説明

作業機械のサクションフィルタ

【課題】フィルタ部及びロッド部の作動油タンクへの収納動作、及びフィルタ部及びロッド部の作動油タンクからの引き上げ動作に対する作動油タンクの上方の障害物による制限を緩和させることができる。
【解決手段】振動式篩機に備えられ、作動油タンク13内の作動油を浄化するフィルタ部21bと、このフィルタ部21bに連結され、上方向に延設されるロッド部21aとを備え、フィルタ部21b及びロッド部21aを含む全体が、第1分割部分22aと第2分割部分22bと第3分割部分22cとの3つの分割部分から成っている。これらの分割部分22a,22b,22cは互いに離脱可能に設けてある。また、作動油タンク13の上方に、第3排出コンベア11から成る障害物を有するとともに、全ての分割部分22a,22b,22cの長さを、作動油タンク13と障害物との距離Sよりも短く設定してある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、作動油タンク内に収納されるフィルタ部と、このフィルタ部に連結され、上方向に延設されるロッド部とを備えた作業機械のサクションフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来技術として、特許文献1に示されるものがある。この特許文献1には、油圧ショベル等の作業機械に備えられ、油圧ポンプに吸い込まれる作動油を浄化する吸い込みフィルタ、すなわちサクションフィルタが開示されている。このサクションフィルタは、作動油タンク内に配置され、作動油タンク内の作動油を浄化するフィルタ部と、このフィルタ部に連結され、上方向に延設されるロッド部とを備えており、ロッド部の上端が作動油タンクの開口部を覆うカバー部分に保持されている。ロッド部は、1本のロッドから成っている。
【0003】
このサクションフィルタの清掃時、あるいは交換時には、作動油タンクを覆っていたカバーが外され、作動油タンクの開口部からロッド部及びフィルタ部を引き上げる作業が行なわれる。
【特許文献1】特許第3780828号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術は、作動油タンクの上方空間が広くて、サクションフィルタを構成するロッド部及びフィルタ部の引き上げ動作を支障なく行なえるときには問題がないが、作動油タンクの上方に機械構成部品、あるいは機械構成部材等の障害物が存在するときには、これらのロッド部及びフィルタ部の引き上げ動作に制限を受けやすい。また、障害物の高さ位置によっては、作動油タンクと、この作動油タンクの上方に存在する障害物との距離に比べて、ロッド部とフィルタ部とを含むサクションフィルタの全長が長くなり、このために従来のサクションフィルタの構造では、サクションフィルタを作動油タンクへ収納させることができなくなってしまう。
【0005】
本発明は、上述した従来技術における実状からなされたもので、その目的は、フィルタ部及びロッド部の作動油タンクへの収納動作、及びフィルタ部及びロッド部の作動油タンクからの引き上げ動作に対する作動油タンクの上方の障害物による制限を緩和させることができる作業機械のサクションフィルタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明の作業機械のサクションフィルタは、作動油タンクを有する作業機械に備えられ、上記作動油タンク内の作動油を浄化するフィルタ部と、このフィルタ部に連結され、上方向に延設されるロッド部とを備えた作業機械のサクションフィルタにおいて、上記フィルタ部及び上記ロッド部を含む全体が、複数の分割部分から成ることを特徴としている。
【0007】
このように構成した本発明は、フィルタ部及びロッド部を含む全体が複数の分割部分から成るので、1つの分割部分の長さを短くすることができる。したがって、作動油タンクの上方に障害物が存在するときでも、フィルタ部及びロッド部を作動油タンクへ収納する際には、分割部分ごとに作動油タンクへ順次収納していくようにすれば、収納作業空間は小さくて済み、このフィルタ部及びロッド部の収納動作に対する作動油タンク上方の障害物による制限を緩和させることができる。逆に、フィルタ部及びロッド部を作動油タンク内から引き上げる際にも、上述と同様に、分割部分ごとに作動油タンクから順次引き上げていくようにすれば、引き上げ作業空間が小さくて済み、このフィルタ部及びロッド部の引き上げ動作に対する作動油タンク上方の障害物による制限を緩和させることができる。
【0008】
また、本発明は、上記発明において、上記分割部分のうちの上方に位置する分割部分を、この分割部分の下方に連結された分割部分に対して、離脱可能に、または折り曲げ可能に設けたことを特徴としている。
【0009】
このように構成した本発明は、フィルタ部及びロッド部を作動油タンクへ収納する際には、分離された最下段の分割部分を作動油タンクに収納させた後に、次の分割部分を最下段の分割部分に互いに一直線状となるように連結させて作動油タンクに収納させ、以下分割部分の数に応じて同様の動作を行なうことにより、あるいは、最下段の分割部分に連結される分割部分等を折り曲げた状態で、最下段の分割部分を作動油タンクへ収納させ、この最下段の分割部分に連結される分割部分の収納時には、既に作動油タンク内に収納されている最下段の分割部分とともに一直線状となるように折り曲げられた状態を伸ばし、この状態で作動油タンクに収納させ、以下分割部分の数に応じて同様の動作を行なうことにより、フィルタ部及びロッド部を作動油タンク内へ収納させることができる。
【0010】
また、逆に、作動油タンク内からフィルタ部及びロッド部を引き上げる際には、最上段の分割部分を作動油タンクから引き上げ、この最上段の分割部分を、最上段の分割部分に連結された分割部分から離脱させ、以下分割部分の数に応じて同様の動作を順次行なうことにより、あるいは、最上段の分割部分を作動油タンクから引き上げ、この状態で最上段の分割部分を折り曲げ、以下分割部分の数に応じて同様の動作を順次行なうことにより、フィルタ部及びロッド部を作動油タンク内から引き上げることができる。
【0011】
また、フィルタ部及びロッド部を引き上げた後には、互いに離脱された複数の分割部分を束ねることにより、あるいは分割部分が互いに折り曲げられた形態に保持することにより、全体がコンパクトになって保管が容易である。
【0012】
さらに、分割部分を、この分割部分の下方に連結された分割部分に対して、折り曲げ可能に設けた場合には、分割部分を離脱させる作業を要することなく、分割部分を作動油タンクへ収納させ、あるいは作動油タンク内から引き上げることができ、作動油タンクへの収納作業、及び作動油タンク内からの引き上げ作業を容易に行なうことができる。
【0013】
また、本発明は、上記発明において、上記作業機械は、上記作動油タンクの上方に、上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクへの収納動作の障害となる障害物、あるいは上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクからの引き上げ動作の障害となる障害物を有するとともに、全ての上記分割部分の長さを、上記作動油タンクと上記障害物との距離よりも短く設定したことを特徴としている。
【0014】
このように構成した本発明は、分割部分を鉛直に保持した状態で作動油タンクへ収納させることができ、フィルタ部及びロッド部の作動油タンクへの安定した設置を容易に行なうことができ、また、作動油タンク内に収納された分割部分を鉛直上方に引き上げることができ、フィルタ部及びロッド部の作動油タンク内からの引き上げ動作を能率良く実施することができる。
【0015】
また、本発明は、上記発明において、上記作業機械は、上記作動油タンクの上面付近に着脱可能に設けられ、上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクへの収納に際し、あるいは上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンク内からの引き上げに際し、上記分割部分を係止保持可能な保持具を有することを特徴としている。
【0016】
このように構成した本発明は、分割部分ごとに順次作動油タンクへ収納するに際し、あるいは分割部分ごとに順次作動油タンクから引き上げるに際し、分割部分を保持具に係止保持させながら行なうことができ、これらの分割部分の作動油タンクへの収納作業、あるいは作動油タンクからの引き上げ作業を能率良く実施することができる。
【0017】
また、本発明は、上記発明において、上記作業機械が、振動式篩機から成り、この振動式篩機が、走行体と、この走行体上に設けられた本体フレームと、この本体フレームの一方側に装着される回動軸を有し上記本体フレームに対して傾動可能な傾動フレームと、この傾動フレーム上に、ばね部材を介して取り付けられた振動式の篩装置と、上記篩装置における最上流側の下側に配置され、かつ、上記走行体に対して他方側に張り出して設けられ、傾動フレームの自由端側に吊り下げ支持されたパワーユニットと、上記傾動フレームの下部に沿うようにこの傾動フレームに設けられ、上記パワーユニットの上部を貫通して上記傾動フレームの他方側へ突出し、上記篩装置により篩われた処理物を排出する所定の排出コンベアとを備え、上記篩装置は、一対のサイドプレートと前側プレートと後側プレートとから成る筐体と、互いの配置間隔が広く設定された第1振動床と、互いの配置間隔が狭く設定された第2振動床とを有し、上記パワーユニット内に、熱交換器、エンジン、及び油圧ポンプを車体の幅方向に沿って配置してあるとともに、これらの熱交換器、エンジン、及び油圧ポンプよりも車体中心寄りに上記作動油タンクを配置してあり、上記所定の排出コンベアが、上記作動油タンクの上方に配置され、上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクへの収納動作の障害となる障害物、または上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクからの引き上げ動作の障害となる障害物を形成していることを特徴としている。
【0018】
このように構成した本発明は、作動油タンクの上方空間を狭くする所定の排出コンベアを有する振動式篩機であっても、フィルタ部及びロッド部の作動油タンクへの収納動作、あるいはフィルタ部及びロッド部の作動油タンク内からの引き上げ動作を確実に実施することができる。
【0019】
また、本発明は、上記発明において、上記作業機械が、上記本体フレームの一方側に設けられ、上記篩装置により篩われて残った粒度の大きな処理物を排出する第1排出コンベアと、上記本体フレームの一方側に設けられ、上記篩装置により篩われて残った中程度の粒度の処理物を側方へ排出する第2排出コンベアとを備え、上記所定の排出コンベアは、第1排出コンベアで排出される処理物、及び上記第2排出コンベアで排出される処理物に比べて粒度の小さな処理物を排出する排出コンベアから成ることを特徴としている。
【0020】
このように構成した本発明は、第1排出コンベア、第2排出コンベア、及び所定の排出コンベアによって、篩装置により篩われた処理物の粒度の大きさの違いに応じて、処理物を3方向に分けて排出させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、フィルタ部及びロッド部を含む全体が複数の分割部分から成ることから、1つの分割部分の長さを短くすることができ、これらの分割部分ごとに作動油タンクへの収納動作、あるいは作動油タンクからの引き上げ動作を行なうことにより、フィルタ部及びロッド部の作動油タンクへの収納動作、及びフィルタ部及びロッド部の作動油タンクからの引き上げ動作に対する作動油タンクの上方の障害物による制限を緩和させることができる。したがって、作動油タンクの上方に障害物が存在する場合でも、分割部分の長さを障害物に当たらない長さに設定することにより、従来技術では困難であった作動油タンクの上方に障害物が存在するときのフィルタ部及びロッド部の作動油タンクへの収納動作、あるいはフィルタ部及びロッド部の作動油タンクからの引き上げ動作を支障を生じることなく実現させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下,本発明に係る作業機械のサクションフィルタを実施するための最良の形態を図に基づいて説明する。
【0023】
[第1実施形態が適用される作業機械]
図1は本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が適用される作業機械の一例として挙げた振動式篩機を示す側面図、図2は図1に示す振動式篩機の平面図、図3は図1に示す振動式篩機の正面図である。
【0024】
本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が備えられる作業機械は、例えば図1〜3に示す振動式篩機であり、走行体1と、この走行体1上に設けられた本体フレーム2と、この本体フレーム2の一方側に、すなわち図1の右側位置に配置される回動軸3を有し本体フレーム2に対して傾動可能な傾動フレーム4と、この傾動フレーム4上に、ばね部材5を介して取り付けられた振動式の篩装置6とを備えている。
【0025】
また、本体フレーム2の一方側に設けられ、篩装置6により篩われて残った粒度の大きな処理物を排出する第1排出コンベア7と、図2,3に示すように、本体フレーム2の一方側に設けられ、篩装置6により篩われて残った中程度の粒度の処理物を側方へ排出する第2排出コンベア8とを備えている。
【0026】
また、図1に示すように、篩装置6における最上流側の下側に配置され、かつ、走行体1に対して他方側に張り出して設けられ、傾動フレーム4に設けられた支持部材9に、ボルトで固定される図示しない取り付けブラケットを介して傾動フレーム4の自由端側に吊り下げ支持されるパワーユニット10を備えている。
【0027】
さらに、同図1に示すように、傾動フレーム4の下部に沿うように、この傾動フレーム4の他方側へ突出して設けられ、篩装置6により篩われた処理物を排出する上述した第1排出コンベア7、及び第2排出コンベア8とは異なる所定の排出コンベア、すなわち第3排出コンベア11を備えている。この第3排出コンベア11は、第1排出コンベア7で排出される処理物、及び第2排出コンベア8で排出される処理物に比べて粒度の小さな処理物を排出するようになっている。
【0028】
この振動式篩機で処理される処理対象物は、例えばコンクリート塊、土石、砂利等であり、これらの処理対象物がホッパ12から篩装置6に投入され、この篩装置6によって篩分けられ、上述のように粒度の大きな処理物は第1排出コンベア7によって排出され、中程度の粒度の処理物は第2排出コンベア8によって排出され、粒度の小さな処理物は第3排出コンベア11によって排出される。
【0029】
第3排出コンベア11によって排出される粒度の小さな処理物や、第2排出コンベア8によって排出される中程度の処理物は、例えば建設資材等に再活用される。第1排出コンベア7によって排出される粒度の大きな処理物は、例えば図示しない破砕機で破砕され、再びホッパ12から篩装置6に投入されて篩分けがなされる。
【0030】
図4は図1に示す振動式篩機に備えられる篩装置の平面図、図5は図4に示す篩装置の側面図、図6は図5に示す篩装置の内部を示す側面図、図7は図4に示す篩装置の正面図である。
【0031】
上述した篩装置6は、図4,5等に示すように、互いに対向する一対のサイドプレート6a,6bと、ホッパ12側に位置する前側プレート6cと、第1排出コンベア7、第2排出コンベア8側に位置する後側プレート6dとから成る筐体を備えている。また、図6,7等に示すように、筐体内に配置され、互いの配置間隔が広く設定された複数のフィンガー装置14aを階段状に配置した第1振動床14と、互いの配置間隔が狭く設定された複数のフィンガー装置15aを階段状に配置した第2振動床15とを備えている。
【0032】
図8は図1に示す振動式篩機に備えられるパワーユニット部分を示す要部拡大図、図9は図8のA矢視に相応する図、図10は図8に示すパワーユニット部分を示す平面図である。
【0033】
上述したパワーユニット10内には、図10に示すように、ラジエータ等の熱交換器18a、エンジン18、及びこのエンジン18によって駆動される油圧ポンプ16を、車体の幅方向に沿って配置してある。また、これらの熱交換器18a、エンジン18、及び油圧ポンプ16よりも車体中心寄りに、後述する本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が収納される作動油タンク13を配置してある。図8に示すように、油圧ポンプ16の上方位置には、この振動式篩機に備えられる油圧シリンダ、走行モータ等の各種アクチュエータの駆動を制御する制御盤17を配置してある。また、パワーユニット10内に配置される熱交換器18a、エンジン18、油圧ポンプ16、制御盤17、及び作動油タンク13の、ホッパ12及び篩装置6等から落下する処理対象物、あるいは処理物による損傷を防ぐために、パワーユニット10は、図9に示すように、傾動フレーム4を構成する左右のフレーム4aの下方の領域内に配置されている。なお、第3排出コンベア11の左右のコンベアフレームのそれぞれは、傾動フレーム4の左右のフレーム4aの内側位置に配置されている。
【0034】
なお、パワーユニット10内に配置される作動油タンク13の上方には、図8に示すように第3排出コンベア11が斜めに配置されている。上述した熱交換器18aは高さが高くなるので、第3排出コンベア11との干渉を避けるために、車体の中心側に設けることはできず、車体の中心から離れた位置に設けざるを得ない。これに伴って、熱交換器18a等に比べて高さを低くすることができる作動油タンク13は、上述したようにパワーユニット10内において、車体の中心寄りに設けられる。
【0035】
この作動油タンク13を、第3排出コンベア11との間のクリアランスを確保するために、地上に向かって下げて設けることが考えられるが、輸送時等に際しての傾動フレーム4の傾動に伴ってパワーユニット10も傾動するため、このパワーユニット10の傾動時の地上との間のクリアランスが必要になり、したがって、作動油タンク13を地上に向かって下げるように設けることは困難である。また、作動油タンク13の作動油を油圧ポンプ16に吸い込ませるために、作動油タンク13内の作動油の油面の高さを油圧ポンプ16の上部と比べて高く配置することが必要になり、この作動油タンク13の高さを低く配置することには制約がある。なお、第1排出コンベア7及び第2排出コンベア8側にパワーユニット10を設けることも考えられるが、この場合には、パワーユニット10が車体中心から、より遠くに配置されることになり、このパワーユニット10と地上との間のクリアランスを確保することが困難となる。したがって、パワーユニット10を上述のように第3排出コンベア11側に配置せざるを得ない。このような構造上の各種の制約から、作動油タンク13は、図8に示すように、傾斜状の第3排出コンベア11の下方の車体寄りに配置されている。このために、第3排出コンベア11は、後述する本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態の作動油タンク13への収納動作の障害となりやすい障害物、または本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態の作動油タンク13からの引き上げ動作の障害となりやすい障害物となっている。
【0036】
図11は図1に示す振動式篩機の輸送時の姿勢を示す側面図である。図1に示す振動式篩機の輸送時には、この図11に示すように、傾動フレーム4が傾動し、これに伴って第3排出コンベア11が地上に向かって傾動するとともに、この第3排出コンベア11の一部が上方に向かって折り畳まれ、図示省略した第2排出コンベア8の一部も上方に向かって折り畳まれる。また、傾動フレーム4の傾動に伴ってパワーユニット10が地上に向かって傾動する。さらに、ホッパ12を構成する側板等が地上に向かって展開される。この図11に示すように、後述する本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が適用される振動式篩機は、比較的コンパクトな形態に折り畳まれてトラック等に搭載され、輸送されるようになっている。
【0037】
[第1実施形態の構成]
図12は本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が収納された作動油タンクを示す平面図、図13は図12に示す作動油タンクの内部を示す側面図、図14は図12に示す作動油タンクの設置状況を示す側面図、図15は本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態を示す図で、(a)図は正面図、(b)図は分割部分を形成する分割ロッドを示す正面図である。
【0038】
図12,13等に示すように、上述した作動油タンク13は、上面に形成される開口部19bを覆うカバー19を備えている。このカバー19は、開口部19bの周縁に設けた円環状のフランジ部19cにボルトによって取り付けられている。このカバー19に、エアブリーザ20が装着されている。また、図13に示すように、作動油タンク13の底面に形成される開口部に、作動油タンク13内の作動油を上述した油圧ポンプ16に導く吸い込み管13aが挿入されている。
【0039】
作動油タンク13内に収納される本実施形態に係るサクションフィルタ21は、図13,14等に示すように作動油タンク13の内底面上に配置され、作動油タンク13内の作動油を浄化するフィルタ部21bと、このフィルタ部21bに連結され、上方向に延設されるロッド部21aとから成っている。ロッド部21aの上端は、カバー19の底部に取り付けられたブラケット19aに形成した孔内に挿入され、このブラケット19aに支持されている。
【0040】
作動油タンク13からカバー19及びエアブリーザ20を取り外したときの、フランジ19cの上面と、傾斜状の第3排出コンベア11の底部との図14に示す距離Sは、フィルタ部21bとロッド部21aを含むサクションフィルタ21の全長に比べて短い寸法となっている。このような寸法関係から、上述のように、第3排出コンベア11は、サクションフィルタ21の作動油タンク13への収納動作、あるいはサクションフィルタ21の作動油タンク13からの引き上げ動作に際しての障害物となっている。
【0041】
第1実施形態に係るサクションフィルタ21は、フィルタ部21b及びロッド部21aを含む全体が、複数の分割部分から成っている。例えば、図15の(a)図に示すように、第1分割部分22a、第2分割部分22b、第3分割部分22cの3つの分割部分から成っている。
【0042】
第1分割部分22aを、この第1分割部分22aの下方に連結された第2分割部分22bに対して、例えば離脱可能に設けてある。また、第2分割部分22bを、この第2分割部分22bの下方に連結された第3分割部分22cに対して、例えば離脱可能に設けてある。
【0043】
第1分割部分22a、第2分割部分22b、及び第3分割部分22cのそれぞれの長さは、上述した図14に示すフランジ部19cの上面と第3排出コンベア11の底部との距離Sよりも予め短く設定してある。
【0044】
第1分割部分22aを形成する分割ロッド23は、図15の(b)図に示すように、下端部分に、内部に雌ねじを有するシートスクリュー23aを備え、上端部分に雄ねじから成るねじ部23bを備えている。また、図15の(a)図に示すように、分割ロッド23のねじ部23bには、2つのナット24,25が螺合している。
【0045】
第2分割部分22bを形成する分割ロッド26も、上述した分割ロッド23と同様に、下端部分に、内部に雌ねじを有するシートスクリュー26aを備え、上端部分に分割ロッド23のシートスクリュー23a内に挿入されて螺合する雄ねじから成るねじ部を備えている。また、そのねじ部には、分割ロッド23のシートスクリュー23aを位置決めする2つのナット27,28が螺合している。
【0046】
第3分割部分22cは、フィルタ部21bと、このフィルタ部21bに連結され、上方に向かって延設される分割ロッド29とから構成されている。分割ロッド29は、上端部分に、分割ロッド26のシートスクリュー26a内に挿入されて螺合する雄ねじから成るねじ部を備えている。そのねじ部には、分割ロッド26のシートスクリュー26aを位置決めする2つのナット30,31が螺合している。
【0047】
このように構成される本実施形態に係るサクションフィルタ21が、作動油タンク13内に収納された状態にあっては、上述したように、第1分割部分22aを構成する分割ロッド23の上端部分に形成したねじ部23bが、図13,14に示すように、カバー19に取り付けられたブラケット19aに形成した孔内に挿入されることにより、分割ロッド23がブラケット19aに保持されるようになっている。
【0048】
図14に示すように、作動油タンク13内に収納されたサクションフィルタ21のフィルタ部21bは、作動油タンク13内の作動油を浄化する。図10に示すエンジン18によって油圧ポンプ16が駆動されると、サクションフィルタ21のフィルタ部21bによって浄化された作動油が、図13に示す吸い込み管13aを介して図8,10に示す油圧ポンプ16に吸い込まれる。この油圧ポンプ16から吐出された作動油は、この振動式篩機に備えられる各種アクチュエータに供給され、該当するアクチュエータを作動させる。
【0049】
[第1実施形態の作動油タンクに対する引き上げ動作、及び収納動作]
図16,17は本発明に係る第1実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を説明する図で、図16は保持具を設置した作動油タンクを示す平面図、図17は保持具を設置した作動油タンクを示す一部を破断した側面図である。図18は図16に示す作動油タンクに設置される保持具を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は正面図である。
【0050】
上述した図14に示すように、作動油タンク13内にフィルタ部2b及びロッド部21aを含むサクションフィルタ21が収納されている状態から、このサクションフィルタ21を、例えばサクションフィルタ21の清掃、及び作動油タンク13内の清掃のために引き上げる際には、作動油タンク13の開口部19bを覆っているカバー19及びエアブリーザ20を取り外し、図16に示すように作動油タンク13の上面に設けられたフランジ部19cに保持具32が固定される。
【0051】
この保持具32は、図18の(a)(b)図に示すように、例えば帯状の鋼板から成る基部32aと、フランジ部19cのボルト穴に適合する穴32b,32cを有するとともに、中央部分に上述の分割ロッド23,26,29のそれぞれが挿入可能な幅寸法を有する切欠き部32dを有し、この切欠き部32dを囲むように、基部32aの上面に固着される3つのプレート32e,32f,32gを備えている。切欠き部32dの円弧状の端部は、プレート32e,32f,32gによって囲まれる領域のほぼ中央に位置している。これらのプレート32e,32f,32gによって、上述した図15に示すナット28,31が、回転不能に保持されるようになっている。
【0052】
図16,17に示すように、保持具32の穴32b,32cがフランジ部19cのボルト穴に適合された状態で、穴32b,32cのそれぞれにボルト33,34を挿入して、フランジ部19cのボルト穴に螺合させることにより、保持具32が上述のようにフランジ部19cに固定される。この状態から、最上段の第1分割部分22aを構成する分割ロッド23を作動油タンク13の開口部19bから引き上げ、第2分割部分22bを構成するロッド26を保持具32の切欠き部32dに挿入させて、この切欠き部32dの円弧状の端部に当接させ、図15に示すナット28を、図18に示す保持具32のプレート32e,32f,32gで囲まれた領域内に位置させる。この状態において、分割ロッド23を回転させることにより、分割ロッド23のシートスクリュー23aが分割ロッド26の上端部分のねじ部から離脱し、分割ロッド23を分割ロッド26から分離させることができる。
【0053】
続いて、分割ロッド26を保持具32の切欠き部32dから離脱させて、作動油タンク13の開口部19bから引き上げ、第3分割部分22cに含まれる分割ロッド29を切欠き部32dに挿入させて、この切欠き部32dの円弧状の端部に当接させ、図15に示すナット31を、保持具32のプレート32e,32f,32gで囲まれた領域内に位置させる。この状態において、分割ロッド26を回転させることにより、分割ロッド26のシートスクリュー26aが第3分割部分22cに含まれる分割ロッド29の上端部のねじ部から離脱し、分割ロッド26を分割ロッド29から分離させることができる。
【0054】
最後に、分割ロッド29を保持具32の切欠き部32dから離脱させた後、この第3分割部分22cを構成する分割ロッド29及びフィルタ部21bを作動油タンク13の開口部19bから引き上げ、保持具32をフランジ部19cから取り外す。このようにして、作動油タンク13内に収納されていたサクションフィルタ21を、作動油タンク13の外部へ引き抜くことができる。
【0055】
また、上述とは逆に、例えば清掃がなされたサクションフィルタ21を、内部の清掃がなされた作動油タンク13へ収納する際には、作動油タンク13のフランジ部19cに上述と同様にして保持具32を固定した後、分離された状態にある最下段の第3分割部分22cに含まれる分割ロッド29の上端部分のねじ部にナット30,31を螺合させた状態で、このフィルタ部21bと分割ロッド29とが一体に連結された第3分割部分22cを、作動油タンク13の開口部19bから内部へ下降させ、分割ロッド29を保持具32の切欠き部32dに挿入させて、円弧状の端部に当接させ、分割ロッド29の上端部分のねじ部に螺合させたナット31を、保持具32のプレート32e,32f,32gで囲まれた領域内に位置させる。この状態において、分割ロッド29の上端部分のねじ部に、第2分割部分22bを構成し、上端部分のねじ部にナット27,28を螺合させた分割ロッド26のシートスクリュー26aを螺合させる。これにより、第3分割部分22cと第2分割部分22bとが一直線状に一体に連結される。
【0056】
続いて、分割ロッド29を保持部32の切欠き部32dから離脱させ、一体化されている第3分割部分22cと第2分割部分22bとを下降させた後、第2分割部分22bの分割ロッド26を保持具32の切欠き部32dに挿入させて、円弧状の端部に当接させ、分割ロッド26の上端部分のねじ部に螺合させたナット28を、保持具32のプレート32e,32f,32gで囲まれた領域内に位置させる。この状態において、分割ロッド26の上端部分のねじ部に、第1分割部分22aを構成し、上端部分のねじ部23bにナット24,25を螺合させた分割ロッド23のシートスクリュー23aを螺合させる。これにより、第2分割部分22bと第1分割部分22aとが一直線状に一体に連結される。これによりロッド部21aが一直線状に形成されたサクションフィルタ21が組み上がる。この状態から、分割ロッド26を保持具32の切欠き部32dから離脱させ、分割ロッド23を作動油タンク13内へ下降させ、第3分割部分22cに含まれるフィルタ部21bを作動油タンク13の内底面に設置する。最後に、フランジ部19cに取り付けられていた保持具32を取り外した後、カバー19に設けたブラケット19aの孔に分割ロッド23の上端部分のねじ部23bを挿入し、エアブリーザ20を有するカバー19をフランジ部19cに取り付ける。このようにして、作動油タンク13へサクションフィルタ21を収納させることができる。
【0057】
[第1実施形態の作用効果]
このようにして作動油タンク13からの引き上げ、及び作動油タンク13への収納を行なう第1実施形態に係るサクションフィルタ21は、第1分割部分22a、第2分割部分22b、第3分割部分22cそれぞれの長さを短くすることができる。したがって、作動油タンク13の上方に、障害物、すなわち第3排出コンベア11が存在するときでも、この第1実施形態によれば、フィルタ部21b及びロッド部21aを含むサクションフィルタ21を作動油タンク13へ収納する際には、上述のように分割部分22a,22b,22cごとに作動油タンク13へ順次収納していくようにすれば、収納作業空間は小さくて済み、このサクションフィルタ21の収納動作に対する作動油タンク13の上方の第3排出コンベア11による制限を緩和させることができる。逆に、フィルタ部21b及びロッド部21aを含むサクションフィルタ21を作動油タンク13から引き上げる際には、上述したように分割部分22a,22b,22cごとに作動油タンク13から順次引き上げていくようにすれば、引き上げ作業空間が小さくて済み、このサクションフィルタ21の引き上げ動作に対する作動油タンク13の上方の第3排出コンベア11による制限を緩和させることができる。したがって、この第1実施形態によれば、上述のようにサクションフィルタ21の作動油タンク13への収納動作、あるいはサクションフィルタ21の作動油タンク13からの引き上げ動作を支障を生じることなく実現させることができる。
【0058】
また、サクションフィルタ21を作動油タンク13から引き上げた後には、互いに離脱された第1分割部分22a、第2分割部分22b、第3分割部分22cを束ねることにより、全体がコンパクトになって保管が容易である。
【0059】
また、第1分割部分22a、第2分割部分22b、第3分割部分22cのそれぞれの長さを、作動油タンク13のフランジ部19cの上面と第3排出コンベア11との距離Sよりも短く設定してあることから、各分割部分22a,22b,22cを鉛直に保持した状態で作動油タンク13へ収納させることができ、フィルタ部21b及びロッド部21aを含むサクションフィルタ21の作動油タンク13への安定した設置を容易に行なうことができる。また、作動油タンク13内に収納された第1分割部分22a、第2分割部分22b、第3分割部分22cを鉛直上方に引き上げることができ、フィルタ部21b及びロッド部21aを含むサクションフィルタ21の作動油タンク13内からの引き上げ動作を能率良く実施することができる。
【0060】
また、第1分割部分22a、第2分割部分22b、第3分割部分22cを係止保持可能な保持具32を有することから、分割部分22a,22b,22cごとに順次作動油タンク13へ収納するに際し、あるいは分割部分22a,22b,22cごとに順次作動油タンク13から引き上げるに際し、分割部分22a,22b,22cを、保持具32に係止保持させながら行なうことができ、これらの分割部分22a,22b,22cの作動油タンク13への収納作業、あるいは作動油タンク13からの引き上げ作業を能率良く実施することができる。
【0061】
また、上述のように、作動油タンク13の上方空間を狭くする第3排出コンベア11を有する振動式篩機であっても、フィルタ部21b及びロッド部21aを有するサクションフィルタ21の作動油タンク13への収納動作、あるいはサクションフィルタ21の作動油タンク13内からの引き上げ動作を確実に実施することができる。
【0062】
第1実施形態が適用される振動式篩機は、障害物を構成する所定の排出コンベアである第3排出コンベア11とともに、第1排出コンベア7及び第2排出コンベア8を備えていることから、第1排出コンベア7、第2排出コンベア8、及び第3排出コンベア11のそれぞれによって、篩装置6により篩われた処理物の粒度の大きさの違いに応じて処理物を3方向に分けて排出させることができる。これにより、処理物を排出させた後に行なわれる作業の能率を向上させることができる。
【0063】
[第2実施形態の構成]
図19は本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態が収納された作動油タンクの設置状況を示す側面図、図20は本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を示す図で、(a)図は側面図、(b)図は正面図、(c)図は一部を折り曲げた状態を示す正面図である。図21は本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクに収納した際の第1分割部分を形成する分割ロッドを示す図で、(a)図は背面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図、図22は本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる際の第1分割部分を形成する分割ロッドを示す図で、(a)図は背面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図である。
【0064】
図19に示す第2実施形態に係るサクションフィルタ40も、作動油タンク13の内底面上に配置され、作動油タンク13内の作動油を浄化するフィルタ部40bと、このフィルタ部40bに連結され、上方向に延設されるロッド部40aとから成っている。ロッド部40aの上端は、カバー19の底部に取り付けられたブラケット19aに形成した孔内に挿入され、このブラケット19aに支持されている。
【0065】
第2実施形態に係るサクションフィルタ40も、フィルタ部40b及びロッド部40aを含む全体が、複数の分割部分から成っている。例えば、図20の(b)図に示すように、第1分割部分41a、第2分割部分41b、第3分割部分41cの3つの分割部分から成っている。
【0066】
第1分割部分41aを、この第1分割部分41aの下方に連結された第2分割部分41bに対して、例えば折り曲げ可能に設けてある。また、第2分割部分41bを、この第2分割部分41bの下方に連結された第3分割部分41cに対して、例えば折り曲げ可能に設けてある。
【0067】
第1分割部分41a、第2分割部分41b、及び第3分割部分41cのそれぞれの長さは、図19に示すフランジ部19cの上面と第3排出コンベア11の底部との距離Sよりも予め短く設定してある。
【0068】
第1分割部分41aを構成する分割ロッド42の下端部分に、図21,22に示すように、内部に雌ねじを有するシートスクリュー42aを装着させてある。分割ロッド42の上端部分には雄ねじから成るねじ部42bを形成してある。また、分割ロッド42のねじ部42bには、2つのナット43,44が螺合している。
【0069】
シートスクリュー42aには、このシートスクリュー42aの伸長方向に沿って互いに対向する一対の長穴42dを形成してあり、これらの長穴42dに、分割ロッド42に形成した孔に挿通させたピン45を挿入させてある。このピン45の大径の頭部とは反対側に位置する軸端付近には、ワッシャ46aを挿入させてあるとともに、この軸端部分にピン45からのワッシャ46aの脱落を防ぐベータピン46を装着させてある。
【0070】
図21の(b)図に示すように、シートスクリュー42aは、内部に形成され、このシートスクリュー42aが装着された分割ロッド42が押し込まれた際に、この分割ロッド42の下降を停止させるとともに、この分割ロッド42の回動を不能に保つ係止穴42a1と、図22の(b)図に示すように、シートスクリュー42aが装着された分割ロッド42が引き上げられた際に、この分割ロッド42の上方への移動に伴って、この分割ロッド42の回動を可能にする切欠き部42a2とを備えている。サクションフィルタ40の作動油タンク13への収納に際して、シートスクリュー42a内において分割ロッド42が下方に押し込まれ、この分割ロッド42の下端部が係止穴42a1の下端部に係止された状態では、分割ロッド42の回動は、シートスクリュー42aの切欠き部42a2の下縁部の下方部分によって阻止される。これとは逆に、シートスクリュー42a内において分割ロッド42が引き上げられ、分割ロッド42の下端部が切り欠き部42a2の下縁部を超える高さ位置となったときには、上述した切欠き部42a2の下縁部の下方部分による回動の阻止が解除されて、この分割ロッド42が回動可能となる。
【0071】
第2分割部分41bを構成する分割ロッド47及びシートスクリュー47aも、上述した分割ロッド42及びシートスクリュー42aと同等の構成になっている。すなわち、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47の下端部分に、図20に示すように、内部に雌ねじを有するシートスクリュー47aを装着させてある。分割ロッド47の上端部分には雄ねじから成るねじ部を形成してある。また、分割ロッド47のねじ部には、分割ロッド47に挿入され、螺合されたシートスクリュー42aを位置決めする2つのナット48,49が螺合している。
【0072】
第2分割部分41bのシートスクリュー47aにも、このシートスクリュー47aの伸長方向に沿って互いに対向する一対の長穴を形成してあり、これらの長穴に、分割ロッド47に形成した孔に挿通させたピン50を挿入させてある。このピン50の大径の頭部とは反対側に位置する軸端付近には、ワッシャを挿入させてあるとともに、この軸端部分にピン50からのワッシャの脱落を防ぐベータピン51を装着させてある。
【0073】
第3分割部分41cは、フィルタ部40bと、このフィルタ部40bに連結され、上方に向かって延設される分割ロッド52とから構成されている。分割ロッド52は、上端部分に、分割ロッド47に装着されたシートスクリュー47aの雌ねじに螺合する雄ねじから成るねじ部を備えている。このねじ部には、分割ロッド47に挿入され、螺合されたシートスクリュー47aを位置決めする2つのナット53,54が螺合している。
【0074】
このように構成される第2実施形態に係るサクションフィルタ40が作動油タンク13へ収納された状態にあっては、図19に示すように、第1分割部分41aを構成する分割ロッド42の上端部分に形成したねじ部42bが、カバー19に取り付けられたブラケット19bに形成した孔内に挿入され、分割ロッド42がブラケット19bに保持されるようになっている。
【0075】
第2実施形態に係るサクションフィルタ40が備えられる振動式篩機の構成は、図1〜11に示したものと同等である。また、上述の実施形態では活用されていた図18に示す保持具32は、第2実施形態においては例えば用いられることなくサクションフィルタ40の作動油タンク13への収納、あるいはサクションフィルタ40の作動油タンク13からの引き上げが行なわれるようになっている。
【0076】
[第2実施形態の作動油タンクに対する引き上げ動作、及び収納動作]
図23〜27は、本発明に係る第2実施形態に備えられるサクションフィルタを作動油タンクから引き上げる作業を示す図で、図23は第1分割部分を引き上げた状態を示す図、図24は引き上げた第1分割部分を折り曲げた状態を示す図、図25は第2分割部分まで引き上げた状態を示す、図26は引き上げた第2分割部分を折り曲げた状態を示す図、図27はフィルタ部まで引き上げた状態を示す図である。図28は本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げた際の形態を示す図で、(a)図は図25に対応する図、(b)図は図26に対応する図、(c)図は引き上げた後の保管時の形態を示す図である。
【0077】
上述した図19に示すように、作動油タンク13内にフィルタ部40b及びロッド部40aを含むサクションフィルタ40が収納されている状態から、サクションフィルタ40を、例えばこのサクションフィルタ40の交換と、作動油タンク13内の清掃のために引き上げる際には、上述したように、作動油タンク13の開口部19bを覆っているカバー19及びエアブリーザ20が取り外される。
【0078】
この状態から、図23に示すように、最上段の第1分割部分41aを構成する分割ロッド42が作動油タンク13の開口部19bから引き上げられる。このとき、図22に示すように、第1分割部分41aを構成する分割ロッド42の下端部がシートスクリュー42aの係止穴42a1内を上方に移動し、これに伴ってピン45がシートスクリュー42aの長穴42d内を上方に移動する。分割ロッド42の下端部がシートスクリュー42aの切り欠き部42a2の下縁部を超える高さ位置となると、分割ロッド42は、ピン45を中心に、シートスクリュー42aに対して回動可能になる。
【0079】
同様に、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47の下端部がシートスクリュー47aの係止穴内を上方に移動し、これに伴ってピン50がシートスクリュー47aの長穴47d内を上方に移動する。分割ロッド47の下端部がシートスクリュー47aの切り欠き部の下縁部を超える高さ位置となると、分割ロッド47は、ピン50を中心に、シートスクリュー47aに対して回動可能になる。
【0080】
したがって、上述したように第1分割部分41aを構成する分割ロッド42が、作動油タンク13の開口部19bから引き上げられた際に、図24及び図20の(c)図に示すように、分割ロッド42をピン45を中心に折り曲げることができる。
【0081】
続いて、図25及び図28の(a)図に示すように、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47が作動油タンク13の開口部19bから引き上げられ、図26、及び図28の(b)図に示すように、分割ロッド47をピン50を中心に折り曲げることができる。
【0082】
最後に、図27に示すように、第3分割部分41cを構成する分割ロッド52及びフィルタ部40bが、作動油タンク13の開口部19bから引き上げられる。このようにして、作動油タンク13内に収納されていたサクションフィルタ40を、作動油タンク13内から引き抜くことができる。
【0083】
サクションフィルタ40を作動油タンク13内から引き上げた後には、例えば図28の(c)図に示すように、第1分割部分41aを構成する分割ロッド42、及び第2分割部分41bを構成する分割ロッド47が折り畳まれ、所定の場所に保管される。
【0084】
このようにしてサクションフィルタ40が取り出された作動油タンク13内が、清掃された後、新しいサクションフィルタ40を作動油タンク13へ収納する際には、例えば図28の(c)図の形態に折り畳まれている第1分割部分41aを構成する分割ロッド42と、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47を、ピン45,50を中心にそれぞれ回動させて図28の(b)図に示す形態まで伸ばしてから、フィルタ部40b及び分割ロッド47を図27及び図26に示すように、作動油タンク13の開口部19bから下降させる。
【0085】
続いて、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47をピン50を中心に回動させて、図28の(a)図に示すように、第3分割部分41cを構成する分割ロッド52とともに一直線状となるように伸ばし、図25及び図24に示すように、分割ロッド47を作動油タンク13内に下降させる。
【0086】
引き続いて、第1分割部分41aを構成する分割ロッド42を図20の(b)図、及び図23に示すように、ピン45を中心に回動させて、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47とともに一直線状となるように、すなわち直線状のロッド部40aを形成するように伸ばし、分割ロッド42を作動油タンク13内に下降させる。
【0087】
このようにしてサクションフィルタ40を作動油タンク13内に収納した状態では、図21に示すように、第1分割部分41aを構成する分割ロッド42が押し込まれて、その下端部がシートスクリュー42aの係止穴42a1内を下方に移動して、係止穴42a1の下端部に係止される。この間、ピン45がシートスクリュー42aの長穴42d内を下方に移動し、分割ロッド42の下端部がシートスクリュー42aの切り欠き部42a2の下縁部よりも下方に位置する状態となり、分割ロッド42は、回動不能にシートスクリュー42aに保持される状態となる。
【0088】
同様に、第2分割部分41bを構成する分割ロッド47が押し込まれて、その下端部がシートスクリュー47aの係止穴内を下方に移動して、係止穴の下端部に係止される。この間、ピン50がシートスクリュー47の長穴内を下方に移動し、分割ロッド47の下端部がシートスクリュー47aの切り欠き部の下縁部よりも下方に位置する状態となり、分割ロッド47は、回動不能にシートスクリュー47aに保持される状態となる。
【0089】
サクションフィルタ40を作動油タンク13へ収納した後には、カバー19に設けたブラケット19aの孔に分割ロッド42の上端部分のねじ部42bを挿入し、エアブリーザ20を有するカバー19をフランジ部19cに取り付けることが行なわれる。
【0090】
[第2実施形態の作用効果]
このように構成した第2実施形態に係るサクションフィルタ40も、前述した第1実施形態と同様に、全体が第1分割部分41a、第2分割部分41b、及び第3分割部分41cによって構成されているので、サクションフィルタ40を作動油タンク13へ収納する際に、分割部分41a,41b,41cごとに作動油タンク13へ順次収納させることにより、このサクションフィルタ40の収納動作に対する作動油タンク13の上方の第3排出コンベア11による制限を緩和させることができる。また、サクションフィルタ40を作動油タンク13内から引き上げる際に、分割部分41a,41b,41cごとに作動油タンク13内から引き上げることにより、このサクションフィルタ40の引き上げ動作に対する作動油タンク13の上方の第3排出コンベア11による制限を緩和させることができる。これらのことから、サクションフィルタ40の作動油タンク13への収納動作、あるいはサクションフィルタ40の作動油タンク13からの引き上げ動作を支障を生じることなく実現させることができる。
【0091】
また、サクションフィルタ40を作動油タンク13から引き上げた後には、図28の(c)図に示すように、分割部分41a,41b,41cを互いに折り曲げた形態に保持することにより、全体がコンパクトになって保管が容易である。
【0092】
さらに、第1分割部分41a、第2分割部分41b、第3分割部分41cを互いに離脱させる作業を要することなく、これらの分割部分41a,41b,41cを作動油タンク13へ収納させ、あるいは作動油タンク13内から引き上げることができ、サクションフィルタ40の作動油タンク13への収納作業、及び作動油タンク13内からの引き上げ作業を容易に行なうことができ、優れた作業性を確保できる。その他の作用効果については、図1〜図17に示した実施形態から保持具に関する作用効果を除いたものと、ほぼ同等である。
【0093】
[他の実施形態]
なお、上記各実施形態では、サクションフィルタ21,40のそれぞれが3つの分割部分となっているが、作動油タンク13の上方の障害物の高さ位置によっては2つの分割部分によって構成してもよく、また、4つ以上の分割部分によって構成してもよい。すなわち、作動油タンク13の上方の作業空間に存在する障害物の高さ位置を考慮して、分割部分の数を設定するようにすればよい。
【0094】
また、上記各実施形態では、サクションフィルタ21,40が収納される作動油タンク13が装着される作業機械として振動式篩機を挙げたが、本発明は、このように振動式篩機に装備される作動油タンク13にサクションフィルタ21,40を設けることには限られず、油圧ショベル、油圧式クレーン等の建設機械を含めて各種の作業機械に適用可能である。特に、作動油タンク13の上方にサクションフィルタ21,40の収納動作、引き上げ動作の障害となる障害物が存在する場合に有効であるが、作動油タンク13の上方に障害物が存在しないものにあっても適用することができる。
【0095】
また、図1〜図18に示す第1実施形態では、サクションフィルタ21の分割部分22a,22b,22cを互いに離脱可能に設けてあり、図19〜図28に示す第2実施形態では、サクションフィルタ40の分割部分41a,41b,41cを互いに折り曲げ可能に設けてあるが、本発明は、このようにサクションフィルタを構成する全ての分割部分を離脱可能に、あるいは全ての分割部分を折り曲げ可能に設けることには限られない。複数の分割部分を、一部の分割部分の間では離脱可能に、他の分割部分の間では折り曲げ可能に構成することもできる。
【0096】
なお、上記各実施形態では、振動式篩機が、所定の排出コンベアを構成する第3排出コンベア11とともに、第1排出コンベア7と、第2排出コンベア8を備えた構成になっているが、本発明は、振動式篩機がこのように構成されるものには限られない。振動式篩機が、第3排出コンベア11とともに、第1排出コンベア7及び第2排出コンベア8のどちらか一方を備えたものであってもよく、また、第1排出コンベア7及び第2排出コンベア8を備えずに、第3排出コンベア11のみを備えたものであってもよく、また、第1排出コンベア7、第2排出コンベア8、及び第3排出コンベア11の他に、さらに別の排出コンベアを備えたものであってもよい。
【0097】
また、上記各実施形態では、振動式篩機の篩装置6の第1振動床14がフィンガー装置14aを有し、第2振動床15がフィンガー装置15aを有する構成にしてあるが、本発明は、篩装置6の第1振動床14、第2振動床15を、このようにフィンガー装置14a,15aを有する構成にすることには限られない。第1振動床14、第2振動床15を、格子状の網部材によって構成してもよく、また、複数のグリズリバーによって構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が適用される作業機械の一例として挙げた振動式篩機を示す側面図である。
【図2】図1に示す振動式篩機の平面図である。
【図3】図1に示す振動式篩機の正面図である。
【図4】図1に示す振動式篩機に備えられる篩装置の平面図である。
【図5】図4に示す篩装置の側面図である。
【図6】図5に示す篩装置の内部を示す側面図である。
【図7】図4に示す篩装置の正面図である。
【図8】図1に示す振動式篩機に備えられるパワーユニット部分を示す要部拡大図である。
【図9】図8のA矢視に相応する図である。
【図10】図8に示すパワーユニット部分を示す平面図である。
【図11】図1に示す振動式篩機の輸送時の姿勢を示す側面図である。
【図12】本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態が収納された作動油タンクを示す平面図である。
【図13】図12に示す作動油タンクの内部を示す側面図である。
【図14】図12に示す作動油タンクの設置状況を示す側面図である。
【図15】本発明に係るサクションフィルタの第1実施形態を示す図で、(a)図は正面図、(b)図は分割部分を形成する分割ロッドを示す正面図である。
【図16】本発明に係る第1実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を説明する図で、保持具を設置した作動油タンクを示す平面図である。
【図17】本発明に係る第1実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を説明する図で、保持具を設置した作動油タンクを示す一部を破断した側面図である。
【図18】図16に示す作動油タンクに設置される保持具を示す図で、(a)図は平面図、(b)図は正面図である。
【図19】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態が収納された作動油タンクの設置状況を示す側面図である。
【図20】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を示す図で、(a)図は側面図、(b)図は正面図、(c)図は一部を折り曲げた状態を示す正面図である。
【図21】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクに収納した際の第1分割部分を形成する分割ロッドを示す図で、(a)図は背面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図である。
【図22】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる際の第1分割部分を形成する分割ロッドを示す図で、(a)図は背面図、(b)図は側面図、(c)図は正面図である。
【図23】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を示す図で、第1分割部分を引き上げた状態を示す図である。
【図24】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を示す図で、引き上げた第1分割部分を折り曲げた状態を示す図である。
【図25】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を示す図で、第2分割部分まで引き上げた状態を示す図である。
【図26】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を示す図で、引き上げた第2分割部分を折り曲げた状態を示す図である。
【図27】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げる作業を示す図で、フィルタ部まで引き上げた状態を示す図である。
【図28】本発明に係るサクションフィルタの第2実施形態を作動油タンクから引き上げた際の形態を示す図で、(a)図は図25に対応する図、(b)図は図26に対応する図、(c)図は引き上げた際の保管時の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0099】
1 走行体
2 本体フレーム
3 回動軸
4 傾動フレーム
4a フレーム
5 ばね部材
6 篩装置
6a サイドプレート
6b サイドプレート
6c 前側プレート
6d 後側プレート
7 第1排出コンベア
8 第2排出コンベア
9 支持部材
10 パワーユニット
11 第3排出コンベア(所定の排出コンベア)(障害物)
12 ホッパ
13 作動油タンク
13a 吸い込み管
14 第1振動床
15 第2振動床
16 油圧ポンプ
17 制御盤
18 エンジン
18a 熱交換器
19 カバー
19a ブラケット
19b 開口部
19c フランジ部
20 エアブリーザ
21 サクションフィルタ
21a ロッド部
21b フィルタ部
22a 第1分割部分
22b 第2分割部分
22c 第3分割部分
23 分割ロッド
23a シートスクリュー
23b ねじ部
26 分割ロッド
26a シートスクリュー
27 ナット
28 ナット
29 分割ロッド
30 ナット
31 ナット
32 保持具
32a 基部
32b 穴
32c 穴
32d 切欠き部
32e プレート
32f プレート
32g プレート
33 ボルト
34 ボルト
40 サクションフィルタ
40a ロッド部
40b フィルタ部
41a 第1分割部分
41b 第2分割部分
41c 第3分割部分
42 分割ロッド
42a シートスクリュー
42a1 係止穴
42a2 切欠き部
42b ねじ部
42d 長穴
43 ナット
44 ナット
45 ピン
46 ベータピン
46a ワッシャ
47 分割ロッド
47a シートスクリュー
47d 長穴
48 ナット
49 ナット
50 ピン
51 ベータピン
52 分割ロッド
53 ナット
54 ナット
S 距離

【特許請求の範囲】
【請求項1】
作動油タンクを有する作業機械に備えられ、上記作動油タンク内の作動油を浄化するフィルタ部と、このフィルタ部に連結され、上方向に延設されるロッド部とを備えた作業機械のサクションフィルタにおいて、
上記フィルタ部及び上記ロッド部を含む全体が、複数の分割部分から成ることを特徴とする作業機械のサクションフィルタ。
【請求項2】
上記請求項1記載の作業機械のサクションフィルタにおいて、
上記分割部分のうちの上方に位置する分割部分を、この分割部分の下方に連結された分割部分に対して、離脱可能に、または折り曲げ可能に設けたことを特徴とする作業機械のサクションフィルタ。
【請求項3】
上記請求項1記載の作業機械のサクションフィルタにおいて、
上記作業機械は、上記作動油タンクの上方に、上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクへの収納動作の障害となる障害物、あるいは上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクからの引き上げ動作の障害となる障害物を有するとともに、
全ての上記分割部分の長さを、上記作動油タンクと上記障害物との距離よりも短く設定したことを特徴とする作業機械のサクションフィルタ。
【請求項4】
上記請求項1記載の作業機械のサクションフィルタにおいて、
上記作業機械は、上記作動油タンクの上面付近に着脱可能に設けられ、上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクへの収納に際し、あるいは上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンク内からの引き上げに際し、上記分割部分を係止保持可能な保持具を有することを特徴とする作業機械のサクションフィルタ。
【請求項5】
上記請求項1〜4のいずれか1項記載の作業機械のサクションフィルタにおいて、
上記作業機械が、振動式篩機から成り、
この振動式篩機が、走行体と、この走行体上に設けられた本体フレームと、この本体フレームの一方側に装着される回動軸を有し上記本体フレームに対して傾動可能な傾動フレームと、この傾動フレーム上に、ばね部材を介して取り付けられた振動式の篩装置と、上記篩装置における最上流側の下側に配置され、かつ、上記走行体に対して他方側に張り出して設けられ、傾動フレームの自由端側に吊り下げ支持されたパワーユニットと、上記傾動フレームの下部に沿うようにこの傾動フレームに設けられ、上記パワーユニットの上部を貫通して上記傾動フレームの他方側へ突出し、上記篩装置により篩われた処理物を排出する所定の排出コンベアとを備え、
上記篩装置は、一対のサイドプレートと前側プレートと後側プレートとから成る筐体と、互いの配置間隔が広く設定された第1振動床と、互いの配置間隔が狭く設定された第2振動床とを有し、
上記パワーユニット内に、熱交換器、エンジン、及び油圧ポンプを車体の幅方向に沿って配置してあるとともに、これらの熱交換器、エンジン、及び油圧ポンプよりも車体中心寄りに上記作動油タンクを配置してあり、
上記所定の排出コンベアが、上記作動油タンクの上方に配置され、上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクへの収納動作の障害となる障害物、または上記フィルタ部及び上記ロッド部の上記作動油タンクからの引き上げ動作の障害となる障害物を形成していることを特徴とする作業機械のサクションフィルタ。
【請求項6】
上記請求項5記載の作業機械のサクションフィルタにおいて、
上記作業機械が、上記本体フレームの一方側に設けられ、上記篩装置により篩われて残った粒度の大きな処理物を排出する第1排出コンベアと、上記本体フレームの一方側に設けられ、上記篩装置により篩われて残った中程度の粒度の処理物を側方へ排出する第2排出コンベアとを備え、上記所定の排出コンベアは、第1排出コンベアで排出される処理物、及び上記第2排出コンベアで排出される処理物に比べて粒度の小さな処理物を排出する排出コンベアから成ることを特徴とする作業機械のサクションフィルタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【公開番号】特開2009−138808(P2009−138808A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−313807(P2007−313807)
【出願日】平成19年12月4日(2007.12.4)
【出願人】(000005522)日立建機株式会社 (2,611)
【Fターム(参考)】