説明

位置検出装置及び位置検出プログラム

【課題】ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局の最適な設置位置を、短時間で検出することができる位置検出装置及び位置検出プログラムを提供する。
【解決手段】位置検出装置100は、マクロ基地局を設置する所定位置を含む地図の情報と、予め定められたサイズを示す情報と、を取得し、地図を前記サイズで分割することにより地図に前記サイズの領域(BIN)を複数定める領域設定部110と、マクロ基地局に対するトラヒック需要の負荷量を算出し、該負荷量が所定閾値を超えている場合、マクロ基地局のカバレッジエリアに含まれる領域のうち、トラヒック需要が集中している領域(BIN)の位置を検出する位置検出部130と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、置局設計における、位置検出装置及び位置検出プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システム、特に携帯電話に代表される移動体通信システムでは、通信エリアを実際に構築する前に、基地局を設置する位置を設計者が事前に検討する置局設計が行われる。置局設計では、通信エリアを構築する対象とされた範囲を含む地図が、予め定められたサイズの領域(以下、「BIN」という)により複数に分割される。基地局を設置する位置は、これらBIN毎の受信信号強度等に基づいて、制約条件(例えば、トラヒック需要)を満たすよう検討される。
【0003】
このような置局設計において、トラヒック需要を満たす基地局の配置と、そのパラメータの設定とを行うことを目的とした置局設計方法が、特許文献1に開示されている。
【0004】
また、近年、スマートフォンなどの登場により、移動体通信システムのトラヒック需要は、急激な増加傾向にある。そこで、マクロ基地局のカバレッジエリア内のBINに、送信電力が小さい小型基地局をさらに設置することによって、マクロ基地局の負荷を分散することができる「ヘテロジニアスネットワーク(Heterogeneous Network:HetNet)」が注目されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−201269号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示された置局設計方法では、基地局の設置位置が、必要以上に多くのBINについて検討される。このため、特許文献1に開示された置局設計方法を、ヘテロジニアスネットワークの置局設計に適用した場合、ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局の設置位置を検出するための処理時間が、必要以上に長くなってしまうという問題がある。ここで、小型基地局の設置位置を検討する対象のBINの個数を単に減らしてしまうと、設置位置を検出するための処理時間が短くなるものの、検出された小型基地局の設置位置は、必ずしも最適な設置位置とは限らなくなってしまう。
【0007】
本発明は、前記の点に鑑みてなされたものであり、ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局の最適な設置位置を、短時間で検出することができる位置検出装置及び位置検出プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、マクロ基地局を設置する所定位置を含む地図の情報と、予め定められたサイズを示す情報と、を取得し、前記地図を前記サイズで分割することにより前記地図に前記サイズの領域を複数定める領域設定部と、前記マクロ基地局に対するトラヒック需要の負荷量を算出し、該負荷量が所定閾値を超えている場合、前記マクロ基地局のカバレッジエリアに含まれる前記領域のうち、トラヒック需要が集中している前記領域の位置を検出する位置検出部と、を備えることを特徴とする位置検出装置である。
【0009】
また、本発明は、前記位置検出部が、前記トラヒック需要の中央値と前記中央値からの偏差とにより定まる評価値に対する検出用閾値を算出し、該検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置を検出することを特徴とする位置検出装置である。
【0010】
また、本発明は、前記位置検出部が、前記負荷量に応じて前記検出用閾値を定めることを特徴とする位置検出装置である。
【0011】
また、本発明は、前記位置検出部が、前記負荷量が所定閾値を超えている場合、前記検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置が所定数より多くなるように前記検出用閾値を定め、一方、前記負荷量が所定閾値を超えていない場合、前記検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置が所定数より少なくなるように前記検出用閾値を定めることを特徴とする位置検出装置である。
【0012】
また、本発明は、前記位置検出部が、トラヒック需要が集中している前記領域のうち、所定距離よりも近い前記領域同士を統合することを特徴とする位置検出装置である。
【0013】
また、本発明は、前記位置検出部が、前記マクロ基地局よりも送信電力が小さい小型基地局を設置するための候補位置を、トラヒック需要が集中している前記領域の中心又は頂点に定めることを特徴とする位置検出装置である。
【0014】
また、本発明は、コンピュータに、マクロ基地局を設置する所定位置を含む地図の情報と、予め定められたサイズを示す情報と、を取得し、前記地図を前記サイズで分割することにより前記地図に前記サイズの領域を複数定める手順と、前記マクロ基地局に対するトラヒック需要の負荷量を算出し、該負荷量が所定閾値を超えている場合、前記マクロ基地局のカバレッジエリアに含まれる前記領域のうち、トラヒック需要が集中している前記領域の位置を検出する手順と、を実行させるための位置検出プログラムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、位置検出部が、マクロ基地局のカバレッジエリアに含まれる領域のうち、トラヒック需要が集中している領域の位置を検出する。これにより、位置検出装置は、ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局の最適な設置位置を、短時間で検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、位置検出装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態における、ヘテロジニアスネットワークの構成例を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態における、ヘテロジニアスネットワークが構築される対象エリアを含む地図の情報の例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態における、MCS(Modulation and Coding Scheme)テーブルの例を示す表である。
【図5】本発明の一実施形態における、カバレッジエリアでのトラヒック需要値の分布例を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態における、カバレッジエリアでのトラヒック需要と、BINの個数との関係例を示すヒストグラムである。
【図7】本発明の一実施形態における、カバレッジエリアでのホットゾーン判定評価値の分布例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態における、小型基地局を設置する候補位置の設定例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態における、ホットゾーンとなっているBINの統合例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態における、ホットゾーンを判定する動作手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、位置検出装置の構成がブロック図により示されている。また、図2には、ヘテロジニアスネットワークの構成例が示されている。
【0018】
以下では、ヘテロジニアスネットワークの通信システムにOFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)が用いられているものとして説明を続けるが、通信システムは、OFDMAに限らなくてよい。例えば、通信システムは、CDMA(Wideband Code Division Multiple Access)システムでもよい。
【0019】
ヘテロジニアスネットワークは、無線基地局であるマクロ基地局400及び小型基地局500−n(nは、1以上の整数)を含んで構成される。また、マクロ基地局400のカバレッジエリア800には、複数の無線端末600−m(mは、1以上の整数)が存在可能であるものとする。小型基地局500−nの小型基地局セル900−nに在る無線端末600−mは、マクロ基地局400からの受信電力と、小型基地局500−nからの受信電力とを比較し、受信電力が高い小型基地局500−nに通信接続してもよい。なお、ヘテロジニアスネットワークが構築される対象エリアには、複数のマクロ基地局400のそれぞれによる、複数のカバレッジエリア800が含まれていてもよい。
【0020】
入力装置300は、ヘテロジニアスネットワークの置局設計における条件を示す情報として、カバレッジエリア800において収容すべきトラヒック需要を示す情報(トラヒック需要情報)を、位置検出装置100に入力する。
【0021】
また、入力装置300は、マクロ基地局400の送信電力を示す情報、マクロ基地局400のアンテナ高を示す情報、マクロ基地局400のアンテナパターンを示す情報、小型基地局500−nの装置費用及び設置費用を示す情報、マクロ基地局400の周波数帯を示す情報、カバレッジエリア800の範囲を示す情報、BINのサイズを示す情報、伝搬ロスのモデル式を示す情報、信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルデータ、及び、MCS(Modulation and Coding Scheme)テーブルデータを、位置検出装置100に入力してもよい。MCSテーブルデータの詳細については、図4を用いて後述する。
【0022】
また、入力装置300は、小型基地局500−nの設置位置を最適化する最適化処理におけるパラメータ及び終了条件(閾値)を、位置検出装置100に入力してもよい。また、入力装置300は、カバレッジエリア800を含む地図の情報、及び、カバレッジエリア800に対するトラヒック需要情報又はその予測情報を、位置検出装置100に入力する。また、入力装置300は、地図の情報に含まれる範囲における、建物高データ、及び土地の標高データを、位置検出装置100に入力してもよい。
【0023】
次に、位置検出装置100の概要について説明する。
位置検出装置100は、ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局500−nを設置する候補位置を定める。ここで、小型基地局500−nを設置する候補位置は、トラヒックが集中している領域(以下、「ホットゾーン」という)のトラヒック需要を収容することを目的として、ホットゾーン又はその近傍に定められる。このようにすれば、位置検出装置100は、必要以上に多くのBINについて基地局の設置位置を検討する必要がないので、小型基地局500−nの最適な設置位置を短時間で検出することができる。
【0024】
また、位置検出装置100は、BIN毎のトラヒック需要について、カバレッジエリア800におけるトラヒック需要の中央値と、その中央値からの偏差(乖離)とを算出する。位置検出装置100は、算出した中央値及び偏差に基づいて、BINがホットゾーンであるか否かを判定するための評価値(以下、「ホットゾーン判定評価値」という)を、BIN毎に算出する。
【0025】
このように、中央値及び偏差に基づいて算出したホットゾーン判定評価値と、その判定用閾値とを用いることで、位置検出装置100は、カバレッジエリア800におけるトラヒック需要値がどのような分布であっても、小型基地局500−nを設置する候補位置(ホットゾーン)を柔軟に検出することができる。また、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量が所定閾値を超えている場合、位置検出装置100は、小型基地局500−nを設置する候補位置の個数を多くしてもよい。一方、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量が所定閾値を超えていない場合、位置検出装置100は、小型基地局500−nを設置する候補位置の個数を少なくしてもよい。これにより、位置検出装置100は、小型基地局500−nを設置する候補位置(ホットゾーン)を、さらに柔軟に検出することができる。
【0026】
次に、位置検出装置100の構成について説明する。
位置検出装置100は、領域設定部110と、特性算出部120と、位置検出部130と、記憶部140と、最適化部150と、出力部160とを備える。
【0027】
領域設定部110には、地図の情報と、BINのサイズを示す情報とが、入力装置200から入力される。領域設定部110は、BINのサイズで地図をメッシュ状に分割することにより、複数のBINを地図に定める。図3には、ヘテロジニアスネットワークが構築される対象エリアを含む地図の情報の例が表されている。図3では、一例として、15×15個の矩形状のBINにより、地図が分割されている。
【0028】
また、領域設定部110には、トラヒック需要情報又はその予測情報が、入力装置300から入力される。領域設定部110は、地図に定めたBINに基づいて、トラヒック需要(積算値)をBIN毎に算出する。領域設定部110は、BIN毎のトラヒック需要値を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報とを、記憶部140に記憶させる。
【0029】
特性算出部120には、伝搬ロスのモデル式を示す情報が、入力装置200から入力される。また、特性算出部120は、BIN毎のトラヒック需要値を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報とを、記憶部140から読み出す。特性算出部120は、伝搬ロスのモデル式を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報とに基づいて、マクロ基地局400から送出された電波の伝搬ロスを、BIN毎に算出する。また、特性算出部120は、算出した伝搬ロスを示す情報をマクロ基地局400及びBINに対応付けて、記憶部140に記憶させる。
【0030】
記憶部140は、BIN毎のトラヒック需要値を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報と、BIN毎の伝搬ロスを示す情報と、マクロ基地局400の送信電力を示す情報と、マクロ基地局400のアンテナパターンを示す情報と、信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルデータと、MCSテーブルデータとを記憶する。
【0031】
位置検出部130は、BIN毎のトラヒック需要値を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報と、BIN毎の伝搬ロスを示す情報と、マクロ基地局400の送信電力を示す情報と、マクロ基地局400のアンテナパターンを示す情報と、信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルデータと、MCSテーブルデータとを記憶部140から読み出す。
【0032】
位置検出部130は、BIN毎の伝搬ロスを示す情報と、マクロ基地局400の送信電力を示す情報と、マクロ基地局400のアンテナパターンを示す情報とに基づいて、マクロ基地局400から送出された電波の受信電力をBIN毎に算出する。
【0033】
また、位置検出部130は、地図の情報に示された範囲にマクロ基地局400が複数在る場合、受信電力が最も高いマクロ基地局400を、そのBINをカバーするマクロ基地局400であると定める。また、位置検出部130は、地図の情報の範囲に含まれるマクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量を、マクロ基地局400毎に算出する。また、位置検出部130は、BIN毎に算出したスループット値に基づいて、そのマクロ基地局400に対する(収容される)トラヒック需要の負荷量を算出する。
【0034】
以下では、iは、BINの識別子を表す。また、その集合は、Iと表記される。また、jは、マクロ基地局400の設置位置の識別子を表す。また、その集合は、Jと表記される。また、Iは、位置jに設置されたマクロ基地局400にカバーされるBINの集合を表す。また、Tは、マクロ基地局400の送信電力を表す。また、wは、BINにおけるトラヒック需要値を表す。また、ηは、ノイズを表す。また、gijは、jに設置されたマクロ基地局400からBINまでの伝搬ロスを表す。また、dijは、BINに在る無線端末が、位置jに設置されたマクロ基地局400に接続した場合に、無線リソースが全て割当てられたと仮定された場合のスループット値を表す。また、xの値が1である場合、xは、jに基地局が配置されていることを表す。一方、xの値が0である場合、xは、jに基地局が配置されていないことを表す。
【0035】
位置検出部130は、位置jに設置されたマクロ基地局400にカバーされるBINの信号対干渉雑音比SINRijを、式(1)により算出する。
【0036】
【数1】

【0037】
ここで、式(1)の分母の第1項は、他の基地局からの干渉を表す。また、式(1)の分母の第2項は、雑音成分を表す。
【0038】
また、位置検出部130は、マクロ基地局400のカバレッジエリア800に含まれるBINについて、BIN毎の信号対干渉雑音比(SINR)に基づいて、スループット値をBIN毎に算出する。ここで、位置検出部130は、信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルデータ、及びMCS(Modulation and Coding Scheme)テーブルデータを参照する。
【0039】
信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルには、信号対干渉雑音比(SINR)と、パケットエラーレート(PER)とが対応付けられて登録されている。また、MCSテーブルには、変調方式と、符号化率と、SINR閾値とが対応付けられて登録されている。図4には、MCSテーブルの例が示されている。MCSテーブルの項目には、変調方式と、符号化率と、信号対干渉雑音比(SINR)閾値とがある。また、変調方式には、例えば、QPSK (2)、16QAM (4)及び64QAM (6)がある。
【0040】
ここで、下り方向の通信にOFDMAを採用するLTE(Long Term Evolution)を例に、スループット値の算出方法を説明する。LTEでは、時間×周波数の無線リソースは、リソースブロック(Resource Block,RB)単位で構成されている。また、リソースブロックは、7OFDMシンボル(0.5[ms])×12サブキャリアで構成されている。1リソースブロックにより送信可能であるビット数は、式(2)により表わされる。
【0041】
【数2】

【0042】
式(2)において、[MIMO efficiency] は、そのBINにおけるMIMOの効率を表す。また、[Modulation]は、変調方式(図4を参照)を表す。また、 [Coding rate]は、符号化率を表す。また、[# of subcarrier/RB]は、1リソースブロックあたりのサブキャリア数を表す。この例では、[# of subcarrier/RB]=12とする。また、[# of OFDM symbol/RB]は、1リソースブロックあたりのOFDMシンボル数を表す。この例では、[# of subcarrier/RB]=7とする。また、PERは、パケットエラーレートを表す。PERは、信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルにより、SINR値を用いて算出される。
【0043】
1リソースブロックは0.5[ms]であることから、対象とするシステムの周波数方向のリソースブロック数を#RBとして、位置jに設置されたマクロ基地局400がカバーするBINに、リソースブロックが全て割り当てられた場合、スループットdijは、式(3)により表される。
【0044】
【数3】

【0045】
なお、割り当てられるリソースブロックは、その個数(リソース量)が制限されてもよい。例えば、フェージング等の変動要因に対するマージンとして、全無線リソースの80[%]まで無線リソースが割り当てられるようにする場合、位置検出部130は、式(3)の#RBを、0.8×#RBに置き換えてもよい。
【0046】
周波数方向のリソースブロック数は、対象とするシステムの周波数帯域幅に依存する。例えば、LTEの場合、周波数帯域幅1.4[MHz]に対応するサブキャリア数は、76であり、対応するリソースブロック数は、6である。
【0047】
位置jに設置されたマクロ基地局400がカバーするBINに対して必要な無線リソース量の割合は、式(4)により表される。
【0048】
【数4】

【0049】
また、以下に示す式(5)の値が1以下である場合、そのことは、位置jに設置されたマクロ基地局400がカバーする全てのBINにおけるトラヒック需要を、マクロ基地局400が全て収容することができることを表す。
【0050】
【数5】

【0051】
一方、式(5)の値が1を超えている場合、そのことは、位置jに設置されたマクロ基地局400がカバーする全てのBINにおけるトラヒック需要を、マクロ基地局400が全ては収容することができないことを表す。したがって、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量の条件式は、式(6)により表される。
【0052】
【数6】

【0053】
ここで、ξは、カバレッジエリア800の各BINにおいて収容されるべきトラヒック需要の比率(0<ξ≦1)を表す係数である。なお、ξの値は、パラメータとして予め定められているものとする。
【0054】
位置検出部130は、式(6)の値が1以下である場合、位置jに設置されたマクロ基地局400がカバーする全てのBINにおけるトラヒック需要を、マクロ基地局400が全て収容することができる、と判定する。
【0055】
一方、位置検出部130は、式(6)の値が1を超えている場合、位置jに設置されたマクロ基地局400がカバーする全てのBINにおけるトラヒック需要を、マクロ基地局400が全ては収容することができない、と判定する。したがって、位置検出部130は、式(7)が成り立つ場合、そのマクロ基地局400がオーバーロードしていると判定する。
【0056】
【数7】

【0057】
位置検出部130は、位置jに設置されたオーバーロードしているマクロ基地局400について、そのマクロ基地局400がカバーするBINi∈Ijにおけるトラヒック需要値wの中央値median及び中央値偏差mediandevを、統計量として算出する。ここで、中央値medianは、トラヒック需要値wi∈Ijの中央値である。また、中央値偏差mediandevは、式(8)により表される。
【0058】
【数8】

【0059】
位置検出部130は、位置jに設置されたオーバーロードしているマクロ基地局400について、そのマクロ基地局400がカバーするBINi∈Ijに対するホットゾーン判定評価値を、中央値median及び中央値偏差mediandevに基づいて算出する。ここで、ホットゾーン判定評価値は、式(9)により表される。
【0060】
【数9】

【0061】
図5には、カバレッジエリア(図3を参照)でのトラヒック需要値の分布(トラヒックマップ)例が示されている。図5では、一例として、中央値medianは55であり、中央値偏差mediandevは34.12であるとする。また、図6には、カバレッジエリア(図3を参照)でのトラヒック需要と、BINの個数との関係例がヒストグラムにより示されている。
【0062】
図6に示されているように、トラヒック需要の中央値medianと、トラヒック需要の平均値とでは、中央値medianのほうが、ホットゾーンによるピーク波形に影響されることなく、ヒストグラムの最大ピークの位置を精度よく示す。したがって、位置検出部130は、トラヒック需要の中央値medianを用いることにより、ヒストグラムの最大ピークの位置を、高い精度で検出することができる。さらに、位置検出部130は、その中央値median及び中央値偏差mediandevに基づいてホットゾーン判定評価値を定めることにより、検出した最大ピークの位置から外れているホットゾーンによるピーク波形を、ホットゾーン判定評価値に対する判定用閾値に基づいて高い精度で検出することができる。
【0063】
図7には、カバレッジエリアでのホットゾーン判定評価値の分布例が示されている。位置検出部130は、ホットゾーンとなっているBINを検出するため、ホットゾーン判定評価値に対する閾値(検出用閾値)を定める。ここで、閾値は、一つでも良いし、複数でもよい。すなわち、閾値は可変でもよい。例えば、位置検出部130は、マクロ基地局400(図2を参照)に対するトラヒック需要の負荷量(式(6)を参照)に対して、複数の閾値を定めてもよい。
【0064】
より具体的には、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量が所定閾値を超えている場合、位置検出部130は、ホットゾーン判定評価値に対する検出用閾値を所定値より低く定めることにより、小型基地局500−n(図2を参照)を設置する候補位置の個数を所定数より多くしてもよい。一方、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量が所定閾値を超えていない場合、位置検出部130は、ホットゾーン判定評価値に対する検出用閾値を所定値より高く定めることにより、小型基地局500−nを設置する候補位置の個数を所定数より少なくしてもよい。これにより、位置検出部130は、ホットゾーン判定評価値の分布から、ホットゾーンをさらに柔軟に検出(認識)することができる。
【0065】
位置検出部130は、ホットゾーン判定評価値が検出用閾値より高いBINを、ホットゾーンとなっているBINであると判定する。さらに、位置検出部130は、ホットゾーンとなっていると判定したBINに対して、小型基地局500−nを設置する候補位置を定める。
【0066】
図8には、小型基地局を設置する候補位置の設定例が示されている。図8(A)に示されているように、小型基地局500−nを設置する候補位置は、ホットゾーン700、710及び720を構成するそれぞれのBINの中心に定められてもよい。また、図8(B)に示されているように、小型基地局500−nを設置する候補位置は、ホットゾーン700、710及び720を構成するそれぞれのBINの中心及び頂点に定められてもよい。
【0067】
また、ホットゾーンとなっていると判定したBIN同士が所定距離よりも近い場合、小型基地局500−nを設置する候補位置は、それらBIN同士の中間地点に定められてもよい。また、位置検出部130は、一定の距離内又は一定の伝搬ロス内に在る、ホットゾーンとなっていると判定したBIN同士を統合し、統合したBINに対して、小型基地局500−nを設置する候補位置を定めてもよい。
【0068】
図9には、ホットゾーンとなっているBINの統合例が示されている。図9(A)では、ホットゾーンとなっているBIN700、710及び720が、所定距離よりも互いに近いとする。この場合、位置検出部130は、BIN700、710及び720を統合し、統合したBIN730(図9(B)を参照)に、小型基地局500−nを設置する候補位置を定めてもよい。
【0069】
図1に戻り、位置検出装置100の構成について説明を続ける。最適化部150は、記憶部140を参照し、位置検出部130が定めた小型基地局500−n(図2を参照)を設置する候補位置のうちから、BIN毎のトラヒック需要値を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報(図3を参照)と、BIN毎の伝搬ロスを示す情報とに基づいて、小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を検出する。最適化部150は、検出した最適な台数及び設置位置を記憶部140に記憶させる。
【0070】
ここで、最適化部150は、カバレッジエリア800(図2を参照)のトラヒック需要を収容可能であり、且つ、小型基地局500−nの設置費用等が最小となるような、小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を、例えば、Greedy法又は遺伝的アルゴリズムといったヒューリスティック(試行錯誤)な最適化手法により検出する。
【0071】
出力部160は、記憶部140に記憶されている各種データに基づいて、小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を示す情報を、地図(図3を参照)と共に画面に表示する。また、出力部160は、カバレッジエリア800に含まれる各BIN(メッシュ)を示す情報を、地図と共に画面に表示してもよい。
【0072】
次に、ホットゾーンを判定する動作手順を説明する。
図10は、ホットゾーンを判定する動作手順を表すフローチャートである。位置検出部130は、BIN毎のトラヒック需要値を示す情報と、カバレッジエリア800を含む地図の情報と、BIN毎の伝搬ロスを示す情報と、マクロ基地局400の送信電力を示す情報と、マクロ基地局400のアンテナパターンを示す情報と、信号対干渉雑音比(SINR)−パケットエラーレート(PER)変換テーブルデータと、MCSテーブルデータとを記憶部140から読み出す(ステップS1)。
【0073】
位置検出部130は、BIN毎の伝搬ロスを示す情報と、マクロ基地局400の送信電力を示す情報と、マクロ基地局400のアンテナパターンを示す情報とに基づいて、マクロ基地局400から送出された電波の受信電力を、BIN毎に算出する(ステップS2)。また、位置検出部130は、地図の情報の範囲に含まれるマクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量を、マクロ基地局400毎に算出する(ステップS3)。
【0074】
位置検出部130は、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量が所定閾値を超えているか否か、すなわち、トラヒック需要の負荷量の条件式(式(6)を参照)の値が1を超えているか否かを判定する(ステップS4)。トラヒック需要の負荷量の条件式の値が1を超えている場合(ステップS4−Yes)、位置検出部130は、位置jに設置されたオーバーロードしているマクロ基地局400について、そのマクロ基地局400がカバーするBINi∈Ijにおけるトラヒック需要値wの中央値median及び中央値偏差mediandevを、統計量として算出する(ステップS5)。
【0075】
また、位置検出部130は、ホットゾーン判定評価値に対する検出用閾値を定める(ステップS6)。そして、位置検出部130は、ホットゾーン判定評価値が検出用閾値より高いBINを、ホットゾーンとなっているBINであると判定する。さらに、位置検出部130は、ホットゾーンとなっていると判定したBINに対して、小型基地局500−nを設置する候補位置を定める(ステップS7)。
【0076】
位置検出部130は、地図の情報における全てのマクロ基地局400(図2を参照)のカバレッジエリア800のBINについてホットゾーンを判定したか否か、を判定する(ステップS8)。地図の情報における全てのマクロ基地局400のカバレッジエリア800のBINについてホットゾーンを判定した場合(ステップS8−Yes)、位置検出部130は、ホットゾーンを判定する処理を終了する。
【0077】
一方、ステップS4において、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量が所定閾値を超えていない、すなわち、トラヒック需要の負荷量の条件式の値が1を超えていない場合(ステップS4−No)、位置検出部130は、ステップS8に処理を進める。また、ステップS8において、カバレッジエリア800のBINについてホットゾーンを判定していないマクロ基地局400が残っている場合(ステップS8−No)、位置検出部130は、ステップS3に処理を戻す。
【0078】
<小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を検出する処理(最適化処理)にかかる時間のシミュレーション結果>
1辺が25[m]であるBINが15×15個(=225個)定められた地図の情報(図3を参照)を対象に、最適化手法としてGreedy手法を用いた場合における、小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を検出する処理(最適化処理)にかかる時間のシミュレーション結果を、以下に示す。ここで、トラヒック需要値の分布(図5を参照)は、一例として、ランダムに生成された値を用いた。
【0079】
位置検出部130が検出した候補位置(ホットゾーン)を用いずに、最適化部150が最適化処理を実行した場合のシミュレーションでは、小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を検出する処理にかかる時間は、56[分]である。一方、位置検出部130が検出した候補位置(ホットゾーン)を用いて、最適化部150が最適化処理を実行した場合のシミュレーションでは、小型基地局500−nの最適な台数及び設置位置を検出する処理にかかる時間は、わずか8.9[分]である。
【0080】
これらのシミュレーション結果は一例であるが、位置検出部130が検出した候補位置(ホットゾーン)を用いて最適化処理を実行することにより、小型基地局500−nの最適な設置位置を検討する対象のBINの個数が適切に少なくなるので、一般に、位置検出装置100は、小型基地局500−nの最適な設置位置を短時間で検出することができる。
【0081】
以上のように、位置検出装置100は、マクロ基地局400を設置する所定位置を含む地図の情報(例えば、図3を参照)と、予め定められたサイズを示す情報と、を取得し、前記地図を前記サイズで分割することにより前記地図に前記サイズの領域(BIN)を複数定める領域設定部110と、マクロ基地局400に対するトラヒック需要の負荷量を算出し、該負荷量が所定閾値を超えている場合、マクロ基地局400のカバレッジエリア800に含まれる前記領域(BIN)のうち、トラヒック需要が集中している(例えば、予め定められたトラヒック需要(積算値)以上である)前記領域(BIN)の位置を検出する位置検出部130と、を備える。
この構成により、位置検出部130が、マクロ基地局400のカバレッジエリア800に含まれる領域(BIN)のうち、トラヒック需要が集中している領域の位置を検出する。これにより、位置検出装置100は、ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局500−nの最適な設置位置を、短時間で検出することができる。また、位置検出装置100は、候補位置(ホットゾーン)の検出結果に、作業者の経験及び習熟度に応じて異なる結果を生じさせることがない。また、位置検出装置100は、カバレッジエリア800でのトラヒック需要値の分布(トラヒックマップ)がどのような分布であっても、一つの判定用閾値を用いるのみで、候補位置を適切に検出することができる。
【0082】
また、位置検出部130は、トラヒック需要値の中央値medianと中央値偏差mediandevとにより定まるホットゾーン判定評価値に対する検出用閾値を算出し、該検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域(BIN)の位置を検出する。
これにより、位置検出装置100は、ホットゾーンによるピークに影響されることなく、ヒストグラムの最大ピークの位置を検出することができる。したがって、位置検出装置100は、中央値medianに基づいてホットゾーン判定評価値に対する検出用閾値を定めることにより、最大ピークの位置から外れているホットゾーンによる波形を高い精度で検出することができる。
【0083】
また、位置検出部130は、前記負荷量(式(6)を参照)に応じて前記検出用閾値を定める。
これにより、位置検出装置100は、カバレッジエリア800におけるトラヒック需要値がどのような分布であっても、小型基地局500−nを設置する候補位置(ホットゾーン)を柔軟に検出することができる。
【0084】
また、位置検出部130は、前記負荷量(式(6)を参照)が所定閾値を超えている場合(例えば、式(7)が成り立つ場合)、前記検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域(BIN)の位置が所定数よりも多くなるように前記検出用閾値を定め、一方、前記負荷量が所定閾値を超えていない場合、前記検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置が所定数よりも少なくなるように前記検出用閾値を定める。
これにより、位置検出装置100は、小型基地局500−nを設置する候補位置(ホットゾーン)を、さらに柔軟に検出することができる。
【0085】
また、位置検出部130は、トラヒック需要が集中している前記領域(ホットゾーンと判定されたBIN)のうち、所定距離よりも近い前記領域同士を統合する(図9を参照)。
これにより、位置検出部130は、ホットゾーン同士の中間地点であって、小型基地局500−nが両ホットゾーンのトラヒック需要を収容することができるような地点も、候補位置として定めることができる。つまり、位置検出装置100は、ヘテロジニアスネットワークを構成する小型基地局500−nの候補位置を、適切に設定することができる。
【0086】
また、位置検出部130は、マクロ基地局400よりも送信電力が小さい小型基地局500−nを設置するための候補位置を、トラヒック需要が集中している前記領域(ホットゾーンと判定されたBIN)の中心又は頂点(近傍)に定める(図8を参照)。
HetNet移動通信システムにおいて小型基地局500−nを設置する目的の一つは、ホットゾーンのトラヒックを収容することにあるから、位置検出装置100は、小型基地局500−nを設置する候補位置を、ホットゾーン及びその近傍に予め定めることにより、置局設計における最適化処理にかかる時間を大幅に短くすることができる。
【0087】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0088】
例えば、各BINにおける受信信号強度及び干渉量、アンテナのチルト角などの基地局のパラメータ、並びに、所要の受信信号強度及びキャリア信号電力対干渉電力比(C/I)等を入力データとして、通信エリアを構築する対象とされた範囲に対し、例えば、所要の受信信号強度以上となるBINの個数を最大化(カバレッジ最大化)する等の置局設計における条件が満たされるように、小型基地局の最適な設置位置が検出されるようにしてもよい。
【0089】
また、例えば、位置検出装置100は、入力装置300から各種データを取得する代わりに、それら各種データを予め記憶するデータベース部を備えていてもよい。
【0090】
なお、以上に説明した位置検出装置を実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0091】
100…位置検出装置、110…領域設定部、120…特性算出部、130…位置検出部、140…記憶部、150…最適化部、160…出力部、300…入力装置、400…マクロ基地局、500…小型基地局、600…無線端末、700〜730…BIN、800…カバレッジエリア、900…小型基地局セル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
マクロ基地局を設置する所定位置を含む地図の情報と、予め定められたサイズを示す情報と、を取得し、前記地図を前記サイズで分割することにより前記地図に前記サイズの領域を複数定める領域設定部と、
前記マクロ基地局に対するトラヒック需要の負荷量を算出し、該負荷量が所定閾値を超えている場合、前記マクロ基地局のカバレッジエリアに含まれる前記領域のうち、トラヒック需要が集中している前記領域の位置を検出する位置検出部と、
を備えることを特徴とする位置検出装置。
【請求項2】
前記位置検出部は、前記トラヒック需要の中央値と前記中央値からの偏差とにより定まる評価値に対する検出用閾値を算出し、該検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置を検出することを特徴とする請求項1に記載の位置検出装置。
【請求項3】
前記位置検出部は、前記負荷量に応じて前記検出用閾値を定めることを特徴とする請求項2に記載の位置検出装置。
【請求項4】
前記位置検出部は、前記負荷量が所定閾値を超えている場合、前記検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置が所定数より多くなるように前記検出用閾値を定め、一方、前記負荷量が所定閾値を超えていない場合、前記検出用閾値以上のトラヒック需要が存在している前記領域の位置が所定数より少なくなるように前記検出用閾値を定めることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の位置検出装置。
【請求項5】
前記位置検出部は、トラヒック需要が集中している前記領域のうち、所定距離よりも近い前記領域同士を統合することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の位置検出装置。
【請求項6】
前記位置検出部は、前記マクロ基地局よりも送信電力が小さい小型基地局を設置するための候補位置を、トラヒック需要が集中している前記領域の中心又は頂点に定めることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の位置検出装置。
【請求項7】
コンピュータに、
マクロ基地局を設置する所定位置を含む地図の情報と、予め定められたサイズを示す情報と、を取得し、前記地図を前記サイズで分割することにより前記地図に前記サイズの領域を複数定める手順と、
前記マクロ基地局に対するトラヒック需要の負荷量を算出し、該負荷量が所定閾値を超えている場合、前記マクロ基地局のカバレッジエリアに含まれる前記領域のうち、トラヒック需要が集中している前記領域の位置を検出する手順と、
を実行させるための位置検出プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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