説明

伝送端末、表示データ送信方法、プログラム、情報提供装置及び伝送システム

【課題】表示データの共有を容易に行うことが可能な伝送端末、表示データ送信方法、プログラム、情報提供装置及び伝送システムを提供する。
【解決手段】通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、情報提供装置との間で近接通信を確立し、接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信手段と、前記接続設定情報を用いて前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信手段と、前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示する表示制御手段と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伝送端末、表示データ送信方法、プログラム、情報提供装置及び伝送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等の通信ネットワークを介して会議等を行う通話システムが普及している。係る通話システムでは、カメラやマイク、スピーカ等を備えた通話端末が用いられる。この通話端末は、他の通話端末との間で通話(通信)を開始すると、各通話端末のカメラやマイクで取得された撮像データ(画像データ)や音データの送受信を行うことで、テレビ会議を実現できるよう構成されている。
【0003】
また、上記の通話システムでは、通話相手との意思疎通を向上させるため、上記のデータに加えて、通話端末に表示したプレゼンテーション資料等の画面を表示データとして送受信することがある。そして、この表示データを受信した各通話端末では、当該表示データを表示装置に表示することで、各通話端末でプレゼンテーション資料等を共有することが可能となっている。例えば、特許文献1には、資料が表示された画面を装置間で共有する技術が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、利用者が普段使い慣れている携帯端末に上記のプレゼンテーション資料等を保存しておき、この携帯端末を携帯することで所望の会議拠点で資料を表示し、その表示データを共有するという利用方法が考えられる。しかしながら、従来の通話システムでは、利用者が携帯端末を用いて表示データを共有しようとした場合、各会議拠点においてネットワークの接続手続きを行う必要があるため、表示データの共有までの手続きが煩雑になるという問題がある。
【0005】
例えば、利用者が外出して普段とは異なる拠点で携帯端末をテレビ会議に利用することを考える。この場合、利用者は外出先でIPアドレス、ゲートウェイアドレス、会議の共有先URL等種々の接続設定を行わねばならず、資料データの共有が開始できるようになるまでに手間と時間を要するという問題があった。なお、特許文献1に開示の技術では、資料データが表示された画面を装置間で共有することは可能であるが、様々な拠点で共有を開始させるためには種々の接続設定をその都度行わねばならないため、上述した問題を解決することはできない。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、表示データの共有を容易に行うことが可能な伝送端末、表示データ送信方法、プログラム、情報提供装置及び伝送システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、所定の画像を表示する情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信手段と、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信手段と、前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示する表示制御手段と、を備える。
【0008】
また、本発明は、ネットワーク通信手段が、通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信工程と、近接通信手段が、所定の画像を表示する情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信工程と、近距離通信手段が、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信工程と、表示データ受信手段が、前記近距離通信工程で確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表した表示データを受信する表示データ受信工程と、表示データ送信手段が、前記表示データ受信工程で受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信工程と、表示制御手段が、前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示させる表示制御工程と、を含む。
【0009】
また、本発明は、コンピュータを、通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、所定の画像を表示する情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信手段と、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信手段と、前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示させる表示制御手段と、して機能させる。
【0010】
また、本発明は、伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を情報提供装置から受信する近接通信手段と、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記伝送端末との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、表示装置に所定の画像を表示する表示制御手段と、前記表示制御手段が表示中の画像を表した表示データを取得する表示データ取得手段と、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記表示データ取得手段が取得した前記表示データを前記伝送端末に送信する表示データ送信手段と、を備える。
【0011】
また、本発明は、近接通信手段が、伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を情報提供装置から受信する近接通信工程と、近距離通信手段が、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記伝送端末との間で無線通信を確立する近距離通信工程と、表示制御手段が、表示装置に所定の画像を表示する表示制御工程と、表示データ取得手段が、前記表示制御工程で表示中の画像を表した表示データを取得する表示データ取得工程と、表示データ送信手段が、前記近距離通信工程で確立された通信経路を介して、前記表示データ取得工程で取得された前記表示データを前記伝送端末に送信する表示データ送信工程と、を含む。
【0012】
また、本発明は、コンピュータを、伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を情報提供装置から受信する近接通信手段と、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記伝送端末との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、表示装置に所定の画像を表示する表示制御手段と、前記表示制御手段が表示中の画像を表した表示データを取得する表示データ取得手段と、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記表示データ取得手段が取得した前記表示データを前記伝送端末に送信する表示データ送信手段と、して機能させる。
【0013】
また、本発明は、画像データを含む所定のデータの送受信を行う通信ネットワークに接続された複数の伝送端末と、所定の画像を表示する情報提供装置とを有した伝送システムであって、前記伝送端末の各々は、前記通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で前記所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、前記情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する第1近接通信手段と、前記接続設定情報を用いて、前記第1近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する第1近距離通信手段と、前記第1近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて他の伝送端末に送信する第1表示データ送信手段と、前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示する第1表示制御手段と、を備え、前記情報提供装置は、通信対象となる一の伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末の前記第1近接通信手段との間で近接通信を確立し、前記接続設定情報を受信する第2近接通信手段と、前記第2近接通信手段が受信した接続設定情報を用いて、前記第1近距離通信手段との間で無線通信を確立する第2近距離通信手段と、表示装置に所定の画像を表示する第2表示制御手段と、前記第2表示制御手段が表示中の画面を表した表示データを取得する表示データ取得手段と、前記第2近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記表示データ取得手段が取得した表示データを送信する第2表示データ送信手段と、を備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、情報提供装置の表示画面(表示データ)を各伝送端末で共有する際に、情報提供装置を所望の伝送端末に近接させることで当該伝送端末を経由して他の伝送端末に表示データを配信することができるため、表示データの共有を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】図1は、本実施形態に係る伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図2】図2は、伝送端末のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図3】図3は、情報提供装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
【図4】図4は、伝送端末及び情報提供装置の機能構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、伝送端末の記憶部に記憶された管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図6は、伝送端末の記憶部に記憶された認証テーブルの一例を示す図である。
【図7】図7は、伝送端末と情報提供装置とを接続する無線通信の通信範囲を説明するための図である。
【図8】図8は、伝送端末のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図9】図9は、伝送端末のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図10】図10は、伝送端末のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図11】図11は、情報提供装置のディスプレイに表示されたログイン画面の一例を示す図である。
【図12】図12は、情報提供装置のディスプレイに表示されたナビゲーション画面の一例を示す図である。
【図13】図13は、伝送端末の表示データ取得プログラムが情報提供装置により起動されるまでの処理の手順を説明するための図である。
【図14】図14は、情報提供装置のディスプレイに表示されたエラー画面の一例を示す図である。
【図15−1】図15−1は、情報提供装置のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図15−2】図15−2は、情報提供装置のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図16】図16は、情報提供装置から表示データを送信する際の処理の手順を説明するための図である。
【図17−1】図17−1は、情報提供装置のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図17−2】図17−2は、情報提供装置のディスプレイに表示された表示画面の一例を示す図である。
【図18】図18は、表示データの送信元を切り替える際の処理の手順を説明するための図である。
【図19】図19は、表示データの送信を停止する際の処理の手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る伝送端末、表示データ送信方法、プログラム、情報提供装置及び伝送システムの実施形態を詳細に説明する。なお、本発明は図面に示される実施形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本実施形態に係る伝送システムの構成の一例を示す図である。まずは図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。なお、本実施形態では、距離的に離れた場所間で遠隔会議を行うことが可能な伝送システムについて説明する。
【0018】
伝送システムには、伝送管理システムを介して一方の伝送端末から他方の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理システムを介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。このコミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理システム(「伝送管理システム」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、テレビ会議システムやテレビ電話システム、音声会議システム、音声電話システム、PC(Personal Computer)画面共有システム等が例として挙げられる。
【0019】
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのテレビ会議システム、コミュニケーション管理システムの一例としてのテレビ会議管理システム、及びコミュニケーション端末の一例としてのテレビ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理システム、及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理システムは、テレビ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム又は伝送システムにも適用される。
【0020】
図1に示す伝送システム1は、複数の伝送端末(10aa、10ab、10ba、10bb、10ca、10cb、10da、10db)、各伝送端末用のディスプレイ(130aa、130ab、130ba、130bb、130ca、130cb、130da、130db)、伝送端末と協働し情報の提供を行う情報提供装置(30a、30b、30c、30d)、中継装置(40a、40b、40c、40d)、及び伝送管理システム50、ルータ(60a、60b、60ab、60c、60d、60cd)及びプログラム提供システム70を有している。
【0021】
本実施形態では、伝送端末(10aa、10ab…)のうち任意の伝送端末を示す場合には「伝送端末10」を用い、ディスプレイ(130aa、130ab…)のうち任意のディスプレイを示す場合には「ディスプレイ130」を用い、情報提供装置のうち任意の情報提供装置を示す場合には「情報提供装置30」を用い、中継装置(40a、40b、40c、40d)のうち任意の中継装置を示す場合には「中継装置40」を用い、ルータ(60a、60b、60c…)のうち任意のルータを示す場合には「ルータ60」を用いて表記する。なお、各端末や装置の個数は、図1の例に限定されないものとする。
【0022】
伝送端末10は、他の伝送端末10との間で通話を行うために、画像データ(後述する撮像データ、表示データ)や音データ等の会議情報の送受信を行う。即ち、本実施形態における通話には、音データの送受信だけでなく、画像データの送受信も含まれる。
【0023】
ここで、会議情報とは、伝送端末10を用いて行われる通話(遠隔会議)の場において、当該会議の参加者に提示される物(例えば商品見本)、参加者の人物像、配布される書類、及び配布はされないがプロジェクター等の表示装置によって伝送端末10のディスプレイ130以外に表示される資料画像等が含まれる。このように会議情報とは、直接対面して行うとした場合の会議の場において参加者が把握できる情報を意味する。なお、会議情報は、画像データ及び音データの両方であってもよいし、少なくともこれらの一つであればよい。例えば、画像データだけの場合には出席者の音声を画像中に字幕として表してもよい。なお、本実施形態では、画像データの画像が動画の場合について説明するが、静止画であってもよいし、動画と静止画の両方が含まれてもよい。
【0024】
情報提供装置30は、例えば、携帯することが可能な携帯電話機、ノートPC(Personal Computer)、スマートフォン等の携帯型デバイスである。情報提供装置30は、通信可能な距離の異なる二種類の通信方法を用いて伝送端末10と通信し、当該情報提供装置30が備える後述するディスプレイ306に表示された画面を表す表示データを伝送端末10に送信(提供)する。ここで、画面表示は、情報提供装置30に予め導入された所定のソフトウェアプログラム(例えば、文書作成ソフトウェア、表計算ソフトウェア、プレゼンテーション用ソフトウェア等)を、情報提供装置30で実行することによって行われる。なお、画面とは、情報提供装置30の後述するディスプレイ306に表示された静止画や動画のデータを意味する。また、図1では、各拠点(事業所)に一つの情報提供装置30を設けているが、情報提供装置30の利用者(所持者)が移動することで、何れの拠点の伝送端末10とも接続させることが可能であるとする。
【0025】
中継装置40は、伝送端末10間の通信を中継する中継装置である。具体的に、中継装置40は、伝送端末10を用いて行われる通話(遠隔会議)において、複数の伝送端末10の間で送受信される会議情報を各伝送端末10に中継する。また、中継装置40は、伝送端末10の通話相手となる他の伝送端末10との間で撮像データ等の会議情報の受信に遅延が生じた場合に、画像データの解像度を変更して情報量を低減してから、相手先の伝送端末10へ画像データを送信する。これにより遅延を解消し会議と会議情報通信の同時性を確保する。なお、遅延量に応じた解像度の変更方法については、公知の技術を用いることが可能である。
【0026】
伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置40を一元的に管理する。具体的に、伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置40の通信状況を一元的に管理する。例えば、伝送管理システム50は、伝送端末10及び中継装置40と遣り取りを行い、伝送端末10の伝送システム1への登録管理、伝送端末10の端末ID及びIPアドレスの管理、使用についての課金管理、各伝送端末10が通信可能な他の伝送端末10の通知、各伝送端末10の使用状況の把握等を行う。そして、伝送管理システム50は、必要に応じて各伝送端末10の状況(未接続、ログイン中、会議中など)を他の各伝送端末10に通知する。
【0027】
ルータ60は、ネットワーク間を相互接続するルータ装置であって、会議情報(画像データ及び音データ)の送受信に最適な経路の選択を行う。
【0028】
プログラム提供システム70は、伝送端末10に各種機能を実現させる又は伝送端末10を各種手段として機能させるための伝送端末用プログラムが記憶された、図示しないHD(Hard Disk)を備えており、伝送端末10に伝送端末用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム70のHDには、情報提供装置30に各種機能を実現させる又は情報提供装置30を各種手段として機能させるための情報提供装置用プログラムも記憶されており、情報提供装置30に、情報提供装置用プログラムを送信することができる。また、プログラム提供システム70のHDには、中継装置40に各種機能を実現させる又は中継装置40を各種手段として機能させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置40に、中継装置用プログラムを送信することができる。更に、プログラム提供システム70のHDには、伝送管理システム50に各種機能を実現させる又は伝送管理システム50を各種手段として機能させるための通話管理用プログラムも記憶されており、伝送管理システム50に、通話管理用プログラムを送信することができる。
【0029】
また、伝送端末(10aa、10ab)、中継装置40a、及びルータ60aは、LAN2aによって通信可能に接続されている。伝送端末(10ba、10bb)、中継装置40b、及びルータ60bは、LAN2bによって通信可能に接続されている。また、LAN2a及びLAN2bは、ルータ60abが含まれた専用線2abによって通信可能に接続されており、所定の地域A内で構築されている。例えば、地域Aは日本であり、LAN2aは東京の事業所内で構築されており、LAN2bは大阪の事業所内で構築されている。
【0030】
一方、伝送端末(10ca、10cb)、中継装置40c、及びルータ60cは、LAN2cによって通信可能に接続されている。伝送端末(10da、10db)、中継装置40d、及びルータ60dは、LAN2dによって通信可能に接続されている。また、LAN2c及びLAN2dは、ルータ60cdが含まれた専用線2cdによって通信可能に接続されており、所定の地域B内で構築されている。例えば、地域Bはアメリカであり、LAN2cはニューヨークの事業所内で構築されており、LAN2dはワシントンD.C.の事業所内で構築されている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ(60ab、60cd)からインターネット2iを介して通信可能に接続されている。
【0031】
また、伝送管理システム50及びプログラム提供システム70は、インターネット2iを介して、伝送端末10及び中継装置40と通信可能に接続されている。伝送管理システム50及びプログラム提供システム70は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
【0032】
なお、本実施形態では、LAN2a、LAN2b、専用線2ab、インターネット2i、専用線2cd、LAN2c及びLAN2dによって、本実施形態の通信ネットワーク2が構築されている。この通信ネットワーク2には、有線だけでなく無線による通信が行われる箇所があってもよい。
【0033】
次に、上述した伝送端末10及び外部情報判定部20のハードウェア構成について説明する。まず、図2を参照して、伝送端末10のハードウェア構成について説明する。
【0034】
図2は、伝送端末10のハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すように、伝送端末10は、伝送端末10全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、各種プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、CPU101の制御に従ってフラッシュメモリ104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)105、メモリカード等の記録メディア106に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するメディアドライブ107、伝送端末10の宛先を選択する場合などに操作されるカーソル等の操作ボタン108、伝送端末10の電源のON/OFFを切り替えるための電源スイッチ109、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F110を備えている。
【0035】
また、伝送端末10は、情報提供装置30と各種データを送受信するための通信インタフェースとして、第1通信I/F111と第2通信I/F112とを備えている。ここで、第1通信I/F111は、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる非接触IC用無線通信規格に準拠した通信インタフェースであり、第2通信I/F112は、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信インタフェースである。
【0036】
また、伝送端末10は、会議の当事者等の映像を撮影し映像データを出力するカメラ113、カメラ113の駆動を制御し当該カメラ113で撮像された画像データの送受信を行うカメラI/F114を備えている。なお、カメラ113には、CPU101の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device Image Sensor)等の撮像素子が内蔵されている。また、カメラ113は、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によってカメラI/F114に接続される。
【0037】
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って、マイク115及びスピーカ116との間で音信号の入出力を処理する音入出力I/F117を備えている。ここで、マイク115及びスピーカ116は、USBケーブル等によって音入出力I/F117に接続される。なお、マイク115で集音対象となる音は、自己の伝送端末10周辺の音(例えば、自己の伝送端末10の操作者等の音声)等であり、スピーカ116で出力対象となる音は、他の伝送端末10から送信された音(例えば、他の伝送端末10の操作者の音声等)である。
【0038】
また、伝送端末10は、CPU101の制御に従って、ディスプレイ130に画像データを送信するディスプレイI/F118を有している。ディスプレイ130は、ケーブル130cによってディスプレイI/F118に接続される。このケーブル130cは、アナログRGB(VGA)信用用ケーブであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
【0039】
なお、本実施形態では、ディスプレイI/F118にディスプレイ130を接続する形態としたが、これに限らず、プロジェクタ装置等の投影装置を含む映像出力機器と接続することが可能である。
【0040】
また、伝送端末10は、外部機器を接続するための外部機器接続I/F119を有している。外部機器接続I/F119には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって外付けカメラ、外付けマイク及び外付けスピーカ等の外部機器がそれぞれ接続可能である。外付けカメラが接続された場合には、CPU101の制御に従って、内蔵型のカメラ113に優先して、外付けカメラが駆動する。同じく、外付けマイクが接続された場合や、外付けスピーカが接続された場合には、CPU101の制御に従って、それぞれが内蔵型のマイク115や内蔵型のスピーカ116に優先して、外付けマイクや外付けスピーカが駆動する。
【0041】
更に、伝送端末10は、上記各構成要素を図2に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン120を備えている。
【0042】
なお、記録メディア106は、伝送端末10に対して着脱自在な構成となっている。また、CPU101の制御に従ってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ104に限らず、例えばEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。また、ディスプレイ130は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示部である。
【0043】
また、伝送端末10で実行される伝送端末用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア106等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送端末用プログラムを、フラッシュメモリ104ではなくROM102に記憶してもよい。また、ネットワークI/F110を経由して同プログラムをプログラム提供システム70からダウンロードさせ、フラッシュメモリ104や記録メディア106に記録させるようにしてもよい。
【0044】
次に、図3を参照して、情報提供装置30のハードウェア構成について説明する。図3は、情報提供装置30のハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すように、情報提供装置30は、情報提供装置30全体の動作を制御するCPU301、CPU301の駆動に用いられる各種プログラムを記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、情報提供装置用プログラム等の各種データを記憶するHD(Hard Disk)304、CPU301の制御に従って、HD304に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)305、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種表示情報を表示する液晶や有機EL等の表示デバイスで構成されるディスプレイ306、通信ネットワーク2を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F307、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う操作ボタン308、タッチパネルにより各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動等を行う操作パネル309、フラッシュメモリ等の記録メディア310に対するデータの読み出し又は書き込みを制御するメディアドライブ311を備えている。
【0045】
また、情報提供装置30は、伝送端末10と各種データを送受信するための通信インタフェースとして、第1通信I/F312と第2通信I/F313とを備えている。ここで、第1通信I/F312は、NFC(Near Field Communication)と呼ばれる非接触IC用無線通信規格に準拠した通信インタフェースであり、第2通信I/F313は、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信インタフェースである。
【0046】
更に、情報提供装置30は、上記各構成要素を図3に示されているように電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン314を備えている。また、記録メディア310は、情報提供装置30に対して着脱自在な構成となっている。
【0047】
なお、情報提供装置30が実行する情報提供装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、上記記録メディア310等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、情報提供装置用プログラムは、HD304ではなくROM302に記憶されるようにしてもよい。また、ネットワークI/F307を経由して同プログラムをプログラム提供システム70からダウンロードさせ、HD304や記録メディア310等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録させるようにしてもよい。
【0048】
また、中継装置40、伝送管理システム50及びプログラム提供システム70は、何れもサーバ装置であって、上述した情報提供装置30と同様のコンピュータ構成を有している(図示せず)。中継装置40、伝送管理システム50及びプログラム提供システム70の各々が具備するCPUは、自己の装置が具備する記憶媒体に記憶されたプログラムや、プログラム提供システム70から提供されるプログラムを実行することにより、各装置の機能を実現している。
【0049】
次に、上述した伝送端末10及び情報提供装置30の機能構成について説明する。図4は、伝送端末10及び情報提供装置30の機能構成を示すブロック図である。
【0050】
図4に示すように、伝送端末10は、送受信部11、操作入力受付部12、ログイン要求部13、撮像部14、音入力部15、音出力部16、表示制御部17、絞込部18、記憶・読出処理部19、外部情報判定部20、NFC送受信部21及びブルートゥース送受信部22を有している。これら各部は、図2に示されている各構成要素の何れかが、RAM103に展開された伝送端末用プログラムに従ったCPU101からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、伝送端末10は、図2に示したSSD105によって構築される記憶部23を有している。
【0051】
伝送端末10の送受信部11は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したネットワークI/F110によって実現され、通信ネットワーク2を介して他の端末、装置又はシステムと各種データ(情報)の送受信を行う。また、送受信部11は、中継装置40を介して会議相手となる他の伝送端末10との間で通信が確立すると、この他の伝送端末10の端末IDを、記憶部23に格納された後述する管理テーブル231に登録することで、通話相手(会議相手)となった伝送端末10の端末IDを管理する。なお、伝送端末10の端末IDは、例えば、各伝送端末10に予め割り当てられたホストネームやIPアドレスであって、各伝送端末10を識別可能な識別情報である。
【0052】
操作入力受付部12は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した操作ボタン108及び電源スイッチ109によって実現され、伝送端末10の操作者による各種入力を受け付ける。例えば、操作者が、会議相手の伝送端末10を選択する場合に、ディスプレイ130に表示された会議相手を選択するための選択用画面(図示せず)で、会議相手が使用する伝送端末10をカーソルキーで選択し決定ボタンを押すと、その選択された伝送端末10の端末IDやIPアドレスを、会議相手として受け付ける。また、操作入力受付部12では、画面に表示される画像データの配置や大きさ(レイアウト)を変更する場合に自己の伝送端末10の操作者から操作ボタン108等を介して、その変更を指示する情報を受け付ける。
【0053】
ログイン要求部13は、図2に示したCPU101からの命令によって実現され、送受信部11から通信ネットワーク2を介して伝送管理システム50に、自己の伝送端末10のログインを要求するログイン要求情報、及び自己の伝送端末10の現時点でのIPアドレスを自動的に送信する。ここで、ログイン要求情報には、端末IDが少なくとも含まれているものとし、伝送管理システム50は、各伝送端末10から送信されるログイン要求情報(端末ID)及びIPアドレスの管理を行う。なお、伝送管理システム50に対するログイン要求情報及びIPアドレスの送信は、伝送端末10の電源投入に伴い、自動的に行われるように設定されているものとする。
【0054】
撮像部14は、図2に示したCPU101からの命令、図2に示したカメラ113及びカメラI/F114によって実現され、被写体である出席者などの会議室の画像を撮影し、この撮影により得られた画像データを出力する。
【0055】
音入力部15は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した音入出力I/F117によって実現され、マイク115によって収集された伝送端末10近傍の音を音信号に変換し音データを生成する。音出力部16は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した音入出力I/F117によって実現され、他の伝送端末10から送信された音データ等をスピーカ116に出力することで、スピーカ116から音を出力させる。
【0056】
表示制御部17は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したディスプレイI/F118によって実現され、ディスプレイ130に対して画像データや表示データを送信し、これらのデータを表示するための制御を行う。
【0057】
絞込部18は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したネットワークI/F110によって実現され、複数の中継装置40から一つの中継装置40に絞り込む処理を行う。具体的に、絞込部18は、中継装置40に所定の送信情報を送信した時点から、当該送信情報に対する応答情報(ACK)を中継装置40から受信するまでの所要時間(msec単位)を算出し、この所要時間のうち最短時間で中継された中継装置40を、使用する中継装置40として選択することで、複数の中継装置40から一つの中継装置40を選択する。
【0058】
記憶・読出処理部19は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示したSSD105によって実行され、記憶部23に各種データを記憶したり、記憶部23に記憶された各種データを読み出す処理を行う。
【0059】
記憶部23には、会議相手となる他の伝送端末10の端末ID(Identification)を管理するための管理テーブル231(図5参照)や、情報提供装置30の利用可否を判定するための認証情報(利用者ID及びパスワード)を格納した認証テーブル232(図6参照)が記憶されている。また、記憶部23には、自己の記憶部23が情報提供装置30にマウントされた際に、当該情報提供装置30のCPU301により実行される、表示データ取得プログラム233やデータ送信用のドライバ等が記憶されている。なお、表示データ取得プログラム233は、情報提供装置30において表示データ取得部35を実現させるためのプログラムである。
【0060】
ここで、図5は、記憶部23に記憶された管理テーブル231の一例を示す図である。同図に示すように、管理テーブル231には、会議相手となる伝送端末10の端末IDが、データ番号と対応付けて登録されている。ここで、端末IDを格納する欄には、会議相手の伝送端末10の端末ID(伝送端末10aa、伝送端末10ba、伝送端末10ca)が登録される。また、データ番号は、各端末IDを管理するための管理番号であって、各端末IDの伝送端末10から配信された画像データ(撮像データ)を後述する表示領域に割り当てる際に用いられる。
【0061】
また、図6は、記憶部23に記憶された認証テーブル232の一例を示す図である。同図に示すように、認証テーブル232は、利用者IDを格納する欄(利用者ID欄)とパスワードを格納する欄(パスワード欄)とから構成され、情報提供装置30の正規利用者の利用者IDとパスワードとが対応付けて格納されている。なお、情報提供装置30の正規利用者には、利用者ID及びパスワードの組からなる認証情報が予め配布されているものとする。
【0062】
図4に戻り、外部情報判定部20は、図2に示したCPU101によって実現され、伝送端末10の外部にある情報提供装置30からデータの送受信があるか否かを判定する。
【0063】
NFC送受信部21は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した第1通信I/F111によって実現され、NFC規格の非接触通信により情報提供装置30の後述するNFC送受信部31との間で、非接触の通信(以下、NFC通信という)を行う。
【0064】
ここで、NFC送受信部21は、もう一つの通信手段である第2通信I/F112(ブルートゥース送受信部22)と比較して短い距離、具体的には通信距離が最大10cm程度の非接触無線通信により、データを送受信する。NFC送受信部21によるNFC規格の非接触通信では、そのデータ転送速度(最大424kbps)がブルートゥース送受信部22によるBluetooth(登録商標)通信規格の無線通信のデータ転送速度(最大24Mbps)よりも遅いため、比較的小容量のデータの通信に用いるものとする。なお、NFC送受信部21は、通信規格をNFCに限る必要はなく、比較的近距離、すなわち後述するBluetooth(登録商標)通信規格の無線通信の通信範囲より狭い通信範囲での無線通信が可能であれば他の通信規格の通信インタフェースを第1通信I/F111とすすることで、他の通信規格に応じた機能部を実現してもよい。
【0065】
NFC送受信部21は、情報提供装置30がNFC送受信部21の通信圏内に接近した場合に、当該情報提供装置30の後述するNFC送受信部31とNFC通信を行い、このNFC送受信部31から送信される認証情報を受信するとともに、Bluetooth(登録商標)通信規格の無線通信(以下、ブルートゥース通信という)を確立するために必要な接続設定情報をNFC送受信部31に送信する。ここで、接続設定情報とは、ブルートゥース送受信部22での無線通信を行う際に必要となる情報であって、第2通信I/F112に割り当てられたBD(Bluetooth Device)アドレスやパスフレーズ等が含まれる。なお、接続設定情報は、NFC送受信部21が保持する形態としてもよいし、NFC送受信部21が第2通信I/F112から読み出す形態としてもよい。
【0066】
ブルートゥース送受信部22は、図2に示したCPU101からの命令、及び図2に示した第2通信I/F112によって実現され、近距離通信手段であるBluetooth(登録商標)通信規格により情報提供装置30と無線で通信する。ブルートゥース送受信部22は、NFC規格の非接触通信方式であるNFC送受信部21と比較して大容量(最大24Mbps)でデータの送受信を行う。また、ブルートゥース送受信部22では、機器間の距離が10〜100m程度で利用することができ、NFC送受信部21の通信範囲と比較し通信範囲が拡大している。
【0067】
また、ブルートゥース送受信部22は、情報提供装置30との間でデータの送受信を行うのに際し、NFC送受信部21が情報提供装置30に送信した接続設定情報を用いて、情報提供装置30との間でブルートゥース通信を確立する。
【0068】
なお、本実施形態では、第2通信I/F112として、Bluetooth(登録商標)通信規格に準拠した通信I/Fを用いているが、これに限定されるものでなく、他の規格、例えば、IEEE802.11a/IEEE802.11b規格のWiFi(Wireless Fidelity)方式の通信I/Fを用いてもよい。この場合、データの送受信を担うIEEE802.11a/b/g/n規格のネットワークボードと、IEEE802.11a/b/g/nによる無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)とで、ブルートゥース送受信部22に相当するWiFi送受信部を構成すればよい。
【0069】
また、UWB(Ultra Wide Band)通信方式で機器間の距離が3m以内なら優先のUSB2.0と同等の480Mbpsでの通信が可能なWireless USB規格で無線通信を行うように構成することができる。この場合には、データの送受信を担うWireless USB規格のUSBデバイスと、UWB通信方式による無線通信の確立やデータの送受信を制御する通信制御部(通信制御プログラム)とで、ブルートゥース送受信部22に相当するWireless USB送受信部を構成すればよい。
【0070】
次に、情報提供装置30について説明する。情報提供装置30は、図4に示されているように、NFC送受信部31、ブルートゥース送受信部32、操作入力受付部33、表示制御部34、表示データ取得部35、表示データ通信部36及び記憶・読出処理部37を有している。これら各部は、図3に示されている各構成要素の何れかが、RAM303に展開された情報提供装置用プログラムに従ったCPU301からの命令によって動作することで実現される機能又は機能される手段である。また、情報提供装置30は、図3に示されているHDD305によって構築される記憶部38を有している。
【0071】
NFC送受信部31は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した第1通信I/F312によって実現され、NFC規格の非接触通信(以下、NFC通信という)により伝送端末10のNFC送受信部21と非接触で通信する。
【0072】
また、NFC送受信部31は、自己の情報提供装置30が伝送端末10のNFC送受信部21の通信圏内に接近すると、当該伝送端末10のNFC送受信部21との間でNFC通信を確立し、各種データ(情報)の送受信を行うようになっている。具体的に、NFC送受信部31は、伝送端末10のNFC送受信部21との間でNFC通信を確立すると、自己の装置の利用者により入力された認証情報を伝送端末10に送信したり、当該伝送端末10のNFC送受信部21が保持する接続設定情報を受信したりする。なお、本実施形態では、情報提供装置30の利用者により当該情報提供装置30に入力された認証情報を、通信先となる伝送端末10に返送することで、当該伝送端末10に認証情報の認証を実行させる。
【0073】
ブルートゥース送受信部32は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した第2通信I/F313によって実現され、伝送端末10のブルートゥース送受信部22との通信が確立した場合は、後述する表示データ取得部35が取得した表示データを伝送端末10に送信する。また、ブルートゥース送受信部32は、伝送端末10から表示データの共有状態を示す情報などを受信する。
【0074】
ここで、図7は、伝送端末10と情報提供装置30とを接続する無線通信の通信範囲を説明するための図である。同図において、2点鎖線で示す通信範囲A11がNFC規格での通信範囲、即ちNFC送受信部21及びNFC送受信部31との通信が可能な近接無線通信範囲を表している。また、破線で示す通信範囲A12が、Bluetooth(登録商標)通信規格での通信範囲、即ちブルートゥース送受信部22及びブルートゥース送受信部32との通信が可能な近距離無線通信範囲を示している。このように、通信範囲A12は通信範囲A11に比べて通信が可能な範囲が大きくなっており、より長距離での通信が可能となっている。
【0075】
上述したように、NFC送受信部21及びNFC送受信部31は、通信範囲A11内に入ると自動的にNFC通信を確立し認証情報や接続設定情報の授受を行う。この後、伝送端末10にて認証情報が受理されると、ブルートゥース送受信部22及びブルートゥース送受信部32は、先に交換された接続設定情報を用いてブルートゥース通信を確立する。
【0076】
このように、データの送受信が容易なNFC通信によって、伝送端末10と情報提供装置30との間のブルートゥース通信に必要な接続設定情報を交換する。また、情報提供装置30の利用者は、伝送端末10に情報提供装置30を近付けるだけで両装置のブルートゥース通信の確立に必要な情報を授受できる。これにより、特別な操作をすることなく通信相手である伝送端末10を特定でき、ブルートゥース通信が可能となるため利便性を向上させることができる。
【0077】
図4に戻り、操作入力受付部33は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した操作ボタン308、操作パネル309によって実現され、利用者の操作による入力を受け付ける。
【0078】
表示制御部34は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示したディスプレイ306によって実現され、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字又は画像等の各種情報をディスプレイ306に表示させる。
【0079】
表示データ取得部35は、図3に示したCPU301と、伝送端末10の記憶部23に記憶された表示データ取得プログラム233との協働によって実現され、表示制御部34がディスプレイ306に表示させる各種情報に関する表示データを取得するものである。
【0080】
表示データ通信部36は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示した第2通信I/F313によって実現され、表示データ取得部35が取得した表示データを、ブルートゥース送受信部32を介して伝送端末10に送信する。また、表示データ通信部36は、伝送端末10から状態の変化に応じて送信される各種情報を受信する。
【0081】
記憶・読出処理部37は、図3に示したCPU301からの命令、及び図3に示したHDD305によって実現され、記憶部38に各種データを記憶したり、記憶部38に記憶された各種データを読み出したりする処理を行う。この記憶部38には、会議中に共有させる資料等のデータ(以下、資料データという)や、この資料データを表示させるための各種プログラム(ワードプロセッサ、スプレッドシート、プレゼンテーション)等が予め記憶されている。
【0082】
次に、以上に述べた伝送システム1の伝送端末10のディスプレイ130に表示されるデータについて説明する。遠隔会議の場において、伝送端末10のディスプレイ130上に表示されるデータとしては、カメラ113により撮像された撮像データと、情報提供装置30から送信される表示データとが挙げられる。ここで、撮像データは、自己及び他の伝送端末10のカメラ113で撮像された画像データを意味する。また、表示データは、情報提供装置30のディスプレイ306に表示されている画面を表すものである。
【0083】
図8は、伝送端末10のディスプレイ130に表示された表示画面の一例を示す図である。同図では一の画面を4つの領域に区分けした例を示しており、画面左部から中央にかけての大領域(第1表示領域)を表示領域A21、画面右上部から右下部にかけての小領域(第2表示領域)をそれぞれ表示領域A22から表示領域A24としている。図8の画面構成の場合、例えば、表示領域A21には、会議の参加者がマイク115に向かって発話中の伝送端末10の撮像データが割り当てられる。以下、この処理について説明する。
【0084】
まず、各伝送端末10のCPU101では、音入力部15を介して入力された自己の伝送端末10の操作者の発話区間を検出し、この区間が検出されたときに、自己の伝送端末10の端末IDを、中継装置40を介して他の伝送端末10に向けて送信する。この端末IDを各伝送端末10が受信すると、各伝送端末10の表示制御部17は、図4に示した管理テーブル231を参照し、この端末IDに合致するデータ番号を特定する。そして、表示制御部17は、特定したデータ番号に対応付けられた端末IDの伝送端末10から受信した撮像データを、表示領域A21に割り当てて表示する。また、表示制御部17は、他のデータ番号に対応付けられた端末IDの伝送端末10から受信した撮像データを、表示領域A22から順に割り当てて表示する。これにより、現在発話中の伝送端末10の撮像データが、表示画面の中央に近い位置に配置され且つ他よりも大きく表示されるため、発話中の参加者の視認性を向上させるとともに強調して表示することができる。なお、表示領域A22〜表示領域A24へのデータ番号の割当順序は特に問わず、例えば、昇順又は降順にソートする形態としてもよい。
【0085】
また、情報提供装置30から表示データが送信された場合、表示制御部17は、図9に示すように、この表示データを表示領域A21に割り当てて表示するとともに、各伝送端末10の撮像データを表示領域A22から順に割り当てて表示する。これにより、表示データが表示画面の中央に近い位置に配置されて且つ他よりも大きく表示されるため、プレゼンテーション資料等の視認性を向上させるとともに強調して表示することができる。
【0086】
さらに、上記に述べた表示例を次のように変形させてもよい。情報提供装置30から表示データが送信されているときは、図10のように表示データを画面全体(表示領域A2)に割り当てることで、表示データを画面全体に表示させる。そして、利用者により伝送端末10の所定のボタン(例えばカーソルキー)が押下され、操作入力受付部12によりこの所定のボタンの入力が受け付けられると、表示制御部17は図8の画面に切り替える。以後、利用者が所定のボタンを押下する毎に図10→図8→…というように表示画面を交互に切り替える。この形態により、資料データを表示しているときでも、状況に応じて他の伝送端末10から送信された撮像データ、つまり他拠点の人物を確認することが可能となる。
【0087】
次に、図11〜図14を参照し、他の伝送端末10と接続状態にある伝送端末10に、情報提供装置30を接続する際の動作について説明する。
【0088】
まず、情報提供装置30では、操作入力受付部33により自己の装置の利用を開始する所定の操作が受け付けられると、表示制御部34は、図11に示すようなログイン画面をディスプレイ306に表示する。ここで、領域A31及び領域A32は、認証情報(利用者ID、パスワード)を入力するための領域である。なお、詳細な処理の流れは後述するが、この情報提供装置30と接続を行う伝送端末10の認証テーブル232に登録された認証情報が領域A31及び領域A32に入力されることで、当該情報提供装置30の表示データ取得部35の機能が利用できるよう構成されている。
【0089】
また、OKボタンB11は、領域A31及び領域A32に入力された認証情報を、情報提供装置30のCPU301(操作入力受付部33)に通知することを指示するためのボタンである。なお、クリアボタンB12は、領域A31及び領域A32に入力された認証情報のクリアを指示するためのボタンであり、クリアボタンB12が押下されると表示制御部34により、領域A31及び領域A32に入力された認証情報がクリアされる。
【0090】
情報提供装置30の利用者により、情報提供装置30の操作ボタン308や操作パネル309を介して領域A31及び領域A32に認証情報が入力され、その後、OKボタンB11が押下されると、操作入力受付部33は入力された認証情報を受け付ける。また、表示制御部34は、OKボタンB11の押下に応じ、図12に示すような、操作手順を案内するナビゲーション画面をディスプレイ306に表示する。なお、図12のナビゲーション画面では、情報提供装置30を伝送端末10に接触させること、即ち伝送端末10及び情報提供装置30間でのNFC通信の実行を促している。
【0091】
ナビゲーション画面に従い、利用者が情報提供装置30を伝送端末10に接触(近接)させると、情報提供装置30のNFC送受信部31(第1通信I/F312)と伝送端末10のNFC送受信部21(第1通信I/F111)との間でNFC通信が確立する。また、表示制御部34は、NFC通信の確立に伴い、図12の画面をディスプレイ306からクリアする。
【0092】
情報提供装置30のブルートゥース送受信部32は、NFC通信により得られた伝送端末10の接続設定情報を用いて当該伝送端末10のブルートゥース送受信部22と通信し、伝送端末10の記憶部23のマウント処理を行う。そして、情報提供装置30のCPU301は、記憶部23のマウントに成功すると、この記憶部23に記憶された表示データ取得プログラム233を実行することで、表示データ取得部35を実現する。以下、図13を参照して、伝送端末10の表示データ取得プログラム233が情報提供装置30により起動されるまでの処理の手順について説明する。
【0093】
図13は、伝送端末10の表示データ取得プログラム233が情報提供装置30により起動されるまでの処理の手順を説明するための図である。まず、情報提供装置30と伝送端末10との間でNFC通信が確立すると、情報提供装置30のNFC送受信部31は、操作入力受付部33により利用者からの入力を受け付けた上述の認証情報を、伝送端末10のNFC送受信部21に送信する(ステップS11)。
【0094】
一方、伝送端末10では、NFC送受信部21が認証情報を受信すると、外部情報判定部20が記憶部23に記憶された認証テーブル232を参照し、NFC送受信部21が受信した認証情報の認証(検証)を行う(ステップS12)。具体的に、伝送端末10の外部情報判定部20は、情報提供装置30から受信した認証情報に含まれる利用者IDが、認証テーブル232の利用者ID欄に存在し、この利用者ID欄と同行のパスワード欄に格納されたパスワードが、認証情報に含まれるパスワードに一致するか否かを判定する。NFC送受信部21は、一致すると判定した場合、伝送端末10のNFC送受信部21から情報提供装置30のNFC送受信部31へ、認証を受理したことを示すOK信号を送信する(ステップS13)。
【0095】
なお、外部情報判定部20による認証の結果、認証テーブル232に登録された利用者ID及びパスワードとの一致を確認することができなかった場合、NFC送受信部21は、伝送端末10のNFC送受信部21から情報提供装置30のNFC送受信部31へ、認証を棄却したことを示すNG信号を送信する。このNG信号を受信した情報提供装置30では、表示制御部34が図14に示すようなエラー画面を表示し、処理を終了する。
【0096】
情報提供装置30のNFC送受信部31は、伝送端末10のNFC送受信部21からOK信号を受信すると、このNFC送受信部21が保持する接続設定情報、つまりブルートゥース通信に必要な第2通信I/F112(ブルートゥース送受信部22)の接続設定情報を読み取る(ステップS14)。
【0097】
次いで、情報提供装置30のブルートゥース送受信部32は、ステップS14でNFC送受信部31が読み取った接続設定情報を用いて、Bluetooth(登録商標)通信のための接続設定を行う(ステップS15)。この接続設定に応じて、伝送端末10のブルートゥース送受信部22は、ブルートゥース送受信部32との接続を開始し、接続結果が成功であればOK信号をブルートゥース送受信部32に送信する。また、伝送端末10のブルートゥース送受信部22は、接続結果が失敗であればNG信号をブルートゥース送受信部32に送信する。
【0098】
情報提供装置30では、ブルートゥース送受信部32がBluetooth(登録商標)通信が可能な状態と判断すると、すなわちブルートゥース送受信部22からOK信号を受信すると、表示データ通信部36はブルートゥース送受信部32及びブルートゥース送受信部22を介して伝送端末10の記憶部23にアクセスし、当該記憶部23を情報提供装置30のファイルシステム上にマウントする(ステップS16)。なお、ブルートゥース送受信部22からの接続結果がNG信号であった場合、情報提供装置30の表示制御部34は、図14に示すようなエラー画面を表示し、処理を終了する。
【0099】
情報提供装置30の表示データ通信部36は、記憶部23のマウントが完了すると、当該記憶部23に記憶された表示データ取得プログラム233のファイルにアクセスし、この表示データ取得プログラム233を実行する(ステップS17)。表示データ取得プログラム233が実行されると、情報提供装置30側では表示データ取得部35としての機能が実現され、情報提供装置30の表示制御部34が表示する表示データを取得することが可能となる。
【0100】
なお、上記の例では図11のログイン画面に示したように、情報提供装置30の利用者に認証情報を手動で入力させる形態としたが、情報提供装置30の出荷時などの段階でNFC送受信部31が参照可能な記憶媒体に認証情報を予め記憶しておくことで、利用者が行う認証情報の入力を省略する形態としてもよい。この場合の手順は、上述のログイン画面の表示に係る処理を省略して処理を開始すればよい。
【0101】
以上のように、情報提供装置30と伝送端末10との接続時に認証を行い、この認証結果が棄却であった場合には、表示データ取得部35の機能が実現されないので、表示データが不用意に伝送端末10に送信されてしまうことを防止することができ、表示データが秘匿情報であった場合の漏洩を防止することができる。また、情報提供装置30と伝送端末10との接続が行われると、情報提供装置30の表示データ通信部36は、伝送端末10の記憶部23をマウントして表示データ取得プログラム233を実行するので、予め情報提供装置30に同プログラムをインストールする必要がなくなり、会議の準備に係る利用者の負担を軽減できる。また、情報提供装置30の記憶部38の容量を節約することもできる。
【0102】
次に、図15及び図16を参照して、情報提供装置30に表示されている表示データを伝送端末10に送信する際の処理について説明する。表示データ取得プログラム233の実行により情報提供装置30に実現された情報提供装置30の表示データ取得部35は、図15−1又は図15−2に示すように、表示データの送信開始を指示するための操作入力手段として、開始ボタンB31をディスプレイ306に表示する。ここで、図15−1、図15−2は、情報提供装置30のディスプレイ306に表示された表示画面を示す図であって、それぞれ異なる表示内容(表示データ)が表示された例を示している。
【0103】
表示データ取得部35は、操作入力受付部33を介して開始ボタンB31の押下を検出すると、ディスプレイ306に表示されている画面の表示データを取得し、表示データ通信部36を用いて伝送端末10に送信させる。なお、ディスプレイ306に表示された開始ボタンB31については、表示データに含めないことが好ましい。以下、情報提供装置30から表示データが送信される際の処理について説明する。
【0104】
図16は、情報提供装置30から表示データを送信する際の処理の手順を説明するための図である。なお、同図では説明が複雑になることを避けるため、情報提供装置30(30a、30c)及び伝送端末10(10aa、10ca)をそれぞれ2台とした例を示しているが、これに限らず3台以上としてもよい。また、本処理では、各伝送端末10で表示可能(共有可能)な情報提供装置30の表示データを一つに制限する場合について説明する。また、情報提供装置30a及び伝送端末10aa、情報提供装置30c及び伝送端末10caの各組で、ブルートゥース通信が確立されているものとする。
【0105】
また、各伝送端末10の外部情報判定部20は、中継装置40から通知される表示データの受信状態を保持するための受信フラグをRAM103等に記憶している。この受信フラグは、現在、情報提供装置30から表示データが送信中か否かを記憶するようになっており、表示データの受信の有無に応じてそれぞれtrue(送信あり)又はfalse(送信なし)を記憶する。なお、受信フラグの初期値はfalseである。
【0106】
以下、情報提供装置30aから表示データが送信される例について説明する。情報提供装置30aの操作入力受付部33が、上述した表示データの送信開始を指示する開始ボタン(開始ボタンB31等)の押下入力を受け付けると(ステップS21)、情報提供装置30aの表示データ取得部35は、表示データの送信開始を伝送端末10aaに通知する(ステップS22)。
【0107】
表示データの配信開始が通知された伝送端末10aaでは、外部情報判定部20が受信フラグの状態を確認し(ステップS23)、falseであると判定すると、中継装置40に表示データの配信開始を要求する指示情報(以下、配信開始要求という)を送信する(ステップS24)。
【0108】
なお、中継装置40は、上述した絞込部18の機能により選択された一の中継装置40が用いられるものとする。また、中継装置40への送信の際には、管理テーブル231に登録された他の伝送端末10の端末IDから特定したIPアドレスやドメイン名等のアドレスを、自己の伝送端末10のアドレスとともに送信することで、自己の伝送端末10と会議中にある全ての伝送端末10(自己の伝送端末10を含む)宛への転送を依頼する(以下、同様)。
【0109】
中継装置40では、伝送端末10aaから配信開始要求を受信すると、この配信開始要求を送信した伝送端末10aa及び当該伝送端末10aaと通信中にある他の伝送端末10宛に、表示データの配信開始を通知する配信開始イベントを通知する(ステップS25、S26)。また、伝送端末10aaでは、配信開始イベントを中継装置40から受信すると、外部情報判定部20は、表示データの送信開始を指示する情報(以下、送信可能情報という)を情報提供装置30aに送信する(ステップS27)。
【0110】
情報提供装置30aでは伝送端末10aaから送信可能情報を受信すると、表示データ通信部36は、伝送端末10aaを介して表示データ取得部35により取得された表示データを各伝送端末10に送信する(ステップS28)。この送信処理を詳しく説明すると以下のようになる。
【0111】
まず、情報提供装置30aの表示データ取得部35が、ディスプレイ306に表示されている画面を表示データとして取得する。次いで、表示データ通信部36は、表示データ取得部35が取得した表示データを、ブルートゥース送受信部32を介して伝送端末10aaに送信する。
【0112】
情報提供装置30aとブルートゥース通信により接続された伝送端末10aaでは、情報提供装置30aから表示データを受信すると、外部情報判定部20は、この表示データを、自己の伝送端末10aaの撮像部14や音入力部15で取得されたデータ(撮像データ等)とともに送受信部11に出力することで、通信ネットワーク2を介して中継装置40に送信する。
【0113】
そして、中継装置40は、伝送端末10aaから送信されたデータを各伝送端末10に向けて送信(配信)する。このとき、中継装置40が転送する情報提供装置30aの表示データを、送信元の伝送端末10aaに対しても送信が行われるようにする。また、伝送端末10aaの表示制御部17では、中継装置40に送信する前のデータを表示するのではなく、中継装置40を経由した後のデータを表示するようにする。同様に各伝送端末10のカメラ113で撮像された撮像データについても、一旦中継装置40に送信し、当該中継装置40から戻ってきた撮像データを表示するようにする。
【0114】
上記の処理を行うことで、表示データがどの情報提供装置30から送信されても、各伝送端末10で受信するまでの遅延時間がほぼ同じとなる。そのため、例えば、情報提供装置30aの利用者が当該情報提供装置30aにて資料のページ送り(次又は前ページの表示)を行ったときに、ほぼ同時期に各伝送端末10の表示内容が変更されるため、遠隔会議であっても円滑にコミュニケーションを図ることができる。また、撮像データについても同様であり、当該撮像データが各伝送端末10で表示されるまでの遅延時間を、全ての伝送端末10で略同等に揃えることができる。
【0115】
図16の処理の説明に戻る。情報提供装置30aでは、表示データ通信部36が表示データの送信を開始すると、表示データ取得部35は、ディスプレイ306に表示された配信開始を指示するための開始ボタンを、配信停止を指示するための停止ボタンに変更する(ステップS29)。ここで、図17−1、図17−2は、情報提供装置30のディスプレイ306に表示された表示画面を示す図であって、上述した図15−1、図15−2の画面にそれぞれ対応している。図17−1、図17−2において、停止ボタンB32は、表示データの配信停止を指示するためのボタンであり、表示データの送信に伴い、図15−1、図15−2に示した開始ボタンB31の表示から切り替えられたものである。なお、後述するように、停止ボタンB32の押下により、表示データの送信が停止されるよう構成されている。
【0116】
図16に戻り、表示データを受信した各伝送端末10では、外部情報判定部20が受信フラグをtrueにセットし(ステップS30、S31)、表示制御部17が表示データおよび撮像データの画面配置を再構成する(ステップS32、S33)。具体的には、図9で説明したように、情報提供装置30aから送信された表示データを表示領域A21に配置して表示し、各伝送端末10で撮像された撮像データを表示領域A22以降に順次配置して表示する。
【0117】
以上に述べたように、情報提供装置30のディスプレイ306に表示データの送信開始を指示する開始ボタンを配置(表示)することで、利用者は開始ボタンを押下する、という容易な操作で表示データを各伝送端末10に送信(配信)することが可能となる。また、表示データの送信状態に応じて開始ボタン/停止ボタンを切り替えることにより、表示データが配信されているか否かを容易に確認できるため、公開したくない情報を誤って送信してしまうという誤操作を防止することができる。
【0118】
次に、図18を参照し、情報提供装置30aの表示データを送信している状態から、情報提供装置30cの表示データの送信に切り替える際の処理例について説明する。ここで、図18は、表示データの送信元を切り替える際の処理の手順を説明するための図である。なお、図18に示す処理は上述した図16の処理の後、情報提供装置30cの開始ボタンB31が押下された例を示している。
【0119】
情報提供装置30cの操作入力受付部33では、利用者から開始ボタンB31の押下入力を受け付けると(ステップS41)、当該情報提供装置30cの表示データ取得部35は、表示データの配信開始を伝送端末10caに通知する(ステップS42)。
【0120】
表示データの配信開始が通知された伝送端末10caでは、外部情報判定部20が受信フラグの状態を確認し(ステップS43)、trueであると判定すると、中継装置40に表示データの配信停止を要求する指示情報(以下、配信停止要求という)を送信する(ステップS44)。
【0121】
中継装置40では、伝送端末10caから配信停止要求を受信すると、この配信停止要求を送信した伝送端末10ca及び当該伝送端末10caと通信中にある他の伝送端末10宛に、表示データの配信停止を通知する配信停止イベントを通知する(ステップS45、S46)。
【0122】
配信停止イベントを受信した各伝送端末10の外部情報判定部20では、自己の伝送端末10に接続された情報提供装置30宛に、表示データの送信停止を指示する情報(以下、送信停止情報という)を送信する(ステップS47、S48)。表示データを送信中の情報提供装置30aの表示データ取得部35では、この送信停止情報の受信に伴い、表示データの送信を停止することで、中継装置40による各伝送端末10への表示データの配信を停止させる(ステップS49)。
【0123】
また、各情報提供装置30の表示データ取得部35は、送信停止情報を受信すると、ディスプレイ306に表示されていた停止ボタンB32の表示を、表示データの送信開始を指示する開始ボタンB31に変更する(ステップS50、S51)。この処理により、図17−1等に示した情報提供装置30aの停止ボタンB32は、図15−1に示すように開始ボタンB31に変更される。なお、情報提供装置30cにおいても表示の変更は同様に行われるが、既に開始ボタンB31が表示されているため、情報提供装置30cの利用者からの見た目は変わらない。
【0124】
次いで、各伝送端末10の外部情報判定部20が、受信フラグをfalseにセットすると(ステップS52、S53)、表示制御部17は、ディスプレイ306の表示領域A21に表示していた表示データをクリアし、各伝送端末10の撮像データを表示領域A21以降に順次配置して表示することで、表示画面の再配置を行う(ステップS54、S55)。また、伝送端末10caの外部情報判定部20は、中継装置40に配信開始要求を送信する(ステップS56)。以降のステップS57〜S65では、図16で説明したステップS25〜S33と同様の処理が行われるため説明を省略する。
【0125】
これにより、情報提供装置30cの表示データが、各伝送端末10の表示画面の表示領域A21に配置され、他の画像データが表示領域A22以降に順次配置されることになる。また、他拠点の表示データが伝送端末10の画面に表示されていても、自拠点の利用者は情報提供装置30の開始ボタンを押下する、という容易な操作で自拠点の情報提供装置30に表示された表示データを各拠点の伝送端末10に送信し、自拠点側の表示データに画面を切り替えることが可能である。
【0126】
次に、図19を参照して、情報提供装置30から送信されている表示データを停止する際の処理例について説明する。ここで、図19は、表示データの送信を停止する際の処理の手順を説明するための図である。なお、図19に示す処理は上述した図18の処理の後、情報提供装置30cの停止ボタンB32が押下された例を示している。
【0127】
情報提供装置30cの操作入力受付部33では、利用者から停止ボタンB32の押下入力を受け付けると(ステップS71)、当該情報提供装置30cの表示データ取得部35は、表示データの配信停止を伝送端末10caに通知する(ステップS72)。以降のステップS73〜S85は、図18で説明したステップS43〜S55と同様の処理が行われるため説明を省略する。
【0128】
これにより、情報提供装置30cからの表示データの送信が停止され、各伝送端末10の表示画面には画像データのみが表示されるようになる。なお、各伝送端末10の表示画面のうち、表示領域A21には既に述べたように会話をしている拠点の画像データが配置される。このように、情報提供装置30の利用者は停止ボタンB32を押下する、という容易な操作で表示データの送信を停止することが可能になる。
【0129】
また、図16、図18及び図19に示した処理によれば、情報提供装置30の表示画面(表示データ)を各伝送端末10で共有する際に、情報提供装置30を所望の伝送端末10に近接させることで当該伝送端末10を経由して他の伝送端末10に表示データを配信することができるため、会議拠点毎にネットワークの接続手続きを行う必要がなくなり、表示データの共有を容易に行うことが可能となる。また、画面共有のために別のネットワーク基盤技術を用意する必要もないため、コストの増加を防ぐことができる。
【0130】
また、各伝送端末10から中継装置40へ配信の開始又は停止を要求することで、どの伝送端末10(情報提供装置30)が表示データを送信している状態にあるかということを中継装置40側で管理する必要がなくなる。これにより、情報提供装置30から送信する表示データを一つの拠点に制限する必要はあるものの、中継装置40の処理の負荷が小さくなり、より多くの伝送端末10に中継させることが可能となるため、スケーラビリティを向上することができる。
【0131】
なお、各情報提供装置30に表示される送信開始または停止を指示するGUIはボタン(開始ボタンB31、停止ボタンB32)に限定されるものではなく、メニューを表示して利用者に選択させるようにしてもよい。また、開始ボタンB31及び停止ボタンB32にラベルをつけて(例えば、開始ボタンB31には「画面共有を開始」、停止ボタンB32には「画面共有を終了」)、ボタン押下により発生する処理の内容を表示させるようにしてもよい。また、「画面共有できます」、「画面共有中です」というようなテキストデータをそれぞれ開始ボタンB31、停止ボタンB32と併せて表示させるようにしてもよい。
【0132】
以上、本発明に係る実施形態について説明したが、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲での種々の変更、置換、追加等が可能である。
【0133】
例えば、上記実施形態では、距離的に離れた場所間の遠隔会議の例を示したが、これに限らず、実際に距離的に離れている場合だけでなく、同じ建物内の会議室のように距離的に近い会議室の間、また、同じ部屋であっても肉声が聞こえないような場所間の遠隔会議に用いてもよい。すなわち遠隔会議とは直接対面して行う会議ではなく、伝送システムを介して行う会議を意味する。また、会議には一人対一人で行う打ち合せのような場合も含まれるものとする。
【0134】
また、上記実施形態では、伝送システム1によってテレビ会議をする場合について説明したが、これに限るものではなく、打ち合わせ、家族間や友人間等の一般的な会話、又は、一方向での情報の提示に使用されても構わない。
【符号の説明】
【0135】
1 伝送システム
2 通信ネットワーク
10 伝送端末
11 送受信部
12 操作入力受付部
13 ログイン要求部
14 撮像部
15 音入力部
16 音出力部
17 表示制御部
18 絞込部
19 記憶・読出処理部
20 外部情報判定部
21 NFC送受信部
22 ブルートゥース送受信部
23 記憶部
231 管理テーブル
232 認証テーブル
233 表示データ取得プログラム
30 情報提供装置
31 NFC送受信部
32 ブルートゥース送受信部
33 操作入力受付部
34 表示制御部
35 表示データ取得部
36 表示データ通信部
37 記憶・読出処理部
38 記憶部
40 中継装置
50 伝送管理システム
60 ルータ
70 プログラム提供システム
【先行技術文献】
【特許文献】
【0136】
【特許文献1】特開2006−018430号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、
所定の画像を表示する情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信手段と、
前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、
前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、
前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信手段と、
前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示する表示制御手段と、
を備えたことを特徴とする伝送端末。
【請求項2】
前記情報提供装置が前記近距離通信手段により確立された通信経路を介してアクセス可能な記憶領域を提供し、当該記憶領域に、前記情報提供装置に前記表示データの取得機能を実現させるための表示データ取得プログラムを記憶した記憶手段を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の伝送端末。
【請求項3】
前記表示データ送信手段は、前記表示データ受信手段が受信した表示データ及び/又は自己の伝送端末からの画像データを、前記通信ネットワークに接続された各伝送端末に中継する中継装置に向けて送信し、
前記表示制御手段は、前記中継装置から送信される表示データ及び/又は画像データを前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項1又は2に記載の伝送端末。
【請求項4】
前記表示データを前記中継装置から受信中か否かを判定する判定手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記判定手段の判定結果に応じて、前記表示装置に表示する前記表示データ又は前記画像データの配置を変更することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の伝送端末。
【請求項5】
前記表示制御手段は、前記判定手段が前記表示データを受信中と判定した場合に、前記表示装置の同一画面に含まれた第1表示領域に前記表示データを表示させるとともに、当該第1表示領域とは異なる前記同一画面に含まれた第2表示領域に前記画像データを表示させることを特徴とする請求項4に記載の伝送端末。
【請求項6】
前記判定手段が他の伝送端末から送信された表示データを受信中と判定した場合に、前記情報提供装置からの前記表示データの受信を停止させる停止手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記他の伝送端末から送信された表示データを前記第1表示領域に表示させることを特徴とする請求項5に記載の伝送端末。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記判定手段が表示データを受信していないと判定した場合に、前記ネットワーク通信手段が受信した特定の伝送端末を識別する端末情報に基づいて、当該端末情報に対応する伝送端末から送信された画像データを前記第1表示領域に表示させ、この伝送端末以外の伝送端末から送信された画像データを前記第2表示領域に表示させることを特徴とする請求項4に記載の伝送端末。
【請求項8】
前記第1表示領域は、前記第2表示領域の配置位置に比べて、表示画面の中央に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項5〜7の何れか一項に記載の伝送端末。
【請求項9】
前記表示制御手段は、前記判定手段が前記表示データを受信中と判定した場合に、前記表示装置の第1画面に前記表示データを表示させるとともに、当該第1画面とは異なる第2画面に前記画像データを表示させることを特徴とする請求項4に記載の伝送端末。
【請求項10】
前記判定手段が他の伝送端末から送信された表示データを受信中と判定した場合に、前記情報提供装置からの前記表示データの受信を停止させる停止手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記他の伝送端末から送信された表示データを前記第1画面に表示させることを特徴とする請求項9に記載の伝送端末。
【請求項11】
前記表示制御手段は、前記判定手段が前記表示データを受信していないと判定した場合に、前記第1画面を表示させずに、前記送受信手段が受信した特定の伝送端末を識別する端末情報に基づいて、当該端末情報に対応する伝送端末から送信された画像データを前記第2画面の第1表示領域に表示させ、この伝送端末以外の伝送端末から送信された画像データを前記第2画面の前記第1表示領域とは異なる第2表示領域に表示させることを特徴とする請求項10に記載の伝送端末。
【請求項12】
前記第2画面の前記第1表示領域は、前記第2表示領域の配置位置に比べて、表示画面の中央に近い位置に配置されていることを特徴とする請求項11に記載の伝送端末。
【請求項13】
利用者からの操作入力を受け付ける操作入力受付手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記操作入力受付手段から所定の操作入力を受け付けた場合に、前記第1画面と前記第2画面との表示を交互に切り替えることを特徴とする請求項9〜12の何れか一項に記載の伝送端末。
【請求項14】
前記近接通信手段は、前記接続設定情報を提供する前に、前記情報提供装置から認証情報を受信し、当該認証情報と予め定められた正規利用者の認証結果との認証結果を、前記情報提供装置に送信することを特徴とする請求項1〜13の何れか一項に記載の伝送端末。
【請求項15】
ネットワーク通信手段が、通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信工程と、
近接通信手段が、所定の画像を表示する情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信工程と、
近距離通信手段が、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信工程と、
表示データ受信手段が、前記近距離通信工程で確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表した表示データを受信する表示データ受信工程と、
表示データ送信手段が、前記表示データ受信工程で受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信工程と、
表示制御手段が、前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示させる表示制御工程と、
を含むことを特徴とする表示データ送信方法。
【請求項16】
コンピュータを、
通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で、画像データを含む所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、
所定の画像を表示する情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する近接通信手段と、
前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、
前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、
前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて前記他の伝送端末に送信する表示データ送信手段と、
前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示させる表示制御手段と、
して機能させるためのプログラム。
【請求項17】
伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を情報提供装置から受信する近接通信手段と、
前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記伝送端末との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、
表示装置に所定の画像を表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段が表示中の画像を表した表示データを取得する表示データ取得手段と、
前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記表示データ取得手段が取得した前記表示データを前記伝送端末に送信する表示データ送信手段と、
を備えたことを特徴とする情報提供装置。
【請求項18】
前記表示データ取得手段は、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介してアクセス可能な前記伝送端末の記憶領域に記憶された表示データ取得プログラムの実行により、実現されることを特徴とする請求項17に記載の情報提供装置。
【請求項19】
利用者から前記表示データの送信開始又は送信停止の指示を受け付ける操作入力手段を更に備え、
前記表示データ送信手段は、前記操作入力手段への操作入力に応じて、前記表示データの送信開始又は送信停止を行うことを特徴とする請求項17又は18に記載の情報提供装置。
【請求項20】
前記表示データ送信手段は、前記表示データの送信停止中に前記操作入力手段から送信開始が指示された場合に、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記伝送端末に前記表示データの送信開始を通知し、当該伝送端末から送信可能を通知する送信可能応答を受信すると、前記表示データの送信を開始することを特徴とする請求項19に記載の情報提供装置。
【請求項21】
前記表示データ送信手段は、前記表示データの送信中に前記操作入力手段から送信停止が指示された場合に、前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記伝送端末に前記表示データの送信停止を通知し、前記表示データの送信を停止することを特徴とする請求項19に記載の情報提供装置。
【請求項22】
前記表示データ送信手段は、前記表示データの送信中に前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記伝送端末から前記表示データの送信停止が指示された場合に、当該伝送端末に前記表示データの送信停止を通知し、前記表示データの送信を停止することを特徴とする請求項19に記載の情報提供装置。
【請求項23】
前記操作入力手段は、前記表示データの送信状態に応じて送信開始又は送信停止の指示を受け付ける状態に切り替えることを特徴とする請求項19〜22の何れか一項に記載の情報提供装置。
【請求項24】
前記近接通信手段は、前記接続設定情報を取得する前に、認証情報を前記情報提供装置に送信し、当該情報提供装置から送信される認証結果が受理を示す場合に、前記接続設定情報の取得を行うことを特徴とする請求項17〜23の何れか一項に記載の情報提供装置。
【請求項25】
近接通信手段が、伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を情報提供装置から受信する近接通信工程と、
近距離通信手段が、前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記伝送端末との間で無線通信を確立する近距離通信工程と、
表示制御手段が、表示装置に所定の画像を表示する表示制御工程と、
表示データ取得手段が、前記表示制御工程で表示中の画像を表した表示データを取得する表示データ取得工程と、
表示データ送信手段が、前記近距離通信工程で確立された通信経路を介して、前記表示データ取得工程で取得された前記表示データを前記伝送端末に送信する表示データ送信工程と、
を含むことを特徴とする表示データ送信方法。
【請求項26】
コンピュータを、
伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を情報提供装置から受信する近接通信手段と、
前記接続設定情報を用いて、前記近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記伝送端末との間で無線通信を確立する近距離通信手段と、
表示装置に所定の画像を表示する表示制御手段と、
前記表示制御手段が表示中の画像を表した表示データを取得する表示データ取得手段と、
前記近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記表示データ取得手段が取得した前記表示データを前記伝送端末に送信する表示データ送信手段と、
として機能させるためのプログラム。
【請求項27】
画像データを含む所定のデータの送受信を行う通信ネットワークに接続された複数の伝送端末と、所定の画像を表示する情報提供装置とを有した伝送システムであって、
前記伝送端末の各々は、前記通信ネットワークに接続された他の伝送端末との間で前記所定のデータの送受信を行うネットワーク通信手段と、
前記情報提供装置の接近に伴い、当該情報提供装置との間で近接通信を確立し、当該近接通信の通信方式よりも長距離での通信が可能な通信方式の通信確立に必要な接続設定情報を前記情報提供装置に送信する第1近接通信手段と、
前記接続設定情報を用いて、前記第1近接通信手段よりも長距離での通信が可能な通信方式により、前記情報提供装置との間で無線通信を確立する第1近距離通信手段と、
前記第1近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記情報提供装置で表示中の画面を表す表示データを受信する表示データ受信手段と、
前記表示データ受信手段が受信した前記表示データを、前記ネットワーク通信手段を用いて他の伝送端末に送信する第1表示データ送信手段と、
前記画像データ及び/又は前記表示データを表示装置に表示する第1表示制御手段と、
を備え、
前記情報提供装置は、
通信対象となる一の伝送端末の接近に伴い、当該伝送端末の前記第1近接通信手段との間で近接通信を確立し、前記接続設定情報を受信する第2近接通信手段と、
前記第2近接通信手段が受信した接続設定情報を用いて、前記第1近距離通信手段との間で無線通信を確立する第2近距離通信手段と、
表示装置に所定の画像を表示する第2表示制御手段と、
前記第2表示制御手段が表示中の画面を表した表示データを取得する表示データ取得手段と、
前記第2近距離通信手段により確立された通信経路を介して、前記表示データ取得手段が取得した表示データを送信する第2表示データ送信手段と、
を備えたことを特徴とする伝送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15−1】
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【図15−2】
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【図16】
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【図17−1】
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【図17−2】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−85269(P2012−85269A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157166(P2011−157166)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】