説明

仮想世界のダイナミックカスタマイゼーション

【課題】仮想世界に没入できる特質と、仮想世界がユーザーの特定の関心に基づきカスタマイズされた経験を提供することを可能とする音声コミュニケーションとを、結合すること。
【解決手段】ダイナミックに仮想世界をカスタマイズする方法及び装置である。第1のユーザー及び第2のユーザがその仮想世界の中の位置に関連付けて会話に引き込まれる。スピーチプロセッサがその会話をモニターし、キーサウンドに合致するサウンドを検出する。それにより、その仮想世界は、そのキーサウンドに基づく仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更させられる。その仮想世界カスタマイゼーションは、サウンドを生成する会話の中のユーザーに関連付けられたユーザー情報にもまた、基づいている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想世界に関し、特に、仮想世界の中の位置に関連して発生する会話に基づいて、仮想世界をダイナミックにカスタマイズすることに関する。
【背景技術】
【0002】
仮想世界は、コンピュータがシミュレートする環境であって、人間はその中では一般的にはアバターと呼ばれるコンピュータによって表現された存在を介して参加する。仮想世界は、長い間、娯楽と関連してきた。そして例えば「ワールド オブ ウォークラフト(World of Warcraft)」や「セカンドライフ」のような、いくつかの複数プレーヤーのオンラインシミュレーションの成功が、仮想世界の人気を証明している。仮想世界の、没入できる(immersive)特質が、しばしば、その人気の元であるとされている。商業的組織は、既存のまたは潜在的な顧客へ商品やサービスを売り込むために仮想世界を使用することについて調査を開始している。しかし、現在のところ、商業的な状況では、仮想世界は、一般的には、その会社の製品やサービスを話し合おうとして会社のセールスマンに接触してくる潜在的顧客を誘引するためのメカニズムとして、あるいは、仮想世界のユーザーへの露出を通してブランドを強化する手段、本質的には広告看板として、使用されている。
【0003】
仮想世界は、そのユーザーの間の音声コミュニケーション能力を、ますます準備しつつある。マイクロホンを組み込んだヘッドホンとスピーカーは、今日ではコンピュータのユーザーにはごく普通のものであり、仮想世界は、それに参加するユーザー間でお互いに会話をできるように、音声コミュニケーションを使用している。ある仮想世界では、初歩的な音声認識インターフェースを提供し、それによって、仮想世界のユーザーが、予め定義した一組のコマンドを使用して、仮想世界の中を動き回ることができるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許出願11/608,475号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、仮想世界は、現在のところ、自然で、かつユーザーの経験をマーケティングの観点から高めていくような方法で、仮想世界で起きる動きを、音声と結びつける能力に欠けている。
【0006】
それゆえ、仮想世界の、没入できる特質と、仮想世界がユーザーの特定の関心に基づきカスタマイズされた経験を提供することを可能とする音声コミュニケーションとを、結合するという必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、仮想世界と関連付けられた会話に基づき、カスタマイズされる仮想世界に関連する。仮想世界の第1のユーザーと第2のユーザーが会話に引き込まれる。会話はモニターされ、キーサウンドに合致するサウンドが検出される。仮想世界の一部が、キーサウンドに基づいて、仮想世界カスタマイゼーション(customization)を含むように変更させられる。
【0008】
その会話はユーザーとエージェントとの音声信号を含むメディアストリーム(media stream)を解析することでモニターされる。メディアストリームは第1の及び第2の両方の音声信号を運ぶ単一のメディアストリームか、または、1つのメディアストリームが第1のユーザーの音声信号を含み、他のメディアストリームが第2のユーザーの音声信号を含むような、複数のメディアストリームであってもよい。メディアストリームは、スピーチ解析アルゴリズムのような、リアルタイムまたはほぼリアルタイムでの会話解析ができる、音声認識ソフトウエアで解析される。
【0009】
第2のユーザーは企業に関連付けられたエージェントで、仮想世界の中でエージェントアバターによって代理されている。別の実施の形態では、エージェントはコンピュータ制御される。エージェントは仮想世界に描かれる企業に関連付けられた人間であってもよい。エージェントは、顧客コンタクトセンタからのその企業に関連付けられた呼出を処理する多数のエージェントの一人であってもよい。コンピュータ制御のエージェントは、ユーザーによって話される単語に対応してコミュニケートするようにプログラムされている。ユーザーは仮想世界の中でアバターによって代理されており、コミュニケーション能力があり、仮想世界の中の位置に関してのエージェントとの会話にユーザーを引き込むことを可能にするユーザーデバイスで、仮想世界とインタラクトする。
【0010】
キーサウンドは、企業によって販売の役に立つ製品に関連した単語やフレーズ、更に、例えば、ユーザーの感情の状態、ユーザーに関連する方言やアクセントなどを含む会話の参加者に関する情報を提供するサウンドの全てまたは一部を含む。
【0011】
参加者によって生成される、キーサウンドに合致するサウンドを検出することに関連してなされる仮想世界カスタマイゼーションは、
−ビデオまたはグラフィックのイメージを仮想世界に展示すること、
−オーディオストリームまたはその他の録音を仮想世界で演奏すること、
−仮想対象物の現存の展示を、仮想世界の中で第1の配置(configuration)から第2の配置へ再配置すること、
−追加の仮想対象物を含ませたり、または、仮想世界の既存の仮想対象物を除去すること、−仮想世界にこれまでは展示されたことのない仮想世界環境を導入すること
または、それらの組合せを含むがそれに限定されない。仮想世界に含まれる特定の仮想世界カスタマイゼーションは、検出される特定のキーサウンドに基づく。本発明の1つの実施の形態によれば、仮想世界カスタマイゼーションは、参加者に関連したユーザー情報にも基づいている。例えば、もし、ユーザーが「帽子」に興味があると伝えた場合、本発明は、ユーザープロファイル情報から、ユーザーは男性でネバダ州レノに居住し、初めは、仮想世界の中でユーザーに見えるように男性のカウボーイハットの展示を含む仮想世界カスタマイゼーションを提示すると決定する。
【0012】
本発明の別の実施の形態によれば、仮想世界カスタマイゼーションは、キーサウンドの検出の前には仮想世界の展示に欠けていた仮想世界の環境を含むように、仮想世界を変更することを含んでいる。そして、そこで、仮想世界の環境は、製品の購入者によってその製品の従来の使用状況を示すような環境の中での、キーサウンドに関連付けられた製品の展示を含んでいる。例えば、ユーザーがコートに興味を示し、エージェントが「パーカ」は適当かどうかと尋ねたとする。キーワードである「パーカ」を検出すると、ユーザーに見える仮想の環境は、パーカを着たアバターが歩いている、雪に覆われた街路を表すように、ダイナミックに変化する。各々のパーカは、ユーザーが、特定のパーカに興味を表明できるように、印が付けられている。代わりに、ユーザーは、仮想世界に存在し、そのようなドア通路を通過する際にユーザーに見ることができるように、モデルがパーカを着ているような冬のセッティングに向かって開いている、ドアを通って歩行するよう指示されることもできる。
【0013】
この後にある、付属する図面と関連付けられた、好ましい実施の形態の詳細な記述を読めば、この技術分野の当業者は、本発明のスコープを正しく理解し、それへの追加の態様を理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
本明細書に組み入れられ、本明細書の一部をなす、付属する図面は、本発明のいくつかの態様を示しており、明細書の記述とともに本発明の原理を説明することに役に立つ。
【0015】
【図1】本発明の1つの実施の形態におけるシステムのブロック図である。
【図2】図1に示すスピーチプロセッサのより詳細なブロック図である。
【図3】本発明の1つの実施の形態において、仮想世界を、仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するプロセスを示すフローチャートである。
【図4】本発明の別の実施の形態において、仮想世界を、仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するプロセスを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に示す実施の形態は、この技術分野の当業者が本発明の実施を可能とするための必要な情報を表し、また、本発明の実施の最良の方法を例示する。図面を考慮して後述の説明を読めば、この技術分野の当業者は本発明の概念を理解し、また、この中で特別に記述されていないような、これらの概念の応用についても認識するであろう。これらの概念及び応用は明細書及び関連する請求の範囲のスコープに含まれることを理解すべきである。
【0017】
本発明は、仮想世界の位置に関連して発生する会話に基づいて、仮想世界をダイナミックにカスタマイズすることに関する。本発明は、会話の参加者のいずれかによって発せられるサウンド(sound)に対応して仮想世界を変化させることを可能にする。例示のため、本発明は、仮想世界の既存の、または、潜在的な顧客に対してマーケッティング、販売、サービスを提供する、商業的な組織または企業を背景状況として説明される。しかし、本発明はこのような商業的背景状況に限定されるものではなく、仮想世界におけるユーザーまたは参加者の間の会話に基づいて仮想世界をダイナミックに変化させることが有効であるどんな背景状況にも応用することができる。
【0018】
図1に、本発明の1つの実施の形態によるシステムのブロックダイアグラムを示す。仮想世界エンジン12とスピーチプロセッサ14を含むサーバ10が、仮想世界を提供する。そのサーバ10は、通信インターフェース19を介して、インターネット18のようなネットワークとインタラクトでき、かつ、仮想世界16を準備して、ここに記述されている機能を果たすのに十分なインストラクションを実行しうる、適切な処理デバイスを有している。サーバ10は、従来のまたは専用のどんなオペレーティングシステムでも実行することができ、仮想世界エンジン12及びスピーチプロセッサ14は従来のまたは専用のどんなソフトウェア言語でもコードされることができる。ユーザー20A、20Bは、それぞれユーザーデバイス24A、24Bを使用して仮想世界16に参加する。なお、本明細書を通して、例えば、ユーザー20A、20Bのように、図が同じ要素の複数の例を示すような場合には、各々の要素は、議論が特定の要素に関係しないときは、要素の特別な例に関連せずに、共通に呼ばれる。例えば、議論が特別なユーザー20に関連しない場合には、ユーザー20A、20Bはユーザー20として共通に呼ばれ、また、議論が特別なユーザーデバイス24に関連しない場合には、ユーザーデバイス24A、24Bは、ユーザーデバイス24として共通に呼ばれる。ユーザーデバイス24はインターネット18のようなネットワークとインタラクトすることが可能で、かつ、サーバ10とインタラクトするのに適したクライアントモジュール26を実行することが可能な適切な処理デバイスを含んでいる。クライアントモジュール26は、また、各々のユーザー20に対し、ディスプレイ装置(図示せず)の上に表示するための仮想世界16を提供する。ユーザーデバイス24は、例えば、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA(Personal digital assistants)、固定またはモバイルゲームコンソールなどを含む。ユーザーデバイス24は、有線、無線技術を含む、所望の通信技術、及びTCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)またはSPX/IPX(Sequenced Packet Exchange/Internetwork Packet Exchange)のような所望の通信プロトコルを使用してインターネット18に接続される。本発明では、サーバ10とユーザーデバイス24との間の通信を可能とするために、インターネット18のような公衆ネットワークを使用するとして説明しているが、このような通信を可能とする、プライべートなまたは公衆の、従来のまたは専用の、どんなネットワークも本発明において使用することができる。
【0019】
ユーザー20は、一般的には、アバター(avatar)として知られたコンピュータによって演じられる存在の使用を通して、仮想世界16の中で代理されている。アバターは、本質的には、仮想世界16の中での各々のユーザー20の代理であり、各々のユーザー20の仮想世界16に関する位置を示している。アバター28A、28Bは、それぞれ、仮想世界16の中で、ユーザー20A、20Bを代理する。クライアントモジュール26は、ユーザー20から、一般的にはマウス、トグルスイッチ、キーボードなどの入力デバイスを介して、各々のアバター28を仮想世界16の中で移動させる指令を受け取る。アバター28を移動させる特定のリクエストに対応して、各々のクライアントモジュール26は、アバター28の動きを、仮想世界16の背景状況の中の各々のユーザー20に示すために、仮想世界16を変更し、かつ、仮想世界エンジン12に動きのデータを提供する。仮想世界エンジン12はクライアントモジュール26から情報を収集し、クライアントモジュール26に、各々のクライアントモジュール26によってコントロールされている各々のアバター28の関心のあるエリアの中で発生しているイベントについて情報提供する。この技術分野の当業者には理解できるであろうが、このような情報は、一般的には、クライアントモジュール26と仮想世界エンジン12の間でメッセージの形で伝達される。例えば、もしユーザー20Aがアバター28Aを仮想世界16のある部屋の片側から別の側へ移動させたとすると、クライアントモジュール26Aはこの動きの情報を仮想世界エンジン12へと提供し、順に、仮想世界エンジン12が、この動きの情報をクライアントモジュール26Bへと提供し、そして、クライアントモジュール26Bが、アバター28Aの動きをユーザー20Bに示すように仮想世界16を変更する。
【0020】
仮想世界16は、例えば「ワールドオブウォークラフト」のような競争的なまたは協同的なゲームの背景状況での、例えば「セカンドライフ」のようなソーシャルインタラクトを目的とする、多数のユーザーへのアクセスを提供し、または、特定の商業的企業のためのサービスの提供のような、より限定的な目的のためのアクセスを提供する、1つの仮想世界である。仮想世界16に参加するためには、例えば、クライアントモジュール26及び仮想世界16に関係するグラフィカルなコンテンツをユーザーデバイス24にダウンロードするような、ユーザーデバイス24に一定のコンテンツを事前にロードすることを含むインストレーションプロセスを実行することが必要である。代わりに、クライアントモジュール26をダウンロードするためのプロセスは、例えば、クライアントモジュール26が特定のウエブサイトに接続することにより自動的にダウンロードされ、かつ、クライアントモジュール26がユーザー20によって使用されるブラウザの中で、インターネット18のウエブサイトとインタラクトするために動作するというように、ダイナミックで、かつユーザー20にとって実際的に透過的(transparent)であってもよい。
【0021】
仮想世界エンジン12は仮想世界16の中でのユーザー間のスピーチのコミュニケーションを可能とする。それ自体で、ユーザーデバイス24はスピーチを可能とする技術を含んでいることが望ましい。一般的にはユーザー20は、統合されたマイクロホンを内蔵し、有線又は無線でユーザーデバイス24と接続される、(図示しない)ヘッドセットを使用する。例えば、ユーザー20Aはマイクロホンに向かって話す。そのことがユーザーデバイス24Aに、ユーザー20Aの音声信号のメディアストリームを発生させ、そのメディアストリームは、クライアントモジュール26Aによって仮想世界エンジン12へ提供される。仮想世界エンジン12は、アバター28Bがアバター28Aの関心があり、かつ、聞こえうるエリア内であると判断したときに、ユーザーデバイス24Bによるユーザー20Bへの音声再生のために、クライアントモジュール26Bにそのメディアストリームを提供する。もしユーザー20Bがユーザー20Aに応答しようと決めた場合には、ユーザーデバイス24Bから仮想世界エンジン12へ、更にユーザーデバイス24Aへという、逆の経路をたどる類似のプロセスが行われる。このようにして、ユーザー20Aはユーザー20Bとの会話に引き込まれる。
【0022】
ユーザー20A、20Bは、仮想世界16のどのようなタイプの参加者であってもよい。それには、仮想世界16を協同して探査する友人同士のような知り合い、または、仮想世界16で偶然出くわした見知らぬ人同士を含んでいる。本発明の1つの実施の形態によれば、ユーザー20Bのようなユーザーは、仮想世界16の中で描かれたり、別に表現されたりしている、商業的企業や組織の代表者や代理人である。例えばアバター28Bは仮想世界16の中で描写されている洋品店30の中にいる。アバター28Aを洋品店30の内部か周辺で見つけると、ユーザー20Bはユーザー20Aと会話を開始する。仮想世界エンジン12は、アバター28Aと28Bの間の仮想世界の近接度に基づき、自動的にコミュニケーションを可能とするか、あるいは、そのような会話を可能にする前に、最初に、ダイアログボックスなどの使用によってユーザー20Aと20Bとの間で明示の要求と承認を要請する。仮想世界エンジン12は、そのようなコミュニケーションが可能となると、更に、スピーチプロセッサ14へと、ユーザー20A及び20Bによって生成された音声信号を提供する。スピーチプロセッサ14は、スピーチ信号の中のサウンドを検出することができる、適切なスピーチ認識プロセッサであればよい。ここで用いられる、サウンド及びキーサウンド(キーとなるサウンド)(key sound)は、単語、音節、予め決められているお互いの近接度の中で発生する単語の組合せ、話し方、名前、ニックネーム、独特の発声、アクセント、方言などを含むがこれに限定されない。本発明の1つの実施の形態によれば、スピーチプロセッサ14は、音声学に基づくスピーチ処理を含んでいる。音声学に基づくスピーチ処理は、会話の中のサウンドを速く効率的に検出する能力を有する。スピーチを音声学によって分析するための技術に関する基礎的な情報については、ネクシディア インク(住所 3565 ピエドモント ロード NE、棟2、スイート4、アトランタ、GA30305)(www.nexidia.com)によって提供される音声学処理技術、及び2007年の「音声学研究技術」と題目を付けられたその会社の白書及びその中の参考文献を参照していただきたい。これらの白書及びその中の参考文献は、その全体をこの中でも参照している。スピーチプロセッサ14は、サーバ10の不可欠の部分としてこの中に示されているが、例えばインターネットのようなネットワークを介してサーバ10と接続された、別のデバイスによって提供されることもある。
【0023】
ユーザー20Aがアバター28Aを洋品店30の中へ移動させた後、ユーザー20Bがユーザー20Aに手助けが必要かどうかを尋ねると仮定する。アバター28A、28Bは、シャツやパンツのような、仮想の対象商品の、あるタイプの展示に囲まれている。ユーザー20Aは洋品店30が靴を置いているかどうかに興味があると応答する。スピーチプロセッサ14は、ユーザー20Aと20Bの会話をモニターする。スピーチプロセッサ14によって検出された各々のサウンドは、検出されたサウンドが、あるキーサウンドに合致するかどうかを決定するために、キーサウンドのリストと照合される。サウンド「クツ」がキーサウンドであると仮定する。サウンド「クツ」が、キーサウンドに合致すると判断すると、スピーチプロセッサ14は、仮想世界エンジン12に、キーサウンドが検出されたという信号を送り、更に、仮想世界エンジン12に、各々のキーサウンドを識別するためのユニークなインデックスを提供する。本発明の1つの実施の形態によれば、仮想世界エンジン12は、キーサウンド「クツ」に関連付けられた仮想世界カスタマイゼーションを決定する。仮想世界カスタマイゼーションは、適切な仮想世界16のどんな変更をも含む。例えば、仮想世界16の中のビデオまたはグラフィカルなイメージの表示、仮想世界16の中のオーディオストリームまたは他の記録の再生、仮想世界16の中で第一の配置から第二の配置へと仮想対象物の既存の展示を再配置すること、仮想世界16の中で追加の仮想対象物の付加や現存する仮想対象物の撤去、仮想世界16の中に以前には表示されていなかった仮想世界環境の導入、または、これらの組合せを含んでいる。
【0024】
仮想世界エンジン12は、キーサウンド「クツ」と関連付けられた、仮想世界カスタマイゼーションが、複数の異なるタイプの靴を持つテーブルを含むように仮想世界16を変更することから構成されることを、決定する。仮想世界カスタマイゼーションに関連付けられた画像は記憶装置32に蓄積され、直接に、またはインターネット18のようにネットワークを介して、仮想世界エンジン12に接続される。仮想世界エンジン12はその画像をユーザーデバイス24Aに提供し、順に、ユーザーデバイス24Aがインストラクションに従ってユーザー20Aが見ることができる場所に現存の展示に代えて靴を展示する。仮想世界カスタマイゼーションは、ユーザー20Aには、アバター28Aの前の仮想世界16に、単純に「出現する」ように見える一方で、同様に、ユーザー20Aが例えば仮想世界カスタマイゼーションを見るために、アバター28Aを洋品店30内部で、あるいはドアを通して別の場所に移動させる場合のように、アバター28Aの位置と関連付けて、変更される。
【0025】
本発明の別の実施の形態によれば、仮想世界カスタマイゼーションは、キーサウンドに基づくとともに、ユーザー20Aに関して、知られた、または認識できる情報に基づいている。例えば、ユーザー20Aが、洋品店30として描かれる事業会社の現存する顧客であり、その事業会社が、ユーザー20Aは通常はランニング用の靴を購入することを示すデータを持っている。仮想世界エンジン12は、記憶装置32のそのような情報へのローカルなアクセスを有するか、または、例えば、仮想世界16がショッピングモールであるように、事業会社が仮想世界16に描かれたいくつかの事業会社のうちの1つである場合には、各々の事業と関連付けられた事業サーバ34へのアクセスを有する。ユーザー20Bが事業会社のコンタクトセンターエージェントである場合は、事業サーバ34に蓄積された事業会社に属するユーザー情報は、ユーザー20Bには利用可能であり、また、仮想世界16で必要に応じて使用するために、サーバ10で利用可能とすることができる。スピーチプロセッサ14と協同した仮想世界エンジン12は、キーサウンド「クツ」の検出とユーザー20Aを識別した識別子とを含む情報を事業サーバ34に提供する。事業サーバ34は、ユーザー20Aは通常はランニング用の靴を購入すると判断し、その情報を仮想世界エンジン12に提供する。仮想世界エンジン12は、複数の異なるタイプの靴に関連した仮想世界カスタマイゼーションの代わりに、ランニング用の靴のみに関連した仮想世界カスタマイゼーションを選択する。
【0026】
ユーザー20Aはランニング用の靴の展示を見て、ランニング用の靴には興味がないと表明する。コンピュータの前に座っているコンタクトセンターエージェントであるユーザー20Bは、ユーザー20Aの購入記録を見てユーザー20Aが以前に数回カウボーイブーツを購入したことを知り、ユーザー20Aにカウボーイブーツに興味があるかどうかを尋ねる。スピーチプロセッサ14はサウンド「カウボーイブーツ」がキーサウンドであると判断し、仮想世界エンジン12に、そのキーサウンドを特定して伝える。仮想世界エンジン12は、カウボーイブーツに関連付けられた仮想世界カスタマイゼーションは、カウボーイブーツの展示を含むように仮想世界16を変更することを含むものであると決定する。仮想世界エンジン12は記憶装置32からカウボーイブーツに関連する画像、すなわち、外観を得て、その画像をユーザーデバイス24Aに提供する。そして、順に、ユーザーデバイス24Aは、ユーザー20Aのためにカウボーイブーツの新しいディスプレイを表示する。このようにして、本発明は、ユーザー20Aとユーザー20Bとの間の会話に基づいて、ダイナミックに仮想世界16をカスタマイズする。仮想世界16は、ユーザー20Aまたはユーザー20Bのいずれかが発するサウンド、またはユーザー20A、20B両方が発するサウンドの組合せに基づいて、変更されることに注目すべきである。
【0027】
説明のためにいくつかの仮想世界カスタマイゼーションの例が提供されたが、本発明の開示を読めば、この技術分野の当業者にとっては、仮想世界カスタマイゼーションは、仮想世界16への微小な変更から、仮想世界16のいくつかの部分の完全な作り替え(re-skinning)まで及ぶことは明らかである。例えば、仮想世界カスタマイゼーションは、キーサウンドの検出に基づく、洋品店30の壁の色の変更、壁に掛かるポスターの内容の変更、洋品店30に描かれている仮想の平面テレビに表示されるデータ番組のようなダイナミックな情報の変更、などを含む。仮想世界カスタマイゼーションは、各々のアバター28を移動させることなく、各々のユーザー20に即座に見ることができる、仮想世界16の部分の中にも、あるいは、ユーザー20が、アバター28が仮想世界16を動き回ったときに見るであろう、仮想世界16の部分の中にも、発生する。
【0028】
ユーザー20Bは人間である場合もあるが、コンピュータで制御されるエージェントである場合もある。例えば、仮想世界エンジン12は、アバター28Bを制御し、アバター28Aの接近を検知すると、ユーザー20Aを人工知能を使用した会話に引き込む。人間であるユーザー20Bに関しての上述のプロセスは、コンピュータで制御されたユーザー20Bとユーザー20Aの間の会話がスピーチプロセッサ14でモニターされていること、及び仮想世界エンジン12が、コンピュータに制御されたユーザー20Bまたはユーザー20Aのどちらか一方によるキーサウンドの検出に基づく、仮想世界カスタマイゼーションを含むことによって変更することを除けば、同じである。
【0029】
別の実施の形態によれば、アバター28Bの制御と、ユーザー20Aとの会話とを引き継ぐ、例えばコンタクトセンターエージェントのような人間とコンタクトするプロセスを開始するために仮想世界エンジン12が使用する、あるキーサウンドがスピーチプロセッサ14に検出されるまで、仮想世界エンジン12は、コンピュータ制御のアバター28Bを提供する。例えば、「買う」「見る」「ありますか」などのような一定のキーサウンドの検出は、人的なリソースに、ユーザー20Aを引き込むことを、当然であり、十分利益があることと思わせる。仮想世界の背景状況の中で、人間のコンタクトセンターエージェントを使用することに関する教示については、米国特許出願No.11/608,475、出願日2006年12月8日、「ゲームのプレイヤーへのコンタクトセンターサービスの提供」にあり、そしてそれはこの出願中でも参考にされている。
【0030】
図2は、スピーチプロセッサ14の態様を、より具体的に示したブロック図である。スピーチプロセッサ14は、ユーザー20A、20Bの各々が発する音声信号に相当する、メディアストリーム40A、40Bを受け取る。図2には、説明のために独立の音声信号として示されているが、音声信号は、ユーザー20A、20Bの両方からの音声信号を含む、単一のメディアストリーム40としてスピーチプロセッサ14に提示されてもよい。更に、この実施の形態では、2つのユーザー20が会話に入っているように示しているが、本発明は、どれだけの数のユーザー20が会話に入っても使用できる。スピーチプロセッサ14はメディアストリーム40A、40Bを解析することによって、会話をモニターする。スピーチプロセッサ14はサウンドを検出し、そのサウンドのどれかがキーサウンドに合致するかどうかを判断する。キーサウンドは、キーサウンドテーブル42に蓄積されている。キーサウンドテーブル42は、個々のキーサウンドの行からなるキーサウンド列44と、独自の識別子の行からなるインデックス列46とを含んでおり、その各々は独自のキーサウンドに関連付けられている。キーサウンドテーブル42には示されないが、キーサウンドを複数のサウンドを含むものとして定義するようなデータも存在しうるし、お互いが近接した際に生じる複数のサウンドとしてキーサウンドを定義するようなデータを含んでもよい。説明のために、キーサウンド列44のキーサウンドは単純な単語で表現しているけれども、この技術分野の当業者には理解できるであろうが、キーサウンドには、スピーチの音声学的要素、波形、または会話中になされるサウンドを表現するのに適切などのようなデータをも含んでいる。サーバ10は、制御システム48もまた含んでおり、それは、仮想世界エンジン12及びスピーチプロセッサ14のモジュールを実施するために適切な種々のソフトウエアを実行するプロセッサと、種々のモジュールの間のコミュニケーションを可能にするのに適したプロセス間通信能力とを有している。
【0031】
スピーチプロセッサ14がメディアストリーム40の中に、サウンド「パーカズ」を検出したと仮定する。スピーチプロセッサ14は、キーサウンドテーブル42でのテーブル探索を開始し、サウンド「パーカズ」がキーサウンド「パーカ」に合致すると判断する。メディアストリーム40Aの中で検出されたサウンドが、キーサウンドと同一でなくとも、例えば、キーサウンドが単数形で、検出されたサウンドが複数形である場合などでも、キーサウンドに合致することに注目すべきである。スピーチプロセッサ14はキーサウンド「パーカ」と関連付けられたインデックスが「4」であることもまた判断する。スピーチプロセッサ14は、インデックス「4」と、キーサウンドの音源としてユーザー20Aを識別した識別子とを、仮想世界エンジン12へ送る。以前に図1を参照して議論したように、仮想世界エンジン12は、仮想世界16に含まれる仮想世界カスタマイゼーションを決定するために、キーサウンドのインデックスとユーザー識別子の一方または両方を使用する。
【0032】
図3は本発明の1つの実施の形態における仮想世界カスタマイゼーションを含む仮想世界の変更に関するプロセスを示すフローチャートである。この実施の形態は、仮想世界16を通して顧客サポートを提供する事業体に関連するものと仮定する。ユーザー20Aはユーザーデバイス24A上のブラウザに、事業会社に関連するウエブサイトに接続するように指示する。そのウエブサイトに接続すると、Java(登録商標)コードのクライアントモジュール26Aが、ユーザーデバイス24A上にロードされ、ユーザー20Aに表示するための、仮想世界16を表す画像がクライアントモジュール26Aの中にロードされる。デフォルトのアバターは仮想世界16の中で、入手して表現される。または、代わりに、ユーザー20Aは仮想世界16によって提供される多数のアバターから、1つを選択することもできる。更に、この仮想世界16が、例えば大規模電器店のような事業会社に関連付けられた仮想の商店であると仮定する。ユーザー20Aは、アバター28Aを、仮想世界16の事業会社の中を通り、「顧客サービス」カウンタと名付けられたカウンターへと移動させる。(ステップ100)更に、その事業会社が、仮想世界16の中の、その事業会社の様々なエリアに近づいてくるアバターについて、仮想世界16を連続的に監視しているか、または、代わりに、仮想世界16の特定のエリアの近傍にアバター28がいると警報を発せられるような、多くの人間エージェントを有していると仮定する。
【0033】
顧客サービスカウンタと関連付けられ、仮想世界16ではアバター28Bによって表現されている人間エージェントが、ユーザー20Aと会話を開始し、ユーザー20Aに手助けを必要としているかどうかを尋ねる。(ステップ102)ユーザー20Aはテレビについて問題があることを告げる。(ステップ104)エージェントはユーザー20Aに問題のあるテレビの、モデルまたはタイプを尋ねる。(ステップ106)ユーザー20Aは特定のテレビのモデルを返答する。(ステップ108)スピーチプロセッサ14は、エージェントとユーザー20Aとの会話をモニターして、テレビのモデル番号に関連するサウンドが、キーサウンドテーブル42の中のキーサウンドに合致すると判断する。(ステップ110)スピーチプロセッサ14は、キーサウンドのインデックスを仮想世界エンジン12に提供する。仮想世界エンジン12は、キーサウンドに関連付けられた仮想世界カスタマイゼーションは、ユーザー20Aが問題を有している特定のモデルのテレビの3次元イメージをカウンタ上に提供することに関連するものと判断する。(ステップ112)ユーザー20Aはカウンタ上に現れるテレビの三次元の透視図を見る。ユーザー20Aはエージェントに、問題は、高解像度マルチメディアインターフェース(HDMI)ケーブルの接続に関することであると告げる。(ステップ114)スピーチプロセッサ14はサウンド「エイチディーエムアイ」がキーサウンドに合致すると判断し、(ステップ116)キーサウンドに関連付けられたキーサウンドインデックスを仮想世界エンジン12に提供する。仮想世界エンジン12は、「エイチディーエムアイ」というキーサウンドに関連付けられた仮想世界カスタマイゼーションは、カウンタの上に表示されるテレビを、エージェントとユーザー20Aが、テレビのどこにHDMIケーブルが差し込まれるかを見るために、ケーブルが挿入されたテレビの部分が示されるように、テレビを回転させることであると決定する。(ステップ118)
【0034】
図4は本発明の別の実施の形態に従って、仮想世界カスタマイゼーションを含むように、仮想世界を変更するプロセスを示すフローチャートである。この実施の形態では、仮想世界16は商店街であり、ユーザー20Aは、アバター28Aを商店街の中に描かれたある事業の店舗へと移動させるものと仮定する。更に、それぞれの事業は仮想世界16の中でモニターする人間ユーザー20を有していないが、アバターが店舗に入ったと判断されたら仮想世界エンジン12によって自動的に接触がなされるようなエージェントのいるコンタクトセンターを有しているものと仮定する。
【0035】
仮想世界エンジン12は、アバター28Aが仮想世界の企業の特定の近傍にいると判断する。(ステップ200)仮想世界エンジン12は事業サーバ34に、アバター28が、その仮想世界企業の近傍にいることの通知を送る。(ステップ202)コンタクトエージェントは、事業サーバ34から通知を受け、アバター28Bをアバター28Aの近傍に移動させる。(ステップ204)コンタクトエージェントはユーザー20Aと会話を開始し、例えば、ユーザー20Aがどんなタイプの衣服に興味があるかを尋ねる。(ステップ206)ユーザー20Aはパーカを購入することに興味があると伝える。(ステップ208)スピーチプロセッサ14は会話をモニターし、サウンド「パーカ」がキーサウンド「パーカ」に合致すると判断する。(ステップ210)スピーチプロセッサ14は、その後、キーサウンド「パーカ」に関連付けられたインデックスを仮想世界エンジン12に提供する。仮想世界エンジン12は、キーサウンド「パーカ」に関連付けられた仮想世界カスタマイゼーションは、顧客が通常パーカを使用する環境で、アバター28がパーカを着ていることを示すような仮想世界カスタマイゼーションを含む仮想世界16の変更を必要とするものと判断する。(ステップ212)この特定のカスタマイゼーションでは、仮想世界エンジン12は、仮想世界の企業から、アバターがその企業によって販売されている種々のパーカを着て見せている、山に抱かれ、雪に覆われた街路へと、画像を変更する。各々のパーカには、ユーザー20Aが、あるパーカに興味を示した際に、それを見ることを要求できる、印が付いている。
【0036】
別の実施の形態では、ユーザー20A、20Bが地理的に離れている友人同士で、仮想世界16を一緒に体験していると仮定する。アバター28A、28Bは、洋品店30の中へと移動し、ユーザー20Aが、ユーザー20Bに、いくつかのベルトが「フォーマル過ぎる」と気づいたと言う。ユーザー20Bは、洋品店30がブレードベルト(braided belt)を置いているとよいと思うと応答する。スピーチプロセッサ14はその会話をモニターし、「ブレードベルト」がキーサウンドに合致すると判断する。スピーチプロセッサ14は、キーサウンド「ブレードベルト」に関連付けられたインデックスを仮想世界エンジン12に提供する。仮想世界エンジン12は、キーサウンド「ブレードベルト」に関連付けられた仮想世界カスタマイゼーションが仮想世界16をブレードベルトを吊した展示と、モダンロック音楽を流すことを含むように変更することを必要とすると判断する。ユーザー20A、20Bの前にその展示が現れ、洋品店30の中で流れる音楽はクラシック音楽からモダンロック音楽へと変わる。
【0037】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。用語「又は」に関して、例えば「A又はB」は、「Aのみ」、「Bのみ」ならず、「AとBの両方」を選択することも含む。特に記載のない限り、装置又は手段の数は、単数か複数かを問わない。
【符号の説明】
【0038】
10 サーバ
12 仮想世界エンジン
14 スピーチプロセッサ
16 仮想世界
18 インターネット
19 インターフェース
20 ユーザー
24 ユーザーデバイス
26 クライアントモジュール
28 アバター
30 洋品店
32 記憶装置
34 事業サーバ
40 メディアストリーム
42 キーサウンドテーブル
44 キーサウンド
46 インデックス
48 制御システム
図3
100 ユーザーが、アバターを顧客サービスカウンタへ移動させる。
102 エージェントが、ユーザーに手助けを必要としているかどうかを尋ねる。
104 ユーザーは、テレビについて問題があることを告げる。
106 エージェントは、テレビのタイプを尋ねる。
108 ユーザーは、テレビのモデルを返答する。
110 スピーチプロセッサは、サウンドが、キーサウンドに合致すると判断する。
112 仮想世界エンジンは、仮想世界を、テレビのある仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更する。
114 ユーザーは、問題は、HDMIケーブルの接続に関することであると告げる。
116 スピーチプロセッサは、サウンドが、キーサウンドに合致すると判断する。
118 仮想世界エンジンは、仮想世界を、HDMI接続部が見えるようにテレビを回転させた仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更する。
図4
200 ユーザーが近傍にいると判断する。
202 コンタクトエージェントに通知を送る。
204 コンタクトエージェントが、エージェントアバターをユーザーアバターの近傍に移動させる。
206 コンタクトエージェントが、ユーザーと会話を開始する。
208 ユーザーは、パーカに興味があると伝える。
210 スピーチプロセッサは会話をモニターし、サウンドがキーサウンドに合致すると判断する。
212 仮想世界エンジンは、仮想世界を、顧客が通常パーカを使用する環境で、アバターがパーカを着ていることを示すような仮想世界カスタマイゼーションを含むように、変更する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
A)仮想世界を提供するステップと、
B)前記仮想世界の中の位置に関連を有する、前記仮想世界の第1のユーザーと、前記仮想世界の第2のユーザーとの間の会話をモニターするステップと、
C)前記会話の中でサウンドを検出するステップと、
D)前記サウンドが複数のキーサウンドの1つと合致すると判断するステップと、
E)前記判断に関連付けて、前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するステップと、
からなる方法。
【請求項2】
前記第2のユーザーが、前記仮想世界に描かれている事業に関連付けられたコンタクトセンターの代理人からなる
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記第2のユーザーが、コンピュータ制御される
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記第2のユーザーが、前記第1のユーザーの知人である
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
前記会話をモニターするステップが、前記ユーザーによって生成された音声信号からなる第1のメディアストリームと前記第2のユーザーによって生成された音声信号からなる第2のメディアストリームとを解析するステップを、更に含む
ことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項6】
前記サウンドが、特定の地域、国、または社会的背景からの人物の発音であると識別しうる形式であることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項7】
前記サウンドは、前記第1のユーザーによって生成されたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項8】
前記サウンドは、前記第2のユーザーによって生成されたことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項9】
更に、前記会話の中でサウンドを検出するステップとが、音声学に基づくスピーチ解析プロセスによってなされることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項10】
更に、前記複数のキーサウンドの1つに基づいて、前記仮想世界カスタマイゼーションを決定するステップとを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項11】
前記複数のキーサウンドの1つと、前記第1のユーザーまたは前記第2のユーザーのどちらかのユーザー情報とに基づいて、前記仮想世界カスタマイゼーションを決定するステップとを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するステップとが、前記サウンドを検出する前には前記仮想世界に欠けていた製品を前記仮想世界に提示するステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項13】
前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するステップとが、前記サウンドを検出する前には前記仮想世界の展示に欠けていたアイテムを前記仮想世界に提示するステップとを含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項14】
前記アイテムは、前記仮想世界に描かれている事業に関連付けられた製品であることを特徴とする請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するステップとが、前記サウンドを検出する前には前記仮想世界の展示に欠けていた仮想の環境を前記仮想世界に提示するステップとを含み、前記仮想の環境が、前記製品の購入者による前記製品の従来の使用状況を示すようなある環境の中で提示された、前記サウンドに関連付けられた製品の展示を含むことを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項16】
A)ネットワークと通信することに適合しているコミュニケーションインターフェースと、B)制御システムと
を有し、
前記制御システムは、
仮想世界を提供し、
前記仮想世界の中の位置に関連を有する、前記仮想世界の第1のユーザーと、前記仮想世界の第2のユーザーとの間の会話をモニターし、
前記会話の中でサウンドを検出し、
前記サウンドが複数のキーサウンドの1つと合致すると判断し、
前記判断に関連付けて、前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更する、
ことを特徴とするサーバ。
【請求項17】
前記第2のユーザーが、前記仮想世界に描かれている事業に関連付けられたコンタクトセンターの代理人からなることを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項18】
前記制御システムが、前記会話をモニターするために、前記第1のユーザーによって生成された音声信号からなる第1のメディアストリームと前記第2のユーザーによって生成された音声信号からなる第2のメディアストリームとを解析することに、更に適合していることを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項19】
前記サウンドは、前記第2のユーザーによって生成されたことを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項20】
前記会話の中で、前記制御システムが、音声学に基づくスピーチ解析プロセスによって前記サウンドを検出するように、更に適合していることを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項21】
前記仮想世界カスタマイゼーションが、前記複数のキーサウンドの1つと、前記第1のユーザーまたは前記第2のユーザーのどちらかのユーザー情報とに基づくことを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項22】
前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するために、前記制御システムが、前記サウンドを検出する前には前記仮想世界に欠けていた製品を前記仮想世界に提示するように、更に適合していることを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項23】
前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するために、前記制御システムが、前記サウンドを検出する前には前記仮想世界の展示に欠けていたアイテムを前記仮想世界に提示するように、更に適合していることを特徴とする請求項16記載のサーバ。
【請求項24】
前記アイテムは、前記仮想世界に描かれている事業に関連付けられた製品であることを特徴とする請求項23記載のサーバ。
【請求項25】
前記仮想世界の一部を前記複数のキーサウンドの1つを基礎とした仮想世界カスタマイゼーションを含むように変更するために、前記制御システムが、前記サウンドを検出する前には前記仮想世界の展示に欠けていた仮想の環境を前記仮想世界に提示するように、更に適合し、前記仮想の環境が、前記製品の購入者によって前記製品の従来の使用状況を示すような環境の中で提示された、前記サウンドに関連付けられた製品の展示を含むように適合していることを特徴とする請求項16記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−514243(P2012−514243A)
【公表日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541636(P2011−541636)
【出願日】平成21年12月22日(2009.12.22)
【国際出願番号】PCT/IB2009/007864
【国際公開番号】WO2010/073106
【国際公開日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【出願人】(501449218)ノーテル ネットワークス リミテッド (30)
【Fターム(参考)】