説明

余裕度判定方法、情報表示方法、及び情報表示装置

【課題】車両運転時において、運転者の熟練度を考慮に入れて、運転者の中程度の余裕においても、詳細な情報提供をしても受け取れるのに十分な余裕が運転者にあるか否かを判定できる余裕度判定方法を提供する。
【解決手段】車両運転時の余裕度判定方法において、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定する。更には、前記準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トラックやバスや乗用車等の車両を運転している運転者の余裕度を判定するための余裕度判定方法と、この余裕度判定方法で余裕があると判定した時に情報を簡易表示から詳細表示にして表示する情報表示方法と、この余裕度判定方法とこの情報表示方法を実施する情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、トラックやバスや乗用車等の車両を運転している運転者(ドライバ)に対して、運転の最中に取るべき推奨行動を知らせたり、燃費節約のために運転の評価を知らせたりする情報提供を適宜行うことで、燃費の良い運転を支援する運転支援システムが多く開発されてきている。
【0003】
この運転評価の一つとして、例えば、省燃費運転の度合を評価するのに、省燃費運転評価用項目のデータを検出して記録し、それぞれ評価基準に照らして評価点をつけ、総合点で評価する省燃費運転評価装置及び方法において、省燃費運転評価のために車両データを検出・記録する際に、高速/一般道/アイドリングといった走行状況を考慮し、アクセル操舵、シフトアップ回転数、車速といった評価項目を走行状況別に計測して記録し、走行状況別の車両データに評価点を付けた後、走行状況別の燃料消費割合により補正を行って、走行状況をも考量した評価点で省燃費運転の評価を行う省燃費運転評価装置及び方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、この運転支援システムにおいては、車両の運転状況に応じて情報提供の内容を変化させる運転支援システムが開発されており、例えば、エンジン回転数、アクセル開度、車速及び燃料流量から車両の燃料消費量、走行距離、及び今後の推定標準燃料消費量、目標燃料消費量を演算し、この演算結果及び運転評価に関わる項目を表示する際に、高速走行か一般走行かの判定を行い、登坂及び降坂の判定を行った後、リアルタイムのアドバイスであるリアルアドバイスを行うか否かを判定する省燃費運転評価システムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
この省燃費運転評価システムでは、車両の状態に基づいて、リアルアドバイスするか否かを決めている。しかし、実際には運転者側が運転に十分余裕のある状況下で、リアルアドバイスする必要があると思われるが、上記の運転支援システムでは考慮されていない。
【0006】
これに対して、運転者側の状況に基づいて、運転者に詳細表示を視認する余裕が生じた場合であれば、車両の停車中に限定されることなく運転者が詳細表示を確実に視認することができ、且つ、簡易表示から詳細表示への不必要な切り換えを防止するために、簡易表示を行っている状態で、運転者の視認可能状態かつ視認要求状態であるときは、簡易表示を詳細表示に切り替え、運転者の視認不可能状態又は視認非要求状態では、簡易表示を継続する車両用表示装置が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【0007】
この車両用表示装置では、視認余裕判定手段が、視認可能か視認不可能かを車両の走行状態に基づいて判定し、視認意図判定手段が、視認要求か視認非要求かを運転者の視線方向に基づいて判定し、視認可能状態かつ視認要求状態では運転者は多くの情報を受け取る余裕があるとして詳細表示し、視認不可能又は視認非要求では多くの情報を受け取る余裕なしとして簡易表示している。
【0008】
また、この車両表示装置は、運転者の視認余裕度に応じて車内表示を変化させるものであり、例えば、車速が5km/h以下か否か、ブレーキペダルが操作中か否か、変速機のギア段がニュートラルか否か、といった車両状態、操作状況から余裕度を判定している。
【0009】
また、車両を運転している運転者の余裕度の判断に関しては、この他にも、一般的に、車両の制御や補機の操作、例えば、ABCペダル操作、ステアリング操作、シフトレバーやステアリング周りのカラム操作などが行われた時は、余裕が少ないと考えられる。
【0010】
しかしながら、従来技術の余裕度の判定においては、運転者の熟練度を考慮に入れておらず、車両側の情報に基づいて余裕度を判定している。つまり、プロドライバなど、運転負荷状況が中程度ならば情報取得に関して十分な余裕がある運転者に対して、満足の行くレベル、領域での余裕度判定になっているか否かは考慮されていない。
【0011】
一方、操作の真最中の状況では確かに余裕がない可能性はあるが、明らかに運転負荷状況が高負荷状況で極端に余裕度の低い状況を除くと、中程度の負荷状況では、十分情報を受け取る余裕がある状況と、余裕が少なくて十分に情報を受け取り難い状況とを判別することは難しい。特に、熟練した運転者の制御操作は身についており、感覚的に自動処理されるため、操作の有無やペダル操作量のみから単純に、運転者の余裕度を判定するのは難い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−328845号公報
【特許文献2】特開2006−88820号公報
【特許文献3】特開2010−234877号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、上記の状況を鑑みてなされたものであり、その目的は、車両運転時において、運転者の熟練度を考慮に入れて、運転者の中程度の負荷状況においても、詳細な情報提供をしても受け取れるのに十分な余裕が運転者にあるか否かを判定できる余裕度判定方法を提供することにある。
【0014】
また、更なる目的は、プロドライバ等、運転負荷が中程度での情報取得が可能な運転者にとっても、余裕度の判定を的確に行って、運転者が受容性の高い状態にあるときに、的確な情報提供を行うことができる情報表示方法、及び情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するための本発明の余裕度判定方法は、車両運転時の余裕度判定方法において、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定する方法である。
【0016】
この方法は、運転者の補機操作、例えば、エアコン操作、ラジオ操作、CD操作、カーナビゲーション装置等の各種スイッチのON−OFF操作、変速機のシフトレバーの移動操作、ステアリング周りのカラム操作(ウィンカ、前照灯の点灯・消灯、ワイパー、洗浄水噴射)、ドア内側の窓開閉操作、インストルメントパネルのスイッチ操作等と、この補機操作を行うための準備動作、例えば、ステアリングから片手を離す片手把持、左足のクラッチペダル無操作(左足が床に置かれている状態)等を、これらの行動の特徴に基づき、中程度の運転負荷状況においても、運転者の余裕の有無に関しても感度のよい余裕度を判定するものである。
【0017】
この方法によれば、運転者の動作に基づいて、運転者の余裕度を判定するので、より的確に運転者の熟練度を反映した余裕度判定をすることができる。
【0018】
上記の余裕度判定方法において、前記準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定する。このステアリングの片手把持動作、言い換えれば、片手放し動作は、運転者の手元を含めて撮影した画像の画像処理やステアリングの把持確認センサ(例えば、圧力センサ、タッチを検出するセンサ)等により比較的容易に検出できる。しかも、準備動作として、多様な補機操作の直前に行われるので、余裕度判定の精度を高くすることができる。
【0019】
上記の余裕度判定方法で、予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上である場合に、余裕があると判定する。
【0020】
この動作時間は、熟練した運転者の場合も、未熟練の運転者の場合も、余裕がある場合は動作が穏やかで遅くなるため長くなる傾向にあり、余裕が無い場合には動作が急激で早くなるため、短くなる傾向がある。従って、この動作時間で運転者の余裕度を判定すると、比較的簡単なアルゴリズムで、精度よく運転者の余裕度を判定することができる。なお、第1余裕度判定用期間は、時間で決めてもよいが、累積されたデータの数、即ち、度数のトータル数で決めてもよい。
【0021】
又は、上記の余裕度判定方法で、予め設定した第2余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、片手把持の開始のタイミングと補機操作の開始のタイミングとの間の動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定する。この動作時間比を用いると、非常に簡単なアルゴリズムで、余裕度を判定できる。なお、第2余裕度判定用期間は、時間で決めてもよいが、累積されたデータの数、即ち、度数のトータル数で決めてもよい。
【0022】
又は、上記の余裕度判定方法において、予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上であり、または、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、前記動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定する。この余裕度判定によれば、より精度よく余裕がある場合を判定できる。
【0023】
そして、上記の目的を達成するための情報表示方法は、上記の余裕度判定方法を用いて余裕度を判定し、余裕度が大きいと判定された時に、簡易表示から詳細表示に切り替えて情報提供を行う方法である。この方法によれば、精度良く余裕度判定ができるので、運転者に対して、運転者の状況に応じて、簡易表示と詳細表示を切り替えて表示できる。
【0024】
また、上記の情報表示方法を実施するための情報表示装置は、車両の運転者の余裕度に応じて簡易表示と詳細表示を選択して表示する情報表示装置において、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定する余裕度判定手段と、前記余裕度判定手段による余裕度判定の結果で余裕度が大きいと判定された時に、簡易表示から詳細表示に切り替えて情報提供を行う情報表示手段とを備えて構成される。
【0025】
また、上記の情報表示装置において、前記余裕度判定手段が、前記準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定するように構成される。
【0026】
また、上記の情報表示装置において、前記余裕度判定手段が、予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上である場合に、余裕があると判定するように構成される。
【0027】
又は、上記の情報表示装置において、前記余裕度判定手段が、予め設定した第2余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、片手把持の開始のタイミングと補機操作の開始のタイミングとの間の動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定するように構成される。
【0028】
又は、上記の情報表示装置において、前記余裕度判定手段が、予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上であり、または、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、前記動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定するように構成される。
【0029】
これらの情報表示装置によれば、上記の余裕度判定方法と情報表示方法を実施でき、上記の余裕度判定方法と同様な作用効果を奏することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る余裕度判定方法によれば、車両運転時において、運転者の熟練度を考慮に入れて、運転者の中程度の負荷状況においても、詳細な情報提供をしても受け取れるのに十分な余裕が運転者にあるか否かを判定できる。
【0031】
本発明に係る情報表示方法、及び情報表示装置によれば、プロドライバ等、運転負荷が中程度での情報取得が可能な運転者にとっても、余裕度の判定を的確に行って、運転者が受容性の高い状態にあるときに、的確な情報提供を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施の形態の余裕度判定方法におけるデータの収録方法の制御フローの一例を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の余裕度判定方法の制御フローの一例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態の余裕度判定方法の制御フローの一例を示す図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態の余裕度判定方法の制御フローの一例を示す図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態の余裕度判定方法の制御フローの一例を示す図である。
【図6】動作時間と操作時間と片手把持時間との関係を示す図である。
【図7】低負荷状況で余裕が大きい時の動作時間と片手把持時間との関係を示す図である。
【図8】高負荷状況で余裕が小さい時の動作時間と片手把持時間との関係を示す図である。
【図9】運転負荷状況によるカラム部動作時間の度数分布の違いを示す図である。
【図10】低負荷状況におけるカラム部動作時間、ステアリング片手把持時間の度数分布を示す図である。
【図11】中負荷状況におけるカラム部動作時間、ステアリング片手把持時間の度数分布を示す図である。
【図12】高負荷状況におけるカラム部動作時間、ステアリング片手把持時間の度数分布を示す図である。
【図13】低・中・高負荷状況における、2秒以上のカラム部動作時間の割合と、3秒以上のステアリング片手把持時間の割合と、これらの比を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明に係る実施の形態の余裕度判定方法、情報表示方法、及び情報表示装置について、図面を参照しながら説明する。
【0034】
先ず、情報表示装置について説明する。この情報表示装置は、車両の運転者の余裕度に応じて簡易表示と詳細表示を選択して表示する情報表示装置であり、車両を運転する運転者の余裕度を判定する余裕度判定手段と、簡易表示と詳細表示の情報提供を行う情報表示手段とを備えて構成される。
【0035】
この簡易表示とは、走行中の短時間の目視で分かる程度のシンボルマークや数文字程度の文字数で、大まかな情報の存在を示すだけの表示であり、詳細表示とは、決して長文ではないが、数秒の数回の目視で分かる程度の、シンボルマークやキーワードと共に取るべき対処行動のアドバイスなどまで含む、簡易表示よりも情報量の多い表示である。
【0036】
次に、余裕度判定手段が実施する余裕度判定方法について、図1〜図5の制御フローを参照しながら説明する。図1〜図5の制御フローは、それぞれが、エンジンのスタートと共に起動され、上位の制御フローによって、適当な時間間隔で呼ばれては、スタートし、それぞれの制御フローを実施した後、リターンして、上位の制御フローに戻り、また、上位の制御フローに呼ばれて繰返し実施されるものとして示している。
【0037】
この余裕度判定手段は、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定し、この準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定する。
【0038】
図6に示すような、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間Taと、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間Tbと、補機操作を行っている操作時間Tcを、例えば、図1に示すような制御フローで検出する。
【0039】
図1の制御フローでは、上位の制御フローから繰り返し呼ばれてスタートすると、ステップS11で、片手把持か否かを判定する。この片手把持は、ステアリングの片手把持動作、言い換えれば、片手放し動作のことであり、運転者の手元を含めて撮影した画像の画像処理やステアリングの把持確認センサ(例えば、圧力センサ、タッチを検出するセンサ)等により検出する。
【0040】
このステップS11の判定で、片手把持ではなく、両手把持であれば(NO)、ステップS11の判定を予め設定された時間を経過した後、繰り返して、片手把持になるのを待つ。このステップS11の判定で、片手把持となると(YES)、次のステップS12で。カウンタを作動させてカウントを開始し、このタイミング以降の経過時間の計測を開始する。
【0041】
次のステップS13では、補機の操作を開始したか否かを判定する。この補機の操作としては、エアコン操作、ラジオ操作、CD操作、カーナビゲーション装置等の各種スイッチのON−OFF操作、変速機のシフトレバーの移動操作、ステアリング周りのカラム操作(ウィンカ、前照灯の点灯・消灯、ワイパー、洗浄水噴射)等がある。この補機の操作の開始のタイミングは、補機側のスイッチ等のON−OFFのタイミング等の検出により検出できる。
【0042】
このステップS13の判定で、操作開始ではなく、片手把持のままであれば(NO)、ステップS14で予め設定された時間(ステップS13の操作開始の判定のインターバルに関係する時間)の間、カウント継続して経過時間の計測を継続し、ステップS13に戻る。これを繰り返して、操作開始になるのを待つ。このステップS13の判定で、操作開始となると(YES)、ステップS15で、カウンタの値、つまりカウントをメモリ1に格納して動作時間Tbを記録する。
【0043】
次のステップS16では、補機の操作が終了して両手把持に戻ったか否かを判定する。この両手把持は、片手把持と同様に、運転者の手元を含めて撮影した画像の画像処理やステアリングの把持確認センサ(例えば、圧力センサ、タッチを検出するセンサ)等により検出する。
【0044】
このステップS16の判定で、両手把持ではなく、片手把持のままであれば(NO)、ステップS17で予め設定された時間(ステップS16の両手把持の判定のインターバルに関係する時間)の間、カウント継続して経過時間の計測を継続し、ステップS16に戻る。これを繰り返して、両手把持になるのを待つ。このステップS16の判定で、両手把持となると(YES)、ステップS18で、カウンタをストップしてカウントを停止し、経過時間の計測を終了する。そして、次にステップS19で、カウンタの値、つまりカウントをメモリ2に格納して片手把持時間Taを記録する。その後、リターンで上位の制御フローに戻り、繰返し呼ばれてスタートする。
【0045】
この図1の制御フローのデータ収録制御により、片手把持時間Taと動作時間Tb(=片手把持時間Ta−操作時間Tc)を検出して記録することができる。
【0046】
次に、図2の制御フローで示す第1の実施の形態の余裕度判定方法について説明する。この図2の制御フローは、ある程度の期間の間、つまり、予め設定した第1余裕度判定用期間の間、図1の制御フローで記録された片手把持時間Taと動作時間Tbを集積する。この集積した動作時間Tbで動作時間度数分布を作成する。
【0047】
この第1余裕度判定用期間は、時間で決めてもよいが、累積されたデータの数が予め設定した数に達した時としてもよい。即ち、補機操作の回数である度数で決めてもよい。また、この動作時間度数分布は、ある時点でリセットして新たに作成し始めてもよく、エンジン始動後に最初に作った動作時間度数分布を古いデータを順次新しいデータに入れ替えて行くようにしてもよい。
【0048】
この動作時間度数分布が作成された時点で、図2の制御フローが上位の制御フローから呼ばれてスタートすると、ステップS21で、アドバイスを表示しない、アドバイス非表示モードの簡易表示を維持し、次のステップS22で第1判定を行い、この第1判定の結果で、余裕度があると判定されれば(YES)、ステップS23のアドバイスを表示する、アドバイス表示モードの詳細表示に切り替えて、リターンで、上位の制御フローに戻る。また、この第1判定の結果で、余裕度があると判定されなければ(NO)、そのまま、リターンに行き、上位の制御フローに戻る。そして、また、上位の制御フローに呼ばれて、繰返し実施される。
【0049】
この第1判定では、動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間(例えば、2秒)Tb1より長い領域が予め設定した判定用割合(例えば、35%)C1以上である場合に、余裕があると判定する。
【0050】
この第1の実施の形態の余裕度判定方法とこの余裕度判定方法を実施する余裕度判定手段を備えた情報表示装置によれば、予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間Tbに関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間Tb1より長い領域が予め設定した判定用割合C1以上である場合に、余裕があると判定することができる。
【0051】
この動作時間Tbは、熟練した運転者の場合も、未熟練の運転者の場合も、余裕がある場合は動作が穏やかで遅くなるため、長くなる傾向にあり、余裕が無い場合には、急激で早くなるため、短くなる傾向がある。従って、この動作時間Tbで余裕度を判定すると、比較的簡単なアルゴリズムで、精度よく余裕度を判定することができる。
【0052】
次に、図3の制御フローで示す第2の実施の形態の余裕度判定方法について説明する。この図3の制御フローは、ある程度の期間の間、つまり、予め設定した第2余裕度判定用期間の間で図1の制御フローで記録された片手把持時間Taと動作時間Tbを用いて、片手把持時間Taが予め設定した第2判定用時間(例えば、3秒)Ta2より長い領域で、動作時間Tbを片手把持時間Taで割算した値である動作時間比Rba(=Ta/Tb)を算出し、この動作時間比Rbaを集積して動作時間比度数分布を作成する。
【0053】
この第2余裕度判定用期間は、時間で決めてもよいが、累積されたデータの数が予め設定した数に達した時としてもよい。即ち、補機操作の回数である度数で決めてもよい。また、この動作時間度数分布は、ある時点でリセットして新たに作成し始めてもよく、エンジン始動後に最初に作った動作時間度数分布を順次古いデータを新しいデータに入れ替えて行くようにしてもよい。
【0054】
この動作時間比度数分布が作成された時点で、図3の制御フローが上位の制御フローから呼ばれてスタートすると、ステップS31で、アドバイスを表示しない、アドバイス非表示モードの簡易表示を維持し、次のステップS32で第2判定を行い、この第2判定の結果で、余裕度があると判定されれば(YES)、ステップS33のアドバイスを表示する、アドバイス表示モードの詳細表示に切り替えて、リターンで、上位の制御フローに戻る。また、この第2判定の結果で、余裕度があると判定されなければ(NO)、そのまま、リターンに行き、上位の制御フローに戻る。そして、また、上位の制御フローに呼ばれて、繰返し実施される。
【0055】
この第2判定では、片手把持時間Taが予め設定した第2判定用時間(例えば、3秒)Ta2より長い領域で、動作時間比Rbaが予め設定した判定用動作時間比(例えば、35%)Rba1以上である頻度が、予め設定した判定用頻度(例えば、50%)C2以上である場合に、余裕があると判定する。
【0056】
この第2の実施の形態の余裕度判定方法とこの余裕度判定方法を実施する余裕度判定手段を備えた情報表示装置によれば、予め設定した第2余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間Taが予め設定した第2判定用時間Ta2より長い領域で、動作時間Tbを片手把持時間Taで割算した値である動作時間比Tbaを算出し、動作時間比Rbaが予め設定した判定用動作時間比Rba1以上である頻度が、予め設定した判定用頻度C2以上である場合に、余裕があると判定することができる。この動作時間比Rbaを用いると、非常に簡単なアルゴリズムで、余裕度を判定できる。
【0057】
次に、図4の制御フローで示す第3の実施の形態の余裕度判定方法について説明する。この第3の実施の径他の余裕度判定方法は、第1の実施の形態の余裕度判定方法と第2の実施の形態の余裕度判定方法とを組み合わせたもので、いずれか一方の余裕度判定方法で余裕度があると判定された場合に余裕度があると判定する方法である。
【0058】
この図4の制御フローは、ある程度の期間の間、つまり、予め設定した第1余裕度判定用期間の間で図1の制御フローで記録された片手把持時間Taと動作時間Tbを集積する。この動作時間Tbを集積して動作時間度数分布を作成すると共に、片手把持時間Taが予め設定した第2判定用時間(例えば、3秒)Ta2より長い領域で、片手把持時間Taと動作時間Tbを用いて、動作時間Tbを片手把持時間Taで割算した値である動作時間比Rba(=Ta/Tb)を算出し、この動作時間比Rbaの動作時間比度数分布を作成する。
【0059】
この第1余裕度判定用期間は、時間で決めてもよいが、累積されたデータの数が予め設定した数に達した時としてもよい。即ち、補機操作の回数である度数で決めてもよい。また、この動作時間度数分布と動作時間比度数分布は、ある時点でリセットして新たに作成し始めてもよく、エンジン始動後に最初に作った動作時間度数分布と動作時間比度数分布を順次古いデータを新しいデータに入れ替えて行くようにしてもよい。
【0060】
この動作時間度数分布と動作時間比度数分布が作成された時点で、図4の制御フローが上位の制御フローから呼ばれてスタートすると、ステップS41で、アドバイスを表示しない、アドバイス非表示モードの簡易表示を維持し、次のステップS42で、第1の実施の形態の第1判定を行い、この第1判定の結果で、余裕度があると判定されれば(YES)、ステップS44に行きアドバイスを表示する、アドバイス表示モードの詳細表示に切り替えて、リターンで、上位の制御フローに戻る。
【0061】
また、この第1判定の結果で、余裕度があると判定されなければ(NO)、ステップS43で第2の実施の形態の第2の判定を行い、この第2判定の結果で、余裕度があると判定されれば(YES)、ステップS44に行って詳細表示に切り替えて、リターンで、上位の制御フローに戻る。また、この第2判定の結果で、余裕度があると判定されなければ(NO)、そのまま、リターンに行き、上位の制御フローに戻る。そして、また、上位の制御フローに呼ばれて、繰返し実施される。
【0062】
この第3の実施の形態の余裕度判定方法とこの余裕度判定方法を実施する余裕度判定手段を備えた情報表示装置によれば、予め設定した第1余裕度判定用期間において、動作時間Tbに関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間Tb1より長い領域が予め設定した判定用割合C1以上であり、または、片手把持時間Taが予め設定した第2判定用時間Ta2より長い領域で、動作時間Tbを片手把持時間Taで割算した値である動作時間比Rbaを算出し、動作時間比Rbaが予め設定した判定用動作時間比Rba1以上である頻度が、予め設定した判定用頻度C2以上である場合に、余裕があると判定することができる。これにより、より精度よく余裕度がある場合を判定できる。
【0063】
次に、図5の制御フローで示す第4の実施の形態の余裕度判定方法について説明する。この第4の実施の径他の余裕度判定方法は、第1の実施の形態の余裕度判定方法と第2の実施の形態の余裕度判定方法とを組み合わせたもので、両方の余裕度判定方法で余裕度があると判定された場合に余裕度があると判定する方法である。
【0064】
この第4の実施の形態の余裕度判定と第3の実施の形態の余裕度判定方法との差は、第判定の後の第2判定の仕方において、第3の実施の形態では、第1判定でNOとされた後に第2判定を行うが、第4の実施の形態では、第1判定でYESとされた後に第2判定を行う点が異なる。その他は同じである。
【0065】
この第4の実施の形態の余裕度判定方法とこの余裕度判定方法を実施する余裕度判定手段を備えた情報表示装置によれば、予め設定した第1余裕度判定用期間において、動作時間Tbに関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間Tb1より長い領域が予め設定した判定用割合C1以上であり、かつ、片手把持時間Taが予め設定した第2判定用時間Ta2より長い領域で、動作時間Tbを片手把持時間Taで割算した値である動作時間比Rbaを算出し、動作時間比Rbaが予め設定した判定用動作時間比Rba1以上である頻度が、予め設定した判定用頻度C2以上である場合に、余裕があると判定することができる。これにより、より厳密に余裕度がある場合を判定できる。
【0066】
そして、本発明の実施の形態の情報表示方法は、上記の第1〜第4の実施の形態の余裕度判定方法を用いて余裕度を判定し、余裕度が大きいと判定された時に、簡易表示から詳細表示に切り替えて情報提供を行う方法として構成される。この情報表示方法によれば、精度良く余裕度判定ができるので、運転者に対して、運転者の状況に応じて、簡易表示と詳細表示を切り替えて表示できるようになる。
【0067】
なお、ここでは、簡易表示から詳細表示への切り替えについて説明したが、逆の詳細表示から簡易表示への切り替えは特に限定しない。例えば、簡易表示から詳細表示に切り替えた後に一定時間経過したら詳細表示から簡易表示へ切り替えてもよく、一定時間経過し、かつ、上記の余裕度判定で余裕がないと判断された場合に詳細表示から簡易表示へ切り替えるようにしてもよい。
【0068】
上記によれば、上記の第1〜第4の実施の形態の余裕度判定方法と、この余裕度判定方法を用いる情報表示方法と、この余裕度判定方法を実施する余裕度判定手段を備えた情報表示装置では、車両運転時の余裕度の判定において、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定することができる。また、準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定することができる。
【0069】
上記の余裕度判定方法では、図1の制御フローの制御で検出した、片手把持時間Taと動作時間Tbの関係に基づいて、運転者の余裕度を判定しているが、この余裕度判定方法の根拠について、以下に説明する。
【0070】
つまり、画像認識等の手段により、車両の運転者の補機操作およびその準備行動としてのステアリング片手把持(片手放し)状況を判定し、それらのタイミングと時間長さに基づいて、余裕度判定を行う。画像処理で判定する場合は、例えば、ウィンカのスイッチ操作の際には、補機作動信号がONになる速度は、機械的なスイッチなので、同じであるが、実際の操作行動は、例えば、ビデオ映像等で観察によると、図7に示すように、時間の余裕がある時(ここでは低負荷状況という)ではゆっくり操作するが、交通状況が立て込んでいる中を走行する状況など、切迫した状況(ここでは、高負荷状況という)では、図8に示すように迅速に操作するといった違いが見られるからである。
【0071】
これらのことを、更に詳しく図9の動作時間Tbの度数分布で見てみると、実線で示す低負荷状況の場合は、動作時間Tbが長い方で頻度が多く、点線で示す高負荷状況の場合は、動作時間Tbが長い方では頻度が少なくなっている。
【0072】
また、運転の負荷状況の高低と、ステアリングカラム等の補機操作、その準備行動となるステアリング片手把持との関係を、図10の低負荷状況、図11の中負荷状況、図12の高負荷状況のそれぞれにおいて、片手把持時間Taの頻度分布(白色の四角)と動作時間Tbの頻度分布(黒色の菱形)を見ると、片手把持時間Taの分布はどれも2山型で大きく変わらないのに、図12に示す高負荷状況では、動作時間Tbは短い時間に集中する傾向が見られる。
【0073】
更に、図13に示した、片手把持時間Taが3秒以上の割合(白色の四角)と、動作時間Tbが2秒以上の割合(黒色の菱形)と、これらの比である(動作時間Tbが2秒以上の割合)/(片手把持時間Taが3秒以上の割合)(白色の三角)を見ると、片手放しになる時間Taの割に動作時間Tbが短くなっている。
【0074】
これらの特徴から、運転負荷状況と、補機操作、準備行動としての片手把持との関係を整理すると、表1のようにまとめることができる。つまり、片手放しが長く片手把持時間Taが長い場合は、動作時間Tbが短いものもあれば、長いものもある。しかし、片手放しが短く片手把持時間Taが短い合は、動作時間Tbが長いものは存在しない。また、負荷状態の違いによる影響は、時系列的に見れば、主に片手把持開始から補機操作開始までの動作時間Tbに現れると考えられる(図6参照)。
【0075】
【表1】

【0076】
そのため、この動作時間Tbと片手把持時間Taを見ることで、車両を運転している運転者の余裕度の判定が行える。つまり、簡易的には、動作時間Tbの動作時間度数分布に時間の長いものが含まれれば、運転者の余裕度が大きいと判定し、また、詳細を見る場合は、片手把持時間Taに対する動作時間Tbの割合が大きければ、運転者の余裕度が大きいと判定することで、精度よく、車両の運転者の余裕度を判定できる。
【0077】
従って、上記の第1〜第4の実施の形態の余裕度判定方法によれば、車両運転時において、運転者の熟練度を考慮に入れて、運転者の中程度の余裕においても、詳細な情報提供をしても受け取れるのに十分な余裕が運転者にあるか否かを判定できる。また、この余裕度判定方法を用いる情報表示方法と、この余裕度判定方法を実施する余裕度判定手段を備えた情報表示装置によれば、プロドライバ等、運転負荷が中程度での情報取得が可能な運転者にとっても、余裕度の判定を的確に行って、運転者に受容性の高い情報提供を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0078】
本発明の余裕度判定方法は、車両運転時において、運転者の熟練度を考慮に入れて、運転者の中程度の余裕においても、詳細な情報提供をしても受け取れるのに十分な余裕が運転者にあるか否かを判定でき、また、本発明の情報表示方法、及び情報表示装置は、プロドライバ等、運転負荷が中程度での情報取得が可能な運転者にとっても、余裕度の判定を的確に行って、運転者に受容性の高い情報提供を行うことができるので、トラックやバスや乗用車などの各種車両において利用できる。
【符号の説明】
【0079】
C1 判定用割合
C2 判定用頻度
Ta 片手把持時間
Ta2 第2判定用時間
Tb 動作時間
Tb1 第1判定用時間
Tc 操作時間
Rba 動作時間比
Rba1 判定用動作時間比

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両運転時の余裕度判定方法において、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定することを特徴とする余裕度判定方法。
【請求項2】
前記準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定することを特徴とする請求項1に記載の余裕度判定方法。
【請求項3】
予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上である場合に、余裕があると判定することを特徴とする請求項2に記載の余裕度判定方法。
【請求項4】
予め設定した第2余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、片手把持の開始のタイミングと補機操作の開始のタイミングとの間の動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定することを特徴とする請求項2に記載の余裕度判定方法。
【請求項5】
予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上であり、
または、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、前記動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定することを特徴とする請求項2に記載の余裕度判定方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の余裕度判定方法を用いて余裕度を判定し、余裕度が大きいと判定された時に、簡易表示から詳細表示に切り替えて情報提供を行う情報表示方法。
【請求項7】
車両の運転者の余裕度に応じて簡易表示と詳細表示を選択して表示する情報表示装置において、車両を運転する運転者の補機操作とこの補機操作のための準備動作との少なくとも一方に基づいて、余裕度を判定する余裕度判定手段と、前記余裕度判定手段による余裕度判定の結果で余裕度が大きいと判定された時に、簡易表示から詳細表示に切り替えて情報提供を行う情報表示手段とを備えたことを特徴とする情報表示装置。
【請求項8】
前記余裕度判定手段が、前記準備動作として、ステアリングの片手把持動作を採用し、このステアリングの片手把持動作のタイミングと補機操作のタイミングを用いて余裕度を判定することを特徴とする請求項7に記載の情報表示装置。
【請求項9】
前記余裕度判定手段が、予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上である場合に、余裕があると判定することを特徴とする請求項8に記載の情報表示装置。
【請求項10】
前記余裕度判定手段が、予め設定した第2余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、片手把持の開始のタイミングと補機操作の開始のタイミングとの間の動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定することを特徴とする請求項9に記載の情報表示装置。
【請求項11】
前記余裕度判定手段が、
予め設定した第1余裕度判定用期間において、片手把持の開始のタイミングから補機操作の開始のタイミングまでの動作時間に関して、時間毎の動作時間度数分布を作成し、この動作時間度数分布で、予め設定した第1判定用時間より長い領域が予め設定した判定用割合以上であり、
または、片手把持の開始のタイミングと終了のタイミングとの間の片手把持時間が予め設定した第2判定用時間より長い領域で、前記動作時間を前記片手把持時間で割算した値である動作時間比を算出し、該動作時間比が予め設定した判定用動作時間比以上である頻度が、予め設定した判定用頻度以上である場合に、余裕があると判定することを特徴とする請求項9に記載の情報表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−183224(P2012−183224A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48997(P2011−48997)
【出願日】平成23年3月7日(2011.3.7)
【出願人】(000000170)いすゞ自動車株式会社 (1,721)
【Fターム(参考)】