作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラム
【課題】製造現場において、最適な作業のための指図映像の作成が可能な作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムを提供する。
【解決手段】本発明に係わる作業指図作成システムは、複数の指図映像が順次、作業表示装置2(2a、2b、…)に表示され、順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムSであって、複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が作業者に分り難い場合、作業者によって入力操作される改善入力手段b2(b2a、b2b、…)を備えている。
【解決手段】本発明に係わる作業指図作成システムは、複数の指図映像が順次、作業表示装置2(2a、2b、…)に表示され、順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムSであって、複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が作業者に分り難い場合、作業者によって入力操作される改善入力手段b2(b2a、b2b、…)を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造現場での作業指示に係わる作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各業種・分野における製造部門では、多能工によるセル生産が行われている。このような製造現場では、コンピュータ化、3次元CAD(Computer Aided Design)等の普及に伴い、作業指示書(作業指図)として従来の紙図面の作業指示書からビュア(画像)を活用した作業指示へと移行しつつある。
画像化した作業指示書の作成には、一般にベテラン作業者が携わり、現場作業者(製造作業者)が一目見て作業が判りやすい視線(目線)での指示書の作り込みを行っている。
なお、出願人、発明者等が把握している本願に係わる先行技術文献は特にない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような状況において、実際の製造作業に携わる現場作業者(製造作業者)は作業箇所を詳細に確認しようとする場合、現場作業者に提供されている指示書画面は、ビジュアル的な表現ではあるものの、1枚の紙図面と同等のものである。そのため、現場作業者は、目視している指示書画面の詳細部分の確認や視線の微妙な変更が行えず、作業効率化のために提供される指示書画面の図面が思考を要するものとなり、作業進捗の阻害要因となっている。
また、どのタイミングで、現場作業者が製造作業にと惑い、作業不良が発生したか分らなかった。
【0004】
さらに、新規の指示書画面の作業指図において判り難い点、不明瞭な点があった場合、関係者に確認していたが、内容が容易に指示書画面の指図に反映される仕組みがなかった。例えば、現場作業者は作業指図をめくる際に切替えボタンを押下していたが、指図内容に訂正や追記を加えるべき内容があった場合、当該指図番号、内容を控えなくてはならなかった。
つまり、次回の指示書の作成において、改善箇所の把握は関係者にとどまり、その内容もすぐに指示書に反映される仕組みとはなっておらず、問題点が指示書作成に汎用的に生かされる仕組みがなかった。
【0005】
本発明は上記実状に鑑み、製造現場において、最適な作業のための指図映像の作成が可能な作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に係わる作業指図作成システムは、複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムであって、前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作される改善入力手段を備えている。
【0007】
第2の本発明に係わる作業指図作成システムの制御方法は、複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムの制御方法であって、前記作業指図作成システムは、改善入力手段を備え、前記改善入力手段は、前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作されている。
【0008】
第3の本発明に係わる作業指図作成システムのプログラムは、第2の本発明に係わる作業指図作成システムの制御方法を、コンピュ−タで実行させるための作業指図作成システムのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造現場において、最適な作業のための指図映像の作成が可能な作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係わる作業指図改善システムのシステム構成図である。
【図2】実施形態の指示書DBのファイル構造を示す図である。
【図3】(a)は実施形態の作業実績DBのファイル構造を示す図であり、(b)は実施形態の作業実績DBに記憶されたレコードの一例を示す図である。
【図4】(a)は実施形態の切替ボタンを示す斜視図であり、(b)は実施形態の改善ボタンを示す斜視図である。
【図5】実施形態の作業指図改善システムの機能を示す概念的機能図である。
【図6】実施形態の作業指図改善システムの処理フローを示す図である。
【図7】実施形態の作業現場での製造作業のタイムチャートの一例を示す図である。
【図8】実施形態の作業現場での製造作業のタイムチャートの一例を示す図である。
【図9】実施形態の作業実績DBの改善フラグから、関係者に改善ボタンが押下された旨を知らせる電子メールを送る処理のフロー図である。
【図10】実施形態の作業実績DBに記憶した実績データの改善フラグなどを基に、指示書DBに更新をかける処理を概念的に示した図である。
【図11】(a)は作業実績情報画面を示す図であり、(b)は組長が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面を目視および/または修正している状態を示す図であり、(c)は指図作成まとめ者が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面を目視および/または修正している状態を示す図である。
【図12】実施形態の作業指図No.の作業実績の情報を詳細に表示する作業実績情報詳細画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる作業指図改善システムSのシステム構成図である。
実施形態に係わる作業指図改善システムSは、多品種少量生産のいわゆる「セル生産」に適用される場合である。
作業指図改善システムSは、セル生産のそれぞれの一連の製造作業が行われる各作業現場1(1A、1B、……)に、製造作業者(以下、作業者と称す)に作業指図(指図映像)を表示する作業者モニタ2(2a、2b、……)と、作業者モニタ2の近くに配置されRFID(Radio Frequency IDentification)タグ5(図5参照)の情報を読み取るRFIDリーダ3(3a、3b、……)とが設けられる。
【0012】
作業者は、それぞれ各作業現場1(1A、1B、……)に運び込まれた作業用ラックでそれぞれ一連の製造作業を行う。
なお、RFIDタグ5としては、作業者を識別する作業者識別情報が記録され作業者が所持する作業者用RFIDタグ5Aと、各一連の製造作業を指示する作業指図のまとまりを識別する作業指図識別情報が記録された作業指図用RFIDタグ5Bとが使用される。作業指図用RFIDタグ5Bは、各一連の製造作業が行われる作業用ラックの作業管理ボックス13(図5参照)に個別に付されている。
【0013】
作業指図が表示される各作業者モニタ2(2a、2b、……)の近くには、次の作業に移る際に次の作業指図(指示)画面に切り替えるために作業者によって押下される切替ボタンb1(b1a、b1b、……)と、作業者が作業者モニタ2に表示される作業指図が分かりづらいなど戸惑った場合に押下される改善ボタンb2(b2a、b2b、……)とが設けられている。なお、切替ボタンb1、改善ボタンb2は、図1に示すように、2つのボタンで構成される2つボタン方式、タッチパネルで構成されるタッチパネル方式などで形成できる。
【0014】
ここで、一連の製造作業における一つの製造作業は、作業者モニタ2に表示される一枚の作業指図(指示)の画面が対応する。具体的には、作業者は、一つの製造作業が終わった場合に次の製造作業を行うために切替ボタンb1を押下し、次の製造作業を指示する作業指図の画面を作業者モニタ2に表示して、次の作業指図を目視して次の製造作業を行うこととなる。これら一つ一つの製造作業がまとまって、各作業用ラック毎の一連の製造作業を形成している。
【0015】
このように、各一連の製造作業は、各々作業用ラック毎に行われるものであり、各作業用ラックに付された作業指図用RFIDタグ5Bには、当該作業用ラックで行われる一連の製造作業を識別する作業指図識別情報の作業指図No.が記録されている。
作業者モニタ2とRFIDリーダ3とは、無線LAN(Local Area Network)を介して、製造作業を管理する現場用端末装置4に接続されており、現場用端末装置4は、LAN等のネットワークを介して、組長が使用する組長用端末装置6a、指図作成まとめ者が使用するまとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cなどの関係者が使用する端末装置に接続されている。
【0016】
現場用端末装置4、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、端末装置6cは、例えば、PC(Personal Computer)である。これらPCは、プロセッサ、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などのメモリと、キーボード、マウスなどの入力装置と、ディスプレイ(表示装置)、プリンタなどの出力装置とを具えている。
現場用端末装置4のHDDなどのメモリには、作業指図改善システムSのソフトウェア(第1報知手段、第2報知手段、記録手段、表示手段、指図映像更新手段)が格納されており、該ソフトウェアが実行されることにより、作業指図改善システムSの機能が具現化される。
【0017】
なお、現場用端末装置4には、電子メールのやり取りを行うためのメーラと称されるソフトウェアが格納されている。同様に、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cなどのクライアントPCには、メーラが格納されている。
これら現場用端末装置4、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cなどのPCには、IP(Internet Protocol)アドレスが静的に割り当てられており、インターネット上でのデータの送受信が行われる。
【0018】
<指示書DB(7)、作業実績DB(8)>
現場用端末装置4におけるHDDなどのメモリには、作業指図No.をキーとして一連の製造作業を構成する一作業一画面の作業指図画面の情報が記憶される指示書DB(DataBase)(7)と、作業者による各一連の製造作業の作業履歴が記憶される作業実績DB(8)とが格納されている。指示書DB(7)、作業実績DB(8)は、表形式のリレーショナルデータベースやオブジェクト形式のオブジェクトデータベースなどで構成される。
【0019】
図2は、指示書DB(7)のファイル構造を示す図である。
指示書DB(7)は、各一連の製造作業をそれぞれ識別する固有の作業指図識別情報の作業指図No.と、作業開始頁の画像ファイル、作業指図1頁の画像ファイル、作業指図2頁の画像ファイル、作業指図3頁の画像ファイル、……、作業終了頁の画像ファイルとのデータで構成される。
ここで、作業指図の画像ファイルは、例えば、3次元CADの画像ファイルを用いることで、設計部門で作図した画像ファイルを転用できるメリットがある。なお、作業指図1頁、作業指図2頁、作業指図3頁、……などの画像ファイルは、作業指図画面を提供できれば、3次元CADの画像ファイルでなくともよいことは勿論である。
【0020】
図3(a)は、作業実績DB(8)のファイル構造を示す図であり、図3(b)は、作業実績DB(8)に記憶されたレコードの一例を示す図である。
図3(a)に示す作業実績DB(8)のレコードは、各一連の製造作業を識別する固有の作業指図識別情報の作業指図No.、該作業指図No.のバージョンを示すVer、作業者を表す作業者コードなどの作業者識別情報が記憶される担当、作業を行う年月日、作業の開始時間、当該作業の終了時間、および繰り返しのデータ項目である作業指図の頁、当該頁の作業指図の作業を開始した開始時間、当該頁の作業指図の作業を終了した終了時間、改善ボタンb2が押下された場合に改善フラグ(入力操作情報)が立てられる改善フラグ、およびテキストデータで記憶される備考のデータ項目で構成される。なお、改善フラグが立てられた場合は改善フラグ“1”であり、改善フラグが立てられない場合は改善フラグ“0”となる。
【0021】
繰り返しのデータ項目である頁、開始時間、終了時間、改善フラグは、各作業指図No.の指図頁数分繰り返される。作業指図No.のバージョン(Ver)とは、当該作業指図No.の作業で改善ボタンb2が押下された際に新たなバージョン(Ver)に更新される。
図3(b)は、作業実績DB(8)の作業指図No.が、FF20090525の各バージョン(Ver)の第1番目のレコードを抽出して示したものであるが、各レコードは、図3(b)においては、頁、その頁の開始時間、終了時間の各データ項目は省略して示し、改善フラグを強調して示している。
【0022】
FF20090525の(Ver)が0.0において3頁で改善ボタンb2が押下され(Ver)1.0に更新され、(Ver)1.0において6頁で改善ボタンb2が押下され(Ver)2.0に更新されたことが分る。なお、(Ver)が更新される場合、改善フラグは“1”から“0”に復帰される。例えば、(Ver)1.0から(Ver)2.0に移行する際、3頁の改善フラグは“1”から“0”に復帰される。
なお、記憶部である指示書DB(7)、作業実績DB(8)は、各データが記憶されれば、データベース以外の順ファイル、テーブルなどの記憶部で構成してもよく、その実現態様は特に限定されない。また、記憶部の指示書DB(7)、作業実績DB(8)は、本実施形態では現場用端末装置4に格納される場合を例示しているが、現場用端末装置4とは別体のデータベースサーバに格納されてもよく、その実施態様は限定されない。
【0023】
<切替ボタンb1、改善ボタンb2>
図4(a)は、切替ボタンb1を示す斜視図であり、図4(b)は、改善ボタンb2を示す斜視図である。
図4(a)に示す切替ボタンb1は、切替ボタンb1が設けられるパネルの外面p1に対して突出して設けられるのに対して、図4(b)に示す改善ボタンb2は、改善ボタンb2が設けられるパネルの外面p1に対して凹んで設けられ、作業者によって誤って押下されないように構成している。なお、改善ボタンb2は、パネルの外面p1と同一面となるように構成してもよいが、パネルの外面p1に対して凹んで設けた方が誤操作を防止できるので、より望ましい。
【0024】
改善ボタンb2は、切替ボタンb1のようにパネルの外面p1に対して突出して設けてもよいが、誤操作のおそれがあるので、図4(b)に示すように、改善ボタンb2をパネルの外面p1に対して凹んで設けることが望ましい。
【0025】
<作業指図改善システムSの機能概要>
次に、作業指図改善システムSの主な機能の概要について、図5を用いて説明する。
図5は、作業指図改善システムSの機能を示す概念的機能図である。
前記したように、セル作業は、一つの作業用ラックで一連の製造作業単位の作業が行われ、一連の製造作業に用いられる作業用ラックには、当該作業用ラックでの一連の製造作業を識別するための作業指図識別情報の作業指図No.が記録された作業指図用RFIDタグ5Bが付けられている。
【0026】
作業用ラックでの作業は、作業現場1(1A、1B、……)の何れかで行われるが、ここでは、作業現場1Aで行われるものとして、以下説明を行う。他の作業現場1B、……で行われる場合も同様である。
作業者が、作業現場1Aで作業を開始に際して、RFIDリーダ3aで作業者用RFIDタグ5Aの作業者識別情報を読み取らせる。これにより、作業を誰が行うかが、作業実績DB(8)の担当のデータ項目に、読み取った作業者識別情報として記録される。
【0027】
続いて、作業を行う作業用ラックの作業指図用RFIDタグ5Bの作業指図No.をRFIDリーダ3aで読み取らせることで、当該作業指図No.の作業開始頁の画面が、指示書DB(7)の情報から、RFIDリーダ3aに対応する作業者モニタ2aに表示される。そして、切替ボタンb1aが作業者により押下されることにより、作業指図1頁の画面が表示され、切替ボタンb1aが作業者により押下される度に、当該作業指図No.の次ページの作業指図が当該作業者モニタ2aに順次表示される。
【0028】
同時に、作業指図用RFIDタグ5Bの作業指図No.をRFIDリーダ3aで読み取らせることで、当該作業指図No.の作業が開始された開始時間がクロックから取得した情報により記録される。そして、作業指図1頁を表示するため、最初に切替ボタンb1aが押下されることで、作業指図1頁の開始時間がクロックから取得した情報により記録され、その後、各作業指図頁(作業指図2頁、作業指図3頁、作業指図4頁、……)を表示するために切替ボタンb1aが押下される度に、作業者モニタ2aに表示される当該作業指図頁の作業の終了時間と次の作業指図頁の作業の開始時間が、作業実績DB(8)に記録される。
【0029】
例えば、作業指図1頁の作業が終わった際に、次の作業を行うために切替ボタンb1aを押下した場合、押下した時間が作業指図1頁の作業の終了時間と、作業指図2頁の作業の開始時間として、作業実績DB(8)に記憶される。
また、作業者が、作業中に作業指図頁を目視して作業内容が分かり難く、改善ボタンb2aを押下した場合、作業実績DB(8)の改善フラグ(図3(a)参照)が立てられる(改善フラグ=“1”)とともに、図5に示すように、あらかじめ当該作業指図No.に関する電子メールアドレスが登録された関係者に、改善ボタンb2aを押下された旨の電子メール(第1報知手段、第2報知手段)が送信される。
【0030】
なお、作業者が改善ボタンb2を押下した場合、作業実績DB(8)の改善フラグ(=“1”)が立てられると同時に、図3(b)に示すように、当該一連の製造作業履歴は、作業実績DB(8)のバージョン(Ver)が更新されたレコードとして記録される。
そして、作業指図用RFIDタグ5Bが、RFIDリーダ3aから抜き取られると、当該作業指図用RFIDタグ5Bに記録された作業指図No.の一連の製造作業が終了したとして、クロックから取得した情報により、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の終了時間が記録される。
【0031】
<作業指図改善システムSの処理>
次に、作業指図改善システムSの処理の流れについて、図6に従って説明する。
図6は、作業指図改善システムSの処理フローを示す図である。図7は、作業現場1Aでの製造作業のタイムチャートの一例である。
なお、以下では、作業現場1Aで作業を行うことを例示して説明を行うが、その他の作業現場1B、……で作業を行う場合も同様である。
作業者は、まず、作業現場1Aで作業を開始するに際し、作業者用RFIDタグ5Aに記録された自身の作業者識別情報をRFIDリーダ3aに読み取らせる。
【0032】
そして、作業者は、作業を行う作業用ラックに付された作業指図用RFIDタグ5Bの情報をRFIDリーダ3aに読み取らせる。すると、RFIDリーダ3aによって作業指図用RFIDタグ5Bに記録された作業指図識別情報の作業指図No.が読み取られ(図6のS101)、RFIDリーダ3aから、無線LANを介して、現場用端末装置4に送信される。なお、図6のS101で、作業指図用RFIDタグ5Bに記録された作業指図No.が読み取られない場合、S101を継続する。
【0033】
現場用端末装置4は、作業指図No.の情報を受信すると、作業実績DB(8)に、当該作業指図No.、作業者の作業者識別情報を担当の各データ項目に記録するとともに、当該作業指図No.の(Ver)のワ−クエリアに記憶されたバージョンの情報、本日の日付けをクロックから取得し、Ver、年月日のデータ項目に記録する。そして、現場用端末装置4は、作業指図No.の作業を開始する旨の作業開始ガイダンス画面の作業開始頁の情報を、無線LANを介して、RFIDリーダ3aが配置された作業者モニタ2aに送信し、作業者モニタ2aが当該作業指図No.の作業開始ガイダンス画面の作業開始頁の映像を表示する(S102)。作業開始ガイダンス画面の作業開始頁には、「……作業を開始します。道具を揃えて下さい。」などの表示がなされる。
【0034】
作業者が、作業を開始する準備が整うと、作業指図1頁を作業者モニタ2aに表示するため、切替ボタンb1aを押下する(図7の時刻8t1)(S103)。
すると、切替ボタンb1aの押下情報が、無線LANを介して、現場用端末装置4に送信される。現場用端末装置4は、作業実績DB(8)の当該作業指図No.のレコードに、クロックから取得した現在時刻を作業指図1頁の開始時間として記録するとともに、当該作業指図No.で指示書DB(7)を検索し、当該作業指図No.の作業指図1頁の画像ファイルの情報をリードし、無線LANを介して、RFIDリーダ3aが配置された作業者モニタ2aに送信する。作業者モニタ2aは、送信された当該作業指図No.の作業指図1頁の映像を表示する(S104)。
【0035】
作業者が作業者モニタ2aに表示された作業指図を目視しての作業中、作業に惑うことなく作業を行い、改善ボタンb2aが押下されない場合(S105でNo)、S108に移行する。
一方、作業者が、作業者モニタ2aに表示された作業指図を目視しての作業中に作業に戸惑い、改善ボタンb2を押下(例えば、図7の時刻8t3)した場合(S105でYes)、改善ボタンb2の押下情報が、無線LANを介して、現場用端末装置4に送信される。現場用端末装置4は、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の該当作業指図頁の改善フラグを“1”(図3(b)参照)とする(S106)。なお、S106で改善ボタンb2が押下された際の時間情報をクロックから取得し、作業実績DB(8)の当該作業指図No.のデータとして記録する構成としてもよい。
【0036】
そして、現場用端末装置4は、予め当該作業指図No.に関する電子メールの送信先として登録してある電子メールアドレスに、例えば、組長、指図作成まとめ者、その他の関係者の電子メールアドレスに、メーラを用いて、改善ボタンb2が押下されたことを示す当該作業指図No.の該当作業指図頁を特定できる情報の電子メールを配信する(図5参照)(S107)。なお、該当作業指図頁を特定できる情報としては、当該作業指図No.、当該作業指図No.の作業のタイトル、該当指図頁のタイトル、その画像情報など特に限定されるものでないが、タイトル表示で行えば直感的に特定し易いのでより望ましい。また、複数の関係者に、電子メールを送信する場合、メーリング・リストに当該関係者の電子メールアドレスを登録して行ってもよい。
【0037】
続いて、作業者が、組長、指図作成まとめ者などのアドバイスを得て、該当作業指図頁の作業が終わり、切替ボタンb1aを押下(例えば、図7の時刻8t4)する(S108)と、無線LANを介して、現場用端末装置4に切替ボタンb1aの押下情報が送信され、まず、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の該当作業指図頁の終了時間に現在の時間を記録する。
そして、現場用端末装置4が、現在表示している作業指図頁が当該作業指図No.の最後の作業指図頁であるか否か判断する(S109)。
【0038】
現在表示している作業指図頁が当該作業指図No.の最後の作業指図頁でない場合(図7の時刻8t2〜時刻8t10)(S109でNo)、S104に移行し、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の次の作業指図頁の開始時間に、現在の時間を記録するとともに、指示書DB(7)から、当該作業指図No.の次の作業指図頁の画像ファイルの情報をリードし、無線LANを介して、作業者モニタ2aに次の作業指図頁の画像ファイルの情報を送信し、作業者モニタ2aが次の作業指図頁を表示する。
【0039】
一方、現在表示している作業指図頁が当該作業指図No.の最後の作業指図頁である場合(例えば、図7の時刻8t11)(S109でYes)、現場用端末装置4は、指示書DB(7)の作業者に該作業指図No.の作業が終了したことを示す作業終了頁の画像ファイルの情報を、無線LANを介して、作業者モニタ2aに送信し、作業者モニタ2aは、送信された作業終了頁の画面を表示して当該作業指図No.の作業が終了したことを作業者に表示する(S110)。
【0040】
すると、作業者は、作業用ラックの作業管理ボックス13に付けられた指図用RFIDタグ5BをRFIDリーダ3aから、離す。
作業者に次の作業がない場合、すなわち作業用ラックに付された作業指図用RFIDタグ5Bがない場合(S111でNo)、終了する。
一方、作業者に次の作業がある場合(S111でYes)、S101に移行し、作業者は、次の作業を行う作業用ラックの作業管理ボックス13に付された作業指図用RFIDタグ5Bの作業指図No.をRFIDリーダ3aで読み取らせる。
以上が、図6に示す作業指図改善システムSの処理フローである。
なお、S111のステップは、本例では作業者が判断する場合を例示しているが、システムにて関連する情報を取得して判断してもよい。
【0041】
図8は、作業現場1Bでの製造作業のタイムチャートの一例を示す。
作業現場1Bでは、時刻9t1に作業指図1頁の作業が開始され(図6のS104)、作業指図2頁の作業中の時刻9t3に改善ボタンb2bが押下され(S105でYes)、関係者にその旨の電子メールが配信され(S107)、また、作業指図5頁の作業中の時刻9t7に改善ボタンb2bが押下され(S105でYes)、関係者にその旨の電子メールが配信され(図6のS107)、時刻9t12に作業指図最終頁の作業が終了した場合である。
【0042】
図9は、作業実績DB(8)の改善フラグ(図3参照)のデータから、関係者に改善ボタンb2が押下された旨を知らせる電子メールを送る処理のフロー図である。
前記した例では、作業者が作業中に改善ボタンb2を押下した場合、オンラインで関係者に改善ボタンb2の押下情報の電子メールを送る場合を説明したが、下記のように、バッチ処理で関係者に電子メールを送ってもよい。
改善ボタンb2が押下された旨をバッチ処理で関係者に知らせる場合、現場用端末装置4は、まず、作業指図No.または作業指図No.の範囲、或いは、作業が行われた年月日または作業が行われた年月日の範囲などを指定してデータを抽出するとともに、作業実績DB(8)の改善フラグのデータが“1”であるデータを検索する(図9のS201)。
【0043】
続いて、改善フラグ“1”のデータが有るか否か判定する(S202)。改善フラグ“1”のデータが無い場合(S202でNo)、終了する。
一方、改善フラグ“1”のデータが有る場合(S202でYes)、改善フラグ“1”の作業指図No.の電子メールの送信先としてあらかじめ登録してある関係者の電子メールアドレスに、例えば、組長、指図作成まとめ者、その他の関係者の電子メールアドレスに、メーラを用いて、改善ボタンb2が押下されたことを示す当該作業指図No.の該当指図頁の情報の電子メールを送信する(S203)。
【0044】
なお、上述の改善ボタンb2が押下された旨を関係者に知らせるバッチ処理を行う場合、オペレータが現場用端末装置4に入力を行い、当該ジョブを起動してもよいし、予め、改善ボタンb2が押下された旨の電子メールを送信するバッチ処理を作業指図改善システムSに組み込んでおいて、クロックからの取得した時間情報によって、当該ジョブを自動的に起動するように構成してもよい。
また、作業者が作業中に改善ボタンb2を押下した場合、オンラインで関係者に電子メールを送るとともに、バッチ処理でも関係者に電子メールを送ることとしてもよい。
【0045】
<指示書DB(7)に格納される作業指図の修正>
図10は、作業実績DB(8)に記憶した実績データの改善フラグなどを基に、指示書DB(7)に更新をかける処理を概念的に示した図である。
前記したように、作業者が作業現場1での作業中に改善ボタンb2を押下した場合、オンラインまたはバッチ処理で関係者にその旨を示す電子メールが送られ、組長、指図作成まとめ者などの関係者は、作業中に作業者モニタ2(図1参照)に表示される作業指図で分りづらい点があったことを知る。
【0046】
そこで、組長、指図作成まとめ者などの関係者は、図10に示すように、作業実績DB(8)に記憶した実績データの改善フラグの情報、作業中に改善ボタンb2が押下された電子メール情報などに基づいて、指示書DB(7)に格納される作業指図を、作業者が理解し易い図に修正する。
図11(a)は、作業実績情報画面G1を示す図であり、図11(b)は、組長が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面G2を目視および/または修正している状態を示し、図11(c)は、指図作成まとめ者が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面G2を目視および/または修正している状態を示している。
【0047】
電子メールで、分りずらい作業指図があったことを知った組長、指図作成まとめ者などの関係者は、それぞれ組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6bを用いて、自身の認証情報を入力することで、作業指図改善システムSにログオンする。なお、認証情報は、ID、パスワードでもよいし、人体認証情報でもよいし、限定されない。なお、認証情報によって、作業指図改善システムSへのアクセス権限が定められている。
そして、作業指図改善システムSの画面において、作業指図No.、作業の年月日を範囲指定などすることにより、図11(a)に示す作業実績情報画面G1が表示される。
【0048】
作業実績情報(指図)画面G1には、作業指図No.、そのバージョンの(Ver)、作業者の名前が表示される担当、作業の年月日、改善ボタンb2が押下された作業指図頁の作業の開始(時間)、終了(時間)、改善ボタンb2が押下された作業指図の頁、改善ボタンb2の押下の操作有無、備考が、作業実績DB(7)を参照して、表示される。
【0049】
そして、例えば、組長は、改善ボタンb2が押下された情報の操作有無G1aを目視して、改善ボタンb2が押下された作業指図の作業指図No.、バージョンのVer、頁を知ることで、図11(b)に示すように、組長用端末装置6aのディスプレイに、該当頁の作業指図G2aを表示する。そして、組長は、3次元CADなどで該当頁の作業指図G2aを作業者が分り易いように修正を施し、画面上に表示される更新ボタン(図示せず)を押下することで、更新情報が現場用端末装置4に送信され、現場用端末装置4は指示書DB(7)の当該作業指図G2aの情報を更新する。
【0050】
同様に、指図作成まとめ者は、改善ボタンb2が押下された情報の操作有無G1aを目視して、改善ボタンb2が押下された作業指図の作業指図No.、バージョンのVer、頁を知ることで、図11(c)に示すように、まとめ者用端末装置6bのディスプレイに、該当頁の作業指図G2bを表示する。そして、指図作成まとめ者は、3次元CADなどで該当頁の作業指図G2bを作業者が分り易いように修正を施し、画面上に表示される更新ボタン(図示せず)を押下することで、更新情報が現場用端末装置4に送信され、現場用端末装置4は指示書DB(7)の当該作業指図G2bの情報を更新する。
【0051】
図12は、作業指図No.の作業実績の情報を詳細に表示する作業実績情報詳細画面G3を示す図である。
電子メールで、分りずらい作業指図があったことを知った組長、指図作成まとめ者などの関係者は、それぞれの組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6bなどを用いて、自身の認証情報を入力することで、作業指図改善システムSにログオンする。
【0052】
そして、作業指図No.、作業の年月日などを範囲指定したり、図11(a)に示す作業実績情報画面G1の作業指図No.をクリックするなどして、図12に示す作業実績情報詳細画面G3を表示する。
作業実績情報詳細画面G3は、1行目に、作業指図No.、Ver(バージョン)、担当(者名)、作業の年月日、当該作業の開始(時間)、当該作業の終了(時間)が表示され、2行目に、当該作業指図No.、Ver(バージョン)の各作業指図の頁の開始時間、改善ボタンb2が押下された頁の表示(図12中に黒丸で示す)などが示される。
【0053】
なお、2行目の(作業指図)1頁の前の項目“扉”の項目は、「工具を揃えて下さい」などの作業開始ガイダンスが表示される作業開始頁の画面を示すものである。また、2行目の作業指図最終頁(図12では、10頁)の後の項目“扉”の項目は、「作業が終了しました」などの作業終了の通知が表示される作業終了頁の画面を示すものである。
作業実績情報詳細画面G3において、改善ボタンb2が押下された頁(図12中のNo.2の3頁、No.3の6頁)の項目をクリックすることで、作業指図3頁の詳細内容G4a、作業指図6頁の詳細内容G4bがそれぞれ表示される。
【0054】
これにより、組長、指図作成まとめ者などの関係者は、改善ボタンb2が押下された作業指図No.の頁を知り、図11(b)、(c)に示すように、関係者の端末装置(6a、6b、6c)のディスプレイに、該当頁の作業指図G2a、G2bを表示して、3次元CADなどで該当頁の作業指図G2a、G2bを作業者が分り易いように修正を施し、画面上に表示される更新ボタン(図示せず)を押下することで、指示書DB(7)の当該作業指図G2a、G2bの情報を更新することができる。
【0055】
上記構成によれば、現場作業者(製造作業者)の最新ノウハウを作業指示書に盛込むための情報を作業進捗状況の動作の中から吸上げることにより作業指示書作成側と現場作業者とのノウハウと情報を融合させた指示書作りが可能となる。
また、作業指図頁ごとに、開始時間と終了時間とが記録されるので、作業指図頁ごとの作業時間が把握でき、作業分析に用いることが可能であり、作業指図作成の参考にできる。
【0056】
さらに、改善ボタンb2を設け、改善ボタンb2が押下された履歴(作業指図No.(番号)、作業担当者(製造作業者)、作業指図頁など)情報が関係者に電子メールにて配信され、作業指図作成側に作業指図内容の変更(訂正)の必要が発生したことをいち早く伝えることにより、情報の共有を図ることができる。
また、改善ボタンb2を押下したことが、関係者に連絡されるので、不良品の発生を未然に防ぐことができる。また、不良品が発生した場合の原因を迅速に調査することが可能である。
【0057】
さらに、ノウハウの伝承、情報の共有化が可能となり、より分り易い最適な指図作成が可能となる。
上述のことから、製造作業の円滑化、迅速化が図れ、製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
なお、前記実施形態では、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cとしてPCを例示したが、それぞれ所定の機能を果す端末装置であれば、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末等でもよく、その実施態様は限定されない。
なお、前記実施形態では、作業者モニタ2、RFIDリーダ3と現場用端末装置4とを結ぶネットワークとして、無線LANを例示して説明したが、有線LAN等、ネットワークは無線LANに限定されないのは勿論である。
【0059】
また、前記実施形態では、改善ボタンb2が押下された情報を電子メールで関係者に送る場合を例示したが、関係者のFAX番号をあらかじめ登録しておき、関係者に自動的にFAXするようにシステム構成してもよく、関係者への報知手段(第1・第2報知手段)は電子メール以外のもので行ってもよい。
なお、前記実施形態では、作業開始頁の画像ファイル、作業終了頁の画像ファイルを指示書DB(7)に記憶する場合を例示したが、指示書DB(7)に記憶することなく、別の記憶部に記憶してもよい。
【0060】
なお、前記実施形態では、セル生産方式を例示して説明したが、本発明は、セル生産方式に限定されず幅広く適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
2(2a、2b、……) 作業者モニタ(作業表示装置)
6a 組長用端末装置(関係者の端末装置)
6b まとめ者用端末装置(関係者の端末装置)
6c その他関係者の端末装置(関係者の端末装置)
7 指示書DB(指図映像記憶部)
8 作業実績DB(実績記憶部)
b2(b2a、b2b、……) 改善ボタン(押しボタン、改善入力手段)
p1 パネルの外面
S 作業指図改善システム(作業指図作成システム)
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造現場での作業指示に係わる作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、各業種・分野における製造部門では、多能工によるセル生産が行われている。このような製造現場では、コンピュータ化、3次元CAD(Computer Aided Design)等の普及に伴い、作業指示書(作業指図)として従来の紙図面の作業指示書からビュア(画像)を活用した作業指示へと移行しつつある。
画像化した作業指示書の作成には、一般にベテラン作業者が携わり、現場作業者(製造作業者)が一目見て作業が判りやすい視線(目線)での指示書の作り込みを行っている。
なお、出願人、発明者等が把握している本願に係わる先行技術文献は特にない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような状況において、実際の製造作業に携わる現場作業者(製造作業者)は作業箇所を詳細に確認しようとする場合、現場作業者に提供されている指示書画面は、ビジュアル的な表現ではあるものの、1枚の紙図面と同等のものである。そのため、現場作業者は、目視している指示書画面の詳細部分の確認や視線の微妙な変更が行えず、作業効率化のために提供される指示書画面の図面が思考を要するものとなり、作業進捗の阻害要因となっている。
また、どのタイミングで、現場作業者が製造作業にと惑い、作業不良が発生したか分らなかった。
【0004】
さらに、新規の指示書画面の作業指図において判り難い点、不明瞭な点があった場合、関係者に確認していたが、内容が容易に指示書画面の指図に反映される仕組みがなかった。例えば、現場作業者は作業指図をめくる際に切替えボタンを押下していたが、指図内容に訂正や追記を加えるべき内容があった場合、当該指図番号、内容を控えなくてはならなかった。
つまり、次回の指示書の作成において、改善箇所の把握は関係者にとどまり、その内容もすぐに指示書に反映される仕組みとはなっておらず、問題点が指示書作成に汎用的に生かされる仕組みがなかった。
【0005】
本発明は上記実状に鑑み、製造現場において、最適な作業のための指図映像の作成が可能な作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、第1の本発明に係わる作業指図作成システムは、複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムであって、前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作される改善入力手段を備えている。
【0007】
第2の本発明に係わる作業指図作成システムの制御方法は、複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムの制御方法であって、前記作業指図作成システムは、改善入力手段を備え、前記改善入力手段は、前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作されている。
【0008】
第3の本発明に係わる作業指図作成システムのプログラムは、第2の本発明に係わる作業指図作成システムの制御方法を、コンピュ−タで実行させるための作業指図作成システムのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、製造現場において、最適な作業のための指図映像の作成が可能な作業指図作成システム、その制御方法およびそのプログラムを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施形態に係わる作業指図改善システムのシステム構成図である。
【図2】実施形態の指示書DBのファイル構造を示す図である。
【図3】(a)は実施形態の作業実績DBのファイル構造を示す図であり、(b)は実施形態の作業実績DBに記憶されたレコードの一例を示す図である。
【図4】(a)は実施形態の切替ボタンを示す斜視図であり、(b)は実施形態の改善ボタンを示す斜視図である。
【図5】実施形態の作業指図改善システムの機能を示す概念的機能図である。
【図6】実施形態の作業指図改善システムの処理フローを示す図である。
【図7】実施形態の作業現場での製造作業のタイムチャートの一例を示す図である。
【図8】実施形態の作業現場での製造作業のタイムチャートの一例を示す図である。
【図9】実施形態の作業実績DBの改善フラグから、関係者に改善ボタンが押下された旨を知らせる電子メールを送る処理のフロー図である。
【図10】実施形態の作業実績DBに記憶した実績データの改善フラグなどを基に、指示書DBに更新をかける処理を概念的に示した図である。
【図11】(a)は作業実績情報画面を示す図であり、(b)は組長が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面を目視および/または修正している状態を示す図であり、(c)は指図作成まとめ者が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面を目視および/または修正している状態を示す図である。
【図12】実施形態の作業指図No.の作業実績の情報を詳細に表示する作業実績情報詳細画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1は、本発明の実施形態に係わる作業指図改善システムSのシステム構成図である。
実施形態に係わる作業指図改善システムSは、多品種少量生産のいわゆる「セル生産」に適用される場合である。
作業指図改善システムSは、セル生産のそれぞれの一連の製造作業が行われる各作業現場1(1A、1B、……)に、製造作業者(以下、作業者と称す)に作業指図(指図映像)を表示する作業者モニタ2(2a、2b、……)と、作業者モニタ2の近くに配置されRFID(Radio Frequency IDentification)タグ5(図5参照)の情報を読み取るRFIDリーダ3(3a、3b、……)とが設けられる。
【0012】
作業者は、それぞれ各作業現場1(1A、1B、……)に運び込まれた作業用ラックでそれぞれ一連の製造作業を行う。
なお、RFIDタグ5としては、作業者を識別する作業者識別情報が記録され作業者が所持する作業者用RFIDタグ5Aと、各一連の製造作業を指示する作業指図のまとまりを識別する作業指図識別情報が記録された作業指図用RFIDタグ5Bとが使用される。作業指図用RFIDタグ5Bは、各一連の製造作業が行われる作業用ラックの作業管理ボックス13(図5参照)に個別に付されている。
【0013】
作業指図が表示される各作業者モニタ2(2a、2b、……)の近くには、次の作業に移る際に次の作業指図(指示)画面に切り替えるために作業者によって押下される切替ボタンb1(b1a、b1b、……)と、作業者が作業者モニタ2に表示される作業指図が分かりづらいなど戸惑った場合に押下される改善ボタンb2(b2a、b2b、……)とが設けられている。なお、切替ボタンb1、改善ボタンb2は、図1に示すように、2つのボタンで構成される2つボタン方式、タッチパネルで構成されるタッチパネル方式などで形成できる。
【0014】
ここで、一連の製造作業における一つの製造作業は、作業者モニタ2に表示される一枚の作業指図(指示)の画面が対応する。具体的には、作業者は、一つの製造作業が終わった場合に次の製造作業を行うために切替ボタンb1を押下し、次の製造作業を指示する作業指図の画面を作業者モニタ2に表示して、次の作業指図を目視して次の製造作業を行うこととなる。これら一つ一つの製造作業がまとまって、各作業用ラック毎の一連の製造作業を形成している。
【0015】
このように、各一連の製造作業は、各々作業用ラック毎に行われるものであり、各作業用ラックに付された作業指図用RFIDタグ5Bには、当該作業用ラックで行われる一連の製造作業を識別する作業指図識別情報の作業指図No.が記録されている。
作業者モニタ2とRFIDリーダ3とは、無線LAN(Local Area Network)を介して、製造作業を管理する現場用端末装置4に接続されており、現場用端末装置4は、LAN等のネットワークを介して、組長が使用する組長用端末装置6a、指図作成まとめ者が使用するまとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cなどの関係者が使用する端末装置に接続されている。
【0016】
現場用端末装置4、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、端末装置6cは、例えば、PC(Personal Computer)である。これらPCは、プロセッサ、フラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、HDD(Hard Disk Drive)などのメモリと、キーボード、マウスなどの入力装置と、ディスプレイ(表示装置)、プリンタなどの出力装置とを具えている。
現場用端末装置4のHDDなどのメモリには、作業指図改善システムSのソフトウェア(第1報知手段、第2報知手段、記録手段、表示手段、指図映像更新手段)が格納されており、該ソフトウェアが実行されることにより、作業指図改善システムSの機能が具現化される。
【0017】
なお、現場用端末装置4には、電子メールのやり取りを行うためのメーラと称されるソフトウェアが格納されている。同様に、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cなどのクライアントPCには、メーラが格納されている。
これら現場用端末装置4、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cなどのPCには、IP(Internet Protocol)アドレスが静的に割り当てられており、インターネット上でのデータの送受信が行われる。
【0018】
<指示書DB(7)、作業実績DB(8)>
現場用端末装置4におけるHDDなどのメモリには、作業指図No.をキーとして一連の製造作業を構成する一作業一画面の作業指図画面の情報が記憶される指示書DB(DataBase)(7)と、作業者による各一連の製造作業の作業履歴が記憶される作業実績DB(8)とが格納されている。指示書DB(7)、作業実績DB(8)は、表形式のリレーショナルデータベースやオブジェクト形式のオブジェクトデータベースなどで構成される。
【0019】
図2は、指示書DB(7)のファイル構造を示す図である。
指示書DB(7)は、各一連の製造作業をそれぞれ識別する固有の作業指図識別情報の作業指図No.と、作業開始頁の画像ファイル、作業指図1頁の画像ファイル、作業指図2頁の画像ファイル、作業指図3頁の画像ファイル、……、作業終了頁の画像ファイルとのデータで構成される。
ここで、作業指図の画像ファイルは、例えば、3次元CADの画像ファイルを用いることで、設計部門で作図した画像ファイルを転用できるメリットがある。なお、作業指図1頁、作業指図2頁、作業指図3頁、……などの画像ファイルは、作業指図画面を提供できれば、3次元CADの画像ファイルでなくともよいことは勿論である。
【0020】
図3(a)は、作業実績DB(8)のファイル構造を示す図であり、図3(b)は、作業実績DB(8)に記憶されたレコードの一例を示す図である。
図3(a)に示す作業実績DB(8)のレコードは、各一連の製造作業を識別する固有の作業指図識別情報の作業指図No.、該作業指図No.のバージョンを示すVer、作業者を表す作業者コードなどの作業者識別情報が記憶される担当、作業を行う年月日、作業の開始時間、当該作業の終了時間、および繰り返しのデータ項目である作業指図の頁、当該頁の作業指図の作業を開始した開始時間、当該頁の作業指図の作業を終了した終了時間、改善ボタンb2が押下された場合に改善フラグ(入力操作情報)が立てられる改善フラグ、およびテキストデータで記憶される備考のデータ項目で構成される。なお、改善フラグが立てられた場合は改善フラグ“1”であり、改善フラグが立てられない場合は改善フラグ“0”となる。
【0021】
繰り返しのデータ項目である頁、開始時間、終了時間、改善フラグは、各作業指図No.の指図頁数分繰り返される。作業指図No.のバージョン(Ver)とは、当該作業指図No.の作業で改善ボタンb2が押下された際に新たなバージョン(Ver)に更新される。
図3(b)は、作業実績DB(8)の作業指図No.が、FF20090525の各バージョン(Ver)の第1番目のレコードを抽出して示したものであるが、各レコードは、図3(b)においては、頁、その頁の開始時間、終了時間の各データ項目は省略して示し、改善フラグを強調して示している。
【0022】
FF20090525の(Ver)が0.0において3頁で改善ボタンb2が押下され(Ver)1.0に更新され、(Ver)1.0において6頁で改善ボタンb2が押下され(Ver)2.0に更新されたことが分る。なお、(Ver)が更新される場合、改善フラグは“1”から“0”に復帰される。例えば、(Ver)1.0から(Ver)2.0に移行する際、3頁の改善フラグは“1”から“0”に復帰される。
なお、記憶部である指示書DB(7)、作業実績DB(8)は、各データが記憶されれば、データベース以外の順ファイル、テーブルなどの記憶部で構成してもよく、その実現態様は特に限定されない。また、記憶部の指示書DB(7)、作業実績DB(8)は、本実施形態では現場用端末装置4に格納される場合を例示しているが、現場用端末装置4とは別体のデータベースサーバに格納されてもよく、その実施態様は限定されない。
【0023】
<切替ボタンb1、改善ボタンb2>
図4(a)は、切替ボタンb1を示す斜視図であり、図4(b)は、改善ボタンb2を示す斜視図である。
図4(a)に示す切替ボタンb1は、切替ボタンb1が設けられるパネルの外面p1に対して突出して設けられるのに対して、図4(b)に示す改善ボタンb2は、改善ボタンb2が設けられるパネルの外面p1に対して凹んで設けられ、作業者によって誤って押下されないように構成している。なお、改善ボタンb2は、パネルの外面p1と同一面となるように構成してもよいが、パネルの外面p1に対して凹んで設けた方が誤操作を防止できるので、より望ましい。
【0024】
改善ボタンb2は、切替ボタンb1のようにパネルの外面p1に対して突出して設けてもよいが、誤操作のおそれがあるので、図4(b)に示すように、改善ボタンb2をパネルの外面p1に対して凹んで設けることが望ましい。
【0025】
<作業指図改善システムSの機能概要>
次に、作業指図改善システムSの主な機能の概要について、図5を用いて説明する。
図5は、作業指図改善システムSの機能を示す概念的機能図である。
前記したように、セル作業は、一つの作業用ラックで一連の製造作業単位の作業が行われ、一連の製造作業に用いられる作業用ラックには、当該作業用ラックでの一連の製造作業を識別するための作業指図識別情報の作業指図No.が記録された作業指図用RFIDタグ5Bが付けられている。
【0026】
作業用ラックでの作業は、作業現場1(1A、1B、……)の何れかで行われるが、ここでは、作業現場1Aで行われるものとして、以下説明を行う。他の作業現場1B、……で行われる場合も同様である。
作業者が、作業現場1Aで作業を開始に際して、RFIDリーダ3aで作業者用RFIDタグ5Aの作業者識別情報を読み取らせる。これにより、作業を誰が行うかが、作業実績DB(8)の担当のデータ項目に、読み取った作業者識別情報として記録される。
【0027】
続いて、作業を行う作業用ラックの作業指図用RFIDタグ5Bの作業指図No.をRFIDリーダ3aで読み取らせることで、当該作業指図No.の作業開始頁の画面が、指示書DB(7)の情報から、RFIDリーダ3aに対応する作業者モニタ2aに表示される。そして、切替ボタンb1aが作業者により押下されることにより、作業指図1頁の画面が表示され、切替ボタンb1aが作業者により押下される度に、当該作業指図No.の次ページの作業指図が当該作業者モニタ2aに順次表示される。
【0028】
同時に、作業指図用RFIDタグ5Bの作業指図No.をRFIDリーダ3aで読み取らせることで、当該作業指図No.の作業が開始された開始時間がクロックから取得した情報により記録される。そして、作業指図1頁を表示するため、最初に切替ボタンb1aが押下されることで、作業指図1頁の開始時間がクロックから取得した情報により記録され、その後、各作業指図頁(作業指図2頁、作業指図3頁、作業指図4頁、……)を表示するために切替ボタンb1aが押下される度に、作業者モニタ2aに表示される当該作業指図頁の作業の終了時間と次の作業指図頁の作業の開始時間が、作業実績DB(8)に記録される。
【0029】
例えば、作業指図1頁の作業が終わった際に、次の作業を行うために切替ボタンb1aを押下した場合、押下した時間が作業指図1頁の作業の終了時間と、作業指図2頁の作業の開始時間として、作業実績DB(8)に記憶される。
また、作業者が、作業中に作業指図頁を目視して作業内容が分かり難く、改善ボタンb2aを押下した場合、作業実績DB(8)の改善フラグ(図3(a)参照)が立てられる(改善フラグ=“1”)とともに、図5に示すように、あらかじめ当該作業指図No.に関する電子メールアドレスが登録された関係者に、改善ボタンb2aを押下された旨の電子メール(第1報知手段、第2報知手段)が送信される。
【0030】
なお、作業者が改善ボタンb2を押下した場合、作業実績DB(8)の改善フラグ(=“1”)が立てられると同時に、図3(b)に示すように、当該一連の製造作業履歴は、作業実績DB(8)のバージョン(Ver)が更新されたレコードとして記録される。
そして、作業指図用RFIDタグ5Bが、RFIDリーダ3aから抜き取られると、当該作業指図用RFIDタグ5Bに記録された作業指図No.の一連の製造作業が終了したとして、クロックから取得した情報により、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の終了時間が記録される。
【0031】
<作業指図改善システムSの処理>
次に、作業指図改善システムSの処理の流れについて、図6に従って説明する。
図6は、作業指図改善システムSの処理フローを示す図である。図7は、作業現場1Aでの製造作業のタイムチャートの一例である。
なお、以下では、作業現場1Aで作業を行うことを例示して説明を行うが、その他の作業現場1B、……で作業を行う場合も同様である。
作業者は、まず、作業現場1Aで作業を開始するに際し、作業者用RFIDタグ5Aに記録された自身の作業者識別情報をRFIDリーダ3aに読み取らせる。
【0032】
そして、作業者は、作業を行う作業用ラックに付された作業指図用RFIDタグ5Bの情報をRFIDリーダ3aに読み取らせる。すると、RFIDリーダ3aによって作業指図用RFIDタグ5Bに記録された作業指図識別情報の作業指図No.が読み取られ(図6のS101)、RFIDリーダ3aから、無線LANを介して、現場用端末装置4に送信される。なお、図6のS101で、作業指図用RFIDタグ5Bに記録された作業指図No.が読み取られない場合、S101を継続する。
【0033】
現場用端末装置4は、作業指図No.の情報を受信すると、作業実績DB(8)に、当該作業指図No.、作業者の作業者識別情報を担当の各データ項目に記録するとともに、当該作業指図No.の(Ver)のワ−クエリアに記憶されたバージョンの情報、本日の日付けをクロックから取得し、Ver、年月日のデータ項目に記録する。そして、現場用端末装置4は、作業指図No.の作業を開始する旨の作業開始ガイダンス画面の作業開始頁の情報を、無線LANを介して、RFIDリーダ3aが配置された作業者モニタ2aに送信し、作業者モニタ2aが当該作業指図No.の作業開始ガイダンス画面の作業開始頁の映像を表示する(S102)。作業開始ガイダンス画面の作業開始頁には、「……作業を開始します。道具を揃えて下さい。」などの表示がなされる。
【0034】
作業者が、作業を開始する準備が整うと、作業指図1頁を作業者モニタ2aに表示するため、切替ボタンb1aを押下する(図7の時刻8t1)(S103)。
すると、切替ボタンb1aの押下情報が、無線LANを介して、現場用端末装置4に送信される。現場用端末装置4は、作業実績DB(8)の当該作業指図No.のレコードに、クロックから取得した現在時刻を作業指図1頁の開始時間として記録するとともに、当該作業指図No.で指示書DB(7)を検索し、当該作業指図No.の作業指図1頁の画像ファイルの情報をリードし、無線LANを介して、RFIDリーダ3aが配置された作業者モニタ2aに送信する。作業者モニタ2aは、送信された当該作業指図No.の作業指図1頁の映像を表示する(S104)。
【0035】
作業者が作業者モニタ2aに表示された作業指図を目視しての作業中、作業に惑うことなく作業を行い、改善ボタンb2aが押下されない場合(S105でNo)、S108に移行する。
一方、作業者が、作業者モニタ2aに表示された作業指図を目視しての作業中に作業に戸惑い、改善ボタンb2を押下(例えば、図7の時刻8t3)した場合(S105でYes)、改善ボタンb2の押下情報が、無線LANを介して、現場用端末装置4に送信される。現場用端末装置4は、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の該当作業指図頁の改善フラグを“1”(図3(b)参照)とする(S106)。なお、S106で改善ボタンb2が押下された際の時間情報をクロックから取得し、作業実績DB(8)の当該作業指図No.のデータとして記録する構成としてもよい。
【0036】
そして、現場用端末装置4は、予め当該作業指図No.に関する電子メールの送信先として登録してある電子メールアドレスに、例えば、組長、指図作成まとめ者、その他の関係者の電子メールアドレスに、メーラを用いて、改善ボタンb2が押下されたことを示す当該作業指図No.の該当作業指図頁を特定できる情報の電子メールを配信する(図5参照)(S107)。なお、該当作業指図頁を特定できる情報としては、当該作業指図No.、当該作業指図No.の作業のタイトル、該当指図頁のタイトル、その画像情報など特に限定されるものでないが、タイトル表示で行えば直感的に特定し易いのでより望ましい。また、複数の関係者に、電子メールを送信する場合、メーリング・リストに当該関係者の電子メールアドレスを登録して行ってもよい。
【0037】
続いて、作業者が、組長、指図作成まとめ者などのアドバイスを得て、該当作業指図頁の作業が終わり、切替ボタンb1aを押下(例えば、図7の時刻8t4)する(S108)と、無線LANを介して、現場用端末装置4に切替ボタンb1aの押下情報が送信され、まず、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の該当作業指図頁の終了時間に現在の時間を記録する。
そして、現場用端末装置4が、現在表示している作業指図頁が当該作業指図No.の最後の作業指図頁であるか否か判断する(S109)。
【0038】
現在表示している作業指図頁が当該作業指図No.の最後の作業指図頁でない場合(図7の時刻8t2〜時刻8t10)(S109でNo)、S104に移行し、作業実績DB(8)の当該作業指図No.の次の作業指図頁の開始時間に、現在の時間を記録するとともに、指示書DB(7)から、当該作業指図No.の次の作業指図頁の画像ファイルの情報をリードし、無線LANを介して、作業者モニタ2aに次の作業指図頁の画像ファイルの情報を送信し、作業者モニタ2aが次の作業指図頁を表示する。
【0039】
一方、現在表示している作業指図頁が当該作業指図No.の最後の作業指図頁である場合(例えば、図7の時刻8t11)(S109でYes)、現場用端末装置4は、指示書DB(7)の作業者に該作業指図No.の作業が終了したことを示す作業終了頁の画像ファイルの情報を、無線LANを介して、作業者モニタ2aに送信し、作業者モニタ2aは、送信された作業終了頁の画面を表示して当該作業指図No.の作業が終了したことを作業者に表示する(S110)。
【0040】
すると、作業者は、作業用ラックの作業管理ボックス13に付けられた指図用RFIDタグ5BをRFIDリーダ3aから、離す。
作業者に次の作業がない場合、すなわち作業用ラックに付された作業指図用RFIDタグ5Bがない場合(S111でNo)、終了する。
一方、作業者に次の作業がある場合(S111でYes)、S101に移行し、作業者は、次の作業を行う作業用ラックの作業管理ボックス13に付された作業指図用RFIDタグ5Bの作業指図No.をRFIDリーダ3aで読み取らせる。
以上が、図6に示す作業指図改善システムSの処理フローである。
なお、S111のステップは、本例では作業者が判断する場合を例示しているが、システムにて関連する情報を取得して判断してもよい。
【0041】
図8は、作業現場1Bでの製造作業のタイムチャートの一例を示す。
作業現場1Bでは、時刻9t1に作業指図1頁の作業が開始され(図6のS104)、作業指図2頁の作業中の時刻9t3に改善ボタンb2bが押下され(S105でYes)、関係者にその旨の電子メールが配信され(S107)、また、作業指図5頁の作業中の時刻9t7に改善ボタンb2bが押下され(S105でYes)、関係者にその旨の電子メールが配信され(図6のS107)、時刻9t12に作業指図最終頁の作業が終了した場合である。
【0042】
図9は、作業実績DB(8)の改善フラグ(図3参照)のデータから、関係者に改善ボタンb2が押下された旨を知らせる電子メールを送る処理のフロー図である。
前記した例では、作業者が作業中に改善ボタンb2を押下した場合、オンラインで関係者に改善ボタンb2の押下情報の電子メールを送る場合を説明したが、下記のように、バッチ処理で関係者に電子メールを送ってもよい。
改善ボタンb2が押下された旨をバッチ処理で関係者に知らせる場合、現場用端末装置4は、まず、作業指図No.または作業指図No.の範囲、或いは、作業が行われた年月日または作業が行われた年月日の範囲などを指定してデータを抽出するとともに、作業実績DB(8)の改善フラグのデータが“1”であるデータを検索する(図9のS201)。
【0043】
続いて、改善フラグ“1”のデータが有るか否か判定する(S202)。改善フラグ“1”のデータが無い場合(S202でNo)、終了する。
一方、改善フラグ“1”のデータが有る場合(S202でYes)、改善フラグ“1”の作業指図No.の電子メールの送信先としてあらかじめ登録してある関係者の電子メールアドレスに、例えば、組長、指図作成まとめ者、その他の関係者の電子メールアドレスに、メーラを用いて、改善ボタンb2が押下されたことを示す当該作業指図No.の該当指図頁の情報の電子メールを送信する(S203)。
【0044】
なお、上述の改善ボタンb2が押下された旨を関係者に知らせるバッチ処理を行う場合、オペレータが現場用端末装置4に入力を行い、当該ジョブを起動してもよいし、予め、改善ボタンb2が押下された旨の電子メールを送信するバッチ処理を作業指図改善システムSに組み込んでおいて、クロックからの取得した時間情報によって、当該ジョブを自動的に起動するように構成してもよい。
また、作業者が作業中に改善ボタンb2を押下した場合、オンラインで関係者に電子メールを送るとともに、バッチ処理でも関係者に電子メールを送ることとしてもよい。
【0045】
<指示書DB(7)に格納される作業指図の修正>
図10は、作業実績DB(8)に記憶した実績データの改善フラグなどを基に、指示書DB(7)に更新をかける処理を概念的に示した図である。
前記したように、作業者が作業現場1での作業中に改善ボタンb2を押下した場合、オンラインまたはバッチ処理で関係者にその旨を示す電子メールが送られ、組長、指図作成まとめ者などの関係者は、作業中に作業者モニタ2(図1参照)に表示される作業指図で分りづらい点があったことを知る。
【0046】
そこで、組長、指図作成まとめ者などの関係者は、図10に示すように、作業実績DB(8)に記憶した実績データの改善フラグの情報、作業中に改善ボタンb2が押下された電子メール情報などに基づいて、指示書DB(7)に格納される作業指図を、作業者が理解し易い図に修正する。
図11(a)は、作業実績情報画面G1を示す図であり、図11(b)は、組長が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面G2を目視および/または修正している状態を示し、図11(c)は、指図作成まとめ者が、作業者が理解しにくかった作業指図の画面G2を目視および/または修正している状態を示している。
【0047】
電子メールで、分りずらい作業指図があったことを知った組長、指図作成まとめ者などの関係者は、それぞれ組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6bを用いて、自身の認証情報を入力することで、作業指図改善システムSにログオンする。なお、認証情報は、ID、パスワードでもよいし、人体認証情報でもよいし、限定されない。なお、認証情報によって、作業指図改善システムSへのアクセス権限が定められている。
そして、作業指図改善システムSの画面において、作業指図No.、作業の年月日を範囲指定などすることにより、図11(a)に示す作業実績情報画面G1が表示される。
【0048】
作業実績情報(指図)画面G1には、作業指図No.、そのバージョンの(Ver)、作業者の名前が表示される担当、作業の年月日、改善ボタンb2が押下された作業指図頁の作業の開始(時間)、終了(時間)、改善ボタンb2が押下された作業指図の頁、改善ボタンb2の押下の操作有無、備考が、作業実績DB(7)を参照して、表示される。
【0049】
そして、例えば、組長は、改善ボタンb2が押下された情報の操作有無G1aを目視して、改善ボタンb2が押下された作業指図の作業指図No.、バージョンのVer、頁を知ることで、図11(b)に示すように、組長用端末装置6aのディスプレイに、該当頁の作業指図G2aを表示する。そして、組長は、3次元CADなどで該当頁の作業指図G2aを作業者が分り易いように修正を施し、画面上に表示される更新ボタン(図示せず)を押下することで、更新情報が現場用端末装置4に送信され、現場用端末装置4は指示書DB(7)の当該作業指図G2aの情報を更新する。
【0050】
同様に、指図作成まとめ者は、改善ボタンb2が押下された情報の操作有無G1aを目視して、改善ボタンb2が押下された作業指図の作業指図No.、バージョンのVer、頁を知ることで、図11(c)に示すように、まとめ者用端末装置6bのディスプレイに、該当頁の作業指図G2bを表示する。そして、指図作成まとめ者は、3次元CADなどで該当頁の作業指図G2bを作業者が分り易いように修正を施し、画面上に表示される更新ボタン(図示せず)を押下することで、更新情報が現場用端末装置4に送信され、現場用端末装置4は指示書DB(7)の当該作業指図G2bの情報を更新する。
【0051】
図12は、作業指図No.の作業実績の情報を詳細に表示する作業実績情報詳細画面G3を示す図である。
電子メールで、分りずらい作業指図があったことを知った組長、指図作成まとめ者などの関係者は、それぞれの組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6bなどを用いて、自身の認証情報を入力することで、作業指図改善システムSにログオンする。
【0052】
そして、作業指図No.、作業の年月日などを範囲指定したり、図11(a)に示す作業実績情報画面G1の作業指図No.をクリックするなどして、図12に示す作業実績情報詳細画面G3を表示する。
作業実績情報詳細画面G3は、1行目に、作業指図No.、Ver(バージョン)、担当(者名)、作業の年月日、当該作業の開始(時間)、当該作業の終了(時間)が表示され、2行目に、当該作業指図No.、Ver(バージョン)の各作業指図の頁の開始時間、改善ボタンb2が押下された頁の表示(図12中に黒丸で示す)などが示される。
【0053】
なお、2行目の(作業指図)1頁の前の項目“扉”の項目は、「工具を揃えて下さい」などの作業開始ガイダンスが表示される作業開始頁の画面を示すものである。また、2行目の作業指図最終頁(図12では、10頁)の後の項目“扉”の項目は、「作業が終了しました」などの作業終了の通知が表示される作業終了頁の画面を示すものである。
作業実績情報詳細画面G3において、改善ボタンb2が押下された頁(図12中のNo.2の3頁、No.3の6頁)の項目をクリックすることで、作業指図3頁の詳細内容G4a、作業指図6頁の詳細内容G4bがそれぞれ表示される。
【0054】
これにより、組長、指図作成まとめ者などの関係者は、改善ボタンb2が押下された作業指図No.の頁を知り、図11(b)、(c)に示すように、関係者の端末装置(6a、6b、6c)のディスプレイに、該当頁の作業指図G2a、G2bを表示して、3次元CADなどで該当頁の作業指図G2a、G2bを作業者が分り易いように修正を施し、画面上に表示される更新ボタン(図示せず)を押下することで、指示書DB(7)の当該作業指図G2a、G2bの情報を更新することができる。
【0055】
上記構成によれば、現場作業者(製造作業者)の最新ノウハウを作業指示書に盛込むための情報を作業進捗状況の動作の中から吸上げることにより作業指示書作成側と現場作業者とのノウハウと情報を融合させた指示書作りが可能となる。
また、作業指図頁ごとに、開始時間と終了時間とが記録されるので、作業指図頁ごとの作業時間が把握でき、作業分析に用いることが可能であり、作業指図作成の参考にできる。
【0056】
さらに、改善ボタンb2を設け、改善ボタンb2が押下された履歴(作業指図No.(番号)、作業担当者(製造作業者)、作業指図頁など)情報が関係者に電子メールにて配信され、作業指図作成側に作業指図内容の変更(訂正)の必要が発生したことをいち早く伝えることにより、情報の共有を図ることができる。
また、改善ボタンb2を押下したことが、関係者に連絡されるので、不良品の発生を未然に防ぐことができる。また、不良品が発生した場合の原因を迅速に調査することが可能である。
【0057】
さらに、ノウハウの伝承、情報の共有化が可能となり、より分り易い最適な指図作成が可能となる。
上述のことから、製造作業の円滑化、迅速化が図れ、製造コストの低減を図ることができる。
【0058】
なお、前記実施形態では、組長用端末装置6a、まとめ者用端末装置6b、その他関係者の端末装置6cとしてPCを例示したが、それぞれ所定の機能を果す端末装置であれば、PDA(Personal Digital Assistants)等の携帯情報端末等でもよく、その実施態様は限定されない。
なお、前記実施形態では、作業者モニタ2、RFIDリーダ3と現場用端末装置4とを結ぶネットワークとして、無線LANを例示して説明したが、有線LAN等、ネットワークは無線LANに限定されないのは勿論である。
【0059】
また、前記実施形態では、改善ボタンb2が押下された情報を電子メールで関係者に送る場合を例示したが、関係者のFAX番号をあらかじめ登録しておき、関係者に自動的にFAXするようにシステム構成してもよく、関係者への報知手段(第1・第2報知手段)は電子メール以外のもので行ってもよい。
なお、前記実施形態では、作業開始頁の画像ファイル、作業終了頁の画像ファイルを指示書DB(7)に記憶する場合を例示したが、指示書DB(7)に記憶することなく、別の記憶部に記憶してもよい。
【0060】
なお、前記実施形態では、セル生産方式を例示して説明したが、本発明は、セル生産方式に限定されず幅広く適用可能である。
【符号の説明】
【0061】
2(2a、2b、……) 作業者モニタ(作業表示装置)
6a 組長用端末装置(関係者の端末装置)
6b まとめ者用端末装置(関係者の端末装置)
6c その他関係者の端末装置(関係者の端末装置)
7 指示書DB(指図映像記憶部)
8 作業実績DB(実績記憶部)
b2(b2a、b2b、……) 改善ボタン(押しボタン、改善入力手段)
p1 パネルの外面
S 作業指図改善システム(作業指図作成システム)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムであって、
前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作される改善入力手段を備える
ことを特徴とする作業指図作成システム。
【請求項2】
前記改善入力手段は、前記作業者によって押下される押しボタンをもって構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項3】
前記押しボタンは、それが配設されるパネルの外面からへこんだ位置に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の作業指図作成システム。
【請求項4】
前記改善入力手段が入力操作された場合、前記改善入力手段が入力操作された際の前記指図映像に係わる関係者の端末装置に前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する第1報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項5】
前記第1報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の作業指図作成システム。
【請求項6】
前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録する記録手段と、
前記実績記憶部に前記入力操作情報が記録されている場合、当該入力操作情報に係わる前記指図映像の関係者の端末装置に、前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する第2報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項7】
前記第2報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の作業指図作成システム。
【請求項8】
前記複数の指図映像の情報が記憶される指図映像記憶部と、
前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録する記録手段と、
前記実績記憶部の入力操作情報に基づいて、当該操作情報に係わる指図映像を表示装置に表示する表示手段とを
備えることを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項9】
前記表示手段は、端末装置への前記改善入力手段の入力操作の情報を表示するための入力によって前記入力操作情報に係わる指図映像を当該端末装置の表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の作業指図作成システム。
【請求項10】
前記複数の指図映像の情報が記憶される指図映像記憶部と、
前記指図映像記憶部に記憶されるとともに前記改善入力手段で入力操作された際の指図映像の情報を、入力された指図映像更新情報に従って更新する指図映像更新手段とを
備えることを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項11】
複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムの制御方法であって、
前記作業指図作成システムは、改善入力手段を備え、
前記改善入力手段は、前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作される
ことを特徴とする作業指図作成システムの制御方法。
【請求項12】
前記改善入力手段は、前記作業者によって押下される押しボタンをもって構成される
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項13】
前記押しボタンは、それが配設されるパネルの外面からへこんだ位置に設けられる
ことを特徴とする請求項12に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項14】
前記作業指図作成システムは、第1報知手段を備え、
前記第1報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された場合、前記改善入力手段が入力操作された際の前記指図映像に係わる関係者の端末装置に前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項15】
前記第1報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項14に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項16】
前記作業指図作成システムは、記録手段と第2報知手段とを備え、
前記記録手段は、前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録し、
前記第2報知手段は、前記実績記憶部に前記入力操作情報が記録されている場合、当該入力操作情報に係わる前記指図映像の関係者の端末装置に、前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項17】
前記第2報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項16に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項18】
前記作業指図作成システムは、指図映像記憶部と記録手段と表示手段とを備え、
前記指図映像記憶部は、前記複数の指図映像の情報を記憶し、
前記記録手段は、前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録し、
前記表示手段は、前記実績記憶部の入力操作情報に基づいて、当該操作情報に係わる指図映像を表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項19】
前記表示手段は、端末装置への前記改善入力手段の入力操作の情報を表示するための入力によって前記入力操作情報に係わる指図映像を当該端末装置の表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項18に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項20】
前記作業指図作成システムは、指図映像記憶部と指図映像更新手段とを備え、
前記指図映像記憶部は、前記複数の指図映像の情報を記憶し、
前記指図映像更新手段は、前記指図映像記憶部に記憶され前記改善入力手段で入力操作された際の指図映像の情報を、入力された指図映像更新情報に従って更新する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項21】
請求項11から請求項20の何れか一項に記載の作業指図作成システムの制御方法を、コンピュ−タで実行させるための作業指図作成システムのプログラム。
【請求項1】
複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムであって、
前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作される改善入力手段を備える
ことを特徴とする作業指図作成システム。
【請求項2】
前記改善入力手段は、前記作業者によって押下される押しボタンをもって構成される
ことを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項3】
前記押しボタンは、それが配設されるパネルの外面からへこんだ位置に設けられる
ことを特徴とする請求項2に記載の作業指図作成システム。
【請求項4】
前記改善入力手段が入力操作された場合、前記改善入力手段が入力操作された際の前記指図映像に係わる関係者の端末装置に前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する第1報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項5】
前記第1報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項4に記載の作業指図作成システム。
【請求項6】
前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録する記録手段と、
前記実績記憶部に前記入力操作情報が記録されている場合、当該入力操作情報に係わる前記指図映像の関係者の端末装置に、前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する第2報知手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項7】
前記第2報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項6に記載の作業指図作成システム。
【請求項8】
前記複数の指図映像の情報が記憶される指図映像記憶部と、
前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録する記録手段と、
前記実績記憶部の入力操作情報に基づいて、当該操作情報に係わる指図映像を表示装置に表示する表示手段とを
備えることを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項9】
前記表示手段は、端末装置への前記改善入力手段の入力操作の情報を表示するための入力によって前記入力操作情報に係わる指図映像を当該端末装置の表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項8に記載の作業指図作成システム。
【請求項10】
前記複数の指図映像の情報が記憶される指図映像記憶部と、
前記指図映像記憶部に記憶されるとともに前記改善入力手段で入力操作された際の指図映像の情報を、入力された指図映像更新情報に従って更新する指図映像更新手段とを
備えることを特徴とする請求項1に記載の作業指図作成システム。
【請求項11】
複数の指図映像が順次、作業表示装置に表示され、前記順次表示される指図映像に従って作業者が製造作業を行うための作業指図作成システムの制御方法であって、
前記作業指図作成システムは、改善入力手段を備え、
前記改善入力手段は、前記複数の指図映像のうちの何れかの指図映像の作業内容が前記作業者に分り難い場合、前記作業者によって入力操作される
ことを特徴とする作業指図作成システムの制御方法。
【請求項12】
前記改善入力手段は、前記作業者によって押下される押しボタンをもって構成される
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項13】
前記押しボタンは、それが配設されるパネルの外面からへこんだ位置に設けられる
ことを特徴とする請求項12に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項14】
前記作業指図作成システムは、第1報知手段を備え、
前記第1報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された場合、前記改善入力手段が入力操作された際の前記指図映像に係わる関係者の端末装置に前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項15】
前記第1報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項14に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項16】
前記作業指図作成システムは、記録手段と第2報知手段とを備え、
前記記録手段は、前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録し、
前記第2報知手段は、前記実績記憶部に前記入力操作情報が記録されている場合、当該入力操作情報に係わる前記指図映像の関係者の端末装置に、前記改善入力手段が入力操作された旨の情報を送信する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項17】
前記第2報知手段は、前記改善入力手段が入力操作された旨の電子メールを前記関係者の端末装置に送信する
ことを特徴とする請求項16に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項18】
前記作業指図作成システムは、指図映像記憶部と記録手段と表示手段とを備え、
前記指図映像記憶部は、前記複数の指図映像の情報を記憶し、
前記記録手段は、前記改善入力手段が入力操作された場合に、当該入力操作情報をこれに係わる前記指図映像の情報と関連付けて実績記憶部に記録し、
前記表示手段は、前記実績記憶部の入力操作情報に基づいて、当該操作情報に係わる指図映像を表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項19】
前記表示手段は、端末装置への前記改善入力手段の入力操作の情報を表示するための入力によって前記入力操作情報に係わる指図映像を当該端末装置の表示装置に表示する
ことを特徴とする請求項18に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項20】
前記作業指図作成システムは、指図映像記憶部と指図映像更新手段とを備え、
前記指図映像記憶部は、前記複数の指図映像の情報を記憶し、
前記指図映像更新手段は、前記指図映像記憶部に記憶され前記改善入力手段で入力操作された際の指図映像の情報を、入力された指図映像更新情報に従って更新する
ことを特徴とする請求項11に記載の作業指図作成システムの制御方法。
【請求項21】
請求項11から請求項20の何れか一項に記載の作業指図作成システムの制御方法を、コンピュ−タで実行させるための作業指図作成システムのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−43352(P2012−43352A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−186167(P2010−186167)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]