人工円板インプラントを受け入れるための椎間空間を準備する器具および方法
インプラントを受け入れる椎間空間を準備する器具および方法。調節可能な試用インプラント(51)は、試用インプラント(51)の本体部を椎間空間内へ移動させ得る距離を変更するために、止め部材(64)を連結した調節可能な止め機構を有している。隣接した椎骨に切除部を形成する切り抜きツールは、試用インプラント(51)および/またはガイド(130)を使用して、バー(140)またはチゼル(90)であり得る切り抜きツールの位置決めを行う。チゼル切り抜きツール(90)は、選択された試用インプラント(51)に対して移動させることができ、あるいはチゼル切り抜きツールは、本体部の形状をした試用インプラント(190)に固定することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎間インプラントに関し、さらに詳細には、人工椎間円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための、新たに改良した器具および方法に関連する(以下、単にインプラントと呼ぶ場合あり)。
【背景技術】
【0002】
一般に、隣接した椎骨同士の間から円板を完全に除去する必要がある場合、通常の処置は、隣接した椎骨をともに癒合させることである。最近になって、円板置換、すなわち円板関節形成術の分野において重要な開発があり、それには、隣接した椎骨同士の間の椎間空間内へ人工椎間円板インプラントを挿入することが含まれ、またそれによって、隣接した椎骨が、制限された範囲で相互に自在動し得る。
【0003】
人工円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するためのいくつかの器具が、今日までに開発されてきた。これらには、サイズの異なる試用インプラントの1セットが含まれており、適切なサイズの試用インプラントが決まるまで、除去を行った椎間空間内へ、サイズの異なる試用インプラントを挿入し、それにより、実際に挿入されるインプラントの大きさが決まる。試用インプラントは、ピンの形態の被固定止め部材を具え得、この止め部材は、試用インプラントの後端に固定され、椎間空間内へ試用インプラントが動くことを制限するように垂直方向上下に延びる。いくつかのインプラントは、突設されたキールを有し、この突設されたキールは、椎間空間に隣接した椎骨内に、これらの突設されたキールを受け入れるための切除部を形成することを必要とする。これらの切除部を形成するための既知の1つの装置は、チゼルを具え、チゼルは、チゼルが、切除部を形成するよう隣接した椎骨内に切り込みながら、選択した試用インプラントの上下のスロットに沿って進むように装着され得る。
【0004】
1つの既知の人工円板インプラントが、2001年1月11日に国際公開第WO01/01893号パンフレットに示されており、また、人工円板インプラントを挿入する器具が、2001年3月22日に公表された国際公開第WO01/19295号パンフレットに示されている。
【0005】
既知の器具および方法は、当該技術における実質的な改良を表わしているが、人工椎間円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具および方法の分野において引き続き改良を行う必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、人工椎間板インプラントを受け入れるための椎間空間を準備するための、新たに改良された器具および関連の方法を提供することである。
【0007】
本発明の器具を使用して、特に腰椎および頸椎を含む背骨に沿ったどんな位置にも椎間空間を準備し得る。しかしながら、頚椎は、腰椎に対して非常に小さいので、すなわち腰椎の面積の約20%であるので、いくつかの器具は、頸椎への適合性が他の器具よりも高くなり得る。
【0008】
椎間インプラントは、通常、患者の前方から患者の後方へ移動させて挿入する。しかしながら、本インプラント、器具および方法は、インプラントを横から、すなわち側方から挿入し得るように設計され構成することができ、この場合、インプラント上のキールの向きは、このように側方へ移動される向きにし、隣接した椎骨内への切除部は、キールを受け入れるように側方側へ切開されることが理解される。患者の解剖学的構造についての混乱を回避するために、本器具および方法自体に関するより基本的な用語に関連して、本発明をここに説明する。例えば、本発明について説明する際に、「正面部」または「前方部」という用語は、椎骨の方を向いている本器具の部分、または椎骨へ近づく方向に動いている本器具の部分を意味し、また、「背部」、「後部」、「後方部」という用語は、椎骨から最も遠い本器具の端、または椎骨から遠ざかりつつある本器具の端のことである。さらに、本願では、「上部」または「下部」、あるいは「最上部」または「最下部」という用語、すなわち椎間インプラントまたは本器具の方向、あるいはそれと関連する本方法を説明する他の種々の用語は、便宜上にのみ使用されるものであって、どんな限定も示唆するものではない。さらに詳細には、上部に関して本願に記載されるインプラントの部分、本器具および/または本方法は、実際、患者の椎骨内に前部または後部として、2つの部分の他方を反対側の部分にして配置し得る。
【0009】
したがって、人工椎間板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するために新たに改良された器具を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
本発明の器具および本方法は、人工椎間板インプラントとともに使用することに特に適しており、この人工椎間板インプラントは、相互の自在動が制限された上部および下部を有しており、上部の上面および下部の下面は、隣接した椎骨の表面と係合する。本発明の器具および方法のほとんどはまた、インプラントが、椎骨係合面から、隣接した椎骨内に形成された切除部内へ延びるキールを有している場合の使用に適している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、椎骨に切除部を形成することと組み合わせて、(適切な試用インプラントが決定されるまで)異なるサイズの試用インプラントを挿入するように改良された器具および方法が提供される。
【0012】
本発明の第1の実施形態によれば、どんな目的のために、椎間空間内へ移動させ得るどんな装置でも、その装置を椎間空間内へ可変の距離移動させ得るように調節可能な止め機構と関連付けることによって有用になり得る。調節可能な止め機構を具えることにより有用になり得る装置の一例が、試用インプラントである。各試用インプラントを適切にテストするために、試用インプラントを椎間空間の中心に移動させる必要がある。しかしながら、ある患者においては、骨の突起または他の凸凹が、取り付けられた止め部材と係合し、よって、試用インプラントを椎間空間の適切な位置へさらに移動できない場合がある。調節可能な止め機構では、試用インプラントが、調節可能な止め機構に最小限の挿入設定を行うことで到達し得るような制限位置に到達した場合、その位置では、椎間空間内に試用インプラントが適切に配置されず、そこで、オペレーターは、調節可能な止め部を後ろに移動して、試用インプラントを椎間空間内のその適切な位置へさらに移動させ得る。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、適切なサイズの試用インプラントを決定した後、選択した試用インプラントを椎間空間内に配置し、ガイドを試用インプラント挿入ツールのシャフト上に、ガイドが試用インプラントと係合するまで滑動させる。その後、試用インプラント挿入ツールのシャフトを取り外し、切り抜きツールをガイドから試用インプラントのスロット内へ通過させる。切り抜きツールがバーである場合、バーは、ガイド内のバーの適切な配置を決定し、試用インプラント内への、よって続いて隣接した椎骨内へのバー自体の深さを決定するスペーサースリーブを含む。
【0014】
次に、隣接した椎骨に切除部を形成するように、バーを回転させガイド内を端から端まで移動させる動力手段を設ける。ガイドのスロットの端の範囲は、バーが外側へ移動する範囲、よって切除部の上方の範囲および下方の範囲を決定することになる。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、適切な試用インプラントを選択した後、選択した試用インプラントをチゼルと組み合わせて使用して、椎骨を切り抜き切除部を形成し得る。チゼルは、バーの代わりに、上述のガイドとともに使用し得る。チゼルアームは、細長いスロット開口部を通って、細長いスロット開口部により案内される。
【0016】
チゼルを使用する別の構成によれば、試用インプラントは、本体部および尾部を有する。保持装置を尾部に連結する。保持装置には、シャフトを備え得る。これらの試用インプラントは、上部および底部の前方から後方へ形成されたスロットを有している。適切な試用インプラントを選択した後、上部アームおよび/または下部アームを有するチゼルと、中空シャフトとを、チゼルの上部アームおよび/または下部アームが、試用インプラントの上部および底部に形成されたスロットを通って、選択された試用インプラント上に載るまで、試用インプラント挿入ツールのシャフトに沿って滑動させる。高さは同じだが表面積が異なるすべての試用インプラントに同じチゼルを使用できるように、表面積が大きい試用インプラントには、小さい尾部を具えることになる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、チゼル切り抜きツールは、選択された試用インプラントの本体部と厳密に同じ形状およびサイズの本体部と一体的に形成されて、その結果、選択された試用インプラント上にチゼルを載せる代わりに、切り抜きツールを取り付けた、選択された試用インプラントの本体部のサイズおよび形状と、本体部のサイズおよび形状とが同じである装置全体は、チゼル切り抜きツールを椎骨内に切り込み切除部を形成しながら、椎間空間内へ移動される。
【0018】
したがって、人工円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するために新たに改良した器具を提供することが、本発明の目的である。
【0019】
人工円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するために新たに改良した方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0020】
本発明のこれらおよび他の目的は、添付の図面とともに、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ここで、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して例として説明する。
【0022】
ここで図面を参照すると、同様の要素は、いくつかの図にわたって同様の番号で示している。
【0023】
ここに説明する器具および方法は、椎間空間内へ挿入するための、広範囲の人工円板インプラントを準備することに適用し得る。ここに説明する器具および方法は、試用インプラントに関するが、必ずしも切除部を形成する切り抜きツールに関するものではなく、椎間空間の除去が行われ全置換型インプラントがその椎間空間内に挿入される実質的にどんなタイプの人工円板インプラントにも用いることができる。突設されたキールを受け入れる切除部を形成する着想を含む、ここに説明するそれらの器具および方法について、ここに説明する器具および方法は、そのようなキールを有するどんな人工円板インプラントとともに用いるのにも適合し得る。
【0024】
突設されたキールを有する第1のタイプの人工円板インプラントを、図1に示す。図1に示すように、この人工円板インプラント1は、上部プレート2および下部プレート3を有し、これらのプレートは、プラスチックインレー4により間隔を置いて配置されている。上部プレート2は、突設されたキール5を有し、また、下部プレート3は、突設されたキール6を有している。図1に示す人工円板インプラントは、頸椎または腰椎を含む背骨に沿ったどんな位置においても使用し得るが、特定のこの人工円板インプラントは、特に腰椎に適する。この特定の人工円板インプラントは、2001年1月11日に公表された国際出願第WO01/01893号パンフレットにさらに非常に詳しく示され記載されている。
【0025】
図2に、隣接した椎骨の切除部内に配置される突設されたキールを有する別のインプラントを示す。頸椎または腰椎を含めた脊椎に沿ったどんな位置にも図2の人工円板インプラントを使用し得るが、特定のこの設計は、頸椎内における使用に利点を有する。図2の人工円板インプラント10は、上部11および下部30と、それらの間に配置されるが実質的に下部30に連結されるプラスチックインレー50とを有する。このプラスチックインレーは、湾曲した面を有し、この面が、上部11の湾曲した底面と協働して、上部および下部相互の自在動が制限され得る。
【0026】
上部11は、上面12を含み、上面12は、隣接した椎骨表面と係合しそれを支持する。上面12は、13で示すように、縁の全周を少し面取りされており、面取り部の最大部分を後部表面に沿って示している。上部の、面取りされた縁13の下は、後部支持用切り抜き部15を有する周囲の側壁14により囲まれている。
【0027】
上部11の上面12から突出しているのは、凹所17が形成されたキール16である。この凹所は、上方および後方に開口している。キール16の前端は、V字形の上部面取り部19を含む。キールの前端の下部は、V字形の面取り部20の形態をしている。2つのV字形の面取り部19および20は、前端が、隣接した椎骨内に形成される切除部内へのキールの挿入を促進するように「矢印」の形状になっている。隣接した椎骨の切除部内にキール216の後端を固定させるために、凹所の後部開口部18は、フレア状である。
【0028】
下部30は、後部支持用切り抜き部37を含んでいる。キール40は、上方へ突出している(または通常の方向では、下方へ延びている)。このキールは、凹所41を含み、この凹所41は、下方および後方に開口し、フレア状の入口42を有しており、このフレア状の入口42は、フレア状の入口18と同じ機能、すなわち、椎骨の切除部内のキールの後端との係合を促進する機能を果たす。凹所41は、下方および後方に開口する。その前端に、キール40は、上部11の面取り部と同様のV字形の下方面取り部を含んでいる。
【0029】
人工円板インプラントを受け入れる準備をするために、椎間空間の除去が行われた後、その次の処置は、特定のその椎間空間に適する人工円板インプラントの適正サイズを決定することである。これは、サイズが異なる1セットの試用インプラントを準備して行う。例えば、1セットの試用インプラントは、概ね3つの異なる表面積を有する試用インプラントを含み得、例えば、各試用インプラントは、複数の高さ、3〜5つの1mmずつ異なる高さであり得る。オペレーターは、経験から、その特定の椎間空間に最適な試用インプラントだと思う試用インプラントを選択する。一般に、オペレーターは、もし適切でない場合小さい側に配置することになる試用インプラントから始める。その最初の選択により操作して、全く適合しないことが分かった場合、オペレーターは、そのセットの他の試用インプラントを試し、一般に高さおよび/または表面積を大きくしていき、オペレーターが適切と思うと、最終的に、適正サイズの試用インプラントが決まる。
【0030】
オペレーターは、試用インプラントが椎間空間内に適切な距離挿入されたときが分かるように、身体的「感覚」を提供する機構を必要としている。既知の試用インプラントは、各試用インプラントの後部に固定止め部材が装着されており、この止め部材は、試用インプラントが椎間空間内へ移動するのを制限するように椎骨と係合する。椎骨が前部の側に凹凸を有する場合、あるいは変則的な形状である場合、固定止め部は、椎間空間内において適切な位置に達する前に、その凹凸と係合し試用インプラントを止める。本発明の調節可能な止め機構によって、オペレーターは、試用インプラントが、調節可能な試用機構の現在の設定により可能な範囲まで進んだという「感覚」の後に、また試用インプラントが椎間空間内の適切な位置に到達していないことを器具で判断した後に、調節可能な止め部を後方に移動させて、試用インプラントを椎間空間内へさらに前進させ得る。
【0031】
図3〜図11Bに、移動可能な止め部材を具える調節可能な止め機構を有する試用インプラントを示す。本発明の調節可能な止め機構では、まず、止め部材を、試用インプラントの本体部の後部に最も近い位置に配置して、このようにして、椎間空間内への試用インプラントの穿通を最小限にする。その後、X線撮影によるモニターの助けを借りて、試用インプラントを早く止め過ぎたことが認められた場合、試用インプラントの後部から止め部材を徐々に遠ざけるように、調節可能な止め機構を操作して、試用インプラントが適切な位置に配置されるまで、試用インプラントを椎間空間内にさらに前進させ得る。
【0032】
図3は、調節可能な止め機構を有する試用インプラントの斜視図である。試用インプラント51は、上部および底部を有する本体部52を含んでいる。望ましい場合、チゼル切り抜きツールと協働させるため、上部および底部に前方から後方への一対のスロット53を設けることができ、したがって、試用インプラントのスロットに沿って滑動するチゼル切り抜きツールを利用することが望ましくないかまたは必要でない場合は、それを省略し得る。試用インプラント51が、上述のように、1セットの複数の試用インプラントの1つであることが理解される。試用インプラントは、保持装置により保持される。ここに示した実施形態では、オペレーターにより把持される細長いシャフト62の形状の保持装置用に、後部開口部54を設けている。シャフト62は、開口部54内へ螺合させることができ、それにより、所与のシャフトを異なる試用インプラントと共に使用することができ、またはさらに便利または経済的であると考えられる場合、各試用インプラントの開口部54内にシャフト62を固定し得る。図4〜図6も参照すると、試用インプラントは、後部開口部55から始まり前部開口部56に前から後方向に貫通する細長い孔を有している。この孔の後部分61は、平滑である、すなわち、ねじ溝が切られておらず、この孔の前部分60には、ねじ溝が切られている。ねじ溝が切られていない滑らかな部分61は、スロット付き切り抜き部57内へ開口しており、この切り抜き部57は、平行な水平面により上下にかつ前方端部においては壁58により画定され、この壁58は、試用インプラントの側方周縁から、滑らかな部分62と細長い孔のねじ溝が切られた部分60との間の接合部にある突端部59に延びている。孔そのものの垂直方向の断面を、図7に示す。
【0033】
図8に、調節可能な止め機構の2つの部品、調節部材63と止め部材64とを示す。調節部材63は、円筒形に大きくなった部材67を含み、この円筒形に大きくなった部材67は、受け口66を有し、受け口66は、ドライバーまたはその他同種のもの65(図3を参照)を受け入れ、ドライバー65が、円筒形部材67を、よって調節部材63全体を回転させる。調節部材63は、円筒形部材67の左側に、断面積が狭くなった滑らかなシャフト部分68を含んでおり、その左側には、滑らかなシャフト68の直径より外径が大きいねじ山部69を含む。調節部材63に装着されているのは、止め部材64であって、この止め部材64は、滑らかなシャフト68を中心に自由に回転する中空スリーブ部70を含む。止め部材64は、少なくとも1本の、好ましくは2本のピン、すなわち上部ピン71および下部ピン72を含んでいる。止め部材64は、シャフト68を中心に自由に回転し得るが、調節部材63に沿った横方向の移動が妨げられ、調節部材63に沿った横方向左への移動は、直径の大きいねじ山部69により、調節部材63に沿った横方向右への移動は、円筒形部材67の左端とピン71および72とが係合することにより、制限されることに注意する。
【0034】
図10、図11Aおよび図11Bを参照すると、スリーブ70は、突設された長方形の突起部73を含んでいる。図9を参照して分かることは、調節部材と止め部材との組立品を、開口部55から孔61内へ、ねじ山69がねじ溝60と係合するまで挿入する場合、ドライバーまたはその他同種のものを受け口66と係合させて調節部材64を引き続き回転させることによって、止め部材を必ずしも回転させずに、調節部材および止め部材の装置全体が、試用インプラントへその中を通って前進することである。実際、スリーブ70の前方端部が試用インプラントの後部開口部55に入ると、正方形の突起部73が、スロット57内を進むように配置されており、それによって、調節可能な止め機構全体が前進するにつれて、止め部材64が回転することが妨げられる。
【0035】
調節可能な止め機構の作動は、図11Aおよび図11Bを参照することにより、さらに明らかになるだろう。まず図11Bを参照すると、オペレーターは、ドライバー65で受け口66を把持し、ねじ山69がねじ溝60とまず係合すると調節部材66を回転させて、そうするうちに、止め部材64が回転式に操作され、突起部73がスロット57に入ることが保証されて、それにより、止め部材64の回転が妨げられる。次に、オペレーターは、調節部材および止め部材を、孔60、61を通って可能な限り、アーム71および72が試用インプラントの背部に接触するまで、前進させて、そうなると、突起部73は、側壁58の端部59と係合することにより止まる。この位置で、試用インプラントの本体部を患者の椎間空間内に挿入する。次に、X線撮影によるモニターによって、試用インプラントが適切な位置へ移動されたか否かの判断を、オペレーターが行う。次に、もし適切な位置への移動が行われていない場合、オペレーターは、シャフト65に、正確な所定の量の回転をさせて(例えば、円板空間内において深さ1mmに相当する全回転を一度させて)、それにより、試用インプラントの本体部を椎間空間内へ前進させ得る。図11Bは、調節部材および止め部材が引き出され、したがって、試用インプラントの本体部が、椎間空間内の所定位置に挿入された端部の位置を表わす。
【0036】
図12〜図18に、調節可能な止め機構を有する試用インプラントの別の実施形態を示す。図12および図13は、試用インプラントのこの実施形態の斜視図であって、それぞれ、2つの端部位置の一方の位置にある調節可能な止め機構を示している。図12〜図16を参照すると、試用インプラント74は、本体部75と尾部76とを含んでいる。後述するように、試用インプラントの上部および底部全体に沿ったスロット77が、チゼル切り抜きツールを受け入れる。特に図16を参照すると、遠い方の右側の端部に取っ手を取り付け得るシャフト78は、ねじ山のない中央部78Aとねじ山付きの前方部78Bとを含んでいる。
【0037】
調節可能な止め機構79は、スリーブ80を備え、このスリーブ80は、シャフト中央部78Aの直径が大きくなってシャフト78の主要部の直径になっている場所に隣接したシャフト中央部78Aの周りを自由に回転する。自由に回転可能なこのスリーブ80のすぐ手前には、座金86が、溶接または同種の手段により、シャフト中央部78Aに固定されている。したがって、スリーブ80は、中央部78A周りを自由に回転するように装着されているが、シャフト78または中央部78Aに沿って長手方向に動くことを妨げられている。
【0038】
調節可能な止め機構79は、スリーブ80に連結され前方に延びるひじ状部81を含んでおり、このひじ状部81は、その前端が、上方ピン83および下方ピン84の形状の止め部材に連結される。これらのピンは、隣接した椎骨同士の間の椎間空間内へ試用インプラントを移動させると、隣接した椎骨と係合するような高さである。ひじ状部81は、その内側に面82を有し、この面82は、尾部76の側面85と係合して、その結果、調節可能な止め機構79全体がシャフト78の軸線周りを回転することが妨げられる。
【0039】
図16、図17Aおよび図17Bを参照すると、試用インプラント74の内部は、端から端まで中空であって、大きくなったねじ山のない後方孔87を含み、この後方孔87は、ねじ山付きの前方孔88へ狭くなっている。
【0040】
図17Aに、一番前に位置する調節可能な止め機構を示し、その位置では、ねじ山付き部78Bが、完全に孔88内へ螺合されている。この一番前の位置では、調節可能な止め機構、したがって止め部材は、図12に示すように、一番前の位置にある。ねじ山付き部78Bの前方端部が、本体部75の前方端部に見える。
【0041】
調節可能な止め機構および止め部材を、一番前の位置から図13の後方位置に後方へ移動させるために、オペレーターは、シャフト78を回転させて、ねじ山付き部78Bを、ねじ山付き孔88と係合させることによって、右側へ移動させる。シャフト78を回転させると、中央部78Aは、スリーブ80内を自由に回転するように移動して、調節可能な止め機構79は、その壁82と、試用インプラントの尾部の側壁85とが係合することにより、シャフト78の軸線周りに回転することが妨げられる。
【0042】
図12〜図17Bの調節可能な止め機構が、図3〜図11Bの実施形態に対して多少簡単になっており、その理由は、この実施形態では、既存のシャフト78および試用インプラント内の孔を利用しており、試用インプラントの側に別個の孔は必要なく、また試用インプラントをその第2の孔内において係合させるための個別のツールは必要ないことが理解されるだろう。
【0043】
図12〜図17Bの調節可能な止め機構の操作は、図3〜図11Bの調節可能な止め機構の操作に類似しており、それは、止め部材の上方ピン83および下方ピン84が、本体部に最も近い一番前に配置される位置に、調節可能な止め機構をまず移動させて、それによって、椎間空間内へ本体部を最小限移動させるだけでよいという点において類似している。図3〜図11Bの実施形態の場合と同様に、オペレーターは、次に、X線撮影によるモニターによって、試用インプラントがその適切な位置へ移動されているか否かを判断する。そうなっていなければ、オペレーターは、次に、調節可能な止め機構79を後方に移動させる。この実施形態では、オペレーターは、単にメインシャフト78を回転させて、こうして、ねじ山付きの孔88と螺子係合させることにより、前方のシャフト部78Bを後方に移動させる。この移動中、調節可能な止め機構79は、スリーブ80が自由に回転し得るようにシャフト78に装着されているが、壁82と壁85とが係合することによって、シャフト78の軸線周りを回転することが妨げられている。図3〜図11Bの実施形態の場合のように、X線撮影によるモニターによって、オペレーターは、シャフト78を正確な所定量回転させる(例えば椎間空間内へ深さ1mmに相当する全回転を一度させる)。図13および図17Bは、止め部材を引き抜き、したがって、試用インプラントの本体部が、椎間空間内の所望の位置に挿入された端部位置を表している。
【0044】
図12〜図18の試用インプラント74は、図3および図4に示した試用インプラント(および図19〜図35に示した試用インプラント)とは、前者が尾部を有しているという点で、異なっていることを指摘しておく。上述のように、この尾部は、調節可能な止め機構の一実施形態を提供するように機能する。この尾部は、第2の機能を有する。図36〜図43に示す実施形態に関してさらに十分に後述するように、尾部によって、単一のチゼル切り抜きツールを、全ての高さは同じだが本体部の表面積が異なる複数の別の試用インプラントとともに使用し得る。例えば、図14の試用インプラント74を図14Aの試用インプラント74Aと比較することによって分かることは、図14の試用インプラント74が、図14Aの試用インプラント74Aの本体部より表面積が狭い本体部を有していること、および図14の試用インプラント74がまた、図14Aの試用インプラント74Aより長い尾部を有しており、両方の試用インプラントの全長は、同じであることである。
【0045】
図18に、図36〜図43に述べるものと同様だが、特に図12〜図17Bの試用インプラントおよび調節可能な止め機構79との使用に適合させたチゼル切り抜きツールを示す。
【0046】
図18を参照すると、試用インプラント74上に配置されたチゼル切り抜きツール90が示されており、このツール90は、箱形にカットされた正面カッター92を有する上部切り抜きアーム91と、箱形にカットされた正面カッター94を有する下部アーム93とを具えている。図41〜図43に関してここに示し後述するチゼル切り抜きツールは、ここに示すような箱形の刃先を具えるか、あるいは図18に示す実施形態は、図41〜図43に示すものより一般的な前方刃先を具えてもよい。図41〜図43に示すチゼル切り抜きツールとは違って、図18のチゼル切り抜きツール90は、調節可能な止め機構79を受け取るためのスロット97を有する細長いカラー96を有している。このカラー96は、前方端部がスロート95で終わっており、このスロート95は、図41〜図43に示すものと同様であり、試用インプラント74の後部のV字形の陥凹部と係合する。図41〜図43の場合のように、上部アーム91および下部アーム93は、試用インプラント74の上部スロットおよび下部スロット77と係合し、それらに沿って動く。図18の実施形態では、カラー96の後端は、シャフト78を囲む中空シャフト98に結合されて、アーム、カラーおよび中空シャフト98を含む装置90全体が、シャフト78上を、図18に示す位置まで全長にわたり前方に移動し得る。上述のように、この精密なチゼル切り抜きツールは、図12〜図15、図17Aおよび図17Bに示す試用インプラント74と、図15Aのサイズが異なる試用インプラント74Aとの両方にぴったり合う。
【0047】
図19〜図23は、試用インプラントを挿入する器具および方法における別の改良を示している。
【0048】
図19〜図23を参照すると、試用インプラントは、ロッド111、およびそれに螺合される取っ手112を有するツール110の形態の保持装置上に保持される。この挿入ツールは、その操作端部に、図22に示すように、ねじ山部113を含んでいる。
【0049】
試用インプラント114は、スロット115を備え、このスロット115は、挿入ツール110のねじ山部113を螺合式に受け入れるように内側にねじ溝が切られた部分116を有している。図20および図21を参照すると、試用インプラントは、概ね平らな第1の面122および概ね平らな第2の面123を含んでいる。それの後部端は、一対の面取り部121および124を含んでいる。
【0050】
試用インプラント114には、それぞれ一対のガイドピン117が設けられている。図19、図21および図23を参照。これらのガイドピン117は、試用インプラント内の凹所118内に受け入れられ、また、それらは、肩部119および幅の狭い自由端部120を含んでいる。
【0051】
椎間空間を準備した後、ユーザは、椎間空間内に最もよく適合すると思われる試用インプラントを決める。その試用インプラントを試用挿入ツール110のシャフト111の端部に螺合させ、その後、その試用インプラントを挿入する。オペレーターは、試行錯誤して、最終的に、その椎間空間に適切な試用インプラントを1つ選択することができ、次に、それを使用して、椎間空間内に挿入される実際のインプラントを選択することになる。
【0052】
一度、適切な試用インプラントが選択されると、次のステップは、隣接した椎骨に切除部を形成することである。
【0053】
前の説明では、高さが一定の試用インプラントについて述べているが、ある1セットは、高さが異なる複数の試用インプラントを含む。しかしながら、実際、高さを調節可能な試用インプラントを提供することもできる。
【0054】
切除部を形成する器具の第1の実施形態を図24〜図29に示す。一度、適切な試用インプラントが選択されると、その適切な試用インプラントを挿入ツール110のシャフト111に装着したまま椎間空間内に配置する。次に、ねじをゆるめて取っ手112をシャフト111から取り外す。次に、ガイド130を、シャフト111に沿って下へ滑動させる。ガイドを、図24および図18に詳細に示す。それは、細長いスロット131を含み、このスロット131は、底部の棚状突起部132まで、ガイド130の高さのほとんどを延び、棚状突起部132は、丸く広がった中央開口部134を有する細長い開口部またはスロット133を具えている。ガイド130は、長い側面に一対の凹所135を含んでおり、これらの凹所より下に外側に突出する突起部136を有し、またこれらの突起部136をピンホール137が貫通している。図26に最もよく示されているように、ガイド130は、ピン117が開口部137を通過して、突起部136の下側の端部が肩部119に載るまで、シャフト111に沿って滑動される。試用インプラント114の表面から肩部119までピン117に沿ってあけられる間隔は、試用インプラント114から所定の間隔の非常に正確な位置にガイド130が載るように選択される。この間隔によって、ガイド130が椎骨の表面に接触しなくなることを保証し、また、この間隔は、後述するように、切り抜きツールの深さの基準点として役立つ。
【0055】
一度ガイドが所定位置になると、試用インプラント114のねじ溝116からねじ山113が係合解除されるようにシャフト111を回転させることによって、試用インプラント114およびガイド130からシャフト111を取り外す。その後、切り抜きツールを挿入する。切り抜きツールは、異なる形態であってもよい。例えば、それは、細長いスロット開口部133内を案内されるチゼル切り抜きツールであり得る。代替案では、切り抜きツールは、細長いスロット開口部133により案内されるバー型切り抜きツールにし得る。図27を参照すると、バー型切り抜きツール140は、下部144および固定カラー142と一体化した上部ロッド部分141を含んでいる。次に、中空スペーサースリーブ143を、その上端が固定カラー142と係合するまで、下部144の端からバー140上を滑動させる。図28を参照すると、バーは、隆起部145を含み、スペーサースリーブ143は、内側円周溝146を含み、この内側円周溝146は、スペーサースリーブ143のどの円周方向においても、隆起部145を受け入れ、スペーサースリーブ143をバー140に沿って不用意に上下動させないように固定する。スリーブ143の長さは、バーの下部144の、スロット115内への正確な深さを決定し、この深さは、バーの下部144が、その後切除部を形成しながら隣接した椎骨内へ延びていく深さを決定する。バーのこの所定の深さの設定は、図29から明らかであって、図29では、スペーサースリーブ143の下端が、ガイド130の棚状突起部132に当接していることが分かる。図25および図29を参照すると、バー140を図29に示すように配置し、スペーサースリーブ143の底部を棚状突起部132上に載せると、バーの端部の正確な深さが決まる。図25を参照すると、図29に示すようにバーを配置した場合、バーの端部は、細長い開口部133中を上下に自由に動くことが分かる。バーは、動力手段(図示せず)により、細長い開口部133を横方向上下に回転動される。このように動かすことによって、椎骨内に切除部を形成する。
【0056】
図30〜図33は、切り抜きツール用のガイド150の別の実施形態を示す。図24〜図26の実施形態に共通の要素には、共通の参照番号をつける。この実施形態では、ガイド150は、凹所135および突起部136の代わりに、ガイド150の幅が広い側の中央の外面に沿って延びる一対の中央尾根部151および152を含んでいる。ガイド150の下端には、一対のピンホール155が設けられ、これらのピンホール155は、試用インプラント114のピン117を受け入れるのに十分に深い。ガイド150の別の特徴によれば、中央尾根部の1つが、ここでは153で示すように、角度が付けられたボスを形成するように大きくされており、このボスは、ねじ溝が内側に形成された孔154を有し、この孔154は、ツール110の、ねじ山が切られた端部113を受け入れるように形成される。この実施形態は、ガイドをピン117上に重力により落とし得るというより、積極的にガイドと係合させガイドを移動させたい、器具のユーザには特に適している。さらに、特定の状況では、ガイドを重力により所定位置に落とし得るというより、ガイドを積極的に位置決めするためのツール110を用いる必要のある場合がある。
【0057】
図33に、ピン117に装着され試用インプラント114が肩部119に載っているガイド150を示す。他の態様では、図33の構成は、スペーサースリーブ143を有するバー140が、ガイド150内に受け入れられる方法において、図29に類似している。さらに、初めの方の実施形態の場合のように、チゼル切り抜きツールをガイド150と共に使用し得る。
【0058】
図34および図35に、スペーサースリーブの別の実施形態を示す。ここに示すように、スペーサースリーブ158は、テーパーがつけられた上部158を含み、上部158は、下端が円形の肩部159になっており、肩部159は、円筒形の下部160を覆い、下部160は、バー140のスペーサースリーブ143と実質的に直径が同じである。このスペーサーは、図28に示す隆起部および溝構造体も含む。このスペーサースリーブの利点は、肩部159がガイドの上部に沿って動くことである。このことから、棚状突起部132に沿って動くスペーサースリーブ143にのみ依存する場合よりも安定性が高くなることが分かった。バー140を使用し、スペーサースリーブ143の下部と棚状突起部132とが接触するときだけの安定に依存すると、バーがややぐらつくことが分かっている。しかしながら、スペーサースリーブ157の肩部159とガイドの上縁との間の係合にも依存すると、バーがぐらつきにくくなる。
【0059】
図34のスペーサースリーブは、ガイド130の第1の実施形態を伴った図35に示しているが、それは、図30〜図33に示すガイド150とともに使用することに同様に適することが理解される。
【0060】
試用インプラントがピンと協働し、これらのピンが孔を有するガイドと協働すると説明したが、それとは逆に、ガイドにピンを設け試用インプラントに孔を形成してもよい。
【0061】
図36〜図43に、試用インプラントの別の実施形態、および椎骨に切除部を形成する器具の別の実施形態を示す。図36〜図40を参照すると、試用インプラント160の形状は、試用インプラント114の形状とは多少異なっている。これらの試用インプラント160は、サイズを同数準備することが好ましく、かつ上面122および下面123、並びに面取り面121および124を含んでいる点で、試用インプラント114に類似している。それらは、図12〜図18に示した試用インプラントと同様だが、調節可能な止め機構の特徴がない。
【0062】
しかしながら、試用インプラント160は、いくつかの点で試用インプラント114とは異なっている。まず、スロット166Aおよび166Bが、図36〜図40に示すように、後述の目的のために、試用インプラント160の上部および下部に沿ってそれぞれ形成されている。試用インプラント160は、本体部162Aと、細長い開口部163および上部・下部のピンホール164を有する尾部162Bとを含む。挿入ツール161は、螺合式に取り外し可能な取っ手112およびシャフト161を備え得る保持装置を含む。シャフト161は、図19〜図23に示したのと異なる試用インプラントと螺合式に係合させてもよい。しかしながら、代替案として、シャフト161は、このシャフト161の端を開口部163と係合させ、螺合させる代わりに、貫通ピンホール168を含ませ得る点で、図19のシャフト111と相違し得る。試用インプラント160を係合させるために、シャフト161を、ピンホール168がピンホール164と並ぶまで尾部162Bの開口部163内に押し込む。こうして尾部162Bの開口部163内にシャフト161を配置して、ピン165をピンホール164および168に貫通させて、試用インプラント160にシャフト161を固定する。これは、シャフト161と試用インプラント160とを実質的に永続的に連結することであるので、一般に、15の試用インプラントの各々が、それに取り付けられるシャフトを有することを意味する。しかしながら、大きな取っ手112のないシャフト161が、比較的小型で経済的であるので、そのセットのすべての試用インプラント160に単一のシャフト161を使用することとは対照的に、そのセットの複数の各試用インプラント160に取り付けられる別個のシャフトを具え得る。
【0063】
試用インプラント160のこの代替実施形態の目的は、図41〜図43に示すようにチゼル180の形状の切り抜きツールと協働させることであり、この切り抜きツールは、バーによってではなく、チゼルで椎骨に切除部を形成する。チゼルは、鋭い端部183を有する上部チゼルアーム181と、鋭い端部184を有する下部アーム182とを含んでいる。図42および図43を参照すると、一度、適切な試用インプラント160を選択すると、チゼル180を試用インプラント160上に移動させ、チゼル180が、シャフト161上を移動して、アーム181および182の対向する縁が、試用インプラント160の上部および底部に沿って形成されたスロット166Aおよび166B内と係合される。
【0064】
多くの例では、ユーザが、切除部を形成するために、動力駆動されるバーよりもチゼルを使用することを好むので、切除部を形成するためのチゼルの本実施形態を提供する。
【0065】
これより前に述べたように、複数の試用インプラントを、すなわち、表面積が異なり高さが異なる各インプラントを提供する。本実施形態の利点は、表面積は異なるが高さが同じであるすべての試用インプラントに単一のチゼルを使用し得ることである。これは、尾部のサイズを異ならせることにより実現される。すなわち、表面積が狭くなる程、尾部が広くなって、その結果、チゼルが試用インプラント160と係合する全距離は、表面積が等しいすべての試用インプラントについて等しくなる。
【0066】
図41を参照すると、各チゼルは、中空シャフト187を受け入れる大きくなった部分185の前方にV字形ベース186を含んでいる。試用インプラント160にチゼルを取り付けるためには、チゼルを試用インプラント上に移動し、取り付けるシャフト161を、中空チゼルシャフト187の中を通して開口部188内に移動させる。アーム181および182の対向する面がスロット166Aおよび166B内の所定位置になったとき、V字形の部分186は、図32に示すようなV字形の端部169内に嵌合する。
【0067】
所与のチゼルが、高さが同じで表面積が異なる試用インプラントすべてに嵌合し得る構成を、図39および図40に関連して示す。図40の試用インプラント172は、図39の試用インプラント160より表面積が広い。したがって、尾部173は短くなる。その結果、試用インプラント160の前端からV字形の端部169のベース170までの距離は、図40の試用インプラント172の前端からV字形の端部174のベース175までの距離と等しい。このことは、試用インプラント160および試用インプラント172に所与のチゼル180がどのように嵌合するかを示す図41および図42を比較することによっても、明示される。
【0068】
図42および図43はまた、上部キール111および下部キール130を、これらのチゼルにより形成した切除部に対して最終的に位置決めした場合の略図を示す。これらのチゼルは、後方へ角度をつけ得る内側後方端部で切除部を形成する。チゼルアームの端部は、後方へ角度をつけるのではなく、上下に真っ直ぐ(ニュートラル)にしてもよい。
【0069】
チゼル切り抜きツールの前の説明は、1つが試用インプラントの上に、もう1つが試用インプラントの下にある、一対の切り抜きツールについて行った。1つの椎骨だけに切除部を形成するための、または一度に隣接した2つの椎骨に2つの切除部を形成するためのアームを1本のみ有するチゼルを用いてもよい。
【0070】
図44〜図46に、隣接した椎骨に切除部を形成するためのチゼル切り抜きツールの別の実施形態を示す。
【0071】
図44〜図46は、本体部を有する試用インプラント/切り抜きツール190を示し、この本体部は、上面191および下面192と、これらの面に取り付けられそこから上方向に延びる上部チゼルアーム194およびそこから下方向へ延びる下部チゼルアーム196とを有している。これらの上部アームおよび下部アームの前方縁は、刃先195および197をそれぞれ含んでいる。これらの刃先の前部には、切り抜かれた骨の破片を受け取るための上部スコップ状凹所および下部スコップ状凹所193が設けられている。シャフト198の形状の保持装置が、チゼル切り抜きツール190の形態の試用インプラントの中央へ延び、交差ピン199により内部において固定されている。
【0072】
代替案では、固定されたシャフト198は、端部にねじ山が切られたシャフトと置き換え可能であり、この端部が、切り抜きツール190の主要部分に、螺合式に、よって取り外し可能に取り付けられる。さらに、図44〜図46の実施形態は、2本のチゼルアームではなく単一のチゼルアームを伴って、構成することができ、よって、一度に、1つの椎骨に単一の切除部のみを切り抜くか、または隣接した2つの椎骨に切除部を形成するために、それらのツールを使用することができる。
【0073】
図44〜図46の実施形態は、異なる方法で使用し得る。まず、オペレーターは、通常の試用インプラントを使用し、次に、適切なサイズの試用インプラントを決定した後、選択した試用インプラントと同じ大きさの本体部を有するツール190を使用して、切除部を形成し得る。次に、ツール190を、実際の試用インプラントとして使用し得る。ここで、オペレーターが本体部をテストすると、チゼルアームは、椎骨を切り抜いて切除部を形成する。
【0074】
インプラントを受け入れるための椎間空間を準備する本方法は、器具についての前の説明から明らかであるが、本発明の方法の簡単な概略を続ける。
【0075】
関連の椎間空間を設けた後、本発明の第1の方法によって、調節可能な止め機構を有する試用インプラントを椎間空間内に挿入し、引き続きその1セットの異なるサイズの試用インプラントを試して、適切なサイズの試用インプラントを選択する。これまでのこれらの試用インプラントは、椎間空間内への、初期の、その後の、最終の試用インプラントの移動を制限するための固定止め部材を有していた。本発明の方法によれば、各試用インプラントは、調節可能な止め機構を有している。所与の試用インプラントを椎間空間内へ移動させると、調節可能な止め機構の止め部材は、好ましくは最初に、試用インプラントの本体部の後部に近い位置に配置され、それにより、椎間空間内へ試用インプラントの本体部が最小限移動するだけで済む。その空間に隣接する椎骨が完全に成形されると、試用インプラントの本体部を、調節可能な止め部を初期設定にすることで椎間空間内の適切な位置へ移動させ得る。しかしながら、椎骨に凸凹がある場合、かつ/または骨の突起が本体部の移動を妨げている場合、X線撮影によるモニターを行うことで、オペレーターは、椎間空間内の試用インプラントの位置を観察する。試用インプラントが適切な位置へ移動されていない場合、オペレーターは、調節可能な止め機構、したがってその止め部材を試用インプラントの本体部の後部から後方へ離し、それにより、椎間空間内へ試用インプラントの本体部をさらに移動させ得る。その調節範囲によって、椎間空間内へ1〜10mmの挿入を行い得る。精確な手動制御を行い得る。
【0076】
一実施形態では、ドライバー、レンチまたはその他同種のものなどの回転させ得るツールが、調節可能な止め機構の受け口または同種のもの内に受け入れられ、360°の1回転をさせることが、止め部材を1mm移動させること、したがって試用インプラントを1mm深く移動させることと等しくなるように較正される。本発明に係るこの方法によれば、止め部材は、自由に回転し得るように調節部材に装着されるが、突起部を含んでおり、この突起部は、装着された調節部材をオペレーターが回転させると同時に、試用インプラントの側面のスロットと係合し、このように、止め部材の回転動が妨げられ、調節部材は、試用インプラントの本体部の内部と螺合式に係合し、その結果、調節部材を回転させることによって、止め部材と調節部材との組立体は、止め部材が回転動しないように固定されているにもかかわらず、試用インプラントの内外へ移動される(または止め部材の場合、試用インプラントの本体部の後部に近づけられ、また遠ざけられる)。
【0077】
別の実施形態では、調節可能な止め機構は、試用インプラントの本体部の後部に、試用インプラントの尾部の側面に沿って配置され、それと同時に、ひじ状部を90°廻ったところに配置されたスリーブが、試用インプラントのメインシャフトに、自由に回転し得るように装着され、このメインシャフトは、試用インプラントの内部内に螺合式に係合される。この場合、試用インプラントのメインシャフトを単に回転させることによって、調節可能な止め機構、よってその止め部材が、試用インプラントの本体部の後部へ近づけられるかまたは後部から遠ざけられる。この実施形態は、最初に説明した実施形態のように、メインシャフトに360°の1回転をさせることが、止め部材を1mm移動させる、よって試用インプラントを1mm深く移動させることと等しくなり得るように、較正し得る。試用インプラントの尾部の側壁と調節可能な止め機構の側壁とを係合させることによって、メインシャフトの軸線周りに調節可能な止め機構が回転動することが妨げられる。
【0078】
本発明の別の方法によれば、試用インプラントを、取っ手などの保持装置に螺合し、椎間空間内に挿入する。最初の試用インプラントが椎間空間に完全に適合しなければ、他の試用インプラントを試みて、最終的に、試行錯誤して、適切なサイズの試用インプラントを決める。試用インプラントに止め部材が装着されている場合、取っ手を試用インプラントから螺合解除し、ガイドの2つの開口部またはガイドのピンホールの下端部がピンに受け取られるまで、ガイドを軸上において動かして、肩部にガイドの底部を係合させることによって、さらに下向きの動きが制限される。その後、シャフトを取り外し、バーまたはチゼルの場合がある切り抜きツールを、ガイドの底の細長いスロットから挿入する。切り抜きツールがバーである場合、それは、固定カラーおよび慎重に選択されそれに装着されるスペーサースリーブを含み、このスペーサースリーブは、スペーサースリーブの底が棚状突起部と係合するか、あるいはスペーサースリーブの肩部がガイドの上部と係合するまで、ガイド内に挿入される。スペーサースリーブの長さの選択は、スペーサースリーブの棚状突起部または肩部がガイドの上部と係合したとき、バーの下端部が精確に測定された距離を下方へ突出するように行い、それによって、次には椎骨内への切除部の深さが決定される。
【0079】
次に、動力手段をバーに適用して、バーを軸線周りに回転させ、細長いスロットに沿って上下に動くように垂直に動かす。細長いスロットの端部の範囲によって、垂直方向における切除部の範囲が決定される。
【0080】
代替方法によれば、シャフトなどの保持装置を、試用インプラントの尾部内の開口部内に挿入し、その中に固定する。先の実施形態におけるように、複数の試用インプラントサイズが揃ったセットが存在する。
【0081】
適切な試用インプラントを選択した後、チゼルのアームの内側の縁を試用インプラントの上下のスロットと係合させて、選択した試用インプラントにチゼルを装着する。その後、試用インプラントを椎間空間内へ移動し、試用インプラントがそのように移動されるのに従って、チゼルの鋭角の縁が、椎骨に切り込み、切除部が形成される。
【0082】
本発明の別の方法によれば、オペレーターは、試用インプラントの本体部と同様の形状だが、それに取り付けられる1つまたは2つのチゼルアームを有する本体部を具える切り抜きツールを利用する。オペレーターは、2つの方法の一方の方法で進め得る。まず、オペレーターは、通常の試用インプラントを使用し、適切なサイズの試用インプラントを決定した後、選択した試用インプラントと同じ大きさの本体部を有するツールを使用して、切除部を形成する。次に、そのツールを、実際の試用インプラントとして使用し得る。ここでは、オペレーターが本体部を試すにつれて、チゼルアームは、椎骨を切断して、切除部を形成することになる。
【0083】
好ましい実施形態に関して本発明をかなり詳細に説明してきたが、本発明を種々に変更および変形させ得ることは、当業者には明らかだろう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】椎間空間を準備するために本発明の器具および方法を用いる1つのタイプの椎間インプラントの斜視図である。
【図2】椎間空間を準備するために本発明の器具および方法を用いる別のタイプの椎間インプラントの斜視図である。
【図3】調節可能な止め機構を有する試用インプラントの斜視図である。
【図4】調節可能な止め機構を受け入れるように適合させた試用インプラントの後部斜視図である。
【図5】調節可能な止め機構を受け入れるように適合させた試用インプラントの正面斜視図である。
【図6】図4および図5に示した実施形態の中心を水平方向に通る断面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った断面図であって、以後それを調節可能な止め機構の平面と呼ぶ。
【図8】調節可能な止め機構の断面図である。
【図9】図7の試用インプラント内に図8の調節可能な止め機構を装着した様子を示す図である。
【図10】図8の調節可能な止め機構の平面図である。
【図11A】第1の位置における、試用インプラントおよび調節可能な止め機構の側面図である。
【図11B】図11Aと類似するが、位置が異なる、調節可能な止め機構を示す図である
【図12】調節可能な止め機構を有する試用インプラントの別の実施形態の斜視図である。
【図13】図12に類似しているが、部品の位置を変更して示す斜視図である。
【図14】図12の試用インプラントの平面図である。
【図14A】図14に類似しているが、サイズが異なる試用インプラントの平面図である。
【図15】図14の側面図である。
【図16】試用インプラントから取り外した、図12の要素の平面図である。
【図17A】図12の中央断面図である。
【図17B】図13の中央断面図である。
【図18】図12に類似するが、上に配置されたチゼル切り抜きツールを含む斜視図である。
【図19】試用インプラント挿入器具を示す斜視図である。
【図19A】破線の円内に示す図19の部分の拡大斜視図である。
【図19B】図19Aに示す試用インプラントの断面図である。
【図20】図19の矢印Cの方向における、図19の試用インプラントの端面図である。
【図21】図19の矢印Dの方向における、図19の試用インプラントの側面図である。
【図22】図19の一部分であるツールの断面図である。
【図23】図21の23−23線に沿った試用インプラントの断面図である。
【図24】バーガイドの斜視図である。
【図25】図24に示すバーガイドの平面図である。
【図26】試用インプラントにバーガイドを装着して示す、図19のツールの断面図である。
【図27】バーの側面図である。
【図28】図27の28−28線に沿った部分断面図である。
【図29】図27のバーとともに、試用インプラントおよびバーガイドを示す断面図である。
【図30】バーガイドの別の実施形態の側面図である。
【図31】図30の平面図である。
【図32】図31の32−32線に沿った断面図である。
【図33】図27のバーとともに、図30〜図32の試用インプラントおよびバーガイドを示す断面図である。
【図34】変更したバーの側面図である。
【図35】図34のバー、および図24および図25のバーガイドを示す断面図である。
【図36】試用インプラントを挿入する器具の別の実施形態、および試用インプラントの別の実施形態を示す斜視図である。
【図36A】破線円内に示す図36の部分の拡大斜視図である。
【図37】図36に示した試用インプラントの中央断面図である。
【図38】図37の左端面図である。
【図39】図37の平面図である。
【図40】図29に類似するが、サイズが異なる試用インプラントを示す平面図である。
【図41】図36〜図40に示す器具および試用インプラントとともに使用するチゼルの斜視図である。
【図42】変更した試用インプラントおよびその上に装着したチゼルを示す側面図である。
【図43】図42に類似するが、サイズが異なる試用インプラントを示す側面図である。
【図44】切り抜きツールの別の実施形態の正面斜視図である。
【図45】図44の切り抜きツールの長手方向断面図である。
【図46】図45の46−46線に沿った断面図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は、椎間インプラントに関し、さらに詳細には、人工椎間円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための、新たに改良した器具および方法に関連する(以下、単にインプラントと呼ぶ場合あり)。
【背景技術】
【0002】
一般に、隣接した椎骨同士の間から円板を完全に除去する必要がある場合、通常の処置は、隣接した椎骨をともに癒合させることである。最近になって、円板置換、すなわち円板関節形成術の分野において重要な開発があり、それには、隣接した椎骨同士の間の椎間空間内へ人工椎間円板インプラントを挿入することが含まれ、またそれによって、隣接した椎骨が、制限された範囲で相互に自在動し得る。
【0003】
人工円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するためのいくつかの器具が、今日までに開発されてきた。これらには、サイズの異なる試用インプラントの1セットが含まれており、適切なサイズの試用インプラントが決まるまで、除去を行った椎間空間内へ、サイズの異なる試用インプラントを挿入し、それにより、実際に挿入されるインプラントの大きさが決まる。試用インプラントは、ピンの形態の被固定止め部材を具え得、この止め部材は、試用インプラントの後端に固定され、椎間空間内へ試用インプラントが動くことを制限するように垂直方向上下に延びる。いくつかのインプラントは、突設されたキールを有し、この突設されたキールは、椎間空間に隣接した椎骨内に、これらの突設されたキールを受け入れるための切除部を形成することを必要とする。これらの切除部を形成するための既知の1つの装置は、チゼルを具え、チゼルは、チゼルが、切除部を形成するよう隣接した椎骨内に切り込みながら、選択した試用インプラントの上下のスロットに沿って進むように装着され得る。
【0004】
1つの既知の人工円板インプラントが、2001年1月11日に国際公開第WO01/01893号パンフレットに示されており、また、人工円板インプラントを挿入する器具が、2001年3月22日に公表された国際公開第WO01/19295号パンフレットに示されている。
【0005】
既知の器具および方法は、当該技術における実質的な改良を表わしているが、人工椎間円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具および方法の分野において引き続き改良を行う必要がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、人工椎間板インプラントを受け入れるための椎間空間を準備するための、新たに改良された器具および関連の方法を提供することである。
【0007】
本発明の器具を使用して、特に腰椎および頸椎を含む背骨に沿ったどんな位置にも椎間空間を準備し得る。しかしながら、頚椎は、腰椎に対して非常に小さいので、すなわち腰椎の面積の約20%であるので、いくつかの器具は、頸椎への適合性が他の器具よりも高くなり得る。
【0008】
椎間インプラントは、通常、患者の前方から患者の後方へ移動させて挿入する。しかしながら、本インプラント、器具および方法は、インプラントを横から、すなわち側方から挿入し得るように設計され構成することができ、この場合、インプラント上のキールの向きは、このように側方へ移動される向きにし、隣接した椎骨内への切除部は、キールを受け入れるように側方側へ切開されることが理解される。患者の解剖学的構造についての混乱を回避するために、本器具および方法自体に関するより基本的な用語に関連して、本発明をここに説明する。例えば、本発明について説明する際に、「正面部」または「前方部」という用語は、椎骨の方を向いている本器具の部分、または椎骨へ近づく方向に動いている本器具の部分を意味し、また、「背部」、「後部」、「後方部」という用語は、椎骨から最も遠い本器具の端、または椎骨から遠ざかりつつある本器具の端のことである。さらに、本願では、「上部」または「下部」、あるいは「最上部」または「最下部」という用語、すなわち椎間インプラントまたは本器具の方向、あるいはそれと関連する本方法を説明する他の種々の用語は、便宜上にのみ使用されるものであって、どんな限定も示唆するものではない。さらに詳細には、上部に関して本願に記載されるインプラントの部分、本器具および/または本方法は、実際、患者の椎骨内に前部または後部として、2つの部分の他方を反対側の部分にして配置し得る。
【0009】
したがって、人工椎間板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するために新たに改良された器具を提供することが、本発明の目的である。
【0010】
本発明の器具および本方法は、人工椎間板インプラントとともに使用することに特に適しており、この人工椎間板インプラントは、相互の自在動が制限された上部および下部を有しており、上部の上面および下部の下面は、隣接した椎骨の表面と係合する。本発明の器具および方法のほとんどはまた、インプラントが、椎骨係合面から、隣接した椎骨内に形成された切除部内へ延びるキールを有している場合の使用に適している。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の態様によれば、椎骨に切除部を形成することと組み合わせて、(適切な試用インプラントが決定されるまで)異なるサイズの試用インプラントを挿入するように改良された器具および方法が提供される。
【0012】
本発明の第1の実施形態によれば、どんな目的のために、椎間空間内へ移動させ得るどんな装置でも、その装置を椎間空間内へ可変の距離移動させ得るように調節可能な止め機構と関連付けることによって有用になり得る。調節可能な止め機構を具えることにより有用になり得る装置の一例が、試用インプラントである。各試用インプラントを適切にテストするために、試用インプラントを椎間空間の中心に移動させる必要がある。しかしながら、ある患者においては、骨の突起または他の凸凹が、取り付けられた止め部材と係合し、よって、試用インプラントを椎間空間の適切な位置へさらに移動できない場合がある。調節可能な止め機構では、試用インプラントが、調節可能な止め機構に最小限の挿入設定を行うことで到達し得るような制限位置に到達した場合、その位置では、椎間空間内に試用インプラントが適切に配置されず、そこで、オペレーターは、調節可能な止め部を後ろに移動して、試用インプラントを椎間空間内のその適切な位置へさらに移動させ得る。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、適切なサイズの試用インプラントを決定した後、選択した試用インプラントを椎間空間内に配置し、ガイドを試用インプラント挿入ツールのシャフト上に、ガイドが試用インプラントと係合するまで滑動させる。その後、試用インプラント挿入ツールのシャフトを取り外し、切り抜きツールをガイドから試用インプラントのスロット内へ通過させる。切り抜きツールがバーである場合、バーは、ガイド内のバーの適切な配置を決定し、試用インプラント内への、よって続いて隣接した椎骨内へのバー自体の深さを決定するスペーサースリーブを含む。
【0014】
次に、隣接した椎骨に切除部を形成するように、バーを回転させガイド内を端から端まで移動させる動力手段を設ける。ガイドのスロットの端の範囲は、バーが外側へ移動する範囲、よって切除部の上方の範囲および下方の範囲を決定することになる。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、適切な試用インプラントを選択した後、選択した試用インプラントをチゼルと組み合わせて使用して、椎骨を切り抜き切除部を形成し得る。チゼルは、バーの代わりに、上述のガイドとともに使用し得る。チゼルアームは、細長いスロット開口部を通って、細長いスロット開口部により案内される。
【0016】
チゼルを使用する別の構成によれば、試用インプラントは、本体部および尾部を有する。保持装置を尾部に連結する。保持装置には、シャフトを備え得る。これらの試用インプラントは、上部および底部の前方から後方へ形成されたスロットを有している。適切な試用インプラントを選択した後、上部アームおよび/または下部アームを有するチゼルと、中空シャフトとを、チゼルの上部アームおよび/または下部アームが、試用インプラントの上部および底部に形成されたスロットを通って、選択された試用インプラント上に載るまで、試用インプラント挿入ツールのシャフトに沿って滑動させる。高さは同じだが表面積が異なるすべての試用インプラントに同じチゼルを使用できるように、表面積が大きい試用インプラントには、小さい尾部を具えることになる。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、チゼル切り抜きツールは、選択された試用インプラントの本体部と厳密に同じ形状およびサイズの本体部と一体的に形成されて、その結果、選択された試用インプラント上にチゼルを載せる代わりに、切り抜きツールを取り付けた、選択された試用インプラントの本体部のサイズおよび形状と、本体部のサイズおよび形状とが同じである装置全体は、チゼル切り抜きツールを椎骨内に切り込み切除部を形成しながら、椎間空間内へ移動される。
【0018】
したがって、人工円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するために新たに改良した器具を提供することが、本発明の目的である。
【0019】
人工円板インプラントを受け入れる椎間空間を準備するために新たに改良した方法を提供することが、本発明の別の目的である。
【0020】
本発明のこれらおよび他の目的は、添付の図面とともに、以下の詳細な説明から明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
ここで、本発明の好ましい実施形態を、添付の図面を参照して例として説明する。
【0022】
ここで図面を参照すると、同様の要素は、いくつかの図にわたって同様の番号で示している。
【0023】
ここに説明する器具および方法は、椎間空間内へ挿入するための、広範囲の人工円板インプラントを準備することに適用し得る。ここに説明する器具および方法は、試用インプラントに関するが、必ずしも切除部を形成する切り抜きツールに関するものではなく、椎間空間の除去が行われ全置換型インプラントがその椎間空間内に挿入される実質的にどんなタイプの人工円板インプラントにも用いることができる。突設されたキールを受け入れる切除部を形成する着想を含む、ここに説明するそれらの器具および方法について、ここに説明する器具および方法は、そのようなキールを有するどんな人工円板インプラントとともに用いるのにも適合し得る。
【0024】
突設されたキールを有する第1のタイプの人工円板インプラントを、図1に示す。図1に示すように、この人工円板インプラント1は、上部プレート2および下部プレート3を有し、これらのプレートは、プラスチックインレー4により間隔を置いて配置されている。上部プレート2は、突設されたキール5を有し、また、下部プレート3は、突設されたキール6を有している。図1に示す人工円板インプラントは、頸椎または腰椎を含む背骨に沿ったどんな位置においても使用し得るが、特定のこの人工円板インプラントは、特に腰椎に適する。この特定の人工円板インプラントは、2001年1月11日に公表された国際出願第WO01/01893号パンフレットにさらに非常に詳しく示され記載されている。
【0025】
図2に、隣接した椎骨の切除部内に配置される突設されたキールを有する別のインプラントを示す。頸椎または腰椎を含めた脊椎に沿ったどんな位置にも図2の人工円板インプラントを使用し得るが、特定のこの設計は、頸椎内における使用に利点を有する。図2の人工円板インプラント10は、上部11および下部30と、それらの間に配置されるが実質的に下部30に連結されるプラスチックインレー50とを有する。このプラスチックインレーは、湾曲した面を有し、この面が、上部11の湾曲した底面と協働して、上部および下部相互の自在動が制限され得る。
【0026】
上部11は、上面12を含み、上面12は、隣接した椎骨表面と係合しそれを支持する。上面12は、13で示すように、縁の全周を少し面取りされており、面取り部の最大部分を後部表面に沿って示している。上部の、面取りされた縁13の下は、後部支持用切り抜き部15を有する周囲の側壁14により囲まれている。
【0027】
上部11の上面12から突出しているのは、凹所17が形成されたキール16である。この凹所は、上方および後方に開口している。キール16の前端は、V字形の上部面取り部19を含む。キールの前端の下部は、V字形の面取り部20の形態をしている。2つのV字形の面取り部19および20は、前端が、隣接した椎骨内に形成される切除部内へのキールの挿入を促進するように「矢印」の形状になっている。隣接した椎骨の切除部内にキール216の後端を固定させるために、凹所の後部開口部18は、フレア状である。
【0028】
下部30は、後部支持用切り抜き部37を含んでいる。キール40は、上方へ突出している(または通常の方向では、下方へ延びている)。このキールは、凹所41を含み、この凹所41は、下方および後方に開口し、フレア状の入口42を有しており、このフレア状の入口42は、フレア状の入口18と同じ機能、すなわち、椎骨の切除部内のキールの後端との係合を促進する機能を果たす。凹所41は、下方および後方に開口する。その前端に、キール40は、上部11の面取り部と同様のV字形の下方面取り部を含んでいる。
【0029】
人工円板インプラントを受け入れる準備をするために、椎間空間の除去が行われた後、その次の処置は、特定のその椎間空間に適する人工円板インプラントの適正サイズを決定することである。これは、サイズが異なる1セットの試用インプラントを準備して行う。例えば、1セットの試用インプラントは、概ね3つの異なる表面積を有する試用インプラントを含み得、例えば、各試用インプラントは、複数の高さ、3〜5つの1mmずつ異なる高さであり得る。オペレーターは、経験から、その特定の椎間空間に最適な試用インプラントだと思う試用インプラントを選択する。一般に、オペレーターは、もし適切でない場合小さい側に配置することになる試用インプラントから始める。その最初の選択により操作して、全く適合しないことが分かった場合、オペレーターは、そのセットの他の試用インプラントを試し、一般に高さおよび/または表面積を大きくしていき、オペレーターが適切と思うと、最終的に、適正サイズの試用インプラントが決まる。
【0030】
オペレーターは、試用インプラントが椎間空間内に適切な距離挿入されたときが分かるように、身体的「感覚」を提供する機構を必要としている。既知の試用インプラントは、各試用インプラントの後部に固定止め部材が装着されており、この止め部材は、試用インプラントが椎間空間内へ移動するのを制限するように椎骨と係合する。椎骨が前部の側に凹凸を有する場合、あるいは変則的な形状である場合、固定止め部は、椎間空間内において適切な位置に達する前に、その凹凸と係合し試用インプラントを止める。本発明の調節可能な止め機構によって、オペレーターは、試用インプラントが、調節可能な試用機構の現在の設定により可能な範囲まで進んだという「感覚」の後に、また試用インプラントが椎間空間内の適切な位置に到達していないことを器具で判断した後に、調節可能な止め部を後方に移動させて、試用インプラントを椎間空間内へさらに前進させ得る。
【0031】
図3〜図11Bに、移動可能な止め部材を具える調節可能な止め機構を有する試用インプラントを示す。本発明の調節可能な止め機構では、まず、止め部材を、試用インプラントの本体部の後部に最も近い位置に配置して、このようにして、椎間空間内への試用インプラントの穿通を最小限にする。その後、X線撮影によるモニターの助けを借りて、試用インプラントを早く止め過ぎたことが認められた場合、試用インプラントの後部から止め部材を徐々に遠ざけるように、調節可能な止め機構を操作して、試用インプラントが適切な位置に配置されるまで、試用インプラントを椎間空間内にさらに前進させ得る。
【0032】
図3は、調節可能な止め機構を有する試用インプラントの斜視図である。試用インプラント51は、上部および底部を有する本体部52を含んでいる。望ましい場合、チゼル切り抜きツールと協働させるため、上部および底部に前方から後方への一対のスロット53を設けることができ、したがって、試用インプラントのスロットに沿って滑動するチゼル切り抜きツールを利用することが望ましくないかまたは必要でない場合は、それを省略し得る。試用インプラント51が、上述のように、1セットの複数の試用インプラントの1つであることが理解される。試用インプラントは、保持装置により保持される。ここに示した実施形態では、オペレーターにより把持される細長いシャフト62の形状の保持装置用に、後部開口部54を設けている。シャフト62は、開口部54内へ螺合させることができ、それにより、所与のシャフトを異なる試用インプラントと共に使用することができ、またはさらに便利または経済的であると考えられる場合、各試用インプラントの開口部54内にシャフト62を固定し得る。図4〜図6も参照すると、試用インプラントは、後部開口部55から始まり前部開口部56に前から後方向に貫通する細長い孔を有している。この孔の後部分61は、平滑である、すなわち、ねじ溝が切られておらず、この孔の前部分60には、ねじ溝が切られている。ねじ溝が切られていない滑らかな部分61は、スロット付き切り抜き部57内へ開口しており、この切り抜き部57は、平行な水平面により上下にかつ前方端部においては壁58により画定され、この壁58は、試用インプラントの側方周縁から、滑らかな部分62と細長い孔のねじ溝が切られた部分60との間の接合部にある突端部59に延びている。孔そのものの垂直方向の断面を、図7に示す。
【0033】
図8に、調節可能な止め機構の2つの部品、調節部材63と止め部材64とを示す。調節部材63は、円筒形に大きくなった部材67を含み、この円筒形に大きくなった部材67は、受け口66を有し、受け口66は、ドライバーまたはその他同種のもの65(図3を参照)を受け入れ、ドライバー65が、円筒形部材67を、よって調節部材63全体を回転させる。調節部材63は、円筒形部材67の左側に、断面積が狭くなった滑らかなシャフト部分68を含んでおり、その左側には、滑らかなシャフト68の直径より外径が大きいねじ山部69を含む。調節部材63に装着されているのは、止め部材64であって、この止め部材64は、滑らかなシャフト68を中心に自由に回転する中空スリーブ部70を含む。止め部材64は、少なくとも1本の、好ましくは2本のピン、すなわち上部ピン71および下部ピン72を含んでいる。止め部材64は、シャフト68を中心に自由に回転し得るが、調節部材63に沿った横方向の移動が妨げられ、調節部材63に沿った横方向左への移動は、直径の大きいねじ山部69により、調節部材63に沿った横方向右への移動は、円筒形部材67の左端とピン71および72とが係合することにより、制限されることに注意する。
【0034】
図10、図11Aおよび図11Bを参照すると、スリーブ70は、突設された長方形の突起部73を含んでいる。図9を参照して分かることは、調節部材と止め部材との組立品を、開口部55から孔61内へ、ねじ山69がねじ溝60と係合するまで挿入する場合、ドライバーまたはその他同種のものを受け口66と係合させて調節部材64を引き続き回転させることによって、止め部材を必ずしも回転させずに、調節部材および止め部材の装置全体が、試用インプラントへその中を通って前進することである。実際、スリーブ70の前方端部が試用インプラントの後部開口部55に入ると、正方形の突起部73が、スロット57内を進むように配置されており、それによって、調節可能な止め機構全体が前進するにつれて、止め部材64が回転することが妨げられる。
【0035】
調節可能な止め機構の作動は、図11Aおよび図11Bを参照することにより、さらに明らかになるだろう。まず図11Bを参照すると、オペレーターは、ドライバー65で受け口66を把持し、ねじ山69がねじ溝60とまず係合すると調節部材66を回転させて、そうするうちに、止め部材64が回転式に操作され、突起部73がスロット57に入ることが保証されて、それにより、止め部材64の回転が妨げられる。次に、オペレーターは、調節部材および止め部材を、孔60、61を通って可能な限り、アーム71および72が試用インプラントの背部に接触するまで、前進させて、そうなると、突起部73は、側壁58の端部59と係合することにより止まる。この位置で、試用インプラントの本体部を患者の椎間空間内に挿入する。次に、X線撮影によるモニターによって、試用インプラントが適切な位置へ移動されたか否かの判断を、オペレーターが行う。次に、もし適切な位置への移動が行われていない場合、オペレーターは、シャフト65に、正確な所定の量の回転をさせて(例えば、円板空間内において深さ1mmに相当する全回転を一度させて)、それにより、試用インプラントの本体部を椎間空間内へ前進させ得る。図11Bは、調節部材および止め部材が引き出され、したがって、試用インプラントの本体部が、椎間空間内の所定位置に挿入された端部の位置を表わす。
【0036】
図12〜図18に、調節可能な止め機構を有する試用インプラントの別の実施形態を示す。図12および図13は、試用インプラントのこの実施形態の斜視図であって、それぞれ、2つの端部位置の一方の位置にある調節可能な止め機構を示している。図12〜図16を参照すると、試用インプラント74は、本体部75と尾部76とを含んでいる。後述するように、試用インプラントの上部および底部全体に沿ったスロット77が、チゼル切り抜きツールを受け入れる。特に図16を参照すると、遠い方の右側の端部に取っ手を取り付け得るシャフト78は、ねじ山のない中央部78Aとねじ山付きの前方部78Bとを含んでいる。
【0037】
調節可能な止め機構79は、スリーブ80を備え、このスリーブ80は、シャフト中央部78Aの直径が大きくなってシャフト78の主要部の直径になっている場所に隣接したシャフト中央部78Aの周りを自由に回転する。自由に回転可能なこのスリーブ80のすぐ手前には、座金86が、溶接または同種の手段により、シャフト中央部78Aに固定されている。したがって、スリーブ80は、中央部78A周りを自由に回転するように装着されているが、シャフト78または中央部78Aに沿って長手方向に動くことを妨げられている。
【0038】
調節可能な止め機構79は、スリーブ80に連結され前方に延びるひじ状部81を含んでおり、このひじ状部81は、その前端が、上方ピン83および下方ピン84の形状の止め部材に連結される。これらのピンは、隣接した椎骨同士の間の椎間空間内へ試用インプラントを移動させると、隣接した椎骨と係合するような高さである。ひじ状部81は、その内側に面82を有し、この面82は、尾部76の側面85と係合して、その結果、調節可能な止め機構79全体がシャフト78の軸線周りを回転することが妨げられる。
【0039】
図16、図17Aおよび図17Bを参照すると、試用インプラント74の内部は、端から端まで中空であって、大きくなったねじ山のない後方孔87を含み、この後方孔87は、ねじ山付きの前方孔88へ狭くなっている。
【0040】
図17Aに、一番前に位置する調節可能な止め機構を示し、その位置では、ねじ山付き部78Bが、完全に孔88内へ螺合されている。この一番前の位置では、調節可能な止め機構、したがって止め部材は、図12に示すように、一番前の位置にある。ねじ山付き部78Bの前方端部が、本体部75の前方端部に見える。
【0041】
調節可能な止め機構および止め部材を、一番前の位置から図13の後方位置に後方へ移動させるために、オペレーターは、シャフト78を回転させて、ねじ山付き部78Bを、ねじ山付き孔88と係合させることによって、右側へ移動させる。シャフト78を回転させると、中央部78Aは、スリーブ80内を自由に回転するように移動して、調節可能な止め機構79は、その壁82と、試用インプラントの尾部の側壁85とが係合することにより、シャフト78の軸線周りに回転することが妨げられる。
【0042】
図12〜図17Bの調節可能な止め機構が、図3〜図11Bの実施形態に対して多少簡単になっており、その理由は、この実施形態では、既存のシャフト78および試用インプラント内の孔を利用しており、試用インプラントの側に別個の孔は必要なく、また試用インプラントをその第2の孔内において係合させるための個別のツールは必要ないことが理解されるだろう。
【0043】
図12〜図17Bの調節可能な止め機構の操作は、図3〜図11Bの調節可能な止め機構の操作に類似しており、それは、止め部材の上方ピン83および下方ピン84が、本体部に最も近い一番前に配置される位置に、調節可能な止め機構をまず移動させて、それによって、椎間空間内へ本体部を最小限移動させるだけでよいという点において類似している。図3〜図11Bの実施形態の場合と同様に、オペレーターは、次に、X線撮影によるモニターによって、試用インプラントがその適切な位置へ移動されているか否かを判断する。そうなっていなければ、オペレーターは、次に、調節可能な止め機構79を後方に移動させる。この実施形態では、オペレーターは、単にメインシャフト78を回転させて、こうして、ねじ山付きの孔88と螺子係合させることにより、前方のシャフト部78Bを後方に移動させる。この移動中、調節可能な止め機構79は、スリーブ80が自由に回転し得るようにシャフト78に装着されているが、壁82と壁85とが係合することによって、シャフト78の軸線周りを回転することが妨げられている。図3〜図11Bの実施形態の場合のように、X線撮影によるモニターによって、オペレーターは、シャフト78を正確な所定量回転させる(例えば椎間空間内へ深さ1mmに相当する全回転を一度させる)。図13および図17Bは、止め部材を引き抜き、したがって、試用インプラントの本体部が、椎間空間内の所望の位置に挿入された端部位置を表している。
【0044】
図12〜図18の試用インプラント74は、図3および図4に示した試用インプラント(および図19〜図35に示した試用インプラント)とは、前者が尾部を有しているという点で、異なっていることを指摘しておく。上述のように、この尾部は、調節可能な止め機構の一実施形態を提供するように機能する。この尾部は、第2の機能を有する。図36〜図43に示す実施形態に関してさらに十分に後述するように、尾部によって、単一のチゼル切り抜きツールを、全ての高さは同じだが本体部の表面積が異なる複数の別の試用インプラントとともに使用し得る。例えば、図14の試用インプラント74を図14Aの試用インプラント74Aと比較することによって分かることは、図14の試用インプラント74が、図14Aの試用インプラント74Aの本体部より表面積が狭い本体部を有していること、および図14の試用インプラント74がまた、図14Aの試用インプラント74Aより長い尾部を有しており、両方の試用インプラントの全長は、同じであることである。
【0045】
図18に、図36〜図43に述べるものと同様だが、特に図12〜図17Bの試用インプラントおよび調節可能な止め機構79との使用に適合させたチゼル切り抜きツールを示す。
【0046】
図18を参照すると、試用インプラント74上に配置されたチゼル切り抜きツール90が示されており、このツール90は、箱形にカットされた正面カッター92を有する上部切り抜きアーム91と、箱形にカットされた正面カッター94を有する下部アーム93とを具えている。図41〜図43に関してここに示し後述するチゼル切り抜きツールは、ここに示すような箱形の刃先を具えるか、あるいは図18に示す実施形態は、図41〜図43に示すものより一般的な前方刃先を具えてもよい。図41〜図43に示すチゼル切り抜きツールとは違って、図18のチゼル切り抜きツール90は、調節可能な止め機構79を受け取るためのスロット97を有する細長いカラー96を有している。このカラー96は、前方端部がスロート95で終わっており、このスロート95は、図41〜図43に示すものと同様であり、試用インプラント74の後部のV字形の陥凹部と係合する。図41〜図43の場合のように、上部アーム91および下部アーム93は、試用インプラント74の上部スロットおよび下部スロット77と係合し、それらに沿って動く。図18の実施形態では、カラー96の後端は、シャフト78を囲む中空シャフト98に結合されて、アーム、カラーおよび中空シャフト98を含む装置90全体が、シャフト78上を、図18に示す位置まで全長にわたり前方に移動し得る。上述のように、この精密なチゼル切り抜きツールは、図12〜図15、図17Aおよび図17Bに示す試用インプラント74と、図15Aのサイズが異なる試用インプラント74Aとの両方にぴったり合う。
【0047】
図19〜図23は、試用インプラントを挿入する器具および方法における別の改良を示している。
【0048】
図19〜図23を参照すると、試用インプラントは、ロッド111、およびそれに螺合される取っ手112を有するツール110の形態の保持装置上に保持される。この挿入ツールは、その操作端部に、図22に示すように、ねじ山部113を含んでいる。
【0049】
試用インプラント114は、スロット115を備え、このスロット115は、挿入ツール110のねじ山部113を螺合式に受け入れるように内側にねじ溝が切られた部分116を有している。図20および図21を参照すると、試用インプラントは、概ね平らな第1の面122および概ね平らな第2の面123を含んでいる。それの後部端は、一対の面取り部121および124を含んでいる。
【0050】
試用インプラント114には、それぞれ一対のガイドピン117が設けられている。図19、図21および図23を参照。これらのガイドピン117は、試用インプラント内の凹所118内に受け入れられ、また、それらは、肩部119および幅の狭い自由端部120を含んでいる。
【0051】
椎間空間を準備した後、ユーザは、椎間空間内に最もよく適合すると思われる試用インプラントを決める。その試用インプラントを試用挿入ツール110のシャフト111の端部に螺合させ、その後、その試用インプラントを挿入する。オペレーターは、試行錯誤して、最終的に、その椎間空間に適切な試用インプラントを1つ選択することができ、次に、それを使用して、椎間空間内に挿入される実際のインプラントを選択することになる。
【0052】
一度、適切な試用インプラントが選択されると、次のステップは、隣接した椎骨に切除部を形成することである。
【0053】
前の説明では、高さが一定の試用インプラントについて述べているが、ある1セットは、高さが異なる複数の試用インプラントを含む。しかしながら、実際、高さを調節可能な試用インプラントを提供することもできる。
【0054】
切除部を形成する器具の第1の実施形態を図24〜図29に示す。一度、適切な試用インプラントが選択されると、その適切な試用インプラントを挿入ツール110のシャフト111に装着したまま椎間空間内に配置する。次に、ねじをゆるめて取っ手112をシャフト111から取り外す。次に、ガイド130を、シャフト111に沿って下へ滑動させる。ガイドを、図24および図18に詳細に示す。それは、細長いスロット131を含み、このスロット131は、底部の棚状突起部132まで、ガイド130の高さのほとんどを延び、棚状突起部132は、丸く広がった中央開口部134を有する細長い開口部またはスロット133を具えている。ガイド130は、長い側面に一対の凹所135を含んでおり、これらの凹所より下に外側に突出する突起部136を有し、またこれらの突起部136をピンホール137が貫通している。図26に最もよく示されているように、ガイド130は、ピン117が開口部137を通過して、突起部136の下側の端部が肩部119に載るまで、シャフト111に沿って滑動される。試用インプラント114の表面から肩部119までピン117に沿ってあけられる間隔は、試用インプラント114から所定の間隔の非常に正確な位置にガイド130が載るように選択される。この間隔によって、ガイド130が椎骨の表面に接触しなくなることを保証し、また、この間隔は、後述するように、切り抜きツールの深さの基準点として役立つ。
【0055】
一度ガイドが所定位置になると、試用インプラント114のねじ溝116からねじ山113が係合解除されるようにシャフト111を回転させることによって、試用インプラント114およびガイド130からシャフト111を取り外す。その後、切り抜きツールを挿入する。切り抜きツールは、異なる形態であってもよい。例えば、それは、細長いスロット開口部133内を案内されるチゼル切り抜きツールであり得る。代替案では、切り抜きツールは、細長いスロット開口部133により案内されるバー型切り抜きツールにし得る。図27を参照すると、バー型切り抜きツール140は、下部144および固定カラー142と一体化した上部ロッド部分141を含んでいる。次に、中空スペーサースリーブ143を、その上端が固定カラー142と係合するまで、下部144の端からバー140上を滑動させる。図28を参照すると、バーは、隆起部145を含み、スペーサースリーブ143は、内側円周溝146を含み、この内側円周溝146は、スペーサースリーブ143のどの円周方向においても、隆起部145を受け入れ、スペーサースリーブ143をバー140に沿って不用意に上下動させないように固定する。スリーブ143の長さは、バーの下部144の、スロット115内への正確な深さを決定し、この深さは、バーの下部144が、その後切除部を形成しながら隣接した椎骨内へ延びていく深さを決定する。バーのこの所定の深さの設定は、図29から明らかであって、図29では、スペーサースリーブ143の下端が、ガイド130の棚状突起部132に当接していることが分かる。図25および図29を参照すると、バー140を図29に示すように配置し、スペーサースリーブ143の底部を棚状突起部132上に載せると、バーの端部の正確な深さが決まる。図25を参照すると、図29に示すようにバーを配置した場合、バーの端部は、細長い開口部133中を上下に自由に動くことが分かる。バーは、動力手段(図示せず)により、細長い開口部133を横方向上下に回転動される。このように動かすことによって、椎骨内に切除部を形成する。
【0056】
図30〜図33は、切り抜きツール用のガイド150の別の実施形態を示す。図24〜図26の実施形態に共通の要素には、共通の参照番号をつける。この実施形態では、ガイド150は、凹所135および突起部136の代わりに、ガイド150の幅が広い側の中央の外面に沿って延びる一対の中央尾根部151および152を含んでいる。ガイド150の下端には、一対のピンホール155が設けられ、これらのピンホール155は、試用インプラント114のピン117を受け入れるのに十分に深い。ガイド150の別の特徴によれば、中央尾根部の1つが、ここでは153で示すように、角度が付けられたボスを形成するように大きくされており、このボスは、ねじ溝が内側に形成された孔154を有し、この孔154は、ツール110の、ねじ山が切られた端部113を受け入れるように形成される。この実施形態は、ガイドをピン117上に重力により落とし得るというより、積極的にガイドと係合させガイドを移動させたい、器具のユーザには特に適している。さらに、特定の状況では、ガイドを重力により所定位置に落とし得るというより、ガイドを積極的に位置決めするためのツール110を用いる必要のある場合がある。
【0057】
図33に、ピン117に装着され試用インプラント114が肩部119に載っているガイド150を示す。他の態様では、図33の構成は、スペーサースリーブ143を有するバー140が、ガイド150内に受け入れられる方法において、図29に類似している。さらに、初めの方の実施形態の場合のように、チゼル切り抜きツールをガイド150と共に使用し得る。
【0058】
図34および図35に、スペーサースリーブの別の実施形態を示す。ここに示すように、スペーサースリーブ158は、テーパーがつけられた上部158を含み、上部158は、下端が円形の肩部159になっており、肩部159は、円筒形の下部160を覆い、下部160は、バー140のスペーサースリーブ143と実質的に直径が同じである。このスペーサーは、図28に示す隆起部および溝構造体も含む。このスペーサースリーブの利点は、肩部159がガイドの上部に沿って動くことである。このことから、棚状突起部132に沿って動くスペーサースリーブ143にのみ依存する場合よりも安定性が高くなることが分かった。バー140を使用し、スペーサースリーブ143の下部と棚状突起部132とが接触するときだけの安定に依存すると、バーがややぐらつくことが分かっている。しかしながら、スペーサースリーブ157の肩部159とガイドの上縁との間の係合にも依存すると、バーがぐらつきにくくなる。
【0059】
図34のスペーサースリーブは、ガイド130の第1の実施形態を伴った図35に示しているが、それは、図30〜図33に示すガイド150とともに使用することに同様に適することが理解される。
【0060】
試用インプラントがピンと協働し、これらのピンが孔を有するガイドと協働すると説明したが、それとは逆に、ガイドにピンを設け試用インプラントに孔を形成してもよい。
【0061】
図36〜図43に、試用インプラントの別の実施形態、および椎骨に切除部を形成する器具の別の実施形態を示す。図36〜図40を参照すると、試用インプラント160の形状は、試用インプラント114の形状とは多少異なっている。これらの試用インプラント160は、サイズを同数準備することが好ましく、かつ上面122および下面123、並びに面取り面121および124を含んでいる点で、試用インプラント114に類似している。それらは、図12〜図18に示した試用インプラントと同様だが、調節可能な止め機構の特徴がない。
【0062】
しかしながら、試用インプラント160は、いくつかの点で試用インプラント114とは異なっている。まず、スロット166Aおよび166Bが、図36〜図40に示すように、後述の目的のために、試用インプラント160の上部および下部に沿ってそれぞれ形成されている。試用インプラント160は、本体部162Aと、細長い開口部163および上部・下部のピンホール164を有する尾部162Bとを含む。挿入ツール161は、螺合式に取り外し可能な取っ手112およびシャフト161を備え得る保持装置を含む。シャフト161は、図19〜図23に示したのと異なる試用インプラントと螺合式に係合させてもよい。しかしながら、代替案として、シャフト161は、このシャフト161の端を開口部163と係合させ、螺合させる代わりに、貫通ピンホール168を含ませ得る点で、図19のシャフト111と相違し得る。試用インプラント160を係合させるために、シャフト161を、ピンホール168がピンホール164と並ぶまで尾部162Bの開口部163内に押し込む。こうして尾部162Bの開口部163内にシャフト161を配置して、ピン165をピンホール164および168に貫通させて、試用インプラント160にシャフト161を固定する。これは、シャフト161と試用インプラント160とを実質的に永続的に連結することであるので、一般に、15の試用インプラントの各々が、それに取り付けられるシャフトを有することを意味する。しかしながら、大きな取っ手112のないシャフト161が、比較的小型で経済的であるので、そのセットのすべての試用インプラント160に単一のシャフト161を使用することとは対照的に、そのセットの複数の各試用インプラント160に取り付けられる別個のシャフトを具え得る。
【0063】
試用インプラント160のこの代替実施形態の目的は、図41〜図43に示すようにチゼル180の形状の切り抜きツールと協働させることであり、この切り抜きツールは、バーによってではなく、チゼルで椎骨に切除部を形成する。チゼルは、鋭い端部183を有する上部チゼルアーム181と、鋭い端部184を有する下部アーム182とを含んでいる。図42および図43を参照すると、一度、適切な試用インプラント160を選択すると、チゼル180を試用インプラント160上に移動させ、チゼル180が、シャフト161上を移動して、アーム181および182の対向する縁が、試用インプラント160の上部および底部に沿って形成されたスロット166Aおよび166B内と係合される。
【0064】
多くの例では、ユーザが、切除部を形成するために、動力駆動されるバーよりもチゼルを使用することを好むので、切除部を形成するためのチゼルの本実施形態を提供する。
【0065】
これより前に述べたように、複数の試用インプラントを、すなわち、表面積が異なり高さが異なる各インプラントを提供する。本実施形態の利点は、表面積は異なるが高さが同じであるすべての試用インプラントに単一のチゼルを使用し得ることである。これは、尾部のサイズを異ならせることにより実現される。すなわち、表面積が狭くなる程、尾部が広くなって、その結果、チゼルが試用インプラント160と係合する全距離は、表面積が等しいすべての試用インプラントについて等しくなる。
【0066】
図41を参照すると、各チゼルは、中空シャフト187を受け入れる大きくなった部分185の前方にV字形ベース186を含んでいる。試用インプラント160にチゼルを取り付けるためには、チゼルを試用インプラント上に移動し、取り付けるシャフト161を、中空チゼルシャフト187の中を通して開口部188内に移動させる。アーム181および182の対向する面がスロット166Aおよび166B内の所定位置になったとき、V字形の部分186は、図32に示すようなV字形の端部169内に嵌合する。
【0067】
所与のチゼルが、高さが同じで表面積が異なる試用インプラントすべてに嵌合し得る構成を、図39および図40に関連して示す。図40の試用インプラント172は、図39の試用インプラント160より表面積が広い。したがって、尾部173は短くなる。その結果、試用インプラント160の前端からV字形の端部169のベース170までの距離は、図40の試用インプラント172の前端からV字形の端部174のベース175までの距離と等しい。このことは、試用インプラント160および試用インプラント172に所与のチゼル180がどのように嵌合するかを示す図41および図42を比較することによっても、明示される。
【0068】
図42および図43はまた、上部キール111および下部キール130を、これらのチゼルにより形成した切除部に対して最終的に位置決めした場合の略図を示す。これらのチゼルは、後方へ角度をつけ得る内側後方端部で切除部を形成する。チゼルアームの端部は、後方へ角度をつけるのではなく、上下に真っ直ぐ(ニュートラル)にしてもよい。
【0069】
チゼル切り抜きツールの前の説明は、1つが試用インプラントの上に、もう1つが試用インプラントの下にある、一対の切り抜きツールについて行った。1つの椎骨だけに切除部を形成するための、または一度に隣接した2つの椎骨に2つの切除部を形成するためのアームを1本のみ有するチゼルを用いてもよい。
【0070】
図44〜図46に、隣接した椎骨に切除部を形成するためのチゼル切り抜きツールの別の実施形態を示す。
【0071】
図44〜図46は、本体部を有する試用インプラント/切り抜きツール190を示し、この本体部は、上面191および下面192と、これらの面に取り付けられそこから上方向に延びる上部チゼルアーム194およびそこから下方向へ延びる下部チゼルアーム196とを有している。これらの上部アームおよび下部アームの前方縁は、刃先195および197をそれぞれ含んでいる。これらの刃先の前部には、切り抜かれた骨の破片を受け取るための上部スコップ状凹所および下部スコップ状凹所193が設けられている。シャフト198の形状の保持装置が、チゼル切り抜きツール190の形態の試用インプラントの中央へ延び、交差ピン199により内部において固定されている。
【0072】
代替案では、固定されたシャフト198は、端部にねじ山が切られたシャフトと置き換え可能であり、この端部が、切り抜きツール190の主要部分に、螺合式に、よって取り外し可能に取り付けられる。さらに、図44〜図46の実施形態は、2本のチゼルアームではなく単一のチゼルアームを伴って、構成することができ、よって、一度に、1つの椎骨に単一の切除部のみを切り抜くか、または隣接した2つの椎骨に切除部を形成するために、それらのツールを使用することができる。
【0073】
図44〜図46の実施形態は、異なる方法で使用し得る。まず、オペレーターは、通常の試用インプラントを使用し、次に、適切なサイズの試用インプラントを決定した後、選択した試用インプラントと同じ大きさの本体部を有するツール190を使用して、切除部を形成し得る。次に、ツール190を、実際の試用インプラントとして使用し得る。ここで、オペレーターが本体部をテストすると、チゼルアームは、椎骨を切り抜いて切除部を形成する。
【0074】
インプラントを受け入れるための椎間空間を準備する本方法は、器具についての前の説明から明らかであるが、本発明の方法の簡単な概略を続ける。
【0075】
関連の椎間空間を設けた後、本発明の第1の方法によって、調節可能な止め機構を有する試用インプラントを椎間空間内に挿入し、引き続きその1セットの異なるサイズの試用インプラントを試して、適切なサイズの試用インプラントを選択する。これまでのこれらの試用インプラントは、椎間空間内への、初期の、その後の、最終の試用インプラントの移動を制限するための固定止め部材を有していた。本発明の方法によれば、各試用インプラントは、調節可能な止め機構を有している。所与の試用インプラントを椎間空間内へ移動させると、調節可能な止め機構の止め部材は、好ましくは最初に、試用インプラントの本体部の後部に近い位置に配置され、それにより、椎間空間内へ試用インプラントの本体部が最小限移動するだけで済む。その空間に隣接する椎骨が完全に成形されると、試用インプラントの本体部を、調節可能な止め部を初期設定にすることで椎間空間内の適切な位置へ移動させ得る。しかしながら、椎骨に凸凹がある場合、かつ/または骨の突起が本体部の移動を妨げている場合、X線撮影によるモニターを行うことで、オペレーターは、椎間空間内の試用インプラントの位置を観察する。試用インプラントが適切な位置へ移動されていない場合、オペレーターは、調節可能な止め機構、したがってその止め部材を試用インプラントの本体部の後部から後方へ離し、それにより、椎間空間内へ試用インプラントの本体部をさらに移動させ得る。その調節範囲によって、椎間空間内へ1〜10mmの挿入を行い得る。精確な手動制御を行い得る。
【0076】
一実施形態では、ドライバー、レンチまたはその他同種のものなどの回転させ得るツールが、調節可能な止め機構の受け口または同種のもの内に受け入れられ、360°の1回転をさせることが、止め部材を1mm移動させること、したがって試用インプラントを1mm深く移動させることと等しくなるように較正される。本発明に係るこの方法によれば、止め部材は、自由に回転し得るように調節部材に装着されるが、突起部を含んでおり、この突起部は、装着された調節部材をオペレーターが回転させると同時に、試用インプラントの側面のスロットと係合し、このように、止め部材の回転動が妨げられ、調節部材は、試用インプラントの本体部の内部と螺合式に係合し、その結果、調節部材を回転させることによって、止め部材と調節部材との組立体は、止め部材が回転動しないように固定されているにもかかわらず、試用インプラントの内外へ移動される(または止め部材の場合、試用インプラントの本体部の後部に近づけられ、また遠ざけられる)。
【0077】
別の実施形態では、調節可能な止め機構は、試用インプラントの本体部の後部に、試用インプラントの尾部の側面に沿って配置され、それと同時に、ひじ状部を90°廻ったところに配置されたスリーブが、試用インプラントのメインシャフトに、自由に回転し得るように装着され、このメインシャフトは、試用インプラントの内部内に螺合式に係合される。この場合、試用インプラントのメインシャフトを単に回転させることによって、調節可能な止め機構、よってその止め部材が、試用インプラントの本体部の後部へ近づけられるかまたは後部から遠ざけられる。この実施形態は、最初に説明した実施形態のように、メインシャフトに360°の1回転をさせることが、止め部材を1mm移動させる、よって試用インプラントを1mm深く移動させることと等しくなり得るように、較正し得る。試用インプラントの尾部の側壁と調節可能な止め機構の側壁とを係合させることによって、メインシャフトの軸線周りに調節可能な止め機構が回転動することが妨げられる。
【0078】
本発明の別の方法によれば、試用インプラントを、取っ手などの保持装置に螺合し、椎間空間内に挿入する。最初の試用インプラントが椎間空間に完全に適合しなければ、他の試用インプラントを試みて、最終的に、試行錯誤して、適切なサイズの試用インプラントを決める。試用インプラントに止め部材が装着されている場合、取っ手を試用インプラントから螺合解除し、ガイドの2つの開口部またはガイドのピンホールの下端部がピンに受け取られるまで、ガイドを軸上において動かして、肩部にガイドの底部を係合させることによって、さらに下向きの動きが制限される。その後、シャフトを取り外し、バーまたはチゼルの場合がある切り抜きツールを、ガイドの底の細長いスロットから挿入する。切り抜きツールがバーである場合、それは、固定カラーおよび慎重に選択されそれに装着されるスペーサースリーブを含み、このスペーサースリーブは、スペーサースリーブの底が棚状突起部と係合するか、あるいはスペーサースリーブの肩部がガイドの上部と係合するまで、ガイド内に挿入される。スペーサースリーブの長さの選択は、スペーサースリーブの棚状突起部または肩部がガイドの上部と係合したとき、バーの下端部が精確に測定された距離を下方へ突出するように行い、それによって、次には椎骨内への切除部の深さが決定される。
【0079】
次に、動力手段をバーに適用して、バーを軸線周りに回転させ、細長いスロットに沿って上下に動くように垂直に動かす。細長いスロットの端部の範囲によって、垂直方向における切除部の範囲が決定される。
【0080】
代替方法によれば、シャフトなどの保持装置を、試用インプラントの尾部内の開口部内に挿入し、その中に固定する。先の実施形態におけるように、複数の試用インプラントサイズが揃ったセットが存在する。
【0081】
適切な試用インプラントを選択した後、チゼルのアームの内側の縁を試用インプラントの上下のスロットと係合させて、選択した試用インプラントにチゼルを装着する。その後、試用インプラントを椎間空間内へ移動し、試用インプラントがそのように移動されるのに従って、チゼルの鋭角の縁が、椎骨に切り込み、切除部が形成される。
【0082】
本発明の別の方法によれば、オペレーターは、試用インプラントの本体部と同様の形状だが、それに取り付けられる1つまたは2つのチゼルアームを有する本体部を具える切り抜きツールを利用する。オペレーターは、2つの方法の一方の方法で進め得る。まず、オペレーターは、通常の試用インプラントを使用し、適切なサイズの試用インプラントを決定した後、選択した試用インプラントと同じ大きさの本体部を有するツールを使用して、切除部を形成する。次に、そのツールを、実際の試用インプラントとして使用し得る。ここでは、オペレーターが本体部を試すにつれて、チゼルアームは、椎骨を切断して、切除部を形成することになる。
【0083】
好ましい実施形態に関して本発明をかなり詳細に説明してきたが、本発明を種々に変更および変形させ得ることは、当業者には明らかだろう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】椎間空間を準備するために本発明の器具および方法を用いる1つのタイプの椎間インプラントの斜視図である。
【図2】椎間空間を準備するために本発明の器具および方法を用いる別のタイプの椎間インプラントの斜視図である。
【図3】調節可能な止め機構を有する試用インプラントの斜視図である。
【図4】調節可能な止め機構を受け入れるように適合させた試用インプラントの後部斜視図である。
【図5】調節可能な止め機構を受け入れるように適合させた試用インプラントの正面斜視図である。
【図6】図4および図5に示した実施形態の中心を水平方向に通る断面図である。
【図7】図6の7−7線に沿った断面図であって、以後それを調節可能な止め機構の平面と呼ぶ。
【図8】調節可能な止め機構の断面図である。
【図9】図7の試用インプラント内に図8の調節可能な止め機構を装着した様子を示す図である。
【図10】図8の調節可能な止め機構の平面図である。
【図11A】第1の位置における、試用インプラントおよび調節可能な止め機構の側面図である。
【図11B】図11Aと類似するが、位置が異なる、調節可能な止め機構を示す図である
【図12】調節可能な止め機構を有する試用インプラントの別の実施形態の斜視図である。
【図13】図12に類似しているが、部品の位置を変更して示す斜視図である。
【図14】図12の試用インプラントの平面図である。
【図14A】図14に類似しているが、サイズが異なる試用インプラントの平面図である。
【図15】図14の側面図である。
【図16】試用インプラントから取り外した、図12の要素の平面図である。
【図17A】図12の中央断面図である。
【図17B】図13の中央断面図である。
【図18】図12に類似するが、上に配置されたチゼル切り抜きツールを含む斜視図である。
【図19】試用インプラント挿入器具を示す斜視図である。
【図19A】破線の円内に示す図19の部分の拡大斜視図である。
【図19B】図19Aに示す試用インプラントの断面図である。
【図20】図19の矢印Cの方向における、図19の試用インプラントの端面図である。
【図21】図19の矢印Dの方向における、図19の試用インプラントの側面図である。
【図22】図19の一部分であるツールの断面図である。
【図23】図21の23−23線に沿った試用インプラントの断面図である。
【図24】バーガイドの斜視図である。
【図25】図24に示すバーガイドの平面図である。
【図26】試用インプラントにバーガイドを装着して示す、図19のツールの断面図である。
【図27】バーの側面図である。
【図28】図27の28−28線に沿った部分断面図である。
【図29】図27のバーとともに、試用インプラントおよびバーガイドを示す断面図である。
【図30】バーガイドの別の実施形態の側面図である。
【図31】図30の平面図である。
【図32】図31の32−32線に沿った断面図である。
【図33】図27のバーとともに、図30〜図32の試用インプラントおよびバーガイドを示す断面図である。
【図34】変更したバーの側面図である。
【図35】図34のバー、および図24および図25のバーガイドを示す断面図である。
【図36】試用インプラントを挿入する器具の別の実施形態、および試用インプラントの別の実施形態を示す斜視図である。
【図36A】破線円内に示す図36の部分の拡大斜視図である。
【図37】図36に示した試用インプラントの中央断面図である。
【図38】図37の左端面図である。
【図39】図37の平面図である。
【図40】図29に類似するが、サイズが異なる試用インプラントを示す平面図である。
【図41】図36〜図40に示す器具および試用インプラントとともに使用するチゼルの斜視図である。
【図42】変更した試用インプラントおよびその上に装着したチゼルを示す側面図である。
【図43】図42に類似するが、サイズが異なる試用インプラントを示す側面図である。
【図44】切り抜きツールの別の実施形態の正面斜視図である。
【図45】図44の切り抜きツールの長手方向断面図である。
【図46】図45の46−46線に沿った断面図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
椎間空間を準備するための装置であって、当該装置は、
椎間空間内へ挿入される作用部と、
前記作用部の後側に配置されかつ前記作用部が椎間空間内へ移動されると椎骨と係合するのにきわめて十分な高さを有する止め部材を含む、調節可能な止め機構と、
を含み、
前記調節可能な止め機構は、前記作用部が前記椎間空間内へ移動し得る挿入距離を変更するために、前記作用部の後側と前記止め部材との間の距離を変更する調節を行うことができるようになっており、
前記調節可能な止め機構は、螺子係合により前記作用部と作動的に連結されることで、前記螺子係合を一方向へ進めると、前記止め部材が前記作用部へ近づけられ、また前記螺子係合を反対方向へ進めると、前記止め部材が前記作用部から離されるようになっている、前記装置。
【請求項2】
前記止め部材は、前記調節可能な止め機構の螺子部材上において自由に回転するように装着され、また、前記螺子部材の軸線周りを前記止め部材が回転することを妨げるための構造体を含み、それによって、前記作用部との螺子係合に関連して前記螺子部材が移動されても、前記止め部材は、前記螺子部材の軸線周りを回転せずに前記作用部の後部に近づけられまた離される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作用部を貫通する孔を含み、当該孔の一部分は、ねじ溝が切られ、前記螺子係合の一部を形成する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記調節可能な止め機構は、前記螺刻部分を有する調節部材を備え、
前記止め部材は、前記調節部材上において自由に回転し得るが該調節部材に沿った長手方向の動きが制限されるように前記調節部材に装着されている請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記作用部および前記止め部材は、前記止め部材の回転を妨げまた回動し得るある位置に前記止め部材を維持するように相互に係合しており、前記止め部材の1本またはそれ以上のアームは、前記作用部が前記椎間空間内に移動されると椎骨と係合するように、垂直の位置である請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記作用部内において螺子係合する、ねじ山が切られた端部を有するシャフトを含んでおり、前記調節可能な止め機構は、前記シャフトの周りを自由に回転するが長手方向の動きは制限されるように前記シャフトに装着される請求項1に記載の装置。
【請求項7】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための試用インプラントであって、当該試用インプラントは、
椎間空間内へ嵌合するように適合された形状の本体部と、
調節可能な止め機構であって、前記本体部の後側に配置され、かつ前記本体部が前記椎間空間内へ移動すると椎骨と係合するのにきわめて十分な高さを有する止め部材を含む調節可能な止め機構と、
を備え、
前記調節可能な止め機構は、前記本体部の後側と前記止め部材との間の距離を変更することにより前記試用インプラントの前記本体部が前記椎間空間内へ移動し得る挿入距離を変更するように調節可能である試用インプラント。
【請求項8】
前記調節可能な止め機構は、螺子係合により前記試用インプラントと作動的に連結されることによって、前記螺子係合を一方向に進めると、前記止め部材が前記本体部へ近づけられ、また前記螺子係合を反対方向に進めると、前記止め部材が、前記本体部から離されるようになっている請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項9】
前記止め部材は、前記調節可能な止め機構の螺子部材上において自由に回転するように装着されるとともに、前記螺子部材の軸線周りを前記止め部材が回転することを妨げるための構造体を含むことによって、前記試用インプラントとの螺子係合に関連して前記螺子部材が移動されても、前記止め部材は、前記被螺合部材の軸線周りを回転せずに前記本体部の後部に近づけられまた離される請求項8に記載の試用インプラント。
【請求項10】
前記試用インプラントを貫通する孔を含み、当該孔の一部分は、ねじ溝が切られ、前記螺子係合の一部を形成する請求項9に記載の試用インプラント。
【請求項11】
前記試用インプラントは、上部および底部の少なくとも一方に前方から後方へのスロットを含み、当該スロットは、切り抜きツールを受け入れるように適合されている請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項12】
前記試用インプラントの後側に形成された孔を備え、前記調節可能な止め機構は、前記挿入距離を変更するように前記孔の内外に移動可能である請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項13】
前記孔は、前記調節可能な止め機構のねじ山部と係合するねじ溝部を有する請求項12に記載の試用インプラント。
【請求項14】
前記調節可能な止め機構は、ねじ山部を有する調節部材を備え、前記止め部材は、自由に回転し得るが長手方向の動きを制限されるように前記調節部材に装着されている請求項13に記載の試用インプラント。
【請求項15】
前記本体部および前記止め部材は、前記止め部材の回転を妨げまた回動し得るある位置に前記止め部材を維持するように相互に係合し、前記止め部材の1本またはそれ以上のアームは、前記試用インプラントが前記椎間空間内へ移動されると椎骨と係合するように、垂直位置である請求項14に記載の試用インプラント。
【請求項16】
前記本体部は、前記孔に隣接したスロットを含み、前記止め部材は、突起部を含み、当該突起部は、前記スロット内に受け入れられて、前記止め部材の回転を妨げ、また垂直に突出する1本または複数のアームとともに前記止め部材を適切な回動方向に維持する請求項15に記載の試用インプラント。
【請求項17】
前記調節部材は、前記調節部材を回転させるためのツールを受け入れる構造体を後部に含む請求項14に記載の試用インプラント。
【請求項18】
前記調節部材は、
前記螺刻部分よりも断面が小さく滑らかな中央シャフトと、
前記螺刻部分から間隔をおいて配置され大きくなった部材と、
を含み、
前記止め部材は、
前記被螺合部と前記大きくなった部材との間の前記滑らかなシャフト上において回転可能なスリーブと、
当該スリーブから反対方向に延びる一対のアームと、
を含む請求項14に記載の試用インプラント。
【請求項19】
前記本体部は、前記孔に隣接したスロットを含み、前記止め部材は、突起部を含み、当該突起部は、前記スロット内に受け入れられて、前記止め部材の回転を妨げかつ前記アームが垂直に突出する方向を適切に維持する請求項18に記載の試用インプラント。
【請求項20】
前記試用インプラント内に螺子係合する螺合端部を有するシャフトを含み、前記調節可能な止め機構は、前記シャフトに装着されて、該シャフトの周りを自由に回転するがそれに沿って長手方向へ移動することは制限されている請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項21】
前記インプラントは、前記本体部より幅の狭い尾部を有し、また、前記調節可能な止め機構は、前記尾部の側面に沿って前記本体部に近づけられまた遠ざけられる止め部材を有する請求項20に記載の試用インプラント。
【請求項22】
前記調節可能な止め機構は、前記止め部材の回転を妨げるように前記尾部の側面と係合する請求項21に記載の試用インプラント。
【請求項23】
前記試用インプラントは、上部および底部の少なくとも一方に沿って前方から後方へ延びるスロットを有し、また、前記試用インプラントに装着して後方から前方へ移動させ得るチゼル切り抜きツールを含む請求項21に記載の試用インプラント。
【請求項24】
請求項23に記載の試用インプラントの複数個のセットであって、前記セットの前記試用インプラントの全てについて各試用インプラントの前部からその尾部の後部までの距離が同じになるように、高さは同じだが表面積が異なり、かつ尾部の長さが異なっており、その結果、所与のチゼルが、そのセットの試用インプラントの全てに適合する、複数の試用インプラントを含む、前記セット。
【請求項25】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具であって、
その椎間空間のための実際のインプラントに対応するサイズの試用インプラントと、
前記隣接した椎骨に切除部を形成する切り抜きツールを受け入れ支持するように、前記試用インプラントに取り付け得るガイドと、
を備え、
前記試用インプラントおよびガイドの少なくとも一方は、前記試用インプラントおよびガイドの他方へ延びる少なくとも1本のピンを有し、前記試用インプラントおよびガイドの他方は、1本または複数のピンを受け入れる1本または複数のピンホールを有しており、前記1本または複数のピンおよび前記1つまたは複数のピンホールが、前記試用インプラントおよび前記ガイドを相互に固定するようになっている、前記器具。
【請求項26】
前記1本または複数のピンは、前記試用インプラントに連結され、前記1つまたは複数のピンホールは、前記ガイドに形成される請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記試用インプラントまたはガイドの一方に一対のピンを含み、また、前記試用インプラントまたはガイドの他方に適合する一対のピンホールを含む請求項25に記載の器具。
【請求項28】
前記ピンは前記試用インプラント上にあり、各ピンは肩部を有し、前記ガイドは、前記ガイドの椎骨への移動を制限し得るように前記肩部と係合する請求項27に記載の器具。
【請求項29】
各試用インプラントは、スロットを含み、前記スロットと係合し得る端部を有する保持装置を含む請求項25に記載の器具。
【請求項30】
前記ガイドは、上部および底部を有し、中空であり、その上部から底部へ延びており、前記ガイドは、その底部に、バー型切り抜きツールを案内しその動きを制限するための細長いスロット開口部を含む請求項25に記載の器具。
【請求項31】
前記ガイドは、各側面に凹所を有し、各凹所の下には突起部を有し、各突起部は、前記試用インプラントのピンを受け入れるピンホールを有する請求項30に記載の器具。
【請求項32】
前記ガイドは、
前記ガイドの各側面を垂直に延びる中央尾根部と、
前記試用インプラントのピンを受け入れる前記ピンホールを含む各前記中央尾根部の底部の孔と、
を有する請求項30に記載の器具。
【請求項33】
前記尾根部の一方は、上部に、保持装置を受け入れる開口部を含む請求項32に記載の器具。
【請求項34】
前記ガイド内を通って、前記試用インプラント内の前記細長いスロット開口部内と係合し得る切り抜き端部を有するバー型切り抜きツールと、
前記ガイドと係合して、それにより前記バー型切り抜きツールの、前記試用インプラント内への移動を制限するように、前記バー型切り抜きツールに装着されるスペーサースリーブと、
を含む請求項30に記載の器具。
【請求項35】
前記ガイドは、底部に棚状突起部を有し、当該棚状突起部に、前記細長いスロット切り欠き部が形成される請求項34に記載の器具。
【請求項36】
前記スペーサースリーブは、シリンダであって、当該シリンダは、前記バー型切り抜きツールに装着され、前記バー型切り抜きツールの下部が前記細長いスロット開口部を貫通すると同時に、前記ガイドの棚状突起部と係合する長さである請求項35に記載の器具。
【請求項37】
前記スペーサースリーブは、前記ガイドの上部に沿って係合し支持される、大きくなった肩部を備える請求項35に記載の器具。
【請求項38】
前記切り抜きツールは、チゼルである請求項25に記載の器具。
【請求項39】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具であって、
実際の椎間インプラントに対応するサイズであり、また前部および後部を有しかつ前記椎間空間内に適合する形状である主要部、および後方へ延びる尾部を有する試用インプラントと、
前記試用インプラントの尾部への取り付けおよび取り外しが可能な保持装置と、
を備え、
前記試用インプラントは、隣接する椎骨の少なくとも1つに切除部を形成する切り抜きツールを受け入れ支持するように形成されている器具。
【請求項40】
前記試用インプラントは、前記上部および底部の少なくとも一方に沿って前方から後方へ延びる溝を有する請求項39に記載の器具。
【請求項41】
後方から前方へ移動するように前記試用インプラントに装着し得るチゼル切り抜きツールを含む請求項39に記載の器具。
【請求項42】
前記試用インプラントは、上部または底部の少なくとも一方に沿って前方から後方へ延びるスロットを有し、後方から前方へ移動するように前記試用インプラントに装着し得るチゼル切り抜きツールを含む請求項39に記載の器具。
【請求項43】
前記チゼル切り抜きツールは、
前記試用インプラントのスロット内に装着し得る少なくとも1本のアームと、
前記アームに連結され前記試用インプラントの尾部の後部に係合するベースと、
を備える請求項42に記載の器具。
【請求項44】
前記チゼル切り抜きツールは、上部アームと下部アームとを備え、前記試用インプラントは、上部および底部に溝を含む請求項43に記載の器具。
【請求項45】
複数の試用インプラントを含み、当該複数の試用インプラントは、前記セットの前記試用インプラントの全てについて各試用インプラントの前部からその尾部の後部までの距離が同じになるように、高さは同じだが表面積が異なり、かつ尾部の長さが異なる前記試用インプラントを含み、所与のチゼルが、そのセットの試用インプラントの全てに適合するようになっている、請求項43に記載の器具。
【請求項46】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備する際に使用し得る器具であって、
隣接した椎骨の隣に配置されて、当該隣接した椎骨に切除部を形成するために切り抜きツールを案内するように形成されたガイドを備え、
前記ガイドは、上部および底部を有し、当該底部は、使用時に椎骨に面し、前記ガイドは、平面図において長く延び、上部から底部へ中空になっており、底部には棚状突起部を有し、この棚状突起部は、隣接した椎骨を切り抜くのに伴って切り抜きツールを案内するように細長いスロット開口部を有する器具。
【請求項47】
前記ガイドは、当該ガイドを前記一対の隣接した椎骨の隣に配置するように、ピンを受け入れるピンホールを底部に有する請求項46に記載の器具。
【請求項48】
前記ガイドは、各側面に凹所を含み、当該凹所の下には突起部を含み、当該突起部は、前記ピンホールを有する請求項47に記載の器具。
【請求項49】
前記ガイドは、一対の垂直の中央尾根部を有し、前記ピンホールは、前記中央尾根部の底部に穴として形成される請求項47に記載の器具。
【請求項50】
前記尾根部の一方は、上部に、保持装置を受け入れる開口部を含む請求項49に記載の器具。
【請求項51】
前記ガイドに装着可能なバー型切り抜きツールを含み、前記バー型切り抜きツールは、円筒形のスペーサースリーブを有し、当該スペーサースリーブは、前記バーガイドの下部を前記細長いスロット開口部に貫通させると、前記棚状突起部と係合することにより、椎間空間内への前記バーの下端部の移動距離が制限されるようになっている請求項46に記載の器具。
【請求項52】
前記バー型切り抜きツールは、前記ガイドに装着可能であり、前記バー型切り抜きツールは、肩部を有するスペーサースリーブを有し、前記バー型切り抜きツールの下端部を前記細長いスロット開口部に貫通させると、前記肩部が前記ガイドの上部と係合することにより、椎間空間内への前記バーの下端部の移動距離が制限される請求項46に記載の器具。
【請求項53】
前記細長いスロット開口部を通って椎骨と係合し得る切り抜き端部を有するチゼル切り抜きツールを含む請求項46に記載の器具。
【請求項54】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具であって、
試用インプラントの本体部が、椎間空間に隣接した椎骨に切除部を形成するための少なくとも1つのチゼル切り抜きツールが取り付けられて垂直に延びる形状にされた、前記試用インプラントを備える器具。
【請求項55】
一対のチゼル切り抜きツールを含み、当該チゼル切り抜きツールは、前記本体部の形状にされた前記試用インプラントの、上部に一方が取り付けられ、底部に他方が取り付けられ、それぞれが垂直に延びており、椎間空間に隣接する2つの各椎骨に切除部を同時に形成する前記チゼル切り抜きツールを含む請求項54に記載の器具。
【請求項56】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための方法であって、
試用インプラントの本体部を椎間空間内へ挿入するステップであって、当該試用インプラントは、前記本体部の後部に止め部材を有し、当該止め部材が、椎骨と係合して、前記本体部の椎間空間内への移動を制限する、挿入ステップと、
前記止め部材と前記本体部の後部との間の距離を調節するステップであって、それにより、前記試用インプラントの本体部を椎間空間内へ移動させ得る挿入距離を変化させ得る、調節ステップと、
を含む方法。
【請求項57】
前記止め部材を前記本体部の後部に最も近い場所に配置するステップと、
前記止め部材が椎骨と係合するまで、椎間空間内へ前記本体部を移動させるステップと、
椎間空間内へ前記本体部をさらに移動させ得るように、前記止め部材を前記本体部の後部から遠ざけるステップと、
を含む請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記止め部材は、前記試用インプラント内に螺子係合する調節部材に装着され、前記止め部材を前記本体部の後部から遠ざけるステップは、前記調節部材を回転させるステップを含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記調節部材に全回転を一度させることによって、前記調節可能な止め部材が、椎骨の方へ近づく方向または椎骨から遠ざかる方向に1mm移動する請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記調節部材を移動させている間、前記止め部材を前記試用インプラントと係合させることにより、前記止め部材の回転が妨げられる請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記止め部材は、前記試用インプラントの孔と螺子係合するシャフトに回動自在に装着され、前記止め部材を前記本体部の後部から遠ざけるステップは、前記シャフトを回すステップを含む請求項57に記載の方法。
【請求項62】
調節可能な止め機構に全回転を一度させることにより、椎骨に近づく方向にまたは椎骨から遠ざかる方向に前記止め部材が1mm移動する請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記調節可能な止め機構を移動させている間、前記止め部材を前記試用インプラントと係合させることにより、前記止め部材の回転が妨げられる請求項61に記載の方法。
【請求項64】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備する方法であって、
椎間空間内へ試用インプラントを挿入するステップと、
前記試用インプラントを所定位置にして、前記試用インプラントをガイドとして使用して切り抜きツールガイドを所定位置に動かし、隣接した椎骨の、椎間空間に面した表面に概ね横断方向に、隣接した椎骨の少なくとも1つに切除部を形成するように、前記切り抜きツールガイドを使用して切り抜きツールを案内するステップと、
を含む方法。
【請求項65】
前記切り抜きツールガイドは、前記試用インプラントに対して所望の位置に配置される中空のガイドであって、前記ガイドに対するバー型切り抜きツールの配置を、前記バー型切り抜きツールの下端部が椎間空間内のある深さに置かれるように行い、その深さによって、隣接した椎骨内への切除部の深さが決定される請求項64に記載の方法。
【請求項66】
1つまたは複数の前記切除部を形成するために、前記バー型切り抜きツールを、前記試用インプラントの上部および底部に概ね横断方向に移動させるステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項67】
スペーサースリーブを前記ガイドの底部の棚状突起部と係合させることにより、前記バー型切り抜きツールを前記ガイド内に位置決めするステップを含む請求項66に記載の方法。
【請求項68】
スペーサースリーブを前記ガイドの上部と係合させることにより、前記バー型切り抜きツールを前記ガイド上に位置決めするステップを含む請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記ガイドの位置決めステップは、前記試用インプラントまたはガイドのピンを、前記試用インプラントまたはガイドの他方のピンホール内に挿入するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記試用インプラントは、保持装置を有しており、当該保持装置は、前記試用インプラントを挿入し前記ガイドを配置するステップの間に前記試用インプラントに連結され、前記バー型切り抜きツールを配置するステップの前に取り外される請求項65に記載の方法。
【請求項71】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための方法であって、
椎間空間内へ試用インプラントを挿入するステップであり、前記試用インプラントは、椎間空間内に適合する本体部を有し、尾部が後方へ延びる、挿入ステップと、
前記試用インプラントを所定位置にして、前記試用インプラントをガイドとして使用し、隣接した椎骨の少なくとも1つに切除部を形成するために切り抜きツールを椎骨に近づけ遠ざけるステップであり、当該近づけ遠ざけるステップは、前記切り抜きツールを前記尾部の後部と係合させることにより制限されるステップと、
を含む方法。
【請求項72】
前記切り抜きツールを近づけ遠ざけるステップは、前記試用インプラントの尾部および本体部上においてチゼルを動かすステップを含む請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記試用インプラントの本体部は、上部および底部に沿って延びるスロットを有し、前記チゼルは、上部アームおよび下部アームを備え、各アームは、スロットの一方と係合し、前記切除部の1つを形成する請求項72に記載の方法。
【請求項74】
複数の試用インプラントセットを準備するステップを含み、各インプラントは、サイズが異なり高さが共通の本体部を有し、前記セットの試用インプラントの全てについて、各本体部の前部から前記尾部の後部までの距離が同じになるように、本体部が大きい場合、サイズが異なる本体部の尾部は小さくなるので、その結果、選択された前記試用インプラント上にチゼルを動かすステップでは、前記セットの全ての試用インプラント上に同じ前記チゼルを動かし得る請求項72に記載の方法。
【請求項75】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための方法であって、
適切なサイズの試用インプラントが決定されるまで、椎間空間内へ1つまたはそれ以上の試用インプラントを挿入するステップと、
椎間空間内に、適切なサイズの試用インプラントと実質的に同じ形状の本体を移動させることにより、隣接した椎骨の1つまたはそれ以上の椎骨に切除部を形成するステップであって、前記試用インプラントは、前記本体の上面および下面の少なくとも一方に取り付けられそこから垂直に延びるチゼル切り抜きツールを有するステップと、
を含む方法。
【請求項76】
前記本体は、固定されて垂直に延びる上部および下部チゼル切り抜きツールを有し、
前記切除部を形成するステップは、椎間空間の上下の椎骨に切除部を形成するために、2つのチゼル切り抜きツールが取り付けられた前記本体部を椎間空間内へ動かすステップを含む請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記挿入および形成ステップは、前記チゼル切り抜きツールが固定されている試用インプラントを挿入することによって、前記適切な試用インプラントのサイズを決定するための試用インプラント挿入を行うことにより、同時に行われる請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記挿入および形成ステップは、まず、適切なサイズのインプラントを決定するために前記チゼル切り抜きツールが取り付けていない前記試用インプラントを挿入して、次に、前記チゼル切り抜きツールを取り付けた前記本体を挿入することによって別々に行われる請求項75に記載の方法。
【請求項1】
椎間空間を準備するための装置であって、当該装置は、
椎間空間内へ挿入される作用部と、
前記作用部の後側に配置されかつ前記作用部が椎間空間内へ移動されると椎骨と係合するのにきわめて十分な高さを有する止め部材を含む、調節可能な止め機構と、
を含み、
前記調節可能な止め機構は、前記作用部が前記椎間空間内へ移動し得る挿入距離を変更するために、前記作用部の後側と前記止め部材との間の距離を変更する調節を行うことができるようになっており、
前記調節可能な止め機構は、螺子係合により前記作用部と作動的に連結されることで、前記螺子係合を一方向へ進めると、前記止め部材が前記作用部へ近づけられ、また前記螺子係合を反対方向へ進めると、前記止め部材が前記作用部から離されるようになっている、前記装置。
【請求項2】
前記止め部材は、前記調節可能な止め機構の螺子部材上において自由に回転するように装着され、また、前記螺子部材の軸線周りを前記止め部材が回転することを妨げるための構造体を含み、それによって、前記作用部との螺子係合に関連して前記螺子部材が移動されても、前記止め部材は、前記螺子部材の軸線周りを回転せずに前記作用部の後部に近づけられまた離される請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記作用部を貫通する孔を含み、当該孔の一部分は、ねじ溝が切られ、前記螺子係合の一部を形成する請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記調節可能な止め機構は、前記螺刻部分を有する調節部材を備え、
前記止め部材は、前記調節部材上において自由に回転し得るが該調節部材に沿った長手方向の動きが制限されるように前記調節部材に装着されている請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記作用部および前記止め部材は、前記止め部材の回転を妨げまた回動し得るある位置に前記止め部材を維持するように相互に係合しており、前記止め部材の1本またはそれ以上のアームは、前記作用部が前記椎間空間内に移動されると椎骨と係合するように、垂直の位置である請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記作用部内において螺子係合する、ねじ山が切られた端部を有するシャフトを含んでおり、前記調節可能な止め機構は、前記シャフトの周りを自由に回転するが長手方向の動きは制限されるように前記シャフトに装着される請求項1に記載の装置。
【請求項7】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための試用インプラントであって、当該試用インプラントは、
椎間空間内へ嵌合するように適合された形状の本体部と、
調節可能な止め機構であって、前記本体部の後側に配置され、かつ前記本体部が前記椎間空間内へ移動すると椎骨と係合するのにきわめて十分な高さを有する止め部材を含む調節可能な止め機構と、
を備え、
前記調節可能な止め機構は、前記本体部の後側と前記止め部材との間の距離を変更することにより前記試用インプラントの前記本体部が前記椎間空間内へ移動し得る挿入距離を変更するように調節可能である試用インプラント。
【請求項8】
前記調節可能な止め機構は、螺子係合により前記試用インプラントと作動的に連結されることによって、前記螺子係合を一方向に進めると、前記止め部材が前記本体部へ近づけられ、また前記螺子係合を反対方向に進めると、前記止め部材が、前記本体部から離されるようになっている請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項9】
前記止め部材は、前記調節可能な止め機構の螺子部材上において自由に回転するように装着されるとともに、前記螺子部材の軸線周りを前記止め部材が回転することを妨げるための構造体を含むことによって、前記試用インプラントとの螺子係合に関連して前記螺子部材が移動されても、前記止め部材は、前記被螺合部材の軸線周りを回転せずに前記本体部の後部に近づけられまた離される請求項8に記載の試用インプラント。
【請求項10】
前記試用インプラントを貫通する孔を含み、当該孔の一部分は、ねじ溝が切られ、前記螺子係合の一部を形成する請求項9に記載の試用インプラント。
【請求項11】
前記試用インプラントは、上部および底部の少なくとも一方に前方から後方へのスロットを含み、当該スロットは、切り抜きツールを受け入れるように適合されている請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項12】
前記試用インプラントの後側に形成された孔を備え、前記調節可能な止め機構は、前記挿入距離を変更するように前記孔の内外に移動可能である請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項13】
前記孔は、前記調節可能な止め機構のねじ山部と係合するねじ溝部を有する請求項12に記載の試用インプラント。
【請求項14】
前記調節可能な止め機構は、ねじ山部を有する調節部材を備え、前記止め部材は、自由に回転し得るが長手方向の動きを制限されるように前記調節部材に装着されている請求項13に記載の試用インプラント。
【請求項15】
前記本体部および前記止め部材は、前記止め部材の回転を妨げまた回動し得るある位置に前記止め部材を維持するように相互に係合し、前記止め部材の1本またはそれ以上のアームは、前記試用インプラントが前記椎間空間内へ移動されると椎骨と係合するように、垂直位置である請求項14に記載の試用インプラント。
【請求項16】
前記本体部は、前記孔に隣接したスロットを含み、前記止め部材は、突起部を含み、当該突起部は、前記スロット内に受け入れられて、前記止め部材の回転を妨げ、また垂直に突出する1本または複数のアームとともに前記止め部材を適切な回動方向に維持する請求項15に記載の試用インプラント。
【請求項17】
前記調節部材は、前記調節部材を回転させるためのツールを受け入れる構造体を後部に含む請求項14に記載の試用インプラント。
【請求項18】
前記調節部材は、
前記螺刻部分よりも断面が小さく滑らかな中央シャフトと、
前記螺刻部分から間隔をおいて配置され大きくなった部材と、
を含み、
前記止め部材は、
前記被螺合部と前記大きくなった部材との間の前記滑らかなシャフト上において回転可能なスリーブと、
当該スリーブから反対方向に延びる一対のアームと、
を含む請求項14に記載の試用インプラント。
【請求項19】
前記本体部は、前記孔に隣接したスロットを含み、前記止め部材は、突起部を含み、当該突起部は、前記スロット内に受け入れられて、前記止め部材の回転を妨げかつ前記アームが垂直に突出する方向を適切に維持する請求項18に記載の試用インプラント。
【請求項20】
前記試用インプラント内に螺子係合する螺合端部を有するシャフトを含み、前記調節可能な止め機構は、前記シャフトに装着されて、該シャフトの周りを自由に回転するがそれに沿って長手方向へ移動することは制限されている請求項7に記載の試用インプラント。
【請求項21】
前記インプラントは、前記本体部より幅の狭い尾部を有し、また、前記調節可能な止め機構は、前記尾部の側面に沿って前記本体部に近づけられまた遠ざけられる止め部材を有する請求項20に記載の試用インプラント。
【請求項22】
前記調節可能な止め機構は、前記止め部材の回転を妨げるように前記尾部の側面と係合する請求項21に記載の試用インプラント。
【請求項23】
前記試用インプラントは、上部および底部の少なくとも一方に沿って前方から後方へ延びるスロットを有し、また、前記試用インプラントに装着して後方から前方へ移動させ得るチゼル切り抜きツールを含む請求項21に記載の試用インプラント。
【請求項24】
請求項23に記載の試用インプラントの複数個のセットであって、前記セットの前記試用インプラントの全てについて各試用インプラントの前部からその尾部の後部までの距離が同じになるように、高さは同じだが表面積が異なり、かつ尾部の長さが異なっており、その結果、所与のチゼルが、そのセットの試用インプラントの全てに適合する、複数の試用インプラントを含む、前記セット。
【請求項25】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具であって、
その椎間空間のための実際のインプラントに対応するサイズの試用インプラントと、
前記隣接した椎骨に切除部を形成する切り抜きツールを受け入れ支持するように、前記試用インプラントに取り付け得るガイドと、
を備え、
前記試用インプラントおよびガイドの少なくとも一方は、前記試用インプラントおよびガイドの他方へ延びる少なくとも1本のピンを有し、前記試用インプラントおよびガイドの他方は、1本または複数のピンを受け入れる1本または複数のピンホールを有しており、前記1本または複数のピンおよび前記1つまたは複数のピンホールが、前記試用インプラントおよび前記ガイドを相互に固定するようになっている、前記器具。
【請求項26】
前記1本または複数のピンは、前記試用インプラントに連結され、前記1つまたは複数のピンホールは、前記ガイドに形成される請求項25に記載の器具。
【請求項27】
前記試用インプラントまたはガイドの一方に一対のピンを含み、また、前記試用インプラントまたはガイドの他方に適合する一対のピンホールを含む請求項25に記載の器具。
【請求項28】
前記ピンは前記試用インプラント上にあり、各ピンは肩部を有し、前記ガイドは、前記ガイドの椎骨への移動を制限し得るように前記肩部と係合する請求項27に記載の器具。
【請求項29】
各試用インプラントは、スロットを含み、前記スロットと係合し得る端部を有する保持装置を含む請求項25に記載の器具。
【請求項30】
前記ガイドは、上部および底部を有し、中空であり、その上部から底部へ延びており、前記ガイドは、その底部に、バー型切り抜きツールを案内しその動きを制限するための細長いスロット開口部を含む請求項25に記載の器具。
【請求項31】
前記ガイドは、各側面に凹所を有し、各凹所の下には突起部を有し、各突起部は、前記試用インプラントのピンを受け入れるピンホールを有する請求項30に記載の器具。
【請求項32】
前記ガイドは、
前記ガイドの各側面を垂直に延びる中央尾根部と、
前記試用インプラントのピンを受け入れる前記ピンホールを含む各前記中央尾根部の底部の孔と、
を有する請求項30に記載の器具。
【請求項33】
前記尾根部の一方は、上部に、保持装置を受け入れる開口部を含む請求項32に記載の器具。
【請求項34】
前記ガイド内を通って、前記試用インプラント内の前記細長いスロット開口部内と係合し得る切り抜き端部を有するバー型切り抜きツールと、
前記ガイドと係合して、それにより前記バー型切り抜きツールの、前記試用インプラント内への移動を制限するように、前記バー型切り抜きツールに装着されるスペーサースリーブと、
を含む請求項30に記載の器具。
【請求項35】
前記ガイドは、底部に棚状突起部を有し、当該棚状突起部に、前記細長いスロット切り欠き部が形成される請求項34に記載の器具。
【請求項36】
前記スペーサースリーブは、シリンダであって、当該シリンダは、前記バー型切り抜きツールに装着され、前記バー型切り抜きツールの下部が前記細長いスロット開口部を貫通すると同時に、前記ガイドの棚状突起部と係合する長さである請求項35に記載の器具。
【請求項37】
前記スペーサースリーブは、前記ガイドの上部に沿って係合し支持される、大きくなった肩部を備える請求項35に記載の器具。
【請求項38】
前記切り抜きツールは、チゼルである請求項25に記載の器具。
【請求項39】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具であって、
実際の椎間インプラントに対応するサイズであり、また前部および後部を有しかつ前記椎間空間内に適合する形状である主要部、および後方へ延びる尾部を有する試用インプラントと、
前記試用インプラントの尾部への取り付けおよび取り外しが可能な保持装置と、
を備え、
前記試用インプラントは、隣接する椎骨の少なくとも1つに切除部を形成する切り抜きツールを受け入れ支持するように形成されている器具。
【請求項40】
前記試用インプラントは、前記上部および底部の少なくとも一方に沿って前方から後方へ延びる溝を有する請求項39に記載の器具。
【請求項41】
後方から前方へ移動するように前記試用インプラントに装着し得るチゼル切り抜きツールを含む請求項39に記載の器具。
【請求項42】
前記試用インプラントは、上部または底部の少なくとも一方に沿って前方から後方へ延びるスロットを有し、後方から前方へ移動するように前記試用インプラントに装着し得るチゼル切り抜きツールを含む請求項39に記載の器具。
【請求項43】
前記チゼル切り抜きツールは、
前記試用インプラントのスロット内に装着し得る少なくとも1本のアームと、
前記アームに連結され前記試用インプラントの尾部の後部に係合するベースと、
を備える請求項42に記載の器具。
【請求項44】
前記チゼル切り抜きツールは、上部アームと下部アームとを備え、前記試用インプラントは、上部および底部に溝を含む請求項43に記載の器具。
【請求項45】
複数の試用インプラントを含み、当該複数の試用インプラントは、前記セットの前記試用インプラントの全てについて各試用インプラントの前部からその尾部の後部までの距離が同じになるように、高さは同じだが表面積が異なり、かつ尾部の長さが異なる前記試用インプラントを含み、所与のチゼルが、そのセットの試用インプラントの全てに適合するようになっている、請求項43に記載の器具。
【請求項46】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備する際に使用し得る器具であって、
隣接した椎骨の隣に配置されて、当該隣接した椎骨に切除部を形成するために切り抜きツールを案内するように形成されたガイドを備え、
前記ガイドは、上部および底部を有し、当該底部は、使用時に椎骨に面し、前記ガイドは、平面図において長く延び、上部から底部へ中空になっており、底部には棚状突起部を有し、この棚状突起部は、隣接した椎骨を切り抜くのに伴って切り抜きツールを案内するように細長いスロット開口部を有する器具。
【請求項47】
前記ガイドは、当該ガイドを前記一対の隣接した椎骨の隣に配置するように、ピンを受け入れるピンホールを底部に有する請求項46に記載の器具。
【請求項48】
前記ガイドは、各側面に凹所を含み、当該凹所の下には突起部を含み、当該突起部は、前記ピンホールを有する請求項47に記載の器具。
【請求項49】
前記ガイドは、一対の垂直の中央尾根部を有し、前記ピンホールは、前記中央尾根部の底部に穴として形成される請求項47に記載の器具。
【請求項50】
前記尾根部の一方は、上部に、保持装置を受け入れる開口部を含む請求項49に記載の器具。
【請求項51】
前記ガイドに装着可能なバー型切り抜きツールを含み、前記バー型切り抜きツールは、円筒形のスペーサースリーブを有し、当該スペーサースリーブは、前記バーガイドの下部を前記細長いスロット開口部に貫通させると、前記棚状突起部と係合することにより、椎間空間内への前記バーの下端部の移動距離が制限されるようになっている請求項46に記載の器具。
【請求項52】
前記バー型切り抜きツールは、前記ガイドに装着可能であり、前記バー型切り抜きツールは、肩部を有するスペーサースリーブを有し、前記バー型切り抜きツールの下端部を前記細長いスロット開口部に貫通させると、前記肩部が前記ガイドの上部と係合することにより、椎間空間内への前記バーの下端部の移動距離が制限される請求項46に記載の器具。
【請求項53】
前記細長いスロット開口部を通って椎骨と係合し得る切り抜き端部を有するチゼル切り抜きツールを含む請求項46に記載の器具。
【請求項54】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための器具であって、
試用インプラントの本体部が、椎間空間に隣接した椎骨に切除部を形成するための少なくとも1つのチゼル切り抜きツールが取り付けられて垂直に延びる形状にされた、前記試用インプラントを備える器具。
【請求項55】
一対のチゼル切り抜きツールを含み、当該チゼル切り抜きツールは、前記本体部の形状にされた前記試用インプラントの、上部に一方が取り付けられ、底部に他方が取り付けられ、それぞれが垂直に延びており、椎間空間に隣接する2つの各椎骨に切除部を同時に形成する前記チゼル切り抜きツールを含む請求項54に記載の器具。
【請求項56】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための方法であって、
試用インプラントの本体部を椎間空間内へ挿入するステップであって、当該試用インプラントは、前記本体部の後部に止め部材を有し、当該止め部材が、椎骨と係合して、前記本体部の椎間空間内への移動を制限する、挿入ステップと、
前記止め部材と前記本体部の後部との間の距離を調節するステップであって、それにより、前記試用インプラントの本体部を椎間空間内へ移動させ得る挿入距離を変化させ得る、調節ステップと、
を含む方法。
【請求項57】
前記止め部材を前記本体部の後部に最も近い場所に配置するステップと、
前記止め部材が椎骨と係合するまで、椎間空間内へ前記本体部を移動させるステップと、
椎間空間内へ前記本体部をさらに移動させ得るように、前記止め部材を前記本体部の後部から遠ざけるステップと、
を含む請求項56に記載の方法。
【請求項58】
前記止め部材は、前記試用インプラント内に螺子係合する調節部材に装着され、前記止め部材を前記本体部の後部から遠ざけるステップは、前記調節部材を回転させるステップを含む請求項57に記載の方法。
【請求項59】
前記調節部材に全回転を一度させることによって、前記調節可能な止め部材が、椎骨の方へ近づく方向または椎骨から遠ざかる方向に1mm移動する請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記調節部材を移動させている間、前記止め部材を前記試用インプラントと係合させることにより、前記止め部材の回転が妨げられる請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記止め部材は、前記試用インプラントの孔と螺子係合するシャフトに回動自在に装着され、前記止め部材を前記本体部の後部から遠ざけるステップは、前記シャフトを回すステップを含む請求項57に記載の方法。
【請求項62】
調節可能な止め機構に全回転を一度させることにより、椎骨に近づく方向にまたは椎骨から遠ざかる方向に前記止め部材が1mm移動する請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記調節可能な止め機構を移動させている間、前記止め部材を前記試用インプラントと係合させることにより、前記止め部材の回転が妨げられる請求項61に記載の方法。
【請求項64】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備する方法であって、
椎間空間内へ試用インプラントを挿入するステップと、
前記試用インプラントを所定位置にして、前記試用インプラントをガイドとして使用して切り抜きツールガイドを所定位置に動かし、隣接した椎骨の、椎間空間に面した表面に概ね横断方向に、隣接した椎骨の少なくとも1つに切除部を形成するように、前記切り抜きツールガイドを使用して切り抜きツールを案内するステップと、
を含む方法。
【請求項65】
前記切り抜きツールガイドは、前記試用インプラントに対して所望の位置に配置される中空のガイドであって、前記ガイドに対するバー型切り抜きツールの配置を、前記バー型切り抜きツールの下端部が椎間空間内のある深さに置かれるように行い、その深さによって、隣接した椎骨内への切除部の深さが決定される請求項64に記載の方法。
【請求項66】
1つまたは複数の前記切除部を形成するために、前記バー型切り抜きツールを、前記試用インプラントの上部および底部に概ね横断方向に移動させるステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項67】
スペーサースリーブを前記ガイドの底部の棚状突起部と係合させることにより、前記バー型切り抜きツールを前記ガイド内に位置決めするステップを含む請求項66に記載の方法。
【請求項68】
スペーサースリーブを前記ガイドの上部と係合させることにより、前記バー型切り抜きツールを前記ガイド上に位置決めするステップを含む請求項66に記載の方法。
【請求項69】
前記ガイドの位置決めステップは、前記試用インプラントまたはガイドのピンを、前記試用インプラントまたはガイドの他方のピンホール内に挿入するステップを含む請求項65に記載の方法。
【請求項70】
前記試用インプラントは、保持装置を有しており、当該保持装置は、前記試用インプラントを挿入し前記ガイドを配置するステップの間に前記試用インプラントに連結され、前記バー型切り抜きツールを配置するステップの前に取り外される請求項65に記載の方法。
【請求項71】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための方法であって、
椎間空間内へ試用インプラントを挿入するステップであり、前記試用インプラントは、椎間空間内に適合する本体部を有し、尾部が後方へ延びる、挿入ステップと、
前記試用インプラントを所定位置にして、前記試用インプラントをガイドとして使用し、隣接した椎骨の少なくとも1つに切除部を形成するために切り抜きツールを椎骨に近づけ遠ざけるステップであり、当該近づけ遠ざけるステップは、前記切り抜きツールを前記尾部の後部と係合させることにより制限されるステップと、
を含む方法。
【請求項72】
前記切り抜きツールを近づけ遠ざけるステップは、前記試用インプラントの尾部および本体部上においてチゼルを動かすステップを含む請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記試用インプラントの本体部は、上部および底部に沿って延びるスロットを有し、前記チゼルは、上部アームおよび下部アームを備え、各アームは、スロットの一方と係合し、前記切除部の1つを形成する請求項72に記載の方法。
【請求項74】
複数の試用インプラントセットを準備するステップを含み、各インプラントは、サイズが異なり高さが共通の本体部を有し、前記セットの試用インプラントの全てについて、各本体部の前部から前記尾部の後部までの距離が同じになるように、本体部が大きい場合、サイズが異なる本体部の尾部は小さくなるので、その結果、選択された前記試用インプラント上にチゼルを動かすステップでは、前記セットの全ての試用インプラント上に同じ前記チゼルを動かし得る請求項72に記載の方法。
【請求項75】
インプラントを受け入れる椎間空間を準備するための方法であって、
適切なサイズの試用インプラントが決定されるまで、椎間空間内へ1つまたはそれ以上の試用インプラントを挿入するステップと、
椎間空間内に、適切なサイズの試用インプラントと実質的に同じ形状の本体を移動させることにより、隣接した椎骨の1つまたはそれ以上の椎骨に切除部を形成するステップであって、前記試用インプラントは、前記本体の上面および下面の少なくとも一方に取り付けられそこから垂直に延びるチゼル切り抜きツールを有するステップと、
を含む方法。
【請求項76】
前記本体は、固定されて垂直に延びる上部および下部チゼル切り抜きツールを有し、
前記切除部を形成するステップは、椎間空間の上下の椎骨に切除部を形成するために、2つのチゼル切り抜きツールが取り付けられた前記本体部を椎間空間内へ動かすステップを含む請求項75に記載の方法。
【請求項77】
前記挿入および形成ステップは、前記チゼル切り抜きツールが固定されている試用インプラントを挿入することによって、前記適切な試用インプラントのサイズを決定するための試用インプラント挿入を行うことにより、同時に行われる請求項75に記載の方法。
【請求項78】
前記挿入および形成ステップは、まず、適切なサイズのインプラントを決定するために前記チゼル切り抜きツールが取り付けていない前記試用インプラントを挿入して、次に、前記チゼル切り抜きツールを取り付けた前記本体を挿入することによって別々に行われる請求項75に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
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【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【公表番号】特表2006−524549(P2006−524549A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−513285(P2006−513285)
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/012664
【国際公開番号】WO2004/098380
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(502005899)スパイン ソリューションズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】SPINE SOLUTIONS INC.
【Fターム(参考)】
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年4月23日(2004.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2004/012664
【国際公開番号】WO2004/098380
【国際公開日】平成16年11月18日(2004.11.18)
【出願人】(502005899)スパイン ソリューションズ インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】SPINE SOLUTIONS INC.
【Fターム(参考)】
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