説明

余剰汚泥減容化装置及び余剰汚泥減容化システム

【課題】活性汚泥法を利用した排水処理施設において、余剰汚泥の発生を少なくし、余剰汚泥の減量化あるいは減容化を図れる余剰汚泥減容化装置及び余剰汚泥減容化システムを提供する。
【解決手段】曝気槽2から排出された汚泥を、高圧ポンプ100と解砕化装置200及び気液混合装置300からなる余剰汚泥減容化装置5により、解砕化処理及び活性化処理を施して再度曝気槽2に返送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、活性汚泥法を利用した排水処理施設において、余剰汚泥の減量化あるいは減容化を図ることを目的とする余剰汚泥減容化装置及び余剰汚泥減容化システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、活性汚泥法(長時間空気を吹き込み(曝気)十分な酸素を供給し、好気微生物群による排水中に存在する有機物を酸化分解・凝集・吸着・沈殿分離する最も代表的な排水・下水処理法)を利用した排水処理施設において、施設系外に除かれる余剰汚泥は搬出された後、埋め立てられるか、あるいは焼却処分されている。
【0003】
しかし、発生する余剰汚泥量は、工場生産の増加などにより年々増加しており、近年埋め立て場所の限界、焼却処分による二酸化炭素及びダイオキシンの発生などの問題が生じており、汚泥処分費用を抑えるためにも余剰汚泥の減容化が要求されている。
【0004】
この余剰汚泥の減容化の手法として、余剰汚泥を物理的あるいは化学的に処理することにより可溶化し、微生物による消化を促進する技術がある。しかしながら、例えばアルカリを使用した薬液を使用する場合は、酸で中和するなどの設備が必要になり、また薬液による二次汚染の問題も引き起こされている。また磨砕などによる物理的処理においても、磨砕材料の摩耗により材料の補充が常に必要であるため、併せて付帯設備の維持費用も高騰するなどの問題がある。
【0005】
また、薬液を使用しない汚泥自体を物理的に細かく砕いてしまう可溶化技術では、例えば、そのような可溶化技術を利用して排出汚泥の減容化を図るものとして、特許文献1に記載の余剰汚泥減容化装置がある。
【0006】
この余剰汚泥減容化装置によれば、汚泥を連続的に加圧しながら対向衝突または加圧した後、急減圧することによって、汚泥を可溶化し、この可溶化した汚泥を生物分解して排出汚泥の減容化を図っている。
【0007】
【特許文献1】特開2003−305499号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記余剰汚泥減容化装置によれば、可溶化により微生物の消化効率は向上するものの、処理汚泥中には有用な微生物も多く存在しており、この微生物をも全部死滅させてしまって、結果的に曝気槽で再度消化するための負荷量、例えばBOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)の増加になってしまい、実際の排水処理施設ではかえって負担になっていた。
【0009】
そこで、本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、活性汚泥法を利用した排水処理施設において、余剰汚泥自体の発生を少なくし、余剰汚泥の減量化を図れる余剰汚泥減容化装置及び余剰汚泥減容化システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、活性汚泥法による排水処理施設において、曝気槽より排出される汚泥を沈降させ固液分離する沈殿槽と、この沈殿槽から排出される汚泥の返送ラインを有する施設に利用される余剰汚泥の減量化、或いは減容化を図るための余剰汚泥減容化装置であって、上記余剰汚泥減容化装置は、上記汚泥を高圧圧送する高圧ポンプと、
この高圧ポンプにより高圧圧送された汚泥を可溶化することなく解砕化する解砕化装置と、この解砕化装置により解砕化された汚泥に空気を混合することによりこの解砕化された汚泥の溶存酸素濃度を増加し、上記曝気槽に返送する気液混合装置と、を備えるとともに、上記解砕化装置は、密閉ケースの一端に開口し、上記高圧圧送された汚泥を導入する導入口と、上記導入口から上記密閉ケース内へ直線的に延びる導入流路と、上記導入流路を分岐し、上記導入流路に対して平行配置された複数の分岐流路と、上記複数の分岐流路の各々を微小孔で絞り、上記密閉ケースの他端から上記汚泥を噴射する複数の噴射口と、
上記複数の噴射口に連通し、上記分岐流路よりも大径の空洞部からなるとともに、上記汚泥で満たされた解砕化促進室と、からなることを特徴とする。
【0011】
活性汚泥法を利用した排水処理施設において、本発明の余剰汚泥減容化装置を使用した場合には、次のようにして、余剰汚泥の減容化が図れる。
【0012】
まず、この排水処理施設において曝気槽(微生物による消化を行うために空気を送り込む槽)内に曝気による酸素供給を行う。すると、この曝気槽内に生息する微生物、例えば、バクテリア(細菌類)、原生動物、後生動物などの微生物の生物活性度が向上し、汚れの原因である有機物を捕食し汚水を浄化させる。曝気槽内の微生物の一部には、自身の出す粘液により有機物質を塊としたフロックを形成する。また、沈殿槽において静止水域内でこのフロックは沈降し、水と汚泥に分かれる(固液分離)。ここで、上澄み液は浄化された水として河川・下水道へ排出、若しくは中水としてリサイクルされる。フロック化した汚泥は汚泥貯留槽へ送られ余剰汚泥として抜き取られる汚泥と、曝気槽へ戻される返送汚泥に分けられる。フロック化した汚泥は殆どが生きている有用な微生物であり、返送される汚泥は曝気槽内で再び活性化し、繁殖を繰り返す元となる。沈殿槽内に堆積した汚泥は、有用微生物が多く存在するものの、低酸素濃度の環境下であるため、活性は低下している。
【0013】
この返送汚泥はそのまま曝気槽へ返送しても、汚泥活性は非常に低く、返送後の汚泥流入域の曝気槽の活性度は低下してしまい、せっかく曝気して酸素を供給しているのに、酸素が行き届かず曝気槽のこの領域では消化能力が低下してしまうという現象が起きる。
【0014】
そこで、本発明においては、解砕化装置に高圧ポンプを用いてこの消化能力の低下した返送汚泥高圧圧送し、この高圧圧送された汚泥を解砕化装置により解砕化して汚泥の比表面積を増加させた後、更に、気液混合装置によって、ここへ空気(酸素)を混合させる。これにより、解砕処理された汚泥中の酸素濃度を増加させることが出来る。従って、曝気槽流入域における汚泥の活性度は上がり、曝気槽の能力も上がる。
【0015】
ここで、「解砕化」とは次のような意味を持つ。すなわち、微粒単粒子はそれ自身の持つ表面電位、微生物から分泌された粘液などにより、お互いが引き寄せられ凝集体というフロック状態を作るが、このフロック状態を元の単粒子の状態に戻す処理(解砕化処理)を意味する。
【0016】
従って、本発明の余剰汚泥減容化装置の解砕化装置においては、解砕化装置に高圧圧送されたフロック化した汚泥は、生きた微生物を解体可溶化することなく、その結果比表面積が増加する。
【0017】
更に、気液混合装置により、汚泥に気液を導入し、酸素が十分に行き渡る状態を作り、曝気槽における曝気効率を低下させること無く微生物活性を上げる(活性化処理)。
【0018】
このように、返送汚泥は、解砕化処理及び気液混合処理が施されて、曝気槽に返送される。これにより、これまでの返送汚泥流入による一時的な低活性状態を改善して、曝気槽全体の微生物による消化領域を十分に保持することで、未だ消化されていない汚水中の栄養物を十分に処理することが出来るため、終末の余剰汚泥発生量を減少させようとするものである。
【0019】
なお、ここで言う「沈殿槽から排出される汚泥の返送ライン」には、沈殿槽から引き抜かれた汚泥が曝気槽に返送されるラインのみならず、汚泥貯留槽を有する場合には汚泥を沈殿槽から汚泥貯留槽に送流した後、汚泥貯留槽から汚泥を引き抜いて曝気槽に返送するラインも含むものである。
【0020】
また、上記高圧ポンプは、シリンダー内を往復移動することにより加圧ポンプ室内に流体を吸引するとともに、上記加圧ポンプ室内の流体を吐出するプランジャーと、上記プランジャーに所定の間隔を介して配置されるとともに、上記プランジャーを両持ち支持する第1の軸受及び第2の軸受と、上記第1の軸受と上記第2の軸受との間に配置されるとともに、上記プランジャーを冷却する冷却部と、上記プランジャーの外周に摺接配置され、上記加圧ポンプ室からの流体漏れを防止するシール部と、を有するポンプヘッドを備えていてもよい。
【0021】
また、上記気液混合装置は、円筒形の密閉容器と、上記密閉容器内に流体を導入する流体導入管と、上記密閉容器内から気液を吐出させる流体吐出口とを具備し、上記流体導入管は、上記密閉容器の内外周壁を貫通して該密閉容器内に入り込み、この入り込んだ流体導入管の先端部が、流体導入口として、上記密閉容器の内底面に近接して開口するように設けられていてもよい。
【0022】
また、上記噴射口が上記分岐流路内に設けられたオリフィスからなり、このオリフィスがセラミックス、超硬合金、ダイヤモンドの中から選ばれる超硬質素材により構成されていてもよい。
【0023】
また、上記解砕化促進室の内径が上記噴射口の内径の200倍以上に設定されていてもよい。
【0024】
また、上記流体吐出口は、その中央に設けた吸込孔と、この吸込孔の周囲に設けた複数の噴出孔とを有するノズル構造からなるようにしてもよい。
【0025】
上記ノズル構造によると、中央の吸込孔を通じて密閉容器内から外部に延びる気体柱を伴った引き込み渦が形成され、この気体柱を通じて密閉容器外の気体が密閉容器内へ入り易くなり、その結果、周囲の噴出孔から密閉容器内の気液が排出し易くなり、気液の排出効率が向上する。また、吸込孔と噴出孔とを介して行われる気液の吐出と吸込みの動作により、それらの孔の近くにおいて複雑な乱流が生じ、このような乱流によって気液の混合がより一層促進され、液中の溶存酸素量を増加させることができるという作用効果も得られる。
【0026】
また、上記吸込孔の口径は上記噴出孔の口径より大きく設けてもよい。このように構成すれば、噴出孔から排出された気液の一部を吸込孔が吸い込む際に、噴出孔から排出された混在物を吸い込んだとしても、吸込孔の目詰まりは生じない。
【0027】
また、上記流体吐出口の流体吐出側に吐出筒が取り付けられていてもよい。上記のような吐出筒を取り付けた構成によると、吸込孔から吸込まれるのは噴出孔から排出された気液中の気体のみとなり、吐出筒の出口付近は噴出孔から排出された気液で占有されることから、気液混合装置外部からの大きなごみを吸引しないで、吸込孔の目詰まりが生じなくなるという作用効果が得られる。もし仮に、この吐出筒を排除すると、噴出孔から排出された気液以外の液体も吸込孔が吸い込んでしまうおそれがあり、大型の液中混在物が吸込孔に詰まる可能性があるため、上記のように流体吐出口の流体吐出側には吐出筒を取り付けるのが好ましい。
【0028】
さらに、上記吐出筒を採用した構成においては、更に、上記吐出筒の外側から上記流体吐出口の流体吐出側陰圧部に連通する気体導入管を備える構成を採用してもよい。
【0029】
上記のような気体導入管を備える構成によると、流体吐出口の出入口付近では、吸込孔と噴出孔とを介して行われる気液の吐出と吸込み動作に、さらに気体導入管を介する気体の吸込み動作が加わって、より一層複雑な乱流が発生し、気液の混合が更に促進され、流体中の溶存酸素量の更なる増加を図れる。
【0030】
上記目的を達成するために、本発明は、上述のように構成されたいずれか1つの余剰汚泥減容化装置を有する余剰汚泥減容化システムであって、上記曝気槽において活性汚泥処理された汚泥を沈降させ固液分離する沈殿槽と、この沈殿槽の底部に接続された排泥管を介してこの底部に沈殿した汚泥を上記余剰汚泥減容化装置に送るポンプと、を有し、上記返送汚泥ラインは、上記ポンプにより送られた汚泥を上記曝気槽に返送するものであり、上記余剰汚泥減容化装置は上記返送汚泥ラインに組み込まれていることを特徴とする。
【0031】
上記目的を達成するために、本発明は、上述のように構成されたいずれか1つの余剰汚泥減容化装置を有する余剰汚泥減容化システムであって、上記曝気槽において活性汚泥処理された汚泥を沈降させ固液分離する沈殿槽と、上記沈殿槽により固液分離された汚泥を汲み上げる水中ポンプと、を有し、上記余剰汚泥減容化装置は、上記水中ポンプにより汲み上げられた汚泥を解砕化処理及び気液混合処理して上記曝気槽に返送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0032】
本発明によると、上記の如く、曝気槽から排出されたフロック化した汚泥を沈殿槽あるいは汚泥貯留槽を介して高圧ポンプにより高圧圧送して解砕化装置に送り、解砕化装置によりこのフロック化した汚泥を解砕化し、その解砕化された汚泥に対し気液混合装置により気液を導入し活性化させて曝気槽に返送されるようにした。これにより、曝気槽に返送される汚泥全体の比表面積が増えるとともに、気液を導入することにより、解砕された汚泥の活性度が向上するので、曝気槽の持つ本来の能力が回復され、その結果余剰汚泥の減容化を図ることができる。
【0033】
つまり、従来の可溶化処理した返送汚泥は微生物が死滅した状態のものであり、曝気槽にこれを返送すれば、微生物の処理容量が増加することに繋がる。これに対し、本発明においては、曝気槽には溶存酸素濃度の高い微生物が生存する汚泥が投入されることとなり、その結果、これを曝気槽に返送しても、処理容量の増加には繋がらない。一方で、処理する側、すなわち、捕食する側の微生物の増加に寄与することができるので、従来に比して曝気槽における処理能力の本来の回復が図れ、更に未だ消化されていない汚水中の栄養物を十分に処理することが出来る。その結果、余剰汚泥の減容化が図れることとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、添付した図面を参照しながら詳細に説明する。
【0035】
図1は、本発明の余剰汚泥減容化システムを適用した排水処理施設の概略構成図であり、この排水処理施設S1は、調整槽1、曝気槽2、沈殿槽3、汚泥貯留槽4及び余剰汚泥減容化装置5を備え、沈殿槽3あるいは汚泥貯留槽4から排出された汚泥を解砕化、気液混合処理し、再度曝気槽2に返送するよう構成されている。この図1に示す排水処理施設S1においては、本発明の余剰汚泥減容化装置5を返送汚泥ラインL1に組み込んでいる。
【0036】
調整槽1は、工場などから排出された有機性排水を貯留するとともに、その下流に位置する曝気槽2への流量を調整するための調整手段として機能するものである。
【0037】
曝気槽2は、ポンプ100Aにより調整槽1から有機性排水が供給されるとともに、この供給された有機性排水に対し曝気、すなわち空気を送り込むように構成されている。有機性排水に曝気を行うと、空気中や排水などから曝気槽2内に入り込み生息する微生物が、有機性排水の中の汚濁成分を捕食する。すると、汚水が浄化されるとともに、曝気槽内の微生物の一部には、自身の出す粘液により有機物質を塊としたフロックを形成する。曝気槽2内の微生物は、排水中の栄養物を摂取しながら自己増殖を繰り返す。このため、調整槽1から流入してくる排水とともに増殖した微生物(汚泥)は、定期的に曝気槽2から送流される。
【0038】
沈殿槽3は、この曝気槽2から送り込まれた活性汚泥を沈降させ固液分離、すなわち、汚泥フロックと上澄み液とに分離し、上澄み液は処理水として自然水界、下水道へ放流される、あるいは中水として再利用される。一方、沈降した汚泥フロックは、バルブ31Aの開閉とポンプ100Bにより、一部は返送汚泥ラインL1に組み込まれた余剰汚泥減容化装置5に送られ、余剰汚泥減容化装置5において解砕化処理、気液混合処理が施されて再度曝気槽2に返送される。他方、残りの余剰汚泥は、バルブ31Bの開閉により汚泥貯留槽4に送られ、その後、汚泥貯留槽4からバキュームされ、タンクローリーなどに積載され、外部に搬出するか、または、(図示しない)スクリュープレスなどの脱水装置で圧搾しながら脱水され、脱水ケーキとして焼却炉で焼却処理されたり、埋め立て処理されている。
【0039】
この焼却処理されたり、埋め立て処理されたりする余剰汚泥の量を削減するために、本発明の余剰汚泥減容化装置あるいは余剰汚泥減容化システムが利用される。以下詳細に説明する。
【0040】
余剰汚泥減容化装置5の主要な構成は、高圧ポンプ100、解砕化装置200及び気液混合装置300からなる。更に、沈殿槽3からポンプ100Bにより供給された汚泥内に混入している枯れ葉など大きな浮遊物を除くためのスクリーン51と、スクリーン51により大きな浮遊物が取り除かれた汚泥を貯留するための受水ピット52と、高圧ポンプ100と解砕化装置200及び気液混合装置300の動作を統括制御する制御盤53と、気体導入管310の途中に組み込まれるとともに、気体導入管310による気体の吸込み量を検出して制御盤53へ送出するセンサ付き流量計54と、が付随して構成されている。
【0041】
次に高圧ポンプについて図2から5を参照して詳細に説明する。なお、以下において汚泥を流体として説明する。
【0042】
図2は高圧ポンプの概略構成を示すブロック図、図3は高圧ポンプの構造を示す部分断面図、図4はポンプヘッドの構造を示す断面図、図5は図4に示すポンプヘッドの正面図である。
【0043】
図2に示すように、高圧ポンプ100は、サーボモーター101、ボールスクリュー102、プランジャー接続部103及びポンプヘッド104からなる。なお、以下においては、駆動方式としてサーボモーター方式を用いているが、駆動方式はこれに限定されるものではなく、その他の駆動方式、例えば、油圧シリンダー方式、空気圧シリンダー方式、クランクシャフト作動などの何れの駆動方式でも適用可能である。
【0044】
サーボモーター101は、上記制御盤53によりモーターの回転方向が制御される。ボールスクリュー102は、このサーボモーター101の回転に同期して回転し、この回転方向に応じてプランジャー接続部103を介してポンプヘッド104のプランジャー118を進退動作させる。
【0045】
次に、ポンプヘッド104について説明する。
【0046】
図3に示すように、ポンプヘッド104には、ヘッドプレート123に形成された流体流路138に継手106を介してチェック弁105が接続されているとともに、ヘッドプレート123に形成された空気流路109に継手108を介してエア抜きバルブ107が接続されている。また、プランジャー118にはフレキシブルジョイント114を介してプランジャー接続部103が接続されている。
【0047】
チェック弁105は、入口側チェック弁105Aと出口側チェック弁105Bとから成り、プランジャー118の往復動作に同期してそれぞれのチェック弁105A、105Bが開閉することにより流体が吸入され吐出される。具体的には、プランジャー118が図3中矢印A方向に移動すると、入口側チェック弁105Aが開放され、流体が流体流路138を通って加圧ポンプ室122A内に吸い込まれる。他方、プランジャー118が矢印B方向に移動すると、加圧ポンプ室122A内の流体が圧縮され、これに同期して出口側チェック弁105Bが開放され流体が吐出される。なお、入口側チェック弁105Aも出口側チェック弁105Bも共に逆止弁から構成されており、流体を一方向にのみ通過させるようになっている。
【0048】
エア抜きバルブ107は、加圧ポンプ室122A内の空気抜きを行うものであり、加圧ポンプ室122Aの空気を空気流路109を介して排出するよう構成されている。
【0049】
次に図4及び図5を参照して本発明のポンプヘッドの構成について説明する。なお便宜上、図4中ヘッドプレート123側を「前」、プランジャー接続部103側を「後」として説明する。
【0050】
ポンプヘッド104は、円筒状のシリンダー122、シリンダー122内に収容された円柱状のプランジャー118、プランジャー118とプランジャー接続部103とを接続するフレキシブルジョイント114、ヘッドプレート123、ベースプレート124、ベースプレート125及びポスト126を有する。
【0051】
ヘッドプレート123には、図示しない貫通孔が4箇所形成されており、この4箇所の貫通孔にはボルト135が軸通されている。また、ベースプレート124には図示しない貫通孔が4箇所形成されており、シリンダー122は、ヘッドプレート123とベースプレート124との間にボルト135を用いて固定されている。より詳しくは、ベースプレート124の所定の位置にシリンダー122の後端面を位置決め配置する。他方、ヘッドプレート123にシリンダー122の前端面を当接させ、ヘッドプレート123の図示しない貫通孔にボルト135を軸通させるとともに、ボルト135の先端を図示しないベースプレート124の貫通孔にネジ止めし、ナット134をボルト135に螺合して締め付けを行う。すると、ベースプレート124とシリンダー122とヘッドプレート123とがそれぞれ一体化される。
【0052】
また、図4に示すように、シリンダー122内にはスペーサ127を介してプランジャー118が挿入され、プランジャー118の前端面とヘッドプレート123との間には加圧ポンプ室122Aが形成されるとともに、プランジャー118先端の対応する位置には、ヘッドプレート123に形成された流体流路138が位置している。この流体流路138の一方としての入口は加圧ポンプ室122Aと連通しており、他方の出口は図4に示すようにチェック弁105と接続するための継手106と連通している。
【0053】
スペーサ127の後端側には第1の軸受128Aが配置されているとともに、プランジャー118の後端側には、後述するシールケース129、ランタンリング130、スタッド131を介して第2の軸受128Bが配置されており、これら2つの軸受128A、128Bによりプランジャー118が軸支されている。これら第1の軸受128A及び第2の軸受128Bは共にベアリング(すべり軸受け)から構成されており両軸受128A、128Bにプランジャー118が軸通されることにより、プランジャー118は前方側と後方側とにより両持ち支持される。なお、第1の軸受128Aは、プランジャー118の下死点、すなわちプランジャー118が図4中矢印A方向に移動する最大の点よりも手前(図4中B方向)に配置されている。このように、プランジャー118は第1の軸受128Aと第2の軸受128Bにより両持ち支持されているので、プランジャー118の往復動作間においてもプランジャー118の軸芯がずれることなく後述するロッドシール(シール部)132Aに対し偏摩擦を生ずることを防止することができる。
【0054】
また、第1の軸受128Aの後側には、ロッドシール132A(シール部)が配置されており、このロッドシール132Aは、シールケース129によりシリンダー122とプランジャー118との間に、プランジャー118表面に摺接するよう配置されている。このロッドシール132Aは、加圧ポンプ室122A内に吸引された流体が漏れないようシールするための部材であり、例えば、Uパッキン(断面がU字形のリップパッキン)、Vパッキン(断面がV字形のパッキン)などが適用可能である。他方、シールケース129には、シールケース129とシリンダー122との間の隙間を塞ぎ、後述するランタンリング130に注水される冷却水が漏れないようにするためのシール部材例えばOリング133Aが装着されている。
【0055】
シールケース129の後端側にはランタンリング130が配設されている。ランタンリング130は環状部材からなり、この環状部材の外周面と内周面にはそれぞれ周方向に溝が設けられているとともに、それぞれの溝は図示しない連通孔で適宜に連通されている。シリンダー122には給水孔と排水孔が穿設されており、この給水孔と排水孔には継手130A、130Aを介して給水ホース130B、排水ホース130Cがそれぞれ接続されている。そして、給水ホース130Bから給水された冷却水は、給水孔を経てランタンリング130の外周面に供給されることにより、図示しない連通孔を介してプランジャー118とシールケース129との間の摺動隙間122Bに冷却水が供給され、プランジャー118の表面が冷却される。これによりプランジャー118の高温化を防止することができ、その結果ロッドシール(シール部)132Aの熱による劣化を防止することができシール部の耐久性を向上させることができる。
【0056】
なお、本実施形態においては、加圧ポンプ室122A内に吸引された流体が汚泥、すなわち、いわゆるスラリーであるので、第1の軸受128Aを通過しロッドシール132Aとプランジャー118との間にスラリーが噛み込み、更にシールケース129とプランジャー118との間の摺動隙間122Bまでスラリーが侵入する可能性もある。このような場合には、冷却水をランタンリング130に注入すると、プランジャー118の表面を冷却するだけでなく、冷却水が前記摺動隙間122Bにも漏れ出すこととなるので、摺動隙間122Bに侵入したスラリーを洗い流すこともできる。摺動隙間122B内に侵入したスラリーをそのままにしてプランジャー118の往復移動を行うと、プランジャー118が傷ついたり、プランジャー118とスラリーとの間で摩擦が生じ、プランジャー118表面が更に高温化する可能性がある。本発明のポンプヘッド104においては、これらの要因と成り得るスラリーを洗い流すことができるので、このスラリーに起因するプランジャー118の故障やプランジャー118の高温化を防止することができる。
【0057】
また、ランタンリング130の後面側には、スタッド131が配設されており、このスタッド131により、シリンダー122とスタッド131との間の隙間を埋めるべくOリング133Bが、プランジャー118とスタッド131との間の隙間を埋めるべくロッドシール132Bがそれぞれ配設されており、ランタンリング130に給水された冷却水が第2の軸受128Bの方に漏れないようになっている。第2の軸受128Bはプランジャー118とスタッド131との間に配設され緩み止めナット139により締め付け固着され、プランジャー118を軸支するようになっている。
【0058】
次いで、プランジャー118とプランジャー接続部103との接続構造について説明する。プランジャー118とプランジャー接続部103とはフレキシブルジョイント114を介して接続されている。より詳細に説明すると、プランジャー118の後端にはジョイントスタッド119が取り付けられており、このジョイントスタッド119には中央部に嵌挿孔が穿設されたプランジャージョイント120が嵌合装着されており、ジョイントスタッド119の先端部には円板状のフランジ121Aを有するジョイントヘッド121が固着されている。一方、プランジャー接続部103の先端部にもジョイントスタッド111が取り付けられており、このジョイントスタッド111を介して円板状のフランジ113Aを有するジョイントヘッド113が固着されている。
【0059】
そして、プランジャー118とプランジャー接続部103とは、プランジャー118側のフランジ121Aとプランジャー接続部103側のフランジ113Aとを突き合わせ状態で下側結合部材115Aに嵌め込まれ、この状態で上側結合部材115B(図3参照)を上から被せて4箇所ねじ止めされる。この際、プランジャー接続部103側のフランジ113Aよりプランジャー118側のフランジ121Aの方が円板の径が小さく形成されているので、フランジ121Aと、下側結合部材115A及び上側結合部材115Bとの間には隙間116ができる。同様に、ジョイントヘッド121と下側結合部材115A及び上側結合部材115Bとの間にも隙間117ができる。すなわち、これら隙間116、117が遊びになり、プランジャー118に軸芯ずれが生じた場合には、そのずれをこの遊びが吸収することとなる。このフレキシブルジョイント114を用いることにより、部品製作上の誤差やポンプの組立て誤差を吸収し、軸芯ずれが補正される。
【0060】
ベースプレート124及びベースプレート125には図示しない貫通孔がそれぞれ4つずつ穿設されており、ベースプレート124とベースプレート125との間にはポスト126が配設されており、ベースプレート124の貫通孔にボルト136を嵌挿し、ベースプレート125の貫通孔にスタッド137を嵌挿することにより、ベースプレート124とポスト126とベースプレート125とが一体化される。なお、ベースプレート124とベースプレート125とにはそれぞれ中央部に貫通孔が穿接されており、このそれぞれの貫通孔にはフレキシブルジョイント114によりプランジャー接続部103と接続されたプランジャー118が軸通している。
【0061】
次にこのように構成されたポンプヘッド104の動作について図2〜5を参照して説明する。
【0062】
ポンプヘッド104は流体の吸入工程と吐出工程とを繰り返し行うこととなるので、以下においては、吸入工程と吐出工程とに分けて説明する。
【0063】
まず、吸入工程においては、図1に示す制御盤53の制御のもとサーボモーター101
が正転動作し、この正転動作に同期してボールスクリュー102が回転するとともに、この回転動作に同期してプランジャー接続部103を介してプランジャー118が図3中矢印A方向に移動する。すると、加圧ポンプ室122Aの容積が拡張するとともに、入口側チェック弁105Aが開き流体流路138を介して流体が加圧ポンプ室122A内に流入し、プランジャー118が下死点に移動すると吸入工程は終了する。
【0064】
一方、吐出工程においては、制御盤53の制御のもとサーボモーター101が逆転動作し、この逆転動作に同期してボールスクリュー102が回転するとともに、この回転動作に同期してプランジャー接続部103を介してプランジャー118が図3中矢印B方向に移動する。すると、加圧ポンプ室122Aの容積が縮小され、加圧ポンプ室122A内の流体に圧力がかかり、出口側チェック弁105Bが開き、加圧ポンプ室122A内の流体が流体流路138を介して吐出される。
【0065】
ポンプヘッド104においては、これら吸入工程及び吐出工程を繰り返し行うこととなるが、この際に、同時に冷却工程が行われる。すなわち、プランジャー118の表面の高温化を防止すべく、運転開始時から給水ホース130Bから継手130Aを介してランタンリング130に冷却水が連続して注入される。この冷却水はプランジャー118表面をつたって継手130Aを介して排水ホース130Cから排出される。また、この際、ランタンリング130に注入された冷却水は、摺動隙間122B内に侵入する。この際に、摺動隙間122B内にスラリーが上記のようにして侵入していた場合には、このスラリーを洗い流せることとなる。なお、ポンプ起動時でまだ空の状態若しくは運転中に空気を吸ってしまい、高圧ポンプ100が加圧出来ない場合には、エア抜きバルブ107を手動で開閉することでエア抜きが行われる。
【0066】
また、このプランジャー118の往復動作の際には、第1の軸受9Aと第2の軸受9Bとで両持ち支持されているので、軸芯のずれを防止することができる。
【0067】
なお、上記説明においては、プランジャー118の駆動手段としてサーボモーター101を用いたが、この駆動手段はサーボモーターに限定されるものではなく、例えば、油圧、空気圧等の各種シリンダー等、プランジャー118に接続し進退動作させることが可能な駆動手段であれば種々の駆動手段が適用可能である。
【0068】
また、上記説明においては、ポンプヘッド104が単数として説明したが、このポンプヘッド104は単数である必要はなく、例えば、クランクシャフトなどを介して複数並列に配設することも可能である。このようにポンプヘッド104を複数配設すれば吐出容量を増加させることができる。
【0069】
次に、解砕化装置について図6〜11を参照して説明する。
【0070】
図6は解砕化装置を示す全体図、図7は図6の解砕化装置の正面図、図8は図6の解砕化装置における噴射ノズルを示す拡大図、図9は図8の噴射ノズルにおける噴射口付近の流体の流れを示す摸式図、図10は図8の噴射ノズルにおける噴射口の他の形状を示す摸式図、図11は図6の解砕化装置における流体の流れを示す図である。
【0071】
まず、解砕化装置の構成について説明する。
【0072】
図6に示す解砕化装置200は、高圧ポンプ100により高圧圧送された流体を解砕化するための装置である。この装置は噴射ノズル250を含むノズルアッセンブリー211と、ノズルアッセンブリー211の一端に連結された高圧配管212と、他端に連結された低圧配管213とから構成されている。
【0073】
ノズルアッセンブリー211は、円柱形のフランジ221とケース222とからなる密閉ケース内に噴射ノズル250を収容したものである。密閉ケースはフランジ221とケース222の端面どうしを突き合わせ、フランジ221から挿通したボルト231をケース222に締結することで一体化されている。本実施形態では、図7に示すようにフランジ221の周縁部に等間隔で6個の切り欠き部を形成し、この切り欠き部からボルト231を軸線方向に締結してある。
【0074】
フランジ221の軸心には導入口223が開口している。導入口223の口径は処理量に影響を及ぼさない範囲で大きくすることができる。また、導入口223には直線的に延びる導入流路224が連通しており、導入流路224の下流側は更に2つの流路に分岐され、導入流路224に平行な分岐流路225,225を設けてある。分岐流路225は導入流路224を中心とした対象位置に互いが平行になるように配置される。なお、本実施形態では分岐流路225の数を2つとしたが、これに限らず、例えばフランジ221の軸心周りに等間隔で3つ以上設けてあっても構わない。
【0075】
フランジ221には導入流路224に直交する孔が設けられているが、この孔は導入流路224と分岐流路225とを連通する際に形成した加工用孔226である。したがって、この加工用孔226を塞ぐため、加工用孔226の開口端に雌ネジ232が形成されており、雌ネジ232には盲栓233がグランドナット234によってねじ込み固定されている。
【0076】
前記構造からなるノズルアッセンブリー211は、その上流側に高圧配管212が連結される。その連結構造はフランジ221の端面中心部にも雌ネジ235を形成し、雌ネジ235に高圧配管212の一端をグランドナット236によってねじ込み固定したものである。
【0077】
高圧配管212と導入口223との接合面にはテーパーシール構造を採用している。つまり高圧配管212の端面は先端に向かって狭くなるテーパー状とされ、導入口223の開口周縁部はこれよりも僅かに広角のテーパー角を有している。よって、両者を嵌合すると高圧配管212先端の角部が密着して隙間を確実に塞ぎ、密閉性が維持される。
【0078】
このようにして、高圧配管212の開口端は導入口223に連通し、解砕化処理対象となる流体が高圧配管212から導入口223を介して導入流路224内に導入されるようになっている。
【0079】
ここで、噴射ノズルの構造を説明する。
【0080】
図8に拡大して示すように、噴射ノズル250は、密閉ケースをフランジ221とケース222の結合構造にした関係上、フランジ221の端面に設けたシール部材とケース222の対向面に設けたアダプタ部材とを結合することによって構成されている。以下のシール部材とアダプタ部材はすべての分岐流路225について共通する構造である。
【0081】
シール部材は円環状のガスケット251とそれと同径のシール252とからなる。両者はフランジ221の端面に形成した凹部に嵌め込まれる。一方、アダプタ部材はノズル本体253とノズルアダプタ254とからなる。両者はケース222の対向面に形成した凹部に嵌め込まれ、その中心に細孔255からなる流路が形成される。
【0082】
そしてシール252とノズルアダプタ254との接合面にもテーパーシール構造を採用している。つまりノズルアダプタ254の端面は先端に向かって狭くなるテーパー状とされ、シール252の開口周縁部はこれよりも僅かに広角のテーパー角を有している。よって、両者を嵌合するとノズルアダプタ254先端の角部が密着して隙間を確実に塞ぎ、密閉性が維持される。
【0083】
ノズル本体253の管内には微小孔を有するオリフィス256が設けられ、細孔255の流路が更に絞られている。よって、細孔255から噴射口257を通過する流体はその流速が上昇し、ノズル先端の噴射口257から高速流体に変換されて噴射される。オリフィス256の径は0.1〜2mm程度、長さは0.5〜1mm程度とするのが良い。また、ノズル本体253の先端は高速流体との抵抗を小さくすべくテーパー加工が施されている。なお、オリフィス256は高速流体との耐摩耗性を有するように、例えばセラミックス、超硬合金、ダイヤモンド等の超硬質素材により構成することが好ましい。
【0084】
噴射ノズル250の下流側には低圧配管213が連結される。その連結構造は図6に示すようにケース222の端面にノズル噴射口257に比して極めて大径の開口部227を形成し、開口部227に低圧配管213の一端を嵌合したものである。
【0085】
このようにして、低圧配管213の開口端は噴射口257に連通し、噴射口257から噴射された高速流体が低圧配管213の内部に排出されるようになっている。
【0086】
低圧配管213の内部には空洞部からなる解砕化促進室241が設けられている。解砕化促進室241内は大気圧であるため、噴射口257から噴射された高速流体はその圧力が瞬時に降下する。このとき解砕化促進室241内が流体で満たされていると、図9に示すように複数の高速流体によるジェット流と旋回流が発生する。また、高速流体が瞬時に減圧されてキャビテーション現象が発生する。
【0087】
したがって、解砕化促進室241内では、複数の高速流により誘起されたキャビテーションと旋回流との相互干渉によって大きなせん断力が発生し、これにより流体の解砕化処理が促進する。なお、一度に効率良く圧力降下を与えるためには、解砕化促進室241と
分岐流路225とのサイズ比率が大きければ大きいほど良い。その基準としては、図8に示す解砕化促進室241の内径R1がノズル噴射口257の内径R2の200倍以上に設定されていることが好ましい。
【0088】
また、噴射ノズル250から噴射される流体に確実な旋回流を発生させるために、噴射口257が分岐流路225の軸線に対し所定角度傾斜していても良い。図10は高速流体が分岐流路225の軸線に対して5°の傾きを持って噴射されるように噴射口257の角度を設定した例を示す。なお、噴射口257の傾斜角度についてはもちろん5°に限られるものではない。例えば噴射口257から噴射された高速流体がケース222や低圧配管213の内壁面に衝突しないような角度とすれば良く、その傾斜角度を適宜変更することが可能である。また、傾斜の向きについては外側でも内側でも良い。
【0089】
さらに、本実施形態では低圧配管213の他端に排出口242を形成してある。排出口242は処理量に応じた口径とすることができる。これにより、解砕化促進室241の内部で解砕化処理された流体は排出口242を介して排出配管(図示略)へと排出される。
【0090】
以上説明したように、本実施形態の解砕化装置200では特に噴射ノズル250をシール部材とアダプタ部材の2つの部材で構成し、両者を結合するフランジ221とケース222をボルト231で締結する構造を採用した。このため、装置の組立てや分解が簡単であり、消耗部品の交換作業も容易に行えるのでメンテナンス性に優れている。
【0091】
次に、解砕化装置の作用について説明する。
【0092】
図11に示す解砕化装置200において、解砕化すべき物質を含む高圧流体は高圧配管212から導入口223を介して導入流路224内に導入される。これが導入流F1である。
【0093】
次に、この導入流F1は2つの分岐流路225,225によって分岐し、分岐したそれぞれの分岐流F2,F3は個別に噴射ノズル250内に導入される。このとき、分岐流路225内を流れる分岐流F2,F3は高圧状態を維持したままである。
【0094】
噴射ノズル250内を流れる分岐流F2,F3は、図8で説明したように、細孔255から噴射口257を通過する際、微小孔によって流路を絞られてその流速が上昇する。これにより噴射口257を通過した流体は高速流に変換され、低圧配管213の内部の解砕化促進室241に噴射される。
【0095】
解砕化促進室241は流体で満たされており、噴射ノズル250から噴射された流体は高圧状態から瞬時に減圧される。この瞬時減圧により、解砕化促進室241内にキャビテーション現象が発生する。また、このとき同時に2つの噴射口257,257から噴射された流体が合流し、ジェット流F4,F5と旋回流F6,F7との乱流状態を形成する。したがって、解砕化促進室241内においては、2つの高速流から誘起されたキャビテーションと高速旋回流の相互干渉によって大きなせん断力が発生し、流体の解砕化処理が効率良く進行する。
【0096】
最後に、解砕化促進室241で解砕化処理された流体は、低圧配管213から排出口242を介して排出配管へと排出される。これが排出流F8である。
【0097】
このように、解砕化装置200においては、解砕化促進室241内で、複数の高速流により誘起されたキャビテーションと旋回流との相互干渉によって大きなせん断力が発生し、これにより流体の解砕化処理が行われる。よって、この解砕化処理によりフロック化された汚泥は、その内部の微生物を死滅させずにバラバラにすることができ、その結果、汚泥全体の比表面積を大きくすることができるので、汚泥内の微生物が取り付く場を増大させることが出来る。
【0098】
次に、気液混合装置について図12〜図14を参照して説明する。なお、以下の気液混合装置における説明において、流体と言うときは、上記解砕化された汚泥のことである。
【0099】
図12は、気液混合装置の断面図、図13はノズル構造の説明図であり、(a)はノズル構造の正面図、(b)はノズル構造の断面図、図14は気液混合装置の設置状態を示す説明図である。
【0100】
気液混合装置300は、図14のように曝気槽2の水面の上部に設置されるとともに、図12に示したように、(1)円筒形の密閉容器320と、(2)解砕化装置200の排出口242側に管継ぎ手312を介して連結され、解砕化装置200の排出口242側から吐出した流体(解砕化された汚泥)を密閉容器320内に導入する流体導入管321と、(3)密閉容器320内から外部へ気液を吐出させる流体吐出口322と、(4)流体吐出口322に取り付けられた吐出筒323と、(5)吐出筒323に取り付けられた気体導入管310とを備えて構成される。
【0101】
気液混合装置300においては、流体導入管321が、密閉容器320の内外周壁を貫通して該密閉容器320内に入り込み、この入り込んだ流体導入管321の先端部が、流体導入口324として密閉容器320の内底面に近接して開口するように構成した。このため、流体導入口324から密閉容器320内へ導入された流体は、密閉容器320の内側円弧面に沿って左右方向(密閉容器320の左右内端面方向)へ扇状に薄層拡散し、密閉容器320内で高速の渦流を形成する。また、その高速渦流は密閉容器320の内端面方向へ向うため、上記流体吐出口322は密閉容器320の端面に開口した。
【0102】
また、気液混合装置300においては、気液の排出効率を高めることと、気液の混合程度をより一層向上させる観点より、上記流体吐出口322には図13(a)(b)に示すノズル構造330を採用した。
【0103】
このノズル構造330は、(1)流体吐出口322の中心部に、オリフィスからなる吸込み用の孔(以下「吸込孔331」という)を1つ設けるとともに、この吸込孔331の周囲に、微細気泡を形成するための少なくとも2以上の噴出し用の孔(以下「噴出孔332」という)を設けたものである。このような孔構成からなるノズル構造330によると、中央の吸込孔331を通じて密閉容器320内から外部に延びる気体柱を伴った引き込み渦が作られ、この気体柱を通じて密閉容器320外の気体が密閉容器320内へ入り易くなり、その結果、噴出孔332から効率よく密閉容器320内の気液を排出させることが可能となる。
【0104】
以上の構成からなる気液混合装置300では、ノズル構造330の噴出孔332から気液が噴出し、流体吐出口322の下流、具体的には噴出孔332の流体吐出側付近が陰圧となる。この陰圧を利用して気体導入管310から自然に空気を吸い込ませるようにするため、気体導入管310の一端は流体吐出口322の流体吐出側陰圧部に開口し、同気体導入管310の他端は大気側に開口した。気液混合装置300は自然吸気式であるから、コンプレッサ等を用いた強制給気式のような動力系は不要である。
【0105】
また、気液混合装置300の流体吐出口322付近では、吸込孔331と噴出孔332とを介して行われる流体の吐出と吸込み動作に、気体導入管310を介する気体の吸込み動作が加わり、吐出筒323内で複雑な乱流が発生し、気液の混合が行われ、流体中の溶存酸素量の更なる増加を図れる。
【0106】
このように構成された気液混合装置300は、図1に示すように解砕化装置200に接続されるとともに、図14に示すように曝気槽2に設置される。具体的には、気液混合装置300の流体導入管321が返送汚泥の排出口242に接続され、気液混合装置300から曝気槽2へ溶存酸素濃度を高めて返送汚泥を吐出供給する。
【0107】
この際、返送汚泥の吐出口311Aは図14のように曝気槽2前段の水面上部に設けられるため、その排出口242に接続された図12の気液混合装置300は、曝気槽2前段に溶存酸素濃度を高めて返送汚泥を吐出供給する。このように構成することにより、従来より曝気槽2の処理能力低下の要因となっていた曝気槽2前段の低溶存酸素濃度水域を高溶存酸素濃度水域に改善することができ、曝気槽2全体が微生物活性の高い高濃度の溶存酸素水域となり、排水処理施設における浄化能力の向上を図れる。
【0108】
この気液混合装置300により、解砕化され比表面積が大きくなり微生物が取り付く場が増大した汚泥粒子に対し、更に、気体を混合導入するので、微生物の更なる消化活性化を促すことが出来る。
【0109】
以上説明した通り、本発明においては、沈殿槽3から余剰汚泥として排出された汚泥の一部を、余剰汚泥減容化装置5に送り、解砕化処理及び気液混合処理を施して再度曝気槽2に返送する。これにより、曝気槽2には溶存酸素濃度の高い微生物が生存する汚泥が投入されることとなり、その結果、これを曝気槽2に返送しても、処理容量の増加には繋がらない。一方で、処理する側、すなわち、捕食する側の微生物の増加に寄与することができるので、従来に比して曝気槽2における処理能力の本来の回復が図れ、更に未だ消化されていない汚水中の栄養物を十分に処理することが出来る。その結果、余剰汚泥の減容化が図れることとなる。
【0110】
更に、本発明の他の実施形態における余剰汚泥減容化システムを適用した排水処理施設について図15を参照して説明する。なお、上記排水処理施設S1と同様の構成については同一の符号を付して詳細な説明は上記S1においてしたのと同様であるので詳細な説明は省略し、ここでは相違する点のみ説明する。
【0111】
この排水処理施設S2においても、調整槽1、曝気槽2、沈殿槽3、汚泥貯留槽4及び余剰汚泥減容化装置5を有するが、上記排水処理施設S1とは、余剰汚泥減容化装置5が返送汚泥ラインL2に組み込まれていない点において相違する。
【0112】
すなわち、この排水処理施設S2においては、汚泥貯留槽4に水中ポンプ100Dを投入し、この水中ポンプ100Dにより曝気槽2に返送する汚泥を吸引して、その吸引した汚泥を余剰汚泥減容化装置5に送るように構成されており、返送汚泥ラインL2は別途設けられている点が上記排水処理施設S1と相違する。
【0113】
活性汚泥法を利用した排水処理施設においては、通常、返送汚泥ラインが予め配設されているが、この返送汚泥ラインに本発明の余剰汚泥減容化装置5を組み込むのは面倒である。しかしながら、図15に示す排水処理施設S2のように、余剰汚泥減容化装置5に供給する汚泥を汚泥貯留槽4から水中ポンプ100Dにより吸引することにより、既存の設備を変えることなく、容易に余剰汚泥減容化装置5を追加することが可能となる。
【0114】
最後に、本発明の効果について実施例を挙げて説明する。本発明の余剰汚泥減容化装置を用いて解砕化処理及び活性化処理をする前と後の汚泥中の一般細菌群数の比較を行った実験結果を以下の表1に示す。
【0115】
【表1】

試水として37℃で48時間平板寒天培養した汚泥(返送汚泥)を用い、この汚泥を高圧ポンプにより12.0MPaの圧力で解砕化装置に圧送し、解砕化処理及び活性化処理を施して曝気槽に返送した。その際のCFU(Colony Forming Unit)/ml、すなわち、単位容量あたりのCFU数を処理前と処理後で3回にわたり計測しその平均値を算出して比較した。
【0116】
その結果、処理前では3.6×10(CFU/ml)であったものが、処理後では5.1×10(CFU/ml)となり、処理前と比較すると若干微生物は少なくなってしまっているが、多くの微生物が死滅せず生存しているという実験結果が得られた。
【0117】
以上の実験結果より、本発明の余剰汚泥減容化装置によれば、従来のように微生物を可容化して全て死滅させてしまうことなく、微生物が生存した状態のままの汚泥を曝気槽に返送可能であり、曝気槽内の処理能力の向上が図れることが判明した。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本発明の余剰汚泥減容化システムを適用した排水処理施設の概略構成図。
【図2】高圧ポンプの概略構成を示すブロック図。
【図3】高圧ポンプの構造を示す部分断面図。
【図4】ポンプヘッドの構造を示す断面図。
【図5】図4に示すポンプヘッドの正面図。
【図6】解砕化装置を示す全体図。
【図7】図6の解砕化装置の正面図。
【図8】図6の解砕化装置における噴射ノズルを示す拡大図。
【図9】図8の噴射ノズルにおける噴射口付近の流体の流れを示す摸式図。
【図10】図8の噴射ノズルにおける噴射口の他の形状を示す摸式図。
【図11】図6の解砕化装置における流体の流れを示す図。
【図12】気液混合装置の説明図。
【図13】ノズル構造の説明図であり、(a)はノズル構造の正面図、(b)はノズル構造の断面図である。
【図14】気液混合装置の設置位置を示す図。
【図15】本発明の他の余剰汚泥減容化システムを適用した排水処理施設の概略構成図。
【符号の説明】
【0119】
S1、S2 排水処理施設
1 調整槽
2 曝気槽
3 沈殿槽
4 汚泥貯留槽
5 余剰汚泥減容化装置
31A、31B バルブ
51 スクリーン
52 受水ピット
53 制御盤
54 流量計
100 高圧ポンプ
100A、100B、100C、100D ポンプ
101 サーボモーター
102 ボールスクリュー
103 プランジャー接続部
104 ポンプヘッド
105 チェック弁
105A 入口側チェック弁
105B 出口側チェック弁
106 継手
107 エア抜きバルブ
108 継手
109 空気流路
111 ジョイントスタッド
113 ジョイントヘッド
113A フランジ
114 フレキシブルジョイント
115A 下側結合部材
115B 上側結合部材
116 隙間
117 隙間
118 プランジャー
119 ジョイントスタッド
120 プランジャージョイント
121 ジョイントヘッド
121A フランジ
122 シリンダー
122A 加圧ポンプ室
122B 摺動隙間
123 ヘッドプレート
124 ベースプレート
125 ベースプレート
126 ポスト
127 スペーサ
128A 第1の軸受
128B 第2の軸受
129 シールケース
130 ランタンリング(冷却部)
130A 継手
130B 給水ホース
130C 排水ホース
131 スタッド
132A ロッドシール(シール部)
132B ロッドシール
133A Oリング(シール部材)
133B Oリング(シール部材)
134 ナット
135 ボルト
136 ボルト
137 スタッド
138 流体流路
139 緩み止めナット
200 解砕化装置
211 ノズルアッセンブリー
212 高圧配管
213 低圧配管
221 フランジ
222 ケース
223 導入口
224 導入流路
225 分岐流路
226 加工用孔
227 開口部
231 ボルト
232 雌ネジ
233 盲栓
234 グランドナット
235 雌ネジ
236 グランドナット
241 解砕化促進室
242 排出口
250 噴射ノズル
251 ガスケット
252 シール
253 ノズル本体
254 ノズルアダプタ
255 細孔
256 オリフィス
257 噴射口
R1 解砕化促進室の内径
R2 オリフィス(噴射口)の内径
F1 導入流
F2,F3 分岐流
F4,F5 ジェット流
F6,F7 旋回流
F8 排出流
300 気液混合装置
310 気体導入管
311A 吐出口
312 管継ぎ手
320 密閉容器
321 流体導入管
322 流体吐出口
323 吐出筒
324 流体導入口
330 流体吐出口のノズル構造
331 吸込み用の孔(吸込孔)
332 噴出し用の孔(噴出孔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性汚泥法による排水処理施設において、曝気槽より排出される汚泥を沈降させ固液分離する沈殿槽と、この沈殿槽から排出される汚泥の返送ラインを有する施設に利用される余剰汚泥の減量化、或いは減容化を図るための余剰汚泥減容化装置であって、
上記余剰汚泥減容化装置は、
上記汚泥を高圧圧送する高圧ポンプと、
この高圧ポンプにより高圧圧送された汚泥を可溶化することなく解砕化する解砕化装置と、
この解砕化装置により解砕化された汚泥に空気を混合することによりこの解砕化された汚泥の溶存酸素濃度を増加し、上記曝気槽に返送する気液混合装置と、を備えるとともに、
上記解砕化装置は、
密閉ケースの一端に開口し、上記高圧圧送された汚泥を導入する導入口と、
上記導入口から上記密閉ケース内へ直線的に延びる導入流路と、
上記導入流路を分岐し、上記導入流路に対して平行配置された複数の分岐流路と、
上記複数の分岐流路の各々を微小孔で絞り、上記密閉ケースの他端から上記汚泥を噴射する複数の噴射口と、
上記複数の噴射口に連通し、上記分岐流路よりも大径の空洞部からなるとともに、上記汚泥で満たされた解砕化促進室と、からなること
を特徴とする余剰汚泥減容化装置。
【請求項2】
上記高圧ポンプは、
シリンダー内を往復移動することにより加圧ポンプ室内に流体を吸引するとともに、上記加圧ポンプ室内の流体を吐出するプランジャーと、
上記プランジャーに所定の間隔を介して配置されるとともに、上記プランジャーを両持ち支持する第1の軸受及び第2の軸受と、
上記第1の軸受と上記第2の軸受との間に配置されるとともに、上記プランジャーを冷却する冷却部と、
上記プランジャーの外周に摺接配置され、上記加圧ポンプ室からの流体漏れを防止するシール部と、を有するポンプヘッドを備えたこと
を特徴とする請求項1に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項3】
上記気液混合装置は、
円筒形の密閉容器と、
上記密閉容器内に流体を導入する流体導入管と、
上記密閉容器内から気液を吐出させる流体吐出口とを具備し、
上記流体導入管は、上記密閉容器の内外周壁を貫通して該密閉容器内に入り込み、この入り込んだ流体導入管の先端部が、流体導入口として、上記密閉容器の内底面に近接して開口するように設けられていること
を特徴とする請求項1あるいは2に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項4】
上記噴射口が上記分岐流路内に設けられたオリフィスからなり、このオリフィスがセラミックス、超硬合金、ダイヤモンドの中から選ばれる超硬質素材により構成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項5】
上記解砕化促進室の内径が上記噴射口の内径の200倍以上に設定されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項6】
上記流体吐出口は、その中央に設けた吸込孔と、この吸込孔の周囲に設けた複数の噴出孔とを有するノズル構造からなること
を特徴とする請求項3に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項7】
上記吸込孔の口径は上記噴出孔の口径より大きく設けたことを特徴とする請求項6に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項8】
上記流体吐出口の流体吐出側に吐出筒が取り付けられていることを特徴とする請求項6あるいは7に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項9】
上記吐出筒の外側から上記流体吐出口の流体吐出側陰圧部に連通する気体導入管を備えることを特徴とする請求項8に記載の余剰汚泥減容化装置。
【請求項10】
上記請求項1から9いずれか1項に記載の余剰汚泥減容化装置を有する余剰汚泥減容化システムであって、
上記曝気槽において活性汚泥処理された汚泥を沈降させ固液分離する沈殿槽と、
この沈殿槽の底部に接続された排泥管を介してこの底部に沈殿した汚泥を上記余剰汚泥減容化装置に送るポンプと、を有し、
上記返送汚泥ラインは、
上記ポンプにより送られた汚泥を上記曝気槽に返送するものであり、
上記余剰汚泥減容化装置は上記返送汚泥ラインに組み込まれていることを
特徴とする余剰汚泥減容化システム。
【請求項11】
上記請求項1から9いずれか1項に記載の余剰汚泥減容化装置を有する余剰汚泥減容化システムであって、
上記曝気槽において活性汚泥処理された汚泥を沈降させ固液分離する沈殿槽と、
上記沈殿槽により固液分離された汚泥を汲み上げる水中ポンプと、を有し、
上記余剰汚泥減容化装置は、
上記水中ポンプにより汲み上げられた汚泥を解砕化処理及び気液混合処理して上記曝気槽に返送することを
特徴とする余剰汚泥減容化システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−136937(P2008−136937A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−325527(P2006−325527)
【出願日】平成18年12月1日(2006.12.1)
【特許番号】特許第3916247号(P3916247)
【特許公報発行日】平成19年5月16日(2007.5.16)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第3項適用申請有り 平成18年10月19日・20日東京ビックサイトにて開催された産業交流展2006において東フロコーポレーション株式会社が出品
【出願人】(390039837)東フロコーポレーション株式会社 (17)
【Fターム(参考)】