仕分け設備
【課題】本発明は、仕分けエリアへの物品の補充の不足を回避でき、補充作業者へ効率よく補充する物品を指示できる仕分け設備を提供することを目的とする。
【解決手段】補充エリア内の補充作業者が判別でき且つ見えるように、大型スクリーン25に、搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報26を一括して表示し、さらに補充エリア内で作業中の補充作業者の人数(作業者数)を表示する。これにより、各補充作業者に対して効率よく投入情報26およびその数(投入情報数)と補充作業者の人数を伝達でき、補充エリアの補充作業者は投入情報数と作業中の補充作業者の人数を常に共有・把握できる。よって、補充作業が順調に進んでいるかどうかを把握でき、投入情報26の数が増えて、あるいは補充作業者の人数が減って補充の遅れが懸念されるとき補充作業の応援を依頼でき、仕分けエリアへの入荷用容器の補充の不足を回避できる。
【解決手段】補充エリア内の補充作業者が判別でき且つ見えるように、大型スクリーン25に、搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報26を一括して表示し、さらに補充エリア内で作業中の補充作業者の人数(作業者数)を表示する。これにより、各補充作業者に対して効率よく投入情報26およびその数(投入情報数)と補充作業者の人数を伝達でき、補充エリアの補充作業者は投入情報数と作業中の補充作業者の人数を常に共有・把握できる。よって、補充作業が順調に進んでいるかどうかを把握でき、投入情報26の数が増えて、あるいは補充作業者の人数が減って補充の遅れが懸念されるとき補充作業の応援を依頼でき、仕分けエリアへの入荷用容器の補充の不足を回避できる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け設備、特にピッキング対象の物品の補充に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕分け設備では、実際に物品のピッキングを実行している仕分けエリアへの物品の補充が不足すると、仕分けの際に、仕分けしようとする物品が無くなる“欠品”の状態が発生し、仕分けが終了した後に、欠品となった物品の補充する作業を実行しなければならず、作業負担が高くなり、作業効率が悪くなる。そのために、仕分けエリアにおいて欠品が発生することがないように仕分けエリアへ物品を補充することは極めて重要とされている。
【0003】
この「仕分けエリアへ物品を補充する方法」の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、ピッキング対象の物品を保管するピッキング保管棚に対して、所定の物品を補充するよう指示(物品補充指示)を発するタイミングを、お客からの注文(オーダー情報)に基づいて仮設定し、その後、実際のピッキングの進捗状況に応じて前記物品補充指示を発するタイミングを補正することが開示されている。これにより、ピッキングの進捗状況にかかわらず、適切なタイミングで確実に、ピッキング保管棚に前記物品を補充することができる。
【0004】
また補充作業を実行する作業者(補充用の棚等に保管された物品を前記物品補充指示に基づいて取り出し、仕分けエリアへ送る作業者)に対して、前記物品補充指示は、例えば特許文献2に開示されているハンディターミナルを使用して伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4026468号公報
【特許文献2】特開2002−347911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、物品補充指示に従って、確実に且つ迅速に補充作業を実行するためには、多くの補充作業者が必要となる。しかし、仕分け設備では、いかに少ない人数で作業を行うことができるかが重視とされ、作業者の数が減らされる傾向にあり、特許文献1のようにタイミングよく物品補充指示が発生されても、人数が少ないと補充が間に合わなくなり、欠品が発生する恐れがあった。
【0007】
また各補充作業者は、補充する物品を集めるために常に移動しているために、各補充作業者に対して、効率よくハンディターミナルによって次に補充する物品を指示することは困難であった。また一般に、ハンディターミナルの画面は、小さくて見づらいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、仕分けエリアへの物品の補充の不足を回避でき、作業者へ効率よく補充する物品を指示できる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分けエリアを備えた仕分け設備であって、前記仕分けエリアに前記入荷用容器を供給する搬送ラインと、前記搬送ラインに前記入荷用容器を投入する入荷用容器の補充エリアを備え、前記補充エリアは、複数の種類の前記入荷用容器が予め置かれたる容器エリアと、前記搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報を、一括して表示する表示手段と、前記表示手段に表示される投入情報により特定される入荷用容器を、前記容器エリアから取り前記搬送ラインに投入する作業を行う各作業者に保持される送信手段とを備え、前記表示手段は、前記補充エリア内の前記作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置され、前記送信手段は、前記作業者が補充エリア内で前記作業を行うことが可能なことを知らせる在席信号を発信可能とされ、前記送信手段から発信される在席信号により、前記補充エリアで作業可能な前記作業者の人数あるいは人数に対応する量が求められ、求められた人数あるいは人数に対応する量が前記表示手段に表示されることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、補充エリア内の作業者が判別でき且つ見えるように、表示手段に、搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報が一括して表示され、さらに補充エリアで作業可能な作業者の人数、あるいは人数に対応する量が表示される。よって、各作業者に対して効率よく、投入情報およびその情報数と作業者の人数(あるいは人数に対応する量)を伝達でき、補充エリア内の作業者は、投入情報およびその情報数と人数(あるいは人数に対応する量)を常に把握・共有できる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記表示手段は、前記仕分けエリアの作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、仕分けエリアの作業者により、表示手段に表示された投入情報数と人数(あるいは人数に対応する量)により補充エリアの作業状況が把握される。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記送信手段は、前記表示手段に表示された投入情報を選択する選択信号を発信可能とされ、前記送信手段により発信される選択信号により選択された投入情報は、選択信号を発信した前記送信手段を保持する作業者により実行されることが特定され、前記表示手段における、この特定された投入情報の表示は、その表示の形態が変えられ、他の作業者は選択不能であることが表示されることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、送信手段から発信される選択信号により投入情報は特定の作業者に選択され、表示の形態が変わり、例えば背景の色が変化し、この投入情報は他の作業者から選択できないことが表示される。また表示の形態の変化により、投入情報に基づいて実際に作業が実行されていることが表示される。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記表示手段に表示される投入情報は、この投入情報により特定される入荷用容器が置かれている容器エリアの位置により、表示の形態が変えられることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、投入情報の入荷用容器が置かれている容器エリアの位置により、表示の形態が変わり、例えば文字の色が変化する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の仕分け設備は、補充エリア内の作業者が判別でき且つ見えるように、表示手段に、搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報が一括して表示され、補充エリアで作業中の作業者の人数が表示されることにより、各作業者に対して効率よく投入情報およびその情報数と作業中の作業者の人数を伝達でき、補充エリアの作業者は投入情報の情報数と人数を常に把握・共有でき、よって補充作業の遅れが懸念されるとき応援を依頼でき、仕分けエリアへの物品の補充の不足を確実に回避できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の補充エリアの平面図である。
【図2】同仕分け設備の補充エリアの要部斜視図である。
【図3】同仕分け設備の補充エリアの大型スクリーンの画面図である。
【図4】同仕分け設備の補充エリアのハンディターミナルの平面図である。
【図5】同仕分け設備の補充エリアの制御構成図である。
【図6】同仕分け設備の補充エリアの補充用コントローラのブロック図である。
【図7】同仕分け設備の補充エリアの補充用コントローラの投入情報実行部の動作を説明するフローチャートである。
【図8】(a)は本発明の他の実施の形態における仕分け設備の大型スクリーンの画面図であり、(b)は補充作業者の人数により表示エリアの色が変わることを示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態における仕分け設備の仕分けエリアに配置されるディジタル表示器の正面図である。
【図10】(a)は本発明の他の実施の形態における仕分け設備において、投入情報の数と作業者の人数によって設定される補充不足の警戒域の図であり、(b)は補充不足を報知する大型スクリーンの画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分け設備の補充エリアの平面図である。
補充エリアAは、仕分けエリアBにおいて仕分けられる物品を供給・補充するエリアである。
【0019】
前記仕分けエリアBは、補充エリアAより搬送されてきた複数の入荷用容器(物品を格納して入荷されてきた容器)より、仕分け先の物品要求情報(例えば、顧客からの注文)に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ、前記入荷用容器から取り出した物品を仕分けるエリアである。この仕分けエリアBには、例えば、前記入荷用容器を連続して格納可能な複数の間口を有する流動棚(フローラック)が配置され、この流動棚に沿って前記集品容器を搬送するコンベヤラインが配置され、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記各間口の入荷用容器から取り出された物品が、前記コンベヤラインで搬送される集品容器に投入されることにより集品(仕分け)される。そして、仕分けが終了した集品容器は、前記コンベヤラインにより出荷エリアへ搬送され、仕分け先へ出荷される。
【0020】
図1に示すように、補充エリアAと仕分けエリアBとの間に渡って、例えば物品として生鮮食料品である野菜を格納して入荷されてきた入荷用容器11を、仕分けエリアBに搬送する(供給する)搬送ライン12が備えられ、補充エリアAにおいてこの搬送ライン12に補充する入荷用容器11を投入する。
【0021】
また補充エリアAには、農業組合などの入荷先から入荷した各種の野菜が格納された入荷用容器11をそれぞれ、予め格納する複数の区画収納空間(間口)13を有する複数台(図1では10台)の棚14が備えられ、これら棚14により、複数の種類の入荷用容器11が予め置かれた容器エリアCが形成されている。
【0022】
これらの棚14は、2台の棚14毎に区画収納空間13が対向するように通路15を設けて配置され、図2に示すように、各棚14には、棚14を特定する棚ナンバー(棚を特定する情報の一例)が印刷された棚ラベル16Aが取り付けられ、区画収納空間13の各列(上下4つの区画収納空間13)には、搬送ライン12側から順に付された列ナンバー(番地;間口の配置位置の情報)が印刷された番地ラベル16Bが取り付けられている。なお、各列には、入荷先および野菜の種類が同一の入荷用容器11が格納される。
【0023】
また各入荷用容器11には、入荷用容器11を特定する容器ナンバー(入荷用容器を特定する容器特定情報の一例)と、格納されている野菜の野菜コード(物品を特定する物品特定情報の一例)およびその数量と、野菜の産地を特定する産地コード(入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報の一例)と、野菜の入荷日と、これら容器ナンバー、野菜コードおよびその数量、産地コード、および入荷日を特定するバーコード(識別情報の一例)とが印刷された入荷ラベル(識別手段)17が取り付けられている。またこの入荷用容器11の入荷ラベル17よりバーコードを読み取るバーコードリーダ(読取手段の一例)18が、搬送ライン12に沿って、仕分けエリアBへの出口位置に配置されている。
【0024】
また補充エリアAには、各棚14の区画収納空間13から取り出した入荷用容器11を搬送ライン12へ投入する補充作業を行う作業者(以下、補充作業者と称す)20が配置され、各補充作業者20には、図2に示す台車21が割り当てられている。補充作業者20は、台車21を押しながら、あるいは曳きながら通路15を移動し、搬送ライン12に投入する入荷用容器11を特定する投入情報26(詳細は後述する)に基づいて、入荷用容器11を台車21に集めて、搬送ライン12へ投入する。
[大型スクリーン25]
搬送ライン12に沿って、前記投入情報26を一括して表示する大型スクリーン(あるいは大型ディスプレイ;表示手段の一例)25が複数台(図では3台)、補充エリアAの全ての補充作業者20から表示内容を見ることができる位置、仕分けエリアBに近い大型スクリーン25は仕分けエリアBの作業者(以下、仕分け作業者と称す)から表示内容を見ることができる位置で、例えば、天井近くの位置に、少し斜めに棚14側に傾けて配置されている。また各大型スクリーン25は、同期間に発生する最大数の前記投入情報26を表示できる大きさ(形)に形成され、またその表示内容は、補充作業者20および仕分け作業者が前記投入情報26を判別できる大きさの文字(表示形態の一例)で表示されている。
【0025】
各大型スクリーン25には、図3に示すように、同一の前記投入情報26が一括して表示され、さらに補充エリアAにおいて作業中の(作業可能な)補充作業者20の人数が表示される。各投入情報26は、連続するナンバー(投入情報を特定する情報)、棚ナンバーおよび列ナンバーからなる、補充する入荷用容器11のロケーション、野菜の品名(種類)、補充する入荷用容器11の一箱の重量、補充する入荷用容器11の数量、通過数(バーコードリーダ18位置を通過した個数)および緊急度から形成されている。前記ロケーションにより、入荷用容器11が置かれている容器エリアCの位置が特定される。また前記重量は、体力や体調に応じて投入情報26を選択するときの判断材料として表示されている。
[ハンディターミナル33]
補充作業者20毎に割り当てられる台車21の把手31には、図2に示すように、アタッチメント(取付け金具)32が挟められており、このアタッチメント32にハンディターミナル(送信手段の一例)33が着脱自在に保持されている。
【0026】
ハンディターミナル33は、図4に示すように、レーザスキャナ41と、このレーザスキャナ41の左右一対のトリガーキー42と、タッチパネルディスプレイ43と、制御キー44と、マルチファンクションキー45と、テンキー46と、ファンクションキー47と、内蔵された無線通信装置(情報の伝達手段の一例)48(図5)と、この無線通信装置48のアンテナ49と、これらレーザスキャナ41、トリガーキー42、タッチパネルディスプレイ43、制御キー44、マルチファンクションキー45、テンキー46、ファンクションキー47、および無線通信装置48が接続され、ハンディターミナル33の動作を制御するコントローラ50(図5)から構成されている。制御キー44は、「機能」、「後退(バックスペース)」、レーザスキャナ41のスキャンと入力を切替える「切替」、および「電源」のキーから構成され、マルチファンクションキー45はタッチパネルディスプレイ43に表示された頁を前頁に切替える「L」、およびタッチパネルディスプレイ43に表示された頁を後頁に切替える「R」のキーから構成されている。またテンキー46には、「クリア」と「実行」のキーが設けられている。またファンクションキー47の「F1」を投入情報26の選択実行キーとして使用し、「F7」を休憩キー(補充エリアAを離れることを連絡するキー)として使用し、「F8」を開始キー(補充エリアAにおいて作業を始めることを連絡するキー)として使用している。
【0027】
コントローラ50は、ファンクションキー47の「F8」(開始キー)の操作信号により、補充作業者20が補充エリアA内で補充作業を行うことが可能なことを知らせる「在席信号」を形成し、またファンクションキー47の「F7」(休憩キー)の操作信号により補充エリアAから補充作業者20が離れたことを知らせる「不在信号」を形成し、またファンクションキー47の「F1」の操作信号およびテンキー46の操作信号により、大型スクリーン25に表示された投入情報26の中で操作されたテンキー46のナンバーの投入情報26が選択されたことを知らせる「投入情報選択信号」(投入情報26のナンバーを含む)を形成し、さらにトリガーキー42の操作によりレーザスキャナ41によって読み込まれた入荷用容器11の入荷ラベル17のバーコードにより「入荷ラベルバーコードデータ」を形成し、これら「在席信号」、「不在信号」、「投入情報選択信号」、および「入荷ラベルバーコードデータ」にそれぞれハンディターミナル33固有のコードを付して、無線通信装置48およびアンテナ49を介して送信する機能を有している。
【0028】
またコントローラ50は、アンテナ49および無線通信装置48を介して入力したデータをタッチパネルディスプレイ43へ表示する機能を有している。
また補充エリアAの天井部にはそれぞれ、ハンディターミナル33との間でデータの送受信を行う無線通信装置(情報の伝達手段の一例)51(図1、図5)が設置されている。
[補充用コントローラ55]
上記バーコードリーダ18、3台の大型スクリーン25、および無線通信装置51が接続され、補充エリアAから仕分けエリアBへの入荷用容器11の搬出を制御する、すなわち補充作業を制御する補充用コントローラ55(図5)が設けられている。補充用コントローラ55には、統括コントローラ53が接続され、仕分けエリアBへ補充する入荷用容器11の補充データが送られてくる。この補充データは、野菜コード(品名)と野菜の個数から形成される。
【0029】
補充用コントローラ55は、図6に示すように、投入情報形成部56と、受信部57と、バーコード入力部58と、投入情報26毎の投入情報実行部59と、補充作業者確認部60と、表示部61と、送信部62から構成されている。
【0030】
「投入情報形成部56」
投入情報形成部56には、予め、上記各ロケーション毎に、格納されている入荷用容器11のデータ(前記容器ナンバー、野菜コード、産地コード、入荷日、およびバーコードのデータ)が記憶され、さらに野菜毎に入荷用容器11に格納される野菜の数量(定数)のデータおよび一箱の重量と、野菜コードに対応する野菜の品名が記憶されている。
【0031】
投入情報形成部56は、統括コントローラ53に接続され、統括コントローラ53から、上記野菜コードと個数から形成される単数または複数の入荷用容器11の補充データが、一定時間(例えば、5分)毎に送られてくると、次の動作を実行する。
【0032】
まず、前記予め記憶された上記データより、補充データの野菜コードの野菜が格納された入荷用容器11のロケーションを求め、補充データの野菜の個数を満足する入荷用容器11の数量(容器の数)を求め、一箱の重量、野菜の品名を求める。
【0033】
次に、求めた入荷用容器11のロケーションおよび数量、一箱の重量、野菜の品名に、連続したナンバーを付して、投入情報26を形成する(図3参照)。
次に、後述する投入情報動作が終了している投入情報実行部59へ出力する。
【0034】
「受信部57」
上記受信部57は、無線通信装置51(受信部)に接続され、無線通信装置48、アンテナ49、および無線通信装置51を介してハンディターミナル33から送信されてくる上記「在席信号」と「不在信号」(いずれもハンディターミナル固有のコード付き)を補充作業者確認部60へ出力し、上記「投入情報選択信号」と「入荷ラベルバーコードデータ」(いずれもハンディターミナル固有のコード付き)を投入情報実行部59へ出力する。
【0035】
「バーコード入力部58」
バーコード入力部58は、バーコードリーダ18に接続され、バーコードリーダ18から入力したバーコードのデータを投入情報実行部59へ出力する。
【0036】
「補充作業者確認部60」
上記補充作業者確認部60は、受信部57より、上記「在席信号」を入力すると、添付されたハンディターミナル固有のコードを確認し、新たなコードを確認するとこのコードを記憶し、新たに補充エリアAにおいて作業を開始する補充作業者20が一人増したと確認して補充作業者の人数を一人増す。
【0037】
また受信部57より、上記「不在信号」を入力すると、添付されたハンディターミナル固有のコードを、前記記憶から削除し、補充エリアAから補充作業者20が一人離れたと確認し、補充作業者20の数を一人減らす。
【0038】
そして、現状の補充作業者20の人数を表示部61へ出力し、表示させる。また補充作業者20の人数が、所定の人数(補充作業が遅れる可能性がある人数)まで低下すると、人数不足を報知するために、人数の表示をフリッカ(点滅)させるためのアラーム信号を表示部61へ出力する。
【0039】
「投入情報実行部59」
上記各投入情報実行部59は、次のように動作する(図7参照)。なお、予め棚ナンバー毎に、上記ロケーションを表示する特有の文字の色が記憶されている。
ステップ−1〜3
投入情報形成部56より、投入情報26を入力すると、これを記憶し、表示部61へ出力する。このとき、投入情報26のロケーションにより、このロケーションを表示する色を求め、色を指定して表示部61へ出力する。
ステップ−4
各投入情報26の実行開始時間(補充作業者20により選択されるまでの時間)のカウントを開始する。
ステップ−5,6
そして、この実行開始時間が一定時間以上となったかどうかを確認し、一定時間以上となると、図3(b)に示すように、「至急」の情報を表示部61へ出力する。
ステップ−7
受信部57より上記「投入情報選択信号」を入力すると、大型スクリーン25に表示されている投入情報26が選択されたと判断し、添付されたナンバー(テンキー46の操作によるナンバー)と、記憶している投入情報26のナンバーが一致しているかを確認し、一致していると、この投入情報実行部59に記憶された投入情報26が選択されたと判断する。
ステップ−8
投入情報26が選択されると、上記「投入情報選択信号」に添付されたハンディターミナル固有のコードを記憶し、すなわちこの投入情報実行部59に記憶された投入情報26を実行するハンディターミナル33(台車21)を特定する。これにより、他のハンディターミナル33からは選択できないようにロックされる。
ステップ−9
実行開始時間のカウントを停止する。
ステップ−10
次に、投入情報26の背景の色を、図3(b)に示すように、例えば黄色に切り替えるように表示部61へ出力する。(他の補充作業者からは選択できないことを表示する。)
ステップ−11,12
次に、受信部57より上記「入荷ラベルバーコードデータ」を入力すると、すなわち棚14に格納されている入荷用容器11のバーコード情報を入力すると、ハンディターミナル固有のコードを確認し、記憶しているハンディターミナル固有のコードと一致するかどうかを確認し、一致すると入力した入荷用容器11のバーコード情報の野菜コードと、この投入情報実行部59に記憶された投入情報26の野菜コードが一致しているかどうかを確認する。
ステップ−13,14
入力した入荷用容器11のバーコード情報の野菜コードと、記憶した投入情報26の野菜コードが一致したときはOK信号、一致しなかったときはBAD信号を、ハンディターミナル固有のコードを付けて、送信部62へ出力する。一致しなかったときはステップ−11へ戻る。
ステップ−15,16
バーコード入力部58により、バーコードリーダ18から入力したバーコードのデータを入力すると、投入情報26の入荷用容器11のバーコードと一致するかを確認する。
ステップ−17
確認すると、カウントして通過数を求め、表示部61へ出力する(大型スクリーン25に表示する)。
ステップ−18,19
通過数が投入情報26の数量に達すると、表示部61へ出力する投入情報26を消去し、終了する。
【0040】
「表示部61」
上記表示部61は、3台の大型スクリーン25に接続され、各投入情報実行部59から入力した投入情報26をナンバー順に3台の大型スクリーン25に表示する。このとき、上記「ロケーションの文字色の指定」、「至急」、「背景の色の切換」、「通過数の更新」に対応する。また表示部61は、補充作業者確認部60から入力した作業者の人数を3台の大型スクリーン25に表示する。このとき補充作業者確認部60からアラーム信号を入力すると、人数の表示をフリッカさせて注意を促す。なお、フリッカに代えて、人数の表示の色を変化させてもよい。
【0041】
「送信部62」
上記送信部62は、無線通信装置51(送信部)に接続され、無線通信装置51を介してハンディターミナル33(コントローラ50)へ、各投入情報実行部59から入力されたOK信号またはBAD信号(いずれもハンディターミナル固有のコード付き)を送信する。
[作用]
以上のような補充用コントローラ55の構成により、補充エリアAで作業中の補充作業者20の人数が求められ、リアルタイムで大型スクリーン25に表示され、さらに統括コントローラ53から送られてくる補充データに基づいて投入情報26が形成され、形成された投入情報26が一括して大型スクリーン25に表示される。
【0042】
以下、上記仕分け設備の補充エリアAにおける補充作業者20の動作手順を、補充エリアA全体の作用とともに説明する。
1.補充作業者20は、補充作業を開始するとき、ハンディターミナル33の制御キー44の「電源」キーを操作して電源を入れ、続いてファンクションキー47の「F8」(開始キー)を押して、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、補充エリアAにおいて作業を始めることを連絡する。
【0043】
補充用コントローラ55は、F8キーの操作による「在席信号」を確認すると、補充作業者20の人数を一人増して、大型スクリーン25に表示する。
2.補充作業者20は、大型スクリーン25に表示されている投入情報26を確認し、実行する投入情報26(背景色が変化していない投入情報)を選択し、ハンディターミナル33のファンクションキー47の「F1」(選択実行キー)を操作し、続いてテンキー46で投入情報26のナンバーを押し、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、選択した投入情報26のナンバーを連絡する。なお、至急と表示されている投入情報26を優先して選択し、人数が少ないときは、急ぎで補充作業を実行するか、応援を依頼する。
【0044】
補充用コントローラ55は、「投入情報選択信号」に含まれる投入情報26のナンバーを確認すると、大型スクリーン25に表示している、このナンバーの投入情報26の背景色を選択済みの色(例えば、黄色)に変更する。
【0045】
3.補充作業者20は、選択した投入情報26の背景色が変わったことを確認し、選択した投入情報26に基づいて補充作業を行う。
すなわち、投入情報26により指定されたロケーションへ台車21とともに通路15を移動し、到着すると、前記ロケーションの区画収納空間13に格納された入荷用容器11の入荷ラベル17のバーコードに、ハンディターミナル33のレーザスキャナ41を当て、トリガーキー42を押してバーコードを読みこみ、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、これから取り出す(補充作業を実行する)入荷用容器11のバーコード情報を連絡する。
【0046】
補充用コントローラ55は、「入荷ラベルバーコードデータ」により入荷用容器11のバーコード情報を確認すると、投入情報26に一致した入荷用容器11かを確認し、確認結果を無線通信装置51を介してハンディターミナル33へ連絡する。一致したときはOK信号、一致しなかったときはBAD信号を出力する。これらOK信号またはBAD信号は、ハンディターミナル33のタッチパネルディスプレイ43に表示される。
【0047】
補充作業者20は、タッチパネルディスプレイ43にBADが表示されたことを確認すると、間違ったロケーションに到着したと認識し、再度投入情報26のロケーションを確認して移動し、前記バーコードの読みこみ・連絡を行う。
【0048】
また補充作業者20は、タッチパネルディスプレイ43にOKが表示されたことを確認すると、投入情報26により指定された数量の入荷用容器11を区画収納空間13から取り出して台車21に移載し、台車21を押して搬送ライン12の近くまで移動し、搬送ライン12へ投入する。
【0049】
そして、補充作業者20は、次の実行可能な投入情報26を選択する。
補充用コントローラ55は、バーコードリーダ18により、投入情報26の入荷用容器11のバーコードが読み込まれたことを確認すると、カウントして通過数を大型スクリーン25に表示し、投入情報26の数量に達すると、表示している投入情報26を消去する。
【0050】
4.補充作業者20は、補充エリアAを離れるとき、ファンクションキー47の「F7」(休憩キー)を押して、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、補充エリアAを離れることを連絡する。
【0051】
補充用コントローラ55は、F7キーの操作による「不在信号」を確認すると、補充作業者20の人数を一人減らして、大型スクリーン25に表示する。また前記所定の人数まで、補充作業者20の人数が少なくなると、人数の表示をフリッカして報知する。
【0052】
以上のように本実施の形態によれば、大型スクリーン25に、補充エリアA内の全ての補充作業者20が判別でき、且つ見えるように、搬送ライン12に投入する入荷用容器11を特定する投入情報26が一括して表示されることにより、各補充作業者20に対して効率よく投入情報26とその情報の数を伝達でき、さらに同様に補充エリアAで作業中の補充作業者20の人数が表示されることにより、補充エリアAの補充作業者20は投入情報26の情報数に加えて作業中の人数を常に共有・把握でき、よって補充作業が順調に進んでいるかどうかを把握でき、投入情報26の情報数が増えて、あるいは補充作業者20の人数が減って補充の遅れが懸念されるとき補充作業の応援を依頼でき、仕分けエリアBへの入荷用容器11の補充の不足を回避できる。また補充作業者20の人数が、所定の人数まで低下すると、人数の表示がフリッカされるので、人数が不足し、入荷用容器11の補充が不足する恐れがあることを明確に認識できる。また大型スクリーン25の採用により、ハンディターミナル33のタッチパネルディスプレイ43と比較して、投入情報26および人数を見やすくすることができる。
【0053】
また本実施の形態によれば、仕分けエリアBの作業者により、大型スクリーン25に表示された投入情報26の数(情報数)と人数により補充エリアAの作業状況が把握されることによって、仕分けエリアBの作業者は、補充の遅れが懸念されるとき、補充作業の応援に行くことができる。
【0054】
また本実施の形態によれば、ハンディターミナル33から発信される選択信号により投入情報26は特定の補充作業者20に選択され、表示の背景の色が変わることにより、各補充作業者20は、実行されている作業情報26と実行されていない作業情報26を常に共有・把握でき、実行されている作業情報は選択できないことを認識できる。
【0055】
また本実施の形態によれば、入荷用容器11が格納されているロケーションにより、投入情報26の表示の文字の色が変化することによって、補充する入荷用容器11のロケーションを、補充作業者20は認識しやすくなり、補充作業者20は近くのロケーションの投入情報26を選択することにより、作業効率を改善できる。
【0056】
なお、本実施の形態では、複数の種類の入荷用容器11が予め置かれた容器エリアCを、複数台の棚14により構成しているが、床面に縄張りされる、前記ロケーションを特定できる区画群、あるいは床面に配置される、前記ロケーションを特定できるパレット群により構成してもよい。これら各区画あるいは各パレットにそれぞれ、予め入荷用容器11が置かれる。
【0057】
また本実施の形態では、大型スクリーン25に、補充作業者20の人数を数字で、すなわちディジタルで表示しているが、図8に示すように、補充作業者20の人数に相当する量をアナログで表示するようにしてもよい。このとき、補充エリアAに補充作業のために投入できる補充作業者20の最大人数(設定値)を、補充エリアA内で補充作業を開始、または実行中の補充作業者20の人数で除算して、パーセンテージ(%;補充作業者20の人数に相当する量の一例)を求める。図8(a)では、前記補充作業者20の最大人数を100%とした長方形の形状の表示エリア71を形成し、表示エリア71の前記求めたパーセンテージの部分(面積)72をカラーで表示し、残りの部分(面積)73を白色で表示している。このように、アナログで表示すると、感覚的に補充作業者20の充足人数を把握できる。また図8(b)に示すように、パーセンテージの部分72のカラーの色を、補充作業に十分な人数のときに青色、補充作業に不具合がでる恐れがある人数のときに黄色、補充作業が遅れる人数のときに赤色で表示するようにしてもよい。これら色により、補充作業に必要な人数が足りているかどうかを直感的に知ることができる。
【0058】
また本実施の形態では、大型スクリーン25により、仕分けエリアBの仕分け作業者ヘ、補充エリアAの投入情報26の情報数と補充作業者20の人数を知らせているが、仕分けエリアB内に別途、図9に示すようなディジタル表示器75を設けて、補充エリアAの補充作業者20の数を知らせるようにしてもよい。このとき、このディジタル表示器75を補充用コントローラ55に接続し表示させる。なお、図8に示すように、アナログで表示するようにしてもよい。
【0059】
また本実施の形態では、大型スクリーン25に補充エリアAの投入情報26の情報数と補充作業者20の人数を表示して、補充作業に不具合がでるかどうかを補充作業者20または仕分け作業者に判断させているが、図10(a)に示すように、補充エリアAの投入情報26の情報数と補充作業者20の人数の組み合わせにより、補充作業に不具合がでる警戒域を設定し、この設定された警戒域に、前記情報数と人数が相当すると、図10(b)に示すように、大型スクリーン25に、「作業者至急補充」を表示させて、またはこの表示をフリッカ(点滅)させて補充作業者20または仕分け作業者に報知するようにしてもよい。図10(a)に示すように、補充エリアAの投入情報26の情報数が多く、補充作業者20の人数が少ないほど警戒域は広くなる。
【0060】
また本実施の形態では、大型スクリーン25における表示の形態の変化を、背景の色の切換、文字の色の切換により実現しているが、文字のフォント、スタイル、サイズ(大きさ)を変えることによっても実現することができる。
【0061】
また本実施の形態では、作業中の補充作業者20の人数の不足を、大型スクリーン25に表示される人数のフリッカにより知らせているが、無線通信装置51を介してハンディターミナル33へ送信して直接、補充作業者20へ知らせるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0062】
A 補充エリア
B 仕分けエリア
C 容器エリア
11 入荷用容器
12 搬送ライン
14 棚
20 補充作業者
21 台車
25 大型スクリーン
26 投入情報
33 ハンディターミナル
53 統括コントローラ
55 補充用コントローラ
【技術分野】
【0001】
本発明は、仕分け設備、特にピッキング対象の物品の補充に関するものである。
【背景技術】
【0002】
仕分け設備では、実際に物品のピッキングを実行している仕分けエリアへの物品の補充が不足すると、仕分けの際に、仕分けしようとする物品が無くなる“欠品”の状態が発生し、仕分けが終了した後に、欠品となった物品の補充する作業を実行しなければならず、作業負担が高くなり、作業効率が悪くなる。そのために、仕分けエリアにおいて欠品が発生することがないように仕分けエリアへ物品を補充することは極めて重要とされている。
【0003】
この「仕分けエリアへ物品を補充する方法」の一例が特許文献1に開示されている。
特許文献1には、ピッキング対象の物品を保管するピッキング保管棚に対して、所定の物品を補充するよう指示(物品補充指示)を発するタイミングを、お客からの注文(オーダー情報)に基づいて仮設定し、その後、実際のピッキングの進捗状況に応じて前記物品補充指示を発するタイミングを補正することが開示されている。これにより、ピッキングの進捗状況にかかわらず、適切なタイミングで確実に、ピッキング保管棚に前記物品を補充することができる。
【0004】
また補充作業を実行する作業者(補充用の棚等に保管された物品を前記物品補充指示に基づいて取り出し、仕分けエリアへ送る作業者)に対して、前記物品補充指示は、例えば特許文献2に開示されているハンディターミナルを使用して伝達される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4026468号公報
【特許文献2】特開2002−347911号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従来、物品補充指示に従って、確実に且つ迅速に補充作業を実行するためには、多くの補充作業者が必要となる。しかし、仕分け設備では、いかに少ない人数で作業を行うことができるかが重視とされ、作業者の数が減らされる傾向にあり、特許文献1のようにタイミングよく物品補充指示が発生されても、人数が少ないと補充が間に合わなくなり、欠品が発生する恐れがあった。
【0007】
また各補充作業者は、補充する物品を集めるために常に移動しているために、各補充作業者に対して、効率よくハンディターミナルによって次に補充する物品を指示することは困難であった。また一般に、ハンディターミナルの画面は、小さくて見づらいという問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、仕分けエリアへの物品の補充の不足を回避でき、作業者へ効率よく補充する物品を指示できる仕分け設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前述した目的を達成するために、本発明のうち請求項1に記載の発明は、物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分けエリアを備えた仕分け設備であって、前記仕分けエリアに前記入荷用容器を供給する搬送ラインと、前記搬送ラインに前記入荷用容器を投入する入荷用容器の補充エリアを備え、前記補充エリアは、複数の種類の前記入荷用容器が予め置かれたる容器エリアと、前記搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報を、一括して表示する表示手段と、前記表示手段に表示される投入情報により特定される入荷用容器を、前記容器エリアから取り前記搬送ラインに投入する作業を行う各作業者に保持される送信手段とを備え、前記表示手段は、前記補充エリア内の前記作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置され、前記送信手段は、前記作業者が補充エリア内で前記作業を行うことが可能なことを知らせる在席信号を発信可能とされ、前記送信手段から発信される在席信号により、前記補充エリアで作業可能な前記作業者の人数あるいは人数に対応する量が求められ、求められた人数あるいは人数に対応する量が前記表示手段に表示されることを特徴とするものである。
【0010】
上記構成によれば、補充エリア内の作業者が判別でき且つ見えるように、表示手段に、搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報が一括して表示され、さらに補充エリアで作業可能な作業者の人数、あるいは人数に対応する量が表示される。よって、各作業者に対して効率よく、投入情報およびその情報数と作業者の人数(あるいは人数に対応する量)を伝達でき、補充エリア内の作業者は、投入情報およびその情報数と人数(あるいは人数に対応する量)を常に把握・共有できる。
【0011】
また請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明であって、前記表示手段は、前記仕分けエリアの作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置されていることを特徴とするものである。
【0012】
上記構成によれば、仕分けエリアの作業者により、表示手段に表示された投入情報数と人数(あるいは人数に対応する量)により補充エリアの作業状況が把握される。
また請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の発明であって、前記送信手段は、前記表示手段に表示された投入情報を選択する選択信号を発信可能とされ、前記送信手段により発信される選択信号により選択された投入情報は、選択信号を発信した前記送信手段を保持する作業者により実行されることが特定され、前記表示手段における、この特定された投入情報の表示は、その表示の形態が変えられ、他の作業者は選択不能であることが表示されることを特徴とするものである。
【0013】
上記構成によれば、送信手段から発信される選択信号により投入情報は特定の作業者に選択され、表示の形態が変わり、例えば背景の色が変化し、この投入情報は他の作業者から選択できないことが表示される。また表示の形態の変化により、投入情報に基づいて実際に作業が実行されていることが表示される。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の発明であって、前記表示手段に表示される投入情報は、この投入情報により特定される入荷用容器が置かれている容器エリアの位置により、表示の形態が変えられることを特徴とするものである。
【0015】
上記構成によれば、投入情報の入荷用容器が置かれている容器エリアの位置により、表示の形態が変わり、例えば文字の色が変化する。
【発明の効果】
【0016】
本発明の仕分け設備は、補充エリア内の作業者が判別でき且つ見えるように、表示手段に、搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報が一括して表示され、補充エリアで作業中の作業者の人数が表示されることにより、各作業者に対して効率よく投入情報およびその情報数と作業中の作業者の人数を伝達でき、補充エリアの作業者は投入情報の情報数と人数を常に把握・共有でき、よって補充作業の遅れが懸念されるとき応援を依頼でき、仕分けエリアへの物品の補充の不足を確実に回避できる、という効果を有している。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態における仕分け設備の補充エリアの平面図である。
【図2】同仕分け設備の補充エリアの要部斜視図である。
【図3】同仕分け設備の補充エリアの大型スクリーンの画面図である。
【図4】同仕分け設備の補充エリアのハンディターミナルの平面図である。
【図5】同仕分け設備の補充エリアの制御構成図である。
【図6】同仕分け設備の補充エリアの補充用コントローラのブロック図である。
【図7】同仕分け設備の補充エリアの補充用コントローラの投入情報実行部の動作を説明するフローチャートである。
【図8】(a)は本発明の他の実施の形態における仕分け設備の大型スクリーンの画面図であり、(b)は補充作業者の人数により表示エリアの色が変わることを示す図である。
【図9】本発明の他の実施の形態における仕分け設備の仕分けエリアに配置されるディジタル表示器の正面図である。
【図10】(a)は本発明の他の実施の形態における仕分け設備において、投入情報の数と作業者の人数によって設定される補充不足の警戒域の図であり、(b)は補充不足を報知する大型スクリーンの画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の実施の形態における仕分け設備の補充エリアの平面図である。
補充エリアAは、仕分けエリアBにおいて仕分けられる物品を供給・補充するエリアである。
【0019】
前記仕分けエリアBは、補充エリアAより搬送されてきた複数の入荷用容器(物品を格納して入荷されてきた容器)より、仕分け先の物品要求情報(例えば、顧客からの注文)に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ、前記入荷用容器から取り出した物品を仕分けるエリアである。この仕分けエリアBには、例えば、前記入荷用容器を連続して格納可能な複数の間口を有する流動棚(フローラック)が配置され、この流動棚に沿って前記集品容器を搬送するコンベヤラインが配置され、前記仕分け先の物品要求情報に応じて前記各間口の入荷用容器から取り出された物品が、前記コンベヤラインで搬送される集品容器に投入されることにより集品(仕分け)される。そして、仕分けが終了した集品容器は、前記コンベヤラインにより出荷エリアへ搬送され、仕分け先へ出荷される。
【0020】
図1に示すように、補充エリアAと仕分けエリアBとの間に渡って、例えば物品として生鮮食料品である野菜を格納して入荷されてきた入荷用容器11を、仕分けエリアBに搬送する(供給する)搬送ライン12が備えられ、補充エリアAにおいてこの搬送ライン12に補充する入荷用容器11を投入する。
【0021】
また補充エリアAには、農業組合などの入荷先から入荷した各種の野菜が格納された入荷用容器11をそれぞれ、予め格納する複数の区画収納空間(間口)13を有する複数台(図1では10台)の棚14が備えられ、これら棚14により、複数の種類の入荷用容器11が予め置かれた容器エリアCが形成されている。
【0022】
これらの棚14は、2台の棚14毎に区画収納空間13が対向するように通路15を設けて配置され、図2に示すように、各棚14には、棚14を特定する棚ナンバー(棚を特定する情報の一例)が印刷された棚ラベル16Aが取り付けられ、区画収納空間13の各列(上下4つの区画収納空間13)には、搬送ライン12側から順に付された列ナンバー(番地;間口の配置位置の情報)が印刷された番地ラベル16Bが取り付けられている。なお、各列には、入荷先および野菜の種類が同一の入荷用容器11が格納される。
【0023】
また各入荷用容器11には、入荷用容器11を特定する容器ナンバー(入荷用容器を特定する容器特定情報の一例)と、格納されている野菜の野菜コード(物品を特定する物品特定情報の一例)およびその数量と、野菜の産地を特定する産地コード(入荷用容器の入荷先を特定する入荷先特定情報の一例)と、野菜の入荷日と、これら容器ナンバー、野菜コードおよびその数量、産地コード、および入荷日を特定するバーコード(識別情報の一例)とが印刷された入荷ラベル(識別手段)17が取り付けられている。またこの入荷用容器11の入荷ラベル17よりバーコードを読み取るバーコードリーダ(読取手段の一例)18が、搬送ライン12に沿って、仕分けエリアBへの出口位置に配置されている。
【0024】
また補充エリアAには、各棚14の区画収納空間13から取り出した入荷用容器11を搬送ライン12へ投入する補充作業を行う作業者(以下、補充作業者と称す)20が配置され、各補充作業者20には、図2に示す台車21が割り当てられている。補充作業者20は、台車21を押しながら、あるいは曳きながら通路15を移動し、搬送ライン12に投入する入荷用容器11を特定する投入情報26(詳細は後述する)に基づいて、入荷用容器11を台車21に集めて、搬送ライン12へ投入する。
[大型スクリーン25]
搬送ライン12に沿って、前記投入情報26を一括して表示する大型スクリーン(あるいは大型ディスプレイ;表示手段の一例)25が複数台(図では3台)、補充エリアAの全ての補充作業者20から表示内容を見ることができる位置、仕分けエリアBに近い大型スクリーン25は仕分けエリアBの作業者(以下、仕分け作業者と称す)から表示内容を見ることができる位置で、例えば、天井近くの位置に、少し斜めに棚14側に傾けて配置されている。また各大型スクリーン25は、同期間に発生する最大数の前記投入情報26を表示できる大きさ(形)に形成され、またその表示内容は、補充作業者20および仕分け作業者が前記投入情報26を判別できる大きさの文字(表示形態の一例)で表示されている。
【0025】
各大型スクリーン25には、図3に示すように、同一の前記投入情報26が一括して表示され、さらに補充エリアAにおいて作業中の(作業可能な)補充作業者20の人数が表示される。各投入情報26は、連続するナンバー(投入情報を特定する情報)、棚ナンバーおよび列ナンバーからなる、補充する入荷用容器11のロケーション、野菜の品名(種類)、補充する入荷用容器11の一箱の重量、補充する入荷用容器11の数量、通過数(バーコードリーダ18位置を通過した個数)および緊急度から形成されている。前記ロケーションにより、入荷用容器11が置かれている容器エリアCの位置が特定される。また前記重量は、体力や体調に応じて投入情報26を選択するときの判断材料として表示されている。
[ハンディターミナル33]
補充作業者20毎に割り当てられる台車21の把手31には、図2に示すように、アタッチメント(取付け金具)32が挟められており、このアタッチメント32にハンディターミナル(送信手段の一例)33が着脱自在に保持されている。
【0026】
ハンディターミナル33は、図4に示すように、レーザスキャナ41と、このレーザスキャナ41の左右一対のトリガーキー42と、タッチパネルディスプレイ43と、制御キー44と、マルチファンクションキー45と、テンキー46と、ファンクションキー47と、内蔵された無線通信装置(情報の伝達手段の一例)48(図5)と、この無線通信装置48のアンテナ49と、これらレーザスキャナ41、トリガーキー42、タッチパネルディスプレイ43、制御キー44、マルチファンクションキー45、テンキー46、ファンクションキー47、および無線通信装置48が接続され、ハンディターミナル33の動作を制御するコントローラ50(図5)から構成されている。制御キー44は、「機能」、「後退(バックスペース)」、レーザスキャナ41のスキャンと入力を切替える「切替」、および「電源」のキーから構成され、マルチファンクションキー45はタッチパネルディスプレイ43に表示された頁を前頁に切替える「L」、およびタッチパネルディスプレイ43に表示された頁を後頁に切替える「R」のキーから構成されている。またテンキー46には、「クリア」と「実行」のキーが設けられている。またファンクションキー47の「F1」を投入情報26の選択実行キーとして使用し、「F7」を休憩キー(補充エリアAを離れることを連絡するキー)として使用し、「F8」を開始キー(補充エリアAにおいて作業を始めることを連絡するキー)として使用している。
【0027】
コントローラ50は、ファンクションキー47の「F8」(開始キー)の操作信号により、補充作業者20が補充エリアA内で補充作業を行うことが可能なことを知らせる「在席信号」を形成し、またファンクションキー47の「F7」(休憩キー)の操作信号により補充エリアAから補充作業者20が離れたことを知らせる「不在信号」を形成し、またファンクションキー47の「F1」の操作信号およびテンキー46の操作信号により、大型スクリーン25に表示された投入情報26の中で操作されたテンキー46のナンバーの投入情報26が選択されたことを知らせる「投入情報選択信号」(投入情報26のナンバーを含む)を形成し、さらにトリガーキー42の操作によりレーザスキャナ41によって読み込まれた入荷用容器11の入荷ラベル17のバーコードにより「入荷ラベルバーコードデータ」を形成し、これら「在席信号」、「不在信号」、「投入情報選択信号」、および「入荷ラベルバーコードデータ」にそれぞれハンディターミナル33固有のコードを付して、無線通信装置48およびアンテナ49を介して送信する機能を有している。
【0028】
またコントローラ50は、アンテナ49および無線通信装置48を介して入力したデータをタッチパネルディスプレイ43へ表示する機能を有している。
また補充エリアAの天井部にはそれぞれ、ハンディターミナル33との間でデータの送受信を行う無線通信装置(情報の伝達手段の一例)51(図1、図5)が設置されている。
[補充用コントローラ55]
上記バーコードリーダ18、3台の大型スクリーン25、および無線通信装置51が接続され、補充エリアAから仕分けエリアBへの入荷用容器11の搬出を制御する、すなわち補充作業を制御する補充用コントローラ55(図5)が設けられている。補充用コントローラ55には、統括コントローラ53が接続され、仕分けエリアBへ補充する入荷用容器11の補充データが送られてくる。この補充データは、野菜コード(品名)と野菜の個数から形成される。
【0029】
補充用コントローラ55は、図6に示すように、投入情報形成部56と、受信部57と、バーコード入力部58と、投入情報26毎の投入情報実行部59と、補充作業者確認部60と、表示部61と、送信部62から構成されている。
【0030】
「投入情報形成部56」
投入情報形成部56には、予め、上記各ロケーション毎に、格納されている入荷用容器11のデータ(前記容器ナンバー、野菜コード、産地コード、入荷日、およびバーコードのデータ)が記憶され、さらに野菜毎に入荷用容器11に格納される野菜の数量(定数)のデータおよび一箱の重量と、野菜コードに対応する野菜の品名が記憶されている。
【0031】
投入情報形成部56は、統括コントローラ53に接続され、統括コントローラ53から、上記野菜コードと個数から形成される単数または複数の入荷用容器11の補充データが、一定時間(例えば、5分)毎に送られてくると、次の動作を実行する。
【0032】
まず、前記予め記憶された上記データより、補充データの野菜コードの野菜が格納された入荷用容器11のロケーションを求め、補充データの野菜の個数を満足する入荷用容器11の数量(容器の数)を求め、一箱の重量、野菜の品名を求める。
【0033】
次に、求めた入荷用容器11のロケーションおよび数量、一箱の重量、野菜の品名に、連続したナンバーを付して、投入情報26を形成する(図3参照)。
次に、後述する投入情報動作が終了している投入情報実行部59へ出力する。
【0034】
「受信部57」
上記受信部57は、無線通信装置51(受信部)に接続され、無線通信装置48、アンテナ49、および無線通信装置51を介してハンディターミナル33から送信されてくる上記「在席信号」と「不在信号」(いずれもハンディターミナル固有のコード付き)を補充作業者確認部60へ出力し、上記「投入情報選択信号」と「入荷ラベルバーコードデータ」(いずれもハンディターミナル固有のコード付き)を投入情報実行部59へ出力する。
【0035】
「バーコード入力部58」
バーコード入力部58は、バーコードリーダ18に接続され、バーコードリーダ18から入力したバーコードのデータを投入情報実行部59へ出力する。
【0036】
「補充作業者確認部60」
上記補充作業者確認部60は、受信部57より、上記「在席信号」を入力すると、添付されたハンディターミナル固有のコードを確認し、新たなコードを確認するとこのコードを記憶し、新たに補充エリアAにおいて作業を開始する補充作業者20が一人増したと確認して補充作業者の人数を一人増す。
【0037】
また受信部57より、上記「不在信号」を入力すると、添付されたハンディターミナル固有のコードを、前記記憶から削除し、補充エリアAから補充作業者20が一人離れたと確認し、補充作業者20の数を一人減らす。
【0038】
そして、現状の補充作業者20の人数を表示部61へ出力し、表示させる。また補充作業者20の人数が、所定の人数(補充作業が遅れる可能性がある人数)まで低下すると、人数不足を報知するために、人数の表示をフリッカ(点滅)させるためのアラーム信号を表示部61へ出力する。
【0039】
「投入情報実行部59」
上記各投入情報実行部59は、次のように動作する(図7参照)。なお、予め棚ナンバー毎に、上記ロケーションを表示する特有の文字の色が記憶されている。
ステップ−1〜3
投入情報形成部56より、投入情報26を入力すると、これを記憶し、表示部61へ出力する。このとき、投入情報26のロケーションにより、このロケーションを表示する色を求め、色を指定して表示部61へ出力する。
ステップ−4
各投入情報26の実行開始時間(補充作業者20により選択されるまでの時間)のカウントを開始する。
ステップ−5,6
そして、この実行開始時間が一定時間以上となったかどうかを確認し、一定時間以上となると、図3(b)に示すように、「至急」の情報を表示部61へ出力する。
ステップ−7
受信部57より上記「投入情報選択信号」を入力すると、大型スクリーン25に表示されている投入情報26が選択されたと判断し、添付されたナンバー(テンキー46の操作によるナンバー)と、記憶している投入情報26のナンバーが一致しているかを確認し、一致していると、この投入情報実行部59に記憶された投入情報26が選択されたと判断する。
ステップ−8
投入情報26が選択されると、上記「投入情報選択信号」に添付されたハンディターミナル固有のコードを記憶し、すなわちこの投入情報実行部59に記憶された投入情報26を実行するハンディターミナル33(台車21)を特定する。これにより、他のハンディターミナル33からは選択できないようにロックされる。
ステップ−9
実行開始時間のカウントを停止する。
ステップ−10
次に、投入情報26の背景の色を、図3(b)に示すように、例えば黄色に切り替えるように表示部61へ出力する。(他の補充作業者からは選択できないことを表示する。)
ステップ−11,12
次に、受信部57より上記「入荷ラベルバーコードデータ」を入力すると、すなわち棚14に格納されている入荷用容器11のバーコード情報を入力すると、ハンディターミナル固有のコードを確認し、記憶しているハンディターミナル固有のコードと一致するかどうかを確認し、一致すると入力した入荷用容器11のバーコード情報の野菜コードと、この投入情報実行部59に記憶された投入情報26の野菜コードが一致しているかどうかを確認する。
ステップ−13,14
入力した入荷用容器11のバーコード情報の野菜コードと、記憶した投入情報26の野菜コードが一致したときはOK信号、一致しなかったときはBAD信号を、ハンディターミナル固有のコードを付けて、送信部62へ出力する。一致しなかったときはステップ−11へ戻る。
ステップ−15,16
バーコード入力部58により、バーコードリーダ18から入力したバーコードのデータを入力すると、投入情報26の入荷用容器11のバーコードと一致するかを確認する。
ステップ−17
確認すると、カウントして通過数を求め、表示部61へ出力する(大型スクリーン25に表示する)。
ステップ−18,19
通過数が投入情報26の数量に達すると、表示部61へ出力する投入情報26を消去し、終了する。
【0040】
「表示部61」
上記表示部61は、3台の大型スクリーン25に接続され、各投入情報実行部59から入力した投入情報26をナンバー順に3台の大型スクリーン25に表示する。このとき、上記「ロケーションの文字色の指定」、「至急」、「背景の色の切換」、「通過数の更新」に対応する。また表示部61は、補充作業者確認部60から入力した作業者の人数を3台の大型スクリーン25に表示する。このとき補充作業者確認部60からアラーム信号を入力すると、人数の表示をフリッカさせて注意を促す。なお、フリッカに代えて、人数の表示の色を変化させてもよい。
【0041】
「送信部62」
上記送信部62は、無線通信装置51(送信部)に接続され、無線通信装置51を介してハンディターミナル33(コントローラ50)へ、各投入情報実行部59から入力されたOK信号またはBAD信号(いずれもハンディターミナル固有のコード付き)を送信する。
[作用]
以上のような補充用コントローラ55の構成により、補充エリアAで作業中の補充作業者20の人数が求められ、リアルタイムで大型スクリーン25に表示され、さらに統括コントローラ53から送られてくる補充データに基づいて投入情報26が形成され、形成された投入情報26が一括して大型スクリーン25に表示される。
【0042】
以下、上記仕分け設備の補充エリアAにおける補充作業者20の動作手順を、補充エリアA全体の作用とともに説明する。
1.補充作業者20は、補充作業を開始するとき、ハンディターミナル33の制御キー44の「電源」キーを操作して電源を入れ、続いてファンクションキー47の「F8」(開始キー)を押して、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、補充エリアAにおいて作業を始めることを連絡する。
【0043】
補充用コントローラ55は、F8キーの操作による「在席信号」を確認すると、補充作業者20の人数を一人増して、大型スクリーン25に表示する。
2.補充作業者20は、大型スクリーン25に表示されている投入情報26を確認し、実行する投入情報26(背景色が変化していない投入情報)を選択し、ハンディターミナル33のファンクションキー47の「F1」(選択実行キー)を操作し、続いてテンキー46で投入情報26のナンバーを押し、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、選択した投入情報26のナンバーを連絡する。なお、至急と表示されている投入情報26を優先して選択し、人数が少ないときは、急ぎで補充作業を実行するか、応援を依頼する。
【0044】
補充用コントローラ55は、「投入情報選択信号」に含まれる投入情報26のナンバーを確認すると、大型スクリーン25に表示している、このナンバーの投入情報26の背景色を選択済みの色(例えば、黄色)に変更する。
【0045】
3.補充作業者20は、選択した投入情報26の背景色が変わったことを確認し、選択した投入情報26に基づいて補充作業を行う。
すなわち、投入情報26により指定されたロケーションへ台車21とともに通路15を移動し、到着すると、前記ロケーションの区画収納空間13に格納された入荷用容器11の入荷ラベル17のバーコードに、ハンディターミナル33のレーザスキャナ41を当て、トリガーキー42を押してバーコードを読みこみ、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、これから取り出す(補充作業を実行する)入荷用容器11のバーコード情報を連絡する。
【0046】
補充用コントローラ55は、「入荷ラベルバーコードデータ」により入荷用容器11のバーコード情報を確認すると、投入情報26に一致した入荷用容器11かを確認し、確認結果を無線通信装置51を介してハンディターミナル33へ連絡する。一致したときはOK信号、一致しなかったときはBAD信号を出力する。これらOK信号またはBAD信号は、ハンディターミナル33のタッチパネルディスプレイ43に表示される。
【0047】
補充作業者20は、タッチパネルディスプレイ43にBADが表示されたことを確認すると、間違ったロケーションに到着したと認識し、再度投入情報26のロケーションを確認して移動し、前記バーコードの読みこみ・連絡を行う。
【0048】
また補充作業者20は、タッチパネルディスプレイ43にOKが表示されたことを確認すると、投入情報26により指定された数量の入荷用容器11を区画収納空間13から取り出して台車21に移載し、台車21を押して搬送ライン12の近くまで移動し、搬送ライン12へ投入する。
【0049】
そして、補充作業者20は、次の実行可能な投入情報26を選択する。
補充用コントローラ55は、バーコードリーダ18により、投入情報26の入荷用容器11のバーコードが読み込まれたことを確認すると、カウントして通過数を大型スクリーン25に表示し、投入情報26の数量に達すると、表示している投入情報26を消去する。
【0050】
4.補充作業者20は、補充エリアAを離れるとき、ファンクションキー47の「F7」(休憩キー)を押して、無線通信装置51を介して補充用コントローラ55に、補充エリアAを離れることを連絡する。
【0051】
補充用コントローラ55は、F7キーの操作による「不在信号」を確認すると、補充作業者20の人数を一人減らして、大型スクリーン25に表示する。また前記所定の人数まで、補充作業者20の人数が少なくなると、人数の表示をフリッカして報知する。
【0052】
以上のように本実施の形態によれば、大型スクリーン25に、補充エリアA内の全ての補充作業者20が判別でき、且つ見えるように、搬送ライン12に投入する入荷用容器11を特定する投入情報26が一括して表示されることにより、各補充作業者20に対して効率よく投入情報26とその情報の数を伝達でき、さらに同様に補充エリアAで作業中の補充作業者20の人数が表示されることにより、補充エリアAの補充作業者20は投入情報26の情報数に加えて作業中の人数を常に共有・把握でき、よって補充作業が順調に進んでいるかどうかを把握でき、投入情報26の情報数が増えて、あるいは補充作業者20の人数が減って補充の遅れが懸念されるとき補充作業の応援を依頼でき、仕分けエリアBへの入荷用容器11の補充の不足を回避できる。また補充作業者20の人数が、所定の人数まで低下すると、人数の表示がフリッカされるので、人数が不足し、入荷用容器11の補充が不足する恐れがあることを明確に認識できる。また大型スクリーン25の採用により、ハンディターミナル33のタッチパネルディスプレイ43と比較して、投入情報26および人数を見やすくすることができる。
【0053】
また本実施の形態によれば、仕分けエリアBの作業者により、大型スクリーン25に表示された投入情報26の数(情報数)と人数により補充エリアAの作業状況が把握されることによって、仕分けエリアBの作業者は、補充の遅れが懸念されるとき、補充作業の応援に行くことができる。
【0054】
また本実施の形態によれば、ハンディターミナル33から発信される選択信号により投入情報26は特定の補充作業者20に選択され、表示の背景の色が変わることにより、各補充作業者20は、実行されている作業情報26と実行されていない作業情報26を常に共有・把握でき、実行されている作業情報は選択できないことを認識できる。
【0055】
また本実施の形態によれば、入荷用容器11が格納されているロケーションにより、投入情報26の表示の文字の色が変化することによって、補充する入荷用容器11のロケーションを、補充作業者20は認識しやすくなり、補充作業者20は近くのロケーションの投入情報26を選択することにより、作業効率を改善できる。
【0056】
なお、本実施の形態では、複数の種類の入荷用容器11が予め置かれた容器エリアCを、複数台の棚14により構成しているが、床面に縄張りされる、前記ロケーションを特定できる区画群、あるいは床面に配置される、前記ロケーションを特定できるパレット群により構成してもよい。これら各区画あるいは各パレットにそれぞれ、予め入荷用容器11が置かれる。
【0057】
また本実施の形態では、大型スクリーン25に、補充作業者20の人数を数字で、すなわちディジタルで表示しているが、図8に示すように、補充作業者20の人数に相当する量をアナログで表示するようにしてもよい。このとき、補充エリアAに補充作業のために投入できる補充作業者20の最大人数(設定値)を、補充エリアA内で補充作業を開始、または実行中の補充作業者20の人数で除算して、パーセンテージ(%;補充作業者20の人数に相当する量の一例)を求める。図8(a)では、前記補充作業者20の最大人数を100%とした長方形の形状の表示エリア71を形成し、表示エリア71の前記求めたパーセンテージの部分(面積)72をカラーで表示し、残りの部分(面積)73を白色で表示している。このように、アナログで表示すると、感覚的に補充作業者20の充足人数を把握できる。また図8(b)に示すように、パーセンテージの部分72のカラーの色を、補充作業に十分な人数のときに青色、補充作業に不具合がでる恐れがある人数のときに黄色、補充作業が遅れる人数のときに赤色で表示するようにしてもよい。これら色により、補充作業に必要な人数が足りているかどうかを直感的に知ることができる。
【0058】
また本実施の形態では、大型スクリーン25により、仕分けエリアBの仕分け作業者ヘ、補充エリアAの投入情報26の情報数と補充作業者20の人数を知らせているが、仕分けエリアB内に別途、図9に示すようなディジタル表示器75を設けて、補充エリアAの補充作業者20の数を知らせるようにしてもよい。このとき、このディジタル表示器75を補充用コントローラ55に接続し表示させる。なお、図8に示すように、アナログで表示するようにしてもよい。
【0059】
また本実施の形態では、大型スクリーン25に補充エリアAの投入情報26の情報数と補充作業者20の人数を表示して、補充作業に不具合がでるかどうかを補充作業者20または仕分け作業者に判断させているが、図10(a)に示すように、補充エリアAの投入情報26の情報数と補充作業者20の人数の組み合わせにより、補充作業に不具合がでる警戒域を設定し、この設定された警戒域に、前記情報数と人数が相当すると、図10(b)に示すように、大型スクリーン25に、「作業者至急補充」を表示させて、またはこの表示をフリッカ(点滅)させて補充作業者20または仕分け作業者に報知するようにしてもよい。図10(a)に示すように、補充エリアAの投入情報26の情報数が多く、補充作業者20の人数が少ないほど警戒域は広くなる。
【0060】
また本実施の形態では、大型スクリーン25における表示の形態の変化を、背景の色の切換、文字の色の切換により実現しているが、文字のフォント、スタイル、サイズ(大きさ)を変えることによっても実現することができる。
【0061】
また本実施の形態では、作業中の補充作業者20の人数の不足を、大型スクリーン25に表示される人数のフリッカにより知らせているが、無線通信装置51を介してハンディターミナル33へ送信して直接、補充作業者20へ知らせるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0062】
A 補充エリア
B 仕分けエリア
C 容器エリア
11 入荷用容器
12 搬送ライン
14 棚
20 補充作業者
21 台車
25 大型スクリーン
26 投入情報
33 ハンディターミナル
53 統括コントローラ
55 補充用コントローラ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分けエリアを備えた仕分け設備であって、
前記仕分けエリアに前記入荷用容器を供給する搬送ラインと、
前記搬送ラインに前記入荷用容器を投入する入荷用容器の補充エリア
を備え、
前記補充エリアは、
複数の種類の前記入荷用容器が予め置かれたる容器エリアと、
前記搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報を、一括して表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される投入情報により特定される入荷用容器を、前記容器エリアから取り、前記搬送ラインに投入する作業を行う各作業者に保持される送信手段と
を備え、
前記表示手段は、前記補充エリア内の前記作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置され、
前記送信手段は、前記作業者が補充エリア内で前記作業を行うことが可能なことを知らせる在席信号を発信可能とされ、
前記送信手段から発信される在席信号により、前記補充エリアで作業可能な前記作業者の人数あるいは人数に対応する量が求められ、求められた人数あるいは人数に対応する量が前記表示手段に表示されること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記表示手段は、前記仕分けエリアの作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記送信手段は、前記表示手段に表示された投入情報を選択する選択信号を発信可能とされ、
前記送信手段により発信される選択信号により選択された投入情報は、選択信号を発信した前記送信手段を保持する作業者により実行されることが特定され、前記表示手段における、この特定された投入情報の表示は、その表示の形態が変えられ、他の作業者は選択不能であることが表示されること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記表示手段に表示される投入情報は、この投入情報により特定される入荷用容器が置かれている容器エリアの位置により、表示の形態が変えられること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【請求項1】
物品を格納して入荷されてきた複数の入荷用容器より、仕分け先の物品要求情報に応じて、前記各仕分け先に割り当てられた集品容器にそれぞれ前記物品を仕分ける仕分けエリアを備えた仕分け設備であって、
前記仕分けエリアに前記入荷用容器を供給する搬送ラインと、
前記搬送ラインに前記入荷用容器を投入する入荷用容器の補充エリア
を備え、
前記補充エリアは、
複数の種類の前記入荷用容器が予め置かれたる容器エリアと、
前記搬送ラインに投入する入荷用容器を特定する投入情報を、一括して表示する表示手段と、
前記表示手段に表示される投入情報により特定される入荷用容器を、前記容器エリアから取り、前記搬送ラインに投入する作業を行う各作業者に保持される送信手段と
を備え、
前記表示手段は、前記補充エリア内の前記作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置され、
前記送信手段は、前記作業者が補充エリア内で前記作業を行うことが可能なことを知らせる在席信号を発信可能とされ、
前記送信手段から発信される在席信号により、前記補充エリアで作業可能な前記作業者の人数あるいは人数に対応する量が求められ、求められた人数あるいは人数に対応する量が前記表示手段に表示されること
を特徴とする仕分け設備。
【請求項2】
前記表示手段は、前記仕分けエリアの作業者が前記投入情報を判別できる大きさで、且つ見える位置に配置されていること
を特徴とする請求項1に記載の仕分け設備。
【請求項3】
前記送信手段は、前記表示手段に表示された投入情報を選択する選択信号を発信可能とされ、
前記送信手段により発信される選択信号により選択された投入情報は、選択信号を発信した前記送信手段を保持する作業者により実行されることが特定され、前記表示手段における、この特定された投入情報の表示は、その表示の形態が変えられ、他の作業者は選択不能であることが表示されること
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の仕分け設備。
【請求項4】
前記表示手段に表示される投入情報は、この投入情報により特定される入荷用容器が置かれている容器エリアの位置により、表示の形態が変えられること
を特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の仕分け設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2010−189151(P2010−189151A)
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−35980(P2009−35980)
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月2日(2010.9.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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