説明

仕分設備

【課題】仕分装置の高能力化を図りながら、デットロック状態の発生を回避して、各分岐部に対して複数の仕分けグループのうち予め定めた優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させることができる仕分設備の提供。
【解決手段】仕分制御手段は、出庫要求された物品Bのうち、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bについて、複数の受取搬送手段10の夫々が合流搬送手段11に向けて複数の仕分けグループのうちの予め定められた優先順位の高い仕分けグループの物品Bから搬送するように、複数の保管装置2の夫々における出庫部1への物品Bの出庫及び複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行うべく、複数の保管装置2の夫々の作動及び複数の払い出し手段3の夫々の作動を制御するグループ制御を行うように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の物品を保管可能で且つ保管されている物品を出庫部に出庫可能な複数の保管装置と、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部から払い出し手段により払い出される物品を搬送し、その物品を複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させる仕分装置と、前記保管装置に保管されている物品のうち出庫要求された物品を前記出庫部に出庫させるように前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、前記複数の出庫部の夫々において前記払い出し手段により払い出される物品を搬送して前記複数の分岐部のうち仕分け先として選択された分岐部に分岐搬送させるように前記仕分装置の作動を制御する仕分制御手段とを備えた仕分設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような仕分設備は、複数の保管装置の夫々において物品を出庫部に出庫し、仕分装置が、各出庫部から払い出し手段にて払い出される物品を受け取って搬送して仕分け先として選択された分岐部に分岐搬送する。これにより、出庫要求された物品を、複数の保管装置の夫々から出庫しながら、複数の分岐部の夫々に仕分けるようにしている。よって、例えば、複数の店舗に物品を出荷する仕分設備においては、店舗ごとに分岐部を割り当てることにより、店舗ごとで物品を仕分けて出荷することができる。ちなみに、店舗ごとに物品を出荷する際には、複数の分岐部の夫々において、作業者が物品を台車に積み込む作業を行い、物品を積み込んだ台車にて出荷するようにしている。
【0003】
各店舗では、出荷された物品を棚に陳列する際に、陳列する棚や通路ごとに物品を仕分ける作業を行う必要がある。この通路ごとに物品を仕分ける作業を省略するために、陳列する棚や通路ごとに複数の仕分けグループに区分けした状態で物品を出荷することが求められている。
【0004】
従来の仕分設備では、仕分装置が、複数の出庫部の全てにおいて払い出し手段により払い出される物品を受け取って搬送方向に並べる状態で搬送する受取搬送手段と、受取搬送手段にて搬送される物品を複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させる分岐搬送手段とを備えている。仕分制御手段は、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、保管装置ごとに、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫が終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫を開始する形態で、複数の保管装置の夫々における出庫部への物品の出庫を行うべく、複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、出庫部に出庫された物品を受取搬送手段に順次払い出す形態で、複数の出庫部の夫々における受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、複数の払い出し手段の夫々の作動を制御する仕分制御を行うように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
この従来の仕分設備では、仕分制御手段が仕分制御を行うことにより、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、複数の分岐部の夫々に対して、複数の仕分けグループのうちの予め定められた優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させるようにしている。これにより、複数の分岐部の夫々には、優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送されてくるので、各店舗に出荷する物品を仕分けグループごとに区分けした状態で台車に積み込むことができ、各店舗に仕分けグループごとに区分けした状態で物品を出荷することができる。
【0006】
【特許文献1】特開2005−47663号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような仕分設備では、設備の大型化等に伴い保管装置や出庫部の数が増加すると、受取搬送手段が受け取って搬送しなければならない物品数が増加する。しかしながら、上記従来の仕分設備では、受取搬送手段が複数の出庫部の全てにおいて払い出し手段により払い出される物品を受け取るので、受け取り対象の出庫部の数が多く、受け取って搬送できる物品数が限られている。よって、出庫部の数が増加すると、仕分装置にて処理しきれない物品が生じる可能性があり、仕分装置の高能力化を図ることができない。
【0008】
そこで、例えば、複数の出庫部のうちの一部を割り当てる状態で受取搬送手段を複数設け、複数の出庫部の全てから複数の受取搬送手段にて分担して物品を受け取って搬送することが考えられる。これにより、各受取搬送手段における受け取り対象の出庫部の数を少なくでき、出庫部の数が増加しても、その出庫部の全てから物品を受け取って搬送することが可能となって、仕分装置の高能力化を図ることができる。この場合には、複数の受取搬送手段の夫々にて払い出し手段により払い出される物品を受け取って搬送方向に並べる状態で搬送するので、複数の受取搬送手段にて搬送される物品を合流させて搬送方向に並べる状態で搬送する合流搬送手段を設け、分岐搬送手段が、合流搬送手段にて搬送される物品を複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させるように構成することが考えられる。これにより、複数の出庫部の夫々において払い出し手段により払い出される物品を複数の受取搬送手段に分担させて搬送し、合流搬送手段にて合流搬送させたのち、分岐搬送手段にて仕分け先として選択された分岐部に分岐搬送する。
【0009】
しかしながら、複数の受取搬送手段を設けるだけでは、合流搬送手段が複数の受取搬送手段にて搬送される物品を合流搬送する際に、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、優先順位の高い仕分けグループの物品から合流搬送できなくなる可能性がある。
つまり、従来の仕分設備では、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、保管装置ごとに優先順位の高い仕分けグループの物品から出庫部への出庫が行われる。よって、例えば、出庫部に出庫する物品数が少ない保管装置では、一つの仕分けグループの物品を出庫部に出庫するのに要する時間が短く、逆に、出庫部に出庫する物品数が多い保管装置では、一つの仕分けグループの物品を出庫部に出庫するのに要する時間が長くなる。このように、保管装置よって、一つの仕分けグループの物品を出庫部に出庫するのに要する時間が異なるので、保管装置ごとに優先順位の高い仕分けグループの物品から出庫部へ出庫すると、保管装置単体で見ると優先順位の高い仕分けグループの物品から出庫部へ出庫させているが、複数の保管装置の全体で見ると、保管装置によって出庫部へ出庫されている物品の仕分けグループの優先順位が異なっていることがある。したがって、従来の仕分設備の如く、出庫部に出庫された物品を受取搬送手段に順次払い出す形態で、複数の出庫部の夫々における受取搬送手段への物品の払い出しを行うように複数の払い出し手段の夫々の作動を制御すると、例えば、ある受取搬送手段では、優先順位の一番高い仕分けグループの物品を合流搬送手段に向けて搬送しているのに対して、他の受取搬送手段では、優先順位の二番目に高い仕分けグループの物品を合流搬送手段に向けて搬送している状態となってしまい、受取搬送手段によって合流搬送手段に向けて搬送している物品の仕分けグループの優先順位が異なることになる。その為に、合流搬送手段は、複数の受取搬送手段にて搬送される物品が到達した順序で合流搬送させるだけでは、例えば、優先順位の一番高い仕分けグループの物品を合流搬送できていないにもかかわらず、優先順位の二番目に高い仕分けグループの物品を合流搬送することになり、優先順位の高い仕分けグループの物品から合流搬送できなくなる。
【0010】
この問題を解消するために、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する合流搬送が全ての物品において終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する合流搬送を開始する形態で、複数の受取搬送手段にて搬送される物品を合流搬送させるように合流搬送手段の作動を制御することが考えられる。しかしながら、この場合には、複数の受取搬送手段にて搬送される物品のうち、どの物品も合流搬送できなくなるデットロック状態となってしまう虞がある。
【0011】
このデットロック状態について図11に基づいて説明する。図11では、受取搬送手段として、第1の受取搬送手段101と第2の受取搬送手段102とを設け、合流搬送手段103が、第1の受取搬送手段101にて搬送される物品B1〜B3と第2の受取搬送手段102にて搬送される物品B4〜B6とを合流させて分岐搬送手段に搬送するようにしている。ここで、複数の分岐部の夫々は、シュートNo.が割り当てられており、複数の仕分けグループの夫々についても、グループNo.が割り当てられている。図11では、物品B1〜B6の夫々について、仕分け先として選択された分岐部のシュートNo.(S1又はS2)及び仕分けグループのグループNo.(G1又はG2)を表示している。
【0012】
図11(a)に示すように、第1の受取搬送手段101では、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品(シュートNo.が同一の物品)である物品B1と物品B2とを優先順位の高い仕分けグループの物品(グループNo.の小さい物品)から搬送しており、物品B2に続いて、物品B1及び物品B2とは仕分け先として選択された分岐部が異なる(シュートNo.が異なる)物品B3を搬送している。第2の受取搬送手段102では、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品である物品B4と物品B5とを優先順位の高い仕分けグループの物品(グループNo.の小さい物品)から搬送しており、物品B5に続いて、物品B4と物品B5とはシュートNo.が異なる物品B6を搬送している。
【0013】
ここで、シュートNo.が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、グループNo.が同一の物品に対する合流搬送が全ての物品において終了すると次にグループNo.の小さい物品に対する合流搬送を開始する形態で、第1及び第2の受取搬送手段101,102にて搬送される物品を合流搬送させるように合流搬送手段103の作動を制御した場合を考える。
【0014】
合流搬送手段103に対して、第1の受取搬送手段101にて最初に搬送される物品B1及び第2の受取搬送手段102にて最初に搬送される物品B4については、ともにグループNo.がG1であり優先順位が一番高いので、そのまま合流搬送することができる。
しかしながら、図11(b)に示すように、第1の受取搬送手段101にて次に搬送される物品B2のグループNo.はG2であるが、第2の受取搬送手段102には、物品B2と同一のシュートNo.であり且つグループNo.がG1である物品B6が残っている。その為に、合流搬送手段103は、第2の受取搬送手段101にて搬送される物品B2を合流搬送することができなくなる。一方、第2の受取搬送手段102にて次に搬送される物品B4のグループNo.はG2であるが、第1の受取搬送手段101には、物品B4と同一のシュートNo.であり且つグループNo.がG1である物品B3が残っている。その為に、合流搬送手段103は、第2の受取搬送手段101にて搬送される物品B5も合流搬送することができなくなる。
このようにして、合流搬送手段103は、第1の受取搬送手段101にて搬送される物品B2も第2の受取搬送手段102にて搬送される物品B5も合流搬送できなくなり、デットロック状態となってしまう。
【0015】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、仕分装置の高能力化を図りながら、デットロック状態の発生を回避して、各分岐部に対して複数の仕分けグループのうち予め定めた優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させることができる仕分設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
この目的を達成するために、本発明に係る仕分設備の第1特徴構成は、複数の物品を保管可能で且つ保管されている物品を出庫部に出庫可能な複数の保管装置と、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部から払い出し手段により払い出される物品を搬送し、その物品を複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させる仕分装置と、前記保管装置に保管されている物品のうち出庫要求された物品を前記出庫部に出庫させるように前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、前記複数の出庫部の夫々において前記払い出し手段により払い出される物品を搬送して前記複数の分岐部のうち仕分け先として選択された分岐部に分岐搬送させるように前記仕分装置の作動を制御する仕分制御手段とを備えた仕分設備において、
前記仕分装置は、前記複数の出庫部のうちの一部が割り当てられる状態で設けられて、その割り当てられた出庫部において前記払い出し手段により払い出される物品を受け取って搬送方向に並べる状態で搬送する受取搬送手段の複数と、前記複数の受取搬送手段にて搬送される物品を合流させて搬送方向に並べる状態で搬送する合流搬送手段と、前記合流搬送手段にて搬送される物品を前記複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させる分岐搬送手段とを備え、前記仕分制御手段は、出庫要求された物品のうち、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、前記複数の受取搬送手段の夫々が前記合流搬送手段に向けて前記複数の仕分けグループのうちの予め定められた優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送するように、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部への物品の出庫及び前記複数の出庫部の夫々における前記受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、前記複数の保管装置の夫々の作動及び前記複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するグループ制御を行うように構成されている点にある。
【0017】
すなわち、払い出し手段により払い出される物品を受け取って搬送方向に並べる状態で搬送する受取搬送手段を複数の出庫部のうちの一部を割り当てる状態で設け、複数の出庫部の全てについて割り当てるように受取搬送手段を複数設けることができる。これにより、各受取搬送手段における受け取り対象の出庫部の数を少なくでき、出庫部の数が多くなっても、複数の出庫部の全てから物品を受け取って搬送することが可能となって、仕分装置の高能力化を図ることができる。
しかも、仕分制御手段がグループ制御を行うことにより、出庫要求された物品のうち、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品については、複数の受取搬送手段の夫々が合流搬送手段に向けて優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送するように、複数の保管装置の夫々における出庫部への物品の出庫及び複数の出庫部の夫々における受取搬送手段への物品の払い出しが行われる。これにより、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品については、優先順位の高い仕分けグループの物品から合流搬送手段に到達する。これに伴い、合流搬送手段は、単に、複数の受取搬送手段にて搬送される物品が到達する順序で合流搬送することにより、デットロック状態を回避しながら、優先順位の高い仕分けグループの物品から合流搬送することができる。よって、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、分岐搬送手段に優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送することができるので、複数の分岐部の夫々に対して、優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させることができる。
【0018】
以上のことから、仕分装置の高能力化を図りながら、デットロック状態の発生を回避して、各分岐部に対して優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させることができ、各分岐部にて仕分けグループごとに区分けした状態で物品を出荷することができる仕分設備を実現できる。
【0019】
本発明に係る仕分設備の第2特徴構成は、前記仕分制御手段は、前記グループ制御において、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫が前記複数の保管装置の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫を開始する形態で、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部への物品の出庫を行うべく、前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、前記出庫部に出庫された物品を前記受取搬送手段に順次払い出す形態で、前記複数の出庫部の夫々における前記受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、前記複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するように構成されている点にある。
【0020】
すなわち、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、複数の保管装置の夫々における出庫部への物品の出庫を行う際には、仕分制御手段が、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫が複数の保管装置の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫を開始するように、複数の保管装置の夫々の作動を制御する。これにより、複数の保管装置の全てにおいて同一の仕分けグループの物品を出庫部に出庫させるようにしながら、複数の仕分けグループのうち、優先順位の高い仕分けグループの物品から出庫部へ出庫させることができる。よって、複数の出庫部の夫々における受取搬送手段への物品の払い出しについては、仕分制御手段が、出庫部に出庫された物品を受取搬送手段に順次払い出すように、複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するだけで、複数の受取搬送手段の夫々が合流搬送手段に向けて優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送することができる。その結果、複数の払い出し手段についての制御を簡易にできながら、各分岐部に対して優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させることができる。
【0021】
本発明に係る仕分設備の第3特徴構成は、前記仕分制御手段は、前記複数の受取搬送手段の夫々において搬送方向の最下流に位置する前記出庫部よりも下流側で且つ前記合流搬送手段に到達する以前の位置に、ある優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されると、その優先順位の仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫が前記複数の保管装置の全てにおいて終了したと判別するように構成されている点にある。
【0022】
すなわち、複数の受取搬送手段の夫々において搬送方向の最下流に位置する出庫部よりも下流側に、前の優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されていることにより、仕分制御手段が、前の優先順位の仕分けグループの物品についての出庫部への出庫が複数の保管装置の全てにおいて終了していると判別するので、前の優先順位の仕分けグループの物品についての出庫部への出庫が複数の保管装置の全てにおいて確実に終了していることを確認してから、次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫を開始することができる。これにより、前の優先順位の仕分けグループの物品と次の優先順位の仕分けグループの物品とが混ざるのを確実に防止することができ、優先順位の高い仕分けグループの物品から合流搬送手段に向けて確実に搬送することができる。
しかも、前の優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されているか否かを判別する位置が、複数の受取搬送手段の夫々において、搬送方向の最下流に位置する出庫部よりも下流側であることに加えて、合流搬送手段に到達する以前の位置であるので、前の優先順位の仕分けグループの物品についての出庫部への出庫が複数の保管装置の全てにおいて終了したことを極力早いタイミングで判別することができる。これにより、前の優先順位の仕分けグループの物品についての出庫部への出庫が複数の保管装置の全てにおいて終了してから、次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫を開始するまでの時間が長くなるのを防止できる。その結果、仕分けグループの優先順位が変わっても、物品同士が極力離れないようにしながら、合流搬送手段に向けて物品を搬送することができ、複数の仕分けグループの物品を合流搬送手段に向けて効率よく搬送でき、仕分装置の高能力化に繋がる。
【0023】
本発明に係る仕分設備の第4特徴構成は、前記仕分制御手段は、前記グループ制御において、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、前記保管装置ごとにある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫が終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫を開始する形態で、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部への物品の出庫を行うべく、前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しが前記複数の出庫部の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しを開始する形態で、前記複数の出庫部の夫々における前記受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、前記複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するように構成されている点にある。
【0024】
すなわち、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、複数の保管装置の夫々における出庫部への物品の出庫を行う際には、仕分制御手段が、保管装置ごとに、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫が終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する出庫部への出庫を開始するように、複数の保管装置の夫々の作動を制御する。これにより、複数の保管装置の夫々では、複数の保管装置の全てにおいて出庫部への出庫が終了するまで待つことなく、優先順位の高い仕分けグループの物品から順次出庫部へ出庫させることができる。よって、複数の出庫部の全てに対して、優先順位の高い仕分けグループの物品からでの出庫を効率よく行うことができる。
このように、複数の出庫部の全てに対して、優先順位の高い仕分けグループの物品から順次出庫すると、出庫部によって出庫されている物品の仕分けグループの優先順位が異なっている可能性がある。そこで、複数の出庫部の夫々における受取搬送手段への物品の払い出しについては、仕分制御手段が、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しが前記複数の出庫部の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しを開始するように、複数の払い出し手段の夫々の作動を制御する。これにより、複数の受取搬送手段の夫々が合流搬送手段に向けて優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送することができる。しかも、複数の出庫部の夫々には、優先順位の高い仕分けグループの物品から順次出庫されているので、出庫部によっては次に優先順位の高い仕分けグループの物品を出庫させておくことができる。これにより、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しが前記複数の出庫部の全てにおいて終了してから、次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する受取搬送手段への払い出しを極力早く開始することができる。その結果、仕分けグループの優先順位が変わっても、物品同士が極力離れないようにしながら、合流搬送手段に向けて物品を搬送することができ、複数の仕分けグループの物品を合流搬送手段に向けて効率よく搬送できる。よって、仕分装置の高能力化をより一層図ることができながら、各分岐部に対して優先順位の高い仕分けグループの物品から分岐搬送させることができる。
【0025】
本発明に係る仕分設備の第5特徴構成は、前記仕分制御手段は、前記複数の受取搬送手段の夫々において搬送方向の最下流に位置する前記出庫部よりも下流側で且つ前記合流搬送手段に到達する以前の位置に、ある優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されると、その優先順位の仕分けグループの物品について前記複数の出庫部の全てにおいて前記受取搬送手段への払い出しが終了したと判別するように構成されている点にある。
【0026】
すなわち、複数の受取搬送手段の夫々において搬送方向の最下流に位置する出庫部よりも下流側に、前の優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されていることにより、仕分制御手段が、前の優先順位の仕分けグループの物品についての受取搬送手段への払い出しが複数の出庫部の全てにおいて終了していると判別するので、前の優先順位の仕分けグループの物品についての受取搬送手段への払い出しが複数の出庫部の全てにおいて確実に終了していることを確認してから、次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する受取搬送手段への払い出しを開始することができる。これにより、前の優先順位の仕分けグループの物品と次の優先順位の仕分けグループの物品とが混ざるのを確実に防止することができ、優先順位の高い仕分けグループの物品から合流搬送手段に向けて確実に搬送することができる。
しかも、前の優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されているか否かを判別する位置が、複数の受取搬送手段の夫々において、搬送方向の最下流に位置する出庫部よりも下流側であることに加えて、合流搬送手段に到達する以前の位置であるので、前の優先順位の仕分けグループの物品についての受取搬送手段への払い出しが複数の出庫部の全てにおいて終了したことを極力早いタイミングで判別することができる。これにより、前の優先順位の仕分けグループの物品についての受取搬送手段への払い出しが複数の出庫部の全てにおいて終了してから、次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する受取搬送手段への払い出しを開始するまでの時間が長くなるのを防止できる。その結果、仕分けグループの優先順位が変わっても、物品同士が極力離れないようにしながら、合流搬送手段に向けて物品を搬送することができ、複数の仕分けグループの物品を合流搬送手段に向けて効率よく搬送でき、仕分装置の高能力化に繋がる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
本発明に係る仕分設備の実施形態を図面に基づいて説明する。
〔第1実施形態〕
この仕分設備は、例えば、複数の店舗から注文を受け、店舗ごとに物品を仕分けることにより、店舗ごとに物品を出荷するための設備である。そして、店舗ごとに物品を仕分ける際に、例えば、各店舗において陳列する棚が配置された通路ごとに物品を複数の仕分けグループに区分けし、仕分けグループごとに区分けした状態で各店舗に物品を出荷するようにしている。
【0028】
図1及び図2に示すように、仕分設備は、複数の物品Bを保管可能で且つ保管されている物品Bを出庫部1に出庫可能な複数の保管装置2と、複数の保管装置2の夫々における出庫部1から払い出し手段3により払い出される物品Bを搬送しその物品Bを複数の分岐部4の何れかに選択的に分岐搬送させる仕分装置5とを備えている。
【0029】
保管装置2は、例えば10個設けられており、図1に示すように、上方側に5個の保管装置2が物品収納棚6の棚前後幅方向に並ぶように設けられ、下方側にも5個の保管装置2が物品収納棚6の棚前後幅方向に並ぶように設けられている。
各保管装置2は、複数の収納部を有する一対の物品収納棚6と物品搬送装置(例えば、スタッカークレーン)7とから構成されている。一対の物品収納棚6は、その間に物品搬送装置7が移動する移動通路を形成し、且つ、棚前後幅方向の移動通路側が収納部に対して物品Bを出し入れする側となるように設けられている。
【0030】
各保管装置2には、物品収納棚6に保管する物品Bを受け入れる入庫部(図示は省略)及び物品B収納棚5に保管されている物品Bを出庫する出庫部1が一つずつ備えられている。出庫部1は、例えば、複数の物品Bを貯留可能で且つ物品Bを搬送可能な貯留搬送コンベヤにて構成されている。物品搬送装置7は、入庫部(図示は省略)の物品Bを物品収納棚6における複数の収納部の何れかに選択的に収納する入庫作業、及び、物品収納棚6における複数の収納部の何れかに収納されている物品Bを出庫部1に搬送する出庫作業を行うように構成されている。
このようにして、保管装置2は、入庫部に入庫された物品Bを複数の収納部の何れかに選択的に収納する入庫作業、及び、複数の収納部の何れかに収納されている物品Bを出庫部1に出庫する出庫作業を自動的に行う自動倉庫にて構成されている。
【0031】
図2に示すように、複数の保管装置2の夫々について、保管装置2の作動を制御する保管装置用コントローラ8が設けられている。保管装置用コントローラ8は、入庫作業及び出庫作業を行うように物品搬送装置7の作動を制御し、且つ、出庫部1に出庫された物品Bを一つずつ払い出し手段3に搬送するように出庫部1の作動を制御するように構成されている。各保管装置用コントローラ8は、自己が制御する保管装置2について、どの物品Bをどの収納部に保管しているか等の保管情報を管理している。
【0032】
仕分設備の全体の作動を制御する仕分制御装置(仕分制御手段に相当する)9が設けられ、仕分制御装置9と各保管装置用コントローラ8との間で保管情報等の各種情報を通信自在に構成されている。各保管装置用コントローラ8は、仕分制御装置9からの指令に基づいて、入庫作業及び出庫作業を行うように物品搬送装置7の作動を制御するように構成されている。そして、複数の保管装置2の夫々において出庫部1に物品Bを出庫する際には、仕分制御装置9が、各保管装置用コントローラ8に対して、出庫要求する物品Bを特定した状態で出庫要求の指令を行い、各保管装置用コントローラ8が、仕分制御装置9からの出庫要求の指令に基づいて、保管装置2に保管されている物品Bのうち出庫要求された物品Bを出庫部1に出庫させるように保管装置2の作動を制御するように構成されている。これにより、仕分制御装置9は、複数の保管装置2の夫々において、出庫要求された物品Bを出庫部1に出庫させるように複数の保管装置2の夫々の作動を制御するように構成されている。
【0033】
図1に戻り、払い出し手段3は、複数の出庫部1の夫々に対して一つずつ設けられ、出庫部1から搬送される物品Bを順次払い出すように構成されている。上述の如く、出庫部1は、例えば、貯留搬送コンベヤにて構成されており、払い出し手段3が物品Bを払い出すと次の物品Bを払い出し手段3に払い出すようにしている。払い出し手段3は、例えば、コンベヤにて構成されており、出庫部1から搬送された物品Bの姿勢を維持する状態で物品Bを払い出すように構成されている。ちなみに、物品Bは、平面視において、長辺と短辺とを有する矩形状に形成されており、出庫部1から搬送される物品Bの姿勢は、物品Bの長手方向が出庫部1の搬送方向に対して直交する方向に沿うようにしている。
【0034】
仕分装置5は、複数の出庫部1のうちの一部が割り当てられる状態で設けられて、その割り当てられた出庫部1において払い出し手段3により払い出される物品Bを受け取って搬送方向に並べる状態で搬送する受取搬送手段10の複数と、複数の受取搬送手段10にて搬送される物品Bを合流させて搬送方向に並べる状態で搬送する合流搬送手段11と、合流搬送手段11にて搬送される物品Bを複数の分岐部4の何れかに選択的に分岐搬送させる分岐搬送手段12とを備えている。
【0035】
各受取搬送手段10は、複数の出庫部1が搬送方向に間隔を隔てて並ぶ状態で設けられ、搬送方向に直交する方向に沿って払い出し手段3により払い出される物品Bを受け取って搬送するように構成されている。各受取搬送手段10は、搬送経路上に間隔を隔てて並ぶ複数の物品搬送領域に物品Bを存在させる状態で物品Bを搬送するように構成されている。受取搬送手段10は、複数の出庫部1の全てから分担して物品Bを受け取って搬送するように、第1受取搬送手段10aと第2受取搬送手段10bとの2つが設けられている。
【0036】
図1において、第1受取搬送手段10aは、10個の保管装置2のうち、上方側に位置する5個の保管装置2における複数の出庫部1が割り当てられており、第2受取搬送手段10bは、10個の保管装置2のうち、下方側に位置する5個の保管装置2における複数の出庫部1が割り当てられている。ちなみに、第1受取搬送手段10aと第2受取搬送手段10bとを上下方向に重複させる状態で配置することもでき、このような配置にすることによって設置スペースの低減を図ることができる。とくに、第1受取搬送手段10a及び第2受取搬送手段10bにおいて、払い出し手段3が搬送方向に間隔を隔てて設けられている部分を上下方向に重複させる状態で配置することにより、図1中、上方側に位置する保管装置2と下方側に位置する保管装置2とを極力近づけるように配置することができる。これにより、保管装置2の設置スペースをも低減することができる。
以下、第1受取搬送手段10aに割り当てられた出庫部1における払い出し手段3を「第1払い出し手段3a」と称し、第2受取搬送手段10bに割り当てられた出庫部1における払い出し手段3を「第2払い出し手段3b」と称する。
【0037】
図2に示すように、複数の払い出し手段3及び複数の受取搬送手段10について、複数の第1払い出し手段3aの作動及び第1受取搬送手段10aの作動を制御する第1払い出しコントローラ13と、複数の第2払い出し手段3bの作動及び第2受取搬送手段10bの作動を制御する第2払い出しコントローラ14とが設けられている。第1払い出しコントローラ13は、第1受取搬送手段10aにおける複数の物品搬送領域のうち、物品Bが存在しない空きの物品搬送領域に物品Bを払い出すべく、複数の第1払い出し手段3aの夫々の作動を制御するように構成されている。第2払い出しコントローラ14も、第1払い出しコントローラ13と同様に、第2受取搬送手段10bにおける複数の物品搬送領域のうち、物品Bが存在しない空きの物品搬送領域に物品Bを払い出すべく、複数の第2払い出し手段3bの夫々の作動を制御するように構成されている。
【0038】
合流搬送手段11について、合流搬送手段11の作動を制御する合流搬送コントローラ15が設けられている。合流搬送コントローラ15は、第1受取搬送手段10aにて搬送される物品Bと第2受取搬送手段10bにて搬送される物品Bとを合流搬送手段11に到達する順序で合流搬送させる形態で、第1受取搬送手段10aにて搬送される物品Bと第2受取搬送手段10bにて搬送される物品Bとを合流搬送させるように合流搬送手段11の作動を制御するように構成されている。
【0039】
分岐搬送手段12について、分岐搬送手段12の作動を制御する分岐搬送コントローラ16が設けられている。分岐搬送コントローラ16は、合流搬送手段11にて搬送される物品Bを複数の分岐部4のうち仕分け先として選択された分岐部4に分岐搬送させるように分岐搬送手段12の作動を制御するように構成されている。
複数の分岐部4の夫々には、図示は省略するが、例えば、複数の物品Bを積み込み可能な台車が複数配置されている。そして、作業者が、各分岐部4に分岐搬送されてきた物品Bを台車に積み込む作業を行い、物品Bを台車に積み込んで出荷するようにしている。
【0040】
物品Bを出荷する際の物品Bの流れについて説明する。
まず、複数の保管装置2の夫々において、出庫要求された物品Bが物品収納棚6から出庫部1に出庫される。出庫部1に出庫された物品Bは、出庫部1から払い出し手段3に搬送され、払い出し手段3により受取搬送手段10に払い出される。その払い出された物品Bは、受取搬送手段10にて受け取られて合流搬送手段11に向けて搬送され、合流搬送手段11に到達すると合流搬送手段11にて合流搬送される。合流搬送手段11にて合流搬送された物品Bは、分岐搬送手段12にて搬送されたのち、分岐搬送手段12にて複数の分岐部4の何れかに分岐搬送される。ここで、複数の分岐部4の夫々については、店舗ごとに一つの分岐部4が割り当てられている。これにより、出庫要求された物品Bを複数の分岐部4に仕分けることにより、物品Bを店舗ごとに仕分けることができる。そして、複数の分岐部4の夫々において、作業者が物品Bを台車に積み込んで出荷することにより、店舗ごとに物品Bを積み込んだ台車にて出荷するようにしている。
【0041】
出庫要求された物品Bは、複数の分岐部4に仕分けられるが、出庫要求された物品Bの夫々について、複数の分岐部4のうち、どの分岐部4に仕分けるかの仕分け先が選択されている。複数の分岐部4の夫々には、シュートNo.が割り当てられており、物品Bをどの分岐部4に分岐搬送させるかによって、複数のシュートNo.から仕分け先として選択された分岐部4のシュートNo.が選択されている。出庫要求された物品Bの夫々について、その選択されたシュートNo.(例えば、図2及び図3に示すS1〜S5等)が割り付けられており、その割り付けられたシュートNo.に基づいて、仕分け先として選択された分岐部4に分岐搬送される。
【0042】
出庫要求される物品Bのうち、仕分け先として選択された分岐部4が同一の物品Bについては、複数の仕分けグループに区分けするようにしている。ここで、例えば、各店舗において陳列する棚が配置された通路ごとに複数の仕分けグループに区分けしている。複数の仕分けグループの夫々についても、複数の分岐部4と同様に、グループNo.が割り当てられており、物品Bがどの仕分けグループであるかによって、複数のグループNo.から選択されている。出庫要求された物品Bの夫々について、その選択されたグループNo.(例えば、図2及び図3に示すG1〜G2等)が割り付けられている。
また、複数の仕分けグループには、優先順位が予め定められており、例えば、グループNo.(G1〜G2等)において、数字の小さいグループNo.ほど優先順位が高くなるように定められている。
【0043】
出庫要求された物品Bの夫々について、シュートNo.及びグループNo.に加えて、物品Bの種類等の各種情報が物品情報として割り付けられており、この物品情報によりその物品Bにういて、どんな物品Bであるか、仕分け先として選択された分岐部4はどの分岐部4であるか、複数の仕分けグループのうちのどの仕分けグループであるかを特定できるように構成されている。そして、例えば、物品情報は、出庫部1にて出荷ラベルにバーコードとして出力され、その出荷ラベルが物品Bに貼り付けられている。これにより、例えばバーコードリーダにより出荷ラベルのバーコードを読み取って物品情報を取得することにより、その物品Bについて、仕分け先として選択された分岐部4シュートNo.及び仕分けグループのグループNo.を認識できるようにしている。
そして、分岐搬送手段12の手前箇所にバーコードリーダを配置し、分岐搬送コントローラ16が、そのバーコードリーダにより取得した物品情報に基づいて、その物品BのシュートNo.を認識できるように構成されている。これにより、分岐搬送コントローラ16は、認識したシュートNo.に基づいて、合流搬送手段11にて搬送される物品BをそのシュートNo.の分岐部4に分岐搬送させるように分岐搬送手段12の作動を制御するように構成されている。
【0044】
仕分制御装置9は、複数の店舗からの注文情報を受け付けるように構成されており、その受け付けた注文情報に基づいて、物品Bをどの保管装置2から出庫させるか且つ複数の保管装置2の夫々においてどの物品Bを出庫部1へ出庫させるかを選択した出庫要求データ、及び、出庫要求する各物品Bの仕分け先をどの分岐部4とするかを選択した仕分け先データを含む出荷データを作成するように構成されている。この出荷データを作成する際に、仕分制御装置9は、出庫要求される物品Bのうち、仕分け先として選択された分岐部4が同一の物品Bについては、複数の仕分けグループに区分けして、各物品Bに対してグループNo.を割り付けるように構成されている。これにより、仕分制御装置9が出荷データを作成すると、出庫要求される物品Bの夫々について、シュートNo.及びグループNo.が割り付けられる。
【0045】
仕分制御装置9は、出荷データに従って複数の保管装置2の夫々における出庫部1への物品Bの出庫を行うように、各保管装置用コントローラ8に指令を与えて複数の保管装置2の夫々の作動を制御するように構成されている。仕分制御装置9は、出荷データに従って複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行い且つ複数の受取搬送手段10にて合流搬送手段11に向けて受け取った物品Bを搬送するように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与えて複数の仕分け手段3の作動及び複数の受取搬送手段10の作動を制御するように構成されている。仕分制御装置9は、複数の受取搬送手段10にて合流搬送手段11に向けて搬送される物品Bを合流搬送させるように、合流搬送コントローラ13に指令を与えて合流搬送手段11の作動を制御するとともに、合流搬送手段11にて搬送される物品Bを仕分け先として選択された分岐部4に分岐搬送するように、分岐搬送コントローラ16に指令を与えて分岐搬送手段12の作動を制御するように構成されている。
【0046】
仕分制御装置9は、出庫要求された物品Bのうち、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bについては、複数の受取搬送手段10の夫々が合流搬送手段11に向けて優先順位の高い仕分けグループの物品Bから搬送するように、複数の保管装置2の夫々における出庫部1への物品Bの出庫及び複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行うべく、複数の保管装置2の夫々の作動及び複数の払い出し手段3の夫々の作動を制御するグループ制御を行うように構成されている。
【0047】
グループ制御では、仕分制御装置9が、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bについて、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫を開始する形態で、複数の保管装置2の夫々における出庫部1への物品Bの出庫を行うべく、複数の保管装置2の夫々の作動を制御し、且つ、出庫部1に出庫された物品Bを受取搬送手段10に順次払い出す形態で、複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行うべく、複数の払い出し手段3の夫々の作動を制御するように構成されている。
【0048】
複数の受取搬送手段10の夫々において、搬送方向の最下流に位置する出庫部1よりも下流側で且つ合流搬送手段11に到達する以前の位置に、物品Bの物品情報を読み取り可能な物品情報読み取り手段(例えば、バーコードリーダ)17を設けている。物品情報読み取り手段17は、読み取った物品情報を仕分制御装置9に通信自在に構成されている。仕分制御装置9は、物品情報読み取り手段17からの物品情報に基づいて、物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送された物品Bの夫々について、どのシュートNo.で且つどのグループNo.であるかを認識するように構成されている。そして、仕分制御装置9は、上述のグループ制御において、ある優先順位の仕分けグループの物品Bの全てが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送されると、その優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了したと判別するように構成されている。
【0049】
物品情報読み取り手段17の設置位置については、複数の受取搬送手段10の夫々において、搬送方向の最下流に位置する出庫部1よりも下流側で且つ合流搬送手段11に到達する以前の位置であればよいが、例えば、複数の受取搬送手段10の夫々において、搬送方向の最下流に位置する出庫部1の下流側で且つその出庫部1に極力近い位置とすることにより、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了したことをより早いタイミングで判別することができる。これにより、仕分けグループの優先順位が変わっても、物品B同士が極力離れないようにしながら、合流搬送手段11に向けて物品Bを搬送することができ、仕分装置5の高能力化を図ることができる。
【0050】
グループ制御について図3及び図4に基づいて説明する。
仕分制御装置9は、複数の保管装置2の夫々において、まず、グループNo.がG1である物品Bについて出庫部1へ出庫するように各保管装置用コントローラ8に指令を与える。このとき、グループNo.がG1であれば、シュートNo.についてはどのシュートNo.であってもよい。この仕分制御装置9からの指令により各保管装置用コントローラ8が保管装置2の作動を制御すると、図3に示すように、複数の保管装置2の夫々において、グループNo.がG1である物品Bが、各出庫部1に出庫され、各出庫部1から払い出し手段3に搬送される。
【0051】
仕分制御装置9は、出庫部1に出庫された物品Bを受取搬送手段10に順次払い出す形態で、複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行うべく、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与える。これにより、第1払い出しコントローラ13は、各出庫部1に出庫された物品Bを第1受取搬送手段10aの空きの物品搬送領域に順次払い出すべく、複数の第1払い出し手段3aの作動を制御する。また、第2払い出しコントローラ14も、各出庫部1に出庫された物品Bを第2受取搬送手段10bの空きの物品搬送領域に順次払い出すべく、複数の第1払い出し手段3aの作動を制御する。
【0052】
仕分制御装置9は、グループNo.がG1である物品Bの全てが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送されると、グループNo.がG1である物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了したと判別し、複数の保管装置2の夫々において、グループNo.がG2である物品Bについて出庫部1へ出庫するように各保管装置用コントローラ8に指令を与える。これにより、各保管装置用コントローラ8が保管装置2の作動を制御すると、図4に示すように、複数の保管装置2の夫々において、グループNo.がG2である物品Bが、各出庫部1に出庫され、各出庫部1から払い出し手段3に搬送される。
【0053】
このようにして、複数の保管装置2の全てにおいて、同一の仕分けグループの物品Bを出庫部1に出庫させる形態で、複数の仕分けグループのうち、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから出庫部1への出庫を行うようにしている。これにより、複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しについては、仕分制御装置9が、出庫部1に出庫された物品Bを受取搬送手段10に順次払い出すように、複数の払い出し手段3の夫々の作動を制御するだけで、複数の受取搬送手段10の夫々が合流搬送手段11に向けて優先順位の高い仕分けグループの物品Bから搬送することができる。合流搬送手段11は、第1受取搬送手段10aにて搬送される物品Bと第2受取搬送手段10bにて搬送される物品Bとを到達される順序で合流搬送させることにより、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから合流搬送することができる。それに伴い、分岐搬送手段12にも、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから搬送されることになり、複数の分岐部4の夫々において優先順位の高い仕分けグループの物品Bから分岐搬送されることになる。よって、複数の分岐部4の夫々において、各店舗に出荷する物品Bを仕分けグループごとに区分けした状態で台車に積み込むことができ、各店舗に仕分けグループごとに区分けした状態で物品Bを出荷することができる。
【0054】
グループ制御における動作について、図5のフローチャートに基づいて説明する。
まず、仕分制御装置9は、仕分けグループのグループNo.であるPを1とし、グループNo.がG1である物品Bについて出庫部1へ出庫するように各保管装置用コントローラ8に指令を与えて出庫要求を行う(#1,#2)。各保管装置用コントローラ8が保管装置2の作動を制御して、複数の保管装置2の夫々において出庫部1に物品Bを出庫するとともに、仕分制御装置9が、出庫部1に出庫された物品Bを受取搬送手段10に順次払い出す形態で、複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行うべく、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与える出庫処理を行う(#3)。
仕分制御装置9は、物品情報読み取り手段17にて取得される物品情報により、グループNo.がG1である物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了したか否かを判別し、終了したと判別すると、出荷データの全ての物品Bについて出庫が終了したか否かを判別する(#4,#5)。
仕分制御装置9は、全ての物品Bについて出庫が終了していなければ、仕分けグループのグループNo.を次に優先順位の高い仕分けグループに移行するためにP=P+1として、#2以降の動作を行う(#6)。また、仕分制御装置9は、全ての物品Bについて出庫が終了していると、リターンとしてグループ制御を終了する。
【0055】
〔第2実施形態〕
この第2実施形態は、上記第1実施形態においてグループ制御の別実施形態を示すものである。以下、第2実施形態について説明するが、グループ制御以外の構成については上記第1実施形態と同様であるので、第2実施形態におけるグループ制御についてのみ説明する。
【0056】
この第2実施形態におけるグループ制御では、仕分制御装置9が、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bについて、保管装置2ごとにある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫を開始する形態で、複数の保管装置2の夫々における出庫部1への物品Bの出庫を行うべく、複数の保管装置2の夫々の作動を制御し、且つ、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bについて、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しを開始する形態で、複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しを行うべく、複数の払い出し手段3の夫々の作動を制御するように構成されている。
そして、このグループ制御において、仕分制御装置9は、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bについて、ある優先順位の仕分けグループの物品Bの全てが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送されると、その優先順位の仕分けグループの物品Bについて複数の出庫部1の全てにおいて受取搬送手段10への払い出しが終了したと判別するように構成されている。
【0057】
グループ制御について図6及び図7に基づいて説明する。
仕分制御装置9は、複数の保管装置2の夫々において、グループNo.がG1である物品Bについて出庫部1へ出庫するように各保管装置用コントローラ8に指令を与える。そして、グループNo.がG1である物品Bについて出庫部1への出庫が終了した保管装置2に対しては、グループNo.がG2である物品Bについて出庫部1へ出庫するように保管装置用コントローラ8に指令を与える。このようにして、仕分制御装置9は、保管装置2ごとに各別に、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから出庫部1へ出庫するように、各保管装置用コントローラ8に指令を与える。これにより、例えば、図6に示すように、グループNo.がG1である物品Bについて出庫部1への出庫を行っている保管装置2と、グループNo.がG2である物品Bについて出庫部1への出庫を行っている保管装置2とが存在することになる。
【0058】
このとき、複数の出庫部1の夫々における受取搬送手段10への物品Bの払い出しについて、仕分制御装置9は、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bごとに、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しを開始するように、複数の払い出し手段3の夫々の作動を制御すべく、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与えている。つまり、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bとは、シュートNo.が同一の物品Bである。シュートNo.が同一の物品Bごとに、例えば、グループNo.がG1である物品Bについてその全ての物品Bが受取搬送手段10へ払い出されるまでは、グループNo.がG2である物品Bについて受取搬送手段10へ払い出すことを禁止し、グループNo.がG1である物品Bについてその全ての物品Bを受取搬送手段10へ払い出すことにより、グループNo.がG2である物品Bについて受取搬送手段10への払い出しを許容するようにしている。これにより、シュートNo.が同一の物品Bについては、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから受取搬送手段10へ払い出しながら、シュートNo.が異なる物品Bについては、仕分けグループがどの優先順位であるかにかかわらず、受取搬送手段10への払い出しを行うことができる。
【0059】
図6に示すように、まずは、シュートNo.がS1の物品Bについても、シュートNo.がS2の物品Bについても、仕分制御装置9が、グループNo.がG1である物品Bについて払い出し手段3にて受取搬送手段10へ払い出すように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与えて、グループNo.がG1である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しを行う。その後、図7に示すように、シュートNo.がS1の物品Bについても、シュートNo.がS2の物品Bについても、グループNo.がG1である物品Bについてその全ての物品Bが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送されることにより、仕分制御装置9が、グループNo.がG1である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了したと判別すると、グループNo.がG2である物品Bについて払い出し手段3にて受取搬送手段10へ払い出すように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与えて、グループNo.がG2である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しを行う。
【0060】
このように、シュートNo.がS1の物品Bについても、シュートNo.がS2の物品Bについても、グループNo.がG1物品Bから受取搬送手段10への払い出しを行うが、例えば、シュートNo.がS1の物品Bについて、グループNo.がG2である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了すると、シュートNo.がS2の物品BについてグループNo.がG2である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了しているか否かにかかわらず、グループNo.がG3である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しを開始する。よって、図8に示すように、シュートNo.がS1の物品BとシュートNo.がS2の物品Bとで、受取搬送手段10への払い出しを行っているグループNo.が異なっていることがある。図8に示した例では、シュートNo.がS1の物品Bについては、グループNo.がG3の全ての物品Bが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送され、グループNo.がG3である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了した時点である。それに対して、シュートNo.がS2の物品Bについては、グループNo.がG2の全ての物品Bが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送され、グループNo.がG2である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了した時点である。よって、シュートNo.がS1の物品Bについては、仕分制御装置9が、グループNo.がG4である物品Bについて払い出し手段3にて受取搬送手段10へ払い出すように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与え、グループNo.がG4である物品Bの受取搬送手段10への払い出しを行う。シュートNo.がS2の物品Bについては、仕分制御装置9が、グループNo.がG3である物品Bについて払い出し手段3にて受取搬送手段10へ払い出すように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与え、グループNo.がG3である物品Bの受取搬送手段10への払い出しを行う。
【0061】
その後、図9に示すように、シュートNo.がS1の物品Bについては、グループNo.がG4の全ての物品Bが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送されると、グループNo.がG5である物品Bについて払い出し手段3にて受取搬送手段10へ払い出すように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与える。シュートNo.がS2の物品Bについては、グループNo.がG3の全ての物品Bが物品情報読み取り手段17の設置位置まで搬送されると、グループNo.がG4である物品Bについて払い出し手段3にて受取搬送手段10へ払い出すように、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与える。
【0062】
このようにして、複数の保管装置2の夫々における出庫部1への物品Bの出庫については、複数の保管装置2の夫々では、複数の保管装置2の全てにおいて出庫部1への出庫が終了するまで待つことなく、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから順次出庫部へ出庫させることができる。これにより、あるグループNo.の物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了した時点で、複数の出庫部1の一部に次に優先順位の高いグループNo.の物品Bを出庫させておくことができる。よって、あるグループNo.の物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了してから、即座に次に優先順位の高いグループNo.の物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しを開始することができる。その結果、仕分装置5の高能力化をより一層図ることができながら、各分岐部4に対して優先順位の高い仕分けグループの物品Bから分岐搬送させることができる。しかも、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品B(シュートNo.が同一の物品B)ごとで、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから受取搬送手段10への払い出しを行っている。これにより、複数の分岐部4の夫々に対しては、ある仕分けグループの物品Bの受取搬送手段10への払い出しが終了すると、その仕分けグループの物品Bの受取搬送手段10への払い出しが他の分岐部4で終了しているか否かにかかわらず、次に優先順位の高い仕分けグループの物品Bの受取搬送手段10への払い出しを開始できる。よって、複数の分岐部4の夫々では、複数の分岐部4の全てにおいてある仕分けグループの物品Bの受取搬送手段10への払い出しが終了するまで待つことなく、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから順次受取搬送手段10への払い出しを行うことができる。その結果、仕分装置5の高能力化を効果的に図ることができる。
【0063】
グループ制御において、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品Bごとの複数の仕分け手段3の動作について、図10のフローチャートに基づいて説明する。
まず、仕分制御装置9は、仕分けグループのグループNo.であるPを1とし、グループNo.がG1である物品Bについて受取搬送手段10へ払い出すように第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14に指令を与えて、グループNo.がG1である物品Bについて払い出しを開始する(#11,#12)。第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14は、グループNo.がG1である物品Bについて受取搬送手段10へ払い出すように第1払い出し手段3a及び第2払い出し手段3bの作動を制御する払い出し処理を行う(#13)。
仕分制御装置9は、物品情報読み取り手段17にて取得される物品情報により、グループNo.がG1である物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了したか否かと判別し、終了したと判別すると、出荷データの全ての物品Bについて払い出しが終了したか否かを判別する(#14,#15)。
仕分制御装置9は、全ての物品Bについて払い出しが終了していなければ、仕分けグループのグループNo.を次に優先順位の高い仕分けグループに移行するためにP=P+1として、#12以降の動作を行う(#16)。また、仕分制御装置9は、全ての物品Bについて払い出しが終了していると、リターンとしてグループ制御を終了する。
このようにして、グループ制御では、仕分け先として選択された分岐部4が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品B(シュートNo.が同一の物品B)ごとで、優先順位の高い仕分けグループの物品Bから受取搬送手段10への払い出しを行っている。
【0064】
〔別実施形態〕
(1)上記第1実施形態において、どのような条件となったときに、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了していると判別するかは適宜変更が可能である。
例えば、各保管装置用コントローラ8を、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が終了すると、その出庫終了情報を仕分制御装置9に通信するように構成する。そして、仕分制御装置9は、複数の保管装置用コントローラ8の全てから出庫終了情報を受信すると、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了していると判別することができる。
【0065】
(2)上記第2実施形態において、どのような条件となったときに、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了していると判別するかは適宜変更が可能である。
例えば、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14を、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが終了すると、その払い出し終了情報を仕分制御装置9に通信するように構成する。そして、仕分制御装置9は、第1払い出しコントローラ13及び第2払い出しコントローラ14から払い出し終了情報を受信すると、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了していると判別することができる。
【0066】
(3)上記第1及び第2実施形態において、物品情報読み取り手段17を設けずに、仕分制御装置9は、合流搬送手段11にある優先順位の仕分けグループの物品Bの全てが搬送されると、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する出庫部1への出庫が複数の保管装置2の全てにおいて終了している、又は、ある優先順位の仕分けグループの物品Bに対する受取搬送手段10への払い出しが複数の出庫部1の全てにおいて終了していると判別することもできる。
【0067】
(4)上記第1及び第2実施形態において、物品情報を出庫ラベルにバーコードとして出力し、その出庫ラベルを物品Bに貼り付けるようにしているが、物品Bに対して物品情報をどのようにして対応させるかは適宜変更が可能である。例えば、物品Bの夫々にICタグを設置し、そのICタグに物品情報を書き込むようにすることもできる。
【0068】
(5)上記第1及び第2実施形態では、受取搬送手段10を2つ設けた例を示したが、例えば、受取搬送手段10を3つ設けることもでき、受取搬送手段10の数については適宜変更が可能である。
また、第1及び第2実施形態では、複数の受取搬送手段10の夫々に割り当てた出庫部1の数を同じとしたが、例えば、複数の受取搬送手段10の夫々に割り当てる出庫部1の数を異なるようにすることもできる。
【0069】
(6)上記第1及び第2実施形態では、仕分制御装置9が、各種装置のコントローラに指令を与えることにより、複数の保管装置2の夫々や複数の払い出し手段3の夫々等の仕分設備の各種装置の作動を制御するように構成しているが、例えば、各種装置のコントローラ同士を通信自在に構成する等、仕分設備の各種装置の作動を制御するための構成としては、各種の構成を適応することができる。つまり、仕分制御手段は、上記第1及び第2実施形態の如く、仕分制御装置9にて構成するものに限られず、複数の制御装置から構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0070】
【図1】仕分設備の平面図
【図2】仕分設備の制御ブロック図
【図3】第1実施形態におけるグループ制御を示す仕分設備の要部拡大図
【図4】第1実施形態におけるグループ制御を示す仕分設備の要部拡大図
【図5】第1実施形態におけるグループ制御の動作を示すフローチャート
【図6】第2実施形態におけるグループ制御を示す仕分設備の要部拡大図
【図7】第2実施形態におけるグループ制御を示す仕分設備の要部拡大図
【図8】第2実施形態におけるグループ制御を示す仕分設備の要部拡大図
【図9】第2実施形態におけるグループ制御を示す仕分設備の要部拡大図
【図10】第2実施形態におけるグループ制御の動作を示すフローチャート
【図11】デットロック状態を説明するための仕分設備の要部拡大図
【符号の説明】
【0071】
1 出庫部
2 保管装置
3 払い出し手段
4 分岐部
5 仕分装置
9 仕分制御手段
10 受取搬送手段
11 合流搬送手段
12 分岐搬送手段
B 物品

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の物品を保管可能で且つ保管されている物品を出庫部に出庫可能な複数の保管装置と、
前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部から払い出し手段により払い出される物品を搬送し、その物品を複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させる仕分装置と、
前記保管装置に保管されている物品のうち出庫要求された物品を前記出庫部に出庫させるように前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、前記複数の出庫部の夫々において前記払い出し手段により払い出される物品を搬送して前記複数の分岐部のうち仕分け先として選択された分岐部に分岐搬送させるように前記仕分装置の作動を制御する仕分制御手段とを備えた仕分設備であって、
前記仕分装置は、前記複数の出庫部のうちの一部が割り当てられる状態で設けられて、その割り当てられた出庫部において前記払い出し手段により払い出される物品を受け取って搬送方向に並べる状態で搬送する受取搬送手段の複数と、前記複数の受取搬送手段にて搬送される物品を合流させて搬送方向に並べる状態で搬送する合流搬送手段と、前記合流搬送手段にて搬送される物品を前記複数の分岐部の何れかに選択的に分岐搬送させる分岐搬送手段とを備え、
前記仕分制御手段は、出庫要求された物品のうち、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、前記複数の受取搬送手段の夫々が前記合流搬送手段に向けて前記複数の仕分けグループのうちの予め定められた優先順位の高い仕分けグループの物品から搬送するように、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部への物品の出庫及び前記複数の出庫部の夫々における前記受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、前記複数の保管装置の夫々の作動及び前記複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するグループ制御を行うように構成されている仕分設備。
【請求項2】
前記仕分制御手段は、前記グループ制御において、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫が前記複数の保管装置の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫を開始する形態で、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部への物品の出庫を行うべく、前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、前記出庫部に出庫された物品を前記受取搬送手段に順次払い出す形態で、前記複数の出庫部の夫々における前記受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、前記複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するように構成されている請求項1に記載の仕分設備。
【請求項3】
前記仕分制御手段は、前記複数の受取搬送手段の夫々において搬送方向の最下流に位置する前記出庫部よりも下流側で且つ前記合流搬送手段に到達する以前の位置に、ある優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されると、その優先順位の仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫が前記複数の保管装置の全てにおいて終了したと判別するように構成されている請求項2に記載の仕分設備。
【請求項4】
前記仕分制御手段は、前記グループ制御において、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、前記保管装置ごとにある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫が終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記出庫部への出庫を開始する形態で、前記複数の保管装置の夫々における前記出庫部への物品の出庫を行うべく、前記複数の保管装置の夫々の作動を制御し、且つ、仕分け先として選択された分岐部が同一でかつ複数の仕分けグループに区分けされた物品について、ある優先順位の仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しが前記複数の出庫部の全てにおいて終了すると次に優先順位の高い仕分けグループの物品に対する前記受取搬送手段への払い出しを開始する形態で、前記複数の出庫部の夫々における前記受取搬送手段への物品の払い出しを行うべく、前記複数の払い出し手段の夫々の作動を制御するように構成されている請求項1に記載の仕分設備。
【請求項5】
前記仕分制御手段は、前記複数の受取搬送手段の夫々において搬送方向の最下流に位置する前記出庫部よりも下流側で且つ前記合流搬送手段に到達する以前の位置に、ある優先順位の仕分けグループの物品の全てが搬送されると、その優先順位の仕分けグループの物品について前記複数の出庫部の全てにおいて前記受取搬送手段への払い出しが終了したと判別するように構成されている請求項4に記載の仕分設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−184784(P2009−184784A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26879(P2008−26879)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】