説明

人形玩具

【課題】単に腕部、脚部を交換して人形玩具の外観を変えて遊ぶ人形玩具から、新たな発想の胴体部1に腕部、脚部を取り付けて、従来の遊び方とは全く異なる新規の人形遊びを楽しむことのできる人形玩具を提供すること。
【解決手段】人形玩具は、頭部および胴体部1の骨格を構成する骨格部材4と、該骨格部材4に着脱自在に形成された腕部材2、脚部材3とで構成し、上記骨格部材4には粘土5を付着させて頭部及び胴体部1の外観を形成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人形玩具、詳しくは胴体部分および頭部部分の骨格を構成する骨格部材に腕部材や脚部材を取り付けて人形体を構築するとともに、骨格部材に粘土で胴体部を形成する人形玩具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、玩具の姿勢を変化させたり、衣服を取り替えたりして遊ぶ人形遊びに用いられる人形玩具は胴体部に頭部材、腕部材、脚部材がすでに取り付けられ、腕部や脚部を動かして遊ぶものが一般的であったが、ユーザーの好みで腕部や脚部を自由に着脱する人形玩具が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0003】
この人形玩具は、頭部、腕部、脚部を胴体部から分離、連結することができるとともに、連結時には頭部、腕部、脚部を各々の関節の位置で動かして所望のポーズに保持できるようにしたものである。
【特許文献1】登録実用新案第3060521号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする問題点は、胴体部に頭部、腕部、脚部を付け替えることにより、異なった外観の人形玩具を形成することができ、外観を変えて楽しむことはできるが、あくまで外観が変わるだけで、それ以上の遊び方を楽しむことはできない点であった。
【0005】
本発明は、上記問題点を解決し、単に腕部、脚部を交換して人形玩具の外観を変えて遊ぶ人形玩具から、新たな発想の胴体部に腕部、脚部を取り付けて、従来の遊び方とは全く異なる新規の人形遊びを楽しむことのできる人形玩具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために本発明に係る人形玩具は、以下の要件を備えることを特徴とする。
(イ)上記人形玩具は、頭部および胴体部分の骨格を構成する骨格部材と、該骨格部材に着脱自在に形成された腕部、脚部とを備えること
(ロ)上記骨格部材に粘土を付着させ、該粘土で頭部及び胴体部分の外観を形成すること
なお、前記粘土は前記頭部および胴体部は成形型で前記骨格部材に付着させて形成し、頭部及び胴体部の外観が所望の形状にでき上がるようにすることが好ましい。
【0007】
また、前記骨格部材に、押圧を検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づいて音声、光の何れか一方又は両方を出力する出力部とからなる演出機構を取着し、検出部が押圧を検出すると出力部が作動するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0008】
請求項1の発明によれば、胴体部を粘土で形成したので、人形玩具同士を戦わせるようにすると、胴体部に戦いの記録が刀傷などになって残るので、従来の全身が樹脂製の人形間具では味わうことのできないリアル感のある人形玩具を実現することができる。
【0009】
請求項2の発明によれば、粘土で構成される胴体部を成形型を用いて形成することにより、ヘラ等を用いて手作りする必要がなく、見栄えがよい胴体部を簡単に形成することができる。
【0010】
請求項3の発明によれば、胴体部に戦いの記録が刀傷などになって残るだけではなく、戦いの結果が光や音声で演出することができるので、従来の人形玩具とは異なるリアル感のある人形玩具を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
人形玩具は、頭部および胴体部分の骨格を構成する骨格部材と、該骨格部材に着脱自在に形成された腕部、脚部とを備え、上記骨格部材には粘土を付着させて頭部及び胴体部分の外観を構成するようにした。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明に係る人形玩具Aの一例を示し、この人形玩具Aは、図2に示すように、頭部が一体に形成された胴体部1に腕部材2と脚部材3とが着脱、交換できるように構成されているものである。
【0013】
上記胴体部1は骨格部材4に粘土5を取着させ、胴体部1の外観を粘土5で形成されるようになっているものである。この骨格部材4は、図3に示すように、フレーム10の両側部および下部にそれぞれ嵌合軸11、12が突出して形成され、前面、背面及び上部両側面にそれぞれ支持軸13、14、15、16が突出して形成されたもので、図4に示すように、下部に突出した嵌合軸12には脚部材3に形成された嵌合孔17が嵌合し、左右に突出した嵌合軸11には腕部材2に形成された嵌合孔18が嵌合し、各嵌合軸11、12に脚部材3の嵌合孔17、腕部材2の嵌合孔18を嵌合させることにより、図1に示すような人形玩具Aを形成することができるようになっているものである。
【0014】
なお、支持軸13、14、15、16の先端にはそれぞれ嵌合孔13a、14a、15a、16aが形成されている。この支持軸13、14、15、16は、人形玩具Aに鎧を模した飾り部材(図示せず)を取り付ける際に使用するものである。
【0015】
上記胴体部1を作成するためには、図5(a)に示す成形型Bを用いればよい。この成形型Bは、下枠20に上枠21が支軸22により開閉可能に連結され、下枠20には胴体部1の背面側を形成する後成形型23が配置され、上枠21には胴体部1の前面側を形成する前成形型24が配置されている(図5(b)参照)。
【0016】
後成形型23の両側部と後部とには半円形の凹溝25、26が形成され、前成形型24の両側部と後部とには半円形の凹溝27、28が形成されている。そして、凹溝25、27の径は嵌合軸11と等しく、凹溝26、28の径は嵌合軸12と等しく形成され、凹溝25に凹溝27が対応し、凹溝26に凹溝28が対応して、上枠21を閉じたときにフレーム10の嵌合軸11を凹溝25、27で保持し、嵌合軸12を凹溝26、28で保持するようになっており、粘土5で胴体部1を成形する際に、胴体部1の真ん中に確実に埋め込まれるようにするとともに、嵌合軸11、12の周面に粘土5が付着しないようにするためのものである。
【0017】
上記、成形型Bを用いて胴体部1を形成するためには、図6(a)に示すように、上枠21を開き、後成形型23に粘土5を盛り付ける(図6(b)参照)。次に、図6(c)に示すように、骨格部材4を粘土5の上から後成形型23の上に載せる。骨格部材4を後成形型23の上に載せたら、図6(d)に示すように、その上から再び粘土5を盛り付ける。粘土5を骨格部材4の上に盛り付けたら、図6(e)に示すように、上枠21を閉じ、下枠20に強く押し付ける。次に、上枠21を開くと、粘土5内に骨格部材4が埋め込まれた状態で胴体部1が形成され、余分な粘土5´は成形型からはみ出して成形型の周囲に取り残されている(図6(f)参照)。下枠20から胴体部1を取り出せば、図2に示すような、胴体部1を形成することができる。
【0018】
上記構成の人形玩具によれば、腕部材2に剣や斧などの武器を保持させ、対戦相手の人形玩具と戦わせると、武器が胴体部1に突き刺さったり傷口ができたりするので対戦結果が一目にして判別でき、従来の人形玩具では得られないリアルな対戦ゲームを実現することができる。
【実施例2】
【0019】
図7(a)は、人形玩具の他の例を示し、この人形玩具Aは対戦結果を光で判断できるように骨格部材4に演出機構Cを取り付けたもので、この演出機構Cはユニットケース30の前面に押圧板31を配置し、押圧板31の押圧を検出する検出部32と、この検出部32による押圧の検出に基づいて、出力部であるLED33を点灯状態から消灯させるマイコン(プログラマブルIC)34とで構成され、ユニットケース30にケーブル35を介して接続された尻尾を模して形成された電池ユニット36に収容された電池37を電源として作動するようになっている(図7(b)参照)。
【0020】
上記検出部32は押圧板の裏面に配置されたマイクロスイッチで構成され、胸部分が対戦相手の武器で突かれた場合、図8(a)に示すように、武器の先端が胴体部1の中央に刺された場合は、押圧板31が押圧されてマイクロスイッチ32がONするのでマイコン34は点灯しているLED33を消灯させてあたかも目の輝きを失い、生命を失った状態にするようにし、図8(b)に示すように、武器の先端が胴体部1の中央を外れた場合は、押圧板31が押圧されないのでマイクロスイッチ32はONすることがなくマイコン34はLED33は点等状態を維持し、身体にダメージを受けたが、生命を失うことのないダメージであることを表示できるようにすることができるようにしたものである。
【0021】
また、図9(a)は、人形玩具のさらに他の例を示し、この人形玩具は対戦結果を音と光とで判断できるように骨格部材4に演出機構Cを取り付けたもので、この演出機構Cはユニットケース40の前面に第1の押圧板41と第2の押圧板42とを配置し、第1の押圧板41の押圧を検出する第1の検出部43と、第2の押圧板42の押圧を検出する第2の検出部44と、出力部であるLED45及びスピーカ46と、マイコン(プログラマブル音声合成IC)47とで構成され、ユニットケース40にケーブル48を介して接続された尻尾を模して形成された電池ユニット49に収容された電池50を電源として作動するようになっている(図9(b)参照)。
【0022】
上記検出部43、44は押圧板41、42の裏面に配置されたマイクロスイッチで構成され、第1の検出部43が押圧を検出した場合は、スピーカ46からダメージを受けないメッセージ(例えば、そんな攻撃はワシには利かん!)を出力し、第2の検出部44が押圧を検出した場合は、スピーカ46からダメージを受けたメッセージ(例えば、クソ・・、やられた・・)を出力するとともに、点灯しているLED45が消灯するようにしたもので、胴体部前面を対戦相手の武器で突かれた場合、武器の先端が第2の押圧板42に対応したときには、LED45が消灯して目の輝きを失い、生命を失った状態にすることができ、武器の先端が第1の押圧板41に対応したときには、身体にダメージを受けたが、生命を失うことのないダメージであることを表示できるようにしたものである。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明に係る人形玩具の一例を説明する斜視図
【図2】上記人形玩具の構成を説明する分解斜視図
【図3】(a)(b)は骨格部材の正面側斜視図及び背面側斜視図
【図4】骨格部材と腕部及び脚部との関係を説明する正面図
【図5】(a)(b)は成型型の閉じた状態及び開いた状態の斜視図
【図6】(a)〜(f)は成型型の使用態様を説明する斜視図
【図7】(a)(b)は人形玩具の他の例を示す斜視図及び演出機構の斜視図
【図8】(a)(b)は上記演出機構の作動状態を説明する斜視図
【図9】(a)(b)は人形玩具のさらに他の例を示す斜視図及び演出機構の斜視図
【符号の説明】
【0024】
1 胴体部
2 腕部材
3 脚部材
4 骨格部材
5 粘土
A 人形玩具
B 成形型
C 演出機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の要件を備えることを特徴とする人形玩具。
(イ)上記人形玩具は、頭部および胴体部の骨格を構成する骨格部材と、該骨格部材に着脱自在に形成された腕部、脚部とを備えること
(ロ)上記骨格部材に粘土を取着させ、該粘土で頭部及び胴体部分の外観を形成すること
【請求項2】
前記頭部および胴体部は成形型で形成され、該成形型は前記骨格部材は頭部及び胴体部内に収容される、請求項1記載の人形玩具。
【請求項3】
前記骨格部材に、押圧を検出する検出部と、該検出部の検出結果に基づいて音声、光の何れか一方又は両方を出力する出力部とからなる演出機構を取着した、請求項1又は2記載の人形玩具。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate