説明

仮想オブジェクト

移動体デバイス(202)上で遊技される電子ゲームにおいて特別なフィーチャを有効にするためのシステム及び方法に関する。移動体デバイス(202)はGPS情報を受信して自身の位置を判定し、位置情報をサーバ(116)へ送信する。サーバ(116)は位置情報を用いて、移動体デバイス(202)上の電子ゲームを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体デバイスのユーザに対するインタラクティブ体験の提供に関する。より詳細には、本発明は、移動体デバイス上での電子ゲームの遊技時に物理的な環境においてユーザのインタラクティブ体験を修正する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信は万人にアクセス可能となっており、無線通信に用いられるデバイスの種類も非常に増大している。今日では、セルラー電話機、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、ページャ、双方向電子メールデバイスなど、様々な無線通信デバイスが存在する。それらのデバイスの多くは音声通信に用いられるのみならず、ユーザに娯楽を提供するためにも用いられる。
【0003】
図1には、従来技術によるセルラー通信ネットワーク100を示す。セルラー通信ネットワーク100は音声通信のみならず、インタラクティブ・ゲームなどのデータ通信もサポートする。通信ネットワーク100は1つ以上の通信塔106を備える。各々の通信塔106は基地局(BS)110に接続されており、通信デバイス102を有するユーザにサービス提供する。通信デバイス106は、無線及びセルラー通信ネットワークを用いる、セルラー電話機、ページャ、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)、ラップトップコンピュータ、又は他のハンドヘルドの固定若しくは可搬の通信デバイスであり得る。各ユーザにより入力されたコマンド及びデータは、ディジタルデータとして通信塔106へ送信される。通信デバイス102を用いるユーザと通信塔106との間の通信は、符号分割多重接続(CDMA)、時分割多重接続(TDMA)、周波数分割多重接続(FDMA)、グローバル・システム・フォー・モバイル・コミュニケーションズ(GSM)、又は無線通信ネットワーク若しくはデータ通信ネットワークにおいて用いられる他のプロトコルなど、種々の技術に基づく。各ユーザからのデータは通信塔106から基地局(BS)110へ送信され、移動交換局(MSC)114へ転送される。移動交換局(MSC)114は、公衆交換電話網(PSTN)118及びインターネット120に接続され得る。移動体識別番号(MIN)又は無線デバイスの電子識別番号(EIN)により、無線加入者を識別可能である。
【0004】
無線通信デバイス102を用いる加入者が利用可能な種々のアプリケーションをサポートするサーバ116に、MSC114が接続される場合がある。サーバ116がインターネット120に接続され、第3者機関により運用される場合もある。サーバ116は、デスクトップコンピュータ122又は移動体デバイス102にてユーザによりアクセスされ得る、多くの種々のゲームをホスト(host)する。
【0005】
遊技者は一般に移動することがないため、一般に、ゲーム、又はゲームにおける遊技者の特性値が遊技者の物理的な位置に応じて変化することはない。慣用的には、遊技者はコンピュータ端末122の場所に存在し、その位置は遊技中に変化しない。遊技者が移動体デバイスを用いてゲームを遊技する場合に遊技者が物理的な位置を変えた時であっても、遊技者の物理的な位置の変化によりゲームが影響を受けることはない。
【0006】
無線デバイスにより提供される多くの電子ゲームは、インタラクティブ・マルチユーザ・ゲーム、即ち異なる幾人かの遊技者により同時に遊戯されるゲームである。インタラクティブ・マルチユーザ・ゲームにおいては、全ての参加者から入力が取得され、各参加者に対し異なる画面更新が送信される。このゲームでは、異なる遊技者に対し異なる特性を割当てることも可能である。例えば、遊技者Aに対し表示される画面は遊技者Bに対する画面表示と異なる場合があり、遊技者Aが遊技者Bと異なる属性を有する場合もある。
【0007】
このゲームの多くは、個々のコンピュータデバイスがインターネットを介してサーバと相互接続されている分散型コンピュータ環境から、直接的に配信される。一般に、このゲームはサーバによりホストされ、参加者へ配信される。ゲーム及び遊技者は一組の所定の規則に従う。ゲーム中の遊技者のフィーチャ又は特性値が遊技者の能力に応じて変化する場合もあるが、一般に遊技者の物理的な環境により影響を受けることはない。
【0008】
無線通信の発達における別の態様により、新たな場所(venue)に広告の掲載が可能となった。ユーザが無線通信デバイス上で電子メール広告を受信することは珍しいことではない。一般には、ユーザはそれらの余計な電子メールを迷惑なものと見なし、読むことなく破棄する。この結果、広告主は顧客を店舗に誘致するという目的を達成することが不可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明では、無線デバイス上でのアプリケーションの実行中にユーザのインタラクティブ体験を改良することにより、ユーザを店舗に誘致する手段を提供する。本発明の方法では、無線デバイスが店舗の所定近傍内に存在する時、無線デバイス上で実行されるアプリケーションにて特別なフィーチャを有効とする。この方法では、アプリケーションをホストし、無線通信ネットワークを介して無線デバイスと相互作用(interact)するサーバを用いる。サーバはアプリケーションを有効とする要求を受信し、有効とする信号を無線デバイスに送信し、無線デバイスからデバイス位置を受信し、1つ以上の所定位置とデバイス位置を比較し、デバイス位置が1つ以上の所定位置の所定範囲内にある場合、フィーチャを有効とする信号を無線デバイスに送信する。
【0010】
また、本発明の方法では、アプリケーションによりユーザと相互作用するための無線通信ネットワークを介してサーバと接続されている無線デバイスを用いる。アプリケーションを実行するため、無線デバイスはアプリケーションに対する有効化要求をサーバに送信し、デバイス識別子をサーバへ送信し、サーバに位置情報を送信し、サーバからアプリケーション情報を受信し、遊技者フィーチャをサーバから受信する。遊技者フィーチャは位置情報に従っており、遊技者フィーチャに従ってユーザ・フィーチャが修正される。
【0011】
また、本発明は、無線デバイスが所定近傍内に存在する時、無線デバイス上のアプリケーションにて特別なフィーチャを有効とするシステムでもある。このシステムには、無線通信ネットワーク及び複数の衛星に接続された無線デバイスが含まれる。無線デバイスは複数の衛星から位置情報を受信し、受信した位置情報に基づき位置情報を計算する。また、無線デバイスは、遠隔サーバからの信号に従い挙動を変化させる電子ゲームを表示することが可能である。サーバは無線通信ネットワークに接続されており、ユーザ情報及び所定位置の一覧を記憶する。サーバはユーザから受信した情報及び所定位置の一覧を用いて、無線デバイス上の電子ゲームを変更する。
【0012】
本発明の他のフィーチャは、以下の図面の簡単な説明、発明の詳細な説明、及び特許請求の範囲を参照することによって明らかとなる。
別個の図面を通じて類似の参照符号が同一又は機能的に類似の要素を指す添付の図面は、以下の詳細な説明と共に明細書に組込まれその一部をなしており、様々な実施形態を例示するとともに、全て本発明による様々な原理及び利点を説明するために働く。
【0013】
必要に従い、本発明の詳細な実施形態を本明細書に開示するが、開示の実施形態は本発明の単なる例示であり、本発明は様々な形態にて実施され得ることが理解される。したがって、本明細書に開示の特定の構造及び機能の詳細は、限定として解釈されるものではなく、単に特許請求の範囲に対する基礎として、並びに実質的に任意の適切な詳細な構造における本発明の様々な実施を当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるものである。さらに、本明細書に用いられる語句は限定を意図するものではなく、本発明の理解可能な説明の提供を意図するものである。
【0014】
本明細書に用いられる「1つの(a or an)」の語は、1つではなく「1つ以上の」を意味する。本明細書に用いられる「複数(plurality)」の語は、2つではなく「2つ以上」を意味する。本明細書に用いられる「別の(another)」の語は「第2の又はそれ以降の」を意味する。本明細書に用いられる「備える(including)/有する(having)」の語は、「含む(comprising)」(即ち、オープンランゲージ)を意味する。本明細書に用いられる「結合した(coupled)」の語は「接続した」を意味しているが、必ずしも直接的又は機械的に接続されることを意味しない。本明細書に用いられる「プログラム」、「ソフトウェア・アプリケーション」などの語は、コンピュータシステムにおける実行用に設計された命令のシーケンスを意味する。プログラム、コンピュータ・プログラム、又はソフトウェア・アプリケーションには、サブルーチン、関数、プロシージャ、オブジェクト・メソッド、オブジェクト実装、実行可能アプリケーション、アプレット、サーブレット、ソースコード、オブジェクトコード、共有ライブラリ、ダイナミック・ロード・ライブラリ、若しくはコンピュータシステムにおける実行用に設計された他の命令のシーケンス、又はそれらのうちの1つ以上が含まれる。
【0015】
本明細書の説明では、「通信デバイス」、「無線デバイス」、「無線電話機」、「無線通信デバイス」、「移動体デバイス」、「移動体端末」、及び「無線ハンドセット」は、交換可能に用いられる。また、本明細書に用いられる「ゲーム(game)」の語は、実行可能及び非実行可能なソフトウェア・ファイル、未処理データ、集合データ、パッチ、及び他の部分コードを包含することが意図される。さらに、幾つかの図を通じて類似の番号は類似の要素を指す。
【0016】
第3世代(3G)無線通信技術の出現により、無線通信においてさらなる帯域幅の利用が可能となり、セルラー電話機、ページャ、パーソナル・ディジタル・アシスタント(PDA)などの無線通信デバイスには、さらなる無線性能が備えられる。音声通信のためのみならず、娯楽のためにも無線デバイスが用いられることが増えている。今日では、ユーザがハンドセット上で電子ゲームを遊技することは一般的である。
【0017】
本発明は、ユーザの物理的な位置によりユーザが遊技しているゲームに影響を与えることによって、ユーザのインタラクティブ体験を改良するための装置及び方法に関する。特定の位置に存在することにより、ゲーム中のユーザの強さ(strength)が有意に増大してもよく、さらなる報酬を提供するようにゲームのシナリオが変化してもよい。本発明では、広告掲載場所をゲーム開発者に提供し、自身の店舗をユーザのゲーム遊技中の体験の一部とすることを所望する商業者から広告収入を得ることによって、ゲーム開発者の収入を増加する方法も開示する。例えば、ゲーム開発者は商業者の店舗の座標をゲームに組み入れるとともに、そのゲームにおいてユーザの物理的な位置の入力を可能とする。ゲームを遊技するユーザが店舗に立ち入る時、ゲームにおいてはユーザに対し、余分な強さの報酬が与えられる。ゲームにおいては、ユーザの移動体デバイスにより受信される衛星測位システム(GPS)情報を介してユーザの物理的な位置が認識される。
【0018】
図2には、本発明をサポートするネットワーク構成200を示す。サーバ116はインターネット120に接続されており、デスクトップコンピュータ122を用いるユーザ及び移動体デバイス202を用いるユーザの両者にサービス提供する。デスクトップコンピュータ122のユーザは、インターネット120を介してサーバ116へ直接アクセスする。移動体デバイス202のユーザは、無線通信ネットワークを介してサーバ116へアクセスする、すなわち、移動体デバイス202は、基地局110に接続された通信塔106からデータを送信及び受信する。基地局110は移動交換局114に接続されており、移動交換局114はインターネット120に接続されている。また、移動体デバイス202は、衛星測位システム(GPS)の複数の衛星204から位置情報を受信する。ユーザがゲームを遊技している時、移動体デバイス202が店舗208内に存在する場合、サーバ116は移動体デバイス202の物理的な位置を店舗208の座標と比較する。移動体デバイス202が店舗208の所定近傍内に存在することをサーバ116が検知する場合、サーバ116は特別なフィーチャを有効とする信号を無線ネットワークを介して移動体デバイス202に送信し、これに従ってユーザのゲームが修正される。
【0019】
ユーザの移動体デバイス202は、GPS衛星から位置情報を受信する性能を有する。図3には、移動体デバイス202の構成300を示す。移動体デバイス202はトランシーバ312を備える。トランシーバ312は、BS106との通信用のアンテナ314に接続されている。また、移動体デバイス202は、GPS情報を受信するため及び現在位置情報を計算するための位置特定装置302も備える。移動体デバイス202は、ユーザとインタフェースするための表示デバイス306、音声デバイス310、及び入力デバイス308を備える。コントローラ304により、移動体デバイス202の動作は一般に制御される。入力デバイスには、キーボードの他、ディスクドライブとインタフェースするためのデバイス・インタフェース、及び地上のネットワークとインタフェースするためのネットワーク・インタフェースが含まれる。
【0020】
図4は移動体デバイスのフローチャート400である。移動体デバイス202を稼働させた後、工程402にてユーザは、移動体デバイス202上において新たなゲームを開始するか、又は中断したゲームを再開するかの選択肢を有する。移動体デバイスは、工程404にて新たなゲームの選択をサーバ116に送信するか、工程420にてゲーム再開の要求をサーバ116に送信する。工程406にて、移動体デバイス202はサーバ116からゲーム情報及びユーザ情報を受信する。ゲーム情報は移動体デバイス202上で実行されるゲーム・アプレットであってよく、ユーザ情報は、ゲームが累積型のゲームであって中断されていた場合には、ユーザの最後のゲームからの情報であってよい。一部のゲームにおいては、ユーザは任意の時点にてゲームを中断してよく、情報は後の読出のためにサーバ116上に保存される。
【0021】
移動体デバイス202は工程108にてゲームを表示し、工程410にてGPS衛星の信号から位置情報を取得する。移動体デバイス202は、工程412にてゲームに対するユーザ入力を受信し、工程414にて、そのユーザ入力がゲームに対するコマンドか、又はゲーム終了の入力かを確認する。ユーザ入力がゲーム終了である場合、工程418にて移動体デバイス202がユーザ入力をサーバ116に送信し、ゲームは終了する。ユーザ入力がゲームに対するコマンドである場合、工程416にて移動体デバイス202はユーザ入力及び位置情報をサーバに送信し、移動体デバイス202は工程406〜416を繰返す。
【0022】
図5はサーバ116のフローチャート500である。サーバ116はゲーム情報及びユーザ情報を記憶するとともに、移動体デバイス202とインタフェースする。ユーザは、サーバによって提供されるメニューから新たなゲームを選択すること、又は中断したゲームを再開することが可能である。サーバは、工程502にてユーザからゲーム要求を受信した後、工程504にて、そのゲーム要求が新たなゲームを開始するものか、又は中断したゲームを再開するものかを照会する。ユーザが中断したゲームの再開を所望する場合、工程508にて、サーバ116は中断したゲームのゲーム情報及び関連する遊技者情報を読み出し、工程510にてゲーム中断時点におけるゲーム情報及び遊技者情報を移動体デバイス202へ送信する。ユーザが新たなゲームの開始を選択した場合、工程506にてサーバ116がゲーム情報をユーザに送信する。ゲーム情報及びユーザ情報を移動体デバイス202に送信した後、サーバ116はユーザのゲームを監視する。サーバは工程512にて移動体デバイス202からユーザ入力及び位置情報を受信し、工程514にてユーザがゲームを終了させるか否かを照会する。ユーザがゲームを終了させることを選択した場合、ゲーム情報を保存するという選択肢がユーザに提供されてもよく、サーバ116は工程526にて、後の読出のためにゲーム情報及びユーザ情報を保存する。
【0023】
ユーザ入力がゲーム終了コマンドでない場合、サーバ116は工程516にて、ユーザが所定位置内に存在するか否かを認識するためにユーザ位置情報を照会する。1つのゲームにおいて多くの所定位置が存在してもよく、各所定位置が各ゲームにおける特性値を異なって変化させてもよい。ユーザ及びそのユーザの移動体デバイス202が所定位置の近傍内に存在する場合、工程518にてサーバ116はその位置に対する位置レコードを読み出す。位置レコードには、ユーザがその特定位置に存在する時に工程520にてユーザに割当てられ得るフィーチャ及び特性が格納されている。位置フィーチャには、その位置に特有の特別な特性値をユーザに対し割当てることが含まれてよく、この位置フィーチャによりユーザ特性は変化される。ユーザ特性を変化させた後、サーバ116は工程522にて新たなユーザ特性をユーザに送信するとともに、更新したゲーム情報を工程524にてユーザに送信する。続いて、サーバ116は工程512〜524を繰り返す。
【0024】
以下は本発明における使用のシナリオである。新たなゲームを開発する時、開発者は、顧客を店舗に誘致することを所望する商業者に対しゲーム内の広告掲載枠を販売し得る。商業者は、その商業者の店舗をゲームの一部として含めるため、開発者に支払いを行う。ゲーム開発者は、この店舗の地理的座標をゲームに組み入れる。好適には、地理的座標はGPSシステムにおいて用いられるのと同じ形式であり、位置データベースに保存される。店舗がゲームに組み込まれた後、その店舗はゲームの特性値又はユーザの特性値に影響を与える。例えば、竜退治(dragon slaying)ゲームにおいては、ゲームの遊技時にユーザが単にその店舗内に物理的に存在することによって、ゲーム中のそのユーザのキャラクターの身体の強さが増大する。別の例では、同じ竜退治ゲームにおいて、ユーザが店舗内に進入する時、より優れた剣がユーザのキャラクターに利用可能となる。これらの特別なゲーム・フィーチャをこの店舗が広告してもよく、それによってこの店舗により多くの人が誘致される。
【0025】
ゲームが開発されサーバ上に配置された後、ユーザは遊技するゲームを選択してもよい。サーバはゲームの遊技のために加入することをユーザに要求してもよい。利用可能なゲームのメニューをサーバが移動体デバイスに提供し、ユーザが遊技するゲームを選択することが可能である。ゲームの選択後、その選択及びユーザ情報はサーバに送信され、サーバは移動体デバイスにゲームを送信する前に、加入者データベースに対しユーザ情報を認証確認(validate)してよい。加入者データベースには、ユーザ識別情報及びパスワードが含まれてもよい。また、ユーザ識別情報は、無線デバイスの電子識別番号(EIN)又は移動体識別番号(MIN)であってよい。
【0026】
ユーザが加入者であることを確認した後、サーバは移動体デバイスにゲームを送信し、監視モードに入る。監視モードにおいて、サーバはユーザ入力を受信し、更新されたゲーム情報を生成するとともに、更新されたゲーム情報を移動体デバイスに送信する。
【0027】
移動体デバイスはゲームを受信し、そのゲームを表示画面上に表示する。また、移動体デバイスはGPSシステムからの信号も受信し、その移動体デバイス自身の位置情報を計算する。ユーザがゲームを終了させるまで、移動体デバイスは常時、サーバにユーザ入力及び位置情報を送信し、サーバからゲーム情報を受信する。
【0028】
ゲームの遊技時、ユーザは、例えば、特別なフィーチャをゲームに提供するスポーツ用具店に着目し、そのスポーツ用具店に立ち入る。スポーツ用具店への立ち入り後、移動体デバイスは新たな位置情報をサーバに送信する。サーバは新たな位置情報を受信すると、その位置情報を位置データベースに対し照会する。移動体デバイスが所定位置、すなわちスポーツ用具店内に存在することをサーバが検知する時、サーバはそのスポーツ用具店に対する位置レコードを読み出し、そのスポーツ用具店に対する一覧に示される特別なフィーチャを移動体デバイス上で有効とする。ゲームの遊技時、ユーザがそのスポーツ用具店を立ち去る場合、移動体デバイスは新たな位置情報をサーバに送信し、サーバは、以前に移動体デバイスに対し有効とした特別なフィーチャを取除く。
【0029】
ユーザがゲームを中断する場合、ゲーム終了の信号がサーバに送信され、サーバは現在のユーザ情報及びゲーム情報を記憶する。ユーザがゲームを再開する時、ゲーム再開の要求がサーバに送信される。ゲーム再開の要求を受信した後、サーバはユーザ情報及びゲーム情報を読み出し、それらの情報をユーザの現在の位置情報に従って更新するとともに、ユーザ情報及びゲーム情報を移動体デバイスへ送信する。
【0030】
代替の一実施形態では、無線デバイスにダウンロードされるゲームに所定位置情報が埋め込まれてもよい。GPS衛星から信号を受信した後、無線デバイスは、その無線デバイス自身の位置を計算するとともに、その位置をゲームに埋め込まれた所定位置と比較する。その位置が所定位置のうちの1つと一致する場合、ゲームにおいて、その位置に対応する特別なフィーチャが有効となり、有効となった特別なフィーチャの情報がサーバへ送信される。サーバは有効となった特別なフィーチャの情報を受信するとともに、ゲーム中の他の遊技者に対し更新を送信する。
【0031】
さらに別の代替の実施形態では、本発明はユーザのインタラクティブ体験が改良される自己完結型の装置であり、ユーザは図6に示すような特定のアプリケーションを用いる。このアプリケーションにより提供されるユーザ・インタフェースは、ユーザの物理的な位置に従って変化する。移動体デバイスにダウンロードされるアプリケーションには、所定位置情報の一覧が埋め込まれている。工程602にてユーザがアプリケーションを開始させると、工程604にて、通信ネットワークのGPS衛星又は通信塔など、外部の発信源から、この装置が位置情報を受信する。GPS衛星から信号を受信した後、移動体デバイスは工程606にてその移動体デバイスの現在位置を計算し、工程608にてその現在位置をアプリケーションに埋め込まれた所定位置と比較する。その現在位置が所定位置のうちの1つと一致する場合、工程610にてアプリケーションはアプリケーションを修正するか、又はその位置に対応する特別なフィーチを有効とする。工程612にて、ユーザがアプリケーションを終了させていない間、装置は工程604〜610を繰り返す。例えば、このユーザのインタフェースの体験が改良された博物館をユーザが訪問する場合、ユーザは未知の専門用語を幾つか認める。ユーザは、このユーザの移動体デバイス用の辞書アプリケーションを、アプリケーション・サーバに要求することが可能である。
【0032】
この辞書アプリケーションの要求時、移動体デバイスはユーザの位置情報をサーバに提供する。サーバは要求及び位置情報を受信し、位置情報をこの博物館に一致させ、この博物館により提供される特別なフィーチャを備える辞書アプリケーションを読み出すとともに、この特別なフィーチャを備える辞書アプリケーションを移動体デバイスに送信する。
【0033】
特別なフィーチャを備える辞書アプリケーションを受信した後、標準的な辞書には掲載されない専門的な略語を含む特別な用語を、ユーザが検索することが可能である。
さらに別の代替の実施形態では、本発明は、無線以外の手段を介してアプリケーション・サーバからアプリケーションを受信する自己完結型の装置である。アプリケーションはデータ・インタフェース又はネットワーク・インタフェースを介してロードされ、ユーザがそのアプリケーションを用いる間、ユーザのインタラクティブ体験が改良される。アプリケーションは、装置の物理的な位置との比較に用いられる所定位置の一覧を備える。この実施形態では、装置は如何なる無線ネットワークともインタフェースしない。この実施形態の一例は、パーソナル・ナビゲーション装置上で実行されるパーソナル・ナビゲーション・アプリケーションを含むコンパクトディスクである。パーソナル・ナビゲーション・アプリケーションは、第3者機関の販売者により提供されるコンパクトディスクから地図情報を受信する。この地図情報には所定位置の一覧が含まれる。地図情報を含むコンパクトディスクはパーソナル・ナビゲーション装置に接続されたディスクドライブに装入され、地図情報がパーソナル・ナビゲーション装置に転送される。また、パーソナル・ナビゲーション装置はGPS衛星又は他の測位システムからの無線信号も受信する。このナビゲーション装置を用いる間、ユーザが電子店舗に接近する場合、ナビゲーション・デバイスの表示画面上に電子店舗からの特別なクーポンが出現し、ユーザが立ち寄るように招待する。
【0034】
本発明はGPS衛星からの信号の受信に関して記載されているが、他の適切なナビゲーション及び測位システムから発信される無線信号も用いられてよい。測位システムの一例は、無線ネットワークに基づく測位システムである強化観測時間差法(Enhanced Observed Time Difference;E−OTD)である。E−OTD式のデバイスは隣接する通信塔から信号を受信し、それらの信号の到達時間を記録して、三角法を用いてそのデバイスの位置を計算する。
【0035】
さらに、移動体デバイス上でのゲームの遊技に関して本発明を広範に記載したが、本発明は移動体デバイス上で実行される他のアプリケーションに対しても同様に適用可能である。
【0036】
サーバ又は移動体デバイス上で実行可能な方法に鑑み、本発明には、サーバに又は他のコンピュータ・プラットホームを備えるコンピュータ・デバイスに本発明の方法の工程を実行させる、コンピュータ可読媒体に常駐するプログラムが含まれる。コンピュータ可読媒体はサーバのメモリであることも可能であり、接続データベースに存在することも可能である。さらに、コンピュータ可読媒体は、磁気ディスク若しくはテープ、光学ディスク、ハードディスク、フラッシュメモリ、又は当業者に公知の他の記憶媒体など、無線通信デバイスのコンピュータ・プラットフォーム上にロード可能な二次記憶媒体に存在することも可能である。
【0037】
本発明における方法は、例えば、無線通信デバイス又はサーバなど無線ネットワークの一部を、一連の機械可読命令を実行するように動作させることによって実施されてよい。この命令は、様々な種類の信号搬送若しくはデータ記憶を担う一次媒体、二次媒体、又は三次媒体に常駐させることが可能である。この媒体には、例えば、無線ネットワークの構成要素によりアクセス可能である、又は無線ネットワークの構成要素内に常駐されるRAM(図示せず)が含まれてよい。RAM、ディスケット、又は他の二次記憶媒体に格納されるか否かによらず、この命令は、DASD記憶装置(例えば、従来の「ハードドライブ(hard drive)」又はRAIDアレイ)、磁気テープ、電子リード・オンリ・メモリ(例えば、ROM、EPROM、又はEEPROM)、フラッシュメモリ・カード、光学記憶デバイス(例えば、CD−ROM、WORM、DVD、ディジタル光学テープ)、紙の「穿孔(punch)」カード、又は他のディジタル及びアナログ伝送データを含む適切なデータ記憶媒体などの様々な機械可読データ記憶媒体上に記憶されてよい。
【0038】
本発明の好適な実施形態に関連して本発明を詳細に図示し説明したが、以下の特許請求の範囲に述べた本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態及び詳細において種々の変更がなされ得ることが、当業者には理解される。さらに、本発明の要素が単数で記載されている場合にも、単数への限定が明示的に述べられていない限り、複数が企図されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】従来技術の通信ネットワークの図。
【図2】ネットワークの図。
【図3】移動体デバイスの構成の図。
【図4】移動体デバイスのフローチャート。
【図5】サーバのフローチャート。
【図6】通信ネットワークとインタフェースしない移動体デバイスのフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信ネットワークに接続された移動体デバイスをユーザが所定位置内で用いる時、移動体デバイス上で実行されるアプリケーションにてアプリケーション・サーバが特別なフィーチャを有効とする方法において、
アプリケーションを有効とする要求を移動体デバイスから受信するアプリケーション有効化要求受信工程と、
アプリケーションを有効とする要求に応答して、アプリケーションを有効とする信号を移動体デバイスに送信するアプリケーション有効化信号送信工程と、
アプリケーションを有効とする信号はアプリケーションが移動体デバイス上で実行されることを有効とし得ることと、
移動体デバイスからデバイス位置を受信するデバイス位置受信工程と、
デバイス位置を受信した後、アプリケーション・サーバに記憶された1つ以上の所定位置とデバイス位置を比較する位置比較工程と、
デバイス位置が同1つ以上の所定位置の所定範囲内にある場合、フィーチャを有効とする信号を移動体デバイスに送信するフィーチャ有効化信号送信工程と、
フィーチャを有効とする信号はアプリケーションの実行に関連してフィーチャを有効とし得ることとからなる方法。
【請求項2】
1つ以上の所定位置に対応する位置レコードを読み出す位置レコード読出工程と、
位置レコードは移動体デバイスに対し割当可能なフィーチャの一覧を示すこととを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ユーザが加入者か否かを確認するために移動体デバイスからユーザ情報を受信するユーザ情報受信工程を含む請求項1に記載の方法。
【請求項4】
移動体デバイスからユーザ情報及びアプリケーション情報を受信するユーザ情報及びアプリケーション情報受信工程と、
ユーザ情報及びアプリケーション情報を記憶する情報記憶工程と、
ユーザ情報及びアプリケーション情報は中断したアプリケーションを再開するために用いられることとを含む請求項1に記載の方法。
【請求項5】
無線通信ネットワークを介してアプリケーション・サーバに接続された移動体デバイスが所定位置内に存在する時、移動体デバイス上で実行されるアプリケーションにて特別なフィーチャを有効とする方法において、
アプリケーションに対する有効化要求をアプリケーション・サーバに送信する有効化要求送信工程と、
有効化要求を送信した後、アプリケーション・サーバに位置情報を送信する位置情報送信工程と、
有効化要求に応答して、アプリケーション・サーバからアプリケーション情報を受信するアプリケーション情報受信工程と、
受信したアプリケーション情報に従ってアプリケーションを実行するアプリケーション実行工程と、
有効化要求に応答して、位置情報に応じた遊技者フィーチャをアプリケーション・サーバから受信する遊技者フィーチャ受信工程と、
受信した遊技者フィーチャに従って、アプリケーションにおけるユーザ・フィーチャを修正するユーザ・フィーチャ修正工程とからなる方法。
【請求項6】
ユーザに識別情報の入力を指示する入力指示工程と、
入力指示工程に応答して、識別情報を受信する識別情報受信工程と、
ユーザを加入者として識別するために識別情報をアプリケーション・サーバへ送信する識別情報送信工程とを含む請求項5に記載の方法。
【請求項7】
無線通信ネットワークを介してアプリケーション・サーバに接続された移動体デバイスが所定近傍内に存在する時、移動体デバイス上で実行されるアプリケーションにて特別なフィーチャを有効とするシステムにおいて、
位置情報の計算及びアプリケーションの実行が可能であり、且つ移動体通信ネットワークに接続された移動体デバイスと、
ユーザ情報及び1つ以上の所定位置情報を有し、且つ無線通信ネットワークに接続されたアプリケーション・サーバと、
アプリケーション・サーバは位置情報を受信し、同位置情報を用いて移動体デバイス上のアプリケーションを変更することとからなるシステム。
【請求項8】
アプリケーション・ソフトウェアの実行中にユーザのインタラクティブ体験を改良するための装置において、
無線ネットワークと通信するため及び無線ネットワークからアプリケーションを受信するためのアンテナに接続されたトランシーバ・デバイスと、
複数の無線信号発信機から位置情報を受信するための位置特定装置と、
位置特定装置は受信した位置情報に基づく装置の現在位置の計算が可能であることと、
装置上でのアプリケーションの実行を制御するためのコントローラと、
装置の現在位置は装置上でのアプリケーションの実行に影響を与えることとからなる装置。
【請求項9】
アプリケーション・ソフトウェアの実行中にユーザのインタラクティブ体験を改良するための装置において、
複数の無線信号発信機から位置情報を受信するための位置特定装置と、
位置特定装置は受信した位置情報に基づく装置の現在位置の計算が可能であることと、
外部の発信源からアプリケーションを受信するためのデータ・インタフェースと、
装置上でのデータ・インタフェースから受信したアプリケーションの実行を制御するためのコントローラと、
装置の現在位置は装置上でのアプリケーションの実行に影響を与えることとからなる装置。
【請求項10】
移動体デバイスが所定位置内に存在する時、移動体デバイス上で実行されるアプリケーションにて特別なフィーチャを有効とする方法において、
所定位置の一覧を含むアプリケーションを実行するアプリケーション実行工程と、
外部の発信源から受信した位置情報に基づき現在位置を計算する現在位置計算工程と、
現在位置を所定位置の一覧と比較する位置比較工程と、
現在位置が所定位置の一覧に示される位置と一致した場合、アプリケーションにおけるユーザ・フィーチャを修正するユーザ・フィーチャ修正工程とからなる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2007−525734(P2007−525734A)
【公表日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514988(P2006−514988)
【出願日】平成16年5月27日(2004.5.27)
【国際出願番号】PCT/US2004/016681
【国際公開番号】WO2004/109321
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(390009597)モトローラ・インコーポレイテッド (649)
【氏名又は名称原語表記】MOTOROLA INCORPORATED
【Fターム(参考)】