説明

付加画像生成装置および付加画像合成装置

【課題】映像のフレームに所望の位置を指定することにより、指定された位置を軌跡または線として表示する付加画像を映像の再生時に映像に同期して出力することを限られた容量のメモリを用いて可能とする。
【解決手段】本発明の付加画像生成装置は、外部から供給される映像から一定の割合で間引いた(1)フレームデータをタイムコードに関係付けて保存し(2〜4)、保存した期間の映像を構成する総てのフレームに対するレコードを備えたテーブルを生成し(11)、保存されたフレームの任意のフレームに所望の位置を利用者に指定させ(7〜10)、指定された位置のデータを用いて、位置が指定されていないフレームの位置を補間し(12)、指定された位置を軌跡または線として表示する付加画像を作成し、映像の再生時に、作成した付加画像を映像に同期して出力する(13,14)。多くのメモリを必要としないのでPCで実施可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時々刻々変化する映像上に図形を作成し、作成した図形を映像とともに合成出力する画像合成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、スポーツ等の学習や解説のため、黒板、マグネット、およびチョークを用いた戦術の呈示や分析が行われている。この呈示手段をヒントに、実写映像上にアイコンや任意の曲線などを合成表示するシステムがビデオ画面チョーク装置として実用化され、スポーツ放送などで利用されている。本システムでは、ポインティングデバイスをディスプレイ上で操作することにより、実写映像上に直接図形を描画しているような直感的な操作性が得られる。
【0003】
また、一定期間の映像フレームをメモリ上に蓄積し、蓄積されたフレームの画素値を変更することで描画操作を行い、変更後のフレームを読み出すことで、映像上に動的な描画を行ったような映像効果を得る技法も用いられている。
【0004】
さらに、黒板やマグネットの移動を模した画面をビデオ画面の時刻に連動して保存・再生可能な装置が存在する(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−180895号公報(段落0047〜0077、図7)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、ビデオ画面チョーク装置においては、描画された図形が即座に映像と合成されるため、時間とともに変化する図形を正確または満足に描画することが難しい。このため、従来は、オペレータの描画操作が間に合う程度までVTR(ビデオテープレコーダ)を十分に低速再生しつつ、描画を行う必要がある。
【0006】
映像フレームをメモリ上に蓄積し、蓄積されたフレームの画素値を変更することで描画操作を行う手法では、時々刻々変化する描画効果を正確に再現することが可能であるものの、映像効果を適用したい全フレームの映像をメモリ上に蓄える必要があるため、膨大なメモリを必要とする。
【0007】
また、特許文献1の手法も、蓄積されたフレームに対する映像効果であるため、映像効果を適用したい全フレームの映像をメモリ上に蓄える必要があり、膨大なメモリを必要とする。
【0008】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、映像の間引きされた任意のフレームに所望の位置を指定することにより、指定された位置を軌跡または線として表示する付加画像を作成し、映像の再生時に、作成した付加画像を映像に同期して出力する付加画像生成装置を提供することを課題とする。
また、本発明は、映像の再生時に、再生される映像に前記の付加画像を合成して出力する付加画像合成装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明は、ある面では、映像に重畳表示すべき付加画像を生成する付加画像生成装置を提供する。本発明の付加画像生成装置は、記録手段と、テーブル生成手段と、フレーム表示選択手段と、画像位置指定手段と、位置情報保存手段と、補間手段と、画像生成手段とを備えることにより、映像に重畳表示すべき付加画像を生成することを特徴とする。
この構成の付加画像生成装置によれば、利用者が映像の間引いたフレームの一部のフレームにおける画像位置を指定することにより、画像位置が指定されていないフレームに対して画像位置を補間した付加画像を作成し、ビデオ再生可能な装置の出力を構成する映像のフレームデータを受信した場合、この受信したフレームデータに応じて、付加画像を出力する。したがって、受信した映像に付加画像を重畳することにより、付加画像を重畳した映像を表示することが可能となる。少なくとも時間的に間引いた映像データを保存して、付加画像生成を行うので、限られたメモリ容量で実現することが可能である。
【0010】
前記所定の画像オブジェクトとして使用可能な少なくとも1つの画像オブジェクトデータを記憶する手段を備え、画像位置指定手段が、利用者が前記少なくとも1つの画像オブジェクトデータから所望のものを前記所定の画像として選ぶことを可能とする手段を含む構成としてもよい。
この構成の付加画像生成装置によれば、少なくとも1つの画像オブジェクトデータから選択して表示させることが可能となる。
【0011】
前記画像生成手段は、保存されている付加画像の前記画像位置の位置情報が示す位置に前記所定の画像オブジェクトを重畳して得た新たな付加画像を出力するとともに、付加画像として保存する残像生成手段を含んでもよい。
この構成の付加画像生成装置によれば、それまで出現した画像位置の総てに画像オブジェクトが表示されるので、指定した画像位置を結ぶ画像オブジェクトの線として付加画像を表示することが可能となる。
【0012】
前記残像生成手段は、前記の新たな付加画像の各点を直線または曲線で結ぶ線画像生成手段を含んでもよい。
この構成の付加画像生成装置によれば、指定した画像位置が直線または曲線で結ばれて表示される。
【0013】
前記画像位置指定手段が、前記の選択表示された画像において利用者に所望の複数の画像位置を指定することを可能とし、前記位置情報保存手段が、前記操作に応じて、前記画像において指定された前記複数の画像位置の位置情報を前記画像の前記タイムコードとともに保存し、前記補間手段が、前記位置情報の保存を行った2つのフレームに順序的に挟まれ、前記位置情報の保存が行われていないフレームが存在する場合、存在する各フレームに対し、前記2つのフレームの各位置情報を用いて当該フレームの対応する位置情報を補間し、当該フレームのタイムコードとともに前記複数の画像位置の位置情報として保存し、前記画像生成手段が、前記の一致する保存されたタイムコードに関係付けられた前記複数の画像位置の位置情報が示す位置に所定の画像オブジェクトをそれぞれ配置した付加画像を出力するように構成してもよい。
【0014】
この構成の付加画像生成装置によれば、複数の点の軌跡を表示することが可能となる。
前記付加画像生成装置を二次記憶装置を備えたパーソナルコンピュータで構成し、前記の各手段が前記二次記憶装置に格納されたプログラムの一部を含むようにしてもよい。
このように、本発明によれば、付加画像生成装置をパーソナルコンピュータで実現することが可能である。
また、本発明は、別の面では、前記ビデオ再生可能な装置の前記出力を構成する前記映像のフレームデータを受信すると、これに応じて、前記受信したフレームデータによるオリジナル画像に前記画像生成手段から出力される前記付加画像を重畳した合成画像を出力する手段を前記の付加画像生成装置に設けて構成される付加画像合成装置を提供する。
この構成の付加画像合成装置によれば、利用者が映像の間引いたフレームの一部のフレームにおける画像位置を指定することにより、画像位置が指定されていないフレームに対して画像位置を補間した付加画像を作成し、ビデオ再生可能な装置の出力を構成する映像のフレームデータを受信した場合、この受信したフレームデータに付加画像を重畳した映像を出力する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、映像の間引きされた任意のフレームに所望の位置を指定することにより、指定された位置を軌跡または線として表示する付加画像を作成し、映像の再生時に、作成した付加画像を映像に同期して出力することが可能となる。このように、付加画像の生成に間引きした映像データを使用するので、付加画像を重畳した映像の表示を少ないメモリ容量で実現できるので、本発明は、通常のパーソナルコンピュータを用いて実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態と添付図面により本発明を詳細に説明する。
なお、複数の図面に同じ要素を示す場合には同一の参照符号を付ける。
図1は、本発明の一実施形態により実写映像を記録し、記録した映像に対して利用者が点の軌跡や線などを設定して生成した画像(付加画像または軌跡画像と称する)を元の実写映像と合成して出力する付加画像合成システムの構成を示すブロック図である。図1において、付加画像合成システム1000は、図示しない映像源から送られる映像信号および映像を構成する各フレームに割り当てられたタイムコード信号を受信し、受信した映像信号とタイムコードを記録再生するVTR装置101、VTR装置101の操作を行うためのVTR再生制御部102、および本発明の原理によりVTR装置101の出力映像から利用者が点の軌跡や線などを設定して生成した付加画像を元の出力映像と合成して出力する付加画像合成装置100を備えてなる。
【0017】
付加画像合成システム1000では、VTR装置101の映像信号とタイムコード信号の各入力端子に映像信号とタイムコード信号を入力する。また、VTR装置101の映像信号およびタイムコード信号の各出力端子は、付加画像合成装置100の映像信号およびタイムコード信号の各入力端子と接続する。VTR装置101は、映像、タイムコード等を磁気テープに収録/再生するものであるが、この代わりに光ディスク(DVD−R、DVD−RW、DVD−RAM、DVD+RW、CD−R、CD−RWなど)や磁気ディスク(HDD(ハードディスク装置)、FDD(フレキシブルディスク装置)、ZIP(ZIPリムーバブル記憶装置)など)、光磁気ディスク(MO(magneto-optical disc)、MD(ミニディスク)など)などに収録/再生を行うビデオディスクレコーダであってもよいし、半導体メモリ(DRAM(ダイナミックRAM)、SRAM(スタティックRAM)、SDRAM(同期DRAM)、PROM(プログラム可能型)、EPROM(電気的プログラム可能型)、EEPROM(電気的消去/プログラム可能型)、UV−EPROM(紫外線消去/プログラム可能型)など)に収録/再生を行う装置であっても構わない。(ここで、DVD=digital versatile disc、CD=コンパクトディスク、−R=追記型、−RW=書き換え型、RAM=random access memory、ROM=read only memoryである。)
VTR再生制御部102は、VTRの再生、停止、巻き戻し、早送り、録画(以下、再生等)を切り替えたり、再生等の速度を調節するためのユーザインタフェースであり、VTR装置101本体上に設置されたボタンやダイアルなどのスイッチ類であってもよいし、本体からリモートケーブルを介して接続される別筐体上に設置されるスイッチ類であってもよい。映像信号とは、例えばNTSC(National Television System Committee)、PAL(Phase Alternation by Line)、SECAM(セカム:フランスのカラーテレビジョン方式)の各方式によるコンポジット信号、RGBやYCbCr、YPbPrのアナログコンポーネント信号などの各種アナログ映像信号、SDI(Serial Digital Interface)信号、DVI(Digital Visual Interface)信号、DV(Digital Video)信号などの各種ディジタル映像信号のいずれによることもできる。また、タイムコード信号はLTC(Linear Time Code)信号、VITC(Vertical Interval Time Code)など任意の時刻同期のための信号を一つ乃至複数組み合わせて用いることができる。
【0018】
なお、付加画像合成システム1000では、VTR装置101は、再生時にはテープ等に収録された映像およびタイムコードを出力し、再生時以外は入力映像および入力タイムコードをそのまま(スルーで)出力するものとする。
<本発明の原理>
【0019】
図2は、本発明の原理による付加画像合成装置の構成を概念的に示すブロック図である。図2に示すように、付加画像合成装置100は、記録手段30と、テーブル生成手段31と、フレーム表示選択手段32と、画像位置指定手段33と、位置情報保存手段34と、座標データ補間部(補間手段)12と、画像生成手段35と、画像合成部(画像合成手段)15を備えることにより、映像に重畳表示すべき付加画像を生成し、VTR装置101からの映像に重畳した付加画像合成信号を出力する。
記録手段30は、映像のフレームデータとこれに対応するタイムコードとを出力するビデオ再生可能な装置(例えば、VTR装置101)の出力から、少なくとも時間的に一定の割合で間引いたフレームデータを前記タイムコードに関係付けて保存するものであり、詳細に後記するクロック生成部1、書き込みアドレス演算部2、映像蓄積部3、タイムコード蓄積部4を含む。
テーブル生成手段31は、前記の間引いたフレームデータを保存した期間の映像を構成する総てのフレームに対するレコードを備えたテーブルを生成するものであり、座標データ蓄積部11に含まれる。
フレーム表示選択手段32は、前記の保存した保存フレームデータの画像表示および表示される表示フレームの選択を利用者に可能とするものであり、映像蓄積部3、映像再生操作部5、読み出しアドレス演算部6、カーソル画像合成部8、表示部9により実現される。
画像位置指定手段33は、前記表示フレームにおいて利用者に所望の画像位置を指定し、前記画像位置の位置情報を保存する意図を反映する操作を可能とするものであり、座標データ入力部7、カーソル画像合成部8、表示部9により実現される。位置情報保存手段34は、前記操作に応じて、前記表示フレームに対応する前記テーブルのレコードに、前記表示フレームにおいて指定された前記画像位置の位置情報を前記表示フレームの前記タイムコードとともに保存するものであり、タイムコード蓄積部4、書き込みアドレス演算部10、座標データ蓄積部11により実現される。
【0020】
座標データ補間部(補間手段)12は、前記位置情報の保存を行った2つのフレームに順序的に挟まれ、前記位置情報の保存が行われていないフレームが存在する場合、存在する各フレームに対し、前記2つのフレームの前記位置情報を用いて当該フレームの位置情報を補間し、当該フレームに対応する前記テーブルのレコードに、当該フレームのタイムコードとともに前記画像位置の位置情報として保存するものであり、後記の座標データ補間部に相当する。
画像生成手段35は、前記ビデオ再生可能な装置の前記出力を構成する前記映像のフレームデータを受信した場合、この受信したフレームデータとともに受信したタイムコードと一致する保存されたタイムコードが存在するとき、前記の一致する保存されたタイムコードに関係付けられた前記画像位置の位置情報が示す位置に所定の画像オブジェクトを配置した付加画像を出力するものであり、座標データ蓄積部11、読み出しアドレス演算部13、CG作画部14により実現される。
画像合成手段は、前記ビデオ再生可能な装置の前記出力を構成する前記映像のフレームデータを受信すると、これに応じて、前記受信したフレームデータによるオリジナル画像に前記画像生成手段から出力される前記付加画像を重畳した合成画像を出力するものであり、後記の画像合成部15または画像合成装置15aに相当する。
【0021】
クロック生成部1は、映像蓄積のタイミングを生成する。書き込みアドレス演算部2は、映像蓄積およびタイムコード蓄積におけるメモリアクセスのための書き込みアドレスを求める。映像蓄積部3は、複数フレームの映像を記憶するメモリである。タイムコード蓄積部4は、記憶されるフレームごとのタイムコードを記憶するメモリである。映像再生操作部5は、利用者が主に映像を読み出す操作を行うものである。読み出しアドレス演算部6は、映像再生操作部5の操作に応じて映像蓄積部3およびタイムコード蓄積部4から映像およびタイムコードを読み出すための読み出しアドレスを求める。座標データ入力部7は、利用者が表示させたいと思う点の座標データを入力するためのユーザインタフェースである。カーソル画像合成部8は、映像蓄積部3から読み出された映像に対して、座標データ入力部7で入力された座標上にカーソル画像を重畳合成する。表示部9は、カーソル画像合成部8でカーソルを重畳された合成画像のほか、種々の画像を表示する。書き込みアドレス演算部10は、タイムコード蓄積部4に蓄積されたタイムコードから座標データ蓄積のための書き込みアドレスを求める。座標データ蓄積部11は、書き込みアドレス演算部10で求めたアドレスに座標データ入力部7で入力された座標値を記憶する。座標データ補間部12は、座標データ蓄積部11の座標データテーブル(図4、6に関連して後記する)に蓄積された座標データを用いて座標データが蓄積されていないフレームに対して時間補間を行う。読み出しアドレス演算部13は、座標データ蓄積部11から座標データを読み出すためのアドレスをVTR装置101からのタイムコードに基づいて求める。CG作画部14は、画像オブジェクトとして使用可能な少なくとも1つの画像オブジェクトデータを記憶する手段を備え、座標データ蓄積部11の座標データテーブルから読み出された座標上にCGを作画する。画像合成部15は、CG作画部14で作画されたCG画像を入力映像上に重畳合成する。
【0022】
また、付加画像合成装置100は、詳細に後記するように画像オブジェクト選択手段36を備えることが好ましい。すなわち、所定の画像オブジェクトとして使用可能な少なくとも1つの画像オブジェクトデータを記憶しておき、画像オブジェクト選択手段36により、利用者が前記少なくとも1つの画像オブジェクトデータから所望のものを所定の画像オブジェクトとして選べるようにすることが好ましい。
さらに、画像生成手段35またはCG作画部14は、残像生成手段37、線画像生成手段38、またはこれらの両方を含んでもよい。残像生成手段37は、保存されている付加画像の前記画像位置の位置情報が示す位置に前記所定の画像オブジェクトを重畳して得た新たな付加画像を出力するとともに、付加画像として保存する。線画像生成手段38は、前記の新たな付加画像の各画像オブジェクトを直線または曲線で結ぶ。
【0023】
各要素の動作の説明に先立って、図1および図2の構成による付加画像合成システム1000の画像記録から合成映像出力に至るまでの一連の操作手順を以下に概説する。
(1a)VTR再生制御部102を操作してVTR装置101を録画状態にするとともに、付加画像合成装置100を記録状態にする。
(1b)図示しない映像源から映像信号とタイムコード信号をVTR装置101に供給する。VTR装置101は、入力映像および入力タイムコードを記録するとともに、スルーで出力する。付加画像合成装置100は、VTR装置101からの入力映像を少なくとも時間的に間引いて入力タイムコードとともに必要な時間だけ蓄積する。
(2a)付加画像合成装置100の映像再生操作部5を操作して、フレームを表示させながら図形を描画したいフレームを選択する。表示部9には、選択された映像フレームがカーソルとともに表示される。
(2b)座標データ入力部7を操作して、所望の座標位置を入力する。表示部9には操作に応じてカーソル等の図形が表示される。
(2c)利用者は、描画を行いたい時間範囲に関して(2a)および(2b)を繰り返し、画像位置の入力を満足できるまで行ったのち、画像位置の入力終了指令、補間指令またはこれらの両方を発する。これに応じて、付加画像合成装置100は、後記の補間処理を実行する。このようにして、各フレームにおいて入力または補間された画像位置に再生時にCGオブジェクトを配置したものが付加画像となる。
(3)付加画像合成装置100を再生状態にしてVTR装置101にて記録した映像を再生する。VTR装置101からは、テープ等に収録された映像およびタイムコードが出力される。付加画像合成装置100ではVTR装置101からのタイムコードに同期してCG作画が行われ、VTR装置101から出力される映像上に入力または補間された画像位置に配置されたCGオブジェクトを重畳合成した合成映像が出力される。
なお、本手順において、手順(1b)で記録したテープの巻き戻し操作(付加画像生成後の再生動作のための頭出し)は、手順(1b)の後かつ手順(3)の前であればいつ実行してもよいし、(3)の操作に含めてもよい。
このように、付加画像合成システム1000の操作または動作は、(1)オリジナル映像の記録、(2)付加画像の生成または編集、(3)記録映像と付加画像の再生・合成に分けることができる。
【0024】
以下に、図2の各構成要素の動作について述べる。クロック生成部1は、映像蓄積部3およびタイムコード蓄積部4に映像およびタイムコードを記憶するためのタイミングを生成する。このタイミングは映像信号のフィールドレート(例えば59.94Hz)以下の任意のタイミングとする。例えば、フィールドレートのk倍(kは0<k≦1なる定数)とすることができる(例えばk=0.25)。仮に、フレームレート30Hzで入力される映像信号を時間的に約1/3に間引いて(すなわち、3フレームに1フレームの割合で)記録するものと仮定すると、クロック生成部1は、ほぼ100msの間隔でタイミングパルスを出力することになる。また、付加画像合成装置100をパーソナルコンピュータなどの計算機により実装する場合には、クロック生成部1は、そのCPUやバスの負荷変動に応じて変動するタイミングを生成してもよい。例えば、CPU負荷が小さい場合には短い時間間隔(例えば20ミリ秒間隔)とし、CPU負荷が大きい場合には長い時間間隔(例えば100ミリ秒間隔)で、クロック信号を発生してもよい。
【0025】
書き込みアドレス演算部2は、クロック生成部1のクロック信号に応じて映像蓄積部3およびタイムコード蓄積部4の各メモリへの書き込みアクセスのためのアドレスを算出する。
例えば、まず、書き込みアドレス演算部2は、クロック生成部1からのクロック信号ごとに0,1,……,(C−1)の各値を順次循環する整数値cを発生する。仮に、ほぼ100msのフレーム間隔で4秒間分ずつ処理を行う場合、C=40(=(1/0.1)×4)となる。
例えば、映像の1フレームがNvバイト(1920画素×1080画素×24ビットの画像の場合はNv=622800バイト)で構成され、タイムコード一つがNtバイト(例えば、Nt=4バイト)で表現される場合に、映像書き込み用のアドレスWv(c)およびタイムコード書き込み用のアドレスWt(c)をそれぞれ
Wv(c)=Nv×c ・・・(1a)
Wt(c)=Nt×c ・・・(1b)
のように算出する。
【0026】
映像蓄積部3は、1フレームあたりNvバイトの映像フレームを、Cフレーム分記憶することができるメモリである。書き込みアドレス演算部2からの書き込みアドレスWv(c)と、入力映像信号が与えられたとき、映像蓄積部3は、アドレスWv(c)から始まるNvバイト分のメモリブロックに対して現在の入力映像の各画素値を書き込む。
また、映像蓄積部3は、後述する読み出しアドレス演算部6から読み出しアドレスRvが与えられたとき、アドレスRvから始まるNvバイト分のメモリブロックの内容を読み出し、後述するカーソル画像合成部8に渡す。
【0027】
タイムコード蓄積部4は、1フレームあたりNtバイトで表されるタイムコードを、Cフレーム分記憶することができるメモリである。書き込みアドレス演算部2からの書き込みアドレスWt(c)と、入力タイムコード信号が与えられたとき、タイムコード蓄積部4は、アドレスWt(c)から始まるNtバイト分のメモリブロックに対して現在外部から入力されているタイムコードを書き込む。
また、タイムコード蓄積部4は、後述する読み出しアドレス演算部6から読み出しアドレスRtが与えられたとき、アドレスRtから始まるNtバイト分のメモリブロックの内容を読み出し、後述する書き込みアドレス演算部10へ渡す。
【0028】
映像再生操作部5は、映像蓄積部3に記憶された画像から所望のフレームを頭出しするためのユーザインタフェースである。例えば、「1コマ進む」および「1コマ戻る」の各ボタンにより構成される。
読み出しアドレス演算部6は、映像再生操作部5の操作に応じて、映像蓄積部3およびタイムコード蓄積部4からの映像およびタイムコード読み出しのためのアドレスRvおよびRtを生成する。
例えば、映像再生操作部5の「1コマ進む」ボタンを押下した場合には、
c←(c+1)%C ・・・(2a)
Rv←Nv×c ・・・(2b)
Rt←Nt×c ・・・(2c)
なる演算によりアドレスRvおよびRtを変更する。ここで、X%CはXのモジュロCを意味する、すなわち、XをCで割った余りを示す。
一方、「1コマ戻る」のボタンを押下した場合には、
c←(c+C−1)%C ・・・(3a)
Rv←Nv×c ・・・(3b)
Rt←Nt×c ・・・(3c)
なる演算によりアドレスRvおよびRtを変更する。なお、式(3a)では、負の数に対するモジュロ演算を避けるために、モジュロをとる前に除数Cを加えている。
【0029】
座標データ入力部7は、例えば、マウスやペンタブレット、タッチパネルなど、2次元の座標を入力するためのユーザインタフェースである。
カーソル画像合成部8は、映像再生操作部5の操作および読み出しアドレス演算部6の動作により、映像蓄積部3より読み出された映像フレームの上に、カーソル画像を重畳合成する。カーソルとは、座標データ入力部7により指示されている座標上に重畳表示する特定の図形(例えば矢印や指差し印など)を言う。また、座標データ入力部7において、現在のカーソル位置が利用者の意図する位置である旨を付加画像合成装置100に伝えるための所定の操作によりカーソル位置の座標を確定した場合(例えば、マウスクリックなどを行った場合)には、その確定された座標上に特定の図形(例えば×印など)を重畳する。
表示部9は、カーソル画像合成部8で合成された画像を表示する表示装置である。例えば、表示部9には、LCD(液晶ディスプレイ)、PDP(プラズマディスプレイ)、CRT(ブラウン管ディスプレイ)など、任意の表示デバイスを用いることができる。
【0030】
図3は、映像再生操作部5および座標データ入力部7の操作により、映像蓄積部3に蓄積された任意のフレームに座標データを入力する様子を表示部9への表示例を用いて説明する図である。まず、#1において映像再生操作部5の操作(例えば、「1コマ進む」および「1コマ戻る」)により所望の画像フレーム(アドレスRv=Nv×ci(i=0〜(C−1))を表示部9に表示させる(画面#2)。続いて、#2において表示されているカーソルを、座標データ入力部7の操作、例えば、マウス移動など(#3)により所望の座標まで移動させる(画面#4)。画面#4の例では、ボールの像の上にカーソルを移動させている。次に、例えば、所定のボタンなどをクリックなど座標データ入力部7による所定の操作により(#5)、座標を確定する(画面#6)。以上の操作#1,#3,#5により、ある1つのフレームに対する座標データが画面#2,#4,#6のように入力される。
【0031】
以降も同様に、操作#7,#9,#11により、別のフレーム(アドレスRv=Nv×cj(j=0〜(C−1)かつj≠i)に対する座標データが画面#8、#10,#12のように入力される。利用者は、これら一連の操作を、映像蓄積部3に蓄積された任意のフレームに対して行うことができるが、必ずしも蓄積されている全てのフレームに対して実行する必要はない。
書き込みアドレス演算部10は、タイムコード蓄積部4から読み出されたタイムコードのフレーム番号Tに基づき、座標データ蓄積部11の座標データテーブルへの書き込みのためのアドレスWpを算出する。例えば、座標データ蓄積部11に記憶する1レコードの大きさをNpバイト、座標データ蓄積部11が蓄積できる最大のレコード数をMとしたとき、
Wp=(T%M)×Np ・・・(4)
によりアドレスWpを定めることができる。ここに%MはMを法とする剰余である。なお、タイムコードは、例えば、00:00:00:00(0時0分0秒0フレーム)から数えたフレーム数をTとする。最大のレコード数Mは、例えば、書き込みアドレス演算部2の例のように、4秒間分ずつ処理する場合には、M=120(=30×4)とする。
【0032】
座標データ蓄積部11のテーブル生成手段31は、映像の取り込み(すなわち、映像蓄積部3およびタイムコード蓄積部4への書き込み)が終了すると、取り込まれたすべてのフレームに対応するレコードを含んだ座標テーブルを生成する。そして、生成した座標テーブルの最初の処理単位である映像の先頭から例えば、4秒間分のフレームに対応するレコードを図示しないRAMに読み出す。図4は、座標テーブルのRAM上に展開された4秒間分のフレーム(すなわち、120フレーム)に対するレコードを示す図である。図4Aは、生成した直後で座標データを全く入力していない状態を示し、図4Bは、映像蓄積部3に蓄積され表示可能なフレームに対して利用者が座標データをある程度入力し、補間する前の状態を示す。図4A,4Bにおいて、未入力のフィールドの値を「?」で表す。座標テーブルのレコードのうち、白抜きの☆印を付けたレコードは、フレームデータが映像蓄積部3に蓄積されているフレームを示し、それ以外のレコードは、フレームデータが間引かれて映像蓄積部3に蓄積されていないフレームを示す。したがって、表示部9に表示できるのは☆印付きのフレームに限られるので、利用者は、意識することはないが、☆印付きのフレームに対してのみ映像再生操作部5および座標データ入力部7の操作により座標データを入力することができる。すなわち、前記の3フレームごとに記録する例では、☆印が付いたフレーム番号0,3,6,9,12,...,114,117の40(=120/3)フレームに対して座標データを設定することができる。
【0033】
図4Aの座標データテーブルの例では、各レコードには、そのレコードのテーブル内アドレスWp(=A×Np)、座標値のx座標およびy座標、並びにタイムコードが記録されている。ここで、AはRAMにロードされているレコードの番号であり、A=T%Mで与えられる(式(4)参照)。以下において、座標テーブルのアドレスAに記憶されるx座標をX[A]、y座標をY[A]、タイムコードをU[A]と記すこととする。
利用者があるフレームまたはレコードに座標データを設定または入力すると、対応するレコードに、座標データ入力部7で確定された座標値およびタイムコード蓄積部4から出力されたタイムコードが書き込まれる。図4Bに座標テーブルにおける座標値およびタイムコードの記憶方法の一例を示す。まだ座標データが設定されていないメモリ領域に対しては、タイムコード領域に−1の値が設定されている。ここで、例えば、タイムコードがT=252のとき、(x,y)=(310,40)なる座標を記憶させる場合には、まず、書き込みアドレス演算部10において、式(4)の演算により、アドレスWp=(252%120)×Np=12×Npが求められる。そこで、アドレス12×Npを先頭とするメモリブロックに、x座標310、y座標40およびタイムコード252が記録される。すなわち、X[12]=310、Y[12]=40、U[12]=252が記録される。図4Bの例では、A=12のほか、少なくともA=0,114、117のレコードまたはフレームに座標データが設定されている。なお、図4A,4Bは、メモリ上のテーブル構造であり、例えば、ハードディスクなどに座標テーブルを記録する場合には、アドレスフィールドの代わりに、シリンダ番号、ヘッド番号、セクタ番号や、FAT(ファイル・アロケーション・テーブル)上において論理的に識別可能なファイル名を用いてもよい。
【0034】
なお、この例では、座標データ蓄積部11のタイムコード記録にあたりU[A]にタイムコードTそのものを記録するものとしたが、例えば、Tの代わりにT/Mの整数部を記録する方式によることもできる。
【0035】
補間手段である座標データ補間部12は、座標テーブルに記憶された座標データをスキャンし、座標データが記録されていないメモリ領域に対し、座標の補間値を書き込む。座標データ補間部12の動作の手順を図5のフローチャートを参照しつつ説明する。
まず、ステップS1乃至S6により座標テーブルに記録されたタイムコードの最小値Tminと最大値Tmaxを求める(但し、タイムコードが−1の場合は無視する)。具体的には、ステップS1において、タイムコードの最小値Tminを無限大(∞)に、最大値Tmaxを−1に設定し、ステップS2において、レコード番号Aを0に設定する。ステップS3において、レコード番号Aがレコード数Mに達しないか否かを判断する。Aがレコード数に達しない場合(Yesの場合)、判断ステップS4において、タイムコードU[A]が−1であるか否か、すなわちそのレコードに座標データが未設定であるか否かを判断する。未設定ならば(Yesの場合)、ステップS6に進む。判断ステップS4において、未設定でない、すなわち座標データが設定されている場合(Noの場合)、ステップS5において、最小値TminとタイムコードU[A]とを比較し、小さい方の値を最小値Tminとし、最大値TmaxとタイムコードU[A]とを比較し、大きい方の値を最大値Tmaxとする。なお、min{X,Y}は、XおよびYの小さい方の値を表し、max{X,Y}は、XおよびYの大きい方の値を表わす。判断ステップS4でYes分岐した後、またはステップS5の終了後、ステップS6においてレコード番号Aをインクリメントして、ステップS3に戻る。
判断ステップS3において、レコード番号Aがレコード数Mに達した場合(Noの場合)、ステップS7に進み、ステップS7でタイムコード変数Tに最小値Tminを設定する。
【0036】
続いて、ステップS7乃至S13において、TminとTmaxとに挟まれた各タイムコードTに対して、座標データの記録状況に応じて次の規則に従って補間処理を行う。すなわち、
規則1.タイムコードTの座標データが既に存在する場合(U[A]≠−1のとき)は補間しない。
規則2.タイムコードTの座標データが存在しない場合(U[A]=−1のとき)であって、Tより過去、およびTより未来の一定範囲に座標データが存在する場合には、補間処理を行う。
【0037】
まず、ステップS7において、タイムコード変数Tに最小値Tminを設定する。ステップS8において、タイムコード変数Tをインクリメントする。判断ステップS9において、タイムコード変数Tが最大値Tmaxに満たないか否かを判断する。タイムコード変数Tが最大値Tmaxに満たなくない、すなわち最大値Tmaxに達した場合(Noの場合)、もやは処理すべきレコードは無いものと判断して、処理を終了する。ステップS9において、タイムコード変数TがTmaxに満たない場合(Yesの場合)、さらなる判断ステップS10において、タイムコード変数Tが座標テーブルのタイムコードフィールドの値U[A](=U[T%M])に等しいか否か判断する。等しいならば(Yesの場合)、そのレコードには座標データが設定されていることになり、補間の必要がないので、次のレコードを処理するためステップS8に戻る。判断ステップS10において、タイムコード変数Tが座標テーブルのタイムコードフィールドの値U[A]に等しくない場合(Noの場合)、おそらくU[A]=−1であり、そのレコードには座標データが未設定で補間を必要とするので、補間のためにステップS11に進む。ステップS11〜S13における補間処理は、例えば、特開2006−31378の「時系列データ補間装置、その方法およびそのプログラム」における補間手段42と同様の動作により行うことができる。
すなわち、ステップS11において、座標テーブルにおけるタイムコード(T−1)乃至max{Tmin,T−P}の座標データの有無を調べ、このレコード範囲内に座標データが存在した場合には(X座標,Y座標,タイムコード)からなるベクトルを座標データ集合Dに加える。ここに、Pは過去方向の探索範囲(単位はフレーム)である。この処理は、次の式で表すことができる。
【0038】
【数1】

【0039】
ここで、変数τは、探索範囲max{Tmin,T−P}〜(T−1)における現在の探索位置またはレコード位置を表すフレーム番号であり、演算子Uは、現在の探索位置に座標データが存在する(すなわち、U[τ%M]≠−1が成立する)場合、その座標データを座標データ集合Dに加えることを表す。
【0040】
ステップS12において、座標テーブルにおけるタイムコード(T+1)乃至min{Tmax,T+F}の座標データの有無を調べ、座標データが存在した場合には(X座標,Y座標,タイムコード)からなるベクトルを座標データ集合Dに加える。ここに、Fは未来方向の探索範囲(単位はフレーム)である。この処理は、次の式で表すことができる。
【0041】
【数2】

【0042】
ステップS13では、前記の集合DおよびDに基づき補間処理を施し、時刻Tにおける座標の補間結果(X’,Y’)を求め、この補間結果
X[T%M]=X’
Y[T%M]=Y’
をタイムコードT(=U[T%M])とともに座標データテーブルに書き込む。ステップS13の終了後は、次のレコードまたはフレームの処理を行うために、前記のステップS8に戻る。
【0043】
前記のステップS11〜S13においては、特開2006−31378の「時系列データ補間装置、その方法およびそのプログラム」に開示された補間手段42と同様の処理により精度を高めた補間を行ったが、通常のより単純な方法で補間することも可能である。
例えば、ステップS11において、タイムコード(T−1)乃至max{Tmin,T−P}におけるTの最近傍の座標データを(X,Y),そのタイムコードをTとする。該当するデータが存在しない場合にはステップS13において補間を行わないこととする。
続いて、ステップS12において、タイムコード(T+1)乃至min{Tmax,T+F}におけるTの最近傍の座標データを(X,Y),タイムコードをTとする。該当するデータが存在しない場合にはステップS13において補間を行わないこととする。
ステップS13では、タイムコードTに対する補間座標(X’,Y’)を次式により算出する。
【0044】
【数3】

【0045】
この補間結果(X’,Y’)をタイムコードT(=U[T%M])とともに座標データテーブルに書き込む。
【0046】
図6は、座標データ補間部12により補間した後の座標データテーブルの状態の一例を示す図である。図6では、分かりやすいように、後者の単純な補間方法で補間した座標データの例を示す。図6において、★印が付いていないデータ(すなわち、☆印が付いたデータまたは無印のデータ)が、式(7)により補間されたデータである。例えば、アドレス115×Np、116×Npの補間データは、アドレス114×Npおよび117×Npから補間されたものである。また、アドレス118×Npおよびアドレス119×Npの補間データは、アドレス117×Npおよび0×Npから補間されたものである。さらに、アドレス6×Npを含むアドレス1×Npからアドレス11Npまでの補間データは、補間された座標値から推察してアドレス0×Npおよび12×Npから補間されたものと思われる。
【0047】
以上のように補間することにより、映像蓄積部3に蓄積された映像区間のすべてのフレームに対して付加画像として重畳表示される点の座標データが完成する。これにより、VTR装置101から映像データが供給された場合、供給される映像とともに指定された座標位置に点を合成表示することが可能となる。
【0048】
読み出しアドレス演算部13は、外部から入力されたタイムコードTextに基づき、座標データテーブルから座標データを読み出すためのアドレスRpを算出する。例えば、Rp=Text%MによりアドレスRpを決定する。
【0049】
CG作画部14は、座標データ蓄積部11から読み出された座標データ(X,Y)およびタイムコードTに基づき、CG画像を生成する。具体的には、CG作画部14では、座標データ蓄積部11から読み出されたタイムコードTが外部から入力されたタイムコードTextと一致するか否かを検証する。一致しない場合には同時に読み出された座標データ(X,Y)を破棄し、作画は行わない。
タイムコードが一致した場合には、読み出された座標データ(X,Y)に基づき、CGオブジェクトを作画する。図7はCGオブジェクト作画の一例である。この例では、まず、入力映像の大きさと同じ大きさの描画領域を設け、予め黒で塗りつぶしておく。続いて、読み出された座標データ(X,Y)を中心とする位置にCGオブジェクト(図7の例では白色の円盤)を作画している。
【0050】
最後に、画像合成部15では、外部から入力された映像信号と、CG作画部14で作画されたCGとを合成する。例えば、外部から入力された映像の上に重畳するようCGを合成する方式によることができる。
例えば、図7のように作画した場合、利用者により指定または入力された点が映像とともに滑らかに動いて表示されることになる。
【0051】
また、図8は、CGオブジェクト作画の別の一例である。この例では、図7の場合のオブジェクトに加え、残像生成手段37により、過去の時点におけるCGオブジェクトも残像として残すよう作画している。このように作画した場合、利用者により指定または入力された点の軌跡が線となって表示される。
【0052】
さらに、CG作画部14は、以上のような作画方法のほか、例えば、線画像生成手段38により、過去の時点から現時点までのオブジェクト位置を折線や曲線(スプライン曲線など)で結ぶといった作画手法により作画するように構成することも可能である。
【0053】
また、前記の例では、指定された座標位置に単純な円を表示するように構成した。しかし、円盤のような単純な図形に限らず、ボールの形やテクスチャをもったCGオブジェクトのように、より複雑な種々のCGオブジェクトをあらかじめ用意しておき、画像オブジェクト選択手段36により、この中から利用者に所望のCGオブジェクトを選択できるようにし、選択されたCGオブジェクトを用いて作画するようにCG作画部14を構成してもよい。
<好ましい実施形態>
【0054】
以上述べたように、本発明の原理によれば、付加画像の合成表示を限られたメモリ容量で実現することができるので、パーソナルコンピュータを用いて図2と同様の画像合成装置を実現することが可能である。
図9は、本発明の好ましい実施形態によりパーソナルコンピュータを用いて実現した付加画像合成装置の構成を概念的に示した機能ブロック図である。図9において、付加画像合成装置100aは、基本的に、制御演算部300、二次記憶装置310、操作部330、表示部9およびこれらの間のデータ転送を行うバス302を備えてなるパーソナルコンピュータ(PC)である。付加画像合成装置100aは、バス302に接続される回路基板を増設可能なスロットと、このスロットに挿入して使用される回路基板200をさらに備えている。したがって、本実施形態の付加画像合成装置100aには、回路基板200を増設可能で記憶容量および処理速度などの点から十分な性能を備えたものであれば、いかなるPCでも使用可能である。二次記憶装置310には、制御演算部300の図示しないCPUにより実行される種々のプログラムが格納されている。図9において、2重線で示したブロックはソフトウェア(すなわち、二次記憶装置310に格納されているプログラム)で実施可能な要素を示す。そのうち、要素名の最後がAPI(Application Program Interface)で終了する要素は、付加画像合成装置100aのOS(オペレーティングシステム)から提供される関数もしくは回路基板200の制御用に提供されるライブラリ関数を示す。例えば、VCAPI403は、呼び出されて実行されると、映像キャプチャ部110が時々刻々と取り込む映像データから、そのときの1フレーム分のデータを返す関数である。同様に、TC読取API401は、呼び出されて実行されると、タイムコード読み取り部120が時々刻々と取り込むタイムコードから、そのとき取り込まれたタイムコードを返す関数である。
【0055】
次に、回路基板200のハードウェア構成を説明し、続いて、ソフトウェア構成および動作をまとめて説明する。回路基板200は、図1のVTR装置101から供給される映像信号を取り込む映像キャプチャ部110、VTR装置101から供給されるタイムコード信号を取り込むTC読み取り部(TC読取部)120、動作に必要な種々のデータを一時的に格納するRAM20、RAM20に格納されている座標データテーブル25から読み出される座標データおよびタイムコードならびにTC読み取り部122を介して取り込まれた外部タイムコードTextから付加画像を生成するCG作画部14、およびCG作画部14で生成された付加画像とVTR装置101から供給される映像信号とを構成出力する画像合成部15を備える。
【0056】
TC読み取り部(TC読取部)120は、VTR装置101から供給されるVITC信号を読み取るVITC読み取り部122およびVTR装置101から供給されるLTC信号を読み取るLTC読み取り部124を備え、VITC信号およびLTC信号の何れも取り込めることが好ましいが、VITC読み取り部122およびLTC読み取り部124の一方のみを備えてもよい。
【0057】
以降、図10〜12を参照しながらソフトウェア構成および動作を説明する。図10は、二次記憶装置310に格納され制御演算部300の図示しないCPUにより所定の周期で常に実行されるプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。換言すれば、図10の処理の流れが前記のプログラムを定義すると考えられるので、図10の処理の流れをプログラムと同等に考え図10のプログラムと称する。付加画像合成装置100aにおいては、主に操作部330の操作により発せられる記録(映像の間引き保存)、編集(付加画像の生成・編集)、再生(映像と付加画像の合成出力)およびプログラム終了などのコマンドを監視し、コマンドの変化に応じて処理を行う。図10のプログラムが実行されると、まず、記録、編集および再生のうち何れのモードが操作部330により選択されているかを監視する(S360)。記録が選択されているか否かを判断し(S362)、そうなら後記の記録処理サブルーチンを呼び出して実行することにより記録処理を行い(S364)、記録が選択されていない場合(Noの場合)は、さらに編集が選択されているか否かを判断する(S366)。編集が選択されている場合(Yesの場合)、後記の編集処理サブルーチンを呼び出して実行することにより編集処理を行い(S368)、編集が選択されていなければ(Noの場合)、再生が選択されているはずであるから後記の再生処理サブルーチンを呼び出して実行することにより再生処理を行う(S370)。記録処理ステップS364、編集処理ステップS368または再生処理ステップS370の終了後は、プログラム終了の指示が発せられたか否かを判断し(S372)、そうでなければ前記のステップS360に戻り処理を繰り返し、プログラム終了の指示が発せられた場合、処理を終了する。以上の処理により、後記のように記録、編集および再生が行われる。
【0058】
図11は、図10に示した記録処理サブルーチンS364(=図11a)および再生処理サブルーチンS370(=図11b)の処理の流れを示すフローチャートである。図12は、図10に示した編集処理サブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。なお、図9において2重線で示した各プログラム構成要素には、それを実行することにより実現される図11または12のステップに付けた要素符号からSを取り除いた番号を付けてある。
【0059】
図10のステップS364において、記録処理サブルーチンが実行されると、図11(a)において、まずクロック生成部1から与えられる記録トリガTrrに応じてプログラム要素400がタイムコード読取API401にTC読み取りコマンドを発行する(S400)。これに応じて、タイムコード読取API401から渡されるタイムコードをタイムコード書込部402がタイムコードをRAM20のタイムコード格納領域24に書き込む(S402)。同様に、クロック生成部1から与えられる記録トリガTrrに応じてプログラム要素404が映像キャプチャAPI403に映像取込コマンドを発行する(S404)。これに応じて、映像キャプチャAPI403から渡される映像データまたはフレームデータを映像書込部406が映像データをRAM20の間引き映像データ23格納領域に書き込む(S406)。そして、最新の映像データを表示部9に表示する。
以上の処理により、クロック生成部1が、所定の間隔またはCPUの処理負荷に応じた間隔で記録トリガTrrを出力することにより、記録トリガTrrに同期して映像フレームがRAM20に記録されるので、記録トリガTrrの頻度に応じて間引かれた映像フレームが記録されることになる。
【0060】
図10のステップS368において編集処理サブルーチンが実行された場合の処理を説明する。図12において、まず表示フレームインデックスcを初期値0に設定した(S410)のち、第c番目の間引き映像データを編集モニタ用画像メモリ22(図9参照)にコピーし(S412)、カーソル画像を編集モニタ用画像メモリ22に重畳し(S414)、さらに既入力の(既に入力されている)座標データを編集モニタ用画像メモリ22に重畳して(S416)、編集モニタ用画像メモリ22の内容(画像)を表示部9に表示する(S418)。そして、カーソル操作の指示か否かを判断し(S420)、そうならば(Yesの場合)、指定の位置にカーソルを移動して(S422)、ステップS424に進む。判断ステップS420において、カーソル操作の指示でない場合(Noの場合)、ステップS424において、表示フレーム変更の指示か否かを判断し、そうなら、表示フレームインデックスcを指定のフレームに変更して(S426)、ステップS428に進む。判断ステップS424において、表示フレーム変更の指示でない場合(Noの場合)、ステップS428において、確定の指示か否かを判断し、確定ならば(Yesの場合)、現在のカーソル座標を座標データテーブル25(図9参照)の該当するレコードに書き込み(S430)、ステップS432に進む。ステップS428において確定の指示でない場合(Noの場合)、ステップS432において補間実行の指示か否かを判断する。Noの場合、何もせず編集処理を終了し、補間実行の指示の場合(Yesの場合)、座標データテーブルの未入力レコードの座標データを補間して(S434)、編集処理を終了する。
この編集処理により、RAM20に保存されている任意の間引き映像データ23に対して、利用者が表示位置の座標を指定することができ、座標を指定していないフレームに対しては座標データを補間することができる。このようにして、VTR装置101で再生される映像に重畳表示すべき付加画像が生成される。
【0061】
VTR装置101で再生した映像とともに付加画像を重畳表示する場合、利用者は、まず付加画像合成装置100aを再生モードにする。すると、図10のステップS370において図11(b)の再生処理サブルーチンが実行される。このサブルーチンが実行されると、図11(b)において、クロック生成部1が出力する再生トリガTrpに応じて、プログラム要素440が、タイムコード読取API401にタイムコード取込コマンドを発行する(S440)。読み出しアドレス演算部442(図9参照)は、これに応じてタイムコード読取API401が返したタイムコードをプログラム要素440を介して受け取り、座標データテーブル25の読み出しアドレスに変換する(S442)。そして、RAM20の座標データテーブル25からこの読み出しアドレスで指定された座標データおよびタイムコードを読み出してCG作画部14に転送する(S444)。
CG作画部14は、座標データテーブル25から読み出された座標データおよびタイムコードならびにTC読取API401を介して取り込まれた外部タイムコードTextから付加画像を生成する。このとき、CG作画部14は、座標データテーブル25から読み出されたタイムコードと外部タイムコードTextとが一致する場合に限り、画像を生成して出力する。
画像合成部15は、VTR装置101からの映像にCG作画部14からの付加画像を重畳して出力する。
<種々の変形>
【0062】
以上は、本発明の説明のために実施の形態の例を掲げたに過ぎない。したがって、本発明の技術思想または原理に沿って上述の実施の形態に種々の変更、修正または追加を行うことは、当業者には容易である。
例えば、最初に説明した本発明の原理においては、書き込みアドレス演算部2が循環するフレームインデックスcを生成することにより、映像蓄積部3,タイムコード蓄積部4,および座標データ蓄積部11に比較的短時間(数秒程度)の処理単位ごとのデータを格納し、データ全体は二次記憶装置に格納するようにした。しかし、処理すべきデータを分割せず、すべてのデータをRAM20に格納するように構成してもよい。少なくとも座標データテーブルは、1レコードが高々十数バイト程度であるから、すべてのテーブルデータをRAM20に格納することが好ましい。
【0063】
また、図4および図6に示した座標データテーブルの例では、最初のフィールドとしてアドレスフィールドを備えているが、座標データとタイムコードを関係付けて格納できれば目的は達せられるので、アドレスフィールドは必ずしも必要ではない。多くの場合、データのアクセスはOSを介して行い、プログラム作成時には配列などの機能を使用すればアドレスを意識する必要はない。仮に、利用者自信がアドレス管理を行う場合でも、アドレスフィールドを使用する代わりに、レコードを指し示すポインタを使用するなど、種々の方法が可能である。
【0064】
以上説明した例では、付加画像合成装置100,100aは、画像合成部15を含んでいた。しかし、画像合成装置として単体の装置を使用することも可能である。図13は、図2に示した付加画像合成装置100を、付加画像合成装置100から画像合成部15を取り除いた付加画像生成装置90と単体の画像合成装置15aによって構成した付加画像合成装置100bの構成を示すブロック図である。すなわち、図13の付加画像合成装置100bは、図2の付加画像合成装置100を画像合成部15を含まない付加画像生成装置90と画像合成装置15aで置き換えたものである。同様の構成は、図9の付加画像合成装置100aに対しても可能であることは言うまでもない。
以上述べた例では、一定の間隔でフレームをサンプルして格納したが、フレームをサンプルするだけでなく、各フレームのデータを空間的に間引いたデータを格納するようにしてもよい。
以上述べた例では、座標データテーブルには、1組の座標データのみが格納されている。しかし、各レコードに複数の組の座標データを格納するようにしてもよい。このようにすることにより、例えばボクシングの左右のグローブの動きの軌跡を付加画像として、元の映像に重畳表示できるようになる。また、この場合、各座標に対して表示するオブジェクトや色を指定するデータを格納できるようにしてもよい。しかし、オブジェクトや色のデータを座標データテーブルに含めると、座標データテーブルのサイズが大きくなるので、座標の組にIDを付け、このIDにオブジェクトおよび色を関係付けて保存する方が好ましい。これにより、表示する点または点の軌跡ごとにオブジェクトおよび色を変えて表示することが可能となる。
また、以上述べた例では、映像信号として各種アナログ信号や各種デジタル信号を使用することとした。さらに、映像信号として例えばMPEG(Moving Picture Experts Group)符号化されたデータでもよい。この場合、例えば、映像蓄積部3にはIピクチャ(Intra Picture)のみを蓄積し、編集時の表示および再生時の合成の前にMPEG復号器を通してアナログ信号に変換するように構成すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明に係る付加画像合成装置を外部のVTR装置と接続して使用する例を説明するブロック図である。
【図2】本発明の原理に係る付加画像合成装置の構成を示すブロック図である。
【図3】映像再生操作部5および座標データ入力部7の操作により、映像蓄積部3に蓄積された任意のフレームに座標データを入力する様子を表示部9への表示例を用いて説明する図である。
【図4A】座標データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図4B】座標データテーブルのデータ構造の一例を示す図である。
【図5】座標データ補間部の動作を表すフローチャートである。
【図6】座標データ補間部により補間された後の座標データテーブルの状態の一例を示す図である。
【図7】CG作画部で生成されるCGの一例を示す図である。
【図8】CG作画部で生成されるCGの別の例を示す図である。
【図9】本発明の好ましい実施形態によりパーソナルコンピュータを用いて実現した付加画像合成装置の構成を概念的に示した機能ブロック図である。
【図10】二次記憶装置310に格納され制御演算部300のCPUにより所定の周期で常に実行されるプログラムの処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】図10に示したフローチャートの記録処理サブルーチン(11a)および再生処理サブルーチン(11b)の処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】図10に示したフローチャートの編集処理サブルーチンの処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】図2に示した付加画像合成装置100を、付加画像合成装置100から画像合成部15を取り除いた付加画像生成装置90と単体の画像合成装置15aによって構成した付加画像合成装置100bの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0066】
1 クロック生成部
2 書き込みアドレス演算部
3 映像蓄積部
4 タイムコード蓄積部
5 映像再生操作部
6 読み出しアドレス演算部
7 座標データ入力部
8 カーソル画像合成部
9 表示部
10 書き込みアドレス演算部
11 座標データ蓄積部
12 座標データ補間部
13 読み出しアドレス演算部
14 CG作画部
15 画像合成部(画像合成手段)
15a 画像合成装置(画像合成手段)
30 記録手段
31 テーブル生成手段
32 フレーム表示選択手段
33 画像位置指定手段
34 位置情報保存手段
35 画像生成手段
36 画像オブジェクト選択手段
37 残像生成手段
38 線画像生成手段
90 付加画像生成装置
100,100a 付加画像合成装置
101 VTR装置
102 VTR再生制御部
1000 付加画像合成システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像のフレームデータとこれに対応するタイムコードとを出力するビデオ再生可能な装置の出力から、少なくとも時間的に一定の割合で間引いたフレームデータを前記タイムコードに関係付けて保存する記録手段と、
前記の間引いたフレームデータを保存した期間の映像を構成する総てのフレームに対するレコードを備えたテーブルを生成するテーブル生成手段と、
前記の保存した保存フレームデータの画像表示および表示される表示フレームの選択を利用者に可能とするフレーム表示選択手段と、
前記表示フレームにおいて利用者に所望の画像位置を指定し、前記画像位置の位置情報を保存する意図を反映する操作を可能とする画像位置指定手段と、
前記操作に応じて、前記表示フレームに対応する前記テーブルのレコードに、前記表示フレームにおいて指定された前記画像位置の位置情報を前記表示フレームの前記タイムコードとともに保存する位置情報保存手段と、
前記位置情報の保存を行った2つのフレームに順序的に挟まれ、前記位置情報の保存が行われていないフレームが存在する場合、存在する各フレームに対し、前記2つのフレームの前記位置情報を用いて当該フレームの位置情報を補間し、当該フレームに対応する前記テーブルのレコードに、当該フレームのタイムコードとともに前記画像位置の位置情報として保存する補間手段と、
前記ビデオ再生可能な装置の前記出力を構成する前記映像のフレームデータを受信した場合、この受信したフレームデータとともに受信したタイムコードと一致する保存されたタイムコードが存在するとき、前記の一致する保存されたタイムコードに関係付けられた前記画像位置の位置情報が示す位置に所定の画像オブジェクトを配置した付加画像を出力する画像生成手段とを備えることにより、
映像に重畳表示すべき付加画像を生成することを特徴とする付加画像生成装置。
【請求項2】
前記所定の画像オブジェクトとして使用可能な少なくとも1つの画像オブジェクトデータを記憶する手段を備え、
前記画像位置指定手段は、利用者が前記少なくとも1つの画像オブジェクトデータから所望のものを前記所定の画像として選ぶことを可能とする画像オブジェクト選択手段を含むことを特徴とする請求項1記載の付加画像生成装置。
【請求項3】
前記画像生成手段は、保存されている付加画像の前記画像位置の位置情報が示す位置に前記所定の画像オブジェクトを重畳して得た新たな付加画像を出力するとともに、付加画像として保存する残像生成手段を含むことを特徴とする請求項1記載の付加画像生成装置。
【請求項4】
前記残像生成手段は、前記の新たな付加画像の各画像オブジェクトを直線または曲線で結ぶ線画像生成手段を含むことを特徴とする請求項3記載の付加画像生成装置。
【請求項5】
前記画像位置指定手段は、前記の選択表示された画像において利用者に所望の複数の画像位置を指定することを可能とし、
前記位置情報保存手段は、前記操作に応じて、前記画像において指定された前記複数の画像位置の位置情報を前記画像の前記タイムコードとともに保存し、
前記補間手段は、
前記位置情報の保存を行った2つのフレームに順序的に挟まれ、前記位置情報の保存が行われていないフレームが存在する場合、存在する各フレームに対し、前記2つのフレームの各位置情報を用いて当該フレームの対応する位置情報を補間し、当該フレームのタイムコードとともに前記複数の画像位置の位置情報として保存し、
前記画像生成手段は、前記の一致する保存されたタイムコードに関係付けられた前記複数の画像位置の位置情報が示す位置に所定の画像オブジェクトをそれぞれ配置した付加画像を出力することを特徴とする請求項1記載の付加画像生成装置。
【請求項6】
前記付加画像生成装置は、二次記憶装置を備えたパーソナルコンピュータからなり、
前記の各手段は前記二次記憶装置に格納されたプログラムの一部を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の付加画像生成装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか一項に記載の付加画像生成装置に、前記ビデオ再生可能な装置の前記出力を構成する前記映像のフレームデータを受信すると、これに応じて、前記受信したフレームデータによるオリジナル画像に前記画像生成手段から出力される前記付加画像を重畳した合成画像を出力する手段をさらに備えたことを特徴とする付加画像合成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−318321(P2007−318321A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−144281(P2006−144281)
【出願日】平成18年5月24日(2006.5.24)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】