説明

代謝障害の予防及び治療方法並びに新規ピラゾール−O−グリコシド誘導体

本発明は、請求項1の定義どおりのピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することによる、代謝障害の予防又は治療、血糖コントロールの改善、耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、糖尿病の合併症の予防又は治療、減量、膵臓β細胞の変性の予防又は治療、高インスリン血症及びインスリン抵抗性及び1型糖尿病の治療が必要な患者の代謝障害の予防又は治療方法、血糖コントロールの改善方法、耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防方法、糖尿病の合併症の予防又は治療方法、減量方法、膵臓β細胞の変性の予防又は治療方法、高インスリン血症及びインスリン抵抗性及び1型糖尿病の治療方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
本発明は、後述する化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することによって、以下のことが必要な患者に以下のことをする方法に関する:
−代謝障害の予防、進行の減速、遅延、又は治療;
−血糖コントロールの改善及び/又は空腹時血糖、食後血糖及び/又はグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減;
−耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、遅延又は逆転;
−糖尿病の合併症から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療;
−体重の低減又は体重増加の予防又は減量の促進;
−膵臓β細胞の変性を予防若しくは治療及び/又は膵臓β細胞の機能性の改善及び/若しくは修復及び/又は膵臓のインスリン分泌の機能性の改善及び/若しくは修復;
−インスリン感受性の維持及び/又は改善、及び/又は高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防。さらに、本発明は、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体の、医薬組成物を製造するための使用並びにその薬物及び医薬組成物に関する。
さらに、本発明は、後述する新規ピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩に関する。
本発明は、少なくとも1種の後述するピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物にも関する。
【0002】
〔発明の背景〕
欧州特許出願EP 1338603 A1は、新規ピラゾール-O-グルコシド誘導体を開示している。該ピラゾール-O-グルコシド誘導体は、尿糖排泄の誘発剤として、また糖尿病の治療薬として提案されている。
ブドウ糖の腎臓ろ過及び再取り込みは、他の機構の中でとりわけ、定常の血糖濃度に寄与するので、抗糖尿病の標的として役に立つ。ろ過されたブドウ糖の、腎臓の上皮細胞を横断する再取り込みは、近位尿細管の刷子縁膜にあるナトリウム依存性ブドウ糖共輸送体(sodium-dependent glucose cotransporter)(SGLT)経由でそのナトリウム勾配に従って進行する(1)。その発現パターン及びその物理化学的性質が異なる少なくとも3種のSGLTイソ型がある(2)。SGLT2は腎臓内で排他的に発現されるが(3)、SGLT1は、腸、結腸、骨格筋及び心筋のような他の組織内でさらに発現される(4;5)。SGLT3は、いずれの輸送機能もない、腸の間質細胞内のブドウ糖センサーであることが分かっている(6)。もしかすると、他の関連するが、まだ特徴づけされていない遺伝子がさらに腎臓のブドウ糖再取り込みに寄与するかもしれない(7,8,9)。正常血糖下では、ブドウ糖は腎臓内でSGLTによって完全に再吸収されるが、腎臓の再取り込み能力は10mMより高いブドウ糖濃度で飽和され、糖尿をもたらす(“糖尿病”)。SGLT2-阻害によってこの閾値濃度を下げることができる。SGLT阻害薬フロリジンによる実験で、SGLT-阻害が、ブドウ糖の糸球体ろ液から血中への再取り込みを部分的に阻害し、血糖濃度の低減及び糖尿をもたらすことが分かった(10;11)
【0003】
(1) Wright, E.M. (2001) Am. J. Renal Physiol. 280, F10-F18;
(2) Wright, E.M. et al. (2004) Pflugers Arch. 447(5):510-8;
(3) You, G. et al. (1995) J. Biol. Chem. 270 (49) 29365-29371;
(4) Pajor AM, Wright EM (1992) J Biol. Chem. 267(6):3557-3560;
(5) Zhou, L. et al. (2003) J. Cell. Biochem. 90:339-346;
(6) Diez-Sampedro, A. et al. (2003) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 100(20), 11753-11758;
(7) Tabatabai, N.M. (2003) Kidney Int. 64, 1320-1330;
(8) Curtis, R.A.J. (2003) US Patent Appl. 2003/0054453;
(9) Bruss,M. and Bonisch,H. (2001) Cloning and functional characterization of a new human sugar transporter in kidney (Genbank Acc. No. AJ305237);
(10) Rossetti, L. Et al. (987) J. Clin. Invest. 79, 1510-1515;
(11) Gouvea, W.L. (1989) Kidney Int. 35(4):1041-1048。
【0004】
2型糖尿病は益々流行している疾患であり、高頻度の合併症のため平均余命の有意な減少をもたらす。糖尿病に伴う微小血管の合併症のため、2型糖尿病は現在、先進工業国における成人発症性視力喪失、腎不全、及び切断の最も高頻度の原因である。さらに、2型糖尿病の存在は心臓血管疾患の危険の2〜5倍の増加と関連する。
疾患の長い持続期間後、ほとんどの患者は最終的に経口療法に失敗し、毎日の注射と毎日複数回のブドウ糖測定が必要なインスリン依存性になる。
UKPDS(United Kingdom Prospective Diabetes Study)は、メトホルミン、スルホニル尿素又はインスリンによる集中治療は血糖コントロールの限られた改善しかもたらさないこを示した(約0.9%のHbA1cの差異)。さらに、集中治療中の患者でさえ、腕の血糖コントロールは経時的に低下し、これはβ-細胞の機能の低下に起因した。重要なことに、集中治療は、大血管性合併症、すなわち心臓血管の事象の有意な減少には関係しない。
従って、血糖コントロール、疾患-改変特性及び心臓血管の罹患率と死亡率の低減について良い効力がありながら、同時に改良された安全性プロフィールを示す薬物に対して達成されていない医療上の要求がある。
【0005】
〔発明の目的〕
本発明の目的は、代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、血糖コントロールが必要な患者の血糖コントロールの改善方法を提供することである。
本発明の別の目的は、耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、又は遅延方法を提供することである。
本発明のさらに別の目的は、糖尿病の合併症から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、体重の低減又は体重増加の予防が必要な患者の体重の低減又は体重増加の予防方法を提供することである。
本発明のさらなる目的は、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩の新規用途に関する。
本発明の別の目的は、ナトリウム依存性ブドウ糖共輸送体SGLT、特にSGLT2に対して良い乃至非常に良いin vitro及び/又はin vivo阻害作用を有し、及び/又は良い乃至非常に良い薬理学的及び/又は薬物動態学的及び/又は物理化学的性質を有する、新規ピラゾール-O-グルコシド誘導体及びそのピラゾール-O-グルコシド誘導体の新規プロドラッグを提供することである。
当業者には、前記説明及び後述する説明並びに実施例によって本発明のさらなる目的が明らかになるだろう。
【0006】
〔発明の概要〕
本発明の範囲内において、驚くべきことに、後述する化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を、糖尿病の予防、進行の減速、遅延又は治療、特に患者の血糖コントロールの改善に有利に使用できることが分かった。これは、2型糖尿病、過体重、肥満、糖尿病の合併症及び隣接疾患状態の治療と予防における新しい治療の可能性をもたらす。
従って、第1局面では、本発明は、1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、高血糖、食後高血糖、過体重、肥満(クラスI肥満、クラスII肥満、クラスIII肥満、内臓肥満及び腹部肥満を含む)、及び代謝症候群から成る群より選択される代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療が必要な患者の前記代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法であって、下記化合物(1)〜(29):
(1)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(2)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(3)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(4)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(5)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(6)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(7)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(8)4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(9)4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(10)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
【0007】
(11)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(12)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(13)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(14)4-(4-エチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(15)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(16)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(17)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(18)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(19)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(20)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(21)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(22)4-(4-ブロモ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(23)4-(4-エチル-ベンジル)-1-シクロブチル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(24)4-(4-エチル-ベンジル)-1-(2-フルオロ-1-フルオロメチル-エチル)-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(25)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
【0008】
(26)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(27)4-(2,3-ジフルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(28)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(29)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又は該β-D-グルコピラノシル基の1又は2以上のヒドロキシル基が、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル-(C1-3-アルキル)-カルボニル、フェニルオキシカルボニル及びフェニル-(C1-3-アルキル)-オキシカルボニルから選択される基でアシル化されているそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0009】
本発明の別の局面により、血糖コントロールの改善及び/又は空腹時血糖、食後血糖及び/又はグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減が必要な患者の前記改善及び/又は低減方法であって、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法が提供される。
血糖コントロールが必要な患者が、この発明の化合物の使用によって血糖コントロールの改善を得られると、高血糖濃度に関連するか又は高血糖濃度によって引き起こされる当該状態及び/又は疾患も治療されうる。
従って、別の局面では、本発明は、白内障並びに微小血管性及び大血管性疾患、例えば腎症、網膜症、神経障害、組織虚血、動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中及び末梢動脈閉塞性疾患等の糖尿病合併症から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療が必要な患者の前記状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法であって、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法を提供する。用語“組織虚血”は、特に糖尿病性大血管障害、糖尿病性微小血管障害、創傷治癒障害及び糖尿病性潰瘍を含む。
【0010】
この発明の化合物は、耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群に関連する疾患又は状態について有益な疾患改変特性をも有しうる。
従って本発明の別の局面では、耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、遅延又は逆転が必要な患者の前記進行の予防、減速、遅延又は逆転方法であって、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法が提供される。
この発明の化合物の投与によって、過剰な血糖レベルは脂肪等の不溶性貯蔵型に変換されないが、患者の尿を通じて排泄される。従って、体重の増加でなく、体重の減少さえもたらされる。
これにより、本発明の別局面は、体重の低減又は体重増加の予防又は減量の促進が必要な患者の体重の低減又は体重増加の予防又は減量の促進方法であって、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0011】
この発明の化合物の薬理作用はインスリンと無関係である。従って、膵臓β細胞をさらに酷使することなく血糖コントロールの改善が可能である。この発明の化合物の投与によって、例えば膵臓β細胞のアポトーシス又は壊死のようなβ細胞の変性及びβ細胞の機能性の低下を遅らせるか又は阻止することができる。さらに、膵臓細胞の機能性を改善又は修復でき、かつ膵臓β細胞の数と大きさを増やすことができる。高血糖によって乱された膵臓β細胞の分化状態と過形成を本発明の化合物による治療で正規化することができる。
従って、本発明の別の局面は、膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療、及び/又は膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復及び/又は膵臓のインスリン分泌の機能性の修復が必要な患者の膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療、及び/又は膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復及び/又は膵臓のインスリン分泌の機能性の修復方法であって、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法を提供する。
その結果として本発明の別の局面は、インスリン感受性の維持及び/又は改善、及び/又は高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防が必要な患者のインスリン感受性の維持及び/又は改善、及び/又は高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防方法であって、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法を提供する。
【0012】
本発明の他の局面は、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩の、前述した、かつ後述する疾患又は状態の治療又は予防における使用に関する。
本発明のさらなる局面は、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩の、前述した、かつ後述するとおりの治療法用の薬物の製造のための使用に関する。
本発明のさらに別の局面は、前述した、かつ後述するとおりの疾患又は状態の治療又は予防のための、治療的又は予防的に有効な量の、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む薬物又は医薬組成物に関する。
【0013】
本発明の別の局面は、下記化合物:
(1)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(2)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(3)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(4)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(5)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(6)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(7)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(8)4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(9)4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(10)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(11)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(12)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(13)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(14)4-(4-エチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(15)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
【0014】
(16)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(17)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(18)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(19)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(20)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
の群から選択される新規ピラゾール-O-グルコシド誘導体、又は該β-D-グルコピラノシル基の1又は2以上のヒドロキシル基が、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル-(C1-3-アルキル)-カルボニル、フェニルオキシカルボニル及びフェニル-(C1-3-アルキル)-オキシカルボニルから選択される基でアシル化されているそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩に関する。
【0015】
本発明のさらに別の局面は、下記化合物:
(46)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(47)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(48)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-イソブチルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(49)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ヘキサ-1-イルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(50)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-フェノキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(51)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ベンジルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(52)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(53)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-プロピルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(54)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-イソプロピルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(55)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ベンジルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(56)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
【0016】
(57)4-(4-ブロモ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(58)4-(4-エチル-ベンジル)-1-シクロブチル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニルβ-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(59)4-(4-エチル-ベンジル)-1-(2-フルオロ-1-フルオロメチル-エチル)-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(60)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(61)4-(4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(62)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(63)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
から成る群より選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体の新規プロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩に関する。
本発明のさらなる局面は、この発明の少なくとも1種のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物に関する。
【0017】
〔定義〕
ヒト患者の用語“体格指数(body mass index)”又は“BMI”は体重(キログラム)を身長(メートル)の二乗で除したものとして定義されるので、BMIはkg/m2の単位を有する。
用語“過体重”は、個体が25kg/m2以上かつ30kg/m2未満のBMIを有する状態として定義される。用語“過体重”と“前肥満(pre-obese)”は相互交換可能に用いられる。
用語“肥満”は個体が30kg/m2以上のBMIを有する状態として定義される。WHOの定義に従って用語“肥満”を以下のように分類しうる:用語“クラスI肥満”はBMIが30kg/m2以上であるが、35kg/m2未満の状態であり;用語“クラスII肥満”はBMIが35kg/m2以上であるが、40kg/m2未満の状態であり;用語“クラスIII肥満”はBMIが40kg/m2以上の状態である。
用語“内臓肥満”は、ウェスト・ヒップ比が男性で1.0以上、女性で0.8以上に達する状態として定義される。これはインスリン抵抗性の危険及び前糖尿病の発症を定義する。
用語“腹部肥満”は、通常、ウェスト周りが男性で102cm(40インチ)超え、女性で94cm(35インチ)超えの状態として定義される。日本の民族性又は日本の患者については、腹部肥満をウェスト周りが男性で85cm以上、女性で90cm以上と定義しうる(例えば、日本国の代謝症候群診断調査委員会参照)。
用語“正常血糖”は、対象が正常範囲内、すなわち70mg/dL(3.89mmol/L)より高く、110mg/dL(6.11mmol/L)未満の空腹時血糖濃度を有する状態として定義される。用語“空腹時”は医療用語として普通の意味を有する。
用語“高血糖”は、対象が正常範囲、すなわち110mg/dL(6.11mmol/L)より高い空腹時血糖濃度を有する状態として定義される。用語“空腹時”は医療用語として普通の意味を有する。
用語“食後高血糖”は、対象が、200mg/dL(11.11mmol/L)より高い食後2時間の血中糖濃度又は血清中糖濃度を有する状態として定義される。
【0018】
用語“耐糖能障害”又は“IGT”は、対象が110mg/dLより高く、126mg/dL未満の空腹時血中糖濃度又は空腹時血清中糖濃度、或いは140mg/dl(7.78mmol/L)より高く、200mg/dL(11.11mmol/L)未満の食後2時間の血中糖濃度又は血清中糖濃度を有する状態として定義される。用語“耐糖能障害”は空腹時糖障害の状態に適用することも意図される。異常な耐糖能、すなわち食後2時間の血中糖濃度又は血清中糖濃度は、絶食後75gの糖を摂取後2時間で血清1dL当たり1mgの血糖レベルとして測定される。
用語“高インスリン血症”は、正常血糖であるか又は正常血糖でないインスリン抵抗性の対象の空腹時又は食後の血清若しくは血漿中インスリン濃度が、ウェスト・ヒップ比が1.0未満(男性)又は0.8未満(女性)を有するインスリン抵抗性でない正常の痩せた個体より高い状態として定義される。
用語“インスリン-増感”、“インスリン抵抗性-改善”又は“インスリン抵抗性-低減”は同義であり、相互交換可能に用いられる。
用語“インスリン抵抗性”は、正常血糖状態を維持するため、糖負荷に対する正常応答が過剰な循環インスリンレベルが必要な状態として定義される(Ford ES, et al. JAMA. (2002) 287:356-9)。インスリン抵抗性の測定法は正常血糖-高インスリン血症クランプテストである。糖に対するインスリンの比をインスリン-糖混合注入法の範囲内で決定する。糖吸収が、調査した背景人口の25パーセンタイル未満の場合、インスリン抵抗性であることが分かる(WHO定義)。いわゆる最小モデルはクランプ試験より面倒でなく、静脈内糖負荷試験中に、血中のインスリン濃度と糖濃度を固定時間間隔で測定し、これら測定値からインスリン抵抗性を計算する。この方法では、肝性インスリン抵抗性と末梢性インスリン抵抗性を区別できない。
【0019】
インスリン抵抗性の信頼できる指標である“インスリン抵抗性に対するホメオスタシスモデル評価(homeostasis model assessment to insulin resistance)(HOMA-IR)”スコアを評価することによって、さらなるインスリン抵抗性、すなわちインスリン抵抗性の患者の療法に対する反応、インスリン感受性及び高インスリン血症を数量化しうる(Katsuki A, et al. Diabetes Care 2001; 24: 362-5)。さらに、インスリン感受性のHOMA-指数(Matthews et al., Diabetologia 1985, 28: 412-19)、インスリンに対する無傷のプロインスリンの比(Forst et al., Diabetes 2003, 52(Suppl.1): A459)の決定法及び正常血糖クランプ試験を参照する。加えて、インスリン感受性の可能な代用として血漿アジポネクチンレベルをモニターすることができる。ホメオスタシス評価モデル(HOMA)-IRスコアは、下記式で計算される(Galvin P, et al. Diabet Med 1992;9:921-8)。
HOMA-IR=[空腹時血清インスリン(μU/mL)]×[空腹時血漿ブドウ糖(mmol/L/22.5]
原則として、毎日の臨床実務で他パラメーターを用いてインスリン抵抗性を評価する。好ましくは、例えば、高いトリグリセリドレベルはインスリン抵抗性の存在と深く関係するので、患者のトリグルセリド濃度を使用する。
IGT又は2型糖尿病の発症の素因がある患者は、高インスリン血症のある正常血糖を有する当該患者であり、定義ではインスリン抵抗性である。インスリン抵抗性の典型的な患者は通常、過体重又は肥満である。インスリン抵抗性が検出される場合、これは前糖尿病の存在の特に強い指標である。従って、このようなヒトは、糖ホメオスタシスを維持するため、いずれかの直接的な病的徴候を有するインスリン抵抗性のない他のヒトの2〜3倍のインスリンを必要とする。
【0020】
膵臓β-細胞の機能を調査するための方法は、インスリン感受性、高インスリン血症又はインスリン抵抗性に関する上記方法と同様である。例えば、β-細胞機能のHOMA-指標(Matthews et al., Diabetologia 1985, 28: 412-19)、インスリンに対する無傷のプロインスリンの比(Forst et al., Diabetes 2003, 52(Suppl.1): A459)、経口糖負荷試験又は食事負荷試験後のインスリン/C-ペプチド分泌を決定することによって、或いは頻繁にサンプリングした静脈内耐糖試験後に高血糖性クランプ試験及び/又は最小モデリングを採用することによって(Stumvoll et al., Eur J Clin Invest 2001, 31: 380-81)、β-細胞機能の改善を測定することができる。
用語“前糖尿病”は、個体が2型糖尿病の発症しやすい状態である。前糖尿病は耐糖能障害の定義を拡張して、空腹時血糖が高い正常範囲(≧100mg/dL)内(J. B. Meigs, et al. Diabetes 2003; 52:1475-1484)及び空腹時高インスリン血症(高い血漿インスリン濃度)の個体を包含する。前糖尿病を重大な健康の脅威として確認するための科学的及び医学的基礎が、米国糖尿病協会と、糖尿病並びに消化疾患及び腎臓病の国立研究所によって共同で発行された表題“2型糖尿病の予防又は遅延”で見解報告書(Position Statement)に展開されている(Diabetes Care 2002; 25:742-749)。
【0021】
インスリン抵抗性を有すると思われる個体は、以下の性状を2以上有する当該個体である:1)過体重又は肥満、2)高血圧、3)高インスリン血症、4)IGT又は2型糖尿病の診断に関して第1度又は2度以上。これら個体のHOMA-IRスコアを計算することによって、インスリン抵抗性を確認できる。この発明の目的では、インスリン抵抗性は、個体が4.0より高いHOMA-IRスコアを有するか又はブドウ糖及びインスリンアッセイを行う実験室で定義される通りの正常の上限を超えるHOMA-IRを有する臨床状態として定義される。
用語“2型糖尿病”は、対象が125mg/dL(6.94mmol/L)より高い空腹時血糖濃度又は血清中糖濃度を有する状態として定義される。血糖値の測定は日常的な医療分析の標準的な手順である。耐糖試験を行うと、糖尿病の血糖レベルは空の胃に75gのブドウ糖を摂取後2時間の血漿1dL当たり200mgのブドウ糖が過剰だろう。耐糖試験では、10〜12時間の絶食後に試験患者に75gのブドウ糖を経口投与し、ブドウ糖を摂取直前とブドウ糖を摂取後1及び2時間で血糖レベルを記録する。健康な対象では、ブドウ糖摂取前の血糖レベルは1dLの血漿当たり60〜110mgで、ブドウ糖摂取後1時間で200mg/dL未満、ブドウ糖摂取後2時間で140mg/dL未満だろう。2時間後の値が140〜200mg/dLであれば、これは異常な耐糖性とみなされる。
【0022】
用語“後期2型糖尿病”は、インスリン療法の徴候である続発性薬物不全、並びに例えば糖尿病性腎症、冠動脈心疾患(CHD)等の微小血管性及び大血管性合併症への進行がある患者を包含する。
用語“HbA1c”は、ヘモグロビンB鎖の非酵素的糖化の産物を指す。この定量は当業者に周知である。糖尿病の治療のモニタリングでは、HbA1c値は特に重要な値である。その生産は本質的に血糖レベルと赤血球の寿命によって決まるので、HbA1cは“血糖の記憶”という意味で先行する4〜6週間の平均血糖レベルを反映する。集中糖尿病治療でHbA1c値が一貫して良く調整されている(すなわち該サンプル中の総ヘモグロビンの6.5%未満)糖尿病患者は、糖尿病性微小血管障害に対して有意に良く保護されている。例えばメトホルミンは単独で1.0〜1.5%のオーダーの糖尿病患者のHbA1c値の平均的改善を果たす。
HbA1c値のこの減少はすべての糖尿病患者で6.5%未満、好ましくは6%未満という所望の目標範囲を達成するには十分でない。
“X症候群”とも呼ばれる(代謝障害の文脈で使用される場合)“代謝症候群”は“代謝異常症候群”とも呼ばれ、インスリン抵抗性という基本的な特徴を有する複合症候群である(Laaksonen DE, et al. Am J Epidemiol 2002;156:1070-7)。ATP III/NCEPの指針(Executive Summary of the Third Report of the National Cholesterol Education Program (NCEP) Expert Panel on Detection, Evaluation, and Treatment of High Blood Cholesterol in Adults (Adult Treatment Panel III) JAMA: Journal of the American Medical Association (2001) 285:2486-2497)によれば、下記危険因子が3つ以上存在する場合、糖尿病症候群の診断が行われる:
【0023】
1.男性で102cm(40インチ)、女性で94cm(35インチ)より大きいウェスト周り;又は日本民族性又は日本の患者については、男性で85cm以上、女性で90cm以上のウェスト周りと定義される腹部肥満;
2.トリグリセリド:≧150mg/dL
3.HDL-コレステロール<40mg/dL(男性で)
4.血圧≧130/85mmHg(SBP≧130又はDBP≧85)
5.空腹時血糖≧110mg/dL
NCEP定義が確証されている(Laaksonen DE, et al. Am J Epidemiol. (2002) 156:1070-7)。医療分析の標準的方法で血液中のトリグリセリド及びHDLコレステロールを決定することもでき、例えばThomas L (Editor): “Labor und Diagnose”, TH-Books Verlagsgesellschaft mbH, Frankfurt/Main, 2000に記載されている。
常用されている定義によれば、収縮期血圧(SBP)が値140mmHgを超え、かつ拡張期血圧が値90mmHgを超えている場合、高血圧と診断される。患者が顕性の糖尿病を患っている場合、現在、収縮期血圧を140mmHg未満のレベルに低減し、拡張期血圧を80mmHg未満に下げることが推奨される。
用語“予防的に治療する”及び“予防する”は、相互交換可能に使用される。
【0024】
〔詳細な説明〕
本発明、特に方法及び使用の局面は、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩に関係する。
好ましくは、すべてのヒドロキシル基は置換されていないか、又はβ-D-グルコピラノシル基の6位の炭素に結合しているヒドロキシル基だけが定義どおりに置換されている。好ましい置換基は、(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択される。さらに好ましい置換基は、アセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニル、特にエトキシカルボニルの中から選択される。
【0025】
好ましいプロドラッグは、下記プロドラッグから成る群より選択される:
(30a)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(30b)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(31a)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(31b)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(32a)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(32b)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(33a)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(33b)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(34a)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(34b)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(35a)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(35b)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(36a)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(36b)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(37a)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(37b)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(38a)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(38b)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(39a)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(39b)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
【0026】
(40a)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(40b)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(41a)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(41b)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(42a)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(42b)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(43a)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(43b)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(44a)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(44b)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(45a)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(45b)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
又はその医薬的に許容しうる塩。
【0027】
加えて、さらなる好ましいプロドラッグは、前述した、かつ後述するとおりの前記化合物(46)〜(63)、又はその医薬的に許容しうる塩である。
なおさらなる好ましいプロドラッグは、下記化合物(64)〜(73):から成る群より選択され、又はその医薬的に許容しうる塩である。
(64)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(65)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(66)4-(4-ブロモ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(67)4-(4-エチル-ベンジル)-1-シクロブチル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(68)4-(4-エチル-ベンジル)-1-(2-フルオロ-1-フルオロメチル-エチル)-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(69)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
【0028】
(70)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(71)4-(4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(72)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(73)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
から成る群より選択され、又はその医薬的に許容しうる塩である。
【0029】
第1の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(1)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(1)のプロドラッグ、例えば化合物(30a)及び(30b)に関係する。
第2の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(11)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(11)のプロドラッグ、例えば化合物(43a)及び(43b)に関係する。
第3の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(12)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(12)のプロドラッグ、例えば化合物(45a)及び(45b)に関係する。
第4の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(16)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(16)のプロドラッグ、例えば化合物(47)及び(72)に関係する。
【0030】
第5の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(20)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(20)のプロドラッグ、例えば化合物(35a)及び(35b)に関係する。
第6の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(26)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(26)のプロドラッグ、例えば化合物(46)及び(70)に関係する。
第7の好ましい実施形態によれば、本発明、特に方法及び使用の局面は、
(28)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
又は、該β-Dグルコピラノシル基の6位の炭素原子に結合しているヒドロキシル基が(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択され、特にアセチル、メトキシカルボニル及びエトキシカルボニルの中から選択される置換基で置換されている前記(28)のプロドラッグ、例えば化合物(62)及び(64)に関係する。
【0031】
この発明が治療又は予防を要する患者に関係する場合、本発明は主にヒトの治療及び予防に関するが、該活性物質を哺乳動物に関する獣医学に従って使用することもできる。
本発明の範囲では、化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を好ましくは経口投与する。他の投与形態が可能であり、後述する。さらに、以下に示される療法では、この発明の治療及び/又は予防は、好ましくは単剤療法であり、すなわち該療法の期間中、好ましくはこの発明の化合物以外の抗糖尿病薬を患者に投与しない。
前述したように、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩の投与によって、過剰の血糖が患者の尿を通じて排泄されるので、体重は増加せず、或いは体重の低減をもたらしうる。従って、この発明の治療又は予防は、有利には、過体重、クラスI肥満、クラスII肥満、クラスIII肥満、内臓肥満及び腹部肥満から成る群より選択される1又は2以上の状態で診断される該治療又は予防が必要な患者或いは増量が禁忌である患者に好適である。
この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、糖血コントロールに関し、特に空腹時血糖、食後血糖及び/又はグリコシル化ヘモグロビン(HbA1c)の低減という点で非常に良い効率を示すことが分かった。この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩を投与することによって、好ましくは0.5%以上、さらに好ましくは1.0%以上のHbA1cの減少を達成でき、この減少は特に1.0%〜1.5%の範囲である。
さらに、この発明の方法は、有利には、以下の状態の1、2又はそれより多くを示す当該患者に適用可能である:
(a)110mg/dLより高い、特に125mg/dLより高い空腹時血糖濃度又は血清中糖濃度;
(b)140mg/dL以上の食後血糖;
(c)6.5%以上、特に8.0%以上のHbA1c値。
【0032】
本発明は、2型糖尿病を有するか又は前糖尿病の最初の徴候を示す患者の血糖コントロールを改善するための医薬組成物の使用にも関する。従って、本発明は、糖尿病の予防をも含む。そこで、前糖尿病の上記徴候の1つが存在したら即座にこの発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩を用いて血糖コントロールを改善すると、顕性の2型糖尿病の発症を遅延又は予防することができる。
さらに、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、インスリン依存性の患者、すなわち、インスリン又はその誘導体若しくは代用物、或いはインスリン又はその誘導体若しくは代用物を含む製剤で治療しているか或いはそうでなくても治療するであろうか又は治療が必要な患者の治療に特に好適である。これら患者には、2型糖尿病の患者及び1型糖尿病の患者が含まれる。
この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩を使用することによって、特に1又は2以上の抗糖尿病薬による治療にもかかわらず、例えば最大耐量のメトホルミン又はスルホニル尿素の分類の抗糖尿病薬による経口単剤療法にもかかわらず、血糖コントロールが不十分な当該患者でさえ血糖コントロールの改善を達成できることが分かる。メトホルミンについての最大耐量は、例えば1日3回850mgであるか又はそのいずれかの等量である。本発明の範囲では、用語“不十分な血糖コントロール”は、患者が6.5%より高い、特に8%より高いHbA1c値を示す状態を意味する。
従って、本発明の好ましい実施形態によれば、耐糖能障害、インスリン抵抗性、代謝症候群及び/又は2型若しくは1型糖尿病と診断される患者の血糖コントロールの改善方法及び/又は空腹時血糖、食後血糖及び/又はグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減方法であって、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩を投与することを特徴とする方法が提供される。
【0033】
この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩の投与による血糖レベルの低減はインスリン-非依存性であることが分かった。従って、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、以下の状態の1又は2以上を有する患者の治療に特に好適である:
−インスリン抵抗性、
−高インスリン血症、
−前糖尿病、
−特に後期2型糖尿病を有する2型糖尿病、
−1型糖尿病。
さらに、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、以下の状態の1又は2以上を有すると診断される患者の治療に特に好適である:
(a)肥満(クラスI、II及び/又はIII肥満を含む)、内臓肥満及び/又は腹部肥満、
(b)トリグリセリド血中レベル≧150mg/dL、
(c)HDL-コレステロール血中レベル<40mg/dL(女性)及び<40mg/dL(男性)
(d)収縮期血圧≧130mmHgかつ拡張期血圧≧85mmHg、
(e)空腹時血糖レベル≧110mg/dL。
【0034】
耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群と診断される患者は、例えば心筋梗塞、冠動脈心疾患、心不全、血栓塞栓性事象のような心臓血管疾患を発症する高い危険に悩む。この発明による血糖コントロールの結果、心臓血管の危険の低減となりうる。
この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、良い安全プロフィールを示す。従って、この発明の治療又は予防は、有利には、例えばメトホルミンのような他の抗糖尿病薬による治療が禁忌である当該患者及び/又は治療的用量の該薬物に対して不耐性を有する当該患者で可能である。特に、この発明の治療又は予防は、有利には、以下の障害:腎不全又は腎疾患、心疾患、心不全、肝疾患、肺疾患、異化状態及び/又は乳酸血症の危険、又は妊娠しているか若しくは授乳中の女性患者;の1又は2以上の危険を示すか又は前記危険が高い当該患者に可能である。
さらに、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩の投与は、低血糖の危険がないか又は低リスクをもたらす。従って、この発明の治療又は予防は、有利には、低血糖の危険を示すか又はその危険が高い当該患者にも可能である。
この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、特に、前述した、かつ後述するとおりの疾患及び/又は状態の長期治療又は予防に特に好適であり、特に2型糖尿病の患者の長期血糖コントロールに特に好適である。
上で使用し、又は以下に使用する用語“長期”は、12週間より長い、好ましくは25週間より長い、さらに好ましくは1年より長い期間の患者の治療又は投与を示す。
従って、本発明の特に好ましい実施形態は、2型糖尿病の患者、特に後期2型糖尿病の患者、特にさらに過体重、肥満(クラスI肥満、クラスII肥満及び/又はクラスIII肥満を含む)、内臓肥満及び/又は腹部肥満と診断される患者の血糖コントロールの改善、特に長期改善のための経口療法、好ましくは経口単剤療法を提供する。
【0035】
患者に投与すべき、また本発明の治療又は予防で使うために必要なこの発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩の量は、投与経路、治療又は予防が必要な状態の性質と重症度、患者の年齢、体重及び状態、併用薬物によって変化し、最終的に主治医の判断力で変わることは明かだろう。しかし、一般的に、この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩は、治療すべき患者の血糖コントロールを改善するために十分な量で医薬組成物又は剤形に含まれる。
前述した、また後述するとおりの方法で患者に投与すべき医薬組成物は、好ましくは成人患者について1日当たり1mg〜1000mg、さらに好ましくは10〜500mg、最も好ましくは50〜500mgの範囲の量のこの発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ若しくは医薬的に許容しうる塩を含む。上記指定量は、経口投与で特に好ましい。この発明の好適な医薬組成物の例は、200mgの4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾールを含む経口投与用錠剤である。
本発明の医薬組成物の所望用量は、便宜上1日1回の単一用量で示され、或いは適切な間隔で投与する分割用量として、例えば1日2、3又は4回以上の用量として示される。
経口、直腸、経鼻、局所(頬及び舌下を含む)、経皮、膣又は腸管外(筋肉内、皮下及び静脈内)投与のため、液体若しくは固体形態又は吸入若しくは通気による投与に適した形態で医薬組成物を製剤化しうる。妥当な場合、製剤は便宜上、個別投与単位で提供され、薬学の分野で周知のいずれの方法によっても調製される。すべての方法が活性化合物を液状担体若しくは微細固形担体又はその両者と連合させてから、必要な場合、該生成物を所望製剤に形づくる工程を含む。
錠剤、顆粒剤、細顆粒剤、散剤、カプセル剤、カプレット剤(caplet)、軟カプセル剤、丸剤、経口液剤、シロップ剤、乾燥シロップ剤、咀嚼錠、トローチ剤、発泡錠、点滴薬、懸濁剤、高速溶解錠、経口高速分散錠などの形態で医薬組成物を製剤化しうる。
医薬組成物は、好ましくは、製剤の他の成分と適合性であり、かつそのレシピエントに有害であってはならないという意味で“許容性”でなければならない1又は2以上の医薬的に許容しうる担体を含む。
【0036】
経口投与に好適な医薬組成物は、便宜上、それぞれ所定量の活性成分を含有するカプセル剤(軟ゼラチンカプセル剤を含む)、カシェ剤又は錠剤などなどな個別単位として;散剤又は顆粒剤として;溶液、懸濁液又はエマルジョン、例えばシロップ剤、エリキシル剤又は自己乳化送達系(self-emulsifying delivery systems(SEDDS))として提供される。活性成分をボーラス、舐剤又はペーストとして提供してもよい。経口投与用の錠剤及びカプセル剤は結合剤、充填剤、潤沢剤、崩壊剤、又は湿潤剤等の通常の賦形剤を含有しうる。錠剤を技術上周知の方法でコーティングしうる。経口液体製剤は、例えば、水性若しくは油性懸濁液、溶液、エマルジョン、シロップ剤又はエリキシル剤の形態でよく、或いは使用前に水又は適切なビヒクルで構成するための乾燥生成物として提供される。このような液体製剤は、懸濁剤、乳化剤、非水性ビヒクル(食用油を含みうる)、又は保存剤等の通常の添加剤を含有しうる。
本発明の医薬組成物を非経口投与(例えば、注射、例えば大量瞬時投与注射又は連続注入)用に製剤化することもでき、アンプル、予充填注射器、小量注入の単位用量形態で、或いは保存剤を加えて複数用量容器で提供しうる。本組成物は、油性若しくは水性ビヒクル中の懸濁液、溶液、又はエマルジョンのような形態を取ることができ、懸濁剤、安定剤及び/又は分散剤等の処方剤を含みうる。これとは別に、活性成分は使用前に適切なビヒクル、例えば熱源のない滅菌水で構成するための散剤形態でよく、無菌固体の単離又は溶液からの凍結乾燥によって得られる。
担体が固体の直腸投与に適した医薬組成物は、最も好ましくは単位用量座剤として提供される。好適な担体として、ココアバター及び技術上常用される他の材料が挙げられ、活性化合物を軟化若しくは溶融担体と混合後、型内で冷却かつ形づくることによって、簡便に座剤を形成しうる。
医薬的に許容しうる担体の例は、当業者には周知である。
【0037】
この発明のピラゾール-O-グルコシド誘導体とそのプロドラッグの製造方法は、当業者には周知である。有利には、文献、特にEP 1 338 603 A1、EP 1 389 621 A1、WO 04/014932、WO 04/018491、WO 04/019958、WO 04/031203、WO 04/050122及びWO 03/020737に記載の合成方法を用いてこの発明の化合物を調製することができる。実施例で本発明の化合物の好ましい合成法を述べる。
この発明の化合物がその塩を形成しうる場合、該塩は医薬的に許容性でなければならない。医薬的に許容しうる塩として、塩酸、硫酸及びリン酸のような無機酸の塩;シュウ酸、酢酸、クエン酸、リンゴ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸及びグルタミン酸のような有機カルボン酸の塩並びにメタンスルホン酸及びp-トルエンスルホン酸のような有機スルホン酸の塩が挙げられる。溶媒及び分解剤(decomposer)中、適切な量と比でこの発明の化合物と酸を混ぜ合わせることによって塩を形成することができる。
この発明の化合物は、水和物及びアルコール付加物のような溶媒和物を包含する。
【0038】
例えばEP 1 338 603 A1、特に腎臓刷子縁膜のブドウ糖摂取に対する阻害活性及びラットの糖尿排泄に対する活性に関する記載どおりに、新規化合物の生物学的特性を調査することができる。さらに以下の試験を適用しうる。
発現ベクターpZeoSV(Invitrogen,EMBL受入番号L36849)で安定してトランスフェクトされているCHO-K1細胞系(ATCC No. CCL 61)又は二者択一的にHEK293細胞系(ATCC No. CRL-1573)がヒトナトリウムブドウ糖共輸送体2(Genbank Acc. No.NM_003041)(CHO-hSGLT2又はHEK-hSGLT2)のコード配列のcDNAを含む試験装備で、物質のSGLT-2活性を阻害する能力を実証することができる。これら細胞系は、14C-標識α-メチル-グルコピラノシド(14C-AMG,Amersham)をナトリウム依存様式で該細胞の内部に輸送する。
以下のようにSGLT-2アッセイを行う:
CHO-hSGLT2細胞はHam’s F12培地(BioWhittaker)内で10%の胎児ウシ血清及び250μg/mlのゼオシン(Invitrogen)と培養し、HEK293-hSGLT2細胞はDMEM培地内で10%の胎児ウシ血清及び250μg/mlのゼオシン(Invitrogen)と培養する。
PBSで2回洗浄後、トリプシン/EDTAで処理することによって細胞を培養フラスコから分離する。細胞培養基を添加後、細胞を遠心分離し、培養基に再懸濁させて、Casy細胞カウンターで数える。次に、ポリ-D-リジンで被覆した白色の96-ウェルプレートに1ウェル当たり40,000個の細胞を播き、37℃、5%のCO2で一晩インキュベートする。細胞を250μlのアッセイ緩衝液(Hanks Balanced Salt Solution,137mM NaCl,5.4mM KCl,2.8mM CaCl2,1.2mM MgSO4及び10mM HEPES(pH7.4),50μg/mlのゲンタマイシン)で2回洗浄する。次に、各ウェルに250μlのアッセイ緩衝液と5μlの試験化合物を加え、インキュベーター内でプレートをさらに15分間インキュベートする。5μlの10% DMSOを負対照として使用する。各ウェルに5μlの14C-AMG(0.05μCi)を添加して反応を開始させる。37℃、5%のCO2にて2時間のインキュベーション後、細胞を再び250μlのPBS(20℃)で洗浄してから25μlの0.1N NaOH(37℃で5分)を添加して可溶化する。各ウェルに200μlのMicroScint20(Packard)を加えて37℃でさらに20分間インキュベーションを続ける。このインキュベーション後、吸収された14C-AMGをTopcount(Packard)で14Cシンチレーションプログラムを用いて測定する。
ヒトSGLT1についての選択性を決定するため、hSGLT2 cDNAの代わりにhSGLT1のcDNA(Genbank Acc. No. NM000343)がCHO-K1又はHEK293細胞内で発現している同様の試験を構築する。
前記原文及び以下の原文では、構造式で各場合ヒドロキシル基のH原子は明瞭に示さない。以下の実施例は本発明を限定せずに説明することを意図している。
【0039】
〔実施例〕
上記及び以降、以下の略語を使用する。
Bn ベンジル
Bu ブチル
DCM ジクロロメタン
DMF ジメチルホルムアミド
Et エチル
EtOAc 酢酸エチル
iPr イソ-プロピル
i. vac. 真空中
Me メチル
Ph フェニル
RT 周囲温度(約20℃)
THF テトラヒドロフラン
【0040】
〔出発原料の調製〕
〔実施例I〕
2-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンズアルデヒド
【化1】

【0041】
CH2Cl2(100mL)中の2-フルオロ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド(19.1g,120mmol)の-70℃溶液にCH2Cl2中の三臭化ホウ素(1M,160mL,160mmol)を加えた。反応溶液を-68℃で45分間撹拌後、冷浴を除去し、溶液を室温でさらに一晩撹拌した。反応溶液を氷水に注ぎ、30分間撹拌した。生じた沈殿物を分離し、CH2Cl2で洗浄し、EtOAcに溶かした。結果のEtOAc相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒のエバポレーション後、残留物を小量のCH2Cl2で洗浄し、真空中で乾燥させてベージュ色固体として生成物を得た。
収量:14.5g(86%)
ESI-MS: m/z = 139 [M-H]-
〔実施例II〕
4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンズアルデヒド
【化2】

【0042】
4-ヒドロキシ-3-フルオロ-ベンズアルデヒド(10.0g,70mmol)と炭酸カリウム(10.2g,74mmol)のDMF(60mL)中の懸濁液に臭化ベンジル(8.7mL,74mmol)を滴加した。混合物を周囲温度で48時間撹拌後、氷水でクエンチした。混合物をさらに水で希釈し、沈殿物をろ過で分離した。沈殿物を水で洗浄し、酢酸エチルに溶かした。有機溶液を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させ、真空中で溶媒を除去した。
収量:16.0g(99%)
ESI-MS: m/z = 231 [M+H]+
同様に以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-ベンジルオキシ-2-フルオロ-ベンズアルデヒド
【化3】

【0043】
ESI-MS: m/z = 253 [M+Na]+
(2) 2-クロロ-4-メトキシ-1-メチル-ベンゼン
【化4】

【0044】
求電子試薬として臭化ベンジルの代わりにヨウ化メチルを利用すること以外、上記手順に従った。
ESI-MS: m/z = 156/158 [M]+(塩素)
〔実施例III〕
2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド
【化5】

【0045】
Ar下でTHF(150mL)とEt2O(250mL)中の1-ブロモ-2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンゼン(25.0g,0.11mol)の-65℃溶液にヘキサン中のn-BuLi(1.6M,70mL,0.11mol)を滴加した。溶液を-65℃で45分間撹拌後、DMF(10mL,0.13mol)をゆっくり加えた。溶液を一晩で冷浴内にて室温に戻してからEt2O(500mL)で希釈した。結果の有機溶液を食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させ、真空中で溶媒を除去した。残留物をiPr2Oから再懸濁させて黄色結晶として生成物を得た。
収量:6.7g(35%)
Rf 0.63(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 1:1)
同様に以下の化合物を得ることができる。
(1) 2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンズアルデヒド
【化6】

【0046】
ESI-MS: m/z = 173 [M+H]+
(2) 3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-安息香酸
【化7】

【0047】
アリールリチウム化合物をDMFに代えて乾燥砕氷(CO2)でクエンチすること以外、上記手順に従った。
ESI-MS: m/z = 187 [M-H]-
〔実施例IV〕
(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-フェニル)-メタノール
【化8】

【0048】
THF(60mL)中の水素化ホウ素ナトリウム(3.4g,90mmol)の懸濁液にTHF(60mL)中の4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンズアルデヒド(16.1g,70mmol)の溶液を加えた。周囲温度で一晩撹拌後、氷水を添加して反応混合物をクエンチした。HCl水溶液(4M)で混合物を酸性にし、Et2Oで抽出した。混ぜ合わせた有機相をNaHCO3水溶液で洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥させた。溶媒の除去後、生成物を得た。
収量:16.2g(100%)
ESI-MS: m/z = 215 [M-OH]+
同様に以下の化合物を調製することができる。
(1)(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-メタノール
【化9】

【0049】
ESI-MS: m/z = 215 [M-OH]+
(2)(4-ベンジルオキシ-2-フルオロ-フェニル)-メタノール
【化10】

【0050】
ESI-MS: m/z = 232 [M]+
(3)(2-フルオロ-4-メトキシ-フェニル)-メタノール
【化11】

【0051】
ESI-MS: m/z = 139 [M-OH]+
(4)(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-メタノール
【化12】

【0052】
ESI-MS: m/z = 157 [M-OH+H]+
〔実施例V〕
(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-フェニル)-メタノール
【化13】

【0053】
THF(50mL)とトルエン(30mL)中の水素化アルミニウムリチウム(0.57g,15mmol)の20℃懸濁液にTHF(20mL)中の3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-安息香酸(2.9g,15mmol)の溶液を添加した。反応混合物を周囲温度で一晩撹拌後、氷水を加え、結果の溶液を2Nの硫酸で酸性にした。有機層を分け、水層をEtOAcで抽出した。混ぜ合わせた有機相をNaHCO3水溶液と食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒の除去後、残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 2:1)で精製した。
収量:1.6g(60%)
Rf 0.7(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 1:1)
〔実施例VI〕
1-ベンジルオキシ-4-ブロモメチル-2-フルオロ-ベンゼン
【化14】

【0054】
ジエチルエーテル(130mL)中の(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-フェニル)-メタノール(16.7g,72mmol)の氷冷溶液に、溶液温度が8℃を超えないような割合で三臭化リン(2.8mL,30mmol)を加えた。室温2時間撹拌後、反応混合物を氷浴で冷却し、氷水、酢酸エチル、及びEt2Oを添加してクエンチした。有機層を分離し、NaHCO3水溶液と食塩水で洗浄した。溶媒のエバポレーション後、生成物を得た。
収量:20.5g(97%)
ESI-MS: m/z = 294/296 [M]+(臭素)
同様に以下の化合物を調製することができる。
(1) 1-ブロモメチル-2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンゼン
【化15】

【0055】
ESI-MS: m/z = 236/238 [M]+(臭素)
(2) 4-ベンジルオキシ-1-ブロモメチル-2-フルオロ-ベンゼン
【化16】

【0056】
ESI-MS: m/z = 294/296 [M]+(臭素)
(3) 1-ブロモメチル-2-フルオロ-4-メトキシ-ベンゼン
【化17】

【0057】
Rf 0.8(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 1:1)
(4) 2-ブロモメチル-1,3-ジフルオロ-5-メトキシ-ベンゼン
【化18】

【0058】
ESI-MS: m/z = 236/238 [M]+(臭素)
(5) 5-ブロモメチル-1,3-ジフルオロ-2-メトキシ-ベンゼン
【化19】

【0059】
ESI-MS: m/z = 236/238 [M]+(臭素)
〔実施例VII〕
2,3-ジフルオロ-1-メトキシ-4-メチル-ベンゼン
【化20】

【0060】
水(160mL)中の水酸化ナトリウム(14.4g,0.36mol)と2,3-ジフルオロ-4-メチル-フェノール(50.0g,0.35mol)の20℃溶液に硫酸ジメチル(34mL,0.36mol)を滴加した。室温で一晩撹拌後、反応溶液をEt2Oで抽出した。エーテル相を2N NaOH溶液、水、及び食塩水で洗浄後、MgSO4上で乾燥させた。減圧下で溶媒の除去後、無色油として生成物を得た。
収量:49.0g(89%)
ESI-MS: m/z = 158 [M]+
〔実施例VIII〕
1-ブロモメチル-2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンゼン
【化21】

【0061】
CCl4(300mL)中の2,3-ジフルオロ-1-メトキシ-4-メチル-ベンゼン(39.5g,0.25mol)、N-ブロモスクシンイミド(44.5g,0.25mol)、及びアゾビスイソブチロニトリル(0.41g,2.5mmol)の溶液を3.5時間還流温度で撹拌させた。次に、生じたスクシンイミドをろ過で除去し、ろ液を真空中で濃縮した。残留物をEt2O(200mL)に溶かして約100mLに濃縮した。氷浴で冷却後、生じた沈殿物をろ別し、冷却Et2Oで洗浄し、真空中で乾燥させて白色固体として生成物を得た。
収量:36.0g(61%)
Rf 0.3(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 20:1)
上記手順と同様にして以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-ブロモメチル-2-クロロ-1-メトキシ-ベンゼン
【化22】

【0062】
Rf 0.4(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 20:1)
(2) 1-ブロモメチル-2-クロロ-4-メトキシ-ベンゼン
【化23】

【0063】
Rf 0.5(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 20:1)
〔実施例IX〕
2-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化24】

【0064】
THF(140mL)中の水素化ナトリウム(4.8g,120mmol,鉱油中60%,ペンタンによる油は無い)の氷冷懸濁液にTHF(50mL)中の3-オキソ-酪酸エチルエステル(17.2g,132mmol)を加えた。氷浴を除去し、該溶液を室温で0.5時間撹拌後、THF(60mL)中の1-メトキシ-4-ブロモメチル-2,3-ジフルオロ-ベンゼン(28.4g,120mmol)の溶液を滴加した。反応混合物を還流温度で一晩撹拌後、真空中で溶媒を除去し、残留物をEt2O(300mL)と摩砕した。エーテル相を水と食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒のエバポレーション後、黄色油として生成物を得た。
収量:35.5g(約80%純粋)
ESI-MS: m/z = 285 [M-H]-
同様に以下の化合物を得ることができる。
(1) 2-(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化25】

【0065】
ESI-MS: m/z = 345 [M+H]+
(2) 2-(4-ヨード-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化26】

【0066】
ESI-MS: m/z = 345 [M-H]-
(3) 2-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化27】

【0067】
Rf 0.27(シリカゲル,石油エーテル/EtOAc 4:1)
(4) 2-(4-ベンジルオキシ-2-フルオロ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化28】

【0068】
ESI-MS: m/z = 343 [M-H]-
(5) 2-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化29】

【0069】
ESI-MS: m/z = 287 [M+H]+
(6) 2-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化30】

【0070】
ESI-MS: m/z = 287 [M+H]+
(7) 2-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化31】

【0071】
ESI-MS: m/z = 253 [M+H]+
(8) 2-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化32】

【0072】
ESI-MS: m/z = 269 [M+H]+
(9) 2-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化33】

【0073】
ESI-MS: m/z = 283/285 [M-H]-(塩素)
(10) 2-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化34】

【0074】
ESI-MS: m/z = 285/287 [M+H]+(塩素)
(11) 4,4,4-トリフルオロ-2-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化35】

【0075】
ESI-MS: m/z = 321 [M-H]-
〔実施例X〕
2-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化36】

【0076】
Ar下、アセトニトリル(220mL)中の3-オキソ-酪酸エチルエステル(4.17g,32.1mmol)とヨウ化ナトリウム(23.9g,160mmol)の氷冷溶液に、3分かけて塩化トリメチルシリル(20.2mL,160mmol)を添加後、2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンズアルデヒド(5.0g,32.1mmol)を加えた。氷浴を除去し、反応混合物を室温で8時間、引き続き60℃で15時間撹拌した。室温に冷ました後、反応混合物をEtOAc(300mL)と水(200mL)の混合物に注いだ。有機相を分離し、Na2S2O3水溶液と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。減圧下で溶媒を除去し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc 1:6)で精製して無色油として生成物を得た。
収量:8.4g(97%)
Rf 0.35(シリカゲル,ヘキサン/EtOAc 5:1)
同様に以下の化合物を得ることができる。
(1) 2-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化37】

【0077】
(2) 2-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化38】

【0078】
Rf 0.42(シリカゲル,ヘキサン/EtOAc 4:1)
(3) 2-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル
【化39】

【0079】
〔実施例XI〕
4,4,4-トリフルオロ-2-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-メトキシ-ブタ-2-エン酸エチルエステル
【化40】

【0080】
DMF(50mL)中の4,4,4-トリフルオロ-2-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル(6.35g,19.7mmol)と炭酸セシウム(9.5g,28.9mmol)の20℃混合物に、DMF(20mL)中のトルエン-4-スルホン酸メチルエステル(4.5g,23.7mmol)の溶液を滴下する。反応混合物を室温で一晩撹拌後、60℃1.5時間撹拌した。室温に冷却後、希リン酸を加え、結果溶液をEt2Oで抽出した。混ぜ合わせた有機相を食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒の除去後、残留物を酸化アルミニウム上クロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 99:1→70:30)で精製した。
収量:6.6g(100%)
ESI-MS: m/z = 337 [M+H]+
〔実施例XII〕
4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化41】

【0081】
EtOH(300mL)中の2-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-オキソ-酪酸エチルエステル(33.0g,0.115 mol)と水素化ヒドラジン(80%,8.0g,128mmol)の溶液を還流温度で2時間撹拌した。氷浴で冷却後、沈殿物を収集し、冷EtOHで洗浄し、真空中で乾燥させて白色固体として生成物を得た。
収量:22.5g(70%)
ESI-MS: m/z = 255 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化42】

【0082】
ESI-MS: m/z = 313 [M+H]+
(2) 4-(4-ヨード-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化43】

【0083】
ESI-MS: m/z = 315 [M+H]+
(3) 4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化44】

【0084】
ESI-MS: m/z = 255 [M+H]+
(4) 4-(4-ベンジルオキシ-2-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化45】

【0085】
ESI-MS: m/z = 313 [M+H]+
(5) 4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化46】

【0086】
ESI-MS: m/z = 255 [M+H]+
(6) 4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化47】

【0087】
ESI-MS: m/z = 255 [M+H]+
(7) 4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化48】

【0088】
ESI-MS: m/z = 221 [M+H]+
(8) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化49】

【0089】
ESI-MS: m/z = 237 [M+H]+
(9) 4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化50】

【0090】
ESI-MS: m/z = 253/255 [M+H]+(塩素)
(10) 4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化51】

【0091】
ESI-MS: m/z = 253/255 [M+H]+(塩素)
(11) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化52】

【0092】
上記手順に従い、4,4,4-トリフルオロ-2-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-3-メトキシ-ブタ-2-エン酸エチルエステルから出発して生成物を調製した。
ESI-MS: m/z = 289 [M-H]-
(12) 4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化53】

【0093】
(13) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化54】

【0094】
Rf 0.05(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 5:1)
(14) 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化55】

【0095】
Rf 0.15(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
(15) 4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化56】

【0096】
Rf 0.11(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
〔実施例XIII〕
3-(tert-ブチル-ジメチル-シリルオキシ)-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール
【化57】

【0097】
DMF(2mL)中の4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-3-オール(0.21g,0.72mmol)とイミダゾール(8.0g,128mmol)の溶液にtert-ブチルジメチルシリルクロリド(0.13g,0.86mmol)を加えた。室温で4時間撹拌後、溶液をEtOAcで希釈し、水と食塩水で洗浄した。有機相を乾燥させ、溶媒を除去した。
収量:0.34g(約80%純粋)
ESI-MS: m/z = 405 [M+H]+
〔実施例XIV〕
3-(tert-ブチル-ジメチル-シリルオキシ)-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール
【化58】

【0098】
イソプロパノール(2mL)中の3-(tert-ブチル-ジメチル-シリルオキシ)-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール(0.27g,0.67mmol)とPh3P(0.20g,0.76mmol)の懸濁液にトルエン中のアゾジカルボン酸ジエチル(40%,0.35mL,0.76mmol)を加えた。溶液を室温で1時間撹拌してからEt2Oで希釈した。結果溶液を水とNaOH水溶液(2N)で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させ、溶媒を除去した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 99:1→4:1)で精製して生成物を無色油として得た。
収量:0.14g(47%)
ESI-MS: m/z = 447 [M+H]+
〔実施例XV〕
4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-3-オール
【化59】

【0099】
3-(tert-ブチル-ジメチル-シリルオキシ)-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール(0.27g,0.67mmol)、HCl水溶液(1N,1mL,1mmol)、MeOH(0.5mL)、及びTHF(12mL)の溶液を60℃で2時間撹拌した。室温に冷却後、溶液をEtOAcで希釈し、水と食塩水で洗浄した。Na2SO4上で乾燥し、真空中で溶媒を除去後、白色固体として生成物を得た。
収量:0.10g(100%)
ESI-MS: m/z = 333 [M+H]+
〔実施例XVI〕
4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化60】

【0100】
乾燥THF(80mL)中の4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール(2.14g,8.4mmol)、2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-α-D-グルコ-ピラノース(4.54g,8.4mmol)、及びPPh3(2.20g,8.4mmol)の0℃溶液にトルエン中のアゾジカルボン酸ジエチル(40%,3.85mL,8.4mmol)を、該溶液を2〜6℃で維持するような速度で加えた。10分後、冷浴を除去し、反応溶液を室温で一晩撹拌した。次に、溶液を減圧下40℃で濃縮し、残留物をEt2O(50mL)で処理した。該エーテル溶液を-18℃に冷却し、生成沈殿物を分離して冷却Et2Oで洗浄した。ろ液をEt2Oで希釈し、NaOH水溶液(2N)、水、及び食塩水で洗浄した。MgSO4上の乾燥及び溶媒のエバポレーション後、残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 2:1→1:6)で精製した。精製生成物をiPr2Oから再懸濁させて生成物を白色固体として得た(5%未満のαアノマー)。
収量:3.10g(48%)
ESI-MS: m/z = 777 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化61】

【0101】
ESI-MS: m/z = 777 [M+H]+
(2) 4-(2-フルオロ-4-ベンジルオキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化62】

【0102】
ESI-MS: m/z = 835 [M+H]+
(3) 4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化63】

【0103】
ESI-MS: m/z = 777 [M+H]+
(4) 4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化64】

【0104】
ESI-MS: m/z = 777 [M+H]+
(5) 4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化65】

【0105】
Ph3Pとアゾジカルボン酸ジエチルに代えてBu3Pと1,1'-(アゾジカルボニル)-ジピペリジンを用いた。
ESI-MS: m/z = 743 [M+H]+
(6) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化66】

【0106】
Ph3Pとアゾジカルボン酸ジエチルに代えてBu3Pと1,1'-(アゾジカルボニル)-ジピペリジンを用いた。
ESI-MS: m/z = 759 [M+H]+
(7) 4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化67】

【0107】
Ph3Pとアゾジカルボン酸ジエチルに代えてBu3Pと1,1'-(アゾジカルボニル)-ジピペリジンを用いた。
ESI-MS: m/z = 775/777 [M+H]+(塩素)
(8) 4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化68】

【0108】
Ph3Pとアゾジカルボン酸ジエチルに代えてBu3Pと1,1'-(アゾジカルボニル)-ジピペリジンを用いた。
ESI-MS: m/z = 775/777 [M+H]+(塩素)
(9) 4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化69】

【0109】
(10) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化70】

【0110】
Rf 0.24(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
(11) 4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化71】

【0111】
Rf 0.48(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
〔実施例XVII〕
4-(4-ヨード-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化72】

【0112】
乾燥THF(80mL)中の4-(4-ヨード-ベンジル)-5-メチル-1H-ピラゾール-3-オール(0.70g,2.23mmol)の溶液にAg2CO3(0.65g,2.36mmol)を添加後、2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルブロミド(1.00g,2.43mmol)を加えた。反応混合物を還流温度で暗所にて一晩撹拌後、さらにAg2CO3(0.75g,2.72mmol)と2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルブロミド(1.10g,2.68mmol)を加えた。反応混合物を還流温度でさらに一晩撹拌してから室温に冷ました。混合物をろ過し、ろ液を真空中で濃縮した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH 1:0→10:1)で精製して生成物を白色固体として得た。
収量:0.40g(28%)
ESI-MS: m/z = 645 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化73】

【0113】
ESI-MS: m/z = 643 [M+H]+
(2) 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化74】

【0114】
Rf 0.46(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
〔実施例XVIII〕
4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-トリフルオロメチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化75】

【0115】
水(5mL)とCH2Cl2(25mL)中の4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-1H-ピラゾール-3-オール(1.84g,5.54mmol)、K2CO3(7.5g,54.3mmol)、及びnBu3BnNCl(0.25g,0.8mmol)の溶液に2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルブロミド(3.80g,8.78mmol)を添加した。反応混合物を暗所で室温にて激しく撹拌した。次に、CH2Cl2を加え、有機層を分けた。水と1Mのリン酸で洗浄後、有機相をNa2SO4上で乾燥させ、溶媒を除去した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 3:2→0:1)で精製した。
収量:2.42g(約50%純粋)
ESI-MS: m/z = 663 [M+H]+
〔実施例XIX〕
4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化76】

【0116】
DMF(56mL)中の4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(2.90g,3.7mmol)とCs2CO3(12.30g,37.8mmol)の20℃混合物にヨウ化イソプロピル(1.90mL,18.9mmol)を加えた。反応混合物を室温で2.5時間撹拌した。次に反応混合物を水(300mL)に注ぎ、結果溶液をEtOAcで抽出した。混ぜ合わせた有機抽出液を水と食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。有機溶液を減圧下40℃で濃縮し、残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 6:1→1:1)で精製した。
収量:2.10g(69%)
ESI-MS: m/z = 459 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化77】

【0117】
ESI-MS: m/z = 685 [M+H]+
(2) 4-(4-ヨード-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化78】

【0118】
ESI-MS: m/z = 687 [M+H]+
(3) 4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化79】

【0119】
ESI-MS: m/z = 819 [M+H]+
(4) 4-(2-フルオロ-4-ベンジルオキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化80】

【0120】
ESI-MS: m/z = 877 [M+H]+
(5) 4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化81】

【0121】
ESI-MS: m/z = 819 [M+H]+
(6) 4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化82】

【0122】
ESI-MS: m/z = 819 [M+H]+
(7) 1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化83】

【0123】
求電子試薬としてヨウ化イソプロピルの代わりにブロモ-シクロブタンを用いた。
ESI-MS: m/z = 797 [M+H]+
(8) 1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化84】

【0124】
実施例XVIII(7)の調製の副生物として得た。
ESI-MS: m/z = 797 [M+H]+
(9) 1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化85】

【0125】
求電子試薬としてヨウ化イソプロピルの代わりにブロモ-シクロブタンを用いた。
ESI-MS: m/z = 813 [M+H]+
(10) 4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化86】

【0126】
好ましくはトルエンとTHF中、塩基としてカリウムヘキサメチルジシラジドを用いて反応を行った。
ESI-MS: m/z = 817/819 [M+H]+(塩素)
(11) 4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化87】

【0127】
好ましくはトルエンとTHF中、塩基としてカリウムヘキサメチルジシラジドを用いて反応を行った。
ESI-MS: m/z = 817/819 [M+H]+(塩素)
(12) 4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化88】

【0128】
(13) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化89】

【0129】
Rf 0.65(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
(14) 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化90】

【0130】
Rf 0.50(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 1:1)
(15) 4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化91】

【0131】
Rf 0.53(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc 4:1)
〔実施例XX〕
4-(3-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化92】

【0132】
EtOAc(10mL)中の4-(4-ベンジルオキシ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(0.26g,0.38mmol)と10% Pd(炭素上)(0.05g)の混合物を水素雰囲気下(3バール)室温で撹拌した。3時間後、触媒をろ過で分離し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をEt2Oに溶かし、Celite(登録商標)上でろ過し、真空中で濃縮した。
収量:0.22g(97%)
ESI-MS: m/z = 595 [M+H]+
〔実施例XXI〕
4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化93】

【0133】
DMF(3mL)中の4-(3-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(0.22g,0.37mmol)と炭酸セシウム(0.31g,0.40mmol)の懸濁液に臭化エチル(30μL,0.40mmol)を加えた。周囲温度で5時間撹拌後、混合物をEtOAcとリン酸(0.1M)の混合物に注いだ。有機相を分け、NaHCO3水溶液と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。該有機溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/EtOAc 1:1)で精製した。
収量:0.18g(78%)
ESI-MS: m/z = 623 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(1) 4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化94】

【0134】
ESI-MS: m/z = 637 [M+H]+
〔実施例XXII〕
4-(2-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化95】

【0135】
EtOH(70mL)中の4-(2-フルオロ-4-ベンジルオキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(2.0g,2.3mmol)と20%のPd(炭素上)(1.0g)の混合物を水素雰囲気下(3.4×105Pa(50psi))室温で撹拌した。2時間後、ろ過で触媒を分離し、減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(CH2Cl2/MeOH 10:1→3:1)で精製した。
収量:0.69g(71%)
ESI-MS: m/z = 427 [M+H]+
〔実施例XXIII〕
4-(4-トリメチルシリルエチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化96】

【0136】
DMF(5mL)中の4-(4-ヨード-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(0.31g,0.45mmol)の脱気溶液にAr下で、NEt3(0.2mL,1.43mmol)、CuI(0.02g,0.11mmol)、(Ph3P)2PdCl2(0.05g,0.07mmol)、及びトリメチルシリルアセチレン(0.10mL,0.69mmol)を所定順序で添加した。反応混合物を90℃で3.5時間撹拌した。室温に冷却後、EtOAcを加え、結果溶液をNaHCO3水溶液で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒をエバポレートし、残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(シクロヘキサン/EtOAc 9:1→1:1)で精製して生成物を黄色油として得た。
収量:0.18g(64%)
ESI-MS: m/z = 657 [M+H]+
〔生成物の調製〕
〔実施例1〕
(1) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化97】

【0137】
EtOH(50mL)中の4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-ベンジル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(1.80g,2.2mmol)と20%のPd(炭素上)(1g)の混合物を水素雰囲気下(3.4×105Pa(50psi))室温で撹拌した。2.5時間後、ろ過で触媒で分け、減圧下で溶媒を除去した。残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(DCM/MeOH 1:0→4:1)で精製して生成物を白色固体として得た。
収量:0.48g(48%)
ESI-MS: m/z = 459 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(2) 4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化98】

【0138】
ESI-MS: m/z = 459 [M+H]+
(3) 4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化99】

【0139】
ESI-MS: m/z = 459 [M+H]+
(4) 4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化100】

【0140】
ESI-MS: m/z = 459 [M+H]+
(5) 1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化101】

【0141】
ESI-MS: m/z = 437 [M+H]+
(6) 1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化102】

【0142】
ESI-MS: m/z = 437 [M+H]+
(7) 1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化103】

【0143】
ESI-MS: m/z = 453 [M+H]+
(8) 4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化104】

【0144】
ESI-MS: m/z = 457/459 [M+H]+(塩素)
(9) 4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化105】

【0145】
ESI-MS: m/z = 457/459 [M+H]+(塩素)
(10) 4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化106】

【0146】
(11) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化107】

【0147】
Rf 0.24(シリカゲル, CHCl3/MeOH 9:1)
(12) 4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化108】

【0148】
Rf 0.24(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH 9:1)
〔実施例2〕
(13) 4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化109】

【0149】
MeOH(1mL)とTHF(1.5mL)中の4-(4-エトキシ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール(0.17g,0.27mmol)の氷冷溶液にLiOH水溶液(1M,1.25mL)を加えた。溶液を氷浴内で1時間撹拌してからEtOAcと水で希釈した。有機相を分け、水と食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。溶媒を除去し、残留物を真空中で乾燥させて生成物を白色泡として得た。
収量:0.12g(95%)
ESI-MS: m/z = 455 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(14) 4-(4-エチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化110】

【0150】
4-(4-トリメチルシリル-エチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(2,3,4,6-テトラ-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾールを上記反応条件に供した。
ESI-MS: m/z = 417 [M+H]+
(15) 4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化111】

【0151】
ESI-MS: m/z = 469 [M+H]+
(16) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化112】

【0152】
(17) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化113】

【0153】
ESI-MS: m/z = 495 [M+H]+
(18) 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化114】

【0154】
Rf 0.29(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH 9:1)
〔実施例3〕
(19) 4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化115】

【0155】
DMF(3.5mL)中の4-(2-フルオロ-4-ヒドロキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール(0.20g,0.47mmol)と炭酸セシウム(0.16g,0.50mmol)の懸濁液にヨウ化イソプロピル(52μL,0.50mmol)を加えた。混合物を周囲温度一晩撹拌後、さらに炭酸セシウム(0.10g)とヨウ化イソプロピル(30μL)を加えた。室温でさらに24時間撹拌後、混合物をEtOAc、リン酸(0.1M)、及び食塩水で希釈した。有機相を分け、食塩水で洗浄し、Na2SO4上で乾燥させた。有機溶液を濃縮し、残留物をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH 10:1)で精製して生成物を白色泡として得た。
収量:0.16g(73%)
ESI-MS: m/z = 469 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(20) 4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール
【化116】

【0156】
ESI-MS: m/z = 455 [M+H]+
この出願又は文献に記載の方法で化合物(21)〜(29)を得ることができる。
〔実施例4〕
(30a) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化117】

【0157】
2,4,6-トリメチルピリジン(0.7mL)中の4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール(0.23g,0.50mmol)の氷冷溶液にクロロギ酸メチル(42μL,0.55mmol)を加えた。反応溶液を氷浴内で室温まで温めて一晩撹拌した。次に、溶液をEt2Oで希釈し、HCl水溶液(1M)と食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒をエバポレートし、残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(DCM/MeOH 25:1→3:1)で精製して生成物を白色固体として得た。
収量:0.15g(56%)
ESI-MS: m/z = 517 [M+H]+
従って以下の化合物を得ることができる。
(31a) 4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化118】

【0158】
ESI-MS: m/z = 513 [M+H]+
(32a) 4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化119】

【0159】
ESI-MS: m/z = 527 [M+H]+
(33a) 4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化120】

【0160】
ESI-MS: m/z = 517 [M+H]+
(34a) 4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化121】

【0161】
ESI-MS: m/z = 527 [M+H]+
(35a) 4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化122】

【0162】
ESI-MS: m/z = 513 [M+H]+
(36a) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化123】

【0163】
ESI-MS: m/z = 553 [M+H]+
(37a) 4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化124】

【0164】
ESI-MS: m/z = 517 [M+H]+
(38a) 4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化125】

【0165】
ESI-MS: m/z = 517 [M+H]+
(39a) 1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化126】

【0166】
ESI-MS: m/z = 495 [M+H]+
(40a) 1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化127】

【0167】
ESI-MS: m/z = 495 [M+H]+
(41a) 1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
ESI-MS: m/z = 511 [M+H]+
【化128】

【0168】
(42a) 4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化129】

【0169】
(43a) 4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化130】

【0170】
Rf 0.49(シリカゲル, CHCl3/MeOH 10:1)
(44a) 4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化131】

【0171】
Rf 0.39(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH 19:1)
(45a) 4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化132】

【0172】
Rf 0.62(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH 9:1)
化合物(30b)、(31b)、(32b)、(33b)、(34b)、(35b)、(36b)、(37b)、(38b)、(39b)、(40b)、(41b)、(42b)、(43b)、(44b)及び(45b)が同様に得られる。
〔実施例5〕
(46) 4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化133】

【0173】
2,4,6-トリメチルピリジン(1mL)中の4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール(0.30g,0.70mmol)の氷冷溶液にクロロギ酸メチル(76μL,0.80mmol)を加えた。反応溶液を氷浴内で室温まで温めて一晩撹拌した。次に、溶液をEt2Oで抽出し、HCl水溶液(1M)と食塩水で洗浄し、MgSO4上で乾燥させた。溶媒をエバポレートし、残留物をシリカゲル上クロマトグラフィー(DCM/MeOH 25:1→3:1)で精製して生成物を白色固体として得た。
収量:0.23g(66%)
ESI-MS: m/z = 497 [M+H]+
上記手順と同様に以下の化合物を得ることができる。
(47) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化134】

【0174】
ESI-MS: m/z = 513 [M+H]+
(48) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-イソブチルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化135】

【0175】
ESI-MS: m/z = 541 [M+H]+
(49) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ヘキサ-1-イルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化136】

【0176】
ESI-MS: m/z = 569 [M+H]+
(50) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-フェノキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化137】

【0177】
ESI-MS: m/z = 561 [M+H]+
(51) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ベンジルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化138】

【0178】
ESI-MS: m/z = 575 [M+H]+
(52) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化139】

【0179】
ESI-MS: m/z = 483 [M+H]+
(53) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-プロピルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化140】

【0180】
ESI-MS: m/z = 511 [M+H]+
(54) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-イソプロピルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化141】

【0181】
ESI-MS: m/z = 511 [M+H]+
(55) 4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ベンジルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール
【化142】

【0182】
ESI-MS: m/z = 559 [M+H]+
上記手順と同様に化合物(56)〜(63)を得ることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1型糖尿病、2型糖尿病、耐糖能障害、高血糖、食後高血糖、過体重、肥満及び代謝症候群から成る群より選択される代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療が必要な患者の前記代謝障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法であって、以下の化合物:
(1)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(2)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(3)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(4)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(5)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(6)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(7)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(8)4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(9)4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(10)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(11)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(12)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(13)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(14)4-(4-エチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(15)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(16)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(17)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(18)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(19)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(20)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(21)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(22)4-(4-ブロモ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(23)4-(4-エチル-ベンジル)-1-シクロブチル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(24)4-(4-エチル-ベンジル)-1-(2-フルオロ-1-フルオロメチル-エチル)-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(25)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(26)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(27)4-(2,3-ジフルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(28)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(29)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
から成る化合物(1)〜(29)の群より選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、
又は該β-D-グルコピラノシル基の1又は2以上のヒドロキシル基が、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル-(C1-3-アルキル)-カルボニル、フェノキシカルボニル及びフェニル-(C1-3-アルキル)-オキシカルボニルから選択される基でアシル化されている前記誘導体のプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項2】
血糖コントロールの改善及び/又は空腹時血糖、食後血糖及び/又はグリコシル化ヘモグロビンHbA1cの低減が必要な患者の前記改善及び/又は低減方法であって、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項3】
耐糖能障害、インスリン抵抗性及び/又は代謝症候群から2型糖尿病への進行の予防、減速、遅延又は逆転が必要な患者の前記進行の予防、減速、遅延又は逆転方法であって、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項4】
白内障並びに微小血管性及び大血管性疾患、例えば腎症、網膜症、神経障害、組織虚血、動脈硬化症、心筋梗塞、脳卒中及び末梢動脈閉塞性疾患等の糖尿病の合併症から成る群より選択される状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療が必要な患者の前記状態又は障害の予防、進行の減速、遅延又は治療方法であって、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項5】
体重の低減又は体重増加の予防又は減量の促進が必要な患者の体重の低減又は体重増加の予防又は減量の促進方法であって、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項6】
膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療、及び/又は膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復及び/又は膵臓のインスリン分泌の機能性の修復が必要な患者の膵臓β細胞の変性及び/又は膵臓β細胞の機能性の低下の予防、減速、遅延又は治療、及び/又は膵臓β細胞の機能性の改善及び/又は修復及び/又は膵臓のインスリン分泌の機能性の修復方法であって、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項7】
インスリン感受性の維持及び/又は改善、及び/又は高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防が必要な患者のインスリン感受性の維持及び/又は改善、及び/又は高インスリン血症及び/又はインスリン抵抗性の治療又は予防方法であって、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする方法。
【請求項8】
成人患者について1日当たり1mg〜1000mgの量の、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含む医薬組成物を投与することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記患者が、過体重、肥満、内臓肥満及び腹部肥満から成る群より選択される1又は2以上の状態で診断される個体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記患者が、以下の状態の1、2又はそれより多くを示す個体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法:
(a)110mg/dLより高い、特に125mg/dLより高い空腹時血糖又は血清中糖濃度;
(b)140mg/dL以上の食後血漿中糖;
(c)6.5%以上、特に8.0%以上のHbA1c値。
【請求項11】
前記患者が、以下の状態の1、2、3又はそれより多くが存在する個体である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法:
(a)肥満、内臓肥満及び/又は腹部肥満、
(b)トリグルセリド血中レベル≧150mg/dL、
(c)HDL-コレステロール血中レベルが女性患者で40mg/dL未満、男性患者で50mg/dL未満、
(d)収縮期血圧≧130mmHg及び拡張期血圧≧85mmHg、
(e)空腹時血糖レベル≧110mg/dL。
【請求項12】
前記患者が、メトホルミンによる治療が禁忌である個体及び/又は治療用量のメトホルミンに対して不耐性を有する個体である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記患者が、1又は2以上の抗糖尿病薬による治療にもかかわらず、血糖コントロールが不十分な個体である、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記ピラゾール-O-グルコシド誘導体が、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるプロドラッグであって、該β-D-グルコピラノシル基の6位のヒドロキシル基の水素原子が、(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択される基と置き換わっていているプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記ピラゾール-O-グルコシド誘導体のプロドラッグが、請求項20及び21の定義どおりの化合物(30a)〜(45a)、(30b)〜(45b)及び(46)〜(63)の群、又はその医薬的に許容しうる塩、又は下記化合物(64)〜(73):
(64)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(65)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(66)4-(4-ブロモ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(67)4-(4-エチル-ベンジル)-1-シクロブチル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(68)4-(4-エチル-ベンジル)-1-(2-フルオロ-1-フルオロメチル-エチル)-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(69)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(70)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(71)4-(4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(72)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(73)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
の群、又はその医薬的に許容しうる塩から選択される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩の、請求項1〜15のいずれか1項に記載の治療方法のための薬物の製造のための使用。
【請求項17】
治療的又は予防的に有効な量の、請求項1の定義どおりの化合物(1)〜(29)の群から選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はそのプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩を含んでなる請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法で使うための薬物又は医薬組成物。
【請求項18】
以下の化合物:
(1)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(2)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(3)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(4)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(5)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(6)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(7)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(8)4-(3-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(9)4-(2-クロロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(10)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(11)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(12)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(13)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(14)4-(4-エチニル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(15)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(17)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(18)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(19)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
(20)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ-1H-ピラゾール;
から成る群より選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又は該β-D-グルコピラノシル基の1又は2以上のヒドロキシル基が、(C1-18-アルキル)カルボニル、(C1-18-アルキル)オキシカルボニル、フェニルカルボニル、フェニル-(C1-3-アルキル)-カルボニル、フェニルオキシカルボニル及びフェニル-(C1-3-アルキル)-オキシカルボニルから選択される基でアシル化されている前記誘導体のプロドラッグ、又はその医薬的に許容しうる塩。
【請求項19】
β-D-グルコピラノシル基の6位のヒドロキシル基の水素原子が、(C1-3-アルキル)カルボニル、(C1-6-アルキル)オキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル及びベンジルカルボニルの中から選択される基と置き換わっていているプロドラッグであることを特徴とする請求項18に記載のピラゾール-O-グルコシド誘導体。
【請求項20】
以下の化合物:
(30a)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(30b)4-(2,3-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(31a)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(31b)4-(3-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(32a)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(32b)4-(3-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(33a)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(33b)4-(2,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(34a)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(34b)4-(2-フルオロ-4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(35a)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(35b)4-(2-フルオロ-4-エトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(36a)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(36b)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(37a)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(37b)4-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(38a)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(38b)4-(3,5-ジフルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(39a)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(39b)1-シクロブチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(40a)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(40b)1-シクロプロピルメチル-4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-5-メチル-3-(6-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(41a)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(41b)1-シクロブチル-4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(42a)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(42b)4-(4-ブロモ-3-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(43a)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(43b)4-(2,3-ジフルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(44a)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(44b)4-(4-ブロモ-2-フルオロ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(45a)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-メトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(45b)4-(2-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
から成る群より選択される請求項19に記載のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はその医薬的に許容しうる塩。
【請求項21】
以下の化合物:
(46)4-(3-フルオロ-4-メチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(47)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(48)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-イソブチルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(49)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ヘキサ-1-イルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(50)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-フェノキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(51)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ベンジルオキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(52)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-アセチル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(53)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-プロピルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(54)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-イソプロピルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(55)4-(2-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-ベンジルカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(56)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(57)4-(4-ブロモ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(58)4-(4-エチル-ベンジル)-1-シクロブチル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニルβ-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(59)4-(4-エチル-ベンジル)-1-(2-フルオロ-1-フルオロメチル-エチル)-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(60)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-トリフルオロメチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(61)4-(4-イソプロポキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(62)4-(3-フルオロ-4-メトキシ-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
(63)4-(4-エチル-ベンジル)-1-イソプロピル-5-メチル-3-(6-O-エトキシカルボニル-β-D-グルコピラノス-1-イルオキシ)-1H-ピラゾール;
から成る群より選択されるピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はその医薬的に許容しうる塩。
【請求項22】
請求項18、19、20又は21の少なくとも1種のピラゾール-O-グルコシド誘導体、又はその医薬的に許容しうる塩を含んでなる医薬組成物。

【公表番号】特表2009−502875(P2009−502875A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523363(P2008−523363)
【出願日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際出願番号】PCT/EP2006/064715
【国際公開番号】WO2007/014895
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(503385923)ベーリンガー インゲルハイム インターナショナル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (976)
【出願人】(000000066)味の素株式会社 (887)
【Fターム(参考)】