説明

亜鉛およびフィチン酸塩を含む口腔ケア組成物

開示されるのは、口腔ケア組成物とその使用であって、口腔で許容可能なキャリア中に、
(a)約0.01〜約10重量%の本質的に水不溶性の亜鉛化合物および、
(b)約0.01重量%〜約10重量%、フィチン酸、myo−イノシトールペンタキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩などのポリリン酸化イノシトール化合物から選択される、COP結合を有する化合物とを含む。
組成物は、歯垢、結石、虫歯、歯周病、口臭、および歯牙侵食などの口腔内状態の予防および抑制に有効であり、亜鉛の使用に伴う不快な収れん性や金属味がなく、許容可能な美観を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、本質的に水不溶性の亜鉛化合物とフィチン酸化合物とを含む、口腔ケア組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
うがい薬、口内洗浄剤、および練り歯磨きなどの口腔ケア製品への亜鉛化合物の使用は、広く受け入れられている方法である。亜鉛は、口腔内の悪臭を中和し、抗微生物作用、抗歯垢作用、および抗結石作用をもたらすため、使用されている。亜鉛化合物の活性は、一般に、亜鉛イオン、特に二価亜鉛イオン(Zn+2)によるものである。従って、活性亜鉛イオンを容易に発生させる、塩化亜鉛などの水溶性かつ高度にイオン化された亜鉛化合物は、典型的には水性系の口腔用組成物において有用であることが見出されている。しかし、可溶性亜鉛化合物は、口腔内で好ましくない収れん性や金属味を呈し、並びに、歯垢、結石に対する効果、およびにおい阻害物質としての効果が長続きしないという欠点を有する。クエン酸亜鉛および乳酸亜鉛などの難水溶性塩は従って、亜鉛イオンの放出を緩和し、それにより収れん性を抑え、口腔内でより長く活性を持続させるため唾液による亜鉛化合物の溶解を遅くするために用いられる。これら亜鉛化合物の難溶性特性により、初期有効性又は即時有効性を犠牲にして、活性の持続を促進する。様々な溶解度の亜鉛化合物の使用については、例えば、米国特許第4,082,841号、同第4,100,269号、同第4,022,880号、同第4,138,477号、同第4,144,323号、同第4,154,815号、同第4,289,755号、同第4,325,939号、同第4,339,432号、同第4,425,325号、同第4,416,867号、同第4,469,674号、同第4,522,806号、同第4,568,540号、同第4,647,452号、同第4,664,906号、同第4,814,163号、同第4,814,164号、同第4,992,259号、同第5,000,944号、同第5,085,850号、同第5,188,820号、同第5,455,024号、同第5,456,902号、同第5,587,147号、同第5,855,873号、同第6,015,547号、同第6592,849号、同第6,723,305号に開示されている。
【0003】
口腔ケア製品におけるフィチン酸およびフィチン酸塩の使用についても、これら化合物の抗カリエス活性、抗結石活性、キレート活性、および抗染み活性に焦点を当てた既存の開示の主題であり、これらは例えば、米国特許第4,259,316号、同第4,335,102号、同第4,305,928号、同第4,394,371号、同第4,528,181号、同第4,826,675号、同第5,281,410号、同第5,286,479号、同第5,300,289号、同第5,762,911号、および同第5,891,448号、WO02/02060号、WO04/024112号、WO04/045594号、JP04036229A2号、JP10087458A2号、JP10182383A2号、JP11021216A2号、JP11171749A2号、JP11349460A2号、JP56018911A2号、JP56018912A2号、JP56018913A2号、JP56022721A2号、JP56039008A2号、JP56045408A2号、JP56075422A2号、JP2001233750A2号、およびJP2003335646A2号に開示される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
亜鉛化合物およびフィチン酸化合物の両方が、口腔用組成物における様々な用途に対して推奨されているが、口腔ケア組成物における不溶性亜鉛化合物とフィチン酸化合物の混合物が、結石、歯垢、虫歯、歯周病、および口臭などの口腔内状態の予防および抑制に特に有効である可能性が、従来技術のいずれにおいても提言されていない。本発明の組成物は、亜鉛の使用に伴う望ましくない収れん性や金属味が生じるのを回避しながらも、この様な混合物を活用し、大きく持続効果をもたらすものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、口腔ケア組成物とその使用を目的とし、口腔で許容可能なキャリア中に、
(a)約0.01重量%〜約10重量%の本質的に水不溶性の亜鉛化合物、
(b)約0.01重量%〜約10重量%の、フィチン酸、myo−イノシトールペンタキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、およびこれらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩などの、ポリリン酸化イノシトール化合物から選択される、C−O−P結合を有する化合物を含む。
【0006】
組成物は、歯垢、結石、虫歯、歯周病、および口臭などの口腔内状態の予防および抑制に有効であり、亜鉛の使用に伴う不快な収れん性や金属味がなく、許容可能な美観を有する。
【0007】
本発明のこれらのおよびその他の特徴、態様、および利点が当業者には本開示を読むことで明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本明細書は、本発明を特に指摘し明確に請求する特許請求の範囲をもって結論づけられるが、本発明は以下の説明からよりよく理解されるものと考えられる。
【0009】
本明細書の以下で使用される全ての百分率および比率は、特に指示がない限り、組成物全体の重量を基準とする。本明細書で言及される成分のすべての百分率、比率および濃度は、特に指示がない限り、成分の実際の量に基づき、市販製品として成分と組み合わされている場合がある溶媒、充填剤、又はその他の物質を含まない。
【0010】
本明細書で言及されるすべての測定は、特に明記されない限り25℃で行なわれる。
【0011】
本明細書中で、「含む」は、最終結果に影響を及ぼさない他の工程および他の構成成分が追加され得ることを意味する。この用語には、「からなる」および「から本質的になる」という用語が包含される。
【0012】
本明細書で使用するとき、単語「包含する」およびその変形は、挙げられている項目の詳細説明が、本発明の材料、組成物、装置、および方法に同様に有用であると考えられる他の類似の項目を除外しないように、非限定的であることを意図している。
【0013】
本明細書で使用するとき、単語「好ましい」、「好ましくは」およびその変形は、一定の条件下において一定の効果をもたらす本発明の実施形態に関する。しかし、同一又は異なる条件下において、その他の実施形態が好ましい場合もある。更に、1つ以上の好ましい実施形態の詳細説明は、他の実施形態が有用でないことを意味せず、本発明の範囲から他の実施形態を除外することを意図していない。
【0014】
「口腔ケア組成物」又は「口腔用組成物」とは、通常の使用過程では、特定の治療剤の全身投与の目的で意図的に嚥下されず、むしろ、口腔の活性を目的として実質的にすべての歯の表面および/又は口腔組織と接触させるのに十分な時間にわたり、口腔内に保持される製品を意味する。口腔ケア組成物は、歯垢除去のための歯の洗浄に加え、歯石の形成、および虫歯、歯周炎や歯肉炎などの疾患の予防、また、口腔内の悪臭や口臭および染みの除去や予防を行う作用がある。口腔ケア製品の形態の例には、練り歯磨き、歯磨剤、歯磨きゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤、口内スプレー、ムース、フォーム、義歯製品、薬用キャンディー、咀しゃく錠又はチューインガム、および口腔表面への直接適用又は貼付用のストリップやフィルムが挙げられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「歯磨剤」という用語は、特に指定がない限り、ペースト、ゲル、又は液体製剤を意味する。歯磨剤組成物は、単一相組成物であってもよいし、又は2つ以上の別々の歯磨剤組成物の組み合わせであってもよい。歯磨剤組成物は、深くまで達する縞状、表面的な縞状、ペーストを囲むゲルを有する多層状又はこれらのいずれかの組み合わせのような、いずれの所望の形態であってもよい。2つ以上の別個の歯磨剤組成物を含む歯磨剤中の各歯磨剤組成物は、ディスペンサーの物理的に分離された区画内に収容され、同時に投与されてもよい。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「ディスペンサー」とは、歯磨剤などの組成物を分配するのに好適なあらゆるポンプ、チューブ、又は容器を意味する。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「歯」とは、天然歯、並びに人工歯又は歯科補綴物を指す。
【0018】
本明細書において、用語「歯石」および「結石」とは、同じ意味で用いられ、石化した歯垢バイオフィルムを指す。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「口腔で許容可能なキャリア」とは、本発明の組成物中に用いられるあらゆる安全且つ有効な物質を包含する。このような物質には、フッ化物イオン供給源、抗結石又は抗歯石剤、減感剤、過酸化物供給源などの歯白色化剤、シリカなどの研磨剤、ハーブ剤、キレート化剤、緩衝剤、抗染み剤、アルカリ金属重炭酸塩、増粘材料、保湿剤、水、界面活性剤、二酸化チタン、着香系、甘味剤、キシリトール、着色剤、およびこれらの混合物を非限定的に包含する、口腔ケア組成物における従来の添加剤が挙げられる。
【0020】
本明細書に有用な活性物質および他の成分は、美容的および/若しくは治療的な効果、又はそれらが要求される作用様式若しくは機能によって、本明細書中で分類又は記述することができる。ただし、本明細書に有用な活性物質および他の成分が、場合によっては美容的および/若しくは治療的な1を超える効果をもたらすこと、又は1を超える作用様式で作用することもあることを理解すべきである。したがって、本明細書での分類は便宜上実施されるものであって、成分を特に規定した用途又は列挙した用途に制限しようとするものではない。
【0021】
本口腔ケア組成物は、必須成分として、本質的に水不溶性の亜鉛化合物と、フィチン酸、myo−イノシトールペンタキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、およびこれらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩などのポリリン酸化イノシトール化合物から選択される、錯化剤とを含む。フィチン酸は、別名myo−イノシトール1,2,3,4,5,6−ヘキサキス(二水素リン酸塩)、又はイノシトール六リン酸であり、そのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩は、C−O−P結合を含む好ましい化合物であり、本質的に水不溶性の亜鉛化合物の可溶化を促進し、抗微生物剤、抗歯垢剤、抗結石剤、および脱臭材として作用する、二価亜鉛イオン(Zn+2)を供給する錯化剤として機能する。本明細書では、用語「フィチン酸塩」は、フィチン酸およびその塩、並びにその他ポリリン酸化イノシトール化合物を包含する。フィチン酸塩は、抗カリエス剤、およびヒドロキシアパタイトや結石の形成阻害剤としても作用する。
【0022】
本明細書で亜鉛化合物に関して用いられる用語「本質的に水不溶性」は、亜鉛含有化合物の水への溶解度が、25℃において、約0.1グラム/100ミリリットル未満であることを意味する。本明細書で有用な本質的に水不溶性の亜鉛化合物の例には、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、および菱亜鉛鉱、水亜鉛鉱(炭酸水酸化亜鉛)、水亜鉛銅鉱、および亜鉛孔雀石などの亜鉛含有鉱物が挙げられる。好ましい亜鉛化合物は炭酸亜鉛であり、本明細書で使用する用語には、塩基性炭酸亜鉛とも呼ばれる、結晶性形状を含む様々な形状が包含され、塩基性炭酸亜鉛(ケイターケミカルズ(Cater Chemicals):米国イリノイ州ベンセンヴィル)、炭酸亜鉛(シェパードケミカルズ(Shepherd Chemicals):米国オハイオ州ノーウッド)、炭酸亜鉛(CPSユニオン(CPS Union Corp.):米国ニューヨーク州ニューヨーク)、炭酸亜鉛(エレメンティスピグメンツ(Elementis Pigments):英国ダラム)、および炭酸亜鉛AC(ブリュッゲマンケミカル(Bruggemann Chemical):米国ペンシルバニア州ニュートンスクエア)として市販される。
【0023】
塩基性炭酸亜鉛は、天然起源の水亜鉛鉱に類似した物質から成る合成の種類である。理想的な化学量論は、Zn(OH)(COにより表されるが、実際の化学量論的比は僅かに変化することができ、またその他の不純物が結晶格子内に組み込まれてもよい。
【0024】
本発明の特定の態様に従って、口腔で許容可能なキャリア中に、約0.01〜約10重量%のフィチン酸化合物、および約0.01重量%〜約10重量%の1種又は混合物の本質的に不溶性の亜鉛化合物を含む、口腔ケア組成物が提供される。いくつかの実施形態では、本質的に不溶性の亜鉛化合物は、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、又はピロリン酸亜鉛であり、フィチン酸化合物はフィチン酸又はそのアルカリ金属塩、又はアンモニウム塩である。これらの実施形態における不溶性亜鉛化合物の濃度は、約10%までであり、典型的には約0.01%〜約5%である。フィチン酸化合物の濃度は、約10%までであり、典型的には約0.01%〜約5%である。
【0025】
二価亜鉛イオンは、一般に口腔の処置に有益な作用を持つと考えられているが、これについて考慮される重要な点は、最終製品が、ユーザーに受け入れられないほどの極端な収れん性を示したり、不快な味であったりしてはならないことである。活性亜鉛イオンを容易に放出する、塩化亜鉛、酢酸亜鉛、硫酸亜鉛、およびクエン酸亜鉛を包含する多くの可溶性又は難溶性亜鉛化合物は、水性口腔用組成物に混合される場合、高い収れん性を示すことが知られている。従って、本発明は、可溶性又は難溶性亜鉛化合物と比べ、非常に弱い収れん傾向を持つ、本質的に不溶性の亜鉛化合物を利用する。フィチン酸化合物は本組成物中に存在し、亜鉛と錯化することにより可溶化作用を示し、活性二価亜鉛イオン源を供給する。また、亜鉛/フィチン酸塩錯体、およびいくつかの不溶性亜鉛化合物は、歯又はその他口腔表面上に沈着し、それにより、長時間にわたって亜鉛イオンを放出する貯蔵層を提供するとも考えられる。可溶性亜鉛塩は、通常は、すすぎ中に水で、又は唾液で簡単に洗い流されるため、持続効果を提供できない。
【0026】
本発明の口腔ケア組成物は、練り歯磨き、歯磨剤、歯磨きゲル、歯肉縁下用ゲル、口内洗浄剤、口内スプレー、ムース、フォーム、義歯製品、薬用キャンディー、咀しゃく錠、又はチューインガムを包含する、様々な形態であってもよい。本口腔ケア組成物はまた、口腔表面への直接適用又は貼付用のストリップ又はフィルム上に組み込まれてもよい。
【0027】
本組成物は、最適には、約4.0〜約10.0の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、組成物のpHは約6.0〜約9.0である。歯磨剤組成物のpHは、例えば、水が3部に対して練り歯磨き1部である、3:1の水性スラリーの歯磨剤から測定する。
【0028】
上述した構成成分に加え、本発明の組成物は、以下の項で記載する、口腔で許容可能なキャリア物質と集合的に呼ばれる追加の任意成分を含んでもよい。
【0029】
口腔で許容可能なキャリア物質
口腔で許容可能なキャリアは、局所口腔投与に好適な1つ以上の混和性のある固体若しくは液体賦形剤、又は希釈剤を含む。本明細書で使用するとき、「適合性のある」とは、組成物の構成成分が、組成物の安定性および/又は有効性を実質的に減少させるようなやり方での相互作用なしに、混合され得ることを意味する。
【0030】
本発明のキャリア又は賦形剤は、歯磨剤、非研磨剤ゲル、歯肉縁下用ゲル、うがい薬又は口内洗浄剤、口内スプレー、チューインガム、薬用キャンディー、および口臭予防用ミント、の通常および従来の構成成分を含むことができるが、それについては以下に、より詳細に説明する。
【0031】
使用されるキャリアの選択は、基本的に、組成物が口腔内に導入される方法によって決定される。練り歯磨き、歯磨きゲルなどのキャリア物質には、米国特許第3,988,433号(ベネディクト(Benedict))で開示されるような、研磨材料、起泡剤、結合剤、保湿剤、着香剤および甘味剤などが挙げられる。二相性歯磨剤処方用のキャリア物質は、ルカコビッチ(Lukacovic)らによる米国特許第5,213,790号(1993年5月23日発行)、同第5,145,666号(1992年9月8日発行)、および同第5,281,410号(1994年1月25日発行)、およびシェファー(Schaeffer)による米国特許第4,849,213号、および同第4,528,180号に開示される。うがい薬、口内洗浄剤、又は口内スプレーのキャリア物質には、典型的には、例えば米国特許第3,988,433号(ベネディクト(Benedict))で開示されるような、水、着香剤、および甘味剤などが挙げられる。薬用キャンディーのキャリア物質には、典型的にはキャンディーベースが挙げられ、チューインガムのキャリア物質には、例えば米国特許第4,083,955号(グレーベンシュテッター(Grabenstetter)ら)に開示されるような、ガムベース、着香剤、および甘味剤が挙げられる。子袋のキャリア物質には、典型的には、子袋、着香剤、および甘味剤が挙げられる。歯周ポケットの中又は歯周ポケットの周囲への活性物質の送達に用いられる歯肉縁下用ゲルについては、例えば、1993年3月30日および1993年9月7日に各々両方共ダマニ(Damani)に発行された米国特許番号第5,198,220号および第5,242,910号に開示されているように、「歯肉縁下用ゲルキャリア」が選択される。本発明の組成物の調製に好適なキャリアは、当該技術分野において周知である。それらの選択は、味、価格、および貯蔵安定性などのような二次的考察によって左右される。
【0032】
本発明の組成物は、非研磨剤ゲルおよび歯肉縁下ゲルの形態であってもよく、これは水性であっても又は非水性であってもよい。水性ゲルは、一般に、増粘剤(約0.1%〜約20%)、保湿剤(約10%〜約55%)、香味剤(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、着色剤(約0.01%〜約0.5%)、および残部の水を包含する。その組成物は、カリエス予防剤(フッ化物イオンとして約0.05%〜約0.3%)、および抗歯石剤(約0.1%〜約13%)を含んでもよい。
【0033】
一つの実施形態において、本発明の組成物は、練り歯磨き、歯磨きゲルおよび歯磨き粉のような歯磨剤の形態である。こうした練り歯磨きおよび歯磨ゲルの構成成分は一般に、歯の研磨剤(約6%〜約50%)、界面活性剤(約0.5%〜約10%)、増粘剤(約0.1%〜約5%)、保湿剤(約10%〜約55%)、着香料(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、着色剤(約0.01%〜約0.5%)、および水(約2%〜約45%)を1つ以上を含む。このような練り歯磨きまたは歯磨きジェルはまた、抗カリエス剤(フッ化物イオンとして約0.05%〜約0.3%)、および抗結石剤(約0.1%〜約13%)を1つ以上含んでもよい。歯磨き粉はもちろん、実質的にすべての非液体の構成成分を含有する。
【0034】
本発明のその他の実施形態は、うがい薬又は口内洗浄剤、および口内スプレーである。そのようなうがい薬および口内スプレーの構成成分は、典型的には、水(約45%〜約95%)、エタノール(約0%〜約25%)、保湿剤(約0%〜約50%)、界面活性剤(約0.01%〜約7%)、着香剤(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、および着色剤(約0.001%〜約0.5%)を1つ以上包含する。このようなうがい薬および口腔スプレーはまた、抗カリエス剤(フッ化物イオンとして約0.05%〜約0.3%)、および抗結石剤(約0.1%〜約3%)を1つ以上含んでもよい。
【0035】
本発明の組成物は、歯科用溶液、および洗浄溶液の形態としてもよい。そのような歯科用溶液の構成成分は、一般に、水(約90%〜約99%)、防腐剤(約0.01%〜約0.5%)、増粘剤(0%〜約5%)、着香剤(約0.04%〜約2%)、甘味剤(約0.1%〜約3%)、および界面活性剤(0%〜約5%)を1つ以上包含する。
【0036】
チューインガム組成物は、典型的には、ガムベース(約50%〜約99%)、着香剤(約0.4%〜約2%)、および甘味剤(約0.01%〜約20%)を1つ以上含む。
【0037】
用語「薬用キャンディー」とは、本明細書で使用するとき、口臭予防のミントキャンディー、トローチ、香錠、微小カプセル、および凍結乾燥形態を包含する即溶性の固体形態(ケーキ、ウエファース、薄膜、錠剤)および圧縮錠を含む。用語「即溶性の固体形態」とは、固形剤形を口腔に入れた後、約60秒未満、好ましくは約15秒未満、より好ましくは約5秒未満で固形剤形が溶解することを意味する。即溶性の固体形態は、同一出願人によるWO95/33446号およびWO95/11671号、米国特許第4,642,903号、同第4,946,684号、同第4,305,502号、同第4,371,516号、同第5,188,825号、同第5,215,756号、同第5,298,261号、および同第4,687,662号に開示される。
【0038】
薬用キャンディーには、香味を付けた基剤中に治療薬を含む円板形状の固体が挙げられる。その基剤は、硬いシュガーキャンディー、グリセリンゼラチン、又は糖と形を与えるのに十分な粘液との組み合わせであってもよい。これらの剤形については、一般に、レミントン(Remington)の、製薬学の科学と実際(The Science and Practice of Pharmacy)、第19版(1995年)、第II巻、第92章に記載されている。薬用キャンディー組成物(圧縮錠剤型)は、典型的には、充填剤(圧縮性糖)、香味剤、および潤滑剤を1つ以上包含する。本明細書において考察される微小カプセルの種類については、1994年12月6日に発行された、ピーターソン(Peterson)らの米国特許第5,370,864号に開示されている。
【0039】
更に別の態様では、本発明は、本発明の組成物を含浸させた歯科用器具を提供する。歯科用器具は、歯および口腔内のその他の組織に接触するための器具を含み、前記器具には、本発明の組成物が含浸されている。歯科用器具は、デンタルフロス又はテープ、チップ、ストリップ、フィルムおよびポリマー繊維を含む、含浸された繊維であってもよい。
【0040】
本発明の組成物に含まれていてもよい口腔で許容可能なキャリア又は賦形剤の種類は、特定の非限定的な例とともに、次の項で述べられている。
【0041】
フッ化物供給源
組成物中にフッ化物イオン濃度をもたらすのに十分な量で、水溶性フッ化物化合物を歯磨剤および他の口腔用組成物中に存在させることは一般的であり、および/又はそれが約0.0025重量%〜約5.0重量%、好ましくは0.005重量%〜約2.0重量%で用いられた場合に、抗カリエス効果を提供する。多種多様なフッ化物イオン生成物質が、本発明の組成物中の可溶性フッ化物の供給源として使用され得る。好適なフッ化物イオン生成物質の例が、米国特許第3,535,421号(ブライナー(Briner)ら、1970年10月20日発行)および米国特許第3,678,154号(ウィダー(Widder)ら、1972年7月18日発行)に見られる。代表的なフッ化物イオン供給源には、フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化インジウム、フッ化アミン、およびその他多くのものが挙げられる。フッ化第一スズおよびフッ化ナトリウム、並びにこれらの混合物が好ましい。
【0042】
研磨材
本発明の組成物の局所口腔キャリアで有用な歯科用研磨剤には、多くの様々な物質が含まれる。選択される物質は、対象組成物中で適合性があり、象牙質を過度に削らないものでなければならない。適した研磨剤には、例えば、ゲルおよび沈殿物を包含するシリカ、不溶性のポリメタリン酸ナトリウム、水和アルミナ、炭酸カルシウム、オルトリン酸二カルシウム二水和物、ピロリン酸カルシウム、リン酸三カルシウム、ポリメタリン酸カルシウム、および尿素とホルムアルデヒドの粒子状縮合生成物のような樹脂性研磨剤物質が挙げられる。
【0043】
本組成物に用いる別の部類の研磨剤は、米国特許第3,070,510号(クーリー(Cooley)およびグレーベンシュテッター(Grabenstetter)、1962年12月25日発行)に記載されている粒子状熱硬化性重合樹脂類である。好適な樹脂には、例えば、メラミン類、フェノール樹脂、尿素類、メラミン−尿素類、メラミン−ホルムアルデヒド類、尿素−ホルムアルデヒド、メラミン−尿素−ホルムアルデヒド類、架橋エポキシド類、および架橋ポリエステル類が挙げられる。
【0044】
様々な種類のシリカ歯科用研磨剤は、歯のエナメル質または象牙質を過度に研磨させない優れた歯の洗浄および艶出性能という独特の効果があるので好ましい。他の研磨剤と同様に、本明細書のシリカ研磨艶出物質は、一般に、約0.1ミクロンと約30ミクロンの間、好ましくは約5ミクロン〜約15ミクロンの範囲の平均粒径を有する。研磨剤は、沈降シリカ、又はシリカキセロゲル類のようなシリカゲル類であることができ、米国特許第3,538,230号(ペイダー(Pader)ら、1970年3月2日発行)および米国特許第3,862,307号(ディギュリオ(DiGiulio)、1975年1月21日発行)に記載されている。例えば、商標名「シロイド(Syloid)」でW.R.グレース・アンド・カンパニー、デイビソン・ケミカル・ディビジョン(W.R. Grace & Company Davison Chemical Division)から市販されるシリカキセロゲル類、および沈澱シリカ材料、例えば、J.M.フーバーコーポレーション(J. M. Huber Corporation)から商標名ゼオデント(Zeodent(登録商標))で市販されるもの、特に、ゼオデント(Zeodent(登録商標))119、ゼオデント(Zeodent(登録商標))118、ゼオデント(Zeodent(登録商標))109、およびゼオデント(Zeodent(登録商標))129という名称のシリカ類が挙げられる。本発明の練り歯磨きに有用なシリカの歯の研磨剤の種類については、1982年7月29日に発行されたウェイソン(Wason)の米国特許第4,340,583号;および1997年2月18日に発行された本発明の譲受人にともに譲渡された米国特許第5,603,920号;1996年12月31日に発行された第5,589,160号、1997年8月19日に発行された第5,658,553号、1997年7月29日に発行された第5,651,958号、および2004年5月25日に発行された第6,740,311号に、より詳細に記載されている。
【0045】
研磨剤の混合物は、上に列挙された様々な等級のゼオデント(Zeodent)(登録商標)シリカ研磨剤の混合物のように、用いられることができる。本発明の歯磨剤組成物中の研磨剤の合計量は、典型的には約6重量%〜約70重量%であり、練り歯磨きは、好ましくは組成物の約10重量%〜約50重量%の研磨剤を含有する。本発明の歯科用溶液、口内スプレー、うがい薬、および非研磨剤ゲル組成物は、典型的には、少量の研磨剤を含み、又は研磨剤を含まない。
【0046】
抗結石剤
本組成物は任意に、ピロホスフェートイオン供給源としてのピロホスフェート塩など、追加の抗結石剤を包含してもよい。本組成物に有用なピロホスフェート塩としては、ピロリン酸二アルカリ金属塩、ピロリン酸四アルカリ金属塩、およびこれらの混合物が挙げられる。無水和並びに水和の形態の、二水素ピロリン酸二ナトリウム(Na)、ピロリン酸四ナトリウム(Na)、およびピロリン酸四カリウム(K)が好ましい種である。本発明の組成物において、ピロホスフェート塩は次の3通りのうちの1つの形態で存在してもよい:即ち、主に溶解した形態、主に溶解していない形態、又は溶解した形態と溶解していない形態のピロホスフェート塩の混合物のいずれかである。
【0047】
主に溶解したピロホスフェートを含む組成物とは、少なくとも1つのピロホスフェートイオン供給源が、少なくとも約1.0%の遊離ピロホスフェートイオンを提供するのに十分な量である組成物を指す。遊離ピロホスフェートイオン量は、約1%〜約15%、一つの実施形態においては約1.5%〜約10%、および、他の実施形態では約2%〜約6%としてもよい。遊離ピロホスフェートイオンは、組成物のpHに依存して多様なプロトン化状態で存在してもよい。
【0048】
主に溶解していないピロホスフェート塩を含む組成物とは、組成物中に溶解している約20%以下の合計ピロホスフェート塩、好ましくは組成物中に溶解している約10%未満の合計ピロホスフェートを含有する組成物を指す。ピロリン酸四ナトリウム塩は、これらの組成物中の好ましいピロホスフェート塩である。ピロリン酸四ナトリウムは、無水塩形態若しくは十水和物の形態、又は歯磨剤組成物中において固体形態で安定なその他のいずれの種であってもよい。塩はその固体粒子状形態であり、その結晶性および/又は非晶性状態であってもよく、その塩の粒径は、好ましくは、審美的に受け入れられるように、そして使用時に容易に溶解するように十分に小さい。これらの組成物の製造に有用なピロホスフェート塩の量は、歯石抑制に有効な任意の量であり、一般に、歯磨剤組成物の約1.5重量%〜約15重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%、最も好ましくは約3重量%〜約8重量%である。
【0049】
組成物はまた、溶解したピロホスフェート塩と溶解していないピロホスフェート塩との混合物を含んでもよい。前述のピロホスフェート塩のいずれを用いてもよい。
【0050】
ピロホスフェート塩は、カーク・オスマー(Kirk-Othmer)、工業化学百科事典、第3版、第17巻、ワイリー−インターサイエンス(Wiley-Interscience)(1982年)により詳細に記載されている。
【0051】
ピロホスフェート塩の代わりにまたはピロホスフェート塩と組み合わせて用いられる任意の剤としては、合成陰イオン性ポリマーとして既知の物質などが挙げられ、それには例えば米国特許第4,627,977号(ガファル(Gaffar)ら)に記載されている、ポリアクリレートおよび無水マレイン酸またはマレイン酸とメチルビニルエーテル(例えば、ガントレッツ(Gantrez))のコポリマー、並びに、例えばポリアミノプロパンスルホン酸(AMPS)、ポリリン酸塩(例えば、トリポリリン酸塩およびヘキサメタリン酸塩)、ジホスホネート(例えば、EHDP;AHP)、ポリペプチド(ポリアスパラギン酸およびポリグルタミン酸など)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0052】
ホスホネートコポリマーの例として、米国特許第5,011,913号(ベネディクト(Benedict)ら)におけるジホスホネート誘導体化ポリマー、例えば、ジホスホネート変性ポリアクリル酸が挙げられる。その他の好適なホスホネート含有ポリマーは、米国特許第5,980,776号(ザキカニ(Zakikhani)ら)、および米国特許第6,071,434号(デービス(Davis)ら)に記載される。
【0053】
ポリホスフェートもまた本組成物中に含まれてもよい。ポリホスフェートは一般に、幾つかの環状誘導体が存在してもよいが、本質的には直鎖構造に配置される2以上のホスフェート基からなるとして理解されている。理論的にはポリホスフェートであるピロホスフェートおよびトリポリホスフェートに加えて、また望ましいのは平均で約4以上のホスフェート基を有するポリホスフェート、即ち中でもテトラポリホスフェートおよびヘキサメタホスフェートである。テトラポリホスフェートより大きいポリホスフェートは、通常は非晶質のガラス状物質として存在し、直鎖「ガラス状」ポリホスフェートは以下の式を有する。
XO(XPO
式中、Xはナトリウム又はカリウムであり、nの平均は約6〜約125である。好ましいポリホスフェートはFMC社(FMC Corporation)により製造されており、ソダホス(Sodaphos)(n≒6)、ヘキサホス(Hexaphos)(n≒13)、およびガラスH(Glass H)(n≒21)として商業的に既知である。これらのポリホスフェートは単独で又は組み合わせて用いられてもよい。
【0054】
キレート化剤
その他の任意の剤はキレート化剤であり、隔離剤とも呼ばれ、例えば、グルコン酸、酒石酸、クエン酸、およびこれらの製薬上許容できる塩類である。キレート化剤は、細菌の細胞壁に見出されるカルシウムを錯化し得る。キレート化剤はまた、このバイオマスが損なわれないように保持するのを助けるカルシウムの架橋からカルシウムを取り除くことにより歯垢を崩壊させることができる。しかしながら、カルシウムが高すぎる親和性を有するキレート化剤を用いることは結果として歯の脱鉱質化をもたらす可能性があり、これは本発明の目的および意図に反するために、望ましくない。好適なキレート化剤は、通常はカルシウム結合定数が約10〜10であり、洗浄を改善し、歯垢および結石の形成を減少させる。キレート化剤はまた、金属イオンと錯体を形成することができ、それにより、安定性又は製品の外観に対する弊害を予防するのに役立つ。鉄又は銅などのイオンのキレート化により、最終製品の酸化による変質抑制に役立つ。
【0055】
好適なキレート化剤の例は、グルコン酸又はクエン酸のナトリウム又はカリウム塩、クエン酸/クエン酸アルカリ金属塩混合物、酒石酸二ナトリウム、酒石酸二カリウム、酒石酸ナトリウムカリウム、酒石酸水素ナトリウム、酒石酸水素カリウム、ナトリウムポリホスフェート、カリウムポリホスフェート、又はアンモニウムポリホスフェート、およびこれらの混合物である。本発明に用いるのに好適なキレート化剤の量は、約0.1%〜約2.5%、好ましくは約0.5%〜約2.5%、より好ましくは約1.0%〜約2.5%である。
【0056】
本発明で使用するのに好適な更に別のキレート化剤は、陰イオン性高分子ポリカルボキシレートである。こうした物質は当該技術分野において周知であり、その遊離酸又は部分的に若しくは好ましくは完全に中和された水溶性アルカリ金属塩(例えばカリウム、好ましくはナトリウム)若しくはアンモニウム塩の形態で使用される。例としては、無水マレイン酸またはマレイン酸と、他の重合可能なエチレン性不飽和モノマー、好ましくは約30,000〜約1,000,000の分子量(M.W.)を有するメチルビニルエーテル(メトキシエチレン)との1:4〜4:1のコポリマーである。これらのコポリマーは、例えば、GAFケミカルズ・コーポレーション(GAF Chemicals Corporation)のガントレッツ(Gantrez)AN139(分子量500,000)、AN119(分子量250,000)、およびS−97医薬品等級(分子量70,000)として入手可能である。
【0057】
他の有効な高分子ポリカルボキシレートには、無水マレイン酸とエチルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、N−ビニル−2−ピロリドン又はエチレンとの1:1コポリマーであって、後者は、例えばモンサント(Monsanto)EMA NO.1103、分子量10,000およびEMA等級61として入手可能であるもの、およびアクリル酸とメチル若しくはヒドロキシエチルメタクリレート、メチル若しくはエチルアクリレート、イソブチルビニルエーテル又はN−ビニル−2−ピロリドンとの1:1コポリマー等が挙げられる。
【0058】
追加的な有効な高分子ポリカルボキシレートは、1979年2月6日のガファル(Gaffar)への米国特許第4,138,477号、および1980年1月15日のガファル(Gaffar)らへの米国特許第4,183,914号に開示されているが、無水マレイン酸とスチレン、イソブチレン又はエチルビニルエーテルのコポリマー;ポリアクリル酸、ポリイタコン酸およびポリマレイン酸;並びにユニロイヤル(Uniroyal)ND−2として入手可能な、分子量が1,000ほどに低いスルホアクリルオリゴマー(sulfoacrylic oligomer)が挙げられる。
【0059】
歯のホワイトニング活性物質
歯の白色化活性物質は、本発明の口腔ケア組成物中に含まれてもよい。白色化に好適な活性物質には、過酸化物、亜塩素酸金属塩、過ホウ酸塩、過炭酸塩、過オキソ酸、過硫酸塩およびこれらの組み合わせが挙げられる。適したペルオキシド化合物には、過酸化水素、過酸化尿素、過酸化カルシウムおよびこれらの混合物が挙げられる。好適な亜塩素酸金属塩には、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸バリウム、亜塩素酸マグネシウム、亜塩素酸リチウム、亜塩素酸ナトリウム、および亜塩素酸カリウムが挙げられる。好ましい亜塩素酸塩は、亜塩素酸ナトリウムである。追加的白化活性物質は、次亜塩素酸塩および二酸化塩素であってもよい。好ましい過炭酸塩は、過炭酸ナトリウムである。他の好適なホワイトニング剤には、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウムおよび過硫酸リチウム、並びに過ホウ酸塩一および四水和物、およびピロリン酸ナトリウム過酸化水和物(peroxyhydrate)が挙げられる。
【0060】
その他の活性剤
本発明は任意に、抗微生物剤のような他の剤を包含してもよい。こうした剤の中に包含されるのは、ハロゲン化ジフェニルエーテル、フェノールおよびその同族体を包含するフェノール化合物、モノアルキルおよびポリアルキル並びに芳香族ハロフェノール、レゾルシノールおよびその誘導体、ビスフェノール化合物およびハロゲン化サリチルアニリド、安息香酸エステルおよびハロゲン化カルバニリドのような非水溶性非陽イオン性抗微生物剤である。水溶性抗微生物剤には、とりわけ四級アンモニウム塩およびビス−ビクアニド塩(bis-biquanide salts)が挙げられる。トリクロサンモノホスフェートは、補助的な水溶性抗微生物剤である。四級アンモニウム剤には、四級窒素上の置換基のうちの一つ又は二つが炭素原子約8〜約20個、典型的には約10〜約18個の炭素鎖長(典型的にはアルキル基)を有する一方、残りの置換基(典型的にはアルキル基又はベンジル基)は、炭素原子約1〜約7個などの、より少ない炭素原子数、典型的にはメチル基又はエチル基を有するものが挙げられる。臭化ドデシルトリメチルアンモニウム、塩化テトラデシルピリジニウム、臭化ドミフェン、塩化N−テトラデシル−4−エチルピリジニウム、臭化ドデシルジメチル(2−フェノキシエチル)アンモニウム、塩化ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、塩化セチルピリジニウム、四級化5−アミノ−1,3−ビス(2−エチル−ヘキシル)−5−メチルヘキサヒドロピリミジン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウムおよび塩化メチルベンゼトニウムは、典型的な四級アンモニウム抗細菌剤の代表例である。その他の化合物は、米国特許第4,206,215号(ベイリー(Bailey)、1980年6月3日発行)に開示されているようなビス[4−(R−アミノ)−1−ピリジニウム]アルカンである。銅塩、亜鉛塩、およびスズ塩などのその他の抗微生物剤も包含してもよい。また有用であるのは、エンドグリコシダーゼ、パパイン、デキストラナーゼ、ムタナーゼおよびこれらの混合物を包含する酵素である。こうした剤は、米国特許第2,946,725号(ノリス(Norris)ら、1960年7月26日)、および米国特許第4,051,234号(ギースキー(Gieske)ら、1977年9月27日)に開示されている。抗微生物剤の具体的な例として、クロルヘキシジン、トリクロサン、トリクロサンモノホスフェート、およびチモールなどの香味油が挙げられる。トリクロサンおよびこの種の他の剤については、パーラン・ジュニア(Parran, Jr.)らによる米国特許第5,015,466号(1991年5月14日発行)、およびナビ(Nabi)らによる米国特許第4,894,220号(1990年1月16日)に開示されている。抗歯垢の効果を提供するこれらの試剤は、本歯磨剤組成物の約0.01重量%〜約5.0重量%の濃度で存在してもよい。
【0061】
界面活性剤
本組成物はまた、一般的に起泡剤とも呼ばれる界面活性剤を含んでもよい。好適な界面活性剤は、広いpH範囲にわたって適度に安定で泡立つものである。界面活性剤は、陰イオン性、非イオン性、両性、双性イオン性、陽イオン性、又はこれらの混合物であってもよい。
【0062】
本明細書で有用な陰イオン性界面活性剤としては、アルキルラジカルに8個〜20個の炭素原子を有するアルキルスルフェートの水溶性塩(例えば、アルキル硫酸ナトリウム)、および8個〜20個の炭素原子を有する脂肪酸のスルホン化モノグリセリドの水溶性塩が挙げられる。ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)およびココナツモノグリセリドスルホン酸ナトリウムは、この種類の陰イオン性界面活性剤の例である。他の好適な陰イオン性界面活性剤は、ラウロイルサルコシン酸ナトリウム、タウレート、ラウリルスルホ酢酸ナトリウム、ラウロイルイセチオン酸ナトリウム、ラウレスカルボン酸ナトリウムおよびドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムのようなサルコシネートである。陰イオン性界面活性剤の混合物も使用できる。多数の好適な陰イオン性界面活性剤が、米国特許第3,959,458号(アグリコーラ(Agricola)ら、1976年5月25日発行)に開示されている。本組成物は、通常、約0.025%〜約9%、ある実施形態では約0.05%〜約5%、別の実施形態では約0.1%〜約1%の濃度で陰イオン性界面活性剤を含む。
【0063】
別の好適な界面活性剤は、サルコシネート界面活性剤、イセチオネート界面活性剤およびタウレート界面活性剤からなる群から選択されるものである。本明細書に用いるのに好ましいのは、これらの界面活性剤のアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、例えば、ラウロイルサルコシン酸、ミリストイルサルコシン酸、パルミトイルサルコシン酸、ステアロイルサルコシン酸、およびオレオイルサルコシン酸の、ナトリウム塩およびカリウム塩である。サルコシン酸界面活性剤は、本発明の組成物中に、総組成物の約0.1重量%〜約2.5重量%、好ましくは約0.5重量%〜約2.0重量%で存在してもよい。
【0064】
本発明に有用な陽イオン性界面活性剤には、約8個〜18個の炭素原子を含有する1つのアルキル長鎖を有する脂肪族四級アンモニウム化合物の誘導体、例えばラウリルトリメチルアンモニウムクロリド、セチルピリジニウムクロリド、セチルトリメチルアンモニウムブロミド、ジ−イソブチルフェノキシエチル−ジメチルベンジルアンモニウムクロリド、ココナツアルキルトリメチルアンモニウムニトライト、セチルピリジニウムフルオリドなどが挙げられる。好ましい化合物は四級アンモニウムフッ化物であり、米国特許第3,535,421号(1970年10月20日ブライナー(Briner)ら)に記載されているが、ここで該四級アンモニウムフッ化物は、洗剤の特性を有する。特定の陽イオン性界面活性剤はまた、本明細書に開示された組成物中で殺菌剤としても作用することができる。クロルヘキシジンのような陽イオン性界面活性剤は、本発明に用いるのに好適であるが、口腔の硬組織を染色する可能性があるために好ましくない。当業者はこの可能性について承知しており、この制限を念頭において陽イオン性界面活性剤を組み込むべきである。
【0065】
本発明の組成物に用いることができる非イオン性界面活性剤には、アルキレンオキシド基(本質的には親水性)と、本質的には脂肪族又はアルキル芳香族であってもよい有機疎水性化合物との縮合によって生成される化合物が挙げられる。好適な非イオン性界面活性剤の例としては、プルロニック(Pluronic)、アルキルフェノールのポリエチレンオキシド縮合物、プロピレンオキシドとエチレンジアミンとの反応生成物とエチレンオキシドとの縮合から得られた生成物、脂肪族アルコールのエチレンオキシド縮合物、長鎖三級アミンオキシド、長鎖三級ホスフィンオキシド、長鎖ジアルキルスルホキシド、およびこのような物質の混合物が挙げられる。
【0066】
本発明で有用な双性イオン性合成界面活性剤には、脂肪族四級アンモニウム、ホスホニウムおよびスルホニウム化合物の誘導体が挙げられ、その脂肪族基は直鎖又は分枝鎖であってもよく、その際脂肪族置換基の1つは約8個〜約18個の炭素原子を含有し、1つは例えばカルボキシ、スルホネート、サルフェート、ホスフェート又はホスホネートのような陰イオン性水溶性基を含有する。
【0067】
好適なベタイン界面活性剤は、米国特許第5,180,577号(ポールフカ(Polefka)ら、1993年1月19日発行)に開示されている。典型的なアルキルジメチルベタインには、デシルベタイン又は2−(N−デシル−N,N−ジメチルアンモニオ)アセテート、ココベタイン又は2−(N−ココ(coc)−N,N−ジメチルアンモニオ)アセテート、ミリスチルベタイン、パルミチルベタイン、ラウリルベタイン、セチルベタイン、セチルベタイン、ステアリルベタインなどが挙げられる。アミドベタインは、ココアミドエチルベタイン、ココアミドプロピルベタイン、ラウラミドプロピルベタインなどにより例示される。選択されるベタインは、好ましくはココアミドプロピルベタイン、より好ましくはラウラミドプロピルベタインである。
【0068】
増粘剤
練り歯磨き又はゲル類を調製する場合に、組成物に望ましい稠度を提供するため、使用の際に望ましい能動的な放出特質を提供するため、貯蔵安定性を提供するため、および組成物の安定性を提供するなどのために、増粘剤を添加する。好適な増粘剤には、1種の又は混合物のカルボキシビニルポリマー類、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、天然および合成粘土類(例えば、ビーガムおよびラポナイト)、並びにセルロースエーテル類の水溶性塩、例えば、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)およびカルボキシメチルヒドロキシエチルセルロースナトリウムが挙げられる。カラヤゴム、キサンタンガム、アラビアゴムおよびトラガカントゴムのような天然ゴム類も使用することができる。更に質感を改善するために、コロイド状ケイ酸アルミニウムマグネシウム又は超微粒子状シリカが、増粘剤の一部として使用できる。
【0069】
増粘剤又はゲル化剤として好適なカルボキシビニルポリマー類には、ペンタエリスリトールのアルキルエーテル若しくはスクロースのアルキルエーテルで架橋されたアクリル酸のホモポリマーである、カルボマー類が挙げられる。カルボマー類は、B.F.グッドリッチ(B.F. Goodrich)より、カーボポール(Carbopol)934、940、941、956、およびこれらの混合物を含むカーボポール(Carbopol(登録商標))シリーズとして入手可能である。
【0070】
ラクチドおよびグリコリドモノマーのコポリマーである、約1,000〜約120,000(数平均)の範囲の分子量を有するコポリマーは、「歯肉縁下ゲルキャリア」として歯周ポケットの中又は歯周ポケットの周りに活性物質を送達するのに有用である。これらのポリマーは、1993年3月30日および1993年9月7日に各々両方共ダマニ(Damani)に発行された米国特許番号第5,198,220号および第5,242,910号、並びに1984年4月17日にマテイ(Mattei)に発行された第4,443,430号に記載されている。
【0071】
練り歯磨きまたは歯磨きジェル全組成物の約0.1重量%〜約15重量%、好ましくは約2重量%〜約10重量%、より好ましくは約4重量%〜約8重量%の量で典型的に存在する増粘剤を使用することができる。チューインガム、薬用キャンディーおよび口臭予防用ミント、小袋、非研磨ゲルおよび歯肉縁下ゲルには、より高濃度で使用することができる。
【0072】
保湿剤
本組成物のその他任意のキャリア物質は、保湿剤である。保湿剤は、練り歯磨き組成物が空気に曝されて硬化しないように保ち、口への潤い感を組成物に与え、特定の保湿剤では、練り歯磨き組成物に望ましい甘い香味を付与するのに役立つ。保湿剤は、純保湿剤を基準にすると、一般に本明細書の組成物の約0重量%〜約70重量%、好ましくは約5重量%〜約25重量%含まれる。本発明の組成物における使用に好適な保湿剤には、グリセリン、ソルビトール、キシリトール、ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、およびトリメチルグリシンのような食用多価アルコール類が挙げられる。
【0073】
着香剤および甘味剤
着香剤も、組成物に添加されてよい。好適な着香剤としては、ウインターグリーン油、ペパーミント油、スペアミント油、クローブの芽の油、メンソール、アネトール、サリチル酸メチル、オイカリプトール、カッシア、1−メンチルアセテート、セージ、オイゲノール、オランダセリ油、オキサノン(oxanone)、α−イリソン、マジョラム、レモン、オレンジ、プロペニルグエトール、シナモン、バニリン、チモール、リナロール、CGAとして知られるシンナムアルデヒドグリセロールアセタール、およびこれらの混合物が挙げられる。着香剤は、一般に組成物中で、組成物の約0.001重量%〜約5重量%の濃度で用いられる。
【0074】
使用できる甘味剤としては、スクロース、グルコース、サッカリン、スクラロース、ブドウ糖、果糖、ラクトース、マンニトール、ソルビトール、フルクトース、マルトース、キシリトール、サッカリン塩類、タウマチン、アスパルテーム、D−トリプトファン、ジヒドロカルコン類、アセスルファムおよびシクラメート塩類、特にシクラミン酸ナトリウム、スクラロースおよびサッカリンナトリウム、並びにこれらの混合物が挙げられる。組成物は、組成物の約0.1重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%のこれらの剤を含有するのが好ましい。
【0075】
本発明の組成物では、任意成分として、着香剤および甘味剤に加え、冷却剤、唾液分泌剤、加温剤および局部麻酔剤を使用することができる。これらの剤は組成物中に、組成物の約0.001重量%〜約10重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%の濃度で存在する。
【0076】
冷却剤は、多種多様な物質のいずれかであることができる。このような物質に包含されるものは、カルボキサミド類、メンソール、ケタール類、ジオール類、およびこれらの混合物である。本組成物に好ましい冷却剤は、「WS−3」として商業的に既知であるN−エチル−p−メンタン−3−カルボキサミド、「WS−23」として既知であるN,2,3−トリメチル−2−イソプロピルブタンアミド、およびこれらの混合物などの、パラメンタンカルボキシアミド剤である。追加の好ましい冷却剤は、メンソール、高砂(Takasago)製のTK−10として既知である3−1−メントキシプロパン−1,2−ジオール、ハーマン・アンド・ライマー(Haarmann and Reimer)製のMGAとして既知であるメントングリセロールアセタール、およびハーマン・アンド・ライマー製のフレスコラト(Frescolat)(登録商標)として既知であるメンチルラクテートから成る群から選択される。本明細書で使用するとき、メントールおよびメンチルという用語は、これらの化合物の右旋性および左旋性の異性体、並びにこれらのラセミ混合物を包含する。TK−10は、米国特許第4,459,425号(アマノ(Amano)ら、1984年7月10日発行)で記載されている。WS−3および他の剤は、米国特許第4,136,163号(ワトソン(Watson)ら)で記載されている。
【0077】
本発明の好適な唾液分泌剤には、高砂(Takasago)製のジャンブ(Jambu)(登録商標)が挙げられる。加温剤の例は、トウガラシ、およびベンジルニコチネートのようなニコチネートエステル類である。好適な麻酔剤には、ベンゾカイン、リドカイン、クローブの芽の油、およびエタノールが挙げられる。
【0078】
種々のキャリア物質
商業的に好適な口腔用組成物の調製に用いられる水は、好ましくは、イオン含量が少なく、有機不純物を含まないべきである。水は一般に、本明細書の水性組成物の約5重量%〜約70重量%、好ましくは約20重量%〜約50重量%を構成する。この水の量は、添加される遊離水に加えて、ソルビトールのような他の物質と共に導入される水を包含する。
【0079】
本発明にはまた、アルカリ金属重炭酸塩を包含してもよく、研磨、脱臭、pHの緩衝および調整を含むいくつかの機能を提供できる。アルカリ金属重炭酸塩類は水に可溶性であり、安定化されていない場合には、水性系で二酸化炭素を放出する傾向がある。重炭酸ナトリウムは、重曹としても知られ、よく使用されるアルカリ金属重炭酸塩である。本組成物は、約0.5%〜約30%、好ましくは約0.5%〜約15%、最も好ましくは約0.5%〜約5%のアルカリ金属重炭酸塩を含有してもよい。
【0080】
本発明の組成物のpHを、緩衝剤を用いて調整してもよい。本明細書で使用するとき、緩衝剤とは、組成物のpHを約pH4.0〜約pH10.0の範囲に調整するために用いることができる試剤を指す。緩衝剤には、重炭酸ナトリウム、リン酸一ナトリウム、リン酸三ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、酸性ピロリン酸ナトリウム、クエン酸、およびクエン酸ナトリウムが挙げられる。緩衝剤は典型的に、本発明の組成物の約0.5重量%〜約10重量%の濃度で包含される。
【0081】
ポロキサマーを本組成物に使用してもよい。ポロキサマーは、非イオン性界面活性剤に分類され、乳化剤、結合剤、安定剤、およびその他関連する機能性剤としても作用してよい。ポロキサマーは、一級ヒドロキシル基で終端をなす二官能性ブロックポリマーであり、分子量が1,000〜15,000の範囲である。ポロキサマーは、BASFによりプルロニクス(Pluronics)およびプルラフロ(Pluraflo)の商品名で販売されている。本発明に好適なポロキサマーは、ポロキサマー(Poloxamer)407およびプルラフロ(Pluraflo)L4370である。
【0082】
本発明の組成物に使用してもよい他の乳化剤には、B.F.グッドリッチ(B.F.Goodrich)から入手可能なペミュレン(Pemulen)(登録商標)シリーズなどのポリマー乳化剤が挙げられ、これは、主に、疎水性物質用の乳化剤として有用な高分子量のポリアクリル酸ポリマーである。
【0083】
二酸化チタンもまた本組成物に添加されてもよい。二酸化チタンは、組成物に不透明度を加える白色粉末である。二酸化チタンは、一般に、歯磨剤組成物の約0.25重量%〜約5重量%含む。
【0084】
本組成物中に用いてもよい他の任意の試剤には、アルキルジメチコンコポリオールおよびアルコキシジメチコンコポリオールから選択されるジメチコンコポリオール、例えばC12〜C20アルキルジメチコンコポリオールおよびこれらの混合物が挙げられる。極めて好ましいのは、アビル(Abil)EM90の商品名で市販されているセチルジメチコンコポリオールである。ジメチコンコポリオールは一般に、約0.01重量%〜約25重量%、好ましくは約0.1重量%〜約5重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1.5重量%の濃度で存在する。ジメチコンコポリオール類は、歯の良い感触の効果を提供するのに役立つ。
【0085】
本組成物のその他の任意成分は、過敏性を制御する象牙質減感剤であり、例えば、硝酸塩、塩化物、フッ化物、リン酸塩、ピロリン酸塩、ポリリン酸塩、クエン酸塩、シュウ酸塩、および硫酸塩を含む、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、並びにスズの塩類である。
【0086】
使用方法
本発明は、歯の洗浄並びに虫歯、微生物感染、歯垢、結石、染みおよび口腔内の悪臭、および歯牙侵食を含む望ましくない口腔内状態の予防方法にも関する。
【0087】
本明細書の使用方法は、対象者の歯のエナメル質表面および口腔粘膜に、本発明による口腔用組成物を接触させることを含む。使用方法は、歯磨剤を用いるブラッシング、歯磨剤スラリー若しくは口内洗浄剤を用いるすすぎ、又はガム製品の咀嚼によってもよい。他の方法には、局所用口腔ゲル、口内スプレー、又は対象者の歯および口腔粘膜による他の形態が挙げられる。本発明は、本組成物をヒトの口腔に送達する方法だけでなく、これらの組成物を他の動物、例えば家庭のペット、他の家畜又は飼われている動物などの口腔に送達する方法にも関することは、理解されるべきである。
【0088】
例えば使用方法には、イヌの歯を歯磨剤組成物の一つを用いてブラッシングすることを挙げてもよい。別の例には、利益を確認するのに十分な時間、ネコの口を口腔組成物ですすぐことが挙げられる。ペットのケア製品、例えばチューズ(chews、かんでよい犬用おもちゃ)およびおもちゃを、本口腔組成物を含有するように配合してもよい。組成物は、比較的柔軟であるが強くて丈夫な材料、例えば生皮、天然繊維又は合成繊維製のロープ、およびナイロン、ポリエステル又は熱可塑性ポリウレタン製のポリマー物品に組み込まれる。動物が製品を噛み、なめ又はかじる時に、組み込まれた活性要素が動物の口腔内の唾液媒体内に放出され、効果的なブラッシング又はすすぎに匹敵する。
【実施例】
【0089】
以下の実施例は、本発明の範囲内にある実施形態を更に説明および実証する。これらの実施例は単に例示することが目的であり、これらの多くの変更が発明の精神および範囲から逸脱することなく可能であるので、本発明の制限として解釈されるべきではない。
【0090】
(実施例I)歯磨剤組成物
本発明に記載される歯磨剤組成物(IA〜IF)、および比較実施例(IGおよびIH)を、構成成分の重量%量とともに、以下に記載する。これらの組成物は従来の方法を用いて作製する。
【表1】

炭酸亜鉛AC(ブリュッゲマンケミカル(Bruggemann Chemical):米国ペンシルバニア州ニュートンスクエア)
【0091】
(実施例II)組成物の有効性
本組成物の抗微生物効果は、インビトロ歯垢糖分解再生モデル(in vitro Plaque Glycolysis and Regrowth Model:i−PGRM)を用いて測定される。歯肉縁上歯石の制御効果は、歯垢成長および無機質化分析変法(Modified Plaque Growth and Mineralization assay)を用いる、歯垢石灰化の予防活性により定義される。スズイオンおよび銅イオンなどの染みに関連する成分を含有する製剤の染み予防効果は、インビトロ薄膜お茶汚れモデル(in vitro Pellicle Tea Stain Model:i−PTSM)を用いて測定される。収れん性の低減、味覚受容性、および使用感など、製剤の美観の受容性は、管理下消費者テストで測定する。
【0092】
抗微生物活性
治療効果を与えるのに必要な亜鉛イオン濃度および生物学的利用能は、異なる臨床作用、例えば抗歯垢対歯肉炎において異なっていてもよい。しかし、最低抗微生物活性濃度以下では亜鉛の治療活性に支障をきたし得るため、この濃度を設定することが重要である。抗微生物効果を維持するためには、本組成物で用いられる不溶性亜鉛化合物から、十分な濃度の亜鉛イオンを発生させることが重要である。本明細書では、亜鉛イオン供給源による最低効果は、多くの望ましくない口腔内状態に関与する、歯垢細菌性バイオフィルムの代謝を阻害する効果により定義される。従って、抗微生物効果は、プロクター・アンド・ギャンブル(Procter & Gamble)の研究所で開発された、インビトロ歯垢糖分解再生モデル(i−PGRM)を用いて測定されるような、その場での歯垢代謝の顕著かつ有意な減少により定義される。
【0093】
i−PGRMは、唾液から歯垢を増加させ、様々な程度の抗微生物活性を示す剤で処理する手法である。この手法の目的は、歯肉の健康状態に悪影響を及ぼす毒素を産生するために歯垢微生物が利用する代謝経路に対し、化合物が直接的に作用する場合は、簡便かつ迅速な測定方法を提供することである。特に、このモデルは、乳酸、酢酸、プロピオン酸、および酪酸などの有機酸類の産生に注目している。この方法は、磨いたガラス棒を唾液中に一晩、ソイブロスおよびスクロース中に6時間、および再び唾液中に一晩浸すことにより、歯垢を増加させて利用する。ガラス棒上に増加した歯垢塊を、次いで、水対歯磨剤の3:1スラリーで1分間処理する。次いで、その塊をソイブロス/スクロース溶液中に6時間置き、6時間後、培養液のpHを測定する。この様に、試験処方と対照処方について、培養前のpHと培養後のpHを測定する。この試験は、実験間のばらつきを最小限にするため、通常は何回か繰り返して実施し、繰り返し実験から平均pHを算出する。生物が利用可能な亜鉛イオンを高濃度で含有する組成物は、糖分解性微生物による強い反応性のために、i−PGRM試験において歯垢酸産生を有意に阻害する。これにより、処方の差による亜鉛イオンの安定性および生物学的利用能を、比較的容易に比較できる。
【0094】
i−PGRMスコアは、以下の式により計算される。
【数1】

【0095】
平均pH値は、処置後およびスクロース負荷後に得られた培養液のpHを意味する。陰性又は亜鉛非含有対照の歯垢サンプルは、多くの酸を発生するため、陽性対照で処理された歯垢サンプルよりもpHは低い。陽性および陰性対照間のpH差は、一般には最低約0.6pH単位、理想的には少なくとも約1.0pH単位である。使用される陰性又は亜鉛非含有対照は、クレスト(Crest(登録商標))キャビティプロテクション(Cavity Protection)として市販されるフッ化ナトリウム練り歯磨きであり、陽性対照は、上記比較実施例IHに示され、米国特許第5,004,597号(マジェティ(Majeti)ら)に記載される、比較的高濃度のスズを含有する処方である。このようなスズ高濃度組成物は、i−PGRM試験において、歯垢酸産生を有意に阻害するとされている。乳酸亜鉛(可溶性亜鉛化合物)を含有する、上記比較実施例IGに示される組成物についても、不溶性亜鉛化合物を含有する本発明の組成物との比較試験をおこなった。
【0096】
不溶性亜鉛化合物とフィチン酸塩を混合して調製された製剤の有効性は、理想的には陽性対照に相当し、理想的なi−PGRMスコアは、100%に近づくであろう。以下表1のi−PGRM試験結果に示すように、本発明の処方は、高濃度スズ含有処方、又は可溶性亜鉛塩含有処方よりも、歯垢酸産生の阻害効果が高い。
【表2】

【0097】
(実施例III)抗侵食効果
上述の治療的および美容的効果に加え、不溶性亜鉛塩およびフィチン酸塩を含有する本発明の組成物は、インビトロ侵食周期モデルを用いた実験で証明されているように、歯牙侵食の開始と進行の予防効果をも提供する。本明細書の歯牙侵食とは、細菌作用により引き起こされる表面下の脱硬質化又は虫歯に対し、過酷な研磨および酸のような化学作用による、表面からの歯の物質の永久的な損失を意味する。歯の侵食は歯垢細菌を伴わない状態であり、したがって歯垢細菌によって発生する酸によって引き起こされる病気である虫歯とは区別される。本発明の組成物は、歯の表面、バリアフィルム、又はコーティング上に沈着し、それにより、接触による侵食剤の作用から歯を保護していると考えられる。
【0098】
ヒトエナメル質試料を、5日間の侵食周期レジメンにかけた。初期の薄膜形成に続き、試料に対する一連の処置を、1日に7回、1時間おきに行った。一連の処置は、歯磨剤スラリー処置(歯磨剤1部:新鮮保存ヒト唾液3部[W:W])、唾液再石灰化、および侵食酸負荷から成る。周期の完了時に、横断マイクロラジオグラフィー(TMR)ソフトウェアを用いて、試料を解析した。平均表面減少は、各処置群のエナメル質減少量(ミクロン)として記録する。
【0099】
エナメル質試料は、ダイヤモンドコアドリルを用い、摘出したヒト歯から3mmのコアを切り出して調製した。地域の外科医が収集した歯を、室温にて5%チモール中で保存した。エナメル質コアを、歯科用アクリル樹脂(デュラベース(Dura Base)、リライアンス・マニュファクチュアリング・カンパニー(Reliance Mfg.Co.)を用い、表面以外のすべての側面を覆った状態で、直径6.35ミリ(1/4インチ)のルーサイト棒上に取り付けた。600グリットの炭化ケイ素−水スラリーで磨き、約50ミクロンの外側エナメル質を除いた。この後、γアルミナ(リンデ(Linde)No.3、ABγポリッシングアルミナ(AB Gamma Polishing Alumina))で、試料を90分間磨いた。表面に狂いが見つかったエナメル質試料については、不合格とする。このように調製後、ネールポリッシュを表面約2/3に塗布し、中央部各側面1/3は、処理窓として露出しておいた。試料を処置群のうちの1つにランダムに割り当てた(5試料/群)。
【0100】
処置の前日の晩、各群の試料を、20mLの新鮮保存ヒト唾液中に置き、エナメル質表面上への薄膜層形成を開始した。処置を開始するため、歯磨剤5グラムと新鮮保存ヒト唾液15グラムを、4分間以上、又は使用前に5分間を超えて混合することにより、歯磨剤スラリーを調製した。新しいスラリーを各処置ごとに調製した。各処置サイクルは、歯磨剤スラリー(1分間)→脱イオン蒸留水(ddiHO)ですすぎ→唾液(5分間)→侵食負荷(15分間)→ddiHOですすぎ、とした。1日7回処置を行い、処置日を合計5日間とした。歯磨剤処置として、75rpmで回転させながら、試料を歯磨剤スラリーに1分間浸漬した。侵食負荷として、各処置群を20mLのコーラに浸けた(室温にて)。新しいコーラを各処置サイクルで用いた。唾液は、1日3回、1回目、4回目、および7回目の処置サイクル間に、新しくした。標本が処置中でない時はいつでも、標本を20mLの保存ヒト唾液中(攪拌する)に置いた。夜間は、各群の試料を唾液中に浸漬したままにした(室温で撹拌する)。
【0101】
5日間の処置後、試料をddiHOでよくすすぎ、分析まで湿潤環境で冷蔵保存した。分析を開始するため、ネールポリッシュ層を各試料の表面上全てに塗布し、表面を封止し、侵食による脆弱な部位を保護した。硬組織切り出し鋸を用いて、試料を平面平行に切断した。各切片は、対照部分および処置部分を分析用に提示できるよう切断した。薄切片(〜100μm)を各試料から切り出し、X線発生装置に取り付けられたカメラ内に収まる特製ホルダー上に平らに定置した。これらの切片を、次いでCuKα放射線に暴露した。コダック(Kodak)SO253ホログラフィックフィルムを用いて、放射線写真を撮った。標準的な白黒フィルム現像法を用いて、このフィルムを現像した。次にX線画像を、コンピュータを用いた画像解析システム(インスペクターリサーチ(Inspektor Research))であるTMRを用いて解析した。対照(未処置)部位に基づく従来の表面と処置後表面を比較し、侵食部位の深さ(硬質損失量のμM)を測定できる。
【0102】
本試験の結果を、(1)侵食深さ(μm)、(2)処置群ごとの平均値、および(3)平均値の標準誤差(SEM)を含めて、以下の表2にまとめる。このデータは、対照処置群(クレスト(Crest(登録商標))キャビティプロテクション(Cavity Protection))に対する、本発明の組成物の歯牙侵食の開始と進行に対するヒトエナメル質保護作用を示す。0.4%フィチン酸と1%塩基性炭酸亜鉛を含有する本発明の歯磨剤は、クレスト(Crest(登録商標))キャビティプロテクション(Cavity Protection)よりも、統計学的に高い浸食保護作用を示した。
【表3】

・ *試料の破損のため測定値が得られなかった。
【0103】
本明細書に開示されている寸法および値は、列挙した正確な数値に厳しく制限されるものとして理解すべきでない。それよりむしろ、特に指定されない限り、各こうした寸法は、列挙された値とその値周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味することを意図する。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0104】
「発明を実施するための最良の形態」で引用したすべての文献は、関連部分において本明細書に参考として組み込まれるが、いずれの文献の引用も、それが本発明に対する先行技術であることを容認するものと解釈されるべきではない。この文書における用語のいずれかの意味または定義が、参考として組み込まれる文献における用語のいずれかの意味または定義と対立する範囲については、本文書におけるその用語に与えられた意味または定義を適用するものとする。
【0105】
本発明の特定の実施形態を説明記述してきたが、本発明の精神範囲から逸脱することなく他の様々な変更修正を行えることが当業者には明白であろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更修正を、添付の特許請求の範囲で扱うものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗微生物効果、抗歯垢効果、抗結石効果、抗カリエス効果、および脱口臭効果を有する口腔ケア組成物であって、口腔で許容可能なキャリア中に、
(a)0.01重量%〜10重量%の本質的に水不溶性の亜鉛化合物、および
(b)0.01重量%〜10重量%の、フィチン酸、myo−イノシトールペンタキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩、およびこれらの混合物から選択されるポリリン酸化イノシトール化合物を含む、口腔ケア組成物。
【請求項2】
前記本質的に水不溶性の亜鉛化合物が、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、菱亜鉛鉱、水亜鉛鉱、水亜鉛銅鉱、および亜鉛孔雀石、並びにこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項3】
前記ポリリン酸化イノシトール化合物が、フィチン酸およびそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩から選択される、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項4】
フッ化物イオン供給源、抗結石剤、抗微生物剤、歯白色化剤、減感剤、研磨剤、キレート化剤、増粘剤、緩衝剤、アルカリ金属重炭酸塩、界面活性剤、着色剤、着香系、甘味剤、染み除去剤、およびこれらの混合物から選択される、口腔で許容可能なキャリア物質を1種以上更に含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項5】
フッ化第一スズ、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、フッ化インジウム、フッ化アミン、およびこれらの混合物から選択される、フッ化物イオン供給源を更に含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項6】
平均鎖長が2〜125、好ましくは平均鎖長が2〜21である直鎖ポリリン酸塩から選択される、抗結石剤を更に含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項7】
キレート化剤を更に含み、好ましくは前記キレート化剤がグルコン酸、クエン酸、酒石酸、これらのアルカリ金属塩又はアンモニウム塩、およびこれらの混合物から選択される、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項8】
スズイオン剤、トリクロサン、トリクロサンモノホスフェート、クロルヘキシジン、臭化ドミフェン、塩化セチルピリジニウム、銅イオン剤、精油、およびこれらの混合物から選択される、抗微生物剤を更に含む、請求項1に記載の口腔ケア組成物。
【請求項9】
ヒトおよび動物を対象とする歯垢、結石、虫歯、歯周病、および口臭の予防および抑制に用いられる口腔ケア組成物の製造における、本質的に水不溶性の亜鉛化合物およびポリリン酸化イノシトール化合物の使用であって、前記口腔ケア組成物が、口腔で許容可能なキャリア中に、
(a)0.01重量%〜10重量%の、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、菱亜鉛鉱、水亜鉛鉱、水亜鉛銅鉱、および亜鉛孔雀石、並びにこれらの混合物から選択される、本質的に水不溶性の亜鉛化合物、と
(b)0.01重量%〜10重量%の、フィチン酸、myo−イノシトールペンタキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩、およびこれらの混合物から選択される、ポリリン酸化イノシトール化合物
とを含む、使用。
【請求項10】
ヒトおよび動物を対象として歯牙侵食の開始と進行を防ぐのに用いられる口腔ケア組成物の製造における、本質的に水不溶性の亜鉛化合物およびポリリン酸化イノシトール化合物の使用であって、前記口腔ケア組成物が、口腔で許容可能なキャリア中に、
(a)0.01重量%〜10重量%の、炭酸亜鉛、酸化亜鉛、ケイ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ピロリン酸亜鉛、菱亜鉛鉱、水亜鉛鉱、水亜鉛銅鉱、および亜鉛孔雀石、並びにこれらの混合物から選択される、本質的に水不溶性の亜鉛化合物、と
(b)0.01重量%〜10重量%の、フィチン酸、myo−イノシトールペンタキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールテトラキス(二水素リン酸塩)、myo−イノシトールトリキス(二水素リン酸塩)、これらのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、又はアンモニウム塩、およびこれらの混合物から選択される、ポリリン酸化イノシトール化合物
とを含む、使用。

【公表番号】特表2009−520829(P2009−520829A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−547601(P2008−547601)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【国際出願番号】PCT/US2006/048996
【国際公開番号】WO2007/076001
【国際公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【出願人】(590005058)ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー (2,280)
【Fターム(参考)】