説明

位置情報付加方法、位置情報付加装置

【課題】画像データの特徴情報を抽出して特徴情報が一致する画像データの位置情報をサーバから取得し表示するシステムにおいて、特徴情報が少ない画像データに対しては位置情報を取得できない。
【解決手段】第1の画像データから特徴情報を抽出するステップと、抽出された特徴情報が第2の画像データの特徴情報と近似する第2の画像データの位置情報及び近似値を受信し、近似値が所定の閾値よりも小さい場合、第1の画像データを時系列に並べ、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データの前後に存在する近似値が所定の閾値よりも大きい画像データの位置情報に基づき、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出するステップと、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルカメラや携帯電話等で撮影された画像データに対して該画像データが撮影された場所の位置情報を付加する方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年GPS(Global Positioning System)ユニット搭載機器の増加により、デジタルカメラや携帯電話などで画像データを記録する際に、撮影場所の位置情報(緯度・経度など)を同時に記録する機器が増加してきている。画像データに位置情報が付加されることでユーザの操作性が向上できる(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2007−226555号公報
【特許文献2】特開2003−331288号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来のシステムでは撮影された場所の位置情報は、デジタルカメラや携帯電話等で画像データが撮影され、その画像データをデジタルカメラや携帯電話等の記録媒体に記録する際に付加されることを想定しており、過去に記録した画像データに対して該画像データが撮影された場所の位置情報を付加することは考慮されていない。また、画像データの特徴情報を抽出して特徴情報が一致する画像データの位置情報をサーバから取得し表示するシステムも提案されている(例えば、特許文献2)が、このシステムでは特徴情報の無い画像データに対しては位置情報を取得できない上、取得した位置情報で画像データを更新することもしない。
【0005】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、撮影された場所の位置情報が付加されていない画像データに対して、該画像データの特徴情報が少ない場合であっても、該画像データが撮影された場所の位置情報を算出して付加する方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記従来の課題を解決するために、本発明の位置情報付加方法は、撮影された時刻情報を有する第1の画像データから特徴情報を抽出するステップと、前記第1の画像データと特徴情報が一致又は近似する第2の画像データの位置情報及び、前記第1の画像データと前記第2の画像データとの近似値を受信するステップと、前記近似値が閾値よりも大きい場合、前記第1の画像データに前記第2の画像データの位置情報を付加し、又は前記第1の画像データが保持する位置情報を維持し、前記近似値が閾値よりも小さい場合、前記第1の画像データを時系列に並べ、前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの位置情報に基づき、前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出するステップと、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の位置情報付加方法、位置情報付加装置によれば、撮影された場所の位置情報が付加されていない画像データに対して、該画像データの特徴情報が少ない場合であっても、該画像データが撮影された場所の位置情報を算出して付加することができ、ユーザによる画像データの利便性を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】実施例における位置情報付加システムの構成図
【図2】実施例における位置情報付加システムの詳細図
【図3】実施例における画像情報保持部203が保持する画像データ情報の一例を示す図
【図4】実施例における画像データに位置情報を付加する処理の一例を示すフローチャート
【図5】実施例1における画像データ位置情報補正処理の一例を示すフローチャート
【図6】実施例1の位置情報付加方法により画像データに位置情報を付加した際のアプリケーションの適用例を示す図
【図7】実施例2における画像データ位置情報補正処理の一例を示すフローチャート
【図8】実施例2の位置情報付加方法により画像データに位置情報を付加した際のアプリケーションの適用例を示す図
【図9】実施例3における画像データ位置情報補正処理の一例を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0010】
図1は、本発明の実施例における位置情報付加システム1を示しており、画像データに該画像データが撮影された場所の位置情報を付加する画像データ位置情報付加装置100、画像データ、該画像データの特徴情報及び該画像データが撮影された場所の位置情報を関連づけて保持する画像データ情報保持サーバ200、ユーザの画像データを保持するローカルストレージ300から構成される。
【0011】
画像データ位置情報付加装置100は、ローカルストレージ300から画像データを取得し、取得した画像データを画像解析することにより、取得した画像データに付加する位置情報を画像データ情報保持サーバ200から取得することで、ローカルストレージ300に保持されている画像データに該画像データが撮影された場所の位置情報を付加することができる。
【0012】
なお、本発明の実施例において、一例として、画像データ位置情報付加装置100及びローカルストレージ300は該装置及びストレージのユーザ宅に、画像データ情報保持サーバ200はネットワーク上に存在することを想定している。
【0013】
図2は、図1における画像データ位置情報付加装置100及び画像データ情報保持サーバ200の構成を詳細に示している。
【0014】
以下、それぞれの構成要素について説明していく。
<画像データ位置情報付加装置100>
図2に示す通り、画像データ位置情報付加装置100は、グルーピング部101、特徴情報抽出部102、送受信部103、位置情報算出部104及び位置情報付加部105を備える。
【0015】
グルーピング部101は、ローカルストレージ300に保持されている画像データを、1つ以上のグループ(画像群)に分ける部分である。グルーピング処理には、例えば、画像データに付与されている時刻情報を用いることができる。一例として、画像データに付与されている時刻情報から同じ日付の画像データをまとめることで画像データを日付別というグループにグルーピングすることができる。
【0016】
特徴情報抽出部102は、ローカルストレージ300に保持されている画像データ毎の特徴情報を抽出する部分である。この特徴情報抽出方法で抽出される特徴情報は、例えば、特許文献2で記述されているような色領域の配置関係や写像ベクトル情報である。もちろん特徴情報が抽出できるならば他の手段によって特徴情報を抽出しても良く、特徴情報も色領域の配置関係や写像ベクトル情報に限られない。
【0017】
送受信部103は、画像データ情報保持サーバ200に特徴情報抽出部102で抽出した特徴情報を送信し、送信した特徴情報に一致する又は近似する画像データの位置情報及び、送信した特徴情報と画像データ情報保持サーバ200が保持する画像データの特徴情報との近似値を画像データ情報保持サーバ200から受信する。
【0018】
位置情報算出部104は、グルーピング部101でグルーピングされた画像データと、送受信部103によって取得した画像データの位置情報及び近似値から、該画像データに付加する位置情報を算出する。位置情報算出方法の詳細については後述する。
【0019】
位置情報付加部105は、位置情報算出部104で算出した位置情報をローカルサーバ300に保持されている画像データに付加する部分である。例えば位置情報をEXIF形式の画像に付加する場合はEXIFヘッダ部分の該当部分に書き込む。
<画像データ位置情報保持サーバ200>
画像データ位置情報保持サーバ200は、送受信部201、検索部202及び画像データ情報保持部203を備える。
【0020】
送受信部201は、画像データ位置情報付加装置100の送受信部103から送信された画像データの特徴情報を受信し、検索部202及び画像データ情報保持部203によって検索された画像位置情報(位置情報と近似値)を画像データ位置情報付加装置100に送信する。
【0021】
検索部202は、送受信部201から受け取った特徴情報に一致又は近似する画像を画像データ情報保持部203から検索し付随する位置情報を取得する。また、検索の際に送受信部103から送信された画像データの特徴情報と画像データ情報保持部203に保持している画像データの特徴情報との近似値を計算し、送受信部201を用いて位置情報と近似値を画像データ情報付加装置100に送信する。
【0022】
図3は、画像データ情報保持部203が保持する画像データ情報の一例を示している。画像データ情報保持部203は、画像データと、該画像データの特徴情報と位置情報を関連付けて保持しており、より具体的には、特徴情報として色空間領域情報や写像ベクトル情報、位置情報として経度や緯度を保持している。画像データの特徴情報や位置情報は、各画像データを識別できるものであれば、これに限られない。
<ローカルストレージ300>
ローカルストレージ300は、ユーザが保持する画像データを保存しておく領域である。例えばハードディスクやフラッシュメモリなど、情報の書き換えが可能な不揮発性の記憶媒体である。
<画像データ位置情報付加処理>
続いて、本実施例において、画像データに位置情報を付加する際の処理の流れを説明していく。
【0023】
図4は、画像データに位置情報を付加する処理のフローチャートであり、画像データ情報付加装置100及び画像データ情報保持サーバ200の内部処理の様子を表す。
【0024】
まず、画像データ情報付加装置100は、画像データ位置情報付加処理が開始されるとグルーピング部101がローカルストレージ300から画像データを該画像データが撮影された日付毎に画像を分類する(ステップS401)。
【0025】
グルーピング処理が終わると特徴情報抽出部102は、グルーピングされたあるグループの画像データをローカルストレージ300から1枚ずつ読み込み特徴情報を抽出する(ステップS402)。本実施例においては、ローカルストレージ300の画像データから色空間領域情報及び写像ベクトル情報を抽出することとする。
【0026】
送受信部103は、外部のサーバである画像データ情報保持サーバ200と通信を行う。画像データ情報保持サーバ200内では送受信部201を通して受信したローカルストレージ300の画像データの特徴情報と一致する又は近似値が最も大きい画像データ(つまり、最も近似している画像データ)を検索部202が画像データ情報保持部203から検索し、検索した画像データに関連付けられている位置情報と、ローカルストレージ300の画像データの特徴情報と画像データ情報保持部203の画像データの特徴情報との近似値を、送受信部201を通して画像データ情報付加装置100に送信する(ステップS403)。この際用いられる近似値算出方法は、フーリエ変換やウェーブレット変換等が挙げられる。位置情報算出部104は、画像データ情報保持サーバ200から送信される近似値と閾値(例えば、特徴ベクトル)を比較し、以下に述べる処理を実施する。
【0027】
次に、位置情報付加部105は、画像データ情報保持サーバ200から取得した位置情報をローカルストレージ300が保持する画像データに付加する(ステップS404)。この際、ローカルストレージ300が保持する画像データが既に位置情報を持っていれば、その位置情報を維持しても良いし、画像データ情報保持サーバ200から取得した位置情報で更新しても良い。
【0028】
ステップS402〜S404の画像データ位置情報付加処理を、グルーピング部101でグルーピングされたあるグループの画像データ全てに対して繰り返し実施する(ステップS405)。なおステップS402〜S404の画像データ位置情報付加処理は、あるグループの画像データに対して処理が完了すると、他のグループの画像データに対して処理を継続しても良い。また、ステップS401の処理をスキップして、ローカルストレージ300内の全画像データに対してステップS402〜S404の位置情報付加処理を行ってもよい。また、ユーザが指定した画像データのみにステップS402〜S404の位置情報付加処理を行ってもよい。
【0029】
全ての画像データの位置情報付加処理完了後、位置情報算出部104は、画像データ情報保持サーバ200から取得した近似値が所定の閾値以下である画像データに対して、位置情報の補正処理を行う(ステップS406)。例えば、ローカルストレージ300が保持する画像データに有名な建造物が写っていない場合などは、該画像データの特徴情報が少ないため、画像データ情報保持サーバ200から取得した位置情報が、ローカルサーバ300が保持する画像データが実際に撮影された場所と異なる場合が発生するためである。
【0030】
図5は、画像データ位置情報補正処理の一例を示すフローチャートである。
【0031】
例えば、3枚の画像データA、B、CがA、B、Cの順番で撮影されており、全て同じ画像データグループ群に属しているものとする。画像データAと画像データCは画像データ位置情報付加処理の結果、近似値が所定の閾値より高いと判定された画像データであり、画像データBは近似値が所定の閾値より小さいと判定された画像データであるとする。
【0032】
位置情報算出部104は、画像データ位置情報補正処理ステップS406において、図5のフローチャートに従って近似値が所定の閾値よりも小さい画像データBの位置情報を算出する。
【0033】
まずグルーピングされた画像データグループ群の中から近似値が所定の閾値よりも小さい画像データ(画像データB)を選択する(ステップS4011)。
【0034】
次に近似値が所定の閾値よりも小さい画像データBの時系列的に前後に位置する近似値が所定の閾値よりも大きい2枚の画像データ(画像データA、画像データC)を選択する(ステップS4012)。
【0035】
ここで、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データBは、近似値が所定の閾値よりも大きい画像データAが撮影された時間と画像データCが撮影された時間の間に撮影されている。画像データAと画像データCの位置を直線で結び、画像データA、B及びCの撮影時刻情報から画像データBが線分AC上のどこに存在するかの計算を行う。この計算は単純な比率計算である(ステップS4013)。
【0036】
ステップS4011〜S4013の補正処理をグルーピングされた画像データグループ群の画像データの内、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データ全てに対して行う(ステップS4014)。
【0037】
近似値が所定の閾値よりも小さい画像データがグルーピングされた画像データのデータグループ群の先頭の場合は、該画像データ以降の近似値が所定の閾値よりも大きい複数の画像データを使えば良い。また、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データがグルーピングされた画像データのデータグループ群の最後の場合は、該画像データ以前の近似値が所定の閾値よりも大きい高い複数の画像データを使えば良い。また、グルーピングされた画像データのデータグループ群内に画像データが1枚しか存在しない場合は、前後の他のグループの位置情報を使えば良い。
【0038】
このようにして位置情報算出部104は、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データの位置情報を、同じデータグループ群に属する近似値が所定の閾値よりも大きい他の画像データの位置情報を用いて補正する。
【0039】
なお、本実施例においては、全ての画像データの位置情報付加処理完了後、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データに対して位置情報補正処理を行うこととしたが、これに限らず、近似値が所定の閾値よりも大きい画像データに対してのみ画像データの位置情報付加処理を行い、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データに対しては位置情報付加処理を行わず、ステップS406及び図5で説明した位置情報補正処理を行うこととしてもよい。
【0040】
図6は、実施例1の位置情報付加方法、位置情報付加装置により画像データに位置情報を付加した際のアプリケーションの適用例である。
【0041】
テレビ画面上には、ローマ、パリ、ロンドンの各地域名と、各地域を指すマーキングが表示されており、リモコン等で該マーキングを選択すると、各地域で撮影された画像データがテレビ画面上に表示される仕組みとなっている。図8においては、ローマを指すマーキングが選択されており、ローマで撮影された画像データAが子画面で表示されている。画像データA及び画像データCは、それぞれ画像データの特徴情報が多く、近似値が所定の閾値以上であり、それぞれローマ、ロンドンで撮影された画像データであると算出されている。画像データBは特徴情報が少なく、近似値が所定の閾値以下であり、従来はどこで撮影された画像データであるかを算出するのが困難であったが、本実施例1に記載の位置情報付加方法、位置情報付加装置により、つまり、ローマとロンドンを直線で結び、画像データA、B及びCの撮影時刻情報から画像データBがパリで撮影された画像データであると算出することが可能となり、ユーザはローマからロンドンに移動した際に各地で撮影した画像データを時系列的に再生して楽しむことができる。
【0042】
以上、本実施例1に係わる位置情報付加方法、位置情報付加装置によれば、撮影された場所の位置情報が付加されていない画像データに対して、該画像データの特徴情報が少ない場合であっても、該画像データが撮影された場所の位置情報を算出して付加することができ、ユーザによる画像データの利便性を向上できる。
【実施例2】
【0043】
実施例1では、近似値が所定の閾値よりも小さい画像データの時系列的に前後に位置する近似値が所定の閾値よりも大きい複数の画像データを直線で結び、画像データが保持する撮影時刻情報から該近似値が所定の閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出したが、本実施例2では、移動経路から位置情報を算出する。実施例2のおける位置情報付加システムの構成は、実施例1と同じであるので、その説明については省略する。
【0044】
以下、図7を用いて説明する。
【0045】
例えば、実施例1で説明した画像データA、B、Cの場合を想定する。
【0046】
近似値が所定の閾値よりも小さい画像データ(画像データB)を選択する処理(ステップS4021)と、時系列の前後で近似値が所定の閾値よりも大きい画像データ(画像データA、C)を選択する処理(ステップS4022)は実施例1と同じ処理である。
【0047】
実施例2では、位置情報算出部104は、画像データAの撮影時刻情報と位置情報及び画像データCの撮影時刻情報と位置情報から、画像データAを撮影した位置から画像データを撮影した位置への移動経路を決定する(ステップS4023)。
【0048】
例えば、画像データAを撮影した位置から画像データCを撮影した位置への移動経路として、空路、陸路、水路を想定し、画像データAが保持する撮影時刻情報と位置情報、画像データCが保持する撮影時刻情報と位置情報から空路、陸路、水路のいずれかを決定する。
【0049】
画像データBは、その経路上に存在すると考えれば決定した移動経路と、画像データA、B、Cの撮影時刻情報から画像データBが撮影された位置を算出できる(ステップS4024)。
【0050】
この処理を近似値が閾値よりも小さい全ての画像データに対して行う(ステップS4025)。
【0051】
移動経路は、画像データ位置情報付加装置100が、図示しない記録手段に記録されている中から決定しても良いし、ネットワークを通じて外部から入手した中から決定しても良い。
【0052】
図8は、実施例2の位置情報付加方法、位置情報付加装置により画像データに位置情報を付加した際のアプリケーションの適用例である。
【0053】
テレビ画面上には、ローマ、フランクフルト、ロンドンの各地域名と、各地域を指すマーキングが表示されており、リモコン等で該マーキングを選択すると、各地域で撮影された画像データがテレビ画面上に表示される仕組みとなっている。図8においては、ローマを指すマーキングが選択されており、ローマで撮影された画像データAが子画面で表示されている。画像データA及び画像データCは、それぞれ画像データの特徴情報が多く、近似値が所定の閾値以上であり、それぞれローマ、ロンドンで撮影された画像データであると算出されている。画像データBは特徴情報が少なく、近似値が所定の閾値以下であり、従来はどこで撮影された画像データであるかを算出するのが困難であったが、本実施例2に記載の位置情報付加方法、位置情報付加装置により、つまり、ローマからロンドンへの移動経路として空路を決定し、画像データA、B及びCの撮影時刻情報から画像データBがフランクフルトで撮影された画像データであると算出することが可能となり、ユーザはローマからロンドンに移動した際に各地で撮影した画像データを時系列的に再生して楽しむことができる。
【0054】
以上、本実施例2に係わる位置情報付加方法、位置情報付加装置によれば、撮影された場所の位置情報が付加されていない画像データに対して、該画像データの特徴情報が少ない場合であっても、該画像データが撮影された場所の位置情報を算出して付加することができ、ユーザによる画像データの利便性を向上できる。
【実施例3】
【0055】
実施例1又は実施例2に記載の位置情報付加方法、位置情報付加装置は、近似値が所定の閾値よりも大きい画像データを補正の対象にしても良い。なお実施例3のおける位置情報付加システムの構成は、実施例1と同じであるので、その説明については省略する。
【0056】
以下、図9を用いて説明する。
【0057】
位置情報算出部104は、近似値が所定の閾値よりも大きい画像データ(例えば、画像データE)を選択する(ステップS4031)。
【0058】
次に、該画像データの時系列的に前後存在する近似値が所定の閾値よりも大きい画像データ(例えば、画像データD、画像データF)を選択する(ステップS4032)。
【0059】
選択した3枚の画像データD、E、Fの位置情報を比較し、画像データD、E、Fが保持する撮影時刻情報から判断して、ステップS4031で選択した画像データEの位置情報が画像データD、Fから著しく離れていないかを調べる(ステップS4033)。
【0060】
時系列的に並べられた画像データの保持する位置情報が著しく離れて存在する可能性は低いため、もし距離が離れている場合は、距離が離れている画像データ(画像データE)の位置情報を補正する(ステップS4034)。例えば、同日に撮影された画像データD、E、Fの保持する位置情報が、それぞれ大阪、メキシコ、東京であった場合、画像データEが保持する位置情報であるメキシコに対し、実施例1や実施例態2の位置情報付加方法を適用する。
【0061】
この処理を近似値が所定の閾値より大きい全ての画像データに対して行う(ステップS4035)。なお、本実施例3における画像データ位置情報補正処理は、近似値が所定の閾値より大きい全ての画像データに対して実施するのではなく、ユーザが指定した画像データに対してのみ実施するようにしても良い。
【0062】
以上、本実施例3に係わる位置情報付加方法、位置情報付加装置によれば、撮影された場所の位置情報が付加されていない画像データに対して、該画像データの特徴情報が多い場合であっても、該画像データが撮影された場所の位置情報を補正して付加することができ、ユーザによる、画像データの利便性を向上できる。なお、本発明の位置情報付加方法は、上記実施例1から実施例3付加方法を切り替えて使用しても良いし、複合して使用しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0063】
撮影された場所の位置情報が付加されていない画像データに対して、該画像データの特徴情報が少ない場合であっても、該画像データが撮影された場所の位置情報を算出して付加することができ、位置情報付加方法、位置情報付加装置として有用である。
【符号の説明】
【0064】
1 位置情報付加システム
100 画像データ位置情報付加装置
101 グルーピング部
102 特徴情報抽出部
103 送受信部
104 位置情報算出部
105 位置情報付加部
200 画像データ情報保持サーバ
201 送受信部
202 検索部
203 画像データ情報保持部
300 ローカルストレージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影された時刻情報を有する第1の画像データから特徴情報を抽出するステップと、
前記第1の画像データと特徴情報が一致又は近似する第2の画像データの位置情報及び、前記第1の画像データと前記第2の画像データとの近似値を受信するステップと、
前記近似値が閾値よりも大きい場合、前記第1の画像データに前記第2の画像データの位置情報を付加し、又は前記第1の画像データが保持する位置情報を維持し、
前記近似値が閾値よりも小さい場合、前記第1の画像データを時系列に並べ、前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの位置情報に基づき、前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出するステップと、
を備えることを特徴とする画像データ位置情報付加方法。
【請求項2】
前記位置情報を算出するステップは、
前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データを結んだ直線上に前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出することを特徴とする請求項1記載の画像データ位置情報付加方法。
【請求項3】
前記位置情報を算出するステップは、
前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データから移動経路を推定し、前記移動経路上に前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出することを特徴とする請求項1記載の画像データ位置情報付加方法。
【請求項4】
前記位置情報を算出するステップは、
前記第1の画像データを時系列に並べ、前記近似値が閾値よりも大きい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの位置情報に基づき、前記近似値が閾値よりも大きい前記前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの間に位置する画像データの位置情報を補正することを特徴とする請求項1記載の画像データ位置情報付加方法。
【請求項5】
撮影された時刻情報を有する第1の画像データを保持する記憶部と、
前記第1の画像データから特徴情報を抽出する特徴情報抽出手段と、
前記第1の画像データと特徴情報が一致又は近似する第2の画像データの位置情報及び、前記第1の画像データと前記第2の画像データとの近似値を受信する受信部と、
前記近似値が閾値よりも大きい場合、前記第1の画像データに前記第2の画像データの位置情報を付加し、又は前記第1の画像データが保持する位置情報を維持し、
前記近似値が閾値よりも小さい場合、前記第1の画像データを時系列に並べ、前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの位置情報に基づき、前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出する位置情報算出手段と、を備えることを特徴とする画像データ位置情報付加装置。
【請求項6】
前記位置情報算出手段は、
前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データを結んだ直線上に前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出することを特徴とする請求項5記載の画像データ位置情報付加装置。
【請求項7】
前記位置情報算出手段は、
前記近似値が閾値よりも小さい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データから移動経路を推定し、前記移動経路上に前記近似値が閾値よりも小さい画像データの位置情報を算出することを特徴とする請求項5記載の画像データ位置情報付加装置。
【請求項8】
前記位置情報算出手段は、
前記第1の画像データを時系列に並べ、前記近似値が閾値よりも大きい画像データの前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの位置情報に基づき、前記近似値が閾値よりも大きい前記前後に存在する前記近似値が閾値よりも大きい画像データの間に位置する画像データの位置情報を補正することを特徴とする請求項5記載の画像データ位置情報付加装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−65310(P2011−65310A)
【公開日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−213939(P2009−213939)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】