位置決め装置および位置決め方法
【課題】物品の向きを精度良く所定の向きに修正することが可能な位置決め装置および位置決め方法を提供する。
【解決手段】位置決め装置に、容器1を挟持する第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと、第一ベルト127Lを回転駆動する第一モータと、第二ベルト127Rを回転駆動する第二モータと、容器1の設定位置への到達を検出する位置検出センサと、回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が設定位相であることを検出する回転位相検出センサ160と、回転位置に容器1が到達しているときに第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータおよび第二モータを回転駆動させる制御装置と、を具備し、容器1を挟持する第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが容器1の周面1aに沿って湾曲して張り出すことが可能な空間を形成した。
【解決手段】位置決め装置に、容器1を挟持する第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと、第一ベルト127Lを回転駆動する第一モータと、第二ベルト127Rを回転駆動する第二モータと、容器1の設定位置への到達を検出する位置検出センサと、回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が設定位相であることを検出する回転位相検出センサ160と、回転位置に容器1が到達しているときに第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータおよび第二モータを回転駆動させる制御装置と、を具備し、容器1を挟持する第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが容器1の周面1aに沿って湾曲して張り出すことが可能な空間を形成した。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の向き(姿勢)を所定の向きに修正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の搬送経路を成す複数のコンベア間で当該物品の受け渡しを行う装置としては、特許文献1から特許文献3に記載の装置が知られている。
【0003】
特許文献1から特許文献3に記載の装置は、いずれも一対の無端ベルトで物品の周面を挟持しつつ、一対の無端ベルトにおいて互いに対向する部分が同方向に移動するように当該一対の無端ベルトを回転駆動することにより物品を搬送し、落下させることなく複数のコンベア間で受け渡すものである。
また、特許文献1から特許文献3に記載の装置は、一対の無端ベルトが物品の周面を挟持しつつ搬送するときの搬送速度を複数のコンベアによる物品の搬送速度よりも速い値に設定し、搬送経路において下流側となるコンベアに一定の時間周期で物品を受け渡すことにより、搬送経路において下流側となるコンベア上に複数の物品を所定の間隔を空けて載置することが可能である。
【0004】
上記の如き一対の無端ベルトで物品の周面を挟持して搬送するとともに一定の周期で物品を受け渡す装置は、一対の無端ベルトが物品を挟持しているときに当該物品に当接する部分が当該物品の周面の形状に沿って湾曲し、物品を挟持する力が弱まって物品が装置から落下する場合がある。
このような事態が発生することを防止するために、上記装置の多くは、一対の無端ベルトにおいて互いに対向する部分(挟持部)の内周面側に、無端ベルトが湾曲しないように規制する板状の部材(支持プレート)を具備する。
例えば、特許文献4に記載の如くである。
【0005】
一対の無端ベルトで物品を挟持して搬送する機構を他の用途に応用した装置としては、特許文献5および特許文献6に記載の装置が知られている。
【0006】
特許文献5に記載の装置は、断面形状が非円形(例えば、楕円形、長方形等)の容器の向きを搬送経路に沿って搬送しつつ所定の向き(姿勢)に修正するものである。
特許文献5に記載の装置は、一対の無端ベルトの間隔が容器の断面の短軸方向における長さよりも大きくかつ容器の断面の長軸方向における長さよりも小さくなるように一対の無端ベルトを配置する。
このような構成とすることにより、搬送経路に沿って搬送される容器が一対の無端ベルトに接触すると周方向に回転し、容器の向きが次第に容器の断面の長軸方向と容器の搬送方向とが略平行となるように修正される。
しかし、特許文献5に記載の装置は、断面形状が円形の物品、断面形状が正多角形の物品、あるいは断面形状が比較的等方的な形状の物品(例えば断面形状が円に近い楕円形等)には実質的に適用することが不可能であるという問題を有する。
【0007】
特許文献6に記載の装置は、搬送経路に沿って搬送される物品をカメラで撮像し、撮像された画像に基づいて当該物品の向き(姿勢)を算出し、搬送経路において物品をカメラで撮像する位置よりも下流側となる位置に配置された一対の無端ベルトで物品を挟持し、当該一対の無端ベルトの一方を停止させるとともに他方を回転駆動することにより物品を周方向に回転させつつ搬送経路に沿って搬送し、先に算出された物品の向きが修正された時点以降は一対の無端ベルトの両方を同方向かつ等速で回転駆動することにより、物品を修正された向きのまま搬送するものである。
しかし、特許文献6に記載の装置は、物品をカメラで撮像してから一対の無端ベルトで物品を挟持するまでの間、特に物品が一対の無端ベルトで挟持されるときに物品の向きが変動するおそれがあり、物品の向きを精度良く修正することが出来ない場合があるという問題を有する。
【0008】
一対の無端ベルトを用いずに物品の向きを修正する装置としては、特許文献7および特許文献8に記載の装置が知られている。
【0009】
特許文献7および特許文献8に記載の装置は、いずれも物品の周面に三つのローラを当接させて物品の移動を規制し、ローラのうちの少なくとも一つを回転駆動することにより物品を回転させるとともに、物品の向きを修正するものである。
しかし、特許文献7および特許文献8に記載の装置は物品の外径が変動した場合に物品の向きを精度良く修正することが困難であるという問題を有する。
すなわち、特許文献7および特許文献8に記載の装置が物品の向きを精度良く修正するためにはローラにより移動が規制される物品の回転中心がブレないこと(調芯されること)が重要であるが、物品の外径が変動した場合には物品の移動を規制するときのローラの位置を細かく調整する、あるいは物品の外径に応じてローラを交換することにより物品の回転中心を一定の位置に保持しなければならないため、一連の作業が煩雑となるという問題を有する。
【特許文献1】特許第3553459号公報
【特許文献2】実開平3−130223号公報
【特許文献3】特開2002−114365号公報
【特許文献4】特開2006−76723号公報
【特許文献5】特開2005−306458号公報
【特許文献6】特開平11−240617号公報
【特許文献7】特開2000−85950号公報
【特許文献8】特開2002−60049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上の如き状況に鑑みて成されたものであり、物品の向きを精度良く所定の向きに修正することが可能な位置決め装置および位置決め方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1においては、
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる制御装置と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成されるものである。
【0013】
請求項2においては、
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0014】
請求項3においては、
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0015】
請求項4においては、
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0016】
請求項5においては、
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなるものである。
【0017】
請求項6においては、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構を具備するものである。
【0018】
請求項7においては、
前記ベルト間隔調整機構は、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトから等距離となる基準線に対して同じ距離だけ前記第一ベルトおよび前記第二ベルトを接近または離間させるものである。
【0019】
請求項8においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け装置を具備するものである。
【0020】
請求項9においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置を具備するものである。
【0021】
請求項10においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別装置を具備するものである。
【0022】
請求項11においては、
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
を用いて物品の位置決めを行う位置決め方法であって、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一搬送工程と、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第二搬送工程と、
前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一回転工程と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成されるものである。
【0023】
請求項12においては、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備するものである。
【0024】
請求項13においては、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0025】
請求項14においては、
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備するものである。
【0026】
請求項15においては、
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなるものである。
【0027】
請求項16においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け工程を具備するものである。
【0028】
請求項17においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り工程を具備するものである。
【0029】
請求項18においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別工程を具備するものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、物品の向きを精度良く所定の向きに修正することが可能である、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、図1から図12を用いて本発明に係る位置決め装置の実施の一形態である位置決め装置100について説明する。
図1に示す位置決め装置100はベルトコンベア10により所定の搬送方向に搬送される容器1の向きを所定の向きに修正する装置であり、ベルトコンベア10の中途部に配置される。
【0032】
容器1は本発明に係る物品の実施の一形態であり、その外形は略円柱形状を成し、周面1a、上面1b、下面1cを有する。
容器1の上面1bの中央部には開口部1dが形成され、容器1の内部には空間が形成される。
容器1の上面1bにはマーク1eが形成される。マーク1eは本発明に係る回転位相検出用マークの実施の一形態である。
本実施形態のマーク1eは容器1の上面1bの色(白色)と異なる色(黒色)の塗料を容器1の上面1bの所定の位置に略円形に塗布したものである。
【0033】
「物品」は本発明に係る位置決め装置が取り扱う対象物を指し、少なくとも周面を有する。
「物品の周面」は物品が地面等に載置される通常の姿勢における物品の側面を指す。
「物品の側面」は、例えば物品の形状が立方体であれば立方体の前面(正面)、後面(背面)、左側面および右側面を合わせたものを指し、円柱形状の物体の一対の端面の一方を底面として地面等に載置した場合には当該一対の端面に隣接する曲面を指す。
「物品の上面」は物品が地面等に載置される通常の姿勢における物品の上側の面を指す。
「回転位相検出用マーク」は物品の周面または上面に形成される文字、図形、記号、立体的形状(例えば、突起、窪み等)、あるいはこれらと色彩とが結合したものからなり、少なくとも回転位相検出用マークとその周囲とが視覚的に識別可能であることを要する。
なお、回転位相検出用マークは、回転位相検出用マークとして用いる目的で(意図的に)物品の周面または上面に形成されたものでも良いが、別の目的で物品の周面または上面に形成されたものを回転位相検出用マークとして利用しても良く、あるいは物品の性状により物品の周面または上面に元々存在するものを回転位相検出用マークとして利用しても良い。
【0034】
本発明に係る物品は本実施形態の容器1に限定されない。すなわち、本発明に係る物品には、ある程度(一対のベルトで挟持したときに大きく変形しない程度)の定形性を有し、少なくとも周面を有する形状、換言すれば載置した状態で周方向の回転が可能な形状の物体(有体物)が広く含まれる。
「周方向の回転」は物品が地面等に載置される通常の姿勢において上下方向に延びた軸を中心とする回転を指す。
物品の周面の断面形状(物品の平面視形状)は本実施形態の容器1の如き円形に限定されず、回転対称かつ比較的等方的な形状を広く含む。
「比較的等方的な形状」は、物品の外径が物品の回転位相によって大きく変動しない形状を含む。比較的等方的な形状の例としては、長軸と短軸との長さの差が小さく比較的円形に近い楕円形、正多角形、同形状の突起が周方向に均等に配置されている形状(例えば、歯車の如き形状)等が挙げられる。
なお、物品の周面の断面形状が三角形や四角形等、比較的辺の数が少ない多角形である場合には、角を丸めた形状とするか、あるいは辺を外側に向かって湾曲させた形状とすることが望ましい。
【0035】
ベルトコンベア10は容器1を搬送する装置である。ベルトコンベア10はその上面に容器1を直立した状態(ベルトコンベア10の上面に下面1cが当接した状態)で所定の搬送方向に容器1を搬送する。
ベルトコンベア10の上面は本発明に係る搬送経路の実施の一形態である。
本実施形態におけるベルトコンベア10の上面は水平面(重力が作用する方向に対して垂直な面)に平行である。
「搬送経路」は本発明に係る位置決め装置が取り扱う対象物が搬送される経路を指す。
【0036】
以下ではベルトコンベア10による容器1の搬送方向を「前後方向」と定義し、容器1の搬送方向の上流側を「前方」、容器1の搬送方向の下流側を「後方」と定義し、前後方向に対して垂直かつ水平面に平行な方向を「左右方向」と定義し、水平面に垂直な方向を「上下方向」と定義し、これらの方向を適宜用いて説明を行う。
【0037】
図1、図2、図3および図4に示す如く、位置決め装置100は主としてフレーム110、第一ベルトユニット120L、第二ベルトユニット120R、ベルト間隔調整機構130、第一駆動ユニット140L、第二駆動ユニット140R、位置検出センサ150、回転位相検出センサ160、制御ユニット170および高さ調整機構180を具備する。
【0038】
フレーム110は位置決め装置100の構造体を成す部材であり、位置決め装置100を構成する他の部材はフレーム110に取り付けられる。
フレーム110は主としてメインコラム111L・111R・112L・112R、上板113、中板114、第一支持板115L、第二支持板115R、吊り下げコラム116L・116R・117L・117R、第一吊り下げ板118L、第二吊り下げ板118R、第一搬入ガイド119Lおよび第二搬入ガイド119Rを具備する。
【0039】
図3および図4に示す如く、メインコラム111L・111R・112L・112Rはそれぞれフレーム110の左前部、右前部、左後部、右後部を成す略円柱形状の部材である。
メインコラム111L・111R・112L・112Rはいずれもその長手方向が上下方向に平行であり、メインコラム111L・111R・112L・112Rの一端(下端)にはゴムからなるパッドが設けられる(図1参照)。
当該パッドが床面等に当接することにより、当該パッドと床面等との間で摩擦力を生じ、ベルトコンベア10に対する位置決め装置100の相対的な位置が変動しない(ズレない)ようにしている。
図4に示す如く、本実施形態ではメインコラム111L・112Lはベルトコンベア10の左側に配置されるとともにメインコラム111R・112Rはベルトコンベア10の右側に配置される。従って、位置決め装置100はベルトコンベア10の中途部に跨った格好で配置されることとなる。
【0040】
上板113はフレーム110の上部を成す板状の部材である。
上板113の左前端部はメインコラム111Lの上端に固定され、上板113の右前端部はメインコラム111Rの上端に固定され、上板113の左後端部はメインコラム112Lの上端に固定され、上板113の右後端部はメインコラム112Rの上端に固定される。
【0041】
中板114はフレーム110の上下中央部を成す板状の部材である。
図3に示す如く、中板114の平面視中央部には長方形状の開口部114aが形成される。
中板114の左前端部、右前端部、左後端部、右後端部にはそれぞれ円筒形状の摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114bが設けられる。メインコラム111L・111R・112L・112Rは摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114bにそれぞれ摺動可能に貫装される。
中板114は高さ調整機構180を介して上板113に支持される。高さ調整機構180は上板113と中板114との間の距離(ひいては、第一ベルトユニット120Lおよび第二ベルトユニット120Rの高さ)を調整可能である。
【0042】
第一支持板115Lは第一ベルトユニット120Lを支持するための板状の部材である。
図3に示す如く、第一支持板115Lは中板114に形成された開口部114aの左寄りとなる位置に収容され、ベルト間隔調整機構130を介して中板114に支持される。
【0043】
第二支持板115Rは第二ベルトユニット120Rを支持するための板状の部材である。
図3に示す如く、第二支持板115Rは中板114に形成された開口部114aの右寄りとなる位置に収容され、ベルト間隔調整機構130を介して中板114に支持される。
【0044】
吊り下げコラム116L・117Lは第一ベルトユニット120Lを支持するための略円筒形状の部材である。
吊り下げコラム116Lの一端(上端)は第一支持板115Lの下面の前部に固定され、吊り下げコラム117Lの一端(上端)は第一支持板115Lの下面の後部に固定される。
第一支持板115Lにおいて吊り下げコラム116Lの一端(上端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0045】
吊り下げコラム116R・117Rは第二ベルトユニット120Rを支持するための略円筒形状の部材である。
吊り下げコラム116Rの一端(上端)は第二支持板115Rの下面の前部に固定され、吊り下げコラム117Rの一端(上端)は第二支持板115Rの下面の後部に固定される。
第二支持板115Rにおいて吊り下げコラム116Rの一端(上端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0046】
図4に示す如く、第一吊り下げ板118Lは第一ベルトユニット120Lを支持するための板状の部材である。
第一吊り下げ板118Lの上面の前部には吊り下げコラム116Lの他端(下端)が固定され、第一吊り下げ板118Lの上面の後部には吊り下げコラム117Lの他端(下端)が固定される。
第一吊り下げ板118Lにおいて吊り下げコラム116Lの他端(下端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0047】
図4に示す如く、第二吊り下げ板118Rは第二ベルトユニット120Rを支持するための板状の部材である。
第二吊り下げ板118Rの上面の前部には吊り下げコラム116Rの他端(下端)が固定され、第二吊り下げ板118Rの上面の後部には吊り下げコラム117Rの他端(下端)が固定される。
第二吊り下げ板118Rにおいて吊り下げコラム116Rの他端(下端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0048】
第一搬入ガイド119Lおよび第二搬入ガイド119Rはベルトコンベア10により搬送される容器1を第一吊り下げ板118Lと第二吊り下げ板118Rとで挟まれる領域(ひいては、後述する第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟まれる領域)に導くための板状の部材である。
図4に示す如く、第一搬入ガイド119Lは第一吊り下げ板118Lの右前端部に固定され、その板面が左右方向に対して垂直となる。第一搬入ガイド119Lの前端部は左前方に向かって屈曲される。
図4に示す如く、第二搬入ガイド119Rは第二吊り下げ板118Rの左前端部に固定され、その板面が左右方向に対して垂直となる。第二搬入ガイド119Rの前端部は右前方に向かって屈曲される。
【0049】
図4に示す如く、第一ベルトユニット120Lは第一駆動プーリ121L、第一駆動軸122L、第一従動プーリ123L、第一従動軸124L、第一調整プーリ125L、第一調整軸126L、第一ベルト127Lを具備する。
【0050】
第一駆動プーリ121Lは第一ベルト127Lを巻回し、第一ベルト127Lを回転駆動するための駆動力を第一ベルト127Lに伝達するプーリである。
第一駆動プーリ121Lは第一吊り下げ板118Lの下方に配置される。
【0051】
第一駆動軸122Lは第一駆動プーリ121Lに駆動力を伝達する軸である。
第一駆動軸122Lは吊り下げコラム116Lに収容され、軸受けを介して吊り下げコラム116Lに軸支される。
吊り下げコラム116Lに軸支された第一駆動軸122Lの一端(上端)は第一支持板115Lに形成された孔を貫通して第一支持板115Lの上方に突出する。
また、吊り下げコラム116Lに軸支された第一駆動軸122Lの他端(下端)は第一吊り下げ板118Lに形成された孔を貫通して第一吊り下げ板118Lの下方に突出し、第一駆動軸122Lの他端(下端)には第一駆動プーリ121Lが固定される。
【0052】
第一従動プーリ123Lは第一ベルト127Lを巻回し、第一ベルト127Lに従って回転するプーリである。
第一従動プーリ123Lは第一吊り下げ板118Lの下方において第一駆動プーリ121Lの後方となる位置に配置される。
本実施形態では、第一従動プーリ123Lの直径は第一駆動プーリ121Lの直径と同じである。
【0053】
第一従動軸124Lは第一従動プーリ123Lを回転可能に軸支する軸である。
第一従動軸124Lの一端(上端)は第一吊り下げ板118Lに固定され、第一従動軸124Lの他端(下端)には軸受けを介して第一従動プーリ123Lが回転可能に軸支される。
【0054】
第一調整プーリ125Lは第一ベルト127Lに巻回され、第一ベルト127Lの張り具合を調整するプーリである。
第一調整プーリ125Lは第一吊り下げ板118Lの下方において第一駆動プーリ121Lの後左方かつ第一従動プーリ123Lの前左方となる位置に配置される。
【0055】
第一調整軸126Lは第一調整プーリ125Lを回転可能に軸支する軸である。
第一調整軸126Lの一端(上端)には雄ネジが形成され、第一吊り下げ板118Lに形成された長孔(不図示)に貫装される。
第一調整軸126Lの一端にナットを螺装して締め付けることにより、第一調整軸126Lは第一吊り下げ板118Lに固定される。
第一吊り下げ板118Lに形成された長孔は左右方向に延びた形状であるため、第一調整軸126Lが第一吊り下げ板118Lに固定される位置を左右方向に関して調整することが可能である。
第一調整軸126Lの他端(下端)には軸受けを介して第一調整軸126Lが回転可能に軸支される。
【0056】
第一ベルト127Lは本発明に係る第一ベルトの実施の一形態である。
第一ベルト127Lは第一駆動プーリ121L、第一従動プーリ123Lおよび第一調整プーリ125Lに巻回される無端ベルト(リング状のベルト)である。
第一ベルト127Lの外周部(第一ベルト127Lの外周面近傍の部分)は発泡性樹脂(ポリウレタン)からなり、第一ベルト127Lは厚さ方向に(第一ベルト127Lの外周面から内周面に向かって)弾性変形することが可能である。
第一ベルト127Lの内周部(第一ベルト127Lの内周面近傍の部分)はスチールワイヤが内包されたゴムからなり、第一ベルト127Lの長手方向、すなわち張力が作用する方向の変形(延び)が抑制される。
第一駆動プーリ121L、第一従動プーリ123Lおよび第一調整プーリ125Lに巻回された第一ベルト127Lのうち、第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の長手方向は位置決め装置100の前後方向と平行である。
【0057】
図4に示す如く、第二ベルトユニット120Rは第二駆動プーリ121R、第二駆動軸122R、第二従動プーリ123R、第二従動軸124R、第二調整プーリ125R、第二調整軸126R、第二ベルト127Rを具備する。
【0058】
第二駆動プーリ121Rは第二ベルト127Rを巻回し、第二ベルト127Rを回転駆動するための駆動力を第二ベルト127Rに伝達するプーリである。
第二駆動プーリ121Rは第二吊り下げ板118Rの下方に配置される。
本実施形態では、第二駆動プーリ121Rの直径は第一駆動プーリ121Lの直径と同じである。
【0059】
第二駆動軸122Rは第二駆動プーリ121Rに駆動力を伝達する軸である。
第二駆動軸122Rは吊り下げコラム116Rに収容され、軸受けを介して吊り下げコラム116Rに軸支される。
吊り下げコラム116Rに軸支された第二駆動軸122Rの一端(上端)は第二支持板115Rに形成された孔を貫通して第二支持板115Rの上方に突出する。
また、吊り下げコラム116Rに軸支された第二駆動軸122Rの他端(下端)は第二吊り下げ板118Rに形成された孔を貫通して第二吊り下げ板118Rの下方に突出し、第二駆動軸122Rの他端(下端)には第二駆動プーリ121Rが固定される。
【0060】
第二従動プーリ123Rは第二ベルト127Rを巻回し、第二ベルト127Rに従って回転するプーリである。
第二従動プーリ123Rは第二吊り下げ板118Rの下方において第二駆動プーリ121Rの後方となる位置に配置される。
本実施形態では、第二従動プーリ123Rの直径は第二駆動プーリ121Rの直径と同じである。
【0061】
第二従動軸124Rは第二従動プーリ123Rを回転可能に軸支する軸である。
第二従動軸124Rの一端(上端)は第二吊り下げ板118Rに固定され、第二従動軸124Rの他端(下端)には軸受けを介して第二従動プーリ123Rが回転可能に軸支される。
【0062】
第二調整プーリ125Rは第二ベルト127Rに巻回され、第二ベルト127Rの張り具合を調整するプーリである。
第二調整プーリ125Rは第二吊り下げ板118Rの下方において第二駆動プーリ121Rの後右方かつ第二従動プーリ123Rの前右方となる位置に配置される。
【0063】
第二調整軸126Rは第二調整プーリ125Rを回転可能に軸支する軸である。
第二調整軸126Rの一端(上端)には雄ネジが形成され、第二吊り下げ板118Rに形成された長孔(不図示)に貫装される。
第二調整軸126Rの一端にナットを螺装して締め付けることにより、第二調整軸126Rは第二吊り下げ板118Rに固定される。
第二吊り下げ板118Rに形成された長孔は左右方向に延びた形状であるため、第二調整軸126Rが第二吊り下げ板118Rに固定される位置を左右方向に関して調整することが可能である。
第二調整軸126Rの他端(下端)には軸受けを介して第二調整軸126Rが回転可能に軸支される。
【0064】
第二ベルト127Rは本発明に係る第二ベルトの実施の一形態である。
第二ベルト127Rは第二駆動プーリ121R、第二従動プーリ123Rおよび第二調整プーリ125Rに巻回される無端ベルト(リング状のベルト)である。
第二ベルト127Rの外周部(第二ベルト127Rの外周面近傍の部分)は発泡性樹脂(ポリウレタン)からなり、第二ベルト127Rは厚さ方向に(第二ベルト127Rの外周面から内周面に向かって)弾性変形することが可能である。
第二ベルト127Rの内周部(第二ベルト127Rの外周面近傍の部分)はスチールワイヤが内包されたゴムからなり、第二ベルト127Rの長手方向、すなわち張力が作用する方向の変形(延び)が抑制される。
第二駆動プーリ121R、第二従動プーリ123Rおよび第二調整プーリ125Rに巻回された第二ベルト127Rのうち、第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の長手方向は位置決め装置100の前後方向と平行である。
【0065】
図4に示す如く、第一ベルトユニット120Lと第二ベルトユニット120Rとは左右対称な関係であり、第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の外周面と第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の外周面とは互いに対向する。
【0066】
また、第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の外周面から第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の外周面までの間隔G1は容器1の外径(直径)R1よりも小さい(G1<R1)ので、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとの間に搬送された容器1の周面1aは第一ベルト127Lの外周面および第二ベルト127Rの外周面の両方に当接し、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持される。
【0067】
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて互いに対向する部分が搬送方向に同じ速度で移動するように第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを回転駆動することにより、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは、容器1を周方向に回転させることなく搬送方向に搬送することが可能である。
【0068】
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて互いに対向する部分の一方が搬送方向(後方)に移動し、かつ他方が搬送方向の逆方向(前方)に同じ速度で移動するように第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを回転駆動することにより、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは、容器1を搬送方向に移動させることなく周方向に(水平面に垂直な軸を中心として)回転させることが可能である。
【0069】
図3に示すベルト間隔調整機構130は本発明に係るベルト間隔調整機構の実施の一形態であり、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔(本実施形態の場合、第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の外周面から第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の外周面までの間隔)を調整するものである。
ベルト間隔調整機構130は主としてブロック131L・131R・132L・132R、ネジ軸133、ネジ軸134、プーリ135、プーリ136、連動ベルト137およびハンドル138を具備する。
【0070】
ブロック131L・131R・132L・132Rは塊状の部材である。
ブロック131L・131R・132L・132Rには左右方向に貫通する孔が形成され、ブロック131L・131R・132L・132Rに形成された孔の内周面には雌ネジが形成される。
ブロック131Lおよびブロック132Lに形成される雌ネジは左ネジであり、ブロック131Rおよびブロック132Rに形成される雌ネジは右ネジである。
また、ブロック131L・131R・132L・132Rに形成される雌ネジのピッチは同じである。
ブロック131Lは第一支持板115Lの下面の前部に固定される(図3参照)。
ブロック132Lは第一支持板115Lの下面の後部に固定される(図3参照)。
ブロック131Rは第二支持板115Rの下面の前部に固定される(図1、図3参照)。
ブロック132Rは第二支持板115Rの下面の後部に固定される(図1、図3参照)。
【0071】
ネジ軸133は第一支持板115Lの前部および第二支持板115Rの前部を中板114に支持する軸である。
ネジ軸133の左端部および右端部は軸受けを介して中板114に回転可能に軸支される。
ネジ軸133の左半部の外周面および右半部の外周面にはそれぞれ雄ネジが形成される。
ネジ軸133の左半部の外周面に形成される雄ネジは左ネジであり、ネジ軸133の右半部の外周面に形成される雄ネジは右ネジである。
ネジ軸133の左半部はブロック131Lに螺装され、ネジ軸133の右半部はブロック131Rに螺装される。
【0072】
ネジ軸134は第一支持板115Lの後部および第二支持板115Rの後部を中板114に支持する軸である。
ネジ軸134の左端部および右端部は軸受けを介して中板114に回転可能に軸支される。
ネジ軸134の左半部の外周面および右半部の外周面にはそれぞれ雄ネジが形成される。
ネジ軸134の左半部の外周面に形成される雄ネジは左ネジであり、ネジ軸134の右半部の外周面に形成される雄ネジは右ネジである。
ネジ軸134の左半部はブロック132Lに螺装され、ネジ軸134の右半部はブロック132Rに螺装される。
【0073】
プーリ135はネジ軸133の回転駆動力をネジ軸134に伝達するものである。
プーリ135はネジ軸133の右半部において雄ネジが形成されている部分と中板114に軸支されている部分とで挟まれる位置に相対回転不能に嵌装される。
【0074】
プーリ136はネジ軸133の回転駆動力をネジ軸134に伝達するものである。
プーリ136はネジ軸134の右半部において雄ネジが形成されている部分と中板114に軸支されている部分とで挟まれる位置に相対回転不能に嵌装される。
プーリ135の直径はプーリ136の直径と等しい。
【0075】
連動ベルト137はネジ軸133の回転駆動力をネジ軸134に伝達するものである。
連動ベルト137はプーリ135およびプーリ136に巻回される。
【0076】
ハンドル138は作業者がネジ軸133を回転させる際に操作するものである。ハンドル138はネジ軸133の右端部に固定される。
【0077】
作業者がハンドル138を右側面視で時計回りに回転させると、ネジ軸133は右側面視で時計回りに回転する。また、ネジ軸133は右側面視で時計回りに回転すると、プーリ135、連動ベルト137およびプーリ136を経てネジ軸133の回転駆動力がネジ軸134に伝達され、ネジ軸134は右側面視で時計回りに回転する。
その結果、第一支持板115Lは左方向に移動するとともに第二支持板115Rは右方向に移動し、第一支持板115Lと第二支持板115Rとの間隔、ひいては第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔が大きくなる。
このとき、第一支持板115Lの左方向への移動量と第二支持板115Rの右方向への移動量は同じであり、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離となる基準線5(図3参照)に対して同じ距離だけ離間することとなる。
【0078】
作業者がハンドル138を右側面視で反時計回りに回転させると、ネジ軸133・134は右側面視で反時計回りに回転する。
その結果、第一支持板115Lは右方向に移動するとともに第二支持板115Rは左方向に移動し、第一支持板115Lと第二支持板115Rとの間隔、ひいては第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔が小さくなる。
このとき、第一支持板115Lの右方向への移動量と第二支持板115Rの左方向への移動量は同じであり、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離となる基準線5(図3参照)に対して同じ距離だけ接近することとなる。
【0079】
図3に示す如く、第一駆動ユニット140Lは第一モータ141L、第一減速機構142Lおよびカバー143Lを具備する。
【0080】
第一モータ141Lは本発明に係る第一モータの実施の一形態であり、第一ベルト1127Lを回転駆動する。
第一モータ141Lはサーボモータからなり、正逆両方向に回転することが可能であり、回転量(回転角度)および回転速度を調整することが可能である。
第一モータ141Lは第一支持板115Lの上面に固定される。
【0081】
第一減速機構142Lは第一モータ141Lにて発生した回転駆動力を減速して第一駆動軸122Lに伝達するものである。
第一減速機構142Lは複数の歯車等を組み合わせたものであり、第一減速機構142Lは第一支持板115Lの上面に固定される。
第一減速機構142Lの入力端は第一モータ141Lの回転軸に接続され、第一減速機構142Lの出力端は第一駆動軸122Lの上端部に接続される。
【0082】
第一モータ141Lにおいて回転駆動力が発生することにより第一モータ141Lの回転軸が回転すると、第一モータ141Lにおいて発生した回転駆動力は第一減速機構142L、第一駆動軸122Lおよび第一駆動プーリ121Lを経て第一ベルト127Lに伝達され、第一ベルト127Lが回転駆動される。
【0083】
カバー143Lは第一モータ141Lおよび第一減速機構142Lを保護するものである。カバー143Lは第一モータ141Lおよび第一減速機構142Lを覆った状態で第一支持板115Lの上面に固定される。
【0084】
図1および図3に示す如く、第二駆動ユニット140Rは第二モータ141R、第二減速機構142Rおよびカバー143Rを具備する。
【0085】
第二モータ141Rは本発明に係る第二モータの実施の一形態であり、第二ベルト1127Rを回転駆動する。
第二モータ141Rはサーボモータからなり、正逆両方向に回転することが可能であり、回転量(回転角度)および回転速度を調整することが可能である。
第二モータ141Rは第二支持板115Rの上面に固定される。
【0086】
第二減速機構142Rは第二モータ141Rにて発生した回転駆動力を減速して第二駆動軸122Rに伝達するものである。
第二減速機構142Rは複数の歯車等を組み合わせたものであり、第二減速機構142Rは第二支持板115Rの上面に固定される。
第二減速機構142Rの入力端は第二モータ141Rの回転軸に接続され、第二減速機構142Rの出力端は第二駆動軸122Rの上端部に接続される。
【0087】
第二モータ141Rにおいて回転駆動力が発生することにより第二モータ141Rの回転軸が回転すると、第二モータ141Rにおいて発生した回転駆動力は第二減速機構142R、第二駆動軸122Rおよび第二駆動プーリ121Rを経て第二ベルト127Rに伝達され、第二ベルト127Rが回転駆動される。
【0088】
カバー143Rは第二モータ141Rおよび第二減速機構142Rを保護するものである。カバー143Rは第二モータ141Rおよび第二減速機構142Rを覆った状態で第二支持板115Rの上面に固定される。
【0089】
本実施形態では第一モータ141Lおよび第二モータ141Rはいずれもサーボモータからなるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、正逆両方向に回転することが可能であり、回転量(回転角度)および回転速度を調整することが可能であれば、第一モータおよび第二モータがサーボモータと異なる形式のモータ(例えば、ステッピングモータ)であっても良い。
【0090】
位置検出センサ150は本発明に係る位置検出センサの実施の一形態であり、第一ベルト27Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したことを検出するものである。
本実施形態の位置検出センサ150は光学式のセンサであり、投光部151および受光部152を具備する。
【0091】
投光部151は所定の波長を有する光を投光(照射)するものである。
図1および図4に示す如く、投光部151は第二吊り下げ板118Rの下面に固定される。第二吊り下げ板118Rの下面に固定された投光部151は、前後方向(容器1の搬送方向)において第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rから等距離となり、かつ第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rよりも上方となる位置に配置され、左方向に光を投光する。
【0092】
受光部152は投光部151により投光された光を受光するものである。
図4に示す如く、受光部152は第一吊り下げ板118Lの下面に固定される。第一吊り下げ板118Lの下面に固定された受光部152は、前後方向(容器1の搬送方向)において第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lから等距離となり、かつ第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lよりも上方となる位置に配置される。
受光部152は投光部151により投光された光の波長を含む所定の波長の光が照射されると当該光の強度に応じた起電力を発生する半導体素子(光電素子)からなり、投光部151により投光された光が容器1により遮られると受光部152が発生する起電力が低下する。
従って、受光部152が発生する起電力の変化(本実施形態の場合、起電力の低下)を検出することにより、容器1の後端部(搬送経路における下流端部)が投光部151により投光された光と干渉する位置、すなわち所定の「設定位置」に容器1が到達したことを検出することが可能である。
本実施形態では、左右方向において第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離かつ搬送方向(前後方向)において第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lから等距離(あるいは第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rから等距離)となる位置から前方(搬送方向の上流)に向かって容器1の外径の半分の長さだけ戻った位置(図4および図6における点20)と、容器1の周方向における回転軸と、が平面視で一致する位置が「設定位置」となる。
【0093】
本実施形態の位置検出センサ150は投光部151および受光部152を具備する光学式のセンサであるが、本発明に係る位置検出センサはこれに限定されない。すなわち、本発明に係る位置検出センサは、投光部と受光部とが一体となった形式の光学式センサ(投光部から投光され、対象物表面にて反射された光を受光部が受光する形式の光学式センサ)でも良く、静電容量の変化に基づいて対象物を検出する形式のセンサ(静電容量形センサ)でも良い。
【0094】
回転位相検出センサ160は本発明に係る回転位相検出センサの実施の一形態であり、容器1の上面1bに付されたマーク1eに基づいて、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で「回転位置」に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された「設定位相」であることを検出するものである。
「回転位置」は第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された物品を周方向に回転させる位置を指す。回転位置は、(a)設定位置と同じ位置、または(b)設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に設定される。
本実施形態では、左右方向において第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離かつ搬送方向(前後方向)において第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lから等距離(あるいは第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rから等距離)となる位置(図4および図7における点30)と、容器1の周方向における回転軸と、が平面視で一致する位置が「回転位置」となる。
「設定位相」は回転位置に配置された物品が所望の姿勢となったときの周方向の回転位相を指す。
図4に示す如く、本実施形態では、回転位相検出センサ160は第一吊り下げ板118Lの上面かつ第一ベルトユニット120Lよりも後方となる位置に固定され、回転位相検出センサ160の撮像方向は右前方(回転位相検出センサ160の撮像領域の左右略中央部に回転位置が写る方向)に設定される。
【0095】
回転位相検出センサ160はいわゆるマッチングセンサからなる。
「マッチングセンサ」は、物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、撮像素子により生成された撮像画像に写った物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った物品の回転位相検出用マークを用いて撮像画像と基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、を具備する。
「撮像素子」は、例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサからなる。
「パターンマッチング」の具体的な方法としては、残差マッチング(基準となるパターンを対象となるパターンに対して上下方向あるいは左右方向に相対移動させながら重ね合わせの残差が最小となる点を求める方法)、正規化相関法(基準となるパターンと対象となるパターンとの間の正規化相関値が最も大きくなる点を求める方法)、位相限定相関法(基準となるパターンおよび対象となるパターンの両者をフーリエ変換し、フーリエ変換面で位相限定処理を行うことによりマッチング点を算出する方法)、幾何マッチング法・ベクトル相関法・一般化ハフ変換法(基準となるパターンおよび対象となるパターンのエッジ点列を用いてマッチング点を算出する方法)等が挙げられる。
「基準画像」は、回転位置に所定の向き(周方向の回転位相が設定位相となる向き)で配置された物品を回転位相検出センサにより撮像した画像を指す。
本実施形態では、容器1のマーク1eが回転位相検出センサ160の撮像領域の略中央部に位置する画像が基準画像となる。
「判定部」はCPU等の半導体素子が実装された電子基板からなり、パターンマッチングに係るプログラムを格納し、展開し、演算し、演算結果を出力する(演算結果に対応する信号を送信する)ことが可能である。
回転位相検出センサ160は、撮像画像に写った容器1のマーク1eと基準画像に写った容器1のマーク1eとの間でパターンマッチングを行い、撮像画像と基準画像との間の相関が所定の相関値以上である場合には容器1の周方向の回転位相が設定位相であると判定し、その旨の信号を出力(送信)する。
【0096】
本実施形態の回転位相検出センサ160は撮像素子と判定部とを具備するが、本発明はこれに限定されない。例えば、パターンマッチングに係るプログラムを後述する制御装置に格納し、制御装置が判定部としての機能を兼ねる構成としても良い。
【0097】
図1および図2に示す制御ユニット170は主としてケース171、制御装置172およびタッチパネル173を具備する。
【0098】
ケース171は制御ユニット170の主たる構造体を成す略直方体形状の箱である。
ケース171の内部には制御装置172が収容され、ケース171の左側面にはタッチパネル173が設けられる。
【0099】
制御装置172は位置決め装置100の動作を制御するためのプログラム等を格納することができ、これらのプログラム等を展開することができ、これらのプログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶することができる。
【0100】
制御装置172は、実体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等がバスで相互に接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)等からなる構成であっても良い。
本実施形態における制御装置172は専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
【0101】
図2に示す如く、制御装置172は位置検出センサ150の受光部152に接続される。
制御装置172は、受光部152が受光した光の強度に応じて生成する信号、すなわち第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したか否かに係る情報を取得することが可能である。
【0102】
図2に示す如く、制御装置172は回転位相検出センサ160に接続される。
制御装置172は、回転位相検出センサ160が生成する信号、すなわち回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かに係る情報を取得することが可能である。
【0103】
図2に示す如く、制御装置172は第一モータ141Lに接続される。
制御装置172は、第一モータ141Lに信号を送信することにより、第一モータ141Lの回転方向、第一モータ141Lの回転量(回転角度)および第一モータ141Lの回転速度を制御することが可能である。
【0104】
図2に示す如く、制御装置172は第二モータ141Rに接続される。
制御装置172は、第二モータ141Rに信号を送信することにより、第二モータ141Rの回転方向、第二モータ141Rの回転量(回転角度)および第二モータ141Rの回転速度を制御することが可能である。
【0105】
タッチパネル173は、(A)制御装置172に位置決め装置100の動作に係る種々の情報、指示等を入力する「入力装置」としての機能と、(B)制御装置172への入力内容、位置決め装置100の動作状況等を表示する「表示装置」としての機能と、を兼ねるものである。
タッチパネル173は制御装置172に接続され、作業者がタッチパネル173を操作することにより入力した情報、指示等を制御装置172に送信することが可能であるとともに、制御装置172が生成した位置決め装置100の動作状況に係る情報を受信(取得)することが可能である。
【0106】
本実施形態の位置決め装置100はタッチパネル173を用いて制御装置への情報等の入力および情報等の表示を行う構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、タッチパネルに代えて、市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いて制御装置に情報等の入力を行い、市販の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等を用いて情報等の表示を行う構成としても良い。
【0107】
以下では、図4から図12を用いて制御装置172による位置決め装置100の動作制御方法について説明する。
制御装置172による位置決め装置100の動作制御方法は、実質的に本発明に係る位置決め方法の実施の一形態に相当する。
【0108】
図12に示す如く、制御装置172による位置決め装置100の動作制御方法は、主として第一搬送工程S1100、第二搬送工程S1200、第一回転工程S1300および第三搬送工程S1400を具備する。
【0109】
第一搬送工程S1100は、制御装置172が、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1を設定位置に搬送する工程である。
【0110】
図4から図6に示す如く、第一搬送工程S1100において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向に速度V11で移動する(第一ベルト127Lが平面視で時計回りに周速度V11で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度V12で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度V12で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、V11=V12である。
【0111】
図4に示す如く、第一搬送工程S1100において、容器1はベルトコンベア10により搬送方向に搬送され、搬送方向の上流側から位置決め装置100に接近する。
【0112】
図5に示す如く、第一搬送工程S1100において、容器1はベルトコンベア10により搬送方向に引き続き搬送され、容器1は第一搬入ガイド119Lおよび第二搬入ガイド119Rにより左右方向の移動が規制されつつ第一吊り下げ板118Lおよび第二吊り下げ板118Rの間に進入する。
【0113】
図6に示す如く、第一搬送工程S1100において、容器1は第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持される。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は、周方向に回転することなく搬送方向に搬送される。
【0114】
制御装置172は、位置検出センサ150から「容器1が設定位置に到達したことを示す信号」を取得する時点(図6参照)までは上記の如き制御を行い、位置検出センサ150から「容器1が設定位置に到達したことを示す信号」を取得した時点で第一搬送工程S1100を終了する。
第一搬送工程S1100が終了したら、第二搬送工程S1200に移行する。
【0115】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度と第二ベルト127Rの移動速度とが同じ値である(V11=V12)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0116】
第二搬送工程S1200は「予め設定された容器1の外径」に基づいて算出された「設定位置から回転位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1を設定位置から回転位置に搬送する工程である。
【0117】
図7に示す如く、第二搬送工程S1200において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向に速度V21で移動する(第一ベルト127Lが平面視で時計回りに周速度V21で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度V22で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度V22で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、V21=V22である。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は、周方向に回転することなく搬送方向に搬送される。
【0118】
制御装置172は、予め容器1の外径に基づいて「設定位置から回転位置までの距離」を算出し、「設定位置から回転位置までの距離」を第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが湾曲することを考慮して補正することにより「設定位置から回転位置までの距離まで容器1を搬送するために第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが移動すべき長さ」を算出し、「設定位置から回転位置までの距離まで容器1を搬送するために第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが移動すべき長さに対応する第一モータ141Lおよび第二モータ141Rの回転量」を算出し、これを記憶している。
そして、制御装置172は、「設定位置から回転位置までの距離まで容器1を搬送するために第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが移動すべき長さに対応する第一モータ141Lおよび第二モータ141Rの回転量」だけ第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転させた時点で第一モータ141Lおよび第二モータ141Rにそれぞれ回転を停止する旨の信号を送信し、第二搬送工程S1200を終了する。
【0119】
容器1の外径に係る情報は、作業者がタッチパネル173で入力することにより制御装置172に記憶させても良く、実験的に第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで容器1を挟持して第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを回転させることにより容器1を搬送方向に搬送したときの第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rの回転量(第一モータ141Lおよび第二モータ141Rの回転量)および位置検出センサ150から取得される信号に基づいて制御装置172が容器1の外径を算出し、容器1の外径に係る情報として当該算出結果を制御装置172が記憶しても良い。
【0120】
第二搬送工程S1200が終了した時点で、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は回転位置に到達する。
第二搬送工程S1200が終了したら、第一回転工程S1300に移行する。
【0121】
本実施形態では第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度と第二ベルト127Rの移動速度とが同じ値である(V21=V22)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0122】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度と第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度とが同じ値である(V11=V21)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0123】
本実施形態では設定位置と回転位置とが異なり、設定位置が回転位置よりも搬送方向において上流側に設定されるが、本発明はこれに限定されず、設定位置と回転位置とを同じ位置に設定することも可能である。
設定位置と回転位置とを同じ位置に設定した場合、第二搬送工程を省略することが可能である。
【0124】
第一回転工程S1300は第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、回転位置に配置された容器1を回転させ、容器1の周方向の回転位相が設定位相となる向きに容器1の姿勢を修正する工程である。
【0125】
図8および図9に示す如く、第一回転工程S1300において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向の逆方向に速度Vr1で移動する(第一ベルト127Lが平面視で反時計回りに周速度Vr1で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度Vr2で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度Vr2で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、Vr1=Vr2である。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は、搬送方向に移動することなく周方向に(本実施形態の場合、平面視で時計回りに)回転する。
制御装置172は、回転位相検出センサ160から「容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを示す信号」を取得する時点(図9参照)までは上記の如き制御を行い、回転位相検出センサ160から「容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを示す信号」を取得した時点で第一回転工程S1300を終了する。
第一回転工程S1300が終了したら、第三搬送工程S1400に移行する。
【0126】
従来の「一対のベルトで物品を挟持し、一対のベルトにおいて対向する部分が互いに逆方向に移動するように一対のベルトを回転させることにより物品を回転させ、物品の周面または上面に形成されたマークを用いて画像処理する(例えば、パターンマッチングを行う)ことにより物品の周方向の回転位相を修正する」位置決め装置は、物品が回転するときの中心軸の位置精度が低いと画像処理に基づいて修正された物品の回転位相の信頼性が低下するので、一般に一対のベルトが巻回されるプーリ間の距離をある程度長くし、かつ当該プーリ間において一対のベルトの内周面に臨む位置に一対のベルトが内周面側に湾曲することを規制するためのガイド部材を設け、物品を挟持しているときに一対のベルトが厚さ方向に極力弾性変形しないように一対のベルトの間隔を調整することにより、物品が回転するときの中心軸の位置が物品の搬送方向に対して垂直な方向(左右方向)にずれるのを防止していた。
しかし、上記の如き従来の位置決め装置の場合、容器の周面と一対のベルトの外周面との当接部が実質的に線接触の状態となり、「一方のベルトと容器との当接部における摩擦力」と「他方のベルトと容器との当接部における摩擦力」との間で不均衡が生じ易く、その結果として容器が回転しつつ搬送方向または搬送方向の逆方向に移動してしまい、却って物品が回転するときの中心軸の位置精度が低下し、ひいては画像処理に基づいて修正された物品の回転位相の信頼性が低下するという問題があった。
【0127】
本実施形態の位置決め装置100は、第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとで挟まれるとともに第一ベルト127Lの内周面に臨む部分(図7において斜め格子状に斜線が施された部分)に第一ベルト127Lを規制するガイド部材等を設けず、当該部分に敢えて空間を形成し、容器1が回転位置に到達したときには容器1の周面1aに沿って湾曲した第一ベルト127Lが当該空間に向かって張り出すことを可能とした。
また、第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとで挟まれるとともに第二ベルト127Rの内周面に臨む部分(図7において斜め格子状に斜線が施された部分)に第二ベルト127Rを規制するガイド部材等を設けず、当該部分に敢えて空間を形成し、容器1が回転位置に到達したときには容器1の周面1aに沿って湾曲した第二ベルト127Rが当該空間に向かって張り出すことを可能とした。
【0128】
このように構成することにより、位置決め装置100は従来の位置決め装置に比べて容器1の周面1aと第一ベルト127Lの外周面との当接部および容器1の周面1aと第二ベルト127Rの外周面との当接部の面積を大きくすることが可能である。
その結果、容器1の周面1aと第一ベルト127Lの外周面との当接部および容器1の周面1aと第二ベルト127Rの外周面との当接部の間の摩擦力の不均衡を防止し、容器1の周方向の回転時における搬送方向の位置精度を向上することが可能である。
なお、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと容器1の周面1aとの当接部の面積を極力大きくする観点からは、第一駆動プーリ121Lから第一従動プーリ123Lまでの距離および第二駆動プーリ121Rから第二従動プーリ123Rまでの距離を極力短くすることが望ましい。また、第一駆動プーリ121Lから第一従動プーリ123Lまでの距離および第二駆動プーリ121Rから第二従動プーリ123Rまでの距離を短く設定することは、位置決め装置100の搬送方向における全長を短くして位置決め装置100をコンパクト化(省スペース化)することに寄与するとともに、位置決め装置100の処理能力の向上(容器1を一つ位置決めするのに要する時間の短縮)にも寄与する。
【0129】
また、位置決め装置100は容器1の周方向の回転時に第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが容器1の周面1aに沿って湾曲することにより、第一ベルト127Lに作用する張力の合力(ベクトル和)が容器1に作用して容器1を右方向に押し、第二ベルト127Rに作用する張力の合力(ベクトル和)が容器1に作用して容器1を左方向に押すので、これらの合力が均衡して容器1の左右方向(搬送方向に垂直な方向)の位置が安定する。
その結果、容器1の左右方向の位置精度を向上することが可能である。
【0130】
このように、位置決め装置100は従来の位置決め装置に比べて容器1の周方向の回転時における位置精度が高い(調芯される、すなわち容器1の回転中心の位置がブレず、安定する)ので、回転位相検出センサ160による容器1の回転位相の検出精度が向上し、ひいては容器1の位置決め精度が向上する。
【0131】
本実施形態では第一回転工程S1300における第一ベルト127Lの移動速度と第二ベルト127Rの移動速度とが同じ値である(Vr1=Vr2)が、第一回転工程S1300における第一ベルト127Lの移動速度は、第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度あるいは第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度と同じ値でも良く、異なる値でも良い。
【0132】
第三搬送工程S1400は第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に搬送方向に等速で移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟まれた容器1を周方向に回転させることなく搬送方向に搬送する工程である。
【0133】
図10に示す如く、第三搬送工程S1400において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向に速度V31で移動する(第一ベルト127Lが平面視で時計回りに周速度V31で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度V32で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度V32で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、V31=V32である。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は周方向に回転することなく搬送方向に搬送されるので、容器1の周方向の回転位相を設定位相に保持した状態で容器1を位置決め装置100の外部に取り出すことが可能である。
制御装置172は、予め設定された回転量だけ第一モータ141Lおよび第二モータ141Rが回転した時点で、容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態から解放されて再びベルトコンベア10により搬送方向に搬送される状態に移行したものと見なして、第三搬送工程S1400を終了する。
【0134】
なお、本実施形態の場合、複数の容器1・1・・・がベルトコンベア10により順次搬送される(図11参照)ため、第三搬送工程S1400が終了したら第一搬送工程S1100に移行する。
すなわち、第一搬送工程S1100→第二搬送工程S1200→第一回転工程S1300→第三搬送工程S1400→第一搬送工程S1100→第二搬送工程S1200→・・・というサイクルを繰り返す。
【0135】
第三搬送工程S1400が終了し、再度ベルトコンベア10により搬送される容器1は所定の向きは所定の回転位相に修正されているので、ベルトコンベア10により搬送される容器1の所定の位置にラベルを貼り付けたり、ベルトコンベア10により搬送される容器1の所定の位置に付されたバーコードを読み取ったり、ベルトコンベア10により搬送される容器1の周面1aまたは上面1bに付された刻印、模様等を撮像して識別用画像を生成し、当該識別用画像に基づいて物品の識別を行ったりすることが容易である。
【0136】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度と第三搬送工程S1400における第一ベルト127Lの移動速度とが同じ値である(V11=V31)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第三搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0137】
本実施形態では第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度と第三搬送工程S1400における第一ベルト127Lの移動速度とが同じ値である(V21=V31)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二搬送工程における第一ベルトの移動速度と第三搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0138】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度、第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度および第三搬送工程S1400における第一ベルト127Lの移動速度がいずれもベルトコンベア10による容器1の搬送速度よりも大きい。
このように構成することにより、ベルトコンベア10により複数の容器1・1・・・が位置決め装置100に向かって順次搬送される場合であっても、位置決め装置100の上流側に複数の容器1・1・・・が滞留する(渋滞する)ことを防止することが可能である。
【0139】
本実施形態では、第一回転工程S1300において容器1の周方向の回転位相を所定の設定位相に修正した後、第三搬送工程S1400において容器1の周方向の回転位相を保持しつつ容器1を位置決め装置100の外部に取り出す構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一回転工程S1300と第三搬送工程S1400との間に、容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出してからは、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された容器1の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより容器1の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第二回転工程S1500を具備する構成(図13参照)としても良い。
ここで、「最終設定位相」は「設定位相」と異なる回転位相として設定されるものである。
制御装置172は、最終設定位相と設定位相との位相差(回転角度の差)および容器1の外径に基づいて、容器1の回転位相が設定位相となる状態から最終設定位相となる状態まで容器1を回転させるために必要な第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rの移動量を算出し、これを予め記憶する。
そして、制御装置172は、第二回転工程S1500において、予め設定された(記憶された)第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rの移動量だけ第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、容器1の回転位相を最終設定位相に修正する。
このように構成することにより、容器1の向きを所望の向きとしたとき(容器1の回転位相を所望の回転位相としたとき)に位置決め装置100を構成する他の部材が回転位相検出センサ160の撮像領域に重なる等の理由で回転位相検出センサ160が容器1の上面1bに形成されたマーク1eをうまく撮像することができない場合であっても、容器1の上面1bに形成されたマーク1eの撮像が容易な位相を設定位相として設定し、容器1の所望の回転位相を最終設定位相として設定することにより、容器1の回転位相を所望の回転位相に精度良く修正することが可能である。
【0140】
本実施形態では、第一回転工程S1300において容器1の周方向の回転位相を所定の設定位相に修正した後、第三搬送工程S1400において容器1の周方向の回転位相を保持しつつ容器1を位置決め装置100の外部に取り出す構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一回転工程が終了した時点で物品の回転位相が修正され、かつ物品が第一ベルトと第二ベルトとで挟持された状態であることを利用し、物品の性状に応じて第一回転工程と第三搬送工程の間に貼り付け装置により物品にラベルを貼り付ける工程(図14に示す貼り付け工程S1600を参照)、バーコード読み取り装置により物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取る工程(図15に示すバーコード読み取り工程S1700を参照)、あるいは、物品識別装置により物品の周面または上面に付された刻印、模様等を撮像して識別用画像を生成し、当該識別用画像に基づいて物品の識別を行う工程(図16に示す物品識別工程S1800を参照)等を適宜追加しても良い。
さらに、第二回転工程と第三搬送工程の間に貼り付け装置により物品にラベルを貼り付ける工程、バーコード読み取り装置により物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取る工程、物品識別装置により物品の周面または上面に付された刻印、模様等を撮像して識別用画像を生成し、当該識別用画像に基づいて物品の識別を行う工程を適宜追加しても良い。
【0141】
以上の如く、位置決め装置100は、
周面1aを有する容器1の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより容器1を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと、
第一ベルト127Lを回転駆動する第一モータ141Lと、
第二ベルト127Rを回転駆動する第二モータ141Rと、
第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサ150と、
容器1の上面1bに付されたマーク1eに基づいて、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサ160と、
設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させ、設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出してからは予め設定された容器1の外径に基づいて算出された「設定位置から回転位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させ、回転位置に容器1が到達してから容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる制御装置172と、
を具備し、
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持されたときに第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aに沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される。
このように構成することにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が回転するときの容器1の位置精度が向上し、回転位相検出センサ160による容器1の回転位相の検出精度も向上するので、ひいては容器1の位置決め精度を向上する(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正する)ことが可能である。
【0142】
また、位置決め装置100の制御装置172は、
容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出してからは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる。
このように構成することにより、容器1の回転位相を設定位相に保持しつつ(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正した状態で)容器1を取り出すことが可能である。
【0143】
また、位置決め装置100の回転位相検出センサ160は、
容器1の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
撮像素子により生成された撮像画像に写った容器1のマーク1eおよび予め設定された基準画像に写った容器1のマーク1eを用いて撮像画像と基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる。
このように構成することにより、回転している容器1の回転位相を精度良く検出することが可能である。
【0144】
また、位置決め装置100は、
第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構130を具備する。
このように構成することにより、部品の交換等の煩雑な作業を伴わずに外径が異なる複数種類の物品を容易に取り扱うことが可能である。
【0145】
また、ベルト間隔調整機構130は、
第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離となる基準線5に対して同じ距離だけ第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを接近または離間させる。
このように構成することにより、外径が異なる複数種類の物品を取り扱う場合でも搬送経路に対する基準線5の位置が不変であり、位置決め装置100を搬送経路に対して移動させる必要がないので作業性に優れる。
【0146】
また、位置決め装置100は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bにラベルを貼り付ける貼り付け装置を具備する。
このように構成することにより、容器1の所定の位置に精度良くラベルを貼り付けることが可能である。
【0147】
また、位置決め装置100は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bに付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置を具備する。
このように構成することにより、バーコード読み取り装置に対する容器1の向きが安定するので、バーコードを確実に読み取るとことが可能である。
【0148】
また、位置決め装置100は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて容器1の識別を行う物品識別装置を具備する。
このように構成することにより、物品識別装置に対する容器1の向きが安定するので、容器1の識別精度が向上する。
【0149】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
周面1aを有する容器1の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより容器1を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと、
第一ベルト127Lを回転駆動する第一モータ141Lと、
第二ベルト127Rを回転駆動する第二モータ141Rと、
第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサ150と、
容器1の上面1bに付されたマーク1eに基づいて、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサ160と、
を用いて容器1の位置決めを行う位置決め方法であって、
設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第一搬送工程S1100と、
設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出してからは予め設定された容器1の外径に基づいて算出された「設定位置から回転位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第二搬送工程S1200と、
回転位置に容器1が到達してから容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第一回転工程S1300と、
を具備し、
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持されたときに第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aに沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される。
このように構成することにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が回転するときの容器1の位置精度が向上し、回転位相検出センサ160による容器1の回転位相の検出精度も向上するので、ひいては容器1の位置決め精度を向上する(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正する)ことが可能である。
【0150】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出してからは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第三搬送工程S1400を具備する。
このように構成することにより、容器1の回転位相を設定位相に保持しつつ(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正した状態で)容器1を取り出すことが可能である。
【0151】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態において用いられる回転位相検出センサ160は、
容器1の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
撮像素子により生成された撮像画像に写った容器1のマーク1eおよび予め設定された基準画像に写った容器1のマーク1eを用いて撮像画像と基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる。
このように構成することにより、回転している容器1の回転位相を精度良く検出することが可能である。
【0152】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bにラベルを貼り付ける貼り付け工程S1600を具備する。
このように構成することにより、容器1の所定の位置に精度良くラベルを貼り付けることが可能である。
【0153】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bに付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り工程S1700を具備する。
このように構成することにより、バーコード読み取り装置に対する容器1の向きが安定するので、バーコードを確実に読み取るとことが可能である。
【0154】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて容器1の識別を行う物品識別工程S1800を具備する。
このように構成することにより、物品識別装置に対する容器1の向きが安定するので、容器1の識別精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態を示す左側面断面図。
【図2】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態を示すブロック図。
【図3】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態を示すA−A平面断面図。
【図4】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一搬送工程開始時の状態を示すB−B平面断面図。
【図5】同じく本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一搬送工程途中の状態を示すB−B平面断面図。
【図6】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一搬送工程終了時の状態を示すB−B平面断面図。
【図7】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第二搬送工程終了時の状態を示すB−B平面断面図。
【図8】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一回転工程途中の状態を示すB−B平面断面図。
【図9】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一回転工程終了時の状態を示すB−B平面断面図。
【図10】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第三搬送工程途中の状態を示すB−B平面断面図。
【図11】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第三搬送工程終了後の状態を示すB−B平面断面図。
【図12】本発明に係る位置決め方法の実施の一形態を示すフロー図。
【図13】本発明に係る位置決め方法の実施の一形態を示すフロー図。
【図14】同じく本発明に係る位置決め方法の別実施形態を示すフロー図。
【図15】同じく本発明に係る位置決め方法の別実施形態を示すフロー図。
【図16】同じく本発明に係る位置決め方法の別実施形態を示すフロー図。
【符号の説明】
【0156】
1 容器(物品)
1a 周面
1b 上面
1e マーク(回転位相検出用マーク)
100 位置決め装置
127L 第一ベルト
127R 第二ベルト
141L 第一モータ
141R 第二モータ
150 位置検出センサ
160 回転位相検出センサ
172 制御装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品の向き(姿勢)を所定の向きに修正する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品の搬送経路を成す複数のコンベア間で当該物品の受け渡しを行う装置としては、特許文献1から特許文献3に記載の装置が知られている。
【0003】
特許文献1から特許文献3に記載の装置は、いずれも一対の無端ベルトで物品の周面を挟持しつつ、一対の無端ベルトにおいて互いに対向する部分が同方向に移動するように当該一対の無端ベルトを回転駆動することにより物品を搬送し、落下させることなく複数のコンベア間で受け渡すものである。
また、特許文献1から特許文献3に記載の装置は、一対の無端ベルトが物品の周面を挟持しつつ搬送するときの搬送速度を複数のコンベアによる物品の搬送速度よりも速い値に設定し、搬送経路において下流側となるコンベアに一定の時間周期で物品を受け渡すことにより、搬送経路において下流側となるコンベア上に複数の物品を所定の間隔を空けて載置することが可能である。
【0004】
上記の如き一対の無端ベルトで物品の周面を挟持して搬送するとともに一定の周期で物品を受け渡す装置は、一対の無端ベルトが物品を挟持しているときに当該物品に当接する部分が当該物品の周面の形状に沿って湾曲し、物品を挟持する力が弱まって物品が装置から落下する場合がある。
このような事態が発生することを防止するために、上記装置の多くは、一対の無端ベルトにおいて互いに対向する部分(挟持部)の内周面側に、無端ベルトが湾曲しないように規制する板状の部材(支持プレート)を具備する。
例えば、特許文献4に記載の如くである。
【0005】
一対の無端ベルトで物品を挟持して搬送する機構を他の用途に応用した装置としては、特許文献5および特許文献6に記載の装置が知られている。
【0006】
特許文献5に記載の装置は、断面形状が非円形(例えば、楕円形、長方形等)の容器の向きを搬送経路に沿って搬送しつつ所定の向き(姿勢)に修正するものである。
特許文献5に記載の装置は、一対の無端ベルトの間隔が容器の断面の短軸方向における長さよりも大きくかつ容器の断面の長軸方向における長さよりも小さくなるように一対の無端ベルトを配置する。
このような構成とすることにより、搬送経路に沿って搬送される容器が一対の無端ベルトに接触すると周方向に回転し、容器の向きが次第に容器の断面の長軸方向と容器の搬送方向とが略平行となるように修正される。
しかし、特許文献5に記載の装置は、断面形状が円形の物品、断面形状が正多角形の物品、あるいは断面形状が比較的等方的な形状の物品(例えば断面形状が円に近い楕円形等)には実質的に適用することが不可能であるという問題を有する。
【0007】
特許文献6に記載の装置は、搬送経路に沿って搬送される物品をカメラで撮像し、撮像された画像に基づいて当該物品の向き(姿勢)を算出し、搬送経路において物品をカメラで撮像する位置よりも下流側となる位置に配置された一対の無端ベルトで物品を挟持し、当該一対の無端ベルトの一方を停止させるとともに他方を回転駆動することにより物品を周方向に回転させつつ搬送経路に沿って搬送し、先に算出された物品の向きが修正された時点以降は一対の無端ベルトの両方を同方向かつ等速で回転駆動することにより、物品を修正された向きのまま搬送するものである。
しかし、特許文献6に記載の装置は、物品をカメラで撮像してから一対の無端ベルトで物品を挟持するまでの間、特に物品が一対の無端ベルトで挟持されるときに物品の向きが変動するおそれがあり、物品の向きを精度良く修正することが出来ない場合があるという問題を有する。
【0008】
一対の無端ベルトを用いずに物品の向きを修正する装置としては、特許文献7および特許文献8に記載の装置が知られている。
【0009】
特許文献7および特許文献8に記載の装置は、いずれも物品の周面に三つのローラを当接させて物品の移動を規制し、ローラのうちの少なくとも一つを回転駆動することにより物品を回転させるとともに、物品の向きを修正するものである。
しかし、特許文献7および特許文献8に記載の装置は物品の外径が変動した場合に物品の向きを精度良く修正することが困難であるという問題を有する。
すなわち、特許文献7および特許文献8に記載の装置が物品の向きを精度良く修正するためにはローラにより移動が規制される物品の回転中心がブレないこと(調芯されること)が重要であるが、物品の外径が変動した場合には物品の移動を規制するときのローラの位置を細かく調整する、あるいは物品の外径に応じてローラを交換することにより物品の回転中心を一定の位置に保持しなければならないため、一連の作業が煩雑となるという問題を有する。
【特許文献1】特許第3553459号公報
【特許文献2】実開平3−130223号公報
【特許文献3】特開2002−114365号公報
【特許文献4】特開2006−76723号公報
【特許文献5】特開2005−306458号公報
【特許文献6】特開平11−240617号公報
【特許文献7】特開2000−85950号公報
【特許文献8】特開2002−60049号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は以上の如き状況に鑑みて成されたものであり、物品の向きを精度良く所定の向きに修正することが可能な位置決め装置および位置決め方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
即ち、請求項1においては、
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる制御装置と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成されるものである。
【0013】
請求項2においては、
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0014】
請求項3においては、
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0015】
請求項4においては、
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0016】
請求項5においては、
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなるものである。
【0017】
請求項6においては、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構を具備するものである。
【0018】
請求項7においては、
前記ベルト間隔調整機構は、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトから等距離となる基準線に対して同じ距離だけ前記第一ベルトおよび前記第二ベルトを接近または離間させるものである。
【0019】
請求項8においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け装置を具備するものである。
【0020】
請求項9においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置を具備するものである。
【0021】
請求項10においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別装置を具備するものである。
【0022】
請求項11においては、
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
を用いて物品の位置決めを行う位置決め方法であって、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一搬送工程と、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第二搬送工程と、
前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一回転工程と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成されるものである。
【0023】
請求項12においては、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備するものである。
【0024】
請求項13においては、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させるものである。
【0025】
請求項14においては、
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備するものである。
【0026】
請求項15においては、
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなるものである。
【0027】
請求項16においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け工程を具備するものである。
【0028】
請求項17においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り工程を具備するものである。
【0029】
請求項18においては、
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別工程を具備するものである。
【発明の効果】
【0030】
本発明は、物品の向きを精度良く所定の向きに修正することが可能である、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下では、図1から図12を用いて本発明に係る位置決め装置の実施の一形態である位置決め装置100について説明する。
図1に示す位置決め装置100はベルトコンベア10により所定の搬送方向に搬送される容器1の向きを所定の向きに修正する装置であり、ベルトコンベア10の中途部に配置される。
【0032】
容器1は本発明に係る物品の実施の一形態であり、その外形は略円柱形状を成し、周面1a、上面1b、下面1cを有する。
容器1の上面1bの中央部には開口部1dが形成され、容器1の内部には空間が形成される。
容器1の上面1bにはマーク1eが形成される。マーク1eは本発明に係る回転位相検出用マークの実施の一形態である。
本実施形態のマーク1eは容器1の上面1bの色(白色)と異なる色(黒色)の塗料を容器1の上面1bの所定の位置に略円形に塗布したものである。
【0033】
「物品」は本発明に係る位置決め装置が取り扱う対象物を指し、少なくとも周面を有する。
「物品の周面」は物品が地面等に載置される通常の姿勢における物品の側面を指す。
「物品の側面」は、例えば物品の形状が立方体であれば立方体の前面(正面)、後面(背面)、左側面および右側面を合わせたものを指し、円柱形状の物体の一対の端面の一方を底面として地面等に載置した場合には当該一対の端面に隣接する曲面を指す。
「物品の上面」は物品が地面等に載置される通常の姿勢における物品の上側の面を指す。
「回転位相検出用マーク」は物品の周面または上面に形成される文字、図形、記号、立体的形状(例えば、突起、窪み等)、あるいはこれらと色彩とが結合したものからなり、少なくとも回転位相検出用マークとその周囲とが視覚的に識別可能であることを要する。
なお、回転位相検出用マークは、回転位相検出用マークとして用いる目的で(意図的に)物品の周面または上面に形成されたものでも良いが、別の目的で物品の周面または上面に形成されたものを回転位相検出用マークとして利用しても良く、あるいは物品の性状により物品の周面または上面に元々存在するものを回転位相検出用マークとして利用しても良い。
【0034】
本発明に係る物品は本実施形態の容器1に限定されない。すなわち、本発明に係る物品には、ある程度(一対のベルトで挟持したときに大きく変形しない程度)の定形性を有し、少なくとも周面を有する形状、換言すれば載置した状態で周方向の回転が可能な形状の物体(有体物)が広く含まれる。
「周方向の回転」は物品が地面等に載置される通常の姿勢において上下方向に延びた軸を中心とする回転を指す。
物品の周面の断面形状(物品の平面視形状)は本実施形態の容器1の如き円形に限定されず、回転対称かつ比較的等方的な形状を広く含む。
「比較的等方的な形状」は、物品の外径が物品の回転位相によって大きく変動しない形状を含む。比較的等方的な形状の例としては、長軸と短軸との長さの差が小さく比較的円形に近い楕円形、正多角形、同形状の突起が周方向に均等に配置されている形状(例えば、歯車の如き形状)等が挙げられる。
なお、物品の周面の断面形状が三角形や四角形等、比較的辺の数が少ない多角形である場合には、角を丸めた形状とするか、あるいは辺を外側に向かって湾曲させた形状とすることが望ましい。
【0035】
ベルトコンベア10は容器1を搬送する装置である。ベルトコンベア10はその上面に容器1を直立した状態(ベルトコンベア10の上面に下面1cが当接した状態)で所定の搬送方向に容器1を搬送する。
ベルトコンベア10の上面は本発明に係る搬送経路の実施の一形態である。
本実施形態におけるベルトコンベア10の上面は水平面(重力が作用する方向に対して垂直な面)に平行である。
「搬送経路」は本発明に係る位置決め装置が取り扱う対象物が搬送される経路を指す。
【0036】
以下ではベルトコンベア10による容器1の搬送方向を「前後方向」と定義し、容器1の搬送方向の上流側を「前方」、容器1の搬送方向の下流側を「後方」と定義し、前後方向に対して垂直かつ水平面に平行な方向を「左右方向」と定義し、水平面に垂直な方向を「上下方向」と定義し、これらの方向を適宜用いて説明を行う。
【0037】
図1、図2、図3および図4に示す如く、位置決め装置100は主としてフレーム110、第一ベルトユニット120L、第二ベルトユニット120R、ベルト間隔調整機構130、第一駆動ユニット140L、第二駆動ユニット140R、位置検出センサ150、回転位相検出センサ160、制御ユニット170および高さ調整機構180を具備する。
【0038】
フレーム110は位置決め装置100の構造体を成す部材であり、位置決め装置100を構成する他の部材はフレーム110に取り付けられる。
フレーム110は主としてメインコラム111L・111R・112L・112R、上板113、中板114、第一支持板115L、第二支持板115R、吊り下げコラム116L・116R・117L・117R、第一吊り下げ板118L、第二吊り下げ板118R、第一搬入ガイド119Lおよび第二搬入ガイド119Rを具備する。
【0039】
図3および図4に示す如く、メインコラム111L・111R・112L・112Rはそれぞれフレーム110の左前部、右前部、左後部、右後部を成す略円柱形状の部材である。
メインコラム111L・111R・112L・112Rはいずれもその長手方向が上下方向に平行であり、メインコラム111L・111R・112L・112Rの一端(下端)にはゴムからなるパッドが設けられる(図1参照)。
当該パッドが床面等に当接することにより、当該パッドと床面等との間で摩擦力を生じ、ベルトコンベア10に対する位置決め装置100の相対的な位置が変動しない(ズレない)ようにしている。
図4に示す如く、本実施形態ではメインコラム111L・112Lはベルトコンベア10の左側に配置されるとともにメインコラム111R・112Rはベルトコンベア10の右側に配置される。従って、位置決め装置100はベルトコンベア10の中途部に跨った格好で配置されることとなる。
【0040】
上板113はフレーム110の上部を成す板状の部材である。
上板113の左前端部はメインコラム111Lの上端に固定され、上板113の右前端部はメインコラム111Rの上端に固定され、上板113の左後端部はメインコラム112Lの上端に固定され、上板113の右後端部はメインコラム112Rの上端に固定される。
【0041】
中板114はフレーム110の上下中央部を成す板状の部材である。
図3に示す如く、中板114の平面視中央部には長方形状の開口部114aが形成される。
中板114の左前端部、右前端部、左後端部、右後端部にはそれぞれ円筒形状の摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114bが設けられる。メインコラム111L・111R・112L・112Rは摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114b・摺動筒114bにそれぞれ摺動可能に貫装される。
中板114は高さ調整機構180を介して上板113に支持される。高さ調整機構180は上板113と中板114との間の距離(ひいては、第一ベルトユニット120Lおよび第二ベルトユニット120Rの高さ)を調整可能である。
【0042】
第一支持板115Lは第一ベルトユニット120Lを支持するための板状の部材である。
図3に示す如く、第一支持板115Lは中板114に形成された開口部114aの左寄りとなる位置に収容され、ベルト間隔調整機構130を介して中板114に支持される。
【0043】
第二支持板115Rは第二ベルトユニット120Rを支持するための板状の部材である。
図3に示す如く、第二支持板115Rは中板114に形成された開口部114aの右寄りとなる位置に収容され、ベルト間隔調整機構130を介して中板114に支持される。
【0044】
吊り下げコラム116L・117Lは第一ベルトユニット120Lを支持するための略円筒形状の部材である。
吊り下げコラム116Lの一端(上端)は第一支持板115Lの下面の前部に固定され、吊り下げコラム117Lの一端(上端)は第一支持板115Lの下面の後部に固定される。
第一支持板115Lにおいて吊り下げコラム116Lの一端(上端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0045】
吊り下げコラム116R・117Rは第二ベルトユニット120Rを支持するための略円筒形状の部材である。
吊り下げコラム116Rの一端(上端)は第二支持板115Rの下面の前部に固定され、吊り下げコラム117Rの一端(上端)は第二支持板115Rの下面の後部に固定される。
第二支持板115Rにおいて吊り下げコラム116Rの一端(上端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0046】
図4に示す如く、第一吊り下げ板118Lは第一ベルトユニット120Lを支持するための板状の部材である。
第一吊り下げ板118Lの上面の前部には吊り下げコラム116Lの他端(下端)が固定され、第一吊り下げ板118Lの上面の後部には吊り下げコラム117Lの他端(下端)が固定される。
第一吊り下げ板118Lにおいて吊り下げコラム116Lの他端(下端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0047】
図4に示す如く、第二吊り下げ板118Rは第二ベルトユニット120Rを支持するための板状の部材である。
第二吊り下げ板118Rの上面の前部には吊り下げコラム116Rの他端(下端)が固定され、第二吊り下げ板118Rの上面の後部には吊り下げコラム117Rの他端(下端)が固定される。
第二吊り下げ板118Rにおいて吊り下げコラム116Rの他端(下端)に対応する部分には上下に貫通する孔が形成され、軸受けが嵌装される。
【0048】
第一搬入ガイド119Lおよび第二搬入ガイド119Rはベルトコンベア10により搬送される容器1を第一吊り下げ板118Lと第二吊り下げ板118Rとで挟まれる領域(ひいては、後述する第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟まれる領域)に導くための板状の部材である。
図4に示す如く、第一搬入ガイド119Lは第一吊り下げ板118Lの右前端部に固定され、その板面が左右方向に対して垂直となる。第一搬入ガイド119Lの前端部は左前方に向かって屈曲される。
図4に示す如く、第二搬入ガイド119Rは第二吊り下げ板118Rの左前端部に固定され、その板面が左右方向に対して垂直となる。第二搬入ガイド119Rの前端部は右前方に向かって屈曲される。
【0049】
図4に示す如く、第一ベルトユニット120Lは第一駆動プーリ121L、第一駆動軸122L、第一従動プーリ123L、第一従動軸124L、第一調整プーリ125L、第一調整軸126L、第一ベルト127Lを具備する。
【0050】
第一駆動プーリ121Lは第一ベルト127Lを巻回し、第一ベルト127Lを回転駆動するための駆動力を第一ベルト127Lに伝達するプーリである。
第一駆動プーリ121Lは第一吊り下げ板118Lの下方に配置される。
【0051】
第一駆動軸122Lは第一駆動プーリ121Lに駆動力を伝達する軸である。
第一駆動軸122Lは吊り下げコラム116Lに収容され、軸受けを介して吊り下げコラム116Lに軸支される。
吊り下げコラム116Lに軸支された第一駆動軸122Lの一端(上端)は第一支持板115Lに形成された孔を貫通して第一支持板115Lの上方に突出する。
また、吊り下げコラム116Lに軸支された第一駆動軸122Lの他端(下端)は第一吊り下げ板118Lに形成された孔を貫通して第一吊り下げ板118Lの下方に突出し、第一駆動軸122Lの他端(下端)には第一駆動プーリ121Lが固定される。
【0052】
第一従動プーリ123Lは第一ベルト127Lを巻回し、第一ベルト127Lに従って回転するプーリである。
第一従動プーリ123Lは第一吊り下げ板118Lの下方において第一駆動プーリ121Lの後方となる位置に配置される。
本実施形態では、第一従動プーリ123Lの直径は第一駆動プーリ121Lの直径と同じである。
【0053】
第一従動軸124Lは第一従動プーリ123Lを回転可能に軸支する軸である。
第一従動軸124Lの一端(上端)は第一吊り下げ板118Lに固定され、第一従動軸124Lの他端(下端)には軸受けを介して第一従動プーリ123Lが回転可能に軸支される。
【0054】
第一調整プーリ125Lは第一ベルト127Lに巻回され、第一ベルト127Lの張り具合を調整するプーリである。
第一調整プーリ125Lは第一吊り下げ板118Lの下方において第一駆動プーリ121Lの後左方かつ第一従動プーリ123Lの前左方となる位置に配置される。
【0055】
第一調整軸126Lは第一調整プーリ125Lを回転可能に軸支する軸である。
第一調整軸126Lの一端(上端)には雄ネジが形成され、第一吊り下げ板118Lに形成された長孔(不図示)に貫装される。
第一調整軸126Lの一端にナットを螺装して締め付けることにより、第一調整軸126Lは第一吊り下げ板118Lに固定される。
第一吊り下げ板118Lに形成された長孔は左右方向に延びた形状であるため、第一調整軸126Lが第一吊り下げ板118Lに固定される位置を左右方向に関して調整することが可能である。
第一調整軸126Lの他端(下端)には軸受けを介して第一調整軸126Lが回転可能に軸支される。
【0056】
第一ベルト127Lは本発明に係る第一ベルトの実施の一形態である。
第一ベルト127Lは第一駆動プーリ121L、第一従動プーリ123Lおよび第一調整プーリ125Lに巻回される無端ベルト(リング状のベルト)である。
第一ベルト127Lの外周部(第一ベルト127Lの外周面近傍の部分)は発泡性樹脂(ポリウレタン)からなり、第一ベルト127Lは厚さ方向に(第一ベルト127Lの外周面から内周面に向かって)弾性変形することが可能である。
第一ベルト127Lの内周部(第一ベルト127Lの内周面近傍の部分)はスチールワイヤが内包されたゴムからなり、第一ベルト127Lの長手方向、すなわち張力が作用する方向の変形(延び)が抑制される。
第一駆動プーリ121L、第一従動プーリ123Lおよび第一調整プーリ125Lに巻回された第一ベルト127Lのうち、第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の長手方向は位置決め装置100の前後方向と平行である。
【0057】
図4に示す如く、第二ベルトユニット120Rは第二駆動プーリ121R、第二駆動軸122R、第二従動プーリ123R、第二従動軸124R、第二調整プーリ125R、第二調整軸126R、第二ベルト127Rを具備する。
【0058】
第二駆動プーリ121Rは第二ベルト127Rを巻回し、第二ベルト127Rを回転駆動するための駆動力を第二ベルト127Rに伝達するプーリである。
第二駆動プーリ121Rは第二吊り下げ板118Rの下方に配置される。
本実施形態では、第二駆動プーリ121Rの直径は第一駆動プーリ121Lの直径と同じである。
【0059】
第二駆動軸122Rは第二駆動プーリ121Rに駆動力を伝達する軸である。
第二駆動軸122Rは吊り下げコラム116Rに収容され、軸受けを介して吊り下げコラム116Rに軸支される。
吊り下げコラム116Rに軸支された第二駆動軸122Rの一端(上端)は第二支持板115Rに形成された孔を貫通して第二支持板115Rの上方に突出する。
また、吊り下げコラム116Rに軸支された第二駆動軸122Rの他端(下端)は第二吊り下げ板118Rに形成された孔を貫通して第二吊り下げ板118Rの下方に突出し、第二駆動軸122Rの他端(下端)には第二駆動プーリ121Rが固定される。
【0060】
第二従動プーリ123Rは第二ベルト127Rを巻回し、第二ベルト127Rに従って回転するプーリである。
第二従動プーリ123Rは第二吊り下げ板118Rの下方において第二駆動プーリ121Rの後方となる位置に配置される。
本実施形態では、第二従動プーリ123Rの直径は第二駆動プーリ121Rの直径と同じである。
【0061】
第二従動軸124Rは第二従動プーリ123Rを回転可能に軸支する軸である。
第二従動軸124Rの一端(上端)は第二吊り下げ板118Rに固定され、第二従動軸124Rの他端(下端)には軸受けを介して第二従動プーリ123Rが回転可能に軸支される。
【0062】
第二調整プーリ125Rは第二ベルト127Rに巻回され、第二ベルト127Rの張り具合を調整するプーリである。
第二調整プーリ125Rは第二吊り下げ板118Rの下方において第二駆動プーリ121Rの後右方かつ第二従動プーリ123Rの前右方となる位置に配置される。
【0063】
第二調整軸126Rは第二調整プーリ125Rを回転可能に軸支する軸である。
第二調整軸126Rの一端(上端)には雄ネジが形成され、第二吊り下げ板118Rに形成された長孔(不図示)に貫装される。
第二調整軸126Rの一端にナットを螺装して締め付けることにより、第二調整軸126Rは第二吊り下げ板118Rに固定される。
第二吊り下げ板118Rに形成された長孔は左右方向に延びた形状であるため、第二調整軸126Rが第二吊り下げ板118Rに固定される位置を左右方向に関して調整することが可能である。
第二調整軸126Rの他端(下端)には軸受けを介して第二調整軸126Rが回転可能に軸支される。
【0064】
第二ベルト127Rは本発明に係る第二ベルトの実施の一形態である。
第二ベルト127Rは第二駆動プーリ121R、第二従動プーリ123Rおよび第二調整プーリ125Rに巻回される無端ベルト(リング状のベルト)である。
第二ベルト127Rの外周部(第二ベルト127Rの外周面近傍の部分)は発泡性樹脂(ポリウレタン)からなり、第二ベルト127Rは厚さ方向に(第二ベルト127Rの外周面から内周面に向かって)弾性変形することが可能である。
第二ベルト127Rの内周部(第二ベルト127Rの外周面近傍の部分)はスチールワイヤが内包されたゴムからなり、第二ベルト127Rの長手方向、すなわち張力が作用する方向の変形(延び)が抑制される。
第二駆動プーリ121R、第二従動プーリ123Rおよび第二調整プーリ125Rに巻回された第二ベルト127Rのうち、第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の長手方向は位置決め装置100の前後方向と平行である。
【0065】
図4に示す如く、第一ベルトユニット120Lと第二ベルトユニット120Rとは左右対称な関係であり、第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の外周面と第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の外周面とは互いに対向する。
【0066】
また、第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の外周面から第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の外周面までの間隔G1は容器1の外径(直径)R1よりも小さい(G1<R1)ので、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとの間に搬送された容器1の周面1aは第一ベルト127Lの外周面および第二ベルト127Rの外周面の両方に当接し、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持される。
【0067】
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて互いに対向する部分が搬送方向に同じ速度で移動するように第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを回転駆動することにより、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは、容器1を周方向に回転させることなく搬送方向に搬送することが可能である。
【0068】
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて互いに対向する部分の一方が搬送方向(後方)に移動し、かつ他方が搬送方向の逆方向(前方)に同じ速度で移動するように第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを回転駆動することにより、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは、容器1を搬送方向に移動させることなく周方向に(水平面に垂直な軸を中心として)回転させることが可能である。
【0069】
図3に示すベルト間隔調整機構130は本発明に係るベルト間隔調整機構の実施の一形態であり、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔(本実施形態の場合、第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分の外周面から第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分の外周面までの間隔)を調整するものである。
ベルト間隔調整機構130は主としてブロック131L・131R・132L・132R、ネジ軸133、ネジ軸134、プーリ135、プーリ136、連動ベルト137およびハンドル138を具備する。
【0070】
ブロック131L・131R・132L・132Rは塊状の部材である。
ブロック131L・131R・132L・132Rには左右方向に貫通する孔が形成され、ブロック131L・131R・132L・132Rに形成された孔の内周面には雌ネジが形成される。
ブロック131Lおよびブロック132Lに形成される雌ネジは左ネジであり、ブロック131Rおよびブロック132Rに形成される雌ネジは右ネジである。
また、ブロック131L・131R・132L・132Rに形成される雌ネジのピッチは同じである。
ブロック131Lは第一支持板115Lの下面の前部に固定される(図3参照)。
ブロック132Lは第一支持板115Lの下面の後部に固定される(図3参照)。
ブロック131Rは第二支持板115Rの下面の前部に固定される(図1、図3参照)。
ブロック132Rは第二支持板115Rの下面の後部に固定される(図1、図3参照)。
【0071】
ネジ軸133は第一支持板115Lの前部および第二支持板115Rの前部を中板114に支持する軸である。
ネジ軸133の左端部および右端部は軸受けを介して中板114に回転可能に軸支される。
ネジ軸133の左半部の外周面および右半部の外周面にはそれぞれ雄ネジが形成される。
ネジ軸133の左半部の外周面に形成される雄ネジは左ネジであり、ネジ軸133の右半部の外周面に形成される雄ネジは右ネジである。
ネジ軸133の左半部はブロック131Lに螺装され、ネジ軸133の右半部はブロック131Rに螺装される。
【0072】
ネジ軸134は第一支持板115Lの後部および第二支持板115Rの後部を中板114に支持する軸である。
ネジ軸134の左端部および右端部は軸受けを介して中板114に回転可能に軸支される。
ネジ軸134の左半部の外周面および右半部の外周面にはそれぞれ雄ネジが形成される。
ネジ軸134の左半部の外周面に形成される雄ネジは左ネジであり、ネジ軸134の右半部の外周面に形成される雄ネジは右ネジである。
ネジ軸134の左半部はブロック132Lに螺装され、ネジ軸134の右半部はブロック132Rに螺装される。
【0073】
プーリ135はネジ軸133の回転駆動力をネジ軸134に伝達するものである。
プーリ135はネジ軸133の右半部において雄ネジが形成されている部分と中板114に軸支されている部分とで挟まれる位置に相対回転不能に嵌装される。
【0074】
プーリ136はネジ軸133の回転駆動力をネジ軸134に伝達するものである。
プーリ136はネジ軸134の右半部において雄ネジが形成されている部分と中板114に軸支されている部分とで挟まれる位置に相対回転不能に嵌装される。
プーリ135の直径はプーリ136の直径と等しい。
【0075】
連動ベルト137はネジ軸133の回転駆動力をネジ軸134に伝達するものである。
連動ベルト137はプーリ135およびプーリ136に巻回される。
【0076】
ハンドル138は作業者がネジ軸133を回転させる際に操作するものである。ハンドル138はネジ軸133の右端部に固定される。
【0077】
作業者がハンドル138を右側面視で時計回りに回転させると、ネジ軸133は右側面視で時計回りに回転する。また、ネジ軸133は右側面視で時計回りに回転すると、プーリ135、連動ベルト137およびプーリ136を経てネジ軸133の回転駆動力がネジ軸134に伝達され、ネジ軸134は右側面視で時計回りに回転する。
その結果、第一支持板115Lは左方向に移動するとともに第二支持板115Rは右方向に移動し、第一支持板115Lと第二支持板115Rとの間隔、ひいては第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔が大きくなる。
このとき、第一支持板115Lの左方向への移動量と第二支持板115Rの右方向への移動量は同じであり、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離となる基準線5(図3参照)に対して同じ距離だけ離間することとなる。
【0078】
作業者がハンドル138を右側面視で反時計回りに回転させると、ネジ軸133・134は右側面視で反時計回りに回転する。
その結果、第一支持板115Lは右方向に移動するとともに第二支持板115Rは左方向に移動し、第一支持板115Lと第二支持板115Rとの間隔、ひいては第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔が小さくなる。
このとき、第一支持板115Lの右方向への移動量と第二支持板115Rの左方向への移動量は同じであり、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離となる基準線5(図3参照)に対して同じ距離だけ接近することとなる。
【0079】
図3に示す如く、第一駆動ユニット140Lは第一モータ141L、第一減速機構142Lおよびカバー143Lを具備する。
【0080】
第一モータ141Lは本発明に係る第一モータの実施の一形態であり、第一ベルト1127Lを回転駆動する。
第一モータ141Lはサーボモータからなり、正逆両方向に回転することが可能であり、回転量(回転角度)および回転速度を調整することが可能である。
第一モータ141Lは第一支持板115Lの上面に固定される。
【0081】
第一減速機構142Lは第一モータ141Lにて発生した回転駆動力を減速して第一駆動軸122Lに伝達するものである。
第一減速機構142Lは複数の歯車等を組み合わせたものであり、第一減速機構142Lは第一支持板115Lの上面に固定される。
第一減速機構142Lの入力端は第一モータ141Lの回転軸に接続され、第一減速機構142Lの出力端は第一駆動軸122Lの上端部に接続される。
【0082】
第一モータ141Lにおいて回転駆動力が発生することにより第一モータ141Lの回転軸が回転すると、第一モータ141Lにおいて発生した回転駆動力は第一減速機構142L、第一駆動軸122Lおよび第一駆動プーリ121Lを経て第一ベルト127Lに伝達され、第一ベルト127Lが回転駆動される。
【0083】
カバー143Lは第一モータ141Lおよび第一減速機構142Lを保護するものである。カバー143Lは第一モータ141Lおよび第一減速機構142Lを覆った状態で第一支持板115Lの上面に固定される。
【0084】
図1および図3に示す如く、第二駆動ユニット140Rは第二モータ141R、第二減速機構142Rおよびカバー143Rを具備する。
【0085】
第二モータ141Rは本発明に係る第二モータの実施の一形態であり、第二ベルト1127Rを回転駆動する。
第二モータ141Rはサーボモータからなり、正逆両方向に回転することが可能であり、回転量(回転角度)および回転速度を調整することが可能である。
第二モータ141Rは第二支持板115Rの上面に固定される。
【0086】
第二減速機構142Rは第二モータ141Rにて発生した回転駆動力を減速して第二駆動軸122Rに伝達するものである。
第二減速機構142Rは複数の歯車等を組み合わせたものであり、第二減速機構142Rは第二支持板115Rの上面に固定される。
第二減速機構142Rの入力端は第二モータ141Rの回転軸に接続され、第二減速機構142Rの出力端は第二駆動軸122Rの上端部に接続される。
【0087】
第二モータ141Rにおいて回転駆動力が発生することにより第二モータ141Rの回転軸が回転すると、第二モータ141Rにおいて発生した回転駆動力は第二減速機構142R、第二駆動軸122Rおよび第二駆動プーリ121Rを経て第二ベルト127Rに伝達され、第二ベルト127Rが回転駆動される。
【0088】
カバー143Rは第二モータ141Rおよび第二減速機構142Rを保護するものである。カバー143Rは第二モータ141Rおよび第二減速機構142Rを覆った状態で第二支持板115Rの上面に固定される。
【0089】
本実施形態では第一モータ141Lおよび第二モータ141Rはいずれもサーボモータからなるが、本発明はこれに限定されない。すなわち、正逆両方向に回転することが可能であり、回転量(回転角度)および回転速度を調整することが可能であれば、第一モータおよび第二モータがサーボモータと異なる形式のモータ(例えば、ステッピングモータ)であっても良い。
【0090】
位置検出センサ150は本発明に係る位置検出センサの実施の一形態であり、第一ベルト27Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したことを検出するものである。
本実施形態の位置検出センサ150は光学式のセンサであり、投光部151および受光部152を具備する。
【0091】
投光部151は所定の波長を有する光を投光(照射)するものである。
図1および図4に示す如く、投光部151は第二吊り下げ板118Rの下面に固定される。第二吊り下げ板118Rの下面に固定された投光部151は、前後方向(容器1の搬送方向)において第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rから等距離となり、かつ第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rよりも上方となる位置に配置され、左方向に光を投光する。
【0092】
受光部152は投光部151により投光された光を受光するものである。
図4に示す如く、受光部152は第一吊り下げ板118Lの下面に固定される。第一吊り下げ板118Lの下面に固定された受光部152は、前後方向(容器1の搬送方向)において第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lから等距離となり、かつ第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lよりも上方となる位置に配置される。
受光部152は投光部151により投光された光の波長を含む所定の波長の光が照射されると当該光の強度に応じた起電力を発生する半導体素子(光電素子)からなり、投光部151により投光された光が容器1により遮られると受光部152が発生する起電力が低下する。
従って、受光部152が発生する起電力の変化(本実施形態の場合、起電力の低下)を検出することにより、容器1の後端部(搬送経路における下流端部)が投光部151により投光された光と干渉する位置、すなわち所定の「設定位置」に容器1が到達したことを検出することが可能である。
本実施形態では、左右方向において第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離かつ搬送方向(前後方向)において第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lから等距離(あるいは第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rから等距離)となる位置から前方(搬送方向の上流)に向かって容器1の外径の半分の長さだけ戻った位置(図4および図6における点20)と、容器1の周方向における回転軸と、が平面視で一致する位置が「設定位置」となる。
【0093】
本実施形態の位置検出センサ150は投光部151および受光部152を具備する光学式のセンサであるが、本発明に係る位置検出センサはこれに限定されない。すなわち、本発明に係る位置検出センサは、投光部と受光部とが一体となった形式の光学式センサ(投光部から投光され、対象物表面にて反射された光を受光部が受光する形式の光学式センサ)でも良く、静電容量の変化に基づいて対象物を検出する形式のセンサ(静電容量形センサ)でも良い。
【0094】
回転位相検出センサ160は本発明に係る回転位相検出センサの実施の一形態であり、容器1の上面1bに付されたマーク1eに基づいて、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で「回転位置」に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された「設定位相」であることを検出するものである。
「回転位置」は第一ベルトおよび第二ベルトにより挟持された物品を周方向に回転させる位置を指す。回転位置は、(a)設定位置と同じ位置、または(b)設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に設定される。
本実施形態では、左右方向において第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離かつ搬送方向(前後方向)において第一駆動プーリ121Lおよび第一従動プーリ123Lから等距離(あるいは第二駆動プーリ121Rおよび第二従動プーリ123Rから等距離)となる位置(図4および図7における点30)と、容器1の周方向における回転軸と、が平面視で一致する位置が「回転位置」となる。
「設定位相」は回転位置に配置された物品が所望の姿勢となったときの周方向の回転位相を指す。
図4に示す如く、本実施形態では、回転位相検出センサ160は第一吊り下げ板118Lの上面かつ第一ベルトユニット120Lよりも後方となる位置に固定され、回転位相検出センサ160の撮像方向は右前方(回転位相検出センサ160の撮像領域の左右略中央部に回転位置が写る方向)に設定される。
【0095】
回転位相検出センサ160はいわゆるマッチングセンサからなる。
「マッチングセンサ」は、物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、撮像素子により生成された撮像画像に写った物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った物品の回転位相検出用マークを用いて撮像画像と基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、を具備する。
「撮像素子」は、例えばCCDイメージセンサ、CMOSイメージセンサからなる。
「パターンマッチング」の具体的な方法としては、残差マッチング(基準となるパターンを対象となるパターンに対して上下方向あるいは左右方向に相対移動させながら重ね合わせの残差が最小となる点を求める方法)、正規化相関法(基準となるパターンと対象となるパターンとの間の正規化相関値が最も大きくなる点を求める方法)、位相限定相関法(基準となるパターンおよび対象となるパターンの両者をフーリエ変換し、フーリエ変換面で位相限定処理を行うことによりマッチング点を算出する方法)、幾何マッチング法・ベクトル相関法・一般化ハフ変換法(基準となるパターンおよび対象となるパターンのエッジ点列を用いてマッチング点を算出する方法)等が挙げられる。
「基準画像」は、回転位置に所定の向き(周方向の回転位相が設定位相となる向き)で配置された物品を回転位相検出センサにより撮像した画像を指す。
本実施形態では、容器1のマーク1eが回転位相検出センサ160の撮像領域の略中央部に位置する画像が基準画像となる。
「判定部」はCPU等の半導体素子が実装された電子基板からなり、パターンマッチングに係るプログラムを格納し、展開し、演算し、演算結果を出力する(演算結果に対応する信号を送信する)ことが可能である。
回転位相検出センサ160は、撮像画像に写った容器1のマーク1eと基準画像に写った容器1のマーク1eとの間でパターンマッチングを行い、撮像画像と基準画像との間の相関が所定の相関値以上である場合には容器1の周方向の回転位相が設定位相であると判定し、その旨の信号を出力(送信)する。
【0096】
本実施形態の回転位相検出センサ160は撮像素子と判定部とを具備するが、本発明はこれに限定されない。例えば、パターンマッチングに係るプログラムを後述する制御装置に格納し、制御装置が判定部としての機能を兼ねる構成としても良い。
【0097】
図1および図2に示す制御ユニット170は主としてケース171、制御装置172およびタッチパネル173を具備する。
【0098】
ケース171は制御ユニット170の主たる構造体を成す略直方体形状の箱である。
ケース171の内部には制御装置172が収容され、ケース171の左側面にはタッチパネル173が設けられる。
【0099】
制御装置172は位置決め装置100の動作を制御するためのプログラム等を格納することができ、これらのプログラム等を展開することができ、これらのプログラム等に従って所定の演算を行うことができ、当該演算の結果等を記憶することができる。
【0100】
制御装置172は、実体的には、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read−Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)等がバスで相互に接続される構成であっても良く、あるいはワンチップのLSI(Large Scale Integration;大規模集積回路)等からなる構成であっても良い。
本実施形態における制御装置172は専用品であるが、市販のパーソナルコンピュータやワークステーション等に上記プログラム等を格納したもので達成することも可能である。
【0101】
図2に示す如く、制御装置172は位置検出センサ150の受光部152に接続される。
制御装置172は、受光部152が受光した光の強度に応じて生成する信号、すなわち第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したか否かに係る情報を取得することが可能である。
【0102】
図2に示す如く、制御装置172は回転位相検出センサ160に接続される。
制御装置172は、回転位相検出センサ160が生成する信号、すなわち回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かに係る情報を取得することが可能である。
【0103】
図2に示す如く、制御装置172は第一モータ141Lに接続される。
制御装置172は、第一モータ141Lに信号を送信することにより、第一モータ141Lの回転方向、第一モータ141Lの回転量(回転角度)および第一モータ141Lの回転速度を制御することが可能である。
【0104】
図2に示す如く、制御装置172は第二モータ141Rに接続される。
制御装置172は、第二モータ141Rに信号を送信することにより、第二モータ141Rの回転方向、第二モータ141Rの回転量(回転角度)および第二モータ141Rの回転速度を制御することが可能である。
【0105】
タッチパネル173は、(A)制御装置172に位置決め装置100の動作に係る種々の情報、指示等を入力する「入力装置」としての機能と、(B)制御装置172への入力内容、位置決め装置100の動作状況等を表示する「表示装置」としての機能と、を兼ねるものである。
タッチパネル173は制御装置172に接続され、作業者がタッチパネル173を操作することにより入力した情報、指示等を制御装置172に送信することが可能であるとともに、制御装置172が生成した位置決め装置100の動作状況に係る情報を受信(取得)することが可能である。
【0106】
本実施形態の位置決め装置100はタッチパネル173を用いて制御装置への情報等の入力および情報等の表示を行う構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、タッチパネルに代えて、市販のキーボード、マウス、ポインティングデバイス、ボタン、スイッチ等を用いて制御装置に情報等の入力を行い、市販の液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)やCRTディスプレイ(Cathode Ray Tube Display)等を用いて情報等の表示を行う構成としても良い。
【0107】
以下では、図4から図12を用いて制御装置172による位置決め装置100の動作制御方法について説明する。
制御装置172による位置決め装置100の動作制御方法は、実質的に本発明に係る位置決め方法の実施の一形態に相当する。
【0108】
図12に示す如く、制御装置172による位置決め装置100の動作制御方法は、主として第一搬送工程S1100、第二搬送工程S1200、第一回転工程S1300および第三搬送工程S1400を具備する。
【0109】
第一搬送工程S1100は、制御装置172が、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1を設定位置に搬送する工程である。
【0110】
図4から図6に示す如く、第一搬送工程S1100において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向に速度V11で移動する(第一ベルト127Lが平面視で時計回りに周速度V11で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度V12で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度V12で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、V11=V12である。
【0111】
図4に示す如く、第一搬送工程S1100において、容器1はベルトコンベア10により搬送方向に搬送され、搬送方向の上流側から位置決め装置100に接近する。
【0112】
図5に示す如く、第一搬送工程S1100において、容器1はベルトコンベア10により搬送方向に引き続き搬送され、容器1は第一搬入ガイド119Lおよび第二搬入ガイド119Rにより左右方向の移動が規制されつつ第一吊り下げ板118Lおよび第二吊り下げ板118Rの間に進入する。
【0113】
図6に示す如く、第一搬送工程S1100において、容器1は第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持される。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は、周方向に回転することなく搬送方向に搬送される。
【0114】
制御装置172は、位置検出センサ150から「容器1が設定位置に到達したことを示す信号」を取得する時点(図6参照)までは上記の如き制御を行い、位置検出センサ150から「容器1が設定位置に到達したことを示す信号」を取得した時点で第一搬送工程S1100を終了する。
第一搬送工程S1100が終了したら、第二搬送工程S1200に移行する。
【0115】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度と第二ベルト127Rの移動速度とが同じ値である(V11=V12)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0116】
第二搬送工程S1200は「予め設定された容器1の外径」に基づいて算出された「設定位置から回転位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1を設定位置から回転位置に搬送する工程である。
【0117】
図7に示す如く、第二搬送工程S1200において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向に速度V21で移動する(第一ベルト127Lが平面視で時計回りに周速度V21で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度V22で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度V22で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、V21=V22である。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は、周方向に回転することなく搬送方向に搬送される。
【0118】
制御装置172は、予め容器1の外径に基づいて「設定位置から回転位置までの距離」を算出し、「設定位置から回転位置までの距離」を第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが湾曲することを考慮して補正することにより「設定位置から回転位置までの距離まで容器1を搬送するために第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが移動すべき長さ」を算出し、「設定位置から回転位置までの距離まで容器1を搬送するために第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが移動すべき長さに対応する第一モータ141Lおよび第二モータ141Rの回転量」を算出し、これを記憶している。
そして、制御装置172は、「設定位置から回転位置までの距離まで容器1を搬送するために第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが移動すべき長さに対応する第一モータ141Lおよび第二モータ141Rの回転量」だけ第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転させた時点で第一モータ141Lおよび第二モータ141Rにそれぞれ回転を停止する旨の信号を送信し、第二搬送工程S1200を終了する。
【0119】
容器1の外径に係る情報は、作業者がタッチパネル173で入力することにより制御装置172に記憶させても良く、実験的に第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで容器1を挟持して第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを回転させることにより容器1を搬送方向に搬送したときの第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rの回転量(第一モータ141Lおよび第二モータ141Rの回転量)および位置検出センサ150から取得される信号に基づいて制御装置172が容器1の外径を算出し、容器1の外径に係る情報として当該算出結果を制御装置172が記憶しても良い。
【0120】
第二搬送工程S1200が終了した時点で、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は回転位置に到達する。
第二搬送工程S1200が終了したら、第一回転工程S1300に移行する。
【0121】
本実施形態では第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度と第二ベルト127Rの移動速度とが同じ値である(V21=V22)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0122】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度と第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度とが同じ値である(V11=V21)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第二搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0123】
本実施形態では設定位置と回転位置とが異なり、設定位置が回転位置よりも搬送方向において上流側に設定されるが、本発明はこれに限定されず、設定位置と回転位置とを同じ位置に設定することも可能である。
設定位置と回転位置とを同じ位置に設定した場合、第二搬送工程を省略することが可能である。
【0124】
第一回転工程S1300は第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、回転位置に配置された容器1を回転させ、容器1の周方向の回転位相が設定位相となる向きに容器1の姿勢を修正する工程である。
【0125】
図8および図9に示す如く、第一回転工程S1300において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向の逆方向に速度Vr1で移動する(第一ベルト127Lが平面視で反時計回りに周速度Vr1で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度Vr2で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度Vr2で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、Vr1=Vr2である。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は、搬送方向に移動することなく周方向に(本実施形態の場合、平面視で時計回りに)回転する。
制御装置172は、回転位相検出センサ160から「容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを示す信号」を取得する時点(図9参照)までは上記の如き制御を行い、回転位相検出センサ160から「容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを示す信号」を取得した時点で第一回転工程S1300を終了する。
第一回転工程S1300が終了したら、第三搬送工程S1400に移行する。
【0126】
従来の「一対のベルトで物品を挟持し、一対のベルトにおいて対向する部分が互いに逆方向に移動するように一対のベルトを回転させることにより物品を回転させ、物品の周面または上面に形成されたマークを用いて画像処理する(例えば、パターンマッチングを行う)ことにより物品の周方向の回転位相を修正する」位置決め装置は、物品が回転するときの中心軸の位置精度が低いと画像処理に基づいて修正された物品の回転位相の信頼性が低下するので、一般に一対のベルトが巻回されるプーリ間の距離をある程度長くし、かつ当該プーリ間において一対のベルトの内周面に臨む位置に一対のベルトが内周面側に湾曲することを規制するためのガイド部材を設け、物品を挟持しているときに一対のベルトが厚さ方向に極力弾性変形しないように一対のベルトの間隔を調整することにより、物品が回転するときの中心軸の位置が物品の搬送方向に対して垂直な方向(左右方向)にずれるのを防止していた。
しかし、上記の如き従来の位置決め装置の場合、容器の周面と一対のベルトの外周面との当接部が実質的に線接触の状態となり、「一方のベルトと容器との当接部における摩擦力」と「他方のベルトと容器との当接部における摩擦力」との間で不均衡が生じ易く、その結果として容器が回転しつつ搬送方向または搬送方向の逆方向に移動してしまい、却って物品が回転するときの中心軸の位置精度が低下し、ひいては画像処理に基づいて修正された物品の回転位相の信頼性が低下するという問題があった。
【0127】
本実施形態の位置決め装置100は、第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとで挟まれるとともに第一ベルト127Lの内周面に臨む部分(図7において斜め格子状に斜線が施された部分)に第一ベルト127Lを規制するガイド部材等を設けず、当該部分に敢えて空間を形成し、容器1が回転位置に到達したときには容器1の周面1aに沿って湾曲した第一ベルト127Lが当該空間に向かって張り出すことを可能とした。
また、第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとで挟まれるとともに第二ベルト127Rの内周面に臨む部分(図7において斜め格子状に斜線が施された部分)に第二ベルト127Rを規制するガイド部材等を設けず、当該部分に敢えて空間を形成し、容器1が回転位置に到達したときには容器1の周面1aに沿って湾曲した第二ベルト127Rが当該空間に向かって張り出すことを可能とした。
【0128】
このように構成することにより、位置決め装置100は従来の位置決め装置に比べて容器1の周面1aと第一ベルト127Lの外周面との当接部および容器1の周面1aと第二ベルト127Rの外周面との当接部の面積を大きくすることが可能である。
その結果、容器1の周面1aと第一ベルト127Lの外周面との当接部および容器1の周面1aと第二ベルト127Rの外周面との当接部の間の摩擦力の不均衡を防止し、容器1の周方向の回転時における搬送方向の位置精度を向上することが可能である。
なお、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと容器1の周面1aとの当接部の面積を極力大きくする観点からは、第一駆動プーリ121Lから第一従動プーリ123Lまでの距離および第二駆動プーリ121Rから第二従動プーリ123Rまでの距離を極力短くすることが望ましい。また、第一駆動プーリ121Lから第一従動プーリ123Lまでの距離および第二駆動プーリ121Rから第二従動プーリ123Rまでの距離を短く設定することは、位置決め装置100の搬送方向における全長を短くして位置決め装置100をコンパクト化(省スペース化)することに寄与するとともに、位置決め装置100の処理能力の向上(容器1を一つ位置決めするのに要する時間の短縮)にも寄与する。
【0129】
また、位置決め装置100は容器1の周方向の回転時に第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが容器1の周面1aに沿って湾曲することにより、第一ベルト127Lに作用する張力の合力(ベクトル和)が容器1に作用して容器1を右方向に押し、第二ベルト127Rに作用する張力の合力(ベクトル和)が容器1に作用して容器1を左方向に押すので、これらの合力が均衡して容器1の左右方向(搬送方向に垂直な方向)の位置が安定する。
その結果、容器1の左右方向の位置精度を向上することが可能である。
【0130】
このように、位置決め装置100は従来の位置決め装置に比べて容器1の周方向の回転時における位置精度が高い(調芯される、すなわち容器1の回転中心の位置がブレず、安定する)ので、回転位相検出センサ160による容器1の回転位相の検出精度が向上し、ひいては容器1の位置決め精度が向上する。
【0131】
本実施形態では第一回転工程S1300における第一ベルト127Lの移動速度と第二ベルト127Rの移動速度とが同じ値である(Vr1=Vr2)が、第一回転工程S1300における第一ベルト127Lの移動速度は、第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度あるいは第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度と同じ値でも良く、異なる値でも良い。
【0132】
第三搬送工程S1400は第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に搬送方向に等速で移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟まれた容器1を周方向に回転させることなく搬送方向に搬送する工程である。
【0133】
図10に示す如く、第三搬送工程S1400において、制御装置172は第一ベルト127Lのうち第一駆動プーリ121Lと第一従動プーリ123Lとの間に張られる部分が搬送方向に速度V31で移動する(第一ベルト127Lが平面視で時計回りに周速度V31で回転する)ように回転する旨の信号を第一モータ141Lに送信する。
また、制御装置172は第二ベルト127Rのうち第二駆動プーリ121Rと第二従動プーリ123Rとの間に張られる部分が搬送方向に速度V32で移動する(第二ベルト127Rが平面視で反時計回りに周速度V32で回転する)ように回転する旨の信号を第二モータ141Rに送信する。ここで、V31=V32である。
その結果、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1は周方向に回転することなく搬送方向に搬送されるので、容器1の周方向の回転位相を設定位相に保持した状態で容器1を位置決め装置100の外部に取り出すことが可能である。
制御装置172は、予め設定された回転量だけ第一モータ141Lおよび第二モータ141Rが回転した時点で、容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態から解放されて再びベルトコンベア10により搬送方向に搬送される状態に移行したものと見なして、第三搬送工程S1400を終了する。
【0134】
なお、本実施形態の場合、複数の容器1・1・・・がベルトコンベア10により順次搬送される(図11参照)ため、第三搬送工程S1400が終了したら第一搬送工程S1100に移行する。
すなわち、第一搬送工程S1100→第二搬送工程S1200→第一回転工程S1300→第三搬送工程S1400→第一搬送工程S1100→第二搬送工程S1200→・・・というサイクルを繰り返す。
【0135】
第三搬送工程S1400が終了し、再度ベルトコンベア10により搬送される容器1は所定の向きは所定の回転位相に修正されているので、ベルトコンベア10により搬送される容器1の所定の位置にラベルを貼り付けたり、ベルトコンベア10により搬送される容器1の所定の位置に付されたバーコードを読み取ったり、ベルトコンベア10により搬送される容器1の周面1aまたは上面1bに付された刻印、模様等を撮像して識別用画像を生成し、当該識別用画像に基づいて物品の識別を行ったりすることが容易である。
【0136】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度と第三搬送工程S1400における第一ベルト127Lの移動速度とが同じ値である(V11=V31)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一搬送工程における第一ベルトの移動速度と第三搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0137】
本実施形態では第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度と第三搬送工程S1400における第一ベルト127Lの移動速度とが同じ値である(V21=V31)が、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第二搬送工程における第一ベルトの移動速度と第三搬送工程における第一ベルトの移動速度とが異なる値でも良い。
【0138】
本実施形態では第一搬送工程S1100における第一ベルト127Lの移動速度、第二搬送工程S1200における第一ベルト127Lの移動速度および第三搬送工程S1400における第一ベルト127Lの移動速度がいずれもベルトコンベア10による容器1の搬送速度よりも大きい。
このように構成することにより、ベルトコンベア10により複数の容器1・1・・・が位置決め装置100に向かって順次搬送される場合であっても、位置決め装置100の上流側に複数の容器1・1・・・が滞留する(渋滞する)ことを防止することが可能である。
【0139】
本実施形態では、第一回転工程S1300において容器1の周方向の回転位相を所定の設定位相に修正した後、第三搬送工程S1400において容器1の周方向の回転位相を保持しつつ容器1を位置決め装置100の外部に取り出す構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一回転工程S1300と第三搬送工程S1400との間に、容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出してからは、第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された容器1の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより容器1の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第二回転工程S1500を具備する構成(図13参照)としても良い。
ここで、「最終設定位相」は「設定位相」と異なる回転位相として設定されるものである。
制御装置172は、最終設定位相と設定位相との位相差(回転角度の差)および容器1の外径に基づいて、容器1の回転位相が設定位相となる状態から最終設定位相となる状態まで容器1を回転させるために必要な第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rの移動量を算出し、これを予め記憶する。
そして、制御装置172は、第二回転工程S1500において、予め設定された(記憶された)第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rの移動量だけ第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rが等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させることにより、容器1の回転位相を最終設定位相に修正する。
このように構成することにより、容器1の向きを所望の向きとしたとき(容器1の回転位相を所望の回転位相としたとき)に位置決め装置100を構成する他の部材が回転位相検出センサ160の撮像領域に重なる等の理由で回転位相検出センサ160が容器1の上面1bに形成されたマーク1eをうまく撮像することができない場合であっても、容器1の上面1bに形成されたマーク1eの撮像が容易な位相を設定位相として設定し、容器1の所望の回転位相を最終設定位相として設定することにより、容器1の回転位相を所望の回転位相に精度良く修正することが可能である。
【0140】
本実施形態では、第一回転工程S1300において容器1の周方向の回転位相を所定の設定位相に修正した後、第三搬送工程S1400において容器1の周方向の回転位相を保持しつつ容器1を位置決め装置100の外部に取り出す構成としたが、本発明はこれに限定されない。
すなわち、第一回転工程が終了した時点で物品の回転位相が修正され、かつ物品が第一ベルトと第二ベルトとで挟持された状態であることを利用し、物品の性状に応じて第一回転工程と第三搬送工程の間に貼り付け装置により物品にラベルを貼り付ける工程(図14に示す貼り付け工程S1600を参照)、バーコード読み取り装置により物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取る工程(図15に示すバーコード読み取り工程S1700を参照)、あるいは、物品識別装置により物品の周面または上面に付された刻印、模様等を撮像して識別用画像を生成し、当該識別用画像に基づいて物品の識別を行う工程(図16に示す物品識別工程S1800を参照)等を適宜追加しても良い。
さらに、第二回転工程と第三搬送工程の間に貼り付け装置により物品にラベルを貼り付ける工程、バーコード読み取り装置により物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取る工程、物品識別装置により物品の周面または上面に付された刻印、模様等を撮像して識別用画像を生成し、当該識別用画像に基づいて物品の識別を行う工程を適宜追加しても良い。
【0141】
以上の如く、位置決め装置100は、
周面1aを有する容器1の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより容器1を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと、
第一ベルト127Lを回転駆動する第一モータ141Lと、
第二ベルト127Rを回転駆動する第二モータ141Rと、
第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサ150と、
容器1の上面1bに付されたマーク1eに基づいて、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサ160と、
設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させ、設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出してからは予め設定された容器1の外径に基づいて算出された「設定位置から回転位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させ、回転位置に容器1が到達してから容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる制御装置172と、
を具備し、
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持されたときに第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aに沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される。
このように構成することにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が回転するときの容器1の位置精度が向上し、回転位相検出センサ160による容器1の回転位相の検出精度も向上するので、ひいては容器1の位置決め精度を向上する(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正する)ことが可能である。
【0142】
また、位置決め装置100の制御装置172は、
容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出してからは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる。
このように構成することにより、容器1の回転位相を設定位相に保持しつつ(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正した状態で)容器1を取り出すことが可能である。
【0143】
また、位置決め装置100の回転位相検出センサ160は、
容器1の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
撮像素子により生成された撮像画像に写った容器1のマーク1eおよび予め設定された基準画像に写った容器1のマーク1eを用いて撮像画像と基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる。
このように構成することにより、回転している容器1の回転位相を精度良く検出することが可能である。
【0144】
また、位置決め装置100は、
第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構130を具備する。
このように構成することにより、部品の交換等の煩雑な作業を伴わずに外径が異なる複数種類の物品を容易に取り扱うことが可能である。
【0145】
また、ベルト間隔調整機構130は、
第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rから等距離となる基準線5に対して同じ距離だけ第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rを接近または離間させる。
このように構成することにより、外径が異なる複数種類の物品を取り扱う場合でも搬送経路に対する基準線5の位置が不変であり、位置決め装置100を搬送経路に対して移動させる必要がないので作業性に優れる。
【0146】
また、位置決め装置100は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bにラベルを貼り付ける貼り付け装置を具備する。
このように構成することにより、容器1の所定の位置に精度良くラベルを貼り付けることが可能である。
【0147】
また、位置決め装置100は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bに付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置を具備する。
このように構成することにより、バーコード読み取り装置に対する容器1の向きが安定するので、バーコードを確実に読み取るとことが可能である。
【0148】
また、位置決め装置100は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて容器1の識別を行う物品識別装置を具備する。
このように構成することにより、物品識別装置に対する容器1の向きが安定するので、容器1の識別精度が向上する。
【0149】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
周面1aを有する容器1の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより容器1を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rと、
第一ベルト127Lを回転駆動する第一モータ141Lと、
第二ベルト127Rを回転駆動する第二モータ141Rと、
第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサ150と、
容器1の上面1bに付されたマーク1eに基づいて、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された状態で設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサ160と、
を用いて容器1の位置決めを行う位置決め方法であって、
設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第一搬送工程S1100と、
設定位置に容器1が到達したことを位置検出センサ150が検出してからは予め設定された容器1の外径に基づいて算出された「設定位置から回転位置までの距離」だけ容器1を搬送方向に搬送するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第二搬送工程S1200と、
回転位置に容器1が到達してから容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出するまでは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第一回転工程S1300と、
を具備し、
容器1が第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持されたときに第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が容器1の周面1aに沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される。
このように構成することにより、第一ベルト127Lと第二ベルト127Rとで挟持された容器1が回転するときの容器1の位置精度が向上し、回転位相検出センサ160による容器1の回転位相の検出精度も向上するので、ひいては容器1の位置決め精度を向上する(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正する)ことが可能である。
【0150】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1の周方向の回転位相が設定位相となったことを回転位相検出センサ160が検出してからは第一ベルト127Lおよび第二ベルト127Rにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように第一モータ141Lおよび第二モータ141Rを回転駆動させる第三搬送工程S1400を具備する。
このように構成することにより、容器1の回転位相を設定位相に保持しつつ(容器1の向きを精度良く所定の向きに修正した状態で)容器1を取り出すことが可能である。
【0151】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態において用いられる回転位相検出センサ160は、
容器1の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
撮像素子により生成された撮像画像に写った容器1のマーク1eおよび予め設定された基準画像に写った容器1のマーク1eを用いて撮像画像と基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより容器1の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる。
このように構成することにより、回転している容器1の回転位相を精度良く検出することが可能である。
【0152】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bにラベルを貼り付ける貼り付け工程S1600を具備する。
このように構成することにより、容器1の所定の位置に精度良くラベルを貼り付けることが可能である。
【0153】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の周面1aまたは上面1bに付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り工程S1700を具備する。
このように構成することにより、バーコード読み取り装置に対する容器1の向きが安定するので、バーコードを確実に読み取るとことが可能である。
【0154】
また、本発明に係る位置決め方法の実施の一形態は、
容器1が回転位置に到達し、かつ容器1の周方向の回転位相が設定位相となったときに、容器1の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて容器1の識別を行う物品識別工程S1800を具備する。
このように構成することにより、物品識別装置に対する容器1の向きが安定するので、容器1の識別精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0155】
【図1】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態を示す左側面断面図。
【図2】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態を示すブロック図。
【図3】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態を示すA−A平面断面図。
【図4】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一搬送工程開始時の状態を示すB−B平面断面図。
【図5】同じく本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一搬送工程途中の状態を示すB−B平面断面図。
【図6】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一搬送工程終了時の状態を示すB−B平面断面図。
【図7】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第二搬送工程終了時の状態を示すB−B平面断面図。
【図8】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一回転工程途中の状態を示すB−B平面断面図。
【図9】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第一回転工程終了時の状態を示すB−B平面断面図。
【図10】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第三搬送工程途中の状態を示すB−B平面断面図。
【図11】本発明に係る位置決め装置の実施の一形態の第三搬送工程終了後の状態を示すB−B平面断面図。
【図12】本発明に係る位置決め方法の実施の一形態を示すフロー図。
【図13】本発明に係る位置決め方法の実施の一形態を示すフロー図。
【図14】同じく本発明に係る位置決め方法の別実施形態を示すフロー図。
【図15】同じく本発明に係る位置決め方法の別実施形態を示すフロー図。
【図16】同じく本発明に係る位置決め方法の別実施形態を示すフロー図。
【符号の説明】
【0156】
1 容器(物品)
1a 周面
1b 上面
1e マーク(回転位相検出用マーク)
100 位置決め装置
127L 第一ベルト
127R 第二ベルト
141L 第一モータ
141R 第二モータ
150 位置検出センサ
160 回転位相検出センサ
172 制御装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる制御装置と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される位置決め装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構を具備する請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記ベルト間隔調整機構は、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトから等距離となる基準線に対して同じ距離だけ前記第一ベルトおよび前記第二ベルトを接近または離間させる請求項6に記載の位置決め装置。
【請求項8】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け装置を具備する請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項9】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置を具備する請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項10】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別装置を具備する請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項11】
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
を用いて物品の位置決めを行う位置決め方法であって、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一搬送工程と、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第二搬送工程と、
前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一回転工程と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される位置決め方法。
【請求項12】
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備する請求項11に記載の位置決め方法。
【請求項13】
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第二回転工程を具備する請求項11に記載の位置決め方法。
【請求項14】
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備する請求項13に記載の位置決め方法。
【請求項15】
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる請求項11から請求項14までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項16】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け工程を具備する請求項11から請求項15までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項17】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り工程を具備する請求項11から請求項16までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項18】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別工程を具備する請求項11から請求項17までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項1】
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させ、前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる制御装置と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される位置決め装置。
【請求項2】
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項3】
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項1に記載の位置決め装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる請求項3に記載の位置決め装置。
【請求項5】
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項6】
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分の間隔を調整するベルト間隔調整機構を具備する請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項7】
前記ベルト間隔調整機構は、
前記第一ベルトおよび前記第二ベルトから等距離となる基準線に対して同じ距離だけ前記第一ベルトおよび前記第二ベルトを接近または離間させる請求項6に記載の位置決め装置。
【請求項8】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け装置を具備する請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項9】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り装置を具備する請求項1から請求項8までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項10】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別装置を具備する請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の位置決め装置。
【請求項11】
周面を有する物品の外径よりも小さい間隔を空けて外周面の一部が互いに対向するように配置されることにより前記物品を挟持することが可能であり、かつ、外周部において厚さ方向に弾性変形可能な無端ベルトである第一ベルトおよび第二ベルトと、
前記第一ベルトを回転駆動する第一モータと、
前記第二ベルトを回転駆動する第二モータと、
前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された前記物品が予め設定された設定位置に到達したことを検出する位置検出センサと、
前記物品の周面または上面に付された回転位相検出用マークに基づいて、前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持された状態で前記設定位置と同じ位置または前記設定位置よりも搬送経路において下流側となる位置に予め設定された回転位置に到達した前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であることを検出する回転位相検出センサと、
を用いて物品の位置決めを行う位置決め方法であって、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一搬送工程と、
前記設定位置に前記物品が到達したことを前記位置検出センサが検出してからは予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された前記設定位置から前記回転位置までの距離だけ前記物品を搬送方向に搬送するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第二搬送工程と、
前記回転位置に前記物品が到達してから前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出するまでは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が等速かつ互いに逆方向に移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第一回転工程と、
を具備し、
前記物品が前記第一ベルトと前記第二ベルトとで挟持されたときに前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が前記物品の周面に沿って湾曲して張り出すことが可能な空間が形成される位置決め方法。
【請求項12】
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備する請求項11に記載の位置決め方法。
【請求項13】
前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相となったことを前記回転位相検出センサが検出してからは、前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が予め設定された前記物品の外径に基づいて算出された移動量だけ等速かつ互いに逆方向に移動することにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された最終設定位相となるように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第二回転工程を具備する請求項11に記載の位置決め方法。
【請求項14】
前記物品の周方向の回転位相が前記最終設定位相となってからは前記第一ベルトおよび前記第二ベルトにおいて外周面が互いに対向する部分が共に所定の搬送方向に等速で移動するように前記第一モータおよび前記第二モータを回転駆動させる第三搬送工程を具備する請求項13に記載の位置決め方法。
【請求項15】
前記回転位相検出センサは、
前記物品の画像を撮像して撮像画像を生成する撮像素子と、
前記撮像素子により生成された撮像画像に写った前記物品の回転位相検出用マークおよび予め設定された基準画像に写った前記物品の回転位相検出用マークを用いて前記撮像画像と前記基準画像との間でパターンマッチングを行うことにより前記物品の周方向の回転位相が予め設定された設定位相であるか否かを判定し、判定の結果を出力する判定部と、
を具備するマッチングセンサからなる請求項11から請求項14までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項16】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面にラベルを貼り付ける貼り付け工程を具備する請求項11から請求項15までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項17】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の周面または上面に付されたバーコードを読み取るバーコード読み取り工程を具備する請求項11から請求項16までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【請求項18】
前記物品が前記回転位置に到達し、かつ前記物品の周方向の回転位相が前記設定位相または前記最終設定位相となったときに、前記物品の画像を撮像することにより生成された識別用画像に基づいて前記物品の識別を行う物品識別工程を具備する請求項11から請求項17までのいずれか一項に記載の位置決め方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2009−280391(P2009−280391A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−137314(P2008−137314)
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(599060847)株式会社ウイスト (5)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年5月26日(2008.5.26)
【出願人】(599060847)株式会社ウイスト (5)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]