説明

伸縮装置用の連結装置

第1管状要素と延伸部材とを備える伸縮装置であって、延伸部材は第1管状要素内の少なくとも、第1管状要素が第1連結手段を備え、延伸部材が第2連結手段を備える、延伸部材が第1管状要素内で移動可能である第1軸方向位置と、少なくとも1つの長手方向における延伸部材の移動を制限するために、第1及び第2連結手段が互いに協働する第2軸方向位置との間に軸方向に移動可能に配置されており、第1管状要素及び/又は延伸部材の長手方向軸線の半径方向の少なくとも1つの突出部が、第1及び/又は第2連結手段に設けられる、伸縮装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮装置及びこの伸縮装置を延伸状態で連結するための連結装置に関する。詳しくは、本発明は、伸縮式カテーテル及び伸縮装置を使用準備位置に連結するための連結装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間欠的カテーテルの使用は、自由に排尿できない人々にとってほとんど一般的なものになっている。そのような使用者、典型的に対麻痺及び四肢麻痺のような麻痺した人々は、間欠的カテーテルを使用することにより、どこでもカテーテル挿入をできるので、より自由に動き回ることができ、活動的な生活を送れるようになる。
【0003】
しかし、使用者が外出して社会生活を送るためには、そのような製品を目立たずかつ簡単に持ち歩けることが重要である。したがって、ハンドバッグやポケットに入れて持ち歩くことができるコンパクトなカテーテルの必要性が増大している。
【0004】
このような必要性を満たすために、Coloplast A/Sによって製造されたSpeediCath(登録商標)のような製品がある。しかし、この製品は女性の使用者を対象としたものである。男性の使用者は、より長い尿管を有するため、男性用製品としての他の要求及び要件が満たされなければならない。
【0005】
これらに関する問題と解決方法の多くが国際公開第2006/045809号パンフレットに記載されており、この文献には、個々のセクションの間に移行部を有する拡張可能なカテーテルが開示され、このカテーテルにより膀胱内への移行部の挿入が可能である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、本明細書に説明するように、なお代わりのかつ改良された解決方法の必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の開示は、第1管状要素と延伸部材とを備える伸縮装置であって、延伸部材は第1管状要素内の少なくとも、第1管状要素が第1連結手段を備え、延伸部材が第2連結手段を備える、延伸部材が第1管状要素内で移動可能である第1軸方向位置と、少なくとも1つの長手方向における延伸部材の移動を制限するために、第1及び第2連結手段が互いに協働する第2軸方向位置との間に軸方向に移動可能に配置されており、第1管状要素及び/又は延伸部材の長手方向軸線の半径方向の少なくとも1つの突出部が、第1及び/又は第2連結手段に設けられる、伸縮装置に関する。
【0008】
本発明の伸縮装置は、尿道カテーテル、特に尿を人間の膀胱から排出するために使用可能な間欠的尿道カテーテルでもよい。伸縮装置は、2つの要素、第1管状要素と延伸部材とから少なくとも構成され、この場合、延伸部材は、延伸部材又は第1管状要素の長手方向軸線によって画定される方向に可動であるように配置される。伸縮装置の保管中、輸送中又は他の非使用の間、装置を、装置の長さが最小となる非延伸位置に維持することが可能である。
【0009】
間欠的カテーテルのような伸縮装置の使用者が、伸縮装置をその延伸位置で使用することを可能にするために、第1管状要素の第1連結手段及び延伸部材の第2連結手段が互いに接触し、かつ延伸部材がその延伸位置に維持されるように互いに係合するように、延伸部材は操作される。これによって、使用者は、伸縮装置を尿管に及び膀胱に導入して、膀胱から尿を排出することが可能である。
【0010】
伸縮装置が延伸位置のようなその第2軸方向位置にあるとき、第1及び/又は第2連結手段は、突出部の間の相互作用により、伸縮装置がその収縮又は第1軸方向位置に操作されることが防止されるように、突出部の少なくとも一部が互いに接触しているように配置される。
【0011】
本発明の文脈内において、半径方向という用語は、中心から外側に又は円周から内側に至る半径の方向に行われる何らかのことを意味する。
【0012】
本発明の一実施形態では、第1連結手段の少なくとも1つの突出部は、第1管状要素の内側表面を少なくとも1回転延伸し得る。このことは、第1管状要素をその長手方向軸線に沿って観測したとき、突出部が設けられる領域で内径が小さくなることを意味する。
【0013】
上述の突出部は、延伸部材のような要素の特定の領域の管状要素の外径を大きくするために、及び/又は第1管状要素のような特定の領域の管状要素の内径を小さくするために使用してもよい。このことは、第2連結手段の突出部の少なくともある部分が、伸縮式要素がその第2軸方向位置にあるときに第1連結手段の突出部と協働することを意味する。
【0014】
本発明の一実施形態では、第1連結手段を第1管状要素の内表面に配置することが可能である。
【0015】
本発明の意味において、内部という用語が、第1管状要素の外部に面すると解釈できない第1管状要素の任意の部分を意味できることを理解されたい。内部という用語は、管状要素の内側表面、管状要素の内側における任意の形状の溝又は突起あるいは管状要素の外部又は外側に面していない、例えば、第一管状要素又は延伸部材の長手中心軸線に対し内側に向かって面する任意の表面領域を含み得る。
【0016】
第1連結手段を第1管状要素の内表面に配置することによって、尿管の繊細な粘液組織を損傷するか又は傷つける危険を最小にするために、尿管に挿入されるように意図し得る第1管状要素の外側表面を滑らかに保つことが可能であり、かつ凹部、突出部又は変形がない。
【0017】
比較的に、本発明の一実施形態では、第2連結手段は、延伸部材の外側表面が第1管状要素の内表面に係合するように、延伸部材の外側表面に配置してもよい。このことは、第1及び/又は第2連結手段の両方が内部の第1管状要素内にあるので、伸縮装置がその延伸位置に配置されている状態で、連結手段のいずれも伸縮装置の外側からアクセスできないことを意味する。
【0018】
伸縮装置が、第1管状要素の長さと延伸部材の長さとの合計に近いように画定し得る長さに延伸され得ることを保証するために、第1連結手段を第1管状要素の近位端に設けてもよく、第2連結手段を延伸部材の遠位端に設けてもよい。
【0019】
本発明の意味において、近位という用語は、伸縮装置を人の尿管に挿入する間の人体のように、基準点のより近くに位置する部分を意味する。同様に、遠位という用語は、上述のような人体のように、基準点から遠くに位置する部分を意味する。第1連結手段及び第2連結手段を第1管状要素の近位端に、また延伸部材の遠位端にそれぞれ配置することによって、第1管状要素の長さに延伸部材の長さを加えた長さに近い長さに、伸縮装置を延伸させることが可能である。一例として、第1管状要素の長さが10cmであり、延伸部材の長さが10cmである場合、伸縮装置の長さは短縮した状態で約10cmであり、一方、延伸した状態の長さは20cmの近くにあり得る。第1管状要素又は延伸部材の長さの変更は、本発明の開示に基づき当業者の裁量内にあることを認識し得る。
【0020】
本発明の一実施形態では、第1連結手段は、第1管状要素の内表面に配置された螺旋状突出部として設けてもよい。螺旋状突出部は、突出部が延伸部材の第2連結手段用の停止手段として使用され得るように第1管状要素の内径を小さくし、延伸位置に配置された後に延伸部材が第1管状要素内に滑動することを防止する。このことは、任意の力が伸縮装置の長手方向に延伸部材の近位端に加えられ、延伸部材はその延伸位置を維持するように敏感であることを意味する。
【0021】
第1管状要素の内表面の螺旋状又は非螺旋状の突出部は、突出部が比較的剛性であり得るように配置してもよい。このことは、延伸部材がその延伸位置に操作されるとき、半径方向又は長手方向の突出部の変形が、第1管状要素の材料に伝達されて、第1管状要素を変形させ得るので、突出部は弾性的に変形しなくても又は永続的に変形しなくてもよいことを意味する。
【0022】
延伸部材をその延伸位置に操作する間に、第1管状要素が変形され得る危険性を最小にするために、第2連結手段は、半径方向に延伸する突出部を備えることが可能であり、突出部は、非荷重状態で、延伸部材の直径よりも大きいことが可能な第1直径を有することが可能である。
【0023】
本発明の文脈内において、非荷重という用語は、第1又は第2連結手段の突出部のように、外力がわずかしか又はまったく要素に適用されない場合を意味する。外力は、半径方向に、すなわち、長手方向軸線に向かって又はそれから離れて適用される力として定義し得る力である。荷重という用語は、要素に対し外力の適用がある場合を意味し、この場合、外力は上述のように定義される。
【0024】
このことは、半径方向の突出部を備えていない延伸部材の部分が、延伸部材をその延伸位置に操作する間に第1連結手段に力を適用しなくてもよいことを意味する。しかし、第2連結手段が第1連結手段と相互作用するとき、半径方向の任意の力を第2連結手段の突出部によって加えてもよい。したがって、第2連結手段は、延伸部材が第1管状要素内に滑動することを防止し、伸縮装置の挿入中にその延伸状態を維持するために必要な力を提供してもよい。
【0025】
本発明の一実施形態では、第2連結手段は、半径方向に延伸する突出部を備えることが可能であり、突出部は、荷重状態で、第2連結手段の第1直径よりも小さいことが可能な第2直径を有することが可能である。このことは、任意の半径方向の力が第2連結手段の突出部に適用されるとき、突出部の直径を第1直径からより小さな第2直径に小さくし得ることを意味する。したがって、第2連結手段が、第1連結手段のように第1管状要素の収縮部に直面するとき、第2連結手段の直径は小さくなり、第2連結手段が、その荷重及び非荷重状態でその直径を維持するであろう剛性の突出部を有する場合よりも容易に、収縮部を通過することが可能である。
【0026】
第2連結手段が第1管状要素の収縮部を通過した後、第2連結手段の突出部に外力がわずかしか又はまったく適用されず、第2連結手段の突出部の直径は、その第2直径からその第1直径に戻ることが可能である。このことは、第2連結手段が、尿管のような身体開口部への伸縮装置の挿入中に、延伸部材がその延伸状態から操作されることを防止し得ることを意味する。
【0027】
本発明の一実施形態では、第2連結手段の半径方向の前記突出部は、非荷重状態の第1直径と、第1直径よりも小さな荷重状態の第2直径との間に弾性的に配置し得る。第1直径と第2直径との間に突出部を弾性的に配置することによって、半径方向の力が突出部又は第2連結部材に適用されない場合、突出部はその元の第1直径に戻る。
【0028】
本発明の開示はまた、伸縮装置を製造する方法であって、挿入可能な少なくとも1つのカテーテル先端を有する延伸部材と、内部導管と第2連結手段とを有するカテーテル本体部とを設けるステップと、延伸部材を第1管状要素の内側に移動可能に位置決めすることを可能にするサイズの内部導管を有する第1管状要素を画定するように形成された成形型内に、流体カテーテル材料を射出するステップであって、延伸部材の第2連結手段と協働するために成形された第1連結手段が、第1管状要素に設けられるステップと、材料を成形型内で固化するステップと、を含む方法に関する。
【0029】
第1管状要素用の成形型は、第1管状要素の外側形状と構造を画定するための内部形状と構造を有する長方形の中空管状部分でもよい。成形材料が固化した後、延伸部材は、内部導管に挿入することが可能であり、この場合、延伸部材は、第1管状要素から延伸部材を延伸させることによって伸縮部分として設けてもよい。
【0030】
一実施形態では、第1管状要素は、第1管状要素の内部導管と第1連結手段とを画定する成形部材の周りに成形してもよい。このことは、成形型の内部形状を使用して形状に成形される外表面に加えて、第1管状要素及び第1連結手段の内表面又は内側が成形部材によって形成されることを意味する。このように、第1管状要素の形状、構造及びサイズは、成形型及び成形部材によって定義し得る。
【0031】
一実施形態では、第1連結手段は、第1管状要素の内表面の半径方向に螺旋状突出部を画定するように成形し得る。螺旋状突出部の形状、構造及びサイズは、通常、内部成形部材を使用して定義することが可能であり、一方、当業者には、本発明の方法の修正を使用して突出部を達成し得ることが明らかであり得る。
【0032】
本発明の他の実施形態では、第1管状要素は、除去中に成形材料を変形させることなく成形型から除去することが可能である。このことは、成形型及び成形要素のいずれも圧痕又は構造を成形材料に残さないように、第1管状要素を成形することによって達成することが可能であり、これには、第1管状要素を成形型又は成形要素から除去するとき、伸長、圧縮又は曲げによって成形材料の変形が必要である。
【0033】
本発明の一実施形態では、第1管状要素は、第1連結手段から成形部材を解放する第1管状要素の長手方向軸線の周りの円形運動により、第1管状要素を操作することによって成形型から除去することが可能である。このことは、第1連結手段が螺旋状構造又はねじ山として設けられる場合、特に有利である。したがって、円形運動により、固定ボルトからナットを回して外すことと同様に、第1管状要素を成形部材から回して外すことが可能である。
【0034】
本発明の一実施形態では、第1管状要素は、第1連結手段から成形部材を解放する長手方向軸線の周りの円形運動により、成形部材を操作することによって成形型から除去することが可能である。このことは、第1連結手段が螺旋状構造又はねじ山として設けられる場合、特に有利である。したがって、成形部材の円形運動により、固定ナットからボルトを回して外すことと同様に、成形部材を第1管状部材から回して外すことが可能である。
【0035】
次の実施例を参照して、本発明についてさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】伸縮装置が第1軸方向位置にある本発明による伸縮装置の側断面図である。
【図2】伸縮装置が第2軸方向位置にある伸縮装置の側断面図である。
【図3】第1管状部材の近位端の側断面図である。
【図4】第2軸方向位置における第1管状部材の近位端及び伸縮装置の延伸部材の遠位端の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1は、延伸部材2と第1管状部材3とを有する伸縮式尿道カテーテル1の断面図を示しており、この場合、延伸部材2は、第1管状部材3内に移動可能に配置される。このことは、延伸部材2を長手方向軸線Aに沿った方向に自由に操作し得ることを意味する。患者の膀胱に挿入される延伸部材2は、尿が第1管状部材3の内部管腔5を介して膀胱からまた伸縮式カテーテルから流れることを可能にする内部管腔4を有する。尿道カテーテル1の使用中、尿は、長手方向軸線Aに対し平行のカテーテル1内の経路に沿って流れる。
【0038】
第1管状部材3は、第1管状部材3の内表面7に第1連結手段8a、8bを備えている。第1連結手段8a、8bは、内表面7から長手方向軸線Aに向かう半径方向の突出部として形成される。突出部8a、8bは、第1管状部材の内表面7に沿った閉鎖円として連続的であるように形成することが可能であり、突出部は、特定の領域の第1管状部材3の内部管腔5の直径を小さくする。
【0039】
延伸部材2は、少なくとも2つの別個の機能を有する連結部材9を備えてもよい。第1の機能は、延伸部材3がカテーテル1の延伸状態に操作されるときに、延伸部材2が第1管状部材2から滑動して出ることを防止することである。このことは、遠位隆起10の直径が遠位隆起11よりも大きく、したがって、第1管状部材3の近位端12から延伸部材3が出ることを防止するように、第1管状部材3の遠位隆起11と協働する連結部材の近位隆起10を使用して達成し得る。
【0040】
連結部材9の第2の機能は、延伸部材2がカテーテル1の延伸位置1内に延伸された後、延伸部材2が第1管状部材3内に滑動して戻ることを防止することであり得る。連結部材は、長手方向軸線から外側の半径方向の突出部として設けることが可能な第2連結手段14a、14bを備えてもよい。第2連結手段14a、14bは、第1管状部材3の内径と同様又は同一のサイズである第1直径を有することが可能であり、また第2連結手段14a、14bがカテーテル1の延伸中に第1連結手段8a、8bを通過して操作されるとき、第2連結手段14a、14bの直径は、第1連結手段8a、8bから加えられる半径方向力の下で、カテーテルを延伸させるために長手方向に加えられる力を最小にし得るように、第1連結手段8a、8bの内径よりも小さな第2直径に小さくすることが可能である。
【0041】
第2連結手段14a、14bの第1直径から第1直径よりも小さな第2直径への移行は、第2連結手段14a、14bが第1直径から第2直径に弾性的に移動することによって達成し得る。連結手段の遠位端の圧縮性を高めるカットアウト15を連結部材の側面に配置することによって、弾性を提供することが可能である。材料の選択、連結部材の寸法及び構造が遠位端の圧縮性に影響を及ぼし、材料の適切な選択が当業者の当業者の裁量内にあることを理解すべきである。
【0042】
連結部材9は延伸部材の一体部分として、延伸部材2と連結部材9とを共に成形するか、あるいはこの実施形態のように連結部材9を別個の部分として設けてもよく、別個の部分は、延伸部材2の内部管腔4に挿入されかつ延伸部材の内側表面6に永続的に取り付けられるネック領域13を有する。
【0043】
第1連結手段8及び第2連結手段14は、片側でテーパーしていてもよく、また第1連結手段8が第2連結手段と接触するときにテーパー面が互いに接触しているように、反対側に鋭いエッジを有する。連結部材がそのロック位置にあるとき、鋭いエッジは互いに接触しており、長手方向軸線Aに沿った遠位方向の連結部材の移動を防止する。第1管状部材3の遠位端12は、延伸部材2の外径及び第1管状部材3の外径からの移行を容易にするためにテーパー状16であることが可能であり、カテーテル1の挿入中の尿管の壁部を損なうか又は傷つける可能性がある鋭いエッジが存在しないようにする。
【0044】
図2は、連結部材9の遠位隆起10が第1管状部材3の遠位隆起11と接触している伸長位置のカテーテル1を示しており、これによって、第1管状部材3の近位端12から延伸部材が延伸されることが防止される。第2連結手段14a、14bは、第1連結手段8の近位に配置され、第1連結手段8a、8bにより、長手方向軸線Aに沿った遠位方向に延伸部材2が操作されることが防止される。このことは、延伸部材2がその伸長位置でロックされることを意味し、カテーテル1は、伸縮式カテーテル1の収縮の危険を冒すことなく、使用者の尿管に挿入することが可能である。
【0045】
延伸部材2及び/又は第1管状部材は、ポリウレタン、PVC(ポリビニールクロライド)のようなむしろ軟質の材料又は同様の可撓性材料から製造することが可能であり、遠位セクションは、例えば、ポリウレタン、ポリオレフィン、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン、PC(ポリカーボネイト)、PET(ポリエステル、ポリエチレンフタレート)、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)及び/又はMABS(メチルメタクリレートアクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)のような硬質材料から製造することが可能である。理解できるように、第1管状要素3及び延伸部材2の両方のために、ある材料、例えばポリウレタンを使用することができるが、異なる硬度を使用することができる。
【0046】
連結部材9は、典型的に、カットアウト15によって獲得される意図する弾性移動以外の近位部分の変形を防止するために、比較的剛性の材料から形成される。このような材料は数多くあり、異なる多くのプラスチック、しかし同様にアルミニウム、鋼、真鍮等から選択することができる。連結部材9を延伸部材2に取り付けるか又は溶接できるために、ポリウレタン、例えば上述のようなDesmopanを使用してもよい。他のプラスチック材料は、例えばポリプロピレンのようなポリオレフィン、ポリエチレン、EVA(ポリエチレンビニールアセテートコポリマ)、ABS MABS、Kraton、PET、PC、PCTG(コポリエステル/ポリカーボネイト)混合物、HIPS(高衝撃ポリスチレン)、PA(ポリアミド)、SAN(スチレン−アクリロニトリル)、PS(ポリスチレン)及びSEBS(スチレン−エチレン/ボシレン−スチレン)でもよい。
【0047】
図3は、第2連結手段が螺旋状構造17の形状である第1管状部材3の近位端12の断面図を示している。螺旋状構造は、原理的に、ナットの内側ねじ山と同様に、第1管状部材の内側表面6の周りを螺旋状に巻く単一の半径方向突出部18である。突出部の完全な回転数は、カテーテルの製造者及び/又は設計者の好みに応じて、単一の回転から最大5回転であり得る。螺旋状構造としての第2連結手段を有することによって、第1管状要素の内側に成形部材を有する第1管状要素を成形することが容易であり、この場合、成形部材は、第1管状要素から部材を回して外すことによって、成形材料から除去することが可能である。
【0048】
第2連結手段の螺旋状構造17は、螺旋状構造17の形、形状及びサイズが、延伸部材2をその延伸位置に維持するための要件を満たすように、製造業者又は生産者の好みに調整してもよい。さらに、螺旋ねじを成形するために使用される成形部材は、満たされたときに第1管状部材3の螺旋状突出部を提供する凹部を備えている。成形部材の凹部は、螺旋状構造に沿って連続的でよく、また成形部材又は管状部材を解放するために、成形部材及び第1管状部材が回転されるとき、螺旋状構造が成形部材の凹部を解放するまで、第1管状部材又は成形部材に障害がなく、かつ螺旋状構造が凹部に従うように、開放端でもよい。
【0049】
図4は、第2連結手段17が螺旋状構造である図3の第1管状部材を有する尿道カテーテル1の中央領域の断面図を示している。この実施形態では、連結部材20の第1連結手段19は、第1連結手段19が第2連結手段17の輪郭に少なくとも1回転従うように傾斜している。第1連結手段19は、第2連結手段17にねじ込むことが可能であるか、あるいは連結部材20は、図1と図2に図示したように、第1直径から第2直径に弾性的に移動し、再び戻ることが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管状要素と、延伸部材とを備える伸縮装置であって、前記延伸部材は前記第1管状要素内の少なくとも、
−前記第1管状要素が第1連結手段を備え、前記延伸部材が第2連結手段を備える、前記延伸部材が前記第1管状要素内で移動可能である第1軸方向位置と、
−少なくとも1つの長手方向における前記延伸部材の移動を制限するために、前記第1及び第2連結手段が互いに協働する第2軸方向位置と
の間に軸方向に移動可能に配置されており、
−前記第1管状要素及び/又は前記延伸部材の長手方向軸線の半径方向の少なくとも1つの突出部が、前記第1及び/又は前記第2連結手段に設けられる、伸縮装置。
【請求項2】
前記第1連結手段の前記少なくとも1つの突出部が、前記第1管状要素の内側表面で少なくとも1回転延伸する、請求項1に記載の伸縮装置。
【請求項3】
前記第1連結手段が、前記第1管状要素の内表面に配置される、請求項1又は2に記載の伸縮装置。
【請求項4】
前記第2連結手段が、前記延伸部材の外側表面に配置される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の伸縮装置。
【請求項5】
前記第1連結手段が、前記第1管状要素の近位端に設けられ、前記第2連結手段が、前記延伸部材の遠位端に設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の伸縮装置。
【請求項6】
前記第1連結手段が、前記管状要素の内表面に配置された螺旋状突出部として設けられる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の伸縮装置。
【請求項7】
前記第2連結手段が、半径方向に延伸する突出部を備える、前記突出部が、非荷重状態で、前記延伸部材の直径よりも大きな第1直径を有する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の伸縮装置。
【請求項8】
前記第2連結手段が、半径方向に延伸する突出部を備え、前記突出部が、荷重状態で、前記第2連結手段の前記第1直径よりも小さな第2直径を有する、請求項7に記載の伸縮装置。
【請求項9】
前記第2連結手段の半径方向の前記突出部が、第1直径と、前記第1直径よりも小さな第2直径との間に弾性的に配置される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の伸縮装置。
【請求項10】
伸縮装置を製造する方法であって、
−挿入可能な少なくとも1つのカテーテル先端を有する延伸部材と、内部導管と第2連結手段とを有するカテーテル本体部とを設けるステップと、
−前記延伸部材を前記第1管状要素の内側に移動可能に位置決めすることを可能にするサイズの内部導管を有する第1管状要素を画定するように形成された成形型内に、流体カテーテル材料を射出するステップであって、前記延伸部材の前記第2連結手段と協働するために成形された第1連結手段が、前記第1管状要素に設けられるステップと、
−前記材料を成形型内で固化するステップと、
を含む方法。
【請求項11】
前記第1管状要素が、前記第1管状要素の内部導管と前記第1連結手段とを画定する成形部材の周りに成形される、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1連結手段が、前記第1管状要素の内表面の半径方向に螺旋状突出部を画定するように成形される、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1管状要素が、除去中に成形材料を変形させることなく前記成形型から除去される、請求項10〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
前記第1管状要素が、前記第1連結手段から前記成形部材を解放する前記第1管状要素の長手方向軸線の周りの円形運動により、前記第1管状要素を操作することによって前記成形型から除去される、請求項10〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
前記第1管状要素が、前記第1連結手段から前記成形部材を解放する長手方向軸線の周りの円形運動により、前記成形部材を操作することによって前記成形型から除去される、請求項10〜14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2012−508602(P2012−508602A)
【公表日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535878(P2011−535878)
【出願日】平成21年11月10日(2009.11.10)
【国際出願番号】PCT/DK2009/050295
【国際公開番号】WO2010/054659
【国際公開日】平成22年5月20日(2010.5.20)
【出願人】(500085884)コロプラスト アクティーゼルスカブ (153)
【Fターム(参考)】