの排気蒸気が供給されて回転駆動する低圧蒸気タービンと、
前記中圧蒸気タービンと前記低圧蒸気タービンとの間に設けられ、前記中圧蒸気タービンからの排気蒸気を前記低圧蒸気タービンに供給させるクロスオーバー管と、
前記クロスオーバー管に設けられ、当該クロスオーバー管を通過する蒸気を熱源として、前記加熱用媒体を加熱するタービン側熱交換器と、を更に備え、
前記ボイラー側熱交換器と前記タービン側熱交換器は並列に配置され、前記ボイラー側熱交換器と前記タービン側熱交換器のそれぞれで加熱された前記加熱用媒体が合流して前記リボイラーに熱源として供給される構成となっていることを特徴とする請求項1に記載の二酸化炭素回収型汽力発電システム。
【請求項4】
前記低圧蒸気タービンからの排気蒸気を冷却して復水を生成する復水器と、
前記復水を脱気して脱気水を生成する脱気器と、
前記脱気器にて生成された脱気水の一部を取り出し当該脱気水の一部を噴霧する噴霧ポンプと、
前記噴霧ポンプの下流に設けられ、噴霧された前記脱気水の一部を、前記中圧蒸気タービンから前記低圧蒸気タービンに供給される蒸気に向けて送る脱気水供給ラインと、を更に備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の二酸化炭素回収型汽力発電システム。
【請求項5】
前記脱気水供給ラインには、高圧蒸気タービンおよび中圧蒸気タービンのうちの少なくとも一方から抽気される蒸気を熱源として、噴霧ポンプにより噴霧された脱気水を加熱する少なくとも一つの脱気水加熱器が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の二酸化炭素回収型汽力発電システム。
【請求項6】
前記脱気水供給ラインの前記脱気水加熱器の下流には、脱気水加熱器により加熱されて少なくとも部分的に気化した脱気水から水分を分離する脱気水汽水分離ヘッダーが設けられ、
この脱気水汽水分離ヘッダーと脱気器との間に、脱気水汽水分離ヘッダーにより分離された水分を脱気器に戻す脱気水水分戻しラインが連結されていることを特徴とする請求項5に記載の二酸化炭素回収型汽力発電システム。
【請求項7】
前記低圧蒸気タービンからの排気蒸気を冷却して復水を生成する復水器と、
前記復水を脱気して脱気水および脱気水蒸気を生成する脱気器と、
この脱気器から、脱気された脱気水蒸気を取り出して、前記中圧蒸気タービンから前記低圧蒸気タービンに供給される蒸気に向けて送る脱気水蒸気供給ラインと、を更に備えたことを特徴とする請求項2または3に記載の二酸化炭素回収型汽力発電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−85078(P2010−85078A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147974(P2009−147974)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】