説明

人もしくは物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステム、このシステムを保守するための方法、装置およびコンピュータプログラム製品、およびこのシステムにより建物を改造する方法

【課題】入手が経済的で保守が簡単かつ複雑でない、リフト施設を用いた人または物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステムを提供すること。
【解決手段】本発明は、建物内の人または物の輸送もしくはアクセスの制御システム(100)、システム(100)保守の方法、装置、プログラム製品およびシステム(100)による建物の改造方法に関する。システム(100)は、人またはアイテムの識別コードを認識する階端末(30)、所定の宛先階または建物のゾーンへのアクセス許可の詳細を伴うユーザプロファイルを格納するデータメモリ(310)、認識された識別コードをユーザプロファイルと関連づけるプロセッサ(311)を含む。プロセッサ(311)およびデータメモリ(310)は、バスモジュール(31、31’)に配置される。バスモジュール(31、31’)は所定の宛先階もしくはゾーンへのアクセス許可の詳細を通信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人および/または物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステム並びにこのシステムを保守するための方法、装置およびコンピュータプログラム製品、および特許請求の範囲の定義に従ってこのシステムにより建物を改造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人および/または物を輸送するシステムは、鉄道、自動車、航空機、リフト施設、ケーブル路、エスカレータなど、公共もしくは個人的な輸送手段として知られている。以下では、リフト施設の好ましい形式の輸送手段を議論する。運ばれる人および/または物をユーザと呼ぶ。
【0003】
人および/または物のアクセス制御のシステムも同様に知られている。例えば、人のあるロケーションへのアクセスは、対応する機械的錠に対応する機械的鍵、もしくは、認識装置によって認識されチェックされる識別コードなどによって制御される。例えば、ドアなどのアクセス手段が、作動される。
【0004】
欧州特許公開第0699617号明細書が、本発明に関して最も近い従来技術であると考えられる。この文献は、識別コードによるリフト施設の非接触駆動制御を開示する。識別送信機が無線によって識別コードを認識装置に送信する。階端末に配置された認識装置が、識別コードを認識して、認識された識別コードに関する詳細を、識別信号として、処理ユニットに伝える。階端末の手動入力手段によって識別コードを入力することも可能である。認識された識別コードに関する詳細は、識別信号として、処理ユニットに伝えられる。処理ユニットは、プロセッサおよびデータメモリのための特別なハウジングならびに手動入力手段および視覚出力手段を備えた別個のコンピュータユニットである。プロセッサユニットのプロセッサは、データメモリに格納された、ユーザの所定宛先階を識別信号と関連づける。処理ユニットは宛先階に関する詳細をリフト制御に送信し、リフト制御は搭乗階および宛先階に関する詳細を評価し、ユーザを搭乗階から宛先階へ自動的に輸送すべくリフトケージのドライブに対し適当な制御信号を送信する。
【0005】
階端末および処理ユニットを伴う、識別コードによって制御されるそのようなリフト施設は、主に、輸送されるべき多数のユーザと、互いに隣り合って平行に配置されたいくつかのリフトとを伴う大きな建物に適している。処理ユニットの評価にしたがって、輸送に最も好ましいリフトが、ディスプレイによりユーザに表示される。
【0006】
識別コードに基づくこのシステムはまた、簡単で、実用的で、経済的で、かつ信頼性の高い、建物に関するアクセス制御を可能にする。例えば、紛失してしまった識別送信機は、再設定することができ、もしくは、従来のアクセス制御システムにおいては通例であるような機械的鍵/錠の変更の必要なくユーザに対してさらなる識別コードを割り当てることができる。
【0007】
階端末および処理ユニットを伴うそのようなリフト施設は比較的入手が高価であることの不利が今のところ証明されている。
【0008】
加えて、このシステムの保守は比較的費用のかさむことが証明されている。用語保守は、特に処理ユニットに格納された宛先階の変更および識別送信機の設定を、含む。これらのアクションは処理ユニットで実施される。この目的のため、用員がその処理ユニットへ行き、手動入力手段および視覚出力手段により特別なコンピュータプログラム製品を開始し操作しなければならない。コンピュータプログラム製品の手動入力手段および視覚出力手段による操作が用員によって学習され受け入れられなければならないということは、不利である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許公開第0699617号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の目的は、入手が経済的で保守が簡単かつ複雑でない、リフト施設を用いた人もしくは物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステムを提供することである。本発明のさらなる目的は、このシステムを保守するための方法、装置、およびコンピュータプログラム製品を提供することである。このシステム、方法、装置およびコンピュータプログラム製品は、機械構成および通信技術の証明された標準と互換性がある。加えて、システムは既存の建物において簡単かつ経済的な改造を行うことができる。これらの目的は、特許請求の範囲の定義に従った本発明により達成される。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、識別コードによって制御されかつ所定の宛先階と識別コードを関連付ける少なくとも一の処理ユニットを有するリフト施設が、この処理ユニットなしでも動作可能であるという第一の驚くべき観察に基づいている。プロセッサおよびデータメモリのための特別なハウジングを有する別個の計算ユニット並びに手動入力手段および視覚出力手段からなる処理ユニットの省略により、リフト施設の入手が経済的になりかつリフト施設の保守が簡単かつ複雑でないものになる。システムは、少なくとも一の建物における少なくとも一の輸送手段によって実現される。特に、このシステムは、輸送されるべきユーザがわずかの小さい建物に適している。
【0012】
リフト施設を処理ユニットなしで操作しうるようにすべく、処理ユニットによって行われるタスクは、他の方法で解決されなければならない。
【0013】
処理ユニットが少なくとも一のバスモジュールによって置き換えられうることがわかっている。バスモジュールは、少なくとも一のデータメモリと少なくとも一のプロセッサとを伴い、信号バスにより通信する電子カードである。バスモジュールは信号バスにより少なくとも一の階端末と通信する。有利には、信号バスは、プロセッサが互いに直接通信しかつプログラム可能である、LONバスである。
【0014】
有利な一実施形態では、第一のバスモジュールが少なくとも一のユーザプロファイルを有するデータバンクであり、第二のバスモジュールが少なくとも一の要求テーブルを有するジョブマネージャである。階端末は、データバンクに対し、信号バスにより、認識されたユーザの識別コードに関する詳細を、少なくとも一の識別信号として、渡す。データバンクはその識別信号を読み込みかつユーザプロファイルに事前定義された宛先階を識別信号と関連づける。データバンクは、宛先階に関する詳細を、信号バスにより、階端末に送信する。階端末は、これらの詳細を読み込み、今度は識別されたユーザの搭乗階および宛先階に関する詳細を信号バスを介してジョブマネージャに送信する。ジョブマネージャはこれらの詳細を読み込みかつそれらを要求テーブルに入れる。要求テーブルは全て処理される。要求テーブルに従い、ジョブマネージャは、リフトケージの駆動を制御する少なくとも一のリフトコントロールを、入/出力バスにより制御する。ユーザは、その搭乗階から宛先階へと輸送される。
【0015】
本発明は、ユーザプロファイルには、所定の宛先階に関する詳細とは別に、ユーザの権利および嗜好に関するさらなる詳細も、例えば建物の少なくとも一のゾーンへの時間および空間的に関するユーザのアクセス許可なども、文書化されうる、という第二の驚くべき観察に基づいている。したがって、本発明は、輸送手段、すなわちリフト施設による人/物の輸送に関係するのみならず、建物のゾーンへの少なくとも一のアクセス手段による人/物のアクセス制御にも関係する。
【0016】
有利な実施形態では、第一のバスモジュールは少なくとも一のユーザプロファイルを有するデータバンクであり、第二のバスモジュールは少なくとも一のチェックルーチンを有するジョブマネージャである。階端末は、データバンクに対し、信号バスを介して、ユーザの認識された識別コードに関する詳細を、少なくとも一の識別信号として渡す。データバンクは識別信号を読み込み、識別信号と、建物のゾーンへのユーザの、ユーザプロファイルに格納されたアクセス許可とを関連づける。この際、データバンクは、識別されたユーザのアクセス許可に関する詳細を信号バスにより階端末に送信する。階端末は、これらの詳細を読み込み、識別されたユーザのその宛先階に関するアクセス許可を検査する。肯定的な結果の場合、階端末は、今度は、ジョブマネージャに対し、信号バスにより、搭乗階、宛先階および識別されたユーザのアクセス許可に関する詳細を、送信する。ジョブマネージャはこれらの詳細を読み込みチェックルーチンを実行する。チェックルーチンは、例えば、相互に排他的なアクセス許可を有する複数のユーザはリフトケージに進みえないことを保証する。肯定的な結果の場合、これらの詳細が要求テーブルに記録される。要求テーブルは全て処理される。要求テーブルにしたがって、ジョブマネージャは、リフトケージの駆動を制御するリフトコントロールを入/出力バスにより制御する。ユーザは、このユーザに宛先階へのアクセスを与えるべく、搭乗階から宛先階へ輸送される。この代替形態では、階端末は、チェックルーチンの肯定的な結果に従ってアクセス手段を作動させる。
【0017】
本発明は、システムの保守、すなわちデータメモリに格納されたユーザプロファイル並びに識別送信機の設定の変更が、用員になじみがありかつ使用が簡単な装置により実行できるという、第三の驚くべき観察に基づいている。ユーザプロファイルの変更により、ユーザプロファイルの規定、部分的な規定、および削除があることを理解すべきである。有利には、装置は、階端末または、日常装置すなわちコードレス電話もしくは固定システム電話などの日常使用される装置である。有利には、日常装置は、少なくとも一のバスモデムにより信号バスと通信する。ユーザプロファイルもしくは識別送信機の設定の変更は手動入力手段によりもしくはマイクロフォンにより実行されるのが有利である。
【0018】
ユーザプロファイルもしくは識別送信機の設定の変更は、少なくとも一のコンピュータプログラム製品によって実行される。用員は、装置により、コンピュータプログラム製品を操作する。装置は、ユーザプロファイルが格納されるデータストアと通信してユーザプロファイルを変更する。装置はまた認識装置と通信して識別送信機を設定する。コンピュータプログラム製品はマスタ識別コードを検査し、用員を保守を実行するよう許可されたものとして識別する。コンピュータプログラム製品は、少なくとも一の機能コードの入力を認識し、少なくとも一の機能的データの入力を認識し、機能的コードに関連づけられた機能を機能的情報により実行する。
【0019】
システム構成要素のモジュラー方式の構成のおかげで、既存のリフト施設は簡単かつ複雑でない方法のシステムにより改造することができる。好ましくは、バスモジュールは、階端末もしくはリフトコントロールにプラグインしうるプラグインモジュールとして考えられる。プロセッサおよびデータメモリを保持するバスモジュールは、階端末およびリフトコントロールと通信するため信号バスに設置される。コンピュータプログラム製品の構成要素はバスモジュールもしくは前記装置にインストールされる。
【0020】
本発明を、例としての実施形態で、図1から4をもとに、以下により詳細に説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】人もしくは物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステムの例としての実施形態を示す図である。
【図2】人もしくは物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステムのバスモジュールの例としての実施形態を示す概略図である。
【図3】人もしくは物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステムの保守のための装置の例としての実施形態を示す図である。
【図4】人または物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステムの保守のためのコンピュータプログラム製品の例としての実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1および3による人もしくは物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステム100は、少なくとも一の階端末30、少なくとも一のバスモジュール31、31’、少なくとも一の信号バス32および少なくとも一のリフトコントロール33もしくは少なくとも一のアクセス手段を含む。例えば、リフトコントロール33は、たとえばリフトケージを運搬ケーブルによって移動する、リフトケージの駆動を制御する。アクセス手段は、例えば、その建物へのもしくはその建物内のドアである。リフト施設は少なくとも一の建物もしくは建物複合体に設置され、ユーザを一の階から別の階へ輸送する。有利には、階端末30が、各階において、リフト施設のための階ドアの近くに取り付けられる。代替形態では、たった一つの階端末を、たとえば建物の地上階への入り口に取り付けることも明らかに可能である。
【0023】
図1および図3の階端末30は、少なくとも一の識別コードを認識するための少なくとも一の認識装置34もしくは識別コードを入力するための少なくとも一の手動入力手段35、並びに少なくとも一の視覚出力手段36を含む。さらには、階端末30もしくはその構成要素の一は、信号バス32により通信するための少なくとも一のプロセッサを含む。好ましくは、少なくとも一の識別送信機37の識別コードが認識装置34に送信される。そのような識別コードの認識は文献EP0699617から知られる。識別送信機37および認識装置34は好ましくは非接触方法で通信する。
【0024】
識別送信機は、たとえば、トランスポンダアンテナおよび送信機電子システムを有するトランスポンダである。識別送信機37の送信機電子システムは、例えば、送受信機、受信機ユニットと、少なくとも一の識別コードを有するデータメモリを含み、識別コードにしたがって、識別送信機37の担持者が一意に識別可能である。例えば、識別送信機の型指定などの6バイトのデータおよび/またはシリアルコードおよび/または5から9文字長の識別コードなどが、識別送信機ごとに格納される。識別送信機37は例えば電磁場による誘導により動作電圧を供給される。認識装置34が電磁場を発射するのが好ましい。識別送信機37が認識装置34の近くに置かれると、識別送信機にはエネルギーが供給され、識別コードを認識装置34に送信する。この目的のために識別送信機37は、例えば、認識装置34の正面の2、3cm離れたところに保持される。認識装置34は識別コードを対応して構成された送受信アンテナにより受信する。認識装置34は好ましくは電子読み書きユニットにより識別送信機37のデータメモリを読み書きすることができる。明らかに2、3mはなれたところから認識装置と通信できる識別送信機も存在する。
【0025】
本発明の知識があれば、専門家は、その目的のために提供される、識別送信機もしくは認識装置のこの実施形態のなんらかの変形形態を実現することができる。したがって、例えば光をもとに非接触方式で認識装置と通信するものなど他の識別送信機も等しく使用可能である。加えて、少なくとも一の媒介接触により認識装置と通信する、磁気カード、電子チップなどの形式の識別送信機も利用可能である。代替形態では、識別コードを音響的に、例えばマイクロフォンにより、階端末から入力することも可能である。マイクロフォンは、例えば、少なくとも一の周波数を受信してこの周波数を認識しもしくはユーザがマイクロフォンへ話しかけ、この音声入力が認識装置によって認識される。最後に、指紋、虹彩、顔面プロファイル、磁場、などのユーザの個別識別コードを認識装置によって認識することができる。
【0026】
階端末30およびバスモジュール31、31’は信号バス32により通信する。信号バス32は、なんらかの最近の標準的なバスであってよい。そのような信号バスは専門家に知られている。それは、イーサネット(登録商標)ワーク、トークンリングネットワークなどの電気的もしくは光学的信号伝送にもとづく信号バスであってよい。加えて、それは無線ネットワーク、赤外線ネットワーク、レーダーネットワーク、指向性ビームネットワークなどであってよい。本発明の知識があれば、本発明に関する数多くの実現の可能性が専門家に対して開かれている。有利には、信号バス32はLONバスである。LONバスは、多くの簡単なノードポイントの使用を伴う分散制御ネットワークの構築を可能にする技術である。別個のプロセッサは、ネットワークにおけるパーソナルコンピュータのように、LONバスで通信できる。特に、別個のプロセッサ間の直接の通信が可能である。この場合、いまだかつて達成されたことのない価格/性能比が得られる。LONバスプロトコルは制御情報のキャリアであり、別個のプロセッサがLONバスにより直接制御できる。ノードポイントは論理リンクによってプログラムされうる。LONバスは自由なトポロジが利用可能であり、線状、円状、ツリー状などに構成しうる。図1および3による信号バス32は、例えば、分岐したトポロジを有するLONバスである。伝送およびデータセキュリティは高い。平行二線、230/400のVAC幹線、無線、赤外線、マイクロウェーブ、光ファイバ、インターネットなどの伝送メディアが自由に選択できる。
【0027】
バスモジュール31、31’およびリフトコントロール33は、例えば少なくとも一の入/出力バス38により通信する。入/出力バス38は、例えば24V論理バスなどのなんらかのパラレル論理バスであってよい。そのような入/出力バスは専門家に知られている。例えば、そのようなパラレル24V論理バスは多くのより古いリフト施設において出くわす。そのようなより古いリフト施設を最新のものにする、すなわちリフト施設の少なくとも一の構成部品を置き換える。特にそのようなより古いリフト施設はほとんどの場合LONバスをもたず、通信は入/出力バスにより行われる。
【0028】
加えて、図3による実施形態に示すように階端末30が少なくとも一のアクセス手段を作動することが可能である。有利には、階端末30は、少なくとも一のパワードライバ29により少なくとも一のドアロックアンロック機構28と通信してドア形式のアクセス手段の作動を行う。そのようなドアロックアンロック機構およびパワードライバを伴うアクセス手段は専門家に知られている。アクセス手段は、例えば、リフト施設の階ドアである。
【0029】
図2によるバスモジュール31、31’は少なくとも一のデータメモリ310、310’、少なくとも一のプロセッサ311、少なくとも一のインターフェース312および少なくとも一の入出力インターフェース313を含んでいる。バスモジュール31は、信号バス32により通信する電子カードである。バスモジュール31、31’はインターフェース312によって信号バス32に接続されている。インターフェース312は、プロセッサ311と信号バス32の伝送メディアとの間を、ハードウエアおよびソフトウエアに関して、取り次ぐ。入出力インターフェース313は、バスモジュール31、31’とリフトコントロール33との間を取り次ぐ。バスモジュール31、31’は、例えば不揮発性データメモリ310を含み、かつ揮発性データメモリ310’すなわち作業メモリを含む。例えば、少なくとも一のコンピュータプログラム製品もしくは少なくとも一のユーザプロファイルが不揮発メモリ310に格納される。バスモジュール31、31’は、回路基盤としてもしくは回路基盤の構成要素として構成されうる(図2を参照)。バスモジュール31、31’は、例えば、階端末30もしくはリフトコントロール33のハウジング内のプラグインモジュールである。バスモジュール31、31’は、しかしながら、適当なハウジング内のセットトップボックスとしても配置されうる。
【0030】
図1および3によるシステム100の有利な実施形態では、階端末30の少なくとも一のプロセッサおよびバスモジュール31、31’のプロセッサが信号バス32としてのLONバスにより通信する。有利には、2つのバスモジュール31、31’が用いられる。第一のバスモジュール31は少なくとも一のユーザプロファイルを有する少なくとも一のデータバンクである。第二のバスモジュール31’は、少なくとも一の要求テーブルを有する少なくとも一のジョブマネージャである。これらのユニットは、LONバスプロトコルに従ってデータを交換する。例えば、階端末30は第一のバスモジュール31に、識別信号として、階もしくはゾーンで認識された識別コードを送信する。第一のバスモジュール31は、例えば、識別信号を読み込み、識別されたユーザの所定の宛先階に関する詳細を、階端末30に送信する。第一のバスモジュール31は、例えば、識別信号を読み込み、識別されたユーザのアクセス許可に関する詳細を階端末30に送信する。階端末30は、例えば、これらの詳細を読み込み、今度は第二のバスモジュール31’に、識別されたユーザの搭乗階、宛先階もしくはアクセス許可に関する詳細を送信する。第二のバスモジュール31’は、例えば、これらの詳細を読み込み、要求テーブルもしくは第二のモジュール31’によって実行されたチェックルーチンの結果に従いこれらの詳細によってリフトコントロール33を制御する。
【0031】
明らかに、データバンクとしての役割を果たす二以上のバスモジュール31を信号バス32に提供することができる。例えば、二つのデータバンクが信号バス32に存在し、第二のデータバンクは、第一のバスモジュール31のバックアップであるか安全コピーである。第一のバスモジュール31の満たされたデータメモリは、したがって、例えば、第二のバスモジュールの空のデータメモリにコピーすることができる。加えて、この方法で、ユーザプロファイルのオンラインレプリケーションを信号バスに生成しうる。結局、第一のデータメモリの障害の場合に第一のデータメモリの安全コピーに、システムの動作を中断したり妨害したりすることなく自動的にスイッチオーバーすることができる。
【0032】
ジョブマネージャとしての役割を果たす二以上のバスモジュール31’を信号バス32に提供することも等しく十分可能である。例えば、二つのリフト施設のための二つのジョブマネージャが信号バス32に存在する。専門家には信号バス32に関する数多くの変形形態が可能である。例えば、階端末30は、2つのそのようなジョブマネージャに、識別されたユーザの搭乗階および宛先階に関する問い合わせを送信し、ジョブマネージャから2つの輸送オファーを得、これらの輸送オファーをお互いに比較して、次いでユーザにとってより早い輸送もしくはより快適な輸送の輸送オファーを実現することができる。
【0033】
最後に、ユーザが、単一のバスモジュールにデータバンクおよびジョブマネージャを実現することができる。
【0034】
バスモジュール31、31’は、有利には、LONバスのノードポイントで実現される。データストア310において、例えば150もしくは300のユーザプロファイルが格納される。例えば500もしくは1000の識別コードが管理されうる。ユーザプロファイルへのアクセスは、例えば、100から200msec続く。ユーザプロファイルの変更、解除もしくは格納は、例えば、200msec続く。
【0035】
ユーザ特有データはユーザプロファイルに格納される。これらは、ユーザの所定の宛先階に関するデータ並びに、ユーザプロファイルと識別コードの一意の関連付けを行えるようにすべくユーザの少なくとも一の識別コードについてのデータを含む。さらに、付加的なユーザ特有データが、ユーザプロファイルに文書化される。したがって、建物のゾーンへの時間的および/または空間的な、ユーザのアクセス許可など、ユーザの権利および嗜好に関するさらなる詳細がユーザプロファイルに文書化される。ユーザプロファイルは、例えば、少なくとも一の識別コード、並びに、アクセスの許可された少なくとも一のゾーンを伴うリストを含む。
【0036】
ユーザプロファイルによる、時間的および/または空間的なゾーンへのアクセス許可を以下の例で示す。
【0037】
例えば、建物の各階が独特なゾーンを形成する。建物は、たとえば、二つの団体による同居である。第一の団体(第一のユーザ)は第一の階に住み、第二の団体(第二のユーザ)は第二の階に住む。加えて、家主が第三のユーザであり、郵便配達員は第四のユーザである。
【0038】
4人の全てのユーザは第一のゾーンすなわち建物の最も低い階にアクセスできる。特に、第一の団体および第二の団体並びに家主は無制限のアクセス(1日のうちの24時間および一年のうちの365日)を有する一方、第四のユーザは郵便配達日(月曜から土曜)のみの郵便配達時間(朝の8時から正午の12時)のみにアクセスを有する。
【0039】
第一の団体のみが、第二のゾーンすなわち建物の第二の階への無制限のアクセスを有し、第二の団体のみが、第三のゾーンすなわち建物の第三の階への無制限のアクセスを有する。
【0040】
本発明の知識があれば、専門家はこのアクセス許可の数多くの変形形態を実現することができる。したがって、さらなるユーザ、例えば訪問者、掃除係り、などを規定しうる。さらに、ゾーンは、例えば、階区域、ビルの両袖などへとさらに分割しうる。
【0041】
バスモジュール31、31’は、識別信号をユーザプロファイルに関連づけること(データバンクによって実行される)、要求テーブルを満たし、全て処理すること(ジョブマネージャによって実行される)、もしくはチェックルーチンを実行すること(ジョブマネージャによって実行される)などのための少なくとも一のコンピュータプログラム製品を含む。コンピュータプログラム製品は、例えば、不揮発性ストア310からロードされてプロセッサ311によって実行される。
【0042】
識別信号とユーザプロファイルとの関連づけに関して:
認識された識別コードに関する詳細が、識別信号として、データバンクの揮発性データストア310にロードされる。コンピュータプログラム製品が、識別信号を、格納されたユーザプロファイルの識別アドレスと比較する。ユーザプロファイルは、識別アドレスにより一意に識別可能である。識別コードは各識別アドレスについて存在する。例えば、識別アドレスは、識別アドレスと識別コードが同一のときに、認識された識別コードと正確に関連づけられうる。コンピュータプログラム製品は次いで、格納された識別アドレスのうちの一つが識別信号と同一のときに肯定的な関連づけ結果を送達し、そうでないときにはコンピュータプログラム製品は否定的な関連づけ結果を送達する。ユーザプロファイルからの詳細は、データバンクから、信号バス32により階端末30に送信される。
【0043】
要求テーブルを満たし、全て処理することに関して:
ユーザの搭乗階および宛先階に関する詳細がジョブマネージャの揮発性データメモリ310’へロードされる。コンピュータプログラム製品は、これらの詳細を要求テーブルへと満たす。選択的に、要求の実行における遅延時間などのさらなる詳細が考慮される。コンピュータプログラム製品は要求テーブルを全て処理し、ジョブマネージャはこの目的で少なくとも一の要求信号を入/出力バス38によりリフトコントロール33に送信する。
【0044】
チェックルーチンの実行に関して:
ユーザの搭乗階、宛先階およびアクセス許可に関する詳細が、ジョブマネージャの揮発性データメモリ310’にロードされる。コンピュータプログラム製品がこれらの詳細によりチェックルーチンを実行する。例えば、各階が一つのゾーンを形成する。アクセス許可は、例えば、アクセスが許可された少なくとも一の階を含むリストからなる。チェックルーチンはここで、少なくとも一のアクセスの許可されたゾーンを含むリストに宛先階が含まれているかどうかを比較する。肯定的な結果の場合は、ジョブマネージャは少なくとも一の要求信号を信号バス32によりリフトコントロール33に送信する。
【0045】
リフトコントロールはジョブマネージャの要求信号を読み込み、リフトケージの駆動を制御する。リフトコントロール33および駆動は、例えば少なくとも一の電気信号線により互いに接続される。リフトコントロール33は既知の方法で少なくとも一の目標値を生成し、例えば、少なくとも一の制御もしくは調節機能が存在し、少なくとも一の開始もしくは少なくとも一の停止が実現される。有利には、システム100は、輸送されるべきユーザがより少ない小さい建物に設置され、もしくは、既存のリフト施設にシステム100が施置される。リフトコントロール33は、このとき、少なくとも一のケージ呼び出しに応え、片側もしくは両側のケージドアを開閉し、ケージドアの状態(開いた/閉じた)に関するデータを処理するなどの状態にもある。
【0046】
本発明の知識があれば、専門家はリフトコントロールの数多くの変形形態を実現することができる。したがって原理的には、すべての既知の輸送手段制御が使用できる。例えば、リフトコントロールに代えてもしくは加えて、ケーブル路、エスカレータなど輸送手段の制御も使用可能である。特に、本発明に基づき、いくつかのそのような輸送手段制御が組み合わせて使用できる。建物もしくは複合建造物における本システムは、例えば少なくとも一のリフト施設もしくは少なくとも一のエスカレータのために実現される。最後に、アクセス許可は、建物へのドアもしくは建物内のドアなどのアクセス手段へ拡張することもできる。本実施形態では、例として、図3によれば、階端末30がパワードライバ29およびドアロックアンロック磁石28によってアクセス手段を作動する。有利には、この作動は、チェックルーチンが、ユーザがそのアクセス手段によって直接アクセス可能なゾーンへアクセスすることを許可されているかどうか比較したときのみに起こる。チェックルーチンは、したがって、アクセス手段により直接アクセス可能なこのゾーンが、ユーザのアクセスが許可された少なくとも一のゾーンを含むリストに含まれるかどうかを比較する。肯定的な結果の場合、ジョブマネージャは、信号バス32により少なくとも一の要求信号をパワードライバ29およびドアロックアンロック磁石28に送信する。
【0047】
システム100の保守は、例えば、データメモリ310に格納されたユーザプロファイルの変更、ならびに、用員になじみがありかつ操作が簡単な装置による識別送信機37の設定を含む。図3による実施形態では、装置は、有利には、階端末33、または無線電話40もしくは固定システム電話41などの日常的な装置である。用員は、ユーザプロファイルの変更の入力のためもしくは識別送信機37の設定のために、例えば階端末30の手動入力手段35または無線電話40もしくは固定システム電話41の手動入力手段を使用する。有利には、日常的装置は少なくとも一のバスモデム42によって信号バス32と通信する。例えば、無線電話40もしくは固定システム電話41が、バスモデム42の電話番号を選択する。有利には、バスモデム42は信号バス32としてLONバスをサポートするモデムであり、LONバスにより、階端末30もしくはバスモジュール31、31’もしくはリフトコントロール33と通信する。本発明の知識があれば、専門家は、日常的装置の数多くの変形形態を実現できる。したがって、日常的装置は、ラップトップコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、サブノートブックなどであってもよい。加えて、用員は、ユーザプロファイルの変更もしくは識別送信機37の設定を、コードレス電話40もしくは固定システム電話41のマイクロフォンにより行うことができ、音声入力が認識装置により認識される。
【0048】
ユーザプロファイルの変更のためもしくは識別送信機の設定のための少なくとも一のコンピュータプログラム製品が装置によって実行される。用員は、装置によりコンピュータプログラム製品を制御する。装置は、ユーザプロファイルが格納された第一のバスモジュール31のデータメモリ310と通信し、ユーザプロファイルを規定しもしくはユーザプロファイルを変更しもしくはユーザプロファイルを消去し、または、装置が階端末30の認識装置34と通信して識別送信機37を設定する。
【0049】
コンピュータプログラムのブロック図を、図4に示す。この場合、アクション500、502、504、506、508と結果501、503、505、507とが交互になる。これらのアクションと結果は以下に詳細に議論する。
【0050】
第一のアクション500は少なくとも一のマスタ識別コードの入力による用員の識別である。保守は、この秘密のマスタ識別コードによって開始される、すなわち、用員は、マスタとして、コンピュータプログラム製品の変更機能もしくは設定機能へのアクセスを得る。例えば、このマスタ識別コードが識別送信機37に格納され、階端末30の認識装置34によって認識され、および/または、マスタ識別コードが階端末30の手動入力手段35によりもしくは日常的装置の手動入力手段により入力される。最後に、指紋、虹彩、顔面プロファイル、磁場などの個人的なマスタ識別コードを認識装置によって認識することが可能である。
【0051】
コンピュータプログラム製品はマスタ識別コードの有効性を検査する。有利には、少なくとも一のマスタユーザプロファイルがデータメモリに格納される。マスタユーザプロファイルは、マスタ識別アドレスにより一意に識別可能である。マスタ識別コードが、マスタ識別アドレスについて存在する。例えば、マスタ識別アドレスは、マスタ識別アドレスとマスタ識別コードが同一のときに、認識されたマスタ識別コードと正確に関連づけられうる。コンピュータプログラム製品は、マスタ識別コードを格納されたマスタユーザプロファイルと比較する。識別コードの第一の結果「は…確認である」。この確認は、例えば、階端末30の視覚的出力手段36によりもしくは日常的装置の視覚的出力手段により起こる。最後に、確認は、スピーカにより音響的にもしくはバイブレータによる振動としてなどにより実行することも可能である。システム100を最初に使用する場合、既知のマスタ識別コードを事前設定することが可能であり、例えばマスタ識別コード「80000」が工場で事前設定される。数字列「80000」の入力を通じて、次にマスタ識別コードが生成されうる。マスタ識別コードに関する詳細については、「ユーザ追加」機能の下を参照されたい。有利には、既知のマスタ識別コードは、秘密のマスタ識別コードを成功裡に確立した後には、ブロックされる。
【0052】
用員の第2のアクション502は少なくとも一の機能コードの入力である。
【0053】
例えば、数「1」の入力は「ユーザ追加」機能のコーディングである。
【0054】
例えば、数「2」の入力は「ユーザ削除」機能のコーディングである。
【0055】
例えば、数「3」の入力は「新しい識別送信機の割り当て」機能のコーディングである。
【0056】
例えば、数「4」の入力は「ユーザプロファイルの表示」機能のコーディングである。
【0057】
例えば、数「5」の入力は「ゾーンの解放もしくは消去」機能のコーディングである。
【0058】
例えば、数「6」の入力は「データメモリサイズの表示」機能のコーディングである。
【0059】
例えば、数「7」の入力は「既に割り当てられたパスワードの表示」機能のコーディングである。
【0060】
コンピュータプログラム製品は、機能コードを認識する。コンピュータプログラム製品の第二の結果503は、準備完了表示である。
【0061】
用員の第三のアクション504は、識別コードの入力など少なくとも一の機能的情報の入力、もしくは、識別送信機37の読み書きなど少なくとも一の機能的処理の実行である。
【0062】
例えば、用員は新しいユーザの識別コードを入力する(機能1)。これは、新しい秘密のマスタ識別コードであってもよい。
【0063】
例えば、用員は、削除されるべきユーザの識別コードを入力し、もしくは、削除されるべきユーザの識別送信機37を、この識別送信機37を読む認識装置34の近くへともっていく(機能2)。
【0064】
例えば、用員は、割り当てられるべき新しい識別送信機37の識別コードを入力し、この識別コードが書かれるべき識別送信機37を、識別コードを識別送信機37に書く認識装置34の近くへともっていく(機能3)。
【0065】
例えば、用員は、表示されるべきユーザプロファイルの識別コードを入力し、もしくは、表示されるべきこのユーザプロファイルのユーザの識別送信機37を、この識別送信機37を読む認識装置34の近くにもっていく(機能4)。
【0066】
例えば、用員は、ゾーンが解放されもしくは解除されるべきユーザの識別コードを入力し、もしくは、解放されもしくは解除されるべきゾーンについてユーザの識別送信機37を、この識別送信機37を読む認識装置34の近くへもっていく(機能5)。
【0067】
例えば、用員は、マスタ識別コードを入力し、もしくは、マスタ識別送信機を、このマスタ識別送信機を読む認識装置34の近くへもっていく(機能6および7)。
【0068】
コンピュータプログラム製品は、機能的情報を認識し、機能コードと関連づけられた機能を、入力された機能的情報により実行する。コンピュータプログラム製品の第三の結果505は、機能の実行の確認である。
【0069】
例えば、新しいユーザの識別コードが、ユーザプロファイルとして、バスモジュール31のデータメモリ310に格納される(機能1)。
【0070】
例えば、削除されるべきユーザのユーザプロファイルが、バスモジュール31のデータメモリ310で消去される(機能2)。
【0071】
例えば、識別送信機37が認識装置34によって識別コードを書かれる(機能3)。
【0072】
例えば、ユーザプロファイルに関する詳細がバスモジュール31のデータメモリ310から読まれ、階端末30の視覚的出力手段にもしくは日常的装置の視覚的出力手段に表示される(機能4)。
【0073】
例えば、解放されるべきゾーンに関する詳細がバスモジュール31のデータメモリ310から読まれ、階端末30の視覚的出力手段36にもしくは日常的装置の視覚的出力手段に表示される(機能5)。
【0074】
例えば、バスモジュール31のデータメモリのサイズに関する詳細が読まれ、階端末30の視覚的出力手段36にもしくは日常的装置の視覚的出力手段に表示される(機能6)。
【0075】
例えば、マスタがユーザを一意に識別する既に割り当てられたパスワードに関する詳細がバスモジュール31のデータメモリ310か読まれ、階端末30の視覚的出力手段36にもしくは日常的装置の視覚的出力手段に表示される(機能7)。
【0076】
用員の第四のアクション506は、保守(機能1から4、6、および7)の終了もしくは解放されるべきゾーンの入力(機能5)である。
【0077】
例えば、数「0」の入力は、保守(機能1から4、6および7)の終了のコーディングである。
【0078】
例えば、数「1から9」の入力は、例えばユーザがそれへのアクセス許可を得る9個のゾーンの所望のシーケンスをコーディングする(機能5)。
【0079】
コンピュータプログラム製品は、機能5を実行する。ユーザのアクセス許可はバスモジュール31のデータメモリ310の対応するユーザプロファイルに格納される。コンピュータプログラム製品の第四の結果507は、機能5の実行の確認である。
【0080】
用員の第五のアクション508は保守の終了(機能5)である。例えば、数「0」の入力が保守の終了をコーディングする。
【0081】
有利には、コンピュータプログラム製品は種々の構成要素を含む。コンピュータプログラム製品の種々の構成要素は、階端末30のバスモジュール31、31’に、もしくは日常的装置40、41にインストールされる。本発明の知識があれば、専門家はこのコンピュータプログラム製品の数多くの変形形態を実現することができる。したがって、例えばさらにマスタ情報コードを確立するなど、さらなく機能をプログラムできる。
【0082】
システム100の構成要素の構成のモジュラー方式により、既存のリフト施設が簡単かつ複雑でない方法でシステム100により改造できる。バスモジュール31、31’は、小さい構造上のサイズを有する電子カードである。バスモジュール31、31’は例えば回路基盤である。バスモジュール31、31’は好ましくは、階端末30にもしくはリフトコントロール33にプラグインできるプラグインモジュールとして考えられる。既存のリフト施設は、承認ランプ27を伴う呼びボタンとリフトコントロール33との間の通信のための入/出力バス38をしばしば有する。この場合、バスモジュール31、31’は入/出力バス32に設置される。コンピュータプログラム製品は、システム100にロードすることができる。例えば、コンピュータプログラム製品の構成要素が、日常的装置およびバスモジュール31、31’にインストールされる。
【符号の説明】
【0083】
28 ドアロックアンロック機構(磁石)
30 階端末
31、31’ バスモジュール
32 信号バス
33 リフトコントロール
34 認識装置
35 手動入力手段
36 視覚出力手段
37 識別送信機
38 入/出力バス
40 無線電話
41 固定システム電話
42 バスモデム
100 システム
310、310’ データメモリ
311 プロセッサ
312 インターフェース
313 入出力インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
建物における人および/または物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステム(100)であって、人もしくはアイテムの少なくとも一の識別コードを認識するための少なくとも一の階端末(30)を有し、少なくとも一のバスモジュール(31、31’)が少なくとも一のプロセッサ(311)および/または少なくとも一のデータメモリ(310)を含むこと、該データメモリ(310)が人もしくはアイテムの少なくとも一のユーザプロファイルを格納すること、該プロセッサ(311)がユーザプロファイルを認識した識別コードと関連づけること、および該バスモジュール(31、31’)が信号バス(32)により通信することを特徴とするシステム(100)。
【請求項2】
第一のバスモジュール(31)がユーザプロファイルのためのデータバンクであること、および第二のバスモジュール(31’)が少なくとも一の要求テーブルおよび/または少なくとも一のチェックルーチンを伴うジョブマネージャであることを特徴とする請求項1に記載のシステム(100)。
【請求項3】
前記ユーザプロファイルが前記人もしくはアイテムの少なくとも一の所定の宛先階に関するデータまたは前記建物の少なくとも一のゾーンへの前記人もしくはアイテムのアクセス許可に関するデータを含むこと、前記プロセッサ(311)がユーザプロファイルを認識した識別コードと関連づけること、および前記プロセッサ(311)が前記人もしくはアイテムの前記所定の宛先階に関する詳細を前記信号バス(32)により通信するかまたは前記人もしくはアイテムのゾーンへのアクセス許可に関する詳細を前記信号バス(32)により通信するかすることを特徴とする請求項1または2に記載のシステム(100)。
【請求項4】
前記プロセッサ(311)が、前記人もしくはアイテムの搭乗階に関するおよび前記宛先階に関する詳細を少なくとも一の要求テーブルに従って処理し、および/または、前期プロセッサ(311)が、前記人もしくは物の前記宛先階および前記アクセス許可に関する詳細を少なくとも一のチェックルーチンで検査することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項5】
信号バス(32)がLONバスであり、および/または、前記バスモジュール(31、31’)が電子カードであり、および/または、前記バスモジュール(31、31’)が、リフトケージの駆動を制御する少なくとも一のリフトコントロール(33)を制御し、および/または、前記階端末(30)が少なくとも一のアクセス手段を作動することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム(100)。
【請求項6】
少なくとも一の建物における人および/または物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステム(100)を保守する方法であって、前記人もしくはアイテムの前記所定の宛先階に関するデータまたは前記人もしくはアイテムの前記ビルの少なくとも一のゾーンへのアクセス許可に関するデータが格納された、少なくとも一のユーザプロファイルの変更が、階端末(30)もしくは日常的装置(40、41)によって入力されること、および/または、識別コードを送信する識別送信機(37)の設定が階端末(30)もしくは日常的装置(40、41)によって入力されることを特徴とする方法。
【請求項7】
少なくとも一の建物における人および/または物の輸送もしくはアクセス制御のための、人もしくはアイテムの少なくとも一の識別コードを認識するための少なくとも一の階端末(30)を含む、システム(100)を保守するための装置であって、該人もしくはアイテムの所定の宛先階に関するデータまたは該建物の少なくとも一のゾーンへの該人もしくはアイテムのアクセス許可に関する詳細を含む少なくとも一のユーザプロファイルを変更するための階端末(30)もしくは日常的装置(40、41)を含むこと、および/または、識別コードを送信する識別送信機(37)の設定のための階端末(30)もしくは日常的装置(40、41)を含むことを特徴とする装置。
【請求項8】
前記日常的装置が無線電話(40)もしくは固定システム電話(40)であることを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記装置が、前記ユーザプロファイルを変更するためもしくは前記識別送信機(37)を設定するための、手動入力手段もしくはマイクロフォンを有することを特徴とする請求項7または8に記載の装置。
【請求項10】
少なくとも一の建物における人および/または物の輸送もしくはアクセス制御のための、人もしくはアイテムの少なくとも一の識別コードを認識するための少なくとも一の階端末(30)を含む、システム(100)の保守のためのコンピュータプログラム製品であって、該人もしくはアイテムの前記所定の宛先階に関するデータまたは該人もしくはアイテムの該建物の少なくとも一のゾーンへのアクセス許可に関する詳細を含む少なくとも一のユーザプロファイルを、該コンピュータプログラム製品が変更すること、および/または、該コンピュータプログラム製品が、識別コードを送信する少なくとも一の識別送信機(37)を設定することを特徴とするコンピュータプログラム製品。
【請求項11】
前記コンピュータプログラム製品が、少なくとも一の機能コードの入力を認識し、少なくとも一の機能的データの入力を認識し、かつ該機能コードに関連づけられた機能を該機能的データで実行することを特徴とする請求項10に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項12】
前記コンピュータプログラム製品が、「ユーザ追加」機能、および/または「ユーザ削除」機能、および/または「新識別送信機割り当て」機能、および/または「ユーザプロファイル表示」機能、および/または「ゾーン解放もしくは削除」機能、および/または「データメモリサイズ表示」機能、および/または「既に割り当てられたパスワード表示」機能を実行することを特徴とする請求項10または11に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項13】
人および/または物の輸送もしくはアクセス制御のためのシステム(100)により少なくとも一の建物を改造し、人もしくはアイテムの少なくとも一の識別コードが少なくとも一の階端末(30)で認識される方法であって、該人もしくはアイテムの少なくとも一のユーザプロファイルが、少なくとも一のバスモジュール(30、31’)に格納されること、認識された識別コードが該バスモジュール(30、31’)のユーザプロファイルと関連づけられること、および該バスモジュール(31、31’)が信号バス(32)に設置されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−195593(P2010−195593A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−67262(P2010−67262)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【分割の表示】特願2002−302955(P2002−302955)の分割
【原出願日】平成14年10月17日(2002.10.17)
【出願人】(390040729)インベンテイオ・アクテイエンゲゼルシヤフト (166)
【氏名又は名称原語表記】INVENTIO AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】