説明

人及び物体の位置を監視するシステム及び方法

【課題】住宅等での活動を監視する簡便で効率のよい手段を達成する。
【解決手段】人及び物体の位置の変化を検出する方法は、地平面の近くで地平面と同高又は地平面から少なくとも一つの予め決められた高さにおいて所定面積にわたり複数の撮像面を投射し、これら複数の面から、1又は複数の撮像構成要素を介して、物体又は人が投射された撮像面に交差したときに観察されるそれぞれの撮像線を捕捉し、基準画像を確定するために、所定面積の範囲内に如何なる着目する人も物体も存在しない状態でそれぞれの撮像線の標準的な形状を記録し、連続した捕捉された撮像線の各々をそれぞれの線の基準と比較し、比較に基づいて、物体の移動に起因する遮断による捕捉された撮像線の不連続性における1又は複数の変化を決定し、着目する事象の発生を決定するために不連続性における変化を解釈し、着目する事象の発生の場合に操作者に通報する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的には、物体の移動を検出するシステム及び方法に関し、さらに具体的には、可住構造における活動の監視に関する。
【背景技術】
【0002】
効率のよい活動の監視が幾つかの医療応用及び警備応用において広く必要とされるようになっている。例えば、医療応用において、多くの高齢者が転倒、躓き、又は病気のような多様な事故の危険に晒されている。保健統計及び研究から、高齢者の間では転倒が大きな問題であることが判明している。転倒の危険性は年齢と共に増大し、研究によれば65歳を超える個人の32%及び85歳を超える個人の51%が1年に少なくとも1回転倒していることが示されている。加えて、多くの高齢者が一人暮らしである。従って、これらの高齢者は、転倒又は病気を経験した後に時宜に適った態様で助けを求めたり援助を受けたりすることができないというさらなる危険性に晒されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
結果として、家屋の住人が家屋の任意の位置から援助を求めることを可能にするシステムが開発されている。加えて、住人が装着することができ住人が転倒したときに信号を自動送信するシステムを開発する試みが為されている。これらの装置の一つの不利な点は、これらの装置が作動するためには人が装着しなければならないことである。これらの装置は人が装着していない場合には役に立たない。加えて、起動するために人を要求する装置は、人が意識不明である場合には役に立たない。従って、緊急の状況において住人が時宜に適った態様で適当な援助を受けることができない危険性がある。
【0004】
他のシステムは、移動センサに頼って人が転倒したときを識別することを図っている。住人が椅子に座ってテレビを見ている又は就寝している等のように、人が転倒した又は動けなくなった以外の理由で移動していない期間が長くなる可能性がある。移動センサに頼ったシステムは、住人が正常な不活発な挙動を呈することに対立して転倒した又は動けなくなったと結論付けることが可能になるまでに人がかなりの時間量にわたって移動しないことを要求する。
【0005】
さらに、転倒を検出するシステムは一般的には、床へ向かう高速の移動を対象とし、又は衝撃を検出する。しかしながら、高齢者が、急速な転倒又は強い衝撃を経ずに徐々に寝台又は椅子から滑り落ちたり床に倒れ込んだりして助けを必要とするような事故は、かかる検出システムでは対応することができない場合がある。既存の検出システムはまた一般的には、プライバシーを侵害するものと認識されている。例えば、寝室又は浴室において生じる転倒については画像が送出されないビデオ・システムが実働し得る。しかしながら、プライバシーの侵害という認識は根強い場合がある。
【0006】
従って、上述の問題の1又は複数に対処する改良型監視システムが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態によれば、物体の位置を検出する方法が提供される。この方法は、地平面の近くで地平面と同高又は地平面から少なくとも一つの予め決められた高さにおいて所定面積にわたり水平に1又は複数の撮像面を投射するステップを含んでいる。この方法はまた、1又は複数の撮像構成要素を介して、物体が投射された撮像面に交差したときに観察されるそれぞれの撮像線を捕捉するステップを含んでいる。この方法はさらに、所与の時間間隔でそれぞれの線の各々について基準画像を確定するために、所定面積の範囲内に如何なる着目する人も物体も存在しない状態でそれぞれの撮像線の標準的な形状を記録するステップを含んでいる。この方法はまた、連続した捕捉された撮像線の各々をそれぞれの線の基準と比較するステップを含んでいる。この方法はさらに、観察面積への新たな物体又は人の出現による捕捉された撮像線における基準画像の不連続性に対する1又は複数の変化を決定するステップを含んでいる。この方法はまた、着目する事象の発生を決定するために不連続性を解釈するステップと、かかる事象の場合に操作者に通報するステップとを含んでいる。
【0008】
本発明のもう一つの実施形態によれば、空間において物体又は人の位置を検出するシステムが提供される。このシステムは、地平面の近くで地平面から少なくとも一つの予め決められた高さにおいて所定面積にわたり水平に複数の撮像面を投射するように構成されている多数の放射線源を含んでいる。このシステムはまた、これら複数の面からそれぞれの撮像線を捕捉するように構成されている1又は複数の撮像構成要素を含んでいる。このシステムはさらに、所定面積の範囲内に如何なる移動も存在しない状態でそれぞれの撮像線の標準的な形状を記録するように構成されている処理サブシステムを含んでいる。処理サブシステムはまた、連続した捕捉された撮像線の各々をそれぞれの線の標準的な形状と比較する。処理サブシステムはさらに、比較に基づいて捕捉された撮像線の不連続性に対する1又は複数の変化を決定する。処理サブシステムはまた、着目する事象の発生を決定するためにこれらの変化を解釈する。このシステムはまた、着目する事象の発生の場合に操作者に通報するように構成されている通報構成要素を含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明のこれらの特徴、観点及び利点、並びに他の特徴、観点及び利点は、添付図面を参照して以下の詳細な説明を読むとさらに十分に理解されよう。図面全体にわたり、類似の参照符号は類似の部材を表わす。
【図1】本発明の一実施形態による物体を監視するシステムの一例の概略図である。
【図2】本発明のもう一つの実施形態による図1の住宅監視システムでのデータの送信例の概略図である。
【図3】本発明の一実施形態による物体の移動を検出する方法の一例のステップを表わす流れ図である。
【図4】図1に用いられている処理サブシステムの内部に用いられているアルゴリズム例の流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下で詳細に議論するように、本発明の各実施形態は、物体の位置の変化を検出して着目する事象を検出するシステム及び方法を含んでいる。本書で用いられる「着目する事象」との用語は、人の転倒又は地平面の近くの大きい物体の検出を指す。具体的には、このシステム及び方法は、家屋の住人が転倒した又は動けなくなったときを検出する住宅監視システム及び方法として具現化され得る。もう一つの例では、この住宅監視システム及び方法は、可住構造の内部での任意の異例の活動を検出する警備システムとして具現化され得る。この手法は、可住構造の遠隔監視を可能にする。可住構造の非限定的な例としては、人々が単独で活動を行なっているような高齢者住宅、邸宅、商業建築、製造工場等が挙げられ、人が動けなくなった事象時に人に援助を提供することを可能にする。
【0011】
このシステム及び方法は、地平面の近くで地平面から1又は複数の予め決められた高さにおいて所定の着目領域の内部で撮像線を捕捉するイメージング・システムを用いる。本書で用いられる「地平面の近く」との用語は、地平面から約6インチ未満の高さを指す。この手法は、基準画像を記録し、連続した画像を基準画像と比較して、撮像線の不連続性における変化を検出する。尚、不連続性は、所定の着目領域の内部への任意の物体の出現によって生じ、故に限定しないが家具のような物体の存在のため基準画像にも存在し得ることを特記しておく。しかしながら、例えば転倒した人は地平面の近くでのみ撮像線の不連続性を変化させ、他のあらゆる予め決められた高さでは特徴的な態様で変化させないと考えられる。もう一つの例では、検出器(イメージング・システムの一構成要素)に近接した物体は、検出器からさらに遠い距離に位置する物体よりも大きい垂直分断を撮像線に生じ得る。同様に、水平の不連続性を記録することができる。これらの不連続性における変化を処理し、さらに詳細に分析して、限定しないが転倒した人の事象のような真の着目する事象を検出する。もう一つの実施形態では、物体の近似的な寸法を、不連続性における垂直及び水平の変化に基づいて算出することができる。
【0012】
さらに、この手法は、捕捉された撮像線を検出するが視野に位置する物体は検出しない不可視放射線を具現化しており、このようにして、可住構造の内部でのプライバシーの保護を確保する。但し、この手法はまた、プライバシーが問題とならないような位置では可視放射線を用いて具現化されてもよいことが認められよう。
【0013】
図1は、転倒した人12及び跪いた人14等のような対象を監視するシステムの一例10の概略図である。システム10は、床に載置されたフレーム15を含んでいる。フレーム15は、1又は複数の放射線源18、20を有する直立部16を含んでおり、放射線源18、20は、例えば居間又は浴室の所定面積24、28にわたりそれぞれ参照番号22、23のような多数の撮像面を投射する。図示の実施形態では、放射線源18は、地平面の近くで地平面から上方に参照番号25によって参照される約4インチまでに位置する面積24にわたり投射を行ない、放射線源20は、地平面から上方に参照番号29によって参照される約15インチと約36インチとの間の高さから面積28にわたり投射を行なう。1又は複数の撮像構成要素32、36が、撮像面22及び23からそれぞれの撮像線42及び44を捕捉する。特定の一実施形態では、撮像構成要素32、36は赤外センサである。尚、同図では2基の放射線源及び2基の撮像構成要素が図示されているが、任意の数の放射線源及び撮像構成要素を用いてよい。放射線源18、20は、肉眼では可視でない放射線ビーム52及び54を放出する。一実施形態では、放射線源18、20はレーザ又はダイオードである。実施形態の一例では、レーザ又はダイオードは赤外レーザ又は赤外ダイオードである。初期時間点では、撮像構成要素32、36に電気的に結合されている処理サブシステム62が、それぞれの撮像線42及び44の標準的な形状を記録して、所定面積24、28の範囲内に誰も存在しない状態での基準画像を確定する。かかるデータは予め決められた時間間隔で周期的に更新される。周期的な時間間隔で連続して捕捉された撮像線の形状は、それぞれの線の基準画像と比較されて、不連続性における1又は複数の変化を決定する。処理サブシステム62の内部で、基準からの変化が解釈されて、限定しないが人の転倒又は異例の移動のような着目する事象(1又は複数)の発生を決定する。さらに、通報構成要素72が、着目する事象の発生の場合には有線手段、無線信号、可聴警報音、又は文字メッセージ等の少なくとも一つを介して操作者又は介護者74に通報を送る。
【0014】
一実施形態では、処理サブシステムは、転倒の発生を確認するために、平面/線44のような上方の平面/線が妥当な期間にわたり基準から変化しておらず、平面/線42のような地平面の平面/線における不連続性が変化したことを確認して、結果として真の通報が発せられる。上方の平面/線44における不連続性が地平面の平面/線42における不連続性と共に妥当な期間内に変化した事象時には、処理サブシステム62はこの事象を人が一時的に転倒したが、起き上がって自分の足で立ったと解釈する。処理サブシステム62は、不連続性における差の大きさを垂直方向及び水平方向において算出して、物体の寸法を決定する。かかる解析は、偽警報の減少を保証する。かかる事象はまた、人が短時間屈み込んだり横になったりした又はペット動物が跳んだことにより生じ得る。
【0015】
一実施形態では、放射線源18、20は、電力を節約する又はレーザの安全性を高めるような負荷サイクルで運転され得る。例えば、全ての着目する事象が、地平面又は地平面の近くでの撮像線の不連続性における変化を含んでいる。かかるシナリオでは、地平面の近くの撮像線に不連続性における変化が検出されるまで1又は複数の追加の放射線源及び撮像構成要素の電源を切っておくことができる。もう一つの実施形態では、放射線源は、例えばレーザの安全性及び電力効率のために、約30ms以上の周期的な間隔で放射線を放出することができる。
【0016】
さらにもう一つの実施形態では、システムはさらに、視野又は所定の着目面積が遮断された場合を検出して、保守警報を発することができる。遮断は、撮像構成要素が撮像線(1又は複数)を検出することが不可能になったことにより又は日光の遮断によって生じ得る。もう一つの実施形態では、システム10は、放射線源18、20に結合されており、人が眼を傷めるかも知れない望ましくない距離の範囲内に入った事象時に線源18、20を停止させる付加的な近接センサを選択随意で含み得る。
【0017】
尚、本発明の各実施形態は、本発明の処理タスクを実行する如何なる特定のプロセッサにも限定されないことを特記しておく。本書で用いられる「プロセッサ」との用語は、本発明のタスクを実行するのに必要な演算すなわちコンピュータ計算を実行することが可能な任意の機械を指すものとする。「プロセッサ」との用語は、構造化された入力を受け入れて、出力を発生するために所定の規則に従って入力を処理することが可能な任意の機械を指すものとする。また、本書で用いられる「ように構成されている」との文言は、当業者には理解されるように、プロセッサ・サブシステムが本発明のタスクを実行するハードウェア及びソフトウェアの組み合わせを備えていることを意味することを特記しておく。
【0018】
図2は、図1の住宅監視システム10でのデータ92の送信例の概略図である。上述のように、データ92は、撮像構成要素32、36を介して収集されて、処理サブシステム62の内部で処理される。図示の実施形態では、データ92は、情報が記録された日時のような時間的な情報76と、事象の位置及び形式とを含んでいる。例えば、図示のように、2009年10月11日午前6:00に、処理サブシステム62は住人が転倒したと結論付けている。このことは、撮像線42(図1)の不連続性が基準から変化したが、撮像線44(図1)の不連続性が予め決められた期間にわたり不変であったことを意味する。もう一つの例では、データは、2008年2月2日午後7:00に安全位置(secure position)において検出された移動によって異例の/疑わしい活動が存在していたことを示唆している。さらにもう一つの例では、処理サブシステム62は、2009年5月1日午後1時に住人の一時的な転倒又は限定しないが住人の屈み込みのような類似の事象を結論付けている。このことは、地平面の近く及び地平面から一定の高さのそれぞれ撮像線42及び44の両方ともで不連続性が午後12:58に基準から変化した後に、撮像線42の不連続性のみが午後12:59に変化し、間もなく午後1時に、撮像線42及び44の両方の不連続性が変化したとの事実に基づいていた。撮像線42、44の不連続性における変化の間の時間差を用いて、住人が転倒して起き上がれない又は寝台で具合が悪くなった等のように異例の不活動の期間を経験しているか否かを確定する。
【0019】
図3は、本発明の一実施形態による物体の移動を検出する方法の一例140のステップを示す流れ図である。方法140は、ステップ142において、地平面又は地平面から少なくとも一つの予め決められた高さにおいて所定面積にわたり水平に多数の撮像面を投射することを含んでいる。ステップ144において、多数の平面からのそれぞれの撮像線が、1又は複数の撮像構成要素を介して捕捉される。ステップ146において、所定面積の範囲内に如何なる移動も存在しない状態でのそれぞれの撮像線の標準的な形状が記録される。ステップ148において、連続した捕捉された撮像線の各々が、それぞれの線の標準的な形状と比較される。この比較に基づいて、ステップ152において、物体に起因する遮断による捕捉された撮像線の不連続性における1又は複数の変化が決定される。これらの不連続性はさらに、ステップ154において解釈されて、着目する事象の発生を決定する。特定の一実施形態では、不連続性の解釈又は解析は、地平面の近く及び少なくとも一つの予め決められた高さにおいて捕捉された撮像線が不連続であるか否かを決定することを含んでいる。もう一つの実施形態では、人又は動物の転倒が着目する事象として決定される。さらにもう一つの実施形態では、住居侵入事象が着目する事象として決定される。かかる住居侵入事象では、安全位置において地平面の近く及び少なくとも一つの予め決められた高さにおいて捕捉された撮像線の少なくとも一つが不連続であるか否かが決定される。もう一つの実施形態では、不連続性の解釈又は解析は、基準画像に対する捕捉された撮像線の位置の変化を解釈することを含んでいる。もう一つの実施形態では、基準画像に対する捕捉された撮像線の屈曲が解釈される。さらにもう一つの実施形態では、基準画像に対する捕捉された撮像線の断絶が解釈される。もう一つの実施形態では、基準画像に対する捕捉された撮像線の不存在が解釈される。
【0020】
さらに、操作者は、ステップ158において着目する事象の発生の場合に通報を受ける。一実施形態では、操作者又は介護者は、無線手段、可聴手段又は文字メッセージの少なくとも一つを介して通報を受ける。もう一つの実施形態では、人/住人の転倒の通報は、地平面の近くで捕捉された撮像線及び少なくとも一つの予め決められた高さにおいて捕捉された撮像線の両方ともが不連続である事象時にのみ発せられる。
【0021】
前述のように、標準的な基準画像が、一定期間にわたる住人の活動を学習し又は解析するために記録される。図4は、処理サブシステム62(図1)の内部で用いられるアルゴリズム例170の流れ図である。参照番号175によって参照するように、記録されている標準的な基準画像172と、撮像構成要素32、36(図1)を介して記録された現在データ174とが比較されて、標準的な形状172と現在の記録された形状174との間の不連続性におけるあらゆる差を検査する。差がある場合には、データを解析して176、事象が着目する事象であるか否かを決定する。かかる着目する事象である場合には、操作者/介護者は通報を受ける178。
【0022】
当業者は、このシステムを用いてまた、住人の異例の活動を決定して報告し得ることを認められよう。例えば、このシステムは、住人が就寝していることが期待される夜間での活動のように住人が通常ならば活動していると期待されないようなときに住人が活動を呈している場合を検出するように構成され得る。さらに、このシステムは、住人が活動を呈することが正常ではないような位置で住人が活動を呈している場合を検出するように構成され得る。同様に、システムは、夢中歩行を検出するように構成され得る。
【0023】
このように、以上に記載した物体の移動を検出するシステム及び方法の様々な実施形態は、医療応用及び警備応用のために活動を監視する簡便で効率のよい手段を達成する方法を提供する。この手法はまた、遠隔監視を可能にして偽警報のリスクを著しく低下させる。さらに、これらのシステム及び手法は、安全性がさらに高く対経費効果が高い監視手段を可能にする。
【0024】
このシステムを有利に様々な応用に用いることができる。例えば、このシステムを設置して階段室を監視し、人が階段室にいるとき又は階段室で止まったときを検出することができる。もう一つの実施形態では、システムをプール/浴槽の近くに設置して人がプール/浴槽に入ったとの検出を可能にすることができる。さらにもう一つの実施形態では、システムを運動場に設置して、人が運動場で一人で練習していて怪我をしたことを検出することができる。もう一つの実施形態では、システムを地域に設置して、例えばスケートボードのような何らかの禁止されている活動を検出することができる。システムはまた、プライバシーが重要でない場合の活動の広域検出を可能にする。
上述のような全ての目的又は利点が任意の特定の実施形態に従って必ずしも達成される訳ではないことを理解されたい。従って、例えば当業者は、本書に記載されるシステム及び手法が、本書に教示するような一つ又は一群の利点を達成する又は最適化するような態様で具現化され又は実施され得るのであって、本書に教示され又は示唆され得るような他の目的又は利点を必ずしも達成しない場合もあることを認められよう。
【0025】
さらに、当業者は、異なる実施形態からの様々な特徴の互換性を認められよう。同様に、所載の様々な特徴、及び各々の特徴についての他の公知の均等構成を当業者によって混成し適合させて、本開示の原理によるさらに他のシステム及び手法を構築することができる。
【0026】
発明を限られた数の実施形態にのみ関連して詳細に記載したが、本発明はかかる開示された実施形態に限定されないことが容易に理解されよう。寧ろ、本発明は、本書では記載されていないが発明の要旨及び範囲に沿った任意の数の変形、変更、置換又は均等構成を組み入れるように改変され得る。加えて、発明の様々な実施形態について記載したが、発明の各観点は所載の実施形態の幾つかのみを含み得ることを理解されたい。従って、本発明は、以上の記載によって制限されるのではなく、特許請求の範囲によってのみ制限されるものとする。
【0027】
本書では発明の幾つかの特徴のみを図示して説明したが、当業者には多くの改変及び変形が想到されよう。従って、特許請求の範囲は、発明の要旨に含まれるような全ての改変及び変形を網羅するものと理解されたい。
【符号の説明】
【0028】
10:対象を監視するシステム
12:転倒した人
14:跪いた人
15:フレーム
16:直立部
18、20:放射線源
22、23:撮像面
24、28:所定面積
25:約4インチの高さ
29:約15インチと約36インチとの間の高さ
32、36:撮像構成要素
42、44:撮像線
52、54:放射線ビーム
62:処理サブシステム
72:通報構成要素
74:介護者
76:時間的な情報
92:データ
140:物体の移動を検出する方法
170:アルゴリズム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人及び物体の位置の変化を検出する方法であって、
地平面の近くで該地平面と同高又は該地平面から少なくとも一つの予め決められた高さにおいて所定面積にわたり複数の撮像面を投射するステップと、
該複数の面から、1又は複数の撮像構成要素を介して、前記物体又は人が前記投射された撮像面に交差したときに観察されるそれぞれの撮像線を捕捉するステップと、
基準画像を確定するために、前記所定面積の範囲内に如何なる人も物体も存在しない状態で前記それぞれの撮像線の標準的な形状を記録するステップと、
連続した捕捉された撮像線の各々の不連続性を前記それぞれの線の基準画像での前記不連続性と比較するステップと、
該比較に基づいて、前記物体の移動に起因する遮断による前記捕捉された撮像線の不連続性における1又は複数の変化を決定するステップと、
着目する事象の発生を決定するために前記不連続性における変化を解釈するステップと、
前記着目する事象の発生の場合に操作者に通報するステップと
を備えた方法。
【請求項2】
前記通報するステップは、無線手段、可聴手段、文字メッセージ又は有線手段の少なくとも一つを介して通報することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記解釈するステップは、地平面の近くで前記少なくとも一つの予め決められた高さにおいて捕捉された前記撮像線の垂直不連続性及び水平不連続性における変化を決定することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
着目する事象を決定する前記ステップは、転倒した人を検出することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記通報するステップは、不連続性における変化が、地平面の近くで捕捉された前記撮像線において単独で観察され前記1又は複数の予め決められた高さで捕捉された前記撮像線では観察されないときにのみ前記転倒を通報することを含んでいる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
着目する事象を決定する前記ステップは、住居侵入事象を決定することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記通報するステップは、地平面の近くで捕捉された前記撮像線及び前記少なくとも一つの予め決められた高さにおいて捕捉された前記撮像線の少なくとも一方が不連続であるときに前記住居侵入事象を通報することを含んでいる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記不連続性における変化を解釈する前記ステップは、前記基準画像に対する前記捕捉された撮像線の位置における変化を解釈することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記不連続性における変化を解釈する前記ステップは、前記基準画像に対する前記捕捉された撮像線における屈曲を解釈するステップを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記不連続性における変化を解釈する前記ステップは、前記基準画像に対する前記捕捉された撮像線における断絶を解釈するステップを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記不連続性における変化は、前記基準画像に対する前記捕捉された撮像線の不存在を解釈することを含んでいる、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
物体の移動を検出するシステムであって、
地平面の近くで該地平面と同高又は該地平面から少なくとも一つの予め決められた高さにおいて所定面積にわたり複数の撮像面を投射するように構成されている複数の放射線源と、
前記複数の面からそれぞれの撮像線を捕捉するように構成されている1又は複数の撮像構成要素と、
処理サブシステムであって、
基準画像を確定するために、前記所定面積の範囲内に如何なる物体も存在しない状態で前記それぞれの撮像線の標準的な形状を記録し、
連続した捕捉された撮像線の各々を前記それぞれの線の前記標準的な形状と比較し、
該比較に基づいて前記捕捉された撮像線の不連続性における1又は複数の変化を決定して、
着目する事象の発生を決定するために前記不連続性における変化を解釈する
ように構成されている処理サブシステムと、
前記着目する事象の発生の場合に操作者に通報するように構成されている通報構成要素と
を備えたシステム。
【請求項13】
前記通報構成要素は無線構成要素を含んでいる、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記放射線源はレーザ又はダイオードを含んでいる、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記レーザは赤外レーザを含んでいる、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記ダイオードは赤外ダイオードを含んでいる、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記着目する事象は人又は動物の転倒を含んでいる、請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
床に載置するように構成されているフレームであって、前記複数の放射線源の第一のものを前記地平面から上方に約1インチと約4インチとの間に配置し、前記複数の放射線源の第二のものを前記地平面から上方に約15と約36インチとの間に配置して設けた直立部を有するフレームをさらに含んでおり、前記1又は複数の撮像構成要素は前記直立部に配設されている、請求項12に記載のシステム。
【請求項19】
前記着目する事象は住居侵入を含んでいる、請求項12に記載のシステム。
【請求項20】
前記所定面積は居間又は浴室を含んでいる、請求項12に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−94140(P2012−94140A)
【公開日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−231210(P2011−231210)
【出願日】平成23年10月21日(2011.10.21)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】