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代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するためのチアゾリジンジオン類似体
説明

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するためのチアゾリジンジオン類似体

【課題】代謝性炎症によって媒介される疾患の処置に使用するチアゾリジンジオン類似体を選択的に含む医薬組成物を提供する。
【解決手段】本発明は、核転写因子PPARγの結合および活性化の低減を有するインスリン感作物質に関する。本発明のインスリン感作物質は、核転写因子PPARγの結合および活性化の低減を有し、したがってナトリウムの再吸収の低減およびより少ない副作用制限用量(dose−limiting side effect)をもたらす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の主張)
本特許出願は、2006年3月16日に出願された米国仮特許出願第60/782,894号に対する優先権を主張し、その全体を本明細書中で参考として援用する。
【0002】
(発明の技術分野)
本発明は、代謝性炎症によって媒介される疾患の処置に使用するチアゾリジンジオン類似体を選択的に含む医薬組成物を提供する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
過去数十年にわたり、科学者等は、PPARγは、インスリン感作性チアゾリジンジオン化合物に対して作用する一般的な受容部位であると考えてきた。
【0004】
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体(PPAR)は、遺伝子発現を調節するリガンド活性化転写因子である、核ホルモン受容体スーパーファミリーのメンバーである。PPARは、自己免疫疾患および他の疾患、すなわち、真性糖尿病、心臓血管疾患および胃腸疾患、ならびにアルツハイマー病に関与してきた。
【0005】
PPARγは、脂肪細胞分化および脂質代謝の重要な調節剤である。PPARγは、線維芽細胞、筋細胞、乳腺細胞、ヒトの骨髄形成前駆体、およびマクロファージ/単球を含む他の細胞型にも見られている。さらに、PPARγは、アテローム性動脈硬化プラークのマクロファージ泡沫細胞において示されている。
【0006】
チアゾリジンジオンは、元来、2型糖尿病の処置用に開発されたものであり、一般に、PPARγリガンドとして高い親和力を示す。チアゾリジンジオンがPPARγとの直接相互作用によってこれらの治療作用を仲介し得るという所見は、PPARγがグルコースおよび脂質のホメオスタシスの重要な調節剤であるというコンセプトの確立に役立った。しかし、PPARγの活性化を含む化合物は、ナトリウムの再吸収および他の不快な副作用も誘発する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一般に、本発明は、核転写因子PPARγの結合および活性化の低減を有するインスリン感作物質に関する。従来のインスリン感作物質は、PPARγを活性化し、そしてナトリウムの再吸収に有利に働く遺伝子の転写を刺激する。本発明のインスリン感作物質は、核転写因子PPARγの結合および活性化の低減を有し、したがってナトリウムの再吸収の低減およびより少ない副作用制限用量(dose−limiting side effect)をもたらす。したがって、これらの化合物は、実質的に、糖尿病、およびメタボリックシンドローム(異脂肪血症、および中心性肥満を含む)に関連するインスリン抵抗性の全ての態様を含む他の代謝性炎症によって媒介される疾患を処置および予防するために、より有効である。これらの化合物はまた、他の炎症疾患(例えば、関節リウマチ、狼瘡、重症筋無力症、脈管炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、および炎症性腸疾患)、および神経変性疾患(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病)、および多発性硬化症を処置するために有用である。したがって、本発明は例えば以下をも提供する。
(項目1) 代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法であって、式Iの化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を含む医薬組成物を患者に投与することを含み、
【化1】

式中、
は、水素または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、または任意に置換された脂肪族であり、
環Aは、フェニル、あるいはN、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する単環へテロアリールであり、これらのいずれかは、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている、
方法。
(項目2) 代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法であって、式IIIの化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を含む医薬組成物を患者に投与することを含み、
【化2】

式中、
は、水素または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ヒドロキシ、またはヒドロキシで任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、または任意に置換された脂肪族であり、
環Aは、N、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有し、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている単環ヘテロアリールである、方法。
(項目3) 代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法であって、式IVの化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を含む、医薬組成物を患者に投与することを含み、
【化3】

式中、
は、水素または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ヒドロキシ、またはヒドロキシで任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、または任意に置換された脂肪族である、
方法。
(項目4) 代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法であって、式Vの化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を含む、医薬組成物を患者に投与することを含み、
【化4】

式中、
は、水素または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ヒドロキシ、またはヒドロキシで任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、または任意に置換された脂肪族である、
方法。
(項目5) 代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法であって、式VIの化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を含む、医薬組成物を患者に投与することを含み、
【化5】

式中、
は、水素または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ヒドロキシ、またはヒドロキシで任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、または任意に置換された脂肪族である、
方法。
(項目6) 項目1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖C2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖C2−6アルキニルである、方法。
(項目7) 項目1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々が置換されていない、方法。
(項目8) 項目1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、水素またはハロである、方法。
(項目9) 項目1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、水素、ヒドロキシ、またはオキソである、方法。
(項目10) 項目1〜9のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、任意に置換されたC1−6脂肪族である、方法。
(項目11) 項目1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルケニル、あるいは任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルキニルである、方法。
(項目12) 項目1〜11のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々が、ヒドロキシで任意に置換されている、方法。
(項目13) 項目1〜12のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、メチルまたはエチルであり、これらの各々が、ヒドロキシで置換されている、方法。
(項目14) 項目1〜13のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、水素またはハロである、方法。
(項目15) 項目1〜14のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、任意に置換されたC1−6脂肪族である、方法。
(項目16) 項目1〜15のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルケニル、あるいは任意に置換された直鎖または分枝鎖C1−6アルキニルである、方法。
(項目17) 項目1〜16のいずれか1項に記載の方法であって、Rが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々が、置換されていない、方法。
(項目18) 項目1〜17のいずれか1項に記載の方法であって、環Aは、N、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5員または6員からなる単環へテロアリールである、方法。
(項目19) 項目1〜18のいずれか1項に記載の方法であって、他の実施例では、環Aが、フラン−イル、チオフェン−イル、ピロール−イル、ピロリジン−イル、ピラゾール−イル、1,3,4−チアジアジオール−イル、1,3,5−トリアジン−イル、ピラジン−イル、ピリミジン−イル、ピリダジン−イル、イソオキサゾール−イル、またはイソチアゾール−イルである、方法。
(項目20) 項目1〜19のいずれか1項に記載の方法であって、環Aが、ピリジン−イルである、方法。
(項目21) 項目1〜20のいずれか1項に記載の方法であって、環Aは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、またはピリジン−4−イルである、方法。
(項目22) 項目1〜21のいずれか1項に記載の方法であって、環Aは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イルである、方法。
(項目23) 代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法であって、表Aから選択された化合物を含む医薬組成物を患者に投与することを含む、方法。
(項目24) 炎症疾患の重症度を処置または低減する方法であって、項目1〜22のいずれかに記載された化合物を哺乳動物に投与することを含む、方法。
(項目25) 患者において疾患の重症度を処置または低減する方法であって、該疾患が、異脂肪血症、中心性肥満、関節リウマチ、狼瘡、重症筋無力症、脈管炎、多発性硬化症、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、炎症性腸疾患、急性アレルギー反応、移植拒絶、アルツハイマー病、パーキンソン病、および多発性硬化症から選択され、該方法が、式Iの化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を、該患者に接触させる工程を含み、
【化6】

式中、
は、水素または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、または任意に置換された脂肪族であり、
は、水素、ハロ、または任意に置換された脂肪族であり、
環Aは、フェニル、あるいはN、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する単環へテロアリールであり、これらのいずれかは、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている、
方法。
【0008】
1つの態様では、本発明は、式I:
【0009】
【化7】

の化合物または薬学的に許容できる該化合物の塩を含む、代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するために有用な医薬組成物を提供し、式中、R、R、R、および環Aについては下で説明する。本発明の他の態様は、式Iの化合物を患者に投与することによって代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法を提供する。
【0010】
本発明の別の態様は、式Iの化合物、ならびにメトホルミン;ジペプチジルペプチダーゼIV(すなわち、DPP−4)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチンなど);スタチン、すなわち、HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、または薬学的に許容できるこれらの何らかの組み合わせ;GLP−1アゴニストおよびGLP−2アゴニスト;あるいはこれらの組み合わせ、ならびに薬学的に許容できる担体を含む、医薬組成物を提供する。
【0011】
本発明の別の態様は、患者を式Iの化合物と接触させることによって関節リウマチ、狼瘡、重症筋無力症(myasthenia,gravis)、脈管炎、COPD、炎症性腸疾患、急性アレルギー反応、移植拒絶、中心性肥満、異脂肪血症、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬化症(muscular sclerosis)、またはこれらの組み合わせを処置する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、表Bのデータをグラフで表示した図である。このグラフは、PPARγに結合する代表的化合物1〜3の親和性を例示している。
【図2】図2は、経時的なピオグリタゾンおよび化合物1の濃度;ならびにラットにおける両方の化合物のインビボ代謝を示す質量スペクトログラフを、グラフで表示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
(発明の詳細な説明)
本明細書では、特記事項がある場合を除いて、以下の定義を適用するものとする。
I.定義
本発明では、化学元素は、元素の周期律表、CASバージョン、Handbook of Chemistry and Physics,75th Ed.により確認する。さらに、有機化学の一般原理は、”Organic Chemistry”,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito:1999,および”March’s Advanced Organic Chemistry”,5th Ed.:Smith,M.B.and March,J.,John Wiley & Sons,New York:2001で説明されている。これらの文献は、引用により全体が本明細書に組み込まれている。
【0014】
本明細書で説明したように、本発明の化合物は、上で一般的に説明したもの、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および化学種により例示したものなど1つ以上の置換基により任意に置換され得る。
【0015】
本明細書で使われる用語「脂肪族化合物」は、用語アルキル、アルケニル、アルキニルを含み、これらの各々は下で説明するように任意に置換される。
【0016】
本明細書で使われる「アルキル」基は、1〜12(例えば、1〜8、1〜6、または1〜4)個の炭素原子を含む飽和脂肪族炭化水素基を称する。アルキル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルキル基の例には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘプチル、または2−エチルヘキシルがあるが、これらに限定されない。アルキル基は、ハロ、ホスホ、脂環式[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、ヘテロ脂環式[例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、または(ヘテロ脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、またはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、またはヘテロ脂環式アミノ]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、ヘテロ脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアリールアルコキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、またはヒドロキシなどの1つ以上の置換基で置換(すなわち、任意に置換)され得る。以下に限定されないが、置換アルキルの例をいくつか挙げると、カルボキシアルキル(HOOC−アルキル、アルコキシカルボニルアルキル、およびアルキルカルボニルオキシアルキルなど)、シアノアルキル、ヒドロキシアルキル、アルコキシアルキル、アシルアルキル、アラルキル、(アルコキシアリール)アルキル、(スルホニルアミノ)アルキル((アルキル−SO−アミノ)アルキルなど)、アミノアルキル、アミドアルキル、(脂環式)アルキル、またはハロアルキルがある。
【0017】
本明細書で使われる「アルケニル」基は、2〜8(例えば、2〜12、2〜6、または2〜4)個の炭素原子および少なくとも1つの二重結合を含む脂肪族炭素基を称する。アルキル基と同様に、アルケニル基は、直鎖または分枝鎖であり得る。アルケニル基の例には、アリル、イソプレニル、2−ブテニル、および2−ヘキセニルがあるが、これらに限定されない。アルケニル基は、ハロ、ホスホ、脂環式[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、ヘテロ脂環式[例えば、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル]、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、または(ヘテロ脂環式)カルボニル]、ニトロ、シアノ、アミド[例えば、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ アルキルアミノカルボニル、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、アリールアミノカルボニル、またはヘテロアリールアミノカルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ、脂環式アミノ、ヘテロ脂環式アミノ、または脂肪族スルホニルアミノ]、スルホニル[例えば、アルキル−SO−、脂環式−SO−、またはアリール−SO−]、スルフィニル、スルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、脂環式オキシ、ヘテロ脂環式オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、またはヒドロキシなどの1つ以上の置換基で任意に置換され得る。以下に限定されないが、置換アルケニルの例をいくつか挙げると、シアノアルケニル、アルコキシアルケニル、アシルアルケニル、ヒドロキシアルケニル、アラルケニル、(アルコキシアリール)アルケニル、((アルキル−SO−アミノ)アルケニルなどの)(スルホニルアミノ)アルケニル、アミノアルケニル、アミドアルケニル、(脂環式)アルケニル、またはハロアルケニルがある。
【0018】
本明細書で使われる「アルキニル」基は、2〜8(例えば、2〜12、2〜6、または2〜4)個の炭素原子および少なくとも1つの三重結合を含む脂肪族炭素基を称する。アルキニル基は、直鎖基または分枝鎖基であり得る。アルキニル基の例には、プロパルギルおよびブチニルがあるが、これらに限定されない。アルキニル基は、アロイル、ヘテロアロイル、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ニトロ、カルボキシ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、スルホ、メルカプト、スルファニル[例えば、脂肪族スルファニルまたは脂環式スルファニル]、スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニルまたは脂環式スルフィニル]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−、脂肪族アミノ−SO−、または脂環式−SO−]、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルアミノカルボニル、ヘテロシクロアルキルアミノカルボニル、シクロアルキルカルボニルアミノ、アリールアミノカルボニル、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノまたはヘテロアリールアミノカルボニル]、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、ヘテロアリール、アシル[例えば、(脂環式)カルボニルまたは(ヘテロ脂環式)カルボニル]、アミノ[例えば、脂肪族アミノ]、スルホキシ、オキソ、カルボキシ、カルバモイル、(脂環式)オキシ、ヘテロ(脂環式)オキシまたは(ヘテロアリール)アルコキシなどの1つ以上の置換基により任意に置換され得る。
【0019】
本明細書で使われる「アミド」は、「アミノカルボニル」と「カルボニルアミノ」との両方を含む。これらの用語は、単独または別の基と合わせて使用した場合は、末端で使用した場合は、−N(R)−C(O)−Rまたは−C(O)−N(R、および内部で使用した場合は−C(O)−N(R)または−N(R)−C(O)−などのアミド基を称し、式中RおよびRは下で定義する。アミド基の例には、アルキルアミド(アルキルカルボニルアミノまたはアルキルアミノカルボニルなど)、(ヘテロ脂環式)アミド、(ヘテロアラルキル)アミド、(ヘテロアリール)アミド、(ヘテロシクロアルキル)アルキルアミド、アリールアミド、アラルキルアミド、(シクロアルキル)アルキルアミド、またはシクロアルキルアミドがある。
【0020】
本明細書で使われる「アミノ」基は、−NRを称し、RおよびRの各々は、独立に、水素、脂肪族、脂環式、(脂環式)脂肪族、アリール、アル脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、ヘテロアリール、カルボキシ、スルファニル、スルフィニル、スルホニル、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、アリールカルボニル、(アル脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、(ヘテロアリール)カルボニル、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニルであり、これらの各々は本明細書で定義され、任意に置換されている。アミノ基の例には、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、またはアリールアミノがある。用語「アミノ」が、末端基でない場合は(例えば、アルキルカルボニルアミノ)、アミノは−NR−で表される。Rは上の定義と同じ意味を有する。
【0021】
本明細書で使われ、単独で、または「アラルキル」、「アルアルコキシ」、または「アリールオキシアルキル」におけるより大きな部分の一部として使用される「アリール」基は、単環(例えば、フェニル)、二環(例えば、インデニル、ナフタレニル、テトラヒドロナフチル、テトラヒドロインデニル)、および三環(例えば、フルオレニル テトラヒドロフルオレニル、またはテトラヒドロアントラセニル、アントラセニル)系を称し、該系では、単環系は芳香族基あるいはニ環または三環系における環の少なくとも1つが芳香族基である。ニ環および三環基には、2〜3員のベンゾ縮合炭素環を含む。例えば、ベンゾ縮合基には、2個以上のC4−8炭素環部分と縮合したフェニルがある。アリールは、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(アル脂肪族)オキシ、(ヘテロアル脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、オキソ(ベンゾ縮合ニ環または三環アリールの非芳香族炭素環の)、ニトロ、カルボキシ、アミド、アシル[例えば、(脂肪族)カルボニル、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(アル脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニル]、スルホニル[例えば、脂肪族−SO−またはアミノ−SO−]、スルフィニル[例えば、脂肪族−S(O)−または脂環式−S(O)−]、スルファニル[例えば、脂肪族−S−]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、またはカルバモイルを含む1つ以上の置換基により任意に置換される。あるいは、アリールは、非置換であり得る。
【0022】
置換アリールの非限定的な例には、ハロアリール[例えば、モノ−、ジ(p,m−ジハロアリールなど)、および(トリハロ)アリール]、(カルボキシ)アリール[例えば、(アルコキシカルボニル)アリール、((アラルキル)カルボニルオキシ)アリール、および(アルコキシカルボニル)アリール]、(アミド)アリール[例えば、(アミノカルボニル)アリール、(((アルキルアミノ)アルキル)アミノカルボニル)アリール、(アルキルカルボニル)アミノアリール、(アリールアミノカルボニル)アリール、および(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)アリール]、アミノアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)アリールまたは((ジアルキル)アミノ)アリール]、(シアノアルキル)アリール、(アルコキシ)アリール、(スルファモイル)アリール[例えば、(アミノスルホニル)アリール]、(アルキルスルホニル)アリール、(シアノ)アリール、(ヒドロキシアルキル)アリール、((アルコキシ)アルキル)アリール、(ヒドロキシ)アリール、((カルボキシ)アルキル)アリール、(((ジアルキル)アミノ)アルキル)アリール、(ニトロアルキル)アリール、(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)アリール、((ヘテロ脂環式)カルボニル)アリール、((アルキルスルホニル)アルキル)アリール、(シアノアルキル)アリール、(ヒドロキシアルキル)アリール、(アルキルカルボニル)アリール、アルキルアリール、(トリハロアルキル)アリール、p−アミノ−m−アルコキシカルボニルアリール、p−アミノ−m−シアノアリール、p−ハロ−m−アミノアリール、または(m−(ヘテロ脂環式)−o−(アルキル)アリールがある。
【0023】
本明細書で使われる「アラルキル」基などの「アル脂肪族」は、アリール基で置換されている脂肪族(例えば、C1−4アルキル基)を称する。「脂肪族」、「アルキル」および「アリール」は、本明細書で定義されている。アラルキル基などのアル脂肪族の1例はベンジルである。
【0024】
本明細書で使われる「アラルキル」基は、アリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を称する。「アルキル」および「アリール」は共に上で定義されている。アラルキル基の1例は、ベンジルである。アラルキルは、脂肪族[例えば、カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、またはトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含むアルキル、アルケニル、またはアルキニル]、脂環式[例えば、シクロアルキルまたはシクロアルケニル]、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミド[例えば、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、またはヘテロアラルキルカルボニルアミノ]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルなどの1つ以上の置換基で任意に置換されている。
【0025】
本明細書で使われる「二環系」は、2個の環を形成する8〜12(例えば、9、10、または11)員の構造を含み、これら2個の環は、通常少なくとも1つの原子(例えば、通常2原子)を有する。二環系には、ビシクロ脂肪族(例えば、ビシクロアルキルまたはビシクロアルケニル)、ビシクロヘテロ脂肪族、二環アリール、および二環ヘテロアリールがある。
【0026】
本明細書で使われる「脂環式」基は、「シクロアルキル」基および「シクロアルケニル」基を含み、各々は下で説明するように任意に置換されている。
【0027】
本明細書で使われる「シクロアルキル」基は、3〜10(例えば、5〜10)個の炭素原子からなる飽和炭素環系単環または二環(縮合または架橋した)を称する。シクロアルキル基の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチル、ノルボルニル、クビル、オクタヒドロ−インデニル、デカヒドロ−ナフチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.3.2]デシル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、アダマンチル、または((アミノカルボニル)シクロアルキル)シクロアルキルがある。
【0028】
本明細書で使われる「シクロアルケニル」基は、1つ以上の二重結合を有する3〜10(例えば、4〜8)個の炭素原子からなる非芳香族系炭素環を称する。シクロアルケニル基の例には、シクロペンチル、1,4−シクロヘキサ−ジ−エニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、ヘキサヒドロ−インデニル、オクタヒドロ−ナフチル、シクロヘキセニル、シクロペンテニル、ビシクロ[2.2.2]オクテニル、またはビシクロ[3.3.1]ノネニルがある。
【0029】
シクロアルキル基またはシクロアルケニル基は、リン、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(アル脂肪族)オキシ、(ヘテロアル脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(アル脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロ脂環式)カルボニルアミノ、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(アル脂肪酸)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニル]、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキル−SO−およびアリール−SO−]、スルフィニル[例えば、アルキル−S(O)−]、スルファニル[例えば、アルキル−S−]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルなどの1つ以上の置換基により任意に置換され得る。
【0030】
本明細書で使われる用語「ヘテロ脂環式」基は、ヘテロシクロアルキル基およびヘテロシクロアルケニル基を含み、これらの各々は、下で説明するように任意に置換される。
【0031】
本明細書で使われる「ヘテロシクロアルキル」基は、3〜10員の単環または二環(縮合または架橋した)(例えば、5〜10員の単環または二環)飽和環状構造を称し、この構造では、環原子の1つ以上がヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはこれらの組み合わせ)である。ヘテロシクロアルキルの例には、ピペリジル、ピペラジル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロフリル、1,4−ジオキソラニル、1,4−ジチアニル、1,3−ジオキソラニル、オキサゾリジル、イソキサゾリジル、モルホリニル、チオモルホリニル、オクタヒドロベンゾフリル、オクタヒドロクロメニル、オクタヒドロチオクロメニル、オクタヒドロインドリル、オクタヒドロピリジニル、デカヒドロキノリニル、オクタヒドロベンゾ[b]チオフェニル、2−オキサ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザ−ビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザ−ビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオクサ−トリシクロ[3.3.1.03.7]ノニルがある。単環ヘテロシクロアルキル基は、フェニル部分と縮合し、ヘテロアリールとして分類されるテトラヒドロイソキノリンなどの構造を形成し得る。
【0032】
本明細書で使われる「ヘテロシクロアルケニル」基は、1つ以上の二重結合を有する単環または二環(例えば、5〜10員の単環または二環の)非芳香族環構造を称し、環原子の1つ以上はヘテロ原子(例えば、N、O、またはS)である。単環およびニ環ヘテロシクロ脂肪族は、標準化学命名法により番号を付けられる。
【0033】
ヘテロシクロアルキル基またはヘテロシクロアルケニル基は、リン、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(アル脂肪族)オキシ、(ヘテロアル脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、アミド[例えば、(脂肪族)カルボニルアミノ、(脂環式)カルボニルアミノ、((脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(アリール)カルボニルアミノ、(アル脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロ脂環式)カルボニルアミノ、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニルアミノ、(ヘテロアリール)カルボニルアミノ、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニルアミノ]、ニトロ、カルボキシ[例えば、HOOC−、アルコキシカルボニル、またはアルキルカルボニルオキシ]、アシル[例えば、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(アル脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホニル[例えば、アルキルスルホニルまたはアリールスルホニル]、スルフィニル[例えば、アルキルスルフィニル]、スルファニル[例えば、アルキルスルファニル]、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルなどの1つ以上の置換基により任意に置換され得る。
【0034】
本明細書で使われる「ヘテロアリール」基は、4〜15の環を構成する原子を含み、これらの環原子の1つ以上が、ヘテロ原子(例えば、N、O、S、またはこれらの組み合わせ)である単環、二環、または三環系を称し、この単環系は芳香族基であるか、あるいは二環、または三環系の少なくとも1つの環は芳香族基である。ヘテロアリール基には、2〜3個の環を有するベンゾ縮合環系がある。例えば、ベンゾ縮合基には、1つまたは2つの、4〜8員のヘテロ脂環式部分と縮合したベンゾ(例えば、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、またはイソキノリニル)がある。ヘテロアリールの例をいくつか挙げると、アゼチジニル、ピリジル、1H−インダゾリル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、テトラゾリル、ベンゾフリル、イソキノリニル、ベンズチアゾリル、キサンテン、チオキサンテン、フェノチアジン、ジヒドロインドール、ベンゾ[1,3]ジオキソール、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、プリル、シノリル、キノリル、キナゾリル、シノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、イソキノリル、4H−キノリジル、ベンゾ−1,2,5−チアジアゾリル、または1,8−ナフチリジルがある。
【0035】
以下に限定されないが、単環ヘテロアリールには、フリル、チオフェニル、2H−ピロリル、ピロリル、オキサゾリル、サゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、1,3,4−チアジアゾリル、2H−ピラニル、4−H−ピラニル、ピリジル、ピリダジル、ピリミジル、ピラゾリル、ピラジル、または1,3,5−トリアジルがある。単環ヘテロアリールは、標準化学命名法に従って番号を付けられる。
【0036】
以下に限定されないが、二環ヘテロアリールには、インドリジル、インドリル、イソインドリル、3H−インドリル、インドリニル、ベンゾ[b]フリル、ベンゾ[b]チオフェニル、キノリニル、イソキノリニル、インドリジル、イソインドリル、インドリル、ベンゾ[b]フリル、ベキソ[b]チオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダジル、ベンズチアゾリル、プリニル、4H−キノリジル、キノリル、イソキノリル、シノリル、フタラジル、キナゾリル、キノキサリル、1,8−ナフチリジル、またはプテリジルがある。ニ環ヘテロアリールは、標準化学命名法に従って番号を付けられる。
【0037】
ヘテロアリールは、脂肪族[例えば、アルキル、アルケニル、またはアルキニル]、脂環式、(脂環式)脂肪族、ヘテロ脂環式、(ヘテロ脂環式)脂肪族、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(アル脂肪族)オキシ、(ヘテロアル脂肪族)オキシ、アロイル、ヘテロアロイル、アミノ、オキソ(ニ環または三環ヘテロアリールの非芳香族炭素環または複素環の)、カルボキシ、アミド、アシル[例えば、脂肪族カルボニル、(脂環式)カルボニル、((脂環式)脂肪族)カルボニル、(アル脂肪族)カルボニル、(ヘテロ脂環式)カルボニル、((ヘテロ脂環式)脂肪族)カルボニル、または(ヘテロアル脂肪族)カルボニル]、スルホニル[例えば、脂肪族スルホニルまたはアミノスルホニル]、スルフィニル[例えば、脂肪族スルフィニル]、スルファニル[例えば、脂肪族スルファニル]、ニトロ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、メルカプト、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、またはカルバモイルなどの1つ以上の置換基により任意に置換される。ヘテロアリールは、非置換であり得る。
【0038】
置換ヘテロアリールの非限定的な例には、(ハロ)ヘテロアリール[例えば、モノ−およびジ−(ハロ)ヘテロアリール]、(カルボキシ)ヘテロアリール[例えば、(アルコキシカルボニル)ヘテロアリール]、シアノヘテロアリール、アミノヘテロアリール[例えば、((アルキルスルホニル)アミノ)ヘテロアリールおよび((ジアルキル)アミノ)ヘテロアリール]、(アミド)ヘテロアリール[例えば、アミノカルボニルヘテロアリール、((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール、((((アルキル)アミノ)アルキル)アミノカルボニル)ヘテロアリール、(((ヘテロアリール)アミノ)カルボニル)ヘテロアリール、((ヘテロ脂環式)カルボニル)ヘテロアリール、および((アルキルカルボニル)アミノ)ヘテロアリール]、(シアノアルキル)ヘテロアリール、(アルコキシ)ヘテロアリール、(スルファモイル)ヘテロアリール[例えば、(アミノスルホニル)ヘテロアリール]、(スルホニル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルスルホニル)ヘテロアリール]、(ヒドロキシアルキル)ヘテロアリール、(アルコキシアルキル)ヘテロアリール、(ヒドロキシ)ヘテロアリール、((カルボキシ)アルキル)ヘテロアリール、(((ジアルキル)アミノ)アルキル]ヘテロアリール、(ヘテロ脂環式)ヘテロアリール、(脂環式)ヘテロアリール、(ニトロアルキル)ヘテロアリール、(((アルキルスルホニル)アミノ)アルキル)ヘテロアリール、((アルキルスルホニル)アルキル)ヘテロアリール、(シアノアルキル)ヘテロアリール、(アシル)ヘテロアリール[例えば、(アルキルカルボニル)ヘテロアリール]、(アルキル)ヘテロアリール、および(ハロアルキル)ヘテロアリール[例えば、トリハロアルキルヘテロアリール]がある。
【0039】
本明細書で使われる「ヘテロアル脂肪族」(ヘテロアラルキル基などの)は、ヘテロアリール基で置換されている脂肪族基(例えば、C1−4アルキル基)を称する。「脂肪族」、「アルキル」、および「ヘテロアリール」は、上で定義されている。
【0040】
本明細書で使われる「ヘテロアラルキル」基は、ヘテロアリール基で置換されているアルキル基(例えば、C1−4アルキル基)を称する。「アルキル」および「ヘテロアリール」は、両方とも上で定義されている。ヘテロアラルキルは、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルなどの1つ以上の置換基で任意に置換されている。
【0041】
本明細書で使われる「環状部分」および「環状基」は、脂環式、ヘテロ脂環式、アリール、またはヘテロアリールを含む単環系、二環系、および三環系を称し、これらの各々は先に定義されている。
【0042】
本明細書で使われる「架橋二環系」は、環内で架橋されている、二環ヘテロ脂環式環系または二環脂環式環系を称する。架橋二環系の例には、アダマンタニル、ノルボルナニル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.3.1]ノニル、ビシクロ[3.2.3]ノニル、2−オキサビシクロ[2.2.2]オクチル、1−アザビシクロ[2.2.2]オクチル、3−アザビシクロ[3.2.1]オクチル、および2,6−ジオキサ−トリシクロ[3.3.1.03.7]ノニルがあるが、これらに限定されない。架橋二環系は、アルキル(カルボキシアルキル、ヒドロキシアルキル、およびトリフルオロメチルなどのハロアルキルを含む)、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、(シクロアルキル)アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)アルキル、アリール、ヘテロアリール、アルコキシ、シクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アラルキルオキシ、ヘテロアラルキルオキシ、アロイル、ヘテロアロイル、ニトロ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アミノカルボニル、アルキルカルボニルアミノ、シクロアルキルカルボニルアミノ、(シクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、アラルキルカルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキル)カルボニルアミノ、(ヘテロシクロアルキルアルキル)カルボニルアミノ、ヘテロアリールカルボニルアミノ、ヘテロアラルキルカルボニルアミノ、シアノ、ハロ、ヒドロキシ、アシル、メルカプト、アルキルスルファニル、スルホキシ、尿素、チオ尿素、スルファモイル、スルファミド、オキソ、またはカルバモイルなどの1つ以上の置換基で任意に置換され得る。
【0043】
本明細書で使われる「アシル」基は、ホルミル基またはR−C(O)−(「アルキルカルボニル」とも呼ばれる、アルキル−C(O)−など)を称し、Rおよび「アルキル」は本明細書で先に定義されている。アシル基の例には、アセチルおよびピバロイルがある。
【0044】
本明細書で使われる「アロイル」または「ヘテロアロイル」は、アリール−C(O)−またはヘテロアリール−C(O)−を称する。アロイルまたはヘテロアロイルのアリールおよびヘテロアリール部分は、先に定義されたように任意に置換される。
【0045】
本明細書で使われる「アルコキシ」基は、アルキル−O−基を称し、「アルキル」は先に定義されている。
【0046】
本明細書で使われる「カルバモイル」基は、構造式−O−CO−NRまたは−NR−CO−O−Rを有する基を称し、式中RおよびRは上で定義され、Rは脂肪族、アリール、アル脂肪族、ヘテロ脂環式、ヘテロアリール、またはヘテロアル脂肪族であり得る。
【0047】
本明細書で使われる「カルボキシ」基は、末端基として使われる場合は−COOH、−COOR、−OC(O)H、−OC(O)R、内部基として使われる場合は−OC(O)−または−C(O)O−を称する。
【0048】
本明細書で使われる「ハロ脂肪族」基は、1〜3個のハロゲンで置換された脂肪族基を称する。例えば、用語ハロアルキルは、−CF基を含む。
【0049】
本明細書で使われる「メルカプト」基は、−SHを称する。
【0050】
本明細書で使われる「スルホ」基は、末端で使われる場合は−SOHまたは−SOを、あるいは内部で使われる場合は−S(O)−を称する。
【0051】
本明細書で使われる「スルファミド」基は、末端で使われる場合は構造式−NR−S(O)−NRを、内部で使われる場合は−NR−S(O)−NR−を称し、式中R、R、およびRは上で定義されている。
【0052】
本明細書で使われる「スルホンアミド」基は、末端で使われる場合は構造式−S(O)−NRまたは−NR−S(O)−Rを、内部で使われる場合は−S(O)−NR−または−NR−S(O)−を称し、R、R、およびRは上で定義されている。
【0053】
本明細書で使われる「スルファニル」基は、末端で使われる場合は−S−Rを、内部で使われる場合は−S−を称し、Rは上で定義されている。スルファニル類の例には、脂肪族−S−、脂環式−S−、アリール−S−、などがある。
【0054】
本明細書で使われる「スルフィニル」基は、末端で使われる場合は−S(O)−Rを、内部で使われる場合は−S(O)−を称し、Rは上で定義されている。代表的なスルフィニル基には、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−、シクロアルキル−S(O)−、ヘテロ脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、などがある。
【0055】
本明細書で使われる「スルホニル」基は、末端で使われる場合は−S(O)−R、内部で使われる場合は−S(O)−を称し、Rは上で定義されている。代表的なスルホニル基には、脂肪族−S(O)−、アリール−S(O)−、(脂環式(脂肪族))−S(O)−、脂環式−S(O)−、ヘテロ脂環式−S(O)−、ヘテロアリール−S(O)−、(脂環式(アミド(脂肪族)))−S(O)−などがある。
【0056】
本明細書で使われる「スルホニル」基は、末端で使われる場合は−O−SO−Rまたは−SO−O−R、内部で使われる場合は−O−S(O)−または−S(O)−O−を称し、Rは上で定義されている。
【0057】
本明細書で使われる「ハロゲン」基または「ハロ」基は、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を称する。
【0058】
本明細書で使われる「アルコキシカルボニル」は、用語カルボキシに含まれ、単独または別の基と共に使われるが、アルキル−O−C(O)−などの基を称する。
【0059】
本明細書で使われる「アルコキシアルキル」は、アルキル−O−アルキルなどのアルキル基を称し、アルキルは上で定義されている。
【0060】
本明細書で使われる「カルボニル」は、−C(O)−を称する。
【0061】
本明細書で使われる「オキソ」は、=Oを称する。
【0062】
本明細書で使われる用語「ホスホ」は、ホスフィネート類およびホスホネート類を称する。ホスフィネート類およびホスホネート類の例には、−P(O)(Rがあり、式中Rは脂肪族、アルコキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、(脂環式)オキシ、(ヘテロ脂環式)オキシ アリール、ヘテロアリール、脂環式またはアミノがある。
【0063】
本明細書で使われる「アミノアルキル」は、構造式(RN−アルキル−を称する。
【0064】
本明細書で使われる「シアノアルキル」は、構造式(NC)−アルキル−を称する。
【0065】
本明細書で使われる「尿素」基は、構造式−NR−CO−NRを称し、「チオ尿素」基は、末端で使われる場合は構造式−NR−CS−NRを、内部で使われる場合は−NR−CO−NR−または−NR−CS−NR−を称し、R、R、およびRは上で定義されている。
【0066】
本明細書で使われる「グアニジン」基は、構造式−N=C(N(R))N(R)または−NR−C(=NR)NRを称し、RおよびRは上で定義されている。
【0067】
本明細書で使われる用語「アミジノ」基は、構造式−C=(NR)N(R)を称し、RおよびRは上で定義されている。
【0068】
一般に、用語「ビシナル」は、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を称し、これらの置換基は隣接炭素原子に結合している。
【0069】
一般に、用語「ジェミナル」は、2個以上の炭素原子を含む基上の置換基の配置を称し、これらの置換基は同じ炭素原子に結合している。
【0070】
用語「末端に」および「内部に」は、置換基内の基の位置を称する。基が置換基の末端に存在する場合、基は末端基であり、化学構造式の残りの部分にさらに結合することはない。カルボキシアルキル、すなわち、RO(O)C−アルキルは、末端に用いられたカルボキシ基の1例である。基が、置換基の化学構造式の中央に存在する場合は、基は内部にある。アルキルカルボキシ(例えば、アルキル−C(O)O−またはアルキル−OC(O)−)およびアルキルカルボキシアリール(例えば、アルキル−C(O)O−アリール−またはアルキル−O(CO)−アリール−)は、内部で使われたカルボキシ基の例である。
【0071】
本明細書で使われる「脂肪族鎖」は、分枝鎖または直鎖の脂肪族基(例えば、アルキル基、アルケニル基、またはアルキニル基)を称する。直鎖脂肪族は、構造式−[CH]v−を有し、vは1〜12である。分枝脂肪族鎖は、1つ以上の脂肪族基で置換されている直鎖脂肪族鎖である。分枝脂肪族鎖は、構造式−[CQQ]v−を有し、Qは独立に水素または脂肪族であるが、Qは少なくとも1例において脂肪族基である。用語 脂肪族鎖には、アルキル鎖、アルケニル鎖、およびアルキニル鎖があり、アルキル、アルケニル、およびアルキニルは上で定義される。
【0072】
語句「任意に置換された」は、語句「置換されたまたは置換されていない」と相互互換的に使われる。本明細書で説明したように、本発明の化合物は、上で一般的に説明した、または本発明の特定のクラス、サブクラス、および化学種により例示した1つ以上の置換基で任意に置換され得る。本明細書で説明したように、本明細書で説明した式に含まれる可変置換基、R、R、およびR、ならびに他の可変置換基は、アルキルおよびアリールなどの特定の基を含む。特に明記しない限り、上の式に含まれる可変置換基、R、R、およびR、ならびに他の可変置換基の特定の置換基の各々は、本明細書で説明した1つ以上の置換基で任意に置換され得る。特定の各置換基は、さらに、1〜3個のハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、脂環式、ヘテロ脂環式、ヘテロアリール、ハロアルキル、およびアルキルで任意に置換される。例えば、アルキル基は、アルキルスルファニルで置換され得、そしてアルキルスルファニルは、1〜3個のハロ、シアノ、オキソ、アルコキシ、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、アリール、ハロアルキル、およびアルキルで任意に置換され得る。追加例として、(シクロアルキル)カルボニルアミノのシクロアルキル部分は、1〜3個のハロ、シアノ、アルコキシ、ヒドロキシ、ニトロ、ハロアルキル、およびアルキルで置換され得る。2個のアルコキシ基が同じ原子または隣接原子に結合する場合は、これら2個のアルコキシ基は、これらが結合している原子と共に環を形成し得る。
【0073】
一般に、用語「置換された」は、「任意に」が先にある場合もない場合も、定められた構造式における特定の置換基による水素基の置換を称する。特定の置換基は、上の定義において、および下の化合物およびこれらの実施例において説明する。特に明記しない限り、任意に置換された基は、この基の置換可能な各位置において置換基を有し得、任意の定められた構造式において複数の位置が特定の基から選択された複数の置換基で置換され得る場合は、置換基はあらゆる位置において同じであっても異なってもよい。ヘテロシクロアルキルなどの環置換基は、シクロアルキルなどの別の環に結合して、例えば、両方の環が1つの共通原子を共有する、スピロ二環系を形成し得る。当業者が認識するように、本発明により想定される置換基の組み合わせは、安定な化合物または化学的に適した化合物を形成を生じる組み合わせのものである。
【0074】
本明細書で使われる語句「安定または化学的に適した」は、これらの産生、検出、および好ましくはこれらの回収、精製、ならびに本明細書で開示された1つ以上の目的に使用することを可能にする条件に供された場合に、実質的に変質しない化合物を称する。一部の実施形態では、安定な化合物または化学的に適した化合物は、水分または他の化学的に反応条件がない場合に40℃以下の温度で少なくとも1週間保持した場合に実質的に変質しない化合物である。
【0075】
本明細書で使われる「有効量」は、処置する患者に対して治療効果を与えるのに必要な量として定義され、通常、年齢、体表面積、体重、および患者の状態に基づいて決められる。動物およびヒトへの用量(体表面積平方メートルあたりのmgに基づく)の相互関係は、Freireich et al.,Cancer Chemother.Rep.,50:219(1966)により説明される。体表面積は、患者の身長と体重から近似的に決定され得る。例えば、Scientific Tables,Geigy Pharmaceuticals,Ardsley,New York,537(1970)を参照のこと。本明細書で使われる「患者」は、ヒトを含む哺乳動物を称する。
【0076】
特に明記しない限り、本明細書で描写した構造式は、その構造すべての異性体(例えば、鏡像異性体、ジアステレオマー、および幾何学(または立体配座の)異性体)を含むことも称する。例えば、各不斉中心のRおよびS配置、(Z)および(E)二重結合異性体、ならびに(Z)および(E)立体配座異性体。したがって、本化合物の単一立体化学的異性体ならびに鏡像異性体、ジアステレオマー、および幾何学的(または立体配座の)異性体の混合物は、本発明の範囲内にある。特に明記しない限り、本発明の化合物のすべての互変異性体型は、本発明の範囲内にある。さらに、特に明記しない限り、本明細書で描写した構造式は、1つ以上の、同位元素が豊富な原子の存在のみに違いがある化合物を含むことも称する。例えば、重水素またはトリチウムによる水素の置換、13C−豊富炭素(enriched carbon)または14C−豊富炭素による炭素の置換を除いて本構造式を有する化合物は、本発明の範囲内にある。この種の化合物は、例えば、生物学的アッセイにおける分析ツールまたはプローブとして、あるいは治療薬として有用である。
【0077】
II.医薬組成物
一般に、有効なインスリン感作化合物は高いPPARγ活性を有するはずであること、および反対に、低減したPPARγ活性を有する化合物は低減したインスリン感作活性をもたらすことが考えられる。この従来の考えに反して、本発明のチアゾリジンジオン類似体は、代謝性炎症によって媒介される疾患(例えば、糖尿病、中心性肥満、異脂肪血症など)または本明細書に記載される他の障害の処置に特に有効であり、そしてPPARγとの低減した相互作用を有する。
【0078】
理論により縛られたくないが、本発明のチアゾリジンジオン類似体の治療効果は、ミトコンドリアのレベルにおいてもたらされるそれらの類似体の炎症の選択的予防から生じると考えられ、これは、核転写因子の選択的な直接活性化を有する従来の化合物とは対照的である。本発明のチアゾリジンジオン類似体がミトコンドリアの機構を介して機能することに起因して、本発明のチアゾリジンジオン類似体は、代謝性炎症が病理の基礎である全ての疾患状態の処置または予防に有効である。
【0079】
A.一般的な組成物
本発明は、式Iの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0080】
【化8】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用な医薬組成物を提供する。
【0081】
は、水素または任意に置換された脂肪族である。
【0082】
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、または任意に置換された脂肪族である。
【0083】
は、水素、ハロまたは任意に置換された脂肪族である。
【0084】
環Aは、フェニル、またはN、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する単環ヘテロアリールであり、これらのフェニルまたはヘテロアリールは、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。
【0085】
いくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたC1−6脂肪族である。例えば、Rは、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニルである。他のいくつかの実施例では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々は置換されていない。いくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0086】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、または任意に置換されたC1−6脂肪族である。例えば、Rは、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニルである。他の実施例では、Rは、1〜2個のヒドロキシまたはハロで任意に置換されたC1−6脂肪族である。他の実施例では、Rは、ヒドロキシで任意に置換されたC1−6アルキルである。他のいくつかの実施例では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々はヒドロキシで任意に置換されている。いくつか追加の実施例では、Rは、メチルまたはエチルであり、これらの各々がヒドロキシで任意に置換されている。
【0087】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロ、または任意に置換されたC1−6脂肪族である。例えば、Rは、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニルである。他のいくつかの実施例では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々は置換されていない。
【0088】
いくつかの実施形態では、環Aは、フェニル、またはN、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する単環ヘテロアリールである。例えば、環Aは、N、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5員または6員からなる単環ヘテロアリールであり、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。他の実施例では、環Aは、フラン−イル、チオフェン−イル、ピロール−イル、ピリジン−イル、ピラゾール−イル、1,3,4−チアジアジオール−イル、1,3,5−トリアジン−イル、ピラジン−イル、ピリミジン−イル、ピリダジン−イル、イソオキサゾール−イル、またはイソチアゾール−イルであり、これらの各々は、化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。いくつかの実施例では、環Aは、化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されているピリジン−イルである。
【0089】
他のいくつかの実施例では、環Aは、化学的に適したいずれかの位置においてRに隣接した1つの炭素原子に結合している。例えば、環Aは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、またはピリジン−4−イルであり、これらの各々は、化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。
【0090】
いくつかの実施形態では、この組成物は、さらに、薬学的に許容できる担体を含む。
【0091】
本発明は、式Iaの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0092】
【化9】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用な医薬組成物を提供する。
【0093】
は、水素または任意に置換された脂肪族である。
【0094】
は、水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、または任意に置換された脂肪族である。
【0095】
は、水素、ハロまたは任意に置換された脂肪族である。
【0096】
環Aは、N、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する単環ヘテロアリールであり、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。
【0097】
いくつかの実施形態では、Rは、任意に置換されたC1−6脂肪族である。例えば、Rは、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニルである。他のいくつかの実施例では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々は置換されていない。いくつかの実施形態では、Rは、水素である。
【0098】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロ、ヒドロキシ、オキソ、または任意に置換されたC1−6脂肪族である。例えば、Rは、任意の置換された直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニルである。他の実施例では、Rは、1〜2個のヒドロキシまたはハロで任意に置換されたC1−6脂肪族である。他の実施例では、Rは、ヒドロキシで任意に置換されたC1−6アルキルである。他のいくつかの実施例では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々はヒドロキシで任意に置換されている。いくつか追加の実施例では、Rは、メチルまたはエチルであり、これらの各々はヒドロキシで置換されている。
【0099】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロ、または任意に置換されたC1−6脂肪族である。例えば、Rは、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC1−6アルキル、任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルケニル、または任意に置換された直鎖または分枝鎖のC2−6アルキニルである。他のいくつかの実施例では、Rは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、tert−ブチル、ペンチル、またはヘキシルであり、これらの各々は置換されていない。
【0100】
いくつかの実施形態では、環Aは、N、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する単環ヘテロアリールである。例えば、環Aは、N、O、またはSから選択された1〜3個のヘテロ原子を有する5員または6員からなる単環ヘテロアリールであり、環A上の化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。他の実施例では、環Aは、フラン−イル、チオフェン−イル、ピロール−イル、ピリジン−イル、ピラゾール−イル、1,3,4−チアジアジオール−イル、1,3,5−トリアジン−イル、ピラジン−イル、ピリミジン−イル、ピリダジン−イル、イソオキサゾール−イル、またはイソチアゾール−イルであり、これらの各々は、化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。いくつかの実施例では、環Aは、化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されているピリジン−イルである。
【0101】
他のいくつかの実施例では、環Aは、化学的に適したいずれかの位置においてRに隣接した1つの炭素原子に結合している。例えば、環Aは、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、またはピリジン−4−イルであり、これらの各々は、化学的に適したいずれかの位置において−CH−Rにより置換されている。
【0102】
いくつかの実施形態では、この組成物は、さらに、薬学的に許容できる担体を含む。
【0103】
本発明の別の態様は、式IIの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0104】
【化10】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用である医薬組成物を提供し、式中、R、R、R、および環Aは式Iaにおいて上で定義されている。
【0105】
本発明の別の態様は、式IIIの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0106】
【化11】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用である医薬組成物を提供し、式中、R、R、および環Aは式Iaにおいて上で定義されている。
【0107】
は、水素、ヒドロキシル、またはヒドロキシ基で任意に置換された脂肪族である。
【0108】
本発明の別の態様は、式IVの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0109】
【化12】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用である医薬組成物を提供し、式中、R、R、およびRは式IIIにおいて上で定義されている。
【0110】
本発明の別の態様は、式Vの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0111】
【化13】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用である医薬組成物を提供し、式中、R、R、およびRは式IIIにおいて上で定義されている。
【0112】
本発明の別の態様は、式VIの化合物または薬学的に許容できる前記化合物の塩を含む、
【0113】
【化14】

代謝性炎症によって媒介される疾患を処置するのに有用である医薬組成物を提供し、式中、R、R、およびRは式IIIにおいて上で定義されている。
【0114】
他の態様では、一般式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIに示したフェニルは、ピリジン、チオフェン、フラン、ピラジン、などの任意の単環ヘテロアリールにより置換され得る。
【0115】
本発明による代表的な組成物には、約1mg〜約200mg、例えば、約10mg〜約120mg、約10mg〜約100mg、または約15mg〜約60mgの間にある式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物を有する単独の単位剤形が含まれる。
【0116】
式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの代表的な化合物をいくつか下の表Aに示す。
【0117】
表A:代表的な化合物
【0118】
【表1】

本発明の別の態様は、式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物を含む医薬組成物を提供し、前記化合物は、3μMを超えた循環レベルを作るために投与された場合のロシグリタゾンの活性に比べて50%以下のPPARγ活性を有し、または同じ用量のピオグリタゾンより10倍低いPPARγ活性を有する。
【0119】
本発明の別の態様は、式III、IV、V、またはVIの化合物を含む医薬組成物を投与することを含む代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法を提供し、前記化合物は、約70e.e.%以上の純度を有する。例えば、式III、IV、V、またはVIの化合物を含む医薬組成物を投与することを含む代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法では、前記化合物は約80%e.e.以上(例えば、90%e.e.以上、95%e.e.以上、97%e.e.以上、または99%e.e.以上)の純度を有する。
【0120】
本発明の別の態様は、式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物および抗糖尿病活性を有する1つ以上の薬剤(例えば、メトホルミン、DPP−4阻害剤、またはこれらの組み合わせ)を含む、代謝によって媒介される疾患を処置するために有用な医薬組成物を提供する。
【0121】
本発明の別の態様は、式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物、ならびにメトホルミン;ジペプチジルペプチダーゼIV(すなわち、DPP−4)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチンなど);スタチン、すなわち、HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、または薬学的に許容できるこれらの何らかの組み合わせ;GLP−1アゴニストおよびGLP−2アゴニスト;あるいはこれらの組み合わせ、ならびに薬学的に許容できる担体を含む、代謝によって媒介される疾患を処置するために有用な医薬組成物を提供する。
【0122】
本発明の別の態様は、患者を式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物と接触させることによって関節リウマチ、狼瘡、重症筋無力症、脈管炎、COPD、炎症性腸疾患、急性アレルギー反応、移植拒絶、中心性肥満、異脂肪血症、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬化症、またはこれらの組み合わせを処置する方法を提供する。
【0123】
IV.一般的合成スキーム
式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物は、商業的に入手できる物質か、または公知出発物質から公知の方法により容易に合成され得る。式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物を合成する代表的なルートは、下のスキーム1および2に示す。
【0124】
【化15】

スキーム1を参照すると、出発物質1aは還元されてアニリン1bを形成する。アニリン1bは、臭化水素酸、アクリル酸エステル、および酸化第1銅などの触媒の存在下でジアゾ化されて、アルファ−ブロモ酸エステル1cを生じる。アルファ−ブロモ酸エステル1cをチオ尿素を用いて環化すると、ラセミ型チアゾリジンジオン1dが得られる。式Iの化合物は、HPLCなどの任意の適切な処理方法を用いてラセミ混合物から分離され得る。
【0125】
下のスキーム2において、Rはオキソ基、Rは水素である。
【0126】
【化16】

スキーム2を参照すると、出発物質2aを、塩基性条件下(例えば、NaOH水溶液)で4−ヒドロキシベンズアルデヒドと反応させると、位置異性体アルコール類2bの混合物が得られ、この混合物はクロマトグラフィにより分離された。位置異性体アルコール類2bは、塩基としてピロリジンを用いて2,4−チアゾリジンジオンと反応させると、化合物2cが得られる。水素化ホウ素ナトリウムを用いてコバルト触媒の存在下で還元すると、化合物2dが得られ、前記化合物を、例えば、5酸化リンにより酸化すると、ケトン2eが得られる。
【0127】
V.使用、処方、および投与
上で述べたように、本発明は、代謝性炎症によって媒介される疾患の処置に有用な化合物を提供する。
【0128】
したがって、本発明の別の態様では、薬学的に許容できる組成物が提供され、これらの組成物は本明細書で説明したいずれかの化合物を含み、および任意に薬学的に許容できる担体、アジュバントまたはビヒクルを含む。特定の実施形態では、これらの組成物は、任意に、さらに、1つ以上の追加治療薬を含む。
【0129】
本発明の特定の化合物は、処置のために、または薬学的に許容できる誘導体またはこれらのプロドラッグとして適切である場合、フリーな形態で存在し得ることも言うまでもない。本発明による、薬学的に許容できる誘導体またはプロドラッグには、必要な患者に投与する際に、本明細書に記載されていない化合物または代謝産物またはこれらの残渣を、直接または間接に、投与しうる薬学的に許容できる塩類、エステル類、この種のエステル類の塩類、あるいは他の付加体または誘導体があるが、これらに限定されない。
【0130】
本明細書で使われる用語「薬学的に許容できる塩」は、適切な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなしにヒトおよび下等動物の組織と接触して使用するのに適しており、適度な利益/リスク比と釣りあっている塩類を称する。「薬学的に許容できる塩」は、レシピエントに投与するにあたり、本発明の化合物または活性抑制代謝産物またはその残渣を、直接または間接にのいずれかで、投与しうる任意の本発明の化合物の非毒性塩またはエステルの塩を称する。
【0131】
薬学的に許容できる塩類は、当該技術分野でよく知られている。例えば、S.M.Berge,et al.,は、J.Pharmaceutical Sciences,1977,66,1−19において薬学的に許容できる塩類について詳細に説明している。この文献は、引用により本明細書に組み込まれている。本発明の化合物の薬学的に許容できる塩類には、適切な無機および有機の酸類と塩基類とから導かれたものが含まれる。薬学的に許容できる、毒性のない付加塩類の例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸および過塩素酸などの無機酸、または酢酸、蓚酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸またはマロン酸などの有機酸を用いて、あるいはイオン交換などの当該技術分野で使われる他の方法を用いて形成されたアミノ基の塩類である。他の薬学的に許容できる塩類には、アジピン酸塩、アルギニン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重硫酸塩、ホウ酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシ−エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、蓚酸塩、パルミチン酸塩、パモン酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩、リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、こはく酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、ウンデカン酸塩、吉草酸塩、などがある。適切な塩基類から導かれた塩類には、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよびN(C1−4アルキル)の塩類が含まれる。本発明は、本明細書で開示した化合物の塩基窒素含有基の4級化も想定している。水溶性または油溶性あるいは分散性生成物は、この種の4級化により得られ得る。代表的なアルカリ金属またはアルカリ土類金属には、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが含まれる。さらに、薬学的に許容できる塩類には、適切な場合、ハライド、ヒドロオキシド、カルボキシレート、サルフェート、ホスフェート、ナイトレート、低級アルキルスルホネートおよびアリールスルホネートなどの対イオンを用いて形成された、毒性のないアンモニウム、4級アンモニウムのカチオンおよびアミンカチオン類が含まれる。
【0132】
上で説明したように、本発明の薬学的に許容できる組成物は、さらに、薬学的に許容できる担体、アジュバント、またはビヒクルを含み、本明細書で使われるように、これらは、望ましい特定の剤形に適合するように、任意のおよびすべての溶媒、希釈剤、または他の液状ビヒクル、分散剤あるいは懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤または乳化剤、保存剤、固体結合剤、潤滑剤などを含む。Remington’s Pharmaceutical Sciences,Sixteenth Edition,E.W.Martin(Mack Publishing Co.,Easton,Pa.,1980)は、薬学的に許容できる組成物の処方に使われる種々の担体およびこれらを調製するための公知の技法を開示している。任意の望ましくない生物学的作用を生じることにより、またはそうでなければ、薬学的に許容できる組成物の他の任意の成分と有害な様式で相互作用することにより、任意の従来の担体媒体が本発明の化合物と不適合である場合を除いて、前記担体の使用は本発明の範囲内にあると考えられる。薬学的に容認できる担体として役立ち得る物質のいくつかの例には、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンなどの血清タンパク質、リン酸塩などの緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、またはソルビン酸カリウム、飽和植物脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、硫酸プロタミン、リン酸水素ジナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩類などの塩類または電解質類、コロイド状シリカ、マグネシウム・トリシリケート、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート類、ワックス類、ポリエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマー、羊毛脂、ラクトース、グルコースおよびスクロースなどの砂糖類、コーンでんぷんおよびポテトでんぷんなどのでんぷん類、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、エチルセルロースおよび酢酸セルロースなどのセルロースおよびその誘導体、粉末状トラガカント、麦芽、ゼラチン、タルク、ココアバターおよび坐薬ワックスなどの賦形剤、ピーナッツ油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、コーン油および大豆油などの油類、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコール類、オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルなどのエステル類、寒天、水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムなどの緩衝剤、アルギニン酸、発熱物質を含まない水、等張性食塩水、リンガー溶液、エチルアルコール、およびリン酸塩緩衝液、ならびにラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムなどの他の毒性のない混合姓潤滑剤、ならびに着色剤、離型剤、コーティング剤、甘味剤、着香料および香料があるが、これらに限定されず、保存剤および抗酸化剤も、処方者の判断によりこの組成物に存在し得る。
【0133】
さらに、別の態様では、本発明は、式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物を含む医薬組成物を、好ましくはこの組成物を必要とする哺乳動物に投与することを含む代謝性炎症によって媒介される疾患を処置する方法を提供する。
【0134】
本発明によると、前記化合物または薬学的に許容できる組成物の「有効量」は、代謝性炎症によって媒介される疾患の重症度を処置または緩和するのに有効な量である。
【0135】
本発明の方法による医薬組成物は、代謝性炎症によって媒介される疾患の重症度を処置または緩和するのに有効な任意の量および任意の投与ルートを用いて投与され得る。
【0136】
正確な必要量は、人種、年齢、および被験体の総合的な状態、感染の重症度、特定の薬剤、その投与モードにより被験体ごとに異なる。本発明の化合物は、投与を容易にし、用量を均一にするために単位剤形として処方するのが好ましい。本明細書で使われる「単位剤形」という表現は、処置対象の患者にとって適切な、物理的に分離した薬剤単位を称する。しかし、本発明の化合物および組成物の1日の総用量は、適切な医学的判断の範囲内で担当医により決定される。任意の特定の患者または有機体に対する特定の有効用量レベルは、処置される疾患および疾患の重症度、用いた特定の化合物の活性、用いた特定の組成物、年齢、体重、総合的健康状態、患者の性別および食習慣、投与時間、投与ルート、および用いた特定の化合物の排出速度、処置期間、用いた特定の化合物と併用した薬剤または偶然一致して用いた薬剤、および医療技術の分野で公知の類似の要因を含む種々の要因に依存する。本明細書で使われる用語「患者」は、動物、例えば、哺乳動物、より具体的にはヒトを称する。
【0137】
本発明の薬学的に許容できる組成物は、処置する感染の重症度により、経口、直腸、非経口、大槽内に、膣内に、腹腔内に、局所的に(粉末、軟膏、またはドロップによる)、頬側に、経口スプレーまたはスプレー式点鼻薬としてなど、ヒトおよび他の動物に投与され得る。特定の実施形態では、本発明の化合物は、所望の治療効果を得るために、1日に1回以上、1日につき被験体の体重あたり、約0.01mg/kg〜約50mg/kgおよび好ましくは約1mg/kgから約25mg/kgの用量レベルで経口または非経口で投与され得る。
【0138】
経口投与用液体剤形は、薬学的に許容できるエマルジョン、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を含むが、これらに限定されない。活性化合物に加えて、液体剤形は、例えば、水、またはエチルアルコール、イソプロピルアルコール、エチルカーボネート、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油類(特に、綿実油、ラッカセイ油、コーン油、胚芽油、オリーブ油、ひまし油、およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール類およびソルビタンの脂肪酸エステル類、およびそれらの混合物などの他の溶媒、可溶化剤および乳化剤などの当該技術分野において一般的な不活性希釈剤を含み得る。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁液、甘味剤、着香料および香料などのアジュバントも含み得る。
【0139】
注射製剤、例えば、無菌の注射可能な水性または油性の懸濁液は、適切な分散剤または湿潤剤および懸濁剤を用いて公知技術により処方され得る。無菌注射製剤は、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液のように、毒性のない非経口的に許容できる希釈剤または溶媒中の無菌注射溶液、懸濁液またはエマルジョンであり得る。用いられ得る許容できる媒体および溶媒には、水、リンガー溶液、U.S.P.および等張性塩化ナトリウム溶液がある。さらに、無菌固定油類は、溶媒または懸濁媒体として慣習的に用いられる。このため、合成モノグリセリド類またはジグリセリド類を含む任意の無菌性固定油が用いられ得る。さらに、オレイン酸などの脂肪酸が、注射製剤において使用される。
【0140】
注射製剤は、例えば、細菌保持フィルターによるろ過、または無菌固体組成物の形態をした滅菌剤を組み込むことにより滅菌され得、上記無菌固体組成物は、使用する前に無菌水または他の無菌注射媒体に溶解または分散され得る。
【0141】
本発明の化合物の効果を持続させるために、皮下注射または筋肉内注射から前記化合物の吸収を遅延させることが、しばしば、望ましい。これは、水に溶け難い結晶性物質またはアモルファス物質の液体懸濁液を使用することにより達成され得る。次いで、前記化合物の吸収速度は、化合物の溶解速度に依存し、溶解速度は、同様に、結晶サイズおよび結晶形に依存する。あるいは、非経口投与された化合物形態の遅延吸収は、前記化合物を油性ビヒクルに溶解または懸濁させることにより達成される。蓄積注射形態は、ポリラクチド−ポリグリコリドなどの生分解性ポリマー内で、マイクロカプセルに前記化合物を封入したマトリックスを形成することにより作られる。化合物対ポリマーの比、および用いた特定のポリマーの特性により、化合物の放出速度は調節され得る。他の生分解性ポリマーの例には、ポリ(オルトエステル類)およびポリ(無水物類)が挙げられる。蓄積注射製剤は、体組織と相性の良いリポソームまたはマイクロエマルジョン内に化合物を取り込むことにより調製される。
【0142】
直腸または膣に投与する組成物は、坐薬が好ましく、坐薬は、本発明の化合物とココアバター、ポリエチレングリコールまたは坐薬ワックスなどの適切な非刺激性の賦形剤または担体とを混合することにより調製され得る。坐薬は、室温で固体であるが、体温では液体であり、したがって、直腸または膣腔では溶融し、活性化合物を放出する。
【0143】
経口投与用の固体剤形には、カプセル、錠剤、ピル、粉末、および顆粒が含まれる。この種の固体剤形では、活性化合物は少なくとも1つの不活性な、薬学的に許容できる賦形剤、またはクエン酸ナトリウム、またはリン酸ジカルシウムなどの担体、および/またはa)でんぷん、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、およびケイ酸などの充填剤または増量剤、b)例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギナート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、およびアカシアなどの結合剤、c)グリセロールなどの保湿剤、d)寒天、炭酸カルシウム、ポテトまたはタピオカのでんぷん、アルギニン酸、特定のシリケート類、および炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、e)パラフィンなどの溶解遅延剤、f)4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、g)例えば、セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールなどの湿潤剤、h)カオリンおよびベントナイト粘土などの吸収剤、およびi)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびこれらの混合物などの潤滑剤と混合する。カプセル、錠剤およびピルの場合、剤形は緩衝剤を含み得る。
【0144】
類似の型の固体組成物は、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いてソフトおよびハードに充填されたゼラチンカプセル中の充填剤として使用され得る。固体剤形である錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒は、医薬処方技術において周知の腸内コーティングおよび他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。これらの剤形は、任意に、乳白剤を含み得、活性成分のみ、または選択的に、腸管の特定の部分において、任意に遅延した方法で放出する組成物であり得る。使用できる埋め込み組成物の例は、ポリマー性物質およびワックス類を含む。類似の型の固体組成物はまた、ラクトースまたは乳糖、ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いてソフトおよびハードに充填されたカプセル中の充填剤として用いられ得る。
【0145】
これらの活性化合物は、上で指摘したように、1つ以上の賦形剤とマイクロカプセルに封入された形であり得る。固体剤形である錠剤、糖衣錠、カプセル、ピル、および顆粒は、腸内コーティング、放出制御コーティングおよび医薬処方技術において周知の他のコーティングなどのコーティングおよびシェルを用いて調製され得る。この種の固体剤形では、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはでんぷんなど少なくとも1つの不活性希釈剤と混合され得る。この種の剤形は、通常行われているように、不活性希釈剤以外の追加物質、例えば、錠剤化潤滑剤およびステアリン酸マグネシウムおよび微結晶性セルロースなどの他の錠剤化助剤も含み得る。カプセル、錠剤およびピルの場合、これらの剤形は、緩衝剤も含み得る。これらの剤形は、任意に、乳白剤を含み得、活性成分のみ、または選択的に、腸管の特定の部分において、任意に、遅延した様式で放出する組成物であり得る。使用され得る埋め込み組成物の例は、ポリマー性物質およびワックス類を含む。
【0146】
本発明の化合物を局所投与または経皮投与する場合の剤形には、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ジェル、粉末、溶液、スプレー、吸入薬またはパッチが挙げられる。活性成分は、薬学的に許容できる担体および任意の必要な保存剤あるいは必要になるかもしれない緩衝液と、無菌条件下で混合する。眼科製剤、点耳剤、および目薬も、本発明の範囲にあると考えられる。さらに、本発明は、経皮パッチの使用を想定しており、前記パッチは身体への化合物の送達を制御するさらなる利点がある。この種の製剤は、適切な媒体に化合物を溶解または分注することにより調製する。吸収促進剤は、皮膚を介して前記化合物の流入量を増加させるために使用され得る。この速度は、速度制御膜を用意するか、またはポリマーマトリックスもしくはジェルに前記化合物を分散することにより制御され得る。
【0147】
上で一般的に説明したように、本発明の化合物は、代謝性炎症によって媒介される疾患の処置薬として有用である。
【0148】
代謝性炎症によって媒介される疾患の処置薬として本発明で用いた化合物の活性、またはより重要な、低減PPARγ活性は、本明細書の当該技術および実施例において一般的に説明した複数の方法により分析され得る。
【0149】
本発明の薬学的に許容できる組成物は、併用療法において用いられ得、すなわち、これらの化合物および薬学的に許容できる組成物は、1つ以上の他の望ましい治療または医療手順と同時またはその手順の前後に投与され得ることはいうまでもない。併用投与計画において用いる特定の併用療法(治療または手順)は、望ましい治療および/または手順、および達成すべき望ましい治療効果の両立性を考慮する。用いた療法が、同じ疾患に対して所望の効果を達成し得(例えば、本発明の化合物は、同じ疾患を処置するために使われる別の薬剤と同時に投与され得る)、またはこれらの療法は、異なる効果(例えば、何らかの副作用の制御)を達成し得る。本明細書で使われる、追加の治療薬は、通常、特定の疾患、または状態を処置または予防するために、投与されるが、これらの薬剤は、「処置する疾患、または状態に対して適切」であることが知られている。
【0150】
本発明の組成物中に存在する追加の治療薬の量は、唯一の活性剤としてその治療薬を含む組成物として、通常、投与される量と同じ程度にすぎない。本明細書で開示された組成物中の追加の治療薬の量は、唯一の治療上活性な薬剤としてその薬剤を含む組成物中に通常存在する量の約50%から100%までの範囲にあるのが好ましい。
【0151】
本発明の化合物または薬学的に許容できる前記化合物の組成物はまた、補てつ、人工弁、血管移植片、ステントおよびカテーテルなどのインプラント可能な医療デバイスをコーティングする組成物に組み込まれ得る。したがって、別の態様では、本発明は、本明細書のクラスおよびサブクラスとして上で一般的に説明した本発明の化合物、および前記インプラント可能なデバイスをコーティングするのに適した担体を含むインプラント可能なデバイスをコーティングする組成物を含む。さらに別の態様では、本発明は、本明細書のクラスおよびサブクラスとして上で一般的に説明した本発明の化合物、および前記インプラント可能なデバイスをコーティングするのに適した担体を含む組成物で被覆したインプラント可能なデバイスを含む。適切なコーティングおよび被覆されたインプラント可能なデバイスの一般的な作成は、米国特許第6,099,562号、同第5,886,026号、および同第5,304,121号に記載される。これらのコーティングは、通常、ヒドロゲルポリマー、ポリメチルジシロキサン、ポリカプロラクトン、ポリエチレングリコール、ポリ乳酸、エチレン酢酸ビニル、およびこれらの混合物などの生体適合性物質である。これらのコーティングは、任意に、組成物に制御された放出特性を付与するために、フルオロシリコーン、多糖類、ポリエチレングリコール、ポリリン脂質またはこれらの組み合わせからなる適切なトップコートによりさらに被覆され得る。
【0152】
さらに別の実施形態により、本発明は、代謝性炎症によって媒介される疾患の重症度を低減し、または処置する方法を提供する。
【0153】
本発明の別の態様は、生物試料または患者における代謝性炎症によって媒介される疾患の処置に関連し(例えば、インビトロまたはインビボ)、この方法は、式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物を含む医薬組成物を患者に投与すること、または前記医薬組成物と前記生物試料とを接触させること、を含む。本明細書で使われる用語「生物試料」は、以下に限定されないが、例を挙げると、細胞培養物またはその抽出物、哺乳動物またはその抽出物から得られた生検材料、および血液、唾液、尿、糞便、精液、涙、あるいは他の哺乳動物の体液または抽出物が挙げられる。
【0154】
本明細書で説明した本発明をより深く理解できるようにするために、以下、実施例について説明する。当然のことながら、これらの実施例は、例示のためのものであり、何らかの様式で本発明を限定するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0155】
VI.実施例
(実施例1)医薬組成物の処方
式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物を含む医薬組成物は、例えば、
a.式I、Ia、II、III、IV、V、またはVIの化合物約1mg〜約200mg、例えば、約10mg〜約100mg、または約15mg〜約60mg、
b.カルボキシメチルセルロースまたはカルメロース、
c.ステアリン酸マグネシウム、
d.ヒドロキシプロピルセルロース、および
e.ラクトース一水和物、
を錠剤にすることにより作製され得る。
【0156】
(実施例2a)低下したPPARγ受容体活性を測定するアッセイ
PPARγ受容体の活性化は、一般に、抗糖尿病薬およびインスリン感作性の薬理作用を有し得る分子を選択するための選択基準であると考えられているが、本発明は、この受容体の活性化は負の選択基準になるはずであることを発見している。分子は、PPARγの選択的ではなく、低下した活性化を有するので、分子はこの化学スペースから選択される。最適化合物は、ピオグリタゾンに比べて効能は少なくとも10倍低く、PPARγ受容体のトランス活性化についてインビトロで行われたアッセイにおいてロシグリタゾンにより作られた活性化全体の50%未満を有する。これらのアッセイは、PPARγのリガンド結合ドメインと分子との直接相互作用の第1評価により行われる。これは、市販の相互作用キットを用いて行われ、前記キットは正の対照としてロシグリタゾンを用いて蛍光により直接相互作用を測定する。アッセイは、さらに、Lehmann et al.[Lehmann JM,Moore LB,Smith−Oliver TA:An Antidiabetic Thiazolidinedione is a High Affinity Ligand for Peroxisome Proliferator−activated Receptor(PPAR)J.Biol.Chem.(1995)270:12953]により説明された方法に類似した方法で行われるが、Vosper et al.[Vosper,H.,Khoudoli,GA,Palmer,CN(2003)The peroxisome proliferators activated receptor d is reqired for the differentiation of THP−1 moncytic cells by phorbol ester.Nuclear Receptor 1:9]におけるレポーターとして発光酵素を用いる。化合物のストックは、DMSOに溶解され、最終濃度0.1〜100μMにおいて細胞培養液に添加され、相対活性化は、対照プラスミド(ガラクトシダーゼをコードしている)の発現により補正されたレポーター遺伝子(発光酵素)の誘導として計算される。ピオグリタゾンおよびロシグリタゾンは、上で説明した対照化合物として使われる。
【0157】
インビトロでPPARγ受容体の活性の低減を示すことに加えて、これらの化合物は、動物の受容体の有意な活性化を生じない。インビトロでインスリン感作作用の効果を十分発揮した用量の化合物(下を参照のこと)は、肝臓の異所性脂質生成のバイオマーカーである、P2の発現により測定される肝臓中のPPARγの活性化を増加させない[Matsusue K,Haluzik M,LambertG,Yim S−H,Oksana Gavrilova O,Ward JM,Brewer B,Reitman ML,Gonzalez FJ,(2003)Liver−specific disruption of PPAR in leptin−deficient mice improves fatty liver but aggravates diabetic phenotypes.J.Clin.Invest.;111:737]。これらの化合物は、これらの条件下でP2発現を増加させるピオグリタゾンおよびロシグリタゾンとは対照的である。
【0158】
インスリン感作および抗糖尿病の薬理作用は、先に報告したようにKKAマウスにおいて測定される[Hofmann,C.,Lornez,K.,and Colca,J.R.(1991).Glucose transport deficiency corrected by treatment with the oral anti−hyperglycemic agent Pioglitazone.Endocrinology,129:1915−1925.]。これらの化合物は、1%ナトリウム・カルボキシメチルセルロース、および0.01%tween20として処方し、毎日栄養チューブから経口投与される。1日1回の処置を4日継続した後、処置血液試料を後部眼窩洞(retro−orbital sinus)から採取し、Hofmann et al.の文献に記載されているように、グルコース、トリグリセリド類、およびインスリンについて分析する。グルコース、トリグリセリド類、およびインスリンの最高濃度を少なくとも80%に低下させるこれらの化合物の用量は、これらのマウスの肝臓のP2の発現を顕著に増加させることはない。
【0159】
(実施例2b)PPARγ受容体活性化の測定
表Aに示した、PPARγに結合する本発明のいくつかの代表的化合物の能力は、市販の結合アッセイ(Invitrogen Corporation,Carlsbad,CA)を用いて測定した。このアッセイは、試験化合物の、PPAR−LBD/Fluormone PPAR Green錯体と結合する能力を測定する。これらのアッセイは、試験した化合物の各濃度において4個に分かれたウエル(四つ一組)を用いて各アッセイを3つの場合について行った。これらのデータは、3つの実験から得られた値の平均値およびSEMの値である。各実験において正の対照としてロシグリタゾンを用いた。これらの化合物は、0.1〜100μMの範囲にある濃度にて添加した。表Bにおいて、”−”は、利用できるデータがないことを示している。
【0160】
表B:PPARγの活性化
【0161】
【表2】

図1および表Bを参照すると、化合物1および2は、PPARγへの結合剤としては特に劣るものであった。PPARγ活性化の立体化学的特異性は、上の表Bに示したように、立体異性体である化合物2および化合物3のPPARγ結合間にも差異が認められた。立体異性体2および3はPPARγのリガンド結合ドメインに結合するそれらの能力において大きく異なることに、留意すべきである。
【0162】
(実施例3a)本発明の代表的化合物によって処置された糖尿病KKAyマウスにおけるグルコース、インスリン、およびトリグリセリド類
インスリン感作および抗糖尿病の薬理作用を、先に報告[Hofmann,C.、Lornez,K.、およびColca,J.R.(1991).Glucose transport deficiency corrected by treatment with the oral anti−hyperglycemic agent Pioglitazone.Endocrinology、129:1915−1925.]される通りにKKAマウスにおいて測定する。これらの化合物は、1%のナトリウムカルボキシメチルセルロース、および0.01%のtween 20として処方し、毎日栄養チューブから経口投与される。1日1回の処置を4日継続した後、血液試料を後眼窩洞(retro−orbital sinus)から採取し、Hofmannらの文献に記載されているように、グルコース、トリグリセリド類、およびインスリンについて分析する。グルコース、トリグリセリド類、およびインスリンの最高濃度を少なくとも80%に低下させるこれらの化合物の用量は、これらのマウスの肝臓のP2の発現を顕著に増加させることはない。
【0163】
(実施例3b)本発明の代表的化合物によって処置された糖尿病KKAyマウスにおけるグルコース、インスリン、およびトリグリセリド
化合物を、懸濁物で処方し、そして4日間にわたって93mg/kgでKKAyマウスに経口的に投与した。その化合物を、最初に、DMSOに溶解し、次いで7〜10%のDMSO、1%のナトリウムメチルカルボキシセルロース、および0.01%のTween 20を含む水性懸濁物におく。15日目において、上記マウスを、絶食させ、そして血液試料を、最後の投与の約18時間後に得た。パラメータを、標準的なアッセイ方法によって測定した。データは、N=6〜12匹のマウスの平均値およびSEMである。
【0164】
表C:本発明の代表的化合物によって処置された糖尿病KKAyマウスにおけるグルコース、インスリン、およびトリグリセリド類
【0165】
【表3】

上記の表Cを参照すると、化合物6および7は良好なPPARγ結合化合物である一方で、それらは低いグルコースレベル、インスリンレベル、およびトリグリセリドレベルにおいて化合物1および2ほど有効ではないことが示される。
【0166】
立体化学に関する重要な観察は、文献の主張に反して、R基が式IのR基よりもPPARγ活性の低減に重要であることである。さらに、当該分野における現在の定説による予測に反して、PPARγリガンド結合ドメインに対する結合は、抗糖尿病活性のための必要条件ではない。したがって、立体異性体化合物2および3は、PPARγに結合するそれらの能力において大きく異なるが(表BおよびCを参照のこと)、それらは、同等の抗糖尿病活性を有する(表Cを参照のこと)。
【0167】
したがって、PPARγ節約化合物は、核転写因子の直接的かつ部分的な活性化に起因する副作用を制限することによって、代謝性炎症によって引き起こされる疾患(例えば、糖尿病およびメタボリックシンドローム)の処置により有効である。
【0168】
(実施例3c)化合物1またはロシグリタゾンによって処置された糖尿病KKAyマウスにおけるグルコース、インスリン、およびaP2
KKAyマウスに、20mgのロシグリタゾン(正の対照)および100mg/kgの化合物1(懸濁物(1%のナトリウムメチルカルボキシメチルセルロース/0.01%のTween 80)中)を7日間にわたって投与した。8日目において、空腹時のグルコースおよびインスリンを測定した(表Dを参照のこと)。そのマウスの単離した肝臓を、aP2についての肝性mRNA(インビボでのPPARγ活性化についてのバイオマーカー)を測定するために使用した。化合物1および化合物1の代謝産物である化合物2の低い結合と一致して、PPARγの活性化は、正の対照と比較してほとんど存在しなかった。データは、8匹のマウス/群についての平均値および(SEM)である。
【0169】
表D:化合物1またはロシグリタゾンによって処置された糖尿病KKAyマウスにおけるグルコース、インスリン、およびaP2
【0170】
【表4】

本発明の化合物はPPARγ活性化の低減をもたらすので、これらの化合物は異なる機構で機能してGLP1またはインスリンの活性または分泌を増大させる抗糖尿病活性を有する他の化合物(例えば、メトホルミン、DDP−4阻害剤)、または他の抗糖尿病剤との組み合わせて使用するのに適切であることが、予想される。特に、PPARγ相互作用の低減に起因して、これらの化合物はまた、脂質を低下させるスタチン(例えば、アトルバスタチンなど)と特に良好に組み合わせて代謝性炎症疾患に関連する異脂肪血症を処置するのに有用である。式Iの化合物と他の抗糖尿病化合物との組み合わせはPPAR活性化化合物との組み合わせよりも有効に糖尿病を処置することもまた、予想される。なぜなら、式Iの化合物は、体積膨張、浮腫、骨組織の減少を含み得るPPARγ活性化に関連する副作用を回避するからである。
【0171】
(実施例4)ラットにおける化合物1の代謝
図2を参照すると、化合物1の投与は、インビボで、表A中の化合物2である一次代謝産物を産生する。化合物1および塩酸ピオグリタゾンを、通常のSprague Dawleyラットに与え、そしてHPLC/質量分析を使用してアルコール代謝産物を評価した。ピオグリタゾンは、両方の立体異性体(化合物2および3)へと代謝されたが、化合物1は、化合物2(また、PPARγ節約化合物(表B))へと選択的に代謝された(図2を参照のこと)。代謝産物を、キラルHPLC/MSによって測定した。
【0172】
(実施例5)代表的化合物についての物理学的データ
表Aの数種の化合物の物理学的データを、質量分析およびHPLCを使用して測定し、そして表Eに記録した。HPLC条件:Agilent 1100 C18;溶媒A=水(0.1%のTFA);溶媒B アセトニトリル(0.07%のTFA);10分間で95%のA〜95%のBの勾配;次いで、5分間保持して、次いで再循環する;214nmおよび250nmにおけるUV検出。
【0173】
表E:本発明の数種の化合物の物理学的データ
【0174】
【表5】

本発明の別の態様は、式Iの化合物、ならびにメトホルミン;ジペプチジルペプチダーゼIV(すなわち、DPP−4)阻害剤(例えば、シタグリプチン、ビルダグリプチンなど);スタチン、すなわち、HMG−CoA還元酵素阻害剤、例えば、アトルバスタチン、セリバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、メバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン、プラバスタチン、または薬学的に許容できるこれらの何らかの組み合わせ;GLP−1アゴニスト;あるいはこれらの組み合わせ、ならびに薬学的に許容できる担体を含む医薬組成物を提供する。
【0175】
本発明の別の態様は、患者を式Iの化合物に接触させることによって関節リウマチ、狼瘡、重症筋無力症、脈管炎、COPD、炎症性腸疾患、急性アレルギー反応、移植拒絶、中心性肥満、異脂肪血症、糖尿病、アルツハイマー病、パーキンソン病、筋硬化症、またはこれらの組み合わせを処置する方法を提供する。
【0176】
他の実施形態
本発明は、本発明の詳細な説明と関連して説明してきたが、前述の説明は例示することを意図しており、添付した特許請求の範囲により既定される本発明の範囲を限定しない。他の態様、利点、および改変は、添付の特許請求の範囲内にある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2013−100371(P2013−100371A)
【公開日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2013−40395(P2013−40395)
【出願日】平成25年3月1日(2013.3.1)
【分割の表示】特願2009−500436(P2009−500436)の分割
【原出願日】平成19年3月14日(2007.3.14)
【出願人】(508279443)メタボリック ソリューションズ ディベロップメント カンパニー, エルエルシー (10)
【Fターム(参考)】