説明

伝送速度制御方法及び無線基地局

【課題】EUL方式の移動通信システムにおいて、移動局UEによって送信されるE-DPDCHの送信電力が急激に大きくなることから起因する不具合を解消する。
【解決手段】本発明に係る伝送速度制御方法は、無線基地局NodeBが、移動局UEから通知されたHappyビットに応じて移動局UEに対して通知可能な最大許可値を決定する工程と、無線基地局NodeBが、移動局UEに対して通知する許容値として最大許可値以下の許可値を算出する工程と、無線基地局NodeBが、移動局UEに対して、算出した許可値を伝送速度制御チャネルを用いて通知する工程と、移動局UEが、通知された許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータを送信する工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、無線基地局が、移動局によって送信される上りユーザデータの伝送速度を制御する伝送速度制御方法及び無線基地局に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動通信システムでは、無線制御装置が、個別チャネルを設定する際に、無線基地局の無線リソースや、上りリンクにおける干渉量や、移動局の送信電力や、移動局の送信処理性能や、上位のアプリケーションが必要とする伝送速度等を鑑みて、上りユーザデータの伝送速度を決定し、移動局及び無線基地局のそれぞれに対して、レイヤ3(Radio Resource Control layer)のメッセージとして通知するように構成されている。
【0003】
ここで、無線制御装置は、無線基地局の上位に存在し、無線基地局及び移動局を制御する装置である。
【0004】
一方、音声通話やTV通話と比べて、データ通信は、トラフィックがバースト的に発生することが多く、本来は、高速に、上りユーザデータの伝送速度の変更ができることが望ましい。
【0005】
しかしながら、図8に示すように、従来の移動通信システムでは、無線制御装置が、通常、多くの無線基地局を統括して制御しているため、処理負荷及び処理遅延が増加することが想定されることから、高速に(例えば、1〜100ms程度で)上りユーザデータの伝送速度の変更を行うことは困難であるという問題点があった。
【0006】
或いは、従来の移動通信システムにおいて、高速に上りユーザデータの伝送速度の変更を行うことができたとしても、装置の実装コストやネットワークの運用コストが大幅に高くなるという問題点があった。
【0007】
したがって、数100msから数秒オーダーで、上りユーザデータの伝送速度の変更を行うのが通例である。
【0008】
従来の移動通信システムにおいて、バースト的に発生する上りユーザデータを伝送する場合(図9(a)参照)、図9(b)に示すように、高遅延及び低伝送効率を許容して低速で当該上りユーザデータを伝送するか、又は、図9(c)に示すように、高速な上りユーザデータ伝送用の無線リソースを確保し、空き時間の無線帯域リソース及び無線基地局におけるハードウエアリソースが無駄になることを許容して当該上りユーザデータを伝送することとなる。
【0009】
ここで、図9(b)及び図9(c)の縦軸に示す「無線リソース」は、上述の無線帯域リソースやハードウエアリソースの両方を示す。以下、無線帯域リソースやハードウエアリソースを総称して「無線リソース」と表現する。
【0010】
そこで、上りユーザデータ伝送用の無線リソースを有効に利用するために、第3世代移動通信システムの国際標準化団体である「3GPP」及び「3GPP2」において、無線基地局と移動局との間のレイヤ1及びMACサブレイヤにおける高速な上りユーザデータ送信用の無線リソースの制御方法が検討されている。
【0011】
以下、上述の高速な上りユーザデータ送信用の無線リソース(すなわち、上りユーザデータの伝送速度)の制御方法についての検討を「上り回線エンハンスメント(EUL:Enhanced Uplink)」と表現する。
【0012】
以下、「上り回線エンハンスメント」の中で検討されてきた上りユーザデータ送信用の無線リソース(すなわち、上りユーザデータの伝送速度)の制御方法の一例について説明する。
【0013】
かかる制御方法では、無線基地局NodeBは、所定タイミング(TTI:Transmission Time Interval、送信時間間隔)で、各移動局UEに対して、上りユーザデータ用の無線リソースを割り当てるように構成されている。
【0014】
そして、無線基地局NodeBは、各移動局UEに対して割り当てた当該無線リソースに対応するSG(Scheduled Grant)を示すAG(Absolute Grant)を、E-AGCH(Enhanced-Absolute Grant Channel:絶対速度制御チャネル)を用いて通知するように構成されている。
【0015】
また、無線基地局NodeBは、各移動局UEに対して割り当てた当該無線リソースに対応するSGの変化(UP/DOWN/HOLD)を示すRG(Relative Grant)を、E-RGCH(Enhanced-Relative Grant Channel:相対速度制御チャネル)を用いて通知するように構成されている。
【0016】
具体的には、図10に示すように、無線基地局NodeBは、各移動局UE1乃至UE3に割り当てた無線リソースに対応するSGを、E-AGCH或いはE-RGCHを介して、AG(許可値)或いはRG(UP/DOWN/HOLD)によって各移動局UE1乃至UE3に通知するように構成されている。
【0017】
なお、無線基地局NodeBは、各TTI(サブフレーム)において、E-DPDCH(Enhanced-Dedicated Physical Data Channel)を介して上りユーザデータの送信を許可する移動局UEに対してのみ、AG或いはRGを通知するように構成されている。
【0018】
ここで、AG或いはRGを通知されなかった移動局UE1乃至UE3は、現在のSGを引き継ぐように構成されている。なお、一般的な移動通信システムでは、移動局UE1乃至UE3に割り当てられたSGは、数10ms乃至数100msの期間、同じ値となることが多い。
【特許文献1】特開2007-274322号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
しかしながら、上述のような「EUL」方式が適用されている移動通信システムにおいて、図11を参照して、移動局UE3について、サブフレーム#2において、送信すべき上りユーザデータの送信が終了し、サブフレーム#3/#4において、無線基地局NodeBによって割り当てられている無線リソースが使用されず、その後、サブフレーム#5において、再度、送信すべき上りユーザデータが発生した場合、サブフレーム#4からサブフレーム#5に切り替わる際に、移動局UEによって送信されるE-DPDCHの送信電力が急激に大きくなるため、無線基地局NodeBにおける受信特性に劣化が生じ、また、無線基地局NodeBにおいて測定されている全受信電力(RTWP:Received Total Wideband Power)の分散が大きくなり、測定誤差が大きくなるという問題点があった。
【0020】
また、サブフレーム#3/#4で移動局UE3用に確保した無線リソースが過剰であり、移動局UE1及びUE2で当該無線リソースを使用することができず無駄になるという問題点があった。
【0021】
そこで、本発明は、上述の課題に鑑みてなされたものであり、「EUL」方式が適用されている移動通信システムにおいて、移動局UEによって送信されるE-DPDCHの送信電力が急激に大きくなることから起因する不具合を解消することができる伝送速度制御方法及び無線基地局を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明は、過剰な無線リソースの確保を低減し、適切に無線リソースを確保することで、無線リソースを有効に利用することができる伝送速度制御方法及び無線基地局を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の第1の特徴は、無線基地局が、移動局によって送信される上りユーザデータの伝送速度を制御する伝送速度制御方法であって、前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定したHappyビットを通知する工程Aと、前記無線基地局が、前記移動局から通知された前記Happyビットに応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定する工程Bと、前記無線基地局が、前記移動局に対して通知する許容値として、前記最大許可値以下の許可値を算出する工程Cと、前記無線基地局が、前記移動局に対して、算出した前記最大許可値以下の許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知する工程Dと、前記移動局が、通知された前記許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信する工程Eとを有することを要旨とする。
【0024】
本発明の第1の特徴において、前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定してもよい。
【0025】
本発明の第1の特徴において、前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定したHappyビットを通知してもよい。
【0026】
本発明の第1の特徴において、前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許可値を決定してもよい。
【0027】
本発明の第1の特徴において、前記無線基地局は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定してもよい。
【0028】
本発明の第2の特徴は、無線基地局が、移動局によって送信される上りユーザデータの伝送速度を制御する伝送速度制御方法であって、前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定したHappyビットを通知する工程Aと、前記無線基地局が、前記移動局から通知された前記Happyビットに応じて、該移動局に対して通知している現在の許可値に対する最大許容増加幅を決定する工程Bと、前記無線基地局が、前記現在の許可値を前記最大許容増加幅以下の増加幅だけ増加させることによって、前記移動局に対して通知する許容値を算出する工程Cと、前記無線基地局が、前記移動局に対して、算出した前記許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知する工程Dと、前記移動局が、通知された前記許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信する工程Eとを有することを要旨とする。
【0029】
本発明の第2の特徴において、前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許容増加幅を決定してもよい。
【0030】
本発明の第2の特徴において、前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定したHappyビットを通知してもよい。
【0031】
本発明の第2の特徴において、前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許容増加幅を決定してもよい。
【0032】
本発明の第2の特徴において、前記無線基地局は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定してもよい。
【0033】
本発明の第3の特徴は、移動局が、無線基地局によって通知された許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信するように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局であって、前記移動局から通知されたHappyビットに応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定し、該移動局に対して通知する許容値として、該最大許可値以下の許可値を算出するように構成されている許可値決定部と、前記移動局に対して、算出した前記許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知するように構成されている許可値通知部とを具備し、前記Happyビットは、前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定して通知するものであることを要旨とする。
【0034】
本発明の第3の特徴において、前記許可値決定部は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定するように構成されていてもよい。
【0035】
本発明の第3の特徴において、前記Happyビットは、前記移動局が、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定して通知するものであってもよい。
【0036】
本発明の第3の特徴において、前記許可値決定部は、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許可値を決定するように構成されていてもよい。
【0037】
本発明の第3の特徴において、前記許可値決定部は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定してもよい。
【0038】
本発明の第4の特徴は、移動局が、無線基地局によって通知された許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信するように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局であって、前記移動局から通知されたHappyビットに応じて、該移動局に対して通知している現在の許可値に対する最大許容増加幅を決定し、該現在の許可値を該最大許容増加幅以下の増加幅だけ増加させることによって、該移動局に対して通知する許容値を算出するように構成されている許可値決定部と、前記移動局に対して、算出した前記許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知するように構成されている許可値通知部とを具備し、前記Happyビットは、前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定して通知するものであることを要旨とする。
【0039】
本発明の第4の特徴において、前記許可値決定部は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許容増加幅を決定するように構成されていてもよい。
【0040】
本発明の第4の特徴において、前記Happyビットは、前記移動局が、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定して通知するものであってもよい。
【0041】
本発明の第4の特徴において、前記許可値決定部は、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許容増加幅を決定するように構成されていてもよい。
【0042】
本発明の第4の特徴において、前記許可値決定部は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定してもよい。
【発明の効果】
【0043】
以上説明したように、本発明によれば、「EUL」方式が適用されている移動通信システムにおいて、移動局UEによって送信されるE-DPDCHの送信電力が急激に大きくなることから起因する不具合を解消することができる伝送速度制御方法及び無線基地局を提供することができる。
【0044】
また、本発明によれば、過剰な無線リソースの確保を低減し、適切に無線リソースを確保することで、無線リソースを有効に利用することができる伝送速度制御方法及び無線基地局を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成)
図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの構成について説明する。
【0046】
本実施形態に係る移動通信システムでは、各移動局UEが、無線基地局NodeBによってE-AGCHを介して通知されたAG(許可値)に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信するように構成されている。
【0047】
図1に示すように、本実施形態に係る無線基地局NodeBは、Happyビット受信部11と、監視タイマ12と、AG決定部13と、AG通知部14とを具備している。
【0048】
Happyビット受信部11は、移動局UEから通知されたHappyビットを受信するように構成されている。
【0049】
ここで、移動局UEは、所定タイミングにおいて(具体的には、E-DCH(Enhanced-Dedicated Channel)送信時に)、E-DPCCH(Enhanced-Dedicated Physical Control Channel)上で、Happyビットを送信するように構成されている。
【0050】
また、移動局UEは、無線基地局NodeBによって通知されている現在の許可値(AG)に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、無線基地局NodeBに対して、「happy:1(第1の値)」を設定したHappyビットを通知するように構成されている。
【0051】
また、移動局UEは、無線基地局NodeBによって通知されている現在の許可値(AG)に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、かかる現在の許可値(AG)に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、無線基地局NodeBに対して、「unhappy:0(第2の値)」を設定したHappyビットを通知するように構成されていてもよい。
【0052】
例えば、移動局UEは、3GPP規格のTS25.321 V7.0.0の111.8.1.5に規定されている条件を満たした場合に、「unhappy:0(第2の値)」を設定したHappyビットを通知するように構成されていてもよい。
【0053】
また、移動局UEは、3GPP規格のTS25.321 V7.0.0の111.8.1.5に規定されている条件を満たしていない場合に、「happy:1(第1の値)」を設定したHappyビットを通知するように構成されていてもよい。
【0054】
監視タイマ12は、移動局UEに対して割り当てている現在の許可値(AG)を増加させた際に起動して所定期間経過後に満了するタイマである。監視タイマ12は、移動局UE毎に個別のタイマであってもよいし、複数の移動局UEで共通のタイマであってもよい。
【0055】
AG決定部13は、移動局UEから通知されたHappyビットに応じて、かかる移動局UEに対して通知可能な「AGの最大値(最大許可値)」を決定し、かかる移動局UEに対して通知するAGとして、「AGの最大値(最大許可値)」以下のAG(許可値)を算出するように構成されている。
【0056】
具体的には、AG決定部13は、所定期間内における移動局UEから通知されたHappyビットの平均値に応じて、かかる移動局UEに対して通知可能な「AGの最大値(最大許可値)」を決定するように構成されていてもよい。
【0057】
ここで、Happyビットの平均値の最大値は「1」であり、Happyビットの平均値の最小値は「0」である。
【0058】
例えば、AG決定部13は、図2に示すテーブルを管理しており、かかるテーブル参照して、所定期間内における移動局UEから通知されたHappyビットの平均値に対応する「AGの最大値」を、かかる移動局UEに対して通知可能なAGの最大値(最大許可値)とする。
【0059】
そして、AG決定部13は、空き無線リソース等を考慮して、かかる移動局UEに対して通知可能なAG(X)を決定し、決定したAG(X)と当該AGの最大値(Y)との間の小さい方を、当該移動局UEに対して通知するAGとして算出する。
【0060】
また、AG決定部13は、移動局UEに対して割り当てている現在のAG(許可値)よりも大きいAG(許可値)を通知するように決定した場合に、AGの最大値(最大許可値)を決定するように構成されていてもよい。
【0061】
さらに、AG決定部13は、監視タイマ12が満了しない限り、移動局UEに対して通知している現在のAG(許可値)よりも大きいAG(許可値)を通知しないように決定してもよい。
【0062】
AG通知部14は、移動局UEに対して、算出したAG(許可値)を、E-AGCH(伝送速度制御チャネル)を用いて通知するように構成されている。
【0063】
具体的には、AG通知部14は、図3に示す「Index」と「AG」とを関連付けるテーブル(TS25.212 V7.0.0に規定されているTable 16B)に基づいて、移動局UEに対して通知するAG(許可値)として算出された「AG」に対応する「Index」を含むE-AGCHを、当該移動局UEに対して送信するように構成されている。
【0064】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの動作)
図4を参照して、本発明の第1の実施形態に係る無線基地局NodeBの動作について説明する。
【0065】
図4に示すように、ステップS101において、無線基地局NodeBは、空き無線リソース等を考慮して、特定の移動局UEに対して、現在通知しているAGよりも大きなAGを通知することができるか否かについて判定する。
【0066】
ステップS101における判定結果が否定的(NO)である場合、ステップS107において、当該移動局UEのSGを、現状のSGよりも大きくせず、当該移動局UEに対して、現在通知しているAGよりも大きなAGを通知しない。
【0067】
ステップS101における判定結果が肯定的(YES)である場合、ステップS102において、無線基地局NodeBは、監視タイマ12(当該移動局用監視タイマ或いは共通監視タイマ)が満了しているか否かについて判定する。
【0068】
ステップS102における判定結果が否定的(NO)である場合、ステップS107において、当該移動局UEのSGを、現状のSGよりも大きくせず、当該移動局UEに対して、現在通知しているAGよりも大きなAGを通知しない。
【0069】
ステップS102における判定結果が肯定的(YES)である場合、ステップS103において、無線基地局NodeBは、移動局UEから通知されたHappyビットの所定期間における平均値に応じて、当該移動局UEに対して通知可能なAGの最大値(Y)を決定する。
【0070】
ステップS104において、無線基地局NodeBは、ステップS101で決定されたAG(X)と、ステップS103で決定されたAGの最大値(Y)とを比較する。
【0071】
AG(X)がAGの最大値(Y)よりも大きい場合、ステップS105において、無線基地局NodeBは、当該移動局UEに対して、E-AGCHを介して、AGの最大値(Y)を通知する。
【0072】
一方、AG(X)がAGの最大値(Y)よりも大きくない場合、ステップS106において、無線基地局NodeBは、当該移動局UEに対して、E-AGCHを介して、AG(X)を通知する。
【0073】
(本発明の第1の実施形態に係る移動通信システムの作用・効果)
本実施形態に係る移動通信システムによれば、「EUL」方式が適用されている移動通信システムにおいて、移動局UEによって送信されるE-DPDCHの送信電力が急激に大きくなるという事態を回避することができ、かかる事態から起因する不具合を解消することができる。
【0074】
また、本実施形態に係る移動通信システムによれば、過剰な無線リソースの確保を低減し、適切に無線リソースを確保することで、無線リソースを有効に利用することができる。
【0075】
(本発明の第2の実施形態に係る移動通信システム)
図5乃至図7を参照して、本発明の第2の実施形態に係る移動通信システムについて説明する。以下、本実施形態に係る移動通信システムについて、上述の第1の実施形態に係る移動通信システムとの相違点を主として説明する。
【0076】
本実施形態において、AG決定部13は、移動局UEから通知されたHappyビットに応じて、当該移動局UEに対して通知している現在の許可値(AG)に対する最大許容増加幅(AGの最大許容増加幅)を決定し、当該現在の許可値(AG)を当該AGの最大許容増加幅以下の増加幅だけ増加させることによって、当該移動局UEに対して通知する許容値を算出するように構成されている
ここで、AG決定部13は、AG決定部13は、移動局UEから通知されたHappyビットの平均値に応じて、当該移動局UEに対して通知している現在の許可値(AG)に対する最大許容増加幅(AGの最大許容増加幅)を決定するように構成されていてもよい。
【0077】
具体的には、AG決定部13は、図5に示すように、移動局UEから通知されたHappyビットの所定期間における平均値(「Happyビットの平均値」)に対応する「AGの最大許容増加幅」を、当該移動局UEに対して通知している現在のAG(許可値)に対する最大許容増加幅(AGの最大許容増加幅)とする。
【0078】
なお、「AGの最大増加幅」は、図3に示すテーブルにおける「AG」の差分(例えば「(5/15)」)として規定されていてもよいし、図3に示すテーブルにおける「Index」の差分(例えば「1」)として規定されていてもよい。
【0079】
そして、AG決定部13は、空き無線リソース等を考慮して、かかる移動局UEに対して通知可能なAG(X)を決定し、決定したAG(X)と、現在のAG(許可値)を当該AGの最大許容増加幅以下の増加幅だけ増加させることによって算出されたAG(Y)との間の小さい方を、当該移動局UEに対して通知するAGとして算出する。
【0080】
ここで、AG決定部13は、図3に示すテーブルにおける「AG」のうち、上述のAGの最大許容増加幅だけ現在のAG(許可値)を増加させた値以下で最大のAGを、上述のAG(Y)とするように構成されている。
【0081】
例えば、図3において、上述のAGの最大許容増加幅だけ現在のAG(許可値)を増加させた値が「(100/15)」である場合、AG(Y)は「(95/15)」となる。
【0082】
また、図3及び図5の例では、最大許容増加幅(AGの最大許容増加幅)が「AG」の差分として規定されており、現在のAGが「(11/15)」であり、Happyビットの平均値が「1」である場合には、上述のAGの最大許容増加幅だけ現在のAG(許可値)を増加させた値は「(18.6…(=√(11+15))/15)」となり、AG(Y)は「(15/15)」となる。
【0083】
一方、図3及び図5の例では、最大許容増加幅(AGの最大許容増加幅)が「Index」の差分として規定されており、現在のAGが「(11/15)」であり、Happyビットの平均値が「1」である場合には、上述のAGの最大許容増加幅だけ現在のAG(許可値)を増加させた値及びAG(Y)は「(15/15)」となる。
【0084】
なお、AG決定部13は、図6に示すように、「Happyビットの平均値」が「1」及び「0.9」に対応する「AGの最大許容増加幅」を「0」と設定することによって、Happyビットの平均値が所定閾値(図6の例では「0.8」)よりも大きい場合、かかる移動局UEに対して、現在のAG(許可値)よりも大きいAG(許可値)を通知しないように決定してもよい。
【0085】
また、AG決定部13は、移動局UEに対して割り当てている現在のAG(許可値)よりも大きいAG(許可値)を通知するように決定した場合に、AGの最大許容増加幅を決定するように構成されていてもよい。
【0086】
次に、図7を参照して、本実施形態に係る無線基地局NodeBの動作について説明する。
【0087】
図7に示すように、ステップS201において、無線基地局NodeBは、空き無線リソース等を考慮して、特定の移動局UEに対して、現在通知しているAGよりも大きなAGを通知することができるか否かについて判定する。
【0088】
ステップS201における判定結果が否定的(NO)である場合、ステップS207において、当該移動局UEのSGを、現状のSGよりも大きくせず、当該移動局UEに対して、現在通知しているAGよりも大きなAGを通知しない。
【0089】
ステップS201における判定結果が肯定的(YES)である場合、ステップS202において、無線基地局NodeBは、監視タイマ12(当該移動局用監視タイマ或いは共通監視タイマ)が満了しているか否かについて判定する。
【0090】
ステップS202における判定結果が否定的(NO)である場合、ステップS207において、当該移動局UEのSGを、現状のSGよりも大きくせず、当該移動局UEに対して、現在通知しているAGよりも大きなAGを通知しない。
【0091】
ステップS202における判定結果が肯定的(YES)である場合、ステップS203において、無線基地局NodeBは、当該移動局UEから通知されたHappyビットの所定期間における平均値に応じて、当該移動局UEに対して通知している現在のAGに対する最大許容増加幅を決定する。
【0092】
ステップS204において、無線基地局NodeBは、ステップS201で決定されたAG(X)と、ステップS203で決定されたAGの最大許容増加幅だけ現在のAGを増加させることによって算出したAG(Y)とを比較する。
【0093】
AG(X)がAG(Y)よりも大きい場合、ステップS205において、無線基地局NodeBは、当該移動局UEに対して、E-AGCHを介して、AG(Y)を通知する。
【0094】
一方、AG(X)がAG(Y)よりも大きくない場合、ステップS206において、無線基地局NodeBは、当該移動局UEに対して、E-AGCHを介して、AG(X)を通知する。
【0095】
なお、上述の移動局UE及び無線基地局NodeBの動作は、ハードウェアによって実施されてもよいし、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュールによって実施されてもよいし、両者の組み合わせによって実施されてもよい。
【0096】
ここで、ソフトウェアモジュールは、例えば、レイヤ構造で階層化されたプロトコルスタックであってもよい。また、プロセッサは、例えば、チップセットとしてハードウェア化されたもので、プロトコルスタックを実行するものであってもよい。
【0097】
また、ソフトウェアモジュールは、RAM(Random Access Memory)や、フラッシュメモリや、ROM(Read Only Memory)や、EPROM(Erasable Programmable ROM)や、EEPROM(Electronically Erasable and Programmable ROM)や、レジスタや、ハードディスクや、リムーバブルディスクや、CD-ROMといった任意形式の記憶媒体内に設けられていてもよい。
【0098】
かかる記憶媒体は、プロセッサが当該記憶媒体に情報を読み書きできるように、当該プロセッサに接続されている。また、かかる記憶媒体は、プロセッサに集積されていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ASIC内に設けられていてもよい。かかるASICは、移動局UE及び無線基地局eNB内に設けられていてもよい。また、かかる記憶媒体及びプロセッサは、ディスクリートコンポーネントとして移動局UE及び無線基地局eNB内に設けられていてもよい。
【0099】
以上、上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。従って、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0100】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の記憶部に記憶されている「Happyビットの平均値」と「AGの最大値」との対応関係の一例を示す図である。
【図3】3GPP TS25.212 V7.0.0に規定されている「AG」と「Index」との対応関係の一例を示す図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る無線基地局の動作を示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る無線基地局の記憶部に記憶されている「Happyビットの平均値」と「AGの最大許容増加幅」との対応関係の一例を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る無線基地局の記憶部に記憶されている「Happyビットの平均値」と「AGの最大許容増加幅」との対応関係の一例を示す図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る無線基地局の動作を示すフローチャートである。
【図8】一般的な移動通信システムの全体構成図である。
【図9】従来技術に係る移動通信システムにおける上りリンクの伝送速度制御方法を説明するための図である。
【図10】従来技術に係る移動通信システムにおける上りリンクの伝送速度制御方法を説明するための図である。
【図11】従来技術に係る移動通信システムにおける上りリンクの伝送速度制御方法を説明するための図である。
【符号の説明】
【0101】
NodeB…無線基地局
11…Happyビット受信部
12…監視タイマ
13…AG決定部
14…AG通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線基地局が、移動局によって送信される上りユーザデータの伝送速度を制御する伝送速度制御方法であって、
前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定したHappyビットを通知する工程Aと、
前記無線基地局が、前記移動局から通知された前記Happyビットに応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定する工程Bと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して通知する許容値として、前記最大許可値以下の許可値を算出する工程Cと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、算出した前記最大許可値以下の許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知する工程Dと、
前記移動局が、通知された前記許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信する工程Eとを有することを特徴とする伝送速度制御方法。
【請求項2】
前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定することを特徴とする請求項1に記載の伝送速度制御方法。
【請求項3】
前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定したHappyビットを通知することを特徴とする請求項1に記載の伝送速度制御方法。
【請求項4】
前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許可値を決定することを特徴とする請求項1に記載の伝送速度制御方法。
【請求項5】
前記無線基地局は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定することを特徴とする請求項4に記載の伝送速度制御方法。
【請求項6】
無線基地局が、移動局によって送信される上りユーザデータの伝送速度を制御する伝送速度制御方法であって、
前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定したHappyビットを通知する工程Aと、
前記無線基地局が、前記移動局から通知された前記Happyビットに応じて、該移動局に対して通知している現在の許可値に対する最大許容増加幅を決定する工程Bと、
前記無線基地局が、前記現在の許可値を前記最大許容増加幅以下の増加幅だけ増加させることによって、前記移動局に対して通知する許容値を算出する工程Cと、
前記無線基地局が、前記移動局に対して、算出した前記許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知する工程Dと、
前記移動局が、通知された前記許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信する工程Eとを有することを特徴とする伝送速度制御方法。
【請求項7】
前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許容増加幅を決定することを特徴とする請求項6に記載の伝送速度制御方法。
【請求項8】
前記工程Aにおいて、前記移動局は、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定したHappyビットを通知することを特徴とする請求項6に記載の伝送速度制御方法。
【請求項9】
前記工程Bにおいて、前記無線基地局は、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許容増加幅を決定することを特徴とする請求項6に記載の伝送速度制御方法。
【請求項10】
前記無線基地局は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して、前記現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定することを特徴とする請求項9に記載の伝送速度制御方法。
【請求項11】
移動局が、無線基地局によって通知された許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信するように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局であって、
前記移動局から通知されたHappyビットに応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定し、該移動局に対して通知する許容値として、該最大許可値以下の許可値を算出するように構成されている許可値決定部と、
前記移動局に対して、算出した前記許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知するように構成されている許可値通知部とを具備し、
前記Happyビットは、前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定して通知するものであることを特徴とする無線基地局。
【請求項12】
前記許可値決定部は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許可値を決定するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の無線基地局。
【請求項13】
前記Happyビットは、前記移動局が、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定して通知するものであることを特徴とする請求項12に記載の無線基地局。
【請求項14】
前記許可値決定部は、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許可値を決定するように構成されていることを特徴とする請求項11に記載の無線基地局。
【請求項15】
前記許可値決定部は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定することを特徴とする請求項11に記載の無線基地局。
【請求項16】
移動局が、無線基地局によって通知された許可値に対応する伝送速度で、上りユーザデータを送信するように構成されている移動通信システムで用いられる無線基地局であって、
前記移動局から通知されたHappyビットに応じて、該移動局に対して通知している現在の許可値に対する最大許容増加幅を決定し、該現在の許可値を該最大許容増加幅以下の増加幅だけ増加させることによって、該移動局に対して通知する許容値を算出するように構成されている許可値決定部と、
前記移動局に対して、算出した前記許可値を、伝送速度制御チャネルを用いて通知するように構成されている許可値通知部とを具備し、
前記Happyビットは、前記移動局が、所定タイミングにおいて、前記無線基地局によって通知されている現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すれば、送信バッファ内における全ての上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えないと判断した場合に、該無線基地局に対して、第1の値を設定して通知するものであることを特徴とする無線基地局。
【請求項17】
前記許可値決定部は、所定期間内における前記移動局から通知された前記Happyビットの平均値に応じて、該移動局に対して通知可能な最大許容増加幅を決定するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の無線基地局。
【請求項18】
前記Happyビットは、前記移動局が、前記所定タイミングにおいて、前記現在の許可値に対応する伝送速度で上りユーザデータの送信を継続すると、前記送信バッファ内における上りユーザデータの滞留時間が所定時間を越えると判断した場合で、かつ、該現在の許可値に対応する伝送速度以上の伝送速度による上りユーザデータの送信を行うことができると判断した場合に、前記無線基地局に対して、第2の値を設定して通知するものであることを特徴とする請求項16に記載の無線基地局。
【請求項19】
前記許可値決定部は、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知するように決定した場合に、前記最大許容増加幅を決定するように構成されていることを特徴とする請求項16に記載の無線基地局。
【請求項20】
前記許可値決定部は、監視タイマが満了しない限り、前記移動局に対して通知している現在の許可値よりも大きい許可値を通知しないように決定することを特徴とする請求項16に記載の無線基地局。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−177496(P2009−177496A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−14027(P2008−14027)
【出願日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】