説明

人工股関節用骨頭、及び人工股関節

【課題】経済的負担が少なく、摺動面の面粗さが、臨床上必要な摺動機能を損なう程劣化しない人工股関節用骨頭、及び人工股関節を提供すること。
【解決手段】 前記課題を解決するための手段は、ジルコニア多結晶体からなり、
摺動面における面積率が0.01〜10%であり、大きさが0.2〜5μmである孔を有することを特徴とする人工股関節用骨頭であり、
ステムと、前記ステムの先端に設けられた前記人工股関節用骨頭とを備えることを特徴とする人工股関節である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工股関節用骨頭、及び人工股関節に関し、特に詳しくは、経済的負担が少なく、摺動面の面粗さが、臨床上必要な摺動機能を損なう程劣化しない人工股関節用骨頭、及び人工股関節に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人工関節の摺動面には金属、樹脂、及びセラミックス等が用いられ、各々の摺動面は、例えば、金属同士、樹脂同士、金属と樹脂、樹脂とセラミックス、セラミックス同士等のように組み合わせて用いられてきた。特に、人工股関節では、金属製の人工股関節用骨頭とポリエチレン製の臼蓋カップとの組合せ、又は、セラミックス製の骨頭とポリエチレン製の臼蓋カップとの組合せで、主に用いられている。
【0003】
上記したように、人工股関節用骨頭には、従来金属、例えば、ステンレス、チタン合金、又はCo合金が使われてきたが、金属粉による遺伝毒性、例えば、時として発ガン性の問題や、人工股関節用骨頭を受座するポリエチレン(以下、PEと称する場合がある。)製臼蓋カップの摩耗を抑制する為、1970年代からアルミナが使われてきた。
【0004】
しかしながら、アルミナ製の人工股関節用骨頭は、その脆性特性により実用可能な人工股関節用骨頭の径は限られている。この人工股関節用骨頭の径としては、主に、φ28mm以上である。特に、日本人のような体型に適した小径、例えば、φ26mm又はφ22mm、の人工股関節用骨頭としては使用が困難であった。そこで、1985年頃から、金属より高精度、すなわち、ポリエチレン製の臼蓋カップの摩耗特性に優れ、アルミナより高強度を有する材質である、ジルコニアが人工股関節用骨頭の材質として臨床使用されてきた。
【0005】
骨頭の材質として臨床使用されてきたジルコニアの多くは、応力誘起変態強化機能を有する部分安定化ジルコニアである。この部分安定化ジルコニアは、主に部分安定化剤としてCaO、MgO、又はY等の希土類酸化物が添加されている。
【0006】
しかしながら、部分安定化ジルコニア固有の特性として水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態が生じる場合がある。この相変態によって、体積膨張(約3〜5%)を引き起こし、結果として人工股関節用骨頭の表面からの結晶粒子の脱落、引いては人工股関節用骨頭の表面粗さの粗悪化に到る。この人工股関節用骨頭の表面粗さの粗悪化によって、最終的には、人工股関節用骨頭と臼蓋カップとの間の摺動機能が低下し、人工股関節の短命化を辿る場合がある。
【0007】
表面粗さの粗悪化を防止するための手段として、例えば、変態を引き起こしにくい様に部分安定化剤を増量させることが提案されている。また、表面粗さの粗悪化を防止するための手段として、例えば、「原料粉末の成形体を、その成形体について焼成後の開気孔率が0.1%以下となる温度条件の下限温度から+100℃の範囲の温度で1次焼成を行い、熱間等方圧プレス処理を上記下限温度に対して−10〜+100℃の範囲で行い、且つ、セラミックスの平均結晶粒径を0.2μm以下とすることを特徴とする請求項1記載の生体用ジルコニアセラミックスの製造方法。」が提案されている(特許文献1 参照)
【0008】
【特許文献1】特開2002−362972号公報
【0009】
以上のような手段によって、水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態を起こし難いようにしていた。
【0010】
しかしながら、上記手段によっても、水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態を完全に抑制することは困難である。そのため、例えば、人工股関節用骨頭と臼蓋カップとの間の摺動機能に重要な面粗さを損なうことを回避する事は困難である。さらに、多少、水熱劣化による相変態を抑制する効果があるにしても、上記手段、特に、熱間等方圧プレス処理、いわゆるHIP処理による低温焼成による方法においては、経済的負担が避けられない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、このような従来の問題点を解消し、経済的負担が少なく、摺動面の面粗さが、臨床上必要な摺動機能を損なう程劣化しない人工股関節用骨頭、及び人工股関節を提供することをその課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記したように、従来は、熱間等方圧プレス処理、いわゆるHIP処理による低温焼成による方法によって、水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態を起こし難いようにしていた。しかしながら、水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態を完全に抑制することは困難である。
【0013】
一方、表面粗さの粗悪化は、この相変態によって、体積膨張(約3〜5%)を引き起こし、結果として人工股関節用骨頭の表面からの結晶粒子の脱落するという一連の因果関係によって引き起こされるという点に着目した。
【0014】
本発明者は、表面粗さの粗悪化を防止するという最終的な目的を達成するために、水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態を起こさないようにする従来技術でなされていたような観点から離れて、技術開発を行うこととした。
【0015】
本発明は、上記のような、従来技術の問題及び問題発生のメカニズムに着目して、従来技術の問題解決の観点とは、異なる観点から成されたものである。
【0016】
前記課題を解決するための手段として、
請求項1は、ジルコニア多結晶体からなり、
摺動面における面積率が0.01〜10%であり、大きさが0.2〜5μmである孔を有することを特徴とする人工股関節用骨頭であり、
請求項2は、前記ジルコニア多結晶体は、Yを含有する部分安定化ジルコニアからなる前記請求項1に記載の人工股関節用骨頭であり、
請求項3は、前記ジルコニア多結晶体が、正方晶ジルコニア多結晶体である前記請求項1又は2に記載の人工股関節用骨頭であり、
請求項4は、ステムと、前記ステムの先端に設けられた前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工股関節用骨頭とを備えることを特徴とする人工股関節である。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る人工股関節用骨頭は、摺動面における面積率が0.01〜10%であり、大きさが0.2〜5μmである孔を有する。まず、人工股関節用骨頭を長時間使用していると、程度の差はあっても、水熱劣化による正方晶から単斜晶への相変態を起こしてしまう。そうすると、この相変態によって、体積膨張を引き起こしてしまう。本発明における孔は、この体積膨張による隣接した結晶同士の衝突を起こさないと推測される。このように、体積膨張による隣接した結晶同士の衝突が起きないので、結晶粒子が脱落することを低減することができる。したがって、結晶粒子が脱落することを低減することができるので、摺動面の面粗さが、臨床上必要な摺動機能を損なう程劣化しない人工股関節用骨頭、及び人工股関節を提供することができる。また、HIP処理等の方法を使用しないので、当然ながら経済的負担が少ない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一例としての人工股関節用骨頭、及び人工股関節を説明する。なお、本発明に係る人工股関節用骨頭、及び人工股関節は、図1に示される人工股関節用骨頭、及び人工股関節に限定されない。
【0019】
図1に示されるように、人工股関節1は、骨盤2と大腿骨3との間に設けられている。人工股関節1は、臼蓋カップ11と、人工股関節用骨頭12と、ステム13とを備えてなる。
【0020】
臼蓋カップ11は、通常、凹形状の部分を有するが、凹形状の部分以外の形状は特に限定されず、配設される部分に応じた形状とすることが好ましい。また、臼蓋カップ11の大きさも特に限定されず、配設される部分に応じた大きさとすることが好ましい。
【0021】
図1に示されるように、本発明の一例としての臼蓋カップ11は、人工股関節用骨頭12を摺動可能に支持する。臼蓋カップ11は、例えば、骨盤2側と大腿骨3側との2層構造を有している。臼蓋カップ11の大腿骨3側の層は、特に制限はないが、例えば、ZrOを主成分とする正方晶ジルコニア多結晶体により形成されることができる。
【0022】
臼蓋カップ11の大腿骨3側の層は、凹形状を有し、かつ臼蓋カップ11と人工股関節用骨頭12とが摺動する臼蓋カップ摺動面11Aを有する。
【0023】
また、臼蓋カップ11の骨盤2側の層は、例えば、この正方晶ジルコニア多結晶体と生体骨との間で緩衝作用を発揮できる材質により形成されることができる。
【0024】
緩衝作用を発揮できる材質としては、例えば、有機材料、金属材料、セラミック材料等を挙げることができる。有機材料としては、ポリエチレン、及びポリアセタール等を挙げることができる。金属材料としては、チタン、チタン合金、ステンレス合金、及びコバルトクロム合金等を挙げることができる。セラミック材料としては、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、及び水酸アパタイト(HAP)等を挙げることができる。
【0025】
人工股関節用骨頭12は、全体として、球形状を有している。また、人工股関節用骨頭12は、孔を有する。前記孔は、臼蓋カップ摺動面11Aと摺動する骨頭摺動面12Aにおける面積率が0.01〜10%であり、大きさが0.2〜5μmである。
【0026】
前記孔の臼蓋カップ摺動面11Aと摺動する骨頭摺動面12Aにおける面積率が0.01〜10%の範囲外であると、本発明の目的を達成することができない。ここで、この面積率は、骨頭摺動面12Aにおける単位面積あたりの孔の占める合計面積であり、次式から求められる。
【0027】
面積率(%)=(一定面積中の孔数×孔面積×100)/一定面積
【0028】
ここで、孔面積が最小孔サイズの場合が最小占有率で、同様に最大サイズの場合が最大占有率となる。面積率を前記範囲内にするには、焼成工程にHIP(熱間等方圧加圧成形)処理せずに常圧焼成のみで結晶粒径が0.2〜5μmとなる焼結体を製造すればよい。
【0029】
また、前記孔の大きさが0.2〜5μmの範囲外であると、本発明の目的を達成することができない。孔の大きさを前記範囲内にするには、焼成工程にHIP(熱間等方圧加圧成形)処理をせずに常圧焼成のみで結晶粒径が0.2〜5μmとなる焼結体を製造すればよい。
【0030】
なお、図1に示されるように、人工股関節用骨頭12は、ステム13を嵌め込むことができる穴12Bが形成されている。人工股関節用骨頭12は、ジルコニア多結晶体で構成されていればよいが、正方晶ジルコニア多結晶体からなることが好ましい。
【0031】
人工股関節用骨頭12が正方晶ジルコニア多結晶体から成る場合に、この正方晶ジルコニア多結晶体は、ZrOを主成分とし、AlをAl換算で0.01〜3.0質量%、好ましくは0.01〜2.5質量%、より好ましくは0.01〜2.0質量%、更に好ましくは0.05〜2.0質量%、特に好ましくは0.05〜1.5質量%含有することが望ましい。このAlは、正方晶ジルコニア多結晶体中においてどのような化合物として含有されていてもよく、また、含まなくてもよい。
【0032】
このAlの化合物としては、例えば、Alや、他の元素(Zrや、その正方晶ジルコニア多結晶体に含有される元素等)との複酸化物等が挙げられ、通常、Alとして含有される。このAlを含有することにより、耐摩耗性が効果的に向上すると共に、生体内において正方晶ジルコニア多結晶体が単斜晶に相転移することを効果的に抑制できる。更に、機械的強度及び靭性を向上させることもできる。
【0033】
Alの含有量が0.01質量%未満であるとAlを含有する効果が発揮され難くなり、3.0質量%を超えて含有すると却ってアルミナ基焼結体に対する耐摩耗性が低下する場合がある。
【0034】
また、この正方晶ジルコニア多結晶体を構成するZr及びAlを除く他の成分は特に限定されず、Y、Mg、Ca等の元素のうちの1種又は2種以上を含有することができる。
【0035】
これらの元素は例えば酸化物として含有され、ZrOの安定化剤として機能することができ、通常、これらのうち少なくともYが含有される。前記正方晶ジルコニア多結晶体は、Yを含有する部分安定化ジルコニアからなることが好ましい。ここで、YはY換算で正方晶ジルコニア多結晶体中に4.0質量%以上、より好ましくは4.5質量%以上、通常6.0質量%以下含有されることが好ましい。
【0036】
このYは、正方晶ジルコニア多結晶体中においてどのような化合物として含有されていてもよい。この化合物としては、例えば、Yや、他の元素(Zr、Al、その正方晶ジルコニア多結晶体に含有される元素等)との複酸化物等が挙げられ、通常、Yとして含有される。Yが含有されることによりZrOの相転移を抑制できる。特に4.5質量%以上含有されると、生体内の水系環境におけるZrOの相転移を効果的に抑制できる。一方、4.0質量%未満であるとZrOの相転移を抑制する効果が十分に得られ難くなる傾向にある。
【0037】
以上、説明した人工股関節用骨頭12は、以下のような手順で製造する。まず、原料粉末として、ZrO等の他に、CaO、MgO、又はY等を使用する。
【0038】
上記した混合物を、例えば、ボールミルを用いて、アルコール、例えば、エタノールを媒体として混合し、所定時間、湿式混合粉砕を行う。なお、エタノール以外にも、アセトン、メタノール、水等を使用しても良い。
【0039】
上記した湿式混合粉砕で得られたスラリーを、湯煎し、乾燥し、混合粉末を得る。乾燥の方法としては、自然乾燥、熱風による乾燥、スプレードライ等が挙げられる。
【0040】
上記した混合粉末の乾燥後、この混合粉末を、例えば、金型に充填し加圧成形し、又は必要に応じ、その後CIP(冷間等方圧加圧成形)し、所定の形状に生加工し、焼成を行う。この焼成は、例えば、大気中、常圧、温度1400〜1550℃で熱処理して行う。以上のようにして、上記した孔が形成される。
【0041】
一方、ステム13は、材質、形状、及び大きさに制限はなく、人工股関節用骨頭12の材質、形状、及び大きさに応じて適宜選択可能である。前記ステム13の先端が、人工股関節用骨頭12に形成された穴12Bに、はめ込まれている。
【実施例】
【0042】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に限定されるものでは無い。
【0043】
(実施例)
本発明の実施例に係る人工股関節用骨頭は、以下のような手順で製造した。まず、原料粉末として、ZrOの他にYを使用し、混合した。原料粉末全体に対して、ZrOの粉末は、94質量%であり、Yは、4.9質量%であった。
【0044】
上記した混合物を、ボールミルを用いて、水を媒体として混合し、所定時間、湿式混合粉砕を行った。
【0045】
上記した湿式混合粉砕で得られたスラリーを、スプレードライヤーにより乾燥させ、混合粉末を得た。
【0046】
上記した混合粉末の乾燥後、この混合粉末を、金型に充填し加圧成形後、CIP(冷間等方圧加圧成形)し、所定の形状に生加工し、焼成を行った。この焼成は、大気中、常圧、温度1500℃で熱処理して行った。以上のようにして、実施例に係る試料を得た。製造条件及び評価結果を以下の表1に示す。
【0047】
(比較例)
比較例に係る人工股関節用骨頭は、以下のような手順で製造した。まず、原料粉末として、ZrOの他にYを使用し混合した。原料粉末全体に対して、ZrOの粉末は、95質量%であり、Yは、5.0質量%であった。
【0048】
上記した混合物を、例えば、ボールミルを用いて、水を媒体として混合し、所定時間、湿式混合粉砕を行った。
【0049】
上記した湿式混合粉砕で得られたスラリーを、スプレードライヤーにより乾燥させ、混合粉末を得た。
【0050】
上記した混合粉末の乾燥後、この混合粉末を、金型に充填し加圧成形後CIP(冷間等方圧加圧成形)し、所定の形状に生加工し、焼成を行った。この焼成は、大気中、常圧、温度1300℃で熱処理して行った。次いで、Arガス中、150MPa、1400℃でHIP(熱間等方圧加圧成形)処理を施した。以上のようにして、比較例に係る試料を得た。製造条件及び評価結果を以下の表1に示す。
【0051】
【表1】

【0052】
表1における加速劣化試験後の表面状態は、オートクレーブ(121℃×72hr保持)による加速劣化試験後にHIPシミュレーター(最大負荷荷重250kgf×100万回サイクル)による摺動試験を実施した後に評価した。評価方法は、表面相変態量及び表面粗さを測定する方法である。
【0053】
表1における表面相変態量は、表面の単斜晶量を測定することにより評価される。単斜晶量を測定する方法としては、X線回折ピークの積分強度を測定し、以下のような式(1)により計算することにより、行った。なお、加速劣化試験を行う前の表面の単斜晶量の測定も同様にして行った。
【0054】
【数1】


【0055】
上記式(1)における各項は、以下のとおりである。
Im(xyz) :ミラー指数(xyz)の単斜晶のX線回折ピークの積分強度
Itc(111):ミラー指数(111)の正方晶と立方晶のX線混合回折ピークの積分強度
【0056】
表面粗さの測定は、JIS B 0601に従って、行った。
【0057】
なお、加速劣化試験を行う前の実施例に係る人工股関節用骨頭の表面状態を図2に示す。また、加速劣化試験を行う前の比較例に係る人工股関節用骨頭の表面状態を図3に示す。
【0058】
表1によれば、表面に孔を有する人工股関節用骨頭である実施例は、表面に孔のない人工股関節用骨頭である比較例と比較して、表面粗さの悪化の度合いが小さいことが分かる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の一例としての人工股関節用骨頭、及び人工股関節を示す概略図である。
【図2】図2は、実施例に係る人工股関節用骨頭の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。
【図3】図3は、比較例に係る人工股関節用骨頭の表面状態を示す電子顕微鏡写真である。
【符号の説明】
【0060】
1 人工股関節
11 臼蓋カップ
11A 臼蓋カップ摺動面
12 人工股関節用骨頭
12A 骨頭摺動面
12B 穴
13 ステム
2 骨盤
3 大腿骨

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ジルコニア多結晶体からなり、
摺動面における面積率が0.01〜10%であり、大きさが0.2〜5μmである孔を有することを特徴とする人工股関節用骨頭。
【請求項2】
前記ジルコニア多結晶体は、Yを含有する部分安定化ジルコニアからなる前記請求項1に記載の人工股関節用骨頭。
【請求項3】
前記ジルコニア多結晶体が、正方晶ジルコニア多結晶体である前記請求項1又は2に記載の人工股関節用骨頭。
【請求項4】
ステムと、前記ステムの先端に設けられた前記請求項1〜3のいずれか1項に記載の人工股関節用骨頭とを備えることを特徴とする人工股関節。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−181255(P2006−181255A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−380638(P2004−380638)
【出願日】平成16年12月28日(2004.12.28)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】