説明

会議支援装置

【課題】複数の参加者が参加する会議において、当初の出席予定者が欠席し、代理出席者が出席する場合でもその会議を円滑に進めることができるように支援する。
【解決手段】ネットワーク6に接続される会議支援装置2は、会議に参加する複数の参加者が登録され、それら複数の参加者のうちから選択される少なくとも2人の参加者がコミュニケーション対象者として設定された会議情報28を記憶する記憶装置24と、会議が開始された後、会議情報28に基づいて、コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末からネットワーク6を介してアクセス可能なWebページを作成し、当該Webページにより、コミュニケーション対象者が相互にコミュニケーションを行うコミュニケーション環境を提供するWebページ作成部36とを備える構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の参加者が参加する会議を円滑に進めることができるように会議を支援するための会議支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、映像及び音声を含むマルチメディア情報を扱う会議端末と会議サーバを通信網により接続し、多地点間で通信会議を行う遠隔会議システムが知られている(例えば特許文献1)。この従来技術は、実時間にその会議に参加できない者が予め議題に対しての意見を動画像、音声に拠って記録して、その記録を会議中に発表出来るようにする手段が設けられ、これにより、実質的に会議に参加できるようにするというものである。そのため、この従来技術によれば、遠隔会議に実時間参加できない者が、会議において意見を発表することができるようになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−123098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術は、予め議題に対しての意見を動画像や音声で記録しておく必要があり、そのための準備が煩わしいという問題がある。特に、急な出張などにより、会議に参加できないことがその会議の直前に判明した場合には、意見を記録するための十分な時間を確保することができないこともある。その場合、会議において意見を発表することができなくなる。
【0005】
ところで、会議への出席予定者が都合により出席することができなくなった場合、当初の出席予定者に代わって別の参加者がその会議に代理出席することが日常的によく行われている。この場合、当初の出席予定者は代理出席者に対して事前にある程度の指示を与えておくことで、代理出席者に適宜発言を行わせることができる。
【0006】
しかし、この場合でも、代理出席者は、その会議についての事前情報に乏しいこともあり、会議中に適切な発言や判断を行うことができないケースが多い。そのため、代理出席者が出席する場合、会議の効率が低下するという問題がある。
【0007】
そこで本発明は、上述した従来の問題点を解決し、複数の参加者が参加する会議において、当初の出席予定者が欠席し、代理出席者が出席する場合でもその会議を円滑に進めることができるように支援する会議支援装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1にかかる発明は、ネットワークに接続される会議支援装置であって、会議に参加する複数の参加者が登録され、前記複数の参加者のうちから選択される少なくとも2人の参加者がコミュニケーション対象者として設定された会議情報を記憶する記憶手段と、会議が開始された後、前記会議情報に基づいて、前記コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末から前記ネットワークを介してアクセス可能なWebページを作成し、当該Webページにより、前記コミュニケーション対象者が相互にコミュニケーションを行うコミュニケーション環境を提供するWebページ作成手段と、を備えることを特徴とする構成である。
【0009】
請求項2にかかる発明は、請求項1に記載の会議支援装置において、前記Webページ作成手段は、Webページを作成した後、前記コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末から当該Webページに対する書き込みが行われる都度、当該Webページを更新することを特徴とする構成である。
【0010】
請求項3にかかる発明は、請求項2に記載の会議支援装置において、前記Webページ作成手段は、前記コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末のそれぞれから入力するコマンドに基づいて、前記Webページに書き込まれた情報に対して強調表示処理を施すことを特徴とする構成である。
【0011】
請求項4にかかる発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の会議支援装置において、前記記憶手段は、前記会議情報に関連付けて会議資料データを更に記憶し、会議の進行に伴って前記記憶手段に記憶された前記会議資料データから1ページずつの資料画像を読み出し、前記ネットワークを介して所定の表示装置に出力する資料表示制御手段を更に備え、前記Webページ作成手段は、前記資料表示制御手段によって前記表示装置に出力される資料画像を表示するためのWebページを更に作成し、当該Webページにより、前記コミュニケーション対象者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信することを特徴とする構成である。
【0012】
請求項5にかかる発明は、請求項4に記載の会議支援装置において、会議室の音声を入力する音声入力手段を更に備え、前記Webページ作成手段は、前記コミュニケーション対象者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信する際、前記音声入力手段より入力する会議室の音声を同時に配信することを特徴とする構成である。
【0013】
請求項6にかかる発明は、請求項4又は5に記載の会議支援装置において、前記会議情報には、前記コミュニケーション対象者のうちで資料画像の配信を行う参加者を指定する配信参加者指定情報と、配信を開始する資料を指定する配信資料指定情報とが含まれており、前記Webページ作成手段は、前記資料表示制御手段によって前記表示装置に出力される資料画像が、前記配信資料指定情報で指定された資料画像である場合に、前記配信参加者指定情報で指定された参加者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信することを特徴とする構成である。
【発明の効果】
【0014】
本発明の会議支援装置によれば、複数の参加者が参加する会議において、当初の出席予定者が欠席し、代理出席者が出席する場合でも、会議を欠席する参加者が代理出席者である参加者に対してWebページを介して適切な指示などを与えることが可能になり、会議を円滑に進めることができるように支援することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】会議システムの一構成例を示す図である。
【図2】会議支援装置して動作する情報機器の内部構成の一例を示すブロック図である。
【図3】記憶装置に予め記憶される会議情報の一例を示す図である。
【図4】資料配信用Webページの表示画面の一例を示す図である。
【図5】Webフォーラム用Webページの表示画面の一例を示す図である。
【図6】Webフォーラム用Webページの表示画面においてインデントボタンが操作された場合の投稿欄の強調表示の一例を示す図である。
【図7】Webフォーラム用Webページの表示画面において装飾ボタンが操作された場合の投稿欄の強調表示の一例を示す図である。
【図8】会議支援装置によって行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図9】ユーザ認証処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】資料画像表示処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】資料画像配信処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図12】Webフォーラム更新処理の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に関する好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態である会議システムの一構成例を示す図である。この会議システムは、会議支援装置2と、会議に参加する各ユーザが操作する複数の情報処理端末4(4a,4b,4c,4d)と、スクリーン7に会議資料などの画像を表示する表示装置5とが、LANやインターネットなどを含むネットワーク6を介して相互にデータの入出力を行うことが可能な構成である。
【0018】
本実施形態の会議支援装置2は、複合機やMFP(Multi Function Peripheral)などと呼ばれる情報機器10によって構成される。表示装置5は、例えばプロジェクタで構成され、会議の進行中に複数のユーザが同時に視認可能なように会議資料に関する画像をスクリーン7に表示するものである。尚、表示装置5は、大画面ディスプレイ装置などで構成されても良い。
【0019】
各ユーザが操作する情報処理端末4は、例えば一般的なパーソナルコンピュータ(PC)で構成される。本実施形態では、4人のユーザA,B,C,Dが会議に参加する場合を例示しており、各ユーザA,B,C,Dが個別に操作する情報処理端末4として、複数の情報処理端末4a,4b,4c,4dが設けられている。これら情報処理端末4a,4b,4c,4dには、ネットワーク6を介してWebページを閲覧するためのブラウザプログラムなどがインストールされている。また、これら情報処理端末4a,4b,4c,4dは、ネットワーク6に対し、有線接続されたものであっても良いし、無線接続されたものであっても良い。
【0020】
本実施形態では、会議室Aに、情報機器10と、表示装置5とが設けられる場合を例示する。情報機器10には、マイク3が接続されており、会議室Aの音声を入力可能である。尚、情報機器10は、必ずしも会議室Aに設けられる必要はない。この場合、マイク3だけが、会議室Aに設けられ、情報機器10とマイク3とは例えばネットワーク6を介して接続される。このような情報機器10は、コピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能などの標準的な機能の他に、会議支援機能を備えており、その会議支援機能が作動することにより情報機器10が会議支援装置2として動作する。
【0021】
また本実施形態では、一例として、会議室Aで行われる会議の参加者として、ユーザA,B,C,Dの4名が参加するが、その会議の出席者として最適なユーザDは都合により会議室Aでの会議に出席することができず、ユーザDの代理出席者としてユーザCが出席する場合を例示する。ユーザA,B,Cは、この会議室Aにおいて会議が行われる時に、それぞれ自身の情報処理端末4a,4b,4cを会議室Aに持ち込み、ネットワーク6に接続して使用する。また、ユーザDは、自身の情報処理端末4dを別の場所でネットワーク6に接続することにより、遠隔地からユーザCを支援することが可能である。
【0022】
このような会議支援装置2は、会議資料に関する会議資料データを保持し、会議が開始されると、その会議資料データからスクリーン7に表示すべき1ページ分の資料画像を読み出し、ネットワーク6を介して表示装置5に出力する。
【0023】
また、この会議支援装置2は、Webサーバとしても機能する。会議支援装置2は、Webサーバとして機能することにより、会議の進行中、次の2つの機能を各ユーザに提供する。
【0024】
第1の機能は、複数の情報処理端末4a,4b,4c,4dのうちから予め指定された情報処理端末に対し、会議の進行に伴って表示装置5によってスクリーン7に表示される資料画像をリアルタイムで閲覧可能にするための資料配信用のWebページを作成して提供する機能である。この資料配信用のWebページでは、マイク3から入力される会議中の音声も同時に配信される。
【0025】
第2の機能は、会議の進行に伴って複数の情報処理端末4a,4b,4c,4dのうちから予め指定された少なくとも2つの情報処理端末において相互にコミュニケーションを行うことを可能にするための電子フォーラム(Webフォーラム)のWebページを作成し、そのWebページを介して複数のコミュニケーション対象者が相互にコミュニケーションを行うことができる環境を提供する機能である。
【0026】
以下、このような会議支援装置2について更に詳しく説明する。図2は、会議支援装置2して動作する情報機器10の内部構成の一例を示すブロック図である。情報機器10は、各部を制御する制御部20と、ユーザが情報機器10を直接操作する際のユーザインタフェースとなる操作パネル21と、原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部22と、画像データに基づいてプリント出力を行うプリンタ部23と、ハードディスク装置などで構成される記憶装置24と、マイク3から音声信号入力する外部インタフェース25と、ネットワーク6を介して他の装置とデータ通信を行うためのネットワークインタフェース26とを備えている。
【0027】
記憶装置24には、種々のプログラムや各種データが記憶されている。そのうち、会議支援装置2として動作するための情報としては、ユーザ情報27と、会議情報28と、会議資料データ9が格納されるBOX29とが保持される。ユーザ情報27は、例えば情報機器10を使用するユーザが予め登録された情報であり、例えば登録されたユーザごとに、ユーザを識別するための識別情報(例えばユーザIDとパスワードを組み合わせた情報)や電子メールアドレスなどが登録される。会議情報28は、会議室Aにおいて行われる会議が登録された情報である。この会議情報28の詳細は後述する。BOX29は、記憶装置24に設けられる記憶領域であり、本実施形態では会議資料データ9を格納するための専用の記憶領域となっている。
【0028】
制御部20は、図示しないCPUとメモリとを備えている。そしてCPUが所定のプログラムを実行することにより、制御部20は、上述したコピー機能、スキャナ機能、プリンタ機能、会議支援機能などの各種機能を動作させる。特に、会議支援機能を動作させると、制御部20は、図2に示すように、会議情報登録部31、および、会議支援処理部32として機能する。制御部20において、会議情報登録部31および会議支援処理部32が機能することにより、情報機器10は会議支援装置2として動作する。
【0029】
会議情報登録部31は、会議支援装置2に会議情報28や会議資料データ9を登録する処理部である。例えば、ユーザA,B,C,Dのいずれかが、操作パネル21を直接操作することにより、又は、情報処理端末4a,4b,4c,4dから遠隔操作を行うことにより、会議支援装置2にログインし、会議情報登録部31を機能させることでBOX29に会議資料データ9を保存したり、会議情報28に新たな会議に関する情報を登録したりすることができる。会議情報登録部31は、ユーザA,B,C,Dのいずれかにより登録される新規な会議に関する情報を、会議情報28に登録すると共に、その会議において使用される会議資料データ9をBOX29に保存する。尚、このような登録操作は、会議が開始される前に行われる。
【0030】
図3は、会議情報登録部31により登録される会議情報28の一例を示す図である。会議情報登録部31は、図3に示すような会議情報28を作成して記憶装置24に保存する。図3に示すように、会議情報28には、会議室Aにおいて行われる複数の会議に関する会議情報を登録可能であり、図例では2つの会議に関する会議情報281,282が登録されている。これらの会議情報281,282は、会議ごとに、会議名28aと、会議時間28bと、参加者28cと、配信指定28dと、配信資料指定28eと、フォーラム設定28fと、フォーラムURL28gとが登録された情報となっている。
【0031】
複数の会議情報281,282のそれぞれにおいて、会議名28aには、ユーザA,B,C,Dによって入力される会議の名称が登録される。会議時間28bには、会議室Aで行われるその会議の会議時間が他の会議と重複しないように登録される。参加者28cには、その会議に参加するユーザが登録される。この参加者28cは、実際にその会議に出席するユーザだけでなく、その会議に出席することができなくなったユーザも登録される。配信指定28dは、会議情報28に登録されたユーザごとに、資料配信用のWebページにより、資料画像をリアルタイムで配信するか否かを指定するためのものであり、配信する場合はYESと登録され、配信しない場合はNOと登録される。配信資料指定28eは、配信指定28dがYESの場合に登録され、会議資料データ9に複数の資料が含まれる場合、資料画像の配信を開始する資料を指定するためのファイル名などが登録される。
【0032】
フォーラム設定28fは、会議の進行中に、複数のユーザが互いにコミュニケーションを行うためのWebフォーラム用のWebページを作成するか否かに関する設定が登録される。このフォーラム設定28fは、参加者28cとして登録されたユーザごとに設定され、例えば、会議に出席することができなくなったユーザと、その代理出席者として会議に参加するユーザとに対してWebフォーラム用のWebページを作成するための設定が登録される。そしてユーザに対応させてWebフォーラムを作成する場合はYESと登録され、Webフォーラムを作成しない場合はNOと登録される。
【0033】
フォーラムURL28gは、フォーラム設定28fがYESとなっているユーザごとに登録される情報であり、Webフォーラムとして作成されるWebページのURL(Uniform Resource Locator)などのアドレス情報が登録される。このフォーラムURL28gでは、少なくとも2人のユーザに対して同じアドレス情報が登録される。つまり、それら少なくとも2人のユーザが、互いにコミュニケーションを行うコミュニケーション対象者として設定されることとなり、それらコミュニケーション対象者がWebフォーラムとして作成される1つのWebページを共有するようになっている。そして、その1つのWebページにより、それらコミュニケーション対象者が会議の進行中に互いにコミュニケーションを行う環境が提供される。
【0034】
図3において会議情報281には、4名のユーザA,B,C,Dが参加する会議が登録されている。上述したように、この会議では、ユーザDは都合により会議室Aでの会議に出席することができず、ユーザDの代理出席者としてユーザCが出席する。この場合、ユーザDに対してリアルタイムで資料画像を配信するために、配信指定28dが「YES」として登録され、ユーザDに対して資料画像の配信を開始する資料として「資料1」が登録されている。
【0035】
また、会議の進行中、ユーザCとユーザDとが互いにコミュニケーションを行う必要がある。そのため、ユーザC,Dに対応するフォーラム設定28fは「YES」として登録され、それぞれのフォーラムURL28gには、同一のアドレス情報が登録されている。
【0036】
会議情報登録部31は、ユーザによって入力される情報に基づき、会議の開始時刻となる前に、上記のような会議情報281を予め作成して会議情報28に登録する。また会議情報登録部31は、会議情報28に新規な会議情報281を登録した際、その新規な会議情報281に登録されている各ユーザA,B,C,Dに対し、登録された情報を電子メールにより通知するようにしても良い。この場合、会議名28aや会議時間28bは全てのユーザA,B,C,Dに対して通知するが、配信指定28d,配信資料指定28e,フォーラム設定28fおよびフォーラムURL28gは、それぞれ設定されたユーザに対してのみ通知することが好ましい。
【0037】
また、会議情報登録部31は、会議資料データ9をBOX29に保存する際、上記のような会議情報281に対応付けて保存する。これにより、記憶装置24に複数の会議資料データ9が保存されている場合でも、ひとつの会議に対応する会議資料データ9を読み出すことができるようになる。
【0038】
次に、会議支援処理部32は、会議情報28に開始前の会議情報281が登録されている場合に機能し、会議を支援するための各種処理を実行する。この会議支援処理部32は、会議資料読出部33と、資料画像出力部34と、音声入力処理部35と、Webページ作成部36とを備えている。またWebページ作成部36は、更に、資料画像配信部37と、電子フォーラム提供部38とを備えている。
【0039】
会議資料読出部33は、例えば、各ユーザA,B,C,Dが情報処理端末4a,4b,4c,4dを操作することにより、会議支援装置2に対してリモートログインした状態となり、且つ、会議情報28に登録されている会議時間になると、その会議に対応する会議資料データ9を読み出す処理部である。例えば、会議資料読出部33は、情報処理端末4a,4b,4c,4dから受信するログイン要求に基づいてユーザ情報27を参照することによりユーザ認証を行い、ユーザを特定する。そして、その特定したユーザが会議情報28に登録されている複数の会議情報281,282のいずれかに参加者として登録されていれば、その会議の会議時間になることを条件として、会議資料データ9を記憶装置24から読み出すようになっている。つまり、本実施形態では、会議資料読出部33が、会議資料データ9を読み出すことにより、会議室Aにおける会議が開始されると共に、会議支援装置2による会議進行中の会議支援機能が作動する。
【0040】
資料画像出力部34は、会議資料読出部33によって読み出された会議資料データ9から1ページ分の資料画像を生成し、その資料画像を表示装置5に出力する処理部である。この資料画像出力部34は、情報処理端末4a,4b,4c,4dのいずれかからページ更新指示を入力すると、それに伴い、会議資料データ9から次のページの資料画像を生成して表示装置5に出力する。ただし、ユーザDは、会議室Aで行われる実際の会議には出席しないため、資料画像出力部34は、ユーザDの情報処理端末4dからページ更新指示を入力した場合にはその指示を無視するようにしても良い。また、複数の情報処理端末4a,4b,4c,4dのうちの少なくとも1台の情報処理端末を、会議支援装置2に対してページ更新指示を行うことが可能な端末として予め設定しておいても良い。この資料画像出力部34は、表示装置5に対して資料画像の出力を行うと、その資料画像をWebページ作成部36にも出力する。
【0041】
音声入力処理部35は、マイク3から入力する音声信号を処理する。この音声入力処理部35は、Webページ作成部36において資料画像配信部37が機能することに伴い、マイク3から入力する音声信号に所定の信号処理を行って資料画像配信部37に出力する。
【0042】
Webページ作成部36は、会議情報28に登録された会議情報281,282のいずれかに対応する会議が開始されると、それに伴って機能する。図3に示した会議情報281に対応する会議が開始された場合を例に挙げると、Webページ作成部36は、会議情報281を読み出し、会議の参加者として登録されている複数のユーザA,B,C,Dのうち、配信指定28dが「YES」として登録されているユーザが存在すれば、そのユーザに対して資料画像を配信するために資料画像配信部37を機能させる。また、複数のユーザA,B,C,Dの中に、フォーラム設定28fが「YES」として登録されている少なくとも2人のユーザが存在すれば、それらのユーザに対してコミュニケーション環境を提供するために電子フォーラム提供部38を機能させる。
【0043】
資料画像配信部37は、資料画像出力部34によって表示装置5に出力されている資料画像が、配信資料指定28eで指定された資料の画像である場合、資料配信用のWebページを作成し、そのユーザの情報処理端末からリアルタイムで資料画像を閲覧可能にする処理部である。例えば、図3の会議情報281では、ユーザDに対応する配信指定28dに「YES」が登録され、配信資料指定28eに「資料1」が登録されているので、資料画像配信部37は、資料画像出力部34によって表示装置5に出力されている資料画像が「資料1」に対応する画像である場合、資料配信用のWebページを作成してユーザDの情報処理端末4dからリアルタイムでその資料画像を閲覧可能にする。これにより、ユーザDの情報処理端末4dは、ブラウザプログラムを起動して会議支援装置2にアクセスすることにより、会議室Aにおいて表示装置5により表示されている資料画像をリアルタイムで表示することができるようになる。
【0044】
また資料画像配信部37は、資料配信用のWebページにおいて、音声入力処理部35から入力する音声信号を資料画像と同時に配信する。
【0045】
図4は、ユーザDの情報処理端末4dにおいて表示される資料配信用Webページの表示画面G1の一例を示す図である。図4に示すように、この資料配信用のWebページには、資料画像表示領域R1が設けられ、その資料画像表示領域R1に対して会議支援装置2から送信される資料画像が表示される。この資料画像表示領域R1に表示される資料画像は、表示装置5によってスクリーン7に表示される画像が更新される都度、それに対応する画像に更新される。また、図4に示す表示画面G1が表示されているとき、資料画像配信部37によって配信される音声が情報処理端末4dのスピーカから出力されるようになる。したがって、ユーザDは、会議室Aとは異なる場所に居る場合でも、会議室Aでの会議の進行状況をリアルタイムで把握することができる。
【0046】
また、図4に示すように、表示画面G1において資料画像表示領域R1の下方には、フォーラム表示ボタンB1が表示される。このフォーラム表示ボタンB1には、会議情報281のフォーラムURL28gに設定されているアドレス情報がリンク設定されている。そのため、ユーザDは、情報処理端末4dのキーボードやマウスなどを操作することにより、ポインタ画像MPをフォーラム表示ボタンB1に移動させてクリック操作を行うことにより、電子フォーラム提供部38で提供されるWebフォーラム用のWebページにアクセスし、Webフォーラム用のWebページを閲覧できるようになっている。
【0047】
電子フォーラム提供部38は、会議情報281においてフォーラム設定28fが「YES」に設定されている場合、その会議が開始された後に、フォーラムURL28gに登録されているアドレスに、Webフォーラム用のWebページを作成する処理部である。電子フォーラム提供部38によりWebフォーラム用のWebページが作成されると、ユーザCおよびDは、自身の情報処理端末4c,4dを操作することにより、そのWebページにアクセスして互いにコミュニケーションを行うことが可能となる。
【0048】
図5は、ユーザC,Dの情報処理端末4c,4dにおいて表示されるWebフォーラム用Webページの表示画面G2の一例を示す図である。この表示画面G1には、フォーラム表示領域R2が設けられ、そのフォーラム表示領域R2には、ユーザC,Dが質問、回答、意見、指示などを自由に書き込むことが可能な投稿欄が表示される。電子フォーラム提供部38は、ひとつの投稿欄に書き込みが行われると、その書き込み情報をWebフォーラムに追加して反映し、Webフォーラム用のWebページを更新する。図5の例では、ユーザC,Dが互いに複数の書き込みを行った状態を示している。つまり、ユーザC,Dによって投稿欄への書き込みが行われる都度、フォーラム表示領域R2にはその書き込み情報が反映された投稿欄がリアルタイムで順次追加されていく。フォーラム表示領域R2に表示される投稿欄には、メイン投稿欄51と、サブ投稿欄52との2種類がある。
【0049】
メイン投稿欄51は、例えば他の投稿欄に書き込まれた内容とは関係しない内容が書き込まれる投稿欄である。このメイン投稿欄51は、フォーラム表示領域R2において左寄せした状態の所定位置に表示される。
【0050】
これに対し、サブ投稿欄52は、メイン投稿欄51に書き込まれた内容に関係する返答などが書き込まれる投稿欄である。このサブ投稿欄52は、フォーラム表示領域R2においてメイン投稿欄51の最下欄に追加されると共に、通常は一定幅右寄せした状態の所定位置に表示される。したがって、サブ投稿欄52は、図5に示すようにメイン投稿欄51の下欄において通常は一定幅字下げした状態に表示される。
【0051】
これらメイン投稿欄51とサブ投稿欄52のそれぞれには、投稿者であるユーザ名と、投稿が行われた時間とが表示される。また、これに加え、メイン投稿欄51とサブ投稿欄52のそれぞれには、インデントボタン53と、装飾ボタン54とが表示される。インデントボタン53と装飾ボタン54は、その投稿欄に書き込みを行ったユーザが適宜に相手のユーザに対してその投稿欄に注目させるために、投稿欄を強調表示させるボタンである。ユーザC,Dは、情報処理端末4c,4dのキーボードやマウスなどを操作することにより、ポインタ画像MPをそれらインデントボタン53又は装飾ボタン54に移動させてクリック操作を行うことにより、自身で書き込みを行った投稿欄を強調表示させることができる。
【0052】
図6は、インデントボタン53によるサブ投稿欄52の強調表示の一例を示す図である。図6に示すように、ひとつのサブ投稿欄52においてインデントボタン53がクリック操作されると、そのサブ投稿欄52の表示位置は、メイン投稿欄51と同様に、フォーラム表示領域R2において左寄せした状態の所定位置に表示される。これにより、インデントボタン53の操作されたサブ投稿欄52が他のサブ投稿欄52とは異なる位置に表示されるので、コミュニケーション対象者である相手ユーザがその投稿欄を注目するようになる。また、インデントボタン53がクリック操作されると、そのインデントボタン53は上記のような強調表示を解除するためのボタンに切り替わる。尚、メイン投稿欄51に設けられたインデントボタン53を操作しても有効な強調表示は行われないため、メイン投稿欄51に対する強調表示を行いたい場合は装飾ボタン54をクリック操作することが好ましい。
【0053】
図7は、装飾ボタン54によるサブ投稿欄52の強調表示の一例を示す図である。図7に示すように、ひとつのサブ投稿欄52において装飾ボタン54がクリック操作されると、例えばそのサブ投稿欄52の表示色が異なる色に変化する。これにより、装飾ボタン54の操作されたサブ投稿欄52が他のサブ投稿欄52とは異なる色で表示されるので、コミュニケーション対象者である相手ユーザがその投稿欄を注目するようになる。ただし、色を変化させるだけでなく、文字をイタリック体に変化させたり、太字に変化させたりするようにしても良い。装飾ボタン54がクリック操作されると、その装飾ボタン54は上記のような強調表示を解除するためのボタンに切り替わる。尚、メイン投稿欄51に設けられた装飾ボタン54がクリック操作された場合もこれと同様であり、メイン投稿欄51に装飾加工が付与されることにより有効な強調表示が行われる。
【0054】
このように電子フォーラム提供部38は、コミュニケーション対象者として設定されたユーザC,Dの情報処理端末4c,4dから入力する情報に基づいてWebフォーラム用のWebページを適宜更新する。コミュニケーション対象者は、会議の進行中に、電子フォーラム提供部38により適宜更新されるWebページを閲覧することにより、相手のユーザとリアルタイムでコミュニケーションを行うことができる。したがって、ユーザDが会議室Aで行われる実際の会議に出席していなくても、代理出席者であるユーザCに対してリアルタイムで適切な指示を与えることができるようになる。また、ユーザCにとっても、会議の進行中、必要なタイミングでユーザDによる適切な判断を仰ぐことができるようになる。
【0055】
次に上記のように構成される会議支援装置2の具体的な動作について説明する。図8は、会議支援装置2によって行われる主たる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、上述した会議支援処理部32によって行われる処理であり、会議情報登録部31によって既に会議情報28が登録されているものとする。会議支援処理部32は、この処理を開始すると、会議情報28に登録されている会議時間が終了するまで、ユーザ認証処理(ステップS1)と、資料画像表示処理(ステップS2)と、資料画像配信処理(ステップS3)と、Webフォーラム更新処理(ステップS4)とを順次に繰り返し実行する。以下、ユーザ認証処理(ステップS1)、資料画像表示処理(ステップS2)、資料画像配信処理(ステップS3)、および、Webフォーラム更新処理(ステップS4)のそれぞれについて詳しく説明する。
【0056】
図9は、ユーザ認証処理(ステップS1)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。会議支援処理部32は、ユーザ認証処理を開始すると、各ユーザの情報処理端末4a,4b,4c,4dからログイン要求を入力したか否かを判断する(ステップS10)。ここでログイン要求を入力していない場合、ユーザ認証処理は終了する。またログイン要求を入力している場合、会議支援処理部32は、ユーザ情報27を読み出し(ステップS11)、ユーザ認証処理を実行する(ステップS12)。このユーザ認証処理では、例えばログイン要求に付加されているユーザIDとパスワードとの組み合わせに一致する識別情報がユーザ情報27に登録されているか否かが判断される。その結果、一致する識別情報がユーザ情報27に登録されていれば、認証成功となる。これに対し、一致する識別情報が登録されていなければ認証失敗となる。そして会議支援処理部32は、ユーザ認証処理を行った結果、認証成功であるか否かを判断する(ステップS13)。そして認証失敗であれば、ユーザ認証処理は終了する。これに対し、認証成功であれば、会議支援処理部32は、ログイン要求を行ったユーザをログインユーザとして特定し(ステップS14)、そのログインユーザがリモートログインした状態に設定し、ユーザ認証処理を終了する。
【0057】
次に、図10は、資料画像表示処理(ステップS2)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。会議支援処理部32は、資料画像表示処理を開始すると、まずログインユーザがリモートログインした状態であるか否かを判断する(ステップS20)。ここでログインユーザがリモートログインした状態でない場合、資料画像表示処理は終了する。またログインユーザがリモートログインしている状態の場合、会議支援処理部32は、会議情報28を読み出し(ステップS21)、その会議情報28にログインユーザが参加者として登録されている会議情報が存在するか否かを判断する(ステップS22)。その結果、ログインユーザが参加者として登録されている会議情報が存在しない場合、資料画像表示処理は終了する。これに対し、ログインユーザが参加者として登録されている会議情報が存在する場合、現在時刻を取得し(ステップS23)、その現在時刻が会議情報28に登録されている会議時間になっているか否かを判断する(ステップS24)。現在時刻が会議時間でない場合、資料画像表示処理は終了する。また、現在時刻が会議時間内である場合、ステップS25に進む。
【0058】
ステップS25に進むと、会議支援処理部32は、既に資料画像を表示装置5に出力中であるか否かを判断する。その結果、未だ資料画像の出力を開始していない場合、会議支援処理部32は、会議資料データ9を読み出し(ステップS26)、1ページ目の資料画像を生成する(ステップS27)。これに対し、既に資料画像の出力を開始している場合、会議支援処理部32は、ログインユーザの情報処理端末4a,4b,4c,4dのいずれかからページ更新指示を入力しているか否かを判断する(ステップS28)。そしてページ更新指示があれば、会議資料データ9から次のページの資料画像を生成する(ステップS29)。またページ更新指示がない場合は、ステップS29の処理はスキップする。そして会議支援処理部32は、ステップS27又はS29で生成した資料画像を表示装置5に出力する(ステップS30)。
【0059】
このような資料画像表示処理により、会議情報28に参加者として登録されているユーザが、会議支援装置2に対してリモートログインした状態となり、且つ、会議情報28に登録されている会議時間になると、その会議に対応する会議資料データ9から1ページ分の資料画像が生成され、表示装置5に出力される。そして表示装置5は、会議支援装置2から入力する資料画像をスクリーン7に投影し、会議の出席者がその資料画像を視認できるようになる。
【0060】
次に、図11は、資料画像配信処理(ステップS3)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。会議支援処理部32は、資料画像配信処理を開始すると、まず資料画像を表示装置5に出力中であるか否かを判断する(ステップS40)。ここで資料画像を出力中でない場合、資料画像配信処理は終了する。また資料画像を出力中である場合、会議支援処理部32は、ログインユーザに対応する配信指定28dが「YES」になっているか否かを判断する(ステップS41)。その結果、配信指定28dが「NO」であれば、ステップS48に進む。これに対し、配信指定28dが「YES」として登録されている場合、既に資料画像の配信を行っているか否かを判断する(ステップS42)。ここで、既に資料画像の配信中であれば、資料画像の配信を開始する必要がないため、ステップS48に進む。一方、資料画像の配信が行われていない場合、会議支援処理部32は、さらに配信資料指定28eに資料画像の配信を開始する資料が指定されているか否かを判断する(ステップS43)。そして資料画像の配信を開始する資料が指定されていれば、その指定された資料の画像が、表示装置5に対して出力されているか否かを判断する(ステップS44)。ここで、指定された資料の画像が未だ表示装置5に出力されていない場合、ステップS48に進む。これに対し、指定された資料の画像が既に表示装置5に出力されている場合、会議支援処理部32は、マイク3からの音声入力を開始し(ステップS45)、資料配信用のWebページを作成する(ステップS46)。そしてステップS46で作成したWebページにより、資料画像の配信を開始する(ステップS47)。
【0061】
続いて会議支援処理部32は、ログインユーザに対応するフォーラム設定28fが「YES」になっているか否かを判断する(ステップS48)。ここで、フォーラム設定28fが「NO」であれば、資料画像配信処理は終了する。また、フォーラム設定28fが「YES」であれば、既にWebフォーラム用のWebページを作成済みであるか否かを判断し(ステップS49)、未だWebフォーラム用のWebページが作成されていなければ、そのWebページを作成する(ステップS50)。
【0062】
このような資料画像配信処理により、会議が開始されると、表示装置5によって表示される資料画像が予め指定された資料の画像になると、その資料画像がWebページによって配信されるようになる。また、会議が開始されると、Webフォーラム用のWebページが作成されるので、コミュニケーション対象者であるユーザCとDとが互いにコミュニケーションを行うことができるようになる。
【0063】
次に、図12は、Webフォーラム更新処理(ステップS4)の詳細な処理手順の一例を示すフローチャートである。会議支援処理部32は、Webフォーラム更新処理を開始すると、まずWebフォーラム用のWebページが作成されているか否かを判断する(ステップS60)。ここで、Webフォーラム用のWebページが作成されていない場合、Webフォーラム更新処理は終了する。またWebフォーラム用のWebページが既に作成されている場合、会議支援処理部32は、投稿欄に新規な書き込みが行われたか否かを判断する(ステップS61)。そして新規な書き込みが行われていれば、投稿欄に書き込み情報を反映する(ステップS62)。尚、新規な書き込みが行われていない場合、ステップS62はスキップする。
【0064】
次に会議支援処理部32は、インデントボタン53がクリック操作されたか否かを判断する(ステップS63)。そしてインデントボタン53がクリック操作された場合、会議支援処理部32は、クリック操作されたインデントボタン53に対応する投稿欄を特定し、その投稿欄を左寄せした所定位置に配置する(ステップS64)。尚、インデントボタン53がクリック操作されていない場合、ステップS64はスキップする。
【0065】
次に会議支援処理部32は、インデント解除ボタンがクリック操作されたか否かを判断する(ステップS65)。そしてインデント解除ボタンがクリック操作された場合、会議支援処理部32は、そのクリック操作された解除ボタンに対応する投稿欄を特定し、その投稿欄を右寄せした元の位置に配置する(ステップS66)。尚、インデント解除ボタンがクリック操作されていない場合、ステップS66はスキップする。
【0066】
次に会議支援処理部32は、装飾ボタン54がクリック操作されたか否かを判断する(ステップS67)。そして装飾ボタン54がクリック操作された場合、会議支援処理部32は、クリック操作された装飾ボタン54に対応する投稿欄を特定し、その投稿欄に含まれる書き込み情報に対して装飾加工処理を施す(ステップS68)。ここでは、例えば投稿欄の表示色を異なる色に変化させる処理が行われる。尚、装飾ボタン54がクリック操作されていない場合、ステップS68はスキップする。
【0067】
次に会議支援処理部32は、装飾解除ボタンがクリック操作されたか否かを判断する(ステップS69)。そして装飾解除ボタンがクリック操作された場合、会議支援処理部32は、そのクリック操作された解除ボタンに対応する投稿欄を特定し、その投稿欄に施されている装飾加工を解除し、元の状態に戻す(ステップS70)。尚、装飾解除ボタンがクリック操作されていない場合、ステップS70はスキップする。
【0068】
このようなWebページ更新処理により、コミュニケーション対象者がWebフォーラムのWebページに表示されている投稿欄に新規な書き込みを行うと、その書き込み情報がWebフォーラムに反映され、Webページが更新される。また、コミュニケーション対象者が書き込みを行った投稿欄を強調表示させるための操作を行うと、それに伴い、指定された強調表示が行われ、Webページが更新される。さらに、コミュニケーション対象者が投稿欄の強調表示を解除するための操作を行うと、それに伴い、指定された強調表示が解除され、Webページが更新される。
【0069】
以上のように本実施形態の会議支援装置2は、会議に参加する複数の参加者が登録され、それら複数の参加者のうちから選択される少なくとも2人の参加者がコミュニケーション対象者として設定される会議情報28を予め記憶装置24に記憶しておく。そして会議が開始された後、その会議情報28に基づいて、コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末からネットワーク6を介してアクセス可能なWebページを作成し、当該Webページにより、コミュニケーション対象者が相互にコミュニケーションを行うコミュニケーション環境を提供するように構成される。したがって、複数の参加者が参加する会議において、当初の出席予定者が欠席して代理出席者が出席する場合、その会議の進行中に、会議を欠席している参加者が、代理出席する参加者とWebページを介して相互にコミュニケーションを行うことにより、代理出席する参加者に適切な指示などを与えることが可能であり、その会議を効率良く円滑に進めることができるようになる。
【0070】
また本実施形態の会議支援装置2は、コミュニケーション対象者がコミュニケーションを行うためのWebページを作成した後、コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末から当該Webページに対する書き込みが行われる都度、当該Webページを更新する構成である。そのため、コミュニケーション対象者は、他のユーザによってWebページに書き込まれた情報をリアルタイムで確認することができ、適切なタイミングで円滑にコミュニケーションを行うことが可能である。
【0071】
また本実施形態の会議支援装置2は、コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末のそれぞれから入力するコマンドに基づいて、コミュニケーションを行うためのWebページに書き込まれた情報に対して強調表示処理を施すことができるようになっている。そのため、コミュニケーション対象者は、例えば自身で書き込んだ情報に相手ユーザを注目させることができ、早期にそれに対応する適切な指示などのやり取りを行うことができるようになる。
【0072】
また本実施形態の会議支援装置2は、コミュニケーションを行うためのWebページとは別に、表示装置5によって会議室Aで表示されている資料画像を配信するためのWebページを更に作成し、当該Webページにより、コミュニケーション対象者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信する構成である。そのため、会議を欠席している参加者は、そのWebページで資料画像を閲覧することにより、会議室Aでの会議の進行状況を把握することができるようになる。特に、本実施形態では、コミュニケーション対象者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信する際、マイク3から入力する会議室Aの音声を同時に配信するので、会議を欠席している参加者は、会議の進行状況を正確に把握することができるようになる。
【0073】
また、会議支援装置2は、会議情報28に含まれる配信資料指定28eにより、資料画像の配信を開始する資料を予め指定しておくことができる。そのため、会議に出席しない参加者に対しては、必要な資料画像のみを配信することも可能である。
【0074】
以上、本発明に関する実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限られるものではなく、種々の変形例が適用可能である。例えば、上記実施形態では、複合機やMFPなどで構成される情報機器10が会議支援装置2としての機能を実現する場合を例示したが、上述した情報機器10の機能は、例えば一般的なコンピュータやサーバ装置などによって実現しても構わない。
【符号の説明】
【0075】
2 会議支援装置
3 マイク(音声入力手段)
4,4a,4b,4c,4d 情報処理端末
5 表示装置
6 ネットワーク
9 会議資料データ
20 制御部
24 記憶装置(記憶手段)
28 会議情報
31 会議情報登録部
32 会議支援処理部
33 会議資料読出部
34 資料画像出力部
35 音声入力処理部
36 Webページ作成部(Webページ作成手段)
37 資料画像配信部
38 電子フォーラム提供部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続される会議支援装置であって、
会議に参加する複数の参加者が登録され、前記複数の参加者のうちから選択される少なくとも2人の参加者がコミュニケーション対象者として設定された会議情報を記憶する記憶手段と、
会議が開始された後、前記会議情報に基づいて、前記コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末から前記ネットワークを介してアクセス可能なWebページを作成し、当該Webページにより、前記コミュニケーション対象者が相互にコミュニケーションを行うコミュニケーション環境を提供するWebページ作成手段と、
を備えることを特徴とする会議支援装置。
【請求項2】
前記Webページ作成手段は、Webページを作成した後、前記コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末から当該Webページに対する書き込みが行われる都度、当該Webページを更新することを特徴とする請求項1記載の会議支援装置。
【請求項3】
前記Webページ作成手段は、前記コミュニケーション対象者のそれぞれが操作する少なくとも2つの情報処理端末のそれぞれから入力するコマンドに基づいて、前記Webページに書き込まれた情報に対して強調表示処理を施すことを特徴とする請求項2記載の会議支援装置。
【請求項4】
前記記憶手段は、前記会議情報に関連付けて会議資料データを更に記憶し、
会議の進行に伴って前記記憶手段に記憶された前記会議資料データから1ページずつの資料画像を読み出し、前記ネットワークを介して所定の表示装置に出力する資料表示制御手段を更に備え、
前記Webページ作成手段は、前記資料表示制御手段によって前記表示装置に出力される資料画像を表示するためのWebページを更に作成し、当該Webページにより、前記コミュニケーション対象者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の会議支援装置。
【請求項5】
会議室の音声を入力する音声入力手段を更に備え、
前記Webページ作成手段は、前記コミュニケーション対象者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信する際、前記音声入力手段より入力する会議室の音声を同時に配信することを特徴とする請求項4記載の会議支援装置。
【請求項6】
前記会議情報には、前記コミュニケーション対象者のうちで資料画像の配信を行う参加者を指定する配信参加者指定情報と、配信を開始する資料を指定する配信資料指定情報とが含まれており、
前記Webページ作成手段は、前記資料表示制御手段によって前記表示装置に出力される資料画像が、前記配信資料指定情報で指定された資料画像である場合に、前記配信参加者指定情報で指定された参加者が操作する情報処理端末に対して資料画像を配信することを特徴とする請求項4又は5に記載の会議支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−23534(P2012−23534A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−159594(P2010−159594)
【出願日】平成22年7月14日(2010.7.14)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】